JP2009269869A - カンナビノイド受容体アゴニストの新規用途 - Google Patents

カンナビノイド受容体アゴニストの新規用途 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、心不全または肺うっ血の新規改善剤を提供することを課題とする。より詳しくは、塩酸モルヒネのような麻酔薬を使用することなく、効果的に心不全を改善し、心不全の症状、例えば肺うっ血等を軽減化しうる新規薬剤を提供することを課題とする。さらには、心不全改善剤または肺うっ血改善剤のスクリーニング方法を提供することを課題とする。
【解決手段】カンナビノイド受容体アゴニスト作用を有する化合物を有効成分とする心不全改善剤または肺うっ血改善剤による。さらには、カンナビノイド受容体の活性化効果を測定することによる心不全改善剤または肺うっ血改善剤のスクリーニング方法による。
【選択図】図1A

Description

本発明は、カンナビノイド受容体アゴニスト作用を有する物質の新規用途に関する。具体的には、カンナビノイド受容体アゴニスト作用を有する物質を有効成分とする心疾患または肺うっ血の改善剤に関する。さらには、カンナビノイド受容体アゴニスト作用を有する物質をスクリーニングすることによる、心疾患または肺うっ血の改善剤のスクリーニング方法に関する。
心不全とは、心臓が正常に機能していない状態を示し、体組織の代謝に見合う十分な血液を供給できない状態をいう。心不全はあらゆる心疾患の末期症状であり、原因として、弁膜症や心筋梗塞、高血圧、心筋症、心筋炎、および先天性心疾患等が挙げられる。心不全は、左心不全、右心不全、両心不全に分類され、時間経過より急性心不全(acute heart failure)、慢性心不全(chronic heart failure)に分類される。急性心不全では、例えば心筋梗塞に伴う心不全が挙げられ、慢性心不全では、例えば心筋症や弁膜症に伴う心不全が挙げられる。心不全は、心エコー検査等によって診断される。
急性心不全には、利尿剤、強心薬、血管拡張剤が用いられてきたが、必ずしも満足のいくものではなく、上記に加えて、塩酸モルヒネが古典的に使用されてきた。塩酸モルヒネは、急性心不全での肺うっ血による呼吸困難等の軽減化のために用いられ、心不全治療に対する有効性は十分に認められるが、塩酸モルヒネが麻酔薬であることから、麻酔の取扱いで管理・使用しなければならず、取扱いが容易でないのが難点である。慢性心不全治療薬としても、利尿薬、アンジオテンシン転換酵素阻害薬、β−アドレナリン受容体遮断薬等が用いられてきたが、必ずしも満足のいくものではなかった(非特許文献1)。
カンナビノイド受容体は、7回膜貫通型ドメインを有するGタンパク質(Gi/Go)共役型のCB1受容体とCB2受容体の2種がある。これらのうち、CB1受容体は脳等で多量に発現しており、神経伝達の抑制的制御に関与していると考えられている。一方、CB2受容体は脾臓や扁桃腺等、免疫系の臓器や細胞に多く発現しており、炎症反応や免疫応答の調節に関与していると考えられている。
脳内において、CB1受容体は海馬、線条体、黒質、前脳基底部、嗅球および小脳により多く存在し、脳幹、髄質、視床には少ない。CB1受容体は、シナプス前部に局在し、神経伝達物質の放出を抑制的に制御していると考えられている(非特許文献2)。
CB1受容体については、4種のアゴニスト、すなわちジベンゾピラン環を有したテトラヒドロカンナビノール(THC)誘導体の古典的カンナビノイド類、THC構造のピラン環が開裂した2環および3環性の誘導体である非古典的カンナビノイド類、アミノアルキルインドール類、ならびに内因性アゴニストとして知られているアナンダマイド(非特許文献3)等のアラキドン酸誘導体が広く知られている。
カンナビノイド受容体アゴニストであるWIN55212−2は、脳虚血に基づく神経細胞死を抑制することが報告されており(非特許文献4)、その作用はグルタミン酸神経シナプス前部のCB1受容体の活性化を介してグルタミン酸の遊離が抑制されるためと考えられている。また、Bakerらは、多発性硬化症の動物モデルにおいて、カンナビノイド受容体アゴニストである、WIN55212−2、JWH−133、THCおよびメタアマンダアミドが振戦や攣縮を改善することを報告している(非特許文献5)。
カンナビノイド受容体調節剤や、カンナビノイド受容体アゴニストの用途に関して、いくつか報告がなされているが、心疾患に用いることは報告されていない(非特許文献6、特許文献1、2)。
Circulation, 102, 14-23 (2000) Trends Pharmacological Sciences; 22, 565-572(2001) Science, 258, 1946-1949 (1992) Journal of Neuroscience, 19, 2987-2995 (1999) Nature, 404, 84 (2000) Nature Reviews, 3, 771-784 (2004) 特開2005-162657号公報 国際公開WO2005/016351号パンフレット
本発明は、心不全または肺うっ血の新規改善剤を提供することを課題とする。より詳しくは、塩酸モルヒネのような麻酔薬を使用することなく、効果的に心不全を改善し、心不全の症状、例えば肺うっ血等を軽減化しうる新規薬剤を提供することを課題とする。さらには、心不全改善剤または肺うっ血改善剤のスクリーニング方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するためにカンナビノイド受容体と心不全および心不全に伴う症状との関係に着目し、鋭意検討を重ねた結果、カンナビノイド受容体の活性化により、急性心不全および慢性心不全ならびに肺うっ血(急性肺浮腫)の症状が改善し、死亡率を減少させうることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下よりなる。
1.カンナビノイド受容体アゴニスト作用を有する化合物を有効成分とする心不全または肺うっ血の改善剤。
2.心不全が、急性心不全または慢性心不全である、前項1に記載の改善剤。
3.肺うっ血が、心不全に起因する肺うっ血である前項1に記載の肺うっ血改善剤。
4.カンナビノイド受容体アゴニストが、CB1受容体アゴニストである前項1〜3のいずれか1に記載の改善剤。
5.カンナビノイド受容体の活性化効果を測定することによる心不全改善剤または肺うっ血改善剤のスクリーニング方法。
6.心不全改善剤が、急性心不全または慢性心不全の改善剤である、前項5に記載のスクリーニング方法。
7.肺うっ血改善剤が、心不全に起因する肺うっ血の改善剤である前項5に記載のスクリーニング方法。
8.カンナビノイド受容体が、CB1受容体である前項5〜7のいずれか1に記載のスクリーニング方法。
本発明のカンナビノイド受容体アゴニスト作用を有する化合物を有効成分とする心不全改善剤の投与により、急性および慢性の心不全における各種心臓機能を改善し、心不全モデルマウスの死亡率の減少を認めた。また、心不全に伴う肺うっ血、すなわち肺重量の増加を改善し、急性肺浮腫による死亡率の減少を認めた。
本発明において、カンナビノイド受容体アゴニスト作用を有する化合物とは、このようなアゴニスト作用を有する化合物であれば良く、特に限定されない。例えば天然物由来のものであってもよいし、合成された化合物であってもよい。例えばジベンゾピラン環を有したテトラヒドロカンナビノール(THC)誘導体の古典的カンナビノイド類、THC構造のピラン環が開裂した2環および3環性の誘導体である非古典的カンナビノイド類、アミノアルキルインドール類、ならびに内因性アゴニストとして知られているアナンダマイドが挙げられ、具体的には、Δ9THC、WIN55212−2、CP55940、CP54939、HU308、HU211(デキサナビノール)、ナビロン、カンナビノール、11-ヒドロキシカンナビノール、O−1057、レボナントラドール、アナンダミド、R1−メトアナンダミド、および2−AG(2-arachidonyl glycerol)等のカンナビノイドレセプターアゴニスト;オレアミドおよびパルミトイルエタノールアミド等のエンドカンナビン模擬剤ならびにそれらに関連する合成誘導体から選択することができる。より好適には、WIN55212−2が挙げられる。カンナビノイド受容体アゴニストは、CB1受容体アゴニストであるのがより好適である。
本発明における心不全とは、急性心不全や慢性心不全をいい、心不全に起因して生じる症状も本発明の範囲に含まれる。例えば、左心不全は、左心房・左心室が、十分な拍出量を保てない病態であり、血液の流れで左心系の上流に位置する肺に血液がうっ滞し、肺高血圧、胸水、呼吸困難、咳嗽等の症状をきたす。左心不全は、さらに肺血流の停滞を経由し、右心系へも負荷を与えるため、左心不全は放置すれば後述する右心不全を非常に合併しやすい。右心不全は、右心房や右心室が、十分な拍出量を保てない病態である。
本発明の心不全または肺うっ血の改善剤は、その効果を阻害しない範囲で、他の成分を含有させることができ、例えば薬学的に許容される担体として、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤、界面活性剤、乳化剤、可溶化剤、吸収促進剤、保湿剤、吸着剤、充填剤、増量剤、付湿剤、防腐剤等の添加剤を用いて周知の方法で製剤化することができる。ここに、賦形剤としては、有機系賦形剤および無機系賦形剤等が挙げられる。
本発明の心不全または肺うっ血の改善剤は、従来知られている心不全改善剤または肺うっ血改善剤と併用して用いてもよい。
本発明の心不全または肺うっ血の改善剤の剤型は、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、トローチ、もしくはシロップ剤、注射剤等の液剤等の形態が挙げられる。
本発明の心不全または肺うっ血の改善剤中の有効成分の含有量は、投与経路や剤型によっても異なるが、一概に限定できず、各種剤形化が可能な範囲で、投与量との関係で適宜選択することができる。例えば液剤の場合、0.0001〜10(w/v%)、好ましくは0.001〜5(w/v%)、特に注射剤の場合、0.0002〜0.2(w/v%),好ましくは0.001〜0.1(w/v%)、固形剤の場合、0.01〜60(w/w%)、好ましくは0.02〜50(w/w%)等として調製できるが、必ずしもこの範囲に限定されるものではない。
本発明の心不全または肺うっ血の改善剤の投与量は、投与経路、症状、年齢、体重、あるいは予防または治療剤の形態等によって異なり、一概に限定できないが、例えば、肺うっ血改善の場合には、一日約1〜1000mgとなるように、1回または数回に分けて、症状に応じて投与することが望ましい。
本発明の心不全または肺うっ血の改善剤の投与経路としては、経口投与、静脈内投与、動脈内投与(冠動脈内投与等)、筋肉内投与、経皮投与、経鼻投与、皮内投与、皮下投与、腹腔内投与、直腸内投与、粘膜投与、吸入等が挙げられる。より好ましい投与経路は、経口投与若しくは静脈内投与である。
本発明は、候補化合物について、カンナビノイド受容体の活性化効果を測定することによる心疾患改善剤または肺うっ血改善剤のスクリーニング方法にも及ぶ。カンナビノイド受容体の活性化効果は、具体的にはアデニル酸シクラーゼ活性抑制によるサイクリックAMP(cAMP)産生減少効果を測定することによる。
以下、本発明の理解を深めるために実施例を示して本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではないことはいうまでもない。
(実施例1)心不全モデルマウスの心臓および肺に及ぼすカンナビノイド受容体(CB1)アゴニストの影響
C57BL/6マウス(7週齢)を用いて、1984年11月11日に米国心臓協会(AHA)により採択されたガイドラインに記載の方法に従って、横行大動脈縮窄(TAC)により心不全モデルマウス(以下、単に「TACモデル」ともいう。)を作製した。
CB1アゴニストであるWIN55212−2(Tocris Bioscience社)をDMSO(dimethyl sulphoxide)に溶解し、生理食塩液にて希釈したものを、TACモデル作製前2日から、0.2mg/kg/日を経口投与した。コントロールとして、開胸のみを行い横行大動脈縮窄をしなかったSham群、横行大動脈縮窄後WIN55212−2を投与しなかったTAC群を用いた。
Sham群7匹、TAC群19匹、TAC+WIN55212−2投与群13匹について検討を行った。
TACモデル作製5週間後に、マウスを屠殺し、心臓および肺について、心重量/体重比(HW/BW)と肺重量/体重比(LW/BW)を測定した。その結果、図1(A:心臓、B:肺)に示すように、TAC群では、Sham群に比べて、心と肺についてそれぞれ重量が増大しており、重い心肥大と肺うっ血が認められたのに対し、WIN55212−2投与群では、心肥大と肺うっ血の程度が有意に減少することが認められた。
(実施例2)心不全モデルマウスの心臓に及ぼすCB1アゴニストの影響
実施例1と同手法で作製したTACモデルについて、左心室内腔径および後壁厚に及ぼす影響を調べた。さらに、左心室短縮率および左室駆出率についても調べた。
左心室における心室の内腔径、後壁厚、心室短縮率および血液の駆出率は心臓超音波検査により測定した。
その結果、左心室内腔径については、TAC群では、Sham群に比べて左室肥大の傾向を示したが、WIN55212−2投与群では、TAC群に比べて低い傾向であり、改善効果を示した(図2A,B参照)。左心室後壁厚については、拡張末期および収縮末期では殆ど差を認めなかったが(図2C参照)。左心室短縮率および左室駆出率において、WIN55212−2投与群で優れた改善効果を示した(図2D)。
LVFSは、以下の計算により求めた。
LVFS=(LVEDd−LVESd)/LVEDd×100
LVFS:左心室短縮率
LVEDd:左心室拡張期径
LVESd:左心室収縮期径
(実施例3)心不全モデルマウスの心臓に及ぼすCB1アゴニストの影響
実施例1と同手法で作製したTACモデルについて、左心室における血液力学、圧、心拍数、収縮性等の心機能に及ぼす影響を調べた。
左心室圧については、収縮期および弛緩末期についてミラーカテーテル(Miller Catheter)により測定した。その結果、左心室圧は、収縮期ではSham群に比べて、TAC群およびTAC+WIN55212−2投与群のほうが高く、心拍数は逆であった(図3A,B参照)。左心室収縮性(contractility index)については、TAC群で収縮性が低下したのに対し、WIN55212−2投与群で改善した(図3C参照)。
(実施例4)各因子のリン酸化に及ぼすCB1アゴニストの影響
1)上皮成長因子受容体(EGF−R)のリン酸化
ラット新生児(1〜3日目)由来心筋細胞を、10%ウシ胎児血清を含むダルベッコMEM培地で、24〜72時間培養し、さらに無血清培地で24〜48時間培養した。続いて、培地に、アドレナリン作動薬の1種であるフェニレフリン(phenylephrine:シグマ社)を10−4M含む系、フェニレフリンを10−4Mと内因性カンナビノイドである2−AG(2-arachidonyl glycerol:シグマ社)を10−5M含む系、フェニレフリンを10−4MとWIN55212−2を10−5M含む系で24時間培養した。フェニレフリンおよび各種CB1受容体アゴニストを含まない系を、コントロールとした。
培養した細胞を細胞可溶化緩衝液内で、4℃で20分間インキュベーションし、分解したものを試料とし、ウエスタンブロッティング法により細胞EGF−Rのリン酸化を確認した。細胞EGF−Rのリン酸化は、抗リン酸化チロシン抗体(抗PY抗体)を用いて測定した。細胞可溶化緩衝液の組成は、50 mmol/L Tris-HCl, pH 7.3; 150 mmol/L NaCl; 2 mmol/L EDTA; 0.5% フッ化ナトリウム; 10 mmol/L リン酸ナトリウム; 0.5 mmol/L Na3VO4; 100μg/mL フェニルメチルフッ化硫黄; 2 g/mL アプロチニンTM(タンパク質分解酵素); 1% NonidetTM P-40(非イオン性界面活性剤)である。
その結果、フェニレフリンを10−4M含む系で培養した細胞については、コントロールと比べてEGF−Rのリン酸化が明らかに増加し、さらに2−AGを10−5M、WIN55212−2を10−5Mそれぞれ含む系では、フェニレフリン10−4M単独の系に比べてEGF−Rのリン酸化を抑制した(図4A)。この結果から、CB1受容体の活性化により、心肥大シグナルであるEGF−Rのリン酸化が抑制されることが確認された。
2)各種MAPキナーゼ(ERK,JNKおよびP38)のリン酸化
各濃度のフェニレフリンおよびWIN55212−2を含む系で、上記1)と同手法にて培養したラット新生児由来心筋細胞から調製した試料について、各種MAPキナーゼ(ERK(extra cellular signal-regulated kinase)、JNK(c-Jun N-terminal kinase)およびP38)のリン酸化を、各因子の抗体を用いたウエスタンブロッティング法により分析し、確認した。各々の抗体(抗マウス抗体)は、抗ERK1/2抗体、抗リン酸化ERK1/2抗体、抗p38抗体、抗リン酸化p38抗体、抗JNK抗体および抗リン酸化JNK抗体 (Sant Cruz Biotechnology社)を用いた。
免疫反応の検出は、ECL(Enhanced Chemiluminescence)試薬(アマシャム社) を用いた増強化学発光法により行った。定量は、デンシトメトリー(densitometry)とイメージソフトウェアにより行った。
その結果、コントロールに比べ、フェニレフリンを10−4M含む系で培養した細胞では、各種MAPキナーゼリン酸化が明らかに増加するが、さらにWIN55212−2を10−5M含む系では、各種MAPキナーゼのリン酸化を抑制した(図4B)。この結果から、CB1受容体の活性化により、心肥大のシグナルであるMAPキナーゼのリン酸化が抑制されることが確認された。
(実施例5)MAPキナーゼのリン酸化に及ぼすCB1アゴニストの影響
実施例1と同手法で作製したTACモデルについて、WIN55212−2を投与したときの、各種MAPキナーゼ(ERK、JNKおよびP38)のリン酸化を確認した。各モデルマウスの心臓から蛋白を抽出し、実施例4と同手法にて各MAPキナーゼの活性化および発現量をウエスタンブロッティング法により分析した。
ERK、JNKおよびP38のリン酸化は、上記実施例4の2)のウエスタンブロッティングと同手法により確認した。その結果、Sham群と比べ、TAC群では各種MAPキナーゼのリン酸化が顕著に増加し、WIN55212−2(0.2mg/kg/日)の経口投与を5週間行うことにより、各種MAPキナーゼのリン酸化を抑制した(図5)。この結果から、in vivoにおいても、CB1受容体の活性化が、心肥大のシグナルであるMAPキナーゼのリン酸化を抑制することが明らかとなった。
(実施例6)AMPKのリン酸化に及ぼすCB1アゴニストの影響
ラット新生児(1〜3日目)由来心筋細胞を、実施例4と同手法にて24〜72時間培養し、さらに24〜48時間無血清培地で培養した。続いて、培地中に10−6Mおよび10−7Mの各濃度のWIN55212−2を含む系で各細胞を30分間培養した。WIN55212−2を含まない系をコントロールとした。
培養した各細胞を、実施例4と同手法にて細胞可溶化緩衝液で、4℃で20分間インキュベーションし、分解し、AMPK(5'AMP-activated protein kinase)のリン酸化を確認した。AMPKのリン酸化は、AMPK抗体およびAMPKリン酸化抗体を用いてウエスタンブロッティング法により分析して確認した。その結果、コントロールと比較して、10−6Mおよび10−7Mの各濃度のWIN55212−2を加えた系では、AMPKのリン酸化が明らかに増加した(図6)。この結果から、CB1アゴニストにより、AMPKをリン酸化することが確認され、培養心筋細胞の代謝能を改善することが確認された。
(実施例7)AMPKのリン酸化に及ぼすCB1アゴニストの影響
実施例6と同手法にて培養した細胞について、WIN55212−2を10−6M含む系で、30分、1時間、2時間、4時間および8時間の各時間培養したときの、AMPKのリン酸化を、経時的に確認した。
その結果、コントロールと比較して、WIN55212−2を10−6M含む系で30分および1時間培養したときは、AMPKのリン酸化が増加したが、2時間以上培養したときは、AMPKリン酸化の増加を認めなかった(図7)。
この結果から、CB1アゴニストにより、AMPKリン酸化は培養後30分から1時間で増加することが確認され、培養心筋細胞の代謝能を改善することがわかった。
(実施例8)CB1遺伝子を抑制したときのAMPKのリン酸化に及ぼす影響
CB1遺伝子に対するRNAiを用いて、CB1遺伝子を抑制したときのAMPKのリン酸化について調べた。WIN55212−2を1μMとCB1遺伝子を抑制するRNAiを含む系で、実施例4と同手法にてラット新生児由来心筋細胞を培養したときの、AMPKのリン酸化の程度を、リン酸化していないAMPKとの関係で調べた。
上記細胞を50〜70%コンフルエントな状態に培養したものに、CB1のsiRNAを形質導入試薬であるOptifectTM(Invitrogen社製)を用いてトランスフェクトした。
CB1のsiRNAは、以下に示す配列であり、バイオブリッジ社により設計され、合成されたものを用いた。
siRNA配列: 5'-ggg aag aug aac aag cuu a-TT (センス側) (配列番号1)
siRNA配列: 5'-uaa gcu ugu uca ucu ucc c-TT (アンチセンス側)(配列番号2)
コントロールsiRNA配列: uag cga cua aac aca uca a -dTdT.(配列番号3)
AMPKのリン酸化は、実施例6と同手法にて確認した。その結果、コントロールsiRNAをトランスフェクションした系においては、WIN55212−2を1μM投与したことにより、AMPKのリン酸化が著明に増加した。一方、CB1のsiRNAをトランスフェクションした系では、WIN55212−2を1μM投与した場合でもAMPKのリン酸化増加は認められなかった(図8)。この結果から、WIN55212−2がCB1を介してAMPKのリン酸化に貢献していると考えられた。
(実施例9)血中一酸化窒素濃度に及ぼすCB1アゴニストの確認
実施例1と同手法で処理したマウスから採血し、血中の一酸化窒素濃度に及ぼすCB1受容体アゴニストの影響を調べた。
血中一酸化窒素の測定は、酸化窒素分析システム(ENOTM−10、エイコム株式会社)を用いて行った。その結果、Sham群に比べて、TAC群では血中一酸化窒素濃度が低下していたのに対し、WIN55212−2を投与した場合は、有意に血中一酸化窒素含有量の増加を認めた。血中一酸化窒素濃度は、血管拡張機能を示す指標と同時に、心保護作用の指標ともなりうる。
(実施例10)CB1アゴニストによる肺重量に及ぼす影響
実施例1と同手法にて、ICRマウス(5〜7週齢)を用いて、TACモデルを作製した。WIN55212−2およびAM251をいずれもDMSOに溶解し、生理食塩液にて希釈した。2−AGは、無水アルコール、分散剤(Emulphor(R)、エトキシル化脂肪アルコール系乳化剤)および生理食塩液を、おのおの1:1:18の割合で含む溶液に溶解した。
TACモデル作製10分前に、0.2mg/kg濃度のWIN55212−2を腹腔内注射により投与した。コントロールとしてSham群、横行大動脈縮窄(TAC)後にWIN55212−2を投与しなかったTAC群を用いた。
Sham群16匹、TAC群9匹、TAC+WIN55212−2投与群5匹について検討を行った。
TACモデル作製1時間後に各マウスを屠殺し、肺重量/体重比(LW/BW)を測定した。その結果、図10に示すように、TAC群では、Sham群に比べて、肺について肥大が認められ、肺うっ血の傾向が認められたのに対し、CB1アゴニストであるWIN55212−2または2−AG投与群では、肺うっ血の程度が低くなり、CB1アンタゴニストのAM251投与群では、肺うっ血の増悪の傾向が認められた。
(実施例11)生存率に及ぼすCB1アゴニストの影響
実施例1と同手法にて、C57BL/6マウス(7週齢)を用いて作製したTACモデルおよびTAC後WIN55212−2を投与したモデルマウスの生存率を調べた。その結果、TAC後0〜4日目において、明らかに、TAC後WIN55212−2を投与した群での生存率が高かった(図11)。同様に、TAC後6週間後のTACモデルの生存率を、WIN55212−2投与群と非投与群において比較した。その結果、TAC後WIN55212−2を投与した群では、非投与群と比較して、生存率が高い傾向を認めた(図12)。以上の結果により、TACモデルにおいて、急性および慢性において、CB1アゴニストであるWIN55212−2投与群で、有意に生存率が改善したことが確認された。
(実施例12)CB1アゴニストによるカテコラミン血中濃度に及ぼす影響(急性)
実施例1と同手法にて、ICRマウス(5〜7週齢)を用いて、TACモデルを作製し、カテコラミン血中濃度について確認した。WIN55212−2をDMSO(dimethyl sulphoxide)に溶解し、生理食塩液にて希釈し、0.2mg/kg濃度をTACモデル作製10分前に、腹腔内注射により投与した。コントロールとしてSham群、横行大動脈縮窄(TAC)後にWIN55212−2を投与しなかったTAC群を用いた。Sham群7匹、TAC群12匹、TAC+WIN55212−2投与群9匹について検討を行った。TACモデル作製1時間後に各マウスを屠殺し、カテコラミンであるエピネフリンおよびノルエピネフリンの血中濃度を測定した。エピネフリンおよびノルエピネフリンの血中濃度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。
その結果、図13に示すように、TAC群では、Sham群に比べて、エピネフリンおよびノルエピネフリンともに上昇の傾向が認められたのに対し、CB1アゴニストであるWIN55212−2投与群では、エピネフリンおよびノルエピネフリン量が低くなった。カテコラミン血中濃度の上昇が、死亡率および心機能に影響を及ぼすものと考えられた。
(実施例13)CB1アゴニストによるカテコラミン血中濃度に及ぼす影響(慢性)
実施例1と同手法にて、C57BL/6マウス(7週齢)を用いて作製し、カテコラミン血中濃度について確認した。CB1アゴニストであるWIN55212−2をDMSOに溶解し、生理食塩液にて希釈したものを、TACモデル作製前2日から、0.2mg/kg/日を経口投与した。コントロールとして、Sham群、横行大動脈縮窄後WIN55212−2を投与しなかったTAC群を用いた。Sham群9匹、TAC群11匹、TAC+WIN55212−2投与群7匹について検討を行った。
その結果、TAC後5週間後において、図14に示すようにTAC群では、Sham群に比べて、エピネフリンおよびノルエピネフリンともに上昇の傾向が認められたのに対し、CB1アゴニストであるWIN55212−2投与群では、エピネフリンおよびノルエピネフリン量が低くなった。カテコラミン血中濃度の上昇が、死亡率および心機能に影響を及ぼすものと考えられた。
以上説明したように、本発明のカンナビノイド受容体アゴニスト作用を有する化合物を有効成分とする心不全改善剤の投与により、急性および慢性の心不全における各種心臓機能を改善し、心不全モデルマウスの死亡率の減少を認めた。また、心不全に伴う肺うっ血、すなわち肺重量の増加を改善し、急性肺浮腫による死亡率の減少を認めた。
これにより、カンナビノイド受容体アゴニスト作用を有する化合物は、急性心不全、慢性心不全の改善薬として利用することができ、さらには心不全に伴う急性肺浮腫改善薬としても利用できる。さらには、本発明のスクリーニング方法、つまりカンナビノイド受容体アゴニスト作用を有する物質をスクリーニングすることにより、新規な心不全改善剤、肺うっ血改善剤を提供することができる。
TACモデルの心臓に及ぼすCB1アゴニストの影響を示す図である。(実施例1) TACモデルの肺に及ぼすCB1アゴニストの影響を示す図である。(実施例1) TACモデルの左心室壁に及ぼすCB1アゴニストの影響を示す図である。(実施例2) TACモデルの左心室面積に及ぼすCB1アゴニストの影響を示す図である。(実施例2) TACモデルの左心室後壁厚に及ぼすCB1アゴニストの影響を示す図である。(実施例2) TACモデルの左心室収縮期機能に及ぼすCB1アゴニストの影響を示す図である。(実施例2) TACモデルの心機能(血液力学)に及ぼすCB1アゴニストの影響を示す図である。(実施例3) TACモデルの左心室圧および心拍数に及ぼすCB1アゴニストの影響を示す図である。(実施例3) TACモデルの左心室収縮性に及ぼすCB1アゴニストの影響を示す図である。(実施例3) 培養細胞における各種因子のリン酸化に対するCB1アゴニストの影響を示す図である。(実施例4) 培養細胞における各種因子のリン酸化に対するCB1アゴニストの影響を示す図である。(実施例4) 培養細胞における各種因子のリン酸化に対するCB1アゴニストの影響を示す図である。(実施例5) 培養細胞における各種因子のリン酸化に対するCB1アゴニストの影響を示す図である。(実施例6) 培養細胞における各種因子のリン酸化に対するCB1アゴニストの影響を示す図である。(実施例7) siRNAを用いたCB1遺伝子の欠失と各種因子のリン酸化に及ぼす影響を示す図である。(実施例8) TACモデルの血中一酸化窒素濃度に及ぼすCB1アゴニストの影響を示す図である。(実施例9) TACモデルの肺重量(肺うっ血)に及ぼす各種CB1アゴニストおよびアンタゴニストの影響を示す図である。(実施例10) TACモデル(急性)の生存率に及ぼすCB1アゴニストの影響を示す図である。(実施例11) TACモデル(慢性)の生存率に及ぼすCB1アゴニストの影響を示す図である。(実施例11) TACモデル(急性)のカテコラミン血中濃度に及ぼすCB1アゴニストの影響を示す図である。(実施例12) TACモデル(慢性)のカテコラミン血中濃度に及ぼすCB1アゴニストの影響を示す図である。(実施例13)

Claims (8)

  1. カンナビノイド受容体アゴニスト作用を有する化合物を有効成分とする心不全または肺うっ血の改善剤。
  2. 心不全が、急性心不全または慢性心不全である、請求項1に記載の改善剤。
  3. 肺うっ血が、心不全に起因する肺うっ血である請求項1に記載の肺うっ血改善剤。
  4. カンナビノイド受容体アゴニストが、CB1受容体アゴニストである請求項1〜3のいずれか1に記載の改善剤。
  5. カンナビノイド受容体の活性化効果を測定することによる心不全改善剤または肺うっ血改善剤のスクリーニング方法。
  6. 心不全改善剤が、急性心不全または慢性心不全の改善剤である、請求項5に記載のスクリーニング方法。
  7. 肺うっ血改善剤が、心不全に起因する肺うっ血の改善剤である請求項5に記載のスクリーニング方法。
  8. カンナビノイド受容体が、CB1受容体である請求項5〜7のいずれか1に記載のスクリーニング方法。
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