JP2009275683A - 燃料冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料冷却により蒸発燃料の量がキャニスタの捕集限界量を超えるのを防ぎ、かつ、消費電力を抑えることが可能な燃料冷却装置を提供する。
【解決手段】燃料冷却装置は、燃料タンク内の燃料の冷却を行う冷却器と、冷却器を制御する冷却制御手段と、を備える。冷却制御手段は、エンジンが停止しているEV走行中において、燃料タンクのタンク内圧に基づき冷却器の駆動制御を行う。そして、冷却制御手段は、HV走行中において、冷却器の駆動を停止する。冷却器の駆動停止により、キャニスタへ蒸発燃料が供給された場合であっても、車両は、エンジンの稼働によりキャニスタ中の蒸発燃料をエンジン燃料として消費することができる。従って、燃料冷却装置は、蒸発燃料が大気へ放出するのを防ぎつつ、HV走行中においては冷却器の駆動を停止することで電力消費を抑制することが可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】燃料冷却装置は、燃料タンク内の燃料の冷却を行う冷却器と、冷却器を制御する冷却制御手段と、を備える。冷却制御手段は、エンジンが停止しているEV走行中において、燃料タンクのタンク内圧に基づき冷却器の駆動制御を行う。そして、冷却制御手段は、HV走行中において、冷却器の駆動を停止する。冷却器の駆動停止により、キャニスタへ蒸発燃料が供給された場合であっても、車両は、エンジンの稼働によりキャニスタ中の蒸発燃料をエンジン燃料として消費することができる。従って、燃料冷却装置は、蒸発燃料が大気へ放出するのを防ぎつつ、HV走行中においては冷却器の駆動を停止することで電力消費を抑制することが可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料の冷却を行う燃料冷却装置に関する。
従来、自動車等の車両に装備される燃料タンクにおいては、燃料タンク内で発生する蒸発燃料を低減するために、燃料タンク内の冷却が行われている。例えば、特許文献1には、燃料タンクから発生した蒸発燃料を凝縮器内で冷却し、液化した上で燃料タンクへ戻すことで、キャニスタに供給される蒸発燃料の量がキャニスタの捕集限界量を超えるのを防ぐ技術が記載されている。
一方、プラグインハイブリッド車両などのように、EV走行を主とするハイブリッド車両においては、エンジンの停止時間が長い。従って、エンジン停止時に常に燃料冷却を行うと、冷却処理に係る電力消費が増大し、バッテリ充電量の減少が顕著となる。特許文献1には、上述の問題は、何ら検討されていない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、燃料冷却により蒸発燃料の量がキャニスタの捕集限界量を超えるのを防ぎ、かつ、電力消費を抑えることが可能な燃料冷却装置を提供することを目的とする。
本発明の1つの観点では、バッテリを有し、前記バッテリのバッテリ残量が第1の充電量より多い場合にEV走行を行い、第1の充電量以下の場合にHV走行を行うハイブリッド車両に適用される燃料冷却装置であって、燃料タンク内の燃料の冷却を行う冷却器と、前記バッテリ残量が第1の充電量より多い場合、タンク内圧に基づき前記冷却器を駆動制御し、前記バッテリ残量が第1の充電量以下の場合、前記冷却器の駆動を停止する冷却制御手段と、を備える。
上記の燃料冷却装置は、バッテリ残量に基づきEV走行とHV走行とを交互に行うハイブリッド車両に適用される。燃料冷却装置は、燃料タンク内の燃料の冷却を行う冷却器と、冷却器を制御する冷却制御手段と、を備える。冷却制御手段は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)によって実現される。冷却制御手段は、エンジンが停止しているEV走行中において、燃料タンクのタンク内圧に基づき冷却器の駆動制御を行い、キャニスタへ蒸発燃料が供給されるのを防ぐ。そして、冷却制御手段は、HV走行中において、冷却器の駆動を停止する。冷却器の駆動停止により、キャニスタへ蒸発燃料が供給された場合であっても、車両は、エンジンの稼働によりキャニスタ中の蒸発燃料をエンジン燃料として消費することができる。従って、燃料冷却装置は、蒸発燃料が大気へ放出するのを防ぎつつ、HV走行中においては冷却器の駆動を停止することで電力消費を抑制することが可能となる。
上記の燃料冷却装置の一態様は、キャニスタと、前記キャニスタと前記燃料タンクとを連結するエバポ通路と、前記エバポ通路を封鎖し、前記タンク内圧が開弁圧に達したときに開弁する封鎖弁と、をさらに備え、前記冷却制御手段は、前記タンク内圧が前記開弁圧未満の値に設定される第1の圧力値より小さい場合、EV走行中であっても前記冷却器の駆動を停止する。この態様では、燃料冷却装置は、キャニスタと、エバポ通路と、封鎖弁と、をさらに備える。そして、冷却制御手段は、タンク内圧が第1の圧力値より小さい場合、封鎖弁が未だ開弁する恐れはないと判断し、EV走行中であっても冷却器の駆動を停止する。第1の圧力値は、封鎖弁の開弁圧より小さい値に設定される。このように、燃料冷却装置は、EV走行中であっても、封鎖弁が開弁し、キャニスタへ蒸発燃料が供給される恐れがないときは冷却を停止することで、さらに燃料冷却に係る電力消費を抑制することができる。
上記の燃料冷却装置の他の一態様は、前記冷却制御手段は、EV走行中でかつ前記タンク内圧が第1の圧力値以上の場合、前記冷却器を駆動する。この態様では、タンク内圧が第1の圧力値以上となり、封鎖弁が開弁する恐れがある場合には、冷却器を駆動し、燃料冷却を行う。これにより、燃料冷却装置は、EV走行中において、キャニスタに蒸発燃料が供給されるのを防ぐことができる。
好適には、上記の燃料冷却装置は、外部電源から充電した電力を動力として使用するプラグインハイブリッド車両に適用される。プラグインハイブリッド車両ではエンジン起動頻度が少ないため、上記のハイブリッド車両の制御装置をプラグインハイブリッド車両に対して適用することは有効である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
[燃料冷却装置の構成]
本実施形態に係る燃料冷却装置について説明する。本実施形態に係る燃料冷却装置は、プラグインハイブリッド車両などのハイブリッド車両に好適に適用される。図1は、本実施形態に係る燃料冷却装置の概略構成の一例を示すブロック図である。燃料冷却装置100は、キャニスタ26と、燃料タンク10と、冷却器8と、バッテリ101と、ECU60と、を含む。
本実施形態に係る燃料冷却装置について説明する。本実施形態に係る燃料冷却装置は、プラグインハイブリッド車両などのハイブリッド車両に好適に適用される。図1は、本実施形態に係る燃料冷却装置の概略構成の一例を示すブロック図である。燃料冷却装置100は、キャニスタ26と、燃料タンク10と、冷却器8と、バッテリ101と、ECU60と、を含む。
キャニスタ26は、エバポ通路20を介して、燃料タンク10から供給される燃料3の蒸発燃料(エバポガス)を吸着する。詳しくは、キャニスタ26内の吸着材にエバポガスが吸着される。キャニスタ26は、さらにパージ通路34及び大気通路54に接続し、大気通路54から供給される大気を受け入れるとともに、パージ通路34によりエバポガスを図示しないサージタンクへ供給する。
燃料タンク10は、給油口58から給油される燃料3を貯蔵している。この燃料3は、図示しないエンジンの燃焼に供する。ここで給油される燃料3は、例えばガソリン又はアルコール、あるいはその混合燃料である。燃料タンク10は、その内部に温度センサ7が設置されている。温度センサ7は、燃料3の温度(以後、「燃料温度」と呼ぶ。)を計測するセンサである。温度センサ7は、計測した燃料温度の検出値を冷却駆動部15へ送信する。燃料タンク10には、燃料タンク10内の圧力(以後、「タンク内圧」と呼ぶ。)を測定するためのタンク内圧センサ12が設置されている。タンク内圧センサ12は、大気圧に対する相対圧としてタンク内圧を検出し、その検出値に応じた出力を発生するセンサである。タンク内圧センサ12は、検出した圧力に対応する検出信号S3をECU60に供給する。
エバポ通路20は、燃料タンク10とキャニスタ26とを連結する通路である。エバポ通路20上には、封鎖弁28が設置されている。封鎖弁28は、エバポ通路20を封鎖する弁である。封鎖弁28の閉弁状態において、エバポガスは、燃料タンク10からキャニスタ26へ供給されない。そして、封鎖弁28は、タンク内圧が所定値P(以後、「開弁圧P」と呼ぶ。)以上に達した場合に開弁する。封鎖弁28の開弁状態において、エバポガスは、エバポ通路20を介して燃料タンク10からキャニスタ26へ供給される。
冷却器8は、電気により冷気を発生させ、燃料タンク10内の燃料3の冷却(以後、「冷却処理」と呼ぶ。)を行う装置である。冷却器8は、冷却駆動部15と、ホース6と、冷却部5と、冷媒4と、を有する。
冷却駆動部15は、冷媒4を冷却し、ホース6を介して冷却部5へ冷却された冷媒を循環させる要素である。冷却駆動部15は、ECU60から送信される制御信号S1に基づき駆動する。また、冷却駆動部15は、後述するバッテリ101から電気の供給を受けて駆動する。冷却駆動部15は、温度センサ7が検出した燃料温度の検出値に対応する検出信号S2をECU60に供給する。
冷却部5は、燃料タンク10内の燃料3を冷却するための部材(容器)であり、燃料タンク10の底面に設置される。冷却部5は、内部に冷媒4を収容する。
冷媒4は、冷却器8内、即ち冷却駆動部15及び冷却部5内を循環する液状または気体状の媒体である。そして冷却駆動部15と冷却部5とを接続するホース6を介して、冷媒4は冷却駆動部15で発生した冷気を冷却部5へ運ぶ。
バッテリ101は、ハイブリッド車両が備えるモータを駆動するための電源として機能することが可能に構成された充電可能な蓄電池である。また、バッテリ101は、図示しない外部電源から供給された電気、または走行によりモータで発生した電気の充電を行う。したがって、バッテリ101は、モータの駆動用電源として機能するとともに、冷却器8の駆動用電源として機能する。バッテリ101は、バッテリ101に残存している充電量(以後、「バッテリ残量」と呼ぶ。)を検出し、ECU60へ検出値に対応する検出信号S4を送信する。
ECU60は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などを備える。ECU60は、必要に応じ、キャニスタ26内のエバポガスのパージを行う。具体的には、パージ通路上に設けられる図示しないパージ弁をECU60が開くことにより、吸気負圧に起因して大気通路54から大気が流入する。これにより、キャニスタ26内の吸着材に吸着したエバポガスが離脱することとなる。そして、キャニスタ26から離脱したエバポガスは、図示しないサージタンク等で貯蔵され、エンジンの燃料として利用されることになる。また、ECU60は、燃料温度の検出信号S2と、タンク内圧の検出信号S3と、バッテリ残量の検出信号S4と、に基づき、冷却器8の駆動制御を行う。従って、ECU60は、本発明における冷却制御手段として機能する。
なお、図1に示す燃料冷却装置100の構成は一例であり、本発明は必ずしもこれに限定されない。例えば、冷却部5は、燃料タンク10の内部に配置されていてもよい。また、温度センサ7は、燃料温度の検出値を、冷却駆動部15を介さずECU60へ送信してもよい。さらに、燃料冷却装置100は、キャニスタ26を含まなくてもよい。この場合、燃料冷却装置100を搭載する車両がキャニスタ26を有することになる。
[冷却器の駆動制御方法]
次に、ECU60が行う冷却器8の駆動制御方法について述べる。以後、燃料冷却装置100をプラグインハイブリッド車両に適用した場合について説明する。
次に、ECU60が行う冷却器8の駆動制御方法について述べる。以後、燃料冷却装置100をプラグインハイブリッド車両に適用した場合について説明する。
燃料冷却装置100を搭載した車両(以後、「搭載車両」と呼ぶ。)は、ECU60の制御に基づき、モータによる走行(以後、「EV走行」と呼ぶ。)とエンジンとモータとを兼用したハイブリッド走行(以後、「HV走行」と呼ぶ。)と、を交互に行う。具体的には、搭載車両は、バッテリ残量が所定値(以後、「第1の充電量B1」と呼ぶ。)より多い場合にはEV走行を行い、バッテリ残量が第1の充電量B1以下の場合にはHV走行を行う。第1の充電量B1は、各搭載車両に対し適正な値が設定される。
ここで、搭載車両はプラグインハイブリッド車両であるため、駐車中にバッテリ101の充電が可能である。従って、搭載車両は、上述の走行モードのうち、EV走行を行う比率が高い。しかし、EV走行中において、搭載車両は、エンジンが稼働しないため、キャニスタ26中のエバポガスをエンジン燃料として消費することができない。一方で、エンジンの稼働の有無に依らずエバポガスは発生する。従って、搭載車両は、キャニスタ26内だけではエバポガスを貯蔵しきれなくなる場合がある。これに対する1つの対処方法として、エンジン停止時に冷却器8により冷却処理を行う方法が考えられる。しかし、エンジン停止時に常に燃料を冷却すると、バッテリ101の消費量が増大してしまう。
そこで、本実施形態において、ECU60は、EV走行時の所定時間内に限り、冷却器8を駆動させる。具体的には、ECU60は、EV走行中においてタンク内圧が所定値P1(以後、「第1の圧力値P1」と呼ぶ。)以上のときに限り、冷却器8を駆動し、冷却処理を行う。第1の圧力値P1は、封鎖弁28の開弁圧Pよりも小さい所定値であり、例えば実験等により適正な値に設定される。タンク内圧は、燃料温度の上昇に伴って上昇する。従って、ECU60は、タンク内圧が第1の圧力値P1に達した場合には、冷却処理を行うことでタンク内圧の上昇を抑制し、タンク内圧が封鎖弁28の開弁圧Pになるのを未然に防ぐことができる。これにより、ECU60は、EV走行中において、キャニスタ26中のエバポガスの飽和を防ぐことができる。
また、HV走行中においても、搭載車両はエンジンの間欠運転を行う。即ち、搭載車両は、EV走行中にキャニスタ26が飽和するに至らない場合であっても、HV走行において、蓄積されたキャニスタ26中のエバポガスを全て消費できるとは限らない。よって、ECU60は、EV走行において封鎖弁28の開弁を防止し、EV走行中には、キャニスタ26にエバポガスを蓄積しないようにする。これにより、搭載車両は、HV走行中においても、キャニスタ26中のエバポガスの飽和を防ぐことができる。
そして、ECU60は、EV走行からHV走行へ切り替える際には、冷却器8の駆動を停止する。これにより、封鎖弁28の開弁によりキャニスタ26へエバポガスが供給された場合であっても、搭載車両は、エンジンが稼働することにより、キャニスタ26内のエバポガスをエンジン燃料として使用する。よって、搭載車両は、EV走行中は適宜冷却処理を実行することでエバポガスがキャニスタ26へ送られないようにするとともに、HV走行中は冷却処理を停止することにより、不要な冷却処理による電力消費を抑えることが可能となる。
図2は、時間経過に伴うタンク内圧、燃料温度、バッテリ残量、及び冷却処理の有無についての変化のグラフの一例を示す。図2中の実線のグラフ70、71、72及び73が本実施形態における変化のグラフを示し、破線のグラフ70x、71x、72x及び73xが冷却処理を全く行わない場合の変化のグラフを示す。なお、ECU60は、例えばタンク内圧を検出信号S3から取得し、燃料温度を検出信号S2から取得し、バッテリ残量を検出信号S4から取得する。
まず、搭載車両は、図2における時刻t0以前において、図示しない外部電源などから電気の供給を受けることにより、バッテリ101の充電を行う。図2において、搭載車両は、バッテリ残量が80%まで充電を行ったものとする。次に、搭載車両は、時刻t0において、EV走行を開始する。そして、グラフ70及びグラフ71に示すように、搭載車両のEV走行に伴って、タンク内圧及び燃料温度は上昇する。そして、タンク内圧が開弁圧P(ここでは、12kPa)より小さい第1の圧力値P1になった時刻t1において、ECU60は、グラフ73に示すように、冷却器8を駆動し、冷却処理を開始する。これにより、ECU60は、タンク内圧の上昇及び燃料温度の上昇を抑えることができ、EV走行中における封鎖弁28の開弁を防ぐことができる。結果として、EV走行中において、エバポガスはキャニスタ26に蓄積されない。従って、ECU60は、EV走行中において、キャニスタ26のエバポガスによる飽和を防ぐことができる。また、HV走行中におけるエバポガスの処理能力を考慮し、EV走行中において、キャニスタ26にエバポガスを蓄積しないことにより、ECU60は、HV走行中においても、キャニスタ26の飽和を防ぐことができる。一方、グラフ73xに示すように冷却処理を全く行わない場合は、グラフ70x及びグラフ71yに示すように、時間経過に伴ってタンク内圧及び燃料温度は上昇し、EV走行中にタンク内圧が開弁圧Pに達してしまう。従って、この場合、EV走行中またはHV走行中において、キャニスタ26がエバポガスにより飽和する可能性がある。
時刻t1以後に冷却処理を行うと、バッテリ残量はグラフ72のように減少する。即ち、冷却処理を実行しない場合のグラフ72xと比較すると、冷却処理に使用する電力分だけバッテリ残量の減少は早くなる。そして、バッテリ残量が第1の充電量B1になった時刻t2において、ECU60は、グラフ73に示すように、冷却処理を停止する。そして、ECU60は、冷却処理の停止後、直ちに、または所定時間経過後に、EV走行からHV走行へ切り替える。グラフ70に示すように、冷却処理の停止によりタンク内圧は上昇する。そして、時刻t3において、タンク内圧が開弁圧Pに達し、封鎖弁28は開弁する。一方、時刻t3において、搭載車両はHV走行を行っている。従って、封鎖弁28の開弁によりキャニスタ26へエバポガスが供給されても、搭載車両は、キャニスタ26内のエバポガスをパージし、エンジン燃料として消費することができる。また、グラフ73に示すように、HV走行中は冷却処理を停止することにより、搭載車両は、不要な冷却処理による電力消費を抑えることが可能となる。
なお、図2において、ECU60は、バッテリ残量が第1の充電量B1以下になった場合に冷却処理を停止した。即ち、ECU60は、冷却処理を停止する判断基準であるバッテリ残量の閾値と、EV走行からHV走行へ切り替える判断基準であるバッテリ残量の閾値と、を同一にしていた。一方、ECU60は、第1の充電量B1よりも大きい所定値B2(以後、「第2の充電量B2」と呼ぶ。)において、冷却処理を停止してもよい。この場合、ECU60は、バッテリ残量が第2の充電量B2以下になった時点において冷却処理を停止し、その後、さらにバッテリ残量が第1の充電量B1以下になった時点においてEV走行からHV走行へ切り替える。これにより、ECU60は、HV走行前に、確実に冷却処理を停止することができる。
また、タンク内圧は、外気温や搭載車両が位置する標高によって変動する。従って、ECU60は、第1の圧力値P1を外気温や標高によって変動させてもよい。この場合、例えば、搭載車両は、外気温や標高を計測するセンサを有し、さらに、外気温及び標高に対応する第1の圧力値P1のマップを有する。そして、ECU60は、センサの検出値と、上述のマップを用いることにより、第1の圧力値P1を決定することになる。
さらに、上述の例において、ECU60は、タンク内圧に基づき冷却処理を開始していた。一方、ECU60は、さらに燃料温度に基づき冷却処理を開始してもよい。例えば、ECU60は、タンク内圧が第1の圧力値P1に達していない場合でも、燃料温度が所定値以上であれば封鎖弁28の開弁を防ぐために冷却処理を開始する。これにより、ECU60は、より確実にEV走行中に封鎖弁28が開弁するのを防ぐことが可能となる。
[処理フロー]
次に、フローチャートを用いて本実施形態に係る処理の手順について説明する。図3は、ECU60が行う冷却処理に係る処理手順を表すフローチャートである。この処理はECU60が繰り返し実行する。
次に、フローチャートを用いて本実施形態に係る処理の手順について説明する。図3は、ECU60が行う冷却処理に係る処理手順を表すフローチャートである。この処理はECU60が繰り返し実行する。
まず、ECU60は、搭載車両がEV走行中であるか否か判定する(ステップS1)。EV走行中でないと判定した場合(ステップS1;No)、即ちHV走行中のとき、搭載車両はエンジンが稼働することによりエバポガスをパージすることが可能である。従って、ECU60は、冷却処理により封鎖弁28の開弁を防ぐ必要はないと判断し、フローチャートの処理を終了する。これにより、燃料冷却装置100は、不要な冷却処理による電力消費を防ぐことができる。
一方、EV走行中であると判定した場合(ステップS1;Yes)、ECU60は、タンク内圧が第1の圧力値P1以上であるか判定を行う(ステップS2)。そして、タンク内圧が第1の圧力値P1以上である場合(ステップS2;Yes)、ECU60は、冷却器8を駆動させ、冷却を開始する(ステップS3)。これにより、ECU60は、EV走行中において、封鎖弁28の開弁を防ぐことができる。一方、タンク内圧が第1の圧力値P1より小さい場合(ステップS2;No)、ECU60は、まだ封鎖弁28は開弁の恐れはないと判断し、冷却を開始せずステップS4へ処理を進める。これにより、ECU60は、無駄な冷却処理を省き、消費電力を抑制することができる。
次に、ECU60は、バッテリ残量が第1の充電量B1以下であるか判定を行う(ステップS4)。そして、バッテリ残量が第1の充電量B1以下である場合(ステップS4;No)、ECU60は、冷却処理を開始している場合には、冷却処理を停止する(ステップS5)。そして、ECU60は、HV走行を開始する(ステップS6)。これにより、HV走行中は冷却処理を行わないため、燃料冷却装置100は、無駄な冷却処理による電力の消費を抑制することが可能となる。また、HV走行開始後、封鎖弁28が開弁し、キャニスタ26へエバポガスが供給されても、搭載車両は当該エバポガスをパージし、エンジン燃料として利用することができる。一方、バッテリ残量が第1の充電量B1より大きい場合(ステップS4;No)、ECU60は、ステップS2において、再びタンク内圧を監視する。
なお、冷却を開始しており、かつステップS4においてバッテリ残量が第1の充電量B1より大きい場合には、ECU60は、ステップS2において再びタンク内圧を監視せず、ステップS4において継続してバッテリ残量を監視してもよい。また、冷却開始後において、タンク内圧が再び第1の圧力値P1以下になった場合には、ECU60は、冷却処理を停止してもよい。これにより、ECU60は、さらに消費電力を抑制することが可能となる。また、図3のフローチャートにおいて、ECU60はさらに燃料温度を監視してもよい。例えば、ECU60は、ステップS2においてタンク内圧が第1の圧力値P1より小さい場合であっても、燃料温度が所定温度以上の場合には、冷却処理を開始する。
[変形例]
上述の実施形態において、燃料冷却装置100は、プラグインハイブリッド車両に搭載されていた。しかしながら、本発明が適用可能な構成はこれに限らず、燃料冷却装置100は、ハイブリッド車両に搭載することができる。即ち、ECU60は、燃料冷却装置100がハイブリッド車両に搭載される場合でも、EV走行中とHV走行中のそれぞれにおいて、冷却器8に対し上述の実施形態と同様の駆動制御を実行することで、エバポガスの大気への放出を防ぎ、かつ、消費電力を抑制することができる。
上述の実施形態において、燃料冷却装置100は、プラグインハイブリッド車両に搭載されていた。しかしながら、本発明が適用可能な構成はこれに限らず、燃料冷却装置100は、ハイブリッド車両に搭載することができる。即ち、ECU60は、燃料冷却装置100がハイブリッド車両に搭載される場合でも、EV走行中とHV走行中のそれぞれにおいて、冷却器8に対し上述の実施形態と同様の駆動制御を実行することで、エバポガスの大気への放出を防ぎ、かつ、消費電力を抑制することができる。
3 燃料
4 冷媒
5 冷却部
6 ホース
7 温度センサ
8 冷却器
10 燃料タンク
15 冷却駆動部
60 ECU
100 燃料冷却装置
101 バッテリ
4 冷媒
5 冷却部
6 ホース
7 温度センサ
8 冷却器
10 燃料タンク
15 冷却駆動部
60 ECU
100 燃料冷却装置
101 バッテリ
Claims (4)
- バッテリを有し、前記バッテリのバッテリ残量が第1の充電量より多い場合にEV走行を行い、第1の充電量以下の場合にHV走行を行うハイブリッド車両に適用される燃料冷却装置であって、
燃料タンク内の燃料の冷却を行う冷却器と、
前記バッテリ残量が第1の充電量より多い場合、タンク内圧に基づき前記冷却器を駆動制御し、前記バッテリ残量が第1の充電量以下の場合、前記冷却器の駆動を停止する冷却制御手段と、
を備えることを特徴とする燃料冷却装置。 - キャニスタと、
前記キャニスタと前記燃料タンクとを連結するエバポ通路と、
前記エバポ通路を封鎖し、前記タンク内圧が開弁圧に達したときに開弁する封鎖弁と、をさらに備え、
前記冷却制御手段は、前記タンク内圧が前記開弁圧未満の値に設定される第1の圧力値より小さい場合、EV走行中であっても前記冷却器の駆動を停止する請求項1に記載の燃料冷却装置。 - 前記冷却制御手段は、EV走行中でかつ前記タンク内圧が第1の圧力値以上の場合、前記冷却器を駆動する請求項2に記載の燃料冷却装置。
- 外部電源から充電した電力を動力として使用するプラグインハイブリッド車両に適用される請求項1乃至3のいずれか一項に記載の燃料冷却装置。
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2008
- 2008-05-19 JP JP2008130548A patent/JP2009275683A/ja active Pending
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