JP2009255314A - インクジェット記録用非水系インク組成物、インクジェット記録方法、記録物、インクカートリッジ、および記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録媒体への定着性および耐擦過性に優れたオーバーコート層を形成することができるインクジェット記録用非水系インク組成物、インクジェット記録方法、記録物、インクカートリッジ、および記録装置を提供することにある。
【解決手段】本発明に係るインクジェット記録用非水系インク組成物は、アルキレングリコール化合物およびラクトンから選択される少なくとも1種と、非水系樹脂エマルジョンと、を含有し、記録媒体上に形成された画像の上にオーバーコート層を形成するためのものである。
【選択図】なし
【解決手段】本発明に係るインクジェット記録用非水系インク組成物は、アルキレングリコール化合物およびラクトンから選択される少なくとも1種と、非水系樹脂エマルジョンと、を含有し、記録媒体上に形成された画像の上にオーバーコート層を形成するためのものである。
【選択図】なし
Description
本発明は、インクジェット記録用非水系インク組成物、インクジェット記録方法、記録物、インクカートリッジ、および記録装置に関する。
従来の非水系インク組成物は、色材である顔料を記録媒体上へ定着させるために、溶媒へ溶解する樹脂または樹脂エマルジョンを添加していた(例えば、特許文献1参照)。これにより、溶媒が乾燥する際に色材と記録媒体とを結び付け固着することができる。色材の固着性および塗膜強度は、一定の割合までは上記の樹脂または樹脂エマルジョンの添加量が増加するほど良好となる傾向を示す。しかしながら、上記の樹脂または樹脂エマルジョンの添加量を増加させると、しばしば非水系インク組成物の粘度の上昇、色材の発色性または印刷物の乾燥性への阻害等の弊害を伴い、必ずしも色材の固着性および印刷物の耐擦過性が最適なる条件のみでは決定できない。むしろ上記の樹脂または樹脂エマルジョンの添加量が少ないほど、色材の固着性および印刷物の耐擦過性以外の非水系インク組成物に要求される特性が良好となる事例も存在する。
そこで、一旦形成した塗膜層に対し、透明なインクをオーバーコートし、これにより印刷物の発色性等の特性を損なうことなく色材の固着性および印刷物の耐擦過性を向上させる手法が考えられる。しかしながら、主成分が水である水系インク組成物とは異なり、非水系インク組成物は使用する溶剤の種類によって性質が大きく変化するので、添加する樹脂または樹脂エマルジョンの種類と分散媒とのマッチングが重要となる。
特開2007−169492号公報
本発明の目的は、記録媒体への定着性および耐擦過性に優れたオーバーコート層を形成することができるインクジェット記録用非水系インク組成物、インクジェット記録方法、記録物、インクカートリッジ、および記録装置を提供することにある。
本発明に係るインクジェット記録用非水系インク組成物は、アルキレングリコール化合物およびラクトンから選択される少なくとも1種と、非水系樹脂エマルジョンと、を含有し、記録媒体上に形成された画像の上にオーバーコート層を形成するためのものである。
本発明に係るインクジェット記録用非水系インク組成物において、前記非水系樹脂エマルジョンを構成する樹脂は、ポリアクリルポリオール樹脂であることができる。
本発明に係るインクジェット記録用非水系インク組成物において、前記非水系樹脂エマルジョンの分散媒は、脂肪族炭化水素および脂環式炭化水素から選択される少なくとも1種であることができる。
本発明に係るインクジェット記録用非水系インク組成物において、前記脂肪族炭化水素は、直鎖アルカンおよび分枝構造を有するアルカンから選択される少なくとも1種であることができる。
本発明に係るインクジェット記録用非水系インク組成物において、前記脂環式炭化水素
は、アルキルシクロヘキサンであることができる。
は、アルキルシクロヘキサンであることができる。
本発明に係るインクジェット記録用非水系インク組成物において、前記アルキレングリコール化合物は、エチレングリコール化合物およびプロピレングリコール化合物から選択される少なくとも1種であることができる。
本発明に係るインクジェット記録用非水系インク組成物において、前記ラクトンは、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、およびε−カプロラクトンから選択される少なくとも1種であることができる。
本発明に係るインクジェット記録用非水系インク組成物において、さらに、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤およびポリエステル変性シリコーン系界面活性剤から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含有することができる。
本発明に係るインクジェット記録方法は、記録媒体上に形成された画像の上に、インクジェット記録装置を用いて上記の非水系インク組成物の液滴を吐出して、オーバーコート層を形成することを特徴とする。
本発明に係る記録物は、上記のインクジェット記録方法により、記録媒体上にオーバーコート層が形成されたものである。
本発明に係るインクカートリッジは、上記の非水系インク組成物を備えている。
本発明に係る記録装置は、上記のインクジェット記録用インクカートリッジを備えている。
以下、本発明の好適な実施形態について、詳細に説明する。
1.インクジェット記録用非水系インク組成物
本実施形態に係るインクジェット記録用非水系インク組成物は、アルキレングリコール化合物およびラクトンから選択される少なくとも1種と、非水系樹脂エマルジョンと、を含有し、記録媒体上に形成された画像の上にオーバーコート層を形成するためのものである。
本実施形態に係るインクジェット記録用非水系インク組成物は、アルキレングリコール化合物およびラクトンから選択される少なくとも1種と、非水系樹脂エマルジョンと、を含有し、記録媒体上に形成された画像の上にオーバーコート層を形成するためのものである。
1.1 有機溶剤
本実施形態に係る非水系インク組成物は、有機溶剤として、常温常圧下で液体のアルキレングリコール化合物およびラクトンから選択される少なくとも1種を含有する。
本実施形態に係る非水系インク組成物は、有機溶剤として、常温常圧下で液体のアルキレングリコール化合物およびラクトンから選択される少なくとも1種を含有する。
アルキレングリコール化合物は、国際公開第2002/055619パンフレットに記載されているような、エチレングリコール化合物またはプロピレングリコール化合物であることが好ましい。
エチレングリコール化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリエチレングリコールジエーテルが挙げられ、好ましくはジエチレングリコールである。
また、プロピレングリコール化合物としては、プロピレングリコール、ジプロピレング
リコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールジエーテルが挙げられ、好ましくはジプロピレングリコールである。
リコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールジエーテルが挙げられ、好ましくはジプロピレングリコールである。
前記ジエチレングリコール化合物としては、例えば、下記一般式(1)で表されるジエチレングリコール化合物を用いることができる。
(式中、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、またはR13CO基であり、R13は炭素数1〜4のアルキル基である。)
本明細書において、「炭素数1〜4のアルキル基」は、直鎖状または分枝状のアルキル基であることができ、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、またはtert−ブチル基であることができる。
本実施形態に係る非水系インク組成物において用いることができるジエチレングリコール化合物として、例えば、ジエチレングリコール;ジエチレングリコールエーテル(特に、アルキルエーテル)、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジn−ブチルエーテル;または、ジエチレングリコールエステル、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテルアセテート、若しくはジエチレングリコールモノアセテートが挙げられる。これらの中では、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、若しくはジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートが好ましい。
また、前記ジプロピレングリコール化合物としては、例えば、一般式(2)で表されるジプロピレングリコール化合物を用いることができる。
(式中、R21およびR22は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、またはR23CO基であり、R23は炭素数1〜4のアルキル基である。)
本実施形態に係る非水系インク組成物において用いることができるジプロピレングリコール化合物として、例えば、ジプロピレングリコール;またはジプロピレングリコールエーテル(特に、アルキルエーテル)、例えば、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、若しくはジプロピレングリコールモノエチルエーテルが挙げられる。
本実施形態に係る非水系インク組成物において用いることのできるジエチレングリコール化合物、ジプロピレングリコール化合物、およびラクトンは、それらの沸点が常圧下で、それぞれ好ましくは150℃以上、より好ましくは180℃以上である。
また、ジエチレングリコール化合物およびジプロピレングリコール化合物は、それらの20℃での蒸気圧が、好ましくは1hPa以下、より好ましくは0.7hPa以下である。上記のような高沸点および低蒸気圧の条件を満たすジエチレングリコール化合物および
ジプロピレングリコール化合物を用いることにより、局所的排気設備または排ガス処理設備を設ける負担が軽減され、作業環境の向上が可能となり、また周辺環境への環境負荷も軽減することが可能となる。
ジプロピレングリコール化合物を用いることにより、局所的排気設備または排ガス処理設備を設ける負担が軽減され、作業環境の向上が可能となり、また周辺環境への環境負荷も軽減することが可能となる。
本実施形態に係る非水系インク組成物においては、前記ジエチレングリコール化合物を含有することが好ましく、その含有量は、印刷特性によって適宜選択することができるが、インク組成物全体の質量に対して20質量%〜80質量%であることが好ましい。
本実施形態に係る非水系インク組成物においては、有機溶剤として、前記ジエチレングリコール化合物、前記ジプロピレングリコール化合物、前記ラクトンないしはそれらの混合物に加えて、さらに、常温常圧下で液体であり、下記一般式(3)で表されるポリエチレングリコールモノエーテル化合物を含むことができる。
(式中、R31は、炭素数1〜6のアルキル基(好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基)であり、nは、3〜6の整数である。)
本明細書において、「炭素数1〜6のアルキル基」は、直鎖状または分枝状のアルキル基であることができ、例えば、前記「炭素数1〜4のアルキル基」に加えて、直鎖状または分枝状のペンチル基、または直鎖状または分枝状のへキシル基であることができる。
本実施形態に係る非水系インク組成物において用いることができるポリエチレングリコール化合物は、その沸点が常圧下で、好ましくは200℃以上、より好ましくは250℃以上である。また、本実施形態に係る非水系インク組成物において用いることができるポリエチレングリコールモノエーテル化合物は、その引火点が、好ましくは100℃以上、より好ましくは130℃以上である。このようなポリエチレングリコールモノエーテル化合物を用いることにより、非水系インク組成物に揮発抑制性を付与することができる。例えば、インクカートリッジからプリンタヘッドへインク組成物を輸送するチューブ内でのインク組成物の蒸発を抑制することにより、チューブ内での固形分の体積を防止ないし軽減することができる。
ポリエチレングリコールモノエーテル化合物としては、例えば、トリエチレングリコールモノエーテル化合物(例えば、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、またはトリエチレングリコールモノブチルエーテル)、あるいは、前記一般式(3)においてnが4〜6であるポリエチレングリコールモノエーテル化合物(特に、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル)の混合物、例えば、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルと、ペンタエチレングリコールモノメチルエーテルと、ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテルとの混合物が挙げられる。
本発明に係る非水系インク組成物においては、有機溶剤として、その他の有機溶剤を含有することができる。
前記ラクトンとしては、炭素原子数6以下のラクトンが好ましく、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンおよびε−カプロラクトンであることが好ましい。
その他の有機溶剤としては、好ましくは極性有機溶剤、例えば、アルコール類(例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、またはフッ化アルコール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、またはシ
クロヘキサノン等)、カルボン酸エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、またはプロピオン酸エチル等)、またはエーテル類(例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、またはジオキサン等)等を用いることができる。
クロヘキサノン等)、カルボン酸エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、またはプロピオン酸エチル等)、またはエーテル類(例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、またはジオキサン等)等を用いることができる。
本実施形態に係る非水系インク組成物が、ジエチレングリコール化合物、ジプロピレングリコール化合物、およびラクトンの少なくともいずれか1種を含み、ポリエチレングリコールモノエーテル化合物を含まない場合には、ジエチレングリコール化合物、ジプロピレングリコール化合物、およびラクトンの総量が、全有機溶剤成分の75質量%以上を占めることが好ましい。
また、本実施形態に係る非水系インク組成物が、ジエチレングリコール化合物、ジプロピレングリコール化合物、ラクトンおよびポリエチレングリコールモノエーテル化合物の総量は、全有機溶剤成分の80質量%以上を占めることが好ましい。
1.2 非水系樹脂エマルジョン
本実施形態に係る非水系インク組成物は、定着剤として非水系樹脂エマルジョンを含有する。
本実施形態に係る非水系インク組成物は、定着剤として非水系樹脂エマルジョンを含有する。
本実施形態で使用する非水系樹脂エマルジョン(非水系高分子樹脂微粒子を分散させたもの)は、非水系インク組成物に加えても樹脂微粒子が不溶性であるため、可溶性高分子化合物を加えた場合のような著しい粘度上昇を引き起こさない。このため、樹脂添加による吐出性の低下を抑制できる。
非水系樹脂エマルジョンを構成する樹脂(非水系高分子樹脂)としては、特に限定されないが、ウレタン系およびアクリル系樹脂が好ましく、ポリアクリルポリオール樹脂であることがより好ましい。
非水系エマルジョンの分散媒は、特に限定されないが、脂肪族炭化水素および脂環式炭化水素から選択される少なくとも1種であることが好ましく、両者の混合物であることがより好ましい。
上記脂肪族炭化水素としては、直鎖アルカンまたは分枝構造を有するアルカンが好ましく、これらのうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。
直鎖構造のアルカンとしては、炭素数5〜15のものが好ましく、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカンなどが挙げられる。また、分枝構造のアルカンとしては、炭素数5〜15のものが好ましく、例えば、2,3−ジメチルブタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘプタン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタンなどが挙げられる。
上記脂環式炭化水素としては、炭素数5〜15のものが好ましく、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、およびこれらの化合物の水素をアルキル基に置換した化合物などが好ましく、シクロヘキサンの水素をアルキル基で置換したアルキルシクロヘキサンがより好ましい。
一般に広く使用されている石油系溶剤は、有害なベンゼン、トルエン、キシレンを含むため環境面から好ましくなく、この点からも、上記脂肪族炭化水素化合物と脂環式炭化水素化合物からなる混合溶剤を用いることが好ましい。
また、上記の分散媒中に分散した樹脂エマルジョンが市販されている。ポリアクリルポリオールのエマルジョン(ポリアクリルポリオール系定着樹脂)としては、例えばハリマ化成社製のN−2043−60MEXなどが挙げられる。ウレタン系樹脂のエマルジョン(ポリウレタン系定着樹脂)としては、三洋化成工業社製のサンプレンIB−F370、サンプレンIB−501などが挙げられる。
上記N−2043−60MEXは、炭素数9および10のアルキルシクロヘキサンを主成分とする混合溶媒中にポリアクリルポリオール樹脂(不揮発分61%)を分散させた樹脂エマルジョンである。上記サンプレンIB−F370は、プロピレングリコールモノメチルエーテルを主成分とした溶媒中にウレタン樹脂を分散させた樹脂エマルジョンである。上記サンプレンIB−501は、酢酸エチルおよびイソプロピルアルコールからなる混合溶媒中にウレタン樹脂を分散させた樹脂エマルジョンである。
上記非水系樹脂エマルジョンの樹脂固形分としての含有量は、非水系インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.1〜10質量%であり、より好ましくは1〜5質量%である。樹脂固形分としての含有量が0.1質量%未満であると、記録媒体への定着性が損なわれることがある。一方、樹脂固形分としての含有量が10質量%を超えると、インクの粘性が高くなりインクの吐出安定性が損なわれることがある。
1.3 添加剤
1.3.1 界面活性剤
本実施形態に係る非水系インク組成物は、シリコーン系界面活性剤を含有することができる。シリコーン系界面活性剤を添加することにより、非水系インク組成物の記録媒体へのぬれ性が改善され、速やかな定着性を得ることができる。
1.3.1 界面活性剤
本実施形態に係る非水系インク組成物は、シリコーン系界面活性剤を含有することができる。シリコーン系界面活性剤を添加することにより、非水系インク組成物の記録媒体へのぬれ性が改善され、速やかな定着性を得ることができる。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーンを用いることが好ましい。具体例として、ポリエステル変性シリコーンではBYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、BYK−UV3510、BYK−UV3530(ビックケミー・ジャパン社製)が挙げられ、ポリエーテル変性シリコーンではBYK−UV3570(ビックケミー・ジャパン社製)が挙げられる。
上記界面活性剤の添加量は、非水系インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.05〜3.0質量%であり、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。
1.3.2 ポリオレフィンワックス
本実施形態に係る非水系インク組成物は、ポリオレフィンワックスを含有することができる。ポリオレフィンワックスを添加することにより、形成されるオーバーコート層の耐擦過性を向上させることができる。
本実施形態に係る非水系インク組成物は、ポリオレフィンワックスを含有することができる。ポリオレフィンワックスを添加することにより、形成されるオーバーコート層の耐擦過性を向上させることができる。
ポリオレフィンワックスは、インクの被記録面へ固着した膜に粒子として残留しやすい観点から、その融点若しくは環球法軟化点(JIS K 2207)が110℃以上、特に110〜150℃以下であることが好ましい。
また、ポリオレフィンワックスは、その針入度法硬度(JIS K 2207)が1以上であることが好ましく、2以上5以下であることが好ましい。
ポリオレフィンワックスとしては、インク組成物を被記録面へ吐着させた際に形成される膜(記録画像等の塗膜)中において所定粒径の粒子の状態を保持し得る限り特に限定されるものではなく、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィンまたはその誘導体から製造したワックスおよびそのコポリマー、具体的には、ポリエチレン系ワックス
、ポリプロピレン系ワックス、ポリブチレン系ワックス等が挙げられる。これらのポリエチレンワックスは、一種単独または二種以上組み合わせて用いることができる。
、ポリプロピレン系ワックス、ポリブチレン系ワックス等が挙げられる。これらのポリエチレンワックスは、一種単独または二種以上組み合わせて用いることができる。
ポリオレフィンワックスとしては、市販されているものを利用することができる。具体例として、三井化学社製のケミパールW4005(ポリエチレン系ワックス、粒径200〜800nm、環球法軟化点110℃、針入度法硬度3、固形分40%)等のケミパールシリーズが挙げられる。その他、ビックケミー・ジャパン社製のAQUACER513(ポリエチレン系ワックス、粒径100〜200nm、融点130℃、固形分30%)等のAQUACERシリーズを用いることができる。
ポリオレフィンワックスの含有量は、非水系インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.05〜1質量%である。
1.3.3 その他の添加剤
本実施形態に係る非水系インク組成物は、透明または半透明の無機フィラーを添加して非水系インク組成物の粘度を調製することができる。また、無機フィラーを添加した非水系インク組成物により形成されたオーバーコート層は、摩擦抵抗を低減することができる。無機フィラーとしては、例えば、シリカ、石英などを原料としたフィラーが挙げられる。
本実施形態に係る非水系インク組成物は、透明または半透明の無機フィラーを添加して非水系インク組成物の粘度を調製することができる。また、無機フィラーを添加した非水系インク組成物により形成されたオーバーコート層は、摩擦抵抗を低減することができる。無機フィラーとしては、例えば、シリカ、石英などを原料としたフィラーが挙げられる。
本実施形態に係る非水系インク組成物は、テフロン(登録商標)粒子を添加することができる。テフロン(登録商標)粒子を添加した非水系インク組成物により形成されたオーバーコート層は、摩擦抵抗を低減することができる。
本実施形態に係る非水系インク組成物は、通常の非水系インク組成物に含まれているその他の添加剤を含むことができる。このような添加剤の一つとして、安定剤(例えば、酸化防止剤または紫外線吸収剤)が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、BHA(2,3−ブチル−4−オキシアニソール)またはBHT(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)を用いることができ、紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、またはベンゾトリアゾール系化合物を用いることができる。
1.4 用途および製造方法
本実施形態に係る非水系インク組成物は、公知の慣用方法によって調製することができる。最初に、アルキレングリコール化合物とラクトンとの混合物を混合した後、続いて、非水系樹脂エマルジョンおよびその他の添加剤(例えば、分散助剤や粘度調整剤)を攪拌下に加えて非水系インク組成物を得ることができる。
本実施形態に係る非水系インク組成物は、公知の慣用方法によって調製することができる。最初に、アルキレングリコール化合物とラクトンとの混合物を混合した後、続いて、非水系樹脂エマルジョンおよびその他の添加剤(例えば、分散助剤や粘度調整剤)を攪拌下に加えて非水系インク組成物を得ることができる。
本実施形態に係る非水系インク組成物は、記録媒体上に記録された画像の上にオーバーコート層を形成するために用いられる。該オーバーコート層は、インクジェット記録装置を用いて上記の非水系インク組成物の液滴を画像の記録された記録媒体上に吐出し着弾させ、乾燥させることにより形成することができる。
上記非水系インク組成物によれば、アルキレングリコール化合物およびラクトンから選択される少なくとも1種と、非水系樹脂エマルジョンと、を含有しているため、記録媒体への定着性および耐擦過性に優れたオーバーコート層を形成することができる。
本実施形態に係る非水系インク組成物の物性は、特に限定されるものではないが、例えば、その表面張力は、好ましくは20〜50mN/mである。表面張力が20mN/m未満になると、インク組成物がインクジェット記録用プリンタヘッドの表面に濡れ広がるか、または滲み出してしまい、インク滴の吐出が困難となることがあり、表面張力が50m
N/mを超えると、記録媒体の表面において濡れ広がらず、良好な印刷ができないことがある。また、本実施形態に係る非水系インク組成物の粘度(温度20℃における粘度)は、好ましくは10mPa・s以下であり、より好ましくは3〜5mPa・sである。
N/mを超えると、記録媒体の表面において濡れ広がらず、良好な印刷ができないことがある。また、本実施形態に係る非水系インク組成物の粘度(温度20℃における粘度)は、好ましくは10mPa・s以下であり、より好ましくは3〜5mPa・sである。
本実施形態に係る非水系インク組成物は、撥インク処理された吐出ノズル表面に対して不活性であるという利点を有する。したがって、本発明に係る非水系インク組成物は、例えば、撥インク処理された吐出ノズル表面を有するインクジェット記録用プリンタヘッドから吐出させるインクジェット記録方法に有利に用いることができる。また、従来の非水系インクを撥インク処理ヘッドに用いた際の欠点、すなわち、撥インク処理ヘッドにおいて濡れ広がる現象、吐出が不安定になる現象、あるいはヘッドを腐食させる現象を防止することができる。
本実施形態に係る非水系インク組成物は、ノズルプレート表層部分に撥インク処理が施されてなるインクジェット記録ヘッドへの利用においても好適に用いることができる。本実施形態に係る非水系インク組成物と撥インク処理が施されたインクジェット記録ヘッドとの組み合わせにより、インクの飛行曲がりが発生し難く、記録紙上に良好な画像を記録することができる。本発明の非水系インク組成物によれば、撥インク処理が施されたノズルプレートの表面状態を長期に亘って良好な状態に維持することができ、長期インク吐出安定性を実現することができる。
本実施形態に係る非水系インク組成物は、各種インクジェット記録方式に適用することができる。すなわち、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電界制御方式、ピエゾ素子の駆動圧力を利用してインクを吐出させるドロップ・オン・デマンド方式(または圧力パルス方式)、さらには高熱によって気泡を形成し、成長させることによって生じる圧力を利用してインクを吐出させるバブルまたはサーマルジェット方式等の各種インクジェット記録方式に適用することができる。しかしながら、ピエゾ素子の駆動圧力を利用してインクを吐出させるドロップ・オン・デマンド方式に適用するのが好ましく、この方式によって印刷を実行すると、吐出安定性に優れ、色滲みやカラーブリードのない高精細な画像を得ることができ、しかも耐熱性や耐水性にも優れている。
2.インクジェット記録方法
本実施形態に係るインクジェット記録方法は、記録媒体上に形成された画像の上に、インクジェット記録装置を用いて上記の非水系インク組成物の液滴を吐出して、オーバーコート層を形成することを特徴とする。インクジェット記録装置を用いると、一定量の非水系インク組成物を記録媒体上に吐出することができるため、均一な膜厚のオーバーコート層を形成することができる。
本実施形態に係るインクジェット記録方法は、記録媒体上に形成された画像の上に、インクジェット記録装置を用いて上記の非水系インク組成物の液滴を吐出して、オーバーコート層を形成することを特徴とする。インクジェット記録装置を用いると、一定量の非水系インク組成物を記録媒体上に吐出することができるため、均一な膜厚のオーバーコート層を形成することができる。
上記の記録方法に用いられるインクジェット記録方式としては、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電界制御方式、ピエゾ素子の駆動圧力を利用してインクを吐出させるドロップ・オン・デマンド方式(または圧力パルス方式)、高熱によって気泡を形成し成長させることによって生じる圧力を利用してインクを吐出させるバブルまたはサーマルジェット方式等が挙げられる。
本発明はまた、上記のインクジェット記録方法によって、オーバーコート層が形成された記録物を提供することができる。本実施形態に係る記録物によれば、記録媒体への定着性および耐擦過性に優れたオーバーコート層を有する記録物を得ることができる。
3.インクカートリッジ
本実施形態に係るインクカートリッジは、上記のインクセットを備えている。これによれば、上記の非水系インク組成物を備えたインクセットを容易に運搬することができる。
本実施形態に係るインクカートリッジは、上記のインクセットを備えている。これによれば、上記の非水系インク組成物を備えたインクセットを容易に運搬することができる。
4.実施例
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
4.1 非水系インク組成物の調製
4.1.1 非水系インク組成物1の調製
表1に記載の組成となるように非水系インク組成物1を調製した。すなわち、各有機溶剤およびBYK−UV3500を所定量秤量し、マグネチックスターラーで30分間撹拌して十分に混合した後、定着樹脂として非水系樹脂エマルジョンN−2043−60MEXを固形分濃度4質量%となるように添加し、さらに30分間撹拌して十分に混合した。得られた生成物を10μmのメンブランフィルターを用いてろ過を行い、非水系インク組成物1を得た。なお、非水系インク組成物1の粘度を「MCR−300」(Physica社製)を用いて測定したところ、4.6mPa・sであった。
4.1.1 非水系インク組成物1の調製
表1に記載の組成となるように非水系インク組成物1を調製した。すなわち、各有機溶剤およびBYK−UV3500を所定量秤量し、マグネチックスターラーで30分間撹拌して十分に混合した後、定着樹脂として非水系樹脂エマルジョンN−2043−60MEXを固形分濃度4質量%となるように添加し、さらに30分間撹拌して十分に混合した。得られた生成物を10μmのメンブランフィルターを用いてろ過を行い、非水系インク組成物1を得た。なお、非水系インク組成物1の粘度を「MCR−300」(Physica社製)を用いて測定したところ、4.6mPa・sであった。
4.1.2 非水系インク組成物2および3の調製
表1に記載の組成となるように非水系インク組成物2および3を調製した。すなわち、各有機溶剤およびBYK−UV3500を所定量秤量し、マグネチックスターラーで30分間撹拌して十分に混合した後、定着樹脂としてセルロースアセテートブチレート樹脂を所定量添加し、さらに30分間撹拌して十分に混合した。得られた生成物を10μmのメンブランフィルターを用いてろ過を行い、非水系インク組成物2および3を得た。なお、非水系インク組成物2および3の粘度をレオメーター「MCR−300」(Physica社製)を用いて測定したところ、それぞれ4.6mPa・s、4.8mPa・sであった。
表1に記載の組成となるように非水系インク組成物2および3を調製した。すなわち、各有機溶剤およびBYK−UV3500を所定量秤量し、マグネチックスターラーで30分間撹拌して十分に混合した後、定着樹脂としてセルロースアセテートブチレート樹脂を所定量添加し、さらに30分間撹拌して十分に混合した。得られた生成物を10μmのメンブランフィルターを用いてろ過を行い、非水系インク組成物2および3を得た。なお、非水系インク組成物2および3の粘度をレオメーター「MCR−300」(Physica社製)を用いて測定したところ、それぞれ4.6mPa・s、4.8mPa・sであった。
表1中、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルは、日本乳化剤社製のものを用いた。γ−ブチロラクトンは、関東化学社製のものを用いた。N−2043−60MEX(非水系樹脂エマルジョン)は、ハリマ化成社製のものを用いた。セルロースアセテートブチレート樹脂は、Acros Organics社製のものを用いた。BYK−UV3500(界面活性剤)は、ビックケミー・ジャパン社製のものを用いた。なお、単位は質量%である。
4.2 印刷方法
インクジェットプリンターVP−300(ローランドD.G.社製)を用いて、同社製の記録メディアSPVC−G1270T上に、同社製の純正インクを用いてベタパターンを印刷した。ベタパターンとして、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のベタパターンをそれぞれ作製した。次いで、「4.1 非水系インク組成物の調製」で調製された非水系インク組成物をブラック列に充填し、同一のベタパターンで印刷を行い、オーバーコート層を形成した。
インクジェットプリンターVP−300(ローランドD.G.社製)を用いて、同社製の記録メディアSPVC−G1270T上に、同社製の純正インクを用いてベタパターンを印刷した。ベタパターンとして、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のベタパターンをそれぞれ作製した。次いで、「4.1 非水系インク組成物の調製」で調製された非水系インク組成物をブラック列に充填し、同一のベタパターンで印刷を行い、オーバーコート層を形成した。
4.3 評価方法
「JIS K 5701−1:2000」の学振型摩擦堅牢度試験機での耐擦過試験方法に従い、耐擦過性を評価した。具体的には、「4.2 印刷方法」で作製された印刷物を25mm幅の短冊状に切断した。学振型摩擦堅牢試験機(テスター産業社製)を用いて、短冊状に切断された印刷物について荷重500g・100回の摩擦試験を行い、耐擦過性を評価した。
「JIS K 5701−1:2000」の学振型摩擦堅牢度試験機での耐擦過試験方法に従い、耐擦過性を評価した。具体的には、「4.2 印刷方法」で作製された印刷物を25mm幅の短冊状に切断した。学振型摩擦堅牢試験機(テスター産業社製)を用いて、短冊状に切断された印刷物について荷重500g・100回の摩擦試験を行い、耐擦過性を評価した。
4.4 評価結果
表2に耐擦過性の評価結果を示す。
表2に耐擦過性の評価結果を示す。
表2における耐擦過性の評価基準を以下に示す。
A:印刷面に擦過痕なし。
B:印刷面に擦過痕があるが下地の露出はない。
C:印刷面の下地が露出している。
A:印刷面に擦過痕なし。
B:印刷面に擦過痕があるが下地の露出はない。
C:印刷面の下地が露出している。
表2における総合評価の判定基準を以下に示す。
良 :4色で耐擦過性評価が全てAであり、実用上問題のないレベルである。
不良:4色で耐擦過性評価にBまたはCが1つ以上あり、実用的ではないレベルである。
良 :4色で耐擦過性評価が全てAであり、実用上問題のないレベルである。
不良:4色で耐擦過性評価にBまたはCが1つ以上あり、実用的ではないレベルである。
4.4.1 実施例1
実施例1は、非水系インク組成物1を用いてオーバーコート層を形成した例である。500g加重・100回摩擦試験において、YMCKのいずれの印刷面についても擦過痕が認められず、実用上問題のないレベルであった。
実施例1は、非水系インク組成物1を用いてオーバーコート層を形成した例である。500g加重・100回摩擦試験において、YMCKのいずれの印刷面についても擦過痕が認められず、実用上問題のないレベルであった。
4.4.2 比較例1
比較例1は、非水系インク組成物2を用いてオーバーコート層を形成した例である。実施例1に対してインク粘度を合わせることで、実施例1とインクの吐出特性を一致させた。この場合、500g加重・100回摩擦試験において、後述する比較例3の結果よりも
高い耐擦過性を示したが、特にMの印刷面の摩耗が明確であった。
比較例1は、非水系インク組成物2を用いてオーバーコート層を形成した例である。実施例1に対してインク粘度を合わせることで、実施例1とインクの吐出特性を一致させた。この場合、500g加重・100回摩擦試験において、後述する比較例3の結果よりも
高い耐擦過性を示したが、特にMの印刷面の摩耗が明確であった。
4.4.3 比較例2
比較例2は、非水系インク組成物3を用いてオーバーコート層を形成した例である。実施例1に対してインク中の樹脂固形分を合わせることで、実施例1と記録面の樹脂固形分を一致させた。この場合、500g加重・100回摩擦試験において、後述する比較例3の結果よりも高い耐擦過性を示したが、特にMの印刷面の摩耗が明確であった。
比較例2は、非水系インク組成物3を用いてオーバーコート層を形成した例である。実施例1に対してインク中の樹脂固形分を合わせることで、実施例1と記録面の樹脂固形分を一致させた。この場合、500g加重・100回摩擦試験において、後述する比較例3の結果よりも高い耐擦過性を示したが、特にMの印刷面の摩耗が明確であった。
4.4.4 比較例3
比較例3は、オーバーコート層を形成していない例である。500g加重・100回摩擦試験において、10回目あたりから表面に擦過痕が付き始め、100回終了後Kの印刷面以外では部分的に下地が露出している状態であった。
比較例3は、オーバーコート層を形成していない例である。500g加重・100回摩擦試験において、10回目あたりから表面に擦過痕が付き始め、100回終了後Kの印刷面以外では部分的に下地が露出している状態であった。
以上の結果より、アルキレングリコール化合物およびラクトンから選択される少なくとも1種と、非水系樹脂エマルジョンと、を含有する非水系インク組成物を用いてオーバーコート層を形成することにより、記録物の耐擦過性を飛躍的に向上できることがわかった。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
Claims (12)
- アルキレングリコール化合物およびラクトンから選択される少なくとも1種と、
非水系樹脂エマルジョンと、を含有し、
記録媒体上に形成された画像の上にオーバーコート層を形成するためのインクジェット記録用非水系インク組成物。 - 請求項1に記載のインクジェット記録用非水系インク組成物において、
前記非水系樹脂エマルジョンを構成する樹脂は、ポリアクリルポリオール樹脂である、インクジェット記録用非水系インク組成物。 - 請求項1または2に記載のインクジェット記録用非水系インク組成物において、
前記非水系樹脂エマルジョンの分散媒は、脂肪族炭化水素および脂環式炭化水素から選択される少なくとも1種である、インクジェット記録用非水系インク組成物。 - 請求項3に記載のインクジェット記録用非水系インク組成物において、
前記脂肪族炭化水素は、直鎖アルカンおよび分枝構造を有するアルカンから選択される少なくとも1種である、インクジェット記録用非水系インク組成物。 - 請求項3に記載のインクジェット記録用非水系インク組成物において、
前記脂環式炭化水素は、アルキルシクロヘキサンである、インクジェット記録用非水系インク組成物。 - 請求項1ないし5のいずれか一項に記載のインクジェット記録用非水系インク組成物において、
前記アルキレングリコール化合物は、エチレングリコール化合物およびプロピレングリコール化合物から選択される少なくとも1種である、インクジェット記録用非水系インク組成物。 - 請求項1ないし6のいずれか一項に記載のインクジェット記録用非水系インク組成物において、
前記ラクトンは、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、およびε−カプロラクトンから選択される少なくとも1種である、インクジェット記録用非水系インク組成物。 - 請求項1ないし7のいずれか一項に記載のインクジェット記録用非水系インク組成物において、
さらに、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤およびポリエステル変性シリコーン系界面活性剤から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含有する、インクジェット記録用非水系インク組成物。 - 記録媒体上に形成された画像の上に、インクジェット記録装置を用いて請求項1ないし8のいずれか一項に記載の非水系インク組成物の液滴を吐出して、オーバーコート層を形成する、インクジェット記録方法。
- 請求項9に記載のインクジェット記録方法により、記録媒体上にオーバーコート層が形成された、記録物。
- 請求項1ないし9のいずれか一項に記載の非水系インク組成物を備えた、インクカートリッジ。
- 請求項11に記載されたインクジェット記録用インクカートリッジを備えた、記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008104371A JP2009255314A (ja) | 2008-04-14 | 2008-04-14 | インクジェット記録用非水系インク組成物、インクジェット記録方法、記録物、インクカートリッジ、および記録装置 |
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JP2008104371A JP2009255314A (ja) | 2008-04-14 | 2008-04-14 | インクジェット記録用非水系インク組成物、インクジェット記録方法、記録物、インクカートリッジ、および記録装置 |
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JP (1) | JP2009255314A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014214255A (ja) * | 2013-04-26 | 2014-11-17 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 非水系インクジェットインク組成物 |
-
2008
- 2008-04-14 JP JP2008104371A patent/JP2009255314A/ja not_active Withdrawn
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