JP2009265177A - 画像形成装置およびイナーシャ調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単に実施可能であり、感光体ドラムの回転ムラの発生を防いで、高精度の画像を得ることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、回転可能な像担持体71を駆動させる駆動伝達系8と、像担持体71の回転状態に関するデータを検出する回転状態検出部32と、像担持体71の回転速度を制御する回転速度制御部31aと、回転状態検出部32により検出された回転状態に関するデータに基づいて、回転精度情報を算出する回転精度解析部31bと、像担持体71のイナーシャを変化させるイナーシャ調整部50とを備え、回転精度解析部31bは、回転速度制御部31aに像担持体71の回転速度を所定の範囲において変化させ、回転状態検出部32に像担持体71の回転速度が変化している間の回転状態に関するデータを検出させ、回転速度が変化している間の回転状態に関するデータに基づいて回転精度情報を算出する。
【選択図】図10

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、及びこれらの複合機等の電子写真方式を利用した画像形成装置に関する。
画像形成装置は、感光体ドラム等の回転体を有しており、通常これら回転体の回転速度は制御されている。感光体ドラムの回転速度が均一でない場合、すなわち回転ムラ等が生じている場合は、高精度の画像を得ることは困難である。
回転ムラが生じる原因としては、歯車(ギヤ)の噛み合い、モータのコギング、駆動軸の偏心等による振動が考えられる。また、これらの振動が回転体や歯車箱(ギヤケース)の固有振動数と共振した場合には、さらに大きな振動が発生し、より大きな回転ムラの発生や機械自体の破損の原因となる。
そこで、これらの振動を抑制するための方法が種々提案されている。例えば、特許文献1には、駆動伝達系のイナーシャを自動調整するイナーシャ自動調整装置が記載されている。この装置は、まず、駆動伝達系の周波数応答特性を求め、この特性から駆動伝達系の固有振動数を算出する。そして、算出した固有振動数が、駆動伝達系を構成する軸およびギヤの回転数、ギヤ間の噛み合い周波数等の加振源の周波数と重ならないようにイナーシャを自動調整する。
また、特許文献2には、駆動系の剛性および駆動軸の慣性モーメントから決定される固有振動数と、伝達機構部で発生する回転速度に依存した外乱周波数とを一致させることで振動を吸収する駆動伝達装置が記載されている。
特許文献1および特許文献2に記載の発明を用いることで、画像形成装置において振動の発生が抑制され、回転ムラの発生が減少し、高精度の画像を得ることができる。
特開平8−115041号公報 特開2002−272156号公報
しかし、上述の特許文献1および特許文献2に記載の発明を実現するためには、複雑なシミュレーションモデルや計算式の作成が必要であり、これらの作業に手間がかかり、容易に実施できないという問題があった。また、正確性を確保するためには、実験とこれらシミュレーションモデルや計算式とのすり合わせが不可欠であり、さらに必要な作業が増加する。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、簡単に実施可能であり、感光体ドラムの回転ムラの発生を防いで、高精度の画像を得ることができる画像形成装置を提供することである。
本発明の一態様に係る画像形成装置は、回転可能な像担持体を駆動させる駆動伝達系と、前記像担持体の回転状態に関するデータを検出する回転状態検出部と、前記像担持体の回転速度を制御する回転速度制御部と、前記回転状態検出部により検出された回転状態に関するデータに基づいて、回転精度情報を算出する回転精度解析部と、前記像担持体のイナーシャを変化させるイナーシャ調整部とを備え、前記回転精度解析部は、前記回転速度制御部に前記像担持体の回転速度を所定の範囲において変化させ、前記回転状態検出部に前記像担持体の回転速度が変化している間の回転状態に関するデータを検出させ、前記回転速度が変化している間の回転状態に関するデータに基づいて回転精度情報を算出する。なお、回転状態が良好とは高精度の画像が形成され得る回転状態をいい、回転状態が不良とは形成された画像の精度が低い回転状態をいう。このような、回転状態の良否は、例えば回転ムラの値により判断することができる。また、回転精度情報とは、像担持体の回転状態を把握するための各種パラメータであり、例えば回転ムラおよび回転速度と回転ムラとの関係等である。
これにより、像担持体の回転速度と回転ムラとの関係を求めることができる。また、検出された回転状態に関するデータに基づいて、より具体的なパラメータの算出またはそれらパラメータ同士の関係等を解析することができるので、より正確に像担持体の回転状態を分析することができる。なお、イナーシャ調整部を有することから、像担持体のイナーシャを調整することができる。
また、上述の画像形成装置において、前記回転精度解析部は、算出した前記回転精度情報に基づいて、前記回転状態が良好な第1回転速度帯と、前記回転状態が不良な第2回転速度帯との別を特定し、前記イナーシャ調整部によりイナーシャを変化させて、前記第1回転速度帯および前記第2回転速度帯を変化させることが可能であることが好ましい。
これにより、像担持体の回転状態を分析することができ、それに応じて像担持体のイナーシャを変化させることができるため、その不具合を改善することができる。したがって、像担持体における回転ムラ等の回転状態の不具合を生じにくくし、回転状態を良好な状態に保つことができるので、高精度の画像を得ることができる。
本発明の他の一態様に係る画像形成装置は、回転可能な像担持体を駆動させる駆動伝達系と、前記像担持体の回転状態に関するデータを検出する回転状態検出部と、前記像担持体の回転速度を制御する回転速度制御部と、前記像担持体の回転状態の良否に関する表示を行う表示部と、前記像担持体のイナーシャを変化させるイナーシャ調整部とを備え、前記表示部は少なくとも、前記回転状態が良好な第1回転速度帯と、前記回転状態が不良な第2回転速度帯との別を表示するものであり、前記イナーシャ調整部を調整することで、前記第1回転速度帯および前記第2回転速度帯を変化させることが可能である。なお、回転状態が良好とは高精度の画像が形成され得る回転状態をいい、回転状態が不良とは形成された画像の精度が低い回転状態をいう。このような、回転状態の良否は、例えば回転ムラの値により判断することができる。
これにより、回転ムラが生じる等、像担持体の回転状態に不具合が生じた場合に、操作者は視覚によりそのことを認識することができる。さらに、像担持体のイナーシャを変化させることができるため、その不具合を改善することができる。したがって、像担持体における回転ムラ等の回転状態の不具合を生じにくくし、回転状態を良好な状態に保つことができるので、高精度の画像を得ることができる。
また、上述の画像形成装置は、前記回転状態検出部により検出された回転状態に関するデータに基づいて、回転精度情報を算出する回転精度解析部を備えていることが好ましい。なお、回転精度情報とは、像担持体の回転状態を把握するための各種パラメータであり、例えば回転ムラおよび回転速度と回転ムラとの関係等である。
このように、検出された回転状態に関するデータに基づいて、より具体的なパラメータの算出またはそれらパラメータ同士の関係等をさらに解析することができるので、より正確に像担持体の回転状態を分析することができる。それにより、像担持体における回転ムラ等の回転状態の不具合を生じにくくし、回転状態を良好な状態に保つことができるので、高精度の画像を得ることができる。
また、上述の画像形成装置は、前記回転精度解析部により算出された、以前の回転精度情報を記憶する記憶部を備え、前記回転精度解析部は、前記回転精度情報を算出する際に、前記記憶部に記憶されている前記以前の回転精度情報を利用することが好ましい。
これにより、さらに有効な回転精度情報を算出できる。例えば、回転ムラの初期値を基準とした現時点での回転ムラの値等を算出することができるため、回転ムラの評価を行いやすい。
また、上述の画像形成装置において、前記回転精度解析部は、前記回転速度制御部に前記像担持体の回転速度を所定の範囲において変化させ、前記回転状態検出部に前記像担持体の回転速度が変化している間の回転状態に関するデータを検出させ、前記回転速度が変化している間の回転状態に関するデータに基づいて、回転精度情報を算出し、前記第1回転速度帯と前記第2回転速度帯との別を特定することが好ましい。
これにより、像担持体の回転速度と回転ムラとの関係を求めることができる。さらに、その関係より第1回転速度帯と第2回転速度帯との別を特定することができる。したがって、像担持体が良好な回転状態となるための回転速度を算出できる。さらに、イナーシャを調整することも可能であることから、回転ムラの発生を確実に抑え、良好な回転状態を確保することができる。
また、上述の画像形成装置において、前記像担持体は、複数の感光体ドラムであって、 前記回転精度解析部は、前記すべての感光体ドラムの回転精度情報に基づいて前記第1回転速度帯と前記第2回転速度帯との別を特定することが好ましい。
これにより、複数の感光体ドラムすべての回転速度と回転ムラとの関係により最適の回転速度を求めることができ、イナーシャを調整することも可能であることから、回転ムラの発生をより確実に抑え、良好な回転状態を確保することができる。
また、上述の画像形成装置において、前記回転精度解析部は、前記複数の感光体ドラムの内、最も回転状態が悪い感光体ドラムの回転精度情報に基づいて前記第1回転速度帯と前記第2回転速度帯との別を特定することが好ましい。
これにより、感光体ドラムの回転ムラをより確実に抑えることができる。
また、上述の画像形成装置において、前記回転精度解析部は、前記回転精度解析部は、前記第1回転速度帯が存在しないと判定したときに、エラー信号を発生することが好ましい。
これにより、操作者は、像担持体の回転速度を変更しても、回転状態が改善することがないことを認識できる。そのため、操作者は、イナーシャ調製が必要であることを的確に認識することができる。
また、上述の画像形成装置において、前記イナーシャ調整部は、前記像担持体の回転軸と一体回転する中心部材を有するように、前記回転軸の軸端部に設置され、前記中心部材からの距離を変更可能とされた錘体を備え、前記錘体と前記回転軸との距離が変化することで、前記像担持体のイナーシャを変化させることが好ましい。
これにより、像担持体のイナーシャを容易に変化させることができる。
また、上述の画像形成装置において、前記イナーシャ調整部は、前記錘体の位置を変更させる錘体駆動部を備え、前記回転精度解析部は、前記第1回転速度帯が存在しないと判定したときに、前記錘体駆動部に前記錘体の位置を変更させることが好ましい。
これにより、操作者がイナーシャ調整を行わずとも、必要な場合に、イナーシャ調整が自動で行われる。したがって、回転ムラの発生を確実に抑え、良好な回転状態を確保することができる。
また、本発明の他の一態様に係るイナーシャ調整装置は、回転可能な像担持体の回転軸の軸端部に設置され、前記回転軸と一体に設置された巻き付け軸と、前記巻き付け軸と一端が連結されたワイヤと、前記ワイヤの他端と連結され、前記巻き付け軸からの距離を変更可能に設置された錘体とを備え、前記ワイヤは、前記巻き付け軸を回転させることで、前記巻き付け軸に巻回または巻き付け軸から展開され、前記巻き付け軸の回転により、前記巻き付け軸に巻き付いている前記ワイヤの長さを変化させることで、前記巻き付け軸と前記錘体との距離を変更し、前記像担持体のイナーシャを変化させる。
これにより、像担持体のイナーシャを容易に変化させることができるイナーシャ調整部を実現できる。また、このような構成にしたことで、人為的にイナーシャの調整を行うだけでなく、巻き付け軸の回転を制御することで、自動でイナーシャの調製を行うことも可能である。
本発明によれば、簡単に実施可能であり、感光体ドラムの回転ムラの発生を防いで、高精度の画像を得ることができる画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明に係る実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の一例であるタンデム方式のカラープリンタの全体構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係るカラープリンタの全体構成を示した概略断面図である。また、図2は、本発明の実施の形態1に係るカラープリンタの画像形成部周辺の構成を示した要部拡大図である。
図1に示すように、カラープリンタ1は箱型の機器本体1aを備えている。機器本体1aの内部には、用紙Pを給紙する給紙部2と、この給紙部2から給紙された用紙Pを搬送しながら当該用紙Pに画像を転写する画像形成部3と、この画像形成部3で用紙Pに転写された画像に対して定着処理を施す定着部4とが設置されている。また、機器本体1aの上面には、定着部4で定着処理の施された用紙Pが排紙される排紙部5が設置されている。
給紙部2は、各サイズの用紙Pを貯留するための給紙カセット21と、給紙カセット21に貯留されている用紙Pを1枚ずつ取り出すためのピックアップローラ22と、ピックアップローラ22によって取り出された用紙Pを用紙搬送路に送り出すための給紙ローラ23、24および25と、給紙ローラ23、24および25によって用紙搬送路に送り出された用紙Pを一時待機させた後、所定のタイミングで画像形成部3に供給するためのレジストローラ26と、機器本体1aの図1に示す右側面に取り付けられる手差しトレイ(図示せず)に載置された用紙Pを取り出すためのピックアップローラ27とを備えている。
なお、給紙カセット21は、機器本体1aから挿脱可能に設けられている。また、ピックアップローラ22は、給紙カセット21の図1に示す右上方位置に設けられている。また、ピックアップローラ27によって手差しトレイから取り出された用紙Pは、給紙ローラ23、25によって用紙搬送路に送り出され、レジストローラ26によって、所定のタイミングで画像形成部3に供給される。
画像形成部3は、画像形成ユニット7と、この画像形成ユニット7によってその表面(接触面)にトナー像が1次転写される中間転写ベルト11と、この中間転写ベルト11上のトナー像を給紙部2から送られてきた用紙Pに2次転写させるための2次転写ローラ12とを備えている。
画像形成ユニット7は、上流側(図1では左側)から下流側に向けて順次配設されたブラック用ユニット7Kと、イエロー用ユニット7Yと、シアン用ユニット7Cと、マゼンタ用ユニット7Mとを備えている。各ユニット7K、7Y、7Cおよび7Mの中央位置には、像担持体としての各感光体ドラム71が矢符(反時計回り)方向に回転可能に配置されている。そして、各感光体ドラム71の周囲には、帯電器75、露光装置76、現像装置72、クリーニング装置73および除電器74が回転方向上流側から順に各々配置されている。
帯電器75は、感光体ドラム71の周面を均一に帯電させるものであり、例えば、スコロトロン帯電器等とすればよい。また、露光装置76は、いわゆるレーザ走査ユニットである。露光装置76は、帯電器75によって均一に帯電された感光体ドラム71の周面に、画像読取装置等から入力された画像データに基づくレーザ光を照射し、感光体ドラム71上に画像データに基づく静電潜像を形成する。また、現像装置72は、静電潜像が形成された感光体ドラム71の周面にトナーを供給することで、画像データに基づくトナー像を形成させる。このトナー像は中間転写ベルト11に1次転写される。また、クリーニング装置73は、中間転写ベルト11へのトナー像の1次転写が終了した後、感光体ドラム71の周面に残留しているトナーを清掃する。除電器74は、1次転写が終了した後、感光体ドラム71の周面を除電する。なお、クリーニング装置73および除電器74によって清浄化処理された感光体ドラム71の周面は、新たな帯電処理のために帯電器75へ向かい、新たな1次転写が行われる。
中間転写ベルト11は、無端状のベルト状回転体であって、表面(接触面)側が各感光体ドラム71の周面にそれぞれ当接するように駆動ローラ13、ベルト支持ローラ14、バックアップローラ15および一次転写ローラ16等の複数のローラに架け渡されている。また、中間転写ベルト11は、各感光体ドラム71と対向配置された一次転写ローラ16によって感光体ドラム71に押圧された状態で、前記複数のローラによって無端回転するように構成されている。
駆動ローラ13は、ステッピングモータ等の駆動源18によって回転駆動し、中間転写ベルト11を無端回転させるための駆動力を与えるものであり、駆動ローラ13は、表面にウレタンゴム等からなる弾性体層を有するローラであることが好ましい。そうすることによって、中間転写ベルト11と駆動ローラ13との間の滑りを抑え、駆動力伝達性を高め、中間転写ベルト11を回転駆動させやすい。
ベルト支持ローラ14、バックアップローラ15および一次転写ローラ16は回転自在に設けられている。これらは、駆動ローラ13による中間転写ベルト11の無端回転に伴って回転する従動ローラである。ベルト支持ローラ14、バックアップローラ15および一次転写ローラ16は、駆動ローラ13の主動回転に応じて中間転写ベルト11を介して従動回転するとともに、中間転写ベルト11を支持している。
また、1次転写ローラ16は、1次転写バイアス(トナーの帯電極性とは逆極性)を中間転写ベルト11に印加する。それにより、各感光体ドラム71上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム71と1次転写ローラ16との間で、駆動ローラ13の駆動により矢符(時計回り)方向に周回する中間転写ベルト11に重ね塗り状態で順次転写(1次転写)される。
また、従動ローラ14の図2における左上位置には、クリーニングブラシ17が設けられており、用紙Pへのトナー像の転写処理後の中間転写ベルト11の表面に残留しているトナーが、このクリーニングブラシ17によって取り除かれ、これによって清浄化した中間転写ベルト11が感光体ドラム71へ供給されるようになっている。 定着部4は、画像転写部3で用紙Pに転写された転写画像に定着処理を施すものであり、通電発熱体により加熱される加熱ローラ41と、この加熱ローラ41に対向配置され、周面が加熱ローラ41の周面に押圧当接される加圧ローラ42とを備えている。
2次転写ローラ12は、トナー像と逆極性の2次転写バイアスを用紙Pに印加する。そうすることによって、中間転写ベルト11上に1次転写されたトナー像は、2次転写ローラ12とバックアップローラ15との間で用紙Pに転写され、これによって、用紙Pにカラーの転写画像が形成される。
定着部4は、画像形成部3で用紙Pに転写された転写画像に定着処理を施すものであり、通電発熱体により加熱される加熱ローラ41と、この加熱ローラ41に対向配置され、周面が加熱ローラ41の周面に押圧当接される加圧ローラ42とを備えている。用紙Pに転写された転写画像は、当該用紙Pが加熱ローラ41と加圧ローラ42との間を通過する際の加熱による定着処理で用紙Pに定着される。そして、定着処理の施された用紙Pは、排紙部5へ排紙されるようになっている。また、定着部4と排紙部5との間の適所に搬送ローラ6が配設されている。
次に、カラープリンタ1における感光体ドラム(像担持体)71の回転制御機構について説明する。図3は本発明の実施の形態1に係るカラープリンタの感光体ドラムの駆動伝達系およびイナーシャ調整部を説明するための斜視図である。まず感光体ドラムの駆動伝達系およびイナーシャ調整部の構成について説明する。図3に示すように、駆動伝達系8は、モータ81、駆動ギヤ82および従動ギヤ83を備えて構成される。モータ81、駆動ギヤ82および従動ギヤ83は感光体ドラム71のそれぞれに対応しており、4つずつ設置されている。駆動ギヤ82が駆動することで、モータ81の駆動軸に設置された駆動ギヤ82が回転する。駆動ギヤ82は感光体ドラム71の一端に設置された従動ギヤ83と噛み合わされている。したがって、駆動ギヤ82が回転することで従動ギヤ83は連動し、感光体ドラム71も回転する。また、各感光体ドラム71の軸端部にはイナーシャ調整部50が設置されている。イナーシャ調整部50は、感光体ドラム71が回転すると一体となって回転する。イナーシャ調整部50は、具体的には、感光体ドラム71のイナーシャ(慣性)を変化させる働きをする。感光体ドラム71が回転する際に、回転ムラが生じる可能性があり、それにより画像形成の精度が低下する可能性がある。回転ムラが発生する原因としては、例えば、ギヤの噛み合い、モータのコギング、偏心および固有振動等が挙げられる。ここで、固有振動数を変化させるためには、イナーシャを変化させればよい。したがって、固有振動により回転ムラが発生している場合は、速度を変化させずとも、感光体ドラム71のイナーシャを変更することで、回転ムラの発生を抑制することができる。
次に、イナーシャ調整部50の構成について図4〜図6を用いて説明する。図4は本発明の実施の形態1に係るイナーシャ調整部の構成を示す正面図である。また、図5は本発明の実施の形態1に係るイナーシャ調整部の回転時の状態を示す正面図である。また、図6は本発明の実施の形態1に係るイナーシャ調整部において、錘体の位置を変更した場合の構成を示す正面図である。なお、図4〜図6において、紙面垂直方向が感光体ドラム71の回転軸方向であり、イナーシャ調整部50の回転軸方向でもある。イナーシャ調整部50は、図3に示すように感光体ドラム71の軸端部に設置されている。図4に示すように、イナーシャ調整部50は、錘体51と、錘体51の移動方向をガイドするレール52と、円盤状の基台53と、錘体51との移動位置を限定するための環状の錘体ストッパ54と、固定用ビス56と、回転軸である中心部材57とを備え、基台53には、錘体ストッパ54を基台53に固定するためのビス穴55が形成されている。
錘体51は所定の重さを有していて、錘体51の位置に応じて感光体ドラム71のイナーシャは変化する。具体的には、錘体51と中心部材57との距離が変化することでイナーシャは変化する。レール52は、錘体51をガイドしている。錘体51には貫通孔が形成され、その貫通孔にレール52が通っている構成とすればよい。レール52は基台53の中心付近から基台53の径方向に伸びるように配置されているため、錘体51は基台53の径方向にのみ移動可能である。錘体ストッパ54は錘体51の移動範囲を限定するものである。すなわち錘体ストッパ54が設置されていることで、錘体51は錘体ストッパ54の外周側に移動することはできない。錘体ストッパ54には孔が設けられていて、この孔と基台53に形成されたビス孔55とを合わせて両者に固定用ビス56を嵌め込むことで、錘体ストッパ54が基台53に固定される。また、ビス孔55は径方向に複数形成されていて、径の異なる錘体ストッパ54をそれぞれ基台53に固定できるようになっている。また、中心部材57は感光体ドラム71の回転軸と一体回転するように設置されている。それにより、感光体ドラムが回転することでイナーシャ調整部50も回転する。
このような、イナーシャ調整部50が、感光体ドラム71と一体となって回転した場合は、図5に示すように、レール52に沿って可動である錘体51は遠心力により、基台53の円周側へと移動する。そして、錘体ストッパ54の内周部と接触するため、それ以上は移動できない。このように、感光体ドラム71の回転時には、錘体51は錘体ストッパ54の内周部と接した位置で固定されることになり、錘体51と中心部材57との距離が一定に保たれる。したがって、イナーシャの値は一定である。また、イナーシャを変更する場合には、図6に示すように、錘体ストッパ54の代わりに、径の異なる錘体ストッパ54aを基台53に固定すればよい。錘体ストッパ54aの固定は、錘体ストッパ54と同様に基台53に形成されたビス孔55と錘体ストッパ54aに形成された孔とを合わせて両者に固定用ビス56を嵌め込めばよい。これにより、錘体ストッパ54が基台53に固定される。図6の場合は、図5に示す場合よりも、錘体51と中心部材57との距離が大きくなる。これにより、錘体ストッパ54(図5参照)を用いた場合のイナーシャと異なるイナーシャを得ることができる。
このような、イナーシャ調整部50において、バランスがよくなるため、錘体51およびレール52の数は多いほど好ましい。また、このイナーシャ調整部50は、錘体ストッパ54を取り替えるだけで容易に、すべての錘体51の位置を錘体ストッパ54の内周部と接する位置に変更できるため、容易に正確にイナーシャを変更できるという効果を奏する。
さらに、上記イナーシャ調整部50以外の構成であり、感光体ドラム71のイナーシャを変更することができる他のイナーシャ調整部50aおよび50bについて説明する。図3に示すように、これらイナーシャ調整部50aまたは50bをイナーシャ調整部50の代わりに感光体ドラム71の軸端部に設置し、感光体ドラム71とイナーシャ調整部50aまたは50bとを一体で回転可能とすればよい。
まず、イナーシャ調整部50aについて図7および図8を用いて説明する。図7は本発明の実施の形態1に係る他のイナーシャ調整部の構成を示す正面図である。また、図8は本発明の実施の形態1に係る他のイナーシャ調整部の溝部分の拡大図であって、図8(A)は錘体が固定された状態を示す図であり、図8(B)は錘体の位置を変更中の状態を示す図である。なお、図7および図8において、紙面垂直方向が感光体ドラム71の回転軸方向であり、イナーシャ調整部50aの回転軸方向でもある。イナーシャ調整部50は、図3に示すように感光体ドラム71の軸端部に設置されている。図7に示すように、イナーシャ調整部50aは、錘体61と、錘体61の移動方向をガイドする溝62が形成された円盤状の基台63と、回転軸である中心部材65とを備えている。また、錘体61は、錘体61の位置を規定するためのつっぱり部64を備えている。つっぱり部64は溝62内を移動するため、溝62が錘体61をガイドしている。つっぱり部64は、対向配置された一対の板状体64aと、一対の板状体64a間に設置された、例えばつるまきバネである弾性体64bとを備えている。つっぱり部64において、一対の板状体64aは、弾性体64bにより一定の距離を保っており、一対の板状体64aをくっつけようとしても、離れようとする力が働く。
溝62は基台63の中心付近から基台63の径方向に伸びるように形成されている。溝62は、基台63の上面において、基台63の径方向に対して垂直方向の長さ(幅)が周期的に変更されている。具体的には、溝62は、交互に形成された、幅の広い幅広部62aと幅の狭い幅狭部62bとにより形成されている。つっぱり部64は、この溝62内に位置しており、錘体61は溝62に沿って移動可能であるため、錘体61は基台63の径方向にのみ移動可能である。錘体61は所定の重さを有していて、錘体61の位置に応じて感光体ドラム71のイナーシャは変化する。また、中心部材65は感光体ドラム71の回転軸と一体回転するように設置されている。それにより、感光体ドラムが回転することでイナーシャ調整部50aも回転する。
図8(A)および図8(B)に示すように、弾性体64bにより板状体64aはそれぞれ幅広部62aおよび幅狭部62bの内壁面を押している。図8(A)に示すように、錘体61のつっぱり部64が溝62の幅広部62aに位置している場合は、板状体64aが幅広部62aの内壁面を押している状態であるため、幅広部62aに引っかかって錘体61は移動しない。錘体61を移動させる場合は、図8(B)に示すように操作者がつっぱり部64の一対の板状体64aを接近させて、つっぱり部64の幅を幅狭部62bの幅よりも小さくして、つっぱり部64を幅狭部62bに嵌めればよい。つっぱり部64が幅狭部62bに嵌れば、板状体64aが幅狭部62bの内壁面を押しているが、引っかかることはない。したがって、つっぱり部64は幅狭部62b内を移動可能である。このように、錘体61は、つっぱり部64が各幅広部62a位置することで固定され、かつ移動させたい場合には基台63の径方向に移動させることも可能である。
上述のように、イナーシャ調整部50aは、つっぱり部64を操作することで、錘体61の位置を変更できる上、固定とすることもでき、容易に正確にイナーシャを変更できるという効果を奏する。なお、バランスがよくなるため、錘体61および溝62の数は多いほど好ましい。
次に、イナーシャ調整部50bについて図9を用いて説明する。図9は本発明の実施の形態1に係るさらに他のイナーシャ調整部の構成を示す正面図である。なお、図9において、紙面垂直方向が感光体ドラム71の回転軸方向であり、イナーシャ調整部50bの回転軸方向でもある。イナーシャ調整部50bは、図3に示すように感光体ドラム71の軸端部に設置されている。図9に示すように、イナーシャ調整部50bは、錘体66と、錘体66を挟むように設置された2つのナット66aと、錘体66の移動方向をガイドするネジきりされたボルト67と、円盤状の基台68と、回転軸である中心部材69とを備えている。なお、ナット66aは、ボルト67に係合されるようにネジきりされている。
ボルト67は錘体66をガイドしている。例えば、錘体66には貫通孔が形成され、その貫通孔にボルト67が通っている構成とすればよい。ボルト67は基台68の中心付近から基台68の径方向に伸びるように配置されているため、錘体66は基台68の径方向にのみ移動可能である。2つのナット66aはそれぞれボルト67と組み合わされ、錘体66を挟んでいる。錘体66はボルト67に沿って移動することは可能であるので、錘体66をボルト67上の所望の位置とし、錘体66を挟むように、各ナット66aを締め付けることで、錘体66の位置は固定される。錘体66は所定の重さを有していて、錘体66の位置に応じて感光体ドラム71のイナーシャは変化する。また、中心部材69は感光体ドラム71の回転軸と一体回転するように設置されている。それにより、感光体ドラムが回転することでイナーシャ調整部50bも回転する。
上述のように、イナーシャ調整部50は、錘体66は基台68の径方向に移動可能であり、ナット66aにより所望の位置に固定することが可能である。したがって、容易に正確にイナーシャを変更できるという効果を奏する。なお、バランスがよくなるため、錘体66およびボルト67の数は多いほど好ましい。
次に、カラープリンタ1の電気的な構成、特に感光体ドラム71の回転制御機構に関する構成について説明する。また、図10は本発明の実施の形態1に係るカラープリンタの回転速度の制御を説明するためのブロック図である。図10において、カラープリンタ1は、感光体ドラム71と、駆動伝達系8と、イナーシャ調整部50(50a、50b)と、制御部31と、回転状態検出部32と、記憶部33と、表示部34とを備えて構成される。なお、感光体ドラム71および駆動伝達系8はブラック用、イエロー用、シアン用およびマゼンタ用に4種類あるが、図10においては1つのみ図示している。
回転状態検出部32は、感光体ドラム71の回転状態に関するデータを検出するものである。回転状態に関するデータとは、感光体ドラム71の回転状態を把握するために必要なデータである。ここで、回転状態としては、回転ムラや回転速度等である。なお、回転ムラとは、平均回転速度に対する速度変化の割合をいう。また、FFTアナライザにより回転ムラを求めた場合は、各周波数における振幅の総和で求められる。回転状態検出部32は、感光体ドラム71の回転の状態を示す回転信号を電気信号として抽出するロータリーエンコーダ36と、ロータリーエンコーダ36からの信号を周波数分析するFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)アナライザ35とを備えて構成される。ロータリーエンコーダ36は、円盤状のエンコーダディスク36aとエンコーダディスク36aの一方の面側に位置する発光素子および他方に位置する受光素子を備えたエンコーダ検出部36bとを備えている。エンコーダディスク36aは、その円周に沿って等間隔にスリットが形成されている。また、エンコーダ検出部36bの発光素子と受光素子とは、発光素子からの光をエンコーダディスク36aのスリットを介して受光素子が受光するよう配置されていて、受光素子は、受光した発光素子からの光を電気信号として出力する。ロータリーエンコーダ36からの電気信号はFFTアナライザ35に入力されている。FFTアナライザ35は、入力された信号を周波数分析する。
また、制御部31から出力されているモータ81の回転速度を制御するための駆動信号にもとづくパルス信号をFFTアナライザ35に入力することとすれば好ましい。それにより、FFTアナライザ35はモータ81の回転速度をより正確にモニタリングできるので、高精度な周波数分析が可能となる。なお、回転状態検出部32は、FFTアナライザ35を備えていないこととしてもよい。FFTアナライザ35を備えていない場合は、周波数分析をすることができないが、ロータリーエンコーダ36だけでも、感光体ドラム71の回転速度や回転ムラを検出することは十分可能である。しかし、回転ムラの生じる原因を分析する等、複雑かつ高精度の分析が必要であれば、FFTアナライザ35は必要である。例えば、回転ムラの原因としては、ギヤの噛み合い、モータのコギング、偏心および固有振動等が考えられるが、FFTアナライザ35による周波数分析を用いれば、これらのいずれが回転ムラの原因であるかを特定することもできる。
記憶部33は、書き換え可能な不揮発性のEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)および揮発性のRAM(Random Access Memory)等を備えて構成される。FFTアナライザ35による感光体ドラム71の回転に関する周波数分析結果等をもとに、制御部31は各感光体ドラム71における回転速度と回転ムラとの関係等を含む回転精度情報を算出し、記憶部33に記憶させる。記憶部33には、回転ムラ等、制御部31で算出する各種データを、その初期値だけでなく、算出ごとに随時記憶していくこととすればよい。なお、各種データを記憶させる際には、時間に関する情報も関連付けて記憶させることが好ましい。時間に関する情報は、例えば実際の時刻またはカラープリンタ1を動作させた積算時間等とすればよい。また、各種データを記憶させる際には、そのときの回転状態も関連付けて記憶させることが好ましい。それにより、現在の回転精度情報を算出する場合に、過去の回転精度情報を考慮することができ、より有効な回転精度情報を算出することができる。
表示部34は、回転状態、例えば回転ムラの値等の表示や、修理が必要な場合のエラー表示等を行う。表示部34は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等とすればよい。
制御部31は、感光体ドラム71の回転速度の制御、回転状態に関するデータの解析(回転ムラの算出等)、回転状態に応じた最適の回転速度の制御および前記各部の当該機能に応じた制御等を行う。制御部31は、例えば制御プログラムなどを記憶する記憶素子、制御プログラムに従って動作するマイクロプロセッサおよびその周辺回路を備えたマイクロコンピュータによって構成される。記憶素子は、例えば、不揮発性のROM(Read Only Memory)、書き換え可能な不揮発性のEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)および揮発性のRAM(Random Access Memory)等を備えて構成される。制御部31は、機能的に、回転速度制御部31aと、回転精度解析部31bと、表示制御部31cとを備えている。
回転速度制御部31aはモータ81の回転速度を制御する。具体的には、モータ81を制御するモータドライバを備えて構成される。また、回転速度制御部31aはさらにパルス発振器を備えることとし、回転速度制御部31aからモータ81に送られる制御信号に基づいたパルス信号をFFTアナライザ35に送るようにすることが好ましい。それにより、上述したように、FFTアナライザ35において正確な感光体ドラム71の回転速度をモニタリングすることができる。なお、回転精度解析部31aによる解析の結果、感光体ドラム71の最適な回転速度が算出されれば、回転速度制御部31aはその回転速度となるようにモータ81を制御する。
回転精度解析部31bは、回転状態検出部32から出力される回転状態に関するデータをもとに回転精度情報を算出する。なお、回転精度情報とは、感光体ドラム71の回転状態を把握するための各種パラメータである。例えば回転ムラおよび回転速度と回転ムラとの関係等である。また、記憶部33に記憶されている以前の回転精度情報を利用して、回転精度情報を算出してもよい。例えば、回転ムラの初期値を基準とした、現時点での回転ムラの値等を算出してもよい。この値によれば、回転状態の劣化の度合いが容易に理解でき、回転ムラの評価を行いやすい。なお、回転精度解析部31bが算出した回転ムラ等は、回転速度および時間情報等に関連付けられて記憶部33に記憶される。
また、回転精度解析部31bは、回転状態に関するデータを得るために、回転速度制御部31aおよび回転状態検出部32を制御する。さらに、算出した回転精度情報をもとに、感光体ドラム71における回転速度の適否の判断および最適回転速度の決定等を行う。
表示制御部31cは、表示部34に画像を表示させる。例えば、回転精度解析部31bで回転速度の適否を判断した結果、回転速度が好ましくないと判断された場合には、操作者にそのことがわかるような表示を表示部34に表示させる。また、表示制御部31cは、回転状態が良好な回転速度帯と、回転状態が不良な回転速度帯との別を表示部34に表示させる。表示制御部31cは、その他に、現在の感光体ドラム71の回転速度および回転ムラの表示や、周波数分析の結果の表示や、修理が必要であることを示すエラー表示等を表示部34にさせればよい。
次に、回転精度解析部31bで行う、感光体ドラム71の回転速度の適否の判断および最適回転速度の決定方法について説明する。図11は、1つの感光体ドラム71における回転速度と回転ムラとの関係を示すグラフである。まず、回転精度解析部31bの指示により、回転速度制御部31aがモータ81の回転速度を一定の範囲において変化させ、その範囲の回転速度におけるロータリーエンコーダ36からの回転信号の周波数分析をFFTアナライザ35が行う。さらに、FFTアナライザ35により出力された周波数分析データである回転状態に関するデータをもとに、回転精度解析部31bは、図11に示すような回転速度と回転ムラとの関係を算出する。感光体ドラム71の回転ムラが大きい場合は高精度の画像形成ができない。そこで、図11において、大きな回転ムラが生じる回転速度は好ましくなく、この範囲を回転状態が不良である不適範囲(第2速度帯)であると決定することができる。また、図11に示す、不適範囲以外の回転速度の範囲(第1速度帯)は、回転状態が良好である範囲であり、この範囲の回転速度であれば問題なく使用できると判断できる。このようにして、回転精度解析部31bは回転状態が良好な回転速度の範囲と、回転状態が不良な回転速度の範囲とを特定する。
そこで、回転精度解析部31bは、上記回転状態が良好な回転速度の範囲(不適範囲以外の範囲)から、いずれかの回転速度を最適な回転速度として決定する。そして、回転精度解析部31bは、感光体ドラム71が決定した回転速度となるように回転速度制御部31aに指示し、回転速度制御部31aはモータ81を制御する。なお、不適範囲の決定においては、例えば所定の閾値以上の回転ムラが生じる範囲を不適範囲とすればよい。また、回転ムラのピーク値周辺を不適範囲とすることとしてもよい。
また、カラープリンタ1は、ブラック(BK)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の各色に対応する4つの感光体ドラム71を備えている。これら感光体ドラム71の回転速度における回転ムラの関係はそれぞれ異なる。つまり、同一の回転速度であっても、感光体ドラム71ごとに異なる特性が現れる可能性が高い。したがって、最適回転速度の決定においては、これら4つの感光体ドラム71の回転状態を総合的に考慮することが好ましい。図12は、4つの感光体ドラムにおける回転速度と回転ムラとの関係を示す第1のグラフである。図12に示すように、同一速度であっても各感光体ドラム71の回転ムラは異なる。図12に示す回転速度と回転ムラとの関係は、各感光体ドラム71について、上記図11に示す回転速度と回転ムラとの関係を求めた場合と同様にして求めることができる。
図12において、各感光体ドラム71における回転ムラが比較的小さい値となる回転速度の範囲は、回転状態が良好な回転速度の範囲であることから、この範囲を最適範囲(第1回転速度帯)と特定すればよい。また、最適範囲以外の範囲は回転状態が不良な回転速度の範囲と特定すればよい。なお、回転状態が良好な回転速度の範囲および回転状態が不良な回転速度の範囲の特定に当たっては、各感光体ドラム71における回転ムラが所定の閾値以下になるか否かにより行えばよい。また、最も回転状態の悪い感光体ドラム71の回転精度情報に基づいて回転状態が良好な回転速度の範囲および回転状態が不良な回転速度の範囲の特定を行ってもよい。つまり、最も大きな回転ムラを生じている感光体ドラム71の回転ムラが小さくなるような回転速度に設定することが、感光体ドラム71全体の回転状態として好ましい。例えば、図12では、イエローまたはマゼンタの感光体ドラム71の回転ムラが比較的に大きいことから、これらの回転ムラが小さくなる最適範囲(回転状態が良好な回転速度の範囲)として特定すればよい。このように、最も回転状態の悪い感光体ドラム71に基づいて最適範囲を特定することで、感光体ドラム71の全体としては回転ムラの影響を最も小さくできる。
回転精度解析部31bは、回転状態が良好な回転速度の範囲である最適範囲から、いずれかの回転速度を最適な回転速度として決定する。そして、回転精度解析部31bは、感光体ドラム71が決定した回転速度となるように回転速度制御部31aに指示し、回転速度制御部31aはモータ81を制御する。なお、図12は、感光体ドラム71を正常に機能させるために必要な回転速度の範囲を超えて測定した結果を示している。したがって、図6における左右端部付近は感光体ドラム71の回転速度としては規格外であり、この範囲の回転速度は使用できない。したがって、実際にはこの範囲まで測定する必要はない。
なお、上述したように、最適回転速度はすべての感光体ドラム71の回転速度に対する回転ムラを考慮して、総合的に求めることが好ましい。図13は、4つの感光体ドラムにおける回転速度と回転ムラとの関係を示す第2のグラフである。例えば、図13は、イエロー、シアンおよびマゼンタの3つの感光体ドラム71の回転ムラが小さい回転速度範囲が同程度の位置にあり、その位置付近では、ブラックの感光体ドラム71の回転ムラがピーク値である場合を示している。このような場合は、ブラックの感光体ドラム71の回転状態は良くないが、全体としては回転状態が良好になることから、回転精度解析部31bは図13に示すように回転状態が良好な回転速度の範囲である最適範囲を設定し、この範囲から最適回転速度を決定すればよい。
回転精度解析部31bは上述したように、感光体ドラム71の最適回転速度を決定するが、回転速度を変更しても回転状態が良好にならない場合もある。つまり、回転状態が良好な回転速度の範囲が存在しない場合である。そこで、回転精度解析部31bは、回転速度の変更が可能な範囲内において、回転状態が良好な回転速度の範囲が存在しないと判定した場合は、エラー信号を発生する。
また、上記最適回転速度の決定に関する説明では、回転精度解析部31bが回転速度と回転ムラとの関係を算出することとしたが、例えば、カラープリンタ1の出荷時等に予め、感光体ドラム71の回転速度と回転ムラとの関係を測定により求めておき、そのデータを記憶部33に記憶させておくこととしてもよい。それにより、回転精度解析部31bは、回転速度と回転ムラとの関係を算出せずに、記憶部33に予め記憶しているデータを用いて最適回転速度を決定することができる。
次に、表示部34における表示について説明する。上述のように、回転精度解析部31bは、回転状態が良好な回転速度の範囲と、回転状態が不良な回転速度の範囲とを特定する。その場合に、表示制御部31cは回転精度解析部31bからの指示により、それぞれの回転速度の範囲を表示部34に表示させる。それにより、操作者は感光体ドラム71の回転状態を視覚により認識できるため、回転状態に不具合が生じていても改善することができる。
また、例えば、感光体ドラム71の回転ムラが所定の閾値を超えた場合には、回転精度解析部31bからの指示により、表示制御部31cは表示部34に、その旨の表示をさせることとすれば好ましい。所定の閾値は、画像形成に影響が出るか否かにより決定すればよい。回転ムラが閾値未満であれば回転状態は良好であり、閾値以上であれば回転状態は悪い。図14は、本発明の実施の形態1に係るカラープリンタの表示を示す図であって、図14(A)は回転状態が良好な状態の表示を示す図であり、図14(B)は回転状態が悪い状態の表示を示す図である。図14(A)および図14(B)において、表示34K、34C、34M、34Yは、並んで配置されている。表示34Kはブラック用の感光体ドラム71の回転状態を、表示34Cはブラック用の感光体ドラム71の回転状態を、表示34Mはブラック用の感光体ドラム71の回転状態を、表示34Yはブラック用の感光体ドラム71の回転状態を示す。回転状態が良好であれば、表示制御部31cは表示34K、34C、34M、34Yを表示部34に表示させるが、回転状態が悪い場合は表示34K、34C、34M、34Yが表示させないこととすればよい。例えば、図14(A)の表示がなされている場合は、いずれの感光体ドラム71も回転状態に問題がなく、回転ムラが許容範囲内(所定の閾値未満)であることを示している。図14(B)の表示がなされている場合は、ブラック、シアン、マゼンタの感光体ドラム71の回転ムラが許容範囲を超え(所定の閾値以上)、回転状態に問題がある。なお、具体的に、回転ムラを数値により表示してもよい。例えば、表示制御部31cは、回転精度解析部31bにより算出された記憶部33に記憶している回転ムラの初期値を基準とした現在の回転ムラの値を表示部34に表示させることとしてもよい。
また、カラープリンタ1は、感光体ドラム71の回転速度を調整しただけでは回転ムラを低減できない場合がある。この場合は、固有振動に起因する回転ムラが生じている可能性や故障している可能性があり、改善するためにはメンテナンスを行わなければならない。このような場合は、上述したように、回転精度解析部31bは、回転状態が良好な回転速度の範囲が存在しないと判定し、エラー信号を発生する。このエラー信号により、表示制御部31cは表示部34にメンテナンスが必要であることを示すエラー表示を行うこととすれば好ましい。それにより、操作者はメンテナンスが必要な時期を的確に知ることができる。なお、エラー表示の代わりまたはエラー表示と併せてブザー等により、操作者に知らせることとしてもよい。
次に、カラープリンタ1の回転制御機構の動作について説明する。カラープリンタ1の運転中は、回転状態検出部32が感光体ドラム71の回転状態に関するデータを検出し、制御部31は回転ムラを算出している。この回転ムラが例えば許容範囲を超えた場合(所定の閾値以上の場合)等、回転速度を変化させるべきである場合には、回転速度変更要求を表示するよう制御部31は表示部34に指示を送る。それにより、操作者は、操作部(図示せず)を用いて最適回転速度決定指示を制御部31に与える。なお、表示部34において回転速度の変更を要求する表示がされなくても、操作者が適当な時期に操作部(図示せず)を用いて、最適回転速度決定指示を制御部31に与えてもよい。また、算出している回転ムラが許容範囲を超えた場合には、制御部31が最適回転速度の決定が必要であると判断して、自動的に以下の動作を行うこととしてもよい。
上記最適回転速度決定指示がなされると、制御部31は感光体ドラム71の使用範囲内において回転速度を変化させる。その際に、回転状態検出部32からの回転状態に関するデータをもとに、制御部31は各回転速度における回転ムラを算出し、現在の回転ムラが許容範囲内(所定の閾値未満)であるかを判断する。制御部31は、回転ムラが許容範囲内であり、回転速度を変更する必要がないと判断した場合は、算出した回転ムラ等のデータを記憶部33に記憶させるが、回転ムラが許容範囲内でないと判断した場合は、回転速度を変化させれば回転状態の不具合が解消するかを判断する。制御部31は、回転速度を変化させれば不具合は解消すると判断した場合は、モータ81を制御して感光体ドラム71の回転速度を変化させるが、回転速度を変化させても回転状態の不具合は解消しないと判断した場合は、メンテナンスが必要である旨のエラー表示を表示部34にさせる。
なお、上述したように、固有振動に起因する回転ムラはイナーシャを調整することで解消し得る。具体的には、感光体ドラム71の回転速度を調整しただけでは回転ムラが低減できない場合のエラー信号が発せられた場合は、操作者はイナーシャ調整部50(50a、50b)を上述したように操作することで、イナーシャを変更すればよい。それにより、回転状態が不良な回転速度の範囲および回転状態が良好な回転速度の範囲が変化する。このようにしてイナーシャを変更した後は、表示部34の表示により、感光体ドラム71の回転状態を確認すればよい。もし、まだ回転状態が悪い場合は、再度イナーシャを調整してもよいし、イナーシャの調整では回転状態が改善されない場合は、修理をしてもよい。
なお、イナーシャの調整は、感光体ドラム71の回転速度を調整しただけでは回転ムラが低減できない場合のエラー信号が発せられた場合以外でも行うこととしてもよい。それにより、感光体ドラム71の回転速度を変化させずとも、回転ムラを低減できる可能性がある。また、イナーシャ調整部50(50a、50b)は各感光体ドラム71に設置されていることから、感光体ドラム71ごとの回転ムラの調整をすることも可能である。したがって、例えば、操作者が表示部34の表示により、いずれかの感光体ドラム71の回転状態が悪いと認識した場合は、感光体ドラム71の回転速度を変化させずとも、回転ムラ特性が不適である感光体ドラム71のみのイナーシャを調整するだけで不具合を解消できる。
以上のように、本発明の実施の形態に係るカラープリンタ1は感光体ドラム71の回転ムラが生じない最適回転速度を算出することができる。さらに、感光体ドラム71のイナーシャを調整することもできる。それにより、感光体ドラム71の回転速度を変更して回転ムラを防ぐだけでなく、イナーシャを調整して回転ムラを抑制することもできる。したがって、回転速度を変更せずとも回転ムラを防ぐことができる。また、例えば回転速度を変更しても回転ムラが抑制できない場合でも、イナーシャを変更して回転ムラを防ぐことができる。そのため、常時、高画質の画像を得ることができるという効果を奏する。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るカラープリンタについて説明する。なお、実施の形態2に係るカラープリンタは、イナーシャ調整部が自動でイナーシャの調整を行うものであり、この点で実施の形態1に係るカラープリンタと異なる。なお、実施の形態2に係るカラープリンタの全体構成と、感光体ドラムの駆動伝達系およびイナーシャ調整部の配置等は、図1〜図3を用いて説明した実施の形態1に係るカラープリンタと同様であることから説明を省略する。また、以下の説明において、実施の形態1のカラープリンタと同一の部材については同一の符号を付し、説明を省略する。
本発明の実施の形態2に係るカラープリンタの電気的な構成、特に感光体ドラム71の回転制御機構に関する構成について説明する。図15は本発明の実施の形態1に係るカラープリンタのイナーシャの制御を説明するためのブロック図である。図15において、カラープリンタ10は、感光体ドラム71と、駆動伝達系8と、イナーシャ調整部50cと、制御部31と、回転状態検出部32と、記憶部33と、表示部34とを備えて構成される。なお、感光体ドラム71および駆動伝達系8はブラック用、イエロー用、シアン用およびマゼンタ用に4種類あるが、図15においては1つのみ図示している。図15に示すカラープリンタ10は、自動で感光体ドラム71のイナーシャを調整するイナーシャ調整部50cを有している点と、制御部31がイナーシャ調整部50cを制御している点が、実施の形態1に係るカラープリンタ1と異なり、それ以外は同様の構成である。
制御部31の回転精度解析部31bは、回転状態検出部32から出力される回転状態に関するデータをもとに回転精度情報を算出し、この回転精度情報をもとに感光体ドラム71のイナーシャを変更する必要があるかを判断する。具体的には、回転速度と回転ムラとの関係を算出して、その関係からまず感光体ドラム71の回転状態が良好な回転速度の範囲が存在するかを判定して、このような範囲がない場合にはイナーシャを変更する必要があると判断してもよい。また、良好な回転速度の範囲が存在したとしても、イナーシャを変更することで回転速度を変更することなく回転ムラを抑制できる可能性があることから、現在感光体ドラム71の回転状態が悪いのであればイナーシャを変更することと判断してもよい。
具体的には、回転精度解析部31bは、感光体ドラム71のイナーシャを変化させる必要があると判断した場合には、イナーシャ調整部50cにイナーシャを変化するように指示することが可能であることとすればよい。また、イナーシャを変化させるべきである場合には、回転精度解析部31bの指示により、表示制御部31cがイナーシャ変更要求を表示するよう表示部34に指示を送ることとすればよい。
次に、イナーシャ調整部50cについて説明する。まず、イナーシャ調整部50cの構成について、図16および図17を用いて説明する。図16は本発明の実施の形態2に係るイナーシャ調整部と感光体ドラムとの配置を示す斜視図である。また、図17は本発明の実施の形態2に係るイナーシャ調整部の構成を示す斜視図であって、図17(A)はイナーシャ調整部の正面斜視図であり、図17(B)はイナーシャ調整部の背面斜視図である。
図16に示すように、イナーシャ調整部50cは感光体ドラム71の軸端部に設置されている。イナーシャ調整部50cは、感光体ドラム71が回転すると一体となって回転する。図17(A)に示すように、イナーシャ調整部50cは、錘体91と、錘体91の移動方向をガイドする溝92が形成された円盤状の基台93と、調整ギヤ95aと一体形成された巻き付け軸95bと、一端は巻き付け軸95bに連結され、他端は錘体91に連結されたワイヤ94と、感光体ドラムに連結されるドラム軸96とを備えている。巻き付け軸95bおよびドラム軸96は、イナーシャ調整部50cの回転軸であり、感光体ドラム71の回転軸と一体に設置されている。また、図17(B)に示すように、イナーシャ調整部50cは、巻き付け軸95bおよびドラム軸96に連結されるトルクリミッタ97をさらに備えている。また、ワイヤ94は巻き付け軸95bを回転させることで、巻き付け軸95bに巻回または巻き付け軸95bから展開されるように設置されている。ワイヤ94が巻き付け軸95bに巻き付く量が多ければ、錘体91の位置は基台93の巻き付け軸95bへと近づき、ワイヤ94が巻き付け軸95bに巻き付く量が少なければ、錘体91の位置は基台93の円周側へと近づく。
溝92は曲線状であり、基台93の中心付近から基台93の径方向に伸びると共に、基台93の円周方向に弧を描くように形成されている。溝92に錘体91の一部が嵌り込んでおり、溝92が錘体91をガイドしている。つまり、錘体91は溝92に沿って移動する。したがって、錘体91は基台93の径方向に移動可能である。錘体91の位置は上述のように、巻き付け軸95bへのワイヤ94の巻き付き量により決まる。なお、溝92が上述した曲線状であることから、巻き付け軸95bにワイヤ94が巻回または巻き付け軸95bからワイヤ94が展開されることによる錘体91の移動が滑らかに行われる。
錘体91は所定の重さを有していて、錘体91の位置に応じて感光体ドラム71のイナーシャは変化する。具体的には、錘体91と巻き付け軸95bとの距離が変化することでイナーシャは変化する。
ドラム軸96は、イナーシャ調整部50cを感光体ドラム71に連結するものであり、感光体ドラム71とイナーシャ調整部50cが連結されていることから、イナーシャ調整部50cは感光体ドラム71の回転に連動して回転する。また、ドラム軸96および巻き付け軸95bに連結されたトルクリミッタ97は、イナーシャ調整部50cが回転した際に、錘体91の位置が遠心力によりずれることを防止する。つまり、ドラム軸96と巻き付け軸95bは分離した構成である。
このような構成のイナーシャ調整部50cにおいて、感光体ドラム71bのイナーシャを変化させるには、図示していないが、調整ギヤ95aと噛み合うギヤを有するモータにより調整ギヤ95aを回転させ、ワイヤ94の巻き付け軸95bへの巻き付き量を制御することで錘体91の位置を制御する。なお、回転精度解析部31bが、このモータの回転量を制御することで、イナーシャ調整部50cを操作してイナーシャを変化させる。
次に、カラープリンタ10のイナーシャ制御機構の動作について説明する。図18は、本発明の実施の形態2に係るカラープリンタの動作を説明するためのフローチャートである。カラープリンタ10の運転中は、回転状態検出部32が感光体ドラム71の回転状態に関するデータを検出し、制御部31は回転ムラを算出している。この回転ムラが例えば許容範囲を超えた場合(所定の閾値以上の場合)等、イナーシャを変化させるべきである場合には、イナーシャ変更要求を表示するよう制御部31は表示部34に指示を送る。それにより、操作者は、操作部(図示せず)を用いて最適イナーシャ決定指示を制御部31に与える。なお、表示部34においてイナーシャの変更を要求する表示がされなくても、操作者が適当な時期に操作部(図示せず)を用いて、最適イナーシャ決定指示を制御部31に与えてもよい。また、算出している回転ムラが許容範囲を超えた場合には、制御部31が最適イナーシャの決定が必要であると判断して、自動的に以下の動作を行うこととしてもよい。なお、実施の形態1で説明したように、感光体ドラム71のイナーシャの変更は、回転速度の変更が可能な範囲内において、回転状態が良好な回転速度の範囲が存在せず、回転速度を変更しても、回転状態が改善されないと判断した場合にのみ行うこととしてもよい。
上記最適イナーシャ決定指示がなされると、制御部31は感光体ドラム71の使用範囲内において回転速度を変化させる。その際に、回転状態検出部32からの回転状態に関するデータをもとに、制御部31は各回転速度における回転ムラを算出する(S1)。そして、制御部31は現在の回転ムラが許容範囲内(所定の閾値未満)であるかを判断する(S2)。制御部31は、回転ムラが許容範囲内であり、イナーシャを変更する必要がないと判断した場合は、算出した回転ムラ等のデータを記憶部33に記憶させる(S3)。ステップS2において、制御部31は回転ムラが許容範囲内でないと判断した場合は、イナーシャを変化させれば回転状態の不具合が解消するかを判断する(S4)。制御部31は、イナーシャを変化させれば不具合は解消すると判断した場合は、調整ギヤ95aと噛み合うギヤを有するモータ(図示せず)を駆動させて調整ギヤ95aを回転させて、イナーシャを変化させる(S5)。具体的には、巻き付け軸95bに巻き付いているワイヤ94の巻き付き量を変化させ、錘体91の位置が変化させて、イナーシャを変化させる。なお、巻き付け軸95bの回転量とイナーシャの関係は、例えば工場出荷時等に実際にカラープリンタ10を作動させて予め測定しておく。そして、その測定結果を記憶部33に記憶させておけばよい。そして、回転精度解析部31bはイナーシャの変化量を算出した際に、記憶部33から前記測定結果を読み出し、その測定結果から調整ギヤ95aの回転量を求めることとすればよい。これにより、正確に所望とするイナーシャ変化を実現できる。
ステップS4において、制御部31は、回転速度を変化させても回転状態の不具合は解消しないと判断した場合は、メンテナンスが必要である旨のエラー表示を表示部34にさせる(S6)。
以上のように、本発明の実施の形態に係るカラープリンタ10は感光体ドラム71の回転ムラが生じない最適回転速度を算出することができる。さらに、感光体ドラム71のイナーシャを自動で調整することもできる。それにより、感光体ドラム71の回転速度を変更して回転ムラを防ぐだけでなく、イナーシャを調整して回転ムラを抑制することもできる。したがって、回転速度を変更せずとも回転ムラを防ぐことができる。また、例えば回転速度を変更しても回転ムラが抑制できない場合でも、イナーシャを変更して回転ムラを防ぐことができる。そのため、常時、高画質の画像を得ることができるという効果を奏する。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
本発明の実施の形態1に係るカラープリンタの全体構成を示した概略断面図である。 本発明の実施の形態1に係るカラープリンタの画像形成部周辺の構成を示した要部拡大図である。 本発明の実施の形態1に係るカラープリンタの感光体ドラムの駆動伝達系およびイナーシャ調整部を説明するための斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るイナーシャ調整部の構成を示す正面図である。 本発明の実施の形態1に係るイナーシャ調整部の回転時の状態を示す正面図である。 本発明の実施の形態1に係るイナーシャ調整部において、錘体の位置を変更した場合の構成を示す正面図である。 本発明の実施の形態1に係る他のイナーシャ調整部の構成を示す正面図である。 本発明の実施の形態1に係る他のイナーシャ調整部の溝部分の拡大図であって、図8(A)は錘体が固定された状態を示す図であり、図8(B)は錘体の位置を変更中の状態を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るさらに他のイナーシャ調整部の構成を示す正面図である。 本発明の実施の形態1に係るカラープリンタの回転速度の制御を説明するためのブロック図である。 1つの感光体ドラム71における回転速度と回転ムラとの関係を示すグラフである。 4つの感光体ドラムにおける回転速度と回転ムラとの関係を示す第1のグラフである。 4つの感光体ドラムにおける回転速度と回転ムラとの関係を示す第2のグラフである。 本発明の実施の形態1に係るカラープリンタの表示を示す図であって、図14(A)は回転状態が良好な状態の表示を示す図であり、図14(B)は回転状態が悪い状態の表示を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るカラープリンタのイナーシャの制御を説明するためのブロック図である。 本発明の実施の形態2に係るイナーシャ調整部と感光体ドラムとの配置を示す斜視図である。 本発明の実施の形態2に係るイナーシャ調整部の構成を示す斜視図であって、図17(A)はイナーシャ調整部の正面斜視図であり、図17(B)はイナーシャ調整部の背面斜視図である。 本発明の実施の形態2に係るカラープリンタの動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1、10 カラープリンタ 1a 機器本体
2 給紙部 3 画像形成部
4 定着部 5 排紙部
6 搬送ローラ 7 画像形成ユニット
7K、7Y、7C、7M ユニット 8 駆動伝達系
11 中間転写ベルト 12 2次転写ローラ
13 駆動ローラ 14 ベルト支持ローラ
15 バックアップローラ 16 1次転写ローラ
17 クリーニングブラシ 18 駆動源
21 給紙カセット 22、27 ピックアップローラ
23、24、25 給紙ローラ 26 レジストローラ
31 制御部 31a 回転速度制御部
31b 回転精度解析部 31c 表示制御部
32 回転状態検出部 33 記憶部
34 表示部 35 FFTアナライザ
36 ロータリーエンコーダ 36a エンコーダディスク
36b エンコーダ検出部 41 加熱ローラ
42 加圧ローラ 50、50aイナーシャ調整部
50b、50c イナーシャ調整部 51、61、66、91 錘体
52 レール 53、63、68、93 基台
54 錘体ストッパ 55 ビス穴
56 固定用ビス 57、65、69 中心部材
62 溝 64 つっぱり部
64a 板状体 64b 弾性体
66a ナット 67 ボルト
71 感光体ドラム 72 現像装置
73 クリーニング装置 74 除電器
75 帯電器 76 露光装置
81 モータ 82 駆動ギヤ
83 従動ギヤ 92 溝
94 ワイヤ 95a 調整ギヤ
95b 巻き付け軸 96 ドラム軸
97 トルクリミッタ P 用紙

Claims (13)

  1. 回転可能な像担持体を駆動させる駆動伝達系と、
    前記像担持体の回転状態に関するデータを検出する回転状態検出部と、
    前記像担持体の回転速度を制御する回転速度制御部と、
    前記回転状態検出部により検出された回転状態に関するデータに基づいて、回転精度情報を算出する回転精度解析部と、
    前記像担持体のイナーシャを変化させるイナーシャ調整部とを備え、
    前記回転精度解析部は、前記回転速度制御部に前記像担持体の回転速度を所定の範囲において変化させ、前記回転状態検出部に前記像担持体の回転速度が変化している間の回転状態に関するデータを検出させ、前記回転速度が変化している間の回転状態に関するデータに基づいて回転精度情報を算出する画像形成装置。
  2. 前記回転精度解析部は、算出した前記回転精度情報に基づいて、前記回転状態が良好な第1回転速度帯と、前記回転状態が不良な第2回転速度帯との別を特定し、
    前記イナーシャ調整部によりイナーシャを変化させて、前記第1回転速度帯および前記第2回転速度帯を変化させることが可能である請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 回転可能な像担持体を駆動させる駆動伝達系と、
    前記像担持体の回転状態に関するデータを検出する回転状態検出部と、
    前記像担持体の回転速度を制御する回転速度制御部と、
    前記像担持体の回転状態の良否に関する表示を行う表示部と、
    前記像担持体のイナーシャを変化させるイナーシャ調整部とを備え、
    前記表示部は少なくとも、前記回転状態が良好な第1回転速度帯と、前記回転状態が不良な第2回転速度帯との別を表示するものであり、
    前記イナーシャ調整部によりイナーシャを変化させて、前記第1回転速度帯および前記第2回転速度帯を変化させることが可能である画像形成装置。
  4. 前記回転状態検出部により検出された回転状態に関するデータに基づいて、回転精度情報を算出する回転精度解析部を備えた請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記回転精度解析部により算出された、以前の回転精度情報を記憶する記憶部を備え、
    前記回転精度解析部は、前記回転精度情報を算出する際に、前記記憶部に記憶されている前記以前の回転精度情報を利用する請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記回転精度解析部は、前記回転速度制御部に前記像担持体の回転速度を所定の範囲において変化させ、
    前記回転状態検出部に前記像担持体の回転速度が変化している間の回転状態に関するデータを検出させ、
    前記回転速度が変化している間の回転状態に関するデータに基づいて、回転精度情報を算出し、前記第1回転速度帯と前記第2回転速度帯との別を特定する請求項4に記載の画像形成装置。
  7. 前記像担持体は、複数の感光体ドラムであって、
    前記回転精度解析部は、前記すべての感光体ドラムの回転精度情報に基づいて前記第1回転速度帯と前記第2回転速度帯との別を特定する請求項2または請求項4に記載の画像形成装置。
  8. 前記回転精度解析部は、前記複数の感光体ドラムの内、最も回転状態が悪い感光体ドラムの回転精度情報に基づいて前記第1回転速度帯と前記第2回転速度帯との別を特定する請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記回転精度解析部は、前記第1回転速度帯が存在しないと判定したときに、エラー信号を発生する請求項2または請求項4に記載の画像形成装置。
  10. 前記回転精度解析部は、前記第1回転速度帯が存在しないと判定したときに、前記イナーシャ調整部によりイナーシャを変化させる請求項2または請求項6に記載の画像形成装置。
  11. 前記イナーシャ調整部は、前記像担持体の回転軸と一体回転する中心部材を有するように、前記回転軸の軸端部に設置され、
    前記中心部材からの距離を変更可能とされた錘体を備え、
    前記錘体と前記回転軸との距離が変化することで、前記像担持体のイナーシャを変化させる請求項1または請求項3に記載の画像形成装置。
  12. 前記イナーシャ調整部は、前記像担持体の回転軸と一体回転する中心部材を有するように、前記回転軸の軸端部に設置され、
    前記中心部材からの距離を変更可能とされた錘体と、
    前記錘体の位置を変更させる錘体駆動部とを備え、
    前記回転精度解析部は、前記第1回転速度帯が存在しないと判定したときに、前記錘体駆動部に前記錘体の位置を変更させることで、イナーシャを変化させる請求項2または請求項6に記載の画像形成装置。
  13. 回転可能な像担持体の回転軸の軸端部に設置され、
    前記回転軸と一体に設置された巻き付け軸と、
    前記巻き付け軸と一端が連結されたワイヤと、
    前記ワイヤの他端と連結され、前記巻き付け軸からの距離を変更可能に設置された錘体とを備え、
    前記ワイヤは、前記巻き付け軸を回転させることで、前記巻き付け軸に巻回または巻き付け軸から展開され、
    前記巻き付け軸の回転により、前記巻き付け軸に巻き付いている前記ワイヤの長さを変化させることで、前記巻き付け軸と前記錘体との距離を変更し、前記像担持体のイナーシャを変化させるイナーシャ調整装置。
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