JP2009248086A - 粉末成形装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧粉体の側面に形成される穴が圧粉体の圧縮方向の長さの中間位置より上下に偏る場合であっても、側面に穴を形成するピンおよびダイを、上パンチおよび下パンチの加圧力によって損傷させることなく、安全に圧粉体を成形できる粉末成形装置を提供する。
【解決手段】金型装置10は、横穴形成シリンダ装置20のピン21が摺動自在に挿入されるピン挿入孔13が形成されたダイ11と、ダイ11の側面11cに配設される横穴形成シリンダ装置20と、横穴形成シリンダ装置20が配設されたダイ11を、原料粉末3の圧縮方向に移動自在に支持するガイドロッド37と、ダイ11を圧縮方向に任意に移動可能な浮動状態に支持する浮動シリンダ装置31とを備える。浮動シリンダ装置31は、圧力調整装置によって圧力作用室35内の流体量を調整させることで、横穴形成シリンダ装置20を備えたダイ11をガイドロッド37に沿って適宜浮動させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧縮方向と交差する方向に穴を有する圧粉体を成形する際に好適な粉末成形装置に関する。
粉末冶金法(押型成形法)で成形される圧粉体は、ダイに形成され、圧粉体の外形を形成するダイ孔と、下端面を形成する下パンチによってダイキャビティを形成し、そのダイキャビティ内に金属粉末などの原料粉末を充填し、上端面を形成する上パンチと下パンチによって目標寸法になるまで上下方向から加圧して成形される。圧粉体の圧縮方向に中空を形成する場合は、コアロッドが用いられる。
また、圧粉体の圧縮方向と交差する方向(圧粉体の側面)に穴が形成される場合がある。側面に穴が形成された圧粉体を得る方法として、例えば特許文献1に記載されている方法がある。この方法では、原料粉末がダイキャビティ内に充填された後、原料粉末が充填されたダイキャビティ内に、ダイキャビティの側面からピンが挿入される。次いで、ダイキャビティ内の原料粉末が上下各パンチによって圧縮されて、側面に穴が形成された圧粉体が成形される。
また、上記方法以外に、圧粉体の側面に穴を形成するピンをダイキャビティ内に突出させた後に原料粉末をダイキャビティ内に充填させ、原料粉末を圧縮する方法もある。しかしながらこの方法では、ピンの下側に原料粉末が充分に充填されずピンの上側と下側とで密度差が生じる場合がある。これを防止する方法として、例えば特許文献2に記載の方法がある。この方法によれば、ピンに原料粉末を通過させる穴を形成し、原料粉末の充填時にこの穴を通過させてピンの下側に原料粉末を充填させる。また、圧粉体の側面に穴を形成するピンを進退させる方法として、例えばモータやアクチュエータを用いてピンを進退させる方法がある(特許文献3参照)。
特開昭54−91877号公報 特開平4−40095号公報 特開平4−327398号公報
図1は、側面に穴が形成された圧粉体を示す側面図である。上記各特許文献の方法で圧粉体の側面に形成される穴は、製品の仕様により、圧縮方向の長さの中間位置mから上下のどちらかに偏って形成される場合がある。すなわち、ダイキャビティ内に充填された原料粉末の上端面および下端面からピンまでの距離が、ピンを境にして形成される原料粉末の上側と下側とで異なる。このような場合では、ピンに伝わる加圧力がピンの上側と下側とで異なる。一般的に、上下各パンチの加圧力は、上下各パンチからの距離に比例して減衰する。図1(a)に示す圧粉体1の場合では、圧粉体1の上端面1aから穴2までの距離h1と下端面1bから穴2までの距離h2が等しい。このため、原料粉末の圧縮時にピンに伝わる加圧力が上下各側で均等になる。
図1(b)に示す圧粉体1の場合では、圧粉体1の上端面1aから穴2までの距離h3が短く、下端面1bから穴2までの距離h4が長くなっている。この圧粉体1を成形するとき、上パンチの加圧力は、上パンチからピンまでの距離が短いため、比較的少ない減衰量でピンに伝わる。また、下パンチの加圧力は、下パンチからピンまでの距離が長く、上へ行くほど加圧力が減衰してしまうため、ピンに伝わりにくい。これら結果、図1(b)に示す圧粉体1の場合では、原料粉末の圧縮時にピンが上側から下側へ向かって押圧される。したがって、ピンは原料粉末の圧縮時に下側へ向かって撓む力を受ける。
また、図1(c)に示す圧粉体1の場合では、上端面1aから穴2までの距離h5が下端面1bから穴2までの距離h6より長い。このため、原料粉末の圧縮時にピンは、図1(b)の場合とは反対にピンが上側へ向かって押圧される。したがって、ピンは原料粉末の圧縮時に上側へ向かって撓む力を受ける。これらのように、ピンに伝わる圧力がピンの上下各側で異なると、原料粉末の圧縮時にピンは、原料粉末の端面からピンまでの距離が短い側から原料粉末の端面からピンまでの距離が長い側へ撓む力を受ける。この結果、ピンに曲げ応力がかかり、ピンが曲がったりまたはダイが損傷してしまうおそれがある。
よって本発明は、側面に穴が形成される圧粉体を成形する粉末成形装置であって、圧粉体の側面に形成される穴が、圧粉体の圧縮方向の長さの中間位置より上下に偏る場合であっても、側面に穴を形成するピンおよびダイを、上パンチおよび下パンチの加圧力によって変形や折損させることなく、安全に圧粉体を成形できる粉末成形装置を提供することを目的としている。
本発明の粉末成形装置は、ダイ孔および、圧粉体の側面に穴を成形するピンが摺動自在に挿入されるピン挿入孔が形成されたダイと、ダイ孔に挿入され、原料粉末が充填されるダイキャビティをダイとともに形成し、ダイキャビティに充填された原料粉末を下方から加圧する下パンチと、ダイ孔に挿入され、ダイキャビティ内に充填された原料粉末を上方から加圧する上パンチと、ダイに配設され、ピン挿入孔に摺動自在に挿入されたピンを、ピン挿入孔に沿って進退させるピン進退手段と、ピン進退手段が配設されたダイを、上パンチおよび下パンチによる原料粉末の圧縮方向に移動自在に支持するダイ移動手段と、ダイを圧縮方向に任意に移動可能な浮動状態に支持するダイ浮動手段とを備えることを特徴としている。
本発明の粉末成形装置では、ダイは、ダイ移動手段とダイ浮動手段とによって圧縮方向に任意に移動可能な浮動状態に支持されている。また、ピンがピン挿入孔に挿入され、このピンを進退させるピン進退手段がダイに配設されている。すなわち、ピンおよびピン進退手段は、ダイとともに任意に移動可能な浮動状態に支持されている。したがって、ピンの上下各側でピンにかかる圧力に偏りが生じる場合であっても、ピンに伝わる圧力が強い側から弱い側へダイおよびピンが移動させられる。これにより、上記のように圧粉体の側面に形成される穴が圧粉体の中間位置より上下どちらかに偏る場合であっても、ピンにかかる圧力を上下各側で均一にすることができる。この結果、ピンにかかる圧力差によって生じるダイの損傷やピンの変形、折損が防止される。
本発明の粉末成形装置のダイ浮動手段としては、軸方向が圧縮方向に延びるシリンダと、このシリンダの一端部に気密的に挿入されて、一端部がダイに固定されたピストンロッドと、このピストンロッドの他端部に固定されてシリンダ内に摺動自在に嵌合され、流体によって圧縮方向に押圧されるピストンと、ピストンを押圧する押圧力を調整する圧力調整装置とを備えており、圧力調整装置によって押圧力が調整されることで、ダイの浮動状態が調整される形態が挙げられる。
本発明によれば、ダイは、ダイ移動手段およびダイ浮動手段によって任意に移動可能なに浮動状態に支持されている。また、ピンがダイのピン挿入孔に挿入され、ピン進退手段がダイに配設されている。これらによって、側面に形成される穴が中間位置より上下に偏る場合であっても、ピンの上下各側でピンにかかる圧力を均一にすることができる。この結果、ピンにかかる圧力差によって生じるダイの損傷やピンの変形、折損を防止し、安全に圧粉体を成形できるといった効果を奏する。
[1]第1実施形態
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
(1)金型装置
図2は、金型装置10の一部断面図である。この金型装置10は、ダイ孔12および、圧粉体の側面に穴を成形するピン21が摺動自在に挿入されるピン挿入孔13が形成されたダイ11と、原料粉末を圧縮する上下一対の円筒状の上パンチ14および下パンチ15と、ピン挿入孔13に沿って進退させられるピン21を備えた横穴形成シリンダ装置(ピン進退手段)20と、ダイ11を、上パンチ14および下パンチ15による原料粉末の圧縮方向に移動自在に支持するガイドロッド(ダイ移動手段)37と、ダイ11を圧縮方向に任意に移動可能な浮動状態に支持する浮動シリンダ装置(ダイ浮動手段)31とを具備している。
ダイ11の中心部には、ダイ孔12が、ダイ11の上端面11aから下端面11bにわたって貫通している。ダイ11には、ピン挿入孔13が、ダイ孔12の内周壁12bの中間位置から側面11cにわたって貫通している。ダイ11の側面11cには、流体圧によってダイ孔12に向けて進退させられるピン21を備えた横穴形成シリンダ装置20が配設されている。ピン21の最大ストロークは、ピン21をダイキャビティ16内へ進出させたときに、ピン21の先端面21aがピン挿入孔13に対向する側のダイ孔12の内周壁12aに接触するように設定される。また、ピン21の最小ストロークは、圧粉体をダイキャビティ16内から取り出すときに、ピン21の先端面21aがピン挿入孔13側の内周壁12bと面一になるように設定される。
下パンチ15は、ベースプレート30の中心にダイ孔12と同心状に取り付けられている。下パンチ15の外径は、ダイ孔12内に摺動可能に挿入される寸法である。原料粉末が充填されるダイキャビティ16は、ダイ孔12と、下パンチ15の上端面15aとによって形成される。ベースプレート30は、図示せぬ下部ラムにより、ガイドロッド37に沿って圧縮方向に昇降させられる。ベースプレート30の上面30aにおける下パンチ15の両側には、ダイ11を浮動状態に支持する浮動シリンダ装置31が複数(図では2つ)配設されている。
浮動シリンダ装置31は、軸方向が圧縮方向に延びるシリンダ32と、このシリンダ32の端部32aに挿入されて、一端部がダイ11の下端面11bに固定されたダイ支持ロッド33と、このダイ支持ロッド33の他端部に固定されてシリンダ32内に摺動自在に嵌合され、流体によって圧縮方向に押圧されるピストン34と、ピストン34を押圧する押圧力を調整する圧力調整装置(図示省略)とを備えている。
浮動シリンダ装置31においては、シリンダ32およびピストン34とベースプレート30とによって形成される内部空間が圧力作用室35とされている。この圧力作用室35に流体が供給されることで内圧が高まり、ダイ11が上方へ向けて押圧される。また、圧力作用室35内に供給された流体が外部へ排出されることで内圧が低くなり、ダイ11を上方へ押圧する押圧力が弱まる。このようにダイ11の浮動状態は、圧力作用室35内に供給される流体量で調整される。圧力作用室35内の流体量の調整は、圧力調整装置によって行われる。
ベースプレート30の下方にはコアプレート36が配設されており、このコアプレート36の上面36aの両端には、複数(図では2本)のガイドロッド37が立設している。このガイドロッド37は、ベースプレート30およびダイ11を貫通している。このガイドロッド37の上端には、ダイ11の浮動状態の上限位置を規制する浮動上限ナット38aが配設されている。また、上端から下方へ向かってダイ11の高さより長い間をおいてダイ11の浮動状態の下限位置を規制する浮動下限ナット38bが配設されている。ダイ11は、浮動上限ナット38aおよび浮動下限ナット38bの間に挿入されている。すなわち、ダイ11は、浮動上限ナット38aと浮動下限ナット38bの間において浮動シリンダ装置31よって浮動状態で支持される。また、コアプレート36は、金型装置10の図示せぬ基台に固定されている。
圧粉体の上端面を形成する上パンチ14は、図示せぬ上部ラムに固定されている。上パンチ14の外径はダイ孔12内に摺動可能に挿入される寸法であり、上パンチ14は、ダイ孔12と同心状に設置されている。上部ラムに固定された上パンチ14は、上部ラムにより上下動し、下降時に、ダイキャビティ16内に充填された原料粉末が加圧される。
(2)圧粉体の成形方法
次に、図3〜図6を参照して金型装置10における、図1(c)に示すような側面に形成される穴が中間位置より下方に偏った圧粉体の成形方法を説明する。
まず最初に、図3に示すように、ダイキャビティ16内でのピン21の位置が上下方向の中間よりやや下方になるようにベースプレート30を上昇させ、ダイ孔12と下パンチ15の上端面15aとによりダイキャビティ16を形成する。このとき、圧力調整装置により浮動シリンダ装置31の圧力作用室35内の流体量を調整して、ダイ11の下端面11bが浮動下限ナット38bに当たる位置にダイ11を位置付けさせておく。これにより、原料粉末3の充填時にダイ11が安定する。
次いで、横穴形成シリンダ装置20を作動させて、ピン21をダイキャビティ16内に進出させ、ピン21の先端面21aをダイ孔12の内周壁12aに接触させる。次いで、原料粉末3が供給されたフィーダ40をダイキャビティ16の上方まで移動させる。すると、フィーダ40内の原料粉末3が自重により落下し、ダイキャビティ16内に原料粉末3が充填される。
原料粉末3がダイキャビティ16内に充填されたら、浮動シリンダ31の圧力作用室35内に流体を供給し、ピストン34を下方から押圧してダイ11を浮揚させる。次いで、上パンチ14を、待機位置から下端面14aが原料粉末3の上端面4aに接触する位置まで下降させる。上パンチ14の下端面14aが原料粉末3の上端面4aに到達するとベースプレート30を上昇させるとともに、上パンチ14を下降させる。これにより、図4に示すように上パンチ14と下パンチ15により原料粉末3が上下方向から圧縮される。このとき、ピン21が、原料粉末4の上下方向の中間位置よりやや下方に位置付けられているため、ピン21は下側から上側へ向かって押圧される。このようにして、金型装置10においては、原料粉末3が所望の寸法になるまで、上パンチ14と、下パンチ15とによって原料粉末3が加圧、圧縮される。
一実施形態では、ピン21の下側の距離が短いため、ピン21が上側に向かって押圧される。すると、ピン21とともにダイ11が上昇する。このように下側からの圧力が緩衝され、ピン21に偏った応力がかからない。
原料粉末3が所望の寸法まで圧縮されると、図5に示すように、横穴形成シリンダ装置20を作動させて、ピン21の先端面21aとダイ孔12のピン挿入孔13側の内周壁12bが面一になるまでピン21を後退させる。次いで、図6に示すように上パンチ14を上部ラムによって待機位置まで上昇させる。上パンチ14を待機位置まで上昇させたら、下パンチ15を、下パンチ15の上端面15aがダイ11の上端面11aと同一平面をなす位置まで上昇させる。このとき、浮動シリンダ31によってダイ11の上端面11aが浮動上限ナット38aに接触する位置まで上昇させる。これにより、圧粉体1の抜き出し位置が安定する。下パンチ15の上昇が完了すると、ピン21によって穴2が形成された圧粉体1がダイ孔12内から取り出される。
一実施形態では、ダイキャビティ16内に充填された原料粉末4のピン21の下側の距離がピン21の上側の距離に比べ短いため、ピン21が上側に向かって押圧される。しかしながら、ピン21にかかる圧力によってダイ11が上方へ浮動するため、下側から受ける圧力が緩衝され、ピン21の上下各側にかかる圧力を均一にすることができる。これにより、圧粉体の側面に形成される穴が圧粉体の中間位置より下側に偏る場合であっても、上下各側の圧力を均一にし、ピン21に偏った負荷がかからない。この結果、ピン21にかかる圧力差によって生じるダイ11の損傷やピン21の変形、折損が防止される。
また、一実施形態とは逆に図1(b)に示すようなピン21が上側に偏る場合では、ピン21が下側に向かって押圧される。しかしながら、ピン21にかかる圧力によりダイ11が下降するため、上側から受ける圧力が緩衝され、一実施形態と同様にピン21の上下各側にかかる圧力を均一にすることができる。これらのように、ピン21の上下各側でピン21にかかる圧力に偏りが生じる場合であっても、ピン21に伝わる圧力が強い側から弱い側へダイ11および横穴形成シリンダ装置20が移動させられる。これにより、圧粉体の側面に形成される穴が圧粉体の中間位置より上下どちらかに偏る場合であっても、上下各側の圧力を均一にし、ピン21に偏った負荷がかからない。この結果、ピン21にかかる圧力差によって生じるダイ11の損傷やピン21の変形、折損が防止される。
また、一実施形態のように、金型装置にダイを移動可能な浮動状態に支持できる浮動シリンダ装置31やガイドロッド37を設けることで、ピン21の上下各側でピン21にかかる圧力を均一にさせることができる。このため、金型装置に浮動シリンダ装置31やガイドロッド37を設けることで、図7に示すような側面に形成される穴4aが圧縮方向と直交していない形状の圧粉体4や、側面に凸部5aが形成され、上下の厚さが均等でない形状の圧粉体5であっても、ダイ11やピン21を損傷させることなく成形することができる。
なお、本実施形態の圧粉体には圧縮方向に穴が形成されていないが、圧縮方向に穴が形成される場合、図8に示すように圧縮方向の穴を形成するコアロッド17が用いられる。このとき、コアロッド17がピン21と交差する場合ある。この場合では、コアロッド17のピン21に対応する領域にピン21を通過させる穴18が形成される。
[2]第2実施形態
上記第1実施形態では、ピン21の先端面21aを、ピン挿入孔13に対向するダイ孔12の外周壁に接触する位置で停止させる金型装置10に浮動シリンダ装置31およびガイドロッド37を設置し、ダイ11を浮動させていたが、図9に示すようなピン挿入孔51に対向する内周壁側にも穴を形成し、ピン21をダイキャビティ56内を突き抜けさせる金型装置50にも浮動シリンダ装置31およびガイドロッド37を設置し、ダイ11を浮動させることが可能である。この形態について、図9を参照して説明する。なお、上記第1実施形態の金型装置10と同一構成要素には、同一の符号を付している。
この形態のダイ51には、ピン挿入孔52と原料粉末回収孔53が、圧縮方向と交差する方向に同心状に形成されている。ピン挿入孔52は、上記実施形態と同様にダイ51の右側面51aからダイ孔54にわたって形成されている。また、原料粉末回収孔53は、左側面51bからダイ孔54にわたってピン挿入孔52と同心状に形成されている。
ダイ51の右側面51aには横穴形成シリンダ装置20が配設されており、横穴形成シリンダ装置20のピン21が上記実施形態と同様にピン挿入孔52に摺動自在に挿入されている。ピン21の最大ストロークは、ピン21の先端部を原料粉末回収孔53に挿入できるように設定される。また、ピン21の最小ストロークは、原料粉末をダイキャビティ16内に充填するときに、ピン21の先端面21aがピン挿入孔13側の内周壁54aと面一になるように設定される。ダイ51の左側面51bには、原料粉末回収孔53とフィーダ40内を連通する回収ホース55が配設されている。また、フィーダ40には、図示せぬ吸引装置が備えられている。
この形態では、ダイ孔54と下パンチ15とによりダイキャビティ56が形成された後、このダイキャビティ56内に原料粉末3がフィーダ40によって充填される。次いで、横穴形成シリンダ装置20を作動させて、ピン21をダイキャビティ56内に進出させ、ピン21の先端部を原料粉末回収孔53に挿入させる。このとき、ダイキャビティ56内でピン21が通過した箇所の原料粉末3は、ダイキャビティ56内から原料粉末回収孔53に押し出される。この原料粉末回収孔53に押し出された原料粉末3は、フィーダ40が備える吸引装置よって吸引され、フィーダ40内に回収される。次いで、上記実施形態と同様に原料粉末3が圧縮され、側面に穴が形成された圧粉体が得られる。
第2実施形態では、上記実施形態と同様にダイ11を浮動させることができるため、圧粉体の側面に形成される穴が圧粉体の中間位置より上下どちらかに偏る場合であっても、ピン21に偏った負荷がかからない。この結果、ピン21にかかる圧力差によって生じるダイ11の損傷やピン21の変形、折損が防止される。また、第2実施形態では、ピン21によって押し込まれた原料粉末3が、吸引装置によって原料粉末回収孔53からフィーダ40に回収される。このため、原料粉末3の再使用化を容易に図ることができる。
[3]第3実施形態
また、上記第2実施形態のようにピン挿入孔および原料粉末回収孔が形成され、これら各穴に対応してピンを備えるシリンダ装置が設置された金型装置にも浮動シリンダ装置およびガイドロッドを設置し、ダイを浮動させることが可能である。この形態について、図10を参照して説明する。なお、上記第1実施形態の金型装置10と同一構成要素には、同一の符号を付している。
この形態のダイ61には、上記第2実施形態と同様にピン挿入孔62と原料粉末回収孔63が、圧縮方向と交差する方向に同心状に形成されている。ピン挿入孔62は、上記第2実施形態と同様にダイ61の右側面61aからダイ孔64にわたって形成されている。また、原料粉末回収孔63は、左側面61bからダイ孔64にわたってピン挿入孔62と同心状に形成されている。ダイ61の右側面61aには横穴形成シリンダ装置20が配設されている。ピン挿入孔62には、横穴形成シリンダ装置20のピン21が摺動自在に挿入されている。
横穴形成シリンダ装置20のピン21の最大ストロークは、ピン21の先端面21aが原料粉末回収孔63側の内周壁64aに少なくとも一致するように設定される。また、ピン21の最小ストロークは、原料粉末をダイキャビティ64内に充填するときに、ピン21の先端面21aがピン挿入孔62側の内周壁64bと面一になるように設定される。横穴形成シリンダ装置20は、ピン21をダイキャビティ65内へ進出させることで圧粉体の横穴に相当する箇所の原料粉末3を原料粉末回収孔63へ押し出す。
ダイ61の左側面61bには、流体圧によってダイ孔64に向けて進退させられるピン21を備えたリターンシリンダ装置70が配設されている。なお、金型装置60においては、ピン21をダイキャビティ65側へ進出させたときに、ピン21の先端面21aと、ピン72の先端面72aと原料粉末回収孔63の内周壁とによって形成される空間がリターン室63aとされている。リターン室63aには、ピン21によって押し出されたダイキャビティ65内の原料粉末3が収容される。ピン72の最大ストロークは、ピン72によってリターン室63a内に押し出された原料粉末3を、ダイキャビティ65が形成されたときにダイキャビティ65内へ押し戻せるように設定される。また、ピン72の最小ストロークは、ピン72の待機状態時に、リターン室63aが形成できるように設定される。
この形態では、上記第2実施形態と同様にダイキャビティ65が形成された後に、ピン21がダイキャビティ65内に進出する。このとき、リターンシリンダ装置70は、ピン72を後退させ、待機状態にしておく。これにより、原料粉末回収孔63には、ピン21の進出にともなってリターン室63aが形成され、このリターン室63aに、圧粉体の穴に相当する原料粉末3がピン21によって押し出される。次いで、上記各実施形態と同様な要領で原料粉末3が圧縮され、側面に穴が形成された圧粉体が得られる。次の圧粉体を成形するためのダイキャビティ65が形成されると、図10(b)に示すようにリターンシリンダ装置70によって、ピン72をダイキャビティ65方向に向けて移動させる。これにより、リターン室63a内の原料粉末3がダイキャビティ65内に放出される。
第3実施形態では、上記各実施形態と同様にダイ11およびピン21の損傷を抑えることができる。また、第3実施形態では、左側面61bにリターンシリンダ装置70が設けられているため、ピン21によってリターン室63aに押し込まれた原料粉末3をダイキャビティ65内に供給することができる。この結果、第3実施形態では、第2実施形態と同様にピン21によってダイキャビティ65内から押し出される原料粉末3の再使用化を容易に図ることができる。
側面に穴が形成された圧粉体を示す側面図である。 本発明の一実施形態の金型装置を示す断面図である。 一実施形態の金型装置のダイキャビティ内に原料粉末を充填している様子を示す断面図である。 一実施形態の金型装置で原料粉末を圧縮している様子を示す断面図である。 一実施形態の金型装置で成形された圧粉体からピンを抜き出す様子を示す断面図である。 一実施形態の金型装置で成形された圧粉体をダイキャビティ内から取り出す様子を示す断面図である。 ダイを浮動させることにより成形が可能になる圧粉体を示す断面図である。 一実施形態の金型装置にコアロッドが備えられた様子を示す断面図である。 第2実施形態の金型装置を示す部分断面図である。 第3実施形態の金型装置の動作を示す部分断面図である。
符号の説明
1…圧粉体、2,6a…穴、4…原料粉末、10,50,60…粉末成形装置、
12…ダイ孔、11,51,61…ダイ、13,52,62…ピン挿入孔、
14…上パンチ、15…下パンチ、16,56,65…ダイキャビティ、
20…横穴形成シリンダ装置(ピン進退手段)、21…ピン、
31…浮動シリンダ装置(ダイ浮動手段)、37…ガイドロッド(ダイ移動手段)。

Claims (2)

  1. ダイ孔および、圧粉体の側面に穴を成形するピンが摺動自在に挿入されるピン挿入孔が形成されたダイと、
    前記ダイ孔に挿入され、原料粉末が充填されるダイキャビティを前記ダイとともに形成し、ダイキャビティに充填された原料粉末を下方から加圧する下パンチと、
    前記ダイ孔に挿入され、前記ダイキャビティ内に充填された原料粉末を上方から加圧する上パンチと、
    前記ダイに配設され、前記ピン挿入孔に摺動自在に挿入された前記ピンを、ピン挿入孔に沿って進退させるピン進退手段と
    該ピン進退手段が配設された前記ダイを、前記上パンチおよび前記下パンチによる原料粉末の圧縮方向に移動自在に支持するダイ移動手段と、
    前記ダイを圧縮方向に任意に移動可能な浮動状態に支持するダイ浮動手段とを備えることを特徴とする粉末成形装置。
  2. 前記ダイ浮動手段は、
    軸方向が前記圧縮方向に延びるシリンダと、
    このシリンダの一端部に気密的に挿入されて、一端部が前記ダイに固定されたピストンロッドと、
    このピストンロッドの他端部に固定されて前記シリンダ内に摺動自在に嵌合され、流体によって前記圧縮方向に押圧されるピストンと、
    前記ピストンを押圧する押圧力を調整する圧力調整装置とを備えており、
    前記圧力調整装置によって前記押圧力が調整されることで、ダイの浮動状態が調整されることを特徴とする請求項1に記載の粉末成形装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106313612A (zh) * 2016-06-02 2017-01-11 河南理工大学 一种型煤压制装置
CN108127953A (zh) * 2017-12-20 2018-06-08 马鞍山创诚中小企业服务中心有限公司 数控冲床

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