JP2009279590A - 誘導加熱による車載パワーモジュールのはんだ付けのための被誘導加熱材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】温度によって透磁率が変化する感温磁性材(後述)をベースに、第1の層10aと第2の層10bと第3の層10cとからなる三層構造によって構成する。
第1、第3の層10a、10cには、温度プロファイルにおける高温側の保持温度に、キュリー点を合わせた感温磁性材11を配する。第2の層10bには、良熱伝導材12(Cu)を配置して構成する。同じ感温磁性材である第1の層10aおよび第3の層10cとは、同じ厚さ寸法とし、それに対する第2の層10bの厚さ寸法も、熱膨張率の違いに起因する熱変形を最小限とするべく設定する。
【選択図】図1
Description
また、誘導加熱を利用したはんだ付装置としては、ワーク上のはんだ付部位を含む空間領域に高周波磁界を作用させ、電磁誘導加熱によりはんだを発熱溶融させるとしたものがある。
しかし、被誘導加熱部材は熱伝導率が低いため、被誘導加熱部材に温度むらが生じている場合、ワークに温度むらが生じる問題がある。
そのため、被誘導加熱部材1における磁性材2(SUS430)に、Cu、Niなどの良熱伝導材3によるめっきを施すことで、被誘導加熱部材1の温度むらを低減し、ワークの温度むらを抑える手法が取られている(図6参照)。
しかし、この場合、被誘導加熱部材1は非対称な構造となるため、各構成部材の線膨張率の差によって、熱変形を生ずることがあり、熱変形を生ずるとワークとの接触面積が小さくなり、所望の温度プロファイルからずれ(図5参照)、測定部位によって温度差が大きくなってしまう(均熱性が劣る)。
すなわち、特許文献1では、温度によって透磁率が変化する感温磁性材と、良熱伝導材と、前記感温磁性材と前記良熱伝導材との熱膨張率の差によって生じる熱変形を防止する熱変形防止材とが同順序で接合している。
かかる特許文献1によれば、感温磁性材と良熱伝導材とがクラッドされた2層クラッド材の場合に問題になる熱変形を有効に防止することができ、引いては誘導加熱コイルとの離反による加熱効率や温度制御性の低下や、被加熱体への伝熱効率の低下や加熱姿勢の不安定化を防止することができるとしている。
これにより、加熱防止だけでなく、強磁性金属のキュリー温度を目的とする調理温度にしておけば、極めて安定した、温度制御が可能になるとしている。
特許文献3によれば、強磁性合金を用いることにより、そのクラッド材を電磁加熱装置や調理器など誘導加熱による加熱用容器あるいは部材の発熱部分に用いれば、比較的簡単な誘導加熱装置構成にて、過熱温度を広範囲な任意の目標温度に精度よく、制御することができ、過熱を防止することができるとしている。
本発明は、以上のような背景から提案されたものであって、はんだ付けプロファイルにおける保持温度にキュリー点を合わせた感温磁性材を適宜積層することで、良好なはんだ付けを可能とした、誘導加熱による車載パワーモジュールのはんだ付けのための被誘導加熱材を提案することを目的とする。
さらには、誘導加熱コイルとの離反による加熱効率、温度制御性の低下や被加熱体への伝導効率の低下や加熱姿勢の不安定化を防止することができる。
これにより、熱変形を防止することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
この被誘導加熱材10は、誘導加熱による車載パワーモジュールのはんだ付けのためのもので、温度によって透磁率が変化する感温磁性材(後述)をベースに構成し、誘導加熱式はんだ付装置に適用するようにしている。
すなわち、被誘導加熱材10は、第1の層10aと第2の層10bと第3の層10cとからなる三層構造によって構成することができる。
感温磁性材11hは、例えば、Ni−Cr−Fe合金で構成することができ、それぞれ含有率を調整することで、キュリー点を決定することができる。
この温度プロファイルにおいては、誘導加熱開始後、所定時間、予備加熱がなされ、さらに、予備加熱時間に比較して短い時間、はんだ付け温度として、所定の最高温に加熱される経路を示している。予備加熱時には、ほぼフラットな温度で推移し、この予備加熱時の温度を、ここでは低温側の保持温度Plと称することとする。
一方、はんだ付け温度としての最高温を、高温側の保持温度Phと称する。
予備加熱時には、感温磁性材11hは、キュリー点以下で加熱されるため、感温磁性材11h本来の透磁率で進行し、第2の層10bにおける良熱伝導材12の作用により、ほぼ設定条件通り加熱されたときの低温側の保持温度Plに近いプロファイルを形成する。従って、被はんだ付け部の均熱性が向上する。
この場合の被誘導加熱材10においても、第1の層10aと第2の層10bと第3の層10cとからなる三層構造によって構成される。
第1、第3の層10a、10cには、それぞれ感温磁性材11を配しているが、第1の層10aには、高温側の保持温度Phにキュリー点を合わせた感温磁性材11hを配している。
一方、第3の層10cには、低温側の保持温度Plにキュリー点を合わせた感温磁性材11lを配している。
なお、以上の被誘導加熱材10においては、それぞれの板厚比率が、熱膨張の違いからくる熱変形を最小限に抑えるために、11h:12:11l=33〜70%:10〜50%:30〜67%に設定する。
この被誘導加熱材10は、感温磁性材11h、11lの元になる磁性金属シートと高熱伝導材12の元になる高熱伝導金属シートを重ね合わせて冷間あるいは温間でロール圧接(圧下率50〜80%)し、得られた3層複合シートを800〜1100℃で1〜3分間保持し、拡散焼鈍した後、目的の厚さになるように冷間圧延することにより製造することができる。
次に実施例を挙げて本発明をより、具体的に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定的に解釈されるものではない。
全体の厚さが1mm程度になるように感温磁性材11h、高熱伝導材12、感温磁性材11lをこの順序で接合したクラッド材の試料を作製した。表1に試料における各層の材質、キュリー点、熱膨張係数を示す。
かかる場合、予備加熱時においても、第3の層10cにおける感温磁性材11l、低温側のキュリー点の効果で、加熱量が制御され、且つ、第2の層10bにおける良熱伝導材12の作用により、ほぼ設定条件通り加熱されたときの低温側の保持温度Plに近いプロファイルを形成する。従って、被はんだ付け部の均熱性が向上する。
例えば、以下のような被誘導加熱材によっても可能である。
(1)温度によって透磁率が変化する感温磁性材と、良熱伝導材とを積層して構成する。
(2)温度によって透磁率が変化する感温磁性材11と、良熱伝導材12と、感温磁性材11と良熱伝導材12との熱膨張率の差によって生じる熱変形を防止する熱変形防止材13とを積層して構成する(図5参照)。
(3)温度によって透磁率が変化する感温磁性材に、良熱伝導材をめっきして構成する。
(4)温度によって透磁率が変化する感温磁性材と被はんだ付部との間に良伝熱性の物質を挿入する。
10a 第1の層
10b 第2の層
10c 第3の層
11、11h、11l 感温磁性材
12 良熱伝導材
13 熱変形防止材
Claims (9)
- 誘導加熱による車載パワーモジュールのはんだ付けのための被誘導加熱材(10)であって、少なくとも温度によって透磁率が変化する感温磁性材(11)を積層して構成したことを特徴とする誘導加熱による車載パワーモジュールのはんだ付けのための被誘導加熱材。
- 誘導加熱による車載パワーモジュールのはんだ付けのための被誘導加熱材(10)であって、温度によって透磁率が変化する感温磁性材(11)と、良熱伝導材(12)とを積層して構成したことを特徴とする誘導加熱による車載パワーモジュールのはんだ付けのための被誘導加熱材。
- 誘導加熱による車載パワーモジュールのはんだ付けのための被誘導加熱材(10)であって、温度によって透磁率が変化する感温磁性材(11)と、良熱伝導材(12)と、前記感温磁性材(11)と前記良熱伝導材(12)との熱膨張率の差によって生じる熱変形を防止する熱変形防止材(13)とを積層して構成したことを特徴とする誘導加熱による車載パワーモジュールのはんだ付けのための被誘導加熱材。
- 誘導加熱による車載パワーモジュールのはんだ付けのための被誘導加熱材(10)であって、温度によって透磁率が変化する感温磁性材(11)に、良熱伝導材をめっきして構成したことを特徴とする誘導加熱による車載パワーモジュールのはんだ付けのための被誘導加熱材。
- 誘導加熱による車載パワーモジュールのはんだ付けのための被誘導加熱材(10)であって、温度によって透磁率が変化する感温磁性材(11)の表面に良伝熱性の材料を接合したことを特徴とする誘導加熱による車載パワーモジュールのはんだ付けのための被誘導加熱材。
- 前記感温磁性材(11)のキュリー点を、はんだ付温度プロファイルの保持温度に合わせることを特徴とする請求項1ないし5記載のうち、いずれか1つに記載の誘導加熱による車載パワーモジュールのはんだ付けのための被誘導加熱材。
- 誘導加熱による車載パワーモジュールのはんだ付けのための被誘導加熱材(10)であって、はんだ付け温度プロファイルにおいて高温側の保持温度にキュリー点を合わせた感温磁性材(11h)を第1、第3の層に、良熱伝導材を第2の層に配置したことを特徴とする誘導加熱による車載パワーモジュールのはんだ付けのための被誘導加熱材。
- 誘導加熱による車載パワーモジュールのはんだ付けのための被誘導加熱材(10)であって、保持温度が複数あるはんだ付け温度プロファイルにおいて、それぞれの保持温度、もしくは2つ以上の保持温度にキュリー点を合わせた感温磁性材(11)を複数積層して構成したことを特徴とする誘導加熱による車載パワーモジュールのはんだ付けのための被誘導加熱材。
- 誘導加熱による車載パワーモジュールのはんだ付けのための被誘導加熱材(10)であって、2種類の保持温度にキュリー点を合わせた感温磁性材(11l)(11h)及び良熱伝導材(12)の板厚比率が(11h):(12):(11l)=33〜70%:10〜50%:30〜67%であり、熱変形を防止したことを特徴とする請求項8に記載の誘導加熱による車載パワーモジュールのはんだ付けのための被誘導加熱材。
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