JP2009283234A - バックライト、バックライトに用いられる光学シート及び液晶表示装置 - Google Patents

バックライト、バックライトに用いられる光学シート及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光の利用効率及び正面輝度を向上でき、輝度ムラの発生を抑制できるバックライト及び光学シートを提供する。
【解決手段】
バックライトは、面光源と面光源上に敷設された光学シート15とを備える。光学シート15の反射偏光層160内の複数の反射粒子162は、一方向に配向される。光学シート15のレンズ層170は、複数のマイクロレンズ172を含む。光学シート15は、反射粒子162の長手方向と垂直な電場ベクトルを有する偏光成分を透過し、長手方向と並行な電場ベクトルを有する偏光成分を反射する。反射された偏光成分は、面光源に戻り、再び面光源から光学シート15に入射する。そのため、光の利用効率が向上する。さらに上述の反射偏光層160の作用とレンズ層の集光作用との相乗効果により、正面輝度が向上し、かつ、輝度ムラが抑制される。
【選択図】図4

Description

本発明は、バックライト、バックライトに用いられる光学シート及び液晶表示装置に関し、さらに詳しくは、高い正面輝度を有するバックライト、光学シート及びその液晶表示装置に関する。
テレビやパソコンのディスプレイとして利用される液晶表示装置は、光の利用効率の向上を求められている。
液晶表示装置の光の利用効率を向上するための部材として、反射偏光子が開示されている。代表的な反射偏光子としては、複屈折樹脂積層体からなる偏光子(以下、積層偏光子という)と、ワイヤグリッド型偏光子とがある。
積層偏光子は、特開平4−268505号公報、特表平9−507308号公報及び特表平10−511322号公報に開示されている。積層偏光子は、異なる屈折率を有する複数の樹脂層を含む積層体からなり、バックライトの正面に敷設される。積層偏光子は、バックライトからの光のうちのP偏光成分及びS偏光成分のいずれか一方を透過し、他方をバックライトに反射する。バックライトに戻った光は、バックライト内で散乱及び反射し、偏光状態が解消される。そして、偏光状態が解消された光が再度積層偏光子に入射される。そのため、再度入射された光の一部は積層偏光子を透過する。以上の動作を繰り返すことにより、積層偏光子はバックライトから出射された光の利用効率を向上する。
一方、ワイヤグリッド型偏光子は、特開2005−195824号公報、特表2003−502708号公報及び特開平10−153706号公報に開示されている。ワイヤグリッド型偏光子は、その表面に、複数の金属ワイヤが所定の間隔で並設された、いわゆるグリッド構造を有する。隣り合う金属ワイヤの間隔が入射光の波長よりも短い場合、ワイヤグリッド型偏光子は、入射光のうち金属ワイヤに垂直な電場ベクトルを有する偏光成分を透過し、金属ワイヤに並行な電場ベクトルを有する偏光成分を反射する。ワイヤグリッド型偏光子も、積層偏光子と同様に、バックライトの正面に敷設され、光の利用効率を向上する。
しかしながら、積層偏光子は、上述のとおり屈折率の異なる樹脂層を数十層も積層しなければならない。そのため、製造工程が複雑である。さらに、複数の樹脂層を積層するため、偏光子が厚くなる。
また、ワイヤグリッド型偏光子の製造工程も複雑である。ワイヤグリッド型偏光子は、真空蒸着法等により基板上に形成されたアルミニウム等の金属層にエッチング処理を施すことにより形成される。つまり、製品ごとにエッチング処理を行わなければならず、製造工程が複雑である。
ところで、製造工程が簡潔な偏光子として、磁性材料を一方向に配向させた偏光子が特公平8−27409号公報、特開平11−14829号公報及び特開平11−6916号公報に開示されている。これらの特許文献では、磁場を印加して複数の磁性微粒子を一方向に配向することにより偏光子が製造される。この製造方法によれば、屈折率の異なる複数の樹脂層を積層したり、エッチング処理を行うといった必要がなく、製造工程が簡潔である。
しかしながら、特公平8−27409号公報、特開平11−14829号公報及び特開平11−6916号公報に開示された偏光子は、透過した偏光成分以外の偏光成分を吸収する、いわゆる吸収型偏光子である。そのため、光の利用効率の向上に寄与しない。
さらに、バックライトに敷設される光学シートは、光の利用効率の向上だけでなく、正面輝度の向上も求められる。一般的に、正面輝度の向上を目的とした光学シートとして、プリズムシートが利用される。しかしながら、プリズムシートは光の利用効率の向上には寄与しない。また、プリズムシートは、輝度を均斉化しにくいため、液晶表示装置の表示画面に輝度ムラが生じやすい。
特開平4−268505号公報 特表平9−507308号公報 特表平10−511322号公報 特開2005−195824号公報 特表2003−502708号公報 特開平10−153706号公報 特公平8−27409号公報 特公平11−14829号公報 特開平11−6916号公報
本発明の目的は、光の利用効率及び正面輝度を向上でき、輝度ムラの発生を抑制できるバックライト及び光学シートを提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明によるバックライトは、面光源と、面光源上に敷設される光学シートとを備える。光学シートは、反射偏光層と、反射偏光層上に形成されるレンズ層とを含む。レンズ層には、集光機能を有する複数のレンズが表面に形成される。反射偏光層は、透光性を有する樹脂と、複数の反射粒子とを含む。複数の反射粒子は、樹脂内で一方向に配向される。反射粒子は強磁性を有する。そして、反射粒子は、自身の長手方向と並行な電場ベクトルを有する偏光成分を反射する。ここで、集光機能を有するレンズは、たとえば、プリズムやシリンドリカルレンズといった柱状レンズや、マイクロレンズである。
光学シート内の反射偏光層は、一方向に配向された複数の反射粒子を含む。そのため、反射粒子の長手方向と垂直な電場ベクトルを有する偏光成分を透過し、かつ、反射粒子の長手方向と並行な電場ベクトルを有する偏光成分を反射する。反射された偏光成分は面光源内で再び無偏光の光として面光源から出射される。そのため、本発明のバックライトは、光の利用効率を向上できる。
光学シートはさらに、レンズ層により光を正面方向に出射する。そのため、反射偏光層による可視光の利用効率の向上作用と、レンズ層の可視光の集光作用との相乗効果により、表示画面の正面輝度がより高くなる。
また、反射偏光層内の反射粒子は、偏光成分を反射するだけでなく、透過光を拡散する。具体的には、反射偏光層を透過する光は、反射粒子の配向方向に対して垂直方向に拡散される。このような反射偏光層内の拡散作用とレンズ層の集光作用との相乗効果により、輝度ムラの発生が抑制される。
好ましくは、反射偏光層は、電場ベクトルが反射粒子322の長手方向と並行な偏光成分を入射したとき、20%以上の可視光反射率を有する。ここで、可視光反射率とは、可視光域の光の反射率をいい、より具体的には、波長が380nm〜780nmの範囲の光の反射率をいう。
この場合、バックライトから出射される光の利用効率が向上する。
好ましくは、反射粒子は、表面から10nm以上の深さまで金属及び不純物からなる。
好ましくは、反射粒子は、母材と、母材の表面に形成される金属層とを備える。金属層は10nm以上の厚さを有する。
好ましくは、反射偏光層は、反射粒子100重量部に対して樹脂を7〜2000重量部含む。好ましくは、反射粒子の長さは、0.1μmよりも大きく10μm以下であり、反射粒子のアスペクト比は、2以上である。
この場合、可視光の偏光度及び反射率を向上できる。なお、ここでいう金属とは、自由電子を有する物質をいう。
好ましくは、金属層は、アルミニウム、金、銀、銅、白金、ニッケル、パラジウム、鉄及びスズからなる群から選択される1種または2種以上を含有する。
これらの金属は、いずれも可視光の反射率(可視光反射率)が高い。したがって、反射粒子の表面がこれらの金属層からなるとき、光学シートの可視光反射率を高めることができる。
好ましくは、レンズ層は、複数のマイクロレンズが表面に形成されたマイクロレンズアレイ層である。
マイクロレンズは、全方位の光を集光できる。そのため、反射偏光層の拡散作用と、マイクロレンズアレイ層の集光作用との相乗効果により、輝度ムラがより抑制される。
本発明による光学シートは、上述のバックライトに利用される。また、本発明による液晶表示装置は、上述のバックライトと、バックライト上に敷設された液晶パネルとを備える。液晶パネルは、両面に吸収型偏光子が敷設される。
好ましくは、反射粒子の長手方向は、吸収型偏光子の透過軸と略直交する。この場合、光の利用効率を向上でき、液晶表示装置の表示画面の輝度を向上できる。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[液晶表示装置の構成]
図1及び図2を参照して、液晶表示装置1は、バックライト10と、バックライト10上に敷設される液晶パネル20とを備える。
液晶パネル20には、その両面に吸収型偏光子21及び22が敷設される。吸収型偏光子21及び22は、板状又はフィルム状であり、特定の偏光成分を吸収し、他の特定の偏光成分を透過する。より具体的には、吸収型偏光子21及び22は、透過軸及び吸収軸を有し、透過軸と並行な電場ベクトルを有する偏光成分を透過し、吸収軸と並行な電場ベクトルを有する偏光成分を吸収する。吸収型偏光子21及び22は、たとえば、ヨウ素系偏光フィルムや染料系偏光フィルムである。
液晶パネル20はさらに、その内部に、行列上に配列された複数の画素を備える。
バックライト10はいわゆる直下型である。バックライト10は、面光源30と、面光源30上に敷設された光学シート15とを備える。
[面光源]
面光源30は、ハウジング12と、線光源である複数の蛍光管13と、光拡散板14とを備える。
ハウジング12は、正面に開口部120を有する筐体であり、内部に複数の蛍光管13を収納する。ハウジング12の内側表面は、反射シート121で覆われている。反射シート121は、板状又はフィルム状であり、蛍光管13から出射された光を散乱し、散乱された光を開口部120に導く。反射シート121は、たとえば東レ製ルミラー(登録商標)E60LやE60Vであり、拡散反射率が95%以上であるものが好ましい。
光拡散板14は、開口部120に嵌め込まれ、ハウジング12の背面と並行に配設される。光拡散板14が開口部120に嵌め込まれると、ハウジング12の内部は密閉される。そのため、蛍光管13から出射された光が光拡散板14以外の箇所からハウジング12外へ漏れるのを防止でき、光の利用効率が向上する。
光拡散板14は、蛍光管13からの光と反射シート121で反射された光とを、ほぼ均一に拡散して、正面に出射する。光拡散板14は、透明な基材と、基材内に分散された複数の粒子とで構成される。基材内に分散される粒子は、可視光に対する屈折率が基材と異なる。そのため、光拡散板14は入射した光を拡散し、拡散された光が光拡散板14を透過する。光拡散板14の基材は、たとえば、ガラスや、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、脂環式ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン酸系樹脂、トリアセチルセルロース系樹脂等の樹脂からなる。
[光学シート]
図2を参照して、光学シート15は、面光源30上に敷設される。より具体的には、光学シート15は、面光源30と液晶パネル20との間に挟まれて配設される。
図3及び図4を参照して、光学シート15は、基材150と、反射偏光層160と、レンズ層170とを備える。光学シート15の下面151は、光拡散板14と対向する。また、光学シート15のレンズ面171は、液晶パネル20の吸収型偏光子22と対向する。
[基材]
基材150は、フィルム状または板状であり、透光性を有する。基材150は、高分子フィルムであってもよく、ガラスであってもよい。基材150に用いられる高分子フィルムは、たとえば、トリアセチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)等のポリオレフィン、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロース系プラスチックス、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等を含む。基材150に用いられるガラスは、たとえば、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英等である。
[反射偏光層]
図4及び図5を参照して、反射偏光層160は、基材150上に形成される。反射偏光層160は、可視光のうち特定の偏光成分を透過し、他の偏光成分を反射する。これにより、反射偏光層160は、面光源30から出射される可視光の利用効率を向上する。
反射偏光層160は、樹脂161と、樹脂161内に分散された複数の反射粒子162とを備える。
樹脂161は、複数の反射粒子162を内部に含有して固定する。樹脂161は透光性を有する。樹脂161は、たとえば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合体、ニトロセルロース、ポリウレタン樹脂からなる群の中から選ばれる1種又は2種以上を含む。好ましくは、樹脂161は、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合体とポリウレタン樹脂とを含み、残部は不純物からなる。
ポリウレタン樹脂は、たとえば、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネートポリウレタンなどである。好ましくは、ポリウレタン樹脂は、官能基として、COOH、SOM、OSOM、P=O(OM)、O−P=O(OM)、OH、NR'R''、N+R'''R''''R'''''、及び、エポキシ基等を有する高分子からなる。ここで、Mは水素原子、アルカリ金属塩基又はアミン塩である。また、R'、R''、R'''、R''''、R'''''は水素または炭化水素基である。これらの成分で構成された樹脂161は、反射粒子162の分散性を向上する。
樹脂161を2種以上の上述の樹脂で構成する場合、各樹脂の官能基の極性は同じであるのが好ましい。より好ましくは、樹脂161は、各々がSOM基を有する複数の樹脂を含み、残部は不純物からなる。
また、樹脂161は、活性エネルギ線硬化性樹脂で構成されてもよい。活性エネルギ線硬化性樹脂とは、紫外線や赤外線、可視光線、エックス線及び電子線等の活性エネルギ線で硬化する樹脂である。活性エネルギ線硬化性樹脂とは、たとえば、重合性を有するモノマーとオリゴマーとを主成分とする樹脂であり、より具体的には、アクリル系のモノマー及びオリゴマーを主成分とする樹脂である。
複数の反射粒子162は反射偏光層160内に分散され、一方向に配向される。反射粒子162は、細長い形状を有する。反射粒子162の形状は、図4〜図6に示すような回転楕円体状であってもよいし、棒状であってもよい。要するに、反射粒子162は、細長い形状であればよい。
反射粒子162は、強磁性を有する。そのため、複数の反射粒子162は、反射偏光層160の製造工程中、磁場配向により一方向に配向される。反射粒子162の好ましい保磁力は40〜320kA/mであり、さらに好ましくは100〜200kA/mである。また、好ましい飽和磁化量は20〜150A・m/kg(20〜150emu/g)であり、さらに好ましくは50〜100A・m/kg(50〜100emu/g)である。上記保磁力及び飽和磁化量の範囲であれば、反射粒子162が磁場配向により一方向に配向されやすい。ここで、これらの磁気特性(保磁力及び飽和磁化量)は、試料振動形磁束形を用いて外部磁場1.28MA/m(16kOe)で測定される。
図6に示すように、反射粒子162は、強磁性を有する1又は複数の金属及び不純物からなる。好ましくは、反射粒子162は、鉄(Fe)、鉄基合金、ニッケル(Ni)、ニッケル基合金等の金属からなり、残部は不純物である。ここで、鉄基合金とは、質量%で50%以上の鉄を含有する合金であり、ニッケル基合金とは、質量%で50%以上のニッケルを含有する合金である。なお、反射粒子162の表面には、焼結防止剤が被覆されていてもよい。焼結防止剤は、たとえば、アルミナ(Al)やイットリウム等で構成される。
反射偏光層160は、略一方向に配向された上述の複数の反射粒子162を含むことにより、380nm〜780nmの範囲の波長を有する可視光のうち、反射粒子162の長手方向(長軸)と垂直な電場ベクトルを有する偏光成分を透過する。一方、反射偏光層160は、反射粒子162の長手方向と平行な電場ベクトルを有する偏光成分を反射して、反射光を面光源30内に戻す。
この原理は以下のとおりに推定される。反射偏光層160に入射した可視光の偏光成分のうち、電場ベクトルが反射粒子162の長手方向と平行な偏光成分は、反射粒子162の表層の自由電子を振動する。そのため、反射粒子162により反射される。一方、電場ベクトルが反射粒子162の長手方向と垂直な偏光成分は、反射粒子162表層の自由電子を振動しないため、反射粒子162の影響を受けず透過する。
上述のとおり、反射粒子162は、表層の自由電子の振動により偏光成分を反射すると推定される。したがって、反射粒子162の母材が強磁性を有する素材であれば、その表層は、強磁性を有さず可視光反射率の高い金属で構成されてもよい。
さらに、母材163が非磁性の素材からなり、金属層164が強磁性を有してもよい。この場合、母材はたとえば、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、珪素酸化物、タンタル酸化物、ジルコニウム酸化物、ニオブ酸化物及びセシウム酸化物からなる群の1種または2種以上を含有する。また、金属層164はたとえば、鉄、ニッケル、コバルト、サマリウム、イットリウムからなる群の1種または2種以上を含有し、残部は不純物からなる。
要するに、反射粒子162は、強磁性を有し、かつ、少なくとも表面から所定の深さまでを金属及び不純物で構成される。
金属層164の好ましい厚さは、10nm〜200nmである。図8は、金属層に入射された光の波長と、反射率との関係を、金属層の厚さごとに示した図である。そして、図9は、代表的な可視光の例として、500nmの波長を有する光を入射したときの、金属層の厚さと反射率との関係を示す図である。
これらの図は、以下の方法により求めた。複数のガラス基板(表面の長さ50mm、幅50mm)を準備した。マグネトロンスパッタ装置(キャノンアネルバ製)を用いてアルゴンガス雰囲気下で銀のスパッタリングを行い、各ガラス基板の表面上に、種々の厚さの銀被膜を形成した。スパッタ時の真空度は0.16Pa、ターゲットと基板との距離は160mm、スパッタ速度は0.34nm/secとした。
ガラス基板に形成された銀被膜の表面に種々の波長の光を照射し、各波長での反射率を測定し、図8及び図9を作製した。反射率の測定には分光光度計を用いた。
図8中の曲線C1は銀被膜の厚さが10nmである場合の波長及び反射率の関係を示す。曲線C2は銀被膜の厚さが15nm、曲線C3は銀被膜の厚さが20nm、曲線C4は銀被膜の厚さが40nm、曲線C5は銀被膜の厚さが55nm、曲線C6は銀被膜の厚さが75nm、曲線C7は銀被膜の厚さが160nmである場合の波長及び反射率の関係をそれぞれ示す。図8及び図9を参照して、銀被膜が厚くなるに従い、反射率は高くなった。特に、380〜780nmの波長の可視光域では、銀被膜が厚くなるに従い反射率が急激に上昇し、厚さが10nm以上となったとき反射率が20%以上となった。さらに、反射率は、厚さが40nmになるまで急激に上昇し、厚さが40nmを超えると、厚さの増大に対する反射率の上昇度合いは低下した。
以上の結果より、金属層164の好ましい厚さは、10nm以上である。この場合、可視光域(波長が380nm〜780nmの領域)で、反射粒子162の長手方向と平行な偏光成分を入射したときの可視光反射率が20%以上となる。より好ましくは、金属層164の厚さは20nm以上であり、さらに好ましくは、40nm以上である。また、金属層164の厚さの好ましい上限は、200nmであり、より好ましくは100nmである。
なお、反射粒子162が図6に示すように金属及び不純物からなるとき、反射粒子の幅W162は20nm以上であり、好ましくは40nm以上である。要するに、図5又は図6の構成の反射粒子162は、表面から10nm以上の深さまで金属及び不純物で構成されているのが好ましく、より好ましくは、表面から20nm以上、さらに好ましくは表面から40nm以上の深さまで金属及び不純物で構成されるのが好ましい。
反射粒子162が図7に示す構成である場合、金属層164の厚みは、たとえば以下の方法で測定される。集束イオンビーム(FIB)により100個の反射粒子162を軸方向(軸を含む面)で切断し、透過型電子顕微鏡(TEM)でその各反射粒子162の断面(縦断面)を観察する。このとき、各反射粒子162の断面において、任意の5箇所で金属層164の厚さを測定する。測定された値(つまり、100個×5箇所=500個)の平均を、反射偏光層内の反射粒子の金属層164の厚さと定義する。
また、反射粒子162が図6に示す構成である場合、FIBにより100個の反射粒子を軸方向に切断し、各反射粒子162の断面において、任意の5箇所で、金属及び不純物からなる部分の表面からの深さを測定し、その平均を求める。求めた平均値を、反射粒子の金属および不純物からなる部分の深さと定義する。
反射粒子162の長さ(つまり、長軸長)L162は、好ましくは0.1μmよりも大きく10μm以下である。長さL162が0.1μm以下であれば、反射偏光層160が可視光を反射し難くなる。より具体的には、電場ベクトルが反射粒子162の長手方向と並行な偏光成分を入射したとき、その可視光反射率は20%未満となる。一方、長さL162が10μmを超えると、配向性が低下するため、偏光度が低下する。好ましい長さL162は、0.2〜10μmである。
反射粒子162の長さL162は、以下の方法で求められる。反射偏光層160に用いられる複数の反射粒子162を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察する。観察された複数の反射粒子162のうち、100個の反射粒子162の各々の長軸長を求める。求めた100個の値の平均を、反射粒子162の長さL162と定義する。
さらに、反射粒子162のアスペクト比AR(Aspect Ratio)は2以上が好ましい。ここで、アスペクト比ARは、以下の式(1)で示される。
AR=反射粒子の長さ(長軸長)L162/反射粒子の幅(短軸長)W162 (1)
アスペクト比ARが2未満であれば、可視光に対する透過軸及び反射軸が反射偏光層160に形成されない。そのため、偏光効果を示さなくなる。好ましいアスペクト比は3以上であり、さらに好ましいアスペクト比は5以上である。ここで、アスペクト比ARで用いられる反射粒子162の幅W162は、上述の長さL162と同様の方法で求められる。つまり、TEMを用いて100個の反射粒子の幅(短軸長)を測定し、その平均を反射粒子162の幅W162と定義する。
なお、反射粒子が図6及び図7に示すような楕円体ではなく、図10に示すような横断面が円又は多角形等の棒状である場合、反射粒子の横断方向の幅W162に対する反射粒子の長さL162の比をアスペクト比ARとする。なお、横断面が多角形である場合、横断方向の幅W162のうち最大の幅を式(1)に代入してアスペクト比ARを求める。
好ましくは、反射偏光層160はさらに、反射粒子100重量部に対して樹脂161を7〜2000重量部含有する。反射粒子162と樹脂161との含有量が上述の範囲であるとき、反射偏光層160は、可視光の所定の偏光成分を透過し、他の偏光成分を高い反射率で反射することができる。より具体的には、電場ベクトルが反射粒子162の長手方向と並行な偏光成分を入射したとき、その可視光反射率が20%以上となる
反射粒子100重量部に対する樹脂の重量部が2000よりも大きい場合、反射偏光層160内の反射粒子162の数が少なすぎる。そのため、可視光よりも波長の長い光(たとえば、赤外線)は透過及び反射するが、可視光を透過及び反射できない。一方、反射粒子100重量部に対する樹脂の重量部が7未満である場合、反射偏光層160内の反射粒子の数が過剰に多い。そのため、反射偏光層160内で隣り合う反射粒子同士の干渉が起こり、可視光反射率が低下する。好ましくは、反射偏光層160は、反射粒子100重量部に対して樹脂161を30〜1000重量部含有する。
光学シート15は、反射偏光層160に形成される透過軸が、液晶パネル20に敷設された吸収型偏光子22の透過軸と並行になるように、面光源30上に敷設される。このとき、吸収型偏光子22の透過軸は、反射粒子162の長手方向と略直交する。
反射偏光層160の透過軸が吸収型偏光子22の透過軸と並行になるように、光学シート15が敷設された場合、面光源30からの入射光(無偏光の光)のうち、反射粒子162の長手方向と垂直な電場ベクトルを有する偏光成分は、反射偏光層160を透過した後、吸収型偏光子22も透過する。一方、反射粒子162の長手方向と並行な電場ベクトルを有する偏光成分は、反射偏光層160で反射され、面光源30内へ戻る。そして、面光源30内の反射シート121で散乱され、蛍光管13の光と合成され、無偏光の光として再び反射偏光層160に入射する。以上の動作を繰り返すことで、散乱された偏光成分もいずれは反射偏光層160を透過する。そのため、光学シート15は、光の利用効率を向上でき、液晶表示装置1の表示画面の輝度を向上する。
反射粒子162の分散性を向上するために、反射偏光層160に分散剤を添加してもよい。分散剤としては、たとえば、リン酸系分散剤、カルボン酸系分散剤、アミン系分散剤、キレート剤、各種シランカップリング剤などが好適なものとして用いられる。
リン酸系分散剤としては、リン酸モノメチル、リン酸ジメチル、リン酸モノエチル、リン酸ジエチルなどのアルキルリン酸エステル類、フェニルホスホン酸、モノオクチルフエニルホスホン酸などの芳香族リン酸類などが挙げられ、市販品として、東邦化学製の「GARFAC RS410」、城北化学工業製の「JP−502」、「JP−504」、「JP−508」などを用いることができる。
カルボン酸系分散剤としては、炭素数12〜18個の脂肪酸、具体的には、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸などが用いられる。また、上記脂肪酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属からなる金属石けん、上記脂肪酸のアミド、上記脂肪酸のエステルまたはこれにフッ素を含ませた化合物、ポリアルキレンオキサイドアルキルリン酸エステル、レシチン、トリアルキルポリオレフィンオキシ第四級アンモニウム塩(アルキルは炭素数1〜5個、オレフィンはエチレン、プロピレンなど)、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、銅フタロシアニン、安息香酸、フタル酸、テトラカルボキシルナフタレン、ジカルボキシルナフタレン、炭素数12〜22の脂肪酸などが挙げられる。
アミン系分散剤としては炭素数8〜22の脂肪族アミン、芳香族アミン、アルカノールアミン、アルコキシアルキルアミン等がある。さらに、キレート剤としては、1,10−フエナントロリン、EDTA、ジメチルグリオキシム、アセチルアセトン、グリシン、ジチアゾン、ニトリロ三酢酸などが挙げられる。これらは、単独でも使用しても、組み合わせて使用してもよい。
分散剤は、反射粒子100重量部に対して通常、0.5〜5重量部の範囲で添加される。
[レンズ層]
図3及び図4を参照して、レンズ層170は、反射偏光層160上に形成される。レンズ層170は、表面(レンズ面)171に複数のマイクロレンズ172が形成される。つまり、レンズ層170は、マイクロレンズアレイ層である。マイクロレンズ172は、格子配列されていてもよいし、千鳥配列されていてもよい。また、六方細密に配列されていてもよい。
レンズ層170は、活性エネルギ線硬化性樹脂からなる。活性エネルギ線硬化樹脂はたとえば、アクリル系のモノマー及びオリゴマーを主成分とする樹脂である。より具体的には、活性エネルギ線硬化性樹脂は、ポリエステル系アクリレート樹脂、ウレタン系アクリレート樹脂、ポリエーテル系アクリレート樹脂、エポキシ系アクリレート樹脂、ポリエステル系メタクリレート樹脂、ウレタン系メタクリレート樹脂、ポリエーテル系メタクリレート樹脂、エポキシ系メタクリレート樹脂である。
マイクロレンズ172の凸面は曲率を有する。そのため、光学シート15は、上下方向(y方向)及び左右方向(x方向)の光だけでなく、斜め方向の光も集光する。要するに、レンズ層170は、全方位の光を集光する。その結果、光学シート15は、正面輝度を向上する。
マイクロレンズ172の凸面は球面であってもよいし、楕円面であってもよい。凸面は、その頂上が凸の曲率を有すればよい。好ましいマイクロレンズ172の高さH172は5μm〜50μmであり、凸面の好ましい曲率半径R172は、10μm〜50μmである。また、好ましくは、レンズ面171を真上から見たときの、レンズ面171の総面積に対する複数のマイクレンズ172の占有面積の割合(レンズ占有率という)は10%以上である。レンズ占有率は、大きい方が好ましい。レンズ面171のうち、マイクロレンズ172以外の部分(平坦部)は、集光に寄与しないからである。マイクロレンズ172を六方最密配列とすれば、レンズ占有率を大きくできる。
[光学シートの作用]
上記の構成を有する光学シート15は、以下の作用を有する。
まず、上述のとおり、光学シート15は、面光源30からの可視光の利用効率を向上する。具体的には、光学シート15は、面光源30からの可視光のうち、反射粒子162の長手方向と垂直な電場ベクトルを有する偏光成分を透過するとともに、反射粒子162の長手方向と並行な電場ベクトルを有する偏光成分を反射する。反射された偏光成分は、面光源30内に戻され、反射シート121により散乱された後、再び反射偏光層160に入射する。以上の動作を繰り返すことで、反射された偏光成分もいずれは反射偏光層160を透過する。そのため、光学シート15は、光の利用効率を向上できる。
光学シート15はさらに、レンズ層170により光を正面方向に出射する。そのため、反射偏光層160に形成された透過軸(つまり、反射粒子162の長手方向と略垂直な方向の軸)が吸収型偏光子22の透過軸と並行であれば、反射偏光層160による可視光の利用効率の向上作用と、レンズ層170の可視光の集光作用との相乗効果により、表示画面の正面輝度がより高くなる。
光学シート15はさらに、液晶表示装置1の表示画面上に輝度ムラが発生するのを抑制できる。図2に示すように、複数の線光源(蛍光管)13が利用される場合、表示画面のうち、隣り合う線光源13同士の中間位置に相当する部分で輝度が低くなりやすく、線光源13の配置位置に相当する部分で輝度が高くなりやすい。つまり、輝度ムラが発生しやすい。反射偏光層160内の反射粒子162は、偏光成分を反射するだけでなく、透過光の拡散効果を有する。さらに、マイクロレンズ172は、全方位の光を集光する。このような反射偏光層160の拡散作用とレンズ層170の集光作用との相乗効果により、表示画面上の輝度ムラが抑制される。
なお、上述の説明では、レンズ層170上に形成される複数のレンズをマイクロレンズとしたが、たとえば、レンズ層170上に形成される複数のレンズを、並設された複数のシリンドリカルレンズとしてもよいし、並設されたプリズムレンズとしてもよい。これらのレンズはいずれも集光機能を有するため、表示画面の正面輝度が向上する。なお、シリンドリカルレンズや、プリズムレンズをレンズ層170に形成する場合、シリンドリカルレンズやプリズムレンズの並設方向が、線光源13の並設方向と同じになるように光学シート15を面光源30上に敷設する。シリンドリカルレンズやプリズムレンズは、並設方向の光をより集光するため、これらのレンズの並設方向を線光源13の並設方向と同じとすれば、輝度ムラがより解消される。
[製造方法]
本発明の実施の形態による光学シート15の製造方法の一例を説明する。
まず、反射偏光層160を構成する塗料(以下、反射偏光層用塗料という)を製造する。上述の樹脂161に、有機溶剤を加えて樹脂161を溶解する。有機溶剤は、たとえば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル系溶剤などである。これらの有機溶剤は、単独で使用してもよく、複数の溶剤を混合して使用してもよい。さらにトルエンなどと混合して使用してもよい。
樹脂161が溶解された有機溶剤に、さらに、反射粒子162及び分散剤を添加して所定時間攪拌する。以上の工程により反射偏光層用塗料が製造される。なお、分散剤は添加しなくてもよい。
製造された反射偏光層用塗料を、基材150を構成する基材フィルム上にグラビアコータ等を用いて均一に塗布する。続いて、塗布された反射偏光層用塗料が硬化する前に、基材フィルムを挟むように配置された一対の磁石により、反射偏光層用塗料に磁場を印加する。反射粒子162は、強磁性を有するため、磁場の印加により一方向に配向される。そして、反射粒子162が一方向に配向された状態で、反射偏光層用塗料が硬化する。以上の工程により、反射偏光層160が製造される。
なお、樹脂161として活性エネルギ線硬化性樹脂を用いる場合は、以下の方法で反射偏光層160が製造される。活性エネルギ線硬化性樹脂に反射粒子162を添加し、反射偏光層用塗料を製造する。製造された反射偏光層用塗料をグラビアコータ等を用いて基材フィルム上に均一に塗布する。塗布後に磁場を印加して、反射粒子162を一方向に配向する。その後、活性エネルギ線を照射して反射偏光層用塗料を硬化して、反射偏光層160とする。以上の工程により、基材150上に反射偏光層160が製造される。
上述のとおり、反射偏光層160は、磁場を印加することにより、容易に製造でき、製造工程が簡潔である。
さらに、反射偏光層160上にレンズ層170を形成する。レンズ層170の製造方法の一例を以下に説明する。マイクロレンズ172に対応した複数の穴を表面に有するロール版を準備する。ダイコータにより活性エネルギ線硬化性樹脂をロール版上に塗布する。塗布後、反射偏光層160の表面をロール版に押し当てながら、活性エネルギ線を照射する。このとき、活性エネルギ線硬化性樹脂が反射偏光層160上に転写及び硬化され、レンズ層170が形成される。
なお、活性エネルギ線硬化性樹脂を反射偏光層160上に塗布したのち、ロール版を反射偏光層160に押し当ててもよいし、活性エネルギ線硬化性樹脂を反射偏光層160及びロール版に塗布したのち、ロール版を反射偏光層160に押し当ててもよい。また、ロール版の代わりに板状の平版を用いてレンズ層170を形成してもよい。
光学シート15は、基材150を含まず、反射偏光層160と反射偏光層160上に形成されるレンズ層170のみで構成されてもよいし、反射偏光層160とレンズ層170との間に基材150を挟んでもよい。基材150をポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムという)にする場合、基材150上に反射偏光層160が形成され、反射偏光層160上にレンズ層170が形成されるのが好ましい。PETフィルムはPET樹脂を延伸して結晶化させることにより製造される。ここで、PETフィルムの下面に反射偏光層160が形成され、PETフィルムの上面にレンズ層170が形成されたと仮定する。この場合、反射偏光層160により所定の方向に偏向された光が、PETフィルムを通過するときに、PETフィルムの複屈折性により偏光に乱れが生じ、光の利用効率が低下し得る。したがって、基材150としてPETフィルムを利用する場合、PETフィルム上に反射偏光層160を形成し、反射偏光層160上にレンズ層170を形成するのが好ましい。
上述の実施の形態では、バックライト10を直下型としたが、バックライト10はサイドライト型であってもよい。
複数の光学シートを製造し、各光学シートを含むバックライトの正面輝度及び輝度ムラを調査した。
Figure 2009283234
表1中の試験番号1の光学シートは上述の製造方法により製造された。反射偏光層に含有される複数の反射粒子には、表面に膜厚40nmの銀被膜が形成された針状の強磁性金属粉が用いられた。反射粒子の保磁力は40〜320kA/mであり、飽和磁化量は20〜150A・m・kgであった。また、反射粒子のアスペクト比ARは4であり、かつ、長さL162は0.38μmであった。
反射偏光層を構成する樹脂には、塩化ビニル樹脂を用いた。反射偏光層用塗料を以下の方法で作製した。塩化ビニル樹脂100重量部に対して、シクロヘキサンとメチルエチルケトンとで構成されこれらの重量比が1である溶媒を920重量部、分散剤であるリン酸ジメチルを2重量部、反射粒子を100重量部それぞれ含有した。そして、溶媒、分散剤、反射粒子が含有された塩化ビニル樹脂を18時間攪拌し、反射偏光層用塗料とした。
続いて、基材として、厚さが0.1mmのPETフィルムを準備した。グラビアコータを用いて、準備されたPETフィルムの一方の表面上に反射偏光層用塗料を均一に塗布した。
反射偏光層用塗料を塗布した後、一対の磁石を反射偏光層用塗料が塗布されたPETフィルムを挟んで互いに対向して配置し、これらの磁石により磁場を一定方向に印加した。これにより、反射偏光層用塗料が硬化する前に、反射粒子を一方向に配向した。反射粒子を配向後、反射偏光層用塗料を完全に硬化させて、反射偏光層を形成した。
さらに上述した製造方法により、反射偏光層上に、複数のマイクロレンズを有するレンズ層を形成した。形成された複数のマイクロレンズの形状は以下のとおりであった。各マイクロレンズの凸面の曲率半径R172は25μmであり、レンズ平面の半径LR172は13.8μmであった。各マイクロレンズの高さH172は13.8μmであった。マイクロレンズの周縁から隣り合う当該他のマイクロレンズの周縁までの最短距離は7.8μmであった。また、レンズ占有率は48%であった。なお、レンズ層の厚さH170は22μmであった。
試験番号2の光学シートは、試験番号1の反射偏光層と同じ反射偏光層用塗料及びPETフィルムを用いて、試験番号1と同じ製造方法で製造された。試験番号2の光学シートには、レンズ層が形成されなかった。
試験番号3の光学シートは、0.1mmのPETフィルム上に、試験番号1と同じ方法でレンズ層を形成した。つまり、試験番号3の光学シートとして、マイクロレンズアレイシートを製造した。PETフィルム上に形成されたマイクロレンズの形状及びレンズ層の厚さは、試験番号1と同じであった。
[偏光度及び可視光反射率の測定]
試験番号1のレンズ層が形成される前の光学シート(つまり、PETフィルム上に反射偏光層のみが形成されたシート、以下、中間シートという)と、試験番号2の光学シートについて、偏光度及び可視光反射率を以下の方法で測定した。まず、試験番号1の中間シート及び試験番号2の光学シートの反射粒子の長手方向と垂直な電場ベクトルを有する偏光成分の光を入射したときの透過率Taと、長手方向と並行な電場ベクトルを有する偏光成分の光を入射したときの透過率Tbとを測定した。測定には、分光光度計を用いた。測定された透過率Ta及びTbを用いて、偏光度Pを以下の式(1)より求めた。
P=(Ta−Tb)/(Ta+Tb) (1)
ここで、反射粒子の長手方向は、以下の方法により特定した。各偏光子をTEM観察し、任意の100個の反射粒子を選択した。所定の基準線に対する選択された各反射粒子の長軸の傾きを求め、その平均値を反射粒子の長手方向と定義した。そして、基準線及び求めた平均値とに基づいて、反射粒子の長手方向と平行な電場ベクトルを有する偏光成分及び長手方向と垂直な電場ベクトルを有する偏光成分を決定した。
さらに、中間シート及び光学シートについて、電場ベクトルが反射粒子の長手方向と平行な偏光成分を入射したときの可視光反射率を分光光度計を用いて測定した。その結果、試験番号1の中間シート及び試験番号2の光学シートの偏光度は、いずれも53.2%であり、可視光反射率はいずれも52.3%であった。
なお、試験番号1の中間シートは、偏光度及び可視光反射率が測定された後、レンズ層が形成され、光学シートとなった。
[正面輝度及び輝度ムラ調査]
製造された光学シートを用いて、試験番号1〜4のバックライトを製造した。製造されたバックライトの正面輝度及び輝度ムラを調査した。
各々が3mmの管径を有する16本の冷陰極管を収納し、内面に反射フィルムが敷設され、正面の開口部に光拡散板が嵌め込まれた面光源を準備した。隣り合う冷陰極管の中心軸間の距離(冷陰極管ピッチ)は25mmとした。また、開口部には光拡散板が敷設された。
上述の面光源に各試験番号1〜3の光学シートを敷設して、試験番号1〜3のバックライトを製造した。また、試験番号4のバックライトは、面光源のみで構成された。
試験番号1〜4のバックライトに、32インチサイズの表示画面を有するIPS方式の液晶パネルを敷設し、輝度の視野角依存性を調査した。具体的には、表示画面の法線方向(正面)を0deg軸とし、0deg軸から左右方向(図1中のx方向)へ所定のピッチで傾けた角度(以下、視野角という)ごとの輝度を測定した。輝度の測定箇所は、表示画面の中央とした。
求めた輝度の角度依存性を図11に示す。図11中の横軸は視野角(deg)を示す。視野角は法線(0deg軸)から向かって右方向への傾き角をプラス(+)で表し、法線から向かって左方向への傾き角をマイナス(−)で表す。縦軸は、各視野角における相対輝度を示す。試験番号4のバックライトで測定された正面輝度(つまり、視野角0degでの輝度)を基準値L0とし、各試験番号のバックライトの各視野角での輝度をLiとしたとき、相対輝度を式(2)で定義した。
相対輝度=Li/L0 (2)
図11中の実線は、試験番号1のバックライトにより得られた輝度の視野角依存性を示す。図中の破線は試験番号2、一点鎖線は試験番号3、二点鎖線は試験番号4の輝度の視野角依存性をそれぞれ示す。
輝度ムラは、以下の方法で測定した。各試験番号のバックライトに上述の液晶パネルを敷設し、表示画面上に輝度ムラが発生しているか否かを目視により調査した。
[調査結果]
表1に、各試験番号のバックライトで得られた、視野角0degでの相対輝度比(以下、正面輝度比という)を示す。また、輝度ムラの評価結果を示す。表1中の「輝度ムラ」欄において、「○」印は、輝度ムラが目視では確認できなかったことを示し、「×」印は、目視で輝度ムラが確認されたことを示す。
図11及び表1を参照して、試験番号1のバックライトは、正面輝度が高く、輝度ムラも発生しなった。さらに、広い範囲の視野角で、相対輝度が高かった。
一方、試験番号2及び試験番号3のバックライトは、正面輝度が試験番号1のバックライトよりも低かった。また、試験番号2及び3のバックライトでは、試験番号4ほどではないが、輝度ムラが認められた。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
本発明の実施の形態による液晶表示装置の斜視図である。 図1中の線分II−IIの断面図である。 図1中の光学シートの上面図である。 図3中のIV−IVの断面図である。 図4に示した光学シート中の反射偏光層の斜視図である。 図5中の反射粒子の縦断面図である。 図6と異なる他の反射粒子の縦断面図である。 反射粒子における金属層の厚さに対する入射光の波長と反射率との関係を示す図である。 500nmの波長を有する入射光における金属層の厚さと反射率との関係を示す図である。 図6及び図7と異なる他の反射粒子の斜視図である。 実施例中のバックライトの輝度の視野角依存性を示す図である。
符号の説明
1 液晶表示装置
10 バックライト
15 光学シート
20 液晶パネル
30 面光源
150 基材
160 反射偏光層
161 樹脂
162 反射粒子
170 レンズ層
172 マイクロレンズ

Claims (11)

  1. 面光源と、
    面光源上に敷設される光学シートとを備え、
    前記光学シートは、
    反射偏光層と、
    前記反射偏光層上に形成され、集光機能を有する複数のレンズが表面に形成されたレンズ層とを含み、
    前記反射偏光層は、
    透光性を有する樹脂と、
    前記樹脂内で一方向に配向され、各々が強磁性を有し、かつ、自身の長手方向と並行な電場ベクトルを有する偏光成分を反射する、複数の反射粒子とを含むことを特徴とするバックライト。
  2. 請求項1に記載のバックライトであって、
    前記反射偏光層は、前記反射粒子の長手方向と並行な偏光成分を入射したとき、20%以上の可視光反射率を有することを特徴とするバックライト。
  3. 請求項2に記載のバックライトであって、
    前記反射粒子は、少なくとも表面から10nm以上の深さまで金属及び不純物からなることを特徴とするバックライト。
  4. 請求項2に記載のバックライトであって、
    前記反射粒子は、
    母材と、
    前記母材の表面に形成され、10nm以上の厚さを有する金属層とを備えることを特徴とするバックライト。
  5. 請求項4に記載のバックライトであって、
    前記金属層は、アルミニウム、金、銀、銅、白金、ニッケル、パラジウム、鉄及びスズからなる群から選択される1種または2種以上を含有することを特徴とするバックライト。
  6. 請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載のバックライトであって、
    前記反射偏光層は、前記反射粒子100重量部に対して前記樹脂を7〜2000重量部含有することを特徴とするバックライト。
  7. 請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載のバックライトであって、
    前記反射粒子の長さは、0.1μmよりも大きく10μm以下であり、前記反射粒子のアスペクト比は、2以上であることを特徴とするバックライト。
  8. 請求項1に記載のバックライトであって、
    前記レンズ層は、複数のマイクロレンズが表面に形成されたマイクロレンズアレイ層であることを特徴とするバックライト。
  9. バックライトに用いられる光学シートであって、
    反射偏光層と、
    前記反射偏光層上に形成され、集光機能を有する複数のレンズ部が表面に形成されたレンズ層とを含み、
    前記反射偏光層は、
    透光性を有する樹脂と、
    前記樹脂内で一方向に配向され、各々が強磁性を有し、かつ、自身の長手方向と並行な電場ベクトルを有する偏光成分を反射する、複数の反射粒子とを含むことを特徴とする光学シート。
  10. 面光源と、
    面光源上に敷設される光学シートと、
    前記光学シート上に敷設され、両面に吸収型偏光子が敷設された液晶パネルとを備え、
    前記光学シートは、
    反射偏光層と、
    前記反射偏光層上に形成され、集光機能を有する複数のレンズが表面に形成されたレンズ層とを含み、
    前記反射偏光層は、
    透光性を有する樹脂と、
    前記樹脂内で一方向に配向され、各々が強磁性を有し、かつ、自身の長手方向と並行な電場ベクトルを有する偏光成分を反射する、複数の反射粒子とを含むことを特徴とする液晶表示装置。
  11. 請求項10に記載の液晶表示装置であって、
    前記反射粒子の長手方向は、前記吸収型偏光子の透過軸と略直交することを特徴とする液晶表示装置。
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