JP2009250395A - ダイナミックダンパ - Google Patents

ダイナミックダンパ Download PDF

Info

Publication number
JP2009250395A
JP2009250395A JP2008101466A JP2008101466A JP2009250395A JP 2009250395 A JP2009250395 A JP 2009250395A JP 2008101466 A JP2008101466 A JP 2008101466A JP 2008101466 A JP2008101466 A JP 2008101466A JP 2009250395 A JP2009250395 A JP 2009250395A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic body
dynamic damper
operation member
mass body
elastic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008101466A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Sawada
豊 沢田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2008101466A priority Critical patent/JP2009250395A/ja
Publication of JP2009250395A publication Critical patent/JP2009250395A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

【課題】ダンパ形状の変更やロッド状の振動体への加工を行うことなく、装着後でも振動体の仕様や個々の振動特性のばらつきに応じた特性調整が可能なダイナミックダンパを提供する。
【解決手段】ドライブシャフト3の近傍に配置された質量体11と、その質量体11とドライブシャフト3との間に介装された弾性体12と、を備えたダイナミックダンパにおいて、弾性体12に与圧を加えるよう弾性体12に係合する係合部材21a、21bと、弾性体12に加える与圧を調整するよう係合部材21a、21bをドライブシャフト3に対し変位させる調整機構30と、を設けている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダイナミックダンパ、特にロッド状の振動体に装着されるダイナミックダンパに関する。
車両の動力伝達系に配置されるドライブシャフトやプロペラシャフト等に共振が生じると、振動が増幅され、車両の乗り心地や静粛性を損なう。そこで、そのようなロッド状の振動体には、ダイナミックダンパが装着されることが多い。
従来のこの種のダイナミックダンパとしては、例えば回転軸に固定されるハブとそれを取り囲むプーリとに径方向(放射方向)内外に凹凸を設けて、ハブとプーリとの間に、両者の相対回転(角度変位)に応じて専ら圧縮変形するようゴム状弾性体を介装したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、プロペラシャフトの内方に外周ねじ付きの質量体を収納し、その質量体の外周ねじに複数の雌ねじ相当のガイド板をばねによって質量体に押し付け、プロペラシャフトの回転により生じる遠心力を利用して質量体をプロペラシャフトの軸方向に変化させることで、モードの異なる複数の共振現象を抑えるようにしたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、回転軸に固定されるハブとそれを取り囲む環状質量体との間に、両者を結合する第1のエラストマーと、ハブ側に固着され回転による遠心力で環状質量体に当接する第2のエラストマーとを介装し、高回転時に第2のエラストマーによってハブと環状質量体の間の捩り剛性を増加させることで、高周波数の捩り振動を抑制できるようにしたものがある(例えば、特許文献3参照)。
その他に、ダイナミックダンパをドライブシャフトに固定するためのバンドの装着部分を、円周方向に等間隔に離間するよう分割し、ダイナミックダンパのドライブシャフトへの装着を容易化したものが知られている(例えば、特許文献4参照)。
特開2004−132492号公報 特開平11−192848号公報 実開平07−19648号公報 実開平06−69487号公報
しかしながら、上述のような従来のダイナミックダンパにあっては、ドライブシャフト等のロッド状の振動体の仕様やその個々の振動特性のばらつきに対し、その共振周波数を適合させるために、ダンパ形状を変更したり、シャフトに加工を施したりする必要があった。
また、ダイナミックダンパをドライブシャフト等のロッド状の振動体に装着した後に、ダイナミックダンパの共振周波数を調整することができなかった。
そこで、本発明は、ダンパ形状の変更やロッド状の振動体への加工を行うことなく、装着後であっても、振動体の仕様やその個々の振動特性のばらつきに応じたダンパ特性の調整が可能なダイナミックダンパを提供することを目的とする。
本発明に係るダイナミックダンパは、上記目的達成のため、(1)ロッド状の振動体の近傍に配置された質量体と、前記質量体と前記振動体との間に介装された弾性体と、を備えたダイナミックダンパにおいて、前記弾性体に与圧を加えるよう前記弾性体に係合する係合部材と、前記弾性体に加える与圧を調整するよう前記係合部材を前記振動体に対し変位させる調整機構と、を設けたことを特徴とする。
この構成により、弾性体に加える与圧を調整することで、弾性体による質量体の支持剛性が調整可能となり、ダンパ形状の変更やロッド状の振動体への加工を行うことなく、装着後であっても、振動体の仕様やその個々の振動特性のばらつきに応じたダンパ特性の調整が可能となる。
上記(1)記載の構成を有するダイナミックダンパにおいては、(2)前記調整機構が、前記振動体の径方向で前記質量体から内方側に延在する回動操作可能な操作部材と、前記係合部材と前記操作部材の間に介在する可撓性の線状部材とを有するのが好ましい。
この構成により、操作部材を外方から容易に回動操作することができ、線状部材および係合部材を介して弾性体の剛性調整に適した部位に容易に与圧を加えることができる。
上記(1)、(2)記載の構成を有するダイナミックダンパにおいては、(3)前記振動体が、筒状外周面を有する軸によって構成されるとともに、前記弾性体が、前記振動体の周方向に隣り合う複数の弾性体セグメントによって構成され、前記質量体が、前記複数の弾性体セグメントを取り囲む円環状に形成されているのがよい。
この構成により、複数の弾性体セグメントを用いた弾性体の振動体への取付けが容易化されるのみならず、円環状の質量体によって複数の弾性体セグメントの一体化が可能となり、取付け作業が容易化される。なお、複数の弾性体セグメントは、半円筒や四分円筒のように円筒の中心軸線を含む平面で等分割されるのが望ましい。
上記(3)記載の構成を有するダイナミックダンパにおいては、(4)前記係合部材が、前記複数の弾性体セグメントのうち前記振動体を挟んで対向する少なくとも一対の弾性体セグメントに対して設けられ、前記調整機構が、前記複数の弾性体セグメントのうち少なくとも前記一対の弾性体セグメントの内方に、前記振動体の径方向で前記質量体から内方側に延在する複数の操作部材と、前記係合部材と前記操作部材の間に介在する複数の可撓性の線状部材とを有するのが好ましい。
この構成により、弾性体を複数の弾性体セグメントにより構成しながらも、操作部材および線状部材を内方に有する弾性体セグメント毎に、調整機構の組付けおよび粗調整を行うことができ、調整機構を有しながらも、実装作業の容易なダイナミックダンパとなる。
上記(1)〜(4)記載の構成を有するダイナミックダンパにおいては、(5)前記弾性体が、前記質量体の軸方向移動を規制するよう径方向の外側に突出する質量体ストッパ部を有するのが好ましい。
この構成により、質量体の形状を簡素にしつつ、特別な固定用の部品を用いることなく、質量体を弾性体に保持させることができる。
上記(1)〜(5)記載の構成を有するダイナミックダンパにおいては、(6)前記質量体が、前記振動体から離れた前記操作部材の外端部を挟んで軸方向に対向する一対の環状の質量体セグメントによって構成されているのがよい。
この構成により、弾性体の外表部に露出する操作部材の外端部を、質量体の弾性体への取付け時に、一対の質量体セグメントによって取り囲むことができ、操作部材の操作が容易であってもその外端部がダンパの外周部に大きく突出せずに済む。
上記(1)〜(6)記載の構成を有するダイナミックダンパにおいては、(7)前記線状部材が、前記操作部材に部分的に巻き取り可能で、前記調整機構が、前記操作部材の少なくとも回動方向一方側の回動を規制する回り止め部を有するものである。
この構成により、線状部材から操作部材に加わる反力によって操作部材が弛み方向に回動することがなく、調整された弾性体の剛性を安定して維持できる信頼性が得られる。
本発明によれば、弾性体に加える与圧を調整機構により調整することで、弾性体による質量体の支持剛性を調整可能とし、ダンパ形状の変更やロッド状の振動体への加工を行うことなく、装着後であっても、振動体の仕様やその個々の振動特性のばらつきに応じたダンパ特性の調整が可能なダイナミックダンパを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るダイナミックダンパの概略構成を示すその模式断面図であり、図2は、第1の実施の形態に係るダイナミックダンパを装着した左右一方側の車両用のドライブシャフトの側面図である。
まず、その構成について説明する。
図1および図2に示すように、本実施の形態のダイナミックダンパ10は、車両(詳細を図示していない)のパワーユニット1(エンジンおよびトランスミッションを含む)からの動力を駆動車輪2に伝達する左右のドライブシャフトのうち、片側のドライブシャフト3に、例えばそのドライブシャフト3の等速ジョイント部3a、3bの間である中間部分3cに装着されている。
このダイナミックダンパ10は、ロッド状の振動体であるドライブシャフト3の近傍に配置された環状の質量体11と、その質量体11とドライブシャフト3との間に介装された弾性体12と、を備えている。
質量体11は、例えば円筒状の外周面3fを有するドライブシャフト3を取り囲むように円環状に形成されており、弾性体12によってドライブシャフト3に対して同軸の状態に拘束されている。また、質量体11は、ドライブシャフト3に装着された弾性体12を取り囲む真っ直ぐな円筒状に形成され、ドライブシャフト3の中心軸線上に重心を有している。なお、質量体11は、軸方向に隣り合う一対の質量体セグメントであってもよい。
弾性体12は、例えばゴム状弾性体であり、ドライブシャフト3を取り囲む円環状をなすとともに、その内部にドライブシャフト3と平行な複数組の縦方向の空洞部14、15を一定の間隔で有しており、それら空洞部14、15の周囲にドライブシャフト3の軸線を中心とする放射方向に複数対の弾性壁部16a、16bが配置されている。なお、弾性体12は、図1に模式的に示すようにコイルばね状であってもよく、その場合、複数対の弾性壁部16a、16bに相当する複数の圧縮または引張りのコイルばねの内端部がドライブシャフト3に圧接する円筒状または4分円筒(図1中の直交する仮想線位置で四分割される)状の連結部材12mで連結される。また、この連結部材12mと後述する操作部材31の相対的な振動許容方向および最大振幅を考慮して、両者の機械的干渉を避けるように、連結部材12m側に凹部や溝を形成するか、操作部材31の内端部31bの位置を設定することができる。
ダイナミックダンパ10には、さらに、弾性体12に与圧を加え得るように係合する係合部材21a、21bと、弾性体12に加える与圧を調整するよう係合部材21a、21bをドライブシャフト3に対し変位させる調整機構30と、が設けられている。
調整機構30は、質量体11の外周面近傍からドライブシャフト3の径方向に延在する回動操作可能な操作部材31と、係合部材21a、21bと操作部材31の間に介在する可撓性の線状部材32とを含んで構成されており、操作部材31は質量体11の外周面近傍にボルトヘッド状の外端部31aを有している。そして、操作部材31の回動により、係合部材21a、21bの間に介在する可撓性の線状部材32の中間部32cが操作部材31に巻き付けられ、あるいは、巻き解かれるようになっている。
係合部材21a、21bは、操作部材31が回動操作されるとき、可撓性の線状部材32の中間部32cで操作部材31側に引き付けられ、あるいは、その張力を弛められて、弾性体12の複数対の弾性壁部16a、16bに加える与圧を変化させることができる。これら係合部材21a、21bは、等角度間隔に少なくとも2組、本実施形態では4組設けられている。
調整機構30は、ドライブシャフト3の径方向で質量体11から内方側に延在する複数の操作部材31と、係合部材21a、21bと操作部材31の間に介在する複数の可撓性の線状部材32とを、それぞれ有している。なお、線状部材32の中間部32cは、操作部材31の一部をその軸線と直交する方向にあるいは他の交差方向に摺動可能に貫通していてもよいし、操作部材31に固定されていてもよい。
線状部材32は、上述のように、操作部材31に対し部分的に巻き取り可能な柔軟性および予め設定された張力に十分に耐え得る引張り強度を有するワイヤからなり、調整機構30は、少なくともその線状部材32の張力を弛める操作部材31の回動方向一方側の回動を規制する回り止め部50を有している。
この回り止め部50は、公知のラチェットやワンウェイクラッチのように逆回転を阻止するが操作方向の回転は許容する公知の機構によって構成されるものである。なお、回り止め部50に代えて、操作部材31の内端部側(弾性体12内)に戻り止め用の歯を設けることもできる。
次に、作用について説明する。
上述のように構成された本実施形態においては、等速ジョイント3aを介してパワーユニット1側からの動力を入力し、駆動車輪2を駆動するドライブシャフト3には、例えばその常用回転域に曲げ共振周波数が存在する場合があり、そのままでは、パワーユニット1側のピストンの往復運動に基づく強制力によりドライブシャフト3が共振するときに、こもり音等が発生する。すなわち、ドライブシャフト3の共振によって振動が増幅され、車両の乗り心地や静粛性が損なわれる。
これに対し、本実施形態では、ダイナミックダンパ10がドライブシャフト3に装着されることで、弾性体12による質量体11の支持剛性、すなわち弾性体12を介した質量体11のドライブシャフト3への支持剛性が、例えば常用回転域のドライブシャフト3の曲げ共振を有効に抑制するダンパ特性となるように調整されることになる。この曲げ共振を有効に抑制するダンパ特性自体は公知のものと同様であるが、本実施形態は、調整機構30によるダンパとしての振動特性の調整という点で従来と相違する。
図3は、縦軸を振動レベル(共振により増幅される振動の倍率)とし、横軸を振動周波数とする本実施形態のダイナミックダンパの振動特性図で、調整機構30による振動特性の調整幅と、その調整による振動周波数の変化を示している。また、同図中の下限値、上限値および中央値とは、それぞれ、調整により振動周波数が最も低くなるときの調整値、調整により振動周波数が最も高くなるときの調整値、および、調整により振動周波数が最も低くなるときの調整値と最も高くなるときの調整値の中間値である。
このダイナミックダンパ10の共振周波数の調整に際しては、調整機構30により弾性体12に加える与圧を調整するだけで済み、ダンパ形状の変更やロッド状のドライブシャフト3への加工を行う必要はない。しかも、ダンパ装着後であっても、ドライブシャフト3の仕様(長さや曲げ剛性)やその個々のドライブシャフト3の振動特性に応じたダンパ特性の調整が可能となる。
また、調整機構30が、ドライブシャフト3の径方向で質量体11から内方側に延在する操作部材31と可撓性の線状部材32とを有するので、操作部材31を弾性体12の外方側から容易に回動操作することができ、線状部材32および係合部材21a、21bを介して弾性体12の剛性調整に適した部位に容易に与圧を加えることができる。
加えて、複数組の係合部材21a、21bが設けられ、調整機構30が、ドライブシャフト3の径方向で質量体11から内方側に延在する複数の操作部材31と、係合部材21a、21bと操作部材31の間に介在する複数の線状部材32とを等角度間隔に有しているので、調整機構30を有しながらも、実装作業が容易で、かつ、バランス良く剛性調整可能なダイナミックダンパとなる。
このように、本実施形態のダイナミックダンパ10においては、弾性体12に加える与圧を調整機構30により調整することで、弾性体12による質量体11の支持剛性を調整可能とし、ダンパ形状の変更やロッド状のドライブシャフト3への加工を行うことなく、ダンパ装着後であっても、ドライブシャフト3の仕様やその個々の振動特性のばらつきに応じたダンパ特性の調整が可能なダイナミックダンパを提供することができる。
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態に係るダイナミックダンパの概略構成を示す断面図であり、図5は、第2の実施の形態に係るダイナミックダンパの質量体を弾性体から取り外した状態を示すそのダイナミックダンパの分解斜視図である。なお、上述の第1の実施の形態と類似の構成を有しているので、これと同一または類似の構成要素については、図1、図2中の対応する構成要素の符号を用いて、特に相違する点について詳述する。
図4および図5に示すように、本実施の形態のダイナミックダンパ60は、パワーユニット1からの動力を駆動車輪2に伝達する片側のドライブシャフト3に装着されている。
このダイナミックダンパ60は、ドライブシャフト3の近傍に配置された環状の質量体61と、その質量体61とドライブシャフト3との間に介装された環状の弾性体62と、を備えている。
質量体61は、例えばドライブシャフト3を取り囲む真っ直ぐな円筒状に形成されており、弾性体62によってドライブシャフト3に対して同軸の状態に拘束されている。また、質量体61は、ドライブシャフト3の中心軸線上に重心を有している。
弾性体62は、ゴム状弾性体であり、その内部にドライブシャフト3と平行な複数組の縦方向の空洞部64、65を一定の間隔で有しており、それら空洞部64、65の周囲にドライブシャフト3の軸線を中心とする放射方向に複数対の弾性壁部66a、66bが配置されている。また、これら複数の弾性壁部66a、66bには、弾性体62の軸方向中央部の近傍であってその中心軸線から一定半径の位置に、弾性体62の略円周方向に向かって複数の弾性壁部66a、66bを貫通する貫通孔67a、67bがそれぞれ形成されている。
図5に示すように、弾性体62の軸方向両端部62a、62bは、弾性体62の中間部62cに比してドライブシャフト3の直径に近い外径を有しており、弾性体62は、これら軸方向両端部62a、62bに取付けられる図示しない固定バンドによって、ドライブシャフト3に一体的に固定されるようになっている。
ダイナミックダンパ60には、さらに、弾性体62に与圧を加えるように係合する板状の係合部材71a、71bと、弾性体62に加える与圧を調整するよう係合部材71a、71bをドライブシャフト3に対し変位させる調整機構80と、が設けられている。
調整機構80は、質量体61の外周面近傍からドライブシャフト3の径方向に延在する回動操作可能な操作部材81と、貫通孔67a、67bに挿通されて係合部材71a、71bと操作部材81の間に介在する可撓性の線状部材82と、を含んで構成されている。ここで、操作部材81は、質量体61の外周面近傍にボルトヘッド状の外端部81aを有している。この操作部材81の回動により、板状の係合部材71a、71bの間に介在する可撓性の線状部材82の中間部82cが操作部材81に巻き付けられ、あるいは、巻き解かれるようになっている。
係合部材71a、71bは、操作部材81が回動操作されるとき、可撓性の線状部材82の中間部82cで操作部材81側に引き付けられ、あるいは、その張力を弛められて、弾性体62の複数の弾性壁部66a、66bを操作部材81側に挟圧しながらその挟圧力(与圧)を変化させることができる。
より具体的には、弾性体62は、図4および図5に示すように、ドライブシャフト3の外周面3fの周方向に隣り合う複数の弾性体セグメント、例えば4つ(2対)の4分円筒状の弾性体セグメント91、92、93、94によって構成されている。
これら複数の弾性体セグメント91〜94は、それぞれ空洞部65の半分を形成する縦溝状の凹み部65a、65bを互いに周方向に対向させて空洞部65を形成するとともに、空洞部65を挟む弾性体62の半径方向外側および内側の対向壁面部Scを隣り合う同士で互いに周方向に圧接させている。
また、係合部材71a、71bは、複数の弾性体セグメント91〜94のうちドライブシャフト3を挟んで対向する少なくとも一対の弾性体セグメント、例えば全2対の弾性体セグメント91〜94に対して、それぞれ設けられている。
調整機構80は、これら複数の弾性体セグメント91〜94(少なくとも一対の弾性体セグメント)の内方に、複数の操作部材81と複数の可撓性の線状部材82とを、それぞれ有している。
一方、質量体61は、図5に示すように、ドライブシャフト3に装着された複数の弾性体セグメント91〜94を全体として取り囲む真っ直ぐな円筒状に形成されているとともに、ドライブシャフト3から離れた操作部材81の外端部81aを挟んで軸方向に対向する一対の質量体セグメント61a、61bによって構成されている。これら質量体セグメント61a、61bは、それぞれ互いに対向する軸方向一端側に、操作部材81の外端部81aを収納する複数、例えば4つの凹部61e、61fを周方向等間隔に有している。
弾性体62は、その径方向の外側に突出する環状の質量体ストッパ部62p、62qを有し、それら質量体ストッパ部62p、62qによって、質量体セグメント61a、61bを突き合わせた状態の質量体61の両端部側で、質量体61の軸方向移動を規制するようになっている。
線状部材82は、図4に示すように、操作部材81に対し部分的に巻き取り可能な柔軟性および予め設定された張力に十分に耐え得る引張り強度を有するワイヤからなり、調整機構80は、少なくともその線状部材82の張力を弛める操作部材81の回動方向一方側の回動を規制する回り止め部100を有している。
この回り止め部100は、弾性体62の内周部、すなわち複数の弾性体セグメント91〜94の内端部に設けられた回り止めリング101と、その回り止めリング101に係合する操作部材81の内端部81bと、操作部材81の内端部81bを回り止めリング101に係合させる方向に張力が作用する線状部材82とによって構成されている。
ここで、回り止めリング101には、テーパ状の凹部、例えばのこ(鋸)歯状歯形の凹凸(符号なし)を有する凹部が形成されており、操作部材81の内端部81bは、この回り止めリング101の凹部に対応するのこ歯状歯形の凹凸を有するテーパ形状をなしている。そして、操作部材81の外端部81aに大きなトルクを生じる操作力が加えられると、操作部材81と回り止めリング101の凹凸(のこ歯形凹凸)係合が外れ、操作部材81の回動に応じて線状部材82が張力を増加させ、または減少させる。
また、操作部材81は雄ねじ部81cを有しており、この雄ねじ部81cには、外形が正方形の雌ねじ部材83が取り付けられている。雌ねじ部材83は、その一面側で弾性体62の外周に形成された方形の凹部62vに嵌め込まれるとともに、他面側で質量体61によって外方への移動を一定範囲内に規制されており、操作部材81の抜け止めをなす機能を有している。
本実施形態のダイナミックダンパ60においても、弾性体62に加える与圧を調整機構80により調整することで、弾性体62による質量体61の支持剛性を調整可能とし、ダンパ形状の変更やロッド状のドライブシャフト3への加工を行うことなく、ダンパ装着後であっても、ドライブシャフト3の仕様やその個々の振動特性のばらつきに応じたダンパ特性の調整が可能なダイナミックダンパを提供することができる。
さらに、弾性体62が、ドライブシャフト3の周方向に隣り合う複数の弾性体セグメント91〜94によって構成され、質量体61が、複数の弾性体セグメント91〜94を取り囲む円環状に形成されているので、複数の弾性体セグメント91〜94を用いた弾性体62のドライブシャフト3への取付けが容易化されるだけでなく、円環状の質量体61によって複数の弾性体セグメント91〜94の一体化がきわめて容易に可能となり、ダンパ取付け作業が格段に容易化される。
加えて、係合部材71a、71bが、複数の弾性体セグメント91〜94(少なくとも一対の弾性体セグメント)のそれぞれに対して設けられ、調整機構80が、それら複数の弾性体セグメント91〜94の内方に、ドライブシャフト3の径方向で質量体61から内方側に延在する複数の操作部材81と、係合部材71a、71bと操作部材81の間に介在する複数の線状部材82とを有しているので、弾性体62を複数の弾性体セグメント91〜94によって構成しながらも、操作部材81および線状部材82を内方に有する弾性体セグメント91、92、93または94毎に、調整機構80の組付けおよび粗調整を行うことができ、調整機構80を有しながらも実装作業が容易となる。
また、弾性体62は、質量体61の軸方向移動を規制するよう径方向の外側に突出する質量体ストッパ部62p、62qを有しているので、質量体61の形状を簡素にしつつ、特別な固定用の部品を用いることなく、質量体61を弾性体62に保持させることができる。
しかも、質量体61は、ドライブシャフト3から離れた操作部材81の外端部81aを挟んで軸方向に対向する一対の質量体セグメント61a、61bによって構成されているので、質量体61の弾性体62への取付け時、すなわち、質量体ストッパ部62p、62qを乗り越えるよう質量体セグメント61a、61bを複数の弾性体セグメント91〜94の外方に嵌め込んで突き合せるとき、弾性体62の外表部に露出する操作部材81の外端部81aを一対の質量体セグメント61a、61bによって取り囲むことができ、操作部材81の操作が容易であっても、その外端部81aがダイナミックダンパ60の外周部に大きく突出せずに済む。
さらに、線状部材82が操作部材81に部分的に巻き取り可能で、調整機構80が操作部材81の少なくとも回動方向一方側の回動を規制する回り止め部100を有するので、線状部材82から操作部材81に加わる反力によって操作部材81が弛み方向に回動することがなく、調整された弾性体62の撓み剛性を安定して維持できるので、ダイナミックダンパ60の信頼性が確保される。
なお、上述のいずれの実施形態においても、回動操作される操作部材31、81に線状部材32、82を巻き取るか巻き外すことで、弾性体12、62の剛性を調整するものとしていたが、操作部材をボルトとし、それにねじ結合しつつ弾性体12、62によって回り止めされる雌ねじ部材を設け、その雌ねじ部材の軸方向変位に応じて線状部材の張力を加減するようにすることができることはいうまでもない。また、弾性体41〜44および91〜94を中心角が90度の分割弾性体としたが、中心角が異なってもよいし、複数の分割弾性体の間で中心角が相違してもよい。さらに、ロッド状の振動体は、必ずしも回転軸に限定されるものではなく、他の並進方向に振動するものであってもよい。
以上説明したように、本発明に係るダイナミックダンパは、弾性体に加える与圧を調整機構により調整することで、弾性体による質量体の支持剛性を調整可能とし、ダンパ形状の変更やロッド状の振動体への加工を行うことなく、装着後であっても、振動体の仕様やその個々の振動特性のばらつきに応じたダンパ特性の調整が可能なダイナミックダンパを提供することができるという効果を奏するものであり、ダイナミックダンパ、特にロッド状の振動体に装着されるダイナミックダンパ全般に有用である。
本発明の第1の実施の形態に係るダイナミックダンパの概略構成を示すその模式断面図である。 第1の実施の形態に係るダイナミックダンパを装着した左右一方側の車両用のドライブシャフトの側面図である。 縦軸を振動レベルとし、横軸を振動周波数とする振動特性図で、調整機構による振動特性の調整幅と、その調整による振動周波数の変化を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態に係るダイナミックダンパの概略構成を示す断面図である。 第2の実施の形態に係るダイナミックダンパの質量体を弾性体から取り外した状態を示すそのダイナミックダンパの分解斜視図である。
符号の説明
3 ドライブシャフト(ロッド状の振動体)
10、60 ダイナミックダンパ
11、61 質量体
12、62 弾性体
12a、12b、62a、62b 軸方向両端部
12c、62c 中間部
14、15、64、65 空洞部
16a、16b、66a、66b 弾性壁部
21a、21b、71a、71b 係合部材
30、80 調整機構
31、81 操作部材
31a、81a 外端部
32、82 線状部材
32c、82c 中間部
41、42、43、44、91、92、93、94 弾性体セグメント
50、100 回り止め部
61a、61b 質量体セグメント
61e、61f 凹部
62p、62q 質量体ストッパ部
101 回り止めリング

Claims (7)

  1. ロッド状の振動体の近傍に配置された質量体と、前記質量体と前記振動体との間に介装された弾性体と、を備えたダイナミックダンパにおいて、
    前記弾性体に与圧を加えるよう前記弾性体に係合する係合部材と、前記弾性体に加える与圧を調整するよう前記係合部材を前記振動体に対し変位させる調整機構と、を設けたことを特徴とするダイナミックダンパ。
  2. 前記調整機構が、前記振動体の径方向で前記質量体から内方側に延在する回動操作可能な操作部材と、前記係合部材と前記操作部材の間に介在する可撓性の線状部材とを有することを特徴とする請求項1に記載のダイナミックダンパ。
  3. 前記振動体が、筒状外周面を有する軸によって構成されるとともに、
    前記弾性体が、前記振動体の周方向に隣り合う複数の弾性体セグメントによって構成され、
    前記質量体が、前記複数の弾性体セグメントを取り囲む円環状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のダイナミックダンパ。
  4. 前記係合部材が、前記複数の弾性体セグメントのうち前記振動体を挟んで対向する少なくとも一対の弾性体セグメントに対して設けられ、
    前記調整機構が、前記複数の弾性体セグメントのうち少なくとも前記一対の弾性体セグメントの内方に、前記振動体の径方向で前記質量体から内方側に延在する複数の操作部材と、前記係合部材と前記操作部材の間に介在する複数の可撓性の線状部材とを有することを特徴とする請求項3に記載のダイナミックダンパ。
  5. 前記弾性体が、前記質量体の軸方向移動を規制するよう径方向の外側に突出する質量体ストッパ部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちいずれか1の請求項に記載のダイナミックダンパ。
  6. 前記質量体が、前記振動体から離れた前記操作部材の外端部を挟んで軸方向に対向する一対の環状の質量体セグメントによって構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のうちいずれか1の請求項に記載のダイナミックダンパ。
  7. 前記線状部材が、前記操作部材に部分的に巻き取り可能で、
    前記調整機構が、前記操作部材の少なくとも回動方向一方側の回動を規制する回り止め部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項6のうちいずれか1の請求項に記載のダイナミックダンパ。
JP2008101466A 2008-04-09 2008-04-09 ダイナミックダンパ Pending JP2009250395A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008101466A JP2009250395A (ja) 2008-04-09 2008-04-09 ダイナミックダンパ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008101466A JP2009250395A (ja) 2008-04-09 2008-04-09 ダイナミックダンパ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009250395A true JP2009250395A (ja) 2009-10-29

Family

ID=41311298

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008101466A Pending JP2009250395A (ja) 2008-04-09 2008-04-09 ダイナミックダンパ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009250395A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015057627A (ja) * 2013-08-15 2015-03-26 株式会社リコー 駆動装置、及び画像形成装置
KR101526981B1 (ko) * 2013-12-17 2015-06-09 현대자동차주식회사 차량용 다이나믹 댐퍼
US10107357B2 (en) 2015-12-14 2018-10-23 Hyundai Motor Company Dynamic damper for drive shaft for automobile

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015057627A (ja) * 2013-08-15 2015-03-26 株式会社リコー 駆動装置、及び画像形成装置
KR101526981B1 (ko) * 2013-12-17 2015-06-09 현대자동차주식회사 차량용 다이나믹 댐퍼
US10107357B2 (en) 2015-12-14 2018-10-23 Hyundai Motor Company Dynamic damper for drive shaft for automobile

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4847826B2 (ja) 巻成された線ばねを駆動プーリ内に備えたねじり振動ダンパまたはデカップラ
JP2007168069A (ja) 手工具装置用の振動減衰装置付きハンドグリップ
CN103874867A (zh) 衰减装置
JP2009250395A (ja) ダイナミックダンパ
WO2014133118A1 (ja) モータ装置
KR100523109B1 (ko) 진동파구동장치
JP2010031926A (ja) ダイナミックダンパ
JP2007162756A (ja) クラッチカバー組立体
JP2017165380A (ja) 車体補強装置
JP5932402B2 (ja) 振動波駆動装置
JP6299558B2 (ja) 車体補強装置
JP2010038218A (ja) 捩り振動低減装置
US8376868B2 (en) Rotation shaft vibration damping mechanism
JP4030527B2 (ja) 電動駆動体
KR101709072B1 (ko) 진동저감 기어
JP2009085315A (ja) 筒型防振装置
JP2004156733A (ja) 能動型液封防振装置
US20200132158A1 (en) Power transmission device for a vehicle
JP2020089236A (ja) 振動波モータ及びそれを有する電子機器
JPS6333571B2 (ja)
JP5421093B2 (ja) 無段変速機におけるプーリ締結方法
JP2002136043A (ja) 電動式パワ−ステアリング装置のモ−タ防振機構
JP2016043791A (ja) 伸縮アクチュエータ
JPWO2019220598A1 (ja) 軸継手
CN110087916A (zh) 用于车辆的铰链以及用于制造这种铰链的方法