JP2009283562A - 配線基板設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】個々に配線パターンが形成された複数の基板同士を限られたスペース内で確実に接続する。
【解決手段】配線基板設備100は、個々に配線パターン12,14が形成された複数の配線基板10を並べて配列し、それぞれに形成された第1連結部10aと第2連結部10bとを嵌め合わせて相互に連結する。この状態で、導電線16をランド12b,14bに半田付けし、隣り合う配線基板10に跨って配線パターン12,14を接続する。導電線16を直接半田付けしても、配線基板10同士が連結されているので、導電線16やその半田付け部分に過大な負荷がかかるのを防止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、個々に配線パターンが形成された複数の配線基板を配列して電気的な配線経路を構成する基板配線設備に関するものである。
従来、回路パターンが形成された複数のプリント基板を並べた状態で、これら基板間を接続部材で接続し、複数の基板に跨った配線経路を構成した先行技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この先行技術では、各基板の縁辺部に複数の端子が表面から厚み方向に立ち上がるようにして配列されており、各回路パターンの末端にはいずれかの端子が接続されている。そして、これら端子列にコネクタ状の接続部材を嵌め合わせると、複数の基板間での電気的な接続が行われ、複数の基板に跨って配線経路を敷設することができる。
実開平7−42048号公報
上記のように、予め回路パターンが形成されたプリント基板を複数に接続して配線経路を敷設していく構造は、配線そのものを薄型化できることから、例えば液晶ディスプレイのバックライト用の光源(エッジライト)といった薄型のLED照明器具への適用に期待することができる。
しかしながら、先行技術のように基板同士をコネクタ付の配線で接続する構造では、基板の実装面からコネクタや配線が大きく出っ張るため、それだけ実装高さが増加してしまう。このため先行技術の構造では、全体として基板の厚み方向への寸法が大きくなり、基板を含めた電気配線の設置スペースを小型化することができないという問題がある。
この点、単純にコネクタを廃止し、基板間を跨いで回路パターンにリード線を直接半田付けすれば、ひとまず実装高さを低く抑えることはできる。ただし、この場合は実装部品や基板自身の荷重がリード線や半田付け部分に負荷として集中しやすくなるため、極端な場合は半田の欠落や断線に至るおそれがある。
そこで本発明は、限られたスペース内で複数の配線基板同士を確実に接続することができる技術の提供を課題としたものである。
本発明は、個々に配線パターンが形成された複数の配線基板が互いの縁辺部を突き合わせた状態で配列された基板列を構成するとともに、基板列内で隣り合う基板を相互に連結しておき、この連結状態で複数の配線基板を跨いで互いの配線パターン同士を配線接続部材により接続することで、基板列に沿って延びる配線経路を形成する配線基板設備である。特に本発明では、基板列をなす複数の配線基板がそれぞれ縁辺部にて相互に連結された状態であっても、個々の配線基板は、基板列内で隣接する他の配線基板に対して所定範囲内で相対的に変位が許容されている。
本発明の配線基板設備によれば、基板列内で隣り合う配線基板同士が連結された構造であるため、実装部品や配線基板の荷重を基板同士で相互に支えることができる。これにより、配線接続部材に対して過大な負荷がかかるのを防止し、長期間にわたって配線接続部材による接続の信頼性を向上することができる。
また、本発明では配線基板同士が相互に連結された状態であっても、それぞれが所定範囲内で他の配線基板に対して相対的に変位できる構造である。このため、例えば通電時の発熱(抵抗による発熱や実装部品の作動による発熱等)によって基板が熱膨張したとしても、その分の歪みが基板同士の相対変位によって吸収される。これにより、基板列の方向に熱応力が発生したり、基板列内で基板が反り返ったり、配線接続部材に負荷がかかったりするのを防止することができる。
また本発明の連結構造には以下の利点がある。例えば、配線基板設備を設置する作業において、複数の配線基板を列方向に順に連結していく場合、既に設置済みの配線基板がある程度自由に変位することができるため、基板列に新たに追加される配列基板の連結作業や配線接続部材の接続作業を容易に行うことができる。この点、配線基板同士をがっちりと拘束した状態で連結する構造の場合、先に設置済みの配線基板の位置に合わせて次の配線基板を連結しなければならないため、設置の自由度が低くなり、それだけ作業性が阻害される。これに対し、本発明では既に設置済みの配線基板に大きく制約されることなく、ある程度の自由度をもって次の配線基板を容易に連結することができる。
なお本発明における連結手段は、第1の連結部と第2の連結部を含む構成である。このうち第1の連結部は、基板列内で互いに隣り合う一方の配線基板の縁辺部から他方の配線基板に向けて突出して形成されている。また第2の連結部は、他方の配線基板の縁辺部から内方に向けて窪んで形成され、その内部に第1の連結部を嵌め合わせた状態で基板列の方向への脱出を防止し、かつ第1の連結部の周囲に所定の隙間を確保する大きさを有している。
上記の構成であれば、第1の連結部を第2の連結部に嵌め合わせるだけの簡単な作業で配線基板同士を連結することができる。また、第2の連結部に第1の連結部を嵌め合わせた状態であっても、その周囲に隙間が確保されているため、この隙間分だけ基板同士が相対的に変位することができる。
また本発明における配線接続部材は、基板列内で互いに隣り合う複数の配線基板の外面に沿って延び、かつ両端がそれぞれ配線基板の配線パターンに半田付けされた可撓性の導電線を含むものである。
この場合、配線接続に際して配線基板の外面(例えば実装面)上に導電線が設置されるだけであるため、それだけ実装高さを低く抑えることができ、全体として設置スペースの小型化に寄与することができる。また、導電線が可撓性を有するため、例えば既に基板列として設置済みの配線基板同士が僅かに変位したとしても、その変位は導電性の撓みによって吸収されるため、半田付け部分に過大な負荷が生じることはない。
本発明の配線基板設備は、複数の配線基板同士を変位可能な状態で連結し、それぞれの配線パターンを配線接続部材により接続する構造であるため、配線接続部材に過大な負荷をかけることがない。このため、配線接続部材の接続信頼性を向上し、配線基板設備の耐久性を高めることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態の配線基板設備100の部分的な構成を概略的に示した分解斜視図である。配線基板設備100は、複数の配線基板10を配列して相互に連結し、これらを導電線16によって電気的に接続した構造である。図1には2枚の配線基板10が示されているだけであるが、配線基板設備100は例えば5〜10枚程度の配線基板10を1列に並べて相互に連結し、これら複数の配線基板10に跨って延びる配線経路を形成するものである。以下、より具体的に説明する。
〔配線基板〕
配線基板10は、例えば長細い矩形状をなしており、その表面(実装面)には複数(この例では2系統)の配線パターン12,14が形成されている。また配線パターン12,14には、それぞれ適宜の箇所に実装用のランド12a,14aが形成されている他、各配線基板10の縁辺部の位置に接続用のランド12b,14bが形成されている。なお配線基板10の実装面は、ランド12a,12b,14a,14b以外の領域がレジスト層や反射コーティング層で覆われているため、これらの下層に位置する配線パターン12,14は破線で示されている。なお実装用のランド12a,14aには、例えばチップ抵抗やチップコンデンサ、チップLED等の実装部品を半田付けすることができる。
〔第1連結部〕
各配線基板10には、長手方向の一端に第1連結部10aが形成されている。この第1連結部10aは、配線基板10の縁辺部から突出して形成されており、その形状は、例えば蟻継ぎ(dove tale joint)に用いられる鳩尾状の蟻ほぞに近似している。
〔第2連結部〕
また各配線基板10には、長手方向の他端に第2連結部10bが形成されている。第2連結部10bは配線基板10の縁辺部から内方に窪んで形成されており、その形状は、第1連結部10aに合わせた蟻溝に近似している。
〔基板同士の連結〕
図2は、配線基板10同士を連結した状態で示す斜視図である。配線基板10同士の連結は、一方の第1連結部10aを他方の第2連結部10bに嵌め合わせて行われる。すなわち、2枚の配線基板10同士を厚み方向に段違いにした状態で、それぞれの第1連結部10aと第2連結部10bとの位置を合わせ、そのまま厚み方向に段差がなくなるまで2枚の配線基板10同士を並べて配置すると、一方の第1連結部10aが他方の第2連結部10bの窪み内に相対的に受け入れられ、それによって配線基板10同士の連結が行われる。
〔導電線による接続〕
また、配線基板10同士が連結された状態で、各配線パターン12,14は導電線16を介して接続されている。すなわち、導電線16の両端がそれぞれランド12b,14bに半田付けされ、各配線パターン12,14が複数の配線基板10に跨って延びる配線経路として形成されている。
〔基板同士の相対変位〕
図3は、配線基板10同士の連結部分を拡大して示す平面図である。ここでは、図3中の中央に位置する配線基板10の両側に、それぞれ別の配線基板10を連結した状態が示されている。なお図3中、導電線16は図示を省略されている。
隣り合う配線基板10同士の連結状態では、一方の第1連結部10aが他方の第2連結部10bの窪み内に嵌め合わされている。ただし、第2連結部10bの窪みは第1連結部10aの外形よりも僅かに大きく設定されており、嵌め合わせ状態においても第1連結部10aは第2連結部10bの窪み内でがっちり拘束されておらず、僅かに移動することができる。
このため、配線基板10同士を連結した状態でも、それぞれある程度の範囲内で基板列の方向(配線基板10の長手方向)に変位することができる。例えば、隣り合う配線基板10同士が列方向に離れた場合、第1連結部10aと第2連結部10bとの間に最大で隙間D(例えば1mm〜2mm程度)が確保されるまで変位する(図3中の左側部分を参照)。ただし、このとき第1連結部10aの根元部分が第2連結部10bの出口部分に引っ掛かるため、最終的に配線基板10同士の連結そのものが解除されてしまうことはない。
反対に、隣り合う配線基板10同士が列方向に近接した場合、第1連結部10aと第2連結部10bとの間にあった隙間Dが解消され、隣り合う配線基板10の縁辺部が互いに密着するまで変位する(図3中の右側部分を参照)。
〔使用時の利点〕
このように、第1実施形態の配線基板設備100では、列方向で隣り合う配線基板10同士が第1及び第2連結部10a,10bの嵌め合わせによって相互に連結された構造であるため、実装部品や配線基板10の荷重を配線基板10同士の連結によって支えることができる。このため、導電線16やその半田付け部分に過大な負荷が生じることがなく、その接続信頼性を向上することができる。
〔設置作業時の利点〕
また、例えば列方向に多数(5枚〜10枚程度)の配線基板10を並べて連結していく作業時において、配線基板10の個体寸法誤差によって位置調整が必要となった場合であっても、既に連結済みの配線基板10がある程度の範囲内で自由に列方向に変位できるため、次に新しく追加される配線基板10の連結作業を容易に行うことができる。
〔利用形態に合わせた利点〕
また配線基板設備100では、配線パターン12,14の接続を導電線16の半田付けで行っているため、個々の配線基板10の実装高さを低く抑えることができ、それだけ全体としての設置スペースを小型化することができる。このような配線基板設備100は、例えば照明用LEDの配線経路を敷設する利用形態に適している。すなわち、液晶ディスプレイのバックライト用光源としてLEDを用いる場合、放熱のためにアルミ製のレール(図示しない)内に配線基板10を一列に並べて設置し、配線基板10にチップLEDを実装して光源として使用する。このとき、上記のように配線基板10の実装高さが低く抑えられているため、レール内の限られたスペースに配線基板10を設置することができる。また、配線基板10の実装面に対して導光板を可能な限り近接して設置することができ、それだけLEDの光を効率よく導光板に照射することができる。
また、第1及び第2連結部10a,10bの嵌め合わせを用いた連結構造は、隣り合う配線基板10同士を連結した状態であっても、上記の隙間Dの範囲内で互いの相対的な変位を許容することができる。このため、例えば照明器具の使用時にLEDが発熱しても、そのときの配線基板10の熱膨張による歪みは互いの相対的な変位によって吸収される。したがって、配線基板10に熱応力がかかったり、配線基板10が長手方向の圧縮力で反り返ったり、導電線16の半田付け部分に過大な負荷がかかったりすることがない。
〔第2実施形態〕
図4は、第2実施形態の配線基板設備200の部分的な構成を概略的に示した分解斜視図である。なお、ここでは第1実施形態の配線基板設備100と共通する構成に同じ符号を付し、その重複した説明を省略するものとする。以下、第2実施形態の配線基板設備200について、主に第1実施形態との相違を中心に説明する。
第2実施形態の配線基板設備200では、配線基板10にはそれぞれスルーホール10cが形成されており、その周囲にランド12c,14cが形成されている。そして導電線16は、その両端を下方に屈曲させてスルーホール10cに挿入させた状態で、ランド12c,14cに半田付けされる。この場合、導電線16の半田付け強度をより向上することができ、さらに接続信頼性を高めることができる。
〔連結部の別形態〕
図5は、連結部の別形態を示す平面図である。上述した第1及び第2実施形態では、各配線基板10の一端に第1連結部10aが形成されている例を挙げているが、各配線基板10の両端に第2連結部10bのみを形成し、これらの間を別体の連結ピース18で連結する形態であってもよい。連結ピース18は、上記の第1連結部10aを両方向に2個つなげた形状である。このような連結ピース18は、配線基板10を水平面上に設置する場合に適している。
また、第1及び第2実施形態で挙げた第1連結部10aや第2連結部10bの形状は、あくまで好ましい一例である。例えば、第1連結部10aの先端部分を円形状とし、これに対応する第2連結部10bも円形の窪み形状としてもよい。
さらに、配線基板10の形状は長細い矩形状に限らず、正方形またはこれに近い形状であってもよい。また、配線基板10を連結する方向は一方向だけでなく、二方向以上であってもよい。あるいは、各実施形態よりも長い縁辺部を有する1つの配線基板を用いることで、その1つの縁辺部の複数箇所に第1連結部10aを形成し、それぞれに配線基板10を連結して同方向に複数の基板列を形成してもよい。
第1及び第2実施形態では、配線接続部材として被覆された導電線16を挙げているが、これに代えて裸のリード線を用いてもよい。あるいは、導電線16に代えてフラットケーブルや金糸線等を用いてもよい。
第1実施形態の配線基板設備の部分的な構成を概略的に示した分解斜視図である。 配線基板同士を連結した状態で示す斜視図である。 配線基板同士の連結部分を拡大して示す平面図である。 第2実施形態の配線基板設備の部分的な構成を概略的に示した分解斜視図である。 連結部の別形態を示す平面図である。
符号の説明
100,200 配線基板設備
10 配線基板
10a 第1連結部
10b 第2連結部
12,14 配線パターン
12a,14a ランド
12b,14b ランド
12c,14c ランド
16 導電線
18 連結ピース

Claims (3)

  1. 個々に配線パターンが形成された複数の配線基板が互いの縁辺部を突き合わせた状態で配列された基板列と、
    前記基板列をなす複数の配線基板をそれぞれ縁辺部にて相互に連結するとともに、この連結状態にて、個々の配線基板が前記基板列内で隣接する他の配線基板に対して所定範囲内で相対的に変位するのを許容する連結手段と、
    前記連結手段により複数の配線基板が相互に連結された状態で、これら複数の配線基板を跨いで互いの配線パターン同士を接続することにより、前記基板列に沿って延びる配線経路を形成する配線接続部材と
    を備えたことを特徴とする配線基板設備。
  2. 請求項1に記載の配線基板設備において、
    前記連結手段は、
    前記基板列内で互いに隣り合う一方の配線基板の縁辺部から他方の配線基板に向けて突出して形成された第1の連結部と、
    前記他方の配線基板の縁辺部から内方に向けて窪んで形成され、その内部に前記第1の連結部を嵌め合わせた状態で前記基板列の方向への脱出を防止し、かつ前記第1の連結部の周囲に所定の隙間を確保する大きさを有した第2の連結部と
    を含むことを特徴とする配線基板設備。
  3. 請求項1又は2に記載の配線基板設備において、
    前記配線接続部材は、
    前記基板列内で互いに隣り合う複数の配線基板の外面に沿って延び、かつ両端がそれぞれ前記配線基板の配線パターンに半田付けされた可撓性の導電線を含むことを特徴とする配線基板設備。
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