JP2009249726A - 搬送容器及び基体ホルダーの搬送方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】チャッキング部材が固定される基体ホルダーの凹状部に残留したダストが基体の表面に付着することを防ぐ。
【解決手段】搬送容器(不図示)は、基体ホルダー102を保持して搬送容器内に対する前記基体ホルダーの搬入及び搬出を行うチャッキング部材103を備えている。基体ホルダー102の上部には、チャッキング部材103によって保持される凹状部102aが構成されている。基体ホルダー102を収容した状態で搬送容器内を真空排気する際に前記凹状部102a内の空間の圧力と円筒状基体101の周囲の空間の圧力とを等しくするために、チャッキング部材103には上記両空間を連通させるために貫通穴109が形成されている。
【選択図】図3
【解決手段】搬送容器(不図示)は、基体ホルダー102を保持して搬送容器内に対する前記基体ホルダーの搬入及び搬出を行うチャッキング部材103を備えている。基体ホルダー102の上部には、チャッキング部材103によって保持される凹状部102aが構成されている。基体ホルダー102を収容した状態で搬送容器内を真空排気する際に前記凹状部102a内の空間の圧力と円筒状基体101の周囲の空間の圧力とを等しくするために、チャッキング部材103には上記両空間を連通させるために貫通穴109が形成されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、基体上に堆積膜、とりわけ機能性膜、特に電子写真感光体に用いられる堆積膜を形成する真空処理装置において用いられる搬送容器及び基体ホルダーの搬送方法に関するものである。
従来、真空処理方法には、プラズマCVD法、イオンプレーティング法、プラズマエッチング法等、高周波電力により生成されるプラズマを用いた堆積膜形成法が知られており、そのための装置も数多く実用化されている。真空処理方法は、電子写真感光体、半導体デバイス、画像入力ラインセンサー、撮影デバイス、光起電力デバイス等を形成するために用いられる。
例えば、プラズマCVD法を用いた堆積膜形成方法、つまり、高周波電力のグロー放電により原料ガスのプラズマを生成し、原料ガスの分解種を基板上に堆積させることによって堆積膜を形成する方法がある。この方法を用いた場合、例えば、原料ガスにシランガスを用いることで、アモルファスシリコン薄膜の形成が容易であることが知られており、その製造装置も各種提案されている。
このような堆積膜形成装置により高品質な堆積膜の形成が行われているが、更なる品質向上のために、容器内の大気圧からの真空排気に関して更なる改良が進められている。そのための手段として、ガス導入電極と基板保持体との間のコンダクタンスを、容器の側壁に形成した排気口のコンダクタンスよりも小さくする技術が提案されている(特許文献1参照)。
特開平10−330944号公報
上述した従来の真空処理方法及び装置によれば、良好な堆積膜形成、即ち真空処理を行うことができる。しかしながら、真空処理を用いて生産された製品の品質に対する市場の要求レベルは日々高まっており、この要求に応えるべく、より高品質の製品が生産可能な真空処理装置が求められるようになっている。
近年その普及が目覚しいデジタル電子写真装置やカラー電子写真装置においては、文字原稿のみならず、写真、絵、デザイン画等のコピーも頻繁に成される。そのため、画像上に白点或いは黒点等の画像不良画像不良を引き起こす突起についても、従来以上の低減が求められている。
このような突起は、堆積膜形成前から基体上に付着したダスト等の異物を起源として堆積膜が異常成長したものである。そのため、堆積膜形成前の基体は厳密に洗浄され、クリーンルームなどのダスト管理された環境で反応容器内に運搬することにより、基体にダストが付着することを極力避けるようにしてきた。
一方、基体を保持する基体ホルダーは、堆積膜形成後、膜状の副生成物が堆積している。その為、基体ホルダーは、例えばガラス、ステンレス鋼、アルミナ等の研磨材を噴射しながら物理的作用により副生成物を除去するホーニングが施される。その後、洗浄工程、乾燥工程を経て再度、堆積膜の形成に使用される。
しかし、乾燥工程を経た後でも、基体ホルダー表面には、ホーニングで使用する研磨材や除去した副生成物等のダストが残留することによる影響が出る場合がある。ダストの残留は、基体ホルダー表面の中で凹状部等の複雑な形状を有した箇所で発生しやすい。
例えば、従来の基体ホルダーは、図8のように基体ホルダー802の上端にチャッキング部材803で固定可能な凹状部802aを有する。基体ホルダー802はシャフト806、爪807及び円盤805で構成されたチャッキング部材803によって固定され、搬送容器(不図示)内に大気状態で設置され、所定の圧力になるまで排気される。圧力が所定の値になったところで、基体ホルダー802に設置された円筒状基体801は真空状態で搬送される。
ここで、基体ホルダー802をチャッキング部材803で固定した時、基体ホルダー802の上端の凹状部802aは、チャッキング部材803によって囲まれた空間の一部となる。そして、大気状態から真空の状態へ排気する時、基体ホルダー802の凹状部802aとチャッキング部材803に囲まれた空間(斜線領域)は、円筒状基体801周りの空間に比べて排気初期に圧力差が生じてしまう。そのため、基体ホルダー802の凹状部802aに残留したダスト808が、圧力差の影響でチャッキング部材と基体ホルダーとの間の微小な隙間から矢印の経路で飛散する。そして、飛散したダスト808が、搬送容器(不図示)の下部へ向かう排気方向の影響を受けて円筒状基体801の表面に付着し、付着したダスト808を基点に発生した堆積膜の突起が問題となる場合がある。
そこで本発明は、チャッキング部材が固定される基体ホルダーの凹状部に残留したダストが基体の表面に付着することを防ぐことができる搬送容器及び基体ホルダーの搬送方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の搬送容器は、基体を保持した基体ホルダーを真空状態で搬送可能な搬送容器であって、前記搬送容器は、前記基体ホルダーを保持して前記搬送容器内に対する前記基体ホルダーの搬入及び搬出を行うチャッキング部材を備え、前記基体ホルダーには、前記チャッキング部材によって保持される凹状部が構成されており、前記基体ホルダーを収容した状態で前記搬送容器内を真空排気する際に少なくとも前記凹状部内の空間の圧力と前記基体の周囲の空間の圧力とを等しくする圧力均一化手段を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、チャッキング部材が固定される基体ホルダーの凹状部に残留したダストが基体の表面に付着することを防ぐことができる。
本発明者らは、画像不良の原因となる堆積膜の突起の発生原因に関して鋭意検討を行った。その結果、円筒状基体を設置する基体ホルダーに残留したダストが円筒状基体の搬送工程で堆積膜が形成される円筒状基体の外周表面に付着し、そのダストを基点として堆積膜の突起が発生することが判明した。
本発明者らは、円筒状基体の外周表面にダストが付着する原因に関して更に検討した。搬送工程において基体ホルダーに設置した円筒状基体を搬送容器に設置し大気状態から真空状態に排気する工程で、基体ホルダー上端の凹状部とチャッキング部材との間で囲まれた空間(図3の斜線領域)と円筒状基体周りの空間との圧力差が大きいことが判明した。そして、圧力差が大きいと、基体ホルダー上端の凹状部とチャッキング部材との隙間で気体の流速が速くなり、基体ホルダー上端の凹状部に残留したダストの巻上げが発生し、巻上げられたダストが排気される時に円筒状基体の外周表面に流れていくことも判った。
そこで、本発明者らは円筒状基体を設置する基体ホルダーと基体ホルダーを固定するチャッキング部材に関し鋭意検討した。その結果、チャッキング部材で基体ホルダーを保持し、基体ホルダーを収容した状態で搬送容器内を真空排気する際に基体ホルダー上端の凹状部内の空間の圧力と円筒状基体周りの空間の圧力とを等しくする圧力均一化手段を備えた構成を考案した。この構成にすることにより、排気工程におけるダストの巻上げ防止が可能となり円筒状基体外周表面への付着防止が可能であることが判った。
チャッキング部材は、保持した基体ホルダーの凹状部が当接したときに凹状部内の空間に連通する内部空間を有しており、圧力均一化手段は、チャッキング部材の外周面から前記内部空間に貫通した貫通穴である構成としてもよい。
また、基体ホルダーを収容した状態で搬送容器内を真空排気する際には、基体ホルダーの凹状部がチャッキング部材に当接した状態になるように構成した場合には、以下の構成を採用することができる。すなわち、圧力均一化手段は、凹状部の前記チャッキング部材に当接する面に形成された、基体ホルダーの外周面と凹状部内の空間とを連通させる溝であってもよい。あるいは、圧力均一化手段は、チャッキング部材の凹状部に当接する面に形成された、基体ホルダーの外周面と凹状部内の空間とを連通させる溝であってもよい。
また、圧力均一化手段は、チャッキング部材に備えられた移動機構であってもよい。移動機構は、基体ホルダーを収容した搬送容器内を真空排気する際には、基体ホルダーの凹状部とチャッキング部材との間に隙間が形成される位置に基体ホルダーを配置する。また、移動機構は、基体ホルダーを収容した状態で搬送容器の搬送を行う際には、基体ホルダーの凹状部がチャッキング部材に当接する位置に基体ホルダーを配置する。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、高周波プラズマCVD法による電子写真感光体の連続生産装置の一例を示す模式的な構成図である。図1に示す生産装置の構成は以下の通りである。この装置は大別すると、投入装置2100、加熱装置2200、反応装置2300、冷却及び排出装置2400、及びこれらの装置間で移動可能な搬送装置2500を備えている。
搬送装置2500の搬送容器2502内には、基体ホルダー(不図示)に設置された円筒状基体2508を掴むための爪及び、固定用の円盤、上下移動用のシャフトを備えたチャッキング部材2507が設けられている。チャッキング部材2507の詳細については後述する。
上記各装置の加熱容器2202、反応容器2302、冷却及び排出容器2402、搬送容器2502は真空に減圧可能な円筒状の縦型容器である。それらの容器の各々には容器内を真空排気する排気ポンプ2205、2305、2405、2505が設けられている。さらに、それらの容器の各々には、排気バルブ2203、2303、2403、2503、2509が設けられている。さらに、各容器には開閉ゲート2201、2301、2401、2501が設置されている。搬送装置2500の開閉ゲート2501は、他の各容器の開閉ゲート2201、2301、2401に接続可能になっている。
投入容器2102には開閉ゲート2101が設けられている。投入容器2102内には、その内部を大気状態としたまま円筒状基体2508が設置される。加熱容器2202には加熱時に使用するガスを流入させる補助バルブ2204が設けられており、冷却及び排出容器2402には容器内を大気に戻すためのリークバルブ2404が設けられている。反応容器2302には、反応ガス流出バルブ2304、2306、高周波マッチングボックス(不図示)、及び高周波電源(不図示)が接続されている。
搬送容器2502には、容器内を真空に減圧するための排気バルブ2503、ゲート間を真空に減圧するための排気バルブ2509、ゲート間を大気圧に戻すためのリークバルブ2504が設けられており、内部空間を真空排気可能である。さらに、搬送容器2502には、基体ホルダーに設置された円筒状基体2508を移動させるためのチャッキング部材2507が設けられている。チャッキング部材2507は、基体ホルダーを保持して搬送容器2502内に対する基体ホルダーの搬入及び搬出を行う。搬送装置2500は、移動用レール2506の上を移動可能である。
投入容器2102、加熱容器2202、反応容器2302、冷却及び取り出し容器2402の数は、それぞれの処理時間に応じた組み合わせが選択される。また、搬送容器2502は、同時に複数の基体を移送出来るように複数設ける事も可能である。また、移動用レール2506の形体は直線でもよいし、円でもよい。
このような装置を用いた連続生産は、例えば以下のように行われる。
作業者が投入容器2102に円筒状基体2508を設置した後に、自動搬送専用の搬送容器2502が、投入容器2102上に移動し、更に下降して、開閉ゲート2501が開閉ゲート2101に接続する。
双方の開閉ゲート2501、2101を開き、円筒状基体2508をチャッキング部材2507により搬送容器2502内に移動させた後、双方の開閉ゲートを閉じ、搬送容器2502を所定の位置まで上昇させる。この状態で搬送容器2502内を搬送容器2502の下部側から排気ポンプ2505及び排気バルブ2503によって排気し、大気圧から所定の真空度になるまで減圧する。所定の真空度に到達した時点で、搬送容器2502を、排気バルブ2203及び排気ポンプ2205により予め真空保持した加熱容器2202に移送する。
加熱用ガスを補助バルブ2204から所定の圧力になるまで加熱容器2202内に供給し、容器内に設置されているヒーター(不図示)を用いて円筒状基体2508を所定の温度に加熱する。加熱された円筒状基体2508は、搬送容器2502を用いて、排気バルブ2303及び排気ポンプ2305により予め真空保持した何れかの反応容器2302内へ移送される。
反応容器2302内で所定の手段により円筒状基体2508上に堆積膜を形成する。その後、円筒状基体2508は排気バルブ2403及び排気ポンプ2405により予め真空保持された冷却及び排出容器2402に移送され、所定の温度になるまで冷却される。そして、容器2402内が大気圧になるまでリーク用ガスをリークバルブ2404から流した後、容器2402内から円筒状基体2508を搬出する。
加熱容器2202、反応容器2302、冷却及び排出容器2402と搬送容器2502との間での円筒状基体2508の受け渡しの際には、まず搬送装置2500が所定の容器上に移動し、開閉ゲート2501を所定の開閉ゲート2201〜2401に接続させる。その後、排気ポンプ2505及び排気バルブ2509にて開閉ゲート間を真空にする。なお、搬送容器2502内が所定の真空度で無い場合は、排気バルブ2503にて減圧を行う。
開閉ゲート間が所定の真空度に到達した段階で、双方の開閉ゲートを開き、円筒状基体2508の受け渡しを行う。受け渡し終了後、双方の開閉ゲートは閉じられ、リークバルブ2504からリーク用ガスを流し、ゲート間を大気圧にする。その後、搬送容器2502の開閉ゲート2501は切り離され、搬送装置2500は次工程へ移動する。
なお、基体ホルダーに設置された円筒状基体2508の受け渡しはチャッキング部材2507を用いて行われる。これらの工程は全て自動制御によって行われる。
次に、堆積膜の形成方法について、図2に示す堆積膜形成装置の模式的な構成図を参照して更に詳細に説明する。
図2に示す装置は、大別すると、反応装置3100、原料ガス供給装置3200、及び反応装置3100内を減圧するための排気装置(不図示)を備えている。反応装置3100内は、開閉ゲート3110及び底板3126から絶縁部材3121によって絶縁された高周波電極3111で構成されている。反応装置3100内には、アースに接続された円筒状基体3112、円筒状基体の加熱用ヒーター3113、原料ガス導入管3114が設置されている。高周波電極3111には、高周波マッチングボックス3115を介して高周波電源3120が接続されている。
原料ガス供給装置3200は、SiH4、H2、CH4、NO、B2H6、CF4等の原料ガスボンベ3221〜3226と、バルブ3231〜3236、3241〜3246、3251〜3256及びマスフローコントローラー3211〜3216を有している。各構成ガスのボンベは、補助バルブ3210及びガス供給配管3116を介して反応装置3100内の原料ガス導入管3114に接続されている。
円筒状基体3112は基体ホルダー3123の上に設置され、更に円筒状基体3112上部にはキャップホルダー3125が設置されている。基体ホルダー3123及びキャップホルダー3125は導電性部材で構成されている。導電性材料からなる円筒状基体3112は基体ホルダー3123を介してアースに接続されている。また基体ホルダー3123は上端にチャッキング部材で固定可能な凹状部3123aを有している。
図2に示す装置を用いて、例えば、アモルファスシリコン電子写真感光体を作成するには以下のようにして行う。
不図示の排気手段により真空に減圧された反応装置3100内に所定の温度に加熱された円筒状基体3112を搬送容器(図示せず)により開閉ゲート3110を介して設置する。
続いて、円筒状基体の加熱用ヒーター3113により円筒状基体3112の温度を20℃〜500℃の所望の温度に制御する。次いで、原料ガスを反応装置3100内に流入させる前に、ガスボンベのバルブ3231〜3236及び反応容器のリークバルブ3117が閉じられていることを確認する。また、流入バルブ3241〜3246、流出バルブ3251〜3256、補助バルブ3210が開かれていることを確認する。そして、メインバルブ3118を開いて反応装置3100及びガス供給配管3116を排気する。
その後、真空計3119の値が0.7Paになった時点で補助バルブ3210と流出バルブ3251〜3256を閉じる。その後、バルブ3231〜3236を開いてガスボンベ3221〜3226から各ガスを導入し、圧力調整器3261〜3266により各ガス圧を所定の圧力に調整する。次に、流入バルブ3241〜3246を徐々に開けて各ガスをマスフローコントローラー3211〜3216内に導入する。
以上の手順によって成膜準備を完了した後、円筒状基体3112上に、まず電荷注入阻止層の形成を行う。
即ち、円筒状基体3112が所望の温度になったところで、各流出バルブ3251〜3256のうちの必要なものと補助バルブ3210とを徐々に開く。これにより、各ガスボンベ3221〜3226から所望の原料ガスをガス導入管3114を介して反応装置3100内に導入する。次に、各マスフローコントローラー3211〜3216によって、各原料ガスが所望の流量になるように調整する。その際、反応装置3100内が133Pa以下の所望の圧力になるように、真空計3119を見ながらメインバルブ3118の開口を調整する。内圧が安定したところで、高周波電源3120を所望の電力に設定して、例えば13.56MHzの高周波電力を高周波マッチングボックス3115を介して高周波電極3111に供給し、高周波グロー放電を生起させる。この放電エネルギーによって反応装置3100内に導入させた各原料ガスが分解され、円筒状基体3112上に所望の珪素原子を主成分とする電荷注入阻止層が堆積される。
所望の膜厚の電荷注入阻止層の形成が行われた後、反応装置3100内に供給する原料ガスを光導電層の形成に必要な原料ガスに切り換えて所望の膜厚の形成を行う。その後、高周波電力の供給を止め、各流出バルブ3251〜3256を閉じて反応装置3100への各原料ガスの流入を止め、光導電層の形成を終える。
上記光導電層上に表面層を形成する場合も基本的には上記の操作を繰り返せばよく、反応装置3100内の原料ガスを排気した後、反応装置3100内に供給する原料ガスを表面層に必要な原料ガスに切り換えて反応装置3100内に流す。所定の内圧に調整した後に前層と同様の操作により所望の膜厚の表面層を形成すればよい。
表面層の膜厚としては、通常0.01μm〜3μm、好適には0.05μm〜2μm、最適には0.1μm〜1μmが望ましい。膜厚が0.01μmよりも薄いと電子写真感光体としての機械的強度が損なわれる場合がある。また表面層の膜厚が3μmを越えると残留電位が増加するなど、電子写真特性が損なわれる場合がある。
図3から図7は、本実施形態の基体ホルダーを円盤、シャフト及び爪部を備えたチャッキング部材でチャッキングした状態を示す模式図である。図3、図4(a)、図5(a)、図6(a)、図7(a)及び図7(b)は概略断面図であり、図4(b)、図5(b)、図6(b)は平面図である。ただし、それらの平面図ではチャッキング部材は不図示とした。
まず、基体ホルダーの構成について説明する。
図3〜図7に示した基体ホルダー102、402、502、602、702は、円筒状基体101、401、501、601、701を基体ホルダー102、402、502、602、702の下部に設けられたフランジ部の上に設置する構成を有している。基体ホルダー102、402、502、602、702は、円筒状基体101、401、501、601、701の内周面に対向する位置に、円筒状基体の内周面との間に隙間をおいて配置されている。また、キャップホルダー104、404、504、604、704が、円筒状基体101、401、501、601、701の上方であって基体ホルダー102、402、502、602、702の外周面に対向する位置に配置されている。キャップホルダー104、404、504、604、704は、基体ホルダーの外周面との間に隙間をおいて配置されている。
円筒状基体101、401、501、601、701は、上記のように構成された基体ホルダーに設置され、チャッキング部材により固定されて搬送容器(不図示)内に大気状態で設置され、その後、搬送容器内は所定の圧力になるまで減圧される。
次に、チャッキング部材の構成について説明する。
図3〜図7に示したチャッキング部材103、403、503、603、703は、シャフト106、406、506、606、706、爪部107、407、507、607、707、及び円盤105、405、505、605、705を備えている。チャッキング部材は、下部にフランジ部を備えた筒状のケース110、410、510、610、710をさらに有している。円盤105、405、505、605、705は、ケースの下部のフランジ部に取り付けられている。シャフト106、406、506、606、706はケース110、410、510、610、710の筒状部内に挿通されている。シャフト106、406、506、606、706の先端には2つの爪部107、407、507、607、707が設けられている。2本の爪部107、407、507、607、707は、シャフト106、406、506、606、706に対して対称に配置されている。2つの爪部は、リンク機構107a、407a、507a、607a(図7では不図示)によって、シャフトに近接した位置とシャフトから離れた位置との間を移動可能になっている。
ここで、チャッキング部材による基体ホルダーのチャッキング工程について説明する。図3を参照すると、まず、2本の爪部107をシャフト106に近接した位置に配置した状態で、円筒状基体101が設置された基体ホルダー102の上端の凹状部102aの位置までチャッキング部材103を下降させる。その後、2本の爪部107をシャフト106から離れた位置に移動させて、2本の爪部107を基体ホルダー102上端の凹状部102aにクランプさせる。これにより、基体ホルダー102上端の凹状部102aが2つの爪部107とチャッキング部材103の円盤105との間に固定され、チャッキング部材による基体ホルダーのチャッキング工程が完了する。このチャッキング工程は、図4〜図6のチャッキング部材403、503、603によっても同様に行われる。
続いて、図3〜図7に示した各チャッキング部材の特徴について説明する。
図3に示すチャッキング部材103では、ケース110の一部に貫通穴109が形成されている。チャッキング部材103によって基体ホルダー102が保持されて基体ホルダー102の上端が円盤105に当接した状態では、ケース110の内部及び基体ホルダー102上端の凹状部102a内によって空間(図3の斜線部)が形成される。この空間は、貫通穴109を介して外部に連通している。したがって、ケース110及び基体ホルダー102上端の凹状部102aの空間内の圧力は、円筒状基体101の周囲の空間の圧力と等しくなっている。ケース110に形成する貫通穴109の大きさ、形状および個数は、上記のようにケース110及び基体ホルダー102上端の凹状部102aの空間内の圧力と円筒状基体101の周囲の空間の圧力とに差が生じない構成であれば、特に制限は無い。
図4に示すチャッキング部材403では、基体ホルダー402上端の凹状部402aの、チャッキング部材403の円盤405に接触する面に溝411が形成されている。チャッキング部材403によって基体ホルダー402が保持されて基体ホルダー402の上端が円盤405に当接した状態では、ケース410及び基体ホルダー402上端の凹状部402aの内部の空間はこの溝411を介して外部に連通する。したがって、ケース410及び基体ホルダー402上端の凹状部402aの空間(図4の斜線部)内の圧力は、円筒状基体401の周囲の空間の圧力と等しくなっている。溝411の大きさ、形状および個数は、上記のようにケース410及び基体ホルダー402上端の凹状部402aの空間内の圧力と円筒状基体401の周囲の空間の圧力とに差が生じない構成であれば、特に制限は無い。図4に示す例では、基体ホルダー402の周方向に沿って4つの溝411が等間隔に形成されている。
なお、図4に示すように基体ホルダー402に溝411を形成する構成では、キャップホルダー404とチャッキング部材403の円盤405との間に十分な隙間を形成することが好ましい。これは、溝411によるケース410等の内部空間と周囲空間との連通を妨げないためである。そのような隙間を形成するために、キャップホルダー404の長さを短くしたり、キャップホルダー404の上面に溝を設けたりすることが可能である。
図5に示すチャッキング部材503では、チャッキング部材503の円盤505の、基体ホルダー502上端の凹状部502aに接触する面に溝511が形成されている。チャッキング部材503によって基体ホルダー502が保持されて基体ホルダー502の上端が円盤505に当接した状態では、ケース510及び基体ホルダー502上端の凹状部502aの内部の空間(図5の斜線部)はこの溝511を介して外部に連通する。したがって、ケース510及び基体ホルダー502上端の凹状部502aの空間内の圧力は、円筒状基体501の周囲の空間の圧力と等しくなっている。溝511の大きさ、形状および個数は、上記のようにケース510及び基体ホルダー502上端の凹状部502aの空間内の圧力と円筒状基体501の周囲の空間の圧力とに差が生じない構成であれば、特に制限は無い。図5に示す例では、円盤505の周方向に沿って4つの溝511が等間隔に形成されている。
図6に示すチャッキング部材603は、図3に示した特徴と、図4に示した特徴とを備えている。すなわち、チャッキング部材603では、ケース610の一部に貫通穴609が形成されているとともに、基体ホルダー602上端の凹状部602aの、チャッキング部材603の円盤605に接触する面に溝611が形成されている。この構成によれば、ケース610及び基体ホルダー602上端の凹状部602aの内部の空間(図6の斜線部)が、貫通穴609と溝611との両方を介して外部に連通する。そのため、その内部空間の圧力をより確実に円筒状基体601の周囲の空間の圧力と等しくすることが可能である。
また、図7に示すチャッキング部材703は、爪部707をシャフト706に対して上下方向に移動させる移動機構712を備えている。移動機構712としては、モータとギアを用いた駆動機構、電磁石、エアシリンダなどを好適に用いることができる。
図7では不図示であるが、チャッキング部材703は、爪部707をシャフト706に近接した位置とシャフト706から離れた位置との間で移動させるリンク機構も備えている。なお、図7に示すチャッキング部材703は、図3〜図6に示した構成とは異なり、ケース710の貫通孔や、基体ホルダー702上部の凹状部702aや円盤705の溝は形成されていない。
図7(a)に示す状態では、移動機構712によって爪部707がシャフト706に対する下側位置に配置され、爪部707の大部分がケース710から突出している。この状態では、爪部707に保持された基体ホルダー702上部の凹状部702aと、チャッキング部材703の円盤705との間に隙間が形成されている。したがって、基体ホルダー702の凹状部702a内の空間と、チャッキング部材703のケース710内の空間は、それぞれ周囲の空間に開放されている。
一方、図7(b)に示す状態では、移動機構712によって爪部707がシャフト506に対する上側位置に配置され、爪部707が図7(a)に示す位置よりもケース710内に引き込まれた状態となっている。この状態では、爪部707に保持された基体ホルダー702上部の凹状部702aと、チャッキング部材703の円盤705とが互いに密着しており、両者の間に隙間は形成されていない。したがって、基体ホルダー702の凹状部702aとチャッキング部材703のケース710とによって形成された空間は、周囲の空間に対して閉じた状態となっている(図7の斜線部を参照)。
ここで、図7に示すチャッキング部材703による基体ホルダー702のチャッキング動作について、図1を参照しながら説明する。
チャッキング部材703で基体ホルダー702をチャッキングする際には、まず、リンク機構(不図示)によって2本の爪部707をシャフト706に近い位置に配置し、かつ移動機構712によって2本の爪部707を上側位置に配置した状態とする。この状態で、円筒状基体701が設置された基体ホルダー702の上端の凹状部702aの位置までチャッキング部材703を下降させる。その後、移動機構712によって2本の爪部707を下側位置に移動させ、基体ホルダー702をチャッキング可能な所定の位置まで2本の爪部707を下降させる。この段階で、2本の爪部707をシャフト706から離れた位置に移動させて、2本の爪部707を投入装置2100(図1参照)内に設置された基体ホルダー702の上端の凹状部702aにクランプさせる(図7(a)参照)。
その後、基体ホルダー702は上昇させられて搬送容器2502(図1参照)内に収容される。そして、チャッキング部材703の円盤705と基体ホルダー702上端の凹状部702aとの間に隙間を形成した状態で、搬送容器2502内で大気状態から真空状態にまで排気が行われる。そして、搬送容器2502内が所定の真空度に達した後、移動機構712によって爪部707を上側位置に移動させ、基体ホルダー702上部の凹状部702aとチャッキング部材703の円盤705とを互いに密着させた状態に維持する(図7(b)参照)。その後、搬送容器2502は次の加熱装置2200(図1参照)まで搬送される。
以下に、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
図3に示す構成のチャッキング部材103と基体ホルダー102に直径84mm、長さ381mmのアルミニウムからなる円筒状基体101を設置した。そして、図2の堆積膜形成装置を用いた図1に示す構成の連続生産装置によって、表1に示す条件で電子写真感光体を50本作製した。
図3に示す構成のチャッキング部材103と基体ホルダー102に直径84mm、長さ381mmのアルミニウムからなる円筒状基体101を設置した。そして、図2の堆積膜形成装置を用いた図1に示す構成の連続生産装置によって、表1に示す条件で電子写真感光体を50本作製した。
本実施例では、大気状態から真空状態への排気は、搬送容器2502内にアルミニウムからなる円筒状基体2508を設置し、チャッキング部材2507の全長45mm、幅15mmの爪部107でクランプ固定したままで行った。具体的には、大気状態から排気バルブ2509及び排気ポンプ2505によって排気を行い、15分後に2.67kPaに達する排気速度で真空排気を行った。
また、図3のチャッキング部材103のケース110には、直径10mmの貫通穴109をケース110の径方向の対向位置に2箇所設けた。
基体ホルダー102は、チャッキング部材103によって固定される箇所が凹状部102aを有した形状をしている。また、基体ホルダー102には、堆積膜形成工程及びホーニング工程、洗浄工程、乾燥工程を行った後の基体ホルダーを使用した。
<比較例1>
図8に示す構成の貫通穴を有しないケース810を備えたチャッキング部材803を用いること以外は、実施例1と同様に表1に示す条件で、円筒状基体上801に電子写真感光体を50本作製した。円筒状基体上801としては、直径84mm、長さ381mmの円筒状アルミニウム基体を用いた。
図8に示す構成の貫通穴を有しないケース810を備えたチャッキング部材803を用いること以外は、実施例1と同様に表1に示す条件で、円筒状基体上801に電子写真感光体を50本作製した。円筒状基体上801としては、直径84mm、長さ381mmの円筒状アルミニウム基体を用いた。
実施例1および比較例1で作製した電子写真感光体に対して、「突起」の評価を以下の具体的な方法で行った。
「突起」
作製した電子写真感光体に対して、光学顕微鏡を用いて自動で全面スキャンし、電子写真感光体表面に存在する20μm以上の突起の個数を調べた。
作製した電子写真感光体に対して、光学顕微鏡を用いて自動で全面スキャンし、電子写真感光体表面に存在する20μm以上の突起の個数を調べた。
作製した全ての電子写真感光体に関し、50本に対する突起の個数の平均値を「突起数」とし、比較例1で得られた平均値を100とした相対比較を行った。値が小さいほど突起が少なく画質に優れていることを示す。その結果を表2に示す。
表2に示す結果から、基体ホルダー102の凹状部102aにダストが存在する場合があっても、チャッキング部材103のケース110に貫通穴109を設けることにより、突起の少ない電子写真感光体が得られることが判明した。
[実施例2]
図4に示す構成の基体ホルダー402を用いる以外は、実施例1と同様に、直径84mm、長さ381mmのアルミニウムからなる円筒状基体401を設置した。そして、図2の堆積膜形成装置を用いた図1に示す構成の連続生産装置によって、表1に示す条件で電子写真感光体を作製した。
図4に示す構成の基体ホルダー402を用いる以外は、実施例1と同様に、直径84mm、長さ381mmのアルミニウムからなる円筒状基体401を設置した。そして、図2の堆積膜形成装置を用いた図1に示す構成の連続生産装置によって、表1に示す条件で電子写真感光体を作製した。
なお、チャッキング部材403は、ケース410に貫通穴は設けなかった。図4の基体ホルダー402には、チャッキング部材403の円盤405に接する面に、図4(b)に示すように深さ5mm、幅20mmの溝411を4箇所設けた。
また、基体ホルダー402は、チャッキング部材403によって固定される箇所が凹状部402aを有した形状をしている。また、基体ホルダー402には、堆積膜形成工程及びホーニング工程、洗浄工程、乾燥工程を行った後の基体ホルダーを使用した。
作製した電子写真感光体に対し実施例1と同様の方法で突起の評価を行った。その結果を表3に示す。
表3に示す結果から、基体ホルダー402の凹状部402aにダスト408が存在する場合があっても、基体ホルダー上端の凹状部に溝411を形成することにより突起の少ない電子写真感光体が得られることが判明した。
[実施例3]
図5に示すチャッキング部材503を用いる以外は、実施例1と同様に、直径84mm、長さ381mmのアルミニウムからなる円筒状基体501を設置した。そして、図2の堆積膜形成装置を用いた図1に示す構成の連続生産装置によって、表1に示す条件で電子写真感光体を作製した。
図5に示すチャッキング部材503を用いる以外は、実施例1と同様に、直径84mm、長さ381mmのアルミニウムからなる円筒状基体501を設置した。そして、図2の堆積膜形成装置を用いた図1に示す構成の連続生産装置によって、表1に示す条件で電子写真感光体を作製した。
本実施例のチャッキング部材503は、チャッキング部材503の円盤505の、基体ホルダー502上端の凹状部502aに接する面に、図8(b)に示すように深さ5mm、幅20mmの溝511を4箇所設けた。なお、チャッキング部材503のケース510に貫通穴は設けなかった。
また、基体ホルダー502は、チャッキング部材503によって固定される箇所が凹状部502aを有した形状をしている。また、基体ホルダー502には、堆積膜形成工程及びホーニング工程、洗浄工程、乾燥工程を行った後の基体ホルダーを使用した。
作製した電子写真感光体に対し実施例1と同様の方法で突起の評価を行った。その結果を表4に示す。
表4に示す結果から、基体ホルダー502の凹状部502aにダスト508が存在する場合があっても、チャッキング部材503の円盤505に溝を形成することにより突起の少ない電子写真感光体が得られることが判明した。
[実施例4]
図6に示す構成のチャッキング部材603と基体ホルダー602を使用する以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。すなわち、実施例1と同様に直径84mm、長さ381mmのアルミニウムからなる円筒状基体601を設置し、図2の堆積膜形成装置を用いた図1に示す構成の連続生産装置によって、表1に示す条件で電子写真感光体を作製した。
図6に示す構成のチャッキング部材603と基体ホルダー602を使用する以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。すなわち、実施例1と同様に直径84mm、長さ381mmのアルミニウムからなる円筒状基体601を設置し、図2の堆積膜形成装置を用いた図1に示す構成の連続生産装置によって、表1に示す条件で電子写真感光体を作製した。
図6のチャッキング部材603のケース610には、直径10mmの穴を径方向の対向位置に2箇所設けた。また、図6の基体ホルダー602は、チャッキング部材603の円盤605の、基体ホルダー602上端の凹状部602aに接する面に、図6(b)に示すように深さ5mm、幅20mmの溝611を4箇所設けた。
また、基体ホルダー602は、チャッキング部材603によって固定される箇所が凹状部602aを有した形状をしている。また、基体ホルダー602には、堆積膜形成工程及びホーニング工程、洗浄工程、乾燥工程を行った後の基体ホルダーを使用した。
作製した電子写真感光体に対し実施例1と同様の方法で突起の評価を行った。その結果を表5に示す。
表5の結果から、基体ホルダー602の凹状部602aにダスト608が存在する場合があっても、チャッキング部材のケースに貫通穴を形成して基体ホルダー上端の凹状部に溝を形成することで、突起の少ない電子写真感光体が得られることが判明した。
[実施例5]
図7に示す構成のチャッキング部材703を使用する以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。すなわち、実施例1と同様に直径84mm、長さ381mmのアルミニウムからなる円筒状基体701を設置し、図2の堆積膜形成装置を用いた図1に示す構成の連続生産装置によって、表1に示す条件で電子写真感光体を作製した。
図7に示す構成のチャッキング部材703を使用する以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。すなわち、実施例1と同様に直径84mm、長さ381mmのアルミニウムからなる円筒状基体701を設置し、図2の堆積膜形成装置を用いた図1に示す構成の連続生産装置によって、表1に示す条件で電子写真感光体を作製した。
本実施例では、エアシリンダで構成されエアによって制御される移動機構712を備えたチャッキング部材703を使用した。基体ホルダー702を収容した搬送容器2502内を大気状態から真空状態へ排気する際には、チャッキング部材703は円盤705と基体ホルダー702上端の凹状部702aとの間に隙間を形成した状態で基体ホルダー702を保持する(図7(a)参照)。また、基体ホルダー702を収容した搬送容器2502を移動させる際には、チャッキング部材703は基体ホルダー702上部の凹状部702aと円盤705とを互いに密着させた状態で基体ホルダー702を保持する(図7(b)参照)。そのためのチャッキング部材703の具体的な動作は上述した通りである。
基体ホルダー702は、チャッキング部材703によって固定される箇所が凹状部702aを有した形状をしている。また、基体ホルダー702には、堆積膜形成工程及びホーニング工程、洗浄工程、乾燥工程を行った後の基体ホルダーを使用した。
作製した電子写真感光体に対し実施例1と同様の方法で突起の評価を行った。その結果を表6に示す。
表6の結果から、基体ホルダー702の凹状部702aにダスト708が存在する場合でも、真空排気時にチャッキング部材の円盤と基体ホルダー上端の凹状部とが接しないように隙間を設けることで突起の少ない電子写真感光体が得られることが判った。さらに、搬送時にはその隙間を無くすことでアルミニウムからなる円筒状基体の搬送を安定して行うことが可能となった。
101、401、501、601、701 円筒状基体
102、402、502、602、702 基体ホルダー
103、403、503、603、703 チャッキング部材
109、609 貫通穴
411、511、611 溝
712 移動機構
2502 搬送容器
102、402、502、602、702 基体ホルダー
103、403、503、603、703 チャッキング部材
109、609 貫通穴
411、511、611 溝
712 移動機構
2502 搬送容器
Claims (7)
- 基体を保持した基体ホルダーを内部に収容して真空状態で搬送する搬送容器であって、
前記搬送容器は、前記基体ホルダーを保持して前記搬送容器内に対する前記基体ホルダーの搬入及び搬出を行うチャッキング部材を備え、
前記基体ホルダーには、前記チャッキング部材によって保持される凹状部が構成されており、
前記基体ホルダーを収容した状態で前記搬送容器内を真空排気する際に少なくとも前記凹状部内の空間の圧力と前記基体の周囲の空間の圧力とを等しくする圧力均一化手段を備えていることを特徴とする搬送容器。 - 前記チャッキング部材は、保持した前記基体ホルダーの前記凹状部が当接したときに前記凹状部内の空間に連通する内部空間を有しており、
前記圧力均一化手段は、前記チャッキング部材の外周面から前記内部空間に貫通した貫通穴である、請求項1に記載の搬送容器。 - 前記基体ホルダーを収容した状態で前記搬送容器内を真空排気する際には、前記基体ホルダーの前記凹状部が前記チャッキング部材に当接した状態になるように構成されており、
前記圧力均一化手段は、前記凹状部の前記チャッキング部材に当接する面に形成された、前記基体ホルダーの外周面と前記凹状部内の空間とを連通させる溝である、請求項1または2に記載の搬送容器。 - 前記基体ホルダーを収容した状態で前記搬送容器内を真空排気する際には、前記基体ホルダーの前記凹状部が前記チャッキング部材に当接した状態になるように構成されており、
前記圧力均一化手段は、前記チャッキング部材の前記凹状部に当接する面に形成された、前記基体ホルダーの外周面と前記凹状部内の空間とを連通させる溝である、請求項1または2に記載の搬送容器。 - 前記圧力均一化手段は、前記基体ホルダーを収容した前記搬送容器内を真空排気する際には、前記基体ホルダーの前記凹状部と前記チャッキング部材との間に隙間が形成される位置に前記基体ホルダーが配置され、前記基体ホルダーを収容した状態で前記搬送容器の搬送を行う際には、前記基体ホルダーの前記凹状部が前記チャッキング部材に当接する位置に前記基体ホルダーが配置されるように前記基体ホルダーを移動させる、前記チャッキング部材に備えられた移動機構である、請求項1に記載の搬送容器。
- 基体を保持した基体ホルダーを真空排気可能な搬送容器内に収容して真空状態で搬送する基体ホルダーの搬送方法であって、
前記基体ホルダーに構成された凹状部をチャッキング部材によって保持し、前記基体ホルダーを前記搬送容器内に搬入する搬入工程と、
少なくとも前記凹状部内の空間の圧力と前記基体の周囲の空間の圧力とが等しくなるように維持した状態で、前記搬送容器内を真空排気する排気工程と、
を有することを特徴とする基体ホルダーの搬送方法。 - 前記搬入工程では、前記基体ホルダーの前記凹状部が前記チャッキング部材に当接する位置に前記基体ホルダーを配置し、
前記排気工程では、前記基体ホルダーの前記凹状部と前記チャッキング部材との間に隙間が形成される位置に前記基体ホルダーを配置する、
請求項6に記載の基体ホルダーの搬送方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN115053014A (zh) * | 2019-12-19 | 2022-09-13 | 欧瑞康表面处理解决方案股份公司普费菲孔 | 在基片表面加工期间对可磁化基片进行保持的保持装置 |
-
2008
- 2008-04-10 JP JP2008102580A patent/JP2009249726A/ja active Pending
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