以下に、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
尚、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明に係る実施形態の画像再生装置の構成を示す図である。
図1において、100は液晶プロジェクタである。118は液晶プロジェクタ100の投射レンズであり、スクリーン119に投射を行い、スクリーン119に画像やUI(ユーザインタフェース)画面を表示する。投射レンズ118は複数枚のレンズから構成され、光学ズーム/フォーカス調整等を行うことが可能である。
106は外部機器とUSB接続するためのUSB I/Fである。200はUSBメモリであり、液晶プロジェクタ100はUSB I/F106を介してUSBメモリ200とUSB接続が可能となる。400はリモートコントローラ(以下、リモコン)であり、液晶プロジェクタ100はリモコン受光部120を介して、リモコン400の操作を赤外線信号として受信可能である。なお、本実施形態で構築するシステムの通信媒体は、有線・無線のLANやBluetooth等でもよく、ここで例示するシステムの形態に限定されるものではない。
本実施形態では、USBメモリ200はマスストレージクラスをサポートし、液晶プロジェクタ100はUSB I/F106を介してマスストレージクラス及びPictBridgeをサポートするものとする。液晶プロジェクタ100にUSBメモリ200やデジタルカメラを接続した際、マスストレージのプロトコルで通信を開始する。これにより、液晶プロジェクタ100はUSBメモリ200やデジタルカメラに記録されているデータを読み出し可能である。
なお、本実施形態では外部ストレージとしてUSBメモリを適用しているが、本発明は外部ストレージをUSBメモリに限定するものではなく、例えば、カードリーダ等の画像データ保持機能を持つデバイスでも実現可能である。
また、USBメモリ200をマスストレージクラスデバイスとして認識しているが、本発明は外部ストレージを認識する方式を、これに限定するものではない。
また、本発明は上記のプロトコルに限定されるものではなく、例えば、液晶プロジェクタ100はPTPプロトコルをサポートしても構わない。
また、本発明は液晶プロジェクタ100に限定されるものではなく、例えばPCやテレビジョンの表示デバイスによっても実現可能である。
USBメモリ200には、デジタルカメラ等によって撮影された画像ファイル(以下、写真画像ファイル)と、ドキュメント作成アプリケーションで作成した文章ファイルを1ページずつ変換した画像ファイル(以下、文書画像ファイル)とが記録されている。本実施形態でいうドキュメント作成アプリケーションで作成した文章ファイルとは、例えばワープロソフト、表計算ソフト、プレゼンテーション作成ソフトなどで作成したファイルが含まれる。
ここで、写真画像ファイルを構成するデータ群を写真画像データ、文書画像ファイルを構成するデータ群を文書画像データと定義する。本実施形態では、上記写真画像ファイルとそれ以外の文書画像ファイルは同様の拡張子(例えば.JPG拡張子)を持つものとする。
ユーザはPC等の個人端末において、専用のアプリケーションを使用し、文章ファイルを文書画像ファイルへ変換することが可能である。例えば、マイクロソフト社製のMicrosoft Office PowerPoint(登録商標)の場合について説明する。この場合、複数のスライドからなる1つのプレゼンテーション用の文章ファイルを、いわゆるスライドごとの画像ファイル(例えば、JPEGファイル交換形式)に変換することが可能である。つまりスライド10枚で構成された1つのプレゼンテーションファイルを、10個のJPEGファイルに変換することが可能である。
上記のように作成された文書画像ファイルの特徴は、予定された再生順序、つまり元の文章ファイルのスライドやページの順番で再生し、最後のページに到達して完結する場合が多いことである。
また、本実施形態では、ユーザはリモコン400を使用し、液晶プロジェクタ100によりスクリーン119に投射されたUI画面を遠隔から操作できる。本発明では、リモコン400による操作のみに限定されるものではなく、ユーザが液晶プロジェクタ100の操作部103を操作することによっても実現可能である。
図2は、本発明に係る実施形態の液晶プロジェクタの構成を示すブロック図である。
図2において、109は液晶プロジェクタ100全体を制御するシステム制御回路であり、各部からの入力信号やプログラムに基づき、各部を制御する。101はシステム制御回路109の動作用の定数、変数、画像等を一時的に記憶するメモリである。102はシステム制御回路109のファームウェアプログラム等を記録した電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリである。103はシステム制御回路109の各種の動作指示を入力するための操作部であり、スイッチやダイアル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置等の単数或いは複数の組み合わせで構成される。
120はシステム制御回路109の各種の動作指示を入力するためのリモコン受光部であり、液晶プロジェクタ100に付属するリモコン400からのキーイベント(操作信号)を受信することが可能である。
104は電源制御部であり、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成されている。電源制御部104は、ACアダプタの検出を行い、検出結果及びシステム制御回路109の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、ファンを含む各部へ供給する。105はACアダプタ等からなる電源部である。
107は外部機器とネットワーク接続するためのEthernet(登録商標) I/F(インターフェース)である。液晶プロジェクタ100の故障等の状態を、液晶プロジェクタ100を集中管理するシステムに通知することができる。106はデジタルカメラ、USBメモリ等とUSB接続するためのUSB I/Fである。108は画像処理部であり、デジタルカメラ、USBメモリ等から読み出したJPEG画像の表示位置の設定処理や、ファイル名・日付・Exif等の情報をオーバーレイする処理を行う。また、処理した画像データを赤(R)/緑(G)/青(B)の3種の色信号からなるRGB信号にデジタル変換する。
111はプロジェクタ映像信号処理回路であり、デジタル化されたRGB信号を液晶プロジェクタ100に適した表示信号に変換する信号処理を行う。ここでの信号処理としては、例えば、インターレースプログレッシブ変換処理、フレームレート変換処理、解像度変換処理等が挙げられる。110はフレームメモリであり、プロジェクタ映像信号処理回路111でプロジェクタに適した表示信号に変換する際の信号処理に使用され、1フレーム以上のRGB信号を保持することが可能である。112は信号レベル調整回路であり、プロジェクタ映像信号処理回路111からの出力を液晶プロジェクタの投影する投影画像に適するような信号レベルとするための調整を行う。113は液晶ドライバであり、信号レベル調整回路112の出力信号に基づいて液晶パネル117を駆動する。
116はランプであり、スクリーン119に投影画像を映し出すための光源である。114はランプ116に電力を供給する電源部、115はランプ駆動回路(バラスト)であり、電源114から供給される電力からランプ116に供給するための安定した高電圧を発生させる。液晶パネル117には、R/G/Bの各カラーフィルタが接合されており、ランプ116により投射された光をRGBの各フィルタに対応して光の透過・遮断を行う。投射レンズ118は液晶パネル117を通過したRGBの各色画像をスクリーン119へ結像させるとともに、投影画像の大きさを変化させる。スクリーン119は投影画像を結像させる投影面を提供する。
図3は液晶プロジェクタのリモコンの構成を示す図である。
301は赤外光線を点滅させる発光部を備える送信部である。302は後述する各種操ボタンからなる操作部である。303は操作部302から操作情報を取得してキーイベントとして送信部301から赤外光線を点滅させる中央制御部である。304は中央制御部303と操作部302及び送信部301との間で操作情報の受信やキーイベント送信命令の送信を行うためのバスである。
図4は液晶プロジェクタのリモコンの外観図である。
リモコン400は、リモコン発光部402、POWERボタン401、上下左右の方向ボタン405〜408、OKボタン411、フォーカスボタン403、ズームボタン404、キーストーンボタン409、メニューボタン410を備える。
リモコン発光部402は、リモコン400のキーイベントを液晶プロジェクタに送出する。POWERボタン401は、電源の入/切を行う。フォーカスボタン403、ズームボタン404、キーストーンボタン409は、それぞれフォーカス、ズーム、キーストーンの調整を行うためのボタンである。例えば、フォーカスの調整を行う場合には、フォーカスボタン403を押し、方向ボタン405,408を操作して調整を行う。その他の設定や情報の表示は、メニューボタン410を押し、方向ボタン405〜408とOKボタン411を操作して行うことが可能である。方向ボタン405〜408はメニュー画面等で上下左右の方向を指定する。OKボタン411はメニュー画面等で選択した所定の項目を確定する。リモコン400が操作されると操作されたボタンに応じたキーイベントが液晶プロジェクタ100に送出される。
図5は液晶プロジェクタにUSBメモリを装着した場合の液晶プロジェクタの動作を示すフローチャートである。
図5において、液晶プロジェクタ100は、USBデバイスの接続を検知すると(S501)、USBポートにリセット信号を出力し(S502)、コンフィグレーションを実行する(S503)。コンフィグレーションの際、挿入されたUSBメモリ200がマスストレージクラス(MSC)をサポートしているかを問い合わせ、判定する(S504)。具体的には、液晶プロジェクタ100がUSBメモリ200のインターフェースディスクリプタ取得する際に、USBメモリ200がマスストレージクラスをサポートしているかを判定することが可能である。
USBメモリ200がマスストレージクラスをサポートしていない場合(S504/NO)、USBメモリ200がサポートしているクラスに対応する処理を行う必要がある(S509)。液晶プロジェクタ100が取得したクラスをサポートしていない場合、スクリーン119にサポートしないデバイスが接続されたことをユーザに通知する画面を投射することも可能である。
USBメモリ200がマスストレージクラスをサポートしている場合(S504/YES)、液晶プロジェクタ100はブロックデバイスのマウント処理を開始する(S505)。
その後、液晶プロジェクタ100はファイルオープン処理を行い(S506)、USBメモリ200のフラッシュメモリ204に記録されているディレクトリ構成とディレクトリ名の取得を行う(S507)。これらの処理においてエラーが発生した場合には、エラー画面を投影することも可能である。
本実施形態では、ユーザが操作を行うカレントディレクトリのみの取得を行うものとするが、本発明はカレントディレクトリの取得に限定されるものではなく、全てのディレクトリ構成の取得を行っても構わない。最後に、液晶プロジェクタ100は上記S507で得られたディレクトリ名をスクリーン119に投射する(S508)。
図6は図5のS505における液晶プロジェクタのブロックデバイスのマウント処理を示したフローチャートである。
図6において、液晶プロジェクタ100は、液晶プロジェクタ100は、メディア能力の取得を行う(S601)。ここでは、例えば、USBメモリ200の論理ブロック数及びブロック長の取得を行う。最後にブロックデバイス管理領域の作成を行う(S602)。
図7は本実施形態のUSBメモリに記録された画像ファイルのディレクトリ構成を例示している。ここで、SLD_で開始されるファイル名を持つファイルは、文書画像ファイルを表し、IMG_で開始されるファイル名を持つファイルは、写真画像ファイルを表すものとする。
700はディレクトリとファイルをツリー構造で管理するための一番上位のルートディレクトリである。710,720,730はルートディレクトリ700から直接走査探索できるディレクトリであり、それぞれディレクトリ名、”F0000”、”F1000”、”F2000”である。740はディレクトリ730の下位にあるディレクトリであり、ディレクトリ名”F2100”である。711,721,731,741はディレクトリ710,720,730,740にそれぞれ格納されている画像ファイル群である。
[液晶プロジェクタのUI画面とファイル操作]
次に、図7で例示したディレクトリ構造を持つUSBメモリ200が液晶プロジェクタ100のUSB I/F106に接続され、図5のS507により一覧表示を行った場合のファイル操作モードについて説明する。
図8は、図5のS507において表示されるUI画面を例示している。
図8において、800はUSBメモリ200が接続された後、図5のS507での処理により表示される、USBメモリ200に記録されているディレクトリ及びファイルの選択操作を行うためのファイル一覧画面である。801はディレクトリ名及びファイル名を一覧表示する一覧表示欄である。図8の一覧表示欄801には、図7のルートディレクトリ700にあるディレクトリ710,720,730の各ディレクトリ名F0000、F1000、F2000が一覧表示され、F0000のディレクトリ710が選択状態で表示されている。803は一覧表示欄801で選択されているファイルのサムネイルを表示するためのサムネイル表示欄であり、804は同様に選択されているファイル名の属性情報を表示するための属性表示欄である。802は上位のディレクトリに戻るためのディレクトリ戻りアイコンである。一覧表示欄801は、リモコン400の上下方向ボタンを押下することによってディレクトリとディレクトリ戻りアイコン802の選択状態がサイクリックに切り替わる。
次に、801のディレクトリF0000が選択されている状態で、リモコン400のOKボタン411を押下すると、そのディレクトリF0000のディレクトリ名及びファイル名を取得してディレクトリ名とファイル名の一覧表示を行う(800a)。一覧表示欄801aには図7で述べたディレクトリ710のディレクトリ名と画像ファイル群711のファイル名が一覧表示され、ディレクトリ710のディレクトリ名F0000が選択された状態となっている。801aにおいてもリモコン400の上下方向ボタンを押下することによってディレクトリ名、ファイル名とディレクトリ戻りアイコン802aの選択状態がサイクリックに切り替わる。800aの状態から下方向ボタンが押下されると、800bのファイル名が選択された状態となる。一覧表示欄801bにはファイル名”SLD_0001.JPEG”が選択状態で表示されている。一覧表示欄801bで選択されたファイルが画像ファイルである場合には、画像データの取得を行い、画像データの伸張処理、伸張した画像データのリサイズ処理を行った後にサムネイル表示欄803に表示する。803bでは801bで選択されている画像ファイル”SLD_0001.JPEG”がサムネイル表示されている。また、804cには801bで選択されている画像ファイル”SLD_0001.JPEG”のファイル名、作成日等の属性が表示されている。
800a及び800bの表示状態でディレクトリ戻りアイコン802を選択し、リモコン400のOKボタン411を押下すると800の状態(上位のディレクトリ)に戻る。
図9は図8の一覧表示欄801にて画像ファイルが選択された状態で、ユーザがリモコン400の下方向ボタン408を押下した場合のサムネイル表示欄への表示処理を示すフローチャートである。
図9において、液晶プロジェクタ100は、USBメモリ200から選択された画像ファイルの取得を行う(S901)。液晶プロジェクタ100は、取得した画像ファイルをメモリ101に保持する。液晶プロジェクタ100は取得した画像ファイルのデコード処理を行い(S902)、JPEG画像データをRGB信号に変換しメモリ101に保持する。デコード処理では、JPEG画像データをYUV画像データに変換しても構わない。RGB信号への変換のみに限定されるものではない、デコード処理は、従来のJPEG復号化アルゴリズム手法を用いる。例えば、以下の方法を行うことにより実現可能である。液晶プロジェクタ100は、JPEG圧縮データをハフマン符号復号にて周波数成分の画像データへ変換し、逆量子化で下げられた全周波数のレベルを元に戻す。次に逆DCT変換で画像データの周波数成分を空間成分へ変換し、元の画像データへ復元する。ハフマン符号復号と逆量子化では圧縮処理で使用した量子化テーブルとハフマンテーブルを使用することにより、各々元のデータへ戻すことができる。
次に、液晶プロジェクタ100は、S902で得られたRGB画像データのリサイズ処理を行い(S903)、スクリーン119に投射するための表示処理を行う(S904)。リサイズ処理では、スクリーン119に投射するのに最適な画像サイズへの調整を行う。
以上のように、図7で例示したディレクトリ構造を持つUSBメモリ200に記録されているディレクトリ名とファイル名を一覧表示し、選択した画像ファイルのサムネイル及び属性情報を表示することでユーザは所望の画像ファイルを選択することができる。
本実施形態では、画像ファイルのみで構成されたディレクトリについて説明したが、他の種類のファイルが混在しても構わない。この場合、あるファイルが一覧表示欄にて選択された場合に、そのファイルが画像ファイルであるか否かの判定を行い、画像ファイルであればサムネイルの表示処理を行い、そうでなければ別の所望の処理を行えば良い。
[全画面表示切替]
次に、上記ファイル操作モードにおいてユーザが所望の画像ファイルを選択した状態で、選択された画像ファイルの全画面表示を行う処理について説明する。
図10は図8のファイル操作モードから全画面表示モードへ切り替わる際のUI画面を例示している。
図10において、1000は図8で説明したファイル操作モードのUI画面であり、1001は一覧表示欄であり、SLD_0001.JPEGが選択状態で表示されている。1002は一覧表示欄1001で選択されているSLD_0001.JPEGのサムネイルが表示されている。画面1000の状態でリモコン400のOKボタン411を押下すると選択された画像データをUSBメモリ200から読み出し、読み出した画像データをデコードし、全画面表示用の画像サイズにリサイズして表示を行う。
1010は一覧表示欄1001で選択されているSLD_0001.JPEGの画像が全画面表示された全画面表示モードの画面である。全画面表示状態1010でリモコン400のメニューボタン410を押下すると1010aの画面に切り替わる。1011aはメニュー設定ダイアログであり、選択可能なメニューとして“設定”、“ファイル操作モードに戻る”、“キャンセル”の各項目があり、図10では“ファイル操作モードに戻る”が選択状態で表示されている。画面1010aの状態でリモコン400のOKボタン411を押下すると画面1000のファイル操作モードに戻る。また、不図示であるが、ダイアログ1011aで“キャンセル”が選択され、リモコン400でOKボタン411を押下すると全画面表示状態1010へ戻る。
[画像データの属性判定]
ファイル操作モードから全画面表示モードへ移行するときに、全画面表示する画像データが文書画像データか写真画像データかの判定を行う。ここでの判定はJPEGファイルの構造の違いを利用する。
図11はJPEGファイルの構造を示している。
JPEGファイルは、マーカと呼ばれる識別子を用いてファイルの構成を規定しており、図11(a)における、1110はExif規格のJPEGファイルの構造であり、1120はJFIF規格の構造である。図11(b)に示すJFIF規格は基本的なJPEG規格であるのに対し、Exif規格はデジタルカメラ等で撮影された写真画像データに用いられ、TIFFの形式の属性情報を組み込みことで写真固有の属性を持たせることができる。
Exif規格にはAPP1マーカにExifの識別コードがあり、JFIF規格にはAPP0マーカにJFIFの識別コードがある。COMマーカにはJPEGファイルを作成するアプリケーション等によって、任意のコメントが挿入可能であり、ものによっては作成したアプリケーションソフトウェアの名前が入る。例えばマイクロソフト社製のMicrosoft Office PowerPoint(登録商標)や同Word(登録商標)から変換されたファイルはSoftware:Microsoft Officeという文字列がCOMのコメント部分に記載される。
図12は、ファイル操作モードから全画面表示モードへ移行するときに行う画像データの判定処理を示すフローチャートである。
図12において、液晶プロジェクタ100は、画像データの取得を行い(S1201)、Exif識別コードの検出を行う(S1202)。液晶プロジェクタ100は、Exif識別コードの検出が行えるかを判定する(S1203)。Exif識別コードがある場合、写真画像データと判定し、写真画像データであることを示す写真画像識別子をメモリに記録する(S1210)。Exif識別コードがない場合、S1201で取得した画像データについて、JFIF識別コードの検出を行う(S1221)。JFIF識別コードがある場合、COMマーカを探索する(S1222)。また、JFIF識別コードがない場合、不明な画像データであることを示す不明画像識別子をメモリに記録する(S1240)。
S1222での探索の結果、COMマーカが存在する場合(S1223)、コメントを取得し(S1224)、コメントからドキュメント作成アプリケーション名を検出する(S1225)。コメントからドキュメント作成アプリケーション名を検出できた場合(S1226)、文書画像データと判定し、文書画像データであることを示す文書画像識別子をメモリに記録する(S1230)。COMマーカは複数記述されることがあるため、COMマーカが存在しなくなるまで探索を繰り返す。
具体的には、ドキュメント作成アプリケーションがマイクロソフト社製のMicrosoft Office PowerPoint(登録商標)ならば、Microsoft Office PowerPoint(登録商標)という文字列を検出する。本実施形態では、液晶プロジェクタ100は予めアプリケーション名の文字列を保持し、COMマーカに含まれる文字列と照合することで、ドキュメント作成アプリケーション名を検出することが可能である。
上記画像データが写真画像データか文書画像データかの判定は、同一の圧縮形式のファイルであっても行うことができる。即ち、本実施形態ではJPEGファイルのフォーマット規格を利用して写真画像データか文書画像データかの判定を行ったが、他のフォーマット(TIFF等)でも属性の内容を基に同様な判定を行うことができる。また、公知の技術である画像データをメモリ上に展開した後に展開した画像データの特性(周波数変換による周波数成分の状況)を利用することによって文書画像データか写真画像データかの判定を行うことも可能である。
[リモコンキーイベントの割り当て]
図13は、文書画像データ及び写真画像データに割り当てられるリモコンのキーイベントの関係を例示するテーブルである。
図13において、1310は文書画像データの場合のリモコンのキーイベントの割り当てを示すテーブルであり、1320は写真画像データの場合のリモコンのキーイベントの割り当てを示すテーブルである。また、キーイベントは画像処理モード毎に割り当てがあり、画像処理モードはOKボタン411の操作により切り替えられる。1310,1320のキーイベントテーブル情報は不揮発メモリに記憶される。
1310に示すように、文書画像データの場合は、上方向キーと下方向キーに画像送り及び画像戻りのキーイベントが割り当てられている。また、1320に示すように、写真画像データの場合は、右方向キーと左方向キーに画像送り及び画像戻りのキーイベントが割り当てられている。
上記のように画像送り及び戻しのキーイベントを割り当てたのは以下の理由による。まず、文書画像データはそもそもプレゼンテーションソフトなどで用いられていた文章データを変換したものであるが、一般に文章データのページの切り替えはキーボードの上下キーで行われることが多い。したがって、本実施形態における液晶プロジェクタ100を操作して文書画像データを閲覧する際も、上下キーに画像送り及び戻しのキーイベントを割り当てることにより、ユーザはキーボート操作と同じ間隔で文書画像データを切り替えることが可能になる。
また、写真画像データはもともとカメラなどで撮影した画像データであるが、撮影した画像データをカメラの液晶などで閲覧する場合、ユーザはカメラの左右キーを用いて画像送り、戻しを行うことが多い。したがって、本実施形態における液晶プロジェクタ100を操作して写真画像データを閲覧する際も、左右キーに画像送り及び戻しのキーイベントを割当てることにより、ユーザはキーボート操作と同じ間隔で文書画像データを切り替えることが可能になる。
[キーイベント毎のシーケンス]
図14は、文書画像データか写真画像データかに応じてリモコンのキーイベントの割り当てを変更する処理を示すフローチャートである。
図14において、液晶プロジェクタ100は、図12のS1210又はS1230でメモリに記録した画像識別子を取得する(S1401)。S1401で取得した画像識別子が文書画像識別子である場合(S1402)、図13の文書画像データ用のキーイベントテーブル1310の情報を取得する(S1403)する。写真画像識別子である場合、図13の写真画像データ用のキーイベントテーブル1320の情報を取得する(S1404)。
次に、S1405でキーモードをモード1としてメモリに記録する(S1405)。キーイベントテーブルが決定するとキーイベントが発生するまでS1410で受信待ちとなる(S1410)。キーイベントを受信したら、受信したキーイベントの情報を取得する(S1411)。キーイベントがOKボタン411のキーイベントであった場合(S1412)、メモリに記録されているキーモードを取得しキーモードがモード1ならばモード2へ、モード2ならばモード1へ切り替えてメモリに再度記録する(S1413)。その後、S1410のキーイベント受信待ちに戻る。
S1412でOKキーのキーイベントでなかった場合には、S1415でメモリに記録されているモードを取得し、S1403又はS1404で取得したキーイベントテーブルの情報からキーイベントとモードに対応した処理を決定する。
次に、S1415で決定した処理を判定し(S1416)、S1421〜S1425に対応する処理を実行する。
S1421の画像送り処理は現在表示されている画像データの次の画像データを取得し、デコードして全画面表示用にリサイズして表示する。例えば、図10の一覧表示欄1001でSLD_0001.JPEGファイルが選択され、全画面表示1010となっている。ここで、画像送り処理では一覧表示欄1001におけるSLD_0001.JPEGの下にあるSLD_0002.JPEGに対して処理が実行される。次の画像データがない場合はディレクトリ内の先頭の画像データファイルに対して処理が実行される。図10の一覧表示欄1001であればSLD_0001.JPEGに対して処理が実行される。
S1422の画像戻り処理は現在表示されている画像データの前にある画像データを取得し、デコードして全画面表示用にリサイズして表示する。例えば、図10の一覧表示欄1001におけるSLD_0002.JPEGが全画面表示されていた場合にはSLD_0001.JPEGに対して処理が実行される。前の画像データファイルがない場合にはディレクトリ内の最後尾の画像データに対して処理が実行される。
S1423のポインタ操作は液晶プロジェクタで生成した矢印型のポインタを画面に表示しておき、そのポインタの位置を変更する処理を行う。上下左右方向ボタンの各キーイベントに対してポインタの位置を上下左右に移動させる処理を行う。
S1424の画像回転処理は、画像データをデコードしメモリに展開した後に、画像データの位置を所望の角度だけ回転した画像データになるようにメモリに形成し直し、全画面表示のサイズに収まるようにリサイズ処理を行う。また、所望の角度は画像の回転向きである回転角度0度、90度、180度、270度の情報をメモリに記録しておき、画像回転(右)であれば、90度増加させ、画像回転(左)であれば90度減少させてメモリ上に記録し、前述の画像回転処理を行う。ファイル操作モードから全画面表示モードに移行した場合や画像送りや画像戻りの処理を行った場合には表示された画像データに対する回転角度を0度としてメモリに記録しておく。
S1425の画像拡大縮小処理は、画像データをデコードしメモリに展開した後に、画像データの中心位置から拡大縮小倍率から算出される拡大縮小したときに表示領域に関係する画像データの部分に対して、全画面表示するためのリサイズを行う。拡大縮小倍率はキーイベントが拡大縮小(拡大)に対しては増加し、拡大縮小(縮小)に対しては減少させメモリに記録しておく。ファイル操作モードから全画面表示モードに移行した場合や画像送りや画像戻りの処理を行った場合には表示された画像データに対する拡大縮小倍率を100%としてメモリに記録しておく。
キーイベントに対応したS1421〜S1425の各処理が終了すると、S1410でキーイベントの受信待ちに戻る。
本実施形態では、S1421〜S1425の各処理の詳細は既に公知の技術であるので説明は省略している。また、処理の内容はこれに依存することではなく、文書画像データ、写真画像データに対する画像処理であれば他に付け加えても良い。
[文書画像モードの操作と画面]
図15は、文書画像データに対する全画面表示モードの操作ガイドアイコンを例示している。
図15において、1501aは文書画像データと判定された画像データが全画面表示され、更に図14及び図15で説明したモードがモード1の場合の表示画面である。1502aはリモコンの操作モードが”Pointing Mode”であることを示す操作ガイドアイコンである。1503aはリモコン400のキーモードが”Pointing Mode”であるときのみ表示される矢印型のポインティングアイコンである。操作ガイドアイコン1502aはポインティングアイコン1503aをリモコン400の上下左右の方向ボタンで上下左右に移動できる。1501bは文書画像データと判定された画像データが全画面表示され、図14のS1413でのキーモードの切り替えにより、モードがモード2となったときの表示画面である。1502bはリモコンの操作モードが”Pointing Mode”であることを示す操作ガイドアイコンであり、上方向に対して”Prev”の文字が割り当てられ、下方向に対して”Next”の文字が割り当てられている。”Prev”と表示された方向ボタンのキーイベントに対して図14の画像戻り処理(S1422)が実行され、”Next”と表示された方向ボタンのキーイベントに対して図14の画像送り処理(S1421)が実行される。
[写真画像モードの操作と画面]
図16は、写真画像データに対する全画面表示モードの操作ガイドアイコンを例示している。
図16において、1601aは写真画像データと判定された画像データが全画面表示され、更に図14及び図15で説明したモードがモード1の場合の表示画面である。1602aはリモコンの操作モードが”Rotate Mode”であることを示す操作ガイドアイコンであり、上方向には”R Turn”、下方向には”L turn”、左方向には”Prev”、右方向には”Next”の各文字が割り当てられている。”R Turn”と表示された方向ボタンのキーイベントに対して図14の画像回転処理(S1424)の右回転処理が実行される。また、”L Turn”と表示された方向ボタンのキーイベントに対して図14の画像回転処理(S1424)の左回転処理が実行される。更に、”Prev”と表示された方向ボタンのキーイベントに対して図14の画像戻り処理(S1422)が実行され、”Next”と表示された方向ボタンのキーイベントに対して図14の画像送り処理(S1421)が実行される。
1601bは写真画像データと判定された画像データが全画面表示され、図14で説明したキーモードの切り替え(S1413)により、モードがモード2となったときの表示画面である。1602bはリモコンの操作モードが”Zoom Mode”であることを示す操作ガイドアイコンであり、上方向には”In”、下方向には”Out”、左方向には”Prev”、右方向には”Next”の各文字が割り当てられている。”In”と表示された方向ボタンのキーイベントに対して図14の画像拡大縮小処理(S1425)の拡大処理が実行される。また、”Out”と表示された方向ボタンのキーイベントに対して図14の画像拡大縮小処理(S1425)の縮小処理が実行される。更に、”Prev”と表示された方向ボタンのキーイベントに対して図14の画像戻り処理(S1422)が実行され、”Next”と表示された方向ボタンのキーイベントに対して図14の画像送り処理(S1421)が実行される。
図15及び図16では操作ガイドアイコンについて説明したが、操作ガイドアイコンは一定時間だけ表示してそれ以降はキーイベントが発生するまで表示しないようにしても良い。
上記実施形態によれば、ファイル操作モードから全画面表示モードに移行するときに文書画像データか写真画像データかの判定を行い、それぞれの判定結果に応じたキーイベントテーブルを決定する。これにより、画像データの種類に応じた処理をリモコンのボタンに割り当てることができる。また、割り当てた処理がユーザに分かるように操作ガイドを表示することによって、ユーザは割り当てられた処理をスクリーン上で確認しながらボタン操作ができるようになる。
なお、本実施形態では、左右キーに対し文書画像データに対するキーイベントを割り当てなかったが、左右キーにも写真画像データと同様、画像送り、戻しを割り当ててもよい。このようにすることで、どのような画像データでも左右キーで画像送り、戻しが可能になるため、操作を統一して使用したいユーザの利便性が向上する。
なお、本実施形態では、文書画像データか写真画像データかの判定結果に応じて自動的にボタン操作の割り当てを行ったが、ユーザが手動で割り当てできるような機能を付加しても構わない。
[他の実施形態]
本発明はプロジェクタを例として説明したが、他の画像再生装置、例えばテレビなどに適用することも可能である。
本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給しても達成可能である。すなわち、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性の半導体メモリカード、ROM等を用いることができる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現される場合もある。
しかし、さらにプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる場合も有得る。その後、プログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。