JP2009274735A - キャップ内面殺菌方法および装置 - Google Patents

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Hiroyuki Ogino
浩幸 荻野
Kazuhiko Horii
一彦 堀井
Kenji Nishida
健二 西田
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Abstract

【課題】生産能力が高くて、装置の設置面積が少なく、しかも、高粘度液体の場合で容器内の液体の対流が悪いために時間経過とともにキャップ内面付近の液体温度が低下してしまうような場合でもキャップ内面殺菌が確実にでき、また、充填液温度が比較的低くてもキャップ内面殺菌ができ、さらに、キャップ内面に気泡が付着しているような場合でも確実にキャップ内面を殺菌できるキャップ内面殺菌方法および装置を提供する。
【解決手段】コンベア21で搬送中の瓶等の容器1を転倒搬送する間にキャップ内面を殺菌するキャップ内面殺菌方法において、キャップ外面に熱水を散布することによるキャップ内面殺菌を付加した。
【選択図】図1

Description

本発明は、瓶等の容器のキャップ内面を殺菌するキャップ内面殺菌方法および装置に関するものである。
瓶等の容器に飲料用液体を充填してキャップを被せた後、このキャップ内面を殺菌する方法としては、以下に示すような種々の方法が知られている。
一般にホット充填製品と称されるものは、容器に約80℃の高温の飲料用液体を充填して液体自体および液体に接する容器内部を殺菌した後に、充填後長時間高温のまま放置することによる液体の品質低下を避けるためにトンネル式パストライザ型クーラを使用して液体を冷やし、次工程に供給することが多いが、キャップ内面は容器が直立のままであることにより高温の液体が接しないために殺菌されないので、キャップ内面殺菌を要する場合には、前記クーラにおいて冷却処理する前段階で、容器上方から一定時間熱水を散布してキャップ内面を殺菌する方法が知られている。
一方、例えば容器に約80℃の高温の飲料用液体を充填してキャップを被せた後、容器を搬送チェンにて搬送する際、直立の姿勢から水平に倒すことにより、容器に充填された高温の液体をキャップ内面に接触させ、キャップ内面の熱殺菌を行う方法も知られている(特許文献1)。
さらに、容器に高温の飲料用液体を充填してキャップを被せた後、コンベア上で搬送する際、容器を直立のまま容器送り込み手段によって所定本数に区分して容器転倒手段に送り込み、容器転倒手段によってこれら所定本数の容器を転倒させることにより、容器に充填された高温の液体をキャップ内面に接触させ、キャップ内面の熱殺菌を行う方法もある(特許文献2)。
その概略を、先ず前記トンネル式パストライザ型クーラおよびキャップ殺菌装置における各槽のシャワー温度並びに容器内液体温度の変化を示す図3で説明する。なお、トンネル式パストライザ型クーラおよびキャップ殺菌装置の構造については多くの公知例があるので、図示および説明は省略する。第1槽はキャップ殺菌のための槽で、第2〜4槽の容器内液体の冷却用クーラに付加されたものであり、第1槽では入口液体温度即ちトンネル式パストライザ型クーラおよびキャップ殺菌装置の入口へ搬送される液体入りキャップ付き容器の液体温度とほぼ同じ温度の熱水シャワーを直立した容器の上方から浴びながら容器が第2槽へと搬送され、この間に所定の熱水温度で所定時間シャワーを受けてキャップ内面は外面から伝導された熱で殺菌される。なお、第2槽以降では順次シャワー温度を低くして、第4槽を出る時には容器内の出口液体温度が所定温度まで冷却されて次工程へと搬送される。
一方、特許文献1に示すキャップ殺菌装置では、容器である円筒体(53)(特許文献1の図中の符号を括弧書きで表示する。以下本段落において同じ。)が、スラットバンドチェンコンベア(32)で前工程から供給されてくる直立状態から、無端グリッパチェン(33)〜(35)等によって水平横倒し状態にされ、無端チェン(45)に受け渡される。無端チェン(45)上を所要時間搬送されている間に蓋の内面が充填した液体で殺菌されるとしている。次いで無端グリッパチェン(38)〜(40)等へ受け渡され、ここで水平横倒し状態から直立状態に姿勢を戻されて、後工程のスラットバンドチェンコンベア(32)へと搬送される。
さらに、特許文献2に示すキャップ殺菌装置では、ボトルコンベア(2)(特許文献2の図中の符号を括弧書きで表示する。以下本段落において同じ。)上を直立状態で搬送されてきた容器(4)を所定本数に区分して容器転倒機構(12)に送り込み、これら所定本数の容器(4)をボトルストッパ(16)によって容器転倒機構(12)内に停止させた後、容器転倒機構(12)によってこれら所定本数の容器(4)を転倒させて、容器(4)内に充填されている高温の液体を所要時間キャップ内面に接触させてキャップ内面を殺菌するとしている。
特開昭58−82832号公報(第4図、第5図) 実公平7−44577号公報(第3図)
従来技術のパストライザ型クーラおよびキャップ殺菌装置では、パストライザ型のクーラが大きな設置面積を必要とし、装置コストも高価である上に、キャップ内面殺菌工程を付加するとさらに大きな設置面積を必要とするとともに装置コストもさらに高価になるという問題点があった。
また、前記特許文献1に示すキャップ殺菌装置では、装置コストが安価であるという利点はあるが、キャップ内面に高温の液体を接触させる所要時間(例えば83℃で30秒程度)が必要であり、生産能力を高めるためにコンベアの搬送速度を高めると、必然的に容器を水平に転倒しておく距離を長くすることが必要となって、キャップ殺菌装置の機長が長くなってしまうという問題点があった。
また、前記特許文献2に示すキャップ殺菌装置では、これも装置コストが安価であるという利点はあるが、搬送されてきた容器を直立状態で容器転倒機構内に一時的に停止させてから、容器を容器転倒機構で転倒させて殺菌を行っており、キャップ殺菌装置の長さは短くてすむが、1回の処理が終了し所定本数の容器を排出した後に次の所定本数の容器を供給するため、生産能力が低いという問題点があった。
また、前記特許文献1および2に示すキャップ殺菌装置では、容器転倒状態で容器内に充填された液体の温度が所定温度以上の高温に所定時間以上保持されることが必要である。飲料の種類が低粘度の液体の場合は、転倒した容器内の液体が対流しやすいため、キャップに接した液体は対流により次々と入れ替わることによって所定時間高温のままでキャップ内面の殺菌機能を果たすことができるが、飲料の種類が高粘度の液体である場合は、転倒した容器内の液体が対流しにくいため、キャップに接している液体の温度が次第に低下して所定時間内でキャップ内面を殺菌できなくなってしまうことがあるという問題点があった。
また、飲料の種類によっては飲料の香りなどの性質に悪影響が生じるため高温での充填ができない場合がある。このような飲料の場合は所定温度よりやや低い温度での充填となるが、上記従来のキャップ殺菌装置ではキャップ内面の殺菌に必要な温度に達しないという問題点があった。
さらに、容器が転倒された状態になっているとき、キャップ内面に気泡が付着したままとなっていることがある。このような場合には容器内の高温の液体が気泡によりキャップ内面に接しないためにこの部分が所要の殺菌がなされないという問題点があった。
本発明はこのような事情に鑑みて提案するものであり、その目的とするところは、生産能力が高くて、装置の設置面積が少なく、しかも、高粘度液体の場合で容器内の液体の対流が悪いために時間経過とともにキャップ内面付近の液体温度が低下してしまうような場合でもキャップ内面殺菌が確実にでき、また、充填液温度が比較的低くてもキャップ内面殺菌ができ、さらに、キャップ内面に気泡が付着しているような場合でも確実にキャップ内面を殺菌できるキャップ内面殺菌方法および装置を提供しようとする点にある。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段により課題を解決する。
(1)第1の手段のキャップ内面殺菌方法は、コンベアで搬送中の瓶等の容器を転倒搬送する間にキャップ内面を殺菌するキャップ内面殺菌方法において、キャップ外面に熱水を散布することによるキャップ内面殺菌を付加したことを特徴とする。
(2)第2の手段のキャップ内面殺菌方法は、上記第1の手段のキャップ内面殺菌方法において、キャップ外面に散布する熱水の温度を容器内に充填された液体の温度より高くすることを特徴とする。
(3)第3の手段のキャップ内面殺菌装置は、コンベアで搬送中の瓶等の容器を転倒搬送する間にキャップ内面を殺菌するキャップ内面殺菌装置において、キャップ外面に熱水を散布する散水装置を設けたことを特徴とする。
(4)第4の手段のキャップ内面殺菌装置は、上記第3の手段のキャップ内面殺菌装置において、キャップ外面に散布する熱水が容器には散布されずに、キャップのみに散布されるように仕切り板を設けたことを特徴とする。
請求項1および請求項3に係わる本発明は、上記手段のキャップ内面殺菌方法および装置であり、コンベアチェンで搬送中の瓶等の容器を転倒搬送する間に、容器に充填されている所定高温度の液体が所要時間キャップ内面に接触してキャップ内面が殺菌されるとともに、キャップ外面に散布された熱水によっても所要時間、熱がキャップ外面から内面へ伝導してキャップ内面が殺菌されるので、容器を転倒している時間を短くできることにより、キャップ殺菌装置の機長を短くすることおよび同じ機長でも生産能力を高めることができる。
また、容器に充填される液体が高粘度液体で、容器内の液体の対流が悪いためにキャップ内面に接している液体の温度が充填直後の高温から次第に冷えてキャップ内面を所定時間内で殺菌できなくなってしまうという懸念が生じるような場合でも、コンベアチェンで転倒搬送されている容器のキャップ外面に散布された熱水によって熱がキャップ外面から内面へ伝導してキャップ内面を殺菌するので、所定時間内でキャップ内面の殺菌を確実にすることできる。
また、飲料の種類によっては充填温度をキャップ殺菌に必要な所定温度よりやや低い温度で充填しなければならないときに、コンベアチェンで転倒搬送されている容器のキャップ外面に所要時間散布された熱水によって熱がキャップ外面から内面へ伝導してキャップ内面の殺菌ができるので、飲料の種類による生産対応が容易になる。
さらに、転倒された容器のキャップ内面に気泡が付着したままでも、キャップ外面に所要時間散布された熱水によって熱がキャップ外面から内面へ伝導してキャップ内面の殺菌ができるので、従来技術のようにキャップ内面の気泡付着部分が所要の殺菌がなされないという懸念を回避することができる。
本実施の形態は、飲料を充填した瓶のキャップ内面を殺菌するキャップ内面殺菌装置に応用するものであり、以下図に基づいて説明する。
図1は、本発明に係わるキャップ内面殺菌装置の実施の形態を示す概略の構成図で、一部を断面図としてあり、計測および制御信号を破線で示す。図2は、図1の矢視A図で、一部を断面図として、主要部のみを示す。
図1は例えば前記特許文献1の第4図に記載の無端チェン(45)(特許文献1の図中の符号を括弧書きで表示する。以下本段落において同じ。)の矢視(V)−(V)線に沿う断面図に相当する図で、同図に示すように、容器1は転倒された状態で、コンベアフレーム20に案内されている無端のトッププレートコンベアチェン21上を進行方向Bの方向に搬送される。容器1の搬送に際して、ガイドバー22で進行方向の動きを規制され、支持板23および24を介して取り付けられたガイド板25および26で進行方向左右の動きを規制されるようになっている。なお、容器1の直立状態から転倒状態への転倒、転倒状態から直立状態への復元については、前記特許文献1、特公平7−77894号、特開2006−232356号などに示されている構造、方法と類似の構造、方法で行われるものであり、ここでは詳細な説明は省略する。また、トッププレートコンベヤチェン21の駆動についても同様に図示および説明を省略する。
容器1のキャップ1Cは、熱水が散水ヘッダ2より図1で図示S1のように斜め右下に噴射され、仕切り板27により図示S2のように直下方向へ案内されて散布される構造となっている。キャップ1Cに散布される熱水はキャップ1Cのみに散布され、容器1には散布されないようになっており、仕切りカバー28によってキャップ1Cから熱水が飛び散って容器1にはかからないようになっている。なお、仕切り板27および仕切りカバー28はコンベアフレーム20に取り付けられているが、図示は省略してある。散水ヘッダ2への熱水供給は湯回収タンク3からポンプ4により配管5を介して行われる。湯回収タンク3は、配管6からフロート付きバルブ7の作動により水が矢印6Fの方向から、配管8から電磁弁9の作動により蒸気が矢印8Fの方向から、散水ヘッダ2より散布されてキャップ1Cを熱した後の熱水が回収樋10で回収されて配管11を介して矢印11Fの方向から夫々供給されるようになっており、湯回収タンク3の液面はフロート付きバルブ7による水供給で調整され、湯の温度は配管5の途中に設けられた温度計12による温度計測により図示しない制御装置からの指令に基づいて電磁弁9の作動による蒸気供給で調整されるようになっている。なお、トッププレートコンベアチェン21、散水ヘッダ2および回収樋10等の容器1の進行方向の長さは、キャップ1Cの内面殺菌に必要な長さとなっている。
以上のように構成されるキャップ殺菌装置において、容器1が上流の直立状態から転倒状態にされてトッププレートコンベアチェン21で搬送されてくる間に、湯回収タンク3でキャップ1Cの内面殺菌に必要な温度に調整された熱水がポンプ4によって配管5を通じて散水ヘッダ2に送水されて、散水ヘッダ2より熱水がキャップ1Cに向かって図示S1からS2の方向へ転向案内されて散布され、トッププレートコンベアチェン21の下流まで搬送されると容器1は転倒状態から直立状態に姿勢復帰される。なお、容器1の材質がPETで、熱水の温度が容器1の耐熱温度と対比して高目の場合でも、キャップ1Cに散布される熱水は仕切り板27および仕切りカバー28によってキャップ1Cにのみ散布されて、容器1にはかからないため、容器1が熱水によって変形してしまうことを回避できる。
キャップ1Cの内面は、容器1がトッププレートコンベアチェン21で転倒搬送されている間に、容器1内の高温充填された液体の熱でも殺菌されているが、散水ヘッダ2からの熱水散布による熱伝導でも殺菌される。散布される熱水温度が容器1に充填される液体温度よりも例えば約10℃高いとキャップ1Cの内面殺菌がより効果的におこなわれる。このためトッププレートコンベアチェン21の搬送方向長さは、必要とされる殺菌条件によって決められるが、熱水ヘッダ2からの熱水散布を受けない場合よりも短い長さで済ませられるので、キャップ殺菌装置の設置スペースが小さくて済む。即ち、キャップ殺菌装置の機長を短くすることおよび同じ機長でも生産能力を高めることができる。
また、容器1に充填される液体が高粘度液体で、容器1内の液体の対流が悪いためにキャップ1Cの内面に接している液体の温度が充填直後の高温から次第に冷えてしまうことによりキャップ1Cの内面を所定時間内で殺菌できなくなってしまう懸念があるような場合でも、トッププレートコンベアチェン21で転倒搬送されている容器1のキャップ1C外面に散布された熱水によって熱がキャップ1C外面から内面へ伝導して所定時間内にキャップ1C内面の殺菌ができる。この場合、散布される熱水温度が容器1に充填される液体温度よりも高目であるとより効果的である。
また、飲料の種類によっては充填温度をキャップ1Cの殺菌に必要な所定温度よりやや低い温度での充填が要求されることがあるが、このような場合でもトッププレートコンベアチェン21で転倒搬送されている容器1のキャップ1C外面に散布された熱水によって熱がキャップ1Cの外面から内面へ伝導してキャップ1C内面の殺菌ができるので、トッププレートコンベアチェン21を殺菌条件に必要な搬送長さとしておけば飲料の種類による生産対応が容易になる。この場合でもキャップ1Cに散布される熱水温度が容器1に充填される液体温度よりも高目であるとより効果的であるのはもちろんである。
さらに、容器1のキャップ1Cの内面に気泡が付着したままの状態があっても、キャップ1C外面に散布された熱水によって熱がキャップ1Cの外面から内面に伝導してキャップ1C内面の殺菌ができるので、殺菌が確実となる。
本発明の実施の形態に係わるキャップ内面殺菌装置の概略の構成図で、一部を断面図として示し、計測および制御信号を破線で示す。 図1の矢視A図で、一部を断面図として主要部のみを示す。 従来技術のパストライザ型クーラおよびキャップ殺菌装置における各槽のシャワー温度並びに容器内液体温度の変化を示す線図である。
符号の説明
1…容器、
1C…キャップ、
2…散水ヘッダ、
3…湯回収タンク、
4…ポンプ、
5…(熱水の)配管、
6…(水の)配管、
8…(蒸気の)配管、
10…回収樋、
11…(回収熱水の)配管、
12…温度計、
21…トッププレートコンベアチェン、
27…仕切り板、
28…仕切りカバー

Claims (4)

  1. コンベアで搬送中の瓶等の容器を転倒搬送する間にキャップ内面を殺菌するキャップ内面殺菌方法において、キャップ外面に熱水を散布することによるキャップ内面殺菌を付加したことを特徴とするキャップ内面殺菌方法。
  2. 請求項1に記載するキャップ内面殺菌方法において、キャップ外面に散布する熱水の温度を容器内に充填された液体の温度より高くすることを特徴とするキャップ内面殺菌方法。
  3. コンベアで搬送中の瓶等の容器を転倒搬送する間にキャップ内面を殺菌するキャップ内面殺菌装置において、キャップ外面に熱水を散布する散水装置を設けたことを特徴とするキャップ内面殺菌装置。
  4. 請求項3に記載するキャップ内面殺菌装置において、キャップ外面に散布する熱水が容器には散布されずに、キャップのみに散布されるように仕切り板を設けたことを特徴とするキャップ内面殺菌装置。
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