JP2009288017A - ナビゲーション装置及び受信感度制御方法 - Google Patents

ナビゲーション装置及び受信感度制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、衛星信号の受信感度が低減することを防止し得る使い勝手の良いナビゲーション装置提案する。
【解決手段】本発明は、衛星から衛星信号S1を受信して復調することによりエフェメリスデータS2を取得し、衛星信号S1の受信感度が低減することを回避すべく、GPSモジュール12を除く他の周辺デバイスにおける動作周波数を低減させるように制御することにより、周辺デバイスからの不要輻射電波のエネルギーが減少することになるため、衛星信号S1を受信するときの感度低減を抑制し、良好な通信環境を維持することができると共に、他の部位による機能を停止させずに済む。
【選択図】図5

Description

本発明は、ナビゲーション装置及び受信感度制御方法に関し、例えば持ち運び自在なポータブルナビゲーションデバイス(以下、これをPNDと呼ぶ。)に適用して好適なものである。
従来、ポータブルナビゲーションデバイスにおいては、少なくとも3個のGPS(Global Positioning System)衛星から受信した衛星信号のうち、測位に必要なデータをそれぞれ抽出し、それを解析することにより、車両の現在位置(緯度、経度)を算出するようになされている。
またPNDにおいては、3個以上のGPS衛星から測位に必要なデータを取得し解析することにより、車両の現在位置(緯度、経度)に加えて高度についても算出し得るようになされている。
そしてPNDでは、車両の現在位置を地図上に表示し、出発地から目的地までの走行経路を探索した後、当該走行経路を介してユーザを目的地までナビゲーションするようになされている。
ところでPNDでは、現在位置を測位するに当って、当該PNDにとって受信可能なGPS衛星から各衛星の軌道情報(正確な位置情報及び時刻情報等)でなるエフェメリスデータが必要である。このエフェメリスデータは約2時間毎に更新され、更新後4時間程度まで有効な寿命を持った情報である。
従ってPNDでは、電源がオフされたままの状態で4時間以上経過したような場合、改めてそれぞれのGPS衛星から新たなエフェメリスデータを取得し直さなければならない。このときPNDは、GPS衛星から約30秒周期でエフェメリスデータが送られてくるため、最低でも30秒間連続して衛星信号を受信できるという通信環境を確保していることが望ましい。
しかしながらPNDでは、GPS衛星から送られてくる衛星信号を最低でも30秒間連続して受信できる良好な通信環境を確保したいところ、走行中であったり、停車中であってもビルの陰になっていたり等の周辺環境だけではなく、当該PNDの内部デバイスに起因した不要輻射電波によって良好な通信環境を確保できないことも多い。
このような場合PNDは、内部デバイスに起因した不要輻射電波によって衛星信号の受信感度が大幅に低減することになり、衛星信号を受信するに当って良好な周辺環境が整っていたとしても、衛星信号に基づいてエフェメリスデータを復調し得ない事態が生じることになる。
そこで、PNDのGPSブロックに対する衛星信号の受信感度が低減しないようにすべく、端末装置ブロックにおけるCPUや不要輻射電波の発生源となる特定のデバイス等の電源供給を切断したり、或いは休止させる携帯情報端末が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004-61336公報
ところで上述した特許文献1に記載の携帯情報端末においては、端末装置ブロックにおけるCPUや特定のデバイス等の動作を完全に停止してしまう構成であるため、エフェメリスデータの取得動作以外の機能を実行することが出来なくなってしまい、ユーザにとっては使い勝手が悪いという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、衛星信号の受信感度が低減することを防止し得る使い勝手の良いナビゲーション装置及び当該ナビゲーション装置の受信感度制御方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、衛星から衛星信号を受信して復調することによりエフェメリスデータを取得し、取得部を除く他のデバイスにおける動作周波数を低減させることにより取得部の感度を制御するようにする。
これにより、他の部位からの不要輻射電波のエネルギーが減少することになるため、衛星信号を受信するときの感度低減を抑制し、良好な通信環境を維持することができると共に、他のデバイスによる機能を停止させずに済む。
本発明によれば、他の部位からの不要輻射電波のエネルギーが減少することになるため、衛星信号を受信するときの感度低減を抑制し、良好な通信環境を維持することができると共に、他のデバイスによる機能を停止させずに済み、かくして衛星信号の受信感度が低減することを防止し得る使い勝手の良いナビゲーション装置及び当該ナビゲーション装置の受信感度制御方法を実現することができる。
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)PNDの全体構成
図1において、1は全体として本発明のPNDを示し、4.8型の液晶ディスプレイ(以下、これをLCDと呼ぶ)2を搭載した本体部3の裏側にクレードル部4が設けられた構成を有し、当該クレードル部4の吸盤4Aを介して車両のダッシュボードに装着され、かつ取り外され得るようになされている。
ところで、GPSにより現在位置を測位するだけでなく、当該GPSによる測位が出来ないときには、車両から取り込んだ車速パルスに基づいて車両の走行速度を算出し、ジャイロセンサからの出力に基づいて車両の進行方向を算出することにより、当該車両の現在位置を推測する所謂フルナビゲーションシステムが一般的に存在する。
これに対して、この種のPND1はクレードル部4を介して、結線することのない状態で車両との脱着を可能とした構成を有するものであるため、フルナビゲーションシステムとは異なり、車速パルスやジャイロセンサに頼ることなくGPSによってのみ現在位置を測位するタイプの簡易型のナビゲーションシステムであることを特徴とする。
(2)PNDの回路構成
図2に示すようにPND1は、内蔵バッテリ(図示せず)からの電力供給を受けて、マイクロコンピュータ構成のメインCPU(Central Processing Unit)10が基本プログラムに従って全体を統括制御する。
なお、PND1は、クレードル部4を介して車両に取り付けられているときは、車両から供給される電力に基づいてメインCPU10が全体を統括制御するようになされている。
またPND1のメインCPU10は、ハードディスク9に格納された種々のアプリケーションプログラムに従って各種ナビゲーション処理や後述する受信感度制御処理等を実行するようになされている。
実際上PND1は、GPSアンテナ11によって受信した複数のGPS衛星(衛星A、衛星B、衛星C、……)からの衛星信号S1(S1A、S1B、S1C、……)をGPSモジュール12へ送出する。
GPSモジュール12は、衛星信号S1(S1A、S1B、S1C、……)を復調することにより航法メッセージを取得し、その航法メッセージからエフェメリスデータS2(S2A、S2B、S2C、……)を抽出し、これらをメインCPU10へ送出する。
ここで図3に示すように航法メッセージは、サブフレームSF1〜サブフレームSF5によって1フレーム(1500ビット)が構成されており、約50[bps]の転送速度で30秒間繰り返し送信される。
この航法メッセージは、サブフレームSF1〜サブフレームSF3が、衛星信号S1を送信しているGPS衛星自身のクロック、GPS衛星がどのような軌道で周回しているかを示す軌道情報でなるエフェメリスデータであり、30秒間隔で同じ内容が繰り返し出力されている。
因みに、サブフレームSF1はGPS衛星の状態、クロック補正に関する情報であり、サブフレームSF2及びサブフレームSF3はエフェメリスデータである。
なお一般的にエフェメリスデータは、車両の現在位置を正確に測位するために少なくとも3個のGPS衛星(衛星A、衛星B、衛星C)から取得しておく必要があるものであって、およそ2時間毎に更新され、更新後4時間まで有効な寿命のある情報である。
この場合、「有効」とは更新後4時間までの有効時間の範囲内であれば、そのエフェメリスデータS2(S2A、S2B、S2C、……)を用いて車両の現在位置を測位したときに所定レベルの精度を保証することができることを意味する。
逆に、更新後4時間を越えたエフェメリスデータS2(S2A、S2B、S2C、……)を用いて車両の現在位置を測位したときには所定レベルの精度を保証し得ないことを意味する。
因みに、PND1のメインCPU10は、エフェリメスデータS2が有効である4時間が経過するまでは、当該エフェリメスデータS2を用いて車両の現在位置を極めて短時間(例えば3秒乃至5秒程度)に測位する(以下、これをホットスタートと呼ぶ)ことが出来るようになされている。
しかしながらPND1のメインCPU10は、エフェリメスデータS2を記憶部9に保持してから4時間以上が経過した場合、当該エフェリメスデータS2の有効時間を過ぎているため、新たにエフェリメスデータS2を取り直さなければならない。
このときPND1は、GPS衛星から約30秒周期でエフェメリスデータが送られてくるため、新たなエフェリメスデータS2を再取得するのに最低でも30秒間以上の時間が必要であり、新たなエフェリメスデータS2を再取得してから車両の現在位置を測位する(以下、これをウォームスタートと呼ぶ)までには少なくとも約30秒〜1分間程度の時間を要する。
またサブフレームSF4及びSF5は、衛星情報でなるアルマナックデータや電離層補正情報等の全体では25ページ相当分が順番に送信されるため、全てのGPS衛星からこれらの情報を取得するには12.5分も要することになる。
因みに、サブフレームSF4は、電離層補正情報、協定世界時であるUTC(Coordinated Universal Time)及びアルマナックデータであり、サブフレームSF5はアルマナックデータである。
なおPND1のメインCPU10は、エフェメリスデータS2が無効になっただけでなく、当該エフェメリスデータS2よりも十分に長い例えば1週間程度もの有効時間を持つアルマナックデータについても無効になった場合、その双方を再度取得しなければならず、その際には現在位置を測位する(以下、これをコールドスタートと呼ぶ)のに10数分以上も要することになる。
従ってPND1では、電源投入時、有効なアルマナックデータを保持していても、有効なエフェメリスデータS2(S2A、S2B、S2C、……)を保持していなければ、少なくとも3個のGPS衛星(衛星A、衛星B、衛星C)から新たなエフェメリスデータS2(S2A、S2B、S2C)を取得し直さなければならなくなる。
実際上PND1では、3個のGPS衛星(衛星A、衛星B、衛星C)に限らず、GPSの電波を受信可能な6個〜8個程度のGPS衛星(衛星A、衛星B、衛星C、……、衛星H)からエフェメリスデータS2(S2A、S2B、S2C、……、S2H)を取得し得るようになされており、その中から任意の3個以上のエフェメリスデータS2(S2A、S2B、S2C、……)を用いるようになされている。
またGPSモジュール12は、エフェメリスデータS2(S2A、S2B、S2C、……)に含まれる時刻情報T1を抽出し、これをメインCPU10へ供給するようになされている。これによりメインCPU10では、GPSモジュール12から供給された時刻情報T1に基づいて現在時刻を正確な値に補正した後、その補正後の正確な時刻を用いて現在位置を測位するようになされている。
メインCPU10は、エフェメリスデータS2(S2A、S2B、S2C)及び3個のGPS衛星(衛星A、衛星B、衛星C)から車両までの距離データに基づいて当該車両の現在位置を測位し、その現在位置データS3をSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)13に対して一時的に記憶すると共にハードディスク9に書き込む。
その後、メインCPU10は、SDRAM13をワークエリアとして用い、現在位置データに応じた車両の現在位置から目的地までの走行経路を探索し、その走行経路を含む経路案内地図を描画し、その結果得られる経路案内地図データS4をLCD2へ出力する。
LCD2は、経路案内地図データS4に応じた経路案内地図画像を表示することにより、現在位置アイコン(図示せず)から目的地までの走行経路をユーザに対して目視確認させ得るようになされている。
またPND1のメインCPU10は、経路案内地図データS4に対応した経路案内地図をLCD2に表示しながら、所定のナビゲーション案内音声データS5をハードディスク9から読み出し、オーディオデバイス14経由でスピーカ15からナビゲーション案内音声として出力し得るようになされている。
さらにPND1のメインCPU10は、メモリカードインタフェース16を介して外部から装着されたメモリーカード(図示せず)から地図データや音楽コンテンツ等の各種データを取り込み、地図データについてはハードディスク9に格納し、音楽コンテンツについてはオーディオデバイス14経由でスピーカ15から再生音声として出力し得るようになされている。
(3)受信感度制御処理
次に、PND1において、GPS衛星から衛星信号S1(S1A、S1B、S1C、……)を受信するときの受信感度が低減してしまうことを回避するための受信感度制御処理について具体的に説明するが、その前に受信感度が低減する状態を具体的に示す。
(3−1)受信感度が低減する状態
図4に示すように、PND1のメインCPU10は、通常のナビゲーション動作を行なうとき、全てのデバイスが稼動しているため、例えばSDRAM13によって発生した不要輻射電波(ノイズ)や、オーディオデバイス14によって発生した不要輻射電波(ノイズ)を原因として、GPSアンテナ11及びGPSモジュール12により衛星信号S1を受信するときの受信感度が低減してしまう。
そのためPND1では、GPSモジュール12によって十分な信号レベルの衛星信号S1を受信できる通信環境であったとしても、受信感度が低減してしまうために新たなエフェメリスデータS2を取得することができなくなってしまい、ホットスタートすることが不可能になってしまう。
(3−2)受信感度の低下を抑制する方法
そこでPND1では、GPSアンテナ11及びGPSモジュール12による受信感度が低減してしまうことを防止する複数の方法について具体的に説明する。
(3−2−1)一部の周辺デバイスにおける動作周波数及び駆動電圧を低減させる方法
この場合、図5に示すようにPND1では、GPSモジュール12によって新たなエフェメリスデータS2を取得できている状態にあるか否かによって、その精度が変化してしまうときの測位状態を当該GPSモジュール12からメインCPU10へ通知するようになされている。
PND1のメインCPU10は、GPSモジュール12からの通知を受けて、当該GPSモジュール12が新たなエフェメリスデータS2を取得できていて現在位置を正確に測位することが出来たことを認識したときは、現在の受信感度であっても何ら問題がないので、何もすることなく通常のナビゲーション動作を行なうようになされている。
しかしながらPND1のメインCPU10は、当該GPSモジュール12が新たなエフェメリスデータS2を取得できておらず、現在位置を正確に測位することが出来ないことを認識したとき、主なノイズ発生源として動作していると予想される一部の周辺デバイス(SDRAM13及びオーディオデバイス14)の動作周波数を例えば約半分に低減させるようになされている。
これによりPND1では、主なノイズ発生源として動作していると予想される一部の周辺デバイス(SDRAM13及びオーディオデバイス14)の動作周波数が約半分に低減することになり(斜線で示す)、当該一部の周辺デバイスからの不要輻射電波が低減し、GPSアンテナ11及びGPSモジュール12による受信感度が低減することを防止し得るようになされている。
具体的には、PND1のメインCPU10が、SDRAM13及びオーディオデバイス14へ供給している現在のクロック周波数を分周し、その分周した基準クロックをSDRAM13及びオーディオデバイス14へ供給することにより、SDRAM13及びオーディオデバイス14の動作周波数を約半分に低減させるようになされている。
なおPND1のメインCPU10は、SDRAM13及びオーディオデバイス14の動作周波数を約半分に低減させる場合、今までの動作電圧で駆動させる必要が無くなるため、動作周波数を約半分に低減させると共に、SDRAM13及びオーディオデバイス14へ供給する駆動電圧についても、当該SDRAM13及びオーディオデバイス14を駆動可能な範囲内で低減させ得るようになされている。
これによりPND1のメインCPU10は、一部の周辺デバイス(SDRAM13及びオーディオデバイス14)の動作周波数を約半分に低減させると共に、その駆動電圧についても低減させることにより、一部の周辺デバイスからの不要輻射電波のエネルギーを一段と低減させ、GPSアンテナ11及びGPSモジュール12による受信感度が低減することを防止し得るようになされている。
(3−2−2)全ての周辺デバイスにおける動作周波数及び駆動電圧を低減させる方法
この場合、図6に示すようにPND1は、GPSモジュール12が新たなエフェメリスデータS2を取得するために衛星信号S1(S1A、S1B、S1C、……)の受信を開始したタイミングで、動作周波数低減命令をメインCPU10へ出力するようになされている。
PND1のメインCPU10は、GPSモジュール12からの動作周波数低減命令を受けると、当該GPSモジュール12が新たなエフェメリスデータS2を確実に取得できるための通信環境を整えるべく、主なノイズ発生源として動作している可能性のある全ての周辺デバイス(この場合、メインCPU10、SDRAM13、ハードディスク9、メモリカードインタフェース16及びオーディオデバイス14)の動作周波数を全て約半分に低減させるようになされている。
これによりPND1では、主なノイズ発生源として動作している可能性のある全ての周辺デバイスの動作周波数が約半分に低減することになり(斜線で示す)、当該全ての周辺デバイスからの不要輻射電波のエネルギーを低減させ、GPSアンテナ11及びGPSモジュール12による受信感度が低減することを防止し得るようになされている。
具体的には、PND1のメインCPU10は、GPSモジュール12からの動作周波数低減命令に応じて、当該メインCPU10、SDRAM13、ハードディスク9、メモリカードインタフェース16及びオーディオデバイス14の動作周波数をそれぞれ約半分に低減させるようになされている。
この場合もPND1のメインCPU10は、自身の動作周波数を約半分に低減させる一方、他の周辺デバイスへ供給している現在のクロック周波数を分周し、その分周した基準クロックを当該他の周辺デバイスへ供給することにより、全ての周辺デバイスの動作周波数を約半分に低減させるようになされている。
なおPND1では、全ての周辺デバイスの動作周波数を約半分に低減させる場合、今までの動作電圧で駆動させる必要が無くなるため、動作周波数を約半分に低減させると共に、全ての周辺デバイスに対する駆動電圧についても、駆動可能な範囲内で低減させ得るようになされている。
これによりPND1では、全ての周辺デバイスの動作周波数を約半分に低減させると共に、その駆動電圧についても低減させることにより、全ての周辺デバイスからの不要輻射電波のエネルギーを一段と低減させ、GPSアンテナ11及びGPSモジュール12による受信感度が低減することを防止し得るようになされている。
(3−2−3)受信感度制御処理手順
続いて、上述した(3−2−1)一部の周辺デバイスにおける動作周波数及び駆動電圧を低減させる方法と、(3−2−2)全ての周辺デバイスにおける動作周波数及び駆動電圧を約半分に低減させる方法に対応したPND1の受信感度制御処理手順を、図7のフローチャートを用いて説明する。
PND1のメインCPU10はルーチンRT1の開始ステップから入って次のステップSP1へ移り、当該PND1に対する電源がオンされたことをメインCPU10が認識すると、次のステップSP2へ移る。
ステップSP2においてPND1のメインCPU10は、現在保持しているエフェメリスデータS2がその有効時間(4時間)の範囲内であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、このエフェメリスデータS2に基づいて正確に現在位置を測位することができることを表しており、このときPND1は次のステップSP3へ移る。
ステップSP3においてPND1のメインCPU10は、有効時間の範囲内にあるエフェメリスデータS2を保持しているため、GPSモジュール12により当該エフェメリスデータS2に基づいて車両の現在位置を正確に測位(すなわちホットスタート)し、次のステップSP12へ移る。
ステップSP12においてPND1のメインCPU10は、ホットスタートにより車両の現在位置が正確に測位できたので、その現在位置を基準として通常のナビゲーション動作を行い、次のステップSP13へ移って処理を終了する。
これに対してステップSP2で否定結果が得られると、このことは現在保持しているエフェメリスデータS2がその有効時間(4時間)の範囲内ではなく、新たなエフェメリスデータS2を再取得する必要があることを表しており、このときPND1のメインCPU10は次のステップSP4へ移る。
ステップSP4においてPND1のメインCPU10は、GPSモジュール12により、新たなエフェメリスデータS2を再取得して現在位置を測位するウォームスタート、又は新たなエフェメリスデータS2だけでなく新たなアルマナックデータについても再取得して現在位置を測位するコールドスタートを行いながら、GPSアンテナ11及びGPSモジュール12による受信感度を向上させる高感度モードへ遷移するための高感度ボタン(図示せず)をLCD2に表示し、次のステップSP5へ移る。
ステップSP5においてPND1のメインCPU10は、高感度ボタンがユーザによって押下操作されなかった場合、否定結果を得て次のステップSP6へ移るのに対し、高感度ボタンがユーザによって押下操作された場合、肯定結果を得て次のステップSP7へ移る。因みに、PND1のメインCPU10は、一部の周辺デバイスの動作周波数及び駆動電圧を低減させた場合でも、当該PND1が現在処理中の動作に対して何ら影響が出ないときには、高感度ボタンをユーザに押下操作させることなく次のステップSP7へ移るようにしても良い。
ステップSP6においてPND1のメインCPU10は、高感度モードへ遷移することがないため、ステップSP4で行なっているウォームスタート又はコールドスタートをそのまま継続し、現在位置を測位し終わると、次のステップSP12へ移る。
ステップSP12においてPND1のメインCPU10は、ウォームスタート又はコールドスタートにより車両の現在位置が測位できたので、その現在位置を基準として通常のナビゲーション動作を行い、次のステップSP13へ移って処理を終了する。
一方、ステップSP7においてPND1のメインCPU10は、メインCPU10がGPSモジュール12からの通知に基づいて、当該GPSモジュール12が新たなエフェメリスデータS2を再取得できておらず、現在位置を正確に測位することが出来ないことを認識したとき、主なノイズ発生源として動作していると予想される一部の周辺デバイス(SDRAM13及びオーディオデバイス14)の動作周波数を約半分に低減させると共に駆動電圧についても低減させ(図5)、次のステップSP8へ移る。
またPND1のメインCPU10は、ステップSP7でGPSモジュール12からの動作周波数低減命令を受けた場合、主なノイズ発生源として動作している可能性のある全ての周辺デバイス(この場合、メインCPU10、SDRAM13、ハードディスク9、メモリカードインタフェース16及びオーディオデバイス14)の動作周波数を約半分に低減させると共に駆動電圧についても低減させ(図6)、次のステップSP8へ移る。
ステップSP8においてPND1のメインCPU10は、ステップSP7で周辺デバイスの動作周波数及び駆動電圧を低減させたことにより、GPSアンテナ11及びGPSモジュール12による受信感度の低下を回避した結果、新たなエフェメリスデータS2を再取得し終わったか否かを判定する。
ここで否定結果が得られると、このことは高感度モードで受信感度が低減することを回避したものの、未だ新たなエフェメリスデータS2を再取得し終わっていないことを表しており、このときPND1のメインCPU10は次のステップSP10へ移る。
ステップSP10においてPND1のメインCPU10は、新たなエフェメリスデータS2の再取得を試みているものの、規定の時間(例えば、30秒間又は1分間)が経過してタイムアウトしたか否かを判定する。
ここで否定結果が得られると、このことは未だ規定の時間が経過していないことを表しており、このときPND1のメインCPU10はステップSP8へ戻って新たなエフェメリスデータS2の再取得を継続する。
これに対してステップSP10で肯定結果が得られると、このことは新たなエフェメリスデータS2の再取得を試みている最中に、規定の時間(例えば、30秒間又は1分間)が経過してタイムアウトしたことを表しており、このときPND1のメインCPU10は次のステップSP11へ移る。
ステップSP11においてPND1のメインCPU10は、タイムアウトするまでの間に新たなエフェメリスデータS2を再取得することができなかったので、現在位置を正確に測位出来なかった旨の文言をLCD2に表示することによりユーザへ通知し、ステップSP6以降のウォームスタート又はコールドスタートによる現在位置の測位を行なう。
これに対してステップSP8で肯定結果が得られると、このことは高感度モードで受信感度の低下を回避した結果、タイムアウトするまでの間に新たなエフェメリスデータS2を再取得できたことを表しており、このときPND1のメインCPU10は次のステップSP12へ移る。
ステップSP12においてPND1のメインCPU10は、新たなエフェメリスデータS2を用いて車両の現在位置を正確に測位し、その現在位置を基準として通常のナビゲーション動作を行った後、次のステップSP13へ移って処理を終了する。
このようにPND1のメインCPU10は、ユーザからの指示によって高感度モードへ遷移した場合、主なノイズ発生源として動作していると予想される一部の周辺デバイス(SDRAM13及びオーディオデバイス14)の動作周波数を約半分に低減させると共に駆動電圧を低減させるか、或いは自身を含む全ての周辺デバイス(メインCPU10、SDRAM13、ハードディスク9、メモリカードインタフェース16及びオーディオデバイス14)の動作周波数を約半分に低減させると共に駆動電圧を低減させるようになされている。
これによりPND1のメインCPU10は、周辺デバイスの動作周波数及び駆動電圧を低減させてGPSアンテナ11及びGPSモジュール12による受信感度の低下を回避した結果、新たなエフェメリスデータS2を再取得し得、現在位置を正確に測位し得るようになされている。
なおPND1のメインCPU10は、新たなエフェメリスデータS2を再取得するまでに規定の時間が経過した(タイムアウト)場合、消費電力を無駄に浪費することを回避すべく現在位置の測位を行なわないようになされている。
(3−2−4)航法メッセージに合わせて動作周波数及び駆動電圧を低減させる方法
この場合、図8に示すように、エフェメリスデータS2を抽出するための航法メッセージ(図3)が5サブフレーム構成で、かつ約50[bps]の転送速度で30秒間繰り返し送信されているところ、PND1ではそのときの通信環境によって例えばサブフレームSF2だけが受信できないといった事態が起こり得る。
このようなときPND1は、次の30秒間で送られる次フレームにおけるサブフレームSF2の受信タイミングで、上述したように、一部の周辺デバイス又は全ての周辺デバイスの動作周波数を約半分に低減させると共に駆動電圧を低減させることにより、当該周辺デバイスからの不要輻射電波を低減させ、GPSアンテナ11及びGPSモジュール12による受信感度が低減することを防止し得るようになされている。
因みに、PND1では、例えば1フレームの中でサブフレームSF2だけが受信できない場合に限られる訳ではなく、例えばサブフレームSF2及びサブフレームSF5が同時に受信出来ないことも十分有り得る。
このようなときPND1では、次の30秒間で送られる次フレームにおけるサブフレームSF2及びサブフレームSF5の受信タイミングで、一部の周辺デバイス又は全ての周辺デバイスの動作周波数を約半分に低減させると共に駆動電圧を低減させるようにすれば良い。
(3−2−5)航法メッセージのタイミングに合わせた受信感度制御処理手順
続いて、上述した(3−2−4)航法メッセージに合わせて動作周波数を低減させる方法に対応したPND1の受信感度制御処理手順を、図9のフローチャートを用いて説明する。
PND1のメインCPU10はルーチンRT2の開始ステップから入って次のステップSP21へ移り、当該PND1に対する電源がオンされたことをメインCPU10が認識すると、次のステップSP22へ移る。
ステップSP22においてPND1のメインCPU10は、現在保持しているエフェメリスデータS2がその有効時間(4時間)の範囲内であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、このエフェメリスデータS2に基づいて直ちに現在位置を測位することができることを表しており、このときPND1は次のステップSP23へ移る。
ステップSP23においてPND1のメインCPU10は、有効時間の範囲内にあるエフェメリスデータS2を保持しているため、GPSモジュール12により当該エフェメリスデータS2に基づいて車両の現在位置を正確に測位(すなわちホットスタート)し、次のステップSP32へ移る。
ステップSP32においてPND1のメインCPU10は、ホットスタートにより車両の現在位置が正確に測位できたので、その現在位置を基準として通常のナビゲーション動作を行い、次のステップSP33へ移って処理を終了する。
これに対してステップSP22で否定結果が得られると、このことは現在保持しているエフェメリスデータS2がその有効時間(4時間)の範囲内ではなく、新たなエフェメリスデータS2を再取得する必要があることを表しており、このときPND1のメインCPU10は次のステップSP24へ移る。
ステップSP24においてPND1のメインCPU10は、GPSモジュール12により、新たなエフェメリスデータS2を再取得して現在位置を測位するウォームスタート、又は新たなエフェメリスデータS2だけでなく新たなアルマナックデータについても再取得して現在位置を測位するコールドスタートを行いながら、GPSアンテナ11及びGPSモジュール12による受信感度の低下を回避させる高感度モードへ遷移するための高感度ボタン(図示せず)をLCD2に表示し、次のステップSP25へ移る。
ステップSP25においてPND1のメインCPU10は、高感度ボタンがユーザによって押下操作されなかった場合、否定結果を得て次のステップSP26へ移るのに対し、高感度ボタンがユーザによって押下操作された場合、肯定結果を得て次のステップSP27へ移る。因みに、PND1のメインCPU10は、一部の周辺デバイスの動作周波数及び駆動電圧を低減させた場合でも、当該PND1が現在処理中の動作に対して何ら影響が出ないときには、高感度ボタンをユーザに押下操作させることなく次のステップSP27へ移るようにしても良い。
ステップSP26においてPND1のメインCPU10は、高感度モードへ遷移することがないため、ステップSP24で行なっているウォームスタート又はコールドスタートをそのまま継続し、現在位置を測位し終わると、次のステップSP32へ移る。
ステップSP32においてPND1のメインCPU10は、ウォームスタート又はコールドスタートにより車両の現在位置が測位できたので、その現在位置を基準として通常のナビゲーション動作を行い、次のステップSP33へ移って処理を終了する。
一方、ステップSP27においてPND1のメインCPU10は、衛星信号S1(S1A、S1B、S1C、……)を復調することにより得た航法メッセージのうち、これから受信するサブフレームSF1〜SF5の何れか又は、現在受信しているサブフレームSF1〜SF5の何れかが現在位置の測位に必要であるか否かを判定する。
ここで否定結果が得られると、このことは、これから受信する若しくは現在受信しているサブフレームSF1〜SF5の何れかについては既に取得済みであって、現在位置を測位するために現時点では必要ないことを表しており、このときPND1のメインCPU10はステップSP27に戻る。
これに対してステップSP27で肯定結果が得られると、このことは、これから受信する若しくは現在受信しているサブフレームSF1〜SF5の何れかが現在位置の測位に必要であるものの、現時点では未だ取得できていないことを表しており、このときPND1のメインCPU10は次のステップSP28へ移る。
具体的には、例えば、新たなエフェメリスデータS2を再取得する必要があるところ、これから受信する若しくは現在受信しているサブフレームSF2(図8)が現時点では測位に必須であるものの、未だ取得できていないような場合が該当する。
ステップSP28においてPND1のメインCPU10は、主なノイズ発生源として動作していると予想される一部の周辺デバイス(例えば、SDRAM13及びオーディオデバイス14)、或いは主なノイズ発生源として動作している可能性のある全ての周辺デバイス(例えば、メインCPU10、SDRAM13、ハードディスク9、メモリカードインタフェース16及びオーディオデバイス14)の動作周波数及び駆動電圧をサブフレームSF2の受信タイミングに合わせて低減させ、次のステップSP29へ移る。
ステップSP29においてPND1のメインCPU10は、ステップSP28で周辺デバイスの動作周波数及び駆動電圧を低減させたことにより、GPSアンテナ11及びGPSモジュール12による受信感度が低減することを抑制した結果、新たなエフェメリスデータS2を再取得し終わったか否かを判定する。
ここで否定結果が得られると、このことは高感度モードへ遷移した後、周辺デバイスの動作周波数及び駆動電圧をサブフレームSF2の受信タイミングに合わせて低減させることにより受信感度が低減することを抑制したにも拘わらず、サブフレームSF2を受信できておらず、未だ新たなエフェメリスデータS2を再取得できていないことを表しており、このときPND1のメインCPU10は次のステップSP30へ移る。
ステップSP30においてPND1のメインCPU10は、新たなエフェメリスデータS2の再取得を試みているものの、規定の時間(例えば、30秒間又は1分間)が経過してタイムアウトしたか否かを判定する。
ここで否定結果が得られると、このことは未だ規定の時間が経過していないことを表しており、このときPND1のメインCPU10はステップSP29へ戻って、サブフレームSF2が受信できるまで上述の処理を繰り返すことにより新たなエフェメリスデータS2の再取得を継続する。
これに対してステップSP30で肯定結果が得られると、このことは新たなエフェメリスデータS2の再取得を試みている最中に、規定の時間(例えば、30秒間又は1分間)が経過してタイムアウトしたことを表しており、このときPND1のメインCPU10は次のステップSP31へ移る。
ステップSP31においてPND1のメインCPU10は、タイムアウトするまでの間にサブフレームSF2を受信できず、新たなエフェメリスデータS2を再取得することができなかったので、現在位置を正確に測位出来なかった旨の文言をLCD2に表示することによりユーザへ通知し、ステップSP26以降のウォームスタート又はコールドスタートによる現在位置の測位を行なう。
これに対してステップSP29で肯定結果が得られると、このことはステップSP28で周辺デバイスの動作周波数及び駆動電圧を低減させたことにより、GPSアンテナ11及びGPSモジュール12による受信感度が低減することを抑制した結果、新たなエフェメリスデータS2を再取得できたことを表しており、このときPND1のメインCPU10は次のステップSP32へ移る。
ステップSP32においてPND1のメインCPU10は、新たなエフェメリスデータS2を用いて車両の現在位置を正確に測位し、その現在位置を基準として通常のナビゲーション動作を行った後、次のステップSP33へ移って処理を終了する。
このようにPND1のメインCPU10は、ユーザからの指示によって高感度モードへ遷移した場合、航法メッセージのうち受信できなかったサブフレームSF2の受信タイミングで、主なノイズ発生源として動作していると予想される一部の周辺デバイス、或いは自身を含む全ての周辺デバイスの動作周波数及び駆動電圧を低減させる。
これによりPND1のメインCPU10は、サブフレームSF2の受信タイミングに合わせて周辺デバイスの動作周波数及び駆動電圧を低減させることによりGPSアンテナ11及びGPSモジュール12による受信感度が低減することを抑制し、現状よりも受信感度を向上させた結果、新たなエフェメリスデータS2を再取得し得、現在位置を正確に測位し得るようになされている。
なお、この場合もPND1のメインCPU10は、新たなエフェメリスデータS2を再取得するまでに規定の時間が経過した(タイムアウト)場合、消費電力を無駄に浪費することを回避すべく現在位置の測位を行なわないようになされている。
(3−3)動作周波数を低減させたときのノイズ抑制効果
次に、PND1において周辺デバイスの動作周波数を約半分に低減させたときの、当該周辺デバイスから発せられる不要輻射電波における高調波のノイズ成分がどのように変化したかを示す。
ところでPND1は、周辺デバイスに対して、所定の動作周波数に対応した矩形波を用いてディジタル制御を行なっている。このディジタル制御による矩形波が用いられている場合、次数が高くなるに連れて高調波でなるノイズ成分のレベルがその次数に反比例して小さくなることが一般的に知られている。
ここで、図10に示すようにPND1では、メインCPU10が例えば源振50[MHz]の基本周波数を持ち、それをクロック逓倍回路により、100[MHz]、200[MHz]、300[MHz]、400[MHz]及び500[MHz]という基本周波数よりも高周波な動作周波数に設定して用いることが出来るようになされている。
例えば、PND1では、メインCPU10の動作周波数を100[MHz]から50[MHz]に低減させた場合、その高調波のノイズ成分は約半分(−6[dB])になることが分かる。
同様に、PND1では、メインCPU10の動作周波数を200[MHz]から100[MHz]に低減させた場合、300[MHz]から150[MHz]に低減させた場合、400[MHz]から200[MHz]に低減させた場合、500[MHz]から250[MHz]に低減させた場合の何れであっても、その高調波のノイズ成分は約半分(−6[dB])になることが分かる。
このことは、メインCPU10だけではなく、GPSモジュール12以外のノイズ源と考えられるSDRAM13、ハードディスク9、メモリカードインタフェース16及びオーディオデバイス14等の他の周辺デバイスについても同様にノイズ成分が減少すると予想される。
従ってPND1では、メインCPU10、SDRAM13、ハードディスク9、メモリカードインタフェース16及びオーディオデバイス14等のGPSモジュール12以外の周辺デバイスに対する動作周波数を低減させることにより、全体として高調波のノイズ成分を大幅に抑制し得ることが分かる。
これに加えてPND1では、GPSモジュール12以外の周辺デバイスに対する動作周波数を約半分に低減させると共に駆動電圧についても低減させることにより、高調波のノイズ成分を更に低減させ得るようになされている。
なお、PND1は、受信感度に関わるGPSモジュール12以外のノイズ源と考えられる周辺デバイスの動作周波数を低減させる場合、衛星信号の1.5[GHz]と、周辺デバイスの動作周波数とが重なることの無いないように変更することにより干渉を回避し、GPSアンテナ11及びGPSモジュール12による受信感度の低下を一段と確実に防止し得るようになされている。
(4)動作及び効果
以上の構成において、PND1のメインCPU10は、GPSアンテナ11及びGPSモジュール12による衛星信号S1の受信感度が周辺デバイスからの不要輻射電波によって低減してしまっているところ、当該GPSモジュール12以外の周辺デバイスに対する動作周波数及び駆動電圧を低減させることにより、衛星信号S1の受信感度が低減してしまうことを回避することができる。
これによりPND1では、衛星信号S1を受信できる通信環境にありながら、周辺デバイスからの不要輻射電波によって衛生信号S1を受信できなくなってしまう不都合を防止し、ナビゲーション機器として優先して行なう必要のなる現在位置の測位を確実に実行することができる。
またPND1のメインCPU10は、周辺デバイスに対する電力供給を停止して止めてしまうのではなく、当該周辺デバイスに対する動作周波数及び駆動電圧を低減させるだけであって、その動作を遅くさせるものの完全に停止してしまう訳ではないので、現在位置を測位すること以外の他の機能についても継続することができる。
さらにPND1では、PSモジュール12以外の周辺デバイスに対する動作周波数を低減させることに加えて、その駆動電圧についても低減させることにより、周辺デバイスが発生させる不要輻射電波のエネルギーを大幅に減少させることができ、かくして受信感度を一段と向上させることができる。
以上の構成によれば、PND18は、GPSモジュール12以外の周辺デバイスに対する動作周波数及び駆動電圧を低減させ、衛星信号S1の受信感度が低減してしまうことを回避することにより、短時間で新たなエフェメリスデータS2を再取得させ、現在位置を正確かつ短時間のうちに測位することができる。
またPND1は、このとき、GPSモジュール12以外の周辺デバイスに対する動作周波数及び駆動電圧を低減させるだけであって、その動作を停止させてしまう訳ではないため、例えばLCD2が完全に消えてしまって故障しているとユーザに勘違いさせるような事態や、音声が一切出なくなってしまうような事態を回避することができる。
(5)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、PND1における一部の周辺デバイス(この場合、SDRAM13及びオーディオデバイス14)の動作周波数を約半分に低減させるか、或いは全ての周辺デバイス(この場合、メインCPU10、SDRAM13、オーディオデバイス14、ハードディスク9、LCD2及びメモリカードインタフェース16)の動作周波数を約半分に低減させるようにした場合について述べた。
しかしながら、本発明はこれに限らず、PND1では、例えば一部の周辺デバイス(この場合、SDRAM13)の動作周波数を約半分に低減させる一方、新たなエフェメリスデータS2を取得して現在位置を測位するのに直接関連性の低い残りの周辺デバイス(この場合、ハードディスク9、LCD2、オーディオデバイス14及びメモリカードインタフェース16)を停止させるようにしても良い。
また上述の実施の形態においては、PND1は周辺デバイスの動作周波数及び駆動電圧を低減するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、PND1の動作周波数を約半分に低減させたときに、十分な受信感度が得られているか否かを判別し、十分な受信感度が確保されているときには駆動電圧については低減させないようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、周辺デバイスとしてメインCPU10、SDRAM13、オーディオデバイス14、ハードディスク9、LCD2及びメモリカードインタフェース16の動作周波数及び駆動電圧を低減させるようにした場合について述べた。
しかしながら、本発明はこれに限らず、PND1では、それら以外の例えばUSB(Universal Serial Bus)ドライバ、ディスクドライブ等の他のデバイスが搭載されている場合には、当該他のデバイスについても合わせて動作周波数及び駆動電圧を低減させるようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、PND1が予めインストールされたアプリケーションプログラムに従い、上述したルーチンRT1及びRT2における受信感度制御処理手順を実行するようにした場合について述べた。
しかしながら、本発明はこれに限らず、PND1においては、所定の記録媒体からインストールしたアプリケーションプログラムや、インターネットからダウンロードしたアプリケーションプログラム、その他種々のルートによってインストールしたアプリケーションプログラムに従って上述したルーチンRT1及びRT2の受信感度制御処理手順を実行するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、周辺デバイスとしてメインCPU10、SDRAM13、オーディオデバイス14、ハードディスク9、LCD2及びメモリカードインタフェース16の動作周波数を約半分に低減させるようにした場合について述べた。
しかしながら、本発明はこれに限らず、PND1では、受信感度の低下に最も影響すると予想される周辺デバイスの動作周波数を半分に低減させる一方、それ以外の周辺デバイスについては、その動作周波数を3/4程度に低減させる等、低減率をデバイス毎に変更するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、PND1のメインCPU10が受信感度の低下に最も影響すると予想される周辺デバイスの動作周波数を低減させるようにした場合について述べた。
しかしながら、本発明はこれに限らず、PND1では、周辺デバイスへ供給している源振のクロック周波数をずらすようにしても良い。
例えばPND1におけるメインCPU10の源振が500[MHz]で、何れかの周辺デバイスに対してメインCPU10の逓倍回路により3倍に逓倍した1.5[GHz]の動作周波数を供給している場合、GPS衛星から受信する衛星信号S1の1.5[GHz]帯と重なることになってノイズを発生する要因となってしまう。
このような場合に、メインCPU10は、源振の基本となるクロック周波数を可変できる可変型の発信器であれば、源振を450[MHz]にずらすことにより、3倍に逓倍したときでも1.35[GHz]、4倍に逓倍したときでも1.8[GHz]となり、衛星信号S1の1.5[GHz]帯と重なることはなく、衛星信号S1の受信感度が低減することを防止することができる。なお、メインCPU10は、周辺デバイスへ供給している源振のクロック周波数をずらす際、低減する方向だけではなく、増加する方向へずらしても良い。例えば、メインCPU10は、源振を550[MHz]にずらすことにより、3倍に逓倍したときでも1.65[GHz]、4倍に逓倍したときでも2.2[GHz]となり、衛星信号S1の1.5[GHz]帯と重なることはなく、衛星信号S1の受信感度が低減することを防止することができる。
さらに上述の実施の形態においては、取得部としてのGPSモジュール12及び制御部としてのメインCPU10によって本発明におけるナビゲーション装置としてのPND1を構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の回路構成でなる取得部及び制御部によって本発明におけるナビゲーション装置を構成するようにしても良い。
本発明のナビゲーション装置及び受信感度制御方法は、例えばPND以外にも、GPS等の測位手段を有するノートブック型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話機及びポータブル型ゲーム機等のその他種々の電子機器に適用することができる。
本発明におけるPNDの全体構成を示す略線的斜視図である。 本発明におけるPNDの回路構成を示す略線的ブロック図である。 航法メッセージの構造を示す略線図である。 受信感度が低減する状態の説明に供する略線図である。 一部の周辺デバイスの動作周波数及び駆動電圧を低減させる方法の説明に供する略線図である。 全ての周辺デバイスの動作周波数及び駆動電圧を低減させる方法の説明に供する略線図である。 受信感度制御処理手順の説明に供するフローチャートである。 航法メッセージに合わせて動作周波数及び駆動電圧を低減させる方法の説明に供する略線図である。 航法メッセージのタイミングに合わせた受信感度制御処理手順の説明に供するフローチャートである。 動作周波数の低減による高調波のノイズ成分が低減する一例を示す略線図である。
符号の説明
1……PND、2……LCD、3……本体部、4……クレードル部、9……ハードディスク、10……メインCPU、11……GPSアンテナ、12……GPSモジュール、13……SDRAM、14……オーディオデバイス、15……スピーカ、16……メモリカードインタフェース。

Claims (6)

  1. 衛星から衛星信号を受信して復調することによりエフェメリスデータを取得する取得部と、
    上記取得部を除く他のデバイスにおける動作周波数を低減させることにより上記取得部の感度を制御する制御部と
    を具えるナビゲーション装置。
  2. 上記制御部は、上記他のデバイスにおける上記動作周波数を低減させることに加えて、当該制御部自身の動作周波数についても低減させる
    請求項1に記載のナビゲーション装置。
  3. 上記制御部は、上記動作周波数を低減させると共に、当該制御部自身及び当該他のデバイスにおける駆動電圧についても低減させる
    請求項2に記載のナビゲーション装置。
  4. 上記制御部は、上記衛星信号の周波数帯と、上記動作周波数を低減させた後の上記他のデバイスの周波数帯とが重なることを回避するように、上記他のデバイスへ供給しているクロック周波数を分周することにより上記動作周波数を低減させる
    請求項1に記載のナビゲーション装置。
  5. 上記制御部は、上記他のデバイスにおける一部の上記動作周波数を低減させる一方、上記他のデバイスにおける残りについては電力供給を停止する
    請求項1に記載のナビゲーション装置。
  6. 取得部により、衛星から衛星信号を受信して復調することによりエフェメリスデータを取得する取得ステップと、
    制御部により、上記取得部を除く他のデバイスにおける動作周波数を低減させることにより、上記取得部の感度を制御する制御ステップと
    を有する受信感度制御方法。
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