JP2009291743A - 膜濾過装置管理システム及びこれに用いられる膜濾過装置、並びに、膜濾過装置管理方法 - Google Patents

膜濾過装置管理システム及びこれに用いられる膜濾過装置、並びに、膜濾過装置管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】膜濾過装置をより精度よく管理することができる膜濾過装置管理システム及びこれに用いられる膜濾過装置、並びに、膜濾過装置管理方法を提供する。
【解決手段】膜濾過装置50に備えられた少なくとも2つの膜エレメント10に、電導度センサ11、流量センサ13又は圧力センサ15のうち少なくとも2つのセンサを備えた取付部材(インターコネクタ42)をそれぞれ取り付ける。管理装置200が、上記少なくとも2つのセンサからデータを取得し、膜濾過装置50における軸線方向に沿った位置と、上記少なくとも2つのセンサからそれぞれ得られる基準値との相関関係を表す比較データと比較する。これにより、膜濾過装置50内に生じる変化の原因をより明確に特定し、その原因に応じて適切なメンテナンスを行うことができるので、膜濾過装置50をより精度よく管理することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、筒状の耐圧容器内に軸線方向に沿って複数の膜エレメントが並べて配置されることにより形成され、上記膜エレメントにより原液を濾過して透過液を生成する膜濾過装置を管理するための膜濾過装置管理システム及びこれに用いられる膜濾過装置、並びに、膜濾過装置管理方法に関するものである。
膜エレメントを一直線上に複数配置するとともに、隣接する膜エレメントの上記中心管同士をインターコネクタ(連結部)で連結することにより構成される膜濾過装置が知られている。このようにして連結された複数の膜エレメントは、例えば樹脂により形成された耐圧容器内に収容され、1本の膜濾過装置として取り扱われる(例えば、特許文献1参照)。
この種の膜濾過装置は、一般的に、排水や海水などの原水(原液)を濾過して、浄化された透過水(透過液)を得るために用いられる。特に大型のプラントなどでは、多数本の膜濾過装置がトレーンと呼ばれるラックで保持されることにより、トレーンごとに処理特性(圧力、透過水の水質及び水量など)の管理が行われている。
しかしながら、上記のようにトレーンごとに処理特性の管理を行う場合には、トレーンにより保持されている多数本の膜濾過装置のうち、一部の膜濾過装置における膜エレメント又は連結部にのみ不具合がある場合に、その不具合箇所を特定することが困難であり、当該特定作業に多大な労力がかかるという問題があった。
また、上記のように複数の膜エレメントを備えた膜濾過装置がトレーンにより多数本保持された構成では、トレーンにおける各膜濾過装置の位置、又は、各膜濾過装置内における各膜エレメントの位置に応じて、分離膜の汚染具合及び当該分離膜により原液が濾過される際の負荷が異なる。そのため、膜エレメントを交換する際には、新しい膜エレメントと、まだ使用可能な膜エレメントを適宜に組み合わせて耐圧容器内に収容することにより、最終的にトレーン全体で最適な処理性能を発揮できるように、各膜エレメントの配置及び組み合わせの最適化を行っている。しかしながら、現状では、使用期間のみに基づいて最適化を行っているため、十分に最適化が行われているとは言えない。
さらに、膜エレメントの洗浄や交換といったメンテナンスを行うか否かの判断は、トレーンごとの処理特性に基づいて行われるため、膜エレメントによっては、その位置や使用期間によりメンテナンスが必ずしも適切に行われているとは言えない場合がある。すなわち、場合によっては、いずれかの膜エレメントがメンテナンスを行うには手遅れの状態となっていたり、又は、必要以上に早い段階でメンテナンスが行われていたりする場合があった。
上記のような問題に対し、上記特許文献1に開示されているような技術を用いれば、膜エレメントごとに、その膜エレメントに備えられた無線タグ(RFIDタグ)に上記処理特性に関するデータを予め格納しておき、各無線タグからデータを読み出すことにより、膜エレメントごとに上記処理特性の管理を行うことが可能である。しかし、このような無線タグに予め格納されているデータのみに基づいて管理を行う場合であっても、各膜エレメントの状態は時々刻々と変化するため、管理の精度が十分であるとは言えず、各膜エレメントの状態をリアルタイムで検知することができれば、より精度よく管理を行うことが可能である。
そこで、センサなどを用いて各膜エレメントの状態をリアルタイムで検知する方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2には、複数の膜エレメントに対して流量センサ、電導度センサ等を設ける点が記載されている。
特表2007−527318号公報 国際公開第2007/030647号パンフレット
上記の方法は、センサなどを用いて各膜エレメントの状態を検知して、交換の必要性の有無を判断するものであるため、各膜エレメントにおける状態の変化は確認できるものの、その変化の原因まで特定することは困難である。例えば、いずれかの膜エレメントにおいて透過水や原水など液体の性状に変化が生じた場合であっても、その原因は、増殖した微生物が膜に付着することによって発生するバイオファウリングによるものである場合もあれば、上記液体が濃縮されることにより析出した塩類が膜に付着することによって発生するスケールによるものである場合もある。
したがって、たとえ各膜エレメントにおける状態の変化を確認することができたとしても、その変化の原因に応じて行うべきメンテナンスの方法も異なるため、当該原因を特定することができなければメンテナンスを良好に行うことができない。また、上記原因の特定を誤った場合には、メンテナンスを行っても良好な効果が得られないだけでなく、かえって各膜エレメントの寿命を短縮してしまうなどの問題が生じるおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、膜濾過装置をより精度よく管理することができる膜濾過装置管理システム及びこれに用いられる膜濾過装置、並びに、膜濾過装置管理方法を提供することを目的とする。
第1の本発明に係る膜濾過装置管理システムは、筒状の耐圧容器内に軸線方向に沿って複数の膜エレメントが並べて配置されることにより形成され、上記膜エレメントにより原液を濾過して透過液を生成する膜濾過装置と、上記膜濾過装置を管理するための管理装置とを備え、上記複数の膜エレメントのうち少なくとも2つの膜エレメントには、上記透過液の電導度を測定するための電導度センサ、上記透過液の流量を測定するための流量センサ、又は、上記原液の圧力を測定するための圧力センサのうち少なくとも1つのセンサを備えた取付部材がそれぞれ取り付けられ、上記管理装置が、上記少なくとも1つのセンサからデータを取得するデータ取得手段と、上記膜濾過装置における軸線方向に沿った位置と、上記少なくとも1つのセンサから得られる基準値との相関関係を表す比較データを予め記憶している比較データ記憶手段と、上記データ取得手段により取得したデータを上記比較データと比較するデータ比較手段とを有することを特徴とする。
このような構成によれば、電導度センサ、流量センサ又は圧力センサのうち少なくとも1つのセンサを備えた取付部材が、膜濾過装置内の少なくとも2つの膜エレメントに取り付けられるので、これらのセンサから取得したデータと、当該センサの膜濾過装置内における軸線方向の各位置とが対応付けられたデータを得ることができる。このようにして得られるデータを比較データと比較することにより、膜濾過装置内に生じる変化の原因をより明確に特定し、その原因に応じて適切なメンテナンスを行うことができるので、膜濾過装置をより精度よく管理することができる。
例えば、上記取付部材が膜エレメントに対して着脱可能に取り付けられるような構成であれば、膜エレメントを交換する場合であっても、取付部材を新しい膜エレメントに付け替えることにより、当該取付部材に備えられているセンサを再利用することができる。また、膜エレメントには変更を加える必要がないので、従来の膜エレメントをそのまま使用することができる。
第2の本発明に係る膜濾過装置管理システムは、上記膜濾過装置における上記軸線方向の一端側の膜エレメント及び他端側の膜エレメントにそれぞれ取り付けられる上記取付部材にのみ、上記センサが備えられていることを特徴とする。
このような構成によれば、膜濾過装置における軸線方向の一端側の膜エレメント及び他端側の膜エレメントにそれぞれ取り付けられる取付部材にのみ備えられたセンサからデータを取得し、そのデータを比較データと比較することにより、膜濾過装置を管理することができる。全ての取付部材にセンサを設ければ、膜濾過装置をさらに精度よく管理することができるが、この場合、センサの数が多くなるため、製造コストが高くなるといった問題がある。しかし、本発明のように、膜濾過装置における軸線方向の一端側の膜エレメント及び他端側の膜エレメントにそれぞれ取り付けられる取付部材にのみセンサを設ければ、膜濾過装置における液体(透過液や原液)の入口付近及び出口付近における当該液体の性状を検知することにより、膜濾過装置内に生じる変化の原因を比較的良好に特定することができる。したがって、必要最低限のセンサを用いて、膜濾過装置をより精度よく管理することができる。
第3の本発明に係る膜濾過装置管理システムは、上記管理装置が、上記データ比較手段による比較結果に基づいて、上記膜濾過装置の運転に関する指示信号を出力する指示信号出力手段を有することを特徴とする。
このような構成によれば、膜濾過装置内に生じる変化の原因をより明確に特定し、その原因に応じた指示信号を出力することができるので、より適切なメンテナンスを行うことができ、膜濾過装置をより精度よく管理することができる。
第4の本発明に係る膜濾過装置管理システムは、上記取付部材が、上記複数の膜エレメントを互いに接続するためのインターコネクタであることを特徴とする。
このような構成によれば、膜エレメントを互いに接続するための取付部材として膜濾過装置にもともと備えられているインターコネクタに、電導度センサ、流量センサ又は圧力センサのうち少なくとも1つのセンサを設けることができる。このように、膜濾過装置にもともと備えられている取付部材を利用することにより、取付部材を別途設ける必要がないので、製造コストを低減することができる。
第5の本発明に係る膜濾過装置は、上記膜濾過装置管理システムに用いられる膜濾過装置であって、上記軸線方向の一端側の膜エレメント及び他端側の膜エレメントにそれぞれ取り付けられる上記取付部材にのみ、上記センサが備えられていることを特徴とする。
このような構成によれば、第1及び第2の本発明に係る濾過装置管理システムと同様の効果を奏する膜濾過装置を提供することができる。
第6の本発明に係る膜濾過装置管理方法は、筒状の耐圧容器内に軸線方向に沿って複数の膜エレメントが並べて配置されることにより形成され、上記膜エレメントにより原液を濾過して透過液を生成する膜濾過装置を管理するための膜濾過装置管理方法であって、上記複数の膜エレメントのうち少なくとも2つの膜エレメントにそれぞれ取り付けられる取付部材に備えられた、上記透過液の電導度を測定するための電導度センサ、上記透過液の流量を測定するための流量センサ、又は、上記原液の圧力を測定するための圧力センサのうち少なくとも1つのセンサからデータを取得するデータ取得ステップと、上記データ取得ステップにより取得したデータを、上記膜濾過装置における軸線方向に沿った位置と、上記少なくとも1つのセンサから得られる基準値との相関関係を表す比較データと比較するデータ比較ステップとを有することを特徴とする。
このような構成によれば、第1の本発明に係る濾過装置管理システムと同様の効果を奏する膜濾過装置管理方法を提供することができる。
第7の本発明に係る膜濾過装置管理方法は、上記データ取得ステップでは、上記膜濾過装置における上記軸線方向の一端側の膜エレメント及び他端側の膜エレメントにそれぞれ取り付けられる上記取付部材に備えられた上記センサからのデータのみを取得することを特徴とする。
このような構成によれば、第2の本発明に係る濾過装置管理システムと同様の効果を奏する膜濾過装置管理方法を提供することができる。
第8の本発明に係る膜濾過装置管理方法は、上記データ比較ステップによる比較結果に基づいて、上記膜濾過装置の運転に関する指示信号を出力する指示信号出力ステップを有することを特徴とする。
このような構成によれば、第3の本発明に係る濾過装置管理システムと同様の効果を奏する膜濾過装置管理方法を提供することができる。
本発明によれば、膜濾過装置内に生じる変化の原因をより明確に特定し、その原因に応じて適切なメンテナンスを行うことができるので、膜濾過装置をより精度よく管理することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る膜濾過装置50の一例を示した概略断面図である。また、図2は、図1の膜エレメント10の内部構成を示した斜視図である。この膜濾過装置50は、膜エレメント10を耐圧容器40内に一直線上に複数配置することにより構成されている。
耐圧容器40は、樹脂製の筒体からなり、例えばFRP(Fiberglass Reinforced Plastics)により形成される。この耐圧容器40内に軸線方向に沿って複数の膜エレメント10が並べて配置されている。耐圧容器40の一端部には、排水や海水などの原水(原液)が流入する原水流入口48が形成されており、当該原水流入口48から所定の圧力で流入する原水が複数の膜エレメント10で濾過されることにより、浄化された透過水(透過液)と、濾過後の原水である濃縮水(濃縮液)とが得られる。耐圧容器40の他端部には、透過水が流出する透過水流出口46と、濃縮水が流出する濃縮水流出口44とが形成されている。
図2に示すように、膜エレメント10は、分離膜12と供給側流路材18と透過側流路材14とが積層された状態で中心管20の周囲にスパイラル状に巻回されることにより形成されたRO(Reverse Osmosis:逆浸透)エレメントである。
より具体的には、樹脂製の網状部材からなる矩形形状の透過側流路材14の両面に、同一の矩形形状からなる分離膜12が重ね合わせられるとともに、その3辺が接着されることにより、1辺に開口部を有する袋状の膜部材16が形成される。そして、この膜部材16の開口部が中心管20の外周面に取り付けられ、樹脂製の網状部材からなる供給側流路材18とともに中心管20の周囲に巻回されることにより、上記膜エレメント10が形成される。上記分離膜12は、例えば不織布層上に多孔性支持体及びスキン層(緻密層)が順次に積層されることにより形成される。
上記のようにして形成された膜エレメント10の一端側から原水を供給すると、原水スペーサとして機能する供給側流路材18により形成された原水流路を介して、膜エレメント10内を原水が通過する。その際、原水が分離膜12により濾過され、原水から濾過された透過水が、透過水スペーサとして機能する透過側流路材14により形成された透過水流路内に浸透する。
その後、透過水流路内に浸透した透過水が、当該透過水流路を通って中心管20側に流れ、中心管20の外周面に形成された複数の通水孔(図示せず)から中心管20内に導かれる。これにより、膜エレメント10の他端側から、中心管20を介して透過水が流出するとともに、供給側流路材18により形成された原水流路を介して濃縮水が流出することとなる。
図1に示すように、耐圧容器40内に収容されている複数の膜エレメント10は、隣接する膜エレメント10の中心管20同士が管状のインターコネクタ42で連結されている。このインターコネクタ42は、膜エレメント10の中心管20に対して着脱可能な取付部材を構成している。したがって、原水流入口48から流入した原水は、当該原水流入口48側の膜エレメント10から順に原水流路内に流れ込み、各膜エレメント10で原水から濾過された透過水が、インターコネクタ42により接続された1本の中心管20を介して透過水流出口46から流出する。一方、各膜エレメント10の原水流路を通過することにより透過水が濾過されて濃縮された濃縮水は、濃縮水流出口44から流出する。
本実施形態では、各インターコネクタ42に、透過水の電導度を測定するための電導度センサ11と、透過水の流量を測定するための流量センサ13と、原水の圧力を測定するための圧力センサ15とが設けられている。電導度センサ11は、インターコネクタ42の内部に設けられ、当該インターコネクタ42内を流れる透過水の電導度を測定する。なお、透過水の電導度を測定するために、インターコネクタ42内に当該透過水の温度を測定するための温度センサも設けることが好ましい。流量センサ13は、インターコネクタ42の内部に設けられ、当該インターコネクタ42内を流れる透過水の流量を測定する。圧力センサ15は、インターコネクタ42の外部に設けられ、当該インターコネクタ42の外側を流れる原水の圧力を測定する。
これらのセンサ11,13,15は、各インターコネクタ42に1つずつ設けられていてもよいし、インターコネクタ42ごとに設けられている数が異なっていてもよいが、隣接する同種のセンサが等間隔で配置されるように設けられていることが好ましい。また、各センサ11,13,15は、インターコネクタ42に限らず、膜エレメント10に対して着脱可能な他の取付部材に設けられていてもよい。例えば、膜エレメント10の上流側(原水流入口48側)の端部に取り付けられた取付部材や、膜エレメント10の下流側(透過水流出口46側)の端部に取り付けられた取付部材に、各センサ11,13,15が設けられたような構成であってもよい。
なお、上記3つのセンサ11,13,15の全てがインターコネクタ42に設けられているような構成に限らず、上記3つのセンサ11,13,15のうち少なくとも1つのセンサが備えられていればよい。また、膜濾過装置50に備えられる膜エレメント10及びインターコネクタ42の数は、図1の例に示すような数に限定されるものではない。
図3は、図1の膜濾過装置50に適用される膜濾過装置管理システムの一例を示したブロック図である。この膜濾過装置管理システムでは、多数本の膜濾過装置50が備えられた造水装置100により、排水や海水などの原水を濾過して、浄化された透過水を生成することができるとともに、中央監視センターに設けられた管理装置200により、当該造水装置100の管理を行うことができるようになっている。造水装置100には、トレーンと呼ばれるラックが複数設けられており、各トレーンに多数本の膜濾過装置50が保持され、トレーンごとに処理特性の管理が行われる。
各膜濾過装置50には、上述の電導度センサ11、流量センサ13及び圧力センサ15が設けられたインターコネクタ42の他に、造水装置100に設けられている通信装置60との間で通信を行うための通信部51が備えられている。通信部51及び通信装置60は、それぞれアンテナを備えており、互いに無線通信を行うことができるようになっている。各センサ11,13,15から出力されるデータは、通信部51を介して通信装置60へ無線送信され、当該通信装置60を介して中央監視センターの管理装置200へ送信される。通信部51は、膜エレメント10に取り付けられていてもよいし、インターコネクタ42などの膜濾過装置50に備えられた他の部材に取り付けられていてもよい。ただし、各センサ11,13,15からのデータは、通信装置60へ無線送信されるような構成に限らず、各センサ11,13,15が通信装置60に対して配線を介して接続されることにより、有線送信されるような構成であってもよい。
造水装置100には、上記膜濾過装置50及び通信装置60の他に、各膜濾過装置50に対するメンテナンスを実行するためのメンテナンス実行部70や、当該造水装置100の状態等に関する各種表示を行うための表示装置80などが備えられている。メンテナンス実行部70には、例えば供給する原水の圧力を調整する圧力バルブ、原水の流量を調整する流量調整バルブ、薬品を投入して膜濾過装置50内を洗浄する薬品洗浄ユニットなどが備えられている。メンテナンス実行部70に備えられている上記各部は、作業者による直接の操作により動作するだけでなく、中央監視センターの管理装置200から通信装置60を介して受信した指示信号に基づいて動作することもできるようになっている。表示装置80は、例えば液晶表示器などにより構成することができる。
中央監視センターの管理装置200は、例えばコンピュータからなり、通信部201、データ比較部202、指示信号出力部203及び比較データ記憶部204などが備えられている。通信部201は、造水装置100の通信装置60との間で通信を行う。当該通信は、有線又は無線のいずれであってもよい。当該通信部201は、膜濾過装置50に備えられている各センサ11,13,15からのデータを、通信装置60を介して取得するデータ取得手段を構成している。
比較データ記憶部204は、取得した各センサ11,13,15からのデータと比較するための比較データを予め記憶している比較データ記憶手段である。当該比較データは、膜濾過装置50における軸線方向に沿った位置と、各センサ11,13,15からそれぞれ得られる基準値との相関関係のデータからなる。例えば、膜濾過装置50における軸線方向に沿って異なる位置に設けられた複数のセンサ11,13,15について、それらの各位置に、当該膜濾過装置50が正常に動作している状態(メンテナンスを行う必要がない状態)で各センサ11,13,15から得られるデータを基準値として対応付けることにより、上記比較データを得ることができる。
データ比較部202は、膜濾過装置50に備えられている各センサ11,13,15から取得したデータを、比較データ記憶部204に記憶されている比較データと比較するデータ比較手段である。また、指示信号出力部203は、データ比較部202による比較結果に基づいて、膜濾過装置50の運転に関する指示信号を出力する指示信号出力手段である。ただし、上記データ比較部202による判断を作業者が行うような構成であってもよく、この場合、作業者の操作に基づいて上記指示信号が出力されるような構成であってもよい。以下、これらのデータ比較部202及び指示信号出力部203による処理について、より具体的に説明する。
図4は、各センサ11,13,15から取得されるデータを比較データと比較する際の態様の一例を示した図である。この図4に示す各グラフにおいて、横軸は膜濾過装置50内における位置を示しており、縦軸は各センサ11,13,15から取得されるデータの値を示している。また、図4に示す各グラフの横軸において、左側は膜濾過装置50の上流側(原水流入口48側)であり、右側は膜濾過装置50の下流側(透過水流出口46側)である。この例では、隣接する同種のセンサ11,13,15が、それぞれ等間隔で5つずつ配置されている場合の態様が示されている。
図4(a)は比較データの一例を示しており、膜濾過装置50が正常に動作している状態を示している。この図4(a)に示されているように、膜濾過装置50が正常に動作している状態では、電導度センサ11により測定される透過水の電導度が、膜濾過装置50内における軸線方向の位置に関わらずほぼ一定となっている。また、流量センサ13により測定される透過水の流量は、膜濾過装置50内における軸線方向の位置に反比例しており、膜濾過装置50内の上流側から下流側に向かうにつれて減少している。また、圧力センサ15により測定される原水の圧力は、膜濾過装置50内における軸線方向の位置に比例しており、膜濾過装置50内の上流側から下流側に向かうにつれて減少している。
データ比較部202による処理は、各センサ11,13,15から取得されるデータが、図4(a)に示す比較データに対して所定の範囲内にあるか否かを比較することにより行われる。例えば、膜濾過装置50内において軸線方向のそれぞれ異なる位置に設けられた各電導度センサ11により測定される透過水の電導度は、それらの各位置に対応する上記電導度の比較データを中心として、それぞれ所定の電導度範囲R1内にあるか否かが比較される。膜濾過装置50内において軸線方向のそれぞれ異なる位置に設けられた各流量センサ13により測定される透過水の流量は、それらの各位置に対応する上記流量の比較データを中心として、それぞれ所定の流量範囲R2内にあるか否かが比較される。膜濾過装置50内において軸線方向のそれぞれ異なる位置に設けられた各圧力センサ15により測定される原水の圧力は、それらの各位置に対応する上記圧力の比較データを中心として、それぞれ所定の圧力範囲R3内にあるか否かが比較される。
図4(b)の例では、それぞれ異なる位置に設けられた各電導度センサ11のうち、上流側にある電導度センサ11により測定される透過水の電導度は上記電導度範囲R1内にあるが、中央部から下流側にある電導度センサ11により測定される透過水の電導度は上記電導度範囲R1外となっている。また、それぞれ異なる位置に設けられた各流量センサ13のうち、上流側及び下流側にある流量センサ13により測定される透過水の流量は上記流量範囲R2内にあるが、中央部にある流量センサ13により測定される透過水の流量は上記流量範囲R2外となっている。一方、それぞれ異なる位置に設けられた各圧力センサ15により測定される原水の圧力は、いずれの位置においても上記圧力範囲R3内となっている。
このように、各圧力センサ15により測定される原水の圧力は上記圧力範囲R3内であるのに対し、各流量センサ13により測定される透過水の流量は膜濾過装置50内の中央部においてのみ上記流量範囲R2外となっており、当該中央部から下流側にある電導度センサ11により測定される透過水の電導度のみが上記電導度範囲R1外となっている場合には、上記中央部に設けられている膜エレメント10又はインターコネクタ42に異常が生じている可能性が高い。そこで、このような場合には、上記中央部に設けられている膜エレメント10又はインターコネクタ42の位置情報とともに、当該膜エレメント10又はインターコネクタ42の確認や交換などを行うべき旨の指示信号が、管理装置200の通信部201から造水装置100の通信装置60へ送信される。造水装置100では、受信した指示信号に基づいて、膜エレメント10又はインターコネクタ42の確認や交換などを行うべき旨が位置情報とともに表示装置80に表示され、作業者が当該表示に基づいて作業を行う。
ただし、上記のような構成に限らず、受信した指示信号に基づいて、メンテナンス実行部70により、膜エレメント10又はインターコネクタ42の確認や交換などが自動で行われるような構成であってもよい。また、交換用の膜エレメント10を造水装置100へ配送するよう指示する指示信号が、中央監視センターから部材センターへ送信されるような構成であってもよい。
図4(c)の例では、それぞれ異なる位置に設けられた各流量センサ13のうち、上流側にある流量センサ13により測定される透過水の流量のみが上記流量範囲R2よりも小さくなっており、他の流量センサ13により測定される透過水の流量は上記流量範囲R2内となっている。なお、下流側にある流量センサ13により測定される透過水の流量は、上記流量範囲R2内で比較データよりも大きくなっている。また、それぞれ異なる位置に設けられた各圧力センサ15のうち、上流側にある圧力センサ15により測定される原水の圧力のみが上記圧力範囲R3よりも大きくなっており、他の圧力センサ15により測定される原水の圧力は上記圧力範囲R3内となっている。一方、それぞれ異なる位置に設けられた各電導度センサ11により測定される透過水の電導度は、いずれの位置においても上記電導度範囲R1内となっている。
このように、各電導度センサ11により測定される透過水の電導度は上記電導度範囲R1内であるのに対し、各流量センサ13により測定される透過水の流量は膜濾過装置50内の上流側においてのみ上記流量範囲R2よりも小さくなっており、各圧力センサ15により測定される原水の圧力は膜濾過装置50内の上流側においてのみ上記圧力範囲R3よりも大きくなっている場合には、バイオファウリングが生じている可能性が高い。このバイオファウリングは、膜濾過装置50内で微生物が増殖する現象であり、微生物の増殖によって膜濾過装置50の入口付近にぬめりが生じるため、各センサ11,13,15の測定値に上記のような傾向が生じる。
このような場合には、例えば膜濾過装置50内のアルカリ洗浄を行うべき旨の指示信号が、管理装置200の通信部201から造水装置100の通信装置60へ送信される。造水装置100では、受信した指示信号に基づいて、メンテナンス実行部70に備えられた薬品洗浄ユニットからアルカリ性の洗浄剤が投入されることにより、膜濾過装置50内が洗浄される。
ただし、上記のような構成に限らず、受信した指示信号に基づいて、例えば膜濾過装置50内のアルカリ洗浄を行うべき旨が表示装置80に表示され、作業者が当該表示に基づいて作業を行うような構成であってもよい。また、受信した指示信号に基づいて、前処理や日常管理の方法を変更すべき旨が表示装置80に表示されるような構成であってもよい。なお、上記の例では、流量センサ13及び圧力センサ15の両方の測定値に基づいて、バイオファウリングが生じているか否かを判断しているが、このような構成に限らず、流量センサ13又は圧力センサ15の一方の測定値のみに基づいて判断するような構成であってもよい。また、上記判断は、最も上流側に設けられている流量センサ13又は圧力センサ15の測定値にのみ基づいて行われるものであってもよい。
図4(d)の例では、それぞれ異なる位置に設けられた各流量センサ13のうち、下流側にある流量センサ13により測定される透過水の流量のみが上記流量範囲R2よりも小さくなっており、他の流量センサ13により測定される透過水の流量は上記流量範囲R2内となっている。なお、上流側にある流量センサ13により測定される透過水の流量は、上記流量範囲R2内で比較データよりも大きくなっている。また、それぞれ異なる位置に設けられた各圧力センサ15のうち、下流側にある圧力センサ15により測定される原水の圧力のみが上記圧力範囲R3よりも小さくなっており、他の圧力センサ15により測定される原水の圧力は上記圧力範囲R3内となっている。一方、それぞれ異なる位置に設けられた各電導度センサ11により測定される透過水の電導度は、いずれの位置においても上記電導度範囲R1内となっている。
このように、各電導度センサ11により測定される透過水の電導度は上記電導度範囲R1内であるのに対し、各流量センサ13により測定される透過水の流量は膜濾過装置50内の下流側においてのみ上記流量範囲R2よりも小さくなっており、各圧力センサ15により測定される原水の圧力は膜濾過装置50内の下流側においてのみ上記圧力範囲R3よりも小さくなっている場合には、スケールが生じている可能性が高い。このスケールは、膜濾過装置50の出口に近づくにつれて原液が濃縮され、原液に含まれる塩類が溶解度を超えた場合に析出するものであり、膜濾過装置50の出口付近に生じやすいことから、各センサ11,13,15の測定値に上記のような傾向が生じる。
このような場合には、例えば膜濾過装置50内の酸洗浄を行うべき旨の指示信号が、管理装置200の通信部201から造水装置100の通信装置60へ送信される。造水装置100では、受信した指示信号に基づいて、メンテナンス実行部70に備えられた薬品洗浄ユニットから酸性の洗浄剤が投入されることにより、膜濾過装置50内が洗浄される。
ただし、上記のような構成に限らず、受信した指示信号に基づいて、例えば膜濾過装置50内の酸洗浄を行うべき旨が表示装置80に表示され、作業者が当該表示に基づいて作業を行うような構成であってもよい。また、受信した指示信号に基づいて、前処理や日常管理の方法を変更すべき旨が表示装置80に表示されるような構成であってもよいし、回収率(透過水流量/原水流量)の設定値を自動的に低下させることにより当該回収率を最適化するような構成であってもよい。なお、上記の例では、流量センサ13及び圧力センサ15の両方の測定値に基づいて、スケールが生じているか否かを判断しているが、このような構成に限らず、流量センサ13又は圧力センサ15の一方の測定値のみに基づいて判断するような構成であってもよい。また、上記判断は、最も下流側に設けられている流量センサ13又は圧力センサ15の測定値にのみ基づいて行われるものであってもよい。
図4(e)の例では、それぞれ異なる位置に設けられた各電導度センサ11により測定される透過水の電導度が、いずれの位置においても上記電導度範囲R1よりも大きくなっている。一方、それぞれ異なる位置に設けられた各流量センサ13により測定される透過水の流量は、いずれの位置においても上記流量範囲R2内となっており、各圧力センサ15により測定される原水の圧力は、いずれの位置においても上記圧力範囲R3内となっている。
このように、各流量センサ13により測定される透過水の流量は上記流量範囲R2内であり、各圧力センサ15により測定される原水の圧力は上記圧力範囲R3内であるのに対し、各電導度センサ11により測定される透過水の電導度はいずれの位置においても上記電導度範囲R1よりも大きくなっている場合には、原水に膜エレメント10を劣化させる物質が混入している可能性が高い。そこで、このような場合には、膜エレメント10を交換すべき旨の指示信号が、管理装置200の通信部201から造水装置100の通信装置60へ送信される。造水装置100では、受信した指示信号に基づいて、メンテナンス実行部70により、膜エレメント10の交換が自動で行われる。
ただし、上記のような構成に限らず、受信した指示信号に基づいて、膜エレメント10の交換を行うべき旨が表示装置80に表示され、作業者が当該表示に基づいて作業を行うような構成であってもよい。また、受信した指示信号に基づいて、保守管理の方法を徹底すべき旨が表示装置80に表示されるような構成であってもよいし、交換用の膜エレメント10を造水装置100へ配送するよう指示する指示信号が、中央監視センターから部材センターへ送信されるような構成であってもよい。
図5は、管理装置200が行う処理の一例を示したフローチャートである。管理装置200は、所定時間が経過する度に(ステップS101でYes)、通信部201を介して、造水装置100から各膜濾過装置50に備えられている各センサ11,13,15の測定値を取得する(ステップS102:データ取得ステップ)。
取得した測定値のデータは、比較データ記憶部204に記憶されている比較データと比較される(ステップS103:データ比較ステップ)。そして、各センサ11,13,15の測定値がいずれも上記所定範囲R1,R2,R3内であれば、正常と判断され(ステップS104でYes)、メンテナンスのための指示信号は出力されない。一方、いずれかのセンサ11,13,15の測定値が上記所定範囲R1,R2,R3外となっていることにより、正常でないと判断された場合には(ステップS104でNo)、図4を用いて上述したような態様で、比較結果に応じた指示信号が出力される(ステップS105:指示信号出力ステップ)。なお、上記データ取得ステップ、データ比較ステップ及び指示信号出力ステップの少なくとも1つを作業者が行うような構成であってもよい。
本実施形態では、電導度センサ11、流量センサ13及び圧力センサ15を備えたインターコネクタ42が、膜濾過装置50内の少なくとも2つの膜エレメント10に取り付けられるので、これらのセンサ11,13,15から取得したデータと、当該センサ11,13,15の膜濾過装置50内における軸線方向の各位置とが対応付けられたデータを得ることができる。このようにして得られるデータを比較データと比較することにより、膜濾過装置50内に生じる変化の原因をより明確に特定し、その原因に応じて適切なメンテナンスを行うことができるので、膜濾過装置50をより精度よく管理することができる。
特に、インターコネクタ42が膜エレメント10に対して着脱可能に取り付けられるので、膜エレメント10を交換する場合であっても、インターコネクタ42を新しい膜エレメント10に付け替えることにより、当該インターコネクタ42に備えられているセンサ11,13,15を再利用することができる。また、膜エレメント10には変更を加える必要がないので、従来の膜エレメント10をそのまま使用することができる。
ただし、膜濾過装置50は、電導度センサ11、流量センサ13及び圧力センサ15の全てを備えたような構成に限らず、電導度センサ11、流量センサ13又は圧力センサ15のうち少なくとも1つ(1種類)のセンサを備えていればよい。例えば、電導度センサ11のみを備えた構成であっても、図4(b)及び(e)に示すような状態を判断することは可能である。また、流量センサ13のみを備えた構成であっても、図4(b)、(c)及び(d)に示すような状態を判断することは可能である。また、圧力センサ15のみを備えた構成であっても、図4(c)及び(d)に示すような状態を判断することは可能である。なお、電導度センサ11、流量センサ13又は圧力センサ15のうち少なくとも2つ(2種類)のセンサを備えた構成であってもよい。例えば、電導度センサ11及び流量センサ13のみを備えた構成であっても、図4(b)及び(e)に示すような状態を判断することは可能であり、流量センサ13及び圧力センサ15のみを備えた構成であっても、図4(c)及び(d)に示すような状態を判断することは可能である。
また、各インターコネクタ42に、それぞれ同種のセンサが1つずつ備えられた構成であってもよいし、一部のインターコネクタ42には、いずれかの種類のセンサが備えられていないような構成であってもよいが、同種のセンサが膜濾過装置50の軸線方向に沿って等間隔で配置されていることが好ましい。
例えば、膜濾過装置50における軸線方向の一端側(上流側)の膜エレメント10及び他端側(下流側)の膜エレメント10にそれぞれ取り付けられるインターコネクタ42にのみ、センサ11,13,15が備えられたような構成であってもよい。全てのインターコネクタ42にセンサ11,13,15を設ければ、膜濾過装置50をさらに精度よく管理することができるが、この場合、センサ11,13,15の数が多くなるため、製造コストが高くなるといった問題がある。しかし、上記のように、膜濾過装置50における軸線方向の一端側の膜エレメント10及び他端側の膜エレメント10にそれぞれ取り付けられるインターコネクタ42にのみセンサ11,13,15を設ければ、膜濾過装置50における液体(透過水や原水)の入口付近及び出口付近における当該液体の性状を検知することにより、膜濾過装置50内に生じる変化の原因を比較的良好に特定することができる。例えば、図4(c)及び(d)に示すような状態は、膜濾過装置50における軸線方向の一端側の膜エレメント10及び他端側の膜エレメント10にそれぞれ取り付けられるインターコネクタ42にのみセンサ11,13,15を設けるような構成であっても、良好に判断することができる。したがって、必要最低限のセンサ11,13,15を用いて、膜濾過装置50をより精度よく管理することができる。
また、本実施形態では、膜濾過装置50内に生じる変化の原因をより明確に特定し、その原因に応じた指示信号を出力することができるので、より適切なメンテナンスを行うことができ、膜濾過装置50をより精度よく管理することができる。
さらに、本実施形態では、膜エレメント10を互いに接続するための取付部材として膜濾過装置50にもともと備えられているインターコネクタ42に、電導度センサ11、流量センサ13又は圧力センサ15のうち少なくとも2つのセンサを設けることができる。このように、膜濾過装置50にもともと備えられている取付部材を利用することにより、取付部材を別途設ける必要がないので、製造コストを低減することができる。ただし、膜エレメント10に対して着脱可能なインターコネクタ42以外の取付部材に、各センサ11,13,15が設けられたような構成であってもよい。
以上の実施形態では、RO(Reverse Osmosis:逆浸透)エレメントを膜エレメント10として備えた膜濾過装置50に本発明が適用された構成について説明したが、本発明は、ROエレメントに限らず、UF(Ultra Filtration:限外濾過)エレメントなどの他の膜エレメントを備えた膜濾過装置にも適用可能である。
また、以上の実施形態では、膜濾過装置50を用いて排水や海水などの原水を濾過する場合について説明したが、このような構成に限らず、膜濾過装置50を用いて水以外の原液を濾過するような構成であってもよい。
本発明の一実施形態に係る膜濾過装置の一例を示した概略断面図である。 図1の膜エレメントの内部構成を示した斜視図である。 図1の膜濾過装置に適用される膜濾過装置管理システムの一例を示したブロック図である。 各センサから取得されるデータを比較データと比較する際の態様の一例を示した図である。 管理装置が行う処理の一例を示したフローチャートである。
符号の説明
10 膜エレメント
11 電導度センサ
13 流量センサ
15 圧力センサ
20 中心管
40 耐圧容器
42 インターコネクタ
50 膜濾過装置
51 通信部
60 通信装置
70 メンテナンス実行部
80 表示装置
100 造水装置
200 管理装置
201 通信部
202 データ比較部
203 指示信号出力部
204 比較データ記憶部

Claims (8)

  1. 筒状の耐圧容器内に軸線方向に沿って複数の膜エレメントが並べて配置されることにより形成され、上記膜エレメントにより原液を濾過して透過液を生成する膜濾過装置と、
    上記膜濾過装置を管理するための管理装置とを備え、
    上記複数の膜エレメントのうち少なくとも2つの膜エレメントには、上記透過液の電導度を測定するための電導度センサ、上記透過液の流量を測定するための流量センサ、又は、上記原液の圧力を測定するための圧力センサのうち少なくとも1つのセンサを備えた取付部材がそれぞれ取り付けられ、
    上記管理装置が、
    上記少なくとも1つのセンサからデータを取得するデータ取得手段と、
    上記膜濾過装置における軸線方向に沿った位置と、上記少なくとも1つのセンサから得られる基準値との相関関係を表す比較データを予め記憶している比較データ記憶手段と、
    上記データ取得手段により取得したデータを上記比較データと比較するデータ比較手段とを有することを特徴とする膜濾過装置管理システム。
  2. 上記膜濾過装置における上記軸線方向の一端側の膜エレメント及び他端側の膜エレメントにそれぞれ取り付けられる上記取付部材にのみ、上記センサが備えられていることを特徴とする請求項1に記載の膜濾過装置管理システム。
  3. 上記管理装置が、上記データ比較手段による比較結果に基づいて、上記膜濾過装置の運転に関する指示信号を出力する指示信号出力手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の膜濾過装置管理システム。
  4. 上記取付部材が、上記複数の膜エレメントを互いに接続するためのインターコネクタであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の膜濾過装置管理システム。
  5. 請求項1に記載の膜濾過装置管理システムに用いられる膜濾過装置であって、
    上記軸線方向の一端側の膜エレメント及び他端側の膜エレメントにそれぞれ取り付けられる上記取付部材にのみ、上記センサが備えられていることを特徴とする膜濾過装置。
  6. 筒状の耐圧容器内に軸線方向に沿って複数の膜エレメントが並べて配置されることにより形成され、上記膜エレメントにより原液を濾過して透過液を生成する膜濾過装置を管理するための膜濾過装置管理方法であって、
    上記複数の膜エレメントのうち少なくとも2つの膜エレメントにそれぞれ取り付けられる取付部材に備えられた、上記透過液の電導度を測定するための電導度センサ、上記透過液の流量を測定するための流量センサ、又は、上記原液の圧力を測定するための圧力センサのうち少なくとも1つのセンサからデータを取得するデータ取得ステップと、
    上記データ取得ステップにより取得したデータを、上記膜濾過装置における軸線方向に沿った位置と、上記少なくとも1つのセンサから得られる基準値との相関関係を表す比較データと比較するデータ比較ステップとを有することを特徴とする膜濾過装置管理方法。
  7. 上記データ取得ステップでは、上記膜濾過装置における上記軸線方向の一端側の膜エレメント及び他端側の膜エレメントにそれぞれ取り付けられる上記取付部材に備えられた上記センサからのデータのみを取得することを特徴とする請求項6に記載の膜濾過装置管理方法。
  8. 上記データ比較ステップによる比較結果に基づいて、上記膜濾過装置の運転に関する指示信号を出力する指示信号出力ステップを有することを特徴とする請求項6又は7に記載の膜濾過装置管理方法。
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