JP2009282547A - ヘッドユニット及び液滴吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の液滴吐出装置のヘッドユニット103の第1〜第4の液滴吐出ヘッドには、それぞれ、2列のノズル列が半ピッチずれて並行して形成されており、各液滴吐出ヘッドは、他の少なくとも一つの液滴吐出ヘッドに対し、ノズル列に直交する方向から見てそれらの液滴吐出ヘッドのノズル列が互いに重なる部分を有するとともにノズル列に平行な方向についての位置が互いにずれているような位置関係となるように設置され、かつ、第1のヘッド列のノズルの位置と、第2のヘッド列のノズルの位置とが、ノズル列に直交する方向から見て一致しないようにずらして配置されている。
【選択図】図8
Description
パネルを製造する液滴吐出装置は、液滴吐出ヘッドが複数個設置されたヘッドユニットと、基板を保持するステージとを相対的に走査しながら、液滴吐出ヘッドのノズルから画素形成用の液状材料を液滴として吐出して、基板上の多数の画素へ付与する。
しかしながら、複数の液滴吐出ヘッド間で吐出量に多少のバラツキが生じるのが避けられないため、例えば、ある液滴吐出ヘッドによって液状材料を付与された画素では色が濃くなり、他の液滴吐出ヘッドによって液状材料を付与された画素では色が薄くなるなどして、パネル内に色ムラを生じるという問題がある。
本発明の液滴吐出装置は、液状材料を液滴として吐出する複数のノズルが直線的に並んだノズル列を有する液滴吐出ヘッドが複数個設置されたヘッドユニットと、
予め定められた複数の吐出区画を有する基体を保持するステージと、
前記ステージと前記ヘッドユニットとを相対的に移動させる移動手段と、
前記液滴吐出ヘッドおよび前記移動手段の作動を制御する制御手段とを有し、
前記移動手段の作動により前記基体と前記ヘッドユニットとを前記ノズル列と直交する方向に相対的に移動させ、前記ノズルから液滴として吐出した前記液状材料を前記基体上の吐出区画内へ付与して表示装置のパネルを製造するのに用いる液滴吐出装置であって、
前記ヘッドユニットは、ノズル列に直交する方向から見て第1の液滴吐出ヘッドと第2の液滴吐出ヘッドのノズル列が連続して配置され同色の液状材料の液滴を吐出するように配置されてなる第1のヘッド列と、ノズル列に直交する方向から見て第3の液滴吐出ヘッドと第4の液滴吐出ヘッドのノズル列が連続して配置され同色の液状材料の液滴を吐出するように配置されてなる第2のヘッド列とを有し、
前記第1の液滴吐出ヘッド、前記第2の液滴吐出ヘッド、前記第3の液滴吐出ヘッドおよび前記第4の液滴吐出ヘッドには、それぞれ、2列のノズル列が半ピッチずれて並行して形成されており、
前記各液滴吐出ヘッドは、他の少なくとも一つの液滴吐出ヘッドに対し、ノズル列に直交する方向から見てそれらの液滴吐出ヘッドのノズル列が互いに重なる部分を有するとともにノズル列に平行な方向についての位置が互いにずれているような位置関係となるように設置され、かつ、前記第1のヘッド列のノズルの位置と、前記第2のヘッド列のノズルの位置とが、ノズル列に直交する方向から見て一致しないようにずらして配置されており、
所定の一つの吐出区画に対し、ノズル列に平行な方向に位置をずらして配置された複数の液滴吐出ヘッドのノズルからそれぞれ吐出した液状材料の液滴を付与するように作動することを特徴とする。
液滴吐出ヘッドは、その構造上、一般に、ノズル列に沿って各ノズルでの吐出量が相対的に多かったり少なかったりする傾向を生じる場合がある。例えば、ノズル列の中央付近では一つのノズル当たりの吐出量が比較的少なく、ノズル列の両端に近いほど一つのノズル当たりの吐出量が多くなる傾向を生じるような場合である。
このような場合に、本発明と異なり、一つの吐出区画について液状材料の液滴を吐出する複数の液滴吐出ヘッドの位置が揃っていると、ノズル列に沿った各ノズルでの吐出量の違いが、各吐出区画に対する液状材料の付与量の違いにそのまま結びついてしまい、製造されるパネルにおける色ムラの原因となる。
前記ヘッドユニットは、ノズル列に直交する方向から見て第1の液滴吐出ヘッドと第2の液滴吐出ヘッドのノズル列が連続して配置され同色の液状材料の液滴を吐出するように配置されてなる第1のヘッド列と、ノズル列に直交する方向から見て第3の液滴吐出ヘッドと第4の液滴吐出ヘッドのノズル列が連続して配置され同色の液状材料の液滴を吐出するように配置されてなる第2のヘッド列とを有し、
前記第1の液滴吐出ヘッド、前記第2の液滴吐出ヘッド、前記第3の液滴吐出ヘッドおよび前記第4の液滴吐出ヘッドには、それぞれ、2列のノズル列が半ピッチずれて並行して形成されており、
前記各液滴吐出ヘッドは、他の少なくとも一つの液滴吐出ヘッドに対し、ノズル列に直交する方向から見てそれらの液滴吐出ヘッドのノズル列が互いに重なる部分を有するとともにノズル列に平行な方向についての位置が互いにずれているような位置関係となるように設置され、かつ、前記第1のヘッド列のノズルの位置と、前記第2のヘッド列のノズルの位置とが、ノズル列に直交する方向から見て一致しないようにずらして配置されており、
前記基体と前記ヘッドユニットとを、前記ノズル列に対してほぼ直交する方向に相対的に走査することにより、前記基体上の吐出区画内に前記液状材料を付与するに際し、所定の一つの吐出区画に対し、ノズル列に平行な方向に位置をずらして配置された複数の液滴吐出ヘッドのノズルからそれぞれ吐出した液状材料の液滴を付与することを特徴とする。
液滴吐出ヘッドは、その構造上、一般に、ノズル列に沿って各ノズルでの吐出量が相対的に多かったり少なかったりする傾向を生じる場合がある。例えば、ノズル列の中央付近では一つのノズル当たりの吐出量が比較的少なく、ノズル列の両端に近いほど一つのノズル当たりの吐出量が多くなる傾向を生じるような場合である。
このような場合に、本発明と異なり、一つの吐出区画について液状材料の液滴を吐出する複数の液滴吐出ヘッドの位置が揃っていると、ノズル列に沿った各ノズルでの吐出量の違いが、各吐出区画に対する液状材料の付与量の違いにそのまま結びついてしまい、製造されるパネルにおける色ムラの原因となる。
これにより、有害な色ムラのない液晶表示装置のカラーフィルタ基板を高い生産効率で製造することができる。
本発明のパネルの製造方法では、前記パネルは、エレクトロルミネッセンス表示装置であり、前記液状材料は、発光材料を含むものであることが好ましい。
これにより、有害な色ムラのないエレクトロルミネッセンス表示装置を高い生産効率で製造することができる。
これにより、有害な色ムラのない画像表示装置を高い生産効率で製造することができる。
本発明の電子機器は、本発明の画像表示装置を備えることを特徴とする。
これにより、有害な色ムラのない画像表示装置を備えた電子機器を安価に提供することができる。
本実施形態では、パネルの一例として、液晶表示装置の構成要素であるカラーフィルタ基板10を製造する場合について代表して説明する。
(液滴吐出装置の全体構成)
図1に示すように、液滴吐出装置1は、複数の液滴吐出ヘッド2をキャリッジ105に搭載してなるヘッドユニット103と、ヘッドユニット103を水平な一方向(以下、「X軸方向」と言う)に移動させるキャリッジ移動機構(移動手段)104と、後述する基体10Aを保持するステージ106と、ステージ106をX軸方向に垂直であって水平な方向(以下、「Y軸方向」と言う)に移動させるステージ移動機構(移動手段)108と、制御手段112とを備えている。
本実施形態における液状材料111は、カラーフィルタ基板10の画素のフィルタ層を形成するための顔料が有機溶剤中に溶解または分散してなる有機溶剤インクである。
キャリッジ移動機構104の作動は、制御手段112により制御される。本実施形態のキャリッジ移動機構104は、ヘッドユニット103をZ軸方向(鉛直方向)に沿って移動させ、高さを調整する機能も有している。さらに、キャリッジ移動機構104は、Z軸に平行な軸の回りでヘッドユニット103を回転させる機能も有しており、これにより、ヘッドユニット103のZ軸回りの角度を微調整することができる。
ステージ移動機構108は、X軸方向およびZ軸方向の双方に直交するY軸方向に沿ってステージ106を移動させ、その作動は、制御手段112により制御される。さらに、本実施形態のステージ移動機構108は、Z軸に平行な軸の回りでステージ106を回転させる機能も有しており、これにより、ステージ106に載置された基体10AのZ軸回りの傾斜を微調整して真っ直ぐになるように補正することができる。
なお、制御手段112の詳細な構成および機能は、後述する。
図2は、図1に示す液滴吐出装置1におけるヘッドユニット103、および基体10Aを示す平面図である。
図2に示すヘッドユニット103は、複数の液滴吐出ヘッド2がキャリッジ105に搭載された構成となっている。図2中では、キャリッジ105を仮想線(二点鎖線)で表している。また、液滴吐出ヘッド2を示す実線は、液滴吐出ヘッド2のノズル面(ノズルプレート128)の位置を示している。
以下の説明では、これらの液滴吐出ヘッド2を総称する場合には、「液滴吐出ヘッド2」と言い、個々を区別して説明する必要がある場合には、「第1ヘッド21R、第2ヘッド22R、・・・」のように言う。
図3は、液滴吐出ヘッド2のノズル面(ノズルプレート128)の一部と、基体10Aの画素とを拡大して示す平面図である。なお、液滴吐出ヘッド2のノズル面は、基体10Aに対向する方向、すなわち鉛直下方に向いて設けられているが、図3中では、見易くするために、液滴吐出ヘッド2のノズル面を実線で示す。
液滴吐出ヘッド2のノズル面には、多数のノズル(ノズル孔)25がX軸方向に沿って等間隔に直線的に並んで形成されており、ノズル列を形成している。本実施形態では、一つの液滴吐出ヘッド2には、2列のノズル列が半ピッチずれて並行して形成されているが、本発明では、一つの液滴吐出ヘッド2が有するノズル列の数は、1列でも、3列以上でもよい。また、一つの液滴吐出ヘッド2に形成されるノズル25の数は、特に限定されないが、通常、数十〜数百個程度とされる。
なお、液滴吐出ヘッド2は、図示のような圧電アクチュエータを駆動素子とするものに限らず、静電アクチュエータを用いるものや、電気熱変換素子を用いて液状材料111の熱膨張を利用して液滴を吐出する構成のものであってもよい。
次に、制御手段112の構成を説明する。図5に示すように、制御手段112は、入力バッファメモリ200と、記憶手段202と、処理部204と、走査駆動部206と、ヘッド駆動部208と、キャリッジ位置検出手段302と、ステージ位置検出手段303とを備えている。
ステージ位置検出手段303は、ステージ106、すなわち基体10AのY軸方向の位置(移動距離)を検出し、その検出信号を処理部204へ入力する。
キャリッジ位置検出手段302、ステージ位置検出手段303は、例えばリニアエンコーダ、レーザー測長器等で構成される。
さらに、処理部204は、ステージ移動機構108の作動を制御することにより、ステージ106すなわち基体10Aの移動速度を制御する。
制御手段112は、CPU、ROM、RAMを含んだコンピュータであってもよい。この場合には、制御手段112の上記機能は、コンピュータによって実行されるソフトウェアプログラムによって実現される。もちろん、制御手段112は、専用の回路(ハードウェア)によって実現されてもよい。
図6(a)に示すように、ヘッド駆動部208は、1つの駆動信号生成部203と、複数のアナログスイッチASとを有する。図6(b)に示すように、駆動信号生成部203は、駆動信号DSを生成する。駆動信号DSの電位は、基準電位Lに対して時間的に変化する。具体的には、駆動信号DSは、吐出周期EPで繰り返される複数の吐出波形Pを含む。ここで、吐出波形Pは、ノズル25から1つの液滴を吐出するために、対応する振動子124の一対の電極間に印加されるべき駆動電圧波形に対応する。
駆動信号DSは、アナログスイッチASのそれぞれの入力端子に供給される。アナログスイッチASのそれぞれは、ノズル25のそれぞれに対応して設けられている。つまり、アナログスイッチASの数とノズル25の数とは同じである。
これに対し、ヘッドユニット103の全吐出幅Wよりも、基体10AのX軸方向の幅が大きいものである場合には、ヘッドユニット103と基体10Aとの主走査と、キャリッジ移動機構104の作動によるヘッドユニット103のX軸方向の移動(これを「副走査」と呼ぶ)とを交互に繰り返し行うことにより、基体10Aの全体に対して液状材料111を付与することができる。
図7は、カラーフィルタ基板10の製造方法を示す断面図である。図7に示すように、基体10Aは、光透過性を有する支持基板12と、支持基板12上に形成されたブラックマトリクス14と、ブラックマトリクス14上に形成されたバンク16とを含む。ブラックマトリクス14は、遮光性を有する材料で形成されている。
なお、バンク16に代えて、樹脂ブラックからなるバンクを用いても良い。その場合は、金属薄膜(ブラックマトリクス14)は不要となり、バンク層は、1層のみとなる。
なお、支持基板12の材質、ブラックマトリクス14の材質、およびバンク16の材質によっては、上記のような表面処理を行わなくても、所望の親液性および撥液性を呈する表面が得られることもあり、そのような場合には、上記表面処理を施さなくてもよい。
次いで、基体10Aを図示しない保護膜形成装置へ搬送し、この保護膜形成装置にて、フィルタ層111FR、111FG、111FB、およびバンク16を覆う保護膜(オーバーコート)20を形成する。
フィルタ層111FR、111FG、111FB、およびバンク16を覆う保護膜20が形成された後に、乾燥装置にて保護膜20を完全に乾燥させる。さらに、図示しない硬化装置にて保護膜20を加熱して完全に硬化することで、基体10Aはカラーフィルタ基板10となる。
前述したように、ヘッドユニット103には、赤色の液状材料111Rを吐出する第1ヘッド21R〜第4ヘッド24Rの4個の液滴吐出ヘッド2と、緑色の液状材料111Gを吐出する第1ヘッド21G〜第4ヘッド24Gの4個の液滴吐出ヘッド2と、青色の液状材料111Bを吐出する第1ヘッド21B〜第4ヘッド24Bの4個の液滴吐出ヘッド2との、計12個の液滴吐出ヘッド2が設置されている。図8中の細長い図形は、それらの各液滴吐出ヘッド2のノズル列の位置を表している。
図8中の、各液滴吐出ヘッド2のノズル列を表す細長い図形において、両端の太く表示された不使用部分26は、上記のような使用しないノズル25がある範囲を表している。
第1ヘッド21Rと第2ヘッド22Rとは、ノズル列に直交する方向、すなわちY軸方向から見てそれらのノズル列が継ぎ目r1の位置でつながって、長尺ノズル列として機能するように配置されている。すなわち、Y軸方向から見た継ぎ目r1でのノズルピッチは、ノズル列中のノズルピッチと同じく正規の長さになるようにされている。このような位置関係で配置された第1ヘッド21Rと第2ヘッド22Rとからなる列をヘッド列31Rと呼ぶ。
なお、ノズル列の継ぎ目r1では、不使用部分26を見込んで、第1ヘッド21Rのノズル列の図8中の右端部と、第2ヘッド22Rのノズル列の図8中の左端部とは、Y軸方向から見てそれらの端部付近の一部が互いに重なるように配置されている。
さらに同様に、ノズル列の継ぎ目r2では、不使用部分26を見込んで、第3ヘッド23Rのノズル列の図8中の右端部と、第4ヘッド24Rのノズル列の図8中の左端部とは、Y軸方向から見てそれらの端部付近の一部が互いに重なるように配置されている。
このような重なりを利用して、液滴吐出装置1は、一つの画素18Rについて、複数(本実施形態では2個)の異なる液滴吐出ヘッド2のノズル25から液状材料111Rの液滴を吐出することができる。
例えば、第1ヘッド21Rのノズル列と第3ヘッド23Rのノズル列とが重なり合っている図8中のR1で示す範囲によって液滴を吐出される画素18Rの場合には、図3に示すように、第1ヘッド21Rのノズル25から吐出された液滴91と、第3ヘッド23Rのノズル25から吐出された液滴92とが付与される。
なお、図3中では、ヘッド列31R(第1ヘッド21R)のノズル25の位置と、ヘッド列32R(第3ヘッド23R)のノズル25の位置とがY軸方向から見て一致しないようにずらして配置されている。
また、ノズル列のノズル25のピッチと、画素(吐出区画)18RのX軸方向(ノズル列に平行な方向)の長さとが略等しく(厳密には、ノズル25のピッチの方が少し短く)設定されている。
また、同一の画素18Rに吐出される液滴のうちの最も離れている2つの液滴が、同列に属する2つのノズル25から吐出されるようになっている。
また、同一の画素18Rには、第1ヘッド21Rと、第3ヘッド23Rとのすべての列の所定のノズル25から液滴が吐出されるようになっている。なお、これらについては、R2、R3、G1〜G3、B1〜B3で示す各範囲についてもそれぞれ同様であるので、以下の説明では、その説明を省略する。
このような場合に、本発明と異なり、一つの同じ画素18Rについて液状材料111Rの液滴を吐出する複数の液滴吐出ヘッド2のX軸方向の位置が揃っていると、ノズル列に沿った各ノズル25での吐出量の違いが、X軸方向に並ぶ各画素18Rに対する液状材料111Rの付与量の違いにそのまま結びついてしまい、製造されるカラーフィルタ基板10における色ムラの原因となる。
一般に、ノズル列の継ぎ目付近のノズル25によって液状材料111Rを付与された画素18Rは、他の位置にある画素18Rに対する色ムラが出易い。その原因としては、ノズル列の継ぎ目のノズル25はノズル列の両端に近いので吐出量を高精度にコントロールしにくいことや、継ぎ目でのノズルピッチの誤差等が考えられる。このようなノズル列の継ぎ目に起因する色ムラが生じた場合、製造されたカラーフィルタ基板10においては、Y軸方向に沿って色ムラが筋のように連続した、いわゆる筋ムラとなって現れる。
これに対し、液滴吐出装置1では、ヘッド列31Rにおけるノズル列の継ぎ目r1の位置と、ヘッド列32Rにおけるノズル列の継ぎ目r2の位置とがY軸方向から見てずらされているので、製造されたカラーフィルタ基板10において筋ムラが継ぎ目r1の位置と継ぎ目r2の位置とに分散されるので、筋ムラを目立たなくすることができる。
緑色の液状材料111Gを吐出する第1ヘッド21G〜第4ヘッド24Gの4個の液滴吐出ヘッド2の位置関係は、前述した赤色の液状材料111Rを吐出する第1ヘッド21R〜第4ヘッド24Rの4個の液滴吐出ヘッド2の位置関係と同様であるので、以下、簡略化して説明する。
同様にして、第3ヘッド23Gと第4ヘッド24Gとは、Y軸方向から見てそれらのノズル列が継ぎ目g2の位置でつながって、長尺ノズル列として機能するように配置されている。このような位置関係で配置された第3ヘッド23Gと第4ヘッド24Gとからなる列をヘッド列32Gと呼ぶ。
このような重なりを利用して、液滴吐出装置1は、一つの画素18Gについて、複数(本実施形態では2個)の異なる液滴吐出ヘッド2のノズル25から液状材料111Gの液滴を吐出することができる。
このような場合に、本発明と異なり、一つの同じ画素18Gについて液状材料111Gの液滴を吐出する複数の液滴吐出ヘッド2のX軸方向の位置が揃っていると、ノズル列に沿った各ノズル25での吐出量の違いが、X軸方向に並ぶ各画素18Gに対する液状材料111Gの付与量の違いにそのまま結びついてしまい、製造されるカラーフィルタ基板10における色ムラの原因となる。
一般に、ノズル列の継ぎ目付近のノズル25によって液状材料111Gを付与された画素18Gは、他の位置にある画素18Gに対する色ムラが出易い。その原因としては、ノズル列の継ぎ目のノズル25はノズル列の両端に近いので吐出量を高精度にコントロールしにくいことや、継ぎ目でのノズルピッチの誤差等が考えられる。ノズル列の継ぎ目に起因する色ムラが生じた場合、製造されたカラーフィルタ基板10においては、Y軸方向に沿って色ムラが筋のように連続した、いわゆる筋ムラとなって現れる。
これに対し、液滴吐出装置1では、ヘッド列31Gにおけるノズル列の継ぎ目g1の位置と、ヘッド列32Gにおけるノズル列の継ぎ目g2の位置とがY軸方向から見てずらされているので、製造されたカラーフィルタ基板10において筋ムラが継ぎ目g1の位置と継ぎ目g2の位置とに分散されるので、筋ムラを目立たなくすることができる。
青色の液状材料111Bを吐出する第1ヘッド21B〜第4ヘッド24Bの4個の液滴吐出ヘッド2の位置関係は、前述した赤色の液状材料111Rを吐出する第1ヘッド21R〜第4ヘッド24Rの4個の液滴吐出ヘッド2の位置関係と同様であるので、以下、簡略化して説明する。
同様にして、第3ヘッド23Bと第4ヘッド24Bとは、Y軸方向から見てそれらのノズル列が継ぎ目b2の位置でつながって、長尺ノズル列として機能するように配置されている。このような位置関係で配置された第3ヘッド23Bと第4ヘッド24Bとからなる列をヘッド列32Bと呼ぶ。
このような重なりを利用して、液滴吐出装置1は、一つの画素18Bについて、複数(本実施形態では2個)の異なる液滴吐出ヘッド2のノズル25から液状材料111Bの液滴を吐出することができる。
このような場合に、本発明と異なり、一つの同じ画素18Bについて液状材料111Bの液滴を吐出する複数の液滴吐出ヘッド2のX軸方向の位置が揃っていると、ノズル列に沿った各ノズル25での吐出量の違いが、X軸方向に並ぶ各画素18Bに対する液状材料111Bの付与量の違いにそのまま結びついてしまい、製造されるカラーフィルタ基板10における色ムラの原因となる。
一般に、ノズル列の継ぎ目付近のノズル25によって液状材料111Bを付与された画素18Bは、他の位置にある画素18Bに対する色ムラが出易い。その原因としては、ノズル列の継ぎ目のノズル25はノズル列の両端に近いので吐出量を高精度にコントロールしにくいことや、継ぎ目でのノズルピッチの誤差等が考えられる。ノズル列の継ぎ目に起因する色ムラが生じた場合、製造されたカラーフィルタ基板10においては、Y軸方向に沿って色ムラが筋のように連続した、いわゆる筋ムラとなって現れる。
これに対し、液滴吐出装置1では、ヘッド列31Bにおけるノズル列の継ぎ目b1の位置と、ヘッド列32Bにおけるノズル列の継ぎ目b2の位置とがY軸方向から見てずらされているので、製造されたカラーフィルタ基板10において筋ムラが継ぎ目b1の位置と継ぎ目b2の位置とに分散されるので、筋ムラを目立たなくすることができる。
特に、本実施形態では、ノズル列の継ぎ目r2、g2、b2、r1、g1、b1の位置がY軸方向から見て等間隔に位置するので、各筋ムラを規則的に分散させることができ、筋ムラを極めて目立たなくさせることができる。
図9に示すヘッドユニット103’には、12個の液滴吐出ヘッド2が集合してなる4つのヘッド群51、52、53、54が設置され、計48個の液滴吐出ヘッド2が搭載されている。各ヘッド群51、52、53、54の12個の液滴吐出ヘッド2は、前述したヘッドユニット103と同様の配置(図8参照)とされている。なお、図9中では、簡略化のため、各ヘッド群51、52、53、54を単なる長方形の図形で表している。
同様に、ヘッド群53とヘッド群54とは、それらのノズル列(全吐出幅W)がY軸方向から見て継ぎ目j2でつながって機能するように配置されたヘッド群列62を構成する。そして、ヘッド群列61とヘッド群列62とは、Y軸方向から見て継ぎ目j1の位置と継ぎ目j2の位置とが一致しないようにして、互いに重なって配置されている。
さらに、ヘッド群列61におけるヘッド群同士の継ぎ目j1の位置と、ヘッド群列62におけるヘッド群同士の継ぎ目j2の位置とがY軸方向から見て一致しないように配置したことにより、製造されたカラーフィルタ基板10において、継ぎ目j1に起因して発生する筋ムラと、継ぎ目j2に起因して発生する筋ムラとを別々の位置に分散させることができるので、筋ムラが目立つのをより確実に防止することができる。
図10は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置30の製造方法を示す断面図である。以下、本発明により有機エレクトロルミネッセンス表示装置30を製造する場合について説明するが、前述したカラーフィルタ基板10を製造する場合との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
具体的には、基体30Aは、支持基板32と、支持基板32上に形成された回路素子層34と、回路素子層34上に形成された複数の画素電極36と、複数の画素電極36の間に形成されたバンク40とを有している。支持基板32は、可視光に対して光透過性を有する基板であり、例えばガラス基板である。複数の画素電極36のそれぞれは、可視光に対して光透過性を有する電極であり、例えば、ITO(Indium-Tin Oxide)電極である。また、複数の画素電極36は、回路素子層34上にマトリクス状に配置されており、それぞれが画素を規定する。そして、バンク40は、格子状の形状を有しており、複数の画素電極36のそれぞれを囲む。また、バンク40は、回路素子層34上に形成された無機物バンク40Aと、無機物バンク40A上に位置する有機物バンク40Bとからなる。
次に、大気圧下の酸素プラズマ処理によって、この基体30Aを親液化する。この処理によって、画素電極36とバンク40とで規定された画素38R、38G、38Bにおける画素電極36の表面、無機物バンク40Aの表面、および有機物バンク40Bの表面が、親液性を呈するようになる。さらに、その後、基体30Aに対して、4フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理を行う。4フッ化メタンを用いたプラズマ処理によって、それぞれの凹部における有機物バンク40Bの表面がフッ化処理(撥液性に処理)されて、このことで有機物バンク40Bの表面が撥液性を呈するようになる。なお、4フッ化メタンを用いたプラズマ処理によって、先に親液性を与えられた画素電極36の表面および無機物バンク40Aの表面は、若干親液性を失うが、それでも親液性を維持する。
また、表面処理が施された複数の画素電極36のそれぞれの上に、対応する正孔輸送層37R、37G、37Bを形成してもよい。正孔輸送層37R、37G、37Bが、画素電極36と、後述の発光層211FR、211FG、211FBとの間に位置すれば、エレクトロルミネッセンス表示装置の発光効率が高くなる。
次に、発光層211FR、211FG、211FB、およびバンク40を覆うように対向電極46を設ける。対向電極46は陰極として機能する。
有機エレクトロルミネッセンス表示装置30において、発光層211FR、211FG、211FBから発光した光は、画素電極36と、回路素子層34と、支持基板32と、を介して射出する。このように回路素子層34を介して光を射出するエレクトロルミネッセンス表示装置は、ボトムエミッション型の表示装置と呼ばれる。
前述したような方法で製造されたカラーフィルタ基板10を備えた液晶表示装置や、前述したような方法で製造されたエレクトロルミネッセンス表示装置等の画像表示装置1000は、各種電子機器の表示部に用いることができる。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このパーソナルコンピュータ1100においては、表示ユニット1106が画像表示装置1000を備えている。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、画像表示装置1000を表示部に備えている。
図13は、本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、画像表示装置1000が表示部に設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
また、ケース1302の正面側(図示の構成では裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
以上、本発明の液滴吐出装置、パネルの製造方法、画像表示装置および電子機器を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。液滴吐出装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
Claims (6)
- 液状材料を液滴として吐出する複数のノズルが直線的に並んだノズル列を有する液滴吐出ヘッドが複数個設置されたヘッドユニットと、
予め定められた複数の吐出区画を有する基体を保持するステージと、
前記ステージと前記ヘッドユニットとを相対的に移動させる移動手段と、
前記液滴吐出ヘッドおよび前記移動手段の作動を制御する制御手段とを有し、
前記移動手段の作動により前記基体と前記ヘッドユニットとを前記ノズル列と直交する方向に相対的に移動させ、前記ノズルから液滴として吐出した前記液状材料を前記基体上の吐出区画内へ付与して表示装置のパネルを製造するのに用いる液滴吐出装置であって、
前記ヘッドユニットは、ノズル列に直交する方向から見て第1の液滴吐出ヘッドと第2の液滴吐出ヘッドのノズル列が連続して配置され同色の液状材料の液滴を吐出するように配置されてなる第1のヘッド列と、ノズル列に直交する方向から見て第3の液滴吐出ヘッドと第4の液滴吐出ヘッドのノズル列が連続して配置され同色の液状材料の液滴を吐出するように配置されてなる第2のヘッド列とを有し、
前記第1の液滴吐出ヘッド、前記第2の液滴吐出ヘッド、前記第3の液滴吐出ヘッドおよび前記第4の液滴吐出ヘッドには、それぞれ、2列のノズル列が半ピッチずれて並行して形成されており、
前記各液滴吐出ヘッドは、他の少なくとも一つの液滴吐出ヘッドに対し、ノズル列に直交する方向から見てそれらの液滴吐出ヘッドのノズル列が互いに重なる部分を有するとともにノズル列に平行な方向についての位置が互いにずれているような位置関係となるように設置され、かつ、前記第1のヘッド列のノズルの位置と、前記第2のヘッド列のノズルの位置とが、ノズル列に直交する方向から見て一致しないようにずらして配置されており、
所定の一つの吐出区画に対し、ノズル列に平行な方向に位置をずらして配置された複数の液滴吐出ヘッドのノズルからそれぞれ吐出した液状材料の液滴を付与するように作動することを特徴とする液滴吐出装置。 - 液滴吐出ヘッドが複数個設置されたヘッドユニットと、予め定められた複数の吐出区画を有する基体とを、前記液滴吐出ヘッドに形成されたノズル列と直交する方向に相対的に移動させ、前記ノズルから液滴として吐出した液状材料を前記基体上の吐出区画内へ付与する工程を有する表示装置のパネルの製造方法であって、
前記ヘッドユニットは、ノズル列に直交する方向から見て第1の液滴吐出ヘッドと第2の液滴吐出ヘッドのノズル列が連続して配置され同色の液状材料の液滴を吐出するように配置されてなる第1のヘッド列と、ノズル列に直交する方向から見て第3の液滴吐出ヘッドと第4の液滴吐出ヘッドのノズル列が連続して配置され同色の液状材料の液滴を吐出するように配置されてなる第2のヘッド列とを有し、
前記第1の液滴吐出ヘッド、前記第2の液滴吐出ヘッド、前記第3の液滴吐出ヘッドおよび前記第4の液滴吐出ヘッドには、それぞれ、2列のノズル列が半ピッチずれて並行して形成されており、
前記各液滴吐出ヘッドは、他の少なくとも一つの液滴吐出ヘッドに対し、ノズル列に直交する方向から見てそれらの液滴吐出ヘッドのノズル列が互いに重なる部分を有するとともにノズル列に平行な方向についての位置が互いにずれているような位置関係となるように設置され、かつ、前記第1のヘッド列のノズルの位置と、前記第2のヘッド列のノズルの位置とが、ノズル列に直交する方向から見て一致しないようにずらして配置されており、
前記基体と前記ヘッドユニットとを、前記ノズル列に対してほぼ直交する方向に相対的に走査することにより、前記基体上の吐出区画内に前記液状材料を付与するに際し、所定の一つの吐出区画に対し、ノズル列に平行な方向に位置をずらして配置された複数の液滴吐出ヘッドのノズルからそれぞれ吐出した液状材料の液滴を付与することを特徴とするパネルの製造方法。 - 前記パネルは、液晶表示装置のカラーフィルタ基板であり、前記液状材料は、フィルタ層を形成するためのインクである請求項2に記載のパネルの製造方法。
- 前記パネルは、エレクトロルミネッセンス表示装置であり、前記液状材料は、発光材料を含むものである請求項2に記載のパネルの製造方法。
- 請求項2ないし4のいずれかに記載のパネルの製造方法により製造されたパネルを備えることを特徴とする画像表示装置。
- 請求項5に記載の画像表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
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