JP2009283415A - 発熱シートおよびこの発熱シートを用いた食品原料貯蔵装置 - Google Patents

発熱シートおよびこの発熱シートを用いた食品原料貯蔵装置 Download PDF

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Abstract

【課題】温度上昇時に発熱材にひび割れが生じるおそれを低減することで発熱不良の発生を起こし難くした簡素な発熱シートおよびこの発熱シートを用いた食品原料貯蔵装置を提供する。
【解決手段】基材12と、基材12上に設けられた発熱材14と、発熱材14を挟んで基材12上に設けられた基材接着層16と、発熱材14に通電するための電極20とを備え、電極20への通電によって発熱する発熱シート10であって、基材接着層16は、少なくとも高温域において発熱材14を付着可能な粘着力を有し、基材接着層16に対する発熱材14の密着力は、基材12に対する発熱材14の密着力よりも高い材料で構成されるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、発熱シートおよびこの発熱シートを用いた食品原料貯蔵装置に関するものである。
従来、電熱線を使用した発熱シートが知られている。この発熱シートは、例えば食品原料用コンテナや温蔵庫の内壁に設けられ、収納してある食品原料を融解するために用いられる。
一方、発熱材を備える発熱シートが知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。このような発熱シートは、厚さ0.3mm以上のポリカーボネート等の樹脂製の基材面に発熱材としての発熱塗料を膜状に印刷することで製造されている。
一方、グラファイト粉とバインダーとを含んで構成され、基材へのシルクスクリーン印刷等によって形成される発熱材が知られている(例えば、特許文献3および特許文献4参照)。
特開2007−84716号公報 特開2005−322431号公報 特開平9−102384号公報 特開平5−159867号公報
ところで、上記の従来の発熱シートでは、発熱材としての発熱塗膜に電流を流すと発熱塗膜が温度上昇すると同時に、塗膜の基材も温度上昇をする。この場合、発熱塗膜および基材は熱膨張を起こす。発熱塗膜の線膨張率は非常に小さく、一方、基材の線膨張率は発熱塗膜に比べて非常に大きいことから、基材と発熱塗膜とでは線膨張率において差異があり、発熱塗膜は、温度上昇時において基材の膨張に追随して膨張することはできない。発熱塗膜がグラファイト粉を多量に含むような脆い構造の場合には、温度上昇時に基材が熱膨張して変形すると、発熱塗膜に引張変形によるひび割れが生じ、発熱不良となるおそれがあった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、温度上昇時に発熱材にひび割れが生じるおそれを低減することで発熱不良の発生を起こし難くした簡素な発熱シートおよびこの発熱シートを用いた食品原料貯蔵装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る発熱シートは、基材と、前記基材に設けられた発熱材と、前記発熱材に通電するための電極とを備え、前記電極への通電によって発熱する発熱シートであって、前記発熱材と前記基材との間に、粘着材が設けられることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る発熱シートは、基材と、前記基材上に設けられた発熱材と、前記発熱材を挟んで前記基材上に設けられた基材接着層と、前記発熱材に通電するための電極とを備え、前記電極への通電によって発熱する発熱シートであって、前記基材接着層は、少なくとも高温域において前記発熱材を付着可能な粘着力を有し、前記基材接着層に対する前記発熱材の密着力は、前記基材に対する前記発熱材の密着力よりも高い材料で構成されることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る発熱シートは、上述した請求項1または請求項2において、前記発熱材は、耐熱性を有する可撓性樹脂材料で構成されることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る食品原料貯蔵装置は、請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の発熱シートを用いた食品原料貯蔵装置である。
また、本発明の請求項5に係る食品原料貯蔵装置は、上述した請求項4において、立方体状または直方体状に形成された食品原料貯蔵装置であって、前記食品原料貯蔵装置の少なくとも2以上の側面に設けられる前記発熱シートと、前記発熱シートを切り替え制御する切替制御手段と、前記切替制御手段による前記発熱シートの切り替え制御によって前記食品原料貯蔵装置内の食品原料の温度を調節する温度調節手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に係る食品原料貯蔵装置は、上述した請求項5において、前記食品原料貯蔵装置内の食品原料の温度を検知するセンサをさらに備え、前記切替制御手段は、前記センサによって検知された温度の変化に応じて、前記発熱シートを切り替え制御することを特徴とする。
また、本発明の請求項7に係る食品原料貯蔵装置は、上述した請求項4から請求項6のいずれか一つにおいて、コンテナ、タンクもしくは温蔵庫などの容器状または缶ラックなどの棚状に構成されることを特徴とする。
本発明の請求項1に係る発熱シートによれば、基材と、基材に設けられた発熱材と、発熱材に通電するための電極とを備え、電極への通電によって発熱する発熱シートであって、発熱材と基材との間に、粘着材が設けられるので、温度上昇した際に発熱材は基材の熱変形による影響を受けにくくなる。このため、発熱材にひび割れが生じるおそれを低減することができ、発熱シートにおける発熱不良の発生を起こし難くすることができる。
本発明の請求項2に係る発熱シートによれば、基材と、基材上に設けられた発熱材と、発熱材を挟んで基材上に設けられた基材接着層と、発熱材に通電するための電極とを備え、電極への通電によって発熱する発熱シートにおける基材接着層は、少なくとも高温域において発熱材を付着可能な粘着力を有し、基材接着層に対する発熱材の密着力は、基材に対する発熱材の密着力よりも高い材料で構成されるので、温度上昇して高温域に達すると発熱材は基材から剥がれ易く、かつ、基材接着層に粘着し易くなる。したがって、剥がれた発熱材は粘着した基材接着層を介して基材に保持されると同時に、発熱材への基材の変形による引張力の作用が低減される。このため、発熱材にひび割れが生じるおそれを低減することができ、発熱シートにおける発熱不良の発生を起こし難くすることができる。
また、本発明の発熱シートを用いた食品原料貯蔵装置によれば、発熱シートからの遠赤外線による放射熱は、食品原料貯蔵装置内の食品原料の内部に届く。このため従来、熱伝導方式では温度伝達が困難であった食品原料内部における温度をも迅速かつ容易に上昇することができ、この結果、内部および周囲を含む食品原料全体を迅速かつ一様に融解することができる。したがって、食品原料全体の粘度は温度上昇とともに低下することから、貯蔵装置から流動排出する際の排出管等に作用する粘性抵抗を低めることができる。このため、食品原料の排出に係る時間や手間を大幅に削減することができる。
また、発熱シートを食品原料貯蔵装置の2以上の側面に設けることで、食品原料の融解温度を調節したり、食品原料の温度に対応して発熱シートの動作を切り替えることもできる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明に係る発熱シートおよびこの発熱シートを用いた食品原料貯蔵装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る発熱シートの概略横断面図である。
図1に示すように、本発明に係る発熱シート10は、矩形板状の基材12と、基材12表面上に矩形に印刷形成された発熱材としての発熱塗膜14と、発熱塗膜14上に粘着する基材接着層16(接着剤)と、基材接着層16が設置される部材12aとからなる。発熱塗膜14の左右両側には帯状の銀ペースト18が設けられ、基材接着層16の銀ペースト18に対向する位置には帯状の銅箔電極20が設けられ、銅箔電極20と銀ペースト18とは圧接されてある。電極20は不図示のリード線を介して単相200Vの交流電源に接続されており、電極20に電流を流すと発熱塗膜14は発熱をして遠赤外線を放射するようになっている。
発熱塗膜14は、グラファイト粉とバインダーと希釈剤とを含んで構成される。基材12への塗布は、例えばシルクスクリーン印刷や直接塗布する手法を採用することができる。発熱塗膜14の厚さは、硬化塗膜で25〜250μm程度である。ここで、グラファイト粉の粒径としては、0.1〜2.0μm程度のものを用いることができる。なお、粒径が0.1μm以下の場合には、給油量が過大となりインク化が難しくなる。また、2.0μm以上の場合には所望の抵抗値が得られず、発熱効率が低下するおそれがある。バインダーの材料としては、アルキッド、アクリル、エポキシ、シリコーンワニス等を用いることができる。
グラファイト粉とバインダーの配合比率は、重量比でグラファイト粉:バインダー=100:100〜100:250の範囲の比率とすることができる。なお、バインダー量が少ないと乾燥塗膜に割れが生じて、発熱不良となるおそれがあり、逆に、バインダー量が多すぎると所望の抵抗値が得られず、発熱性能が低下するおそれがあるので留意する必要がある。また、希釈材は、作業性を考慮して適量添加される。
基材12は、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート−ABSアロイ、ポリイミド、ポリ塩化ビニル等の樹脂から構成されてある。部材12aもこれらと同様な樹脂から構成されてある。一方、基材接着層16は、高温になると発熱塗膜14を付着し得る程度の粘着力を有する材料からなり、例えば、エポキシ、ポリウレタン、基材材料のドープセメントまたは溶剤を用いることができる。
基材接着層16に対する発熱塗膜14のバインダーの密着力は、基材12に対する発熱塗膜14のバインダーの密着力よりも高い材料で構成されてある。したがって、発熱塗膜14は、所定温度まで上昇した際に基材接着層16に密着するようになって、基材12との当接状態を維持しつつ基材12面から剥がれる。これにより、基材12の熱変形による引張力は発熱塗膜14に伝わりにくくなり、発熱塗膜14はこの引張力によって伸び変形しにくくなる。このため、発熱塗膜14に引張に伴うひび割れは生じにくいので、発熱シート10における発熱不良の発生を起こし難くすることができる。
電極20は、厚さ0.03〜0.15mm程度の帯状の銅箔である。通電部としての銀ペースト18は、銀を多量に含んだペースト状の電気伝導度が非常に高い材料で構成され、塗膜厚は10〜50μm程度であって、例えば藤倉化成株式会社製のものを用いることができる。
上記構成の発熱シート10の製造方法について、図を用いて説明する。図2は、基材と基材接着層とを接着する状況を説明する概略斜視図であり、図3は、概略横断面図である。
図2および図3に示すように、まず、基材12に発熱途膜14を印刷形成するとともに、左右両側に帯状の銀ペースト18を設置する。一方、基材接着層16の左右両側に帯状の銅箔電極20を設置する。ついで、銀ペースト18と銅箔電極20とが当接するように基材12上に基材接着層16を配置することで発熱シート10を製造する。基材12上の発熱途膜14は、温度上昇して所定温度に達すると基材12から剥がれて基材接着層16に密着するようになる。このため、発熱途膜14には基材12の熱膨張による引張に伴うひび割れは生じにくいので、発熱シート10における発熱不良は発生しない。
上記の実施形態において、発熱途膜14のバインダーにエラストマー等を用いてもよい。この場合、可撓性のある発熱途膜14を得ることができ、基材12の線膨張に追随可能となって、塗膜14に割れが発生しにくくなる。なお、上記のエラストマーのほか、バインダーにはシリコーンゴム、シリコーンゲルや可撓性エポキシ等を用いることができる。軟質ウレタンは耐熱性が劣るため注意が必要である。所定の接着力が得られない場合は、基材12表面にプライマーを塗布してもよい。
上記の実施形態のほか、発熱途膜14と基材12との間または発熱途膜14と基材接着層16との間に、VAコンテントの高いEVA樹脂や粘着力を増したホットメルトを設けてもよい。この材料は、温度上昇に従い軟化するため、粘着剤と同様な効果を得ることができる。基材12が線膨張しても発熱途膜14は割れない。
次に、本発明の発熱シート10を用いた発熱パネル30について図を用いて説明する。図4は発熱パネルの概略斜視図、図5は発熱パネルの平面図、図6は側面図、図7は部分平面図、図8は図7のA−A線に沿った横断面図、図9は上蓋を取り除いた概略斜視図、図10は発熱シートおよび充填物を取り除いた概略斜視図である。
図4〜図10に示すように、発熱パネル30は、略矩形板状のABS樹脂製ケース32の上蓋34および下蓋36を突き合わせて構成されたパネル状をしており、上蓋34の内側には本発明の発熱シート10が貼り付けられている。ケース32内には一体発泡されたウレタン38が充填されており、この発熱パネル30は、いわばヒーター付きの断熱ボードのように構成されてある。
発熱シート10の電極20は、パネル30一辺の略中央から棒状に突出した電源コード40およびその先端のコネクタ42を介して、パネル30外部の不図示の単相200Vの交流電源コンセントに接続されてある。
図7および図10に示すように、ケース32内部の略中央にはサーモスタット44が配置されてあり、発熱シート10による発熱温度を制御している。発熱温度は例えば最高80℃程度得ることができる。また、上蓋34および下蓋36にはX字状に延びた凹凸リブ46が設けられている。さらに、図8に示すように、電源コード40やサーモスタット44のケーブルを取り付ける金具48、ブッシュ50がケース32の一端に設けられている。
なお、発熱シート10は、食品原料を貯蔵する容器の鉛直側面に設けた場合に、発熱シート10の上端が加熱対象の食品原料の液位に一致するように、食品原料の比重に応じた位置に偏る寸法として発熱パネル30内に設けられており、加熱時における省エネルギーを配慮してある。この場合、例えば、直方体状の容器内に収納される容積1トンの袋に比重1.4のカラメル1トンを入れると液位は幾分下がった状態となるが、発熱パネル30を容器側面に配置した場合には、発熱シート10の上端は、この液位に一致した状態にされる。なお、発熱パネル30を容器の下面に配置する場合には、発熱シート10は、偏って配置する必要はなく発熱パネル30の全面に設けることができる。
次に、本発明の発熱シート10を用いた食品原料貯蔵装置100の実施形態について図を用いて説明する。図11は食品原料貯蔵装置としての温蔵庫の概略外観斜視図であり、図12は前面扉を取り除いた概略斜視図、図13は扉全体を取り除いた概略斜視図、図14は概略正面図、図15は概略側面図、図16は図14のA−A線に沿った側断面図、図17は図14のB−B線に沿った横断面図である。
図11〜図17に示すように、本発明に係る食品原料貯蔵装置としての温蔵庫100は直方体状をしており、その内部は棚構造となっている。棚60には食品原料を貯蔵する缶容器62が配置されてある。本発明の発熱シート10を用いた発熱パネル30が、温蔵庫100の前面扉70、背面72、左右面74、76の4側面に配置されてある。なお、4側面だけでなく上下面に発熱パネル30を設けても良い。この場合、図18の側断面図に示すように、発熱パネル30と食品原料が入れられた容器62とが接しておらず、ある程度距離が離れていても、発熱パネル30内の発熱シート10からの遠赤外線放射熱は容器62内に届き、容器62内部の食品原料を迅速に融解することができる。
また、発熱シート30を切り替え制御する切替制御手段と、切替制御手段による発熱シート30の切り替え制御によって温蔵庫100内の食品原料の温度を調節する温度調節手段とを備えてもよく、例えば、図14に示すように、温蔵庫100に発熱パネル30を切り替えるためのスイッチ78を設けても良い。さらに、温蔵庫100内の食品原料の温度を検知するセンサ(不図示)をさらに備えてもよく、切替制御手段は、センサによって検知された温度の変化に応じて、発熱シート10を切り替え制御するようにしてもよい。
ところで、従来においては、電熱線タイプを用いたコンテナや温蔵庫では、電熱線マットと融解対象物とが接触しての熱伝導による伝熱方式または内部空気の対流による加熱方式であるため対象物を迅速かつ完全に融解させることは容易ではなかった。特に、キャラメルや牛脂等の融解温度の高い食品原料(キャラメルの融解温度は約60℃、牛脂は約50℃)の場合には、食品原料の中心内部まで電熱線マットからの熱を伝達することは難しく、食品原料を完全に溶かすのは容易ではなかった。このような粘度の高い食品原料を容器から排出する場合には、食品原料の粘度が排出に伴う粘性抵抗となって、排出作業に1〜2日を要するなど非常に時間がかかるという問題があった。さらに、内部が完全に融解されない場合は、コンテナ自体を大型の加熱庫に入れて融解させるという作業を要し、大きなエネルギーロスとなっていた。
ここで、食品原料(液糖)の液温と粘度の関係例を表1に示す。表1に示すように、液温20℃における粘度は800mP・Sであるが、60℃に上昇すると食品原料の粘度は40mP・Sまで低下することが判る。
Figure 2009283415
このため、上記の実施形態で説明したように、発熱材に発熱塗膜14を有した遠赤外線面状ヒ−タとしての発熱シート10を使用することにより、従来の電熱線タイプの熱伝導と異なり、直接遠赤外線で内容物の分子構造を振動させて内部より発熱させる熱放射方式で、短時間で効率よく対象物の融解が可能となる。また使用枚数を1枚、2枚から4面(全周)と使用することにより融解温度の調節も可能である。
上記の実施形態において、食品原料貯蔵装置として温蔵庫を例にとり説明したが、本発明の食品原料貯蔵装置は、このほかにも、コンテナ、タンクなどの容器状の貯蔵あるいは収納装置や缶ラックなどの棚状の貯蔵あるいは収納装置に対しても適用することができる。
次に本発明の加熱効果に関する検証結果について図を用いて説明する。
図19および図20は、本発明の発熱シートを適用した食品原料貯蔵装置としてのコンテナの内容物における上中下の液温の時間変化を示しており、内容物が収納される袋の周囲の温度の時間変化と比較したものである。図19は発熱シートを2枚(下面と一側面とに)設けた場合、図20は3枚(下面と互いに直交する二側面とに)設けた場合の時間変化である。表2および表3は、それぞれ図19および図20の内容物内の測定温度値、単位時間当たりの温度上昇率を示す表である。
Figure 2009283415
Figure 2009283415
図19および表2、図20および表3に示すように、内容物の上中下の3箇所とも同様の温度上昇率になっており、ほぼ一様に上昇することが判る。また、内容物の袋における周温は内容物の温度と異なって上昇しておらず、経過時間に関係なくほぼ一定となることが判る。図19の発熱シートを2枚用いるケースにおける消費電力は、23.122kWh/日であり、初期電流値は5.3A/1060Wである。また、図20の発熱シートを3枚用いるケースにおける消費電力は、34.314kWh/日であり、初期電流値は7.7A/1540Wである。なお、試験条件は、いずれのケースにおいても50Hz単相200Vの電源を用い、水温15℃のBIB水を使用した。
次に、本発明の具体的な実施形態について例示する。
本発明に係る発熱シートは、上記の食品原料貯蔵装置の他に、次のような製品または用途に応用することができる。例えば、キッチンや居室内の床暖房、インテリア壁暖房、紙製ストーブ、電気毛布、岩盤浴用発熱器、自動販売機の飲料用缶容器、食品運搬カート、非常用加熱機器、植物栽培容器、防寒衣類、簡易風呂、温水供給装置が挙げられる。
キッチンや居室内の床暖房の加熱材として本発明の発熱シートを用いる場合には、キッチンでの立ち作業における簡易でコンパクトな暖房装置となる。また、机の下に発熱シートを設けて簡易型の暖房とすることもできる。このような暖房用の加熱材として本発明の発熱シートを適用する場合には、発熱シートを植毛布に挿入配置した構成としてもよい。
また、インテリア壁暖房に適用する場合には、軽快でおしゃれな紙製の暖房を提供することができる。この具体的な構成としては、例えば、和紙等に発熱シートを貼付あるいは和紙に発熱材を直接塗布し、発熱機能が付加されたこの和紙を壁等に引っ掛けてインテリアの一部とした構成とすることができる。
また、紙製ストーブに適用する場合には、樹脂の代わりに和紙等の紙を基材として用いて、発熱塗料を直接印刷あるいは塗布して紙製ストーブを構成してもよい。このようにすることでおしゃれなストーブを提供することができる。
また、電気毛布に適用する場合には、省エネルギー効果を期待することができる。また、岩盤浴の下に敷く発熱シートとして用いた場合には、身体への遠赤外線効果を期待することができる。また、飲料用缶容器に適用する場合には、例えば缶容器を基材として発熱材を直接印刷または塗布しておき、購入時に発熱材に瞬間的に電流を流すことで缶内の飲料を瞬間加熱する用途とすることもできる。また、食品運搬カートに適用する場合には、例えば航空機の機内食、列車の車内食や病院給食などのホット食品原料の運搬カートの加熱材として適用することができる。また、非常用加熱器に適用する場合には、例えば携帯用乾電池など直流電源を用いる構成として災害時に有効なものとしてもよい。また、植物栽培容器に適用する場合には、例えば寒冷地などの栽培植物やインテリア用植物の根を暖める保温材として用いることができる。また、防寒衣類に適用する場合には、例えばコートなどの防寒具の内側に本発明の発熱シートを設けて乾電池等を電源として保温材として使用することもできる。また、簡易風呂や温水供給装置に適用する場合には、例えば、1トン程度の水を貯めたコンテナなどの容器の側面に発熱シートを設け、内部を加熱することで容器内に湯を容易に作り出すようにして、災害時などに使用することができる。
また、本発明に係る発熱シートは、上記の製品または用途の他に、缶自動販売機に対して適用することができる。例えば、サーペンセグメント(ラック)用の加熱材や、押しボタンに対する保温材としての用途が考えられる。押しボタンに適用する場合には、「ホット」ボタンを保温して目が不自由な人が触ると暖かい熱を感じて「ホット」ボタンを認識するようになるなど、ユニバーサルデザインに配慮することができる。また、缶自動販売機における瞬間加熱用ポットの加熱材、寒冷地用凍結防止材、融雪材、ホット室用保温材、結露防止材として本発明の発熱シートを適用することも可能である。上記の瞬間加熱用ポットにおいて、例えば筒状のポットの外周に発熱材を塗布する構成としてもよい。シースルー機などにおけるアトラクティブとして用いることもできる。
また、本発明に係る発熱シートは、カップ自動販売機やフード関連機器に適用することができる。例えば、温水タンクの加熱材、ブリュアの保温材、温水系配管の保温材、パイプに発熱材を塗布して発熱部を通水することによる温水タンクレス瞬間加熱材、列車などで移動販売されているコーヒーポットの保温材、カップ粉原料収納キャニスタの口の部分を保温することによる原料固着防止材または防湿材、ノズル先端を保温することによる除菌材等に適用してもよい。このような用途に使用することで自動販売機における省エネルギー効果や搭載バッテリーの小容量化効果を期待することができる。また、移動式コーヒーディスペンサの温水加熱材として適用してもよい。
また、本発明に係る発熱シートは、上記の他に自動販売機関連製品へ適用することができる。例えば、VIEW機(中が透けて見える自動販売機)のホット商品棚用のプレートヒータとして適用することにより省エネルギー効果を期待することができる。また、食品用自動販売機内に設置されている電子レンジの代わりに本発明の発熱シートを用いることができる。
また、本発明に係る発熱シートは、上記の他にショーケース関連製品へ適用することができる。例えば、H&Cケースのホット部のプレートヒータ、ホットケースのプレートヒータとして用いることができ、省エネルギー効果を期待できる。この場合、発熱シートは、温度コントロールが可能な仕様としてもよい。
また、本発明に係る発熱シートは、上記の他にCC関連製品へ適用することができる。例えば、スーパーマーケットなどにおけるスポット暖房、ピッキングシステム床暖房、防カビ壁材、壁面の除湿材、R−CUBE、エコロユニット外置き暖房壁などの壁材または天井材、自動販売機などにおける蒸発皿用水の蒸発用ヒータとして適用することができる。
また、本発明に係る発熱シートは、上記の他に次のような製品あるいは用途へ適用することができる。例えば、CM・BV等の電子部品の過冷却を防止するための保温材、形状記憶合金との組み合わせ材、酒澗機用保温材、OCS(オフィスコーヒーサーバ)の保温材とすることで遠赤外線効果による味劣化を防止する用途、調理機器レンジ加熱材、ラード等の温蔵庫の発熱材、太陽電池との組み合わせ材、水素発生装置、調理用の加熱蒸気発生装置の加熱材として適用することができる。太陽電池との組み合わせ材に適用する場合には、太陽電池を電源として発熱シートを災害地などで使用することが考えられる。また、水素発生装置に適用する場合には、水を加熱して水蒸気を得るための加熱材としての用途が考えられる。ただし、この場合、例えば800℃程度以上の高温の発熱が必要である。
本発明の食品原料貯蔵装置は、IBC(Intermediate Bulk Container)のような容量450〜3000リットル程度の中型の物流容器に対して適用することができる。このうちプラスチック内容器が内装された中型容器(Composite IBC)や、折り畳み可能で空時の運搬性を高めた中型容器に対しても適用することができる。このため、本発明によれば、IBC用BIB(Bag In Box)バッグ内の食品原料を、発熱シートの遠赤外線放射効果によって原料内部から原料外面に渡って一様な温度上昇率を保持しながら迅速に融解することができる。この温度上昇により粘度は食品原料全体に渡り一様かつ迅速に低下するので、食品原料貯蔵装置から原料排出時における原料の流動の粘性抵抗は低くされる。このように、食品原料の流動抵抗が低いことから、食品原料貯蔵装置からの原料排出に要する時間を大幅に改善することができる。しかも、この食品原料の融解は、省エネルギーにて行うことができる。
次に、本発明の発熱シートを用いた食品原料貯蔵装置を利用する場合の食品加工業界におけるメリットを説明する。
従来、液糖からキャラメルシロップを精製する食品原料加工会社は、所有する空のポリエチレン製タンクのIBCを液糖メーカーに送付するようにしていた。液糖メーカーは、加工会社の注文に応じて、このIBCに例えば液糖1トンを充填して返送する。返送は10トンタンクローリー車による輸送や、小口輸送によって返送される。液糖入りのIBCを受け取った加工会社は、これを工場内の例えば温蔵庫内に入れて1トンの液糖を液温60度で融解するが、1トンもの液糖を完全に融解するには1〜2日を要する。そして、粘度が低下した液糖をIBCから排出し、この液糖を用いてキャラメルシロップを製造する。製造されたキャラメルシロップは別のIBCに充填され、食品製造会社に送付される。食品製造会社はこのIBCからキャラメルシロップを小分けして排出するが、この排出に要する時間も1〜2日かかるなど、粘度を有する食品原料の排出作業に手間がかかっていた。
しかし、本発明の発熱シートを用いた食品原料貯蔵装置によれば、食品原料は一様かつ迅速に温度上昇して粘度が下がることから、流動時における食品原料の粘性抵抗は低く、食品原料貯蔵装置から容易に排出することが可能である。このため、上記の食品原料加工会社や食品製造会社においては、液糖やキャラメルシロップなどの常温で粘度の高い食品原料を時間を要せずに迅速に排出することができる。
上記の実施形態において、立方体や直方体状の角型容器について説明したが、本発明の食品原料貯蔵装置は、円筒状や球状を始めとする任意の形状の容器に対して適用することが可能である。
本発明に係る発熱シートの一例を示す概略横断面図である。 基材と基材接着層とを接着する状況を説明する概略斜視図である。 基材と基材接着層とを接着する状況を説明する概略横断面図である。 本発明の発熱シートを用いた発熱パネルの概略斜視図である。 本発明の発熱シートを用いた発熱パネルの平面図である。 本発明の発熱シートを用いた発熱パネルの側面図である。 本発明の発熱シートを用いた発熱パネルの部分平面図である。 図7のA−A線に沿った横断面図である。 上蓋を取り除いた発熱パネルの概略斜視図である。 発熱シートおよび充填物を取り除いた発熱パネルの概略斜視図である。 本発明の食品原料貯蔵装置の一例としての温蔵庫の概略外観斜視図である。 本発明の温蔵庫の前面扉を取り除いた概略斜視図である。 本発明の温蔵庫の扉全体を取り除いた概略斜視図である。 本発明の温蔵庫の概略正面図である。 本発明の温蔵庫の概略側面図である。 図14のA−A線に沿った側断面図である。 図14のB−B線に沿った横断面図である。 発熱シートからの遠赤外線放射の一例を示す側断面図である。 食品原料貯蔵装置の内容物の液温の時間変化の一例を示すグラフ図であり、発熱シートを2枚用いた場合のグラフ図である。 食品原料貯蔵装置の内容物の液温の時間変化の一例を示すグラフ図であり、発熱シートを3枚用いた場合のグラフ図である。
符号の説明
10 発熱シート
12 基材
12a 部材
14 発熱途膜
16 基材接着層
18 銀ペースト
20 銅箔電極
30 発熱パネル
32 ケース
34 上蓋
36 下蓋
38 ウレタン
40 電源コード
42 コネクタ
44 サーモスタット
46 凹凸リブ
48 金具
50 ブッシュ
60 棚
62 容器
70 前面扉
72 背面
74 左面
76 右面
78 スイッチ
100 温蔵庫(食品原料貯蔵装置)

Claims (7)

  1. 基材と、前記基材に設けられた発熱材と、前記発熱材に通電するための電極とを備え、前記電極への通電によって発熱する発熱シートであって、
    前記発熱材と前記基材との間に、粘着材が設けられることを特徴とする発熱シート。
  2. 基材と、前記基材上に設けられた発熱材と、前記発熱材を挟んで前記基材上に設けられた基材接着層と、前記発熱材に通電するための電極とを備え、前記電極への通電によって発熱する発熱シートであって、
    前記基材接着層は、少なくとも高温域において前記発熱材を付着可能な粘着力を有し、前記基材接着層に対する前記発熱材の密着力は、前記基材に対する前記発熱材の密着力よりも高い材料で構成されることを特徴とする発熱シート。
  3. 前記発熱材は、耐熱性を有する可撓性樹脂材料で構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発熱シート。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の発熱シートを用いた食品原料貯蔵装置。
  5. 立方体状または直方体状に形成された食品原料貯蔵装置であって、前記食品原料貯蔵装置の少なくとも2以上の側面に設けられる前記発熱シートと、前記発熱シートを切り替え制御する切替制御手段と、前記切替制御手段による前記発熱シートの切り替え制御によって前記食品原料貯蔵装置内の食品原料の温度を調節する温度調節手段とを備えることを特徴とする請求項4に記載の食品原料貯蔵装置。
  6. 前記食品原料貯蔵装置内の食品原料の温度を検知するセンサをさらに備え、前記切替制御手段は、前記センサによって検知された温度の変化に応じて、前記発熱シートを切り替え制御することを特徴とする請求項5に記載の食品原料貯蔵装置。
  7. コンテナ、タンクもしくは温蔵庫などの容器状または缶ラックなどの棚状に構成されることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一つに記載の食品原料貯蔵装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120132086A1 (en) * 2009-06-04 2012-05-31 Fuji Electric Retail Systems Co., Ltd. Chocolate heating and conveying apparatus
JP2017149380A (ja) * 2016-02-26 2017-08-31 イビデン株式会社 樹脂製リアウインドウ及び樹脂製ウインドウ

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