JP2009250335A - Vベルト自動変速装置 - Google Patents

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Yoshinori Kawashima
芳徳 川島
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Abstract

【課題】Vベルトによってプーリ間に回転を伝達する自動変速機の低温時におけるVベルトの硬化状態をエンジンの始動開始と共に前記Vベルトを短時間で温めて軟化させ、該Vベルトの伝達効率を良好にすること。
【解決手段】Vベルト自動変速機が内装され且つ空気取入部11と空気排出部12とを備えたケーシング1と、前記空気取入部11と空気排出部12のいずれか一方に装着される開閉蓋2と、シリンダ筺体31から温度の上昇に伴って飛び出すピストン32を備えたシリンダ3と、該シリンダ3のピストン32の作動を前記開閉蓋2に伝達する伝達部材4とからなること。前記シリンダ3は前記ケーシング1内に装着され、前記シリンダ3のピストン32の飛び出しによって、前記開閉蓋2は開いてなること。
【選択図】図1

Description

本発明は、Vベルトによってプーリ間に回転を伝達する自動変速機の低温時におけるVベルトの硬化状態をエンジンの始動開始と共に前記Vベルトを短時間で温めて軟化させ、該Vベルトの伝達効率を良好にすることができるVベルト自動変速装置に関する。
一般に、スクータ型自動二輪車等に搭載されるVベルト式自動変速装置(CVT)は、そのプーリ及びVベルト等の主要構成部品が伝動ケース内に収容されている。その伝動ケース内を走行時に外気から空気を取り入れて換気することにより、前記Vベルトの冷却を行う構造としたものが多く使用されている。この種のもので従来技術としては、上記CVTの駆
動側プーリに送風羽根を備えると共に、伝動ケースの前部に外気導入口が形成され、後部に取り入れた空気を排出する排出口が形成されたe構造としたものが、特許文献1に開示
されている。
特許文献1に開示された内容を概略すると、Vベルト自動変速機には駆動側プーリに送風羽根が形成され、このVベルト自動変速機が内装される伝動ケースの前部側には、外気導入口が設けられ、後部側には排出口がそれぞれ形成され、前記送風羽根を回転させて、伝動ケース内に取り込んだ外気にて換気するようにしている。この種の伝動ケースでは前壁のシリンダボディ側に前部排出口が形成され、前記排出口に排出ダクトを接続すると共に、該排出ダクトをシリンダボディの側方を通って下方に屈曲延長され、路面に向けて開口させている。外気導入口から導入された外気は、前記伝動ケース内部を後方に向かって流れ、排出口から排出される。このようにして、エンジン始動開始と共に伝道ケース内部では外気導入と内気排出が無条件に行われることにより、換気が行われる。
特許第2917258号
しかし、Vベルトがゴム製の場合、温度が低い状態では、Vベルトが硬化しており、柔軟性,弾性が劣化している。そのためにVベルトは、屈曲抵抗が高く(曲がった状態での回転が重く)、Vベルトによって回転を伝達する駆動プーリ及び従動プーリの形状に馴染み難いものであり、さらには、Vベルトのプーリへの密着性が低くなり、Vベルトのプーリに対する追従性が劣ることにより伝達効率が低くなる。
このようなことから、エンジン始動開始時から外気により冷却された状態ではベルトの温度上昇は遅くなり、伝達効率は、エンジン始動開始から長時間に亘って低い状態が続くことになり、Vベルトの摩耗、動力伝達の効率の不良などの多くの問題が発生することになる。本発明は、Vベルトの環境温度を適切に制御して、低温におけるVベルトの硬化状
態を早期に柔軟な状態にして、プーリによる回転伝達効率をエンジン始動開始より早期に良好にさせることにある。
そこで、発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、Vベルト自動変速機が内装され且つ空気取入部と空気排出部とを備えたケーシングと、前記空気取入部と空気排出部のいずれか一方に装着される開閉蓋と、シリンダ筺体から温度の上昇に伴って飛び出すピストンを備えたシリンダと、該シリンダのピストンの作動を前記開閉蓋に伝達する伝達部材とからなり、前記シリンダは前記ケーシング内に装着され、前記シリンダのピストンの飛び出しによって、前記開閉蓋は開いてなるVベルト自動変速装置としたことにより上記課題を解決したものである。
請求項2の発明を、前述の構成において、前記伝達部材は、第1歯車と第2歯車とが歯合する歯車機構部が具備され、前記第2歯車は前記開閉蓋と共に回動し、前記第1歯車は前記シリンダのピストンによって回動されてなるVベルト自動変速装置としたことにより上記課題を解決したものである。請求項3の発明を、前述の構成において、前記開閉蓋は、略円板形状の蓋板の直径方向に支持軸が固着され、該支持軸を中心に回転して開閉が行われてなるVベルト自動変速装置としたことにより上記課題を解決したものである。請求項4の発明を、前述の構成において、前記開閉蓋は、前記空気取入部側に設けられてなるVベルト自動変速装置としたことにより上記課題を解決したものである。
請求項1の発明では、ケーシングの空気取入部と空気排出部のいずれか一方に開閉蓋が装着されており、温度の上昇に伴ってシリンダ筺体から突出するピストンを備えたシリンダによって、前記開閉蓋がケーシング内部が高温時に開く構成としているので、エンジン始動初期にケーシング内が低温時には、空気取入部又は空気排出部のいずれか一方は遮断された状態である。これによって、ケーシングは空気取入部から空気排出部に亘って、空気の流れが発生せず、冷却作用がなく、その結果、ケーシングの内部は温度が上昇し易くなり、Vベルトは、早期に温まり易くなる。
これによって、Vベルトは、早い時期からゴムが適切な温度になり、柔らかく曲がり易くなり、Vベルト自動変速機の駆動プーリ及び従動プーリのそれぞれのフェース接触面にてゴムの密着性が上がる。そのために、Vベルトの屈曲抵抗が低減し、Vベルト自動変速機を構成するカム部、摺動部等の滑りも低減させることができ、Vベルトの伝達能力が高くなり、Vベルト自動変速機の高い伝達効率が得られる。さらに、複雑な制御系を用いる事無く、簡便な構造により上記の効果を得ることができるし、部品点数も少なく、且つ省スペースにつながる。開閉蓋の開閉時間や、開度の制御により外気を取り入れる時間および取り入れる量を制御し、さらにVベルト自動変速機の高い伝達の効果が得られる。
請求項2の発明では、前記伝達部材は、第1歯車と第2歯車とがかみ合う歯車機構部が設けられ、前記第2歯車は前記開閉蓋に装着され、前記第1歯車は前記シリンダのピストンによって回動されることで、シリンダの作動を開閉蓋に確実に伝達することができる。請求項3の発明では、開閉蓋は、略円板形状の蓋板の直径方向に支持軸が固着され、該支持軸を中心に回転して開閉が行われることにより、極めて簡単な構造にて開閉蓋を構成することができる。請求項4の発明では、前記開閉蓋は、前記空気取入部側に設けられることにより、ケーシング内が低温時には、空気取入部側の開閉蓋が閉じて遮断し、空気がケーシング内に入り込むことがなく、ケーシング内が低温から高温の状態に早期にすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。Vベルト式自動変速装置(CVT)
は、図1(C)に示すように、主にケーシング1と、開閉蓋2と、該開閉蓋2を開閉する開閉手段と、Vベルト自動変速機8とから構成されている。前記ケーシング1は、本体とカバー体とから構成され、ボルト・ナットなどにて本体とカバー体とが接合固定される。前記ケーシング1には、図1(A)乃至(C)に示すように、空気取入部11及び空気排出部12が設けられている。前記空気取入部11は、前記ケーシング1の前方側に位置し、空気排出部12は前記ケーシング1の後方側に位置している。
前記空気取入部11は、前記ケーシング1の外部から空気を取り入れて、前記空気排出部12から取り入れた空気を排出するものであり〔図1(B)参照〕、この空気取入から排出の過程において、前記ケーシング1内部を空気が拡散し、ケーシング1内部のVベルト自動変速機8等の構成部材の冷却を行うものである〔図1(C)参照〕。図1(B)及び(C)において、点線の矢印は、空気の流入、排出及びケーシング1の内部の空気の流れを示すものである。該空気排出部12は、ケーシング1の後部又は中間部において下方に向けて排出されるように開口されている〔図1(B)参照〕。前記Vベルト自動変速機8は、図1(C)に示すように、主に駆動プーリ81と従動プーリ82とVベルト83とから構成される。前記駆動プーリ81はエンジンに直結しており、前記従動プーリ82は後輪に直結している。前記駆動プーリ81及び従動プーリ82は、それぞれのプーリ幅が可変するタイプであり、Vベルト83は前記駆動プーリ81と従動プーリ82との間に掛け渡されている。
特に前記空気取入部11及び空気排出部12は、ケーシング1を構成するカバー体又は本体に形成されたり、或いはカバー体,本体とは別のケーシング構成部材として形成されることもある〔図1及び 図2(A)参照〕。前記空気取入部11から取り入れられた空気がケーシング1の室内に入り込み、室内の略隅々まで流れて、空気排出部12からケーシング1の外部に排出されるものである〔図1(C)参照〕。前記空気取入部11は、略円管形状又はパイプ状に形成され、該空気取入部11の開口は取入口11aと称する。
該取入口11aからケーシング1の後方に向かって管状の空気流入路11bが形成されている。また、前記ケーシング1の長手方向他方側には、空気排出部12が形成され、該空気排出部12の開口は、排出口12aと称する。該排出口12aからケーシング1の内方に向かって管状の空気排出路12bが形成されている。また、前記空気排出部12は、ケーシング1の下方に向かって空気が排出されるようになっており、前記空気排出部12の長手方向は、ケーシング1の下方に向かって略傾斜状又は垂直状に形成されている〔図1(B)参照〕。
前記空気取入部11の空気流入路11bの内部には、図1(B),(C)及び図2(A)乃至(C)に示すように、開閉蓋2が装着されている。該開閉蓋2は、閉じた状態で空気取入部11を遮断し、空気流入を不可能に制御し〔図2(B),図3(A),(B)参照〕、開いた状態で空気取入部11に空気流入可能〔図2(C),図3(C),(D)参照〕に制御する。前記開閉蓋2の開閉作動は、後述する開閉手段によって開閉制御される。前記開閉蓋2は、図2(A),(D),(E)に示すように、略円板形状の蓋板21と支持軸22とから構成されている。前記蓋板21の略直径方向と支持軸22の長手方向とを一致するようにして、前記蓋板21に支持軸22が接合固着されている。前記開閉蓋2は、図3(B),(D)に示すように、前記空気流入路11bの内部にて前記支持軸22を回転中心として回転し、前記空気流入路11bを開閉する構造となっている。前記空気流入路11bの内部には、前記支持軸22の軸支部13が形成され、前記支持軸22が枢支されている〔図2(A)参照〕。
前記開閉蓋2を開閉制御する開閉手段は、前記ケーシング1内の温度を検知して、所定温度のときに前記開閉蓋2の開閉が行われるようになっている。具体的には、前記ケーシング1の室内温度が低いときには、開閉蓋2を閉じた状態とし、室内温度が上昇して高くなると前記開閉蓋2を開く状態にするものである。該開閉蓋2が開く所定の温度とは、Vベルト自動変速機8のVベルト83が駆動プーリ81と従動プーリ82のそれぞれのプーリフェイスに形状が馴染み、Vベルト83がそれぞれのプーリとの接触領域に対して形状の追従性が良好で且つ伝達効率が良好となる状態となるように柔軟性を有する温度である。このような状態の温度に到達するまで、前記開閉蓋2は開閉手段によって閉じた状態が維持されるようになっている。
このような機能を具備した開閉手段として、図1乃至図3等に示すように、シリンダ3が使用される。該シリンダ3は、シリンダ筺体31,ピストン32及び作動流体33から構成される。該作動流体33は、温度に反応し、温度上昇に伴って体積が膨張する性質のものである。その体積膨張によって、前記ピストン32は、前記シリンダ筺体31から、前記開閉蓋2を開閉させるに十分な突出作動を行わせるものである。このような性質を有する作動流体33は、具体的にはサーモワックスが使用される。
また、作動流体33は、サーモワックスに限定されるものではなく、温度上昇に伴って、サーモワックスと同等程度の体積膨張性能を有するものであれば、その他の種々のものが使用されても構わない。前記シリンダ3は、シリンダ筺体31から適宜の寸法でピストン32が突出しており、周囲の温度が上昇すると内部の作動流体33の体積が膨張し、ピストン32はシリンダ筺体31から飛び出して、ピストン32の突出量が増加する。
前記シリンダ3と前記開閉蓋2との間に伝達部材4が配置されている。該伝達部材4は、図1(B),図2(A)乃至(C)に示すように、歯車機構部41及びロッド42から構成される。前記歯車機構部41は、第1歯車411,第2歯車412から構成され、第1歯車411と第2歯車412とは噛み合いつつ、第1歯車411から第2歯車412へ回動伝達するものである。前記第2歯車412は、図2(A),(D),(E)に示すように、前記開閉蓋2の支持軸22の軸端部に固着されており、前記第2歯車412と前記蓋板21とは共に回動する構造となっている。すなわち、第2歯車412が回転すると、蓋板21も同時に支持軸22を回動中心として回動する〔図2(B),(C), (D),(E)参照〕。該第1歯車411は、前記開閉蓋2を開閉させるための第2歯車412に必要な回動角度を伝達することができる必要な歯数を備えたものであればよい。ここでは、前記開閉蓋2の回動角度は、略90度であればよく、前記第1歯車411は、略扇形状の歯車としている。
前記シリンダ3は、前記ケーシング1の長手方向の略中間箇所又は後部箇所に装着されている。前記ロッド42は、図1(B),(C)及び図2(A)乃至(C)に示すように、前記第1歯車411とシリンダ3のピストン32の先端との間に設置され、該ピストン32の突出作動を前記第1歯車411に伝達する役目をなす。前記ケーシング1には、ロッド42の案内路14が形成されており、ロッド42が案内路14に沿って軸方向に沿って摺動することができるようになっている。前記ロッド42の長手方向の一端は、ピストン32の先端個所に接続され、ロッド42の長手方向他端は前記第1歯車411に当接している。該第1歯車411には、前記ロッド42が当接する位置に窪み部411aが形成されており〔図2(B)乃至(E)参照〕、ロッド42の長手方向先端が当接している〔図2(B),(C),図3参照〕。これによって、前記第1歯車411とロッド42と当接箇所の位置ずれが生じないようにしている。なお、前記ピストン32と前記ロッド42との接続は、ピン接合等によって行われたり、前記ピストン32と前記ロッド42の先端同士の当接状態とすることもある。
前記第1歯車411の軸部411bとケーシング1との間には、リターンばね43が設けられている〔図2(B)乃至(E)参照〕。該リターンばね43は、前記開閉蓋2を常時閉じる方向に弾性付勢し、該開閉蓋2の閉じ状態を維持するものであり、前記シリンダ3の作動流体33が高温によって熱膨張し、伝達部材4が作動することによって、閉じ状態とされた開閉蓋2を開き状態にさせると共に、開き状態を維持させる役目をなすものである。すなわち、シリンダ3とロッド42によって前記歯車機構部41の第1歯車411が押圧され、前記第2歯車412によって前記開閉蓋2が回動させられて開き状態となっても、そのシリンダ3及びロッド42による押圧が解除されると、前記リターンばね43によって前記開閉蓋2は元の閉じ状態に戻る。このようなシリンダ3及び伝達部材4(歯車機構部41,ロッド42等)による開閉手段はケーシング1の外部の露出する位置に装着されることがあり、保護カバー15が前記シリンダ3及び伝達部材4を被覆保護することもある。
また、前記伝達部材4では、歯車機構部41及びロッド42の代わりにリンク機構44が使用されることもある(図4参照)。該リンク機構44は、第1リンク441と、第2リンク442とから構成され、第1リンク441は前記ピストン32に枢支連結され、第2リンク442は前記開閉蓋2の支持軸22に固着され、前記第1リンク441と第2リンク442とは、枢支連結されている〔図4(C),(D)参照〕。そして、前記シリンダ3のピストン32が飛び出すことにより第1リンク441が第2リンク442に作動伝達し、前記開閉蓋2を開くものである〔図4(B)参照〕。また、特に図示しないが、前記開閉蓋2は、空気排出部12側に装着されることもある。
次に、本発明の作動を説明する。エンジンを始動開始してから、運転初期において、ケーシング1室内の温度は低温である。特に冬のように寒い季節では室内は極めて低温である。このような状態では、Vベルト自動変速機8のVベルト83は、低温によって硬化しており、駆動プーリ81と従動プーリ82に対する馴染みが悪く、駆動プーリ81と従動プーリ82に対する接触領域の形状追従性が良好で状態ではない。
前記ケーシング1では、シリンダ3及び伝達部材4によって開閉蓋2が閉じ状態に維持されており、エンジン始動から走行状態に入っても、空気取入部11は遮断されており、空気は空気取入部11に入り込むことができないようになっている〔図2(B)及び図3(A),(B)参照〕。したがって、ケーシング1内では、空冷状態にはならず、Vベルト自動変速機8の駆動により、ケーシング1の室温が上昇し、Vベルト自動変速機8のVベルト83を暖めることができる。
該Vベルト83が十分に温まり、軟化して柔軟性が表れ、駆動プーリ81及び従動プーリ82に対して、十分に馴染み、それぞれのプーリとの接触領域における形状の追従が良好になり、伝達効率が良好となった温度となった時に、前記シリンダ3の作動流体33(サーモワックス)が膨張し、ピストン32がシリンダ筺体31から飛び出し、ピストン32の突出量が増加する。シリンダ3が作動するために、該シリンダ3の作動流体33の膨張が開始される温度を予め設定しておく。
該ピストン32がシリンダ筺体31から飛び出して、ピストン32の突出量の増加によって、ロッド42が押され、該ロッド42により歯車機構部41の第1歯車411が押圧されて、該第1歯車411が回動を開始する。さらに第1歯車411の回動が第2歯車412に伝達され、該第2歯車412と共に前記開閉蓋2が支持軸22を回動中心として回動し、開閉蓋2が閉じ状態から開き状態となり、前記空気取入部11とケーシング1内部とを空気流通可能とし、外気が空気取入部11よりケーシング1内に入り込むようになる〔図2(C),図3(C),(D)参照〕。前記ケーシング1内に入り込んだ空気は、駆動プーリ81に装着されたファンによって拡散され、ケーシング1内の隅々に行き渡り通常の冷却作動を行いつつ、取り込まれた空気が前記空気排出部12からケーシング1の外部に排出される〔図1(B),(C)参照〕。第1実施形態では、開閉蓋2は、徐々に開閉するものである。
次に、本発明の第2実施形態を概略すると、Vベルト自動変速機8が内装され且つ空気取入部11と空気排出部12とを備えたケーシング1と、前記空気取入部11と空気排出部12のいずれか一方に装着される開閉蓋2と、温度の変化に伴って形状が変化する形状記憶部材5と、該形状記憶部材5の形状変化による作動を前記開閉蓋2に伝達する伝達部材4とからなり、前記形状記憶部材4はケーシング1内部に装着され、前記形状記憶部材5の高温時における形状変化によって、前記開閉蓋2は開いてなる構成としたものである。また、前記形状記憶部材5は、コイルばねの形状とし、前記ケーシング1内部が低温から高温に亘って、前記コイルばねとした形状記憶部材5は長手方向に短寸法から長寸法に変化する構成にすることもある。第2実施形態は、前述の第1実施形態と略同様の効果を奏する。
第2実施形態では、図5,図6に示すように、開閉蓋2の開閉手段として形状記憶部材5が使用される。該形状記憶部材5は、温度の変化に伴って形状が変化するものであり、前記ケーシング1内部の高温時における前記形状記憶部材5によって、前記開閉蓋2は開き状態にされている。前記形状記憶部材5は、図5(B),(C)に示すように、コイルばねの形状とし、前記ケーシング1の内部が低温から高温に亘って、前記コイルばねとした形状記憶部材5は長手方向に短寸法から長寸法に変化するものである。
第2実施形態では、開閉手段として形状記憶部材5,伝達部材4とから構成されている。形状記憶部材5は、温度に反応し、温度の変化によって形状が変化する。形状記憶部材5としては、コイルばねタイプのものが使用される。このコイルばねとした形状記憶部材5(以下、コイルばね形状記憶部材5と称する)は、前記ケーシング1の長手方向の略中間箇所又は後部箇所に装着されている。伝達部材4は、前述した第1実施形態と略同等の構造であり、歯車機構部41とロッド42とから構成される〔図5(B),(C)参照〕。前記コイルばね形状記憶部材5は、その長手方向(伸縮する方向)の先端に伝達部材4を構成する棒軸形状のロッド42が長手方向に沿って装着されている。
具体的には、前記コイルばね形状記憶部材5は、接続部材51が装着され、該接続部材51を介してロッド42が固着されている。接続部材51はその一端側にコイルばね形状記憶部材5が装着され、他端にロッド42が装着されるようになっている。前記ロッド42の長手方向の端部は、前述の第1実施形態の構成と同様に、歯車機構部41の前記第1歯車411に当接し前記開閉蓋2の開閉を行うようになっている。この第2実施形態では、前記コイルばね形状記憶部材5は、高温時において長手方向に伸びて長寸法に変形したときに開閉蓋2が開く構成となっている。
この第2実施形態において、前記コイルばね形状記憶部材5は、前記開閉蓋2の支持軸22が軸支されているケーシング1の軸支部13の付近に装着されることもある(図6参照)。この場合には、前記支持軸22には、伝達部材4としてレバー部45が装着されている。該レバー部45は、取付部45aとレバー片45bとから構成され、取付部45aは環状に形成され、前記支持軸22を挿入固着させ、レバー部45が前記支持軸22と共に回動するようにしたものである。前記ケーシング1の軸支部13付近に取付スペース16が備えられており、該取付スペース16に前記コイルばね形状記憶部材5が設置され、且つケーシング1内の温度を検知できるように構成されている。
そして、前記コイルばね形状記憶部材5の長手方向の端部には、キャップ材52が固着されている。前記コイルばね形状記憶部材5は、キャップ材52を介して前記レバー部45のレバー片45bを押圧する構成となっている。コイルばね形状記憶部材5は、温度変化による形状変化によって前記レバー部45を回動させ、前記開閉蓋2を開閉させるものである。図6(B)は、前記コイルばね形状記憶部材5が低温時において長手方向に短い状態で、開閉蓋2が閉じた状態を示している。図6(C)は、前記コイルばね形状記憶部材5が高温時において長手方向に伸びて長くなった状態で、開閉蓋2が開いた状態を示している。
次に、本発明の第3実施形態を概略すると、Vベルト自動変速機8が内装され且つ空気取入部11と空気排出部12とを備えたケーシング1と、前記空気取入部11と空気排出部12のいずれか一方に装着される開閉蓋2と、温度変化を検知して作動するソレノイド61を有する電子制御手段6と、前記ソレノイド61の作動を前記開閉蓋2に伝達する伝達部材4とからなり、前記ソレノイド61はケーシング1内に装着され、高温時におけるソレノイド61の作動によって、前記開閉蓋2は開いてなる構成としたものである。また、前記電子制御手段6にはケーシング1内の温度を測定する温度センサ62が具備されてなる構成とすることもある。第3実施形態は、前述の第1実施形態と略同様の効果を奏する。
第3実施形態では、図7,図8に示すように、開閉蓋2の開閉手段として電子制御手段6が使用される。該電子制御手段6は、ソレノイド61,温度センサ62及び制御回路部63とから構成される。前記ソレノイド61は、温度変化を検知して作動し、前記ケーシング1内部の高温時における前記ソレノイド61の作動によって、前記開閉蓋2は開き状態にされる。
ソレノイド61は、前記開閉蓋2の支持軸22が軸支されているケーシング1の軸支部13の付近に装着される。この場合には、第2実施形態における取付スペース16にソレノイド61が設置される。前記伝達部材4は、第2実施形態におけるレバー部45が使用される。該レバー部45は、前述したように取付部45aが前記開閉蓋2の支持軸22に固着され、前記支持軸22と共に回動するようにしたものである。ソレノイド61は、外筺部61aに電磁軸61bが装着されたもので、通電することにより、前記電磁軸61bが
外筺部61aから飛び出す構造である。
その電磁軸61bは前記レバー部45のレバー片45bに当接し、電磁軸61bが飛び出すことによって前記レバー部45を押圧し、開閉蓋2を開くようになっている。温度センサ62は、前記ソレノイド61を作動させる役目をなすものであり、ケーシング1内の温度を検知し易い箇所に装着される。そして、前記ソレノイド61と前記温度センサ62は、制御回路部63を介して連結している。制御回路部63は、ECU(Engine-Control-Unit)63aと、CPU(中央演算処理部)63bとが備わっている。前記ソレノイド6
1はECU63aに連結しており、温度センサ62はCPU63bに連結し、前記ECU63aと前記CPU63bが連結している。
まず、前記温度センサ62は、前記ケーシング1内部でVベルト83が十分に温まって柔軟状態となる所定温度を検知すると、前記CPU63bに温度情報を送り、CPU63bがECU63aを介してソレノイド61に電磁軸61bの飛び出し命令を発し、開閉蓋
2を開くものである。図9は、本発明における特性を示すグラフである。このグラフは、ケーシング1内にて最高約90℃で開閉蓋2の開きが最大となるように設定されている。また、実際には開閉蓋2は、90℃になる前から開き始め、具体的には80℃付近から開き始めることになる。さらに、前記開閉蓋2には、比較的小さな直径の空気流通孔21aが形成されることもある〔図2(D),(E),図6(A),図8(A)等参照〕。
(A)は本発明の第1実施形態におけるケーシングの外形を示す側面図、(B)はケーシングの開閉蓋の開閉手段を露出させたケーシング外形を示す側面図、(C)は第1実施形態におけるケーシング及び内部構造の横断平面略示図である。 (A)は本発明の第1実施形態におけるケーシングにおける開閉蓋及び開閉手段の構成を示す横断平面図、(B)は開閉蓋が閉じた状態の一部断面にした側面図、(C)は開閉蓋が開いた状態の一部断面にした側面図、(D)は閉じた状態の開閉蓋と開閉手段の一部を示す斜視図、(E)は開いた状態の開閉蓋と開閉手段の一部を示す斜視図である。 (A)は開閉蓋の閉じた状態における開閉手段の状態図、(B)は開閉蓋の閉じた状態の要部側面図、(C)は開閉蓋の開いた状態における開閉手段の状態図、(D)は開閉蓋の開いた状態の要部側面図である。 (A)は第1実施形態における別のタイプの開閉手段の開閉蓋が閉じた状態の一部断面にした側面図、(B)は開閉手段の開閉蓋が開いた状態の一部断面にした側面図、(C)はシリンダ側における一部断面にした要部拡大図、(D)は開閉蓋側における一部断面にした要部拡大図である。 (A)は本発明の第2実施形態における開閉手段を露出したケーシングの側面図、(B)は開閉蓋が閉じた状態の一部断面にした要部側面図、(C)は開閉蓋が開いた状態の一部断面にした要部側面図である。 (A)は本発明の第2実施形態における別のタイプの拡大図、(B)は(A)において開閉蓋が閉じた状態の縦断側面図、(C)は(A)において開閉蓋が開いた状態の縦断側面図である。 本発明の第3実施形態におけるケーシング及び内部構造の横断平面略示図である。 (A)は本発明の第3実施形態における要部の拡大横断平面図、(B)は制御回路の構成図である。 本発明の特性を示すグラフである。
符号の説明
1…ケーシング、11…空気取入部、12…空気排出部、2…開閉蓋、3…シリンダ、31…シリンダ筺体、32…ピストン、4…伝達部材、41…歯車機構部、
411…第1歯車、412…第2歯車、21…蓋板、22…支持軸、5…コイルばね形状記憶部材、6…電子制御手段、61…ソレノイド、62…温度センサ。

Claims (4)

  1. Vベルト自動変速機が内装され且つ空気取入部と空気排出部とを備えたケーシングと、前記空気取入部と空気排出部のいずれか一方に装着される開閉蓋と、シリンダ筺体から温度の上昇に伴って飛び出すピストンを備えたシリンダと、該シリンダのピストンの作動を前記開閉蓋に伝達する伝達部材とからなり、前記シリンダは前記ケーシング内に装着され、前記シリンダのピストンの飛び出しによって、前記開閉蓋は開いてなることを特徴とするVベルト自動変速装置。
  2. 請求項1において、前記伝達部材は、第1歯車と第2歯車とが歯合する歯車機構部が具備され、前記第2歯車は前記開閉蓋と共に回動し、前記第1歯車は前記シリンダのピストンによって回動されてなることを特徴とするVベルト自動変速装置。
  3. 請求項1又は2において、前記開閉蓋は、略円板形状の蓋板の直径方向に支持軸が固着され、該支持軸を中心に回転して開閉が行われてなることを特徴とするVベルト自動変速装置。
  4. 請求項1又は2において、前記開閉蓋は、前記空気取入部側に設けられてなることを特徴とするVベルト自動変速装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011052747A1 (ja) 2009-10-30 2011-05-05 旭硝子株式会社 シール部形成用硬化性樹脂組成物、積層体およびその製造方法

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