JP2009290055A - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体チップ上に容易にキャパシタを形成できる半導体装置の構造、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体チップ13の上方に形成された第1絶縁層20と、第1絶縁層20の面上に形成された第1配線21および第2配線22と、第1配線21および第2配線22の上に形成された第2絶縁層26と、第2絶縁層26の一部が開口され第1配線21の一部を露出させる第1開口部27と、第2絶縁層26の一部が開口され第2配線22の一部を露出させる第2開口部28と、第1配線21の第1開口部27に配置された誘電体材料で形成された誘電体層30と、第2開口部28から誘電体層30を覆う導電層32aと、を備え、第1配線21と第2配線22とが誘電体層30を介して導電層32aにて接続されることで、第1配線21と第2配線22との間に平行平板型のキャパシタが形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体チップの上にキャパシタを有する半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
半導体装置の小型化を図るために、半導体チップの外形サイズとほぼ同等の外形寸法を有するチップ・サイズ・パッケージ(Chip Size Package:以下、CSPと称すことがある)と呼ばれる半導体装置のパッケージ方式が出現している。
また、ウエハの状態で複数の半導体装置のパッケージを一括して行い、その後切断して個片化するウエハレベル・チップ・サイズ・パッケージ(Wafer Level Chip Size Package:以下、WCSPと称すことがある)と呼ばれる半導体装置のパッケージ方式が知られている。
さらに、これらのパッケージ技術を用い、1つの半導体チップ上に、キャパシタなどの受動素子を備えた半導体装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開2005−5548号公報
半導体チップ上にキャパシタを形成する場合、下部電極と上部電極の間に誘電体を挟んで平行平板型のキャパシタを形成することが行われている。特許文献1におけるキャパシタの構造では、下部電極、誘電体層、保護層、上部電極とが順次積層されてキャパシタが形成されている。
このような構造のキャパシタでは、下部電極側からビアなどを経て、上部電極側に配線を引き出し、両方の電極側に配線を設ける必要がある。このため、このような構造のキャパシタを備えた半導体装置の製造において、製造工程が多く煩雑であるという課題がある。また、製造工程が多くなることから、製造コストがかかるという問題がある。
本発明は上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる半導体装置は、半導体基板に形成され半導体素子を有する素子形成層を備えた半導体チップと、前記半導体チップの上方に形成され前記半導体素子と配線を介して電気的に接続されたキャパシタと、を有する半導体装置であって、前記半導体チップの上方に形成された第1絶縁層と、前記第1絶縁層の面上に形成された第1配線および第2配線と、前記第1配線および前記第2配線の上に形成された第2絶縁層と、前記第2絶縁層の一部が開口され前記第1配線の一部を露出させる第1開口部と、前記第2絶縁層の一部が開口され前記第2配線の一部を露出させる第2開口部と、前記第1配線の前記第1開口部に配置された誘電体材料で形成された誘電体層と、前記第2開口部から前記誘電体層を覆う導電層と、を備え、前記第1配線と前記第2配線とが前記誘電体層を介して前記導電層にて接続されることで、前記第1配線と前記第2配線との間に平行平板型の前記キャパシタが形成されたことを特徴とする。
この構成によれば、第1配線と第2配線とが第1絶縁層の同一の面上に配置され、その上に第2絶縁層が設けられている。第2絶縁層はその一部が開口されて第1配線を露出させる第1開口部と、第2配線を露出させる第2開口部とが形成されている。そして、開口された第1配線の上には誘電体層が設けられ、露出した第2配線と誘電体層とを導電層が覆うように形成している。
このようにして、誘電体層を第1配線と導電層にて挟む構造となり、下部電極として第1配線、上部電極として導電層とする平行平板型のキャパシタが形成される。
このように、キャパシタの形成においてビアなどを経由して下部電極側から上部電極側へ配線を引き出す必要なく、簡易な構造でキャパシタを形成することが可能である。このことから、半導体チップの上方にキャパシタを備えた半導体装置の製造工程が簡略化でき、製造コストを削減することができる。
[適用例2]上記適用例にかかる半導体装置において、前記第1配線の端部における形状が平面視で円形状であり、前記第2配線の端部における形状が平面視で前記円形状を囲む略同心円形状であり、前記第1配線および前記第2配線の端部の一部が開口された前記第1開口部および第2開口部が形成され、前記第1開口部に前記誘電体層が配置されていることが望ましい。
この構成によれば、第1配線の端部における形状が平面視で円形状に形成され、そこに誘電体層が設けられている。そして、第2配線の端部が第1配線の端部の円形状を囲む略同心円形状に形成されている。このことから、誘電体層と導電層との親和性が悪い場合においても、誘電体層を取り囲む第2配線の端部にて導電層を確実に保持することができ、誘電体層の上方に導電層を配置することができる。このことで、特性の安定したキャパシタを形成することができる。
[適用例3]上記適用例にかかる半導体装置において、前記導電層の材料として半田が用いられていることが望ましい。
この構成によれば、第1配線と第2配線とを誘電体層を介して接続する導電層に半田を用いることができるので、容易に導電層を形成することが可能である。
[適用例4]上記適用例にかかる半導体装置において、前記誘電体層の材料としてチタン酸バリウムを含有する材料であることが望ましい。
この構成によれば、高誘電率のチタン酸バリウムを含有する材料を誘電体層に用いることができ、小さな面積にて大きな容量を有するキャパシタを形成することが可能となり、半導体装置の小型化に寄与できる。
[適用例5]上記適用例にかかる半導体装置において、前記第1絶縁層の面上に磁界型のアンテナ素子が形成され、前記キャパシタに電気的に接続されていることが望ましい。
この構成によれば、アンテナ素子にキャパシタを接続することでアンテナ素子におけるインピーダンスのマッチングをとることができ、アンテナ素子の特性を向上することができる。
[適用例6]上記適用例にかかる半導体装置において、前記半導体装置のパッケージ方式が、チップ・サイズ・パッケージであることが望ましい。
この構成によれば、半導体チップの外形サイズとほぼ同等の外形寸法を有する小型の半導体装置を得ることができる。
[適用例7]上記適用例にかかる半導体装置において、前記半導体装置が、前記半導体基板からなる半導体素子の集合体を切断して製造されていることが望ましい。
この構成によれば、ウエハなどの半導体素子の集合体を用いて製造することができ、半導体装置の生産効率を向上させることができる。
[適用例8]本適用例にかかる半導体装置の製造方法において、半導体基板に形成され半導体素子を有する素子形成層を備えた半導体チップと、前記半導体チップの上方に形成され前記半導体素子と配線を介して電気的に接続されたキャパシタと、を有する半導体装置の製造方法であって、前記半導体チップの上面に第1絶縁層を形成する工程と、前記第1絶縁層の上面に、第1配線および第2配線を形成する工程と、前記第1配線および前記第2配線の上面に第2絶縁層を形成する工程と、前記第1配線および前記第2配線の上方に位置する前記第2絶縁層の一部を除去して前記第1配線および前記第2配線の一部が露出する第1開口部および第2開口部を形成する工程と、前記第1開口部に誘電体層を形成する工程と、前記第2開口部から前記誘電体層を覆う導電層を形成する工程と、を備え、前記第1配線と前記第2配線とを前記誘電体層を介して前記導電層にて接続することで、前記第1配線と前記第2配線との間に平行平板型の前記キャパシタを形成することを特徴とする。
この製造方法によれば、キャパシタを形成するための誘電体層と第2配線との接続において、誘電体層と第2配線を覆う導電層を設ければよく、下部電極側から上部電極側へ配線を引き出すビアなどを形成する必要がない。
このように、第1配線と第2配線とが第1絶縁層の同一の面上に配置され、第1配線と第2配線の間に平行平板型のキャパシタを容易に形成できる。
このことから、半導体チップの上方にキャパシタを備えた半導体装置の製造工程が簡略化でき、製造コストを削減することができる。
[適用例9]上記適用例にかかる半導体装置の製造方法において、前記誘電体層を形成する工程が、印刷にて前記誘電体層を形成することが望ましい。
この製造方法によれば、誘電体層を印刷にて形成することができることから、フォトリソグラフィ技術を用いて形成する場合に比べて製造工数が少なく、また、容易に誘電体層を形成することができる。
[適用例10]上記適用例にかかる半導体装置の製造方法において、前記誘電体層を形成する材料が樹脂にチタン酸バリウムを含有した材料であることが望ましい。
この製造方法によれば、誘電体層に高誘電率の材料であるチタン酸バリウムを利用することができることから、小さな面積で大きな容量のキャパシタを形成することができ、半導体装置の小型化に寄与することができる。
[適用例11]上記適用例にかかる半導体装置の製造方法において、前記導電層を形成する工程が、印刷にて前記導電層を形成することが望ましい。
この製造方法によれば、導電層を印刷にて形成することができることから、フォトリソグラフィ技術を用いて形成する場合に比べて製造工数が少なく、また、容易に導電層を形成することができる。
[適用例12]上記適用例にかかる半導体装置の製造方法において、前記導電層を形成する材料が半田ペーストであることが望ましい。
この製造方法によれば、導電層を形成する材料として半田ペーストを用いることで、印刷にて導電層を容易に形成することができる。
[適用例13]上記適用例にかかる半導体装置の製造方法において、前記第1配線および前記第2配線を形成する工程に、前記キャパシタに接続するアンテナ素子を共に形成する工程を含むことが望ましい。
この製造方法によれば、アンテナ素子にキャパシタを接続することでアンテナ素子の特性を向上することができ、特性の良好なアンテナ素子を備えた半導体装置の製造方法を提供できる。
[適用例14]上記適用例にかかる半導体装置の製造方法において、前記半導体素子の集合体を形成した半導体基板を用い、前記半導体素子の集合体を個々に切断する工程を含むことが望ましい。
この製造方法によれば、ウエハなどの半導体素子の集合体を用いて製造することができ、半導体装置の生産効率を向上させることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の寸法の割合を適宜変更している。
(第1の実施形態)
図1は本実施形態の半導体装置の構成を示し、図1(a)は概略平面図、図1(b)は同図(a)のA−A断線に沿う概略断面図である。
半導体装置1は、半導体チップ13の一方の面に、第1絶縁層20、第1配線21、第2配線22、ループアンテナ25、第2絶縁層26、誘電体層30、導電層32a,32b、ボールバンプ34が形成されて構成されている。
半導体チップ13は、シリコン(Si)からなる半導体基板10に半導体素子を有する素子形成層11が形成され、その上に窒化シリコン(Si34)からなるパッシベーション膜12が備えられている。また、パッシベーション膜12の一部が開口されて、半導体素子と接続する複数の電極14が露出するように形成されている。電極14はアルミニウム(Al)またはアルミニウムを主成分とする合金などで形成されている。この半導体チップ13は、RF(Radio Frequency)回路を含んで構成されている。なお、半導体基板10は、ガリウムヒ素などのその他の半導体材料を使用してもよい。
半導体チップ13の上にポリイミド樹脂からなる第1絶縁層20が形成されている。また、半導体チップ13の電極14の上方に位置する第1絶縁層20の一部が開口され電極14が露出するように形成されている。
なお、第1絶縁層20の他の材料としてポリイミド樹脂の他に、シリコーン変性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン、ポリベンゾオキサゾールなどを利用することができる。
また、半導体チップ13と第1絶縁層20の間に他の絶縁層、導体層などを設けてもよい。
第1絶縁層20の面上には、導体として第1配線21、第2配線22、再配置配線23、ループアンテナ25が形成されている。
再配置配線23は、半導体チップ13の複数の電極14から、第1絶縁層20の上面に引き出されて形成され、それぞれの配線が交差しないように配置される。
また、第1配線21、第2配線22は特定の再配置配線23に接続され、さらに、第1配線21、第2配線22はループアンテナ25と接続されている。
ループアンテナ25は磁界型のアンテナ素子であり、ループアンテナ25を介して電波の受信または送信が行われる。
これらの導体は、チタン・タングステン合金(TiW)からなるバリア層と、例えば銅(Cu)からなるメッキシード層と、銅からなる本体層から構成されている。
さらに、第1配線21、第2配線22、再配置配線23、ループアンテナ25の上にはソルダーレジストなどの第2絶縁層26が形成されている。
第1絶縁層20の面上に配置された再配置配線23上方の第2絶縁層26には略円形状の再配線開口部29けられ、再配置配線23の一部が露出するように構成されている。
また、第1配線21上方および第2配線22上方に、第1絶縁層20を開口する第1開口部27および第2開口部28が設けられている。
次に、第1配線21および第2配線22の形状および開口部の形状について、以下に詳しく説明する。
図2は第1配線および第2配線の端部の形状を示し、図2(a)は概略平面図、図2(b)は同図(a)のB−B断線に沿う概略断面図である。
第1配線21の端部21aは平面視で円形状に形成されている。そして、第2配線22の端部22aは、平面視で第1配線21の端部21aを囲むように略同心円形状に形成されている。さらに、第1配線21および第2配線22の上には第2絶縁層26が形成されている。
第1配線21の端部21aにおける上方の第2絶縁層26には、端部21aの円形状より小さな円形状の第1開口部27が形成されている。また、第2配線22の端部22aにおける上方の第2絶縁層26には、端部22aの同心円形状の外周部を残した形状で第2開口部28が形成されている。
このようにして、第1開口部27より、第1配線21の端部21aの一部が露出するように形成され、第2開口部28より第2配線22の端部22aの一部が露出するように形成されている。
図1に戻り、第1開口部27には誘電体が充填されて誘電体層30が形成されている。本実施形態では、ポリイミド樹脂またはエポキシ樹脂にチタン酸バリウムを含有した材料を用い、印刷などの方法により第1開口部27に形成され、誘電体層30と第1配線21とが接するように配置されている。
なお、誘電体層30としての材料として詳しくは、式BaXTiYZ(式中XおよびYは独立に0.5から1.25であり、Zは2.5から5である)を有するチタン酸バリウム、SrTiO3のようチタン酸ストロンチウム、式BaXSrYTiZQ(式中XおよびYは独立に0から1.25のうちから選択され、Zは0.8〜1.5であり、Qは2.5〜5である)を有するチタン酸バリウムストロンチウム、二酸化チタン(TiO2)、Ta25のような酸化タンタル、などの高誘電率を有する材料を利用することができる。
また、誘電体の材料とし誘電率は低いが、窒化ケイ素(Si34)、ポリイミド、酸化ケイ素(SiO2)などを用いることができる。
なお、誘電体層30の大きさ(面積)、厚さは所望の容量となるように適宜選択される。
そして、第2絶縁層26の第2開口部28から連続して誘電体層30を覆う導電層32aが形成されている。導電層32aは半田にて形成され、第2開口部28から第1開口部27の誘電体層30を覆うように半田ペーストを印刷などで充填し、半田ペーストを溶融させることで第2配線と接続され、さらに誘電体層30と接するように構成されている。
このように、誘電体層30を挟んで、下電極に第1配線21、上電極に導電層32aとする平行平板型のキャパシタC1が形成されることになる。また、本実施形態では同様の構成のキャパシタC2が導電層32bの下部に、もう一つ備えられている。なお、導電層32a,32bの上に絶縁層を設けてもよい。
また、再配線開口部29には、半田ペーストを印刷などで充填し、半田ペーストを溶融させることで略半球状のボールバンプ34が形成されている。ボールバンプ34は、外部基板の端子と接続するための外部接続端子である。
なお、半田については、鉛フリーの半田が望ましい。鉛フリーの半田としては、錫(Sn)−銀(Ag)−インジュ−ム(In)−ビスマス(Bi)系、錫−亜鉛(Zn)−ビスマス系、錫−亜鉛−アルミニウム系、錫−亜鉛−インジューム−銀系などの半田を用いることができる。
上記のような構造の半導体装置は、図3に示すような回路を構成している。
半導体チップ13の電極14にはキャパシタC1とループアンテナ25が接続され、ループアンテナ25に並列にキャパシタC2が接続されている。このように、ループアンテナ25に接続するキャパシタC1,C2を設けることで、ループアンテナ25におけるインピーダンスのマッチングをとることができ、ループアンテナ25の特性を向上させることができる。なお、電極14aはグランドに接続される端子電極である。
このように、半導体装置1は半導体チップ13上に2つのキャパシタC1,C2とループアンテナ25とを備える構成であり、半導体チップ13の外形サイズとほぼ同等の外形寸法を有するチップ・サイズ・パッケージ(CSP)の構造を有している。そして、このCSP構造の半導体装置1は、生産効率の向上のためにウエハの状態で複数の半導体装置のパッケージを一括して行い、その後切断して個片化するウエハレベル・チップ・サイズ・パッケージ(WCSP)として製造されている。
このように、本実施形態にかかる半導体装置1は、第1配線21と第2配線22とが第1絶縁層20の同一の面上に配置され、その上に第2絶縁層26が設けられている。第2絶縁層26はその一部が開口されて第1配線21を露出させる第1開口部27と、第2配線22を露出させる第2開口部28とが形成されている。そして、開口された第1配線21の上には誘電体層30が設けられ、露出した第2配線22と誘電体層30とを導電層32aが覆うように形成している。
このようにして、誘電体層30を第1配線21と導電層32aにて挟む構造となり、下部電極として第1配線21、上部電極として導電層32aとする平行平板型のキャパシタが形成される。
また、詳しくは、第1配線21の端部21aにおける形状が平面視で円形状に形成され、そこに誘電体層30が設けられている。そして、第2配線22の端部22aが第1配線21の端部21aの円形状を囲む略同心円形状に形成されている。このことから、誘電体層30と導電層32aとの親和性が悪い場合においても、誘電体層30を取り囲む第2配線22の端部22aにて導電層32aを確実に保持することができ、誘電体層30の上方に導電層32aを配置することができる。このことで、安定したキャパシタを形成することができる。
このように、ビアなどを経由して下部電極側から上部電極側へ配線を引き出す必要なく、簡易な構造でキャパシタを形成することが可能である。このことから、半導体チップ13の上方にキャパシタを備えた半導体装置1の製造工程が簡略化でき、製造コストを削減することができる。
また、第1配線21と第2配線22とを誘電体層30を介して接続する導電層32aに、半田を用いることができるので、容易に導電層32aを形成することが可能である。
さらに、高誘電率のチタン酸バリウムを含有する材料を誘電体層30に用いることができ、小さな面積にて大きな容量を有するキャパシタを形成することが可能となり、半導体装置1の小型化に寄与できる。
また、ループアンテナ25にキャパシタを接続することでループアンテナ25の特性を向上することができ、ループアンテナ25などのアンテナ素子を備えた半導体装置1を提供できる。
(製造方法)
以下、上記のように構成された半導体装置1の製造方法について図面を参照しながら説明する。
本実施形態の半導体装置は、図4に示すように、半導体ウエハ100の状態で複数の半導体装置1のパッケージを一括して行い、その後切断して個片化するウエハレベル・チップ・サイズ・パッケージ(WCSP)として製造する。
図5、図6、図7は半導体装置の製造工程を示す工程説明図であり、WCSPとして製造される一つの半導体装置に関して図示して説明する。なお、図5、図6、図7は図1(a)のA−A断線に沿う断面に相当する。
まず、図5(a)に示すように、シリコンからなる半導体基板10に素子形成層11を有する半導体ウエハを用意する。素子形成層11の上には、窒化シリコン(Si34)からなるパッシベーション膜12が形成され、その一部が開口されて素子形成層11の半導体素子と接続する電極14が露出する状態にある。
次に、図5(b)に示すように、パッシベーション膜12の上にスピンコータなどを用いて液状の感光性ポリイミド樹脂を塗布し、露光・現像して第1絶縁層20を形成する。電極14上方は、第1絶縁層20が開口され、電極14が露出する状態に形成する。
なお、第1絶縁層20の他の材料として、シリコーン変性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン、ポリベンゾオキサゾールなどを利用することができる。
続いて、図5(c)に示すように、第1絶縁層20の上にレジストを塗布して、レジスト膜40を形成する。そして、レジスト膜40を第1配線21、第2配線22、再配置配線23、ループアンテナ25の形状にパターニングする。
次に、図5(d)に示すように、レジスト膜40をマスクとして銅配線を形成する。詳しくは、パターニングされたレジスト膜40の上から、チタン・タングステン合金(TiW)からなるバリア層と、銅(Cu)からなるメッキシード層をスパッタなどで形成し、その後、電解メッキによる銅からなる本体層を形成する。
そして、図6(a)に示すように、レジスト膜40を剥離する。
その後、図6(b)に示すように、第1配線21、第2配線22、再配置配線23、ループアンテナ25の上に、スピンコータなどを用いて液状の感光性ポリイミド樹脂を塗布し、露光・現像して第2絶縁層26を形成する。この第2絶縁層26には、第1配線21、第2配線22、再配置配線23の一部が露出するように、それぞれ第1開口部27、第2開口部28、再配線開口部29を形成する。
なお、第2絶縁層26の他の材料として、シリコーン変性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン、ポリベンゾオキサゾールなどを利用することができる。
続いて、図6(c)に示すように、誘電体ペースト45を第1開口部27にスクリーン印刷などの印刷方法により配置する。
この印刷方法では、第2絶縁層26の上に第1開口部27に対応する位置に開口部41aを有するメタルマスク41を配置して、スキージ43を用いて誘電体ペースト45を第1開口部27に印刷する。誘電体ペーストはポリイミド樹脂などの樹脂にチタン酸バリウムを含有した材料である。なお、誘電体の厚さを制御するために、数回に分けて印刷することも可能である。また、他の印刷方法として、転写印刷を用いることもできる。さらに、印刷の他にインクジェット法によって誘電体を含有する液体を吐出して、第1開口部27に誘電体層30を配置することも可能である。
このように、誘電体ペースト45を第1開口部27内に配置できることから、誘電体ペースト45が広がることや流れることがなく、また誘電体層30の厚さを一定に制御することが可能である。
なお、誘電体層30としての材料として詳しくは、式BaXTiYZ(式中XおよびYは独立に0.5から1.25であり、Zは2.5から5である)を有するチタン酸バリウムの他に、SrTiO3のようチタン酸ストロンチウム、式BaXSrYTiZQ(式中XおよびYは独立に0から1.25のうちから選択され、Zは0.8〜1.5であり、Qは2.5〜5である)を有するチタン酸バリウムストロンチウム、二酸化チタン(TiO2)、Ta25のような酸化タンタル、などの高誘電率を有する材料を利用することができる。
また、誘電体の材料とし誘電率は低いが、窒化ケイ素(Si34)、ポリイミド、酸化ケイ素(SiO2)なども用いることができる。
そして、図6(d)に示すように、第1開口部27に配置された誘電体ペースト45を加熱して硬化させ誘電体層30を形成する。
次に、図7(a)に示すように、半田ペースト46を第2開口部28から誘電体層30を覆うようにスクリーン印刷などの印刷方法により配置する。また、合わせて再配線開口部29に半田ペースト46を配置する。
この印刷方法では、第2絶縁層26の上に第1開口部27および第2開口部28、再配線開口部29に対応する位置に開口部42aを有するメタルマスク42を配置して、スキージ44を用いて半田ペースト46をそれぞれに印刷する。
このようにして、図7(b)に示すように、半田ペースト46が第2開口部28から誘電体層30を覆う部分と、再配線開口部29に印刷する。
半田ペーストについては、鉛フリーの半田を含有するものが望ましい。鉛フリーの半田としては、錫−銀−インジュ−ム−ビスマス系、錫−亜鉛−ビスマス系、錫−亜鉛−アルミニウム系、錫−亜鉛−インジューム−銀系などの半田を用いることができる。
そして、図7(c)に示すように、半田ペースト46を加熱して溶融させ、第2開口部28から誘電体層30を覆う導電層32aを形成する。このようにして、誘電体層30を第1配線21と導電層32aにて挟む構造となり、下部電極として第1配線21、上部電極として導電層32aとする平行平板型のキャパシタが形成できる。
また、導電層32aの形成方法として、印刷の他にインクジェット法によって導電性の物質を含有する液体を吐出して、導体層を形成することも可能である。さらに、スパッタ、真空蒸着などを用いて金属材料を成膜して導体層を形成してもよい。
同様に再配線開口部29に配置された、半田ペースト46を加熱して溶融させ、上部を略半球状とすることで半導体装置の外部接続端子であるボールバンプ34を形成する。
なお、ボールバンプ34は、印刷法に限られず、半田ボール材を再配線開口部29に載置した後に加熱により溶融して形成してもよい。
また、
続いて、半導体ウエハの所定のダイシングラインに沿ってダイシングすることで複数の半導体装置に分割し、図1に示した半導体装置1が得られる。
以上説明したように、本実施形態の半導体装置1の製造方法によると、キャパシタを形成するための誘電体層30と第2配線22との接続において、誘電体層30と第2配線22を覆う導電層32aを設ければよく、下部電極側から上部電極側へ配線を引き出すビアなどを形成する必要がない。
このように、第1配線21と第2配線22とが第1絶縁層20の同一の面上に配置され、第1配線21と第2配線22の間に平行平板型のキャパシタを容易に形成できる。
このことから、半導体チップ13の上方にキャパシタを備えた半導体装置1の製造工程が簡略化でき、製造コストを削減することができる。
また、誘電体層30を印刷にて形成することができることから、フォトリソグラフィ技術を用いて形成する場合に比べて製造工数が少なく、また、容易に誘電体層30を形成することができる。
さらに、誘電体層30に高誘電率の材料であるチタン酸バリウムを利用することができることから、小さな面積で大きな容量のキャパシタを形成することができ、半導体装置1の小型化に寄与することができる。
また、導電層32aを印刷にて形成することができることから、フォトリソグラフィ技術を用いて形成する場合に比べて製造工数が少なく、また、容易に導電層32aを形成することができる。
さらに、導電層を形成する材料として半田ペーストを用いることで、印刷にて導電層を容易に形成することができる。
(変形例)
次に、第1実施形態におけるキャパシタの形状の変形例について説明する。
図8は変形例におけるキャパシタの形状を示し、図8(a)は概略平面図、図8(b)は同図(a)のC−C断線に沿う概略断面図である。なお、本変形例は第1の実施形態とはキャパシタの構成形状が異なり、他の構成については同様な構成である。このため、キャパシタの構成形状の説明のみ行う。
半導体チップ13は、シリコン(Si)からなる半導体基板10に半導体素子を有する素子形成層11が形成され、その上に窒化シリコン(Si34)からなるパッシベーション膜12が備えられている。
半導体チップ13の上にはポリイミドからなる第1絶縁層50が形成され、第1絶縁層50の上に第1配線51と第2配線52が形成されている。第1配線51および第2配線52は、素子形成層11に形成された回路素子と接続されている。また、図示しないが第1配線51および第2配線52は第1絶縁層50上に形成されたループアンテナと接続されている。
第1配線51の途中には、略円形状の中継部51aが形成されている。そして、第2配線52の途中には、略円形状の中継部52aが形成され、中継部51a,52aが並んで配置されている。
第1配線51、第2配線52の上にはポリイミドからなる第2絶縁層56が形成され、中継部51a,52aの上方は、中継部51a,52aの外形より小さい平面視で略円形状の第1開口部53、第2開口部54が設けられている。第1開口部53にはチタン酸バリウムを含有する材料で形成された誘電体層55が設けられ、第1配線51の中継部51aと接している。
そして、第2開口部54から誘電体層55を覆う、半田で形成された導電層57が設けられている。このようにして、誘電体層55を第1配線51と導電層57にて挟む構造となり、下部電極として第1配線51、上部電極として導電層57とする平行平板型のキャパシタが形成できる。このような形状においてもキャパシタを形成することができる。
(半導体装置の利用)
次に、上記のような実施形態で例示した、アンテナ素子にキャパシタを接続した半導体装置の利用について説明する。
図9は、RFID(Radio Frequency Identification)技術を用いた高速伝送用モジュールを示す構成図であり、図9(a)は分解斜視図、図9(b)は同図(a)のD−D断線に沿う概略断面図である。
高速伝送用モジュール60は、回路基板61に半導体装置1を備えている。半導体装置1は、第1実施形態で説明した半導体装置1であり、半導体チップ13の一方の面にループアンテナ25とそれに接続するキャパシタC1,C2、外部接続端子であるボールバンプ34を備えている。回路基板61には、半導体装置1を接続する接続端子63とループアンテナ62を備えている。
回路基板61に半導体装置1を実装することで、半導体装置1側のループアンテナ25と、回路基板61側のループアンテナ62は短距離に対向して配置される。
このようにして、半導体装置1と回路基板61の間において、ループアンテナ25,62を介して無線にてデータの送受信をすることができる。特に配線を経ずにデータの送受信を行えることから高速でデータの伝送が可能である。
図10は、RFID技術を用いて半導体装置をRFタグ用途として利用する場合について説明する説明図である。
ICカードなどのタグ側には半導体装置65が設けられ、半導体チップ13の一方の面にループアンテナ25とそれに接続するキャパシタC1,C2、を備えている。なお、半導体装置65は第1の実施形態におけるボールバンプを備えていない構成である。
そして、リーダ側の回路基板70には、ループアンテナ71が形成されている。
タグ側の半導体装置65はリーダからの電磁波をエネルギー源として動作し、半導体装置65のループアンテナ25はリーダのループアンテナ71からの電波を一部反射して、その反射波に乗せてID情報が送信される。このようにして、タグとリーダとの間の無線通信が行われる。
以上、アンテナ素子にキャパシタを接続した半導体装置では、ループアンテナに接続するキャパシタを設けることで、ループアンテナにおけるインピーダンスのマッチングをとることができ、確実な無線通信を可能にする。
第1実施形態の半導体装置の構成を示し、(a)は概略平面図、(b)は(a)のA−A断線に沿う概略断面図。 第1実施形態の半導体装置における第1配線および第2配線の端部の形状を示し、(a)は概略平面図、(b)は(a)のB−B断線に沿う概略断面図。 第1実施形態における半導体装置の回路構成を説明する回路説明図。 第1実施形態における半導体装置の製造に用いられる半導体ウエハを示す平面図。 第1実施形態における半導体装置の製造工程を示す工程説明図。 第1実施形態における半導体装置の製造工程を示す工程説明図。 第1実施形態における半導体装置の製造工程を示す工程説明図。 変形例におけるキャパシタの構造を示し、(a)は概略平面図、(b)は(a)のC−C断線に沿う概略断面図。 高速伝送用モジュールを示す構成図であり、(a)は分解斜視図、(b)は(a)のD−D断線に沿う概略断面図。 半導体装置をRFIDタグ用途として利用する場合について説明する説明図。
符号の説明
1…半導体装置、10…半導体基板、11…素子形成層、12…パッシベーション膜、13…半導体チップ、14…電極、20…第1絶縁層、21…第1配線、21a…第1配線の端部、22…第2配線、22a…第2配線の端部、23…再配置配線、25…アンテナ素子としてのループアンテナ、26…第2絶縁層、27…第1開口部、28…第2開口部、29…再配線開口部、30…誘電体層、32a,32b…導電層、34…ボールバンプ、40…レジスト膜、41,42…メタルマスク、43,44…スキージ、45…誘電体ペースト、46…半田ペースト、50…第1絶縁層、51…第1配線、51a…中継部、52…第2配線、52a…中継部、53…第1開口部、54…第2開口部、55…誘電体層、56…第2絶縁層、57…導電層、60…高速伝送用モジュール、61…回路基板、62…ループアンテナ、63…接続端子、70…回路基板、71…ループアンテナ、100…半導体ウエハ。

Claims (14)

  1. 半導体基板に形成され半導体素子を有する素子形成層を備えた半導体チップと、前記半導体チップの上方に形成され前記半導体素子と配線を介して電気的に接続されたキャパシタと、を有する半導体装置であって、
    前記半導体チップの上方に形成された第1絶縁層と、
    前記第1絶縁層の面上に形成された第1配線および第2配線と、
    前記第1配線および前記第2配線の上に形成された第2絶縁層と、
    前記第2絶縁層の一部が開口され前記第1配線の一部を露出させる第1開口部と、
    前記第2絶縁層の一部が開口され前記第2配線の一部を露出させる第2開口部と、
    前記第1配線の前記第1開口部に配置された誘電体材料で形成された誘電体層と、
    前記第2開口部から前記誘電体層を覆う導電層と、を備え、
    前記第1配線と前記第2配線とが前記誘電体層を介して前記導電層にて接続されることで、前記第1配線と前記第2配線との間に平行平板型の前記キャパシタが形成されたことを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記第1配線の端部における形状が平面視で円形状であり、
    前記第2配線の端部における形状が平面視で前記円形状を囲む略同心円形状であり、
    前記第1配線および前記第2配線の端部の一部が開口された前記第1開口部および第2開口部が形成され、前記第1開口部に前記誘電体層が配置されていることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1または2に記載の半導体装置において、
    前記導電層の材料として半田が用いられていることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の半導体装置において、
    前記誘電体層の材料としてチタン酸バリウムを含有する材料であることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の半導体装置において、
    前記第1絶縁層の面上に磁界型のアンテナ素子が形成され、前記キャパシタに電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の半導体装置において、
    前記半導体装置のパッケージ方式が、チップ・サイズ・パッケージであることを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の半導体装置において、
    前記半導体装置が、前記半導体基板からなる半導体素子の集合体を切断して製造されていることを特徴とする半導体装置。
  8. 半導体基板に形成され半導体素子を有する素子形成層を備えた半導体チップと、前記半導体チップの上方に形成され前記半導体素子と配線を介して電気的に接続されたキャパシタと、を有する半導体装置の製造方法であって、
    前記半導体チップの上面に第1絶縁層を形成する工程と、
    前記第1絶縁層の上面に、第1配線および第2配線を形成する工程と、
    前記第1配線および前記第2配線の上面に第2絶縁層を形成する工程と、
    前記第1配線および前記第2配線の上方に位置する前記第2絶縁層の一部を除去して前記第1配線および前記第2配線の一部が露出する第1開口部および第2開口部を形成する工程と、
    前記第1開口部に誘電体層を形成する工程と、
    前記第2開口部から前記誘電体層を覆う導電層を形成する工程と、を備え、
    前記第1配線と前記第2配線とを前記誘電体層を介して前記導電層にて接続することで、前記第1配線と前記第2配線との間に平行平板型の前記キャパシタを形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 請求項8に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記誘電体層を形成する工程が、印刷にて前記誘電体層を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 請求項9に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記誘電体層を形成する材料が樹脂にチタン酸バリウムを含有した材料であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 請求項8乃至10のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記導電層を形成する工程が、印刷にて前記導電層を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 請求項11に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記導電層を形成する材料が半田ペーストであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. 請求項8乃至12のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第1配線および前記第2配線を形成する工程に、前記キャパシタに接続するアンテナ素子を共に形成する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. 請求項8乃至13のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記半導体素子の集合体を形成した半導体基板を用い、前記半導体素子の集合体を個々に切断する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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