JP2009255046A - ハニカム構造体 - Google Patents

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和丈 尾久
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Abstract

【課題】 再生処理等を行った際に、中心部と外周部とで温度分布が生じにくく、パティキュレートの燃え残りが生じにくいハニカム構造体を提供する。
【解決手段】 多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状ハニカム焼成体が、接着材層を介して複数個結束されてなるハニカム構造体であって、ハニカム焼成体は、ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面において、中心部に位置する中心部ハニカム焼成体と、外周部に位置する外周部ハニカム焼成体とからなり、中心部ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面の形状は四角形、中心部ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面の面積は、900〜2500mm、外周部ハニカム焼成体の上記長手方向に垂直な断面の形状は、中心部ハニカム焼成体の上記長手方向に垂直な断面の形状と異なり、かつ、外周部ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面の面積は、中心部ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面の面積の0.9〜1.3倍であるハニカム構造体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ハニカム構造体に関する。
バス、トラック等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排ガス中に含有されるパティキュレートマター(以下、単にパティキュレート又はPMともいう)が環境や人体に害を及ぼすことが最近問題となっている。
そこで、排ガス中のパティキュレートを捕集して、排ガスを浄化することができるフィルタとして、多孔質セラミックからなるハニカム構造体が種々提案されている。
このようなハニカム構造体としては、例えば、四角柱状のハニカム焼成体を接着材層を介して複数個結束させた後、結束させたハニカム構造体を所定の形状に切削加工して製造されたハニカム構造体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、それぞれが予め所定の形状に押出成形されて作製されたハニカム焼成体を、接着材層を介して複数個を結束して製造されたハニカム構造体が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
これらのハニカム構造体の長手方向に垂直な断面では、ハニカム構造体の中心部に断面形状が四角形のハニカム焼成体が位置し、ハニカム構造体の外周部に中心部のハニカム焼成体よりも断面積の小さいハニカム焼成体が位置する。
また、別のハニカム構造体として、その長手方向に垂直な断面において、ハニカム構造体の中心部に断面形状が四角形のハニカム焼成体が位置し、このハニカム焼成体の外側周囲に中心部のハニカム焼成体よりも断面積が大きいハニカム焼成体が位置するハニカム構造体が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
WO01/23069号パンフレット 特開2004−154718号公報 WO04/96414号パンフレット
ハニカム構造体を排ガス浄化フィルタとして使用する場合、内燃機関から排出された高温の排ガスはハニカム構造体のセルに流入する。このとき、中心部に位置するハニカム焼成体には多くの熱が加わるため、中心部に位置するハニカム焼成体は、外周部に位置するハニカム焼成体に比べて温度が上昇しやすくなる。
また、接着材層を介して複数個のハニカム焼成体を結束させたハニカム構造体(以下、集合型ハニカム構造体ともいう)では、通常、接着材層の熱伝導率がハニカム焼成体の熱伝導率よりも劣るため、接着材層により熱伝導が阻害され易くなる。その結果、集合型ハニカム構造体では、中心部と外周部とでの温度差が大きくなる傾向にある。
特に、特許文献1〜3に開示されたハニカム構造体では、その外周部に、断面積が中心部のハニカム焼成体よりも充分に小さいハニカム焼成体が位置しており、このような断面積が小さいハニカム焼成体の存在は、接着材層が占める割合の増加を招くため、上述した中心部と外周部との温度差が大きくなりやすくなる。
そして、ハニカム構造体の中心部と外周部とで温度差が大きくなると、ハニカム構造体に、パティキュレートを燃焼除去する再生処理を施した際に、ハニカム構造体の外周部でパティキュレートの燃え残りが発生しやすくなる。
また、ハニカム構造体を排ガス浄化フィルタとして使用する場合には、ハニカム構造体を所定のケース内に保持シール材を介して保持する必要がある。そして、排ガスによって、ハニカム構造体がケース内でズレたり、一部のハニカム焼成体がハニカム構造体から抜けたりすることを防止するために、ハニカム構造体はケース内に確実に固定する必要がある。
そのため、ハニカム構造体は、ハニカム構造体の外側からかかる圧縮応力により破損することを防止するため、高いを強度を有することが望まれている。
特許文献1〜3に記載されたハニカム構造体では、接着材層が格子状に形成されているため、特定の方向(接着材層に平行な方向)にかかった圧縮応力に対しては、高い強度を有するものの、その他の方向、例えば、接着材層と45°をなす方向等にかかった圧縮応力に対しては強度が弱く、そのような方向から加わった力によりハニカム構造体の破損が発生しやすい傾向にある。
また、特許文献1〜3に記載されたハニカム構造体では、各接着材層が直交しているため、ハニカム構造体内に生じた応力を分散させにくく、ハニカム構造体の破損が発生しやすい傾向にある。
本発明者等は、上述した課題を解決すべく鋭意検討を行い、第一〜第四の本発明を完成した。
第一の本発明のハニカム構造体は、
多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体が、接着材層を介して複数個結束されてなるハニカム構造体であって、
上記ハニカム焼成体は、上記ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面において、中心部に位置する中心部ハニカム焼成体と、外周部に位置する外周部ハニカム焼成体とからなり、
上記中心部ハニカム焼成体の上記長手方向に垂直な断面の形状は、四角形であり、
上記中心部ハニカム焼成体の上記長手方向に垂直な断面の面積が、900〜2500mmであり、
上記外周部ハニカム焼成体の上記長手方向に垂直な断面の形状は、上記中心部ハニカム焼成体の上記長手方向に垂直な断面の形状と異なり、かつ、
上記外周部ハニカム焼成体の上記長手方向に垂直な断面の面積は、上記中心部ハニカム焼成体の上記長手方向に垂直な断面の面積の0.9〜1.3倍である
ことを特徴とするハニカム構造体である。
第一の本発明のハニカム構造体では、接着材層を介して結束された複数のハニカム焼成体のうち、外周部ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面の断面積が、中心部ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面の断面積の0.9〜1.3倍である。従って、ハニカム構造体の外周部には、断面積が極めて小さいハニカム焼成体が存在しておらず、このような小さいハニカム焼成体を結束させるための接着材層が不要であるため、ハニカム構造体の中心部と外周部とで温度分布が生じにくく、再生処理を施した際に、パティキュレートの燃え残りが生じにくくなる。
これに対し、外周部ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面の断面積が、中心部ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面の断面積の0.9倍未満であると、中心部に位置するハニカム焼成体との間で温度分布が発生しやすく、再生処理時にパティキュレートの燃え残りが生じやすくなる。
また、外周部ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面の断面積が、中心部ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面の断面積の1.3倍を超えると、ハニカム焼成体に熱応力によりクラックが発生する場合がある。
また、第一の本発明のハニカム構造体では、上記中心部ハニカム焼成体の断面積が900〜2500mmである。この理由は以下の通りである。
中心部ハニカム焼成体の断面積が900mm未満である場合には、ハニカム構造体を構成する接着材の量が多くなりやすく、その結果、ハニカム構造体内に温度分布が生じやすくなり、再生処理時にハニカム焼成体にクラックが発生しやすくなる。
一方、中心部ハニカム焼成体の断面積が大きいと、相対的に接着材層の占める割合は小さくなるため、再生処理時に温度分布は発生しにくくなるものの、接着材層が担っている熱応力を緩和する効果が不充分となり、ハニカム焼成体にクラックが発生しやすくなる。そのため、中心部ハニカム焼成体の断面積の上限は、2500mmが望ましい。
即ち、中心部ハニカム焼成体の断面積が上記範囲にあると、再生処理時のハニカム焼成体でのクラックの発生を防止するのに適している。
第一の本発明の記載のハニカム構造体において、
上記外周部ハニカム焼成体の上記長手方向に垂直な断面の形状は、3つの線分と1つの円弧又は楕円弧とで囲まれ、上記3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角が直角又は鈍角である形状であることが望ましい。
外周部ハニカム焼成体がこのような形状であると、外周部ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面の大きさが、中心部ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面の大きさと比べて極端に小さくなりにくくなる。そのため、ハニカム構造体の中心部と外周部とで温度分布が生じにくく、再生処理を施した際に、パティキュレートの燃え残りが生じにくくなる。
第二の本発明のハニカム構造体は、
多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体が、接着材層を介して複数個結束されたセラミックブロックからなる円柱状又は楕円柱状のハニカム構造体であって、
複数個の上記ハニカム焼成体は、セラミックブロックの中心部に位置する中心部ハニカム焼成体と、上記セラミックブロックの外周側面の一部を構成する外周部ハニカム焼成体とからなり、
上記中心部ハニカム焼成体は、上記長手方向に垂直な断面の面積が900〜2500mmであり、
上記セラミックブロックの上記長手方向に垂直な断面において、上記セラミックブロックの断面の中心と同心で、上記セラミックブロックの断面の面積に対する面積比が49%の相似形を描いた際に、上記外周部ハニカム焼成体の一部が必ず上記相似形の内側に位置することを特徴とするハニカム構造体である。
第二の本発明のハニカム構造体では、複数個のハニカム焼成体が接着材層を介して結束されており、複数個のハニカム焼成体は、上記中心部ハニカム焼成体と上記外周部ハニカム焼成体とからなる。
そして、上記ハニカム構造体では、セラミックブロックの長手方向に垂直な断面において、上記セラミックブロックの断面の中心と同心で、上記セラミックブロックの断面の面積に対する面積比が49%の相似形を描いた際に、上記外周部ハニカム焼成体の一部が必ず上記相似形の内側に位置するように構成されている。
このような構成では、中心部ハニカム焼成体と外周部ハニカム焼成体とを備えたハニカム構造体の長手方向に垂直な断面において、上記相似形の外側のみに位置する外周部ハニカム焼成体は存在していないため、ハニカム構造体の中心部と外周部とで温度分布が生じにくく、パティキュレートの燃え残りが生じにくくなる。
ハニカム構造体では、上述したように、中心部ハニカム焼成体は外周部ハニカム焼成体に比べて温度が上昇しやすい。
そこで、セラミックブロックの断面において、上記相似形の内側に各外周部ハニカム焼成体の一部が存在すると、外周部ハニカム焼成体に熱が伝わりやすく、上述したように、パティキュレートの燃え残りが生じにくくなるのである。
一方、上記相似形の内側に各外周部ハニカム焼成体の一部が存在しない場合(上記相似形の外側にのみ各外周部ハニカム焼成体が存在する場合)には、ハニカム構造体の中心部と外周部とで温度分布が生じやすく、パティキュレートの燃え残りが生じやすくなる。
また、第二の本発明のハニカム構造体では、上記中心部ハニカム焼成体の断面積が、900〜2500mmである。この理由は以下の通りである。
中心部ハニカム焼成体の断面積が900mm未満である場合には、ハニカム構造体を構成する接着材の量が多くなりやすく、その結果、ハニカム構造体内に温度分布が生じやすくなり、再生処理時にハニカム焼成体にクラックが発生しやすくなる。
一方、中心部ハニカム焼成体の断面積が大きいと、相対的に接着材層の占める割合は小さくなるため、再生処理時に温度分布は発生しにくくなるものの、接着材層が担っている熱応力を緩和する効果が不充分となり、ハニカム焼成体にクラックが発生しやすくなる。そのため、中心部ハニカム焼成体の断面積の上限は、2500mmが望ましい。
即ち、中心部ハニカム焼成体の断面積が上記範囲にあると、再生処理時のハニカム焼成体でのクラックの発生を防止するのに適している。
第三の本発明のハニカム構造体は、
多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体が、接着材層を介して複数個結束されてなるハニカム構造体であって、
上記ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面において、上記ハニカム構造体の外周側を構成する外周部と、上記外周部の内側に位置し、断面の形状が四角形の中央部とを有し、
上記中央部は、1個の中心部ハニカム焼成体、又は、上記接着材層を介して結束された複数個の中心部ハニカム焼成体からなり、
上記外周部は、上記接着材層を介して結束された複数個の外周部ハニカム焼成体からなり、
上記ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面において、上記外周部の接着材層のうち、少なくとも1つの接着材層は、上記中央部の角部から上記ハニカム構造体の外周側面に向かう方向に形成されており、かつ、
上記中央部の角部から上記ハニカム構造体の外周側面に向かう方向に形成されている接着材層は、上記中央部における角部以外の部分から上記ハニカム構造体の外周側面に向かう方向に形成されている接着材層の少なくとも1つと40〜50°の角をなすことを特徴とするハニカム構造体である。
第三の本発明のハニカム構造体について、以下本明細書においては、上記外周部の接着材層のうち、上記中央部の角部から上記ハニカム構造体の外周側面に向かう方向に形成されている接着材層を「第一の外周部接着材層」ともいい、上記中央部における角部以外の部分から上記ハニカム構造体の外周側面に向かう方向に形成されている接着材層を「第二の外周部接着材層」ともいう。
また、第三の本発明において、ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面における中央部とは、上記中心部ハニカム焼成体、上記中心部ハニカム焼成体同士を結束させる接着材層、及び、上記中心部ハニカム焼成体と上記外周部ハニカム焼成体とを結束させる接着材層が占める領域をいう。
また、ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面における外周部とは、上記外周部ハニカム焼成体、及び、上記外周部ハニカム焼成体同士を結束させる接着材層が占める領域をいう。
第三の本発明のハニカム構造体は、上記中央部と上記外周部とを有し、上記中央部の外側に位置する上記外周部では、上記ハニカム構造体の外周側面の一部を構成する外周部ハニカム焼成体が接着材層を介して複数個結束されている。
ここで、上記ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面において上記外周部ハニカム焼成体同士の間に介在する接着材層のうち、上記中央部の角部から上記ハニカム構造体の外周側面に向かう方向に形成されている接着材層(第一の外周部接着材層)と、上記中央部における角部以外の部分からハニカム構造体の外周側面に向かう方向に形成されている接着材層(第二の外周部接着材層)の少なくとも1つとのなす角が40〜50°である。
そのため、ハニカム構造体の外側からかかる圧縮応力によりハニカム構造体に破損が発生することを防止することができる。
また、上記第一の外周部接着材層が、上記中央部の角部から上記ハニカム構造体の外周側面に向かう方向に形成されているため、上記中央部の角部では、上記中心部ハニカム焼成体と上記外周部ハニカム構造体との間に介在する接着材層の2つと、上記第一の外周部接着材層とが三叉をなしている。
このように、ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面において、接着材層が三叉をなしている部分が存在すると、ハニカム構造体の破損を防止することができる。
第三の本発明において、第一の外周部接着材層と第二の外周部接着材層とのなす角とは、上記第一の外周部接着材層中を通る直線と、上記第二の外周部接着材層中を通る直線とのなす角をいう。
第三の本発明のハニカム構造体において、
上記中央部は、上記接着材層を介して結束された複数個の中心部ハニカム焼成体からなり、
上記ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面において、上記外周部ハニカム焼成体同士の間に介在し、上記中央部における角部以外の部分から上記ハニカム構造体の外周側面に向かう方向に形成されている接着材層の少なくとも1つは、上記中心部ハニカム焼成体同士の間に介在する接着材層のいずれかと直線状をなしていることが望ましい。
このような接着材層は、ハニカム構造体の強度をより向上させるための、所謂、梁として役割を果すことができる。
第四の本発明のハニカム構造体は、
多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体が、接着材層を介して複数個結束されたセラミックブロックからなるハニカム構造体であって、
上記ハニカム焼成体の上記長手方向に垂直な断面の断面積が900〜2500mmで、かつ、上記セラミックブロックの上記長手方向に垂直な断面の断面積が10000〜55000mmであり、
上記ハニカム構造体の上記長手方向に垂直な断面において、上記ハニカム焼成体を通って、上記セラミックブロックの重心から上記セラミックブロックの外縁に至る経路上に存在する接着材層の数は、
上記セラミックブロックの上記長手方向に垂直な断面の断面積が10000mm以上、25000mm未満では、2箇所以下であり、
上記セラミックブロックの上記長手方向に垂直な断面の断面積が25000mm以上、40000mm未満では、3箇所以下であり、
上記セラミックブロックの上記長手方向に垂直な断面の断面積が40000mm以上、55000mm以下では、4箇所以下である、
ことを特徴とするハニカム構造体である。
なお、第四の本発明のハニカム構造体において、上記セラミックブロックの重心から上記セラミックブロックの外縁に至る経路上に存在する接着材層の数を数える際に、セラミックブロックの重心と接着材層とが重なっている場合には、セラミックブロックの重心と重なっている接着材層を1つと数えることとする。
また、第四の本発明のハニカム構造体において、上記セラミックブロックの重心から上記セラミックブロックの外縁に至る経路上に存在する接着材層の数を数える場合、最も接着材層の数が少なくなる経路で、接着材層の数を数えることとする。
第四の本発明のハニカム構造体は、複数のハニカム焼成体が接着材層を介して結束されたセラミックブロックからなり、各ハニカム焼成体の断面積が900〜2500mmで、かつ、セラミックブロックの断面積が10000〜55000mmのハニカム構造体である。
このようなハニカム構造体においては、セラミックブロックの断面積と、ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面で、セラミックブロックの重心から外縁に至る経路上に存在する接着材層の個数とが上記の関係を満たすことにより、接着材層により熱応力を緩和し、ハニカム構造体にクラックや破損が発生することを防止しつつ、ハニカム構造体の中心部と外周部とで温度分布が生じにくく、パティキュレートの燃え残りが生じにくくなる。
即ち、第四の本発明のハニカム構造体は、ハニカム構造体の中心部から外周部に至る経路(熱の主な伝導経路)に存在する接着材層の数を、できるだけ少なくしつつ、接着材層が備える熱応力を緩和する機能を損ねない構成を備えているため、ハニカム構造体の中心部から外周部に向かって熱が伝わりやすく、ハニカム構造体の中心部と外周部とで温度分布が生じにくく、かつ、ハニカム構造体の破損やクラックの発生を防止することができる。
第四の本発明のハニカム構造体において、
上記セラミックブロックの上記長手方向に垂直な断面の形状は、円形であることが望ましい。
セラミックブロックの断面積と、ハニカム構造体断面で、セラミックブロックの重心から外縁に至る経路上に存在する接着材層の個数とが上記の関係を満たすことにより、ハニカム構造体の中心部と外周部とで温度分布が生じにくい効果は、セラミックブロックの断面形状が円形である場合に特に発揮されやすい。
これは、ハニカムブロックの断面の形状が円形である場合には、ハニカムブロックの外周部に断面積が小さいハニカム焼成体が存在し易い傾向があるのに対し、上述した所定の条件を満足することにより、その傾向が回避されるからである。
本明細書において、ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面、セラミックブロックの長手方向に垂直な断面、ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面、又は、ハニカム成形体の長手方向に垂直な断面は、それぞれ単に、ハニカム構造体の断面、セラミックブロックの断面、ハニカム焼成体の断面、又は、ハニカム成形体の断面と表記することもある。
また、本明細書において、ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面の断面積、セラミックブロックの長手方向に垂直な断面の断面積、ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面の断面積、又は、ハニカム成形体の長手方向に垂直な断面の断面積は、それぞれ単に、ハニカム構造体の断面積、セラミックブロックの断面積、ハニカム焼成体の断面積、又は、ハニカム成形体の断面積と表記することもある。
また、本明細書において、中心部ハニカム焼成体とは、ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面において、ハニカム構造体の外縁を構成していないハニカム焼成体をいい、外周部ハニカム焼成体とは、ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面において、ハニカム構造体を外縁を構成するハニカム焼成体をいう。
なお、後述するようにハニカム構造体にコート層が形成されている場合、上記外周部ハニカム焼成体とは、セラミックブロックの外縁を構成するハニカム焼成体をいう。
上述したように、第一〜第三の本発明のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体は、中心部ハニカム焼成体と外周部ハニカム焼成体とに区別される。
ただし、本明細書において、特に2種類のハニカム焼成体を区別する必要がない場合は、単にハニカム焼成体と表記する。
まず、第一の本発明のハニカム構造体の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第一の本発明の第一実施形態)
図1は、第一の本発明の第一実施形態のハニカム構造体を模式的に示す斜視図であり、図2(a)は、第一の本発明の第一実施形態のハニカム構造体における中心部ハニカム焼成体を模式的に示した斜視図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A線断面図である。図3は、第一の本発明の第一実施形態のハニカム構造体における外周部ハニカム焼成体を模式的に示す斜視図である。
図1に示すハニカム構造体100では、図2(a)、(b)に示すような形状の中心部ハニカム焼成体110と、図3に示すような形状の外周部ハニカム焼成体120とが複数個ずつ接着材層101を介して結束されてセラミックブロック103を構成し、さらに、このセラミックブロック103の外周にコート層102が形成されている。
中心部ハニカム焼成体110の断面の形状は正方形である。
外周部ハニカム焼成体120の断面の形状は、3つの線分120a、120b、120cと1つの円弧120dとで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角(線分120bと線分120cとが成す角、及び、線分120aと線分120bとが成す角)がそれぞれ90°と135°である形状である。
また、ハニカム焼成体110、120は、多孔質炭化ケイ素焼結体からなる。
図2(a)、(b)に示す中心部ハニカム焼成体110には、多数のセル111がセル壁113を隔てて長手方向(図2(a)中、矢印aの方向)に並設されており、セル111のいずれかの端部が封止材112で封止されている。従って、一方の端面が開口したセル111に流入した排ガスG(図2(b)中、矢印参照)は、必ずセル111を隔てるセル壁113を通過した後、他方の端面が開口した他のセル111から流出するようになっている。従って、セル壁113がPM等を捕集するためのフィルタとして機能する。
図3に示す外周部ハニカム焼成体120もまた、中心部ハニカム焼成体110と同様、多数のセル121がセル壁123を隔てて長手方向に並設されており、セル121のいずれかの端部が封止材122で封止されている。従って、一方の端面が開口したセル121に流入した排ガスは、必ずセル121を隔てるセル壁123を通過した後、他方の端面が開口した他のセル121から流出するようになっている。
即ち、外周部ハニカム焼成体120は、外観形状が中心部ハニカム焼成体110と異なるものの、その機能は中心部ハニカム焼成体110と同一である。
ハニカム構造体100では、図1に示すように、4個の中心部ハニカム焼成体110がハニカム構造体100の断面の中心部に位置し、4個の中心部ハニカム焼成体110の周囲に8個の外周部ハニカム焼成体120が位置し、ハニカム構造体100(セラミックブロック103)の断面が円形となるように、接着材層101を介して結束されている。
そして、ハニカム構造体100では、外周部ハニカム焼成体120の断面の形状が中心部ハニカム焼成体110の断面の形状と異なり、外周部ハニカム焼成体120の断面積が、中心部ハニカム焼成体110の断面積の0.9〜1.3倍である。
従って、ハニカム構造体100の外周部には、断面積が極めて小さいハニカム焼成体が存在しておらず、当然、このような小さいハニカム焼成体を結束させるための接着材層が不要である。そのため、ハニカム構造体100では、中心部と外周部とで温度分布が生じにくく、再生処理を行った際に、パティキュレートの燃え残りが生じにくくなる。
また、外周部ハニカム焼成体120の断面の形状は、上述したように、3つの線分120a、120b、120cと1つの円弧120dとで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角(線分120bと線分120cとが成す角、及び、線分120aと線分120bとが成す角)がそれぞれ90°と135°である形状であり、外周部ハニカム焼成体120の形状がこのような形状であることも、ハニカム構造体100の外周部に断面積が極めて小さいハニカム焼成体が存在していない要因である。
また、ハニカム構造体100において、中心部ハニカム焼成体110の断面積は、900〜2500mmである。
中心部ハニカム焼成体110の断面積をこのような大きさにすることにより、ハニカム構造体100に再生処理を施した際に、ハニカム構造体100にクラックが発生することを防止することができる。
次に、本実施形態のハニカム構造体の製造方法について説明する。
(1)セラミック粉末とバインダとを含む湿潤混合物を押出成形することによってハニカム成形体を作製する成形工程を行う。
具体的には、まず、セラミック粉末として平均粒子径の異なる炭化ケイ素粉末と、有機バインダと液状の可塑剤と潤滑剤と水とを用いて混合することにより、ハニカム成形体製造用の湿潤混合物を調製する。
続いて、上記湿潤混合物を押出成形機に投入する。上記湿潤混合物を押出成形機に投入し、押出成形することにより所定の形状のハニカム成形体を作製する。
ここで、断面が正方形のハニカム成形体や、断面が3つの線分と1つの円弧とで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角がそれぞれ90°と135°である形状のハニカム成形体を作製するためには、それぞれの形状に応じた押出成形用金型を使用する。
(2)次に、ハニカム成形体を所定の長さに切断し、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いて乾燥させた後、所定のセルに封止材となる封止材ペーストを充填して上記セルを目封じする封止工程を行う。
なお、切断工程、乾燥工程、封止工程の条件は、従来からハニカム焼成体を作製する際に用いられている条件を適用することができる。
(3)次に、ハニカム成形体中の有機物を脱脂炉中で加熱する脱脂工程を行い、焼成炉に搬送し、焼成工程を行ってハニカム焼成体を作製する。
なお、脱脂工程及び焼成工程の条件としては、従来からハニカム焼成体を作製する際に用いられている条件を適用することができる。
以上の工程によって、中心部ハニカム焼成体と外周部ハニカム焼成体とを製造することができる。
(4)次に、各セルの所定の端部が封止された中心部ハニカム焼成体及び外周部ハニカム焼成体のそれぞれの所定の側面に、接着材ペーストを塗布して接着材ペースト層を形成し、この接着材ペースト層の上に、順次他のハニカム焼成体を積層する工程を繰り返して所定数のハニカム焼成体が結束されたセラミックブロックを作製する結束工程を行う。
ここで接着材ペーストとしては、例えば、無機バインダと有機バインダと無機粒子とからなるものを使用する。また、上記接着材ペーストはさらに無機繊維及び/又はウィスカを含んでいてもよい。
(5)次に、円柱状としたセラミックブロックの外周に、コート材ペーストを塗布し、乾燥、固化してコート層を形成するコート層形成工程を行う。
ここでコート材ペーストとしては、上記接着材ペーストと同様のペーストを使用する。なお、コート材ペーストとして、上記接着剤ペーストとは異なる組成のペーストを使用してもよい。
なお、コート層は必ずしも設ける必要はなく、必要に応じて設ければよい。
以上の工程によって、本実施形態のハニカム構造体を製造することができる。
以下、本実施形態のハニカム構造体の作用効果について列挙する。
(1)本実施形態のハニカム構造体では、外周部ハニカム焼成体120の断面の形状が中心部ハニカム焼成体110の断面の形状と異なり、外周部ハニカム焼成体120の断面積が、中心部ハニカム焼成体110の断面積の0.9〜1.3倍である。そのため、ハニカム構造体の外周部には、断面積が極めて小さいハニカム焼成体が存在しておらず、このような小さいハニカム焼成体を結束させるための接着材層が不要であるため、ハニカム構造体の中心部と外周部とで温度分布が生じにくく、再生処理を行った際に、パティキュレートの燃え残りが生じにくくなる。
(2)本実施形態のハニカム構造体では、外周部ハニカム焼成体の断面の形状が、3つの線分と1つの円弧とで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角がそれぞれ90°と135°である形状である。そのため、外周部ハニカム焼成体の断面積が、中心部ハニカム焼成体の断面積に比べて、極端に小さくなりにくく、断面積の小さいハニカム焼成体を結束させるための接着材層が不要であるため、ハニカム構造体の中心部と外周部とで温度分布が生じにくく、再生処理を行った際に、パティキュレートの燃え残りが生じにくくなる。
(3)本実施形態のハニカム構造体では、上記中心部ハニカム焼成体の断面積が、900〜2500mmである。そのため、再生処理を行った際に、ハニカム焼成体にクラックが発生しない。
(4)本実施形態のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体は、各セルのいずれか一方の端部が封止材で封止されている。そのため、本実施形態のハニカム構造体は、ディーゼルパティキュレートフィルタとして好適に使用することができる。
(5)本実施形態のハニカム構造体では、セラミックブロックの外周側面にコート層を形成しているため、ハニカム構造体の外周側面からのパティキュレートの漏れを防止することができる。
(実施例1−1)
以下、第一の本発明の第一実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、第一の本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(1)平均粒子径22μmを有する炭化ケイ素の粗粉末52.8重量%と、平均粒子径0.5μmの炭化ケイ素の微粉末22.6重量%とを混合し、得られた混合物に対して、アクリル樹脂2.1重量%、有機バインダ(メチルセルロース)4.6重量%、潤滑剤(日本油脂社製 ユニルーブ)2.8重量%、グリセリン1.3重量%、及び、水13.8重量%を加えて混練して湿潤混合物を得た後、押出成形する成形工程を行った。
本工程では、図2(a)、(b)に示した中心部ハニカム焼成体110と略同様の形状であって、セルの目封じをしていない生のハニカム成形体と、図3に示した外周部ハニカム焼成体120と略同様の形状であって、セルの目封じをしていない生のハニカム成形体とを作製した。
(2)次いで、マイクロ波乾燥機を用いて上記生のハニカム成形体を乾燥させ、ハニカム成形体の乾燥体とした後、上記湿潤混合物と同様の組成のペーストを所定のセルに充填し、再び乾燥機を用いて乾燥させた。
(3)乾燥させたハニカム成形体を400℃で脱脂する脱脂工程を行い、さらに、常圧のアルゴン雰囲気下2200℃、3時間の条件で焼成工程を行った。
これにより、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.5mm×34.5mm×150mm、セルの数(セル密度)が300個/inch、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の多孔質炭化ケイ素焼結体からなる中心部ハニカム焼成体110と、
気孔率、平均気孔径、セルの数(セル密度)及びセル壁の厚さが中心部ハニカム焼成体110と同一で、断面が3つの線分と1つの円弧とで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角がそれぞれ90°と135°である形状(線分120a=20.8mm、線分120b=35.0mm、線分120c=35.7mm)の外周部ハニカム焼成体120とを製造した。
なお、中心部ハニカム焼成体110の断面積は、1190mmであり、外周部ハニカム焼成体120の断面積は、1292mmである。従って、外周部ハニカム焼成体120の断面積は、中心部ハニカム焼成体110の断面積の1.09倍である。
(4)中心部ハニカム焼成体110、及び、外周部ハニカム焼成体120の所定の側面に接着材ペーストを塗布し、この接着材ペーストを介して中心部ハニカム焼成体110を4個と、外周部ハニカム焼成体120を8個とを図4に示した配置になるように接着させ、さらに、180℃、20分で接着材ペーストを固化させることにより、接着材層の厚さが1mmで円柱状のセラミックブロック103を作製した。
ここで、接着材ペーストとしては、平均粒径0.6μmの炭化ケイ素粒子30.0重量%、シリカゾル21.4重量%、カルボキシメチルセルロース8.0重量%、及び、水40.6重量%からなる接着材ペーストを使用した。
(5)上記(4)の工程で使用した接着材ペーストと同じ組成のコート材ペーストを用いて、セラミックブロック103の外周にコート材ペースト層を形成した。その後、このコート材ペースト層を120℃で乾燥して、外周にコート層102が形成された直径143.8mm×長さ150mmの円柱状のハニカム構造体を製造した。
実施例1で製造したハニカム構造体100の断面の形状は、図4に示す通りである。
(実施例1−2)
実施例1−1の(1)〜(3)の工程を経て作製する中心部ハニカム焼成体110及び外周部ハニカム焼成体120の大きさを下記の大きさに変更した以外は、実施例1−1と同様にしてハニカム構造体を製造した。
即ち、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが36.7mm×36.7mm×150mm、セルの数(セル密度)が300個/inch、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の多孔質炭化ケイ素焼結体からなる中心部ハニカム焼成体110と、
気孔率、平均気孔径、セルの数(セル密度)及びセル壁の厚さが中心部ハニカム焼成体110と同一で、断面が3つの線分と1つの円弧とで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角がそれぞれ90°と135°である形状(線分120a=17.7mm、線分120b=37.2mm、線分120c=33.5mm)の外周部ハニカム焼成体120とを製造した。
なお、中心部ハニカム焼成体110の断面積は、1347mmであり、外周部ハニカム焼成体120の断面積は、1215mmである。従って、外周部ハニカム焼成体120の断面積は、中心部ハニカム焼成体110の断面積の0.90倍である。
(実施例1−3)
実施例1−1の(1)〜(3)の工程を経て作製する中心部ハニカム焼成体110及び外周部ハニカム焼成体120の大きさを下記の大きさに変更した以外は、実施例1−1と同様にしてハニカム構造体を製造した。
即ち、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが32.4mm×32.4mm×150mm、セルの数(セル密度)が300個/inch、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の多孔質炭化ケイ素焼結体からなる中心部ハニカム焼成体110と、
気孔率、平均気孔径、セルの数(セル密度)及びセル壁の厚さが中心部ハニカム焼成体110と同一で、断面が3つの線分と1つの円弧とで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角がそれぞれ90°と135°である形状(線分120a=23.8mm、線分120b=32.9mm、線分120c=37.8mm)の外周部ハニカム焼成体120とを製造した。
なお、中心部ハニカム焼成体110の断面積は、1050mmであり、外周部ハニカム焼成体120の断面積は、1363mmである。従って、外周部ハニカム焼成体120の断面積は、中心部ハニカム焼成体110の断面積の1.30倍である。
(比較例1−1)
(1)実施例1−1の(1)〜(3)の工程と同様の工程を行うことにより、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.5mm×34.5mm×150mm、セルの数(セル密度)が300個/inch、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の多孔質炭化ケイ素焼結体からなるハニカム焼成体を作製した。
(2)ハニカム焼成体の所定の側面に接着材ペーストを塗布し、この接着材ペーストを介してハニカム焼成体を16個接着し、さらに、180℃、20分で接着材ペーストを固化させることにより、接着材層の厚さが1mmで角柱状のハニカム焼成体の集合体を作製した。
ここで、接着材ペーストとしては、実施例1−1で使用した接着材ペーストと同一の接着材ペーストを使用した。
次に、ハニカム焼成体の集合体の外周をダイヤモンドカッターを用いて研削し、円柱状のセラミックブロックを作製した。
続いて、接着材ペーストと同じ材料からなるコート材ペーストを用いて、セラミックブロックの外周部にコート材ペースト層を形成した。そして、このコート材ペースト層を120℃で乾燥して、外周にコート層が形成された直径143.8mm×長さ150mmの円柱状のハニカム構造体を製造した。
比較例1−1で製造したハニカム構造体の断面の形状は、図5に示す通りである。
図5は、比較例1−1で製造したハニカム構造体400の断面図であり、図5中、410は中心部ハニカム焼成体、420及び430は外周部ハニカム焼成体、401は接着材層、402はコート層、403はセラミックブロックを示す。
そして、ハニカム構造体400では、中心部ハニカム焼成体410の断面積が1190.5mmであり、外周部ハニカム焼成体420の断面積が1095mmであり、外周部ハニカム焼成体430の断面積が357mmである。
従って、外周部ハニカム焼成体420の断面積は、中心部ハニカム焼成体410の断面積の0.92倍であり、外周部ハニカム焼成体430の断面積は、中心部ハニカム焼成体410の断面積の0.30倍である。
(比較例1−2)
実施例1−1の(1)〜(3)の工程を経て作製する中心部ハニカム焼成体110及び外周部ハニカム焼成体120の大きさを下記の大きさに変更した以外は、実施例1−1と同様にしてハニカム構造体を製造した。
即ち、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが31.5mm×31.5mm×150mm、セルの数(セル密度)が300個/inch、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の多孔質炭化ケイ素焼結体からなる中心部ハニカム焼成体110と、
気孔率、平均気孔径、セルの数(セル密度)及びセル壁の厚さが中心部ハニカム焼成体110と同一で、断面が3つの線分と1つの円弧とで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角がそれぞれ90°と135°である形状(線分120a=25.0mm、線分120b=32.0mm、線分120c=38.2mm)の外周部ハニカム焼成体120とを製造した。
なお、中心部ハニカム焼成体110の断面積は、992mmであり、外周部ハニカム焼成体120の断面積は、1392mmである。従って、外周部ハニカム焼成体120の断面積は、中心部ハニカム焼成体110の断面積の1.40倍である。
(ハニカム構造体の評価)
実施例1−1〜1−3及び比較例1−1、1−2で製造したハニカム構造体のそれぞれについて、下記の方法で再生処理を施すとともに、再生処理前後の重量差に基づき、下記の方法で再生率(%)を測定した。
ここでは、再生率が小さいほど、再生処理において、パティキュレートの燃え残りが発生していることとなる。
(再生処理)
実施例1−1〜1−3及び比較例1−1、1−2のハニカム構造体をそれぞれ、2Lのエンジンの排気通路に配置し、さらにハニカム構造体よりガス流入側に、市販のコージェライトからなるハニカム構造体の触媒担持体(直径:200mm、長さ:100mm、セル密度:400セル/inch、白金担持量:5g/L)を設置して排気ガス浄化装置とし、エンジンを回転数3000min−1、トルク50Nmでパティキュレートを7時間捕集した。パティキュレートの捕集量は、8g/Lであった。
その後、エンジンを回転数1250min−1、トルク60Nmとし、フィルタの温度が一定となった状態で、1分間保持した後、ポストインジェクションを行い、前方にある酸化触媒を利用して排気温度を上昇させ、パティキュレートを燃焼させた。
上記ポストインジェクションの条件は、開始1分間後からハニカム構造体に流入する排ガスの温度が600℃でほぼ一定になるように設定した。
(再生率の算出)
パティキュレート捕集前のハニカム構造体の初期重量をW、パティキュレート捕集後、再生処理前のハニカム構造体の重量をW、再生処理後のハニカム構造体の重量をWとし、下記式(1)より、再生率を算出した。
再生率=[(W−W)−(W−W)]/(W−W)・・・(1)
その結果、実施例1−1のハニカム構造体は、再生率が85%であった。
実施例1−2のハニカム構造体は、再生率が80%であった。
実施例1−3のハニカム構造体は、再生率が88%であった。
一方、比較例1−1のハニカム構造体は、再生率が70%であった。
また、比較例1−2のハニカム構造体は、再生率が90%であったものの、再生処理後に外周部ハニカム焼成体の一部にクラックが発生していた。
なお、実施例1−1〜1−3及び比較例1−1のハニカム構造体では、再生処理後にハニカム焼成体にクラックは発生していなかった。
比較例1−1のハニカム構造体で再生率が低かったのは、再生処理を行った際に、パティキュレートの燃え残りが多量に発生したためであると考えられる。また、比較例1−2のハニカム構造体でクラックが観察されたのは、外周部ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面積が中心部ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面積に比べて大きすぎたためであると考えられる。
(第一の本発明の第二実施形態)
以下、第一の本発明のハニカム構造体の別の一実施形態である第二実施形態について図面を参照しながら説明する。
図6は、第一の本発明の第二実施形態のハニカム構造体の断面図である。
本実施形態のハニカム構造体200では、図6に示すように、中心部ハニカム焼成体210と、外周部ハニカム焼成体220、230とが複数個ずつ接着材層201を介して結束されてセラミックブロック203を構成し、さらに、このセラミックブロック203の外周にコート層202が形成されている。
中心部ハニカム焼成体210の断面の形状は正方形である。
外周部ハニカム焼成体220の断面の形状は、3つの線分220a、220b、220cと1つの円弧220dとで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角(線分220aと線分220bとが成す角、及び、線分220bと線分220cとが成す角)がともに90°である形状である。
外周部ハニカム焼成体230の断面の形状は、3つの線分230a、230b、230cと1つの円弧230dとで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角(線分230bと線分230cとが成す角、及び、線分230aと線分230bとが成す角)がそれぞれ90°と135°である形状である。
即ち、中心部ハニカム焼成体210は、第一実施形態のハニカム構造体を構成する中心部ハニカム焼成体110と同一であり、外周部ハニカム焼成体220、230は、第一実施形態のハニカム構造体を構成する中心部ハニカム焼成体110と、外観形状が異なるものの、その機能は同一である。
また、ハニカム焼成体210、220、230は、多孔質炭化ケイ素焼結体からなる。
ハニカム構造体200では、図6に示すように、9個の中心部ハニカム焼成体210がハニカム構造体200の断面の中心部に位置し、9個の中心部ハニカム焼成体210の周囲に8個の外周部ハニカム焼成体220と、8個の外周部ハニカム焼成体230とが位置し、ハニカム構造体200(セラミックブロック203)の断面が円形となるように、接着材層201を介して結束されている。
そして、ハニカム構造体200では、外周部ハニカム焼成体220、230の断面の形状が中心部ハニカム焼成体210の断面の形状と異なり、外周部ハニカム焼成体220、230の断面積が、中心部ハニカム焼成体210の断面積の0.9〜1.3倍である。
従って、ハニカム構造体200の外周部には、断面積が極めて小さいハニカム焼成体が存在しておらず、当然、このような小さいハニカム焼成体を結束させるための接着材層が不要である。そのため、ハニカム構造体200では、中心部と外周部とで温度分布が生じにくく、再生処理を行った際に、パティキュレートの燃え残りが生じにくくなる。
また、外周部ハニカム焼成体220の断面の形状は、上述したように、3つの線分220a、220b、220cと1つの円弧220dとで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角(線分220aと線分220bとが成す角、及び、線分220bと線分220cとが成す角)がともに90°である形状であり、外周部ハニカム焼成体230の断面の形状は、上述したように、3つの線分230a、230b、230cと1つの円弧230dとで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角(線分230bと線分230cとが成す角、及び、線分230aと線分230bとが成す角)がそれぞれ90°と135°である形状であり、外周部ハニカム焼成体220、230の形状がこのような形状であることも、ハニカム構造体200の外周部に断面積が極めて小さいハニカム焼成体が存在していない要因である。
また、ハニカム構造体200においても、中心部ハニカム焼成体210の断面積は、900〜2500mmである。
この理由は、第一の本発明の第一実施形態で説明した通りである。
次に、本実施形態のハニカム構造体の製造方法について説明する。
本実施形態におけるハニカム構造体の製造方法は、下記の点で異なる以外は、第一の本発明の第一実施形態におけるハニカム構造体の製造方法と同一である。
即ち、第一の本発明の第一実施形態の製造方法の(1)の成形工程で作製するハニカム成形体の形状が、セルのいずれか一方の端部が封止されていない以外は、図6に示した中心部ハニカム焼成体210、及び、外周部ハニカム焼成体220、230と略同一の形状である点、並びに、第一の本発明の第一実施形態の製造方法の(4)の結束工程を行う際に、図6に示したように、中心部ハニカム焼成体210、及び、外周部ハニカム焼成体220、230が位置するように各ハニカム焼成体を結束する点以外は、第一の本発明の第一実施形態におけるハニカム構造体の製造方法と同一の方法を用いることにより、本実施形態のハニカム構造体を製造することができる。
本実施形態のハニカム構造体では、第一の本発明の第一実施形態のハニカム構造体と同様の作用効果を享受することができる。
(実施例1−4)
以下、第一の本発明の第二実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、第一の本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(1)実施例1−1の(1)の成形工程と同様の方法を用いて、図6に示した中心部ハニカム焼成体210、及び、外周部ハニカム焼成体220、230と略同様の形状であって、セルの目封じをしていない生のハニカム成形体を作製した。
(2)次いで、マイクロ波乾燥機を用いて上記生のハニカム成形体を乾燥させ、ハニカム成形体の乾燥体とした後、上記湿潤混合物と同様の組成のペーストを所定のセルに充填し、再び乾燥機を用いて乾燥後のハニカム成形体の充填部分の乾燥を行った。
(3)乾燥させたハニカム成形体を400℃で脱脂する脱脂工程を行い、さらに、常圧のアルゴン雰囲気下2200℃、3時間の条件で焼成工程を行った。
これにより、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.5mm×34.5mm×200mm、セルの数(セル密度)が300個/inch、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の多孔質炭化ケイ素焼結体からなる中心部ハニカム焼成体210と、
気孔率、平均気孔径、セルの数(セル密度)及びセル壁の厚さが中心部ハニカム焼成体210と同一で、断面が3つの線分と1つの円弧とで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角がともに90°である形状(線分220a=45.6mm、線分220b=26.8mm、線分220c=41.8mm)の外周部ハニカム焼成体220と、
気孔率、平均気孔径、セルの数(セル密度)及びセル壁の厚さが中心部ハニカム焼成体210と同一で、断面が3つの線分と1つの円弧とで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角がそれぞれ90°と135°である形状(線分230a=24.9mm、線分230b=24.5mm、線分230c=41.8mm)の外周部ハニカム焼成体230とを製造した。
なお、中心部ハニカム焼成体210の断面積は、1190mmであり、外周部ハニカム焼成体220の断面積は、1226mmであり、外周部ハニカム焼成体230の断面積は、1226mmである。従って、外周部ハニカム焼成体220の断面積は、中心部ハニカム焼成体210の断面積の1.03倍であり、外周部ハニカム焼成体230の断面積は、中心部ハニカム焼成体210の断面積の1.03倍である。
(4)中心部ハニカム焼成体210、及び、外周部ハニカム焼成体220、230の所定の側面に接着材ペーストを塗布し、この接着材ペーストを介して中心部ハニカム焼成体210を9個と、外周部ハニカム焼成体220を8個と、外周部ハニカム焼成体230を8個とを図6に示した配置になるように接着させ、さらに、180℃、20分で接着材ペーストを固化させることにより、接着材層の厚さが1mmで円柱状のセラミックブロック203を作製した。
ここで、接着材ペーストとしては、実施例1−1と同様の接着材ペーストを使用した。
(5)上記(4)の工程で使用した接着材ペーストと同じ組成のコート材ペーストを用いて、セラミックブロック203の外周部にコート材ペースト層を形成した。その後、このコート材ペースト層を120℃で乾燥して、外周にコート層202が形成された直径203.2mm×長さ200mmの円柱状のハニカム構造体200を製造した。
実施例1−4で製造したハニカム構造体の断面の形状は、図6に示す通りである。
実施例1−4で製造したハニカム構造体について、2Lのエンジンに代えて4Lのエンジンを使用した以外は実施例1−1と同様の方法で、再生処理を施し、重量差に基づき再生率を測定した。
その結果、実施例1−4のハニカム構造体の再生率は、82%であった。
(第一の本発明の第三実施形態)
第一の本発明の第一及び第二実施形態のハニカム構造体を製造する方法では、予め、所定の形状に成形されたハニカム焼成体を作製してハニカム構造体を製造しているが、第一の本発明の実施形態のハニカム構造体は、例えば、下記のような方法を用いて作製してもよい。
以下、第一実施形態のハニカム構造体を製造する場合を例に、第一の本発明の実施形態のハニカム構造体の別の製造方法について説明する。
図7(a)及び(b)は、第一の本発明の第三実施形態に係るハニカム構造体の製造方法の一例を説明するための断面図である。
(1)第一の本発明の第一実施形態の(1)〜(3)と同様の方法を用いて、各セルのいずれか一方の端部が封止されたハニカム焼成体を作製する。
この際、断面の形状が四角形の中心部ハニカム焼成体310と、断面の形状が台形の外周部ハニカム焼成体320′とを作製する(図7(a)参照)。
(2)次に、中心部ハニカム焼成体310と、外周部ハニカム焼成体320′とを図7(a)に示すように位置するように、第一実施形態の(4)と同様、接着材ペースト層を介して結束させ、さらに、接着材ペースト層を固化させることによりハニカム焼成体の集合体303′を作製する。
(3)次に、ハニカム焼成体の集合体303′の側面をダイヤモンドカッター等を用いて加工して円柱状にする外周加工工程を行い、中心部ハニカム焼成体310と外周部ハニカム焼成体320とが接着材層301を介して結束されたセラミックブロック303を製造する(図7(b)参照)。
その後、必要に応じて、セラミックブロック303の外周側面にコート層(図示せず)を形成し、ハニカム構造体を完成する。
(第一の本発明のその他の実施形態)
第一の本発明の実施形態のハニカム構造体の断面の形状は、円形に限定されるものでなく、例えば、楕円形や、長円形、レーストラック形状等であってもよい。
図8は、第一の本発明の他の実施形態のハニカム構造体の断面図である。
図8に示すハニカム構造体の断面の形状は、楕円形である。
図8に示すハニカム構造体500では、中心部ハニカム焼成体510と、外周部ハニカム焼成体520、530、540とが複数個ずつ接着材層501を介して結束されてセラミックブロック503を構成し、さらに、このセラミックブロック503の外周にコート層502が形成されている。
中心部ハニカム焼成体510の断面の形状は正方形である。
外周部ハニカム焼成体520の断面の形状は、3つの線分520a、520b、520cと1つの楕円弧520dとで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角(線分520aと線分520bとが成す角、及び、線分520bと線分520cとが成す角)がともに90°である形状である。
外周部ハニカム焼成体530の断面の形状は、3つの線分530a、530b、530cと1つの楕円弧530dとで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角(線分530bと線分530cとが成す角、及び、線分530aと線分530bとが成す角)がそれぞれ90°と135°である形状である。
外周部ハニカム焼成体540の断面の形状は、3つの線分540a、540b、540cと1つの楕円弧540dとで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角(線分540aと線分540bとが成す角、及び、線分540bと線分540cとが成す角)がともに135°である形状である。
即ち、中心部ハニカム焼成体510は、第一実施形態のハニカム構造体を構成する中心部ハニカム焼成体110と同一であり、外周部ハニカム焼成体520、530、540は、第一実施形態のハニカム構造体を構成する中心部ハニカム焼成体110と、外観形状が異なるものの、その機能は同一である。
ハニカム構造体500は、接着材層501を介して結束された3個の中心部ハニカム焼成体510と、3個の中心部ハニカム焼成体510の周囲に位置する2個の外周部ハニカム焼成体520、4個の外周部ハニカム焼成体530、及び、2個の外周部ハニカム焼成体540とからなり、ハニカム構造体500(セラミックブロック503)の断面が楕円形となるように、接着材層501を介して結束されている。
そして、ハニカム構造体500では、外周部ハニカム焼成体520、530、540のそれぞれの断面積が、中心部ハニカム焼成体510の断面積の0.9〜1.3倍である。
図9は、第一の本発明の他の実施形態のハニカム構造体の断面図である。
図9に示すハニカム構造体の断面の形状は、レーストラック形である。
図9に示すハニカム構造体600では、中心部ハニカム焼成体610と、外周部ハニカム焼成体620、630、640とが複数個ずつ接着材層601を介して結束されてセラミックブロック603を構成し、さらに、このセラミックブロック603の外周にコート層602が形成されている。
中心部ハニカム焼成体610の断面の形状は正方形である。
外周部ハニカム焼成体620の断面の形状は長方形である。
外周部ハニカム焼成体630の断面の形状は、3つの線分630a、630b、630cと1つの直線と円弧とを組み合わせた曲線630dとで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角(線分630bと線分630cとが成す角、及び、線分630aと線分630bとが成す角)がそれぞれ90°と135°である形状である。
外周部ハニカム焼成体640の断面の形状は、3つの線分640a、640b、640cと1つの円弧640dとで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角(線分640aと線分640bとが成す角、及び、線分640bと線分640cとが成す角)がともに135°である形状である。
即ち、中心部ハニカム焼成体610は、第一実施形態のハニカム構造体を構成する中心部ハニカム焼成体110と同一であり、外周部ハニカム焼成体620、630、640は、第一実施形態のハニカム構造体を構成する中心部ハニカム焼成体110と、外観形状が異なるものの、その機能は同一である。
ハニカム構造体600では、接着材層601を介して結束された3個の中心部ハニカム焼成体610と、3個の中心部ハニカム焼成体610の周囲に位置する2個の外周部ハニカム焼成体620、4個の外周部ハニカム焼成体630、及び、2個の外周部ハニカム焼成体640とからなり、ハニカム構造体600(セラミックブロック603)の断面が、レーストラック形となるように、接着材層601を介して結束されている。
そして、ハニカム構造体600では、外周部ハニカム焼成体620、630、640のそれぞれの断面積が、中心部ハニカム焼成体610の断面積の0.9〜1.3倍である。
このように、第一の本発明の実施形態のハニカム構造体の断面の形状は、図8に示したような楕円形や、図9に示したような、レーストラック形であってもよい。
また、第一の本発明の実施形態のハニカム構造体において、中心部ハニカム焼成体の個数は、複数個に限定されず、1個であってもよい。
具体的には、ハニカム構造体の断面の形状が、図10に示したような形状であってもよい。
図10は、第一の本発明の他の実施形態のハニカム構造体の断面図である。
図10に示したハニカム構造体700の構成は、中心部ハニカム焼成体の個数が異なる以外は、第一実施形態のハニカム構造体100と同一である。
即ち、図10に示したハニカム構造体700では、図1に示したハニカム構造体100の接着材層101を介して結束された4個の中心部ハニカム焼成体110に代えて、1個の中心部ハニカム焼成体710を備えている。
中心部ハニカム焼成体710は、中心部ハニカム焼成体110と比べて、断面積が大きいものの、その機能は同一である。
このようなハニカム構造体700では、外周部ハニカム焼成体720の断面の形状が、
3つの線分720a、720b、720cと1つの円弧720dとで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角(線分720bと線分720cとが成す角、及び、線分720aと線分720bとが成す角)がそれぞれ90°と135°である形状である。
そして、外周部ハニカム焼成体720の断面積は、中心部ハニカム焼成体710の断面積の0.9〜1.3倍である。
このような実施形態のハニカム構造体700においても、第一の本発明の第一実施形態と同様の作用効果を享受することができる。
なお、図10中、701は接着材層、702はコート層、703はセラミックブロックを指す。
なお、第一の本発明の実施形態のハニカム構造体において、ハニカム構造体の断面の形状が円形の場合には、ハニカム構造体の断面における任意の一の直径、この一の直径と直交する他の直径には、それぞれ、4個ずつのハニカム焼成体、又は、5個ずつのハニカム焼成体が重なっていることが望ましい。このような構成を備えるハニカム構造体が、第一の本発明の効果を享受するのに特に適しているからである。
なお、上記一の直径及び上記他の直径に重なるハニカム焼成体の数を数える場合に、上記一の直径及び/又は上記他の直径が接着材層と重なっている場合には、その接着材層に隣接する片側のハニカム焼成体を1個と数える。
そして、ここまで説明した第一の本発明の実施形態において、第一実施形態のハニカム構造体は、一の直径と他の直径とに4個ずつのハニカム焼成体が重なっており(図4参照)、第二実施形態のハニカム構造体は、一の直径と他の直径とに5個ずつのハニカム焼成体が重なっており(図6参照)、図10に示した実施形態のハニカム構造体は、一の直径と他の直径とに3個ずつのハニカム焼成体が重なっていることとなる。従って、これらの3つの実施形態のなかでは、第一及び第二の実施形態がより望ましい実施形態となる。
次に、第二の本発明のハニカム構造体の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第二の本発明の第一実施形態)
図11は、第二の本発明の第一実施形態のハニカム構造体を模式的に示す斜視図である。
図11に示すハニカム構造体1100では、中心部ハニカム焼成体1110と、外周部ハニカム焼成体1120とが複数個ずつ接着材層1101を介して結束されてセラミックブロック1103を構成し、さらに、このセラミックブロック1103の外周にコート層1102が形成されている。
ここで、中心部ハニカム焼成体1110及び外周部ハニカム焼成体1120は、それぞれ第一の本発明の第一実施形態のハニカム構造体100を構成する中心部ハニカム焼成体110及び外周部ハニカム焼成体120のそれぞれと略同様の形状を備え、同一の材質からなるものである。
そして、中心部ハニカム焼成体1110及び外周部ハニカム焼成体1120は、各セルのいずれか一方の端部が封止されている。そのため、セル壁がPM等を捕集するためのフィルタとして機能する。
ハニカム構造体1100では、図11に示すように、4個の中心部ハニカム焼成体1110がハニカム構造体1100の断面の中心部に位置し、4個の中心部ハニカム焼成体1110の周囲に8個の外周部ハニカム焼成体1120が位置し、ハニカム構造体1100(セラミックブロック1103)の断面が円形となるように、接着材層1101を介して結束されている。
そして、ハニカム構造体1100では、セラミックブロック1103の断面において、セラミックブロック1103の断面の中心と同心で、セラミックブロック1103の断面の面積に対して面積比が49%の相似形(円形)1105を描いた際に、全ての外周部ハニカム焼成体1120の一部が相似形1105の内側に位置している。
このように、全ての外周部ハニカム焼成体1120の一部が相似形1105の内側に位置していると、ハニカム構造体1100(セラミックブロック1103)の中心から離れた位置に接着材層を介して孤立して存在する外周部ハニカム焼成体が無いため、ハニカム構造体の中心部と外周部とで温度分布が生じにくくなる。
また、ハニカム構造体1100において、中心部ハニカム焼成体1110の断面積は、900〜2500mmである。
中心部ハニカム焼成体1110の断面積をこのような大きさにすることにより、ハニカム構造体1100に再生処理を施した際に、ハニカム構造体1100にクラックが発生することを防止することができる。
本実施形態のハニカム構造体の製造方法としては、第一の本発明の第一実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様の方法を用いることができる。
以下、本実施形態のハニカム構造体の作用効果について列挙する。
(1)本実施形態のハニカム構造体では、上記セラミックブロックの断面において、セラミックブロックの断面の中心と同心で、セラミックブロックの断面の面積に対して面積比が49%の相似形を描いた際に、上記外周部ハニカム焼成体の一部が必ず上記相似形の内側に位置している。
そのため、ハニカム構造体の断面において、上記相似形の外側のみに位置する外周部ハニカム焼成体は存在しておらず、上記ハニカム構造体の中心部と外周部とで温度分布が生じにくく、再生処理を行った際にパティキュレートの燃え残りが生じにくくなる。
(2)本実施形態のハニカム構造体では、上記中心部ハニカム焼成体の断面積が、900〜2500mmである。そのため、再生処理を行った際に、ハニカム焼成体にクラックが発生しない。
(3)本実施形態のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体は、各セルのいずれか一方の端部が封止材で封止されている。そのため、本実施形態のハニカム構造体は、ディーゼルパティキュレートフィルタとして好適に使用することができる。
(4)本実施形態のハニカム構造体では、セラミックブロックの外周側面にコート層を形成しているため、ハニカム構造体の外周側面からのパティキュレートの漏れを防止することができる。
(実施例2−1)
以下、第二の本発明の第一実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、第二の本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(1)実施例1−1の(1)〜(3)の工程と同様にして、ハニカム焼成体を作成した。
これにより、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.5mm×34.5mm×150mm、セルの数(セル密度)が300個/inch、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の多孔質炭化ケイ素焼結体からなる中心部ハニカム焼成体1110と、
気孔率、平均気孔径、セルの数(セル密度)及びセル壁の厚さが中心部ハニカム焼成体1110と同一で、断面が3つの線分と1つの円弧とで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角がそれぞれ90°と135°である形状(線分1120a=20.8mm、線分1120b=35.0mm、線分1120c=35.7mm)の外周部ハニカム焼成体1120とを製造した。
(2)次に、実施例1−1の(4)及び(5)の工程と同様の方法を用いて、外周にコート層1102が形成されたハニカム構造体1100を製造した。
ハニカム構造体1100の形状は、直径143.8mm×長さ150mmの円柱状である。
実施例2−1で製造したハニカム構造体1100の断面の形状は、図12に示す通りである。
そして、ハニカム構造体1100では、セラミックブロック1103の断面において、セラミックブロック1103の断面の中心と同心で、セラミックブロック1103の断面の面積に対して面積比が49%の相似形1105を描いた際に、外周部ハニカム焼成体1120の一部が必ず相似形1105の内側に位置している(図12参照)。
(比較例2−1)
比較例1−1と同様のハニカム構造体を作製した。
比較例2−1で製造したハニカム構造体の断面の形状は、図13に示す通りである。
図13は、比較例2−1で製造したハニカム構造体1400の断面図であり、図13中、1410は中心部ハニカム焼成体、1420及び1430は外周部ハニカム焼成体、1401は接着材層、1402はコート層、1403はセラミックブロックを示す。
そして、ハニカム構造体1400では、セラミックブロック1403の断面において、セラミックブロック1403の断面の中心と同心で、セラミックブロック1403の断面の面積に対して面積比が49%の相似形1405を描いた際に、外周部ハニカム焼成体1430が相似形1405の外側にのみ位置している。
(ハニカム構造体の評価)
実施例1−1と同様にして評価したところ、実施例2−1のハニカム構造体の再生率は、85%であり、比較例2−1のハニカム構造体の再生率は、70%であった。
これは、比較例2−1のハニカム構造体では、再生処理を行った際に、パティキュレートの燃え残りが多量に発生したためであると考えられる。
(第二の本発明の第二実施形態)
図14は、第二の本発明の第二実施形態のハニカム構造体の断面図である。
本実施形態のハニカム構造体1200では、図14に示すように、中心部ハニカム焼成体1210と、外周部ハニカム焼成体1220、1230とが複数個ずつ接着材層1201を介して結束されてセラミックブロック1203を構成し、さらに、このセラミックブロック1203の外周にコート層1202が形成されている。
ここで、中心部ハニカム焼成体1210及び外周部ハニカム焼成体1220、1230は、それぞれ第一の本発明の第二実施形態のハニカム構造体200を構成する中心部ハニカム焼成体210及び外周部ハニカム焼成体220、230のそれぞれと略同様の形状を備え、同一の材質からなるものである。
ハニカム構造体1200では、図14に示すように、9個の中心部ハニカム焼成体1210がハニカム構造体1200の断面の中心部に位置し、9個の中心部ハニカム焼成体1210の周囲に8個の外周部ハニカム焼成体1220と、8個の外周部ハニカム焼成体1230とが位置し、ハニカム構造体1200(セラミックブロック1203)の断面が円形となるように、接着材層1201を介して結束されている。
そして、ハニカム構造体1200では、セラミックブロック1203の断面において、セラミックブロックの断面の中心と同心で、セラミックブロックの断面の面積に対して面積比が49%の相似形(円形)1205を描いた際に、全ての外周部ハニカム焼成体1220、1230の一部が相似形1205の内側に位置している。
このように、全ての外周部ハニカム焼成体1220、1230の一部が相似形1205の内側に位置していると、ハニカム構造体1200(セラミックブロック1203)の中心から離れた位置に接着材層を介して孤立して存在する外周部ハニカム焼成体が無いため、ハニカム構造体の中心部と外周部とで温度分布が生じにくくなる。
また、ハニカム構造体1200においても、中心部ハニカム焼成体1210の断面積は、900〜2500mmである。
本実施形態のハニカム構造体の製造方法としては、第一の本発明の第二実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様の方法を用いることができる。
本実施形態のハニカム構造体では、第二の本発明の第一実施形態のハニカム構造体と同様の作用効果を享受することができる。
(実施例2−2)
以下、第二の本発明の第二実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、第二の本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
(1)実施例1−4の(1)〜(3)の工程と同様にして、ハニカム焼成体を作成した。
これにより、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.5mm×34.5mm×150mm、セルの数(セル密度)が300個/inch、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の多孔質炭化ケイ素焼結体からなる中心部ハニカム焼成体1210と、
気孔率、平均気孔径、セルの数(セル密度)及びセル壁の厚さが中心部ハニカム焼成体1210と同一で、断面が3つの線分と1つの円弧とで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角がともに90°である形状(線分1220a=45.6mm、線分1220b=26.8mm、線分1220c=41.8mm)の外周部ハニカム焼成体1220と、
気孔率、平均気孔径、セルの数(セル密度)及びセル壁の厚さが中心部ハニカム焼成体1210と同一で、断面が3つの線分と1つの円弧とで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角がそれぞれ90°と135°である形状(線分1230a=24.9mm、線分1230b=24.5mm、線分1230c=41.8mm)の外周部ハニカム焼成体1230とを製造した。
(2)次に、実施例1−4の(4)及び(5)の工程と同様の方法を用いて、外周にコート層1202が形成されたハニカム構造体1200を製造した。
ハニカム構造体1200の形状は、直径203.2mm×長さ150mmの円柱状である。
実施例2−2で製造したハニカム構造体1200の断面の形状は、図14に示す通りである。
そして、ハニカム構造体1200では、セラミックブロック1203の断面において、セラミックブロックの断面の中心と同心で、セラミックブロックの断面の面積に対して面積比が49%の相似形1205を描いた際に、外周部ハニカム焼成体1220、1230の一部が必ず相似形1205の内側に位置している(図14参照)。
実施例1−4と同様にして評価したところ、実施例2−2のハニカム構造体の再生率は、82%であった。
(第二の本発明のその他の実施形態)
第二の本発明の第一及び第二実施形態のハニカム構造体は、例えば、第一の本発明の第三実施形態の方法と同様の方法で作製してもよい。
第二の本発明の実施形態のハニカム構造体において、外周部ハニカム焼成体は、必ずしも断面の形状が全て同一である必要はない。
即ち、第二の本発明の実施形態では、セラミックブロックの断面において、セラミックブロックの断面の中心と同心で、セラミックブロックの断面の面積に対して面積比が49%の相似形を描いた際に、各外周部ハニカム焼成体の一部が必ず上記相似形の内側に位置するのではあれば、各外周部ハニカム焼成体の断面の形状は、全て同一でなくてもよい。
具体的には、ハニカム構造体の断面の形状が図15(a)や図15(b)に示したような形状であってもよい。
図15(a)及び図15(b)は、それぞれ第二の本発明の他の実施形態のハニカム構造体の断面図である。
図15(a)に示したハニカム構造体1500の構成は、外周部ハニカム焼成体1520、1530の断面の形状が異なる以外は、第二の本発明の第一実施形態のハニカム構造体1100と同一である。
即ち、図15(a)に示したハニカム構造体1500では、接着材層1501を介して結束された4個の中心部ハニカム焼成体1510の周囲に、4個のハニカム焼成体1520と4個のハニカム焼成体1530とが接着材層1501を介して結束され、セラミックブロック1503を構成している。
そして、セラミックブロック1503の周囲には、コート層1502が形成されている。
外周部ハニカム焼成体1520の断面の形状は、2つの線分1520a、1520bと1つの円弧1520cとで囲まれ、この2つの線分よりなる角(線分1520aと線分1520bとが成す角)が90°である形状である。
外周部ハニカム焼成体1530の断面の形状は、3つの線分1530a、1530b、1530cと1つの円弧1530dとで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角(線分1530bと線分1530cとが成す角、及び、線分1530aと線分1530bとが成す角)がともに90°である形状である。
そして、ハニカム構造体1500では、セラミックブロック1503の断面において、セラミックブロックの断面の中心と同心で、セラミックブロックの断面の面積に対して面積比が49%の相似形(円形)1505を描いた際に、全ての外周部ハニカム焼成体1520、1530の一部が相似形1505の内側に位置している。
従って、このような実施形態のハニカム構造体1500においても、第二の本発明の第一実施形態のハニカム構造体と同様の作用効果を享受することができる。
なお、外周部ハニカム焼成体1520、1530は、ハニカム構造体1100の外周部ハニカム焼成体1120と比べて、断面の形状が異なるものの、その機能は同一である。
図15(b)に示したハニカム構造体1600の構成は、外周部ハニカム焼成体1620、1630の配置が異なる以外は、図15(a)に示したハニカム構造体1500の構成と同一である。
即ち、図15(b)に示したハニカム構造体1600では、図15(a)に示したハニカム構造体1500と異なり、外周部ハニカム焼成体1620と外周部ハニカム焼成体1630とが接着材層1601を介して交互に配置されている。
外周部ハニカム焼成体1620、1630のそれぞれは、ハニカム構造体内における位置が異なる以外は、外周部ハニカム焼成体1520、1530のそれぞれと同一である。
そして、ハニカム構造体1600では、セラミックブロック1603の断面において、セラミックブロックの断面の中心と同心で、セラミックブロックの断面の面積に対して面積比が49%の相似形(円形)1605を描いた際に、全ての外周部ハニカム焼成体1620、1630の一部が相似形1605の内側に位置している。
従って、このような実施形態のハニカム構造体1600においても、第二の本発明の第一実施形態のハニカム構造体と同様の作用効果を享受することができる。
なお、図15(b)において、1602はコート層、1610は中心部ハニカム焼成体である。
また、図15(a)及び図15(b)のそれぞれに示した構成のハニカム構造体1500、1600は、断面の形状が異なるハニカム焼成体を必要個数を接着材層を介して結束させて、ハニカム焼成体の集合体を作製した後、その外周を加工することにより製造することができる。
これについて、ハニカム構造体1500を製造する場合を例に、図16(a)、(b)を参照しながらもう少し詳しく説明する。
図16(a)、(b)は、第二の本発明の実施形態のハニカム構造体の製造方法の別の一例を説明するための断面図である。
(1)第一の本発明の第一実施形態の(1)〜(3)と同様の方法を用いて、各セルのいずれか一方の端部が封止されたハニカム焼成体を作製する。
この際、断面の形状が四角形の中心部ハニカム焼成体1510と、断面の形状が四角形の外周部ハニカム焼成体1520′、1530′とを作製する(図16(a)参照)。
なお、中心部ハニカム焼成体1510と、外周部ハニカム焼成体1530′とは同一のハニカム焼成体である。
(2)次に、中心部ハニカム焼成体1510と、外周部ハニカム焼成体1520′、1530′とを図16(a)に示すように位置するように、第一の本発明の第一実施形態の(4)と同様、接着材ペースト層を介して結束させ、さらに、接着材ペースト層を固化させることによりハニカム焼成体の集合体1503′を作製する。
(3)次に、ハニカム焼成体の集合体1503′の側面をダイヤモンドカッター等を用いて加工して円柱状にする外周加工工程を行い、中心部ハニカム焼成体1510と外周部ハニカム焼成体1520、1530とが接着材層1501を介して結束されたセラミックブロック1503を製造する(図16(b)参照)。
その後、必要に応じて、セラミックブロック1503の外周側面にコート層(図示せず)を形成し、ハニカム構造体を完成する。
第二の本発明の実施形態のハニカム構造体の形状は、円柱形状に限定されるものでなく、楕円柱形状であっても良い。
具体的には、例えば、セラミックブロックの断面において、セラミックブロックの断面の中心と同心で、セラミックブロックの断面の面積に対して面積比が49%の相似形(楕円形)を描いた際に、全ての外周部ハニカム焼成体の一部が相似形の内側に位置しているハニカム構造体であれば、図8に示したような断面形状を有する楕円柱形状のハニカム構造体であってもよい。
楕円柱形状のハニカム構造体においても、全ての外周部ハニカム焼成体の一部が上記相似形の内側に位置していると、ハニカム構造体(セラミックブロック)の断面において、重心から離れた位置に接着材層を介して孤立して存在する外周部ハニカム焼成体が無いため、ハニカム構造体の中心部と外周部とで温度分布が生じにくくなるからである。
次に、第三の本発明のハニカム構造体の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第三の本発明の第一実施形態)
図17は、第三の本発明の第一実施形態のハニカム構造体を模式的に示す斜視図である。
図18は、図17のA−A線断面図である。
図17、図18に示すハニカム構造体2100では、中心部ハニカム焼成体2110と、外周部ハニカム焼成体2120とが複数個ずつ接着材層2101(2101A〜2101D)を介して結束されてセラミックブロック2103を構成し、さらに、このセラミックブロック2103の外周にコート層2102が形成されている。
ここで、中心部ハニカム焼成体2110及び外周部ハニカム焼成体2120は、それぞれ第一の本発明の第一実施形態のハニカム構造体100を構成する中心部ハニカム焼成体110及び外周部ハニカム焼成体120のそれぞれと略同様の形状を備え、同一の材質からなるものである。
そして、中心部ハニカム焼成体2110及び外周部ハニカム焼成体2120は、各セルのいずれか一方の端部が封止されている。そのため、セル壁がPM等を捕集するためのフィルタとして機能する。
ハニカム構造体2100では、図17、図18に示すように、4個の中心部ハニカム焼成体2110がハニカム構造体2100の断面の中央部に位置し、4個の中心部ハニカム焼成体2110の周囲に8個の外周部ハニカム焼成体2120が位置し、ハニカム構造体2100(セラミックブロック2103)の断面が円形となるように、接着材層2101を介して結束されている。
そして、接着材層2101Aを介して結束された4個の中心部ハニカム焼成体2110は、ハニカム構造体2100の断面において、中央部を構成し、接着材層2101C、2101Dを介して結束された8個の外周部ハニカム焼成体2120は、ハニカム構造体2100の断面において、外周部を構成する。
このような構成のハニカム構造体2100の断面(図18参照)においては、4個の中心部ハニカム焼成体2110と、中心部ハニカム焼成体2110同士を結束させる接着材層2101Aと、中心部ハニカム焼成体2110と外周部ハニカム焼成体2120とを結束させる接着材層2101Bとが占める領域が中央部であり、8個の外周部ハニカム焼成体2120と外周部ハニカム焼成体2120同士を結束させる接着材層2101C、2101Dとが占める領域が外周部である。
そして、ハニカム構造体2100は、その断面において、中央部の角部からハニカム構造体2100の外周側面に向かう方向に形成されている接着材層(第一の外周部接着材層)2101Cと、中央部における角部以外の部分からハニカム構造体2100の外周側面に向かう方向に形成されている接着材層(第二の外周部接着材層)2101Dとが45°の角をなしている。
このように、第一の外周部接着材層と第二の外周部接着材層とが45°をなしていると、ハニカム構造体に破損が発生することを防止することができる。
また、ハニカム構造体2100では、上記中央部の角部において、第一の外周部接着材層2101Cと、中心部ハニカム焼成体2110と外周部ハニカム焼成体2120とを結束させる接着材層2101Bとが三叉をなしている。
このように、ハニカム構造体の断面において、接着材層が三叉をなしている部分が存在すると、ハニカム構造体の破損を防止することができる。
また、ハニカム構造体2100では、その断面において、第二の外周部接着材層2101Dが、中心部ハニカム焼成体2110同士を結束させる接着材層2101Aと直線状をなしている。
このような接着材層は、ハニカム構造体の強度をより向上させるための、所謂、梁としての役割を果すことができる。
本実施形態のハニカム構造体の製造方法としては、第一の本発明の第一実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様の方法を用いることができる。
以下、本実施形態のハニカム構造体の作用効果について列挙する。
(1)本実施形態のハニカム構造体では、第一の外周部接着材層と第二の外周部接着材層との角度が45°をなしているため、ハニカム構造体の外側からかかった圧縮応力によりハニカム構造体に破損が発生することを防止することができる。
(2)本実施形態のハニカム構造体では、ハニカム構造体の断面において、接着材層が三叉をなしている部分が存在しているため、ハニカム構造体の破損を防止することができる。
(3)本実施形態のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体は、各セルのいずれか一方の端部が封止材で封止されている。
そのため、本実施形態のハニカム構造体は、ディーゼルパティキュレートフィルタとして好適に使用することができる。
(4)本実施形態のハニカム構造体では、セラミックブロックの外周側面にコート層を形成しているため、ハニカム構造体の外周側面からのパティキュレートの漏れを防止することができる。
(実施例3−1)
以下、第三の本発明の第一実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、第三の本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(1)実施例1−1の(1)〜(3)の工程と同様にして、ハニカム焼成体を作成した。
これにより、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.5mm×34.5mm×150mm、セルの数(セル密度)が300個/inch、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の多孔質炭化ケイ素焼結体からなる中心部ハニカム焼成体2110と、
気孔率、平均気孔径、セルの数(セル密度)及びセル壁の厚さが中心部ハニカム焼成体110と同一で、断面が3つの線分と1つの円弧とで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角がそれぞれ90°と135°である形状(線分2120a=20.8mm、線分2120b=35.0mm、線分2120c=35.7mm)の外周部ハニカム焼成体2120とを製造した。
(2)次に、実施例1−1の(4)及び(5)の工程と同様の方法を用いて、外周にコート層2102が形成されたハニカム構造体2100を製造した。
ハニカム構造体2100の形状は、直径143.8mm×長さ150mmの円柱状である。
実施例3−1で製造したハニカム構造体2100の断面の形状は、図18に示した通りである。
ハニカム構造体2100では、ハニカム構造体2100の断面において、第一の外周部接着材層2101Cと第二の外周部接着材層2101Dとのなす角は45°である。
また、ハニカム構造体の2100の断面においては、第一の外周部接着材層2101Cと、中央部ハニカム焼成体2110と外周部ハニカム焼成体2120とを結束させる接着材層2101Bとが三叉をなしている部分が存在する。
(比較例3−1)
比較例1−1と同様のハニカム構造体を作製した。
比較例3−1のハニカム構造体2400の断面の形状は、図19に示す通りである。
図19は、比較例3−1で製造したハニカム構造体2400の断面図であり、図19中、2410は中心部ハニカム焼成体、2420及び2430は外周部ハニカム焼成体、2401A〜2401Dは接着材層、2402はコート層、2403はセラミックブロックを示す。
そして、ハニカム構造体2400では、その断面において、第一の外周部接着材層2401Cと第二の外周部接着材層2401Dとは、平行又は90°をなしている。
また、ハニカム構造体2400の断面において、接着材層が三叉をなしている部分は存在しない。
(ハニカム構造体の評価)
自動車技術会(日本)が制定する自動車規格(Japanese Automobile Standards Organization)が規定する「自動車排気ガス浄化触媒用セラミックモノリス担体の試験方法(JASO M 505−87)」に準じて、実施例3−1及び比較例3−1で製造したハニカム構造体について、アイソスタティック強度を測定した。
アイソスタティック強度を測定した結果、実施例3−1のハニカム構造体のアイソスタティック強度は、9MPaであった。
一方、比較例3−1のハニカム構造体のアイソスタティック強度は、6MPaであった。
以上のとおり、第三の本発明の第一実施形態のハニカム構造体は、従来のハニカム構造体(比較例3−1のハニカム構造体)に比べて、ハニカム構造体に破損が発生することを防止するのに適していることが明らかとなった。
(第三の本発明の第二実施形態)
図20は、第三の本発明の第二実施形態のハニカム構造体の断面図である。
本実施形態のハニカム構造体2200では、図20に示すように、中心部ハニカム焼成体2210と、外周部ハニカム焼成体2220、2230とが複数個ずつ接着材層2201A〜2201Dを介して結束されてセラミックブロック2203を構成し、さらに、このセラミックブロック2203の外周にコート層2202が形成されている。
ここで、中心部ハニカム焼成体2210及び外周部ハニカム焼成体2220、2230は、それぞれ第一の本発明の第二実施形態のハニカム構造体200を構成する中心部ハニカム焼成体210及び外周部ハニカム焼成体220、230のそれぞれと略同様の形状を備え、同一の材質からなるものである。
ハニカム構造体2200では、図20に示すように、9個の中心部ハニカム焼成体2210がハニカム構造体2200の断面の中央部に位置し、9個の中心部ハニカム焼成体2210の周囲に8個の外周部ハニカム焼成体2220と、8個の外周部ハニカム焼成体2230とが位置し、ハニカム構造体2200(セラミックブロック2203)の断面が円形となるように、接着材層2201A〜2201Dを介して結束されている。
そして、接着材層2201Aを介して結束された9個の中心部ハニカム焼成体2210は、ハニカム構造体2200の断面において、中央部を構成し、接着材層2201C、2201Dを介して結束された合計16個の外周部ハニカム焼成体2220、2230は、ハニカム構造体2200の断面において、外周部を構成する。
このような構成のハニカム構造体2200の断面においては、9個の中心部ハニカム焼成体2210と、中心部ハニカム焼成体2210同士を結束させる接着材層2201Aと、中心部ハニカム焼成体2210と外周部ハニカム焼成体2220、2230とを結束させる接着材層2201Bとが占める領域が中央部であり、16個の外周部ハニカム焼成体2220、2230と外周部ハニカム焼成体2220、2230同士を結束させる接着材層2201C、2201Dとが占める領域が外周部である。
そして、ハニカム構造体2200は、その断面において、中央部の角部からハニカム構造体2200の外周側面に向かう方向に形成されている接着材層(第一の外周部接着材層)2201Cと、中央部における角部以外の部分からハニカム構造体2200の外周側面に向かう方向に形成されている接着材層(第二の外周部接着材層)2201Dとが45°の角をなしている。
このように、第一の外周部接着材層と第二の外周部接着材層とが45°をなしていると、ハニカム構造体に破損が発生することを防止することができる。
また、ハニカム構造体2200では、上記中央部の角部において、第一の外周部接着材層2201Cと、中心部ハニカム焼成体2210と外周部ハニカム焼成体2220とを結束させる接着材層2201Bとが三叉をなしている。
このように、ハニカム構造体の断面において、接着材層が三叉をなしている部分が存在すると、ハニカム構造体の破損を防止することができる。
本実施形態のハニカム構造体の製造方法としては、第一の本発明の第二実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様の方法を用いることができる。
本実施形態のハニカム構造体では、第三の本発明の第一実施形態のハニカム構造体と同様の作用効果を享受することができる。
(実施例3−2)
以下、第三の本発明の第二実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、第三の本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
(1)実施例1−4の(1)〜(3)の工程と同様の方法を用いて、ハニカム焼成体を作成した。
これにより、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.5mm×34.5mm×200mm、セルの数(セル密度)が300個/inch、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の多孔質炭化ケイ素焼結体からなる中心部ハニカム焼成体2210と、
気孔率、平均気孔径、セルの数(セル密度)及びセル壁の厚さが中心部ハニカム焼成体2210と同一で、断面が3つの線分と1つの円弧とで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角がともに90°である形状(線分2220a=45.6mm、線分2220b=26.8mm、線分2220c=41.8mm)の外周部ハニカム焼成体2220と、
気孔率、平均気孔径、セルの数(セル密度)及びセル壁の厚さが中心部ハニカム焼成体2210と同一で、断面が3つの線分と1つの円弧とで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角がそれぞれ90°と135°である形状(線分2230a=24.9mm、線分2230b=24.5mm、線分2230c=41.8mm)の外周部ハニカム焼成体2230とを製造した。
(2)次に、実施例1−4の(4)及び(5)の工程と同様の方法を用いて、外周にコート層2202が形成されたハニカム構造体2200を製造した。
ハニカム構造体2200の形状は、直径203.2mm×長さ200mmの円柱状である。
実施例3−2で製造したハニカム構造体2200の断面の形状は、図20に示す通りである。
ハニカム構造体2200では、ハニカム構造体2200の断面において、第一の外周部接着材層2201Cと第二の外周部接着材層2201Dとのなす角は45°である。
また、ハニカム構造体の2200の断面においては、第一の外周部接着材層2201Cと、中央部ハニカム焼成体2210と外周部ハニカム焼成体2220とを結束させる接着材層2201Bとが三叉をなしている部分が存在する。
実施例3−2で製造したハニカム構造体について、実施例3−1と同様の方法で、アイソスタティック強度を測定した。
その結果、実施例3−2のハニカム構造体のアイソスタティック強度は、8.5MPaであった。
以上のことから、実施例3−2(第三の本発明の第二実施形態)のハニカム構造体は、ハニカム構造体に破損が発生することを防止するのに適していることが明らかとなった。
(第三の本発明のその他の実施形態)
第三の本発明の第一及び第二実施形態のハニカム構造体は、例えば、第一の本発明の第三実施形態の方法と同様の方法で作製してもよい。
第三の本発明の実施形態のハニカム構造体の断面の形状は、円形に限定されるものでなく、例えば、楕円形や、長円形、レーストラック形等であってもよい。
また、第三の本発明の実施形態のハニカム構造体において、中心部ハニカム焼成体の個数は、複数個に限定されず、1個であってもよい。
具体的には、ハニカム構造体の断面の形状が、図21に示したような形状であってもよい。
図21は、第三の本発明の他の実施形態のハニカム構造体の断面図である。
図21に示したハニカム構造体2700の構成は、中心部ハニカム焼成体の個数が異なる以外は、第三の本発明の第一実施形態のハニカム構造体2100と同一である。
即ち、図21に示したハニカム構造体2700では、図18に示したハニカム構造体2100の接着材層2101Aを介して結束された4個の中心部ハニカム焼成体2110に代えて、1個の中心部ハニカム焼成体2710を備えている。
中心部ハニカム焼成体2710は、中心部ハニカム焼成体2110と比べて、断面積が大きいものの、その機能は同一である。
このようなハニカム構造体2700は、その断面において、第一の外周部接着材層2701Cと、第二の外周部接着材層2701Dとが45°の角をなしている。
また、ハニカム構造体2700では、中央部の角部において、第一の外周部接着材層2701Cと、中心部ハニカム焼成体2710と外周部ハニカム焼成体2720とを結束させる接着材層2701Bとが三叉をなしている。
従って、ハニカム構造体2700では、第三の本発明の第一実施形態の作用効果と同様の作用効果を享受することができる。
なお、図21中、2702はコート層、2703はセラミックブロックを指す。
第三の本発明の実施形態のハニカム構造体の断面において、第一の外周部接着材層と第二の外周部接着材層とがなす角の角度は、45°に限定されるわけではなく、40〜50°であればよい。
第一の外周部接着材層と第二の外周部接着材層とがなす角の角度がこの範囲にあれば、ハニカム構造体の外周面の種々の方向に発生する圧縮応力によるハニカム構造体の破損を防止するのに適しているからである。
また、ここまで説明した第三の本発明の実施形態のハニカム構造体では、第一の外周部接着材層と、第二の外周部接着材層とが形成する角全てが40〜50°をなしているが、本発明の実施形態のハニカム構造体では、第一の外周部接着材層と、第二の外周部接着材層とが形成する角のうち少なくとも1つと40〜50°をなしていればよい。
第三の本発明の実施形態のハニカム構造体において、中心部ハニカム焼成体の断面積は、900〜2500mmであることが望ましい。
中心部ハニカム焼成体の断面積が上記範囲にあると、ハニカム構造体に再生処理を施した際に、ハニカム構造体にクラックが発生しにくくなるからである。
次に、第四の本発明のハニカム構造体の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第四の本発明の第一実施形態)
本実施形態のハニカム構造体は、セラミックブロックの断面積が、10000mm以上、25000mm未満である。
図22は、第四の本発明の第一実施形態のハニカム構造体を模式的に示す斜視図である。図23は、図22のA−A線断面図である。
図22、図23に示すハニカム構造体3100では、ハニカム焼成体3110と、ハニカム焼成体3120とが複数個ずつ接着材層3101を介して結束されてセラミックブロック3103を構成し、さらに、このセラミックブロック3103の外周にコート層3102が形成されている。
ここで、ハニカム焼成体3110及びハニカム焼成体3120は、それぞれ第一の本発明の第一実施形態のハニカム構造体100を構成する中心部ハニカム焼成体110及び外周部ハニカム焼成体120のそれぞれと略同様の形状を備え、同一の材質からなるものである。
そして、ハニカム焼成体3110及びハニカム焼成体3120は、各セルのいずれか一方の端部が封止されている。そのため、セル壁がPM等を捕集するためのフィルタとして機能する。
ハニカム構造体3100では、図22、図23に示すように、接着材層3101を介して結束された4個のハニカム焼成体3110がハニカム構造体3100の断面の中心部に位置し、4個のハニカム焼成体3110の周囲に8個のハニカム焼成体3120が、ハニカム構造体3100(セラミックブロック3103)の断面が円形となるように、接着材層3101を介して結束されている。
そして、ハニカム構造体3100では、その断面において、ハニカム焼成体3110、3120を通って、セラミックブロック3103の重心3103Aからセラミックブロック3103の外縁に至る経路(図23中、矢印参照)上に存在する接着材層の数は、2箇所以下である。
このように、断面積が10000mm以上、25000mm未満のセラミックブロックにおいて、ハニカム焼成体を通って、セラミックブロックの重心からセラミックブロックの外縁に至る経路上に存在する接着材層の数が2箇所以下であると、接着材層により熱応力を緩和し、ハニカム構造体にクラックや破損が発生することを防止することができるとともに、再生処理を施した際に、ハニカム構造体の中心部と外周部とで温度分布が生じにくく、パティキュレートの燃え残りが生じにくくなる。
本実施形態のハニカム構造体の製造方法としては、第一の本発明の第一実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様の方法を用いることができる。
以下、本実施形態のハニカム構造体の作用効果について列挙する。
(1)本実施形態のハニカム構造体では、ハニカム焼成体の断面積が900〜2500mmであり、セラミックブロックの断面積が10000mm以上、25000mm未満であり、ハニカム焼成体を通って、セラミックブロックの重心から上記セラミックブロックの外縁に至る経路上に存在する接着材層の数が2箇所以下である。
そのため、接着材層により熱応力を緩和し、ハニカム構造体にクラックや破損が発生することを防止することができるとともに、再生処理を施した際に、ハニカム構造体の中心部と外周部とで温度分布が生じにくく、パティキュレートの燃え残りが生じにくくなる。
(2)本実施形態のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体は、各セルのいずれか一方の端部に封止材で封止されている。
そのため、本実施形態のハニカム構造体は、ディーゼルパティキュレートフィルタとして好適に使用することができる。
(3)本実施形態のハニカム構造体では、セラミックブロックの外周側面にコート層を形成しているため、ハニカム構造体の外周側面からのパティキュレートの漏れを防止することができる。
(4)本実施形態のハニカム構造体では、セラミックブロックの断面形状が円形であるため、セラミックブロックの断面積と、ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面で、セラミックブロックの重心から外縁に至る経路上に存在する接着材層の個数とが上記の関係を満たすことにより、ハニカム構造体の中心部と外周部とで温度分布が生じにくい効果が発揮されやすい。
(実施例4−1)
以下、第四の本発明の第一実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、第四の本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(1)実施例1−1の(1)〜(3)の工程と同様の方法を用いて、ハニカム焼成体を作成した。
これにより、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.5mm×34.5mm×150mm、セルの数(セル密度)が300個/inch、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の多孔質炭化ケイ素焼結体からなり、断面積が1190mmのハニカム焼成体3110と、
気孔率、平均気孔径、セルの数(セル密度)及びセル壁の厚さがハニカム焼成体3110と同一で、断面が3つの線分と1つの円弧とで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角がそれぞれ90°と135°である形状(線分3120a=20.3mm、線分3120b=34.6mm、線分3120c=34.6mm)であり、断面積が1293mmのハニカム焼成体3120とを製造した。
(2)次に、実施例1−1の(4)及び(5)の工程と同様の方法を用いて、外周にコート層3102が形成されたハニカム構造体3100を製造した。
ハニカム構造体3100の形状は、直径143.8mm×長さ150mmの円柱状である。
実施例4−1で製造したハニカム構造体の断面の形状は、図23に示した通りである。
そして、ハニカム焼成体3110の断面積は、1190mmであり、ハニカム焼成体3120の断面積は、1293mmであり、セラミックブロック3103の断面積は16151mmであり、ハニカム焼成体3110、3120を通って、セラミックブロック3103の重心3103Aからセラミックブロック3103の外縁に至る経路上に存在する接着材層の数が2箇所である。
(比較例4−1)
比較例1−1と同様のハニカム構造体を作製した。
比較例4−1で製造したハニカム構造体の断面の形状は、図24に示す通りである。
図24は、比較例4−1で製造したハニカム構造体3400の断面図であり、図24中、3410、3420及び3430はハニカム焼成体、3401は接着材層、3402はコート層、3403はセラミックブロックを示す。
そして、ハニカム焼成体3410の断面積は、1190mmであり、ハニカム焼成体3420の断面積は、1095mmであり、ハニカム焼成体3430の断面積は、357mmであり、セラミックブロック3403の断面積は16151mmであり、ハニカム焼成体3410、3420を通って、セラミックブロック3403の重心3403Aからセラミックブロック3403の外縁に至る経路上に存在する接着材層の数が2箇所であるものの、ハニカム焼成体3410、3420、3430を通って、セラミックブロック3403の重心3403Aからセラミックブロック3403の外縁に至る経路上に存在する接着材層の数が3箇所である。
(ハニカム構造体の評価)
実施例1−1と同様にして評価したところ、実施例4−1のハニカム構造体は、再生率が85%であった。また、比較例4−1のハニカム構造体は、再生率が70%であった。
これは、比較例4−1のハニカム構造体では、再生処理を行った際に、パティキュレートの燃え残りが多量に発生したためであると考えられる。
(第四の本発明の第二実施形態)
図25は、第四の本発明の第二実施形態のハニカム構造体の断面図である。
本実施形態のハニカム構造体3200は、セラミックブロック3203の断面積が、25000mm以上、40000mm未満である。
本実施形態のハニカム構造体3200では、図25に示すように、ハニカム焼成体3210、3220、3230が複数個ずつ接着材層3201を介して結束されてセラミックブロック3203を構成し、さらに、このセラミックブロック3203の外周にコート層3202が形成されている。
ここで、ハニカム焼成体3210及びハニカム焼成体3220、3230は、それぞれ第一の本発明の第二実施形態のハニカム構造体200を構成する中心部ハニカム焼成体210及び外周部ハニカム焼成体220、230のそれぞれと略同様の形状を備え、同一の材質からなるものである。
そして、ハニカム焼成体3210、3220、3230の断面積は900〜2500mmである。
ハニカム構造体3200では、図25に示すように、接着材層3201を介して結束された9個のハニカム焼成体3210がハニカム構造体3200の断面の中心部に位置し、9個のハニカム焼成体3210の周囲に8個のハニカム焼成体3220と8個のハニカム焼成体3230とが、ハニカム構造体3200(セラミックブロック3203)の断面が円形となるように、接着材層3201を介して結束されている。
そして、ハニカム構造体3200では、その断面において、ハニカム焼成体3210、3220を通って、セラミックブロック3203の重心3203Aからセラミックブロック3203の外縁に至る経路(図25中、矢印参照)上に存在する接着材層の数は、2箇所である。
また、ハニカム構造体3200の断面において、ハニカム焼成体3210、3230を通って、セラミックブロック3203の重心3203Aからセラミックブロック3203の外縁に至る経路(図25中、矢印参照)上に存在する接着材層の数は、3箇所である。
このように、断面積が25000mm以上、40000mm未満のセラミックブロックにおいて、ハニカム焼成体を通って、セラミックブロックの重心からセラミックブロックの外縁に至る経路上に存在する接着材層の数が3箇所以下であると、接着材層により熱応力を緩和し、ハニカム構造体にクラックや破損が発生することを防止することができるとともに、再生処理を施した際に、ハニカム構造体の中心部と外周部とで温度分布が生じにくく、パティキュレートの燃え残りが生じにくくなる。
本実施形態のハニカム構造体の製造方法としては、第一の本発明の第二実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様の方法を用いることができる。
本実施形態のハニカム構造体では、第四の本発明の第一実施形態のハニカム構造体と同様の作用効果を享受することができる。
(実施例4−2)
以下、第四の本発明の第二実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、第四の本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(1)実施例1−4の(1)〜(3)の工程と同様の方法を用いて、ハニカム焼成体を作成した。
これにより、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.5mm×34.5mm×200mm、セルの数(セル密度)が300個/inch、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の多孔質炭化ケイ素焼結体からなり、断面積が1190mmのハニカム焼成体3210と、
気孔率、平均気孔径、セルの数(セル密度)及びセル壁の厚さがハニカム焼成体3210と同一で、断面が3つの線分と1つの円弧とで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角がともに90°である形状(線分3220a=45.6mm、線分3220b=26.8mm、線分3220c=41.8mm)であり、断面積が1226mmのハニカム焼成体3220と、
気孔率、平均気孔径、セルの数(セル密度)及びセル壁の厚さがハニカム焼成体3210と同一で、断面が3つの線分と1つの円弧とで囲まれ、この3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角がそれぞれ90°と135°である形状(線分3230a=24.9mm、線分3230b=24.5mm、線分3230c=41.8mm)であり、断面積が1226mmのハニカム焼成体3230とを製造した。
(2)次に、実施例1−4の(4)及び(5)の工程と同様の方法を用いて、外周にコート層3202が形成されたハニカム構造体3200を製造した。
なお、ハニカム構造体3200において、セラミックブロックの断面積は、32302mmである。また、ハニカム構造体3200の形状は、直径203.2mm×長さ200mmの円柱状である。
実施例4−2で製造したハニカム構造体の断面の形状は、図25に示した通りである。
そして、ハニカム焼成体3210の断面積は、1190mmであり、ハニカム焼成体3220の断面積は、1226mmであり、ハニカム焼成体3230の断面積は、1226mmあり、セラミックブロック3203の断面積は32302mmであり、ハニカム焼成体3210、3220を通って、セラミックブロック3203の重心3203Aからセラミックブロック3203の外縁に至る経路上に存在する接着材層の数が2箇所であり、ハニカム焼成体3210、3230を通って、セラミックブロック3203の重心3203Aからセラミックブロック3203の外縁に至る経路上に存在する接着材層の数が3箇所である。
(比較例4−2)
(1)実施例4−1の(1)の工程と同様の方法を用いて、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.5mm×34.5mm×200mm、セルの数(セル密度)が300個/inch、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の多孔質炭化ケイ素焼結体からなり、断面積が1190mmのハニカム焼成体を製造した。
(2)ハニカム焼成体の所定の側面に接着材ペーストを塗布し、この接着材ペーストを介してハニカム焼成体32個を接着し、さらに、180℃、20分で接着材ペーストを固化させることにより、接着材層の厚さが1mmで角柱状のハニカム焼成体の集合体を作製した。
ここで、接着材ペーストとしては、実施例1−1で使用した接着材ペーストと同様の接着材ペーストを使用した。
次に、ハニカム焼成体の集合体の外周をダイヤモンドカッターを用いて研削し、円柱状で、断面積が32302mmのセラミックブロックを作製した。
続いて、接着材ペーストと同じ材料からなるコート材ペーストを用いて、セラミックブロックの外周部にコート材ペースト層を形成した。
そして、このコート材ペースト層を120℃で乾燥して、外周にコート層が形成された直径203.2mm×長さ200mmの円柱状のハニカム構造体を製造した。
比較例4−2で製造したハニカム構造体の断面の形状は、図26に示した通りである。
図26は、比較例4−2で製造したハニカム構造体4400の断面図であり、図26中、4410、4420及び4430はハニカム焼成体、4401は接着材層、4402はコート層、4403はセラミックブロックを示す。
そして、セラミックブロック4403の断面積は32302mmであり、ハニカム焼成体4410、4420を通って、セラミックブロック4403の重心4403Aからセラミックブロック4403の外縁に至る経路上に存在する接着材層の数が3箇所であり、ハニカム焼成体4410、4430を通って、セラミックブロック4403の重心4403Aからセラミックブロック4403の外縁に至る経路上に存在する接着材層の数が4箇所である。
実施例1−4と同様にして評価したところ、実施例4−2のハニカム構造体は、再生率が82%であった。また、比較例4−2のハニカム構造体は、再生率が65%であった。
(第四の本発明の第三実施形態)
図27は、第四の本発明の第三実施形態のハニカム構造体の断面図である。
本実施形態のハニカム構造体3300は、セラミックブロック3303の断面積が、40000mm以上、55000mm以下である。
本実施形態のハニカム構造体3300では、図27に示すように、ハニカム焼成体3310、3320、3330、3340が複数個ずつ接着材層3301を介して結束されてセラミックブロック3303を構成し、さらに、このセラミックブロック3303の外周にコート層3302が形成されている。
ハニカム焼成体3310、3320の断面の形状は正方形である。
ハニカム焼成体3330の断面の形状は、4つの線分3330a、3330b、3330c、3330dと1つの円弧3330eとで囲まれ、これら4つの線分のうちの2つの線分よりなる角(線分3330aと線分3330bとが成す角、線分3330bと線分3330cとが成す角、及び、線分3330cと線分3330dとが成す角)が全て90°である形状である。
ハニカム焼成体3340の断面の形状は、2つの線分3340a、3340bと1つの円弧3340cとで囲まれ、この2つの線分よりなる角(線分3340aと線分3340bとが成す角)が45°である形状である。
即ち、ハニカム焼成体3310、3320は、第四の本発明の第一実施形態のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体3110と同一であり、ハニカム焼成体3330、3340は、第四の本発明の第一実施形態のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体3110と、外観形状が異なるものの、その機能は同一である。
そして、ハニカム焼成体3310、3320、3330、3340の断面積は900〜2500mmである。
また、ハニカム焼成体3310、3320、3330、3340は、多孔質炭化ケイ素焼結体からなる。
ハニカム構造体3300では、図27に示すように、接着材層3301を介して結束された21個のハニカム焼成体3310がハニカム構造体3300の断面の中心付近に位置し、21個のハニカム焼成体3310の周囲に4個のハニカム焼成体3320と8個のハニカム焼成体3330と8個のハニカム焼成体3340とが、セラミックブロック3303の断面が円形となるように、接着材層3301を介して結束されている。
そして、ハニカム構造体3300では、その断面において、ハニカム焼成体3310、3320を通って、セラミックブロック3303の重心3303Aからセラミックブロック3303の外縁に至る経路(図27中、矢印参照)上に存在する接着材層の数は、3箇所である。
また、ハニカム構造体3300の断面において、ハニカム焼成体3310、3330を通って、セラミックブロック3303の重心3303Aからセラミックブロック3303の外縁に至る経路(図27中、矢印参照)上に存在する接着材層の数は、4箇所である。
また、ハニカム構造体3300の断面において、ハニカム焼成体3310、3340を通って、セラミックブロック3303の重心3303Aからセラミックブロック3303の外縁に至る経路(図8中、矢印参照)上に存在する接着材層の数は、4箇所である。
このように、断面積が40000mm以上、55000mm以下のセラミックブロックにおいて、ハニカム焼成体を通って、セラミックブロックの重心からセラミックブロックの外縁に至る経路上に存在する接着材層の数が4箇所以下であると、接着材層により熱応力を緩和し、ハニカム構造体にクラックや破損が発生することを防止することができるとともに、再生処理を施した際に、ハニカム構造体の中心部と外周部とで温度分布が生じにくく、パティキュレートの燃え残りが生じにくくなる。
次に、本実施形態のハニカム構造体の製造方法について説明する。
図28(a)、(b)は、第四の本発明の第三実施形態のハニカム構造体の製造方法の一例を説明するための断面図である。
(1)第一の本発明の第一実施形態の製造方法の(1)〜(3)の工程と同様の方法を用いて、各セルのいずれか一方の端部が封止されたハニカム焼成体を作製する。
この際、断面の形状が正方形のハニカム焼成体3610と、断面の形状が台形のハニカム焼成体3640′とを作製する(図28(a)参照)。
(2)次に、ハニカム焼成体3610と、ハニカム焼成体3640′とを図28(a)に示すように位置するように、第一の本発明の第一実施形態の製造方法の(4)の工程と同様、接着材ペースト層を介して結束させ、さらに、接着材ペースト層を固化させることによりハニカム焼成体の集合体3603′を作製する。
(3)次に、ハニカム焼成体の集合体3603′の側面をダイヤモンドカッター等を用いて加工して円柱状にする外周加工工程を行い、ハニカム焼成体3610、3620、3630、3640が接着材層3601を介して結束されたセラミックブロック3603を製造する(図28(b)参照)。
その後、必要に応じて、セラミックブロック3603の外周側面にコート層(図示せず)を形成し、ハニカム構造体3600を完成する。
本実施形態のハニカム構造体では、第四の本発明の第一実施形態のハニカム構造体と同様の作用効果を享受することができる。
(実施例4−3)
以下、第四の本発明の第三実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、第四の本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(1)実施例1−1の(1)の成形工程と同様の方法を用いて、図28(a)に示したハニカム焼成体3610、及び、ハニカム焼成体3640′と略同様の形状であって、セルの目封じをしていない生のハニカム成形体を作製した。
(2)次いで、マイクロ波乾燥機を用いて上記生のハニカム成形体を乾燥させ、ハニカム成形体の乾燥体とした後、上記湿潤混合物と同様の組成のペーストを所定のセルに充填し、再び乾燥機を用いて乾燥後のハニカム成形体の充填部を乾燥させた。
(3)乾燥させたハニカム成形体を400℃で脱脂する脱脂工程を行い、さらに、常圧のアルゴン雰囲気下2200℃、3時間の条件で焼成工程を行った。
これにより、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.5mm×34.5mm×250mm、セルの数(セル密度)が300個/inch、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の多孔質炭化ケイ素焼結体からなり、断面積が1190mmのハニカム焼成体3610と、
気孔率、平均気孔径、セルの数(セル密度)及びセル壁の厚さがハニカム焼成体3610と同一で、断面が台形(上底=35.5mm、下底=70.0mm、高さ=34.5mm)のハニカム焼成体3640′とを製造した。
(4)ハニカム焼成体3610、3640′の所定の側面に接着材ペーストを塗布し、この接着材ペーストを介してハニカム焼成体3610を33個と、ハニカム焼成体3640′を8個とを図28(a)に示した配置になるように接着させ、さらに、180℃、20分で接着材ペーストを固化させることにより、ハニカム焼成体の集合体3603′を製造した。
次に、ハニカム焼成体の集合体3603′の外周をダイヤモンドカッターを用いて研削し、略円柱状で、断面積が49400mmのセラミックブロック3603を作製した。
ここで、接着材ペーストとしては、実施例1−1と同様の接着材ペーストを使用した。
(5)上記(4)の工程で使用した接着材ペーストと同じ組成のコート材ペーストを用いて、セラミックブロック3603の外周部にコート材ペースト層を形成した。
その後、このコート材ペースト層を120℃で乾燥して、外周にコート層が形成された直径254mm×長さ250mmの円柱状のハニカム構造体を製造した。
実施例4−3で製造したハニカム構造体の断面の形状は、図27に示した通りである。
そして、ハニカム焼成体3310の断面積は、1190mmであり、ハニカム焼成体3320の断面積は、1190mmであり、ハニカム焼成体3330の断面積は、1066mmあり、ハニカム焼成体3340の断面積は、1093mmあり、セラミックブロック3303の断面積は49400mmであり、ハニカム焼成体3310、3320を通って、セラミックブロック3303の重心3303Aからセラミックブロック3303の外縁に至る経路上に存在する接着材層の数が3箇所であり、ハニカム焼成体3310、3330を通って、セラミックブロック3303の重心3303Aからセラミックブロック3303の外縁に至る経路上に存在する接着材層の数が4箇所であり、ハニカム焼成体3310、3340を通って、セラミックブロック3303の重心3303Aからセラミックブロック3303の外縁に至る経路上に存在する接着材層の数が4箇所である。
(比較例4−3)
(1)実施例4−2の(1)の工程と同様の方法を用いて、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.5mm×34.5mm×250mm、セルの数(セル密度)が300個/inch、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の多孔質炭化ケイ素焼結体からなり、断面積が1190mmのハニカム焼成体を製造した。
(2)ハニカム焼成体の所定の側面に接着材ペーストを塗布し、この接着材ペーストを介して52個のハニカム焼成体を接着し、さらに、180℃、20分で接着材ペーストを固化させることにより、接着材層の厚さが1mmで角柱状のハニカム焼成体の集合体を作製した。
ここで、接着材ペーストとしては、実施例1−1で使用した接着材ペーストと同様の接着材ペーストを使用した。
(3)次に、ハニカム焼成体の集合体の外周をダイヤモンドカッターを用いて研削し、円柱状で、断面積が50511mmのセラミックブロックを作製した。
続いて、接着材ペーストと同じ材料からなるコート材ペーストを用いて、セラミックブロックの外周部にコート材ペースト層を形成した。
そして、このコート材ペースト層を120℃で乾燥して、外周にコート層が形成された直径254.2mm×長さ250mmの円柱状のハニカム構造体を製造した。
比較例4−3で製造したハニカム構造体の断面の形状は、図29に示した通りである。
図29は、比較例4−3で製造したハニカム構造体5400の断面図であり、図29中、5410、5420、5430及び5440はハニカム焼成体、5401は接着材層、5402はコート層、5403はセラミックブロックを示す。
そして、ハニカム焼成体5410の断面積は、1190mmであり、セラミックブロック5403の断面積は50511mmであり、ハニカム焼成体5410、5420を通って、セラミックブロック5403の重心5403Aからセラミックブロック5403の外縁に至る経路上に存在する接着材層の数が4箇所であり、ハニカム焼成体5410、5430を通って、セラミックブロック5403の重心5403Aからセラミックブロック5403の外縁に至る経路上に存在する接着材層の数が5箇所であり、ハニカム焼成体5410、5440を通って、セラミックブロック5403の重心5403Aからセラミックブロック5403の外縁に至る経路上に存在する接着材層の数が5箇所である。
2Lのエンジンを8Lのエンジンに代えた以外は、実施例1−1と同様にして評価したところ、実施例4−3のハニカム構造体は、再生率が85%であった。また、比較例4−3のハニカム構造体は、再生率が72%であった。
(第四の本発明のその他の実施形態)
第四の本発明の第一及び第二実施形態のハニカム構造体は、例えば、第一の本発明の第三実施形態の方法と同様の方法で作製してもよい。
第四の本発明の実施形態のハニカム構造体の断面の形状は、円形に限定されるものでなく、例えば、楕円形や、長円形、レーストラック形等であってもよい。
(第一〜第四の本発明における上記以外の実施形態)
上述した通り、第一〜第四の本発明の実施形態のハニカム構造体としては、各セルのいずれか一方の端部が封止されたハニカム構造体を説明したが、第一〜第四の本発明の実施形態のハニカム構造体は、セルの端部が封止されていなくてもよい。このようなハニカム構造体は、触媒担持体として使用することが可能である。
第一〜第四の本発明の実施形態のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の形状は、特に限定されるものではないが、ハニカム焼成体同士を結束させてハニカム構造体を作製する際に結束しやすい形状であることが好ましく、その断面の形状としては、正方形、長方形、六角形、扇状等が挙げられる。
第一〜第四の本発明の実施形態のハニカム構造体において、接着材ペーストに含まれる無機バインダとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機バインダのなかでは、シリカゾルが望ましい。
上記接着材ペーストに含まれる無機粒子としては、例えば、炭化物、窒化物等からなる無機粒子を挙げることができ、具体的には、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素からなる無機粒子等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機粒子のなかでは、熱伝導性に優れる炭化ケイ素からなる無機粒子が望ましい。
上記接着材ペーストに含まれる無機繊維及び/又はウィスカとしては、例えば、シリカ−アルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ等からなる無機繊維及び/又はウィスカ等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機繊維のなかでは、アルミナファイバが望ましい。
第一〜第四の本発明の実施形態のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の気孔率は特に限定されないが、35〜60%であることが望ましい。
気孔率が35%未満であると、ハニカム構造体をフィルタとして使用した際に、ハニカム構造体がすぐに目詰まりを起こすことがあり、一方、気孔率が60%を超えると、ハニカム焼成体の強度が低下して容易に破壊されることがあるからである。
第一〜第四の本発明の実施形態のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の平均気孔径は5〜30μmであることが望ましい。
平均気孔径が5μm未満であると、ハニカム構造体をフィルタとして使用した際に、パティキュレートが容易に目詰まりを起こすことがあり、一方、平均気孔径が30μmを超えると、パティキュレートが気孔を通り抜けてしまい、該パティキュレートを捕集することができず、ハニカム構造体がフィルタとして機能することができないことがあるからである。
なお、上記気孔率及び気孔径は、例えば、水銀圧入法、アルキメデス法、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定等の従来公知の方法により測定することができる。
第一〜第四の本発明の実施形態のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の断面におけるセル密度は特に限定されないが、望ましい下限は、31.0個/cm(200個/inch)、望ましい上限は、93.0個/cm(600個/inch)、より望ましい下値は、38.8個/cm(250個/inch)、より望ましい上限は、77.5個/cm(500個/inch)である。
また、上記ハニカム構造体を構成するハニカム焼成体のセル壁の厚さは、特に限定されるものではないが、0.1〜0.4mmであることが望ましい。
第一〜第四の本発明の実施形態のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の構成材料の主成分は、炭化ケイ素に限定されるわけではなく、他のセラミック原料として、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、コージェライト、チタン酸アルミニウム等の酸化物セラミック等のセラミック粉末が挙げられる。
これらのなかでは、非酸化物セラミックが好ましく、炭化ケイ素が特に好ましい。耐熱性、機械強度、熱伝導率等に優れるからである。なお、上述したセラミックに金属ケイ素を配合したケイ素含有セラミック、ケイ素やケイ酸塩化合物で結合されたセラミック等のセラミック原料も構成材料として挙げられ、これらのなかでは、炭化ケイ素に金属ケイ素が配合されたもの(ケイ素含有炭化ケイ素)が望ましい。
特に、炭化ケイ素を60wt%以上含むケイ素含有炭化ケイ素質セラミックが望ましい。
上記セラミック粉末の粒径は特に限定されないが、後の焼成工程を経て作製されたハニカム焼成体の大きさが、脱脂されたハニカム成形体の大きさに比べて小さくなる場合が少ないものが好ましい。
第一〜第四の本発明の実施形態のハニカム構造体を製造する際に調製する湿潤混合物について、上記湿潤混合物に混合する有機バインダとしては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらのなかでは、メチルセルロースが望ましい。上記有機バインダの配合量は、通常、上記セラミック粉末100重量部に対して、1〜10重量部が望ましい。
上記湿潤混合物に混合する可塑剤は、特に限定されず、例えば、グリセリン等が挙げられる。
上記湿潤混合物に混合する潤滑剤は特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン系化合物等が挙げられる。具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンモノブチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル等が挙げられる。
なお、可塑剤、潤滑剤は、場合によっては、上記湿潤混合物に混合しなくてもよい。
また、上記湿潤混合物を調製する際には、分散媒液を使用してもよく、分散媒液としては、例えば、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール等が挙げられる。
さらに、上記湿潤混合物中には、成形助剤が添加されていてもよい。
上記成形助剤としては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等が挙げられる。
さらに、上記湿潤混合物には、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等が挙げられる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
上記セルを封止する封止材ペーストとしては特に限定されないが、後工程を経て製造される封止材の気孔率が30〜75%となるものが望ましく、例えば、湿潤混合物と同様のペースト状物を用いることができる。
第一〜第四の本発明の実施形態のハニカム構造体には、排ガスを浄化するための触媒を担持させてもよく、担持させる触媒としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属が望ましく、このなかでは、白金がより望ましい。また、その他の触媒として、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、バリウム等のアルカリ土類金属を用いることもできる。これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
第一〜第四の本発明の実施形態のハニカム構造体の製造方法における結束工程は、接着材ペーストを各ハニカム焼成体の側面に塗布する方法以外に、例えば、作製するセラミックブロック(又はハニカム焼成体の集合体)の形状と略同形状の型枠内に各ハニカム焼成体を仮固定した状態とし、接着材ペーストを各ハニカム焼成体間に注入する方法等によって行ってもよい。
また、第一〜第四の本発明の実施形態のハニカム構造体は、それぞれ他の発明の特徴を備えていてもよい。
例えば、第一の本発明の実施形態のハニカム構造体は上述した特徴に加えて、セラミックブロックの断面において、セラミックブロックの断面の中心と同心で、セラミックブロックの断面の面積に対して面積比が49%の相似形を描いた際に、外周部ハニカム焼成体の一部が必ず上記相似形の内側に位置する構成や、第一の外周部接着材層及び第二の外周部接着材層とを備え、上記第一の外周部接着材層の少なくとも1つと、上記第二の外周部接着材層とが40〜50°の角をなす構成や、第四の本発明の実施形態のハニカム構造体のように、セラミックブロックの断面積と、セラミックブロックの重心から外縁に至る経路上に存在する接着材層の個数とが所定の関係を満たす構成を備えていてもよい。
また、例えば、第二の本発明の実施形態のハニカム構造体は上述した特徴に加えて、第一の外周部接着材層及び第二の外周部接着材層とを備え、上記第一の外周部接着材層の少なくとも1つと、上記第二の外周部接着材層とが40〜50°の角をなす構成や、第四の本発明の実施形態のハニカム構造体のように、セラミックブロックの断面積と、セラミックブロックの重心から外縁に至る経路上に存在する接着材層の個数とが所定の関係を満たす構成を備えていてもよい。
また、例えば、第三の本発明のハニカム構造体は、上述した特徴に加えて、第四の本発明のハニカム構造体のように、セラミックブロックの断面積と、セラミックブロックの重心から外縁に至る経路上に存在する接着材層の個数とが所定の関係を満たす構成を備えていてもよい。
図1は、第一の本発明の第一実施形態のハニカム構造体を模式的に示す斜視図である。 図2(a)は、第一の本発明の第一実施形態のハニカム構造体における中心部ハニカム焼成体を模式的に示した斜視図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A線断面図である。 図3は、第一の本発明の第一実施形態のハニカム構造体における外周部ハニカム焼成体を模式的に示す斜視図である。 図4は、実施例1−1で製造したハニカム構造体の断面図である。 図5は、比較例1−1で製造したハニカム構造体の断面図である。 図6は、第一の本発明の第二実施形態のハニカム構造体の断面図である。 図7(a)及び(b)は、第一の本発明の第三実施形態のハニカム構造体の製造方法の別の一例を説明するための断面図である。 図8は、第一の本発明の他の実施形態のハニカム構造体の断面図である。 図9は、第一の本発明の他の実施形態のハニカム構造体の断面図である。 図10は、第一の本発明の他の実施形態のハニカム構造体の断面図である。 図11は、第二の本発明の第一実施形態のハニカム構造体を模式的に示す斜視図である。 図12は、実施例2−1で製造したハニカム構造体の断面図である。 図13は、比較例2−1で製造したハニカム構造体の断面図である。 図14は、第二の本発明の第二実施形態のハニカム構造体の断面図である。 図15(a)及び図15(b)は、それぞれ第二の本発明の他の実施形態のハニカム構造体の断面図である。 図16(a)、(b)は、第二の本発明の実施形態のハニカム構造体の製造方法の別の一例を説明するための断面図である。 図17は、第三の本発明の第一実施形態のハニカム構造体を模式的に示す斜視図である。 図18は、図17のA−A線断面図である。 図19は、比較例3−1で製造したハニカム構造体の断面図である。 図20は、第三の本発明の第二実施形態のハニカム構造体の断面図である。 図21は、第三の本発明の他の実施形態のハニカム構造体の断面図である。 図22は、第四の本発明の第一実施形態のハニカム構造体を模式的に示す斜視図である。 図23は、図22のA−A線断面図である。 図24は、比較例4−1で製造したハニカム構造体の断面図である。 図25は、第四の本発明の第二実施形態のハニカム構造体の断面図である。 図26は、比較例4−2で製造したハニカム構造体の断面図である。 図27は、第四の本発明の第三実施形態のハニカム構造体の断面図である。 図28(a)、(b)は、第四の本発明の第三実施形態のハニカム構造体の製造方法の一例を説明するための断面図である。 図29は、比較例4−3で製造したハニカム構造体の断面図である。
符号の説明
100、200、500、600、700、1100、1200、1500、1600、2100、2200、2700、3100、3200、3300 ハニカム構造体
101、201、501、601、701、1101、1201、1501、1601、2101、2101A〜2101D、2201A〜2201D、2701B〜2701D、3101、3201、3301、3601 接着材層
102、202、502、602、702、1102、1202、1502、1503、2102、2202、3102、3202、3302 コート層
103、203、303、503、603、703、1103、1203、1503、1603、2103、2203、3103、3203、3303、3603 セラミックブロック
110、210、310、510、610、710、1110、1210、2110、2120 中心部ハニカム焼成体
120、220、230、320、520、530、540、620、630、640、720、1120、1220、1230、1520、1530、1620、1630、2120、2220、2230 外周部ハニカム焼成体
3110、3120、3210、3220、3230、3310、3320、3330、3340、3610、3620、3630、3640 ハニカム焼成体
111、121 セル
112、122 封止材
113、123 セル壁

Claims (7)

  1. 多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体が、接着材層を介して複数個結束されてなるハニカム構造体であって、
    前記ハニカム焼成体は、前記ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面において、中心部に位置する中心部ハニカム焼成体と、外周部に位置する外周部ハニカム焼成体とからなり、
    前記中心部ハニカム焼成体の前記長手方向に垂直な断面の形状は、四角形であり、
    前記中心部ハニカム焼成体の前記長手方向に垂直な断面の面積は、900〜2500mmであり、
    前記外周部ハニカム焼成体の前記長手方向に垂直な断面の形状は、前記中心部ハニカム焼成体の前記長手方向に垂直な断面の形状と異なり、かつ、
    前記外周部ハニカム焼成体の前記長手方向に垂直な断面の面積は、前記中心部ハニカム焼成体の前記長手方向に垂直な断面の面積の0.9〜1.3倍である
    ことを特徴とするハニカム構造体。
  2. 前記外周部ハニカム焼成体の前記長手方向に垂直な断面の形状は、3つの線分と1つの円弧又は楕円弧とで囲まれ、前記3つの線分のうちの2つの線分よりなる2つの角が直角又は鈍角である形状である請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体が、接着材層を介して複数個結束されたセラミックブロックからなる円柱状又は楕円柱状のハニカム構造体であって、
    複数個の前記ハニカム焼成体は、セラミックブロックの中心部に位置する中心部ハニカム焼成体と、前記セラミックブロックの外周側面の一部を構成する外周部ハニカム焼成体とからなり、
    前記中心部ハニカム焼成体は、前記長手方向に垂直な断面の面積が900〜2500mmであり、
    前記セラミックブロックの前記長手方向に垂直な断面において、前記セラミックブロックの断面の中心と同心で、前記セラミックブロックの断面の面積に対してその面積比が49%の相似形を描いた際に、前記外周部ハニカム焼成体の一部が必ず前記相似形の内側に位置することを特徴とするハニカム構造体。
  4. 多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体が、接着材層を介して複数個結束されてなるハニカム構造体であって、
    前記ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面において、前記ハニカム構造体の外周側面を構成する外周部と、前記外周部の内側に位置し、断面の形状が四角形の中央部とを有し、
    前記中央部は、1個の中心部ハニカム焼成体、又は、前記接着材層を介して結束された複数個の中心部ハニカム焼成体からなり、
    前記外周部は、前記接着材層を介して結束された複数個の外周部ハニカム焼成体からなり、
    前記ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面において、前記外周部の接着材層のうち、少なくとも1つの接着材層は、前記中央部の角部から前記ハニカム構造体の外周側面に向かう方向に形成されており、かつ、
    前記中央部の角部から前記ハニカム構造体の外周側面に向かう方向に形成されている接着材層は、前記中央部における角部以外の部分から前記ハニカム構造体の外周側面に向かう方向に形成されている接着材層の少なくとも1つと40〜50°の角をなすことを特徴とするハニカム構造体。
  5. 前記中央部は、前記接着材層を介して結束された複数個の中心部ハニカム焼成体からなり、
    前記ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面において、前記外周部ハニカム焼成体同士の間に介在し、前記中央部における角部以外の部分から前記ハニカム構造体の外周側面に向かう方向に形成されている接着材層の少なくとも1つは、前記中心部ハニカム焼成体同士の間に介在する接着材層のいずれかと直線状をなしている請求項4に記載のハニカム構造体。
  6. 多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体が、接着材層を介して複数個結束されたセラミックブロックからなるハニカム構造体であって、
    前記ハニカム焼成体の前記長手方向に垂直な断面の断面積が900〜2500mmで、かつ、前記セラミックブロックの前記長手方向に垂直な断面の断面積が10000〜55000mmであり、
    前記ハニカム構造体の前記長手方向に垂直な断面において、前記ハニカム焼成体を通って、前記セラミックブロックの重心から前記セラミックブロックの外縁に至る経路上に存在する接着材層の数は、
    前記セラミックブロックの前記長手方向に垂直な断面の断面積が10000mm以上、25000mm未満では、2箇所以下であり、
    前記セラミックブロックの前記長手方向に垂直な断面の断面積が25000mm以上、40000mm未満では、3箇所以下であり、
    前記セラミックブロックの前記長手方向に垂直な断面の断面積が40000mm以上、55000mm以下では、4箇所以下である、
    ことを特徴とするハニカム構造体。
  7. 前記セラミックブロックの前記長手方向に垂直な断面の形状が、円形である請求項6に記載のハニカム構造体。
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