JP2009278344A - 信号合成回路およびその制御方法 - Google Patents

信号合成回路およびその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】RF帯とIF帯における小型な信号合成回路の提供。
【解決手段】BPFは、誘導性結合器を備え、誘導性結合器は、一端が端子J1に交流的に接続されると共に制御電圧V1によって容量が制御されるバラクタダイオードX1に接続され、他端が制御電圧V2によって容量が制御されるバラクタダイオードX3に接続されたマイクロストリップラインMSL1と、一端が端子J3に交流的に接続されると共に制御電圧V1によって容量が制御されるバラクタダイオードX2に接続され、他端が低域通過型フィルタにおける端子J2の接続側の反対側に接続されるマイクロストリップラインMSL2とを備える。LPFは、端子J2、J3間に介在し、制御電圧V3によって容量が制御されるバラクタダイオードX4と、一端が交流的に端子J2に接続され他端がバラクタダイオードX4の一端に接続されるコイルL1とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、信号合成回路およびその制御方法に係り、特に、RF帯とIF帯とにおける信号の合成回路およびその制御方法に係る。
交差偏波干渉補償(XPIC、Cross Polarization Interference Canceller)機能を有するダブルコンバート型の無線装置においては、マスター装置とスレイブ装置間において、同一の遅延時間を有するRF LO(無線信号用の局部発振信号)およびIF LO(中間周波数信号用の局部発振信号)を必要とする。このため、この2つの信号をマスター装置から分配してスレイブ装置で再合成する際に、スレイブ装置において信号合成回路が必要となる。
RF帯とIF帯における信号合成回路は、主に、マイクロストリップラインによる帯域通過型フィルタ(以下、BPF)や帯域阻止型フィルタ(以下、BEF)の組み合わせによって構成される。具体的には、所望の通過中心周波数や阻止周波数におけるλ/4の共振器を数段結合させることで実現される。例えば、図12(a)に示すようなマイクロストリップラインによるBPFとBEFの組み合わせによって構成される。図12(b)は、この等価回路である。このような組み合わせの回路によれば、図13(a)、図13(b)で示すように、BPFによってRF帯の信号を通してIF帯の信号を阻止し、BEFによってIF帯の信号を通してRF帯の信号を阻止する。これらを組み合わせることで、RF帯とIF帯の信号の合成回路を構成することができる。
なお、関連する技術として、特許文献1、2には、制御電圧によって中心周波数の制御が可能な帯域通過型フィルタあるいは帯域阻止型フィルタが開示されている。これらのフィルタは、マイクロストリップラインによる結合器を含んで構成される。
特開2004−282164号公報 特開2005−341279号公報
以下の分析は本発明において与えられる。
ところで、RF帯の所望の通過帯域の全部をカバーするような広帯域のBPFを用いようとする場合、帯域が広がるため、通過帯域の近傍の周波数の信号を充分に減衰させることが難しい。したがって、必要とする周波数メニュー毎にBPFとBEFの設計を行う必要性が生じる。
また、信号合成回路は、所望の通過帯域や阻止帯域においてλ/4の共振器を数段構成として形成されるために、特に低い周波数帯においては大きな形状となり、実装上好ましくない。
したがって、本発明の目的は、RF帯とIF帯における小型で使用周波数帯の変更容易な信号合成回路を提供することにある。
本発明の1つのアスペクト(側面)に係る信号合成回路は、第1、第2および第3の端子と、第1および第3の端子間に介在する、第1の制御電圧によって通過中心周波数が可変とされる帯域通過型フィルタと、第2および第3の端子間に介在する、第2の制御電圧によって阻止周波数が可変とされる低域通過型フィルタと、を備える。
本発明の信号合成回路において、帯域通過型フィルタは、第3の制御電圧によって通過帯域の損失が調整される構成であることが好ましい。
本発明の信号合成回路において、帯域通過型フィルタは、誘導性結合器を備え、該誘導性結合器の結合量が第1の制御電圧によって制御されることが好ましい。
本発明の信号合成回路において、低域通過型フィルタは、第2の制御電圧によって容量が制御される第1のバラクタダイオードと、一端が交流的に第2の端子に接続され他端が第1のバラクタダイオードの一端に接続される第1のインダクタと、を備えることが好ましい。
本発明の信号合成回路において、低域通過型フィルタは、第4の制御電圧によって容量が制御される第2のバラクタダイオードと、一端が交流的に第2の端子に接続され他端が第2のバラクタダイオードの一端に接続される第2のインダクタと、を、第2の端子と第1のインダクタとの間にさらに備えることが好ましい。
本発明の信号合成回路において、第2の制御電圧と第4の制御電圧とが同一であることが好ましい。
本発明の信号合成回路において、誘導性結合器は、一対のマイクロストリップラインまたは誘電体共振器からなることが好ましい。
本発明の信号合成回路において、帯域通過型フィルタは、第3、第4および第5のバラクタダイオードを備え、誘導性結合器は、一端が第1の端子に交流的に接続されると共に第1の制御電圧によって容量が制御される第3のバラクタダイオードに接続され、他端が第3の制御電圧によって容量が制御される第4のバラクタダイオードに接続される第1の伝送線路と、一端が第3の端子に交流的に接続されると共に第1の制御電圧によって容量が制御される第5のバラクタダイオードに接続され、他端が低域通過型フィルタにおける第2の端子の接続側の反対側に接続される第2の伝送線路と、を備えることが好ましい。
本発明の信号合成回路において、第2の伝送線路の一端と第5のバラクタダイオードとの間に、第3および第4の伝送線路をさらに備え、該第3および第4の伝送線路の接続点と第3の端子とが交流的に接続されることが好ましい。
本発明の他のアスペクト(側面)に係る信号合成回路の制御方法は、第1、第2および第3の端子と、第1および第3の端子間に介在する、第1の制御電圧によって通過中心周波数が可変とされる帯域通過型フィルタと、第2および第3の端子間に介在する、第2の制御電圧によって阻止周波数が可変とされる低域通過型フィルタと、を備える信号合成回路の制御方法であって、第1の制御電圧によって帯域通過型フィルタの通過中心周波数が所望の周波数となるように調整するステップと、第2の制御電圧によって帯域通過型フィルタの通過帯域内の通過損失が最小となるように調整するステップと、第3の制御電圧によって低域通過型フィルタの所望の阻止周波数帯において減衰量が最大となるように調整するステップと、を含む。
本発明によれば、帯域通過型フィルタに低域通過型フィルタを組み込むことで、RF帯とIF帯における小型で使用周波数帯の変更容易な回路で信号合成が実現される。
本発明の実施形態に係る信号合成回路は、通過中心周波数が可変な帯域通過型フィルタと阻止周波数が可変な低域通過型フィルタとによる信号合成回路を構成し、外部からの制御電圧によって通過中心周波数および阻止周波数を制御することで、複数の周波数メニューを同一の設計にてカバーすることができる。
これらの信号合成回路は、主に、BPFとして所望の通過周波数帯のλ/4長による1つの結合器(以下、CPL)をベースに構成する。このため、λ/4共振器の段数を重ねる従来のフィルタとは異なり、小さな実装スペースに収めることが可能となる。
図1は、本発明の第1の実施例に係る信号合成回路の回路図である。図1において、信号合成回路は、端子J1、J2、J3、マイクロストリップラインMSL1〜MSL4、バラクタダイオードX1〜X4、コンデンサC1〜C13、コイルL1〜L5、抵抗R1〜R4を備え、電圧制御によって通過中心周波数が可変な帯域通過型フィルタ(以下、VC−BPF)と阻止周波数が可変な低域通過型フィルタ(LPF)とから構成される。VC−BPFは、主としてマイクロストリップラインMSL1〜MSL4、バラクタダイオードX1〜X3によって構成される。阻止周波数が可変な低域通過型フィルタ(点線部A)は、インダクタL1、バラクタダイオードX4によって構成される。なお、阻止周波数が可変な低域通過型フィルタは、実装上、寄生容量等によって高域が通過する特性を有するので、以下の説明では阻止周波数が可変な帯域阻止型フィルタ(以下、VC−BEF)であるとして説明する。
マイクロストリップラインMSL1、MSL2により、所望するVC−BPFの通過中心周波数のλ/4に相当する結合長を持つCPLを構成する。マイクロストリップラインMSL1の一端には、アノードが接地されたバラクタダイオードX1のカソードと、DCカット用のコンデンサC1を介してRF信号入力用の端子J1(RFポート)とが接続される。また、マイクロストリップラインMSL1の他端には、DCカット用のコンデンサC3を介して、アノードが接地されたバラクタダイオードX3のカソードが接続される。
マイクロストリップラインMSL2の一端には、マイクロストリップラインMSL3、MSL4を介して、アノードが接地されたバラクタダイオードX2のカソードが接続される。さらに、マイクロストリップラインMSL3、MSL4の接続点からDCカット用のコンデンサC2を介して合成信号出力用の端子J3(RF/IFポート)が接続される。
また、マイクロストリップラインMSL2の他端には、DCカット用のコンデンサC4を介して、VC−BEF(点線部A)の一端(アノードが接地されたバラクタダイオードX4のカソード)が接続される。さらに、VC−BEF(点線部A)の他端(一端がバラクタダイオードX4のカソードに接続されたコイルL1の他端)は、DCカット用のコンデンサC5を介してIF信号入力用の端子J2(IFポート)に接続される。ここで、VC−BEFは、コイルL1とバラクタダイオードX4によって構成され、コイルL1によるインダクタンス成分と、バラクタダイオードX4の可変容量成分とによってVC−BEFの阻止周波数が決定される。なお、コイルL1とバラクタダイオードX4による構成は、低域通過型フィルタ(LPF)であるが、先に述べたように寄生容量等によって高域の信号が通過する特性を有する。
マイクロストリップラインMSL1の他端から分岐された抵抗R1、インダクタL2、制御電圧V1のライン、および、マイクロストリップラインMSL2の他端から分岐された抵抗R2、インダクタL3、制御電圧V1のラインは、VC−BPFの通過中心周波数や減衰周波数を制御するための制御電圧V1の供給ラインである。制御電圧V1によって容量値が可変とされるバラクタダイオードX1、X2は、VC−BPFの通過中心周波数を調整する役割を担う。
また、マイクロストリップラインMSL1の他端からコンデンサC3を介して分岐された抵抗R3、インダクタL4、制御電圧V2のラインは、VC−BPFの通過帯域内のインピーダンス制御を行うための制御電圧V2の供給ラインである。制御電圧V2によって容量値が可変とされるバラクタダイオードX3は、VC−BPFの通過帯域におけるインピーダンスを調整する役割を担う。
さらに、マイクロストリップラインMSL2の他端からコンデンサC4を介して分岐された抵抗R4、インダクタL5、制御電圧V3のラインは、VC−BEFの阻止周波数を制御するための制御電圧V3の供給ラインである。制御電圧V3によって容量値が可変とされるバラクタダイオードX4は、VC−BEFの阻止周波数を調整する役割を担う。
なお、コンデンサC6〜C13、コイルL2〜L5、抵抗R1〜R4は、RFラインと電圧供給ラインのアイソレーションを確保する役割を担う。
次に、XPIC無線送受信装置における、受信RF LO(4400MHz〜5000MHz)のみを通過させるためのVC−BPFと、受信IF LO(500MHz〜1100MHz)のみを通過させるためのVC−BEFとの信号合成回路について、動作を説明する。
端子J1から入力されたRF LO信号は、VC−BPFを通って端子J3へ出力される。ここで、VC−BPFは、送受信装置内において、送信回路から受信RF LO近傍に回り込んでくるスプリアスや、NF劣化の原因となるRX IF離れのノイズ、RX IF LOとその高調波を減衰させる必要がある。
具体的に「NF劣化の原因となるRX IF離れのノイズ」に関して、例えば、RX RF:5740MHz、RX LO:4700MHz、RX IF LO:900MHz、RX 1st IF:1040MHz、RX 2nd IF:140MHz、であるとする。本来であれば、正規信号のRX RF:5740MHzと、RX LO:4700MHzの合成(コンビネーション)により、RX 1st IF:1040MHzに落ちる。これと、RX IF LO:900MHzの結合によって、RX 2nd IF:140MHzが得られる仕組みになっている。
ここで、仮に、RX LO:4700MHzに対して、RX 1st IF離れ、つまり、5740MHzにノイズがあると、これらRX LO:4700MHzと、5740MHzのノイズの結合で、1040MHzに落ちる。よって、この1040MHzに落ちてきたノイズと、RX IF LO:900MHzの結合によって、140MHzにノイズが落ちてくるので、結果として、NF劣化を引き起こす。あらかじめ、VC−BPFによって、RX 1st IF:1040MHz離れが減衰できるようになっていると、このNF劣化を防ぐことができる。
「RX IF LOとその高調波を減衰させること」に関して、まず、RF LOとRX IF LOを分配/合成させることが目的であるので、RF LOを通過させるVC−BPFにおいては、RX IF LOを減衰させる必要がある。
また、RX IF LOは、2倍、3倍・・・n倍と高調波を発生させ、これらがスプリアスとなってしまう。よって、これら高調波をできるだけ減衰させることが好ましい。特に、これら高調波が上記の例と同様に、RX IF離れ付近に生じる場合は、NF劣化の原因となるので減衰させる必要がある。
以上のことから、VC−BPF、VC−BEFは、次のように調整される。
図2は、端子J1、J3間の通過特性の調整の状況を示す第1の図である。図2に示すように、端子J1、J3間の通過特性を確認しながら、制御電圧V1によってバラクタダイオードX1、X2の可変容量Cx1を変化させ、VC−BPFの所望の通過中心周波数(受信RF LO)が得られるように調整する。
図3は、端子J1、J3間の通過特性の調整の状況を示す第2の図である。図3に示すように、制御電圧V2によってバラクタダイオードX3の容量値を変化させ、VC−BPFの通過帯域内のインピーダンスを調整して通過損失が最小となるように調整する。
端子J2から入力されたIF LO信号は、VC−BEFを通って、RF LO信号と合成されて端子J3へ出力される。ここで、VC−BEFは、端子J1から入力されたRF LO信号が、RF LO/IF LO合成部分を経由して端子J2(IF LOポート)側へ流れ込んでくることを防ぐために、次のように調整される。
図4は、端子J2、J3間の通過特性の調整の状況を示す図である。図4に示すように、制御電圧V3によってバラクタダイオードX4の容量値を変化させて、VC−BEFの所望の阻止周波数帯(受信RF LO)において減衰量が最大となるように調整する。
図5は、端子J1、J3間の通過特性の調整の状況を示す第3の図である。ここで単純にVC−BPFとVC−BEFを組み合わせるだけであると、図5中の「補正なし」に示すように、VC−BPFの通過特性が劣化してしまう。そこで、マイクロストリップラインMSL3に関し、VC−BEFの阻止特性がVC−BPFの通過帯域の特性に影響を与えないように長さを定める。また、マイクロストリップラインMSL4については、VC−BPFの通過帯域よりも低い周波数帯に共振ができるように長さを定める。このような調整の結果、図5中の「補正あり」に示すように通過特性が改善される。
以上のように調整された信号合成回路において、図6〜図8に示す特性が実現される。図6は、端子J1、J3間の通過特性を示す図であり、図2と同一である。図7は、端子J2、J3間の通過特性を示す図である。図8は、端子J1、J2間の遮断特性を示す図である。
図6において、周波数500MHz〜1100MHz(受信IF LO)、および、通過中心周波数から±1000MHz離れた周波数における減衰量を確保し、4400MHz〜5000MHz(受信RF LO)において、VC−BPFの通過中心周波数を制御する様子が示される。
図7において、500MHz〜1100MHz(受信IF LO)における通過特性と、4400MHz〜5000MHz(受信RF LO)における減衰量を確保しているVC−BEFの特性が示される。
図8において、受信RF LOポート(J1)と受信IF LOポート(J2)間のアイソレーション特性(遮断特性)が示される。
本実施例の信号合成回路によれば、図6〜図8に示すように、中心周波数が4400MHz〜5000MHz(受信RF LO)であって、中心周波数から±1000MHz離れた周波数の信号を減衰させるVC−BPFと、500MHz〜1100MHz(受信IF LO)における通過特性、および4400MHz〜5000MHz(受信RF LO)における減衰量を確保するVC−BEFとの信号合成に関して、電圧制御のみによる同一の設計によって所望の周波数メニューをカバーできることがわかる。
また、本実施例の信号合成回路では、素子等のインダクタンス成分の影響により、ベースとなるCPLの結合長は、所望するVC−BPFの通過中心周波数のλ/4長よりも短くなるため、さらに小型化が可能となる。例えば、従来の信号合成回路では、図9(b)に示すように35mm×65mmのサイズとなるものが、本実施例の信号合成回路では、図9(a)に示すように15mm×20mmのサイズで構成することができる。このように、サイズの減少によって実装スペースの大幅な削減が可能となる。
なお、以上の説明では、端子J1から入力されたRF LO信号と、端子J2からRF LO/IF LO合成部分を経由して入力されたIF LO信号とを合成して端子J3に合成波信号を出力する信号合成回路として説明した。しかし、これに限定されること無く、本実施例の信号合成回路は、端子J3から合成波信号を入力し、端子J1においてRF LO信号を出力し、端子J2においてIF LO信号を出力する分配回路としても使用可能である。
また、CPLに関しては、マイクロストリップラインの他に、誘電体CPL等によっても代替使用可能であり、さらに小型化が可能である。
図10は、本発明の第2の実施例に係る信号合成回路の回路図である。図10において、図1と同一の符号は同一物を示し、その説明を省略する。本実施例の信号合成回路が第1の実施例の構成と異なる点は、図10中のVC−BEF(点線部A’)の構成であり、図1に示したVC−BEF(点線部A)に対し、さらに、コイルL6とバラクタダイオードX5がコンデンサC5とコイルL1間に追加されている。また、バラクタダイオードX5に対し、抵抗R5、コイルL7、制御電圧V3のラインは、VC−BEFの阻止周波数を制御するための制御電圧V3の供給ラインである。制御電圧V3によって容量値が可変とされるバラクタダイオードX5は、バラクタダイオードX4と共にVC−BEFの阻止周波数を調整する役割を担う。また、コンデンサC14、C15、コイルL7、抵抗R5は、RFラインと電圧供給ラインのアイソレーションを確保する役割を担う。
第2の実施例に係る信号合成回路の基本的な動作、用途等は、第1の実施例と同様である。ただし、図10に示すように構成することで、VC−BEFの阻止帯域の減衰量が大幅に大きくなる。なお、図10のバラクタダイオードX4、X5は、本実施例では制御電圧V3によって同時に制御されるものとして説明したが、それぞれ異なる制御電圧を使用しても良い。
阻止周波数を4400MHz〜5000MHzとして、図1の構成によるVC−BEFの特性と、図10の構成によるVC−BEFの特性を、それぞれ、図11(a)、図11(b)に示す。図11(a)、図11(b)は、両者とも、制御電圧V2および制御電圧V3は、最適な値で固定しており、制御電圧V1によるVC−BPFの通過帯域制御に伴い変化している様子を示している。図11を参照するならば、図10の回路構成を用いることで、図1の回路構成のものと比べ、減衰量が約50dBから約90dBへと大きく改善されていることが示される。
なお、前述の特許文献等の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
本発明の第1の実施例に係る信号合成回路の回路図である。 端子J1、J3間の通過特性の調整の状況を示す第1の図である。 端子J1、J3間の通過特性の調整の状況を示す第2の図である。 端子J2、J3間の通過特性の調整の状況を示す図である。 端子J1、J3間の通過特性の調整の状況を示す第3の図である。 端子J1、J3間の通過特性を示す図である。 端子J2、J3間の通過特性を示す図である。 端子J1、J2間の遮断特性を示す図である。 本発明の第1の実施例に係る信号合成回路の実装図、および従来の信号合成回路の実装図である。 本発明の第2の実施例に係る信号合成回路の回路図である。 本発明の第1および第2の実施例に係る端子J2、J3間の通過特性を示す図である。 従来のマイクロストリップラインによるBPFとBEFの組み合わせによる信号合成回路の構成を示す図である。 BPFとBEFによる通過特性を模式的に示す図である。
符号の説明
C1〜C15 コンデンサ
J1、J2、J3 端子
L1〜L7 コイル
MSL1〜MSL4 マイクロストリップライン
R1〜R5 抵抗
X1〜X4 バラクタダイオード

Claims (10)

  1. 第1、第2および第3の端子と、
    前記第1および第3の端子間に介在する、第1の制御電圧によって通過中心周波数が可変とされる帯域通過型フィルタと、
    前記第2および第3の端子間に介在する、第2の制御電圧によって阻止周波数が可変とされる低域通過型フィルタと、
    を備えることを特徴とする信号合成回路。
  2. 前記帯域通過型フィルタは、第3の制御電圧によって通過帯域の損失が調整される構成であることを特徴とする請求項1記載の信号合成回路。
  3. 前記帯域通過型フィルタは、誘導性結合器を備え、該誘導性結合器の結合量が前記第1の制御電圧によって制御されることを特徴とする請求項1記載の信号合成回路。
  4. 前記低域通過型フィルタは、
    前記第2の制御電圧によって容量が制御される第1のバラクタダイオードと、
    一端が交流的に前記第2の端子に接続され他端が前記第1のバラクタダイオードの一端に接続される第1のインダクタと、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の信号合成回路。
  5. 前記低域通過型フィルタは、
    第4の制御電圧によって容量が制御される第2のバラクタダイオードと、
    一端が交流的に前記第2の端子に接続され他端が前記第2のバラクタダイオードの一端に接続される第2のインダクタと、
    を、前記第2の端子と前記第1のインダクタとの間にさらに備えることを特徴とする請求項4記載の信号合成回路。
  6. 前記第2の制御電圧と前記第4の制御電圧とが同一であることを特徴とする請求項5記載の信号合成回路。
  7. 前記誘導性結合器は、一対のマイクロストリップラインまたは誘電体共振器からなることを特徴とする請求項3記載の信号合成回路。
  8. 前記帯域通過型フィルタは、
    第3、第4および第5のバラクタダイオードを備え、
    前記誘導性結合器は、
    一端が前記第1の端子に交流的に接続されると共に前記第1の制御電圧によって容量が制御される前記第3のバラクタダイオードに接続され、他端が前記第3の制御電圧によって容量が制御される前記第4のバラクタダイオードに接続される第1の伝送線路と、
    一端が前記第3の端子に交流的に接続されると共に前記第1の制御電圧によって容量が制御される前記第5のバラクタダイオードに接続され、他端が前記低域通過型フィルタにおける前記第2の端子の接続側の反対側に接続される第2の伝送線路と、
    を備えることを特徴とする請求項3記載の信号合成回路。
  9. 前記第2の伝送線路の一端と前記第5のバラクタダイオードとの間に、第3および第4の伝送線路をさらに備え、該第3および第4の伝送線路の接続点と前記第3の端子とが交流的に接続されることを特徴とする請求項8記載の信号合成回路。
  10. 第1、第2および第3の端子と、
    前記第1および第3の端子間に介在する、第1の制御電圧によって通過中心周波数が可変とされる帯域通過型フィルタと、
    前記第2および第3の端子間に介在する、第2の制御電圧によって阻止周波数が可変とされる低域通過型フィルタと、
    を備える信号合成回路の制御方法であって、
    前記第1の制御電圧によって前記帯域通過型フィルタの通過中心周波数が所望の周波数となるように調整するステップと、
    前記第2の制御電圧によって前記帯域通過型フィルタの通過帯域内の通過損失が最小となるように調整するステップと、
    前記第3の制御電圧によって前記低域通過型フィルタの所望の阻止周波数帯において減衰量が最大となるように調整するステップと、
    を含むことを特徴とする信号合成回路の制御方法。
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