JP2009278678A - パケット回復のための符号化および復号化技術 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明では、互いに異なる複数のブロック符号を部分的にオーバーラップした形で組み合わせて構成する新たな符号化方式である、Partially-Overlapped Block (POB)符号、を開示する。また、この符号化方式に対応する復号化方法を開示する。さらに、この符号の消失訂正能力を利用した複数パケットの回復手法を開示する。本発明によれば、隣接するフレームの冗長情報をうまく再利用することによって、復号アルゴリズムの漸近的な計算量を増大させることなく、1フレームあたり付加された冗長パケットの数よりも多くのパケットの回復を可能とする。
【選択図】 図1
Description
、パケット回復のための符号化方法、復号化方法、符号器、および復号器に関する。
符号化技術およびそれに対応する復号化技術はますます重要になってきている。その理由
は、データ転送速度が高くなるにしたがって、ヘッダー/同期化パターンなどの検出エラ
ーやネットワークスイッチに一時的に情報が集中することによって引き起こされる輻輳の
ために、パケット損失がより頻繁に起こる一方で、従来の再送を基本にしたパケット回復
の方式が、性能とバッファ管理に与えるオーバーヘッドをより大きくしてしまうからであ
る。
消失訂正符号のようなブロック符号を利用したフレーム単位で符号化を行う技術がよく知
られている(非特許文献1)。しかし、この従来の技術では、与えられたフレーム内に消
失パケットが存在しないときに、冗長パケットは使われることなく無駄になってしまう。
この非能率さは符号長がより長くなることにより改善されるが、復号に関わる計算量も同
時に大きくなってしまう。
共有されたソース・ノードとチェック・ノードからなるグラフ構造にもとづいて復号を進
める方法がある(非特許文献2)。この方法は、符号化率の点で効果的で、復号もほぼ線
形時間で可能なので効率的であるが、符号長がある一定長さ(量)以上でないと訂正効率
は良くない。また、グラフ構造がランダムなため、ハードウエアによる実装効率が高くな
い。したがって、応用範囲は、ソフトウエアでの符号化・復号化を使ったストリーミング
・メディアやデータ配布への応用に制限されている。
がある(非特許文献3)。この方法では、ブロック符号を用いたフレーム・ベースの技術
よりもよりも柔軟に消失パケット回復を行うことが出来る。しかし、この方法は、バイナ
リ畳み込み符号に基づくため、ビットごとの消失訂正が必要なために、シンボル単位の復
号が出来ない。そのため、ハードウェアによる実装のためには、多数の復号器を並列に並
べられる必要がある。
は復号回路の実装が複雑になってしまう等の問題がある。また、冗長情報を付加しすぎる
と、そのことによって新たな輻輳が発生したりするので、パケット回復の効率化は非常に
重要な問題である。
Nonnenmacher, E. W. Biersack, and D. Towsley, ‘’Parity-basedloss recovery for reliable multicast,'' IEEE/ACM Trans. Networking, vol. 6, pp.349.361, Aug. 1998. Luby, M. Mitzenmacher, A. Shokrollahi, and D. Spielman, ‘’Efficienterasure correcting codes,'' IEEE Trans. Inform. Theory, vol. 47, pp. 569.584,Feb. 2001. M. Arai, A. Yamaguchi, K. Iwasaki, ‘’Method to Recover InternetPacket Losses Using (n, n - 1, m) Convolutional Codes,'' IEEE Dependable Systemand Network, pp. 382-389, 2000.
ることができる新しい符号化方法およびそれに対応する復号方法、さらにはこれらの方法
を実現するための新しい符号器および復号器を提供することである。
合わせて構成する新たな符号化方式である、Partially-Overlapped Block (POB)符号、を
開示する。また、この符号化方式に対応する復号化方法を開示する。さらに、この符号の
消失訂正能力を利用した複数パケットの回復手法を開示する。本発明によれば、隣接する
フレームの冗長情報をうまく再利用することによって、復号アルゴリズムの漸近的な計算
量を増大させることなく、1フレームあたり付加された冗長パケットの数よりも多くのパ
ケットの回復を可能とする。
フレームとして、サブフレームごとにブロック符号を変えてパリティを生成する手段を具
備する符号器を提供する。またフレームを検知する手段、重なった個数分のサブフレーム
を記憶する手段、サブフレームごとに異なる検査行列でシンドロームを生成する手段、パ
ケット誤り位置および数の情報から誤り訂正するパターンを判断する手段、誤りを計算す
る手段、誤りを訂正して復号する手段、訂正された情報からシンドロームを再計算する手
段を具備する復号器を提供する。
1に示すような符号構成を用いる。1フレームあたり、n個のシンボルがL回インターリー
ブされているような構成を仮定したときに、それぞれのフレームの符号語wが、冗長シン
ボルも含めてs個のサブフレーム(wh)に分割できるとする。(sがnおよびrの両方を割り切
ると仮定する)。言い換えれば、n/s-シンボルのサブフレームそれぞれは、r/s冗長シンボ
ルを含むとする。
件を満たすように符号化される。
ここで、
H:生成行列、w:符号語、α:ガロア体の原始元、s:ブロック符号の数(サブフレーム
分割数に等しい)、n:ブロックサイズ、k:情報サイズ、
ただし、k=(n-r)/s、r:パリティサイズ、j:サブフレームの番号それぞれの符号は、必
ずしも現在のフレームではなく、j番目のサブフレームのシンボル集合
wjとそれ以前のs-1個のサブフレームにあるシンボル集合、wj-s-1、wj-s-2、…wj-1
の間に用いられる。iは、符号化の条件の識別のための添え字で、jr/s=<i<(j+1)r/sを満
たす。h*は、h番目のサブフレームのフレーム内での相対的な位置(h*=0,1,2,…,s-1)を
示す。
個のサブフレームは、パケット誤りがないか、もしくは、すべて訂正されていると仮定し
た場合、今回提案する符号の復号化は、ブロック符号の消失訂正に類似している。シンド
ローム計算から始まり、消失位置の情報を頼りに消失したパケットのシンボル情報を求め
る。j番目のサブフレームの末端に付加されているi番目のシンドロームSi(jr/s=<i<(j+1
)r/s)は、Hiと受信データwj-s-1,wj-s-2,…,wjを使うことによって計算される。
j*や*が付加された他の記号も、h*と同様に定義される。
ない場合は、失われたパケットは常に回復可能である。例えば、現在のサブフレームに続
くh-1
サブフレームでパケットが失われていなければ、p個までパケットを回復することが出来
る。言い換えれば、q(q=<p)パケットデータbe0,be1,
…beq-1がロケーションe0,e1,…eq-1で消失していた場合は、RS符号の消失訂正と類
似している以下の線型方程式を解くことによってパケットを回復することが出来る。
、それぞれのサブフレーム境界線で再計算される必要がある。このシンドローム再計算ス
テップがフレームあたりの最大訂正パケット数をr以上としながら、計算にかかるコスト
を増加させるのを防ぐことが出来る。再計算された新しいシンドロームSi’は、次の式に
従って計算される。
復することができない。この場合、連続する(2s-1)個のサブフレームは、パケット回
復操作を再スタートさせるために、正しい必要がある。復号にかかる漸近的な計算量は、
ブロック符号の復号化と変わらないとしても、現実的には、サブフレームでの誤り数のパ
ターンに応じて復号アルゴリズムを変更しなくてはならないため、復号器サイズが現実的
になるように復号回路を適切に設計することは重要である。特に、フレーム中のどこに現
在訂正しようとしているサブフレームがあるかによって、実際の復号の計算は影響を受け
る。能率的なハードウェア実装のためには、この点を注意深く検討する必要がある。乗算
器の数を削減することは、乗算の数の削減よりも、回路サイズ縮小において重要である。
ブフレーム(それぞれn/s=50シンボルを含む)に分けられ、そして、(150,149)RS
符号(パリティー・チェック条件が1、α、α2によってそれぞれ生成される)を3個を使
ってパケット回復を行う。より具体的には、
j番目のサブフレームのデータwjは、以下の関係を満たす。
ここで、どのパリティチェック条件を使うかを示す添え字iは、j番目のサブフレームの
フレーム中の相対位置j*に従って変化する。例えば、
i=j*
と変化させることが出来る。
の数との対応関係で示す。フレーム中でのサブフレームの場所j*によって(位置0、1、
2)、ロケーションeで消失したシンボル値beは、もし必要ならば他の消失場所e’、e’’
を使うことで計算することができる。
の効果を図3に示す。図3で、入力のパケット損失確率をx軸に、各種のパケット回復機
構を使った後のパケット損失確率をy軸に示す。本発明の方式を、(150,147)の
RS符号を用いた方式と既存の方式と比較すると、コードレートは同じにも関わらす、既存
の方式では、フレームの最大限の取り戻せるパケットの数は最大3個であるが,本発明で
は、最大5個のパケットを回復することができる。本発明方式を、(50,48)のRS符
号を用いた場合と比較すると、本発明方式では、冗長パケットの量が半分にもかかわらず
、パケット損失割合が小さい領域では、ほぼ同等の回復能力があることが示される。
ースに構成されているため、ハードウエアの実装に向いており、また、比較的短い符号長
でも効果がある。一方、本発明方式を、バイナリ畳み込み符号を用いた方式と比較すると
、シンボル単位で訂正が出来るため、ビット単位のパケット回復と比較してハードウエア
実装効率が良い。
初にPOB符号方式について具体例を用いて再度説明する。図4に示してあるのは、1フレ
ームが3つのサブフレームで構成されており、1つのブロック符号が3つのサブフレーム
に対してかけられている場合の図である。用いるブロック符号は3つである。フレームは
複数のパケットで構成されており、図の縦がパケットの幅(ビット)である。このような
構成の情報を符号化する場合に、(1)は1番目のサブフレームから同一フレームの3番
目のサブフレームまでに対してブロック符号がかけられている。(2)は2番目のサブフ
レームから次のフレームの1番目のサブフレームまでに対して、別のブロック符号がかけ
られている。(3)は3番目のサブフレームから次のフレームの2番目までのサブフレー
ムまでに対して、さらに別のブロック符号がかけられている。このように異なる3つのブ
ロック符号を異なる範囲にかけることで、たとえば、3番目のサブフレームは(1)、(
2)および(3)が部分的に重なっていることになる。
の後ろに、(2)のパリティを1番目のサブフレームの後ろに、(3)のパリティを2番
目のサブフレームの後ろに付加した場合の、符号化後の構成図である。もちろん、パリテ
ィをどこに付加するかは任意である。
ームから3番目のサブフレームの後ろのパリティまでの範囲を示す。(2)は2番目のサ
ブフレームから次のフレームの1番目のサブフレームの後ろのパリティまでの範囲を示す
。(3)は3番目のサブフレームから次の2番目のサブフレームの後ろのパリティまでの
範囲を示している。それぞれに対して、図4の対応する番号で用いたブロック符号に対応
する検査行列を用いることで、それぞれのシンドロームが計算できる。従って、1つのサ
ブフレームに対してその情報を含むシンドロームが3つ生成される。この3つのシンドロ
ームを用いて、復号を行うことでパケット回復を行う。
てブロック符号をかけているが、図のように部分的に重なりながら、範囲をずらしてブロ
ック符号をかけることで、フレーム単位での誤り訂正能力が上がる。すなわち、同一のサ
ブフレームに対して、それを含みながら、範囲の違うブロック符号があるおかげで、続く
2つのサブフレームに誤りがない場合に、最初のサブフレームは最大の誤り訂正能力を発
揮できる。これは誤りがないサブフレームのパリティ情報が、続くサブフレームの誤り訂
正に対して有効に使えることを意味する。このことは、訂正可能な誤りがあった場合にシ
ンドロームを再計算することで、より強く有効になる。また、具体的な復号方法は、用い
ているブロック符合の復号方法と似た手法を用いることができるが、何番目のサブフレー
ムを訂正しているか、関連するシンドロームに誤りをいくつかあるかによって場合分けを
行いながら復号する必要がある。
きに、非常に強力な符号方式である。パケット誤り情報とは、フレーム内におけるパケッ
ト単位での誤りがあることを示す情報であり、具体的にはパケット誤りの位置および数を
表す。これらは、後述のようにパケット検出手段において、パケットを正しく認識できな
かった場合にフラグとして生成されたり、あるいは、復号器の前段における別のシステム
において検知されたものを受信したりしてもよい。これらはパケットに同期して受信また
は検知できるため、パケット誤り情報を計算する手段において、パケット誤り位置の記憶
およびサブフレーム内でのパケット誤りの数をカウントすることができる。
本発明の符号化のフローを図7に示す。まずフレーム単位で送信されてくる信号を受信す
る(a)。受信した信号から情報のフレームを検出する(b)。フレームを検出したあと、
所定の数に分割されたサブフレームを検出する(c)。サブフレームを構成しているパケ
ットを検出する(d)。サブフレームに関連付けられた異なるブロック符号を、用意したブ
ロック符号の数だけパリティを並行に生成する(e)。最後に生成されたパリティと元の情
報とを出力する(f)。
情報の中にフレームの先頭を示すヘッダーが含まれている場合には、それをパターンマッ
チングで検出し、フレームの先頭に同期したコントロール信号が別途得られる場合には、
それを利用する。サブフレーム検知12およびパケット検知手段14も同様である。特に
フレーム構造が予め決められている場合には、フレーム先頭に同期したカウンタによって
サブフレームおよびパケットを検出することもできる。1つのサブフレームに対して、異
なるブロック符号が複数重なって符号化されるため、使用するブロック符号の数と同じだ
けのパリティ生成手段が必要になる。ただし、ブロック符号の選び方には依存しないこと
に注意を要する。具体的な回路構成としては、選んだブロック符合で生成するパリティの
ビット数あるいはシンボル数だけ必要になる。図8では、これを重ねて表示している。こ
れらは並行して処理される。パリティ生成手段としては、帰還部を持つレジスタ16を対
応するブロック符号の数だけ用意し、並列に設置する。帰還レジスタ16への入力は、レ
ジスタの最初からでも後ろからでもよい。帰還レジスタ16の構成は用いるブロック符号
の種類に寄って決まる。サブフレーム検知した結果がシフトレジスタの終わりのセレクタ
18に連結され、どのサブフレームの後にどのパリティを出すかが決定される。最終段の
セレクタ20は情報とパリティとを任意のフォーマットで出力するためのものである。
本発明のPOB符号方式で符号化された情報を受信し、復号するための復号器は、例えば次
のような構成を備える。
1.フレーム検知手段
2.サブフレーム検知手段
3.パケット検知手段
4.サブフレームで関連付けられた複数の符号化すべき受信情報ブロックごとに異なり、
かつ符号化で使用したブロック符号に対応する検査行列を用いてシンドロームを計算する
手段。
5.注目しているサブフレームより時間的に前のサブフレームにおいて誤り訂正が可能な
場合、それに対応するシンドロームを再計算して正しいシンドロームを求める手段
6.パケット誤り情報であるパケット誤り数およびパケット誤り位置を検出・受信する手
段
7.サブフレームの位置、パケット誤りの数から誤り訂正可能かどうかを判断し、誤り訂
正可能な場合に、再計算されたシンドロームから、誤りを生成する手段。
8.誤り訂正が可能である場合に、生成された誤りから、正しく復号する手段。
10.出力手段。
構成例を示す。信号を受信した後(a)、最初にフレームを検知する(b)。次にサブフレ
ームを検知する(c)。サブフレームを構成しているパケットを検知する(d)。パケット
誤りが検知されると、パケット誤りレジスタにパケット誤りの数と位置が格納され、サブ
フレーム内における誤りの数がカウントされる(36)。これらは誤りを求める式の係数
計算手段48と誤り訂正可否判断手段50(図10)に入力される。一方、サブフレーム
に関連付けられた情報ブロックに対して、符号化で使用したブロック符号に対応する検査
行列を用いてシンドロームを計算する(e)。1つのサブフレームは複数のブロック符号
に含まれているため、シンドローム計算は、符号化のときのパリティ生成と同様に、使用
するブロック符号と同じ数だけ必要となる。シンドローム計算は並行して行われる。符号
器の構成で説明したように、POB符号方式において、使用するブロック符号の選び方には
依存しないため、1つのブロック符号で用いるシンドロームは複数の場合もある。従って
具体的な回路構成としては、1つのブロック符号で用いるシンドロームの数だけ必要にな
る。
時間的に前のサブフレームの誤り訂正でも用いたシンドロームは、時間的に前のサブフレ
ームが誤り訂正可能であった場合、シンドロームの再計算(f)を行う必要がある。この
ようにして、注目するサブフレーム以前の情報を含んだシンドロームをすべて再計算(f)
してから、そのシンドロームを用いて誤りを求める(g)。次に誤り訂正可能かどうかを判
断する(i)。もし誤り訂正が不可能な場合には、誤りを含んだ情報であることを知らせる
ためのフラグを立てる(j)。誤り訂正可能であれば、誤りを求め、訂正復号を行う(k)。こ
のとき訂正可能な場合には上述の通り、次のサブフレームを訂正する場合のシンドローム
の再計算に、訂正するときに用いた誤りを帰還させる(m)。最後に出力手段によって出力
する(l)。なお誤りフラグは出力しなくてもよい。
レーム検知手段32、パケット検知手段34を有する。パケット生成手段38は、パケッ
トごとにシンドロームを計算する。符号化で用いたブロック符号に対応する検査行列は、
線形帰還シフトレジスタで構成できる。したがって、パケット生成手段として、相異なる
ブロック符号の数だけシンドローム計算のための線形帰還レジスタ38を用意する。それ
とは別に入力情報はバッファ44に記憶される。複数のシンドロームはシンドローム・レ
ジスタ40に保存される。前のサブフレームを誤り訂正した結果を用いて、シンドローム
の再計算(42)が行われる。そして、正しいシンドロームが誤りを求める式の係数計算
手段48へと入力される。ここで、シンドローム・レジスタ40からシンドローム再計算
(42)までのデータはシリアルで送ってもよいし、パラレルで送ってもよい。
においてパケット損失の情報が受信された場合には、パケットの誤り位置を保存し(36
)、同時にサブフレーム内でのパケット誤りの数をカウントする(36)。パケット誤り
位置の情報は誤りを求める式の係数計算手段48に入力され、再計算されたシンドローム
(42)と合わせて係数の計算が行われる。パケット誤り数は訂正可否判断手段50に入
力され、誤りが訂正可能かどうかの判断を行う。誤り訂正の可否判断は後述のように、PO
B符号の構成から決まる。誤り訂正が可能な場合に、誤り生成手段52は誤りを計算する
。その結果、バッファ44の情報を訂正(54)して出力する。このとき、誤りがあれば
、誤りレジスタ58に保存し、前述のように次のサブフレームの誤り訂正のために、セレ
クタ46を経由してシンドローム再計算のためのフィードバック60を行う。なお、図1
0で、誤りレジスタ58を除去し、シンドローム・レジスタ40の内容を、シンドローム
再計算(42)結果をフィードバックさせることにより、更新するように構成してもよい
。それにより、回路規模を削減することができる。
レームに対して重なり合う3つのパリティがあり、かつパケット誤りの位置情報がある場
合には、サブフレームあたり最大で3つのパケット回復が行える。しかし、そのためには
、次のサブフレーム(j+1)およびその次のサブフレーム(j+2)で誤りがないこと
が必須である(ケースD)。誤り訂正が可能な組み合わせはケースAからケースDであり、
たとえば現在のサブフレームに誤りが1つしかない場合には、他のサブフレームの誤りの
数によらず訂正は可能である。さらに、これらの4つの誤り訂正可能な場合において、現
在のサブフレームがフレーム内の何番目のサブフレームかによって、誤りを生成するため
の係数が異なってくる。最大3つの誤りに対して、シンドロームが3つあるので、3つの
連立方程式を解くことになる。この解は、ケースA〜Dに対して、解析的に解くことができ
る。また、現在のサブフレームがフレーム内の何番目かによって、係数が異なってくる。
これらを誤り数から判断し、誤りの係数を求める。
路が大きくなる。そのため、分子の計算と分母の逆数計算を共通化し、さらに分子と分母
の逆数の乗算部分を共通化することで、回路規模を著しく小さくできる。その回路規模を
小さくできる例を図11に示す。またシンドロームは分子の計算にのみ関与するので、シ
ンドロームの入力は共通化された分子の計算部分に接続されてもよい。
ノンバイナリーのブロック符号としてよく用いられるリード・ソロモン符号(RS符号)を
POB符号のブロック符号として用いることができる。具体的には1つのパケットをRS符号
で使用するシンボル幅に分割し、パケット幅だけインターリーブするようにRS符号をかけ
ていく。RS符号として、複数の符号を用意し、サブフレームに関連付けられた互いに部分
的に重なり合う範囲に対して、異なるRS符号をかけて、パリティを生成する。
に分割されている。このようなシンボル幅で、図4の(1)、(2)、(3)に示すよう
な範囲でRS符号の計算を行い、パリティを生成する。サブフレームの分割数は任意である
。またRS符号の構成も任意である。従ってパリティも複数生成しても構わない。例として
図4に示されるような、サブフレームが3個に分かれ、RS符号として(n,
n-1)符号を用いると、パリティは1つ生成される。異なる3つのRS符号として、適当な
ガロア体の基底であるαを用いて、1、α、α2を乗じて加算する方法を取れば、3つのRS
符号は互いに異なるため、POB符号を構成することができる。特に1を根に持つRS符号は1
番目のサブフレームか3番目のサブフレームに対してかけ、αを根に持つRS符号を2番目
のサブフレームから次のフレームの1番目のサブフレームまでに対してかけ、α2を根に
もつRS符号を3番目のサブフレームから次のフレームの2番目のサブフレームまでに対し
てかける。
0の構成を図14に示す。図13で、信号の受信(a)、フレーム検知(b)、サブフレー
ム検知(c)、パケット検知(d)および出力(f)は図7と同じである。図14で図8と
同じ構成は同じ符号をつけてある。ブロック符号としてRS符号を用いており、かつ、適当
なガロア体GF(2m)の原始元αを用いて、1、α、α2を符号の根として持つような、互いに
異なる3つのRS符号を用意する。これらをサブフレームに関連付けられたRS符号をかける
べき範囲のサブフレーム全体に対して、パリティを生成する(e)。パリティの配置の仕方
は任意であり、これらを符号化結果として出力する。用いる線形帰還シフトレジスタ16
の帰還部分には1、α、α2の乗算器70がついており、常にこの定数倍をして帰還させる
ことで、パリティの計算がシフトレジスタ16で行うことができる。ただし、3つのシフ
トレジスタの始点はサブフレームずつずれていることに注意する。従ってサブフレーム検
知した結果がシフトレジスタの終わりのセレクタ18に連結され、どのサブフレームのあ
とにどのパリティを出すかが決定される。最終段のセレクタ20は情報とパリティとを任
意のフォーマットで出力するためのものである。
情報を受信し、そこからそれぞれのRS符号に対応する検査行列でシンドロームを生成する
。そのフローチャートを図15に示す。図15は基本的に図9と同じである。今、符号の
根として1、α、α2を持つような3つのRS符号を用意したので、これらのパリティから得
られるシンドロームをs0、s1、s2とすると、これらおよびパケット誤り位置情報から誤り
が求められる。パケットは複数のシンボルに分割されているので、1つのフレームに対し
て、分割しただけのシンドロームが得られる。
図10と同じである。RS符号を用いた場合、シンドローム計算回路は具体的に、符号の根
である1、α、α2を乗算器70として接続した帰還レジスタ38で構成することができる
。シンドロームはレジスタに格納され、前回のサブフレームの誤り訂正の結果から、シン
ドロームの再計算(42)を行って誤りを求める式の係数計算手段48へと入力される。
一方でパケット誤り情報である、パケット誤り数とパケット誤り位置が受信され(36)
、パケット誤り位置情報が誤りを求める式の係数計算手段48へと入力される。図8で示
したように、再計算されたシンドロームおよびパケット誤り位置から誤りが計算でき、ま
たパケット誤り数の情報から表1のように、誤り訂正可能のパターンが選択される。表1
のケースA〜Dおよび訂正したいサブフレームの位置から誤りを求める式は具体的に求まり
、その式の係数が生成される。最後に図11に例示される最終段の乗算器72を通して、
誤りが計算される。誤りが計算されると、パケット誤り位置およびサブフレーム位置によ
る係数を乗じて、バッファ44の情報に加算して誤り訂正を行う。これをパケット内のシ
ンボルについてすべて行い、復号化結果を出力する(56)。誤りが訂正できた場合には
、誤りレジスタ58を通して、次のサブフレームの訂正のために、シンドロームを再計算
する回路(42)へ帰還させる。
POB符号方式は、パケット回復に対して非常に有効な符号方式であるが、これを外符号と
した連接符号とすると、さらに強力な符号方式となる。この場合、内符号は畳み込み符号
など任意の符号方式が選択できるが、主にブロック符号(ハミング符号、BCH符号、RS符
号など)で構成する場合が多い。図17にPOB符号方式を外符号とした連接符号のフレー
ム構成図を示す。1つのパケットに対して、1つのブロック符号がかけられ、そのパリテ
ィがパケットの末尾に付加される。従って、POB符号から見ると、内符号がかけられた符
号語を1つのパケットとみなせば、これまでのPOB符号方式と同じになる。従って、この
場合のフローチャートおよび回路構成は、内符号であるブロック符号の符号器と復号器が
付加されたものとなる。このような内符号を付加することで、パケット内のランダムエラ
ーに対しての訂正能力向上が期待できる。さらに、パケット誤りを確実に抽出できるため
、外符号であるPOB符号方式の復号器がより小さい回路規模にすることが可能となる。ま
た、外部からパケット誤り情報を得ずに、閉じた回路構成内で網羅することが可能となる
。
受信(a)、フレーム検知(b)、サブフレーム検知(c)、パケット検知(d)および出
力(g)は図7と同じだが、パリティの生成部分(e)、(f)が大きく異なる。外符号は同
じように生成するが(e)、それと並列に1パケットに対する内符号のパリティを生成す
る(f)。図18では並列にしているが、内符号を先に行い、外符号を後で行う直列する方
法でもよい。しかし、パケットの情報部分は外符号でも内符号でもパリティ生成に用いる
ため、図のように並列して処理したほうが処理速度の点で有利である。また、パリティが
重なる部分については、内符号を優先する。すなわち、外符号であるPOB符号のパリティ
が生成されてから、そのパリティに対する内符号を生成する。最後に符号化結果を出力す
る(g)。
リティ生成部分に特徴を持つ。フローチャートの説明と同様に、外符号であるPOB符号の
パリティ生成手段80と内符号のパリティ生成手段82は並列して処理を行う。内符号の
符号器でも外符号の線形帰還レジスタ16と同じ線形帰還レジスタ84を用いているが、
これも外符号と同様にブロック符号を用いるときに使用する。
並列のどちらでも構成できる。しかし、復号器では内符号の復号器90と外符号の復号器
92を直列に構成する。内符号90はパケット単位で情報を扱い、任意のブロック符号で
符号化されているので、一般のブロック符号の復号方式が使える。ただし、パケット誤り
があり、訂正不可能な場合には、パケット誤りの位置を検出する。また、サブフレームご
とに訂正不可能であったパケット誤りがいくつあったかというパケット誤りの数も検出し
、これらを出力する。外符号であるPOB符号方式の復号器92では、パケットおよびパケ
ット誤り情報を受信し、これらを用いて復号を行う。
図21に内符号の復号器700を示す。内符号としてブロック符号が用いられた場合、や
はり線形帰還レジスタ38を組み合わせることで、シンドロームの計算が行える。内符号
はパケット内のランダムエラーを訂正する目的で使用することが多いので、多くの場合、
複数のビット誤りを訂正するためのブロック符号が用いられる。従って、複数の誤り訂正
ができるためにパリティビットも複数個用意される。それに対応する数のシンドロームを
計算し、シンドロームレジスタ40に格納する。計算されたシンドロームから誤り位置多
項式の係数を求め(48)、誤りを求める。訂正可能であれば、求めた誤りからパケット
内の誤りを訂正して、パケット出力する。訂正不可能であれば、訂正しないままパケット
を出力し、訂正不能のフラグおよび、サブフレーム内でのパケットの位置情報を出力する
。すなわち、パケット誤りフラグとパケット誤り位置の2つの情報をまとめてパケット誤
り情報として、受信情報であるパケットとは別に出力する。また、図21には、バッファ
レジスタ44があるが、内符号の復号器の場合、パケットサイズだけのバッファがあれば
よい。内符号の復号器において、復号アルゴリズムは使用したブロック符号の一般的な方
法でよい。POB符号との連接符号としての特徴は、パケット誤りのフラグ生成およびサブ
フレーム内での位置を抽出して出力するところにある。
上述したように、内符号の復号器からは誤り訂正されたパケットとパケット誤り情報とが
入力される。POB符号方式で用いているブロック符号がかかる範囲内にいくつのパケット
誤りがあるか、また、誤りの位置の情報が入力されるため、図10と同じ構成で実現する
ことができる。
例に限られるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲でいかなる変形も可能である
ことは当業者には明らかであろう。
12、32 サブフレーム検知手段
14、34 パケット検知手段
16、38、84 線形帰還レジスタ
18、20、46、86 セレクタ
36 パケット誤り位置と数の検出手段
40、44 レジスタ
48 誤りを求める式の係数計算手段
50 訂正可否判断手段
52 誤り生成(計算)手段
58 誤りレジスタ
72 乗算器
80 外符号器
82 内符号器
100、300、500 符号器
200、400、600 復号器
Claims (10)
- 複数のパケットを含むフレームを検出するステップと、
検出したフレーム中のサブフレームを検出するステップと、
サブフレーム中のパケットを検出するステップと、
サブフレームに対応するブロック符号についてシンドロームを計算するステップと、
計算されたシンドロームに対応する複数のサブフレームのうちで時間的に先のサブフレーム中のパケットの誤り訂正の可能性に応じて当該シンドロームを再計算するステップと、
を含むパケット情報を復号化する方法。 - 前記シンドロームを計算するステップは、当該サブフレームに重複して設けられた異なるブロック符号の数に相当する数のシンドロームを計算するステップを含む、請求項1の方法。
- 複数のパケットを含むフレームを検出する手段と、
フレーム中のサブフレームを検出する手段と、
サブフレーム中のパケットを検出する手段と、
サブフレームに対応するブロック符号についてシンドロームを生成する手段と、
生成されたシンドロームに対応する複数のサブフレームのうちで時間的に先のサブフレーム中のパケットの誤り訂正の可能性に応じて当該シンドロームを再生成する手段と、
を備える復号器。 - 生成されたシンドロームを用いてパケット中の誤り位置を検出する手段と、
生成されたシンドロームを用いてパケットの誤りを生成する手段と、
検出されたパケット中の誤り位置および生成されたパケットの誤りを用いて復号化された結果を出力する手段と、
をさらに備える、請求項5の復号器。 - 前記シンドローム生成手段は、
一つのサブフレームについて異なる少なくとも2つ以上のブロック符号の各々に対応するパリティを生成するための線形帰還レジスタと、
生成されたシンドロームを保持するレジスタと、
を含む、請求項5の復号器。 - 前記シンドローム再生成手段は、生成されたシンドロームに対応する複数のサブフレームのうちで時間的に1つ前のサブフレームにおいて生成した誤りを用いてシンドロームを再生成する、請求項7の復号器
- 複数のパケットを含むフレームを検出する手段と、
フレーム中のサブフレームを検出する手段と、
サブフレーム中のパケットを検出する手段と、
サブフレーム中のパケットに対応する内符号を復号化する手段と、
前記内符号の復号化手段からパケットと当該パケットの誤り情報を受け取り、当該パケットを含むサブフレームに対応する外符号を復号化する手段と、
を備える復号器。 - 前記内符号の復号化手段は、
シンドローム生成手段と、
シンドローム生成手段が生成したシンドロームを格納するレジスタと、
レジスタからシンドロームを受けて、パケットの誤り位置多項式の係数を計算してパケットの誤りを求める手段と、
求められたパケットの誤りのあるパケットの位置および数を検出して出力する手段と、
を含む、請求項9の復号器。
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