JP2009259194A - 設計最適化方法及びその方法を用いた装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】品質工学を適用し、少ない計算回数で効率よく所定の目的機能を満たす最適な設計を実現できる設計最適化方法を提供すること。
【解決手段】アウタパネル及び補強材からなるドアパネルにおいて、当該ドアパネルの剛性を示す荷重・変位曲線(S1)から、複数の変位及び荷重を品質工学における信号因子(入力)及び特性値(出力)として(S4〜6)、そこから直交表の直積実験で得られた一次係数と二次係数(S11)に対する設計変数の要因効果とその加法性に基づいた荷重・変位曲線の条件式を作成して(S14)、当該条件式を満たすよう特性値を目標値にチューニングする(S15)。
【選択図】図3
【解決手段】アウタパネル及び補強材からなるドアパネルにおいて、当該ドアパネルの剛性を示す荷重・変位曲線(S1)から、複数の変位及び荷重を品質工学における信号因子(入力)及び特性値(出力)として(S4〜6)、そこから直交表の直積実験で得られた一次係数と二次係数(S11)に対する設計変数の要因効果とその加法性に基づいた荷重・変位曲線の条件式を作成して(S14)、当該条件式を満たすよう特性値を目標値にチューニングする(S15)。
【選択図】図3
Description
本発明は、所定の技術を実現する装置に対し、品質工学を用いて所定の目的機能を実現する最適な設計を行う設計最適化方法その方法を用いた装置に関する。
ある技術を実現するための装置について、品質や生産性を向上させるため、いかに効率よくその装置に求める機能(目的機能)を実現しうる設計を行うかが重要である。
例えばトラックのドアパネル等のように曲率が十分に取りにくいシェル構造物に対して重量最小の条件で張り剛性を確保するには、アウタパネルのような主部材に補強部材を設けることが効果的と考えられている。
例えばトラックのドアパネル等のように曲率が十分に取りにくいシェル構造物に対して重量最小の条件で張り剛性を確保するには、アウタパネルのような主部材に補強部材を設けることが効果的と考えられている。
張り剛性は荷重・変位曲線によって記述され、荷重・変位曲線は非線形挙動を示すことから、張り剛性と重量最小化を両立させる問題は非線形の設計最適化問題と考えられる。
一般に非線形の設計最適化には、設計感度解析や応答曲面法等が用いられている。
また、荷重分担率を用いた張り剛性の近似式を用いて設計最適化を行う方法がある(特許文献1参照)。
一般に非線形の設計最適化には、設計感度解析や応答曲面法等が用いられている。
また、荷重分担率を用いた張り剛性の近似式を用いて設計最適化を行う方法がある(特許文献1参照)。
また近年、一般的な工業製品の設計,開発業務における設計変数の最適化方法の一つとして、品質工学(タグチメソッド)が注目されている。品質工学とは、実験のパラメータである各制御因子及び制御因子の値(以下、水準という)を直交表に割り付け、直交表に基づく各制御因子の値の組み合わせを用いて実験を複数回数繰り返し、SN比や出力感度の高い条件を選択することにより、ロバスト性が高く効率的な設計変数の条件を探る方法である。
例えば、変速機のアイドル騒音低減するよう品質工学を適用して設計最適化を図る方法がある(特許文献2参照)。
特開2006−240448号公報
特開2008−75810号公報
しかし、設計感度解析は増分ステップごとに感度の計算が必要なため計算回数が増大し、応答曲面法も設計変数をパラメータにした多くの計算回数が必要となり好ましくない。
上記特許文献1については、非線形のFEM解析の結果から荷重分担率を用いた近似式から設計最適化を図ることで、計算回数を減少させている。
また、上記特許文献2については、変速機の対象油温範囲内のアイドル騒音を従動軸各加速度変動の実効値により推定して、その出力特性を目標曲線で直交多項式に展開し、直交多項式の係数の要因効果から影響割合の大きい設計変数を用いて設計最適化を行っている。
上記特許文献1については、非線形のFEM解析の結果から荷重分担率を用いた近似式から設計最適化を図ることで、計算回数を減少させている。
また、上記特許文献2については、変速機の対象油温範囲内のアイドル騒音を従動軸各加速度変動の実効値により推定して、その出力特性を目標曲線で直交多項式に展開し、直交多項式の係数の要因効果から影響割合の大きい設計変数を用いて設計最適化を行っている。
このように、上記特許文献1、2のような手法を用いたとしても非線形の設計最適化問題に対しては、ある一部の条件で最適化されても、他の条件では目標値から外れる等、全体としての最適が困難である。
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、品質工学を適用し、少ない計算回数で効率よく所定の目的機能を満たす最適な設計を実現できる設計最適化方法を提供することにある。
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、品質工学を適用し、少ない計算回数で効率よく所定の目的機能を満たす最適な設計を実現できる設計最適化方法を提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1の設計最適化方法では、所定の技術を実現する装置に対し、品質工学に基づき所定の目的機能を満たす設計を行う設計最適化方法であって、前記装置における目的機能を実現するのに関連する入力と出力の関係から、該入力を品質工学における信号因子とし、該入力に対応する出力を品質工学における特性値とするとともに、前記装置における複数の水準値をもつそれぞれの設計変数を制御因子とし、該制御因子の微小変化を誤差因子として、該信号因子、制御因子及び誤差因子からなる直交表を作成する工程と、前記制御因子の各水準値に誤差を含まない条件を標準条件とし、前記直交表に基づく直積実験により該標準条件における特性値を算出し、予め定められた所定の目標値または目標曲線に対して該標準条件での特性値を直交多項式に展開して一次係数、二次係数を算出する工程と、前記制御因子の前記一次係数に対する要因効果図、及び前記信号因子を所定の対象範囲で分け該対象範囲ごとに前記直交多項式を展開した加法性を有する式から、該対象範囲ごとの条件式を作成する工程と、該条件式を満たすよう前記特性値を前記目標値または前記目標曲線にチューニングする工程と、を有することを特徴特徴としている。
請求項2の設計最適化方法では、請求項1において、前記条件式は、前記直交多項式の一次係数の要因効果図から前記設計変数のうち勾配の大きい設計変数を複数選択して作成することを特徴特徴としている。
請求項3の設計最適化方法では、請求項1または2において、前記対象範囲は、前記入力及び出力の関係に基づく特性において前記目標値を満たすまでの余裕量に基づいて分けることを特徴としている。
請求項3の設計最適化方法では、請求項1または2において、前記対象範囲は、前記入力及び出力の関係に基づく特性において前記目標値を満たすまでの余裕量に基づいて分けることを特徴としている。
請求項4の設計最適化方法では、請求項2または3において、前記対象範囲は、前記選択された設計変数の数と同じまたはそれ以上の数の区間に分けることを特徴としている。
請求項5の設計最適化方法では、請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記条件式は、目標値を満足する設計変数の組合せを示す連立不等式であり、該連立不等式の解が目標値を満足する設計変数の組合せであることを特徴としている。
請求項5の設計最適化方法では、請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記条件式は、目標値を満足する設計変数の組合せを示す連立不等式であり、該連立不等式の解が目標値を満足する設計変数の組合せであることを特徴としている。
請求項6の設計最適化方法では、請求項1乃至5のいずれかにおいて、前記装置は、主部材と補強材とを有するパネル構造体であり、剛性及び重量最小化を両立させることを前記目的機能とし、前記入力と出力の関係は前記パネル構造体の剛性における荷重・変位曲線に基づく関係であり、該荷重変位曲線に基づく変位を前記入力、該変位に対応する荷重を前記出力とすることを特徴としている。
請求項7の設計最適化方法では、請求項6において、前記パネル構造体における重量及び前記設計変数の関係から目的関数を設定し、該目的関数において重量が最小となる制御因子の組合せを算出する工程を有することを特徴としている。
請求項8の設計最適化方法では、請求項6または7において、前記パネル構造体は、前記主部材としてのアウタパネルに、前記補強材としての補強部材が設けられた車両のドアパネルであり、設計変数としての前記アウタパネル及び補強部材のそれぞれの板厚を前記制御因子とすることを特徴としている。
請求項8の設計最適化方法では、請求項6または7において、前記パネル構造体は、前記主部材としてのアウタパネルに、前記補強材としての補強部材が設けられた車両のドアパネルであり、設計変数としての前記アウタパネル及び補強部材のそれぞれの板厚を前記制御因子とすることを特徴としている。
請求項9の設計最適化方法では、請求項1乃至5のいずれかにおいて、前記装置は、車両の手動変速機であって、エンジンとの断接を行うクラッチと、該クラッチと接続された駆動軸と、該駆動軸の駆動軸歯車と噛合する従動軸歯車を有する従動軸と、該従動軸の従動軸歯車と噛合する遊転歯車を有する出力軸とを備えており、該車両のアイドル運転時における該手動変速機の騒音を低減させることを前記目的機能とし、前記入力と出力の関係は前記手動変速機内に貯留されている作動油の油温及び騒音レベルに相関する従動軸角加速度変動の実効値に基づく関係であり、該油温を前記入力、該油温に対応した従動軸角加速度変動の実効値を前記出力とすることを特徴としている。
請求項10の設計最適化方法では、請求項9において、前記設計変数として、前記クラッチの一段目ばね定数、従動軸慣性モーメント、及び前記従動軸歯車と前記遊転歯車とのバックラッシを選択して前記条件式を作成することを特徴としている。
請求項11の装置では、前記請求項1乃至10のいずれか記載の設計最適化方法により設計されたことを特徴としている。
請求項11の装置では、前記請求項1乃至10のいずれか記載の設計最適化方法により設計されたことを特徴としている。
上記手段を用いる本発明の請求項1の設計最適化方法によれば、所定の技術を実現する装置に対し、目的機能を実現するのに関連する入力及び出力の関係から、複数の入力及び出力を品質工学における信号因子(入力)及び特性値(出力)として、そこから直交表の直積実験で得られた一次係数と二次係数に対する設計変数の要因効果とその加法性に基づいた荷重・変位曲線の条件式を作成して、当該条件式を満たすよう特性値を目標値にチューニングする。
つまり、品質工学における信号因子を複数設定し、当該複数の信号因子を所定の対象範囲で分け、各対象範囲ごとに直交多項式を展開し、この加法性を有する式と、制御因子及び一次係数の要因効果図から条件式を作成する。
このように、品質工学における直交多項式の係数の加法性に着目し、特性値(出力)が目標値を満足するための設計変数の組合せの条件式を所定の対象範囲ごと作成することで、計算回数を少なくすることができるとともに、非線形をなす目標曲線であっても、全域に亘って張り剛性を当該目標曲線に近接するようチューニングすることができる。
このように、品質工学における直交多項式の係数の加法性に着目し、特性値(出力)が目標値を満足するための設計変数の組合せの条件式を所定の対象範囲ごと作成することで、計算回数を少なくすることができるとともに、非線形をなす目標曲線であっても、全域に亘って張り剛性を当該目標曲線に近接するようチューニングすることができる。
これにより、少ない計算回数で効率よく所定の目的機能を満たす最適な設計を実現することができる。
請求項2の設計最適化方法によれば、直交多項式の一次係数の要因効果図から勾配の大きい設計変数を複数選択することで、適正な設計変数を選択し、これらに基づき条件式を作成し、当該条件式を満たすように目標値または目標曲線にチューニングすることにより、より良好なチューニングを行うことができる。
請求項2の設計最適化方法によれば、直交多項式の一次係数の要因効果図から勾配の大きい設計変数を複数選択することで、適正な設計変数を選択し、これらに基づき条件式を作成し、当該条件式を満たすように目標値または目標曲線にチューニングすることにより、より良好なチューニングを行うことができる。
請求項3の設計最適化方法によれば、条件式を作成するに際しての信号因子の対象範囲を、荷重・変位曲線において目標値を満たすまでの余裕量に基づいて分ける。
つまり、余裕量の大きい範囲と、目標値と近く余裕量が小さい範囲とで対象範囲を分けることで、それぞれの範囲に適合した条件式を作成することができ、より良好にチューニングすることができる。
つまり、余裕量の大きい範囲と、目標値と近く余裕量が小さい範囲とで対象範囲を分けることで、それぞれの範囲に適合した条件式を作成することができ、より良好にチューニングすることができる。
請求項4の設計最適化方法によれば、条件式は連立不等式で記述されるため、入力(信号因子)の対象範囲を設計変数の数と同じまたはそれ以上の数の区間に分けることで、適切に条件式の解が導くことができる。
請求項5の設計最適化方法によれば、前記条件式は、目標値を満足する設計変数の組合せを示す連立不等式であり、該連立不等式の解が目標値を満足する設計変数の組合せである。
請求項5の設計最適化方法によれば、前記条件式は、目標値を満足する設計変数の組合せを示す連立不等式であり、該連立不等式の解が目標値を満足する設計変数の組合せである。
これにより、連立不等式からなる簡単な計算で設計最適化を図ることができる。
請求項6の設計最適化方法によれば、パネル構造体に当該設計最適化方法を適用することで、パネル構造体の張り剛性と重量最小化を良好に満たす設計変数の組合せを導くことができ、有効な設計最適化を行うことができる。
請求項7の設計最適化方法によれば、パネル構造部材における重量及び前記設計変数の関係から目的関数を設定し、該目的関数において重量が最小となる制御因子の組合せを算出する。
請求項6の設計最適化方法によれば、パネル構造体に当該設計最適化方法を適用することで、パネル構造体の張り剛性と重量最小化を良好に満たす設計変数の組合せを導くことができ、有効な設計最適化を行うことができる。
請求項7の設計最適化方法によれば、パネル構造部材における重量及び前記設計変数の関係から目的関数を設定し、該目的関数において重量が最小となる制御因子の組合せを算出する。
これにより、パネル構造体の張り剛性と重量最小化をより良好に満たす設計変数の組合せを導くことができ、一層有効な設計最適化を行うことができる。
請求項8の設計最適化方法によれば、パネル構造体としての車両のドアパネルに当該設計最適化方法を適用することで、ドアパネルの張り剛性と重量最小化を良好に満たす設計変数の組合せを導くことができ、有効な設計最適化を行うことができる。
請求項8の設計最適化方法によれば、パネル構造体としての車両のドアパネルに当該設計最適化方法を適用することで、ドアパネルの張り剛性と重量最小化を良好に満たす設計変数の組合せを導くことができ、有効な設計最適化を行うことができる。
請求項9の設計最適化方法によれば、車両の手動変速機に当該設計最適化方法を適用することで、手動変速機のアイドル騒音低減を良好に満たす設計変数の組合せを導くことができ、有効な設計最適化を行うことができる。
請求項10の設計最適化方法によれば、直交多項式の一次係数の要因効果図から勾配が比較的大きくなる、クラッチ一段目ばね定数、従動軸慣性モーメント、及び前記従動軸歯車と前記遊転歯車とのバックラッシを選択して条件式を作成することで、手動変速機において効果的にチューニングを行うことができる。
請求項10の設計最適化方法によれば、直交多項式の一次係数の要因効果図から勾配が比較的大きくなる、クラッチ一段目ばね定数、従動軸慣性モーメント、及び前記従動軸歯車と前記遊転歯車とのバックラッシを選択して条件式を作成することで、手動変速機において効果的にチューニングを行うことができる。
請求項11の装置によれば、上記設計最適化方法により設計されていることで、所定の目的機能を満たす最適な構成を実現することができる。例えば、張り剛性と重量最小化されたドアパネル等のパネル構造体、アイドル騒音を低減させた手動変速機等を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
まず、第1実施例について説明する。
当該第1実施例は、設計最適化を行う装置として、パネル構造体であるトラックのドアパネルに適用している。
図1には本発明の第1実施例にて供試されるドアパネルの斜視図が示されており、同図に示すようにドアパネル2はアウタパネル4とインナパネル6とを互いに張り合わせた状態で構成されている。アウタパネル4の外周はその上半分が窓枠8として成形され、その下半分はドアパネル下部10として成形されている。また、このドアパネル下部10はサイドウインドウの下端に沿って追加され、この追加部分はアウタパネル4を横断する方向に延びている。
まず、第1実施例について説明する。
当該第1実施例は、設計最適化を行う装置として、パネル構造体であるトラックのドアパネルに適用している。
図1には本発明の第1実施例にて供試されるドアパネルの斜視図が示されており、同図に示すようにドアパネル2はアウタパネル4とインナパネル6とを互いに張り合わせた状態で構成されている。アウタパネル4の外周はその上半分が窓枠8として成形され、その下半分はドアパネル下部10として成形されている。また、このドアパネル下部10はサイドウインドウの下端に沿って追加され、この追加部分はアウタパネル4を横断する方向に延びている。
さらに、アウタパネル4には、窓枠8及びドアパネル下部10に囲まれた部位の張り剛性を確保すべく、その内面に車両前後方向、即ち横方向に延びた補強材12が取り付けられている。本実施形態ではアウタパネル4に補強材12が接着されている。この補強材12は梁状をなし、その構造は断面ハット状に成形され、補強材12に必要な剛性は確保されている。
また、当該ドアパネル下部10の前端部分には上下2箇所にドアヒンジ14a、14b、後端部分にはドアロック16が形成されている。
以下、第1実施例におけるドアパネルの設計最適化方法について説明する。
図2、3には本発明の第1実施例に係る設計最適化ルーチンを示すフローチャートが示されており、同フローチャートに沿い、途中図4〜17を参照しながら説明する。
以下、第1実施例におけるドアパネルの設計最適化方法について説明する。
図2、3には本発明の第1実施例に係る設計最適化ルーチンを示すフローチャートが示されており、同フローチャートに沿い、途中図4〜17を参照しながら説明する。
まず、ステップS1〜3では、試験及び非線形FEMによる補強材の影響確認を行う。
詳しくは、ステップS1として、アウタパネル4を供試体とした張り剛性試験により荷重・変位曲線を作成する。
当該張り剛性試験では、ドアヒンジ14a、14b部2箇所とドアロック16部1箇所を試験用治具で支持し、荷重変換器から当て板を介してアウタパネル4面の荷重点Eに垂直に車外側から車内側へ荷重をかける。そして、当該荷重及び変位を計測して荷重・変位曲線を作成する。なお、当該荷重点Eは補強材12の配置に合わせて、張り剛性の最も低いアウタパネル4の中央付近に取る。
詳しくは、ステップS1として、アウタパネル4を供試体とした張り剛性試験により荷重・変位曲線を作成する。
当該張り剛性試験では、ドアヒンジ14a、14b部2箇所とドアロック16部1箇所を試験用治具で支持し、荷重変換器から当て板を介してアウタパネル4面の荷重点Eに垂直に車外側から車内側へ荷重をかける。そして、当該荷重及び変位を計測して荷重・変位曲線を作成する。なお、当該荷重点Eは補強材12の配置に合わせて、張り剛性の最も低いアウタパネル4の中央付近に取る。
また、ステップS2では、非線形FEM解析に基づき荷重・変位曲線を作成する。この作成には、荷重点Eの荷重を0から微少増分ずつ逐次増加させ、荷重点Eにおける荷重及び変位の各逐次増分を求める増分法が適用される。
また、アウタパネル4の形状データは図4に示す3次元CADシステムの線図データから作成する。
また、アウタパネル4の形状データは図4に示す3次元CADシステムの線図データから作成する。
当該図4には、メッシュ分割、アウタパネル4と補強材との結合部、支持条件と荷重条件が示されている。支持条件は、試験条件に合わせてドアヒンジ14a、14b部とドアロック16部が拘束され、荷重は、荷重点Eに当て板が常にアウタパネル4の面と接触しており、当て板とアウタパネル4の面は一体と仮定し、等分布荷重で与えられる。なお、供試体のモデルは要素数915、節点数3222である。
そして、補強材の板厚tsを基準値ts0に対して2倍(2ts0)及び1/2(0.5ts0)にした場合を計算した荷重・変位曲線が図5に示されている。
当該図5では、縦軸に、荷重Pを実用最大荷重Pmで除した無次元荷重P/Pmを取っている。また、横軸の変位uは荷重点Eの荷重方向(図4のy方向)の変位である。また、アウタパネルの板厚tpは0.78mmとしている。
当該図5では、縦軸に、荷重Pを実用最大荷重Pmで除した無次元荷重P/Pmを取っている。また、横軸の変位uは荷重点Eの荷重方向(図4のy方向)の変位である。また、アウタパネルの板厚tpは0.78mmとしている。
当該図5に示すように、荷重が小さい場合の領域Aでは、補強材12の板厚tsを変えても、剛性にほとんど差がないことがわかる。一方、荷重が大きい領域B、C(u>3mm)では、2ts0の場合の剛性は基準値ts0に対して約1.5倍(=0.26/0.17)、0.5ts0の場合の剛性は基準値ts0に対して約0.7倍(=0.12/0.17)となり、補強材12の板厚tsの影響が大きく出ることがわかる。なお、図5で示した評価基準は、市場実績等から設定したものである。
一方、図6には、補強材12の板厚tsをts0の一定とし、アウタパネル4の板厚tpを基準値tp0=0.78mmに対して±0.1mm増減させた場合を計算した荷重・変位曲線が示されている。当該図6では、tpの値が大きいほど剛性が高く、全領域に亘ってtpの増加の効果があることがわかる。
ステップS3では、上記ステップS2での計算結果の妥当性を確認するため、荷重・変位線図の試験と計算との比較を行う。その結果は図7に示されており、同図に示すように計算結果は試験結果とほぼ一致しており、非線形FEMの計算精度が実用上十分であることがわかる。
ステップS3では、上記ステップS2での計算結果の妥当性を確認するため、荷重・変位線図の試験と計算との比較を行う。その結果は図7に示されており、同図に示すように計算結果は試験結果とほぼ一致しており、非線形FEMの計算精度が実用上十分であることがわかる。
これより以下、品質工学を用いた設計最適化を行う。
まず、ステップS4〜S13において品質工学の基本機能の設定と最適化(チューニング)を行う。
ステップS4では、品質工学における基本機能である入力及び出力の設定を行う。
張り剛性は荷重・変位曲線で記述されるので、品質工学の入力には荷重点Eの変位u(以下、変位uという)、出力には荷重Pを取ることとする。なお、入力は信号因子となる。
まず、ステップS4〜S13において品質工学の基本機能の設定と最適化(チューニング)を行う。
ステップS4では、品質工学における基本機能である入力及び出力の設定を行う。
張り剛性は荷重・変位曲線で記述されるので、品質工学の入力には荷重点Eの変位u(以下、変位uという)、出力には荷重Pを取ることとする。なお、入力は信号因子となる。
設計変数を変えた場合や誤差を与えた場合の剛性を比較できるように、変位は評価基準範囲内のu1=0.5、u2=1.0、u3=2.0、・・・、u8=7.0mmとする。この変位の点列データujに対応する荷重yj(j=1〜8)が出力となる。また(uj、yj)(j=1〜8)は非線形FEMで得られた荷重・変位曲線(ui、Pi)(i=0〜m、ただしu0=0、u8≦um)から補間によって求める。
そして、ステップS5では、制御因子の設定を行う。
そして、ステップS5では、制御因子の設定を行う。
品質工学では、設計変数を制御因子と呼び、当該制御因子には下記表1に示すアウタパネルの板厚tpと補強材の板厚tsの各3水準を取る。つまり、当該制御因子の組合せは、L9直交表を構成するものである。
続いてステップS6では、誤差因子の設定を行う。
誤差は制御因子の水準値の微小変化で代用できるものと考え、表1のすべての制御因子の各水準値に対して、-3%、+3%の2水準を誤差因子とする。誤差因子の組合せはL4直交表を構成し誤差条件となる。なお、誤差条件に対し、制御因子の各水準値に誤差を含まない条件を標準条件という。
誤差は制御因子の水準値の微小変化で代用できるものと考え、表1のすべての制御因子の各水準値に対して、-3%、+3%の2水準を誤差因子とする。誤差因子の組合せはL4直交表を構成し誤差条件となる。なお、誤差条件に対し、制御因子の各水準値に誤差を含まない条件を標準条件という。
そしてこのような基本機能から、要因効果と確認実験を行う。
ステップS7では、信号因子(入力)(8)×制御因子(L9)×{標準条件+誤差条件(L4)}の直積実験(数値シミュレーション)を行う。
そして図8に、当該信号因子、制御因子、誤差因子と直積実験の出力が示されている。
出力yに対し、各標準条件の出力(図8のy0j(j=1〜8))を入力信号に用いて、下記式(1)〜(8)より標準SN比η(以下、単にSN比ηという)を計算する。また、各標準条件の出力に対し目標曲線での直交展開から下記式(9)〜(11)で一次係数β1、二次係数β2を計算する。ここで、mj(j=1〜8)は目標曲線(目標値)である。なお、式(2)、(4)などのfは品質工学の自由度を示している。
ステップS7では、信号因子(入力)(8)×制御因子(L9)×{標準条件+誤差条件(L4)}の直積実験(数値シミュレーション)を行う。
そして図8に、当該信号因子、制御因子、誤差因子と直積実験の出力が示されている。
出力yに対し、各標準条件の出力(図8のy0j(j=1〜8))を入力信号に用いて、下記式(1)〜(8)より標準SN比η(以下、単にSN比ηという)を計算する。また、各標準条件の出力に対し目標曲線での直交展開から下記式(9)〜(11)で一次係数β1、二次係数β2を計算する。ここで、mj(j=1〜8)は目標曲線(目標値)である。なお、式(2)、(4)などのfは品質工学の自由度を示している。
ステップS8においては、図9に示すように、式(8)〜(10)で計算したSN比η、β1、β2と図8から、制御因子の水準値ごとに要因効果図を作成する。そして、SN比ηの高い方を最適水準、低い方を最悪水準とする。なお、図9では、SN比ηの最適水準は丸印、最悪水準は矢印で示されている。
ステップS9では、最適条件、最悪条件のSN比η、β1、β2の推定値と確認実験の計算結果とを比較し、精度を確認するための確認実験を行う。
これは要因効果図の最適水準、最悪水準のSN比、β1、β2から推定される最適条件(A1、B3)と最悪条件(A3、B1)のSN比、β1、β2と、直接最適水準A1、B3を与えて計算した最適条件、最悪水準A3、B1を与えて計算した最悪条件のSN比、β1、β2とを比較して、確認実験を行う。
これは要因効果図の最適水準、最悪水準のSN比、β1、β2から推定される最適条件(A1、B3)と最悪条件(A3、B1)のSN比、β1、β2と、直接最適水準A1、B3を与えて計算した最適条件、最悪水準A3、B1を与えて計算した最悪条件のSN比、β1、β2とを比較して、確認実験を行う。
そして、表2の各項目上段に、推定される最適条件と最悪条件のSN比η、β1、β2が示され、表2の各項目下段に、各制御因子で最適水準、最悪水準の値を直接与えて計算した確認実験(数値シミュレーション)の結果が示されている。そして、当該表2から、推定SN比と確認SN比との利得の差が小さく、一般に±20%以下が好ましい再現性の値も約16%(1.15979)であることから良好な再現性が得られているものと判断できる。また、SN比の再現性があるということはSN比の加法性があるといえる。
また、ステップ10において、第1段階での最適化を行った場合の最適条件と最悪条件におけるばらつきを比較する。
図10に示すように、最適条件と最悪条件についての荷重・変位曲線に基づき、ばらつきを比較してみると、最適条件、最悪条件ともばらつきについてはほとんど差がないことがわかる。なお、図10では、標準条件での出力を実線、誤差条件での出力を破線で表示し、出力のばらつきを示している。
図10に示すように、最適条件と最悪条件についての荷重・変位曲線に基づき、ばらつきを比較してみると、最適条件、最悪条件ともばらつきについてはほとんど差がないことがわかる。なお、図10では、標準条件での出力を実線、誤差条件での出力を破線で表示し、出力のばらつきを示している。
次に、ステップS11において、第2段階の最適化を行うべく第2段階の直交多項式による展開を行う。
目標値mj(j=1〜k)に対して、標準条件での出力y0jを下記直交多項式(12)に展開し、二次項までが以下にように示される。
目標値mj(j=1〜k)に対して、標準条件での出力y0jを下記直交多項式(12)に展開し、二次項までが以下にように示される。
ステップS12において、標準条件での出力y0jの要因効果図を作成する。
これは、図11に示す、L9直交表で得られた設計変数tp、tsのy0j(j=1〜k)に対する要因効果から作成される。なお、上述の展開式に対して、図11及び以下の記述ではt1=tp、t2=ts、k=8、n=2と置いている。
これは、図11に示す、L9直交表で得られた設計変数tp、tsのy0j(j=1〜k)に対する要因効果から作成される。なお、上述の展開式に対して、図11及び以下の記述ではt1=tp、t2=ts、k=8、n=2と置いている。
ステップ13では、確認実験を行う。
これは、図12に示すように、最適条件と最悪条件のy0j(tp、ts)について、y0j(tp)、y0j(ts)、y0j0を式(16)の右辺に代入して求め推定したy0j(tp、ts)と、直接数値シミュレーションで得られた確認実験のy0j(tp、ts)を比較する。
当該図12から式(16)が近似的に成立することがわかる。したがって、式(16)、(15)から(17)が近似的に成立する。
これは、図12に示すように、最適条件と最悪条件のy0j(tp、ts)について、y0j(tp)、y0j(ts)、y0j0を式(16)の右辺に代入して求め推定したy0j(tp、ts)と、直接数値シミュレーションで得られた確認実験のy0j(tp、ts)を比較する。
当該図12から式(16)が近似的に成立することがわかる。したがって、式(16)、(15)から(17)が近似的に成立する。
上記表2では信号因子を対象範囲に限定しない方法で加法性と再現性を確認しているのに対し、式(17)の加法性は、対象範囲に分けられたそれぞれの信号因子(に対応したy0j、mj)の範囲で成立することを述べている。
ステップS14〜16では、品質工学による条件式と設計最適化を行う。
まず、ステップS14にて、一次係数β1要因効果と評価基準を設定する。
ステップS14〜16では、品質工学による条件式と設計最適化を行う。
まず、ステップS14にて、一次係数β1要因効果と評価基準を設定する。
これには設計変数tp、tsを無次元板厚Zp、Zsに置き換えて展開する。
そして、ステップ15では、荷重・変位曲線が評価基準を満たすまでの余裕量は荷重の大きさによって異なるので、信号因子を荷重が小さい場合と大きい場合とに分けて張り剛性のチューニングを行う。
チューニングを行う設計変数はZp、Zsの2変数なので、入力の信号因子の対象範囲を荷重が小さい場合、荷重が大きい場合、全範囲の3つに分けている。
チューニングを行う設計変数はZp、Zsの2変数なので、入力の信号因子の対象範囲を荷重が小さい場合、荷重が大きい場合、全範囲の3つに分けている。
荷重が小さい場合(荷重小)の信号因子、荷重が大きい場合(荷重大)の信号因子、荷重小から荷重大まですべての信号因子(全因子)をそれぞれ考慮した3通りのβ1の要因効果(図13、14参照)から条件式(22)を得る。
荷重小の場合(u1〜u3のy01〜y03のみ考慮)
荷重小の場合(u1〜u3のy01〜y03のみ考慮)
そして、ステップS16では、設計最適化を行う。
ここでは、まずパネル構造体である部材iの比重、板厚、表面積をそれぞれγi、ti、Ai(i=1〜n)とし、簡単化のため、重量Wは、次式(23)
ここでは、まずパネル構造体である部材iの比重、板厚、表面積をそれぞれγi、ti、Ai(i=1〜n)とし、簡単化のため、重量Wは、次式(23)
したがって、当該設計最適化方法は、式(23)を目的関数、式(25)を不等式制約条件、式(24)を上下限制約条件とした線形計画法の問題に帰着する。
そこでステップS17において、ドアパネル2の張り剛性へ適用する。
そこでステップS17において、ドアパネル2の張り剛性へ適用する。
つまり、ステップS16で定式化した最適化手法をドアパネル2の重量最小化と張り剛性を両立させる問題へ適用する。なお、構成部材の制約条件は表3に示す通りとする。
目的関数の重量Wの設定については、まず式(23)でt1、t2等の添字をtp、ts等と置き換えることで、
また、図15には、式(22)に基づくZp、Zsのラインが示されている。
当該図15からZs≦Zs0の場合、荷重大のライン(式(22.2)等号のライン)よりもZp大の領域で、Zs≧Zs0の場合、荷重小のライン(式(22.1)等号のライン)よりもZp大の領域で、評価基準を満足する。すなわち、Zs≦Zs0で、
当該図15からZs≦Zs0の場合、荷重大のライン(式(22.2)等号のライン)よりもZp大の領域で、Zs≧Zs0の場合、荷重小のライン(式(22.1)等号のライン)よりもZp大の領域で、評価基準を満足する。すなわち、Zs≦Zs0で、
当該図16と式(31)からW/W10はZs=Zs0=1.6487、Zp0=0.8434で最小値0.9258を取る。さらに、表3の制約条件(0872≦Zp≦1.13)から、Zs=1.6487、Zp=0.872の組合せでW/W10は0.9544となる。
図17には、Zs=1.6487、Zp=0.8434の標準条件(細い実線)、Zs=1.6487、Zp=0.872の標準条件(実線)と誤差条件(破線)の荷重・変位曲線が示されている。
Zs=1.6487、Zp=0.8434では、荷重の小さい場合にほぼ評価基準に重なる。最大荷重点(P/Pm=1.0)付近でわずかに到達しないが、その他の領域ではほぼ評価基準を満足している。したがって、評価基準を満たすための条件式(21)及び(25)の予測精度は実用上十分と考えられる。
Zs=1.6487、Zp=0.8434では、荷重の小さい場合にほぼ評価基準に重なる。最大荷重点(P/Pm=1.0)付近でわずかに到達しないが、その他の領域ではほぼ評価基準を満足している。したがって、評価基準を満たすための条件式(21)及び(25)の予測精度は実用上十分と考えられる。
これらの条件式は誤差条件を考慮していないので、評価条件で評価基準を満足しているZs=1.6487、Zp=0.872の場合でも誤差条件を含めると荷重が大きい場合に評価基準を満たさない場合が出てくるおそれがある。この場合には、荷重が大きい場合の剛性増加に効果的な補強材の板厚を増加(例えばZs=2←1.6487)させることにより、図10(a)のように誤差条件を含めて評価基準を満足させることができる。
Zs=2、Zp=0.872の場合、W/W10=0.9720であり、(W/W10)(W0/W10)=0.9720/1.05=0.9257となって、構造変更前の構造に対して構造変更後の重量を約7%(=1-0.9257×100)軽減することができる。
したがって、誤差条件を考慮しない場合には、Zs=1.6487、Zp=0.872で、誤差条件を考慮した場合には、Zs=2、Zp=0.872の組合せで設計最適化を図ることができる。
したがって、誤差条件を考慮しない場合には、Zs=1.6487、Zp=0.872で、誤差条件を考慮した場合には、Zs=2、Zp=0.872の組合せで設計最適化を図ることができる。
以上のように、第1実施例に係るドアパネル(パネル構造体)の設計最適化方法及びその方法を用いたでは、補強材を備えるトラックのドアパネルの張り剛性に品質工学(数値シミュレーションによるタグチメソッド)を適用し、張り剛性と重要最小化を両立させる設計最適化を行う。
つまり、張り剛性は荷重・変位曲線で記述され、品質工学を適用する場合、荷重・変位曲線の変位を入力(信号因子)に、荷重を出力(特性値)に取る。
つまり、張り剛性は荷重・変位曲線で記述され、品質工学を適用する場合、荷重・変位曲線の変位を入力(信号因子)に、荷重を出力(特性値)に取る。
そこから、直交表の直積実験で得られた一次係数β1と二次係数β2に対する設計変数の要因効果とその加法性に基づいた荷重・変位曲線の条件式を作成し、この条件式をもとに張り剛性と重量最小化を両立させる設計最適化手法を行う。
この条件式は、信号因子を所定の対象範囲(荷重大、荷重小、全因子)に分けて作成され、非線形をなす目標曲線であっても、全域に亘って張り剛性を当該目標曲線に近接するようチューニングすることができる。
この条件式は、信号因子を所定の対象範囲(荷重大、荷重小、全因子)に分けて作成され、非線形をなす目標曲線であっても、全域に亘って張り剛性を当該目標曲線に近接するようチューニングすることができる。
そして、当該設計最適化手法は計算容易な線形計画法の問題に帰着させることができる。
当該条件式と設計最適化手法をトラックのドアパネルに適用することで、条件式の予測精度が実用上十分であり、張り剛性と重量最小化をより良好に満たす設計変数の組合せを導くことができ、有効な設計最適化を行うことができる。
当該条件式と設計最適化手法をトラックのドアパネルに適用することで、条件式の予測精度が実用上十分であり、張り剛性と重量最小化をより良好に満たす設計変数の組合せを導くことができ、有効な設計最適化を行うことができる。
以上で第1実施例に係るドアパネル(パネル構造体)の設計最適化方法の実施形態についての説明を終えるが、当該実施形態はこれに限られるものではない。
上記第1実施例ではドアパネル2に横方向に延びる補強材12を1つ設けた構成であり、設計変数をアウタパネル4と補強材12の2変数とした場合について一次係数β1の加法性に基づいた条件式から設計最適化を行っているが、補強材の数や形状、配設方法、設計変数の数等はこれに限られるものではない。
上記第1実施例ではドアパネル2に横方向に延びる補強材12を1つ設けた構成であり、設計変数をアウタパネル4と補強材12の2変数とした場合について一次係数β1の加法性に基づいた条件式から設計最適化を行っているが、補強材の数や形状、配設方法、設計変数の数等はこれに限られるものではない。
例えば、変形例として、図18に示すように上記第1実施例のドアパネル2’に横方向に延びる横補強材12’に加えて、縦方向に延びる縦補強材18を設けた構成でも適用可能である。
詳しくは、当該変形例では、設計変数をアウタパネル4’、横補強材12’、縦補強材18の3変数とし、荷重点N、Dの2点を取り、上記実施形態と同様、条件式により目標曲線へチューニングを行う。
詳しくは、当該変形例では、設計変数をアウタパネル4’、横補強材12’、縦補強材18の3変数とし、荷重点N、Dの2点を取り、上記実施形態と同様、条件式により目標曲線へチューニングを行う。
なお、図19に示す荷重・変位曲線からわかるように縦補強材18が追加されると張り剛性は大幅に増加するので、当該変形例における目標曲線は上記実施形態の評価基準の3倍とした評価基準から作成する。
そして、当該目標曲線で直交多項式に展開して一次係数β1、二次係数β2を求める。
図20には、当該変形例におけるβ1、β2の結果が示されており、同図には実線が荷重小、破線が荷重大、1点鎖線が荷重小から荷重大まですべての信号因子を考慮した場合のβ1、β2の要因効果が示されている。また、tv、Zv(=tv/tv0)は縦補強材18の板厚と無次元板厚である。なお、当該tv、Zvについては0.5≦Zv≦2の制限があるものとする。
そして、当該目標曲線で直交多項式に展開して一次係数β1、二次係数β2を求める。
図20には、当該変形例におけるβ1、β2の結果が示されており、同図には実線が荷重小、破線が荷重大、1点鎖線が荷重小から荷重大まですべての信号因子を考慮した場合のβ1、β2の要因効果が示されている。また、tv、Zv(=tv/tv0)は縦補強材18の板厚と無次元板厚である。なお、当該tv、Zvについては0.5≦Zv≦2の制限があるものとする。
β1の加法性から次の条件式が得られる。
荷重小の場合(u1〜u3のy01〜y03のみ考慮)
荷重小の場合(u1〜u3のy01〜y03のみ考慮)
ここでは、簡単化のため、Zvの影響は単調であり、Zv=0.5またはZv=2.0の下限値または上限値で最適値を取るものと仮定する。そして、Zv=0.5の場合のZpとZsの解と、Zv=2.0の場合のZpとZsの解を求める。その結果、Zp=0.9096、Zs=2.0、Zv=0.5とZp=0.7945、Zs=2.0、Zv=2.0の組合せで条件式を満たすことがわかる。
図21に、実際に、Zp=0.9096、Zs=2.0、Zv=0.5とZp=0.7945、Zs=2.0、Zv=2.0を与えて計算した荷重・変位曲線と目標曲線が示されている。
当該図21の結果から、Zp=0.7945、Zs=2.0、Zv=2.0では最大荷重点で目標曲線にわずかに到達していないが、その他の領域ではほぼ目標曲線にチューニングされていることがわかる。
当該図21の結果から、Zp=0.7945、Zs=2.0、Zv=2.0では最大荷重点で目標曲線にわずかに到達していないが、その他の領域ではほぼ目標曲線にチューニングされていることがわかる。
このように、3変数にした場合にも上記実施形態と同様にチューニングすることができ、これ以降も上記実施形態と同様に設計最適化を適用することができる。
また、上記実施形態及び変形例は、本発明に係るドアパネル(パネル構造体)の設計最適化方法をトラックのドアパネルに適用した場合だが、当該パネル構造体の設計最適化方法はドアパネルに限られない。例えば、バスのエンジンドアや乗用車のトランクリッドやエンジンフード等のパネル構造体にも適用可能であり、この場合にも上記実施形態と同様に張り剛性と重量最小化との両立を良好に図ることができるという効果を奏する。
また、上記実施形態及び変形例は、本発明に係るドアパネル(パネル構造体)の設計最適化方法をトラックのドアパネルに適用した場合だが、当該パネル構造体の設計最適化方法はドアパネルに限られない。例えば、バスのエンジンドアや乗用車のトランクリッドやエンジンフード等のパネル構造体にも適用可能であり、この場合にも上記実施形態と同様に張り剛性と重量最小化との両立を良好に図ることができるという効果を奏する。
次に第2実施例について説明する。
当該第2実施例は、設計最適化方法を車両の手動変速機に適用している。
手動変速機では、エンジンの回転変動がクラッチを介して伝達されることで、当該手動変速機が備える歯車群が歯打ちすることでガラ音等の騒音が発生するため、当該騒音を低減することを目的として設計最適化を行う。
当該第2実施例は、設計最適化方法を車両の手動変速機に適用している。
手動変速機では、エンジンの回転変動がクラッチを介して伝達されることで、当該手動変速機が備える歯車群が歯打ちすることでガラ音等の騒音が発生するため、当該騒音を低減することを目的として設計最適化を行う。
図22には本発明の第2実施例にて供試される手動変速機の実験モデルの概略構成図が示されており、同図に示す手動変速機の実験モデルは実機の手動変速機内部に備えられている出力軸上の全部の遊転歯車の慣性モーメントを手動変速機の3速遊転歯車部に等価集中させたものである。
詳しくは、図22に示すように、手動変速機の実験モデル20(以下、T/M20ともいう)は、ケーシング22の内部に駆動軸24,従動軸26、及び出力軸28が回転自在に軸支されており、駆動軸24のエンジン側の端部はクラッチ30に接続されている。
詳しくは、図22に示すように、手動変速機の実験モデル20(以下、T/M20ともいう)は、ケーシング22の内部に駆動軸24,従動軸26、及び出力軸28が回転自在に軸支されており、駆動軸24のエンジン側の端部はクラッチ30に接続されている。
駆動軸24は、クラッチ30を介してエンジンの出力軸に接続される軸であり、エンジンからの回転運動を駆動軸歯車24aを介して従動軸26へ伝達するものである。従動軸26及び出力軸28は、T/M20の各変速段に対応する減速比を実現するための複数の歯車を有する軸である。一般的な変速機では、歯車の組み合わせを変えることにより、駆動軸24の回転数に対する出力軸の回転数を変化させることができるよう構成されている。
当該T/M20では、出力軸28上の歯車のうちの一つの遊転歯車28aを除いた他の全ての歯車が取り外され、代わりとなる錘32が取り付けられている。錘32は、取り外した歯車と等価の慣性モーメントを生じさせる質量及び大きさに構成されている。
遊転歯車28aは、出力軸28に対して係脱可能に設けられており、手動又は自動で係脱するように構成されている。例えば、エンジンがアイドル状態にあり、変速段のセレクト位置がニュートラルであるような場合には、遊転歯車28aが出力軸28から脱離されて遊転するものとする。
遊転歯車28aは、出力軸28に対して係脱可能に設けられており、手動又は自動で係脱するように構成されている。例えば、エンジンがアイドル状態にあり、変速段のセレクト位置がニュートラルであるような場合には、遊転歯車28aが出力軸28から脱離されて遊転するものとする。
また、従動軸26には複数の従動軸歯車26a〜26dが固設されている。なお、図22では、4つの従動軸歯車26a〜26bを図示しているが、図示していない従動歯車もある。これらの歯車のうち駆動軸歯車24aと噛合する従動軸歯車26aには、バックラッシ(backlash)除去機構34が設けられている。バックラッシ除去機構34は、駆動軸歯車24aと従動軸歯車26aとの間隙(ガタ)を詰めるための機構である。これにより、歯車間の歯打ちに伴う騒音が軽減されている。なお、ケーシング22の内部には、作動油が貯留されている。
駆動軸24,従動軸26及び出力軸28の各軸には、回転角を検出するためのロータリーエンコーダ36a〜36cが装着されている。
当該T/M20の駆動軸24に接続されるクラッチ30は、複数のばねから構成された緩衝機構を備えている。緩衝機構は、多段階のねじり特性,すなわちクラッチ特性を有する多段緩衝機構として構成されており、エンジントルクの変動にかかわらず、クラッチ30の接続が衝突なくスムーズに実行されるようになっている。なお、本実施形態のT/M20では一段目、二段目の二段階の緩衝機構を有している。
当該T/M20の駆動軸24に接続されるクラッチ30は、複数のばねから構成された緩衝機構を備えている。緩衝機構は、多段階のねじり特性,すなわちクラッチ特性を有する多段緩衝機構として構成されており、エンジントルクの変動にかかわらず、クラッチ30の接続が衝突なくスムーズに実行されるようになっている。なお、本実施形態のT/M20では一段目、二段目の二段階の緩衝機構を有している。
そして、クラッチ30の接続時には、エンジンの駆動力がフライホイール38及びクラッチハブ40を介して手動変速機20の駆動軸24へと伝達される構成されている。
なお、当該T/M20の側方の所定位置には、騒音の大きさである騒音レベル(ガラ音)を検出する騒音計42が取り付けられている。
図22中に示された計算機44は、当該T/M20における実験データの収集及び分析を実施するコンピュータである。この計算機44には、ロータリーエンコーダ36a〜36cで検出された各回転角速度及び騒音計42で検出された騒音の大きさ等が入力されるように構成されている。
なお、当該T/M20の側方の所定位置には、騒音の大きさである騒音レベル(ガラ音)を検出する騒音計42が取り付けられている。
図22中に示された計算機44は、当該T/M20における実験データの収集及び分析を実施するコンピュータである。この計算機44には、ロータリーエンコーダ36a〜36cで検出された各回転角速度及び騒音計42で検出された騒音の大きさ等が入力されるように構成されている。
以下、第2実施例における手動変速機の設計最適化方法について説明する。
図23、24には本発明の第2に実施例に係る設計最適化ルーチンを示すフローチャートが示されており、同フローチャートに沿い、途中図25〜43を参照しながら説明する。
まず、ステップS1〜3では、T/M20の油温に応じたアイドル騒音レベル(単に騒音レベルという)の推定を行う。
図23、24には本発明の第2に実施例に係る設計最適化ルーチンを示すフローチャートが示されており、同フローチャートに沿い、途中図25〜43を参照しながら説明する。
まず、ステップS1〜3では、T/M20の油温に応じたアイドル騒音レベル(単に騒音レベルという)の推定を行う。
詳しくは、ステップS1では、図25に示すように、供試体である上記T/M20に対応した計算モデルを作成する。
なお、以下主な記号として、kはばね定数,cは減衰係数、Iは慣性モーメント、θは角変位、θの微分は角速度、さらに微分は角加速度、Tはトルク、Fは力、εはバックラッシ角度、rは歯車基礎円半径を示している。
なお、以下主な記号として、kはばね定数,cは減衰係数、Iは慣性モーメント、θは角変位、θの微分は角速度、さらに微分は角加速度、Tはトルク、Fは力、εはバックラッシ角度、rは歯車基礎円半径を示している。
また、添字は軸系各部や状態等を表しており、例えばEはエンジン、FWはフライホイール38、CHはクラッチハブ40、CLはクラッチ30、DPは駆動軸歯車24a、Gは駆動軸歯車24aと従動軸歯車26aの噛合部、Sは駆動軸歯車24aと従動軸歯車26a間のバックラッシ除去機構34、CTは従動軸26、CTAは駆動軸歯車24aと従動軸歯車26aの噛合部の従動軸歯車26a、CTFは遊転歯車28aと従動軸歯車26dの噛合部の従動軸歯車26d、CTB、CTC、CTD、CTE、CTF、CTGは従動軸26の各部分、GAは従動軸歯車26dと遊転歯車28aの噛合部、FTは遊転歯車28a、0は基準値を示している。
そして、TE、TE0(=TD)をエンジントルクの変動分と定常分、TCLをクラッチトルク、θCLをクラッチ作動角、TCL0(=TD)をクラッチトルク(TCL)の初期値、TDを駆動軸24でのT/M20の回転抵抗(撹拌抵抗)トルク、FS、FS0、ksをそれぞれバックラッシ除去機構34のばね力,初期ばね力、及びばね定数、cG、cGAを歯車噛合部の等価減衰係数、kG、kGAを歯車噛合部の等価ばね定数、FG、FGAを歯車噛合部の歯打力、TCT0、TFT0を従動軸歯車26dと遊転歯車28aとの回転抵抗トルク、cCT、cFTを回転抵抗の減衰係数、γ、δを従動軸歯車26dと遊転歯車28aとの回転抵抗の割合として記述する。なお、γ+δ=1である。
当該計算モデルでは、フライホイール38の回転角をθFWとし、クラッチハブ40の回転角をθCHとすると、クラッチ30の作動角θCLは下記式(101)で与えられる。
この作動角θCLとクラッチ30を介して伝達されるトルクTCLとの関係を示すクラッチのねじり特性を下記式(102)〜(109)に記述する。なお、このねじり特性をグラフ化したものを、図25中に示している。
このように、θ1’〜θ1ではクラッチ一段目のばねの作用、θ2’〜θ1’、θ1〜θ2ではクラッチ二段目のばねが作用していることを示している。
図25に示す計算モデルでは、駆動軸歯車24aと従動軸歯車26aとの間において、バックラッシ及びバックラッシ除去機構34に係る歯打力が考慮されている。また、全ての従動軸歯車26a〜26dのうち駆動軸24側から動力が伝達される従動軸歯車26aにおいて、回転抵抗TDが作用するものとしている。さらに、全ての従動軸歯車26a〜26dのうち出力軸28側へ動力を伝達する従動軸歯車26dと遊転歯車28aとの間にもバックラッシに係る歯打力が考慮され、遊転歯車28aにおいて回転抵抗TDが作用するものとしている。
図25に示す計算モデルでは、駆動軸歯車24aと従動軸歯車26aとの間において、バックラッシ及びバックラッシ除去機構34に係る歯打力が考慮されている。また、全ての従動軸歯車26a〜26dのうち駆動軸24側から動力が伝達される従動軸歯車26aにおいて、回転抵抗TDが作用するものとしている。さらに、全ての従動軸歯車26a〜26dのうち出力軸28側へ動力を伝達する従動軸歯車26dと遊転歯車28aとの間にもバックラッシに係る歯打力が考慮され、遊転歯車28aにおいて回転抵抗TDが作用するものとしている。
また、従動軸歯車26dと遊転歯車28aとのピッチ円上の相対変位yGAを下記式(110)の通りに設定し、従動軸歯車26dと遊転歯車28aとの歯車噛合部の歯打力FGAを下記式(111)、式(112)の通りに記述する。
式(118)はクラッチ特性式であり、式(121)はバックラッシ除去機構の特性を示している。
上記の計算モデルでは、T/M20の回転抵抗TDが従動軸26に作用するトルクTCTA0、TCTF0(式(122.1)〜(122.3))及び遊転歯車28aに作用するトルクTFT0(式(123))の和であると仮定している。また、式(116)、(117)、(123)〜(126)等から油温の影響は回転抵抗の違いとして考慮される。
上記の計算モデルでは、T/M20の回転抵抗TDが従動軸26に作用するトルクTCTA0、TCTF0(式(122.1)〜(122.3))及び遊転歯車28aに作用するトルクTFT0(式(123))の和であると仮定している。また、式(116)、(117)、(123)〜(126)等から油温の影響は回転抵抗の違いとして考慮される。
そして、フライホイール38の慣性モーメントは、クラッチハブ40、駆動軸歯車24a、従動軸歯車26a〜26b、及び遊転歯車28aの慣性モーメントに比較して十分大きいので、式(113)に係るフライホイール38の回転速度を下記式(127)に示すような加振入力と仮定する。
このような計算モデルにより、式(127)で与えられる加振入力に対して、フライホイール38、クラッチハブ40、駆動軸歯車24a、従動軸歯車26a〜26d、及び遊転歯車28aの各歯車がどのような挙動を示すかを把握できることになる。
なお、本実施形態では、歯車噛合部の等価減衰係数cG、cGAを、演算の簡単化のため無視することとする。また、γ、δはその対象となる歯車の数の比等から、γ=0.7、δ=0.3とし、さらに簡単化のため、λ=1.0,μ=0.0として演算する。
続く、ステップS21では、上記計算モデルを用いて、騒音レベルの推定を行う。
詳しくは、上記計算モデルに基づき従動軸角速度変動の実効値CTrms(RMS:Root Mean Squar)と、実験による騒音レベルの関係を調べると、図26(a)に示すような結果が得られる。
続く、ステップS21では、上記計算モデルを用いて、騒音レベルの推定を行う。
詳しくは、上記計算モデルに基づき従動軸角速度変動の実効値CTrms(RMS:Root Mean Squar)と、実験による騒音レベルの関係を調べると、図26(a)に示すような結果が得られる。
当該図26(a)では、横軸に20log|CTrms/CTrms0|をとり、縦軸に騒音レベルL(実験値)をとっている。この実験結果を直線に近似すると、下記式(128)に示す近似式が得られる。なお、CTrmsには便宜上ほぼ一定値となるt=1.10〜1.11秒間の時刻歴応答の最大値をとっている。また、式(128)中のL0は予め設定された騒音レベルの基準値である。
さらに、上記の実験結果に基づいて上記の式(128)における係数a、bを求め、騒音レベルLとT/M20の油温との関係を推定したものを、図26(b)に実線で示す。なお、実験モデルのT/M20を用いて騒音レベルLと油温との関係を実測した実験データの結果を図26(b)中に破線で示す。実線で示されるグラフは破線で示されるグラフに酷似した形状となっており、従動軸角加速度変動の実効値CTrmsを用いて式(128)から推定される騒音レベルLは、実験結果と略一致することがわかる。したがって、式(128)に示す相関関係を用いて、従動軸角加速度変動の実効値CTrmsから騒音レベルLを推定することとする。
これより以下、品質工学を用いた設計最適化を行う。
ステップS22では、品質工学における基本機能である入力(信号因子)及び出力(特性値)の設定を行う。
T/M20の油温を低油温〜高油温まで変化させた場合の騒音レベルを対象とし、上記従動軸角加速度変動のRMS(CTrms)により騒音レベルが推定できるので、下記式(129)に示す品質工学における基本機能の入力(信号因子)MにT/M油温、出力(特性値)yにCTrmsを取ることとする。
ステップS22では、品質工学における基本機能である入力(信号因子)及び出力(特性値)の設定を行う。
T/M20の油温を低油温〜高油温まで変化させた場合の騒音レベルを対象とし、上記従動軸角加速度変動のRMS(CTrms)により騒音レベルが推定できるので、下記式(129)に示す品質工学における基本機能の入力(信号因子)MにT/M油温、出力(特性値)yにCTrmsを取ることとする。
さらに、図27(a)に示すように、従来の実験と計算から得られたT/M油温・騒音特性の最適特性に対して、ばらつき等を考慮し、さらに0.5dBA程度低減する特性を本実施形態における目標曲線(目標値)として設定する。そして、当該目標曲線を式(128)の関係を用いてT/M油温・CTrms特性で記述したものを図27(b)に示す。当該図27では、実線が目標曲線(目標値)、破線が従来の最適特性を示している。
そして、T/M油温は低油温の20℃、中油温の30℃、40℃、高油温の50℃、60℃の5水準をとることとし、これを信号因子(入力)とする。
続くステップS23では、制御因子の設定を行う。
品質工学では、設計変数を制御因子と呼び、本実施形態では制御因子にクラッチ特性、軸系各部の慣性モーメント、歯車対のバックラッシを選択し、図28に示すようにL36直交表を構成する。
続くステップS23では、制御因子の設定を行う。
品質工学では、設計変数を制御因子と呼び、本実施形態では制御因子にクラッチ特性、軸系各部の慣性モーメント、歯車対のバックラッシを選択し、図28に示すようにL36直交表を構成する。
詳しくは、図28では13個の制御因子を取るととし、制御因子Aとしてフライホイール38の慣性モーメントIFW0/IFW、制御因子Bとしてクラッチ30一段目のばね定数k1/k10、制御因子Cとしてクラッチ30一段目のヒステリシストルクH1/H10、制御因子Dとしてクラッチ30二段目のばね定数k2/k20、制御因子Eとしてクラッチ30二段目のヒステリシストルクH2/H20、制御因子Fとしてクラッチ30二段目のセットトルクS2/S20、制御因子Gとして従動軸26の慣性モーメントICT/ICT0、制御因子Hとしてクラッチハブ40の慣性モーメントICH/ICH0、制御因子Iとして駆動軸24の慣性モーメントIDP/IDP0、制御因子Jとして遊転歯車28aの慣性モーメントIFT/IFT0、制御因子Kとして駆動軸歯車24aと従動軸歯車26aのバックラッシεG/εG0、制御因子Lとして従動軸歯車26dと遊転歯車28aのバックラッシεGA/εGA0、制御因子Mとしてバックラッシ除去機構34のばね力FS0/FS00と定めている。そして、制御因子Aは2水準、その他の制御因子B〜Mは3水準取っている。なお、図28の水準欄で下線を付している数値は現行条件を示している。
続いてステップS24では、誤差因子の設定を行う。
誤差は制御因子の水準値の微小変化で代用できるものと考え、図28の全ての制御因子の各水準値に対して-1%、+1%の2水準を誤差因子とする。誤差因子の組合せはL16直交表を構成し誤差条件となる。なお、誤差条件に対し、制御因子の各水準値に誤差を含まない条件を標準条件という。
誤差は制御因子の水準値の微小変化で代用できるものと考え、図28の全ての制御因子の各水準値に対して-1%、+1%の2水準を誤差因子とする。誤差因子の組合せはL16直交表を構成し誤差条件となる。なお、誤差条件に対し、制御因子の各水準値に誤差を含まない条件を標準条件という。
そしてこのような基本機能から、要因効果と確認実験を行う。
ステップS25では、信号因子(入力)(5)×制御因子(L36)×{標準条件+誤差条件(L16)}の直積実験(数値シミュレーション)を行う。
図29に、当該信号因子、制御因子、誤差因子と直積実験の出力が示されている。
出力yに対し、各標準条件の出力(図29のy0j(j=1〜5))を入力信号に用いて、標準SN比η(以下、単にSN比ηという)を計算する。また、各標準条件の出力に対し目標曲線での直交展開から一次係数β1、二次係数β2を計算する。ここで、mj(j=1〜5)は目標曲線(目標値)である。
ステップS25では、信号因子(入力)(5)×制御因子(L36)×{標準条件+誤差条件(L16)}の直積実験(数値シミュレーション)を行う。
図29に、当該信号因子、制御因子、誤差因子と直積実験の出力が示されている。
出力yに対し、各標準条件の出力(図29のy0j(j=1〜5))を入力信号に用いて、標準SN比η(以下、単にSN比ηという)を計算する。また、各標準条件の出力に対し目標曲線での直交展開から一次係数β1、二次係数β2を計算する。ここで、mj(j=1〜5)は目標曲線(目標値)である。
ステップS26では、上記直積実験の結果から図30に示すようにSN比η、直交多項式の一次、二次の係数β1、β2の要因効果図を作成する。図30では、横軸の各制御因子で選択した最適水準を丸印、現行水準を矢印で示している。なお、SN比の高い方がばらつきは小さくなるが、設計変数の設定のし易さ等も考慮して最適水準を選択している。
ステップS27では、最適条件、現行条件のSN比η、β1、β2の推定値と計算結果とを比較し、精度を確認するための確認実験を行う。
ステップS27では、最適条件、現行条件のSN比η、β1、β2の推定値と計算結果とを比較し、精度を確認するための確認実験を行う。
詳しくは、図30のSN比η、β1、β2の要因効果図から最適水準A1、B3、C3、・・・M2、現行水準A1、B2、C2、・・・M2が得られる。
このとき、最適条件のSN比ηopt、β1opt、β2optは要因効果図のSN比η、β1、β2から次式で推定される。
このとき、最適条件のSN比ηopt、β1opt、β2optは要因効果図のSN比η、β1、β2から次式で推定される。
ここに、η0、β10、β20は図29の解析No1〜36のSN比η、β1、β2のそれぞれの平均値である。
図31の各項目上段に、推定される最適条件と現行条件のSN比η、β1、β2が示され、図31の各項目下段に、各制御因子で最適水準、現行水準の値を直接与えて計算した確認実験(数値シミュレーション)の結果が示されている。
図31の各項目上段に、推定される最適条件と現行条件のSN比η、β1、β2が示され、図31の各項目下段に、各制御因子で最適水準、現行水準の値を直接与えて計算した確認実験(数値シミュレーション)の結果が示されている。
そして、当該図31から、推定SN比と確認SN比との利得の差が小さく、一般に±20%以下が好ましい再現性の値も約−4%(0.96093)であることから良好な再現性が得られているものと判断できる。また、SN比の再現性があるということはSN比の加法性があるといえる。
ステップS28では、直交多項式の係数β1、β2の要因効果から影響割合の大きい設計変数を選出する。
ステップS28では、直交多項式の係数β1、β2の要因効果から影響割合の大きい設計変数を選出する。
詳しくはβ1、β2は、標準条件での出力y0jを目標値mjで直交多項式に展開した下記式(136)の一次と二次の係数であり、下記式(137)、(138)で示される。
図30のβ1の要因効果図からβ1の勾配が大きく効果的なチューニングが行える制御因子は制御因子B(クラッチ30一段目のばね定数k1/k10)、制御因子G(従動軸26の慣性モーメントICT/ICT0)、制御因子L(従動軸歯車26dと遊転歯車28aのバックラッシεGA/εGA0)と考えられる。
ただし、図30は信号因子(入力)を対象範囲に限定しないT/M油温20℃〜60℃の要因効果図であり、これに対して信号因子をT/M油温20℃、30℃〜60℃にそれぞれ限定した場合の要因効果図を図32、33に示す。
図32にはT/M油温20℃のβ1要因効果図がしめされており、同図では制御因子Bのk1は第2水準で最小値をとる谷型特性である。図33のT/M油温30℃〜60℃のβ1要因効果図でのk1は第1〜第3水準を通る円弧であり、曲率中心が右下側にある右上がり特性となる。
図32にはT/M油温20℃のβ1要因効果図がしめされており、同図では制御因子Bのk1は第2水準で最小値をとる谷型特性である。図33のT/M油温30℃〜60℃のβ1要因効果図でのk1は第1〜第3水準を通る円弧であり、曲率中心が右下側にある右上がり特性となる。
これに対して、図30のT/M油温20〜60℃のβ1要因効果図でのk1は20℃と30℃〜60℃の要因効果が重畳されて、曲率中心が左上側の右上がり特性となっている。20〜60℃の他の設計変数のβ1要因効果も20℃及び30℃〜60℃の要因効果が重畳されて示されている。
図32のT/M油温20℃のβ1要因効果図から制御因子GのICT、制御因子LのεGAのβ1は勾配が大きく、ICT大、εGA小による騒音低減効果が大きいことがわかる。またk2小は効果があるが、H1、H2についてはβ1の変化はほとんどないので効果は少ない。またFS0については第2水準で最小値をとる。
図32のT/M油温20℃のβ1要因効果図から制御因子GのICT、制御因子LのεGAのβ1は勾配が大きく、ICT大、εGA小による騒音低減効果が大きいことがわかる。またk2小は効果があるが、H1、H2についてはβ1の変化はほとんどないので効果は少ない。またFS0については第2水準で最小値をとる。
図33のT/M油温30℃〜60℃のβ1要因効果図では、k1、ICT、εGAのβ1の勾配が大きくk1小、ICT大、εGA小の効果が大きいことがわかる。H1、k2、H2はいずれも小さい方がβ1は小さく効果はある。また、FS0については大きい方がβ1は小さく効果がある。
T/M油温30℃〜60℃ではクラッチ30の一段目のばねが作用する頻度が高く、クラッチ30の二段目のばねが作用する頻度が低いため、k1小、H1小の効果があるものと推定される。クラッチ一段目の頻度が高く二段目の頻度が低いために駆動軸歯車24aと従動軸歯車26aの歯打ちを抑制できFS0大の効果があるものと考えられる。
T/M油温30℃〜60℃ではクラッチ30の一段目のばねが作用する頻度が高く、クラッチ30の二段目のばねが作用する頻度が低いため、k1小、H1小の効果があるものと推定される。クラッチ一段目の頻度が高く二段目の頻度が低いために駆動軸歯車24aと従動軸歯車26aの歯打ちを抑制できFS0大の効果があるものと考えられる。
k2、H2についてもクラッチ作動角が二段目にかかる割合が少ないために効果が出ているものと推定される。
一方、油温30℃〜60℃でk1に比較してH1の効果が小さいのはH1を十分に小さい範囲で変化させているためであり、k2、H2の効果がk1の効果に比較して小さいのはクラッチ一段目の頻度が高いためと考えられる。
一方、油温30℃〜60℃でk1に比較してH1の効果が小さいのはH1を十分に小さい範囲で変化させているためであり、k2、H2の効果がk1の効果に比較して小さいのはクラッチ一段目の頻度が高いためと考えられる。
このように、信号因子(入力)を限定した油温20℃、30℃〜60℃ではk1、H1、k2、H2、ICT、ICH、IDP、IFT、εGA、FS0等多くの設計変数を大きくまたは小さくすればβ1を小さくできるので、騒音低減効果があるものと推定される。
したがって、図30、32、33の要因効果図から、これらの設計変数の中でβ1の勾配が大きく効果が大きいと考えられる制御因子Bのk1、制御因子GのICT、制御因子IのεGAを選択して最適化(チューニング)を行うこととする。
したがって、図30、32、33の要因効果図から、これらの設計変数の中でβ1の勾配が大きく効果が大きいと考えられる制御因子Bのk1、制御因子GのICT、制御因子IのεGAを選択して最適化(チューニング)を行うこととする。
なお、チューニングする設計変数k1、ICT、εGAの3変数なので、入力の信号因子の対象範囲を油温20℃、20℃〜30℃、30℃〜60℃の3つに分けている。
次にステップS29では、直交多項式の係数の加法性の確認実験を行う。
詳しくは、出力をy0j(j=1〜k)、設計変数をti(i=1〜n)とすると、
次にステップS29では、直交多項式の係数の加法性の確認実験を行う。
詳しくは、出力をy0j(j=1〜k)、設計変数をti(i=1〜n)とすると、
ここで、図34には、最適水準と現行水準のy0j(ti)(i=1〜n)とy0j0を式(142)の右辺に代入して推定したy0j(t1、t2、・・・tn)と、最適条件と現行条件の各制御因子の値を直接与えて計算した確認実験(数値シミュレーション)の結果y0j(t1、t2、・・・tn)とが示されている。なお、図34では、実線が推定結果、破線が確認実験結果を示している。
図34の太線の現行条件では、20℃で低く、30℃〜60℃で高くなる傾向が再現されており、いずれの場合も加法性があると判断できる。したがって、式(142)が近似的に成立し、式(143)、(144)も近似的に成立すると考えられる。
上記ステップS27の確認実験では、図31に示すように信号因子(入力)を対象範囲に限定しない方法で加法性と再現性を最適条件と現行条件とで確認しているのに対し、式(137)、(138)の加法性は対象範囲に分けられたそれぞれの信号因子(に対応したy0j、mj)の範囲で任意の設計変数の組合せに対して成立することを述べている。
上記ステップS27の確認実験では、図31に示すように信号因子(入力)を対象範囲に限定しない方法で加法性と再現性を最適条件と現行条件とで確認しているのに対し、式(137)、(138)の加法性は対象範囲に分けられたそれぞれの信号因子(に対応したy0j、mj)の範囲で任意の設計変数の組合せに対して成立することを述べている。
ステップS30では、条件式を算出する。
詳しくは、式(136)で、β2、・・・βk−1が十分小さく0とおけるものと仮定すると、出力が目標曲線を満足するための条件は下記式(147)、
詳しくは、式(136)で、β2、・・・βk−1が十分小さく0とおけるものと仮定すると、出力が目標曲線を満足するための条件は下記式(147)、
出力が目標曲線を満たすまでの余裕量はT/M油温によって異なるので、信号因子(入力)のT/M油温を20℃、20℃〜30℃、30℃〜60℃の3つに分けてチューニングすることとする。
図30の要因効果図で傾きの大きい設計変数k1、ICT、εGAの要因効果図を図35〜37に示す。以下では、k1/k10をZ1、ICT/ICT0をZCT、εGA/εGA0をZGAとおき、無次元化して展開する。
式(148)から出力が目標曲線を満足するための条件は、下記式(149)、
式(148)から出力が目標曲線を満足するための条件は、下記式(149)、
式(149)を対象T/M油温範囲に展開すると、図35〜37に記した各設計変数の要因効果から目標曲線を満たす条件式は式(150)で記述できる。ここで、β2は十分小さいので0と仮定する。
T/M油温20℃の場合
T/M油温20℃の場合
にて計算している。ここで、y01、m1は油温20℃の場合の出力と目標値である。また図35〜37からZGAはいずれの場合も近似式の勾配が正値なのでZGA=1.00(現行水準)とZGA=0.50とおいて、式(150)を簡略化して解くことにする。その結果、Z1とZCTの関係は式(152)、(153)と図38とで記述される。また式(150)で、Z1=0.40の場合のZGAとZCTとの関係を図39に示す。
ZGA=1.0の場合
T/M油温20℃
ZGA=1.0の場合
T/M油温20℃
そして、ステップS31では、これらの条件式に基づき最適な設計変数の組合せを算出する。
これは、条件式を満足する設計変数の組合せを算出し、当該組合せによるチューニングの確認実験を行い、出力特性が目標曲線を満足しているか確認していくことで、最適な設計変数の組合せを算出する。
これは、条件式を満足する設計変数の組合せを算出し、当該組合せによるチューニングの確認実験を行い、出力特性が目標曲線を満足しているか確認していくことで、最適な設計変数の組合せを算出する。
詳しくは、図38でT/M油温20℃、20℃〜30℃の場合はそれぞれの境界ライン(式(152)、(153)の条件式の等号を満足するライン)よりも上側の領域で条件式を満たし、T/M油温30℃〜60℃の場合には境界ラインよりも下側の領域で条件式を満たす。
ZGA=0.5の場合の境界ライン(細線)はそれぞれの油温範囲ZGA=1.0の場合(太線)を平行移動したものになっている。
ZGA=0.5の場合の境界ライン(細線)はそれぞれの油温範囲ZGA=1.0の場合(太線)を平行移動したものになっている。
また、図39では、それぞれの境界ラインより上側の領域で条件式を満たす。
そこで図38の20℃ラインに対して十分に余裕があり20℃〜30℃ラインと30℃〜60℃ラインの交点付近に位置するA(Z1=0.69、ZCT=1.54、ZGA=1.00)とB(Z1=0.70、ZCT=1.60、ZGA=1.00)の組合せで確認実験(数値シミュレーション)を行い、結果は図40に示されている。
そこで図38の20℃ラインに対して十分に余裕があり20℃〜30℃ラインと30℃〜60℃ラインの交点付近に位置するA(Z1=0.69、ZCT=1.54、ZGA=1.00)とB(Z1=0.70、ZCT=1.60、ZGA=1.00)の組合せで確認実験(数値シミュレーション)を行い、結果は図40に示されている。
図40に示すように、A、Bの出力はいずれの場合も目標曲線を満足し、目標曲線に対する余裕量は20℃で大きく、30℃〜60℃では小さくなっていることがわかる。
次に図38、39で30℃〜60℃ラインは満足するが、20℃、20℃〜30℃ラインは満足しないC(Z1=0.40、ZCT=1.20、ZGA=1.00)、D(Z1=0.40、ZCT=1.30、ZGA=1.00)の組合せで確認実験(数値シミュレーション)を行い、結果は図41に示されている。
次に図38、39で30℃〜60℃ラインは満足するが、20℃、20℃〜30℃ラインは満足しないC(Z1=0.40、ZCT=1.20、ZGA=1.00)、D(Z1=0.40、ZCT=1.30、ZGA=1.00)の組合せで確認実験(数値シミュレーション)を行い、結果は図41に示されている。
図41に示すように、C、Dいずれも30℃〜60℃では目標曲線を満足しているが、20℃では満足していない。
さらに、30℃〜60℃ラインは満足するが、20℃、20℃〜30℃ラインは満足しないE(Z1=0.40、ZCT=1.20、ZGA=0.50)と、20℃、20℃〜30℃、30℃〜60℃ラインを満足するF(Z1=0.40、ZCT=1.30、ZGA=0.50)の組合せで確認実験(数値シミュレーション)を行い、結果は図42にされている。
さらに、30℃〜60℃ラインは満足するが、20℃、20℃〜30℃ラインは満足しないE(Z1=0.40、ZCT=1.20、ZGA=0.50)と、20℃、20℃〜30℃、30℃〜60℃ラインを満足するF(Z1=0.40、ZCT=1.30、ZGA=0.50)の組合せで確認実験(数値シミュレーション)を行い、結果は図42にされている。
図42に示すように、Eでは20℃で目標曲線を満足しないが、Fでは目標曲線を満たすことがわかる。Fでは、20〜60℃で目標曲線に近接し、余裕量はほぼ一定に近い。
以上の確認実験の結果、条件式の予測精度は実用十分と考えられる。
そして、目標曲線を満足するA、B、Fの中でZCTが大幅に増加しないF(Z1=0.40、ZCT=1.30、ZGA=0.50)を最適な設計変数の組み合わせとして選択する。
以上の確認実験の結果、条件式の予測精度は実用十分と考えられる。
そして、目標曲線を満足するA、B、Fの中でZCTが大幅に増加しないF(Z1=0.40、ZCT=1.30、ZGA=0.50)を最適な設計変数の組み合わせとして選択する。
次にステップS32では、実機の手動変速機でのチューニングを行う。
つまり、上記実験モデルのT/M20を用いて行ったチューニング結果(Z1=0.40、ZCT=1.30、ZGA=0.50)を実機の手動変速機に適用する。
実機手動変速機では、実験モデルで得た最適な設計変数Z1=0.40、ZCT=1.30、ZGA=0.50を与え、油温30〜70℃の5水準を信号因子(入力)とし、設計変数の−1%、+1%の2水準を誤差因子として直積実験を行い、結果は図43に示されている。
つまり、上記実験モデルのT/M20を用いて行ったチューニング結果(Z1=0.40、ZCT=1.30、ZGA=0.50)を実機の手動変速機に適用する。
実機手動変速機では、実験モデルで得た最適な設計変数Z1=0.40、ZCT=1.30、ZGA=0.50を与え、油温30〜70℃の5水準を信号因子(入力)とし、設計変数の−1%、+1%の2水準を誤差因子として直積実験を行い、結果は図43に示されている。
一方、従来の最適特性(Z1=0.40、ZCT=1.00、ZGA=1.00)に対しても同様の直積実験を行い図43に示している。
図43では直積実験によって得た出力CTrmsから式(127)で騒音レベルLを算出し、標準条件での出力を実線、誤差条件での出力を破線で表示し、出力のばらつきを示している。
図43では直積実験によって得た出力CTrmsから式(127)で騒音レベルLを算出し、標準条件での出力を実線、誤差条件での出力を破線で表示し、出力のばらつきを示している。
図43から、Z1=0.40、ZCT=1.30、ZGA=0.50では、従来の最適特性(Z1=0.40、ZCT=1.00、ZGA=1.00)に対して、ばらつきを考慮しても0.5〜1.0dBA程度の騒音低減効果があると推定できる。なお、実験モデルでは騒音レベルが極小値をとる油温は30℃であるが、実機手動変速機では60℃となっている。これは実機手動変速機の回転抵抗が実験モデルの回転抵抗に比較して大きいためと考えられる。
以上のように、第2実施形態に手動変速機の設計最適化方法では、実機及び遊転歯車を単純化した手動変速機の実験モデルに品質工学(数値シミュレーションによるタグチメソッド)を適用し、アイドリング騒音レベルを低減させる設計最適化を行う。
つまり、計算モデル(数値シミュレーション)から得られた従動軸各加速度変動の実効値(CTrms)によって低油温〜高油温の騒音レベルを推定できるので、品質工学の入力(信号因子)にT/M油温、出力(特性値)にCTrmsを取る。
つまり、計算モデル(数値シミュレーション)から得られた従動軸各加速度変動の実効値(CTrms)によって低油温〜高油温の騒音レベルを推定できるので、品質工学の入力(信号因子)にT/M油温、出力(特性値)にCTrmsを取る。
そして、信号因子(入力)のT/M油温と制御因子(設計変数)の各水準の直行表を用いた直積実験で得られた直行多項式の係数の加法性が信号因子(入力)の低油温時と高油温時のそれぞれの油温範囲で成立することから、出力特性が目標曲線を満足するための判定条件を導き、ここから条件式を設定する。
次に、当該条件式を満足する設計変数の組合せを算出し、算出した設計変数の組合せで最適化(チューニング)した場合の確認実験(数値シミュレーション)を行い、その出力特性が非線形をなす目標曲線を満足していることを確認する。
次に、当該条件式を満足する設計変数の組合せを算出し、算出した設計変数の組合せで最適化(チューニング)した場合の確認実験(数値シミュレーション)を行い、その出力特性が非線形をなす目標曲線を満足していることを確認する。
そして、手動変速機の実験モデルを用いて得られたチューニング結果を実機の手動変速機に適用した結果から明らかなように、ばらつきを含めて、従来の実機手動変速機の最適特性以上の騒音低減効果を得る設計を実現することができる。
このように、当該第2実施例においても、当該設計最適化方法は計算容易な線形計画法の問題に帰着させることができる。
このように、当該第2実施例においても、当該設計最適化方法は計算容易な線形計画法の問題に帰着させることができる。
当該条件式と設計最適化手法を手動変速機に適用することで、条件式の予測精度が実用上十分であり、少ない計算回数で効率よく騒音低減を満たす設計変数の組合せを導くことができ、有効な設計最適化を行うことができる。
以上で第2実施例に係る手動変速機の設計最適化方法の実施形態についての説明を終えるが、当該実施形態はこれに限られるものではない。
以上で第2実施例に係る手動変速機の設計最適化方法の実施形態についての説明を終えるが、当該実施形態はこれに限られるものではない。
上記第2実施例では図22のような手動変速機の実験モデルに基づき設計最適化を実施したが、手動変速機の構成はこれに限られるものではなく、構成に合わせ他の手動変速機にも適用可能である。
また、本発明に係る設計最適化方法及びその方法を用いた装置の実施形態は上記第1実施例、第2実施例に限られるものではなく、所定の技術を実現するための装置に対して所定の目的機能を満たす設計を行うものに適用可能である。
また、本発明に係る設計最適化方法及びその方法を用いた装置の実施形態は上記第1実施例、第2実施例に限られるものではなく、所定の技術を実現するための装置に対して所定の目的機能を満たす設計を行うものに適用可能である。
例えば、曲げ振動を低減させた車両の駆動系の設計を行う際にも適用することができる。この場合、車両のエンジンから変速機、プロペラシャフトに亘る駆動系の構成に対し、当該駆動系に生じる曲げ振動低減を目的機能とする。そして、当該駆動系の計算モデルを作成し、当該曲げ振動に関連するプロペラシャフト長を品質工学における信号因子(入力)に、変速機後端部の加速度を品質工学の特性値(特性値)とするとともに、エンジン、変速機、プロペラシャフトの特性を制御因子(設計変数)とし、当該制御因子の微小変化を誤差因子とする。そこから、上記第1実施例及び第2実施例と同様に、チューニングを行うことができる。
2 ドアパネル(パネル構造体)
4 アウタパネル
6 インナパネル
8 窓枠
10 ドアパネル下部
12 補強材(補強部材)
14a、14b ドアヒンジ
16 ドアロック
20 実験モデル手動変速機(T/M)
22 ケーシング
24 駆動軸
24a 駆動軸歯車
26 従動軸(CT)
26a〜26d 従動軸歯車
28 出力軸
28a 遊転歯車
30 クラッチ(CL)
32 錘
34 バックラッシ除去機構(S)
36a〜36c ロータリーエンコーダ
38 フライホイール(FW)
40 クラッチハブ(CH)
42 騒音計
4 アウタパネル
6 インナパネル
8 窓枠
10 ドアパネル下部
12 補強材(補強部材)
14a、14b ドアヒンジ
16 ドアロック
20 実験モデル手動変速機(T/M)
22 ケーシング
24 駆動軸
24a 駆動軸歯車
26 従動軸(CT)
26a〜26d 従動軸歯車
28 出力軸
28a 遊転歯車
30 クラッチ(CL)
32 錘
34 バックラッシ除去機構(S)
36a〜36c ロータリーエンコーダ
38 フライホイール(FW)
40 クラッチハブ(CH)
42 騒音計
Claims (11)
- 所定の技術を実現する装置に対し、品質工学に基づき所定の目的機能を満たす設計を行う設計最適化方法であって、
前記装置における目的機能を実現するのに関連する入力と出力の関係から、該入力を品質工学における信号因子とし、該入力に対応する出力を品質工学における特性値とするとともに、前記装置における複数の水準値をもつそれぞれの設計変数を制御因子とし、該制御因子の微小変化を誤差因子として、該信号因子、制御因子及び誤差因子からなる直交表を作成する工程と、
前記制御因子の各水準値に誤差を含まない条件を標準条件とし、前記直交表に基づく直積実験により該標準条件における特性値を算出し、予め定められた所定の目標値または目標曲線に対して該標準条件での特性値を直交多項式に展開して一次係数、二次係数を算出する工程と、
前記制御因子の前記一次係数に対する要因効果図、及び前記信号因子を所定の対象範囲で分け該対象範囲ごとに前記直交多項式を展開した加法性を有する式から、該対象範囲ごとの条件式を作成する工程と、
該条件式を満たすよう前記特性値を前記目標値または前記目標曲線にチューニングする工程と、
を有することを特徴とする設計最適化方法。 - 前記条件式は、前記直交多項式の一次係数の要因効果図から前記設計変数のうち勾配の大きい設計変数を複数選択して作成することを特徴とする請求項1記載の設計最適化方法。
- 前記対象範囲は、前記入力及び出力の関係に基づく特性において前記目標値を満たすまでの余裕量に基づいて分けることを特徴とする請求項1または2記載の設計最適化方法。
- 前記対象範囲は、前記選択された設計変数の数と同じまたはそれ以上の数の区間に分けることを特徴とする請求項2または3記載の設計最適化方法。
- 前記条件式は、目標値を満足する設計変数の組合せを示す連立不等式であり、該連立不等式の解が目標値を満足する設計変数の組合せであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の設計最適化方法。
- 前記装置は、主部材と補強材とを有するパネル構造体であり、剛性及び重量最小化を両立させることを前記目的機能とし、
前記入力と出力の関係は前記パネル構造体の剛性における荷重・変位曲線に基づく関係であり、該荷重変位曲線に基づく変位を前記入力、該変位に対応する荷重を前記出力とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の設計最適化方法。 - 前記パネル構造体における重量及び前記設計変数の関係から目的関数を設定し、該目的関数において重量が最小となる制御因子の組合せを算出する工程を有することを特徴とする請求項6記載の設計最適化方法。
- 前記パネル構造体は、前記主部材としてのアウタパネルに、前記補強材としての補強部材が設けられた車両のドアパネルであり、
設計変数としての前記アウタパネル及び補強部材のそれぞれの板厚を前記制御因子とすることを特徴とする請求項6または7記載の設計最適化方法。 - 前記装置は、車両の手動変速機であって、エンジンとの断接を行うクラッチと、該クラッチと接続された駆動軸と、該駆動軸の駆動軸歯車と噛合する従動軸歯車を有する従動軸と、該従動軸の従動軸歯車と噛合する遊転歯車を有する出力軸とを備えており、該車両のアイドル運転時における該手動変速機の騒音を低減させることを前記目的機能とし、
前記入力と出力の関係は前記手動変速機内に貯留されている作動油の油温及び騒音レベルに相関する従動軸角加速度変動の実効値に基づく関係であり、該油温を前記入力、該油温に対応した従動軸角加速度変動の実効値を前記出力とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の設計最適化方法。 - 前記設計変数として、前記クラッチの一段目ばね定数、従動軸慣性モーメント、及び前記従動軸歯車と前記遊転歯車とのバックラッシを選択して前記条件式を作成することを特徴とする請求項9記載の設計最適化方法。
- 前記請求項1乃至10いずれか記載の設計最適化方法により設計されたことを特徴とする装置。
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JP2008244138A JP2009259194A (ja) | 2008-03-17 | 2008-09-24 | 設計最適化方法及びその方法を用いた装置 |
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- 2008-09-24 JP JP2008244138A patent/JP2009259194A/ja not_active Withdrawn
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