以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<1>情報記録媒体上のデータ構造の概要
図1(a)に示す情報記録媒体(Optical Disk 1001)に記録されるデータ(映像情報及び音楽情報など)の構造は、内周側(Inner Side 1006)から外周側(outer Side 1007)に向けて、図1(b)に示すようになっている。また、図1(b)に示すデータ構造の詳細は、図1(c)、図1(d)、図1(e)、及び図1(f)に示すようになっている。
つまり、図1(b)に示すように、情報記録媒体(Optical Disk 1001)は、
・光反射面が凹凸形状をした Embossed data Zone(エンボスデータゾーン)と、表面が平坦(鏡面)な Mirror Zone(ミラーゾーン)と、情報の書き換えが可能なRewritable data Zone(リライタブルゾーン)を有した Lead-in Area(リードインエリア)1002、
・ ユーザーによる記録・書き換えが可能な Rewritable data Zone(リライタブルゾーン)に記録され、Audio & Video Data(オーディオアンドビデオデータ)のファイルまたはボリューム全体に関する情報が記録されたVolume & File Manager Information(ボリウムアンドファイルマネージャー インフォメーション)1003、
・ ユーザーによる記録・書き換えが可能な Rewritable data Zone(リライタブルデータゾーン)からなるData Area(データエリア)1004、
・ 情報の書き換えが可能な Rewritable data Zone(リライタブルデータゾーン)で構成されるLead-out Area(リードアウトエリア)1005、
に分かれている。
また、Lead-in Area(リードインエリア)1002 の Embossed data Zone(エンボスデータゾーン)には、
・DVD−ROM/DVD−RAM/DVD−Rなどのディスクタイプ、ディスクサイズ、記録密度、記録開始/記録終了位置を示す物理セクター番号などの情報記録媒体全体に関する情報、
・記録パワーと記録パルス幅、消去パワー、再生パワー、記録・消去時の線速などの記録・再生・消去特性に関する情報、
・製造番号などそれぞれ1枚ずつの情報記録媒体の製造に関する情報、
が事前に記録される。
Lead-in Area(リードインエリア)1002 の Rewritable data Zone(リライタブルデータゾーン)と Lead-out Area(リードインエリア)1005 の Rewritable data Zone(リライタブルデータゾーン)にはそれぞれ、
・各情報記録媒体ごとの固有ディスク名記録領域、
・試し記録領域(記録消去条件の確認用)、
・Data Area(データエリア)1004 内の欠陥領域に関する管理情報記録領域、が設けられており、上記領域へ情報記録再生装置による記録が可能になっている。
Lead-in Area(リードインエリア) 1002 と Lead-out Area(リードアウトエリア)1005 の間に挟まれた Data Area(データエリア)1004 には、図1(c)に示すように Computer Data(コンピュータデータ)とAudio & Video Data(オーディオアンドビデオデータ)の混在記録が可能になっている。Computer Data(コンピュータデータ) と Audio & Video Data(オーディオアンドビデオデータ) の記録順序、各記録情報サイズは任意で、Computer Data(コンピュータデータ)が記録された領域を Computer Data Area(コンピュータデータエリア)1008、1010と呼び、Audio & Video Data(オーディオアンドビデオデータ) が記録された領域を Audio & Video Data Area(オーディオアンドビデオデータエリア)1009と名付ける。
Audio & Video Data Area(オーディオアンドビデオデータエリア)1009 内に記録された情報のデータ構造は、図1(d)に示すように、
・ Anchor Pointer for Control Information(制御情報のためのアンカーポインタ) 1015 : Audio & Video Data Area (オーディオアンドビデオデータエリア)1009 内の最初の位置に配置され、Audio & Video Data Area(オーディオアンドビデオデータエリア)1009 内のControl Information(制御情報)1011が記録されている先頭位置(先頭アドレス)を示す情報、
・ Control Information(制御情報) 1011 : 録画(録音)、再生、編集、検索 の各処理を行う時に必要な制御情報、
・ Video Objects(ビデオオブジェクト)1012 : Video Data(ビデオデータ) 中身( Contents )の録画情報、
・ Picture Objects(ピクチャーオブジェクト)1013 : Still(スチル) 画像 、Slide(スライド)画像などの静止画像情報、
・ Audio Objects(オーディオオブジェクト) 1014 : Audio Data(オーディオ)の中身( Contents )の録音情報、
・ Thumbnail Objects(サムネールオブジェクト)1016 : Video Data(ビデオデータ) 内の見たい場所を検索する場合、または編集時に利用されるサムネール( Thumbnail )などの情報、などから構成される。
図1(d)に示す Video Objects(ビデオオブジェクト)1012 、Picture Objects(ピクチャーオブジェクト)1013 、Audio Objects(オーディオオブジェクト)1014 、Thumbnail Objects(サムネールオブジェクト)1016 はそれぞれコンテンツ内容(データの中身)毎に分類した情報の集まり(グループ)を意味している。従って Audio & Video Data Area(オーディオアンドビデオデータエリア) 1009 に記録された全ての映像情報は Video Objects(ビデオオブジェクト)1012 に含まれ、全静止画像情報は Picture Objects(ピクチャーオブジェクト)1013 に 含まれ、全オーディオ・音声情報は Audio Objects(オーディオオブジェクト) 1014 に含まれ、映像情報の管理・検索に用いられる全サムネール情報は Thumbnail Objects(サムネールオブジェクト)1016に含まれる。
図3に示す VOB( Video Object;ビデオオブジェクト)1403 とは、 AV File(エーブイ・ファイル=オーディオビデオファイル) 1401 内に記録された情報の塊(まとまり)を示し、図1(d)の Video Objects(ビデオオブジェクト)1012 とは異なる定義になっている。類似した用語を用いているが、全く異なる意味で使用しているので注意を要する。
さらに Control Information(制御情報)1011は、
・ AV Data Control Information(AVデータ制御情報) 1101 : Video Object(ビデオオブジェクト)1012 内のデータ構造を管理し、また情報記録媒体であるOptical Disk(光ディスク)1001上での記録位置に関する情報の管理情報、
・ Playback Control Information(プレイバック制御情報) 1021 : 再生時に必要な制御情報、
・ Recording Control Information(レコーディング制御情報)1022 : 記録(録画・録音)時に必要な制御情報、
・ Edit Control Information(エディット 制御情報)1023 : 編集時に必要な制御情報、
・ Thumbnail Control Information(サムネール制御情報)1024 : Video Data(ビデオデータ) 内の見たい場所検索用または編集用サムネール( Thumbnail Object )に関する管理情報、などを有している。
また、図1(e)に示す AV Data Control Information(エーブイデータ制御情報)1101は、
・ Allocation Map Table(アロケーションマップテーブル)1105 : 情報 記憶媒体( Optical Disk 1001 )上の実際の配置に沿ったアドレス設定、既記録・未記録エリアの識別などに関する情報、
・ Video Title Set Information(ビデオタイトルセット情報) 1106 : 図3に示すように AV File(エーブイ・ファイル)1401 内の全体的な情報内容を示し、各VOB間のつながり情報、管理・検索のための複数VOB のグルーピング情報やTime Map Table(タイトルマップテーブル) などの時間情報、
・ Video Object Information (ビデオオブジェクト情報)1107 : 図3(c)に示すように AV File (エーブイ・ファイル)1401内の各VOB個々に関する情報を示し、VOB毎の属性(特性)情報やVOB内に含まれる個々のVOBU( Video Object Unit;ビデオオブジェ クトユニット)に関する情報、
・ PGC Control Information(プログラムチェーン制御情報)1103 : 映像情報再生プログラム(シーケンス)に関する情報、
・ Cell Playback Information(セル再生情報)1108 : 再生時の映像情報基本単位のデータ構造に関する情報、を含む構成となっている。
図1(f)までを概観すると上記の内容になるが、個々の情報に対して以下に若干の説明補足を行う。
Volume & File Manager Information(ボリウムアンドファイル管理情報)1003 には、
・ Volume(ボリューム)全体に関する情報、
・ 含まれるPCデータのファイル数、AVデータに関するファイル数、
・ 記録レイヤー情報、などに関する情報が記録されている。
特に、記録レイヤー情報として、
・ 構成レイヤー数(例:RAM/ROM2層 ディスク1枚は2レイヤー、ROM2層ディスク1枚も2レイヤー、片面ディスクn枚はnレイヤーとしてカウントする)、
・ 各レイヤー毎に割り付けた論理セクター番号範囲テーブル(各レイヤー毎 の容量)、
・ 各レイヤー毎の特性(例:DVD−RAMディスク、RAM/ROM2層デ ィスクのRAM部、CD−ROM、CD−R など)、
・ 各レイヤー毎のRAM領域でのZone単位での割付け論理セクター番号範囲テーブル(各レイヤー毎の書換え可能領域容量情報も含む)、
・ 各レイヤー毎の独自のID情報(多連ディスクパック内のディスク交換を発見するため)、が記録され、多連ディスクパックやRAM/ROM2層ディスク に対しても連続した論理セクター番号を設定して1個の大きな Volume 空間として扱えるようになっている。
Playback Control Information(プレイバック制御情報)1021 には、
・ PGC(プログラムチェーン)を統合した再生シーケンスに関する情報、
・ 上記に関連して情報記録媒体を VTR や DVC のように一本のテープと見なした擬似的記録位置を示す情報(記録された全ての Cell(セル)を連続して再生するシーケンス)、
・ 異なる映像情報を持つ複数画面同時再生に関する情報、
・ 検索情報(検索カテゴリー毎に対応する Cell ID とそのCell 内の開始時刻のテーブルが記録され、ユーザーがカテゴリーを選択して該当映像情報への直接アクセスを可能にする情報)、などが記録されている。
また、Recording Control Information(レコーディング制御情報)1022 には、
・ 番組予約録画情報、などが記録されている。
更に、Edit Control Information(エディット制御情報) 1023 には、
・ 各PGC単位の特殊編集情報(該当時間設定情報と特殊編集内容がEDL情報として記載されている)、
・ ファイル変換情報(AVファイル内の特定部分をAVIファイルなどのPC上で特殊編集を行えるファイルに変換し、変換後のファイルを格納する場所を指定)、が記録されている。
また、Thumbnail Control Information(サムネール制御情報)1024 には、
・ Thumbnail Objects(サムネールオブジェクト)1016 に関する管理情報(Audio & Video Data Area(オーディオアンドビデオデータ) 1009 内での1枚毎のサムネール画像の記録場所と各サムネール画像が関係する VOB または Cell の指定情報、各サムネール画像が関係するVOB または Cell 内の場所情報など( VOB、Cell に付いては図3の内容説明場所で詳細に説明する))、が記載されている。
<2>Data Area(データエリア) 内 のデータファイルのディレクトリー構造
図1(b)の Data Area(データエリア)1004 内に記録される全情報はファイル単位で記録され、各データファイル間の関係は図2に示すようにディレクトリー構造により管理されている。
ルートディレクトリー1450の下には、記録されるファイル内容毎に分類が容易なように複数のサブディレクトリー1451が設置されている。図2では図1(c)の Computer Data Area(コンピュータデータエリア)1008、1010 に記録される Computer Data(コンピュータデータ) に関する各データファイルは Computer Data(コンピュータデータ) 保存用 サブディレクトリー 1457の下に記録され、Audio & Video Data Area(オーディオアンドビデオデータエリア)1009に記録される Audio & Video Data(オーディオアンドビデオデータエリア)は リライタブルビデオタイトルセット RWV_TS1452 の下に記録される。また DVD−Video ディスクに記録されている映像情報を図1(a)にコピーする場合には、ビデオタイトルセットVIDEO_TS1455 と オーディオタイトルセット AUDIO_TS1456 の下にコピーする。
図1(d)の Control Information(制御情報)1011 は、録再ビデオ管理データとして1個のファイルとして記録される。図2ではそのファイル名は、RWVIDEO_CONTROL.IFO と名付けている。更にバックアップ用に同一の情報をRWVIDEO_CONTROL.BUP と言うファイル名で記録してある。
図2では、図1(d)の Video Objects(ビデオオブジェクト)1012、Picture Objects(ピクチャーオブジェクト)1013、Audio Objects(オーディオオブジェクト)1014、Thumbnail Objects(サムネールオブジェクト) 1016 を全て、AV File(エーブイ・ファイル)1401(図2のファイル名は RWOBJECT.OB )として1個のファイルにまとめて記録している。
図1には図示してないが、映像の録画再生時に利用できる録再付加情報1454を同時に記録することができ、その情報はまとめて1個のファイルとして記録され、図2では、 RWADD.DAT と言うファイル名が付いている。
<3>AV File(エーブイ・ファイル)内のデータ構造
AV File(エーブイ・ファイル)内のデータ構造を図3に示す。図3(b)に示すようにAV File(エーブイ・ファイル)1401全体で1個のVTS( Video Title Set;ビデオタイトルセット)1402を構成している。VTS1402の中は Audio & Video Data(オーディオアンドビデオデータ)の内容や AV File(エーブイ・ファイル)1401 内に記録された情報の順序に沿って分離された複数の VOB1403、1404、1405の集まりから成り立っている。
図3(d)の VOB1403、1404、1405 は AV File(エーブイ・ファイル)1401 内に記録される Audio & Video Data(オーディオアンドビデオデータ)のまとまりとして定義され、映像情報/静止画像情報/オーディオ情報/サムネール情報などの分類項目的色彩の強い図1(d)に示した Video Objects(ビデオオブジェクト)1012 とは異なる定義内容を有する。従って図3(d)の VOB1403、1404、1405 の中に Video Objects (ビデオオブジェクト)1012 に分類される情報が記録されているだけで無く、 Picture Objects(ピクチャーオブジェクト)1013 や Audio Objects(オーディオオブジェクト) 1014 、Thumbnail Objects(サムネールオブジェクト)1016 に分類される情報も記録される。
各VOB 1403、1404、1405内に記録された情報内容(コンテンツ)を元に関連性の有る VOB 毎にグルーピングを行い、各グループ毎に PTT(Part_of_Title;パートオブタイトル )1407、1408 としてまとめられている。つまり PTT1407、1408 は1個または複数個のVOB の集合体として構成される。図3(c)では、 VOB 1404 と VOB 1405 の2個の VOB で PTT1408 が構成され、PTT1407 は1個の VOB のみから構成されている。
映像情報の最小基本単位を VOBU1411 〜 1414 と呼び、VOB1403 〜 1405 内のデータは、図3(e)に示すようにこの VOBU1411 〜1414 の集合体として構成される。VOB1012 での映像情報圧縮技術に、MPEG1 あるいは MPEG2 を使用している場合が多い。MPEG では映像情報をおよそ 0.5秒刻みで GOP と呼ばれるグループに分け、この GOP 単位で映像情報の圧縮を行っている。この GOP とほぼ同じサイズで GOP に同期して VOBU1411 〜1414 の映像情報圧縮単位を形成している。
さらに、このVOBU 1411 〜1414 はそれぞれ2048Bytes 単位の Sector(セクター)1431〜1437 毎に分割されて記録される。各 Sector 1431〜1437 には、それぞれ Pack(パック) 構造の形式を持って記録され、Pack 毎に生の映像情報、副映像情報、音声情報、ダミー情報が V_PCK( Video Pack;ビデオパック)1421、1425、1426、1427、 SP_PCK( Sub-picture Pack;副映像パック )1422、A_PCK( Audio Pack;オーディオパック )1423、DM_PCK( Dummy Pack;ダミーパッ ク )1424 の形で記録されている。各 Pack の先頭には14Bytes の Pack Header(パックヘッダー) を持つため、各 Pack 内に記録される情報量は、2034Bytes になっている。
DM_PCK1424 は、録画後の追記情報の事後追加用(アフレコを Audio Pack の中に入れて Dummy Pack と交換するメモ情報を副映像情報( Sub-picture Pack 内 )に挿入して Dummy Pack と交換等などの使用目的で事前に挿入されている。
図1(a)に示した情報記録媒体( Optical Disk 1001 )の一例であるDVD−RAMディスクの記録領域は複数のセクター( Sector )に分割されている。1セクター当たり2048Bytes のデータ量を記録できる。この DVD−RAMディスク ではセクター(2048Bytes)単位での記録・再生を行う。従って情報記録媒体(Optical Disk1001)として DVD−RAMディスクを用いた場合、図3(f)に示すように各Packは、Sector1431 〜 1437単位で記録される。
図3(b)と(d)に示すように AV File 1401 内の全 VOB 1403〜1405の一連のつながりで VTS1402 が構成されている。それに対して Playback Control Information(プレイバック制御情報)1021 に記述された再生手順では任意の VOB 内のしかも 任意の範囲を指定し、しかも任意の再生順番で再生することが可能となっている。再生時の映像情報基本単位を Cell 1441、1442、1443 と呼ぶ。Cell 1441、1442、1443 は任意の VOB 内のしかも任意の範囲を指定することができるが、VOB をまたがって指定することはできない(1個の Cell で複数の VOB をつないで範囲を設定できない)。
図3(g)では、Cell 1441 はVOB 1403 内の1個 の VOBU 1412 を指定し、Cell 1442 は1個の VOB 1404 全体を指定し、Cell 1443 は VOBU 1414 内の特定のパック(V_PCK 1427)のみの範囲を指定している。
また映像情報再生シーケンスを示す情報は PGC(プログラムチェーン) 1446 により設定され、この再生シーケンスは1個の Cell 指定、もしくは複数の Cell のつながり情報により記述される。例えば図3(h)では PGC1446 は Cell1441 と Cell 1442 と Cell 1443 のつながりとして再生プログラムを構成している( Cell と PGC の関係についての詳細説明は後述する)。
<4>Allocation Map Table(アロケーションマップテーブル) の内容
前述したようにDVD−RAMディスクの記録領域は複数のセクター( Sector )に分割され、内周側から順に昇順で連続してセクター番号( LSN: Logical Sector Number )が付けられている。
今、情報記録媒体( Optical Disk 1001 )の Data Area 1004内に以下の手順で映像情報を記録した場合を考える。
(1)情報記録媒体( Optical Disk 1001 )における Data Area 1004 内のセクター番号( LSN )a+1 から g までの連続領域( a<g )に AV File 1401記録領域を確保する。
(2)AV File 1401 記録領域内のセクター番号( LSN )b+1 から c までの連続領域( b<c )に VOB#1 1461 のデータを記 録する。
(3)AV File 1401 記録領域内のセクター番号( LSN )d+1 から e までの連続領域( d<e )に VOB#2 1462 のデータを記 録する。
上記(1)から(3)までの処理の結果、AV File 1401 内にはセクター番号( LSN )で“a+1からbまで”“c+1からdまで”“e+1からgまで”の3箇所の未記録領域が残っている。次に、この未記録領域にデータサイズが大きな VOB #3 の映像情報を記録する場合は以下の通りである。
(4)AV File 1401 記録領域内の未記録領域サイズに合わせて VOB #3 のデータを複数に分割する。
(5)分割された VOB #3 の最初のデータをセクター番号( LSN ) a+1 から bまでの連続領域( a<b )に記録する。
(6)分割された VOB #3 の次のデータをセクター番号( LSN ) c+1 から dまでの連続領域( c<d )に記録する。
(7)分割された VOB #3 の最後のデータをセクター番号( LSN )f+1 から gまでの連続領域( f<g )に記録する。
その結果、AV File 1401 内にはセクター番号( LSN )で“e+1からfまで”の未記録領域1460が残っている。と言う処理が必要となる。以上の(1)から(7)までの処理の結果得られた AV File 1401 内の各 VOB の物理的記録位置分布を図4に示す。
上記の説明から分かるように AV File 1401 内のデータを部分消去したり、 AV File 1401 内の未記録領域に新たなデータの追加記録を繰り返すと、VOB #3 1463、1464、1465 の例のように1個 の VOB データを複数箇所に分散記録する必要性が生じる。
このように同一の AV File 1401 内で分散記録された各データの各 VOB 毎の物理的記録位置分布を示した情報が図1(f)に示した Allocation Map Table 1105 である。図4のデータ配置を具体例とした場合の Allocation Map Table1105 の情報内容を図5に示す。 Allocation Map Table 1105 は未記録領域の位置分布情報1621と各VOB 毎のデータ記録位置分布情報1622、1623、1624から構成される。
各 VOB 内において連続するセクター番号のつながりが確保されている塊を“ Extent (エクステント)”と定義する。図4では VOB #3 のデータは3箇所 のまとまりに分かれて記録されている。上記の例ではセクター番号(LSN: Logical Sector Number )a+1 から b までが連続するセクター番号のつながりを持つのでこの領域は“ Extent #γ 1473”を構成している。つまり VOB #3 のデータが記録されている位置分布は Extent #γ 1473、 Extent #δ 1474、 Extent #ε 1475 の3箇所を持つことになる。
図5に示した Allocation Map Table1105 内の未記録領域と個々の VOB に関する位置分布情報には始めに Extent 数1601、1602、1603、1604が記録されている。その後、各 Extent 毎の先頭アドレス1606、1607、1608、1609、1610、1611と、その Extent サイズ1614、1615、1616、1617、1618、1619が記録されている。先頭アドレスは AV File 1401 の先頭セクター番号( Logical Sector Number )からの“差分番号”で表現されている。このように差分番号で表現すると、AV File 1401 内容全体を別の情報記録媒体に移植した時に Allocation Map Table 1105 内の情報変更が不用となりファイルの移植性が向上する。また、図5に示すように Extent サイズはセクター数で表現している。図5のように Extent サイズを表現する代わりに Extent の最終アドレスで表現することも可能である。
DVD−RAMディスク規格では、情報記録媒体( Optical Disk 1001 )上の物理的なアドレスを示す情報は物理セクター番号( PSN: Physical Sector Number )と呼び、ファイルシステムで扱う全体のアドレスを論理セクター番号 ( LSN: Logical Sector Number )と呼び、図1(a)の Data Area 1004 内でファイルシステム上で定義されるアドレスを論理ブロック番号( LBN: Logical Block Number )と呼んで区別している。しかしその記述方法を忠実に従うと説明内容が煩雑になる。そのため図4、図5では理解の容易性を重視し、論理セクター番号( LSN: Logical Sector Number )の表現で説明している。
<5> Playback Control Information 1021の内容
Playback Control Information 1021 内容について図6と図7を用いて説明する。 Playback Control Information 1021内のPGC Control Information(PGC制御情報)1103 は図6に示されるデータ構造を持ち、PGCとCellによって再生順序が決定される。PGCは、Cellの再生順序を指定した一連の再生を実行する単位を示す。Cellは、図3(f)に示したように各VOB 内の再生データを開始アドレスと終了アドレスで指定した再生区間を示す。
PGC Control Information 1103 は、PGC Information Management Information(PGC情報管理情報)1052、1つ以上のSearch Pointer of PGC Information(PGC情報のサーチポインタ) 1053 、1054 及び PGC Information(PGC情報)1055、1056、1057から構成される。
PGC Information Management Information 1052には、PGCの数を示す情報(Number of PGC Information)が含まれる。 Search Pointer of PGC Information 1053 、1054 は、各PGC Informationの先頭をポイントしており、サーチを容易にする。PGC Information1055 、1056 、 1057は、PGC General Information 1061 及び1つ以上のCell Playback Information 1062、1063から成る。PGC General Information 1061には、PGCの再生時間やCellの数を示す情報(Number of Cell Playback Information)が含まれる。
図7に示すように、再生データをCellとしてCell-AからCell-Fまでの再生区間で指定され、各PGCにおいてPGC Informationが定義されている。
(1)PGC#1は、連続する再生区間を指定したCellで構成される例を示し、その再生順序は、Cell-A → Cell-B → Cell-Cとなる。
(2)PGC#2は、断続された再生区間を指定したCellで構成される例を示し、その再生順序は、Cell-D → Cell-E → Cell-Fとなる。
(3)PGC#3は、再生方向や重複再生に関わらず飛び飛びに再生可能である例を示し、その再生順序は、Cell-E → Cell-A → Cell-D → Cell-B → Cell-Eとなる。
<6> Video Title Set Information(ビデオタイトルセットインフォメーション)1106の内容
図8に示すように、Video Title Set Information 1106 内には、
・ Video Title Set General Information(ビデオタイトルセットジェネラルインフォメーション)1751:Video Title Set の一般的内容項目に関する情報、
・ Video Object Sequence Information(ビデオオブジェクトシーケンスインフォメーション)1752:図3のデータ構造ではVideo Title Set 1402(=AV File)内の全VOBに対してシリアルな順番が設定されている。このシーケンスに従った各VOBの順番情報がここに記述されている、
・ Part_of_Titles Information(パートオブタイトルインフォメーション)1753:AV File 1401 内に記録された各 Objects データはデータ管理と検索を目的として関連の有るデータ毎にグルーピングされ、各グループ毎にビデオタイトル名が設定される。上記グループ( Part_of_Title )は VOB の集合体で構成される。この Part_of_Title 毎に含まれる VOB 情報がここに記述されている、
・ Video Title Set Time Map Table(ビデオタイトルセットタイムマップテーブル)1754:Video Title Set(ビデオタイトルセット)1402 内の Video Objects(ビデオオブジェクト) 1012 と Audio Objects(オーディオオブジェクト) 1014 に分類される VOB に関して上記 Video Object Sequence (ビデオオブジェクトシーケンス)に従った特定時間間隔毎の VOBU 位置情報)、が記録されている。
Video Object Sequence Information (ビデオオブジェクトシーケンスインフォメーション)1752 内の具体的なデータ構造は、図8の右側に示すように、始めに Video Title Set(ビデオタイトルセット) に含まれる全 VOB 数1756が記録されている。その後にシーケンス( Video Object Sequence )順に従って順番に該当する VOB の VOB_ID 1757、1758、…が記録されている。
Video Object Sequence Information 1752で示されるシーケンスは例えば、“AV File 1401 への記録順(記録時刻の早い順)”“図4に示し たような情報記録媒体( Optical Disk )上の記録配列順”“VOB サイズ 順”などユーザーや情報記録再生装置側で任意に設定できる。VTS( Video Title Set )1402内の全 VOB をシーケンシャルに順序付ける事により、1本のテープ上に映像を記録する VTR と類似したユーザーインターフェースを提供することが出来る。
例えば、
・ テープの早送り(FF)、巻き戻し(FR)により見たい場所を探す、
・ テープの早送り(FF)による全体の記録内容を確かめる、
・ テープの早送り(FF)、巻き戻し(FR)により既に録画された不用場所を探し、その不用場所に新しい映像情報を重ね書きする、
などの処理を Video Object Sequence Information 1752 を利用して行うことができる。
図8の右側に記載した Video Object Sequence Information1752 情報内容について図9を用いて説明を行う。まず情報記録媒体( Optical Disk )上の配列順が図4に示した状態で VOB#1〜VOB#3 が記録され、この記録順番が“<4> Allocation Map Table の内容”で説明した(1)〜(7)の順に従ってなされた場合を考える。これらのデータに対して“AV File 1401 への記録順(記録時刻の早い順)”でシーケンス順序を設定した場合のシーケンス順配列は図9(a3)となる。図4と比較して Extent #α 1471 から Extent #ζ 1470 までの配列順が変わっていることがわかる。図8の“ Video Object Sequence における最初の VOB_ID 1757”は図9(a3)の“ VOB #1 1461 ”を指定し、“ Video Object Sequence ”における2番目の VOB_ID 1758”は図9(a3)の“ VOB #2 1462 ”を指定している。
図9(b3)は Video Object Sequence Information 1752 で指定された別の実施例を示している。 VOB #A 1771、VOB #B 1772は Video Objects(ビデオオブジェクト) 1012 に属し(分類され)、 VOB #C 1773、 VOB #F 1776、VOB #G 1777 は Audio Objects (オーディオオブジェクト)1014 に属し(分類され)、VOB #D 1774、VOB #E 1775 は Picture Objects(ピクチャーオブジェクト)1013 に属している。このように VOB の種類に依らず混在してシーケンス順序を指定できる。図9では最後にまとめて Thumbnail Objects(サムネールオブジェクト) 1016 に属する VOB( VOB #H 1778、VOB #I 1779 )が設定されている。
次に、図10を参照して、映像情報記録用情報記録再生装置(ビデオレコーダー)の概略構造について説明する。
ビデオレコーダーの装置本体は、大まかに言って情報記録媒体(光ディスク)201を回転駆動し、この情報記録媒体(光ディスク)201に対して映像情報の録画と再生を実行するディスクドライブ部と、録画側を構成するエンコーダ部1550と、再生側を構成するデコーダ部1560と、内部にROMやRAM(半導体メモリー)を内蔵し、装置本体の動作を制御するシステム制御部(MPU部)1530とで構成されている。
エンコーダ部1550は、ADC(アナログ・デジタル変換器)1552と、ビデオエンコーダ(Vエンコーダ)1553と、オーディオエンコーダ(Aエンコーダ)1554と、副映像エンコーダ(SPエンコーダ)1555と、フォーマッタ1556と、バッファメモリ1557とを備えている。
ADC1552には、AV入力部1542からの外部アナログビデオ信号+外部アナログオーディオ信号、あるいはTVチューナー1544からのアナログTV信号+アナログ音声信号が入力される。このADC1552は、入力されたアナログビデオ信号を、たとえばサンプリング周波数13.5MHz、量子化ビット数8ビットでデジタル化する。(すなわち、輝度成分Y、色差成分Cr(またはY−R)および色差成分Cb(またはY−B)それぞれが、8ビットで量子化される。)
同様に、ADC1552は、入力されたアナログオーディオ信号を、たとえばサンプリング周波数48kHz、量子化ビット数16ビットでデジタル化する。
なお、ADC1552にアナログビデオ信号およびデジタルオーディオ信号が入力されるときは、ADC1552はデジタルオーディオ信号をスルーパスさせる。(デジタルオーディオ信号の内容は改変せず、デジタル信号に付随するジッタだけを低減させる処理、あるいはサンプリングレートや量子化ビット数を変更する処理等は行っても良い)。
一方、ADC1552にデジタルビデオ信号およびデジタルオーディオ信号が入力されるときは、ADC1552はデジタルビデオ信号およびデジタルオーディオ信号をスルーパスさせる。(これらのデジタル信号に対しても、内容は改変することなく、ジッタ低減処理やサンプリングレート変更処理等は行っても良い。)
上記ビデオ信号入力以外に例えばデジタルカメラ1543による静止画像情報が入力された場合はADC1552を経由する事無く直接Vエンコーダ1553に情報入力される。
ADC1552からのデジタルビデオ信号成分は、ビデオエンコーダ(Vエンコーダ)1553を介してフォーマッタ1556に送られる。また、ADC1552からのデジタルオーディオ信号成分は、オーディオエンコーダ(Aエンコーダ)1554を介してフォーマッタ1556に送られる。あるいはVエンコーダ1553に直接入力された静止画像信号はVエンコーダ1553からフォーマッタ1556に送られる。
Vエンコーダ1553は、入力されたデジタルビデオ信号を、MPEG2またはMPEG1規格に基づき、可変ビットレートで圧縮されたデジタル信号に変換する機能を持つ。
またデジタルカメラ1543には静止画像情報はビットマップ形式やJPEG形式などのフォーマット形式で記録されている。それに対して本発明では情報記録媒体(光ディスク)201にはMPEG2のIピクチャー形式で静止画像が記録される。そのため本発明では、“ビットマップ → MPEG2”“JPEG → MPEG2”などのフォーマット変換機能もVエンコーダ1553に持たせて有る。
また、Aエンコーダ1554は、入力されたデジタルオーディオ信号を、MPEGまたはAC−3規格に基づき、固定ビットレートで圧縮されたデジタル信号(またはリニアPCMのデジタル信号)に変換する機能を持つ。
ビデオ信号がAV入力部1542から入力された場合(たとえば副映像信号の独立出力端子付DVDビデオプレーヤからの信号)、あるいはこのようなデータ構成のビデオ信号が放送されてそれがTVチューナー1544で受信された場合は、ビデオ信号中の副映像信号成分(副映像パック)が、副映像エンコーダ(SPエンコーダ)1555に入力される。SPエンコーダ1555に入力された副映像データは、所定の信号形態にアレンジされて、フォーマッタ1556に送られる。
フォーマッタ1556は、バッファメモリ1557をワークエリアとして使用しながら、入力されたビデオ信号、オーディオ信号、副映像信号等に対して所定の信号処理を行い、所定のフォーマット(ファイル構造)に合致した記録データをデータプロセサ1536に出力する。
デジタル放送の場合には映像信号はMPEG2のTS(トランスポートストリーム)形式で送信される。一般に情報記録媒体(光ディスク)201には映像信号がMPEG2のフォーマットで記録される場合にはPS(プログラムストリーム)形式が使われる。従ってデジタル放送を受信した場合には、受信信号はTVチューナー1544から直接フォーマッタ1556に送られ、フォーマッタ1556内で“TS → PS 変換”が行われる。
ここで、上記記録データを作成するための標準的なエンコード処理内容を簡単に説明しておく。すなわち、エンコーダ部1550においてエンコード処理が開始されると、ビデオ(主映像)データおよびオーディオデータのエンコードにあたって必要なパラメーターが設定される。次に、設定されたパラメーターを利用して主映像データがプリエンコードされ、設定された平均転送レート(記録レート)に最適な符号量の分配が計算される。こうしてプリエンコードで得られた符号量分配に基づき、主映像のエンコードが実行される。このとき、オーディオデータのエンコードも同時に実行される。
プリエンコードの結果、データ圧縮量が不十分な場合(録画しようとする情報記録媒体(光ディスク)201に希望のビデオプログラムが収まり切らない場合)、再度プリエンコードする機会を持てるなら(たとえば録画のソースがビデオテープあるいはビデオディスクなどの反復再生可能なソースであれば)、主映像データの部分的な再エンコードが実行され、再エンコードした部分の主映像データがそれ以前にプリエンコードした主映像データ部分と置換される。このような一連の処理によって、主映像データおよびオーディオデータがエンコードされ、記録に必要な平均ビットレートの値が、大幅に低減される。
同様に、副映像データをエンコードするに必要なパラメーターが設定され、エンコードされた副映像データが作成される。
以上のようにしてエンコードされた主映像データ、オーディオデータおよび副映像データが組み合わされて、所望のビデオオブジェクトのデータ構造に変換される。
すなわち、主映像データ(ビデオデータ)の最小単位としてのセルが設定され、次にプログラムチェーンを構成するセルの構成、主映像、副映像およびオーディオの属性等が設定され(これらの属性情報の一部は、各データをエンコードする時に得られた情報が利用される)、種々な情報を含めた管理情報がセルに関する情報が管理情報記録領域( Control Information 1011 )内に記録される。
エンコードされた主映像データ、オーディオデータおよび副映像データは一定サイズ(2048バイト)のパックに細分化される。これらのパックには、ダミーパックが適宜挿入される。なお、ダミーパック以外のパック内には、適宜、PTS(プレゼンテーションタイムスタンプ)、DTS(デコードタイムスタンプ)等のタイムスタンプが記述される。副映像のPTSについては、同じ再生時間帯の主映像データあるいはオーディオデータのPTSより任意に遅延させた時間を記述することができる。
そして各データのタイムコード順に再生可能なように、VOBU単位で各データセルが配置されて、複数のセルで構成されるVOBが構成される。
なお、映像情報記録用情報記録再生装置(ビデオレコーダー)から映像情報をデジタルコピーする場合は、上記セル、プログラムチェーン、管理テーブル、タイムスタンプ等の内容は初めから決まっているので、これらを改めて作成する必要はない。
情報記録媒体(光ディスク)201に対して情報の読み書き(録画および/または再生)を実行するディスクドライブ部は、ディスクチェンジャー部1500と、情報記録再生部101と、一時記憶部1534と、データプロセサ1536と、システムタイムカウンタ(またはシステムタイムクロック;STC)1538とを備えている。
一時記憶部1534は情報記録再生部101を介して情報記録媒体(光ディスク)201に書き込まれるデータ(エンコーダ部1550から出力されるデータ)のうちの一定量分をバッファイリングしたり、情報記録再生部101を介して情報記録媒体(光ディスク)201から再生されたデータ(デコーダ部1560に入力されるデータ)のうちの一定量分をバッファイリングするのに利用される。
たとえば一時記憶部1534が4Mバイトの半導体メモリ(DRAM)で構成されるときは、平均4Mbpsの記録レートでおよそ8秒分の記録または再生データのバッファリングが可能である。また、一時記憶部1534が16MバイトのEEPROM(フラッシュメモリ)で構成されるときは、平均4Mbpsの記録レートでおよそ30秒の記録または再生データのバッファリングが可能である。さらに、一時記憶部1534が100Mバイトの超小型HDD(ハードディスク)で構成されるときは、平均4Mbpsの記録レートで3分以上の記録または再生データのバッファリングが可能となる。
一時記憶部1534は録画途中で情報記録媒体(光ディスク)201を使い切ってしまった場合において、情報記録媒体(光ディスク)201が新しいディスクに交換されるまでの録画情報を一時記憶しておくことに利用できる。
また一時記憶部1534は情報記録再生部101として2倍速以上の高速記録再生部を採用した場合において一定時間内に通常ドライブより余分に読み出されたデータを一時記憶しておくことにも利用できる。再生時の読み取りデータを一時記憶部1534にバッファリングしておけば、振動ショック等で図11の光学ヘッド202が読み取りエラーを起こした時でも一時記憶部1534にバッファリングされた再生データを切り替え使用することによって再生映像が途切れないようにできる。
図10では、図示しないが、映像情報記録用情報記録再生装置(ビデオレコーダー)に外部カードスロットを設けておけば上記EEPROMはオプションのICカードとして別売できる。また映像情報記録用情報記録再生装置(録再レコーダー)に外部ドライブスロットあるいはSCSIインターフェースを設けておけば、上記HDDもオプションの拡張ドライブとして別売できる。
なおパーソナルコンピュータをソフトウエアでDVDビデオレコーダー化する形態では、パーソナルコンピュータ自身のハードディスクドライブの空き領域の一部またはメインメモリの一部を一時記憶部1534として利用できる。
データプロセサ1536はシステム制御部(MPU部)(ROM/RAM内蔵)1530の制御にしたがって、
・エンコーダ部1550からの録画用の映像情報信号の情報記録再生部101への供給、
・情報記録再生部101から再生された映像情報信号を取り出した後、他部分への転送処理、
・情報記録媒体(光ディスク)201に記録された管理情報( Control Information 1011 )の書き換え処理、
・情報記録媒体(光ディスク)201に記録されたデータである映像情報や管理情報( Control Information 1011 )の部分的削除処理、などを行う。
システム制御部1530は、MPU(またはCPU)、制御プログラム等が書き込まれたICメモリーであるROM、およびプログラム実行に必要なワークエリアを提供するICメモリーであるRAMを含んでいる。
システム制御部1530の実行結果のうち映像情報記録用情報記録再生装置(録再レコーダー)のユーザーに通知すべき内容はビデオレコーダー表示部1548に表示される。
なおシステム制御部(MPU部)1530がディスクチェンジャー部1500、情報記録再生部101、データプロセサ1536、エンコーダ部1550および/またはデコーダ部1560を制御するタイミングはSTC1538からの時間データに基づいて、実行することができる(録画・再生の動作は、通常はSTC1538からのタイムクロックに同期して実行されるが、それ以外の処理は、STC1538とは独立したタイミングで実行されてもよい)。
デコーダ部1560は情報記録媒体(光ディスク)201に記録されているパック構造を持つ映像情報から各パックを分離して取り出すセパレータ1562と、パック分離その他の信号処理実行時に使用するメモリ1563、セパレータ1562で分離された主映像データ(ビデオパックの内容)をデコードするビデオデコーダ(Vデコーダ)1564、セパレータ1562で分離された副映像データ(副映像(サブピクチャー)パックの内容)をデコードする副映像デコーダ(SPデコーダ)1565、セパレータ1562で分離されたオーディオデータ(オーディオパックの内容)をデコードするオーディオデコーダ(Aデコーダ)1568、Vデコーダ1564からのビデオデータにSPデコーダ1565からの副映像データを適宜合成し、主映像にメニュー、ハイライトボタン、字幕その他の副映像を重ねて出力するビデオプロセサ1566、ビデオプロセサ1566からのデジタルビデオ出力をアナログビデオ信号に変換するビデオ・デジタル・アナログ変換器(V・DAC)1567、Aデコーダ1568からのデジタルオーディオ出力をアナログオーディオ信号に変換するオーディオ・デジタル・アナログ変換器(A・DAC)1567を備えている。
V・DAC1567からのアナログビデオ信号(アナログ状態の映像情報信号)およびA・DAC67からのアナログオーディオ信号は、AV出力部1546を介して、図示しない外部コンポーネント(2チャネル〜6チャネルのマルチチャネルステレオ装置+モニターTVまたはプロジェクタ)に供給される。
システム制御部(MPU部)1530から出力されるOSD( On Screen Display )データは、デコーダ部1560のセパレータ1562に入力され、Vデコーダ1564を通過して(とくにデコード処理はされない)ビデオプロセサ1566に入力される。すると、このOSDデータが主映像に重畳され、それがAV出力部1546に接続された外部モニターTVに供給される。すると警告文が主映像とともに表示される。
次に、図11を参照して、情報記録再生部(物理系ブロック)101の内部構造を説明する。
<A>情報記録再生部の機能説明
<A−1>情報記録再生部の基本機能
情報記録再生部では、
・情報記録媒体(光ディスク)201上の所定位置に集光スポットを用いて、新規情報の記録あるいは書き換え(情報の消去も含む)を行う、
・情報記録媒体(光ディスク)201上の所定位置から集光スポットを用いて、すでに記録されている情報の再生を行う、の処理を行う。
<A−2>情報記録再生部の基本機能達成手段
上記の基本機能を達成する手段として情報記録再生部では、
・情報記録媒体201上のトラック(図示して無い)に沿って集光スポットをトレース(追従)させる、
・情報記録媒体201に照射する集光スポットの光量を変化させて情報の記録/再生/消去の切り替えを行う、
・外部から与えられる記録信号dを高密度かつ低エラー率で記録するために最適な信号に変換する、を行っている。
<B>機構部分の構造と検出部分の動作
<B−1>光学ヘッド202基本構造と信号検出回路
<B−1−1>光学ヘッド202による信号検出
光学ヘッド202は、基本的には図示して無いが光源である半導体レーザー素子と光検出器と対物レンズから構成されている。
半導体レーザー素子から発光されたレーザー光は対物レンズにより情報記録媒体(光ディスク)201上に集光される。情報記録媒体(光ディスク)201の光反射膜もしくは光反射性記録膜で反射されたレーザー光は光検出器により光電変換される。
光検出器で得られた検出電流はアンプ213により電流−電圧変換されて検出信号となる。この検出信号はフォーカス・トラックエラー検出回路217あるいは2値化回路212で処理される。一般的には光検出器は複数の光検出領域に分割され、各光検出領域に照射される光量変化を個々に検出している。この個々の検出信号に対してフォーカス・トラックエラー検出回路217で和・差の演算を行いフォーカスずれとトラックずれの検出を行う。情報記録媒体(光ディスク)201の光反射膜もしくは光反射性記録膜からの反射光量変化を検出して情報記録媒体201上の信号を再生する。
<B−1−2>フォーカスずれ検出方法
フォーカスずれ量を光学的に検出する方法として、
・非点収差法:情報記録媒体(光ディスク)201の光反射膜もしくは光反射性記録膜で反射されたレーザー光の検出光路に図示して無いが非点収差を発生させる光学素子を配置し、光検出器上に照射されるレーザー光の形状変化を検出する方法。光検出領域は対角線状に4分割されている。各検出領域から得られる検出信号に対し、フォーカス・トラックエラー検出回路217内で対角和間の差を取ってフォーカスエラー検出信号を得る、
・ナイフエッジ法:情報記録媒体201で反射されたレーザー光に対して非対称に一部を遮光するナイフエッジを配置する方法。光検出領域は2分割され、各検出領域から得られる検出信号間の差を取ってフォーカスエラー検出信号を得る)、
のどちらかを使う場合が多い。
<B−1−3>トラックずれ検出方法
情報記録媒体(光ディスク)201はスパイラル状または同心円状のトラックを有し、トラック上に情報が記録される。このトラックに沿って集光スポットをトレースさせて情報の再生もしくは記録/消去を行う。安定して集光スポットをトラックに沿ってトレースさせるため、トラックと集光スポットの相対的位置ずれを光学的に検出する必要がある。トラックずれ検出方法としては、一般に、
・DPD( Differential Phase Detection )法:情報記録媒体(光ディスク)201の光反射膜もしくは光反射性記録膜で反射されたレーザー光の光検出器上での強度分布変化を検出する。光検出領域は対角線状に4分割されている。各検出領域から得られる検出信号に対し、フォーカス・トラックエラー検出回路217内で対角和間の差を取ってトラックエラー検出信号を得る。
・Push−Pull法:情報記録媒体201で反射されたレーザー光の光検出器上での強度分布変化を検出する。光検出領域は2分割され、各検出領域から得られる検出信号間の差を取ってトラックエラー検出信号を得る。
・Twin−Spot法:半導体レーザー素子と情報記録媒体201間の送光系に回折素子などを配置して光を複数に波面分割し、情報記録媒体201上に照射する±1次回折光の反射光量変化を検出する。再生信号検出用の光検出領域とは別に+1次回折光の反射光量と−1次回折光の反射光量を個々に検出する光検出領域を配置し、それぞれの検出信号の差を取ってトラックエラー検出信号を得る、などが有る。
<B−1−4>対物レンズアクチュエーター構造
半導体レーザー素子から発光されたレーザー光を情報記録媒体201上に集光させる対物レンズ(図示されて無い)は対物レンズアクチュエーター駆動回路218の出力電流に応じて2軸方向に移動可能な構造になっている。この対物レンズの移動方向は、
・フォーカスずれ補正用に情報記録媒体201に対する垂直方向に移動する、
・トラックずれ補正用に情報記録媒体201の半径方向に移動する、
図示して無いが対物レンズの移動機構を対物レンズアクチュエーターと呼ぶ。
対物レンズアクチュエーター構造としては、
・軸摺動方式:中心軸(シャフト)に沿って対物レンズと一体のブレードが移動する方式で、ブレードが中心軸に沿った方向に移動してフォーカスずれ補正を行い、中心軸を基準としたブレードの回転運動によりトラックずれ補正を行う方法、あるいは
・4本ワイアー方式:対物レンズ一体のブレードが固定系に対し4本のワイアーで連結されており、ワイアーの弾性変形を利用してブレードを2軸方向に移動させる方法、が多く使われている。いずれの方式も永久磁石とコイルを持ち、ブレードに連結したコイルに電流を流す事によりブレードを移動させる構造になっている。
<B−2>情報記録媒体201の回転制御系
スピンドルモーター204の駆動力によって回転する回転テーブル221上に情報記録媒体(光ディスク)201を装着する。
情報記録媒体201の回転数は情報記録媒体201から得られる再生信号によって検出する。すなわちアンプ213出力の検出信号(アナログ信号)は2値化回路212でデジタル信号に変換され、この信号からPLL回路211により一定周期信号(基準クロック信号)を発生させる。情報記録媒体回転速度検出回路214ではこの信号を用いて情報記録媒体201の回転数を検出し、その値を出力する。
情報記録媒体201上で再生あるいは記録/消去する半径位置に対応した情報記録媒体回転数の対応テーブルは半導体メモリー219にあらかじめ記録して有る。再生位置もしくは記録/消去位置が決まると、制御部220は半導体メモリー219情報を参照して情報記録媒体201の目標回転数を設定し、その値をスピンドルモーター駆動回路215に通知する。
スピンドルモーター駆動回路215では、この目標回転数と情報記録媒体回転速度検出回路214の出力信号(現状での回転数)との差を求め、その結果に応じた駆動電流をスピンドルモーター204に与えてスピンドルモーター204の回転数が一定になるように制御する。情報記録媒体回転速度検出回路214の出力信号は情報記録媒体201の回転数に対応した周波数を有するパルス信号で、スピンドルモーター駆動回路215ではこの信号の周波数とパルス位相の両方に対して制御する。
<B−3>光学ヘッド移動機構
情報記録媒体201の半径方向に光学ヘッド202を移動させるため光学ヘッド移動機構(送りモーター)203を持っている。
光学ヘッド202を移動させるガイド機構として棒状のガイドシャフトを利用する場合が多く、このガイドシャフトと光学ヘッド202の一部に取り付けられたブッシュ間の摩擦を利用して光学ヘッド202が移動する。それ以外に回転運動を使用して摩擦力を軽減させたベアリングを用いる方法も有る。
光学ヘッド202を移動させる駆動力伝達方法は図示して無いが固定系にピニオン(回転ギヤ)の付いた回転モーターを配置し、ピニオンとかみ合う直線状のギヤであるラックを光学ヘッド202の側面に配置して回転モーターの回転運動を光学ヘッド202の直線運動に変換している。それ以外の駆動力伝達方法としては固定系に永久磁石を配置し、光学ヘッド202に配置したコイルに電流を流して直線的方向に移動させるリニアモーター方式を使う場合もある。
回転モーター、リニアモーターいずれの方式でも基本的には送りモーターに電流を流して光学ヘッド202移動用の駆動力を発生させている。この駆動用電流は送りモーター駆動回路216から供給される。
<C>各制御回路の機能
<C−1>集光スポットトレース制御
フォーカスずれ補正あるいはトラックずれ補正を行うため、フォーカス・トラックエラー検出回路217の出力信号(検出信号)に応じて光学ヘッド202内の対物レンズアクチュエーター(図示して無い)に駆動電流を供給する回路が対物レンズアクチュエーター駆動回路218である。高い周波数領域まで対物レンズ移動を高速応答させるため、対物レンズアクチュエーターの周波数特性に合わせた特性改善用の位相補償回路を内部に有している。
対物レンズアクチュエーター駆動回路218では制御部220の命令に応じて、
・フォーカス/トラックずれ補正動作(フォーカス/トラックループ)のON/OFF処理、
・情報記録媒体201の垂直方向(フォーカス方向)へ対物レンズを低速で移動させる処理(フォーカス/トラックループOFF時に実行)、
・キックパルスを用いて情報記録媒体201の半径方向(トラックを横切る方向)にわずかに動かして、集光スポットを隣のトラックへ移動させる処理、
を行う。
<C−2>レーザー光量制御
<C−2−1>再生と記録/消去の切り替え処理
再生と記録/消去の切り替えは情報記録媒体201上に照射する集光スポットの光量を変化させて行う。
相変化方式を用いた情報記録媒体に対しては一般的に、
[記録時の光量]>[消去時の光量]>[再生時の光量]
の関係が成り立ち、光磁気方式を用いた情報記録媒体に対しては一般的に、
[記録時の光量]≒[消去時の光量]>[再生時の光量]
の関係が有る。
光磁気方式の場合には記録/消去時には情報記録媒体201に加える外部磁場(図示して無い)の極性を変えて記録と消去の処理を制御している。
情報再生時には情報記録媒体201上には一定の光量を連続的に照射している。
新たな情報を記録する場合には、この再生時の光量の上にパルス状の断続的光量を上乗せする。半導体レーザー素子が大きな光量でパルス発光した時に情報記録媒体201の光反射性記録膜が局所的に光学的変化もしくは形状変化を起こし、記録マークが形成される。すでに記録されている領域の上に重ね書きする場合も同様に半導体レーザー素子をパルス発光させる。
すでに記録されている情報を消去する場合には、再生時よりも大きな一定光量を連続照射する。連続的に情報を消去する場合にはセクター単位など特定周期毎に照射光量を再生時に戻し、消去処理と平行して間欠的に情報再生を行う。間欠的に消去するトラックのトラック番号やアドレスを再生し、消去トラックの誤りが無い事を確認しながら消去処理を行っている。
<C−2−2>レーザー発光制御
図示して無いが光学ヘッド202内には半導体レーザー素子の発光量を検出するための光検出器を内蔵している。半導体レーザー駆動回路205ではその光検出器出力(半導体レーザー素子発光量の検出信号)と記録/再生/消去制御波形発生回路206から与えられる発光基準信号との差を取り、その結果に基付き半導体レーザーへの駆動電流をフィードバックしている。
<D>機構部分の制御系に関する諸動作
<D−1>起動制御
情報記録媒体(光ディスク)201を回転テーブル221上に装着し、起動制御を開始すると、以下の手順に従って処理が行われる。
(1)制御部220からスピンドルモーター駆動回路215に目標回転数が伝えられ、スピンドルモーター駆動回路215からスピンドルモーター204に駆動電流が供給されてスピンドルモーター204の回転が開始する。
(2)同時に制御部220から送りモーター駆動回路216に対してコマンド(実行命令)が出され、送りモーター駆動回路216から光学ヘッド駆動機構(送りモーター)203に駆動電流が供給されて光学ヘッド202が情報記録媒体201の最内周位置に移動する。情報記録媒体201の情報が記録されている領域を越えてさらに内周部に光学ヘッド202が来ている事を確認する。
(3)スピンドルモーター204が目標回転数に到達すると、そのステータス(状況報告)が制御部220に出される。
(4)制御部220から記録/再生/消去制御波形発生回路206に送られた再生光量信号に合わせて半導体レーザー駆動回路205から光学ヘッド202内の半導体レーザー素子に電流が供給されてレーザー発光を開始する。
*情報記録媒体(光ディスク)201の種類によって再生時の最適照射光量が異なる。起動時にはそのうちの最も照射光量の低い値に設定する。
(5)制御部220からのコマンドに従って光学ヘッド202内の対物レンズ(図示して無い)を情報記録媒体201から最も遠ざけた位置にずらし、ゆっくりと対物レンズを情報記録媒体201に近付けるよう対物レンズアクチュエーター駆動回路218が制御する。
(6)同時にフォーカス・トラックエラー検出回路217でフォーカスずれ量をモニターし、焦点が合った位置近傍に対物レンズが来た時ステータスを出して制御部220に通知する。
(7)制御部220ではその通知をもらうと、対物レンズアクチュエーター駆動回路218に対してフォーカスループをONにするようコマンドを出す。
(8)制御部220はフォーカスループをONにしたまま送りモーター駆動回路216にコマンドを出して光学ヘッド202をゆっくり情報記録媒体201の外周部方向へ移動させる。
(9)同時に光学ヘッド202からの再生信号をモニターし、光学ヘッド202が情報記録媒体201上の記録領域に到達したら光学ヘッド202の移動を止め、対物レンズアクチュエーター駆動回路218に対してトラックループをONさせるコマンドを出す。
(10)情報記録媒体(光ディスク)201の内周部に記録されている“再生時の最適光量”と“記録/消去時の最適光量”を再生し、その情報が制御部220を経由して半導体メモリー219に記録される。
(11)さらに制御部220ではその“再生時の最適光量”に合わせた信号を記録/再生/消去制御波形発生回路206に送り、再生時の半導体レーザー素子の発光量を再設定する。
(12)情報記録媒体201に記録されている“記録/消去時の最適光量”に合わせて記録/消去時の半導体レーザー素子の発光量が設定される。
<D−2>アクセス制御
<D−2−1>情報記録媒体201上のアクセス先情報の再生
情報記録媒体201上のどの場所にどのような内容の情報が記録されているかに付いての情報は情報記録媒体201の種類により異なり、一般的には情報記録媒体201内の、
・ディレクトリー管理領域:情報記録媒体201の内周領域もしくは外周領域にまとまって記録して有る、
・ナビゲーションパック:MPEG2のPS( Program Stream )のデータ構造に準拠したVOBS( Video Object Set )の中に含まれ、次の映像がどこに記録して有るかの情報が記録されている、などに記録して有る。
特定の情報を再生あるいは記録/消去したい場合には、まず上記の領域内の情報を再生し、そこで得られた情報からアクセス先を決定する。
<D−2−2>粗アクセス制御
制御部220ではアクセス先の半径位置を計算で求め、現状の光学ヘッド202位置との間の距離を割り出す。
光学ヘッド202移動距離に対して最も短時間で到達出来る速度曲線情報が事前に半導体メモリー219内に記録されている。制御部220はその情報を読み取り、その速度曲線に従って以下の方法で光学ヘッド202の移動制御を行う。
制御部220から対物レンズアクチュエーター駆動回路218に対してコマンドを出してトラックループをOFFした後、送りモーター駆動回路216を制御して光学ヘッド202の移動を開始させる。
集光スポットが情報記録媒体201上のトラックを横切ると、フォーカス・トラックエラー検出回路217内でトラックエラー検出信号が発生する。このトラックエラー検出信号を用いて情報記録媒体201に対する集光スポットの相対速度が検出できる。
送りモーター駆動回路216では、このフォーカス・トラックエラー検出回路217から得られる集光スポットの相対速度と制御部220から逐一送られる目標速度情報との差を演算し、その結果を光学ヘッド駆動機構(送りモーター)203への駆動電流にフィードバックかけながら光学ヘッド202を移動させる。
“<B−3>光学ヘッド移動機構”に記述したようにガイドシャフトとブッシュあるいはベアリング間には常に摩擦力が働いている。光学ヘッド202が高速に移動している時は動摩擦が働くが、移動開始時と停止直前には光学ヘッド202の移動速度が遅いため静止摩擦が働く。この時には相対的摩擦力が増加しているので(特に停止直前には)制御部220からのコマンドに応じて光学ヘッド駆動機構(送りモーター)203に供給する電流の増幅率(ゲイン)を増加させる。
<D−2−3>密アクセス制御
光学ヘッド202が目標位置に到達すると制御部220から対物レンズアクチュエーター駆動回路218にコマンドを出してトラックループをONさせる。
集光スポットは情報記録媒体201上のトラックに沿ってトレースしながらその部分のアドレスもしくはトラック番号を再生する。
そこでのアドレスもしくはトラック番号から現在の集光スポット位置を割り出し、到達目標位置からの誤差トラック数を制御部220内で計算し、集光スポットの移動に必要なトラック数を対物レンズアクチュエーター駆動回路218に通知する。
対物レンズアクチュエーター駆動回路218内で1組キックパルスを発生させると対物レンズは情報記録媒体201の半径方向にわずかに動いて、集光スポットが隣のトラックへ移動する。
対物レンズアクチュエーター駆動回路218内では一時的にトラックループをOFFさせ、制御部220からの情報に合わせた回数のキックパルスを発生させた後、再びトラックループをONさせる。
密アクセス終了後、制御部220は集光スポットがトレースしている位置の情報(アドレスもしくはトラック番号)を再生し、目標トラックにアクセスしている事を確認する。
<D−3>連続記録/再生/消去制御
フォーカス・トラックエラー検出回路217から出力されるトラックエラー検出信号は送りモーター駆動回路216に入力されている。上述した“起動制御時”と“アクセス制御時”には送りモーター駆動回路216内ではトラックエラー検出信号を使用しないように制御部220により制御されている。
アクセスにより集光スポットが目標トラックに到達した事を確認した後、制御部220からのコマンドによりモーター駆動回路216を経由してトラックエラー検出信号の一部が光学ヘッド駆動機構(送りモーター)203への駆動電流として供給される。連続に再生もしくは記録/消去処理を行っている期間中、この制御は継続される。
情報記録媒体201の中心位置は回転テーブル221の中心位置とわずかにずれた偏心を持って装着されている。トラックエラー検出信号の一部を駆動電流として供給すると、偏心に合わせて光学ヘッド202全体が微動する。
また長時間連続して再生もしくは記録/消去処理を行うと、集光スポット位置が徐々に外周方向もしくは内周方向に移動する。トラックエラー検出信号の一部を光学ヘッド移動機構(送りモーター)203への駆動電流として供給した場合には、それに合わせて光学ヘッド202が徐々に外周方向もしくは内周方向に移動する。
このようにして対物レンズアクチュエーターのトラックずれ補正の負担を軽減し、トラックループを安定化出来る。
<D−4>終了制御
一連の処理が完了し、動作を終了させる場合には以下の手順に従って処理が行われる。
(1)制御部220から対物レンズアクチュエーター駆動回路218に対してトラックループをOFFさせるコマンドが出される。
(2)制御部220から対物レンズアクチュエーター駆動回路218に対してフォーカスループをOFFさせるコマンドが出される。
(3)制御部220から記録/再生/消去制御波形発生回路206に対して半導体レーザー素子の発光を停止させるコマンドが出される。
(4)スピンドルモーター駆動回路215に対して基準回転数として0を通知する。
<E>情報記録媒体への記録信号/再生信号の流れ
<E−1>情報記録媒体201に記録される信号形式
情報記録媒体201上に記録する信号に対して、
・情報記録媒体201上の欠陥に起因する記録情報エラーの訂正を可能とする、
・再生信号の直流成分を0にして再生処理回路の簡素化を図る、
・情報記録媒体201に対して出来るだけ高密度に情報を記録する、
との要求を満足するため図11に示すように情報記録再生部(物理系ブロック)では“エラー訂正機能の付加”“記録情報に対する信号変換(信号の変復調)”を行っている。
<E−2>記録時の信号の流れ
<E−2−1>ECC( Error Correction Code )付加処理
情報記録媒体201に記録したい情報が生信号の形で記録信号dとしてデータ入出力インターフェース部222に入力される。この記録信号dはそのまま半導体メモリー219に記録され、その後ECCエンコーディング回路208で以下のようにECCの付加処理を実行する。
以下に積符号を用いたECC付加方法の実施例について説明する。
記録信号dは半導体メモリー219内で172Bytes 毎に1行ずつ順次並べ、192行で1組のECCブロックとする。この“行:172×列:192Bytes”で構成される1組のECCブロック内の生信号(記録信号d)に対し、172Bytes の1行毎に10Bytes の内符号PIを計算して半導体メモリー219内に追加記録する。 さらに Bytes 単位の1列毎に16Bytes の外符号POを計算して半導体メモリー219内に追加記録する。
情報記録媒体201に記録する実施例としては内符号PIを含めた12行と外符号PO分1行の合計2366Bytes
(2366=(12+1)×(172+10))
を単位として情報記録媒体の1セクター内に記録する。
ECCエンコーディング回路208では内符号PIと外符号POの付加が完了すると、半導体メモリー219から1セクター分の2366Bytes ずつの信号を読み取り、変調回路207へ転送する。
<E−2−2>信号変調
再生信号の直流成分( DSV:Digital Sum Value )を0に近付け、情報記録媒体201に対して高密度に情報を記録するため、信号形式の変換である信号変調を変調回路207内で行う。
元の信号と変調後の信号との間の関係を示す変換テーブルを変調回路207と復調回路210内部で持っている。ECCエンコーディング回路208から転送された信号を変調方式に従って複数ビット毎に区切り、変換テーブルを参照しながら別の信号(コード)に変換する。
例えば変調方式として8/16変調( RLL(2,10)コード)を用いた場合には、変換テーブルが2種類存在し、変調後の直流成分( DSV:Digital Sum Value )が0に近付くように逐一参照用変換テーブルを切り替えている。
<E−2−3>記録波形発生
情報記録媒体(光ディスク)201に記録マークを記録する場合、一般的には記録方式として、
・マーク長記録方式:記録マークの前端位置と後端末位置に“1”が来る、
・マーク間記録方式:記録マークの中心位置が“1”の位置と一致する、
の2種類が存在する。
また、マーク長記録を行った場合、長い記録マークを形成する必要が有る。この場合、一定期間記録光量を照射し続けると情報記録媒体201の光反射性記録膜の蓄熱効果により後部のみ幅が広い“雨だれ”形状の記録マークが形成される。この弊害を除去するため、長さの長い記録マークを形成する場合には複数の記録パルスに分割したり、記録波形を階段状に変化させている。
記録/再生/消去制御波形発生回路206内では変調回路207から送られて来た記録信号に応じて上記のような記録波形を作成し、半導体レーザー駆動回路205に伝達している。
<E−3>再生時の信号の流れ
<E−3−1>2値化・PLL回路
“<B−1−1>光学ヘッド202による信号検出”で記述したように情報記録媒体(光ディスク)201の光反射膜もしくは光反射性記録膜からの反射光量変化を検出して情報記録媒体201上の信号を再生する。アンプ213で得られた信号はアナログ波形をしている。2値化回路212ではその信号をコンパレーターを用いて“1”と“0”からなる2値のデジタル信号に変換する。
ここから得られた再生信号からPLL回路211で情報再生時の基準信号を取り出している。PLL回路211は周波数可変の発振器を内蔵している。その発振器から出力されるパルス信号(基準クロック)と2値化回路212出力信号間の周波数と位相の比較を行い、その結果を発振器出力にフィードバックしている。
<E−3−2>信号の復調
変調された信号と復調後の信号との間の関係を示す変換テーブルを復調回路210内部で持っている。PLL回路211で得られた基準クロックに合わせて変換テーブルを参照しながら信号を元の信号に戻す。戻した(復調した)信号は半導体メモリー219に記録される。
<E−3−3>エラー訂正処理
半導体メモリー219に保存された信号に対し、内符号PIと外符号POを用いてエラー訂正回路209ではエラー箇所を検出し、エラー箇所のポインターフラグを立てる。
その後、半導体メモリー219から信号を読み出しながらエラーポインターフラグに合わせて逐次エラー箇所の信号を訂正し、内符号PIと外符号POをはずしてデータ入出力インターフェース部222へ転送する。
ECCエンコーディング回路208から送られて来た信号をデータ入出力インターフェース部222から再生信号cとして出力する。
<<1>>規格に準拠した共通情報に対する拡張情報利用方法
図12に、本発明の基本概念を示す。
例えば DVD−Video のように公共の場で規格を設定し、その規格に従って情報記録媒体( Optical Disk 1001 )に記録された情報を規格に準拠した共通情報2001と呼ぶ。
規格に準拠した共通情報2001は、映像情報、静止画像情報、音声情報などの情報のコンテンツそのものの情報を示す Object 情報または Contents 情報2012と、その情報を管理・制御する管理・制御情報2011に分離される。これら両者の情報は規格に準拠しているため、どのメーカーのドライバー(情報記録再生装置)でも再生、編集が可能になっている。
ある特定メーカーのドライバー(情報記録再生装置)のみにおいて上記規格で規定した機能を越えた独自の機能を発揮し、その独自機能に関係した情報を上記情報記録媒体( Optical Disk 1001 )に記録する場合には特定メーカーのみの使用可能な特定情報2002の記録領域に記録できる構造になっている。この特定メーカーのみの使用可能な特定情報2002は規格に準拠した共通情報2001の記録領域とは情報記録媒体( Optical Disk 1001 )上の異なる領域に記録される。上記特定メーカーのドライバー(情報記録再生装置)のみ再生可能な情報の内、映像情報、静止画像情報、音声情報など情報のコンテンツそのものに関する情報は特定メーカーのみ使用可能な特定オブジェクト情報(特定コンテンツ情報)2008で定義する。この特定メーカーのみ使用可能な特定オブジェクト情報(特定コンテンツ情報)2008を管理・制御するために必要な情報は特定メーカーのみ使用可能な管理・制御情報2006で定義する。
上記独自機能を持った特定メーカーのドライバー(情報記録再生装置)も基本は規格で規定された機能ルールに従って動作を行う。従って上記ドライバー(情報記録再生装置)は基本的には上記規格に準拠した共通情報2001を用いて動作・処理を実行し、特定な機能が必要な部分でのみ上記特定メーカーのみの使用可能な特定情報2002を呼び出して特殊処理を行う。つまり特定メーカーのみ使用可能な特定情報2002を必要とする場所あるいは必要とする時は上記規格に準拠した共通情報2001内容に関連付けられて設定される。このように特定メーカーのみ使用可能な特定情報2002の規格に準拠した共通情報2001に対する関連を示した情報を「リンク情報2003」と定義する。
<<2>>本発明の基本コンセプト(発明の狙い目)
本発明の基本コンセプト・発明の狙い目をまとめると以下のようになる。
・複数社のレコーダー(情報記録再生装置)で独自に作成した複数のリンク情報の併記・並列使用を可能とする。
・リンク情報を設定するメーカーID情報に関し、特定機関でのID振り分け処理を不用にする。その結果、特定機関への許認可申請をする必要無く、自由に新規メーカーの参入が容易となる。
・他社のレコーダー(情報記録再生装置)で映像編集した後、自社のレコーダー(情報記録再生装置)でリンク情報に対する映像編集の影響が分かるようにする。
<<3>>1個のリンク情報内に記録されている情報内容
1個のリンク情報内に記録されている情報内容を図13に示す。この情報内容の特徴を以下にまとめる。
(1)1個のリンク情報で1度に複数のリンク元/リンク先を示すことが出来る。
・規格に準拠した管理・制御情報2005内の複数場所で同一の独自機能(特定メーカーのドライバーのみで実施可能な機能)を指定したい場合に、このように複数箇所に並列リンクを貼るとリンク情報数を減らす事が出来る。
・規格に準拠した管理・制御情報2005内の同一場所に複数の独自機能(特定メーカーのドライバーのみで実施可能な機能)を指定したい場合に、このように複数箇所に並列リンクを貼るとリンク情報数を減らす事が出来る。
(2)複数社のレコーダーで独自に作成したリンク情報の併記・並列使用を可能とする方法。
・1個のVOBあるいはCellに対して複数のリンク情報が並列的に対応しうる構造になっている。各リンク情報内には「該当するリンク情報を最後に記録・変更した時期( 年月日 )情報2061」が記録されている。また各リンク情報には「該当するリンク情報に関係した特定情報の使用が可能なドライブメーカーグループID情報(複数メーカーで作るグループのID)2034」もしくは「該当するリンク情報に関係した特定情報の使用が可能なドライブメーカーID情報(ドライブメーカー名など)2035」が記録され、この情報から該当するリンク情報を使用できるメーカー名が分かる。
(3)特定機関でのメーカーID振り分け処理を不用にする方法。
ここも同様に図13を用いて具体的実施例について説明する。
メーカーグループID情報2034、ドライブメーカーID情報2035、特定情報を使用可能な機種情報(どの機種以降使用可能か)2073を全てテキスト情報として記録する。
更に同一メーカー名の混在( 関連会社など )時に対応するため、リンク情報内に更に「ドライブメーカーが設定できるこのリンク情報に関する付加情報2037」を設け、パスワード設定などにより混乱を避ける事が可能になっている。テキスト情報記録方法としてリンク情報内に「ドライブメーカー記述用キャラクターコードのID情報2033」(例えばJISコードIDなど)を設定している。
本発明の“ドライブメーカーID情報”の設定方法に関する、他の実施例をまとめて図14に示す。
<<4>>リンク形態の説明
図12には、規格に準拠した共通情報2001と特定メーカーのみ使用可能な特定情報2002間の概略的な関連付けについて示してある。両者間の具体的なリンク方法について以下に詳細に説明する。各特定情報2002に対するリンク形態について情報は図13に示すようにリンク情報2003内の“このリンク情報に関係した特定情報のリンク形態に関する情報2041”の欄に記録される。
本発明実施例では以下の4種類のリンク形態が存在する。
(1)リンク形態A:外部プログラム/特定情報側からのコール処理
図15に示した処理方法で、特定メーカーのみ使用可能な管理・制御情報2006側から規格に準拠した共通情報2001内の規格に準拠したオブジェクト情報2007を直接使う形態である。各オブジェクト情報はVideo Object Information 1107側で管理しているので、実際にはVideo Object Information 1107に対してコールをかける。それ以外の方法として表示単位であるCell Playback Information 1108や連続した再生プログラムを示したPGC Control Information 1103に対してコールをかける方法もある。
この形態の具体的な利用方法として、
・多連ディスクパックや多層ディスクなど複数枚あるいは複数層の記録層を持つ情報記録媒体(Optical Disk 1001)全体に対して映像情報、静止画像情報、音声情報を特定メーカーのみ使用可能な管理情報2006側で統合的に管理し、1層毎にしか管理していないPGC Control Information 1103, Cell Playback Information 1108, Video Object Information 1107の各情報(それぞれの記録層毎の情報)をまとめる,
・特定メーカーのみ使用可能な管理・制御情報2006側に番組録画予約情報を持ち、その情報を利用して録画して得た情報を規格に準拠した共通情報2001として記録する(録画した映像情報をVideo Object 1012として記録し、その映像情報に関する管理情報を規格に準拠した管理・制御情報2005に記録する),
・映像情報や膨大に記録された静止画像情報に対して検索情報(細かく階層化されたツリー構造情報やキーワード検索情報など)を特定メーカーのみ使用可能な管理・制御情報2006側に待たせ、それを使ってPicture Objects(ピクチャーオブジェクト) 1013やVideo Objects(ビデオオブジェクト) 1012内に記録されている必要な映像情報や静止画像情報を検索表示する,
などが有る。
図15に示す特定メーカーのみ使用可能な管理・制御情報2006は共通情報2001に関連した規格で示した基本機能に関連した機能を実現するための情報内容を持つ。しかしそれに限らず、特定の外部アプリケーションプログラム2110に対する外部部品として利用する方法もある。例えば、文書作成ソフト上で作成した文書の一部にPicture Objects(ピクチャーオブジェクト) 1013やVideo Objects(ビデオオブジェクト) 1012の情報を貼り付けたり、プレゼンテーションソフトで同様にPicture Objects(ピクチャーオブジェクト) 1013やVideo Objects(ビデオオブジェクト) 1012の情報を貼り付ける方法が有る。さらにVideo Objects(ビデオオブジェクト) 1012内の映像情報の一部を取り込んで輪郭抽出技術などを用いてCG(コンピューターグラフィックス)に自動変換した後、モーフィング技術などを用いてユーザーの思いのまま動かす機能を持ったアプリケーションプログラムを作成することも本発明の技術を用いると可能となる,
(2)リンク形態B:部分的な交換処理,
図16に示した処理方法で、図3に示した構造を有する規格に準拠したオブジェクト情報2007に対して、例えばVOB 1403とCell 1443に対応して類似した情報内容を持ちつつ独自の機能に対応した情報が吹かされた情報を“拡張されたVideo Object Information 2115”と“拡張されたCell Playback Information 2114”内に記録しておく。その後リンク情報2003を選択する事により情報再生・表示時にVOB 1403とCell 1443の部分が特定メーカーのみ使用可能な特定情報2002内の上記代替え(交換)用情報に入れ替わる。
この処理方法を用いた具体的な応用例として以下のようなものがある。
・オブジェクト情報の記録形式変換対応
DVD Video規格では映像情報の記録形式は“MPEG1”か“MPEG2”形式に限定している。例えばDV(デジタルビデオ)方式で記録された情報を図3に示したデータ構造で記録する場合には映像情報をMPEG2形式に変換して記録する(この情報は図16のVideo Objects(ビデオオブジェクト) 1012内に記録される)と共に、別ファイルして図1(c)のComputer Data Area 1008にDV形式の元の映像方法を同時に記録しておく。この情報が図16の特定メーカーのみ使用可能な特定オブジェクト情報(特定コンテンツ情報)2008になる。更にこのDV形式の映像情報に関する管理・制御情報もComputer Data Area 1008内にファイルを分けて記録し、特定メーカーのみ使用可能な管理・制御情報2006として扱う。
再生時には一般のメーカーの情報再生装置では、図16内のVideo Objects(ビデオオブジェクト) 1012内のMPEG2形式で記録された映像情報を再生する。これに対して、特定メーカーの情報再生装置ではリンク情報2003を用いて特定メーカーのみ使用可能な特定オブジェクト情報(特定コンテンツ情報)2008内に記録されているDV形式の元の映像情報が再生できる。一般にMPEG2情報よりDV形式の映像情報の方が画質が良いので、上記特定メーカーの差別化技術となる。
同様の利用方法は映像情報のみに限らず静止画像情報に対しても採用できる。すなわち図16(b)に示したPicture Objets 1013は“MPEG2の1ピックチャー形式”で記録されている。デジタルカメラで撮影したビットマップ形式あるいはJPEG形式の静止画像情報を記録する場合にはフォーマット変換して図16(b)のPicture Objects(ピクチャーオブジェクト) 1013内に記録するが、それと並行して特定メーカーのみ使用可能な特定オブジェクト情報(特定コンテンツ情報)2008内にJPEG形式の現画像を記録しておく。特定メーカーの情報再生装置ではリンク情報2003を用いて解像度の高い(高画質な)JPEG形式の現画像を再生できる。
・可変速再生
図16(b)に示すCell Playback Information 1108内には通常の再生速度の情報しか記録されていない。例えば2倍速、4倍速でのFF(高速再生)やFR(高速巻きも度し)をする場合、コマ落ち再生を指定する必要がある。FFやFRに対応した再生手順を示す情報を拡張されたCell Playback Information 2114にあらかじめ記録しておき、特定メーカーの情報再生装置のみがリンク情報2003を用いてFFやFR再生を可能にする。
・アフレコ挿入処理
図16(b)のVideo Objects(ビデオオブジェクト) 1012内に既に記録された映像を再生しながらアフレコで音声情報を重ね記録したい場合、追加記録する音声情報のみを規格に準拠した共通情報2001内のAudio Objects 1014内に記録する。その後上記のVideo Objects(ビデオオブジェクト) 1012内に既に記録された映像を再生するためのCell Playback Information 1108内の該当情報に代わる情報として上記のVideo Objects(ビデオオブジェクト) 1012内の映像情報とアフレコとして記録したAudio Objects 1014内情報を同時に再生する仕組みを示した情報を作成し、特定メーカーのみ使用可能な特定情報2002内の拡張されたCell Playback Information 2114内に記録する。特定メーカーが作成した情報再生装置のみが上記の拡張されたCell Play Information 2114を用いて上述した映像情報とアフレコ音声情報を同時に再生・出力出来る。
・特殊編集後の映像情報表示
規格に準拠した共通情報2001内では映像に対する特殊編集情報は含まれていない。例えば図3(d)内のVOB1404に対して“フェードイン”と“クロマキー”の特殊編集処理を施したい場合には図16(b)のVideo Object Information 1107内に含まれる図3(d)内のVOB1404に対する管理・制御情報に対して“フェードイン”と“クロマキー”の特殊編集処理情報を追記した管理・制御情報を作成して拡張されたVideo Object Information 2115内に記録しておく。特定メーカーが製造した情報再生装置では拡張されたVideo Object Information 2115内に記録された該当情報を読み取り、特殊編集処理をした後の映像を表示・出力する。なお拡張されたVideo Object Information 2115内では上記特殊編集情報はEDL形式で記述されている。
(3)リンク形態C:徳地情報の挿入処理
図16(b)に示した処理方法。例えば一般のメーカーが作成した情報再生装置では図3(g)のようにCell 1441→Cell 1442→Cell 1443の順で再生する場合を例に取り説明する。それに対して図16(b)の拡張されたCell Playback Information 2114内に特定メーカーがCell*を記録し、リンク情報2003内で挿入場所を「Cell 1442の直後」と指定しておく。特定メーカーが図3(h)に示したPGC 1446を再生する場合にはリンク情報2003を利用して“Cell 1441→Cell 1442→Cell*→Cell 1443”の順に再生・表示できる。
具体的な実施例として、上記の方法を用いたCM自動挿入などが有る。
(4)リンク形態D:機能拡張処理
図17に示した処理方法でVideo Object InformationやCellに対して独自の拡張機能を直接付加する方法である。具体的な実施例として以下のようなものがある。
・パレンタルロックやセキュリティ機能
例えば図3のVOB1404のみにパスワード設定を用いたセキュリティ管理やパレンタルロック機能を持たせる。このパスワード情報は図17(c)に示す拡張されたVideo Object Information 2115内に記録する。
・小画面同時表示機能
例えば図3(g)のCell 1442に対してのみ小画面表示が可能とし、小画面に並行して別の映像を表示可能にする拡張機能情報を図17(c)の拡張されたCell Playback Information 2114内に持たせておく。
・表示画像特性改善機能
カムコーダーなどで記録した映像は逆光や証明不足のため再生画像が暗かったり、かぶったり、色調が悪かったりする。図17(c)の拡張されたVideo Object Information 2115内に“明暗調整”“色調調整”などのパラメーターを記録できるようにし、録画後の編集時に画像特性改善のためのパラメーターの設定をしておく。特定メーカーの情報再生装置では再生時にリンク情報を用いてこのパラメーター値に従って画像特性を補正して表示する。
・ユーザー設定可能な記録・再生時の場所指定情報
例えばユーザーが前回再生時に最後に見た場所を図17(c)の拡張されたPGC Control Information 2113に記録しておけば、ユーザーが次に再生する時にその続きから再生できる。
<<5>>カテゴリーIDに関する説明
情報記録媒体(Optical Disk 1001)には、複数のコンテンツ(図3のPTT1407、PTT1408など)に分けて情報が記録される。また、この情報記録媒体(Optical Disk 1001)には、各コンテンツ毎に、規格に準拠した共通情報2001及び特定メーカーのみ使用可能な特定情報2002が記録される。さらに、この情報記録媒体(Optical Disk 1001)には、規格に準拠した共通情報2001と前記特定情報2002との関係を示すリンク情報2003が記録される。ここで、以下説明するカテゴリーIDを使用することにより、コンテンツ毎に、異なる機能を実現させることができる。
図13に示したリンク情報が持つ情報内の特定情報に関する複数社で共通な機能情報(カテゴリーID)2040の内容を図18に示す。図18は、一例として、A社におけるカテゴリーIDの一覧を示している。図18に示した共通な機能内容及びリンク形態の記号は“<<4>>リンク形態の説明”で説明した内容と一致している。
図18に示すように情報記録媒体(Optical Disk 1001)内に記録された情報内容(図3(c)のPTT1407(一つのコンテンツ)、PTT1408(一つのコンテンツ))によって使用可能な情報記録再生装置あるいは情報再生装置のメーカー名が異なり、また対応したカテゴリーIDも変えて設定可能にした所に本発明の大きな特徴がある。それにより例えばアダルトビデオ全体に対してはパレンタルロックが掛かり、子どもに見せてもかまわない部分のみパレンタルロックを解除できるカテゴリーIDを設定可能となり、風紀上の規制が可能となる。この場合、記録された内容によってカテゴリーIDを設定可能にすることにより青少年の健全育成に大きく寄与できる。
特定メーカー複数社のみが協定を共通に特定の機能を実施する場合に上記の特定情報に関する複数社で共通な機能情報(カテゴリーID)2040が有効に利用される。例えばA社、B社、C社、D社とそれぞれ独自に協定を結び、共通の機能としてカテゴリーID6、9、10以外の共通な機能に関する共通使用が可能なように設定した場合を考える。図18で示したカテゴリーID6、9、10以外の共通な機能はA社が使えるだけでなく、それぞれ図18に従ってB社、C社、D社も使用可能となる。従って例えばB社では図13に示したリンク情報内のドライブメーカーID 2035の中からA社が記載されているリンク情報を探し、その中にカテゴリーID 2040の中で1,2,4,7,12が無いかを探し、見つかればA社と共用して使用する。これも上記と同様記録された内容に応じて使用可能なドライブメーカーも変わりうる事を示している。
因みに、 A社、B社、C社、D社を情報記録再生装置の製造元としてとらえても良いし、情報記録再生装置の販売元としてとらえてもよい。
<<6>>編集処理による規格に準拠した共通情報2001内容変更に対する対応方法
他社の情報記録再生装置(レコーダー)で編集処理により同一の情報記憶媒体( Optical Disk 1001 )に記録された内容を変更した後、自社の情報再生装置で設定したリンク情報に影響が有るかどうかを判定する方法について以下に説明する。
図1(e)に示したEdit Control Information 1023 の内部のデータ構造を図19に示す。
図1(c)の Audio & Video Data Area 1009 内のデータを編集した場合(新規のデータ追加時も含まれる)には、必ず図19(b)の編集履歴情報2141内に編集(新規データ追加)に関する履歴情報を記録しておく。編集履歴情報2141としては詳細な編集履歴の内容に関する情報2149と共に編集(追加記録や変更)を行った年月日と時刻情報2144、2145、2146が記録される。図19(c)に示した実施例では最後に編集を行った年月日/時刻情報2144とともに、3世代前までの編集を行った年月日/時刻情報2145、2146が記録される。
図13に示したデータ構造を持つリンク情報2003は情報記憶媒体( Optical Disk 1001 )上には図20(d)のように複数2163〜2167記録されている。例えばリンク情報#β 2164 を使用する場合を説明する。1個のリンク情報#β 2164 の中には図20(e)もしくは図13の分類項目2020に示した各情報が記録され、特にその中の「このリンク情報に関する時間情報2027」の分類項目2020内に図20(f)(あるいは図13)に示すように「このリンク情報を最後に記録した時期( 年月日 )情報2061」が記録して有る。このリンク情報を最後に記録した時期( 年月日 )情報2061を再生し、リンク情報#β 2164 が最後に作成あるいは編集/変更された年月日と時刻を読み取る。この年月日/時刻と図19(c)に示した Audio & Video Data Area 1009 内の情報の最後に編集を行った年月日/時刻とを比較する。後者の年月日の方が早いか、同時期なら Audio & Video Data Area 1009 内の情報の最後に編集を行った時と同時かそれ以降にリンク情報#β 2164 を作成あるいは変更(変更)した物と見なされる。この場合は問題無くリンク情報#β 2164 を使用できる。
逆にリンク情報#β 2164 を作成あるいは変更(変更)した時期より後に Audio & Video Data Area 1009 内の情報の編集を行った場合には(“図19(c)最後に編集を行った年月日/時刻情報2144”の方が“図20(f)リンク情報を最後に記録した時期( 年月日 )情報2061”よりも後の場合には)リンク情報#β 2164 を作成あるいは変更(編集)した後に Audio & Video Data Area 1009 内の情報の変更を行ったため、リンク情報#β 2164 を使用できない可能性が有る。規格に準拠した共通情報2001内の管理制御情報2011(図12)には図20(a)〜(c)に示すように PGC Control Information 1103、Cell Playback Information 2162〜2155、Video Object Information 2167〜2169内には全て各情報を最後に作成・変更(編集)した年月日/時刻情報 2151〜2159 が記録されている。従って上記の場合にはリンク情報#β 2164 が指定した規格に準拠した共通情報2001内の場所を調べる。図20の実施例ではリンク情報#β 2164 はリンク元として Video Object Information #2 2168 を指定しているのでこの Video Object Information #2 2168 を最後に作成・変更(編集)した年月日/時刻情報2158の情報を再生して比較する。 Video Object Information #2 2168 を最後に作成・変更(編集)した年月日/時刻情報2158よりもリンク情報#β 2164 を最後に記録した時期( 年月日 )情報2061の方が同時期かあるいは遅い場合には Video Object Information #2 2168 以外の場所を編集した物と見なし、このリンク情報#β 2164 を問題なく使用できる。逆に Video Object Information #2 2168 を最後に作成・変更(編集)した年月日/時刻情報2158よりもリンク情報#β 2164 を最後に記録した時期( 年月日 )情報2061の方が早い場合には、リンク情報#β 2164 を設定後に Video Object Information #2 2168 の内容が変更されているのでリンク情報#β 2164 をが使用できない可能性が有る。この場合には情報記録再生装置は図13に示した「規格に準拠した共通情報内容の変更に応じて特定メーカーのみ使用可能な特定情報の内容を自動的に変更・修復するための修復内容自動検査用情報2042」を利用して Video Object Information #2 2168 のどこが変更され、リンク情報#β 2164 に対応した特定メーカーのみ使用可能な特定情報2002をどのように変更・修正したら良いかを割り出して特定メーカーのみ使用可能な特定情報2002の自動変更・修復処理を行う。
また Video Object Information #2 2168 の内容を変更・編集した場合にはその変更・編集年月日に合わせて最後に作成・変更した年月日/時刻情報2158を変更すると共にそれに対応したリンク情報#β 2164、#γ 2165、#δ 2166 のリンク先の特定メーカーのみ使用可能な特定情報2002の内容の変更・修正を行うと共にそれぞれの「リンク情報を最後に記録した時期( 年月日 )情報2061」の年月日/時刻情報の変更も行う。
図1(a)に示す情報記憶媒体( Optical Disk 1001 )は可搬性に優れるため、複数の情報記録再生装置で代わる代わる使用される可能性が大きい。そのため例えばA社の情報記録再生装置でリンク情報2164を設定後、B社の情報記録再生装置で規格に準拠した共通情報2001内のリンク元部分を変更・編集される事でリンク情報2164が使用不可能な状況になり得る。上記に説明したように、
(1)リンク情報2164側と共通情報2001側の両方に“最後に変更・修正(編集)した時間情報”を記録し、リンク情報2164使用前に時間情報の比較を行う事によりリンク情報の有効性を確認可能とする、
(2)リンク情報内に“修正内容自動検査用情報2042”をあらかじめ記録する事で、規格に準拠した共通情報2001での変更(編集)が有っても自動的に特定情報2002内容の修復を可能とする、と言う所に本発明の大きな特徴が有る。
<<7>>各リンク情報に対応したリンク元(規格に準拠した共通情報内指定場所)の設定方法
本発明における各リンク情報に対応したリンク元(規格に準拠した共通情報内指定場所)の設定方法の実施例は図21に示すように4種類存在する。(各設定方法について(A)〜(D)の記号を設定して有る。)
規格に準拠した共通情報2001内では絶対に存在し得ないピット列(例えば8バイト全て“1”が続くなど)を任意の位置に配置し、そのピット列を指定場所設定の「タグ」とし、その「タグ」挿入位置をリンク元の指定場所とする方法が有る。リンク情報を利用しない情報再生装置は上記「タグ」情報からその直後に続く挿入データサイズ情報の間までを読み飛ばす事により、リンク情報の影響を無視できる。「タグ」情報の後ろに「ポインター情報」を配置し、この「ポインター情報」内に対応するリンク情報(のID情報またはリンク情報番号2031)を指定する方法(図21(A))と、「タグ」情報の後ろに直接リンク情報2003を配置する方法(図21(B))が有る。後者の場合にはリンク情報が規格に準拠した共通情報2001内に分散配置されている。上記の2実施例の方法は図15に示したリンク形態A(外部プログラム/特定情報側からのコール処理)に適している。
タグ情報とは、例えば8バイト全て“1”にするなど共通情報2001では存在し得ないビット列情報を構成して共通情報2001内に挿入し、そのビット列が来た直後に「ポインター情報」、または「リンク情報」を配置させる。リンク情報を使用しないドライブメーカーが作成したドライブ(情報再生装置)ではこのタグ情報の直後に記載されているポインターサイズまたはリンク情報サイズを調べてその範囲を読み飛ばす。
それに対して図16に示したリンク形態B(部分的な交換処理)、リンク形態C(特定情報の挿入処理)や図17に示したリンク形態D(機能拡張処理)の場合にはリンク元の指定範囲が PGC Control Information 1103、Cell Playback Information 1108、Video Object Information 1107 と決まっている。(図15のリンク形態A(外部プログラム/特定情報側からのコール処理)でも上記のようにリンク元の指定範囲を固定化する事も可能である。)この場合には図21(C)(D)の設定方法が適している。
(C)の設定方法では各 PGC Control Information 1103、Cell Playback Information 1108、Video Object Information 1107 内にリンク情報(のID情報またはリンク情報番号2031)を指定する情報記録欄を事前に作成する方法である。
最も規格に準拠した共通情報2001を変更することなく(共通情報2001の負担を掛けることなく)リンク情報の指定場所設定方法は(D)の方法で、リンク情報の内部でリンク元とリンク範囲に関する情報を持つ方法である。図13の“規格に準拠した共通情報内のリンク指定場所の数2044”“規格に準拠した共通情報内の第1の優先リンク指定場所情報2045”〜“規格に準拠した共通情報内の第2優先リンク指定範囲情報”はこの(D)の方式を採用した場合を想定して設定された情報項目である。
<<8>>リンク情報の配置場所説明
始めに拡張機能に応じたリンク情報2003、特定情報2002が無い場合のファイル構造を説明する。
図1(b)の Data Area 1004 内に記録される全情報はファイル単位で記録され、各データファイル間の関係は図2に示すようにディレクトリー構造により管理されている。
ルートディレクトリー1450の下には記録されるファイル内容毎に分類が容易なように複数のサブディレクトリー1451が設置されている。図2では図1(c)の Computer Data Area 1008、1010 に記録される Computer Data に関する各データファイルは Computer Data 保存用 サブディレクトリー1457の下に記録され、Audio & Video Data Area 1009 に記録されるAudio & Video Data は リライタブルビデオタイトルセット RWV_TS1452 の下に記録される。また DVDVideo ディスクに記録されている映像情報を図1(a)にコピーする場合には ビデオタイトルセット VIDEO_TS1455 と オーディオタイトルセット AUDIO_TS1456 の下にコピーする。
図1(d)の Control Information 1011 は録再ビデオ管理データとして1個のファイルとして記録される。図2ではそのファイル名は RWVIDEO_CONTROL.IFO と名付けている。更にバックアップ用に同一の情報を RWVIDEO_CONTROL.BUP と言うファイル名で記録して有る。
図2では、図1(d)の Video Objects 1012 に属する全映像情報データは RWVIDEO.VOB と言うファイル名の Video Objects File 1447 にまとめて記録されている。つまり図1(d)の Video Objects 1012 に属する全映像情報データは図3(b)に示すように1個のVTS( Video Title Set 1402 )内で連続に結合され、Video Objects File 1447 と言う1個のファイル内に連続して記録される。(すなわちPTT( Part_of_ Title )1407、1408毎にファイルを分割する事無く、全て1個のファイル内にまとめて記録される。)
また Picture Objects 1013 に属する全静止画像情報データは RWPICTURE.POB と言うファイル名の Picture Objects File 1448 内にまとめて記録される。Picture Objects 1013 内には複数の静止画像情報が含まれている。デジタルカメラでは1枚の静止画像毎に別々のファイルとして記録する記録形式を採用しているが、本発明実施例ではデジタルカメラの記録形式とは異なり、Picture Objects 1013 内に含まれる複数の静止画像全てを図3と同様な形式で連続的につなぎ、 RWPICTURE.POB と言うファイル名の1枚の Picture Objects File 1448 内にまとめて記録する所に本発明実施例の特徴が有る。
同様に Audio Objects 1014 に属する全音声情報も RWAUDIO.AOB と言うファイル名の1個の Audio Objects File 1449 内にまとめて記録され、Thumbnail Objects 1016 に属する全サムネール情報も RWTHUMBNAIL.TOB と言う名の Thumbnail Objects File 1458 内にまとめて記録される。
なお Video Objects File 1447、Picture Objects File 1448、Audio Objects File 1449、Thumbnail Objects File 1458 は全て AV File 1401 として取り扱われる。
図1には図示してないが、映像の録画再生時に利用できる録再付加情報1454を同時に記録することができ、その情報はまとめて1個のファイルとして記録され、 図2の実施例では RWADD.DAT と言うファイル名が付いている。
図2のファイル構造と比較しながらリンク情報の配置場所に関する本発明実施例を説明する。本発明実施例では各応用例も含めて4種類の配置場所実施例が有る。
最初に図22の最初の段に示した共通情報2001内にリンク情報2003を配置した実施例について説明する。上記実施例の場合にはリンク情報2003は図2の Control Information 1011 = RWVIDEO_CONTROL.IFO(録再ビデオ管理データ)と Control Information 1011 のバックアップデータ = RWVIDEO_CONTROL.BUP(録再ビデオ管理データパックアップ)の2ファイル内に一緒に記録されている。前記2ファイル内の詳細な記録場所は図1(e)に示した Edit Control Information 1023 内の図19(b)のリンク情報2003の記録場所に全てのリンク情報がまとめて記録されている。前記リンク情報2003内部は図20(d)のように複数のリンク情報2163〜2167が連続して配置されている。
図22に示された特定情報2002内にリンク情報が配置される実施例は例えば図24のように特定情報を記録する共通なファイル2181=RWADD.ADD(録再付加情報1454の一種)内に特定情報2002と一緒に記録された状態を意味している。
全てのリンク情報をまとめて独自の場所に配置する図22に示した図23の様に、リライタブルビデオタイトルセット RWV_TS 1452 のサブディレクトリー1451の下に独自のリンク情報ファイル2171 = RWLINK.DAT を設定し、その中に図19(d)に示すように個々のリンク情報2163〜2167を並べて配置している。この独自のリンク情報ファイル2171 = RWLINK.DAT は図2で示した録再付加情報1454 = RWADD.DAT(録再ビデオ付加情報)の一種として位置付けられる。
図22の4段目に示したドライブメーカー毎に利用するリンク情報をそれぞれまとめて配置する実施例は図23に示すようなファイル構造を意味している。すなわちルートディレクトリー1450の下にそれぞれドライブメーカー毎にサブディレクトリー(A社専用のサブディレクトリー2185、B社専用のサブディレクトリー2186)を作成し、A社専用のリンク情報2191 = LINKINFO_A.IFO などの様に各ドライブメーカー毎のリンク情報用のファイルを設定する。前記リンク情報用ファイル内は図19(d)に示すように個々のリンク情報2163〜2167が並べて配置・記録されている。
<<9>>特定メーカーのみ使用可能な特定情報の配置場所説明
図23に本発明における特定メーカーのみ使用可能な特定情報2002の配置方法実施例を示す。基本的には規格に準拠した共通情報2001が記録されているリライタブルビデオタイトルセット RWV_TS 1452 のサブディレクトリー1451内に記録されている。図23に示すようにA社の特定情報用ディレクトリー2173 = RWADD_A、B社の特定情報用ディレクトリー2174 = RWADD_B とドライブメーカー毎に特定情報2002が記録されるディレクトリーが分離されている。図23の様に分離することにより例えばB社の特定情報を変更しようとして間違ってA社の特定情報2176、2177を壊してしまう危険性を防止している。また図12に示したように特定メーカーのみ使用可能な特定情報2002の内、特定メーカーのみ使用可能な管理・制御情報2006は図23のA社専用の特定管理・制御情報2176 = RW-A-CONTROL.IFO のファイル内に記録され、特定メーカーのみ使用可能な特定オブジェクト情報(特定コンテンツ情報)2008の内容は図23のA社専用の特定オブジェクト情報2177 = RW-A-OBJECT.VOB のファイル内に記録される。
図24は本発明における特定メーカーのみ使用可能な特定情報2002の配置方法に関する他の実施例を示している。特定情報2002を作成した情報記録再生装置のドライブメーカーに依らず、全ての特定情報2002を1個のファイル内にまとめて記録した所に特徴がある。この特定情報を記録する共通なファイル2181のファイル名を RWADD.DAT とし、他の規格に準拠した共通情報2001が記録して有る共通のサブディレクトリー1451で有るリライタブルビデオタイトルセット RWV_TS 1452 の下に配置されている。この特定情報を記録する共通なファイル2181は図2に示した録再付加情報1454 = RWADD.DAT(録再ビデオ付加情報)の一種として位置付けられる。
更に本発明における特定メーカーのみ使用可能な特定情報2002の配置方法に関する他の実施例を図25に示す。図25では、図23及び図24とは異なり、特定情報2002がリライタブルビデオタイトルセット RWV_TS 1452 のサブディレクトリー1451の外に配置して有る。特定情報を記録する情報記録再生装置のドライブメーカー毎にルートディレクトリー1450の下にそれぞれサブディレクトリー(A社専用のサブディレクトリー2185、B社専用のサブディレクトリー2186)を作成し、その下に特定情報2002を記録している。また図12に示した特定メーカーのみ使用可能な特定情報2002の内、特定メーカーのみ使用可能な管理・制御情報2006は図25のA社専用の特定管理・制御情報2192 = CONTROLINFO-A.IFO のファイル内に記録され、特定メーカーのみ使用可能な特定オブジェクト情報(特定コンテンツ情報)2008の内容は図25のA社専用の特定オブジェクト情報2193 = A-OBJECT.VOB のファイル内に記録されている。
<<10>>リンク情報を用いて情報再生・表示する方法の説明
図10に示した映像情報記録用情報記録再生装置においてリンク情報を情報再生・表示する方法の手順説明を行う。上記映像情報記録用情報記録再生装置がドライブメーカーA社の製品で有る場合を例に取り、実施例説明を行う。図26にこの場合の再生・表示を行う手順を示す。
まず、図26に示すフローチャートの全容を説明する。
(ST201)情報記録再生部101の起動処理
情報記憶媒体(光ディスク)201を回転させ、光学ヘッド202のフォーカス/トラックサーボをONにして情報記憶媒体(光ディスク)201からの情報再生を可能にする。
(ST202)映像情報の記録・再生に必要な情報をメモリーに取り込む
システム制御部(MPU部)1530が情報記録再生部101を制御して情報記憶媒体(光ディスク)201から Control Information 1011 情報とリンク情報ファイル2171(図23)を読み込み、システム制御部(MPU部)1530内の半導体RAM部に一時記録する。
(ST203)A社が作成したリンク情報の抽出処理、
システム制御部(MPU部)1530では半導体RAM部に一時記録されたリンク情報ファイル2171内の全リンク情報を検索し、ドライブメーカーID情報2035(図13)がA社に該当するリンク情報を抽出する。
(ST204)A社に該当する全リンク情報設定時期以降に行われた共通情報の編集有無を確認する処理、
システム制御部(MPU部)1530では半導体RAM部に一時記録されたリンク情報ファイル2171内のA社に該当するリンク情報毎の最後に記録した時期(年月日)情報2061(図13)を調べ、共通情報に対して最後に編集(新規データ追加も含む)を行った年月日/時刻情報2144(図19(c))と比較してA社に該当する全リンク情報設定時期以降に共通情報の編集が行われたか否かの確認を行う。
(ST205)判定、
A社に該当する全リンク情報作成・変更以降に共通情報の編集処理が行われたか否か。
(ST206)A社のリンク情報が指定した共通情報内の該当場所の最終編集時期の確認処理、
システム制御部(MPU部)1530では半導体RAM部に一時記録されたリンク情報ファイル2171内のA社に該当するリンク情報毎の最後に記録した時期(年月日)情報2061(図13)と各リンク情報が指定した共通情報内の該当場所(図13リンク元の指定場所と指定範囲2026)情報を抽出する。
システム制御部(MPU部)1530では半導体RAM部に一時記録された Control Information 1011 情報の中から共通情報内のリンク元指定場所を最後に作成・変更した年月日/時刻情報2151〜2159(図20)を抽出し、両者間の時間的前後関係を調べる。
(ST207)判定、
A社に該当する全リンク情報作成・変更以降に共通情報内のリンク元指定場所の編集処理が行われたか否か。
(ST208)リンク元の最終編集時期以前に設定したリンク情報に対応した特定情報修復処理、
リンク元の最終編集時期以前に設定したリンク情報に対して修復内容自動検査用情報2042(図13)を用いてリンク元の指定場所がどのように変更されたかをシステム制御部(MPU部)1530が自動判定し、それに応じて対応する特定情報(図23のA社専用の特定管理・制御情報2176とA社専用の特定オブジェクト情報2177)の内容を変更する。
リンク情報の最後に記録した時期情報2071(図13)を修復時期に更新する。
(ST209)カテゴリーIDで規定される使用可能な他社のリンク情報の抽出処理、
システム制御部(MPU部)1530では半導体RAM部に一時記録されたリンク情報ファイル2171内のA社以外に該当するリンク情報に対してカテゴリーID情報2040(図13)を調べる。
システム制御部(MPU部)1530では半導体ROM部に事前に記録して有る使用可能な他社のカテゴリーID(図18と同様に他社のカテゴリーID一覧表の中からA社が使用可能な情報を事前に記録しておく)と上記情報記憶媒体(光ディスク)201上に記録された他社のカテゴリーIDとを比較し、そのなかから使用可能な他社のリンク情報を抽出する。
(ST210)判定、
ST209で調べた他社の使用可能なリンクNo情報作成・変更以降に共通情報の編集処理が行われたか否か。
(ST211)他社のリンク情報が指定した共通情報内の該当場所の最終編集時期の確認処理、
システム制御部(MPU部)1530では半導体RAM部に一時記録されたリンク情報ファイル2171内の使用可能な他社のリンク情報毎の最後に記録した時期(年月日)情報2061(図13)と各リンク情報が指定した共通情報内の該当場所(図13リンク元の指定場所と指定範囲2026)情報を抽出する。
システム制御部(MPU部)1530では半導体RAM部に一時記録された Control Information 1011 情報の中から共通情報内のリンク元指定場所を最後に作成・変更した年月日/時刻情報2151〜2159(図20)を抽出し、両者間の時間的前後関係を調べる。
リンク元として指定された共通情報内の該当場所が最後に編集した時期より前に最終設定された他社のリンク情報に対してはST208のように特定情報2176、2177の修復を行わず、使用禁止扱いとする。
(ST212)ユーザーへのリンク情報使用可否の問い合わせ、
システム制御部(MPU部)1530では上記プロセスにより選択した使用可能な個々のリンク情報を利用して映像方法記録用記録再生装置(ビデオレコーダー)の独自機能を使用するか、あるいは規格に準拠した共通情報2001のみを用いて再生・表示するかの問い合わせを録再レコーダー表示部1548に表示し、ユーザーへの確認を行う。
ユーザーがリンク情報の利用を拒否した場合にはリンク情報の使用は行わず、規格に準拠した共通情報2001のみを用いて情報記憶媒体(光ディスク)201から情報を再生しながら再生結果を録再レコーダー表示部1548に表示する
(ST213)リンク情報と特定情報を用いた再生・表示処理、
システム制御部(MPU部)1530)内の半導体RAM部に一時記録されたリンク情報ファイル2171の内容を検索し、ST212での問い合わせによりユーザーが指定したリンク情報内で指定された共通情報2001内のリンク元該当箇所を抽出する。
システム制御部(MPU部)1530)内の半導体RAM部に一時記録された Control Information 1011情報からリンク元指定箇所の PGC Control Information 1103 内(図20(a))での位置付けを上記半導体RAM部の別位置に記録する。
ユーザーが再生指定したPGC(図20(a))に対して共通情報2001を再生・表示しながら、再生場所が上記のリンク元指定場所に来た時にリンク情報2003を経由して特定情報2002を呼び出し、独自機能に基付いた再生および録再レコーダー表示部1548への表示を行う。
さらに、図26に示すフローチャートの説明を続ける。“<<6>>編集処理による規格に準拠した共通情報2001内容変更に対する対応方法”でも説明したように図13に示したリンク情報内に記録されている「リンク情報を最後に記録した時期情報2061」と図19(c)に示した「共通情報2001を最後に編集(内容変更/追加/削除処理)を行った年月日/時刻情報2144」との間の時期の前後を調べる所(ST204)に大きな特徴がある。それにより該当するリンク情報を最後に設定した後に他社の映像情報記録用情報記録再生装置により共通情報2001の内容変更(編集)を行っていないかの確認が出来る。もし共通情報2001の内容変更(編集)が行われていた場合には、該当するリンク情報がリンク元として指定した場所が(リンク情報を最後に設定した後で)変更(編集)されていないかの判定を行う(ST207とST210)。もし上記編集の結果、リンク情報に影響を及ぼしていた場合にはリンク情報内のドライブメーカーID情報2035を調べ、
(1)リンク情報が自社(上記実施例ではA社)が作成した物の場合にはリンク情報内の修復内容自動検査用情報2042(図13)を利用してリンク情報がリンク元として指定した場所が編集処理によりどのように変更されたかを自動的に検出し、その結果に応じて特定情報2002側(図12)を自動的に変更する(図26のST208)、
(2)リンク情報が自社(A社)以外が作成した物の場合には使用禁止扱いとする(図26のST211)、
また図26に示した手順ではドライブメーカーID2035が自社(上記実施例ではA社)だけでなく、ドライブメーカーID2035が他社を示していても、特定情報に関する複数社で共通な機能情報であるカテゴリーID2040を読み、自社(A社)に対しても使用可能なリンク情報に対しては使用可能(図26のST209)としている。
図26のST213の具体的な実施例を示す。
独自機能として“検索情報を用いた検索処理”の場合には、特定メーカーのみ使用可能な管理・制御情報2006(図12)内に検索情報が事前に記録されており、録再レコーダー表示部1546(図10)に表示した内容を用いてユーザーに情報選択をしてもらい、その結果で特定メーカーのみ使用可能な管理・制御情報2006から抽出された情報からリンク情報2003を用いて共通情報2001内の Video Object Information #2 2168(図20(c)) を選択し、それを再生・表示する。
独自機能として例えば録画した情報内のCM場所のみ“可変速再生”する場合には、例えば図20(b)の Cell Playback Information #c 2164 が録画した情報内のCM部分だったとする。その部分に対してリンク情報 #ε 2167 を介して高速再生( FF )用の情報が記録された部分的交換処理2121対応の拡張された Cell Playback Information 2114(図16)が特定メーカーのみ使用可能な管理・制御情報2006(図12)としてA社専用の特定管理・制御情報2176用ファイル RW-A-CONTROL.IFO(図23)内に記録されている。図20(a)に示した PGC Control Information 1103 を再生・表示する場合には Cell Playback Information #c 2164 部分が拡張された Cell Playback Information 2114 に交換されてCM部分が高速で表示される。
<<11>>共通情報とリンク情報、特定情報を同時に記録する方法の説明
図27に共通情報2001とリンク情報2003、特定情報2002を同時に記録する手順のフローチャート図を示す。
まず、図27に示すフローチャートの全容を説明する,
(ST221)情報記録再生部101の起動処理、
情報記憶媒体(光ディスク)201を回転させ、光学ヘッド202のフォーカス/トラックサーボをONにして情報記憶媒体(光ディスク)201からの情報再生を可能にする。
(ST222)情報記憶媒体上への特定情報記録用の専用ディレクトリー作成処理
情報記録再生用情報記録再生装置(ビデオレコーダー)のシステム制御部(MPU部)1530はユーザーから共通情報、リンク情報、特定情報を同時に記録するコマンドを受け取る。
情報記憶媒体( Optical Disk 1001 及び光ディスク201)上にA社の特定情報用ディレクトリーRWADD-A 2173(図23)を作成する(既に上記ディレクトリーが存在する場合は上記処理は省略する)。
(ST223)映像情報の記録・再生に必要な情報をメモリーに取り込む
システム制御部(MPU部)1530が情報記録再生部101を制御して情報記憶媒体(光ディスク)201から Control Information 1011 情報とリンク情報ファイル2171(図23)、A社専用の特定管理・制御情報2176ファイルを読み込み、システム制御部(MPU部)1530内の半導体RAM部に一時記録する。
リンク情報ファイル2171あるいはA社専用の特定管理・制御情報2176ファイルがまだ作成されてない場合には未作成ファイルの読み込み処理は行わない。
(ST224)特定情報の一時記憶処理、
特定メーカーのみ使用可能な特定オブジェクト情報(特定コンテンツ情報)2008を図10AV入力部1542から入力すると、システム制御部(MPU部)1530からの指示で上記情報に対して特定オブジェクト情報を変換する事無く入力したままの形態でADC1552 → Vエンコーダ1555 → フォーマッタ1556 → データプロセッサ1536 → 情報記録再生部101 → 一時記憶部1534を経由して一時記憶部1534へ特定オブジェクト情報2008として転送される。
転送経路としてVエンコーダ1555、フォーマッタ1556を経由するが、ここではデータ変換を行わず、入力されたままの情報を転送する。
(ST225)オブジェクト情報記録場所設定処理、
ST223で読み取った Control Information 1011 情報(とリンク情報ファイル2171)から規格に準拠したオブジェクト情報2007と特定オブジェクト情報2008の記録場所(管理・制御情報から見た位置付け)を設定する。
(ST226)並行した規格に準拠したオブジェクト情報2007作成処理
上記ST222と並行してAV入力部1542から入力された情報をVエンコーダ1553とAエンコーダ1554で規格に準拠した記録形式(MPEG2など)にデータ変換した後、フォーマッタ1556で図3(f)に示すようなデータ構造に構築し直し、一時記憶部1534に規格に準拠したオブジェクト情報2007として一時記憶される、
(ST227)規格に準拠したオブジェクト情報と特定オブジェクト情報の情報記憶媒体への記録処理
システム制御部(MPU部)1530から情報記録再生部101に対してコマンドを出し、情報記憶媒体( Optical Disk 1001 及び光ディスク201)上にA社専用の特定オブジェクト情報2177記録用ファイル RW-A-OBJECT.VOB 2177 を作成する(既に存在する場合は省略)、
システム制御部(MPU部)1530の制御に応じて情報記録再生部101では一時記憶部1534から規格に準拠したオブジェクト情報2007と特定オブジェクト情報2008を交互に読み出し情報記憶媒体( Optical Disk 1001 及び光ディスク201)上に記録する。
規格に準拠したオブジェクト情報2007は図23の Video Object File 1447 あるいはPicture Object File 1448、Audio Object File 1449 内に追加記録される。
特定メーカーのみ使用可能な特定オブジェクト情報(特定コンテンツ情報)2008は図23のA社専用の特定オブジェクト情報ファイル RW-A-OBJECT.VOB 2177内に追加記録される。
(ST228)規格に準拠した管理・制御情報2005の追加記録処理
システム制御部(MPU部)1530ではST227の情報記憶媒体上への記録処理が完了すると規格に準拠した管理・制御情報2005に対してST227の記録結果に応じた追加内容をまとめ、図23の Control Information 1011 が記録して有る RWVIDEO_CONROL.IFO と RWVIDEO_CONTROL.BUP の2ファイルに追加情報を追加記録するように情報記録再生部101を制御して記録処理を実行させる。
(ST229)特定メーカーのみ使用可能な管理・制御情報ファイルの追加記録処理、
この段階で図23のA社専用の特定管理・制御情報2176ファイル RW-A-CONTROL.IFO が存在しない場合には新規に上記ファイルを作成する(既に存在する場合には新規作成は不要)。
システム制御部(MPU部)1530はST227での特定オブジェクト情報(特定コンテンツ情報)2008の記録結果に基付きA社専用の特定管理・制御情報2176ファイルRW-A-CONTROL.IFO に追加記録する内容をまとめ、情報記録再生部101を制御して上記ファイルに対して情報の追加記録処理を行う。
(ST230)リンク情報の追加処理、
この段階で図23のリンク情報ファイル2171が存在しない場合には新規にリンク情報ファイルを作成する(既に存在する場合には新規作成は不要)。
システム制御部(MPU部)1530はST228とST229で記録した各管理制御情報1011、2176の内容を元に追加するリンク情報内容をまとめ、情報記録再生部101を制御してリンク情報ファイル2171 RWLINK.DAT 内に追加情報を記録する。
上記追加するリンク情報には図13に示すように、
・ドライブメーカーID情報2035
・カテゴリーID
・特定情報の修復内容自動検査用情報2042、
などの情報も記録する。
図13に示すこのリンク情報を最後に記録・変更した時期( 年月日 )情報2061に対してこのST230での追加のリンク情報を設定した年月日と時刻情報を記録もしくは更新記録する。
さらに、図27に示すフローチャートの説明を続ける。具体的内容としてDV(デジタルビデオテープ)あるいはデジタルカメラ1543(図10)で撮影したJPEG形式の静止画像を情報記憶媒体(光ディスク)201上に記録する実施例を取って説明する。図27のST224およびST227でDV形式のデジタル映像情報あるいはJPEG形式の静止画像を図23のA社専用の特定オブジェクト情報2177記録用ファイル RW-A-OBJECT.VOB 内に記録し、それに関する管理・制御情報をA社専用の特定管理・制御情報2176の記録用ファイル RW-A-CONTROL.IFO 内に記録する(ST229)。
それと並行して図27のST226とST227に示すように図10のVエンコーダ1553、SPエンコーダ1555、Aエンコーダ1554とフォーマッタ1556によりDV形式のデジタル映像情報あるいはJPEG形式の静止画像をDVDの規格に準拠する記録形式であるMPEG2形式のデジタル映像あるいはMPEG2のIピクチャー形式の静止画像情報に変換し、規格に準拠したオブジェクト情報2007(図12)として図23の Video Objects File 1447、Picture Objects File 1448、Audio Objects File 1449 に記録する。同時にそれらに関する管理・制御情報2005も Control Information 1011 に関する2個のファイル RWVIDEO_CONTROL.IFO と RWVIDEO_CONTROL.BUP に記録する(ST228)。
再生・表示時にはユーザーに対してどちらで再生するか選択させ、その結果に基付き規格に準拠したオブジェクト情報2007と特定メーカーのみ使用可能な特定オブジェクト情報(特定コンテンツ情報)2008の内、どちらかを再生して録再レコーダー表示部1548に表示する。
<<12>>既に記録して有る共通情報に対してリンク情報・特定情報を付加する方法の説明
図28に情報記憶媒体上に既に記録して有る共通情報2001に対してリンク情報2003、特定情報2002を付加する方法のフローチャート図を示す。
まず、図28に示すフローチャートの全容を説明する。
(ST233)情報記録再生部101の起動処理、
情報記憶媒体(光ディスク)201を回転させ、光学ヘッド202のフォーカス/トラックサーボをONにして情報記憶媒体(光ディスク)201からの情報再生を可能にする。
(ST234)映像情報の記録・再生に必要な情報をメモリーに取り込む
システム制御部(MPU部)1530が情報記録再生部101を制御して情報記憶媒体(光ディスク)201から Control Information 1011 情報とリンク情報ファイル2171(図23)を読み込み、システム制御部(MPU部)1530内の半導体RAM部に一時記録する。
(ST235)ユーザーによる独自機能内容と独自機能設定範囲指定情報を受け取る
録再レコーダー表示部158を用いたユーザーインターフェースによりユーザーは映像情報記録用情報記録再生装置(ビデオレコーダー)の持つ独自機能内容を選択すると共に、その独自機能を指定する範囲を指定する。
システム制御部(MPU部)1530は半導体RAM部に一時記録した規格に準拠した管理・制御情報2005で有る Control Information 1011 情報を利用してユーザーが指定した独自機能内容を解釈する。
(ST236)特定メーカーのみ使用可能な管理・制御情報2006への情報追加処理、
システム制御部(MPU部)1530ではユーザーが指定した独自機能内容と範囲を元に特定メーカーのみ使用可能な管理・制御情報2006への追加情報を作成し、図23のA社専用の特定管理・制御情報ファイル2176 RW-A-CONTROL.IFO に対して情報記録再生部101を制御して情報の追加記録処理を行う。
(ST237)リンク情報の追加処理、
この段階で図23のリンク情報ファイル2171が存在しない場合には新規にリンク情報ファイルを作成する(既に存在する場合には新規作成は不要)。
システム制御部(MPU部)1530はST234で一時記録部1534に一時記録したControl Information 1011 情報とST236で追加記録した特定メーカーのみ使用可能な管理・制御情報2006の内容を元に追加するリンク情報内容をまとめ、情報記録再生部101を制御してリンク情報ファイル2171 RWLINK.DAT 内に追加情報を記録する。
上記追加するリンク情報には図13に示すように、
・ドライブメーカーID情報2035、
・カテゴリーID、
・特定情報の修復内容自動検査用情報2042、
などの情報も記録する。
図13に示すこのリンク情報を最後に記録・変更した時期( 年月日 )情報2061に対してこのST237での追加のリンク情報を設定した年月日と時刻情報を記録もしくは更新記録する。
さらに、図28に示すフローチャートの説明を続ける。具体的な実施例として例えば図19(b)の Cell Playback Information #c 2164 に対してパスワード設定によるパレンタルロック設定ないしはセキュリティ設定についての実施例を説明する。上記の場所にユーザーからパレンタルロック設定ないしはセキュリティ設定の指定を受ける(図28のST235)。
その部分に対してリンク情報 #ε 2167 を介してパスワード情報が付加記録された部分的交換処理2121対応の拡張された Cell Playback Information 2114(図16)が特定メーカーのみ使用可能な管理・制御情報2006(図12)としてA社専用の特定管理・制御情報2176用ファイル RW-A-CONTROL.IFO(図23)内に記録される(ST236)。図20(a)に示した PGC Control Information 1103 を再生・表示する場合には Cell Playback Information #c 2164 部分が拡張された Cell Playback Information 2114 に交換される。この部分の表示タイミングになると録再レコーダー表示部1548にユーザーに対するパスワード問い合わせの表示が出る。ユーザーが誤り無く正しいパスワードを入力した場合のみこの部分の再生・表示が可能となる。
<<13>>共通情報2001の編集時の処理内容
図29に共通情報2001の編集時の処理に関するフローチャート図を示す。
まず、図29に示すフローチャートの全容を説明する。
(ST241)情報記録再生部101の起動処理
情報記憶媒体(光ディスク)201を回転させ、光学ヘッド202のフォーカス/トラックサーボをONにして情報記憶媒体(光ディスク)201からの情報再生を可能にする。
(ST242)映像情報の記録・再生に必要な情報をメモリーに取り込む
システム制御部(MPU部)1530が情報記録再生部101を制御して情報記憶媒体(光ディスク)201から Control Information 1011 情報とリンク情報ファイル2171(図23)を読み込み、システム制御部(MPU部)1530内の半導体RAM部に一時記録する。
(ST243)A社が作成したリンク情報の抽出処理、
システム制御部(MPU部)1530では半導体RAM部に一時記録されたリンク情報ファイル2171内の全リンク情報を検索し、ドライブメーカーID情報2035(図13)がA社に該当するリンク情報を抽出する。
(ST244)ユーザーによる共通情報内の編集内容の情報を受け取る、
録再レコーダー表示部158を用いたユーザーインターフェースによりユーザーは映像情報記録用情報記録再生装置(ビデオレコーダー)による規格に準拠した共通情報2001内の編集内容に関す指示情報を受け取り持つ。
システム制御部(MPU部)1530は半導体RAM部に一時記録した規格に準拠した管理・制御情報2005で有る Control Information 1011 情報を利用してユーザーが指定した編集に対する具体的方法を決定する。
(ST245)共通情報内の編集処理の実行、
システム制御部(MPU部)1530はST244で決定した処理方法に基付き規格に準拠した共通情報2001に対する編集処理を行い、必要に応じて情報記録再生部101を制御して情報記憶媒体(光ディスク)201に対する記録処理を行う。
(ST246)規格に準拠した管理・制御情報内の最後に作成・変更した年月日/時刻情報の更新処理、
システム制御部(MPU部)1530はST245で行った編集処理に基付き規格に準拠した管理・制御情報2005内容を変更し、情報記録再生部101を制御して図23に示した Control Information 1011 に関するファイル RWVIDEO_CONTROL.IFO、RWVIDEO_CONTROL.BUP の書き換え行う。
システム制御部(MPU部)1530は同時に上記編集に関係した部分の最後に作成・変更した年月日/時刻情報(図20の2151〜2159の内、編集時に変更された部分に関係する箇所)と図19(c)に示した最後に編集した年月日/時刻情報2144の更新処理を実行する。
(ST247)編集に関係するA社のリンク情報内容変更処理、
システム制御部(MPU部)1530はST243で抽出したドライブメーカーID情報2035(図13)がA社に該当するリンク情報の中からST245で行った共通情報2001への編集処理により影響を受けるリンク情報を探し、そのリンク情報のリンク先に指定した特定情報2002部分を編集処理に対応して変更し、その変更結果を情報記録再生部101を制御してA社の特定情報用ディレクトリー2173内のファイル2176、2177の内容を変更・記録する。
システム制御部(MPU部)1530は上記編集による影響の有無に係わらず全A社に該当するリンク情報の最後に記録・変更した時期情報2061(図13)を更新記録する。
さらに、図29に示すフローチャートの説明を続ける。“<<6>>編集処理による規格に準拠した共通情報2001内容変更に対する対応方法”と“<<10>>リンク情報を用いて情報再生・表示する方法の説明”で説明したように共通情報2001の編集後で情報記憶媒体(光ディスク)201を他社製の情報記録再生装置で使用した時にもリンク情報が利用可能にするための記録処理が必要となる。すなわち編集による変更箇所の「最後に作成・変更した年月日/時刻情報2151〜2159」(図20)と全体として「最後に編集を行った年月日/時刻情報2144」の更新処理(ST246)を行う(ST246)また同時にリンク情報内の「最後に記録した時期情報2061」の更新とともに対応した特定情報内容の変更も行う(ST247)。
次に、この発明の応用例について説明する,
この発明は、“C言語”や“ビジュアルC”“JAVA(登録商標)”など各種プログラム言語で記述されたプログラム(ソフト)情報を情報記録媒体上に記録し、情報記録媒体からプログラム(ソフト)情報を再生し、その再生したプログラム(ソフト)内容に従って実行処理を行う情報処理装置におけるプログラム(ソフト)記録方式に適用することもできる。つまり、情報記録媒体に記録する情報記録方式(プログラム言語の記述ルール)が上記情報記録媒体からプログラム(ソフト)を再生して、その再生したプログラム(ソフト)内容に従って実行処理を行う演算処理装置を製造する複数のメーカー間で共通に規格化され、共通に認知している情報記録方式に適用することもできる。
演算処理分野(コンピューター部門)では、演算処理プログラムは“C言語”や“ビジュアルC”“JAVA”など各種プログラム言語のルール(規格)に従って記述されている。上記プログラム言語のルールからはずれたコマンドをプログラム中に記載すると、エラーとして拒絶される。
例えば「通信プロトコル」や「グラフィカル・ユーザー・インターフェース」「画像処理機能」などに関するプログラムで制御出来る処理機能は、使用するプログラム言語により大幅に制約を受ける。つまり、機能の差別化及び独自性を出すことができない。それに反し、特定のプログラム言語上で上記の制約を超えた機能処理を実行したいという要望は非常に多くある。各種プログラム用言語では新機能が付加される毎にプログラムがバージョンアップする。しかし、バージョンアップには多くの時間が必要とされるため、技術進歩に即応したタイムリーな新機能の付加が困難なものとなっていた。
この発明をプログラム記録方式に適用した場合、“C言語”や“ビジュアルC”“JAVA”など従来のプログラム言語上で、従来のプログラム言語上の制約を超えた機能処理を実行可能にするプログラム制御方法を提供することができる。
また、この発明をプログラム記録方式に適用した場合、“C言語”や“ビジュアルC”“JAVA”など従来のプログラム言語上でもコマンド拡張性を持たせたプログラム言語を提供することができる。その結果、個々の情報処理装置(コンピューター)側で、従来のプログラム言語上の制約を超えた機能処理を付加することが可能となる。
次に、この発明のポイントをまとめる,
映像情報、音声情報、静止画像情報などを情報記録媒体上に記録するための規格に準拠した記録フォーマット(記録方式)に沿って作成した情報を「共通情報2001(図12)」として情報記録媒体上に記録する。この共通情報2001には“C言語”や“ビジュアルC”“JAVA”など従来のプログラム言語規則(コマンド規則)に従って作成したプログラム(ソフト)情報も含まれる。
さらに情報記録再生装置製造メーカー独自の機能あるいは情報記録媒体製造メーカー独自の機能を実現するための規格に準拠しない記録フォーマット(記録方式)で作成した情報を「特定メーカーのみ使用可能な特定情報2002(図12)」として、情報記録媒体上の共通情報2001の記録場所とは異なる位置に記録する。この特定メーカーのみ使用可能な特定情報2002には、“C言語”や“ビジュアルC”“JAVA”など従来のプログラム言語規則に従わない、新たなコマンド情報を用いて作成した拡張プログラム(ソフト)情報も含まれる。
上記特定情報2002を使用可能にするため、規格に準拠した共通情報2001と個々の特定メーカーのみ使用可能な特定情報2002との関係を示す「リンク情報2003」を更に情報記録媒体上に記録する。
また上記リンク情報2003には、
・個々の特定情報2002に対して使用可能な情報記録再生装置製造のメーカー情報もしくは使用可能な情報記録再生装置の機種情報
・個々の特定情報2002に対する共通情報2001との関係を示す“特定情報のリンク形態に関する情報”
が記載されている。
上記実施例説明では、映像情報、音声情報、静止画像情報などを情報記録媒体上に記録し、さらに前記情報記録媒体から情報を再生する情報記録再生装置およびその記録方式について説明した。しかしそれに限らず“C言語”や“ビジュアルC”“JAVA”など従来のプログラム言語上でもコマンド拡張性を持たせたプログラム言語に対しても全く同様に上記の実施例を適用する事が出来る。
この場合には、
・情報記録再生装置に対して情報処理装置(コンピューター)が対応し、
・規格に準拠した共通情報2001には“C言語”や“ビジュアルC”“JAVA”など従来のプログラム言語規則に従って作成されたプログラム(ソフト)が対応し、
・情報記録媒体には前記プログラム(ソフト)が記録されるHDD(ハードディスクドライブ)やMO、DVD−RAMなどの光ディスクが対応し、
・ 特定メーカーのみ使用可能な特定情報2002には情報処理装置(コンピューター)側で作成した“C言語”や“ビジュアルC”“JAVA”など従来のプログラム言語規則に従わない、独自のコマンド情報に従って作成したプログラム(ソフト)データが対応し、
・リンク情報2003には上記の両者のプログラム(ソフト)間でコールし合うコールコマンドまたはリンクコマンド(アンカー情報)が対応する。
更に、この場合には、図13に示した1個のリンク情報が持つ情報内容一覧中の、
・このリンク情報に関係した特定情報の使用が可能なドライブメーカーID情報(ドライブメーカー名など)2035の情報内容が「このリンク情報に関係した特定情報の使用が可能な情報処理装置(コンピューター)製造のメーカーID情報2035」に変更され、
・特定情報を使用可能な機種情報2073が「特定情報を使用可能な情報処理装置(コンピューター)の機種情報2073」に変更される。
以上説明した本発明実施例により下記に示すような効果が得られる。
(1)情報記録媒体に対して情報の記録・再生が可能な情報記録再生装置製造のメーカーが独自に作成した情報(規格に準拠した共通情報2001以外の独自情報)を記録する情報記録媒体上の場所(特定情報2002の記録領域)が本発明により初めて確保された。その結果、情報記録再生装置製造のメーカーが規格の制約を受ける事無く独自の情報を情報記録媒体上に記録する事が可能となった。
(1−1)プログラム(ソフト)データを記録する情報記録媒体上に情報処理装置(コンピューター)側で“C言語”や“ビジュアルC”“JAVA”など従来のプログラム言語規則に従わない、独自のコマンド情報に従って作成したプログラム(ソフト)データを記録する情報記録媒体上の場所(特定情報2002の記録領域)が本発明により初めて確保された。その結果、情報処理装置(コンピューター)側で独自機能を発揮するために“C言語”や“ビジュアルC”“JAVA”など従来のプログラム言語規則に従わない情報処理装置(コンピューター)が独自に作成したコマンド情報に従ったプログラム(ソフト)情報を付加することが可能となる。
(2)上記特定メーカーのみ使用可能な特定情報2002領域に規格に準拠した共通情報2001以外の独自情報を記録可能にしたことにより、従来の規格で設定された機能の制限を受けることなく情報記録再生装置製造のメーカーが設定した独自機能に対応した情報を上記特定情報2002記録領域に記録可能となる。その結果、各製造のメーカーが独自の機能を情報記録再生装置に持たせる事が可能となり、各情報記録再生装置間の独自性、差別化を引き出す事が出来る。それにより競争原理に基付いた機能面での情報記録再生装置の発展が見込まれる。
(2−1)上記特定メーカーのみ使用可能な特定情報2002領域に“C言語”や“ビジュアルC”“JAVA”など従来のプログラム言語規則に従わない情報処理装置(コンピューター)が独自に作成したコマンド情報に従ったプログラム(ソフト)情報を記録可能となるため、各製造メーカーが独自の機能を情報処理装置(コンピューター)に持たせる事が可能となり、各情報処理装置(コンピューター)間の独自性、差別化を引き出す事が出来る。それにより競争原理に基付いた機能面での情報処理装置(コンピューター)の発展が見込まれる。
(3)上記特定メーカーのみ使用可能な特定情報2002領域に規格に準拠した共通情報2001以外の独自情報を記録可能にしたことにより、従来の規格で設定された機能の制限を受けることなく情報記録再生装置製造のメーカーが設定した独自機能に対応した情報を上記特定情報2002記録領域に記録可能となる。その結果、技術の進歩に即応して新機能を随時情報記録再生装置に付加することが可能となり、技術の進歩に応じた情報記録再生装置機能の進歩が可能となる。
(3−1)上記特定メーカーのみ使用可能な特定情報2002領域に“C言語”や“ビジュアルC”“JAVA”など従来のプログラム言語規則に従わない情報処理装置(コンピューター)が独自に作成したコマンド情報に従ったプログラム(ソフト)情報を記録可能となるため、各製造メーカーが独自の機能を情報処理装置(コンピューター)に持たせる事が可能となり、技術の進歩に即応した新機能を情報処理装置(コンピューター)に付加する事が可能となり、技術の進歩に応じた情報処理装置(コンピューター)機能の進歩が可能となる。
(4)リンク情報2003を設けた事により、規格に準拠した共通情報2001と特定情報2002間の使用上の関係が明確になる。その結果、情報再生装置が誤り無く特定情報2002を利用できる。
(4−1)リンク情報2003を設けた事により、規格に準拠した共通情報2001と特定情報2002間の使用上の関係が明確になる。その結果、情報処理装置(コンピューター)が誤り無く特定情報2002を利用できる。
(5)リンク情報2003を設け、そこの中に個々の特定情報2002に対して使用可能な情報記録再生装置製造のメーカー情報もしくは使用可能な情報記録再生装置の機種情報を記録する事により情報記録再生装置側で自動的に利用可能な特定情報2002の判定が非常に容易となる。その結果、全製造のメーカーが作成した情報記録再生装置に於いて誤りが発生する事無く、高い信頼性を確保しながら特定情報2002を活用する事が可能となる。
上記の実施例によれば下記の情報記録方法、情報再生方法、情報記録再生方法、及び情報記録再生装置を提供できる。
(1)情報記録再生装置により情報記録媒体に記録された情報を再生したとき、製造元又は販売元が異なる情報記録再生装置毎に、機能の差別化及び独自性を出させることが可能なように、情報記録媒体に情報を記録しておく情報記録方法。
(2)情報記録再生装置により情報記録媒体に記録された情報を再生したとき、製造元又は販売元が異なる情報記録再生装置毎に、機能の差別化及び独自性を出させることが可能なように、情報記録媒体に記録された情報を再生する情報再生方法。
(3)情報記録再生装置により情報記録媒体に記録された情報を再生したとき、製造元又は販売元が異なる情報記録再生装置毎に、機能の差別化及び独自性を出させることが可能なように情報記録媒体に情報を記録しておくとともに情報記録媒体に記録された情報を再生する情報記録再生方法。
(4)情報記録再生装置により情報記録媒体に記録された情報を再生したとき、製造元又は販売元が異なる情報記録再生装置毎に、機能の差別化及び独自性を出させることが可能なように情報記録媒体に情報を記録しておくとともに情報記録媒体に記録された情報を再生する情報記録再生装置。
(5)機能の拡張性に優れるように、情報記録媒体に情報を記録する情報記録方法。
(6)機能の拡張性に優れるように、情報記録媒体に記録された情報を再生する情報再生方法。
(7)機能の拡張性に優れるように、情報記録媒体に情報を記録するとともに情報記録媒体に記録された情報を再生する情報記録再生方法。
(8)機能の拡張性に優れるように、情報記録媒体に情報を記録するとともに情報記録媒体に記録された情報を再生する情報記録再生装置。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。