JP2009284933A - 超音波診断用カプラの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】超音波プローブの当接面と、凹凸形状の体表面との間に隙間部分が生ずることのない超音波診断用カプラの製造方法を提供する。
【解決手段】主材となるPVAに、水をその添加量を適宜調整して混合して加熱することにより、該PVAを水に完全に溶解させてPVA水溶液を作成し、更に前記PVA水溶液中に、防カビ剤と画像処理剤とを混合して得られた混合溶液を冷却して、ゾル状混合溶液となし、且つ該ゾル状混合溶液を型器に流し込んで、該型器を冷凍庫に入れて0℃以下の温度にして、前記ゾル状混合溶液を凍結固形化し、然る後、冷凍庫から前記型器を取出して、該凍結固形化したゾル状混合溶液を室温保存して自然解凍してゲル状固形物として、超音波診断用カプラを製造する。
【選択図】図7
【解決手段】主材となるPVAに、水をその添加量を適宜調整して混合して加熱することにより、該PVAを水に完全に溶解させてPVA水溶液を作成し、更に前記PVA水溶液中に、防カビ剤と画像処理剤とを混合して得られた混合溶液を冷却して、ゾル状混合溶液となし、且つ該ゾル状混合溶液を型器に流し込んで、該型器を冷凍庫に入れて0℃以下の温度にして、前記ゾル状混合溶液を凍結固形化し、然る後、冷凍庫から前記型器を取出して、該凍結固形化したゾル状混合溶液を室温保存して自然解凍してゲル状固形物として、超音波診断用カプラを製造する。
【選択図】図7
Description
本発明は、例えば、乳がん等のがんの有無の検査や、動脈の硬軟を検査したりする超音波診断に用いられる、超音波を伝達する超音波診断用カプラの製造方法に関するものである。
超音波診断装置は、周波数が1〜10MHzの超音波を体内に送り込み、組織の境界で反射して戻ってくる反射波から、臓器の断層像を作成してCRT上に表示するものである。
超音波診断装置のうち、超音波を送受信する器具はプローブと呼ばれていて、その内部にはジルコン酸チタン鉛で作られた振動子が、それぞれ電極に挟まれて100個程度並んでいる。
前記ジルコン酸チタン鉛は、電圧を加えると振動し、逆に振動を加えると、その強さに応じた起電力を起こす性質(圧電効果)をもっているため、検査時には被検体である生体の体表面にプローブを当てて、前記振動子にパルス電圧をかけて振動させると、その振動から超音波が発生して体内に向って送り込まれ、組織の境界で反射し、戻ってきた反射波の振動によって前記振動子が起電力を起こして電気信号となる。そして、この超音波の送受信をプローブの体表面への接触位置を変えながら、繰返して行う。
一方、前記反射波は、反射地点の組織の状態によって強さが異なると共に、深度によって到達時間に差が出るので、超音波診断装置では、前記違いの出た電気信号を、先ず強さに応じた輝度信号に変調し、この輝度信号を、受信のたびごとに時系列に沿って、メモリーに読み込ませて行くと、信号数の増加につれて断層像が形成され、すべての信号が揃って像が完成すると、CRT上に表示され、医師が前記CRT上に表示された臓器の形状から診断を下すのである。
前記超音波診断装置を用いた超音波診断においては、プローブを体表面に当接させて、生体内を超音波パルスによりスキャンするのであるが、一般的にプローブの体表面との当接面は弾性がなく、そのため乳房の乳首などのような凹凸形状がある部分では、プローブの当接面と体表面との間に隙間を生じ超音波が伝達されないため、隙間を生じた部分の画像を得ることができないという欠点があったので、その欠点を解決すべく下記の特許文献1に示すような超音波診断用カプラが提案されている。
前記特許文献1に開示されているように、プローブの当接面と、凹凸形状の体表面との間に隙間部分が生じないようなカプラが提案されたとしても、該カプラはその凹形状に合う体表面にしか使用することができず、汎用性がないという課題があった。
本発明は、前記課題を解決すべくなされたもので、プローブの当接面と、凹凸形状の体表面との間に隙間部分が生じても、体表面の凹凸形状に合うようゲル状固形物より成る超音波診断用カプラが、生体の測定部位の形に変形して、隙間部分が生じないようにすると共に、超音波の減衰率や多重反射に影響を与えるとなく、正確な超音波診断を可能とする超音波診断用カプラの製造方法を提供しようとするものである。
本発明は、主材となるPVAに、水をその添加量を適宜調整して混合して加熱することにより、該PVAを水に完全に溶解させてPVA水溶液を作成し、更に前記PVA水溶液中に、防カビ剤と画像処理剤とを混合して得られた混合溶液を冷却して、ゾル状の混合溶液となし、且つ該ゾル状混合溶液を型器に流し込んで、該型器を冷凍庫に入れて0℃以下の温度にして、前記ゾル状混合溶液を凍結固形化し、然る後、冷凍庫から前記型器を取出して、該凍結固形化したゾル状混合溶液を室温保存して自然解凍して、ゲル状固形物とすることにより超音波診断用カプラを製造するという手段を採用することにより、上記課題を解決した。
本発明超音波診断用カプラの製造方法によれば、プローブの当接面と、凹凸形状の体表面との間に隙間部分が生じても、体表面の凹凸形状に合うようゲル状固形物より成る超音波診断用カプラが、生体の測定部位の形に変形して、隙間部分が生じないようにすると共に、超音波の減衰率や多重反射に影響を与えるとなく、正確な超音波診断を可能とする超音波診断用カプラを製造することができる。
超音波診断装置に使用する超音波診断用カプラの条件としては、特に超音波の減衰率が少ないもの、および超音波の多重反射の少ないものが優れている。すなわち、生体に向って送り込まれた超音波は、生体と同程度に減衰することが必要であり、これによりエコー画像が生体と同じ様に再現される。
また、超音波は、その性質上、物体に当たることにより反射するが、その反射が大きいとノイズとなり、そして、前記ノイズにより、CRT上に表示される画像に縞模様等が発生し、組織が判別できなくなるので、超音波診断用カプラとしては、多重反射の少ないものが望まれている。
本発明は、超音波診断用カプラの製造において、超音波の減衰率が少なく、且つ多重反射を少なくすることができる主材として、水分を含有する水溶性樹脂で、水溶性フィルム、繊維仕上げ剤、医療用部品等に使用されると共に、化学反応によらず温度変化で形が自由に変化する、すなわち、変体作用を有するPVA(ポリビニールアルコール)を採用し、以下の方法により、本発明超音波診断用カプラを製造する。
すなわち、前記主材となるPVAに、水をその添加量を適宜調整して混合して加熱することにより、該PVAを水に完全に溶解させてPVA水溶液を作成し、然る後、該PVA水溶液中に、防カビ剤と画像処理剤とを混合して得られた混合溶液を冷却して、ゾル状混合溶液となし、且つ該ゾル状混合溶液をPET等の合成樹脂製の型器に流し込んで、該型器を冷凍庫に入れて0℃以下の温度にする。
前記型器を冷凍庫に入れて0℃以下の温度にすると、前記ゾル状混合溶液中のPVAの結晶化が進み、該ゾル状混合溶液が凍結固形化し、然る後、冷凍庫から前記型器を取出して、室温保存して前記凍結固形化したゾル状混合溶液を自然解凍してゲル状固形物とすることにより、本発明超音波診断用カプラが製造される。
そして、本発明に係る超音波診断用カプラは、その使用に当っては、前記型器からゲル状固形物より成る超音波診断用カプラを取出して、該超音波診断用カプラをプローブに装着して使用する。
なお、前記前記凍結固形化したゾル状混合溶液を自然解凍して得られた、ゲル状固形物より成る本発明に係る超音波診断用カプラは、ある程度の弾発力と柔軟性を有し、これを押圧すると押圧物の形状に沿って凹陥し、逆に押圧状態を解除すると弾発し、元の形状に復元するという性質を保有している。
本発明に係る超音波診断用カプラは、超音波が生体と同程度に減衰するよう形成されている。生体は、生体を構成する組織の部位により、その硬さ、あるいは柔らかさ、または弾性がそれぞれ異なるため、本発明に係る超音波診断用カプラは、前記生体の診断部位の硬さ、あるいは柔らかさ、または弾性と同程度の硬さ、あるいは柔らかさ、または弾性を有するよう形成される必要がある。更に、本発明に係る超音波診断用カプラは、水分含有量も、前記生体の診断部位と同程度であることも必要である。すなわち、前記PVA水溶液中の水分含有量を、生体の診断部位と同じ状態とすることにより、超音波の減衰率を少ないものとすることができる。
一方、前記したように、超音波は、性質上物体に当ると反射するが、その反射が大きいとノイズとなり、画像に縞模様等が発生し、組織が判別できなくなるので、前記ノイズを防ぐために、前記PVA水溶液に画像処理剤を添加することにより、超音波の反射を抑えることができる。そして、前記画像処理剤の種類と量を調整することにより、超音波のノイズの問題を解決し、CRT上の画像の鮮明さを向上させることが可能となる。
また、本発明に係る超音波診断用カプラは、PVA水溶液に添加する画像処理剤を選択することにより、診断部位の組織の違いが識別可能となる。すなわち、PVAの種類、配合および製法を変化させることにより、各組織の硬さ、あるいは柔らかさ、または弾性に応じて、CRT上に表示される映像を、例えば色分け表示など変化させて表示することが可能である。
一般的に、超音波診断用カプラは、体表面へ接触する感触が生体に近いことが好ましいが、本発明に係る超音波診断用カプラは、変体として作用するPVAを主材として、ゲル状固形物に形成しているため、感触も非常に生体に近く、且つ硬さも変化させることができると共に、形状も自由に成型可能であり、またPVAと混合する水分量を変化させることにより、硬度調整ができ、更に成型により形状も自由に変化させることが可能である。
一般に、皮膚の音響インピーダンスZ(106kg/m2s)は、表1に示すように、生体の各部位によって異なるので、前記ゾル状混合溶液は、診断する各部位の音響インピーダンスと一致、またはそれに近い数値が得られるよう、前記PVA水溶液の水分量、および画像処理剤の種類と量を調整する必要がある。なお、表1はインターネットWebサイトにおいて公開されたものである。
次に、本発明超音波診断用カプラの製造方法につき詳細に説明する。本発明に係る超音波診断用カプラの主材であるPVAは、特に限定する必要はないが、好ましくは、けん化度98.00〜99.90%、特に好ましくは、けん化度99.85%で、且つ特に限定する必要はないが、好ましくは、粘度18.0〜30.0mPa、特に好ましくは、粘度21.5〜28.5mPaのPVAを使用し、前記けん化度および粘度の要件を満たすPVAであって、特に限定する必要はないが、好ましくは、PVA1〜15重量%、特に好ましくは、PVA7〜9重量%と、特に限定する必要はないが、好ましくは、水85〜99重量%、特に好ましくは、水91〜93重量%とを混合して、特に限定する必要はないが、好ましくは、88〜97℃、特に好ましくは、90〜95℃で加熱し、該PVAを水に完全に溶解させて、PVA水溶液を作成する。
そして、前記PVAを水に完全に溶解させて得られたPVA水溶液に、特に限定する必要はないが、好ましくは、防カビ剤0.01〜0.5重量%、特に好ましくは、0.05〜0.2重量%、並びに画像処理剤1〜10重量%、特に好ましくは、6〜9重量%を添加混合して得られた混合溶液を、特に限定する必要はないが、好ましくは、38〜42℃、特に好ましくは、39〜41℃まで冷却して、前記混合溶液をゾル状となし、そして、前記ゾル状となった混合溶液をPET等の合成樹脂製の型器に流し込むと、前記ゾル状混合溶液が前記型器の形状に合うよう変体反応して、密着充填される。
前記ゾル状混合溶液が変体反応して前記型器に密着充填され、且つ該型器を冷凍庫に入れて0℃以下の温度にすると、該ゾル状混合溶液中のPVAの結晶化が進み、前記ゾル状混合溶液が凍結して凍結固形物となった後、前記型器を冷凍庫から取出し、特に限定する必要はないが、好ましくは、5時間以上、特に好ましくは、11〜13時間室温保存して、前記型器内の凍結固形物を自然解凍すると、前記凍結固形物は徐々に解凍されて行って、ゲル状固形物となり、本発明超音波診断用カプラが製造される。
本発明超音波診断用カプラの製造方法に使用する防カビ剤は、該本発明に係る超音波診断用カプラが生体に触れても安全なように、食品添加物として認められている、特に限定する必要はないが、好ましくは、デヒドロ酢酸等の食品用の防カビ剤、あるいはソルビン酸類、プロピオン酸類等の香粧品用の防カビ剤を使用することが推奨される。
また、本発明超音波診断用カプラの製造方法に使用する画像処理剤は、超音波の減衰率を少なくすることを目的とするものであり、特に限定する必要はないが、金属水酸化物、金属酸化物、脂肪酸の金属セッケンのいずれか、またはこれらを複数複合した複合物を、画像処理剤として使用することが推奨される。そして、前記画像処理剤の添加量を変えることにより、ノイズの低減を図り、CRT上に表示される画像の鮮明さを飛躍的に改善することができる。
そして、前記金属水酸化物とは、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等の水酸化物をいい、金属酸化物とは、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、亜鉛等の酸化物をいい、更に脂肪酸の金属セッケンとは、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛等のステアリン酸塩をいう。
前記画像処理剤として、金属水酸化物、金属酸化物、脂肪酸の金属セッケンのいずれか、またはこれらを複数複合した複合物を、前記PVA水溶液中に添加することにより、初期ガンと末期ガンの違い、組織の硬さ、あるいは柔らかさの違いによる映像化が可能である。また、前記組織の硬さ、あるいは柔らかさの違いによって、初期ガンか、末期ガンかの判断も可能となる。
本発明において、前記ゾル状混合溶液を型器に充填して、ゲル状固形物より成る本発明超音波診断用カプラを製造する場合、図1に示すような型器を使用することが、特に推奨される。すなわち、図1に示すように、型器1は、プローブPの音響レンズ(図示せず)部分の長さおよび巾とほぼ同じ大きさに形成された、横長箱状の方形凹部2を備える共に、該方形凹部2の底板3の中央部長手方向に、前記方形凹部2に連なる断面凹状をした横長状の小陥没部4を連設して形成されている。
そして、図2に示すように、前記型器1の方形凹部2および小陥没部4に、前記ゾル状混合溶液5を充填し、蓋板6を被冠して冷凍庫に入れて、該冷凍庫を0℃以下の温度にして、前記ゾル状混合溶液5を凍結固形物とした後、前記冷凍庫から型器1を取出し、前記ゾル状混合溶液5の凍結固形物を自然解凍してゲル状固形物とすることにより、本発明に係る超音波診断用カプラ7が製造される。
前記図1に示す型器1内において、前記冷凍固形物となったゾル状混合溶液5を、自然解凍で解凍することにより製造された、ゲル状固形物より成る本発明に係る超音波診断用カプラ7は、前記型器1から取出すと、図3に示すように、扁平プレート部8の下面中央に横長方形状の小突部9が突設された形状をなしている。
前記図3に示す本発明に係る超音波診断用カプラ7は、特に限定する必要はないが、好ましくは、扁平プレート部8の大きさが、60×25mm程度、厚さ3mm程度で、且つ小突部9の大きさが、50×12mm程度、厚さ5mm程度とすることが推奨される。
なお、本発明に係る超音波診断用カプラ7は、特に限定する必要はないが、好ましくは、その製造後、プローグPに装着して使用されるまでは、図4に示すように、前記型器1から取出すことなく収納したまま、該型器1の上面にアルミフィルム10を熱溶着して密封して、前記型器1を保管容器とし、使用時に該アルミフィルム10を剥離して、超音波診断用カプラ7を、該型器1から取出して使用することが推奨される。
前記のようにして製造された本発明に係る超音波診断用カプラ7は、前記扁平プレート部8の下面中央に突設された横長方形状の小突部9側を、検査部位である生体の体表面側に位置するようにして、プローグPに装着して使用する。
前記本発明製造方法によって得られた超音波診断用カプラ7を装着固定するプローブPは、図5・図6に示すように形成されることが好ましい。
すなわち、前記超音波診断用カプラ7の扁平プレート部8の厚さと同一厚さを有し、且つ小突部9のみを下方へ突出させることができるようにした突出開口11を備えると共に、前記扁平プレート部8に摺接して、これを下方より保持する保持板12を備えて形成されたカプラ固定板13が、プローブPの音響レンズ14の外周縁部に固定されている。
そして、前記構成より成るカプラ固定板13と音響レンズ14間に、前記超音波診断用カプラ7を装入して、扁平プレート部8を下方部より保持板12で保持すると共に、突出開口11より前記小突部9を前記カプラ固定板13の下縁より僅かに下方へ突出させることにより、前記超音波診断用カプラ7は、プローブPの下面に離脱することなく装着固定される。
前記本発明に係る超音波診断用カプラ7を装着したプローブPの使用方法は、従来の超音波診断用カプラと同様の使用方法であり、体表面にグリセリンを塗布して使用する。体表面の診断部位BにプローブPのカプラ固定板13に装着された本発明に係る超音波診断用カプラ7の、該カプラ固定板13より下方に突出した小突部9を当接すると、該診断部位Bである生体の組織は、その硬さ、あるいは柔らかさ、または弾性がそれぞれ異なるため、検査者の該プローブPへの押圧力により、ゲル状固形物より成る本発明に係る超音波診断用カプラ7全体が、前記生体の組織の硬さ、あるいは柔らかさ、または弾性の影響を受けて、生体の押圧された形状に沿うよう屈曲して撓んで、密着するので、該超音波診断用カプラ7と診断部位Bとの間に隙間が生ずることがなく、正確な超音波診断が可能である。
前記プローブPへの押圧力により、生体の組織の硬さ、あるいは柔らかさ、または弾性の影響を受けて、前記超音波診断用カプラ7が生体の押圧された形状に沿うよう屈曲して撓んで、該超音波診断用カプラ7の厚みの均一性が崩れるように見えるが、本発明に係る超音波診断用カプラ7は、ゲル状を成すと共に、図3に示すように、小突部9が突設されていて、充分な厚さが保持されているので、超音波の減衰率や多重反射に影響を与えることなく、正確な超音波診断が可能である。
なお、図8は、本発明に係る超音波診断用カプラ7を製造する型器の他の実施例を示す斜視図である。図8に示す型器21は、プローブPの音響レンズ部分の長さおよび巾とほぼ同じ大きさに形成された、横長箱状の方形凹部22を備え、該方形凹部22内にゾル状混合溶液23を充填し、図9に示すように、蓋板24を被冠して冷凍庫に入れることができるよう形成されたものを使用する。そして、前記図8に示す型器21で製造されたゲル状固形物より成る本発明に係る超音波診断用カプラ7は、図10に示すように、扁平プレート部15のみによって形成されている。
前記図9に示す型器21により製造された本発明に係る超音波診断用カプラ7は、前記図1〜図7に示す実施例のものとは異なり、特に、超音波診断部位が水平状をなし、且つ比較的硬い部位に使用することができる。
1 型器
2 方形凹部
3 底板
4 小陥没部
5 ゾル状混合溶液
6 蓋板
7 超音波診断用カプラ
8 扁平プレート部
9 小突部
10 アルミフィルム
11 突出開口
12 保持板
13 カプラ固定板
14 音響レンズ
21 型器
22 方形凹部
23 ゾル状混合溶液
24 蓋板
25 扁平プレート部
P プローブ
B 診断部位
2 方形凹部
3 底板
4 小陥没部
5 ゾル状混合溶液
6 蓋板
7 超音波診断用カプラ
8 扁平プレート部
9 小突部
10 アルミフィルム
11 突出開口
12 保持板
13 カプラ固定板
14 音響レンズ
21 型器
22 方形凹部
23 ゾル状混合溶液
24 蓋板
25 扁平プレート部
P プローブ
B 診断部位
Claims (11)
- 主材となるPVAに、水をその添加量を適宜調整して混合して加熱することにより、該PVAを水に完全に溶解させてPVA水溶液を作成し、更に前記PVA水溶液中に、防カビ剤と画像処理剤とを混合して得られた混合溶液を冷却して、ゾル状混合溶液となし、且つ該ゾル状混合溶液を型器に流し込んで、該型器を冷凍庫に入れて0℃以下の温度にして、前記ゾル状混合溶液を凍結固形化し、然る後、冷凍庫から前記型器を取出して、該凍結固形化したゾル状混合溶液を室温保存して自然解凍してゲル状固形物とすることを特徴とする超音波診断用カプラの製造方法。
- 請求項1記載の超音波診断用カプラの製造方法において、ゾル状混合溶液を、診断する各部位の音響インピーダンスと一致、またはそれに近い数値が得られるよう、PVA水溶液の水分量、および画像処理剤の種類と量の調整をすることを特徴とする超音波診断用カプラの製造方法。
- 請求項1記載の超音波診断用カプラの製造方法において、防カビ剤が、食品用の防カビ剤、または香粧品用の防カビ剤であることを特徴とする超音波診断用カプラの製造方法。
- 請求項1記載の超音波診断用カプラの製造方法において、画像処理剤が、金属水酸化物、金属酸化物、脂肪酸の金属セッケンのいずれか、またはこれらを複数複合した複合物であることを特徴とする超音波診断用カプラの製造方法。
- 請求項4記載の超音波診断用カプラの製造方法において、金属水酸化物が、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等の水酸化物であることを特徴とする超音波診断用カプラの製造方法。
- 請求項4記載の超音波診断用カプラの製造方法において、金属酸化物が、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、亜鉛等の酸化物であることを特徴とする超音波診断用カプラの製造方法。
- 請求項4記載の超音波診断用カプラの製造方法において、脂肪酸の金属セッケンが、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛等のステアリン酸塩であることを特徴とする超音波診断用カプラの製造方法。
- 請求項1記載の超音波診断用カプラの製造方法において、型器が、プローブの音響レンズの長さおよび巾とほぼ同じ大きさに形成された、横長箱状の方形凹部を備える共に、該方形凹部の底板の中央部長手方向に、前記方形凹部に連なる断面凹状をした横長状の小陥没部を連設して形成されたものであることを特徴とする超音波診断用カプラの製造方法。
- 請求項1記載の超音波診断用カプラの製造方法において、型器が、プローブの音響レンズの長さおよび巾とほぼ同じ大きさに形成された、横長箱状の方形凹部を備えて形成されたものであることを特徴とする超音波診断用カプラの製造方法。
- 請求項1記載の超音波診断用カプラの製造方法において、ゲル状固形物が、扁平プレート部の下面中央に横長方形状の小突部が突設された形状をなしていることを特徴とする超音波診断用カプラの製造方法。
- 請求項1記載の超音波診断用カプラの製造方法において、ゲル状固形物が、扁平プレート部のみによって形成されていることを特徴とする超音波診断用カプラの製造方法。
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