JP2009257203A - 容量可変型斜板式圧縮機 - Google Patents

容量可変型斜板式圧縮機 Download PDF

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Masaki Ota
太田  雅樹
Yuji Kubo
裕司 久保
Akira Matsubara
亮 松原
Hideharu Yamashita
秀晴 山下
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
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Abstract

【課題】信頼性がより向上した容量可変型斜板式圧縮機を提供する。
【解決手段】本発明の圧縮機のリンク機構40は、斜板11からラグ部材9側に突出する1本の斜板アーム11bと、駆動軸6の中心軸線Oと斜板11の上死点位置Tとにより決定される仮想平面Pに直交するラグ側ピン23回りでラグ部材9に軸支され、かつラグ側ピン23と平行な斜板側ピン24回りで斜板アーム11bに軸支された中間アーム20とを有している。ラグ部材9は駆動軸6の中心軸線Oと平行に移動可能に構成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は容量可変型斜板式圧縮機に関する。
従来、特許文献1開示の容量可変型斜板式圧縮機が知られている。この圧縮機は、シリンダブロックとフロントハウジングとリヤハウジングとによりハウジングが構成されており、シリンダブロックには複数個のシリンダボアが貫設されている。リヤハウジングには弁ユニットを介して各シリンダボアと連通する吸入室及び吐出室が形成されている。また、フロントハウジングとシリンダブロックとによりクランク室が形成され、フロントハウジングとシリンダブロックとには駆動軸が回転可能に支承されている。クランク室内ではラグプレートが駆動軸に固定され、ラグプレートとフロントハウジングとの間にはスラスト軸受が設けられている。
また、クランク室内では、駆動軸に傾角変動可能に斜板が支持されているとともに、ラグプレートと斜板との間にリンク機構が設けられている。このリンク機構は、図7に示すように、ラグプレート91と一体をなし、斜板92側に突出する第1、2ラグアーム91a、91bと、斜板92と一体をなし、ラグプレート91側に突出する1本の斜板アーム92aと、第1ラグアーム91aと斜板アーム92aとの間に設けられた第1中間アーム93と、第2ラグアーム91bと斜板アーム92aとの間に設けられた第2中間アーム94とを有している。
第1、2中間アーム93、94は、第1、2ラグアーム91a、91bにボルト95により軸支されているとともに、斜板アーム92aにピン96により軸支されている。ボルト95は、駆動軸の中心軸線と斜板92の上死点位置とにより決定される仮想平面Pに直交するラグ側軸線A1方向に延びている。ピン96は、ラグ側軸線A1と平行な斜板側軸線A2方向に延びている。
また、各シリンダボア内にはピストンが往復動可能に収納されており、各ピストンはそれぞれシリンダボア内に圧縮室を形成している。斜板92と各ピストンとの間には運動変換機構が設けられている。この運動変換機構は、具体的には、斜板92に対して各ピストン側に設けられた揺動板と、斜板92と揺動板との間に設けられ、揺動板を斜板92の傾角に応じた揺動運動のみを行わせる軸受と、揺動板と各ピストンとを接続するピストンロッドとを有している。
リヤハウジングには、クランク室内の圧力を調整し、吐出容量を制御するための容量制御弁が収納されている。吐出室は配管によって凝縮器、膨張弁及び蒸発器が接続されており、蒸発器は配管によって吸入室に接続されている。圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器がエアコンを構成する。
この圧縮機が車両用エアコンとして車両に搭載されると、駆動軸がエンジン等によって駆動される。このため、斜板92が回転すると、揺動板及び各ピストンロッドを介して各ピストンがシリンダボア内で往復動し、これにより吸入室から圧縮室内に冷媒ガスが吸入され、冷媒ガスは圧縮された後、吐出室へ吐出される。これにより、エアコンが作動する。この間、運動変換機構は斜板92の揺動運動をピストンの往復動に変換する。また、リンク機構は、斜板92の傾角変動をラグプレート91に対して許容しつつ斜板92を駆動軸に対して相対回転不能とする。また、容量制御弁がクランク室内の圧力を調整すれば、斜板92は、クランク室内の圧力と、各ピストンに作用する吸入圧力とのバランスにより傾角が変動し、圧縮機の吐出容量が変更されることとなる。
特開平10−176658号公報
しかし、上記従来の圧縮機は、ラグプレートが駆動軸に固定されていることから、駆動軸と弁ユニットとの間に設けられ得るスラスト軸受等に大きな荷重が作用する場合があり、信頼性の向上が求められる。
例えば、この圧縮機が車両用エアコンとして車両に搭載され、駆動軸が駆動された状態のまま、エアコンのスイッチがOFFにされたり、車両の加速時のエンジン制御等が行われたりすると、強制的に最小吐出容量へ移行される場合がある。この場合、高圧の吐出圧力が容量制御弁を介してクランク室内へ流入され、クランク室圧力が急上昇するため、ピストンに高圧のクランク室圧力が作用し、ピストンが弁ユニット側に付勢されて速やかに最小吐出容量が実現される。ところが、ピストンに作用する付勢力は、運動変換機構、斜板、リンク機構及びラグプレートを介し、同時に駆動軸にも伝達され、駆動軸も弁ユニット側に付勢されてしまう。これにより、駆動軸と弁ユニットとの間に設けられ得るスラスト軸受等に大きな荷重が作用する場合があり、信頼性の低下につながるおそれがある。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、信頼性がより向上した容量可変型斜板式圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の容量可変型斜板式圧縮機は、シリンダボアを有するハウジングと、該ハウジングに回転可能に支承された駆動軸と、該ハウジング内で該駆動軸と同期回転するラグ部材と、該ハウジング内で該駆動軸に傾角変動可能に支持された斜板と、該ハウジング内で該ラグ部材と該斜板との間に設けられ、該斜板の傾角変動を該駆動軸に対して許容しつつ該斜板を該駆動軸に対して相対回転不能とするリンク機構と、該シリンダボア内に往復動可能に収納されたピストンと、該斜板と該ピストンとの間に設けられ、該斜板の揺動運動を該ピストンの往復動に変換する運動変換機構とを備え、
前記リンク機構は、前記斜板から前記ラグ部材側に突出する1本の斜板アームと、前記駆動軸の中心軸線と前記斜板の上死点位置とにより決定される仮想平面に直交するラグ側ピン回りで該ラグ部材に軸支され、かつ該ラグ側ピンと平行な斜板側ピン回りで該斜板アームに軸支された中間アームとを有し、
該ラグ部材は該駆動軸の中心軸線と平行に移動可能に構成されていることを特徴とする(請求項1)。
本発明の圧縮機は、例えば車両用エアコンとして車両に搭載され、駆動軸が駆動された状態のまま、エアコンのスイッチがOFFにされたり、車両の加速時のエンジン制御等が行われたりし、強制的に最小吐出容量へ移行される場合がある。この場合、高圧の吐出圧力が容量制御弁を介してクランク室内へ流入され、クランク室圧力が急上昇され得る。この際、ピストンに作用する弁ユニット側への付勢力は、運動変換機構、斜板及びリンク機構には伝達するものの、ラグ部材は駆動軸の中心軸線と平行に移動可能に構成されているため、駆動軸には伝達されない。このため、駆動軸は弁ユニット側に付勢されず、駆動軸と弁ユニットとの間に設けられ得るスラスト軸受等には大きな荷重が作用しない。
したがって、本発明の圧縮機は信頼性がより向上している。
本発明の圧縮機において、ハウジング内には、駆動軸と同期回転するスラストプレートと、スラストプレートとハウジングとの間に設けられたスラスト軸受とが設けられ得る。スラストプレートはラグ部材とは別体である。そして、スラストプレートはラグ部材又は中間アームと当接可能に構成されていることが好ましい(請求項2)。ラグ部材と、ラグ側ピンによってラグ部材に軸支されている中間アームとは、ピストンからのスラスト荷重によりスラストプレート側に付勢される。このため、スラストプレートがラグ部材又は中間アームと当接すれば、ラグ部材又は中間アームがピストンからのスラスト荷重をスラストプレートに伝え、スラスト軸受がそのスラスト荷重を受けることが可能になる。
リンク機構には、軽量化の要請と、慣性質量の増加によるトルク変動音の改良と、クラッチレスタイプの圧縮機をトルク変動の大きなエンジンに接続した場合におけるトルク変動によるトルクリミッタの保護のための慣性質量の低減と等、相反する特性が要求されている。スラストプレートとラグ部材とが一体のラグプレートを採用した従来のリンク機構により、これらの要求に個別に答えようとすれば、リンク機構の種類が増え、生産設備の新設、量産効果が薄れる等の不具合を生じる。このため、スラストプレートとラグ部材とは別体であることが好ましい。この場合、主としてスラストプレートの材質を変えるだけで上記のような要求に個別に答えることが可能となる。
また、スラストプレートとラグ部材とが別体である場合、スラストプレートが駆動軸にすきま嵌めされておれば、スラスト軸受を受けるハウジングの座面の傾斜と、スラストプレートと駆動軸との直角度の公差とによる振動や異音を解消することも可能である。
ところで、上記従来の圧縮機は、ラグプレートが駆動軸に固定され、ラグ側ピン回り及び斜板側ピン回りで軸支される中間アームを有するリンク機構を採用していることから、図6に破線で示すように、斜板の傾角変動に対し、トップクリアランスを一定の小さな値にすることができない。トップクリアランスとはピストンの先端面と弁ユニットとがなす間隙であり、斜板の傾角は斜板が駆動軸に直交する面に対してなす角度である。このため、この圧縮機では、斜板の傾角によっては、圧縮室内の冷媒ガスが吐出室に吐出されずに圧縮室内で再膨張することとなる。この場合、冷媒ガスに対する無駄な圧縮を生じるばかりでなく、ピストンや運動変換機構等にも無駄な動作を生じ、効率の改善が求められる。この不具合は特開2003−172333号に開示されている圧縮機や特開2006−233855号に開示されている圧縮機も同様である。
この点、中間アーム及びスラストプレートの一方は、他方と接触してラグ部材を駆動軸の中心軸線と平行に移動するカム面を有することが好ましい(請求項3)。ラグ部材はピストンからのスラスト荷重によりスラストプレート側に付勢されている。また、ラグ側ピンによってラグ部材に軸支されている中間アームは、斜板の傾角に応じた角度となる。このため、このように構成されておれば、斜板の傾角に応じ、中間アーム及びスラストプレートの一方が他方に対してカムとして作用する。このため、この圧縮機は、カム面のプロフィールの設定により、斜板の傾角変動に対するトップクリアランスを一定の小さな値にすることが可能になる。このため、この圧縮機は、冷媒ガスに対する無駄な圧縮を生じ難く、かつピストンや運動変換機構等にも無駄な動作を生じ難く、高い効率を発揮できる。
中間アームは、ラグ部材側から斜板側まで延びる第1中間アーム及び第2中間アームを有し得る。そして、第1中間アーム及び第2中間アームは、ラグ側ピンと斜板側ピンとによりラグ部材及び斜板アームに軸支されつつ、ラグ側ピンと斜板側ピンとによりラグ部材及び斜板アームを摺動可能に挟持しつつ締結されていることが好ましい(請求項4)。この場合、第1中間アームの内面はラグ部材の外面と斜板アームの一側面とで案内され、第2中間アームの内面はラグ部材の外面と斜板アームの他の側面とで案内される。こうして、この圧縮機では、異音を生じず、リンク機構が滑らかに作動する。また、この圧縮機では、そのためにラグ部材、斜板アーム及び第1、2中間アームについて、平行な面の加工精度を低くすることができ、これらの部品の選択的な組み付けを厳格に行う必要もないことから、製造コストの低廉化も実現できる。
運動変換機構は、斜板の前後外周面に形成されたシュー摺動面と、ピストンに形成されたシュー受け面と、シュー摺動面とシュー受け面との間に設けられる半球状のシューとからなり得る。この場合、斜板アームはシュー摺動面の鉛直上を回避して形成されていることが好ましい。これにより、斜板はシュー摺動面を容易に加工することが可能なものとなり、生産性が向上する。
以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明する。
実施例1の容量可変型斜板式圧縮機は、図1に示すように、シリンダブロック1、フロントハウジング2及びリヤハウジング4によりハウジングが構成されている。シリンダブロック1の前端にフロントハウジング2が接合され、シリンダブロック1の後端には弁ユニット3を介してリヤハウジング4が接合されている。シリンダブロック1及びフロントハウジング2には軸方向に延びる軸孔1a、2aが貫設されており、軸孔1a、2aにはそれぞれラジアル軸受5a、5b及び軸封装置5cを介して駆動軸6が回転可能に支承されている。なお、図1における下側を前側、上側を後側としている。
フロントハウジング2とシリンダブロック1とによりクランク室7が形成されている。クランク室7では駆動軸6にスラストプレート8とラグ部材9とが設けられている。スラストプレート8はラグ部材9とは別体である。
スラストプレート8は円盤状に形成されており、スラストプレート8とフロントハウジング2との間にはスラスト軸受5dが設けられている。スラストプレート8には、図2に示すように、挿通孔8aが形成されており、挿通孔8aに駆動軸6が挿通されている。挿通孔8aは駆動軸6における挿通孔8aが位置する部分よりも大径に形成され、これによってスラストプレート8は駆動軸6にすきま嵌めされている。
駆動軸6には、図2及び図3に示すように、スラストプレート8が位置する部分よりも後方に外スプライン6aが形成されている。他方、ラグ部材9の内面には、外スプライン6aと整合する内スプライン9aが形成されている。そして、ラグ部材9は、これら外スプライン6a及び内スプライン9aの嵌合によって、駆動軸6の中心軸線Oと平行に移動可能に構成されている。ラグ部材9は、駆動軸6の中心軸線Oに沿って前進した場合には、スラストプレート8と当接するようになっている。
ラグ部材9は、図3に示すように、互いに背面する平行面9bを下死点側にもつ馬蹄形に形成されている。また、ラグ部材9には、両平行面9bと直交し、駆動軸6の中心軸線Oと交差する2個の挿通孔9cが形成されている。両挿通孔9cは、ラグ部材9の幅方向両側に同軸で対をなして配置され、ラグ部材9の幅方向中央部では互いに非連通とされている。挿通孔9cは後述するラグ側ピン23よりやや大径に形成されている。
図1及び図2に示すように、クランク室7には、円盤状の斜板11がラグ部材9の後方に設けられている。斜板11の外周側の前後外周面には平坦なシュー摺動面11aが形成されている。この斜板11は、駆動軸6に挿通され、この状態でラグ部材9との間に設けられたリンク機構12によって傾角が変化するようになっている。斜板11は、ラグ部材9側の面の下死点側からラグ部材9に向かって一つの凸部11eが突出しており、凸部11eの先端は、斜板11が最大傾角時にラグ部材9の後面と当接するようになっている。
図1に示すように、シリンダブロック1には、軸方向に延びる複数個のシリンダボア1bが同心円状に貫設されている。各シリンダボア1b内には片頭のピストン13が往復動可能に収納されている。各ピストン13の首部にはそれぞれ球面で凹設されたシュー受け面13aが互いに対面して設けられている。斜板11と各ピストン13との間には、前後で対をなすシュー14が設けられている。各シュー14は略半球状をなしている。前後のシュー摺動面11a、前後のシュー受け面13a及び前後のシュー14によって運動変換機構が構成されている。
駆動軸6の外スプライン6aと斜板11との間には、傾角が小さくなるように斜板11を付勢する付勢ばね31が設けられている。また、駆動軸6のより後方にはサークリップ32が設けられており、サークリップ32の前方には傾角が大きくなるように斜板11を付勢する復帰ばね33が設けられている。
また、シリンダブロック1の後端には軸孔1aと同軸に後部室1cが形成されている。後部室1c内では、駆動軸6の後端にスラスト軸受34が設けられ、スラスト軸受34と弁ユニット3との間に押圧ばね35が設けられている。
リヤハウジング4には吸入室4a及び吐出室4bが形成されている。シリンダボア1bは、弁ユニット3の吸入弁機構を介して吸入室4aに連通可能になっているとともに、弁ユニット3の吐出弁機構を介して吐出室4bに連通可能になっている。
また、リヤハウジング4には容量制御弁15が収納されている。容量制御弁15は、検知通路4cにより吸入室4aに連通し、一部のみを図示する給気通路4dにより吐出室4bとクランク室7とを連通させている。この容量制御弁15は、車室に設けられたエアコンのスイッチがOFFにされたり、車両の加速時のエンジン制御等が行われたりすると、強制的に給気通路4dの開度を大きくするようになっている。
また、クランク室7と吸入室4aとは図示しない抽気通路によって連通している。吐出室4bには配管16によって凝縮器17、膨張弁18及び蒸発器19が接続されており、蒸発器19は配管16によって吸入室4aに接続されている。
上記リンク機構12は、図2及び図3に示すように、斜板11と一体をなし、上死点側でラグ部材9側に突出する1本の斜板アーム11bと、ラグ部材9と斜板アーム11bとを挟持する中間アーム20とを有している。中間アーム20は、ラグ部材9側から斜板11側まで延びる板状の第1、2中間アーム21、22と、2本のラグ側ピン23と、1本の斜板側ピン24とからなる。
第1中間アーム21は、図3に示すように、駆動軸6の中心軸線Oと斜板11の上死点位置Tとにより決定される仮想平面Pと平行に延び、対をなして互いに背面する外面21a及び内面21bを駆動軸6の回転方向Rの前後にもっている。また、第2中間アーム22は、仮想平面Pと平行に延び、対をなして互いに背面する外面22a及び内面22bを駆動軸6の回転方向Rの前後にもっている。
また、第1中間アーム21の両端には外面21a及び内面21bと直角に圧入孔21c、21dが貫設され、第2中間アーム22の両端には外面22a及び内面22bと直角に圧入孔22c、22dが貫設されている。圧入孔21c、22cはラグ側ピン23に対して圧入代を有し、圧入孔21d、22dは斜板側ピン24に対して圧入代を有している。
斜板アーム11bは、ラグ部材9の両平行面9b間とほぼ同じ幅に形成されており、互いに背面する平行面11cをもっている。斜板アーム11bには、両平行面11cと直交する挿通孔11dが貫設されている。挿通孔11dは、斜板側ピン24よりやや大径に形成されている。
ラグ部材9の挿通孔9c及び第1、2中間アーム21、22の両圧入孔21c、22cは、図2に示すように、仮想平面Pに直交するラグ側軸線A1方向に延びている。また、斜板アーム11bの挿通孔11d及び第1、2中間アーム21、22の両圧入孔21d、22dは、ラグ側軸線A1と平行な斜板側軸線A2方向に延びている。
図3に示すように、第1、2中間アーム21、22は、2本のラグ側ピン23と1本の斜板側ピン24とによりラグ部材9及び斜板アーム11bに軸支されつつ、2本のラグ側ピン23と1本の斜板側ピン24とによりラグ部材9及び斜板アーム11bを摺動可能に挟持しつつ締結されている。より詳細には、各ラグ側ピン23はラグ部材9に遊嵌されつつ第1、2中間アーム21、22に圧入され、斜板側ピン24は斜板アーム11bに遊嵌されつつ第1、2中間アーム21、22に圧入されている。
図2に示すように、ラグ側ピン23はラグ側軸線A1に沿って挿通され、斜板側ピン24は斜板側軸線A2に沿って挿通されている。また、斜板アーム11bはシュー摺動面11aの鉛直上を回避して形成されている。
上記のように構成された圧縮機は車両用エアコンとして車両に搭載され、駆動軸6がエンジン等によって駆動される。駆動軸6が回転方向Rに駆動されることによりラグ部材9及び斜板11が同期回転し、各シュー14を介して各ピストン13が各シリンダボア1b内を往復動する。これにより、各ピストン13のヘッド側に形成される各圧縮室が容積変化をする。こうして圧縮機、凝縮器17、膨張弁18及び蒸発器19からなる冷凍回路で冷凍作用が行われ、エアコンが作動する。この間、運動変換機構は斜板11の揺動運動を各ピストン13の往復動に変換する。また、リンク機構12は、斜板11の傾角変動を駆動軸6に対して許容しつつ斜板11を駆動軸6に対して相対回転不能とする。
この間、各ピストン13は、吸入室4a内の冷媒ガスを圧縮室に吸入する吸入行程と、圧縮室内の冷媒ガスを圧縮する圧縮行程と、圧縮室内の冷媒ガスを吐出室4bに吐出する吐出行程とを行う。また、容量制御弁15は、吸入室4aの圧力を検知することにより、給気通路4dの開度を変更し、クランク室7内の圧力を調整する。このため、斜板11は、クランク室7内の圧力と、各ピストン13に作用する吸入圧力とのバランスにより傾角が変動し、圧縮機の吐出容量が変更されることとなる。
圧縮行程及び吐出行程にあるピストン13は、圧縮反力によりシュー14、斜板11、リンク機構12及びラグ部材9をスラストプレート8側に付勢する。このため、ラグ部材9は、外スプライン6a及び内スプライン9aに沿って、駆動軸6の中心軸線Oと平行に前進する。このため、ラグ部材9がスラストプレート8と当接し、ラグ部材9がスラスト荷重をスラストプレート8に伝え、スラスト軸受5dがそのスラスト荷重を受ける。
また、駆動軸6が駆動された状態のまま、エアコンのスイッチがOFFにされたり、車両の加速時のエンジン制御等が行われたりした場合、容量制御弁15は強制的に給気通路4dの開度を大きくする。これにより、高圧の吐出圧力が容量制御弁15を介してクランク室7内へ流入され、クランク室7内の圧力が急上昇され、圧縮機は強制的に最小吐出容量へ移行される。この際、ピストン13に作用する弁ユニット3側への付勢力は、シュー14、斜板11及びリンク機構12には伝達するものの、ラグ部材9は駆動軸6の中心軸線Oと平行に移動可能に構成されているため、駆動軸6には伝達されない。このため、駆動軸6は弁ユニット3側に付勢されず、駆動軸6と弁ユニット3との間に設けられているスラスト軸受34及び押圧ばね35には大きな荷重が作用しない。
したがって、この圧縮機は信頼性がより向上している。
また、この圧縮機では、スラストプレート8とラグ部材9とがは別体であるため、主としてスラストプレート8の材質を変えるだけで上記のような要求に個別に答えることが可能となっている。
さらに、この圧縮機では、スラストプレート8が駆動軸6にすきま嵌めされているため、スラスト軸受5dを受けるフロントハウジング2の座面の傾斜と、スラストプレート8と駆動軸6との直角度の公差とによる振動や異音を解消することも可能である。
そして、この圧縮機では、第1中間アーム21の内面21bはラグ部材9の平行面9bと斜板アーム11bの平行面11cとで案内され、第2中間アーム22の内面22bはラグ部材9の平行面9bと斜板アーム11bの平行面11cとで案内される。こうして、この圧縮機では、異音を生じず、リンク機構12が滑らかに作動する。また、この圧縮機では、そのためにラグ部材9、斜板アーム11b及び第1、2中間アーム21、22について、平行な面の加工精度を低くすることができ、これらの部品の選択的な組み付けを厳格に行う必要もないことから、製造コストの低廉化も実現できる。
また、この圧縮機では、斜板アーム11bがシュー摺動面11aの鉛直上を回避して形成されているため、斜板11はシュー摺動面11aを容易に加工することが可能なものとなっており、この点でも生産性が向している。
実施例2の圧縮機は、図4及び図5に示すリンク機構40を採用している。このリンク機構40では、第1中間アーム21の先端にカム面21aが形成され、カム面21aは第1中間アーム21の角度に応じてスラストプレート8と当接するように構成されている。第2中間アーム22も同様である。こうして、中間アーム20のカム面(第1中間アームのカム面21aのみを図示)は、スラストプレート8と接触してラグ部材9を駆動軸6の中心軸線Oと平行に移動するようになっている。他の構成は実施例1と同様である。
この圧縮機では、ラグ側ピン23によってラグ部材9に軸支されている中間アーム20は、図4に示す斜板11が最大傾角時においては、駆動軸6の中心軸線Oと平行な方向に対し、角度θ1をなしている。この状態では、中間アーム20のカム面21aがスラストプレート8を押圧しないことから、ラグ部材9もスラストプレート9と当接している。
そして、図5に示すように、斜板11の傾角が小さくなってある角度になれば、中間アーム20は、駆動軸6の中心軸線Oと平行な方向に対し、角度θ2をなす。この状態では、中間アーム20のカム面21aがスラストプレート8を押圧し、ラグ部材9がスラストプレート9から離反する。
こうして、この圧縮機では、カム面21aのプロフィールの設定により、図6に実線で示すように、斜板11の傾角変動に対するトップクリアランスを一定の小さな値にすることが可能になる。このため、この圧縮機は、冷媒ガスに対する無駄な圧縮を生じ難く、かつピストン13やシュー14等にも無駄な動作を生じ難く、高い効率を発揮できる。他の作用効果は実施例1と同様である。
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、駆動軸6とラグ部材9とをスプラインによって嵌合するのではなく、キーによって嵌合することも可能である。
また、第1、2中間アーム21、22とラグ側ピン23及び斜板側ピン24とを圧入し、ラグ部材9とラグ側ピン23とを遊嵌し、斜板アーム11bと斜板側ピン24とを遊嵌するのではなく、第1、2中間アーム21、22とラグ側ピン23及び斜板側ピン24とを遊嵌し、ラグ部材9とラグ側ピン23とを圧入し、斜板アーム11bと斜板側ピン24とを圧入してもよい。
また、ラグ側ピン23は2本である必要はなく、斜板側ピン24と同様、1本であってもよい。
本発明は車両用空調装置に利用可能である。
実施例1の圧縮機の縦断面図である。 実施例1の圧縮機に係り、リンク機構の模式縦断面図である。 実施例1の圧縮機に係り、リンク機構の模式横断面図である。 実施例2の圧縮機に係り、リンク機構の模式側面図である。 実施例2の圧縮機に係り、リンク機構の模式側面図である。 従来例の圧縮機と実施例2の圧縮機とにおいて、斜板の傾角とトップクリアランスとの関係を示すグラフである。 従来の圧縮機に係り、リンク機構の模式横断面図である。
符号の説明
1b…シリンダボア
1、2、4…ハウジング(1…シリンダブロック、2…フロントハウジング、4…リヤハウジング)
6…駆動軸
9…ラグ部材
11…斜板
12、40…リンク機構
13…ピストン
11a、13a、14…運動変換機構(11a…シュー摺動面、13a…シュー受け面、14…シュー)
11b…斜板アーム
O…中心軸線
T…上死点位置
P…仮想平面
23…ラグ側ピン
24…斜板側ピン
20…中間アーム
8…スラストプレート
5d…スラスト軸受
21a…カム面
21…第1中間アーム
22…第2中間アーム

Claims (4)

  1. シリンダボアを有するハウジングと、該ハウジングに回転可能に支承された駆動軸と、該ハウジング内で該駆動軸と同期回転するラグ部材と、該ハウジング内で該駆動軸に傾角変動可能に支持された斜板と、該ハウジング内で該ラグ部材と該斜板との間に設けられ、該斜板の傾角変動を該駆動軸に対して許容しつつ該斜板を該駆動軸に対して相対回転不能とするリンク機構と、該シリンダボア内に往復動可能に収納されたピストンと、該斜板と該ピストンとの間に設けられ、該斜板の揺動運動を該ピストンの往復動に変換する運動変換機構とを備え、
    前記リンク機構は、前記斜板から前記ラグ部材側に突出する1本の斜板アームと、前記駆動軸の中心軸線と前記斜板の上死点位置とにより決定される仮想平面に直交するラグ側ピン回りで該ラグ部材に軸支され、かつ該ラグ側ピンと平行な斜板側ピン回りで該斜板アームに軸支された中間アームとを有し、
    該ラグ部材は該駆動軸の中心軸線と平行に移動可能に構成されていることを特徴とする容量可変型斜板式圧縮機。
  2. 前記ハウジング内には、前記駆動軸と同期回転するスラストプレートと、該スラストプレートと該ハウジングとの間に設けられたスラスト軸受とが設けられ、
    該スラストプレートは前記ラグ部材又は前記中間アームと当接可能に構成されている請求項1記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  3. 前記中間アーム及び前記スラストプレートの一方は、他方と接触して前記ラグ部材を該駆動軸の中心軸線と平行に移動するカム面を有する請求項2記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  4. 前記中間アームは、前記ラグ部材側から前記斜板側まで延びる第1中間アーム及び第2中間アームを有し、
    該第1中間アーム及び該第2中間アームは、前記ラグ側ピンと前記斜板側ピンとにより該ラグ部材及び該斜板アームに軸支されつつ、該ラグ側ピンと該斜板側ピンとにより前記ラグ部材及び前記斜板アームを摺動可能に挟持しつつ締結されている請求項1乃至3のいずれか1項記載の容量可変型斜板式圧縮機。
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