JP2009248000A - エレクトレット濾材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ナノオーダーの繊維径を有した不織布の有効な荷電方法を提供することにある。
【解決手段】ナノオーダーの繊維径を有する不織布に液体を含浸、脱液することでナノファイバー層の損傷なく帯電性能を向上、安定化させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は平均繊維径が0.05〜1μmの繊維からなる不織布をエレクトレット化したフィルタ濾材の製造方法に関する。
近年、繊維径が1μm以下のナノオーダー繊維(ナノファイバー)が広く検討されている。繊維径の小さい繊維の集合体を製造する方法として、複合紡糸法、高速紡糸法、荷電紡糸法などが挙げられる。そのうち、荷電紡糸法は、他の方法より簡便に、少ない工数で紡糸することが可能である。液体(例えば繊維を形成する高分子を含有する溶液、溶融させた高分子)に高電圧をかけることで液体に電荷を与え、液体を対極物質に向かって曳かせ、繊維を形成させる。通常、繊維を形成する高分子は溶液から曳き出され、対極物質に捕捉されるまでの間に繊維を形成する。繊維形成は、例えば、繊維を形成する高分子を含有する溶液を用いた場合は、溶媒蒸発によって、溶融させた高分子を用いた場合は冷却によって、または、化学的硬化(硬化用蒸気による処理)により行われる。また、得られる繊維は、必要に応じ配置した捕集体上に捕集され、必要ならばそこから剥離し、繊維の集合体として利用することも可能である。また、不織布状の繊維の集合体を直接得ることが可能なため、他の方法のように、一旦繊維を紡糸した後、繊維の集合体を形成する必要がなく、操作が簡便である。また、荷電紡糸自体によっても不織布はエレクトレット化されるが、帯電状態は不安定で、帯電量も十分ではない(例えば特許文献1〜3参照)。
不織布をエレクトレット化処理することにより捕集効率を格段に向上させることができる。エレクトレット化処理の方法は、コロナ放電によるエレクトレット化、十分な圧力による水流衝突によるエレクトレット化などによる方法があるが、ナノファイバーは極細な繊維であるため、繊維の剛性が小さく、このようなエレクトレット化処理では、エレクトレット化後にナノファイバー部の毛羽立ちが生じたり、破れ等が生じたり、フィルタ濾材としては高捕集性能が望めないばかりか、部分的な粒子の漏れが生じ、安定した品質確保が困難になる(例えば特許文献4、5参照)。
不織布の損傷を比較的抑制することができるエレクトレット化方法として、有機溶剤もしくは水との混合液を不織布に通液後、すばやく乾燥する方法が挙げられている(例えば特許文献6、7参照)。これらは、液体含浸時にニップロールで絞ったり、また液体を浸したシートをスリット状ノズルで吸引する等の工程を通すことにより液体を充分浸せきさせたり、不織布から液体を取り去る工程を経ることになるが、このような操作を加えることでナノファイバーの損傷は充分には免れ得ず、したがって、安定した品質確保は難しい。
特公昭48−1466号公報 特開昭63−145465号公報 特開2002−249966号公報 特開2008−682号公報 特表平9−501604号公報 特表2003−514998号公報 特開2003−73971号公報
本発明は、上述のような問題点を解決するために行われたものであり、ナノファイバーを使用した濾材の捕集効率を効果的に向上させるエレクトレット化方法を提供することにある。
本発明は、以下のとおりである。
1.0.05〜1μmの平均繊維径を有する不織布のエレクトレット化において不織布の誘電率に対して2倍以上高い液体に該不織布を含浸および脱液し、エレクトレット化することを特徴とするエレクトレット濾材の製造方法。
2.1に記載の不織布が、高分子と有機溶媒とを主成分とする溶液を製造し、ついで該溶液を用いて荷電紡糸法により紡糸し、捕集基板に得られた繊維を含むことを特徴とするエレクトレット濾材の製造方法。
3.1又は2に記載の不織布と、該不織布を構成する繊維の繊維径より大きい繊維径を持つ不織布とが積層されてなることを特徴とするエレクトレット濾材の製造方法。
本発明は、布帛の損傷を伴わず、高い品位のエレクトレットが得られる、ナノオーダー繊維の繊維径を有する不織布の効果的なエレクトレット化方法を提供する。
本発明の不織布に用いる高分子重合体は、荷電処理により高い静電気永久帯電性を保持するものであることが好ましい。たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ−4メチル−1ペンテン、ポリ−3メチル−1ブテン、ポリフェニルサルファイド、ポリエーテルI−テルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリサルホン、ポリアリレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、全芳香族ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体やそれらの混合物を用いることができる。
本発明の不織布においては、紡糸によって得られる不織布の種々の特性を改善するものとして、無機もしくは有機フィラー等の添加剤を配合することもできる。
本発明の不織布は平均繊維径が0.05〜1μmである繊維より形成されることが好ましい。平均繊維径が0.05μmより小さいと、自己支持性が乏しいため好ましくない。また平均繊維径が1μmより大きいと表面積が小さくなり、エレクトレットの効果が低減されるため好ましくない。より好ましい平均繊維径は0.06〜0.8μmである。
本発明の不織布を製造する方法としては、0.05〜1μmの平均繊維径を有する不織布が得られる手法であれば特に限定されないが、荷電紡糸法が好ましい。以下荷電紡糸法により製造する方法について詳細に説明する。
本発明で用いる荷電紡糸法とは、溶液紡糸の一種であり、一般的には、ポリマー溶液にプラスの高電圧を与え、それがアースやマイナスに帯電した表面にスプレーされる過程で繊維化を起こさせる手法である。荷電紡糸装置の一例を図1に示す。図において、荷電紡糸装置1には、繊維の原料となるポリマーを吐出する紡糸ノズル2と紡糸ノズル2に対向して、対向電極5とが配置されている。この対向電極5はアースされている。高電圧をかけ荷電したポリマー溶液は、紡糸ノズル2から対極電極5に向けて飛び出す。その際、繊維化される。ポリマーを有機溶媒に溶解した溶液を電極間で形成された静電場中に吐出し、溶液を対向電極に向けて曳糸し、形成される繊維状物質を捕集基板に累積することによって不織布を得ることができる。ここでいう不織布とは既に溶液の溶媒が留去され、不織布となっている状態のみならず、溶液の溶媒を含んでいる状態も示している。
溶媒を含んだ不織布の場合、荷電紡糸後に、溶剤除去を行う。溶剤を除去する方法としては、例えば、貧溶媒中に浸漬させ、溶剤を抽出する方法や熱処理により残存溶剤を蒸発させる方法などが挙げられる。
溶液槽3としては、材質は使用する有機溶剤に対し耐性のあるものあれば特に限定されない。また、溶液槽3中の溶液は、機械的に押し出される方式やポンプなどにより吸い出される方式などによって、電場内に吐出することができる。
紡糸ノズル2としては、内径0.1〜3mm程度のものが望ましい。ノズル材質としては、金属製であっても、非金属製であっても良い。ノズルが金属製であればノズルを一方の電極として使用することができ、ノズル2が非金属製である場合には、ノズルの内部に電極を設置することにより、押し出した溶解液に電界を作用させることができる。生産効率を考慮し、ノズルを複数本使用することも可能である。また、一般的には、ノズル形状としては、円形断面のものを使用するが、ポリマー種や使用用途に応じて、異型断面のノズル形状を用いることも可能である。
対向電極5としては、図1に示すロール状の電極や平板状、ベルト状の金属製電極など用途に応じて、種々の形状の電極を使用することができる。
また、これまでの説明は、電極が繊維を捕集する基板を兼ねる場合であるが、電極間に捕集する基板となる物を設置することで、そこに繊維を捕集してもよい。この場合、例えばベルト状の基板を電極間に設置することで、連続的な生産も可能となる。
また、一対の電極で形成されているのが一般的ではあるが、さらに異なる電極を導入することも可能である。一対の電極で紡糸を行い、さらに導入した電位の異なる電極によって、電場状態を制御し、紡糸状態を制御することも可能である。
電圧印加装置4は特に限定されるものではないが、直流高電圧発生装置を使用できるほか、ヴァン・デ・グラフ起電機を用いることもできる。また、印加電圧は特に限定するものではないが、一般に3〜100kV、好ましくは5〜50kV、一層好ましくは5〜30kVである。なお、印加電圧の極性はプラスとマイナスのいずれであっても良い。
電極間の距離は、荷電量、ノズル寸法、紡糸液流量、紡糸液濃度等に依存するが、5〜120kVのときには5〜20cmの距離が適切であった。
ポリマーの溶媒には、例えば、アセトン、クロロホルム、エタノール、イソプロパノール、メタノール、トルエン、テトラヒドロフラン、水、ベンゼン、ベンジルアルコール、1,4−ジオキサン、プロパノール、四塩化炭素、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、塩化メチレン、フェノール、ピリジン、トリクロロエタン、酢酸などの揮発性の高い溶媒や、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、アセトニトリル、N−メチルモルホリン−N−オキシド、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジエチルカーボネート、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジオキソラン、エチルメチルカーボネート、メチルホルマート、3−メチルオキサゾリジン−2−オン、メチルプロピオネート、2−メチルテトラヒドロフラン、スルホランなどの揮発性が相対的に低い溶媒が挙げられる。または、上記溶剤を2種以上混合させて用いることも可能である。
紡糸をする雰囲気として、一般的には空気中で行うが、二酸化炭素などの空気よりも放電開始電圧の高い気体中で荷電紡糸を行うことで、低電圧での紡糸が可能となり、コロナ放電などの異常放電を防ぐこともできる。また、水がポリマーの貧溶媒である場合、紡糸ノズル近傍でのポリマー析出が起こる場合がある。そのため、空気中の水分を低下させるために、乾燥ユニットを通過させた空気中で行うことが好ましい。
次に捕集基板に累積される不織布を得る段階について説明する。本発明においては、該溶液を捕集基板に向けて曳糸する間に、条件に応じて溶媒が蒸発して繊維状物質が形成される。通常の室温であれば捕集基板上に捕集されるまでの間に溶媒は完全に蒸発するが、もし溶媒蒸発が不十分な場合は減圧条件下で曳糸しても良い。この捕集基板上に捕集された時点で遅くとも本発明の繊維が形成されている。また、曳糸する温度は溶媒の蒸発挙動や紡糸液の粘度に依存するが、通常は、0〜50℃である。そして多孔質繊維がさらに捕集基板に累積されて不織布が製造される。
本発明の不織布の目付量は使用用途に応じて決められるものでり、特に限定されるものではないが、0.05〜50g/m2であるのが好ましい。ここでいう目付量はJIS−L1085に準じたものである。0.05g/m2以下であると、フィルタ捕集効率が低く好ましくなく、50g/m2以上であると、フィルタ通気抵抗が高くなりすぎるので好ましくない。
本発明の不織布の厚みは使用用途に応じて決められるものであり、特に限定されるものではないが、1〜100μmであるのが好ましい。ここでいう厚みはマイクロメータで測定したものである。
本発明の不織布は必要であれば、各種用途に適合するように、後処理を実施することができる。例えば、緻密化または厚み精度を整えるためのカレンダー処理、親水処理、撥水処理、界面活性剤付着処理、純水洗浄処理などを実施することができる。
本発明によって得られる不織布は、単独で用いても良いが、取扱性や用途に応じて、他の部材と組み合わせて使用しても良い。例えば、捕集基板として支持基材となりうる布帛(不織布、織物、編物)やフィルム、ドラム、ネット、平板、ベルト形状を有する、金属やカーボンなどからなる導電性材料、有機高分子などからなる非導電性材料を使用することができる。その上に不織布を形成することで、支持基材と該不織布を組み合わせた部材を作成することも出来る。
上記支持基材となりうる布帛としては、経済的観点から不織布が最も好適に使用可能である。支持基材の不織布を構成する繊維径は、荷電処理された本発明の不織布の繊維径より大きな繊維径を持つことが望ましい。支持基材の不織布は、フィルタとしての剛性を高めフィルタの変形を防ぐのに有効である。上記目的のため、支持基材の不織布を構成する繊維径は、荷電処理された本発明の不織布の繊維径の1.5倍以上であることが望ましく、さらに望ましくは2倍以上、特に望ましくは5倍以上の繊維径である。繊維径が500倍以上になると両不織布の接合が困難になる場合がある。
本発明によって得られる不織布は、エレクトレット化処理することによりフィルタ性能を格段に向上させることができる。エレクトレット化処理の方法は、ナノファイバーは極細な繊維であるため、繊維の剛性が小さく、繊維に与えるダメージを極力抑えるようなエレクトレット化方法である必要がある。具体的には、液体を含浸、脱液する方法が挙げられる。上述した不織布に液体を付与して十分な浸透状態にし、この浸透状態の不織布を乾燥する。液体は不織布全体に満遍なく十分に浸透した状態にする必要があり、そのため不織布に液体を付与した後又は液体を付与しながら、不織布片面に吸引を与えることにより反対側面の液体を吸引側に透過させることが重要である。
吸引作用により、液体は不織布を貫通し、不織布全体に満遍なく浸透状態なった後、脱液することになるので、均一でかつ高品質のエレクトレット化不織布にすることができる。
不織布に対する液体の付与方法は、液体中もしくは液体面に浸漬させることができるものであれば水槽に浸漬させる方法でもよい。
液体の吸引は、不織布を表面がメッシュ状のフィルタ上に乗せ吸引するのがナノファイバーの損傷を抑えることができ好ましい。不織布と接触する表面のメッシュサイズは、最大孔径で500μm以下が好ましい。より好ましくは300μm以下である。メッシュ形状、材質は特に規定はないが、ガラス材料、セラミック材料等を使用したメッシュ、あるいは平織り、アヤ織り、タタミおり、エキスパンドメタル、スパークメッシュ、クリンプ、パンチング等が挙げられる。
また、液体を含浸、脱液後に更に、従来公知の熱風乾燥法、真空乾燥法、自然乾燥法等で乾燥強化を実施してもよい。
本発明において、エレクトレット化する際に使用する液体は、水、有機溶剤等をそれぞれ単独、及び混合物が使用可能である。また誘電率が高い液体、具体的には被エレクトレット化不織布を構成する繊維の2倍以上の誘電率を有するものが良好な荷電性能を得る上で好ましい。混合液体に水を使用する場合は、出来るだけ清浄な水を使用することが好ましい。特にイオン交換水、蒸留水、逆浸透膜で透過した濾過水等の純水が好ましい。また、純水としてのレベルは、導電率で103 μS/m以下が好ましく、さらに好ましくは102 μS/m以下であるものがよい。
特に水溶性有機溶剤を水と混合することで不織布に対する浸透性を一層向上することができ、より不織布への含浸、脱液工程をスムーズに行うことができ好ましい。
水溶性有機溶剤の種類は、混合溶液の不織布への浸透性が良ければ特に限定されない。例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン類のケトン類、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、その他アルデヒド類、カルボン酸類等を挙げることができる。特に、浸透性の点からアルコール類またはケトン類が好ましく、特にアセトン、イソプロピルアルコール、エタノールのうちの少なくとも1種を用いるのが好ましい。さらに好ましくは、イソプロピルアルコールを主成分とするものが好ましい。
本発明によって得られる不織布の用途は、空気清浄機用フィルタ、精密機器用フィルタ、自動車、列車等のキャビンフィルタ、エンジンフィルタ、およびビル空調用フィルタなど、各種エアフィルタ用途に用いることが出来る。特に耐熱性、機械的強度、熱寸法安定性が求められる空気浄化用途に好適である。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。また以下の各実施例における評価項目は以下のとおりの手法にて実施した。
[対数粘度]
ポリアミドイミド樹脂0.5gを100mlのN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液を30℃に保ちウベローデ粘度管を用いて測定した。
[平均繊維径]
得られた不織布の表面の走査型電子顕微鏡写真(倍率10000倍)を撮影し、その写真からn=30にて繊維径を測定した平均値を算出した。
[ガラス転移温度]
測定幅4mm、長さ15mmのポリアミドイミドフィルムをレオロジー社製DVE−V4レオスペクトラーを用い、周波数110Hzの振動を与えて測定した動的粘弾性の損失弾性率の変曲点をガラス転移温度とした。
[フィルタ性能の評価]
通気抵抗は、不織布試料をダクト内に設置し、濾材通過線速度が10cm/秒になるようコントロールし、フィルタ上流、下流の静圧差を圧力計で読み取り求めた。また粒子捕集効率の評価は大気塵を10cm/秒にて濾材に通気した際の粒子径0.3〜0.5μmの粒子濃度を、パーティクルカウンター(リオン社製 KC01−C)にて濾材の上下流を測定し、上流側と下流側の粒子濃度の比率から透過率を求め、更に以下の計算式によりQF値を求めた。QF値が向上すれば、フィルタ性能としては高性能と位置づけられる。
QF(mmAq−1)=−ln(粒子透過率)/通気抵抗mmAq
(実施例1)
温度計、冷却管、窒素ガス導入管のついた4ツ口フラスコにトリメリット酸無水物(TMA)1モル、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)0.995モル、フッ化カリウム0.01モルを固形分濃度が25%となるようにN、N−ジメチルアセトアミドと共に仕込み、90℃に昇温して約3時間攪拌を行いポリアミドイミドを合成した。得られたポリアミドイミドの対数粘度は0.86dl/g、ガラス転移温度は290℃であった。得られたポリアミドイミド溶液にN、N−ジメチルアセトアミドを加え固形分濃度を20%にした。このポリアミドイミド溶液を図1に示す装置を用いて、該溶液を繊維状物質捕集電極5に目付量80g/m2、繊維径45μm、厚み0.2mmのポリエステル不織布を貼り付け、吐出した。紡糸ノズル2に18G(内径:0.8mm)の針を使用し、電圧は15kV、紡糸ノズル2から繊維を捕集する対向電極5までの距離は10cmであった。得られた不織布の平均繊維径は0.25μm、目付量0.5g/m2、誘電率は4.0であった(不織布Aとする)。得られた不織布を、ブフナー型ガラス濾過器(商品名Fine25G3、フィルタ部の最大孔径30μm)のフィルタ部に密着するようにのせ、該濾過器を吸引瓶の上にのせ、予めイソプロピルアルコール(誘電率18.3)とイオン交換水(誘電率80.0)を体積比3:7で充分混合しておいた液体100cc(液面高さ約5cm)を投入し、減圧吸引しながら、液体を含浸、脱液させた。その後、ナノファイバー部の状態調査を観察し、破損等の異常がなかったのでフィルタ性能の評価を実施した。その結果、液体含浸前のQFが0.09に対して、0.15にまで向上していた。
(比較例1)
不織布Aをアルミ平板の接地電極上に置き、不織布との1cmの距離から針状電極を用いて電圧20kV、10秒間のコロナ荷電処理を実施した。ナノファイバー部の毛羽が発生するだけでなく、部分的に破れも見られた。
Figure 2009248000
平均繊維径が0.05〜1μmの不織布を荷電処理することにより高いフィルタ性能を有するフィルタ濾材を実現し提供するものであり、工業的、環境的価値の大きいものである。
荷電紡糸装置の模式的な断面図
符号の説明
1 荷電紡糸装置
2 紡糸ノズル
3 溶液槽
4 高電圧電源
5 対向電極(捕集基板)

Claims (3)

  1. 0.05〜1μmの平均繊維径を有する不織布のエレクトレット化において、不織布の誘電率に対して2倍以上高い液体に該不織布を含浸および脱液し、エレクトレット化することを特徴とするエレクトレット濾材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の不織布が、高分子と有機溶媒とを主成分とする溶液を製造し、ついで該溶液を用いて荷電紡糸法により紡糸し、捕集基板に得られた繊維を含むことを特徴とするエレクトレット濾材の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の不織布と、該不織布を構成する繊維の繊維径より大きい繊維径を持つ不織布とが積層されてなることを特徴とするエレクトレット濾材の製造方法。
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