JP2009288269A - 観測光学系 - Google Patents

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Abstract

【課題】専門知識のない初心者でも簡単に操作でき、かかる時間も短く、且つ精度も保障できる星座ガイド機能を有する安価な観測光学系を提出する。
【解決手段】対物レンズを備える観測光学系100は、対物レンズ1aを通じて撮像された撮影情報を抽出する抽出回路21と、観測年時刻に関する天体情報が予めに記憶されているデータベース22と、抽出された撮影情報と天体情報とをパターンマッチングするパターンマッチング回路23と、観測光学系の移動速度を計測する速度計測回路24と、マッチング結果及び移動速度の計測結果に基づいて、観測視野位置の天球座標位置を計算する演算回路25と、天球座標位置に基づいて現在観測中の星座情報を表示する表示部30とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、星座などの天体を観測することができる双眼鏡、望遠鏡又はカメラ等の光学機器に関し、特に、視野内に係る天体情報をリアルタイムに表示することができる観測光学系に関する。
専門家ではない初心者が、天体望遠鏡を用いて、任意の方向に向けて星を見る場合、観測されている星が何であるかを知るためには、非常に手間がかかる。このため、特許文献1は双眼鏡や望遠鏡で見る対象物やビデオカメラで撮像してディスプレィに表示する対象物の名称をリアルタイムで知ることができるようにした天体望遠鏡を提供している。
特許文献1に係る天体望遠鏡は、観測位置や1年の内で季節毎に見える星座が異なるため、システム内でカレンダ機能と時計機能及びそれらを設定するための操作部を設けている。そして、この天体望遠鏡を使用する毎に、操作部により、「視野角設定」、「日時設定」、「観測地設置」、「基準星設定」及び「表示設定」と言う5個の項目を設定する必要がある。上記の5個の設定項目は、操作者により設定を完了しなければならない。
特開平11−211993号公報
しかしながら、特許文献1に係る天体望遠鏡は、下記のような問題点がある。
この天体望遠鏡を全国の広い範囲で使用できるようにするために、複数の地域に分けて記録されているメモリカードを用意されなければならない。このため操作者は地域別のメモリカードを買う必要がある。また、操作者が天体望遠鏡を使用する時も、メモリカードを変更したり、複数のメモリカードを携帯したりする必要もあり手間がかかる。また、上述した5個の項目を設定する必要があるので、非常に手間がかかり、特に初心者が簡単に且つ正確に取り扱うことが困難である。
更に、架台の方位や水平度を正確に設定することが非常に困難であるので、これらに基づいた視野範囲の精度は十分高いものではない。当該視野範囲を修正するために、上記基準星設定が必要になる。しかしながら、基準星の選択及び設定操作が非常に複雑であり、このような操作の手順を事前にユーザに知らせる必要がある。更に、少なくとも二個ないし四個以上の基準星を用いて視野範囲を修正するので、上記基準星設定操作を二回又は四回繰り返すことになる。
以上に説明したように、特許文献1に係る天体望遠鏡は、その操作が複雑で設定が終わるまで非常に時間がかかる。更にユーザに対しても、製品コストが高くなり取扱い方法も複雑で分かりやすくない。特に、初心者である場合、簡単に操作でき且つ観測精度を保障することができる天体観測器が必要である。
本発明は、上記の問題に試みて、専門知識のない初心者でも簡単に操作でき、且つ精度も保障できる星座ガイド機能を有する観測光学系を提供することにその目的がある。
上記目的を達成するために、第一の観点の対物レンズを備える観測光学系は、対物レンズを通じて撮像された撮影情報を抽出する抽出回路と、観測年時刻に関する天体情報が予めに記憶されているデータベースと、抽出された撮影情報と天体情報とをパターンマッチングするパターンマッチング回路と、観測光学系の移動速度を計測する速度計測回路と、マッチング結果及び移動速度の計測結果に基づいて、観測視野位置の天球座標位置を計算する演算回路と、天球座標位置に基づいて、現在観測中の星座情報を表示する表示部とを備える。
本発明に係る観測光学系によると、星座などを観測する際に簡単な操作で、視野内の星座の星座名や星座の形状を精度よく且つリアルタイムに表示することができ、初心者でも簡単に星座を学ぶことができる。
更に、観測結果が架台等の方位を基準にしないので、安値で且つ方位などを修正する手順も必要ないので、天体を非常に便利で且つ精度高く観測することができる。
以下に、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。本発明に係る観測光学系として、例えば双眼鏡、望遠鏡及びカメラ等を例として挙げることができる。なお、以下の説明において、「観測体」という言葉は、月、恒星及び惑星を含む概念として使用し、「星」とは恒星及び惑星を含む概念として使用する。
<実施形態1>
まず、本発明に係る観測光学系が双眼鏡である実施形態について説明する。図1は、本発明に係る双眼鏡100の外部構造を示した概念図である。
<双眼鏡の構造>
外部構造を見ると図1に示されたように、実施形態1に係る双眼鏡100は、対物レンズ部1と接眼レンズ部2とを備える二つの鏡筒を結合してなるものである。対物レンズ部1には、ズーム倍率を調節するためのズーム調節部3が設けられている。接眼レンズ部2には、左右眼での視度を調節するための左右視度調節部4が設けられている。左右視度調節部4は、片方の接眼レンズ部2に設けられても良い、独立調節できるように両方の接眼レンズ部2に設けられても良い。
双眼鏡100は、視野内の観測体T(図5を参照)にピントを合わせるためのピント調節部6を備える。双眼鏡100が星座又は月専用の双眼鏡であればピントは無限遠で固定してもよい。また、双眼鏡100は、電源をオン・オフするための電源スイッチ8と、観測Tに係る情報を表示するための星座ガイドスイッチ9とを備える。
なお、双眼鏡100を使用する時、両手の指を利用して鏡筒をまわし、軽く掴むように持つのが普通である。しかしながら、長い間使用する時、落としたり観測体Tが視野の中心から外したりすることがある。実施形態1に係る双眼鏡100は、これらの不良状況を防止するように、ストラップ7が設けられている。
双眼鏡100は、手で持てるサイズを考えて口径が30mm〜50mm程度であるのが好ましい。また暗い星までよく見えるように、口径は少しでも大きいほうがたくさん光を取り込むので50mm程度であるのがより好ましい。もちろん、双眼鏡100には三脚を付けるアダプタも用意してもよい。
図2は、実施形態1に係る双眼鏡100の内部構造を示した概念図である。対物レンズ部1に対物レンズ1aが設けられ、接眼レンズ部2に接眼レンズ2aが設けられている。対物レンズ1aと接眼レンズ2aとの間の光路に、観測体Tの像を正立するためのダハプリズム5が設けられている。即ち、視野内の観測体Tからの光は、接物レンズ1aから双眼鏡100に入って、ダハプリズム5で正立した像になって接眼レンズ2aを経由して操作者の眼に至る。
双眼鏡100には、ダハプリズム5により正立された観測体Tの像を撮像するためのCCDのような撮像部10が設けられている。撮像部10は結像レンズ10aを備え、結像レンズ10aにより撮像部10に観測体Tの像を結像する。
双眼鏡100には、撮像部10に電気的に接続されている制御部20が設けられている。双眼鏡100には、制御部20に電気的に接続されている表示部30が設けられている。表示部30は、結像レンズ30aを備え、結像レンズ30aを通じて、表示部30の表示内容を接眼レンズ21で結像する。表示部30は液晶素子又は有機エレクトロルミネッセンス素子などからなる。図2において、撮像部10及び表示部30は、それぞれ双眼鏡100の鏡筒の片方に設置されているが、双眼鏡100の鏡筒の両方に設置することもできる。
制御部20には、抽出回路21、データベース22、パターンマッチング回路23、速度計測回路24及び演算回路25が設けられている。各回路による処理は、下記のようである。
抽出回路21は、撮像部10で撮像された撮像情報を選択的に抽出する。ここで抽出された撮像情報には、月位置と月面情報又は恒星情報が含まれる。
データベース22には、観測年時刻に関する天体情報が予めに記憶されている。天体情報として、月位置と月面情報又は恒星情報が記憶されている。その他に、表示する用の星座に関する情報も記憶されている。例えば、星座名、星座の形状、座標、特性等が記憶されている。星座以外の情報として、恒星識別情報や、星雲情報なども記憶されている。それらの天体情報は、この天体情報が記憶されている外部インタフェースを接続することにより更新することができ、或いは直接にインタネットに接続してダウンロードすることができる。データベース22は、観測する過程において撮像された星座の形状等を記憶して、その名前、座標、特性等を追加してデータベース22中の情報を更新することができる。
パターンマッチング回路23は、抽出回路21により抽出された撮像情報とデータベース22に予めに記憶されている天体情報とをパターンマッチングして、データベース22から観測された観測体Tの天球座標のひとつである赤道座標の位置を読み出す。この際に対物レンズ1aの倍率情報なども加味される。
速度計測回路24は、加速度センサ241と方位検出回路242とを有する。操作者が双眼鏡100を任意の方向に向けると、加速度センサ241により双眼鏡100の移動速度を計測する。また、方位検出回路242により双眼鏡100が向けられた方位を検出する。
加速度センサ241は、一方向における加速度に関する信号を出力するための第一加速度センサ2411と、その一方向に垂直する方向に加える力に関する信号を出力するための第二加速度センサ2412と、第一加速度センサ2411の出力信号を時間で積分して移動速度を得るための積分回路2413を有する。
方位検出回路242は、第一加速度センサ2411の出力信号を時間で積分して積分信号を出力する第一積分回路2421と、第二加速度センサ2412の出力信号と第一積分回路2421の出力信号とから演算された角速度信号を時間で積分して移動方位を得る第二積分回路2422とを有する。
演算回路25は、パターンマッチング回路23により読み出された観測体Tの赤道座標の位置に基づいて、方位検出回路242により検出された移動方位及び加速度センサ241により計測された移動速度により、操作者が双眼鏡100を向けた後の観測体Tの座標位置を演算する。
表示部30は、双眼鏡100が向けされた後の観測体Tの座標位置により、データベース22からこの座標位置と対応する星座の情報を読み出して、それら情報を表示部30に表示する。操作者は双眼鏡100が向けた方向の星空を観察しながら接眼レンズ部2を介して星座情報を知ることができる。もちろん、表示部30の表示内容について操作者が星座情報、星名の情報又はそれら両方などを選択して表示することもできる。
<双眼鏡の操作手順>
次に、双眼鏡100の操作手順に関して説明する。図3は、本発明に係る双眼鏡100の操作手順を示すフローチャートである。図4は、抽出回路21により抽出された一つの月の表面画像である。図5は、操作者による操作手順の具体例である。
ステップS1:操作者は電源スイッチ8をオンにして、双眼鏡100に電源を印加する。制御部20は、星座ガイドスイッチ9が待機状態になるように初期設定を行う。
ステップS2:操作者は双眼鏡100で星を観察しながら観察したい星座などを見つけたら星座ガイドスイッチ9をオンにする。星座ガイドスイッチ9をオンにすると、撮像部10は視野範囲の観測体Tを撮像する。
ステップS3:抽出回路21は、撮像部10で撮像された画像データを選択的に取り込む。
ステップS4:抽出回路21は、取り込まれた画像データが月情報か星情報かを判断する。月情報である場合にはステップS20に進み、星情報である場合にはステップS10に進む。月情報及び星情報の判断方法は、視野範囲の観測体Tの明るさ又は視野内の大きさの2方法がある。観測体Tの明るさで判定する際には、抽出回路21は、明るさが−6等級以上であれば月情報であると判定することができる。視野内の大きさで判定する際には、抽出回路21は、撮像部10からの出力が点光源であれば星情報であると判定することができ、視直径0.5度以上を有すれば月情報であると判定する。なお、判定の際に対物レンズ1aの倍率情報なども加味される。
ステップS10:抽出回路21は、星の明るさを測定し、この明るさが閾値以下であるかを判定する。閾値以下である場合にはステップS11に進み、閾値以上である場合には惑星と判断してステップS18に進む。例えば抽出回路21は、明るさの閾値を−1.5等級相当とセットする。惑星の光度は、水星が−2.4等級、金星が−4.7等級、火星が+1.6〜−3等級、木星が−1.4〜−2.8等級、 及び土星が+0.9〜−0.5等級である。このため、空気が汚れた地域での明るさが低下することを考慮して、−1.5等級相当以下は惑星として判断する。
ステップS11:次に抽出回路21は、星のちらつきを測定する。即ち、抽出回路21は、数十ミリ秒ないし数百ミリ秒ごとに明るさが変わるかを統計計測する。明るさが殆ど変わらない方が惑星で、変わる方が恒星である。
ステップS12:抽出回路21は、ちらつきが閾値以上であるかを判断し、ちらつきが閾値以上である場合はステップS13に進み、ちらつきが閾値以上ではない場合にはステップS18に進む。例えば抽出回路21は、ちらつきの閾値として30ミリ秒から400ミリ秒で明るさ変化とセットする。
ステップS13:抽出回路21は、星の明るさ及びちらつきに基づいて抽出した星が恒星であると判定し、視野範囲で観察された複数の恒星のうち、パターンマッチングを容易にするため、明るさが例えば2等級相当以上の明るさの恒星を選択する。
ステップS14:パターンマッチング回路23は、選択された視野内における2等級以上の恒星の配置を計算する。
ステップS15:パターンマッチング回路23は、恒星の配置のパターンとデータベース22に予めに記憶されている2等級以上の恒星の配置パターンとマッチング(合致)するかを判断する。マッチングする場合にはステップS16に進み、マッチングしない場合にはステップS17に進む。
ステップS16:パターンマッチング回路23は、データベース22からマッチングされている恒星の赤道座標、すなわち赤経・赤緯度方向を読み出してから、ステップS30に進む。天球座標が確認できたことを表示部30に表示して操作者に知らせたり、音を出して操作者に知らせたりする。
ステップS17:恒星配置のパターンがデータベース22に記憶されているパターンとマッチングしない場合にはパターンが存在しないと認識される。そして、パターンマッチング回路23は、他の星を観察するような観測し直す旨を表示部30に表示させる。その後、ステップS3に戻って、再びその後のステップを繰り返す。
ステップS18:抽出回路21は、取り込まれた画像が惑星であると判定して、その位置データを無視する。その後、ステップS10に戻る。
ステップS20:抽出回路21は、データベース22から観測時点の月の天球上位置を読み出す。
ステップS21:パターンマッチング回路23は、抽出回路21により抽出された画像データとデータベース22に予めに記憶されている情報とをパターンマッチングする。
ステップS22:パターンマッチング回路23は、視野内の抽出された天球座標をデータベース22から読み出す。天球座標が確認できたことを表示部30に表示して操作者に知らせたり、音を出して操作者に知らせたりする。
ステップS30:操作者が観察したい星に向けて双眼鏡100を向けると、速度計測回路24の方位検出回路242は移動方位を検出し、加速度センサ241が双眼鏡100の移動速度を計測する。
ステップS31:演算回路25は、ステップS16又はステップ22において、読み出された視野内の抽出された月中心の赤道座標位置と赤経・赤緯度方向、及びステップS30において検出及び計測された双眼鏡100の移動方位と移動速度に基づいて、操作者によって向けられた双眼鏡100の赤道座標位置と赤経・赤緯度方向とを演算する。
ステップS32:表示部30は、演算された赤道座標位置と赤経・赤緯度方向とに基づいて、データベース22から対応する星座情報を読み出してリアルタイムに表示する。
次にステップS21に関して、パターンマッチング回路23により、月の輪郭又は月面情報をパターンマッチングすることについて説明する。
月には満月だけでなく三日月又は半月などの月の輪郭がある。パターンマッチング回路23は、月の輪郭を利用してパターンマッチングする。ステップS4で取り込まれた画像データから月であると判断されたら、抽出回路21は画像を2値化して月の輪郭を特定する。パターンマッチング回路23は、月の輪郭とデータベース22中の月輪郭と比較する。この月輪郭から天球座標を決めることができる。
また、図4に示されたように、月面には明るい部分Bと暗い部分Dがある。抽出回路21は月面の明るさの閾値で2値化する。パターンマッチング回路23は、明るい部分Bと暗い部分Dとの2値化された月面情報とデータベース22中の月面情報と比較する。この月面情報から天球座標を決めることができる。
図5は操作者が双眼鏡100を使用してある恒星のパターンマッチングをして天球座標を確認した後、操作者が双眼鏡100の向きを変えた場合を示す操作手順の具体例である。図5中の恒星の配置は、横軸に赤経を縦軸に赤緯を採っている。
まず、操作者は双眼鏡100で観察したい観測体T2を観測する前に、星空の中から目立った観測体T1に双眼鏡100を向ける。操作者は観測体T1に双眼鏡100を向けた状態で星座ガイドスイッチ9をオンにする。すると、抽出回路21は観測体T1の画像データを抽出する。
パターンマッチング回路23は画像データをデータベース22に記憶されているパターンとパターンマッチングして、データベース22から観測体T1の天球座標、すなわち赤道座標位置と赤経・赤緯度方向とを読み出す。
その後、矢印の方向に操作者は観測しようとする観測体T2に双眼鏡100を向ける。なお、移動後の双眼鏡100は点線で示されている。その間、速度計測回路24により双眼鏡100の移動方位と移動速度とを計測して、赤経方向の移動距離と赤緯方向の移動距離を得ることができる。すでに観測体T1の天球座標が読み出されているため、演算回路25は、赤経方向及び赤緯方向の移動量があれば、移動後の観測体T2の天球座標を演算することができる。例えば、演算した観測体T2の天球座標である赤経が06h45m08.9sで、赤緯が−16°42´58´´である場合、データベース22でこの天球座標と一致するデータを読み出すとこれがシリウスであることが分かる。データベース22からシリウスに関する更なる情報を得て、表示部30はその情報を表示する。なお、演算回路25は、観測体T2の天球座標を秒単位で演算する必要はない。
表示部30の表示例として、図5の点線枠で示されたように、星座名、赤経、赤緯、距離、実視等級、スペクトル、色指数、半径、光度、表面温度等の情報を示すことができる。したがって、双眼鏡100を使用して観測体Tを観察することにより観測体Tに関するいろいろな情報を得ることができる。
<実施形態2>
図6(a)は、実施形態2に係る第2双眼鏡120を示す概略図であり、(b)は第2双眼鏡120を向ける際に観察体Tを示した図である。図6(a)において、図2に示された双眼鏡100と同じ部材には同じ符号を付いている。第2双眼鏡120は加速度センサ241などを有しておらず、その代わりにベクトル算出回路243を有している。
ベクトル算出回路243には、操作者が第2双眼鏡120を観察体T1から観測体T2へ移動する際に撮像部10からの出力が連続して数十ミリ秒ごとに入力される。ベクトル算出回路243は、観察体T1中の存在した一番明るい恒星などベクトル算出用の基点として一時的に記憶する。観察体T1が月であれば月自体だけでなく月の輪郭などを基点としてよい。
ベクトル算出回路243には、数十ミリ秒ごとに入力された情報に基づいて、基点の移動方位と移動速度とを計測し、赤経方向の移動距離と赤緯方向の移動距離とを得ることができる。
具体的には、図6(b)の上段に示されるように、撮像部10は時刻0ミリ秒の時点で恒星FS(0mS)を観察し、その画像データを出力する。また、下段に示されるように、撮像部10は時刻30ミリ秒の時点で恒星FS(30mS)を観察し、その画像データを出力する。点線で示された恒星FS(0mS)から恒星FS(30mS)へ移動したベクトルVCを算出することで、第2双眼鏡120の赤経方向の移動距離と赤緯方向の移動距離とを得ることができる。第2双眼鏡120は、加速度センサなどを不要とするためコスト低減を図ることができる。
<実施形態3>
実施形態1及び実施形態2では観測光学系が双眼鏡である実施形態について説明したが、次に、低倍率の望遠鏡である場合について説明する。図7は、実施形態3に係る望遠鏡200を示す概略図である。図7において、図2に示された双眼鏡100と同じ部材には同じ符号を付いている。
望遠鏡200は、対物レンズ1aと、接眼レンズ2aと、撮像部10と、光を分岐するハーフミラー15と、制御部20と、表示部30と、鏡筒を支える架台40とを備える。望遠鏡200は、ダハプリズム5を使用する代わりにハーフミラー15を使用して倒立像を観察する。
操作者が望遠鏡200を利用して天空を観測する時、双眼鏡100と同じような操作をすればよい。即ち、望遠鏡に電源を入れて天空を観測する。星座ガイド機能を起動することにより、撮像部10はハーフミラー15を介して対物レンズ1aから入射した観測体Tを撮像し、制御部20の抽出回路21により撮像部10からの撮像情報を選択的に抽出する。パターンマッチング回路23により、抽出されたパターンとデータベース22に予めに記憶されているパターンとをマッチングして、抽出された観測体Tの赤道座標の位置を読み出す。
その後、操作者が望遠鏡200を任意の方向に向けると、速度計測回路20が望遠鏡200の移動方位と移動速度を計測する。演算回路25は、観測基準になる観測体Tの赤道座標の位置及び望遠鏡200の移動方位と移動速度により、移動された後の望遠鏡200の赤道座標位置を計算して、データベース22から関連する星座の情報を読み出す。表示部30は、操作者が見えるように読み出された星座の情報を表示し、ハーフミラー15を介して接眼レンズ2aから星座の情報が観察される。
実施形態3の望遠鏡200によると、操作者が、望遠鏡200をある観察体から別の観察体に向けることで簡単に星座情報などを把握することができるため、初心者であっても、簡単に取り扱うことができる。
以上の実施形態では観測光学系として双眼鏡と望遠鏡とを例として説明したが、同じようにコンパクトカメラ、一眼レフカメラ又はビデオカメラなどにも適応することができる。
実施形態1に係る双眼鏡100の外部構造を示した概念図である。 実施形態1に係る双眼鏡100の内部構造を示した概念図である。 実施形態1に係る双眼鏡100の操作手順を示すフローチャートである。 月面パターンの例を示す図である。 操作者が双眼鏡100を使用した際の具体例を示した図である 実施形態2に係る第2双眼鏡120の内部構造を示した概念図である。 実施形態3に係る望遠鏡200を示す概略図である。
符号の説明
1 … 対物レンズ部、1a … 対物レンズ
2 … 接眼レンズ部、2a … 接眼レンズ
3 … ズーム調節部
4 … 左右視度調節部
5 … ダハプリズム
6 … ピント調節部
7 … ストラップ
8 … 電源スイッチ
9 … 星座ガイドスイッチ
10 … 撮像部
20 … 制御部
21 … 抽出回路
22 … データベース
23 … パターンマッチング回路
24 … 速度計測回路
25 … 演算回路
30 … 表示部
40 … 架台
100,120 … 双眼鏡、第2双眼鏡
200 … 望遠鏡

Claims (8)

  1. 対物レンズを備える観測光学系であって、
    前記対物レンズを通じて撮像された撮影情報を抽出する抽出回路と、
    観測年時刻に関する天体情報が予めに記憶されているデータベースと、
    前記抽出された撮影情報と前記天体情報とをパターンマッチングするパターンマッチング回路と、
    前記観測光学系の移動速度を計測する速度計測回路と、
    前記マッチング結果及び前記移動速度の計測結果に基づいて、観測視野位置の天球座標位置を計算する演算回路と、
    前記天球座標位置に基づいて、現在観測中の星座情報を表示する表示部と、
    を備えることを特徴とする観測光学系。
  2. 前記抽出された撮影情報は月位置と月面情報とであり、
    前記パターンマッチング回路は、前記抽出された天球上の月位置と月面情報とを予め記憶された観測年時刻での月位置と月面情報でのパターンマッチングを行って観測視野位置の月の天球座標位置を求めることを特徴とする請求項1記載の観測光学系。
  3. 前記抽出された撮影情報は恒星情報であり、
    前記パターンマッチング回路は、前記抽出された恒星情報と予め記憶された恒星情報とのパターンマッチングを行って観測視野位置の恒星の天球座標位置を求めることを特徴とする請求項1記載の観測光学系。
  4. 前記抽出回路は、予めに記憶された観測年時刻に対応する惑星位置情報を用いて、前記撮影情報から惑星を分離して前記恒星情報を抽出することを特徴とする請求項3記載の観測光学系。
  5. 前記抽出回路は、更に恒星の明るさ又はちらつきを計測することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の観測光学系。
  6. 前記速度計測回路は、撮像素子に投影される天体の位置変化を計算し、
    前記演算回路は、前記天体の位置変化に基づいて、視野の範囲を天球座標位置に計算し、
    前記表示部は、前記観測光学系の移動に応じて変化する前記天球座標位置に従って、前記星座情報をリアルタイムに表示することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の観測光学系。
  7. 前記速度計測回路は、前記観測光学系が移動方位を検出するための方位検出回路と、前記観測光学系の移動速度を計測するための加速度センサとを備え、
    前記演算回路は、前記マッチング結果及び前記観測光学系の移動方位と移動速度に基づいて、視野の範囲を天球座標位置に計算することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の観測光学系。
  8. 前記速度計測回路は、前記観測光学系が移動方位を検出するための方位検出回路と、前記観測光学系の移動速度を計測するための加速度センサとを備え、
    前記演算回路は、前記マッチング結果及び前記観測光学系の移動方位と移動速度に基づいて、視野の範囲を天球座標位置に計算することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の観測光学系。
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