JP2009267512A - 受信タイミング検出方法および通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】遅延プロファイルの歪みを低減し、受信タイミングを精度よく検出することのできる受信タイミング検出方法を得ること。
【解決手段】周波数領域信号で遅延プロファイルを求め、受信タイミングを検出する受信タイミング検出方法であって、遅延プロファイルの電力が最大となる位置をピーク位置として求めるステップと、周波数領域信号を時間領域に変換する際に生じる誤差成分であるsinc成分を、ピーク位置と所定の周波数情報に基づいて計算するステップと、sinc成分を遅延プロファイルから減算するステップと、減算結果に基づいて受信タイミングを検出するステップと、を含む。
【選択図】 図1
【解決手段】周波数領域信号で遅延プロファイルを求め、受信タイミングを検出する受信タイミング検出方法であって、遅延プロファイルの電力が最大となる位置をピーク位置として求めるステップと、周波数領域信号を時間領域に変換する際に生じる誤差成分であるsinc成分を、ピーク位置と所定の周波数情報に基づいて計算するステップと、sinc成分を遅延プロファイルから減算するステップと、減算結果に基づいて受信タイミングを検出するステップと、を含む。
【選択図】 図1
Description
本発明は、無線通信において受信信号の遅延プロファイルを検出して受信タイミングを検出する受信タイミング検出方法および通信装置に関する。
無線通信用の受信機では受信信号の受信タイミングを検出する処理が行われる。この処理のために、送信側では予め決められた既知のパターンを送信する。たとえば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を採用している無線LAN(Local Area Network)では、データ送信の直前にプリアンブルと呼ばれる既知データを送信する。
受信タイミングの検出方法は、大別すると、時間領域で検出する方法と、周波数領域で検出する方法の2種類の方法がある。時間領域で検出する方法では、受信機が信号波形と同等な波形を用意し、その波形と受信信号との相関を取る相関処理を行う。この処理は、一般に、ディジタルマッチドフィルタと呼ばれる相関器により実現される。また、相関処理の出力は、受信信号の受信タイミングを表す信号となる。この信号は遅延プロファイルと呼ばれる。
周波数領域で検出する方法では、時間領域の信号をFFT(Fast Fourier Transform)により一旦周波数領域の信号に変換し、データ変調パターンを取り除く処理などを行った後に、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)により時間波形に戻す。以上のような処理によって遅延プロファイルを生成し、受信信号の受信タイミングを検出することができる(たとえば、下記特許文献1および下記特許文献2参照)。OFDMでは、受信機がデータ復調用としてFFT機能を備えていることから、装置の小型化のために周波数領域で検出する方法が採用されるケースがある。
一方、周波数領域で遅延プロファイルを検出する場合、遅延プロファイルにはsinc成分が混入して(sinc関数が畳み込まれて)誤差が生じ、遅延プロファイルが歪む。この現象は、信号帯域幅とFFT帯域幅が異なるために生じる現象であり、OFDM通信システムでは必ず生じる。たとえば、OFDMを採用する無線LAN(IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a)では、FFT帯域幅=20MHz,信号帯域幅≒16MHzと両者の周波数が異なるため、遅延プロファイルはsinc成分の混入による誤差のために歪む。
しかしながら、上記特許文献1および特許文献2に記載の技術では、周波数領域で遅延プロファイルを作成しているが、sinc成分の混入による誤差の除去処理を行っていない。このため、遅延プロファイルに歪みが生じる、という問題があった。また、遅延プロファイルに歪みが生じるため、信号の受信タイミングを正確に検出することができない、という問題があった。特に、OFDMでは、最もレベルの高い受信信号(主波)より時間的に早いタイミングで到来する信号(先行波)が存在すると受信特性が大きく劣化する。したがって、先行波の受信タイミングをできるだけ正確に検出することが受信特性の向上に有効である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、周波数領域で遅延プロファイルを検出する際に、遅延プロファイルの歪みを低減し、受信タイミングを精度よく検出することのできる受信タイミング検出方法および通信装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、受信信号を周波数領域に変換した周波数領域信号に基づいて遅延プロファイルを求め、遅延プロファイルに基づいて受信タイミングを検出する受信タイミング検出方法であって、遅延プロファイルの各点の電力を算出し、前記電力が最大となる位置をピーク位置として求めるピーク検出ステップと、前記周波数領域信号を時間領域に変換する際にsinc関数が畳み込まれることによって生じる誤差成分であるsinc成分を前記ピーク位置と所定の周波数情報に基づいて計算するsinc成分生成ステップと、前記sinc成分を遅延プロファイルから減算する減算ステップと、前記減算結果に基づいて受信タイミングを検出する受信タイミング検出ステップと、を含むことを特徴とする。
この発明によれば、周波数領域で遅延プロファイルを検出する際に、sinc成分を算出し、算出した結果に基づいて遅延プロファイルからsinc成分による誤差を除去するようにしたので、遅延プロファイルの歪みを低減し、受信タイミングを精度よく検出することができる、という効果を奏する。
以下に、本発明にかかる受信タイミング検出方法および通信装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる受信タイミング検出方法を実現する通信装置の実施の形態1の機能構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の通信装置は、受信信号を周波数領域に変換するFFT部1と、伝送路の振幅および位相特性を抽出する伝送路推定部2と、周波数領域の信号を時間領域に変換するIFFT部3と、遅延プロファイルを格納するためのプロファイル記憶部4と、sinc成分の除去処理の繰り返しループの終了判定を行うループ判定部5と、遅延プロファイルのピーク位置の振幅および位相を検出するピーク検出部6と、sinc成分を生成するsinc生成部7と、遅延プロファイルからsinc成分を除去する減算処理部8と、遅延プロファイルの大きさをしきい値と比較して先行波位置を検出するしきい値判定部9と、を備える。
図1は、本発明にかかる受信タイミング検出方法を実現する通信装置の実施の形態1の機能構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の通信装置は、受信信号を周波数領域に変換するFFT部1と、伝送路の振幅および位相特性を抽出する伝送路推定部2と、周波数領域の信号を時間領域に変換するIFFT部3と、遅延プロファイルを格納するためのプロファイル記憶部4と、sinc成分の除去処理の繰り返しループの終了判定を行うループ判定部5と、遅延プロファイルのピーク位置の振幅および位相を検出するピーク検出部6と、sinc成分を生成するsinc生成部7と、遅延プロファイルからsinc成分を除去する減算処理部8と、遅延プロファイルの大きさをしきい値と比較して先行波位置を検出するしきい値判定部9と、を備える。
また、本実施の形態の受信タイミング検出方法を実現する構成部である受信タイミング検出部10は、IFFT部3と、プロファイル記憶部4と、ループ判定部5と、ピーク検出部6と、sinc生成部7と、減算処理部8と、しきい値判定部9とで構成される。
つづいて、本実施の形態の動作について説明する。まず、FFT部1は、受信信号をFFT処理によって周波数領域に変換する。このFFT処理の対象とする受信信号は、既知のプリアンブル信号である。図2は、本実施の形態の受信信号のフレームフォーマットの一例を示す図である。本実施の形態では、OFDM方式を採用することとし、図2は、時間領域のOFDM信号を表している。図2に示すように、受信信号は、データとデータの直前に配置されたプリアンブル信号とを含むこととする。
つぎに、伝送路推定部2は、FFT部1で周波数領域に変換された受信信号に対して所定の伝送路推定処理を行う。この伝送路推定処理は、プリアンブルに後続するデータ部分を同期検波するために必要となる一般的な処理であり、その出力は、伝送路の振幅および位相特性を周波数領域で表した信号(以下、伝送路推定信号という)となる。したがって、伝送路推定信号を時間領域に戻せば、信号がどのくらい遅延して受信されているかが分かることになる。
IFFT部3は、伝送路推定信号を周波数領域から時間領域へ変換し、プロファイル記憶部4へ格納する。変換後の出力は、振幅と位相を持つ複素の信号(遅延プロファイル)である。
つぎに、ループ判定部5は、sinc成分の除去処理の繰り返しループの終了条件を満たしているか否かを判定する。本実施の形態では、プロファイル記憶部4に格納された遅延プロファイルに対して後述のsinc成分の除去処理を所定の回数繰り返して実施する。ループ終了条件としては、たとえば、受信信号ごとに遅延プロファイルが格納された回数をカウントし、そのカウント値が所定の繰り返し回数を超えているか否かを終了条件とする。
ループ判定部5が繰り返しループの終了条件を満たしていないと判定した場合は、ピーク検出部6の処理にすすみ、繰り返しループの終了条件を満たしていると判定した場合は、しきい値判定部9の処理にすすむ。
ピーク検出部6は、プロファイル記憶部4に格納された遅延プロファイル(複素の信号)を読み出して、電力に変換し、変換した電力が最大となる位置をピーク位置として検出する。また、ピーク検出部6は、ピーク位置に対応する遅延プロファイル(複素の信号)に基づいて振幅および位相を求める。なお、ここでは、ピーク検出部6が、複素の信号を電力に変換するようにしたが、これに限らず、他の構成要素が複素の信号を電力に変換するようにしてもよい。
図3は、電力に変換された遅延プロファイルの一例を示す図である。図3の主波K1は、最も受信電力が大きい信号であり、先行波K2は主波K1より早く到来する信号であり、遅延波K3は主波K1より遅延して到来する信号である。このように、遅延プロファイルには、一般に複数の波が含まれるが、ピーク検出部6は、電力値の最大値となる位置を検出するため、ピーク位置は主波の受信タイミングである。また、ピーク検出部6が求める振幅および位相は主波の振幅および位相となる。
つぎに、sinc生成部7は、ピーク検出部6が求めた振幅および位相に基づいて主波のsinc成分を計算する。以下、本実施の形態のsinc成分の計算方法について述べる。矩形の信号をフーリエ変換するとsinc関数と呼ばれる関数となる。図4は、sinc関数の概念を示す図である。図4の左側に示すような周波数空間で矩形の形状となる信号をフーリエ変換すると図4の右側に示すようなsinc関数となる。遅延プロファイルには、このようなsinc関数が畳み込まれている。したがって、たとえば、本来ピーク位置だけに主波の電力が生じる場合でも、ピーク位置以外の位置にも主波の影響がでることになり、遅延プロファイルに歪みが生じる。本実施の形態では、ある信号にsinc関数が畳み込まれた信号をsinc成分と呼ぶこととする。
図5は、FFT帯域幅と信号帯域幅の一例を示す図である。図5に示すように、FFT帯域Wには、信号帯域Bと不使用帯域Nが含まれる。この場合のsinc成分は、FFT帯域幅をWとし、信号帯域幅をBとするとき、以下の式(1)に基づいて計算することができる。
なお、上記式(1)では、信号の中心周波数=0を仮定しており、また、連続波形h(t)(tは時間)を、離散時間n(nはサンプル番号)で表している。
また、信号帯域内に不使用帯域が存在する場合もある。図6は、信号帯域内に不使用帯域が存在する場合のFFT帯域幅と信号帯域幅の一例を示す図である。図6の例では、信号帯域幅Bのなかに不使用帯域Nが存在し、不使用帯域Nの左右に帯域幅B1と帯域幅B2が存在する。このような例で、時間領域の信号を求める場合、帯域幅B1と帯域幅B2の2つの信号について、それぞれ時間領域の信号を計算して、それらの時間領域の信号の和をとればよい。この際、各信号の中心周波数(図6の例では、中心周波数f1,f2)に応じて時間領域の信号に回転項を乗じる。したがって、Mを信号帯域中の帯域幅の個数とし、帯域幅Bkをk番目の帯域幅とし、fkをBkの中心周波数とするとき、sinc成分は以下の式(2)に基づいて計算することができる。fkとBkは、既知とし周波数情報としてsinc生成部7に入力されるとする。なお、周波数情報は、通信装置の汎用の記憶部等に記憶しておきsinc生成部7が読み出すようにしてもよいし、また、周波数情報としてsinc生成部7が保持するようにしてもよい。
sinc生成部7は、上記の式(2)に基づいてsinc成分を計算する。図7は、sinc生成部7の構成例を示す図である。図7に示すように、sinc生成部7は、sinc関数計算部11と正規化部12で構成される。sinc関数計算部11は、上述の式(2)に基づいてsinc関数を計算する。このとき、ピーク検出部6から出力されたピーク位置を上記式(2)のn=0の位置として計算する。したがって、計算されたsinc関数は、ピーク位置を最大値としピーク位置の両側に広がる形状となる。そして、sinc生成部7は、計算されたsinc関数のうちピーク位置に対応する値のみを“0”にしたsinc成分を生成する。すなわち、sinc成分は、ピーク位置は“0”となりピーク位置以外は上記式(2)のsinc関数の値となる。
また、上記式(2)では、振幅の最大値(n=0の振幅)がMになるよう規格化されている。したがって、主波のsinc成分を求めるためには、実際の受信信号の振幅に基づいて調整する必要がある。正規化部12は、この調整を行う。すなわち、正規化部12は、上記式(2)に基づいて計算されたsinc関数の振幅の最大値(n=0の振幅)が、ピーク検出部6から出力された振幅に一致するよう、式(2)のsinc成分を定数倍する。以上の処理により、主波に対するsinc成分を求めることができる。
また、sinc生成部7のsinc関数の計算にIFFT処理を用いるようにしてもよい。図8は、IFFT処理を用いる場合のsinc生成部7の構成例を示す図である。図8の例では、sinc生成部7は、IFFT部13と正規化部14で構成される。IFFT部13では、式(2)を用いずに、周波数空間で、sinc成分に対応する矩形信号(式(2)をFFT処理した信号)を生成し、その矩形信号をIFFT処理することにより、sinc成分を計算する。FFT処理(IFFT処理を含む)は、OFDM通信装置に必須の処理であるから、時間的に余裕があり装置内のFFT処理機能を流用できる通信装置であれば、IFFT部13としてそのFFT処理機能を用いることにより構成を簡略化することができる。
IFFT部13は、たとえば、図5,図6に示すような矩形信号を生成する。実際には、受信信号が存在する周波数に対応する値を“1”とし、その他の周波数に対応する値を“0”とすればよい。そして、IFFT部13は、このようにして生成した矩形信号にIFFT処理を行い、sinc成分を求める。正規化部14の処理は正規化部12の処理と同様である。
sinc生成部7がsinc成分を求めた後に、減算処理部8は、プロファイル記憶部4に格納された遅延プロファイルから、sinc生成部7が求めたsinc成分を減算する。以上の処理により、遅延プロファイルから主波に対するsinc成分が除去できる。そして、減算処理部8は、プロファイル記憶部4に格納されている値を減算結果(主波に対するsinc成分の除去された遅延プロファイル)に更新する(プロファイル記憶部4の格納されている遅延プロファイルを減算結果に入れ替える)。
受信信号は、図3に示すように、先行波,遅延波を含むマルチパス波であるため、上記のピーク検出部6の処理およびsinc生成部7の処理を、全てのマルチパス波に対して実施する。すなわち、まず、上述のように主波に対するsinc成分を除去した後に、ピーク検出部6は、更新された遅延プロファイル(主波に対するsinc成分の除去された遅延プロファイル)のうち、主波以外(初回のピーク検出部6の処理によってピーク位置として検出された位置以外の値)の最大値を検出してピーク位置とし、ピーク位置の振幅および位相を求め、sinc生成部7は、その振幅および位相に基づいてsinc成分を計算する。そして、sinc生成部7は、主波の場合と同様に振幅を調整して、調整後のsinc成分をプロファイル記憶部4に格納されている遅延プロファイルから減算して、プロファイル記憶部4に格納されている遅延プロファイルを減算結果に更新する。
以上のようにピーク検出部6の処理およびsinc生成部7の処理をマルチパスの数だけ繰り返し行う。この繰り返しのループの終了判定はループ判定部5が行う。なお、ピーク検出部6は、前回の繰り返しまでに検出されたピーク位置を全て記憶しておき、それらの位置以外の電力の最大値を検出する。したがって、初回のピーク検出部6の処理では、主波の到来位置が検出され、2回目のピーク検出部6の処理ではマルチパスのうち2番目に大きい波の到来位置が検出され、以降順次、繰り返しごとに3番目,4番目,…に大きい波の到来位置が検出されることになる。
図9は、ループ判定処理部5の構成例を示す図である。ループ判定部5は、ループ回数カウント部15と規定回数判定部16とスイッチ17とで構成される。ループ判定処理部5は、所定のループの回数だけsinc成分の除去処理をループさせる。たとえば、想定されるマルチパス数が3波であるなら、若干のマージンを入れて、ループの回数を5回に設定し、遅延プロファイルの更新を5回行うように制御する。
具体的には、ループ回数カウント部15は、ループの回数(たとえば、遅延プロファイルの書き込みを行った回数)をカウントする。そして、規定回数判定部16が、カウントされたループの回数が、設定されたループ回数に満たない場合には、スイッチ17をA側にして、ピーク検出部6の処理を実行する。そして、規定回数判定部16は、カウントされたループの回数が設定されたループ回数になったと判定した場合には、スイッチ17をB側にして、遅延プロファイルをしきい値判定部9に送出する。
しきい値判定部9は、sinc成分の除去された遅延プロファイルに基づいて、先行波の位置を検出する。具体的には、まず、しきい値判定部9は、sinc成分除去前の遅延プロファイルの電力の最大値(主波の電力)を基準として、それより小さな値をしきい値として設定する。どの程度小さな値に設定するかは、通信環境などを考慮してシステム毎に調整すればよい。主波より時間的に前に存在し、しきい値を超える信号の中で、時間的に最も早く到達する信号を先行波として検出して、その位置を先行波の受信タイミングとして出力する。
つづいて、本実施の形態の受信タイミングの検出方法を実際に適用した結果を示す。図10は、受信タイミングの検出方法を適用する伝送路のモデルを示す図である。図10に示すように、このモデルでは、主波K4の位置を“0”サンプルとし、主波K4の電力を0dBとして、先行波K5の位置を”−20”サンプルとし、先行波K5の電力を−10dBとする。
図11は、従来方式の先行波の受信タイミングの検出結果の一例を示す図である。図12は、本実施の形態の受信タイミング検出方法による先行波の受信タイミングの検出結果の一例を示す図である。図11および図12の例では、図10に示した伝送路モデルを仮定し、先行波の受信タイミングを求めた。なお、しきい値判定部9が用いるしきい値Sは主波から20dB小さな値に設定している。
図13は、従来方式の受信タイミング検出方法を実現するための通信装置の構成例を示す図である。図11の検出結果は、従来方式としては、図13に示すような構成例を仮定している。図13では、図1と同様の機能を有する構成要素は、図1と同一の番号を付している。図13に示すように、従来方式では、IFFT後の遅延プロファイル(sinc成分の除去を行っていない遅延プロファイル)を用いて、しきい値判定部9の処理を行っている。
図11、図12では、位置P1,P4は正しい主波の位置を示し、位置P2,P5は正しい先行波の位置を示し、位置P3は従来方式で検出した先行波の位置を示し、位置P6は本実施の形態の受信タイミング検出方法で検出した先行波の位置を示している。図11に示すように、従来方式では、先行波の受信タイムミングの検出位置である位置P3は“−30”サンプル付近となり、真の位置P2の“−20”サンプルに対して“10”サンプルの誤差が生じている。これに対し、図12に示すように、本実施の形態の受信タイミング検出方法では、P6とP5は一致し、正しく先行波の位置は正しい“−20”サンプルとなる。
なお、本実施の形態では、しきい値判定部9がしきい値を用いて受信タイミング(この例では先行波の位置)を求めるようにしたが、受信タイミングを求める方法は、これに限らず、本実施の形態のsinc成分の除去処理後の遅延プロファイルを用いて受信タイミングを求める方法であればどのような方法を用いてもよい。
このように、本実施の形態では、遅延プロファイルに対してsinc成分の除去処理を行い、sinc成分除去後の遅延プロファイルに基づいて先行波の受信タイミングを求めるようにした。このため、遅延プロファイルの歪みが低減でき、先行波の受信タイミングを精度良く検出することができる。
実施の形態2.
図14は、本発明にかかる受信タイミング検出方法を実現する通信装置のループ判定部5aの実施の形態2の構成例を示す図である。本実施の形態の通信装置の構成は、実施の形態1のループ判定部5をループ判定部5aに替える以外は実施の形態1と同様である。また、本実施の形態のループ判定部5a以外の処理は実施の形態1と同様である。以下、実施の形態1と異なる部分のみ説明する。
図14は、本発明にかかる受信タイミング検出方法を実現する通信装置のループ判定部5aの実施の形態2の構成例を示す図である。本実施の形態の通信装置の構成は、実施の形態1のループ判定部5をループ判定部5aに替える以外は実施の形態1と同様である。また、本実施の形態のループ判定部5a以外の処理は実施の形態1と同様である。以下、実施の形態1と異なる部分のみ説明する。
本実施の形態のループ判定部5aは、主波(希望波)に対する相対電力(D/U比)を求めるD(Desired Wave)/U(Undesired Wave)測定部18と、D/U比を所定のしきい値と比較するD/U比較部19と、スイッチ17と、で構成される。スイッチ17は、実施の形態1のスイッチ17と同様である。
実施の形態1のループ判定部5は、あらかじめ設定されたループの回数だけsinc成分の除去処理を繰り返すようにループの回数を行うように制御していた。この方法は、あらかじめマルチパス数が予想できる場合に適している。これに対し、本実施の形態のループ判定部5aは、ループの回数をあらかじめ設定せずに受信信号に基づいてループの終了を判定するため、マルチパス数が予想できない場合に適している。
主波に対して十分小さなマルチパス波であれば、そのマルチパス波のsinc成分が受信性能に与える影響が小さい。したがって、本実施の形態では、ある程度の大きさのマルチパス波に対してのみsinc除去を行う。本実施の形態では、電力の大きいマルチパス波から順にsinc成分の除去処理を行っているので、sinc成分の除去処理の対象となるマルチパス波の電力がある程度の大きさより小さくなった場合にループを終了することになる。
つづいて、本実施の形態のループ終了判定の動作について説明する。まず、D/U測定部18は、プロファイル記憶部4に格納された遅延プロファイルについて、主波に対する各信号のD/U比を求める。D/U比は、主波の電力を各信号の電力で除することによって求めることができる。主波の電力は、ピーク検出部6が求めた電力の最大値を用いればよいが、初回のループでは、ピーク検出部6の処理が未了であり電力の最大値は不定となる。このため、初回については、D/U測定部18が電力の最大値を求めて、その最大値を主波の電力として用いればよい。また、初回は必ずsinc成分の除去処理を行うこととし、初回については、D/U測定部18の処理およびD/U比較部19の処理を行わずに、D/U比較部19がスイッチをA側に設定してsinc成分の除去処理に進むようにしてもよい。
D/U比較部19は、D/U比を所定のしきい値と比較し、D/U比がしきい値より小さい場合(主波に対するマルチパス波の比率が所定の値より大きい場合)に、スイッチ17をA側に設定してsinc成分の除去処理に進むようにする。また、D/U比がしきい値以上の場合にスイッチ17をB側に設定して遅延プロファイルをしきい値判定部9に送出する。なお、D/U比較部19は、すでにsinc成分の除去処理が行われている波については除いてD/U比の比較を行う。すなわち、ピーク検出部6でピーク位置と検出された位置以外の信号点についてD/U比の比較を行う。
なお、本実施の形態では、D/U比を用いて、主波に対するマルチパス波の比率が所定の値より大きいか否かを、D/U比がしきい値より小さいか否かによって判定するようにしたが、D/U比の代わりに各信号を主波の電力で除して相対電力を求めるようにしてもよい。この場合、その相対電力が所定の値より大きい場合に、sinc成分の除去処理に進むようにし、所定の値より小さい場合にしきい値判定部9に遅延プロファイルを送出する。
なお、本実施の形態では、ループ回数をあらかじめ設定しないため、処理時間が予測できない。したがって、処理時間の制約がある場合には、あらかじめ最大ループ数を設定しておき、最大ループ数になった場合には、処理を終了するようにすればよい。
このように、本実施の形態では、D/U測定部18がD/U比を求め、D/U比較部19がD/U比がしきい値より小さいか否かを判定し、しきい値より小さい場合にはsinc成分の除去処理を行い、D/U比がしきい値以上となった場合にsinc成分の除去処理のループを終了して先行波の検出処理に進むようにした。このため、マルチパス波の数が不明の場合にも、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態3.
図15は、本発明にかかる受信タイミング検出方法を実現する通信装置の実施の形態3の構成例を示す図である。図15に示すように、本実施の形態の通信装置は、FFT部1と、伝送路推定部2と、受信タイミング検出部10と、検波部20と、タイミング制御部30と、で構成される。本実施の形態のFFT部1,伝送路推定部2,受信タイミング検出部10は、それぞれ実施の形態1のFFT部1,伝送路推定部2,受信タイミング検出部10と同様である。以下、実施の形態1と異なる部分のみ説明する。
図15は、本発明にかかる受信タイミング検出方法を実現する通信装置の実施の形態3の構成例を示す図である。図15に示すように、本実施の形態の通信装置は、FFT部1と、伝送路推定部2と、受信タイミング検出部10と、検波部20と、タイミング制御部30と、で構成される。本実施の形態のFFT部1,伝送路推定部2,受信タイミング検出部10は、それぞれ実施の形態1のFFT部1,伝送路推定部2,受信タイミング検出部10と同様である。以下、実施の形態1と異なる部分のみ説明する。
検波部20は、FFT部1の出力(受信信号を周波数領域に変換した信号)を同期検波し復調データとして出力する検波器である。タイミング制御部30は、FFT部1の動作タイミングを制御するタイミング制御器である。なお、タイミング制御部30は、FFT部1以外の構成要素の動作タイミングも制御するが、図では省略している。
OFDMでは、時間領域の受信信号の所定数のサンプルを1処理単位としてFFTを行う。この1処理単位の始点の位置は先行波の位置である。先行波の位置の算出誤差があると、FFT処理の処理開始タイミング(1処理単位の始点)に誤差が生じ、復調データの特性が劣化する。
本実施の形態では、受信タイミング検出部10が実施の形態1で述べたsinc成分の除去処理を行った後の遅延プロファイルを用いて先行波の位置を検出し、タイミング制御部30に入力する。そして、タイミング制御部30は、受信タイミング検出部10から出力された先行波の位置に基づいてFFT部1の動作タイミングを制御する。
なお、本実施の形態では、実施の形態1のタイミング制御部10を用いるようにしたが、これに限らず、受信タイミング検出部10のループ判定部5を実施の形態2のループ判定部5aに替え、実施の形態2の受信タイミング検出方法を実行するようにしてもよい。
このように、本実施の形態では、sinc成分を除去した遅延プロファイルを用いて先行波の位置を検出し、検出した位置に基づいてFFTの動作タイミングを制御するようにした。このため、従来に比べ受信特性を向上させることができる。
なお、タイミング制御部30が、受信タイミング検出部10の出力を、所定の時間分だけ平均化するようにしてもよい。この場合、タイミング制御部30は、平均化した先行波の検出位置を使用して、FFT部1の動作タイミングを制御する。このため、雑音などにより先行波の検出位置が揺らいでも、正しくFFT部1の動作タイミングを得ることができ、より受信特性を向上させることができる。
以上のように、本発明にかかる受信タイミング検出方法および通信装置は、無線通信システムに有用であり、特に、OFDM方式を採用する無線通信システムに適している。
1 FFT部
2 伝送路推定部
3 IFFT部
4 プロファイル記憶部
5,5a ループ判定部
6 ピーク検出部
7 sinc生成部
8 減算処理部
9 しきい値判定部
10 受信タイミング検出部
11 sinc関数計算部
12,14 正規化部
13 IFFT部
15 ループ回数カウント部
16 規定回数判定部
17 スイッチ
18 D/U測定部
19 D/U比較部
20 検波部
30 タイミング制御部
2 伝送路推定部
3 IFFT部
4 プロファイル記憶部
5,5a ループ判定部
6 ピーク検出部
7 sinc生成部
8 減算処理部
9 しきい値判定部
10 受信タイミング検出部
11 sinc関数計算部
12,14 正規化部
13 IFFT部
15 ループ回数カウント部
16 規定回数判定部
17 スイッチ
18 D/U測定部
19 D/U比較部
20 検波部
30 タイミング制御部
Claims (11)
- 受信信号を周波数領域に変換した周波数領域信号に基づいて遅延プロファイルを求め、遅延プロファイルに基づいて受信タイミングを検出する受信タイミング検出方法であって、
遅延プロファイルの各点の電力を算出し、前記電力が最大となる位置をピーク位置として求めるピーク検出ステップと、
前記周波数領域信号を時間領域に変換する際にsinc関数が畳み込まれることによって生じる誤差成分であるsinc成分を前記ピーク位置と所定の周波数情報に基づいて計算するsinc成分生成ステップと、
前記sinc成分を遅延プロファイルから減算する減算ステップと、
前記減算結果に基づいて受信タイミングを検出する受信タイミング検出ステップと、
を含むことを特徴とする受信タイミング検出方法。 - 前記周波数情報に受信信号の使用帯域幅を含むことを特徴とする請求項1に記載の受信タイミング検出方法。
- 前記sinc成分生成ステップでは、前記sinc成分を、前記使用帯域幅を含む所定の計算式で算出することを特徴とする請求項2に記載の受信タイミング検出方法。
- 前記sinc成分生成ステップでは、前記sinc成分を、前記使用帯域幅を周波数領域で表した矩形関数を逆高速フーリエ変換することにより算出することを特徴とする請求項2に記載の受信タイミング検出方法。
- 前記ピーク検出ステップで検出されたピーク位置を記憶するピーク位置記憶ステップと、
前記遅延プロファイルを前記減算ステップの減算結果に書き換えることにより遅延プロファイルを更新する遅延プロファイル更新ステップと、
をさらに含み、
前記ピーク検出ステップでは、前記ピーク位置記憶ステップで記憶したピーク位置を除いて前記電力が最大となる位置をピーク位置として求め、
前記ピーク検出ステップ、前記ピーク位置記憶ステップ、前記sinc成分生成ステップ、前記減算ステップおよび前記遅延プロファイル更新ステップを1組とするsinc成分除去処理を繰り返した後に前記受信タイミング検出ステップを実行することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の受信タイミング検出方法。 - 前記sinc成分除去処理の繰り返しの回数をあらかじめ定めた回数とすることを特徴とする請求項5に記載の受信タイミング検出方法。
- 初回の繰り返し処理で前記ピーク検出ステップが検出したピーク位置の電力を最大値として記憶する最大値記憶ステップと、
前記ピーク位置記憶ステップで記憶したピーク位置を除いて、遅延プロファイルの各点の前記最大値に対する電力比を求める電力比率算出ステップと、
をさらに含み、
前記電力比が所定のしきい値より小さい場合に、前記sinc成分除去処理の繰り返しを終了することを特徴とする請求項5に記載の受信タイミング検出方法。 - 前記成分除去処理の繰り返しの回数をあらかじめ定めた最大回数とし、
遅延プロファイルの電力の最大値を求め、前記最大値に対する各点の電力が所定の比率より小さい場合に、前記sinc成分除去処理の繰り返しを終了することを特徴とする請求項5に記載の受信タイミング検出方法。 - 受信信号を周波数領域に変換した周波数領域信号に基づいて遅延プロファイルを求め、遅延プロファイルに基づいて受信タイミングを検出する通信装置であって、
遅延プロファイルの各点の電力を算出し、前記電力が最大となる位置をピーク位置として求めるピーク検出手段と、
前記周波数領域信号を時間領域に変換する際にsinc関数が畳み込まれることによって生じる誤差成分であるsinc成分を前記ピーク位置と所定の周波数情報に基づいて計算するsinc成分生成手段と、
前記sinc成分を遅延プロファイルから減算する減算手段と、
前記減算結果に基づいて受信タイミングを検出する受信タイミング検出手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。 - 前記受信タイミング検出手段が検出した受信タイミングに基づいて受信信号の高速フーリエ変換処理の動作タイミングを制御することを特徴とする請求項9に記載の通信装置。
- 前記受信タイミング検出手段が検出した受信タイミングを所定の時間分平均化し、前記平均化した受信タイミングに基づいて高速フーリエ変換処理の動作タイミングを制御することを特徴とする請求項9に記載の通信装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008111557A JP2009267512A (ja) | 2008-04-22 | 2008-04-22 | 受信タイミング検出方法および通信装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008111557A JP2009267512A (ja) | 2008-04-22 | 2008-04-22 | 受信タイミング検出方法および通信装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009267512A true JP2009267512A (ja) | 2009-11-12 |
Family
ID=41392855
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008111557A Pending JP2009267512A (ja) | 2008-04-22 | 2008-04-22 | 受信タイミング検出方法および通信装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009267512A (ja) |
-
2008
- 2008-04-22 JP JP2008111557A patent/JP2009267512A/ja active Pending
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