JP2009284029A - 通信装置、通信システム、通信方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】通信を行う双方の機器が送信した接続確立要求が競合した場合に、接続確立要求の競合を調整すること。
【解決手段】通信相手の装置と近距離で一対一通信を行う送受信カプラ102と、通信相手の装置から受信した接続確立要求に含まれる第1のリザーブデータを分析する接続要求ファイル分析部416と、自装置が送信した接続確立要求に含まれる第2のリザーブデータと第1のリザーブデータを比較するリザーブデータ比較部418と、リザーブデータ比較部418による比較の結果に基づいて自装置による接続確立ファイルの送信を制御する接続要求ファイル送信制御部420と、を備える。
【選択図】図6
【解決手段】通信相手の装置と近距離で一対一通信を行う送受信カプラ102と、通信相手の装置から受信した接続確立要求に含まれる第1のリザーブデータを分析する接続要求ファイル分析部416と、自装置が送信した接続確立要求に含まれる第2のリザーブデータと第1のリザーブデータを比較するリザーブデータ比較部418と、リザーブデータ比較部418による比較の結果に基づいて自装置による接続確立ファイルの送信を制御する接続要求ファイル送信制御部420と、を備える。
【選択図】図6
Description
本発明は、通信装置、通信システム、通信方法及びプログラムに関する。
近時では、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11に規定される電波通信方式が広く普及している。
また、電波通信方式以外にも、電界結合や磁界結合を利用して通信を行う通信方式が提案されている。かかる通信方式においては、例えば、磁界結合を行なう複数の結合器が近接されると、複数の結合器が磁界結合し、磁界結合により複数の結合器間での通信が実現される。なお、磁界結合により通信を行う技術については、例えば、特許文献1に記載されている。
しかしながら、これらの通信方式を用いて2つの機器間で1対1の通信を行う場合に、通信の接続確立要求が双方の機器から出されてしまうと、接続確立要求の競合によって接続が確立できなくなる事態が想定される。
また、接続確立要求が競合した場合、仮に接続が確立できたとしても、どちらの機器から送信された接続確立要求によって接続が確立されるかは一定しない。このため、各機器が複数のデータ転送方式、上位アプリケーション等を備えており、どのデータ転送方式、アプリケーション等を用いて通信を行うかを接続確立要求の出した側の機器が決定するような場合、決定に支障が生じてしまう問題がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、通信を行う双方の機器が送信した接続確立要求が競合した場合に、接続確立要求の競合を調整することが可能な、新規かつ改良された通信装置、通信システム、通信方法及びプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、電界結合または磁界結合により通信相手の装置と近距離一対一通信を行う通信部と、前記通信相手の装置から受信した接続確立要求に含まれる第1の優先度識別情報を取得する優先度取得部と、自装置が送信した接続確立要求に含まれる第2の優先度識別情報と前記第1の優先度識別情報を比較する比較部と、前記比較部による比較の結果に基づいて自装置による接続確立要求の送信を制御する送信制御部と、を備える通信装置が提供される。
また、前記送信制御部は、前記第2の優先度識別情報の優先度が前記第1の優先度識別情報の優先度よりも低い場合は、接続確立要求の送信を中断するものであってもよい。
また、前記接続確立要求の送信を中断し、通信相手の装置に対して接続応答許可を送信するものであってもよい。
また、前記送信制御部は、前記第2の優先度識別情報の優先度が前記第1の優先度識別情報の優先度よりも高い場合は、接続確立要求の送信を継続するものであってもよい。
また、前記第2の優先度識別情報を設定する優先度識別情報設定部と、ユーザアクションが入力される入力部と、を備え、前記優先度識別情報設定部は、ユーザアクションに応じて送信される接続確立要求の優先度を定期的に送信される接続確率要求の優先度よりも高く設定するものであってもよい。
また、前記送信制御部は、接続確立後にユーザアクションが前記入力部に入力された場合は、データファイルを通信相手に送信するものであってもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、電界結合または磁界結合による近距離一対一通信により第2の通信装置と通信を行う第1の通信装置と、前記第1の通信装置から受信した接続確立要求に含まれる第1の優先度識別情報を取得する優先度取得部と、自装置が送信した接続確立要求に含まれる第2の優先度識別情報と前記第1の優先度識別情報を比較する比較部と;前記比較部による比較の結果に基づいて自装置による接続確立要求の送信を制御する送信制御部と、を含む第2の通信装置と、を備える通信システムが提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、電界結合または磁界結合により通信相手の装置と近距離一対一通信を行うステップと、前記通信相手の装置から受信した接続確立要求に含まれる第1の優先度識別情報を取得するステップと、自装置が送信した接続確立要求に含まれる第2の優先度識別情報と前記第1の優先度識別情報を比較するステップと、前記比較部による比較の結果に基づいて自装置による接続確立要求の送信を制御するステップと、を備える通信方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、電界結合または磁界結合により通信相手の装置と近距離一対一通信を行う手段、前記通信相手の装置から受信した接続確立要求に含まれる第1の優先度識別情報を取得する手段、自装置が送信した接続確立要求に含まれる第2の優先度識別情報と前記第1の優先度識別情報を比較する手段、前記比較部による比較の結果に基づいて自装置による接続確立要求の送信を制御する手段、としてコンピュータを機能させるためのプログラムが提供される。
本発明によれば、通信を行う双方の機器が送信した接続確立要求が競合した場合に、接続確立要求の競合を調整することが可能な通信装置、通信システム、通信方法及びプログラムを提供することが可能となる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
先ず、図1および図2を参照し、本発明の一実施形態にかかる通信システムの概要を説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる通信システムを示した説明図である。図1に示したように、本実施形態にかかる通信システムは、通信機器100および携帯機器200(ビデオカメラ)からなる一対の機器(通信装置)と、情報処理装置(ノート型パーソナルコンピュータ)300とを備える。また、通信機器100および携帯機器200は、相互に電界結合することが可能な電界カプラと呼ばれる電極板を備える。通信機器100および携帯機器200の双方の電界カプラが例えば3cm以内に近接されると、一方の電界カプラにより発生される誘導電界の変化を他方の電界カプラが感知することにより、通信機器100および携帯機器200の間での1対1による電界通信が実現される。
より具体的には、上記電界通信を行う一対の機器は、一方がイニシエータ(Initiator)として機能し、他方がレスポンダ(Responder)として機能する。イニシエータは接続確立要求を行なう側であり、レスポンダはイニシエータからの接続確立要求を待ち受ける側である。
例えば、図1に示した携帯機器200がイニシエータとして機能し、通信機器100がレスポンダとして機能する場合、携帯機器200および通信機器100が近接されると、携帯機器200から送信される接続確立要求(接続要求フレーム)を通信機器100が受信する。そして、通信機器100により接続確立要求が受信されると、通信機器100は携帯機器200に対して接続応答許可(接続応答フレーム)を送信する。そして、携帯機器200が接続応答許可を受信すると、通信機器100と携帯機器200と通信の接続が確立する。接続が確立した後、または接続確立と同時に、通信機器100および携帯機器200が認証処理を行い、認証処理が正常に終了すると通信機器100および携帯機器200がデータ通信可能な状態となる。認証処理としては、例えば、ソフトウェアのバージョン、データ転送方式、各機器が有するプロトコルを示すエミュレーション方式等が通信機器100および携帯機器200で一致するか否かの確認などがあげられる。
その後、通信機器100と携帯機器200が1対1でデータ通信を行う。より詳細には、携帯機器200が任意のデータを電界カプラにより通信機器100へ送信し、通信機器100が携帯機器200から受信したデータを情報処理装置300へ出力する。または、情報処理装置300から通信機器100へ任意のデータが入力され、通信機器100が情報処理装置300から入力されたデータを電界カプラにより携帯機器200へ送信する。任意のデータとしては、音楽、講演およびラジオ番組などの音楽データや、映画、テレビジョン番組、ビデオプログラム、写真、文書、絵画および図表などの映像データや、ゲームおよびソフトフェアなどがあげられる。
ここで、電波通信方式のアンテナから放射される電波が距離の2乗に反比例して減衰するのに対し、このような電界カプラから発生される誘導電界の強度は距離の4乗に反比例するため、電界通信が可能な一対の機器間の距離を制限できる点で有利である。すなわち、当該電界通信によれば、周囲に存在する障害物による信号の劣化が少ない、ハッキングや秘匿性を確保するための技術を簡素化できるなどの効果が得られる。
また、アンテナから放射される電波は、電波の進行方向と直交方向に振動する横波成分を有し、偏波がある。これに対し、電界カプラは、進行方向に振動する縦波成分を有し、偏波がなり誘導電界を発生するため、一対の電界カプラの面が対向していれば受信側で信号を受信できる点でも利便性が高い。
なお、本明細書においては、一対の通信装置が電界カプラを利用して近距離無線通信(非接触通信、TransferJet)を行う例に重きをおいて説明するが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、一対の通信装置は、磁界結合により通信可能な通信部を介して近距離無線通信を行うことも可能である。電界結合や磁界結合を利用する通信方式によれば、通信相手が近接しない場合には信号が送信されないため、干渉の問題が生じ難い点で電波通信方式より有利である。
なお、図1においては通信装置の一例として通信機器100および携帯機器200を示しているが、本発明はかかる例に限定されるものではない。例えば、通信装置は、PC(Personal Computer)、家庭用映像処理装置(DVDレコーダ、ビデオデッキなど)、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、PDA(Personal Digital Assistants)、家庭用ゲーム機器、携帯用ゲーム機器、家電機器などの情報処理装置であってもよい。また、図1では、情報処理装置300に通信機器100を接続しているが、情報処理装置300と通信機器100は一体に構成されていても良い。
図2は、通信機器100のデータの送受信に関係する構成を説明するための模式図である。データの送受信に関係する構成は、通信機器100と携帯機器200の双方で同様に構成されており、携帯機器200も図2に示す構成を備えている。
図2に示すように、通信機器100は、送受信カプラ(通信部)102、セレクタ104、送信処理部106、受信処理部108、制御部110を備えている。送受信カプラ102は電界カプラから構成され、携帯機器200の電界カプラと電界結合により通信を行う。通信機器100、携帯機器200がそれぞれ持つ送受信カプラ102は、例えば3cm程度の近距離に離間して対向して配置され、静電結合が可能である。送受信カプラ102は、セレク104を介して、送信処理部106、受信処理部108の一方と選択的に接続される。
送信処理部106は、送受信カプラ102から携帯機器200へ送信するための送信信号を生成する。送信処理部106は、送信データを符号化する符号化器、送信データを拡散する拡散器、送信データをバイナリ系列から複素数信号へ拡張するマッパ、中心周波数へのアップコンバージョンを行うRF回路等の構成要素を備えている。また、受信処理部108は、送受信カプラ102で受信した受信信号の復号を行う。受信処理部108は、受信信号が入力されるRF回路、受信信号をデジタル信号に変換するAD変換部、受信信号をデマップするデマッパ、復号器等の構成要素を備えている。送信処理部106は、上位アプリケーションから送信要求が生じると、送信データに基づいてUWB信号などの高周波送信信号を生成し、送受信カプラ102から携帯機器200へ信号が伝播する。携帯機器200側の送受信カプラ102は、受信した高周波信号を復調及び復号処理して、再現したデータを上位アプリケーションに渡す。携帯機器200側から通信機器10へデータを送る場合も同様の処理が行われる。従って、通信機器100と携帯機器200との間で双方向の通信が実現される。
例えばUWB通信のように高周波、広帯域を使用する通信方式によれば、近距離において10Mbps程度の超高速データ伝送を実現することができる。また、電波通信ではなく静電結合によりUWB通信を行う場合、その電界強度は距離の4乗に反比例することから、無線設備から3メートルの距離での電界強度(電波の強さ)を所定レベル以下に抑制することで無線局の免許が不要となる微弱電波とすることが可能であり、安価に通信システムを構成することができる。また、静電結合方式により超近距離でデータ通信を行う場合、周辺に存在する反射物により信号の質が低下することがなく、伝送路上でのハッキングを確実に防止することができ、秘匿性を確保することが可能である。また、電界強度を所定レベル以下に抑制して、例えば3cm以内の距離のみで通信を可能とすることで、1つの機器に対して2つの機器が同時に通信できない構成とすることができる。従って、近距離での一対一通信を実現することができる。
制御部110は、通信機器100の動作全般を制御する。例えば、制御部110は、送信処理部106による送信信号の生成を制御し、受信処理部108による受信信号の復号を制御する。また、制御部110は、携帯機器200に対して接続要求フレームC−Req等を送信する時には、セレクタ104へ切換信号を出力し、送受信カプラ102と送信処理部106を接続させる。また、制御部110は、携帯機器200からの接続要求フレームC−Reqの待ち受け時には、セレクタ104へ切換信号を出力し、送受信カプラ102と受信処理部108を接続させる。
接続の確立は、一方の機器(イニシエータ)から他方(レスポンダー)に対して接続要求フレームC−Reqを送信し、レスポンダーから送信された接続応答フレームC−Accをイニシエータが受信することで実現される。接続要求フレームは、例えばデータファイル転送、データファイル選択などのユーザアクションが入力された側の機器が通信相手に対して送信する。
一方、接続要求フレームは、ユーザアクションの有無に関わらず、所定のタイミングで定期的に送信することもできる。図3は、定期的に送信された接続要求フレームによって接続が確立されるシーケンスの例を示す模式図である。図3に示すように、通信機器100からは、接続要求フレームC−Reqが送信される。ここで、通信機器100による接続要求フレームC−Reqの送信は、携帯機器200が近傍に位置しているか否かに関わらず、所定の周期で定期的に行われる。これにより、通信機器100、携帯機器200の双方でファイル転送などのユーザアクションが行われない場合においても、携帯機器200は、定期的に送信された接続要求フレームC−Reqを受信することができる。そして、携帯機器200から接続応答フレームC−Accを返信することで接続が確立される。従って、特にユーザアクションが行われない場合においても、携帯機器200を近接無線通信が可能な範囲まで通信機器100に近づけることによって、接続を確立することができる。接続が確立されると、通信機器100、携帯機器200の双方が相手のハードディスク等のメモリを参照することができ、ディレクトリからデータファイルを指定することで、データファイルの転送等を行うことができる。データファイルの転送は、CSDUパケットにより行われる。
一方、携帯機器200は、ユーザの操作に応じてファイル選択、データ送信指令などのユーザアクションが発生した場合に、接続要求フレームC−Reqを送信する。このため、通信機器100から定期的に送信された接続要求フレームC−Reqと、ユーザアクションによる接続要求フレームC−Reqとが時期的に重なってしまう事態が想定される。この場合、通信機器100と携帯機器200の双方が接続要求フレームC−Reqを送信することとなり、接続要求フレームC−Reqが競合するため、接続が確立できない事態が想定される。
また、通信機器100と携帯機器200の双方が接続要求フレームC−Reqを送信した結果、通信機器100と携帯機器200のそれぞれが、受信した接続要求フレームC−Reqに対して接続応答フレームC−Accを送信することが想定される。この場合、接続は確立されるが、どちらの機器が先に接続確立要求を出したのか判別できなくなる事態が想定される。
図4は、接続要求フレームC−Reqが競合した状態で接続が確立された場合の一例を示す模式図である。図4において、時刻t0の時点で携帯機器200から接続要求フレームC−Reqが送信される。この時点では、通信機器100と携帯機器200は通信ができない程度の距離D1まで離れているものとする。このため、通信機器100は、携帯機器200から送信された接続要求フレームC−Reqを受信することができない。その後、通信機器100から定期的な接続要求フレームC−Reqが送信される。そして、時刻t1では、携帯機器200が通信機器100に距離D2まで近づき、通信が可能な状態となる。
そして、図4の例では、携帯機器200と通信機器100とが距離D2まで近接した後、携帯機器200から送信されたC−Reqを通信機器100が受信する前に、通信機器100から定期的に送信されたC−Reqを携帯機器200が受信している。このため、携帯機器200は、受信した接続要求フレームC−Reqに応じて接続応答フレームC−Accを送信する。この場合、携帯機器200がユーザアクションに応じて接続要求フレームC−Reqを送信しているにも関わらず、通信機器100から定期的に送信された接続要求フレームC−Reqをトリガとして接続が確立されてしまう。
本実施形態のシステムにおいて、通信機器100、携帯機器200の双方は、NATIVE,OBEX,USBなどの各種ファイル転送方式に対応しており、これらの転送方式の1つを用いて通信相手に対してデータを転送する。ここで、NATIVEはTransferJet独自の転送方式である。同様に、通信機器100、携帯機器200の双方は、複数の上位アプリケーション、複数のエミュレーション方式に対応している。そして、各転送方式、各アプリケーション、各エミュレーション方式のそれぞれにおいて、いずれを使用するかは上位レイヤにおいて決定されるが、その決定権は接続要求フレームC−Reqを送信した機器が保有する。このため、通信機器100と携帯機器200の双方が接続要求フレームC−Reqを送信すると、これらの決定に支障が生じることとなる。
このため、本実施形態では、接続要求フレームC−Reqの中に優先度を示す情報を持たせ、これに基づいて接続要求フレームC−Reqの優先度を規定することとしている。図5は、接続要求フレームC−Reqのデータ構成の一部(フレームボディ(Frame Body))を示す模式図である。図5に示すように、接続要求フレームC−Reqのフレームボディは32byteのデータから構成されている。図5に示すデータ構成のうち、“Licc”は、接続要求フレームC−Reqか接続応答フレームC−Accであるかを区別するためのデータであり、C−Reqの場合はLiccが“0”とされ、C−Accの場合はLiccが“1”とされる。
そして、図5に示すデータ構成において、リザーブデータ(Reserved;優先度識別情報)は、接続要求フレームC−Reqの優先度を表している。上述した通信機器100から定期的に送信される接続要求フレームC−Reqでは、Reservedの値は“0”とされる。一方、接続要求フレームC−Reqがユーザアクションに応じて送信される場合、Reservedの値は“1”とされる。従って、接続要求フレームC−Reqのフレームボディのリザーブデータの値を参照することで、接続要求フレームC−Reqの優先度を判断することができる。
次に、図6及び図7に基づいて、送信要求フレームC−Reqのリザーブデータに基づいて、通信機器100と携帯機器200の双方から送られた接続要求フレームC−Reqの競合を調整する処理について説明する。図6は、制御部110の機能構成を示すブロック図である。図6に示すように、制御部110は、ユーザアクション入力部412、リザーブデータ設定部414、接続要求フレーム分析部(優先度取得部)416、リザーブデータ比較部418、接続要求フレーム送信制御部420を備える。なお、携帯機器200が備える制御部の機能ブロック構成も図6と同様である。なお、図2、図6に示す機能ブロックは、ハードウェア(回路)、又は演算処理部(CPU)とこれを機能させるソフトウエア(プログラム)によって構成することができる。これらの機能ブロックを演算処理部とソフトウエアによって構成した場合、そのプログラムは、通信機器100、携帯機器200が備えるメモリ等の記録媒体に格納されることができる。
図7は、通信機器100と携帯機器200の双方から接続要求フレームC−Reqが送信された場合に、リザーブデータの値に基づいて接続要求フレームC−Reqの競合が調整される様子を示す模式図である。図7に示すように、通信機器100からは、定期的な接続要求フレームC−Reqが送信される。この場合、リザーブデータ設定部414により接続要求フレームC−Reqのリザーブデータの値は“0”に設定される。一方、携帯機器200からは、ユーザアクションに応じた接続要求フレームC−Reqが送信される。この場合、携帯機器200のユーザアクション入力部412にユーザアクション(ファイル転送等の指令)が入力され、リザーブデータ設定部414により接続要求フレームC−Reqのリザーブデータの値は“1”に設定される。
通信機器100の接続要求フレーム分析部416は、携帯機器200から送られた接続要求フレームC−Reqのリザーブデータを参照し、その値が“1”であることを確認する。通信機器100のリザーブデータ比較部418は、通信機器100が送信している接続要求フレームC−Reqのリザーブデータの値と、携帯機器200から送られた接続要求フレームC−Reqのリザーブデータの値とを比較する。そして、リザーブデータ比較部418による比較結果は、接続要求フレーム送信制御部420に送られる。なお、接続要求フレーム分析部416は、携帯機器200から送られた接続要求フレームC−ReqのLiccを参照し、Liccの値が“1”の場合は接続応答フレームC−Accを受信しているため、リザーブデータの参照は行わない。
接続要求フレーム送信制御部420は、通信機器100が送信したC−Reqのリザーブデータの値が“0”であり、携帯機器200から受信したC−Reqのリザーブデータの値が“1”であることから、受信したC−Reqの優先度の方が高いと判断する。このため、通信機器100の接続要求フレーム送信制御部420は、接続要求フレームC−Reqの送信を中断する。
一方、携帯機器200側も図6の構成を備えるため、携帯機器200の接続要求フレーム分析部416により、通信機器100から送られた接続要求フレームのリザーブデータの値が取得される。携帯機器100のリザーブデータ比較部418は、携帯機器200が送信している接続要求フレームC−Reqのリザーブデータの値と、通信機器100から送られた接続要求フレームC−Reqのリザーブデータの値とを比較する。そして、リザーブデータ比較部418による比較結果は、接続要求フレーム送信制御部420に送られる。携帯機器200の接続要求フレーム送信制御部420は、携帯機器200が送信したC−Reqのリザーブデータの値が“1”であり、通信機器100から受信したC−Reqのリザーブデータの値が“0”であることから、送信したC−Reqの優先度の方が高いと判断する。このため、携帯機器200の接続要求フレーム送信制御部420は、接続要求フレームC−Reqの送信を継続する。また、携帯機器200の接続要求フレーム送信制御部420では、送信したC−Reqの優先度の方が高いため、接続応答フレームC−Accは送信しない。
これにより、接続要求フレームの競合が回避され、通信機器100と携帯機器200との間では、携帯機器200から送られた接続要求フレームC−Reqのみが通信される。従って、図7に示すように、携帯機器200が送信した接続要求フレームC−Reqを受信した通信機器100は、接続応答フレームC−Accを送信する。そして、携帯機器200が接続応答フレームC−Accを受信することにより、通信機器100と携帯機器200との接続が確立する。そして、接続確立後、ユーザアクションにより指定されたデータファイルがCSDUパケットとして携帯機器200から通信機器100に送信される。また、通信機器100は、携帯機器200から送られたデータファイルに応じて、データファイルとしてのCSDUパケットを返信する。
なお、上述の例では、接続要求フレームの送信トリガとして、定期的な送信とユーザアクションによる送信を例示したが、他のトリガに基づいて接続要求フレーム送信することが可能である。例えば、通信機器100が毎日所定時刻に携帯機器200と接続して携帯機器200が保有する情報のバックアップを保存する予約動作を行う場合、所定時刻になったことをトリガとして送信要求フレームC−Reqを送信することができる。この場合、
予約動作による接続要求フレームの優先度を通常よりも高く設定することができる。また、接続確立後に送信するデータファイルの内容に応じて優先度を設定するようにしても良い。
予約動作による接続要求フレームの優先度を通常よりも高く設定することができる。また、接続確立後に送信するデータファイルの内容に応じて優先度を設定するようにしても良い。
図7に示すように、接続確立前のユーザアクションにより、リザーブデータが“1”の接続要求フレームC−Reqが携帯機器100から送信される。また、接続確立後に携帯機器200側からユーザアクションがあった場合、アクションに応じたデータファイルがCSDUパケットとして携帯機器200から通信機器100へ送られる。
以上の処理によれば、通信機器100から送られたC−Reqと携帯機器200から送られたC−Reqが競合した場合は、通信機器100側で優先度の低い接続要求フレームC−Reqを取り下げる処理が行われる。従って、通信機器100と携帯機器200の双方から接続要求フレームC−Reqが継続して送られてしまうことがなく、接続確立ができなくなる事態を回避できる。また、優先度の高い接続要求フレームC−Reqに基づいて接続が確立されるため、優先度の高い接続要求フレームC−Reqに基づいて上位レイヤにおける転送方式を決定することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
100 通信機器
200 携帯機器
102 送受信カプラ
416 接続要求ファイル分析部
418 リザーブデータ比較部
420 接続要求ファイル送信制御部
200 携帯機器
102 送受信カプラ
416 接続要求ファイル分析部
418 リザーブデータ比較部
420 接続要求ファイル送信制御部
Claims (9)
- 電界結合または磁界結合により通信相手の装置と近距離一対一通信を行う通信部と;
前記通信相手の装置から受信した接続確立要求に含まれる第1の優先度識別情報を取得する優先度取得部と;
自装置が送信した接続確立要求に含まれる第2の優先度識別情報と前記第1の優先度識別情報を比較する比較部と;
前記比較部による比較の結果に基づいて自装置による接続確立要求の送信を制御する送信制御部と;
を備える、通信装置。 - 前記送信制御部は、前記第2の優先度識別情報の優先度が前記第1の優先度識別情報の優先度よりも低い場合は、接続確立要求の送信を中断する、請求項1に記載の通信装置。
- 前記接続確立要求の送信を中断し、通信相手の装置に対して接続応答許可を送信する、請求項2に記載の通信装置。
- 前記送信制御部は、前記第2の優先度識別情報の優先度が前記第1の優先度識別情報の優先度よりも高い場合は、接続確立要求の送信を継続する、請求項1に記載の通信装置。
- 前記第2の優先度識別情報を設定する優先度識別情報設定部と、
ユーザアクションが入力される入力部と、を備え、
前記優先度識別情報設定部は、ユーザアクションに応じて送信される接続確立要求の優先度を定期的に送信される接続確率要求の優先度よりも高く設定することを特徴とする、請求項1に記載の通信装置。 - 前記送信制御部は、接続確立後にユーザアクションが前記入力部に入力された場合は、データファイルを通信相手に送信する、請求項1に記載の通信装置。
- 電界結合または磁界結合による近距離一対一通信により第2の通信装置と通信を行う第1の通信装置と;
前記第1の通信装置から受信した接続確立要求に含まれる第1の優先度識別情報を取得する優先度取得部と、自装置が送信した接続確立要求に含まれる第2の優先度識別情報と前記第1の優先度識別情報を比較する比較部と;前記比較部による比較の結果に基づいて自装置による接続確立要求の送信を制御する送信制御部と、を含む第2の通信装置と;
を備える、通信システム。 - 電界結合または磁界結合により通信相手の装置と近距離一対一通信を行うステップと;
前記通信相手の装置から受信した接続確立要求に含まれる第1の優先度識別情報を取得するステップと;
自装置が送信した接続確立要求に含まれる第2の優先度識別情報と前記第1の優先度識別情報を比較するステップと;
前記比較部による比較の結果に基づいて自装置による接続確立要求の送信を制御するステップと;
を備える、通信方法。 - 電界結合または磁界結合により通信相手の装置と近距離一対一通信を行う手段;
前記通信相手の装置から受信した接続確立要求に含まれる第1の優先度識別情報を取得する手段;
自装置が送信した接続確立要求に含まれる第2の優先度識別情報と前記第1の優先度識別情報を比較する手段;
前記比較部による比較の結果に基づいて自装置による接続確立要求の送信を制御する手段;
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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