JP2009247217A - 好気性組み換え微生物を用いる2−プロパノールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】育種が容易であり、遺伝子破壊などの組み換え技術を容易に適用でき、かつ工業生産宿主として適切な好気性微生物を用いて、2−プロパノールを発酵生産する方法を提供すること。
【解決手段】糖質を分解して2−プロパノールを生成する経路に関与する酵素をコードする少なくとも1つ以上の遺伝子で形質転換され、2−プロパノール生成能を付与された好気性組み換え微生物を糖質の存在下で培養して2−プロパノールを発酵生産することを特徴とする、2−プロパノールの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、グルコースまたはグリセロール等の糖質を炭素源として2−プロパノールを発酵生産する好気性の微生物を用いた2−プロパノールの製造方法に関する。
アセトン・ブタノール菌(Acetone-Butanol-Ethanol (ABE) fermenting clostridiaと一括りにして呼ばれる菌群)は、偏性嫌気性芽胞形成桿菌で、多様な糖を発酵基質として、最終産物のブタノール、アセトン、及び微量のエタノールを生成するヘテロ発酵細菌である。また、その発酵の特長は、対数増殖期の酪酸、酢酸からなる有機酸生成から、定常期のソルベント生成へ「生成物転換」が起こることである。工業生産における多くの発酵技術の開発は、この発酵転換を安定して起こさせることにある。また、現在ある多くの発酵菌は、このへテロ発酵細菌のうち、安定して高濃度のブタノールを生産する菌株をスクリーニングしようとする中から得られてきたものである。
現在、その発酵能の優れた菌株は、Clostridium acetobutylicum、C. beijerinckii、C. saccharoacetobutylicum、およびC. saccharoperbutylacetonicumの4種に分類されている。とりわけ、Clostridium saccharoperbutylacetonicum N1-4株 (ATCC 13564)は、九州大学本江らにより分離された発酵工業実用株であり、高ブタノール生産菌として世界的に知られている。
アセトン・ブタノール発酵菌による2−プロパノールの生産としては、C.aurantibutyricumNCIB 10659株を用いて2−プロパノールを0.6g/l生産した例、C. beijerinckiiVPI2968株を用いて2−プロパノールを0.59g/l生産した例、並びに同NRRL B593株を用いて2−プロパノールを0.59g/l生産した例、並びに同NCIB10659株を用いて2−プロパノールを0.48g/l生産した例が報告されている(非特許文献1)。また、特許文献1から3によれば、新規に土壌から分離されたClostridium sp. 172 CY-02株を用いて液化トウモロコシを炭素源(ブドウ糖12%)として培養することにより、2−プロパノール比率は40.2%を達成し、2−プロパノール生産濃度は7.2g/lに達した(この時のブタノール生産濃度は9.9g/lで、2−プロパノールより高い生産濃度である)。 しかしながら、クロストリジウムは、還元力のバランスをとることが非常に困難であり、ホモアセトン発酵菌体の育種は容易ではない。また、遺伝子破壊など組み換え技術も十分でなく、絶対嫌気性細菌であることも工業生産宿主としての特性を欠いている。
一方、通性嫌気性微生物を用いた発酵により2−プロパノールを生産したという例は、非特許文献2及び3に記載されている組み換え大腸菌においてのみ報告されている。しかしながら、大腸菌は溶菌しやすく、また溶媒に対する耐性能もそれほど高くなく、工業生産宿主としての特性を欠いている。
H. A. George, J. L. Johnson, W. E. C. Moore, L. V. Holdeman, and J. S. Chen. Acetone, Isopropanol, and Butanol Production by Clostridium beijerinckii (syn. Clostridium butylicum) and Clostridium aurantibutyricum. Applied and Environmental Microbiology. v. 45 (3) Mar. 1983. p. 1160-1163. Hanai T, Atsumi S, Liao JC. Engineered synthetic pathway for isopropanol production in Escherichia coli. Appl Environ Microbiol. 2007 Dec;73(24):7814-8 Jojima T, Inui M, Yukawa H. Production of isopropanol by metabolically engineered Escherichia coli. Appl Microbiol Biotechnol. 2008 Jan;77(6):1219-24 特開昭61−67493号公報 特開昭61−674923号公報 特公平3−58713号公報
本発明は、上記した従来技術の問題点を解消することを解決すべき課題とした。即ち、本発明は、育種が容易であり、遺伝子破壊や遺伝子導入などの組み換え技術を容易に適用でき、かつ工業生産宿主として適切な好気性微生物を用いて、2−プロパノールを生産する方法を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、好気性の細菌であり、育種の手法が種々使用可能で、工業生産にも利用しうるコリネ型細菌を用い、当該菌体内に、2−プロパノールの発酵生産に必要な遺伝子を導入及び発現させることによって、組み換えコリネ型細菌が2−プロパノールを生成しうることを見出し、発明を完成するに至った。即ち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1) 糖質および/またはグリセロールを分解して2−プロパノールを生成する経路に関与する酵素をコードする少なくとも1つ以上の遺伝子で形質転換され、2−プロパノール生成能を付与された好気性組み換え微生物を糖質の存在下で培養して2−プロパノールを生産することを特徴とする、2−プロパノールの製造方法。
(2) 糖質が、グルコース、ガラクトース、フラクトース、マルトース、スクロース、ラクトース、マルトトリオース、デキストリン、およびデンプンから選ばれる少なくとも1つ以上である、(1)に記載の方法。
(3) 2−プロパノールを生成する経路に関与する酵素をコードする少なくとも1つ以上の遺伝子が、少なくとも、チオラーゼをコードする遺伝子である、(1)又は(2)に記載の方法。
(4) 2−プロパノールを生成する経路に関与する酵素をコードする少なくとも1つ以上の遺伝子が、チオラーゼをコードする遺伝子と、CoAトランスフェラーゼをコードする遺伝子、アセトアセテートデカルボキシラーゼをコードする遺伝子、及び2−プロパノールデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子から選ばれる少なくとも1つ以上の遺伝子である、(1)から(3)の何れかに記載の方法。
(5) チオラーゼをコードする遺伝子が配列番号1に記載の塩基配列からなる遺伝子であり、CoAトランスフェラーゼをコードする遺伝子が配列番号2に記載の塩基配列からなる遺伝子であり、アセトアセテートデカルボキシラーゼをコードする遺伝子が配列番号3に記載の塩基配列からなる遺伝子であり、2−プロパノールデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子が配列番号4に記載の塩基配列からなる遺伝子である、(4)に記載の方法。
(6) 微生物がコリネ型細菌である、(1)から(5)の何れかに記載の方法。
(7) チオラーゼをコードする遺伝子と、CoAトランスフェラーゼをコードする遺伝子、アセトアセテートデカルボキシラーゼをコードする遺伝子、及び2−プロパノールデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子から選ばれる少なくとも1以上の遺伝子によって形質転換され、2−プロパノール生成能を付与された好気性組み換え微生物。
(8) コリネ型細菌である(7)に記載の好気性組み換え微生物。
(9) コリネ型細菌がMJ233株(FERM BP−1497)である(8)に記載の好気性組み換え微生物。
(10) コリネ型細菌MJ233株(FERM BP−1497)に、配列番号1に記載の塩基配列からなるチオラーゼをコードする遺伝子、配列番号2に記載の塩基配列からなるCoAトランスフェラーゼをコードする遺伝子、配列番号3に記載の塩基配列からなるアセトアセテートデカルボキシラーゼをコードする遺伝子、及び配列番号4に記載の塩基配列からなる2−プロパノールデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を導入することによって得られる、好気性組み換え微生物。
(11) 以下の何れかの塩基配列からなるチオラーゼ遺伝子。
(a)配列番号1で表される塩基配列;
(b)配列番号1で表される塩基配列において1から複数個の塩基が欠失、置換及び/又は付加された塩基配列を有し、チオラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列:
本発明によれば、育種が容易であり、遺伝子破壊や遺伝子導入などの組み換え技術を容易に適用でき、かつ工業生産宿主として適切な好気性の微生物を用いて、2−プロパノールを生産することが可能になった。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明による2−プロパノールの製造方法は、糖質を分解して2−プロパノールを生成する経路に関与する酵素をコードする少なくとも1以上の遺伝子で形質転換され、2−プロパノール生成能を付与された好気性の組み換え微生物を糖質の存在下で培養して2−プロパノールを生産することを特徴とする方法である。
糖質を分解して2−プロパノールを生成する経路に関与する酵素をコードする遺伝子としては、用いる糖質に応じて適宜選択することができる。例えば、糖質としてグルコースやグリセロールなどを用いる場合は、アセチル−CoAをアセトアセチル−CoAに変換する活性を有するチオラーゼ(thiL)、アセトアセチル−CoAをアセトアセテートに変換する活性を有するCoAトランスフェラーゼ(ctfA、ctfB)、アセトアセテートをアセトンに変換する活性を有するアセトアセテートデカルボキシラーゼ(adc)、及びアセトンを2−プロパノールに変換する活性を有する2−プロパノールデヒドロゲナーゼ(idh)をそれぞれコードする遺伝子を用いることができる。好ましくは、本発明で用いる組み換え微生物としては、少なくともチオラーゼをコードする遺伝子で形質転換された微生物を用いることができる。また、本発明で用いる組み換え微生物は、上記4種の遺伝子から選ばれる少なくとも1つ以上の遺伝子によって形質転換されていればよく、好ましくは上記4種の遺伝子から選ばれる少なくとも2つ以上の遺伝子によって形質転換されており、さらに好ましくは上記4種の遺伝子から選ばれる少なくとも3つ以上の遺伝子によって形質転換されており、最も好ましくは上記4種の遺伝子で形質転換されている。
本発明に使用されるチオラーゼをコードする遺伝子、CoAトランスフェラーゼをコードする遺伝子、アセトアセテートデカルボキシラーゼをコードする遺伝子、及び2−プロパノールデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子は、既にその塩基配列が決定されている遺伝子を、もしくは、通常の方法により各酵素活性を有するタンパク質をコードするDNA断片を微生物、動植物等の染色体より単離し、塩基配列を決定したものを使用することができる。また、塩基配列が決定された後には、その配列にしたがって合成した遺伝子を使用することもできる。例えば、Clostridium saccharoperbutylacetonicum N1-4由来のthiL, ctfA, ctfB, adc遺伝子、およびClostridium beijerinckii NRRL B593由来のidh遺伝子を用いることができる。これらの遺伝子のクローニングは、以下の実施例1から5に記載した方法、又はそれに準じた方法に従って行うことができる。
Clostridium saccharoperbutylacetonicum N1-4は、以下の文献に記載されている。
(1)Ishizaki A, Michiwaki S, Crabbe E, Kobayashi G, Sonomoto K, Yoshino S. Extractive acetone-butanol-ethanol fermentation using methylated crude palm oil as extractant in batch culture of Clostridium saccharoperbutylacetonicum N1-4 (ATCC 13564). J Biosci Bioeng. 1999;87(3):352-6.
(2)Tashiro Y, Takeda K, Kobayashi G, Sonomoto K, Ishizaki A, Yoshino S.High butanol production by Clostridium saccharoperbutylacetonicum N1-4 in fed-batch culture with pH-Stat continuous butyric acid and glucose feeding method. J Biosci Bioeng. 2004;98(4):263-8.
(3) Kobayashi G, Eto K, Tashiro Y, Okubo K, Sonomoto K, Ishizaki A. Utilization of excess sludge by acetone-butanol-ethanol fermentation employing Clostridium saccharoperbutylacetonicum N1-4 (ATCC 13564). J Biosci Bioeng. 2005 May;99(5):517-9.
(4) Tashiro Y, Takeda K, Kobayashi G, Sonomoto K. High production of acetone-butanol-ethanol with high cell density culture by cell-recycling and bleeding. J Biotechnol. 2005 Nov 4;120(2):197-206. Epub 2005 Aug 18.
(5) Kosaka T, Nakayama S, Nakaya K, Yoshino S, Furukawa K. Characterization of the sol operon in butanol-hyperproducing Clostridium saccharoperbutylacetonicum strain N1-4 and its degeneration mechanism. Biosci Biotechnol Biochem. 2007 Jan;71(1):58-68. Epub 2007 Jan 7.
(6) Nakayama S, Irie R, Kosaka T, Matsuura K, Yoshino S, Furukawa K. New host-vector system in solvent-producing Clostridium saccharoperbutylacetonicum strain N1-4. J Gen Appl Microbiol. 2007 Feb;53(1):53-6.
(7) Shinto H, Tashiro Y, Yamashita M, Kobayashi G, Sekiguchi T, Hanai T, Kuriya Y, Okamoto M, Sonomoto K. Kinetic modeling and sensitivity analysis of acetone-butanol-ethanol production. J Biotechnol. 2007 Aug 1;131(1):45-56. Epub 2007 May 21.
Clostridium beijerinckii NRRL B593については、以下の文献に記載されている。
(1)STEPHEN F. HIU, CHANG-XI ZHU, RUN-TAO YAN, AND JIANN-SHIN CHEN、Butanol-Ethanol Dehydrogenase and Butanol-Ethanol-Isopropanol Dehydrogenase: Different Alcohol Dehydrogenases in Two Strains of Clostridium beijerinckii (Clostridium butylicum)
APPLIED AND ENVIRONMENTAL MICROBIOLOGY, 1987; Vol. 53(4) : p. 697-703
実施例で用いた各遺伝子について、チオラーゼをコードする遺伝子の塩基配列を配列番号1に示し、CoAトランスフェラーゼをコードする遺伝子の塩基配列を配列番号2に示し、アセトアセテートデカルボキシラーゼをコードする遺伝子の塩基配列を配列番号3に示し、2−プロパノールデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子の塩基配列を配列番号4に示す。なお、配列番号2において、塩基番号1−654がctfAに対応し、塩基番号655
−1320がctfBに対応する。
上記の塩基配列情報に基づいて、PCRプライマーを設計、合成し、Clostridium saccharoperbutylacetonicum N1-4又はClostridium beijerinckii NRRL B593の染色体を鋳型としてPCRを行うことによって、目的遺伝子を増幅することができる。なお、PCRに使用するプライマーの5'末端に適当な制限酵素サイトを付加しておくことにより、ベクターの適当な部位に連結させることができ、得られる組換えベクターを用いて宿主である好気性の微生物に導入することができる。
本発明で用いる上記した各酵素をコードする遺伝子は、Clostridium saccharoperbutylacetonicum N1-4又はClostridium beijerinckii NRRL B593などの微生物から分離されたもののみならず、通常用いられるDNA合成装置、例えばアプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)社製394DNA/RNAシンセサイザーを用いて合成されたものであってもよい。また、 Clostridium saccharoperbutylacetonicum N1-4又はClostridium beijerinckii NRRL B593などから取得される各遺伝子は、コードされる酵素の機能を実質的に損なうことがない限り、塩基配列の一部の塩基が他の塩基と置換されていてもよく、又は削除されていてもよく、或いは新たに塩基が挿入されていてもよく、さらに塩基配列の一部が転位されているものであってもよく、これらの変異体はいずれも本発明において用いることができる。また、 Clostridium saccharoperbutylacetonicum N1-4又はClostridium beijerinckii NRRL B593以外の微生物、動植物由来の各遺伝子を使用することもできる。
チオラーゼをコードする遺伝子、CoAトランスフェラーゼをコードする遺伝子、アセトアセテートデカルボキシラーゼをコードする遺伝子、及び2−プロパノールデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子から選ばれる少なくとも1以上の遺伝子は、適当な発現プラスミドへ挿入し、適当な好気性の宿主微生物へ形質転換して、組み換え微生物を作製する。
好気性の組み換え微生物の作製のための手順および宿主に適合した組み換えベクターの構築は、分子生物学、生物工学、遺伝子工学の分野において慣用されている技術に準じて行うことができる(例えば、モレキュラークローニング第2版などを参照)。
具体的には、微生物中において安定に存在するプラスミドベクターやファージベクター中に本発明のDNAを導入するか、もしくは、直接宿主ゲノム中に本発明のDNAを導入し、その遺伝情報を転写・翻訳させる必要がある。
このとき、プロモーターを本発明のDNA鎖の5’−側上流に、より好ましくはターミネーターを3’−側下流にそれぞれ組み込むことが好ましい。本発明で用いることができるプロモーター及びターミネーターとしては、宿主として利用する微生物中において機能することが知られているプロモーター及びターミネーターであれば特に限定されず、これら各種微生物において利用可能なベクター、プロモーター及びターミネーターなどに関しては、例えば「微生物学基礎講座8遺伝子工学・共立出版」などに詳細に記述されている。
バチルス属においては、ベクターとしては、pUB110系プラスミド、pC194系プラスミドなどを挙げることができ、また、染色体にインテグレートすることもできる。プロモーター及びターミネーターとしては、アルカリプロテアーゼ、中性プロテアーゼ、α−アミラーゼ等の酵素遺伝子のプロモーターやターミネータなどが利用できる。
ブレビバクテリウム属、特にブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum)においては、ベクターとしては、pAJ43(Gene 39, 281 (1985))などのプラスミドベクターを挙げることができる。プロモーター及びターミネーターとしては、大腸菌で使用されている各種プロモーター及びターミネーターが利用可能である。
コリネバクテリウム属、特にコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)においては、ベクターとしては、pCS11(特開昭57-183799号公報)、pCB101(Mol. Gen. Genet. 196, 175 (1984))、pCRY30(特開平3−210184号公報)などのプラスミドベクターが挙げられる。
また、上記以外でも、各種微生物に応じた宿主ベクター系が開発されており、それらを適宜使用することができる。
本発明において形質転換の対象となる微生物としては、特に限定されるものではないが、好ましくは、好気性の微生物である。好気性の微生物とは、その良好な生育に酸素を要求する微生物であり、好気的呼吸によって効率よくエネルギーを生成する微生物である。本発明において、形質転換の対象となる微生物の具体例としては、バチルス(Bacillus)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属など宿主ベクター系の開発されている細菌を挙げることができる。
形質転換の対象となる微生物の特に好ましい具体例としては、Bacillus subtilis,Corynebacterium glutamicum、及びBrevibacterium lactofermentum, Brevibacterium flavumなどを挙げることができる。
本発明では、1つ以上の遺伝子で形質転換された組み換え微生物を糖質の存在下で培養することによって2−プロパノールを生産する。組み換え微生物を培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行うことができる。本発明の組み換え微生物を培養する培地は、該微生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、組み換え微生物の培養を効率的に行える培地であれば天然培地、合成培地のいずれでもよい。ここで、炭素源としては糖質および/またはグリセロールを用いることができる。糖質としては例えばグルコース、ガラクトース、フラクトース、マルトース、スクロース、ラクトース、マルトトリオース、デキストリン、デンプンなどを用いることができる。これらは単独で用いても良いし、組み合わせて用いても良い。好ましくはグルコース、マルトース、スクロース、デンプン、グリセロールを用いることができ、特に好ましくはグルコース又はグリセロールを用いることができる。
培養は、振盪培養または深部通気撹拌培養などの好気的条件下で行う。培養温度は通常15〜40℃であり、培養時間は、通常5時間〜7日間である。培養中pHは、3.0〜9.0に保持する。pHの調整は、無機あるいは有機の酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウム、アンモニアなどを用いて行う。また培養中必要に応じて、アンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
上記した方法で製造した2−プロパノールは、必要に応じて、培養液から通常の分離、精製方法で分離、精製することができる。
さらに本発明によれば、以下の何れかの塩基配列からなるチオラーゼ遺伝子が提供される。
(1)配列番号1で表される塩基配列;
(2)配列番号1で表される塩基配列において1から複数個(好ましくは1〜60個、より好ましくは1〜30個、さらに好ましくは1〜20個、さらに好ましくは1〜10個、特に好ましくは1〜5個程度)の塩基が欠失、置換及び/又は付加された塩基配列を有し、チオラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列:
当業者であれば、配列番号1に記載のDNAに部位特異的変異導入法(Nucleic Acid Res.10,pp.6487(1982)、Methods in Enzymol.100,pp.448(1983)、Molecular Cloning 2ndEdt., Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)(以下、"モレキュラークローニング第2版" と略す)、PCR A Practical Approach IRL Press pp.200(1991))等を用いて適宜置換、欠失、挿入及び/または付加変異を導入することにより所望のホモログを得ることが可能である。
上記した本発明の遺伝子は、以下の実施例1及び2に記載した方法、又はそれに準じた方法により取得することができる。また、本発明により、その塩基配列が明らかになったため、当該塩基配列を元にプライマーを設定し、目的とする遺伝子をクローニングすることもできるし、DNA合成装置により合成することもできる。
以下の実施例により本発明をさらに説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
実施例1:Clostridium saccharoperbutylacetonicum N1-4株ゲノムDNAの調製
clostridiaの genomic DNA 抽出法は Current protocol (Ausubel et al., 1994) の方法を改変して行った。TYA 培地 10 ml で一晩培養した菌体を8,000 rpm, 4℃, 1分間遠心し集菌し、500 μL の TES buffer で洗浄後、再度同条件で集菌し、あらかじめlysozymeを1 mg 加えた450 ml TES buffer に再懸濁し、37℃で1時間保温した。処理後 10% SDS を50 μL 加え、20 mg/ml Protease K (Merk) を1.25 μL 加え、37℃で1.5時間保温した。その後、5 M NaCl を90 μL 加え、CTAB/NaCl 溶液を75 μL 加えた。20分間65℃で保温した後、等量のクロロホルムを加え12,000 rpm , 4℃, 10分間遠心し、上清を回収し糖質を除去した。上清にRNAase溶液を上清の1/100量加え37℃, 1時間保温した。等量のフェノール、クロロホルムを加え、12,000 rpm , 4℃, 5分間遠心し、0.6 倍量の2−プロパノール溶液中でDNA を析出させた。14,000 rpm , 4℃, 10分間遠心し、DNA を回収した後、適量の70% エタノール溶液でリンス後、14,000 rpm , 4℃, 5分間遠心し、上清を捨てた。風乾後TE buffer に懸濁し、genomic DNA 溶液を調製した。
< TYA 培地 >
Glucose 40 g/L
Bacto trypton 6 g/L
Yeast extract 2 g/L
NH4CH3COOH 3 g/L
KH2PO4 0.5 g/L
MgSO4 0.3 g/L
FeSO4 0.01 g/L
Agar 1.5%
<TES buffer>
30 mM Tris-Cl (pH8.0)
5 mM EDTA (pH8.0)
50 mM NaCl
15% Sucrose
<CTAB/NaCl 溶液>
10% CTAB
0.7 M NaCl
<RNase 溶液>
RNase A 10 mg
1M Tris-Cl (pH7.5) 10 μL
5M NaCl 3 μL
蒸留水 987 μL
DNaseを失活させるため、100℃で15分間加熱
実施例2:N1−4株由来のチオラーゼ遺伝子の推定、増幅、単離
N1-4において、ctfA, ctfB(CoAトランスフェラーゼ遺伝子)およびadc(アセトアセテートデカルボキシラーゼ遺伝子)は既に同定されているが、thiL(チオラーゼ遺伝子)は未だ同定されていない。そこで、N1-4のゲノムからthiLを探索した。C. acetobutylicum ATCC824の持つthiLのアミノ酸配列を用いて、N1-4のゲノムに対しtblastn (JAMSTEC提供) を行った。その結果、4つの領域が高い相同性を示した。その領域を調査した結果、5つのORF (thiL176, thiL397, thiL561, thiL579-1, thiL579-2) が存在した。N1-4のgenomic DNAから、これらのORFを含む領域を、Table1に示すプライマーのセットを用いてPCRにより各々増幅し、pGEM-T Easy Vectorに結合した。PCR法はGoTaq(登録商標) Green Master Mix (Promega. co. ltd) を用い、推奨されるプロトコールに従った。
実施例3:大腸菌XL1-Blueのコンピテントセルの調製と形質転換
LBプレート上に培養した E. coli XL1-Blue の単一コロニーを 3 ml LB培地に接種し、一晩37℃で前培養した。200 ml LB培地に、前培養した E. coli XL1-Blue をA600 = 0.1となるよう接種し、30℃で A600 = 0.6 になるまで好気的に振とう培養した。A600 = 0.6 に到達した後、オートクレーブ済みの遠心管に移し、4,000 rpm、4℃、10分間遠心し、集菌した。上清を捨て、予めオートクレーブした超純水 100 mlを加え、菌体を洗い、4,000 rpm , 4℃, 10分間遠心し、集菌した (2 回) 。上清を捨て、予めオートクレーブした10%グリセロール4 ml を加え、菌体を洗い、8,000 rpm ,4℃, 15分間遠心し、集菌した。上清を捨て、予めオートクレーブした10%グリセロール1.6 ml を加え懸濁し、60 μLずつチューブに分注し、-80℃で保存した。
−80℃で保存しているコンピテントセルを取り出し、上記実施例2で調製したプラスミド、pGthiL176, pGthiL397, pGthiL561およびpGthiL579を混合し、エレクトロポレーション用のキュベットに移した。ECM-630 (BTX) にセットし、2.5 kV/cm, 25 mF, 200 Ω でエレクトロポレーションを行い、1 ml LB培地 に懸濁し、37℃、30 min. インキュベートした。その後、任意の抗生物質を含む LB プレートに塗布し、37℃、O/N培養した。必要に応じてIPTG及びX-galを終濃度がそれぞれ23.8 μg/mL, 40μg/mLとなるよう加えた。
<LB 培地>
Bacto trypton 10 g/L
Yeast extract 5 g/L
NaCl 10 g/L
Agar 1.5%
実施例4:ThiL(チオラーゼ)活性の測定
ThiL(チオラーゼ)活性の測定は、DENNIS P., et al (APPLIED AND ENVIRONMENTAL MICROBIOLOGY, 54 (11) 2717 (1988))に記載されていた方法を改変して行った。E. coliの培養は以下の通りである。LB plate上に生育したコロニーを爪楊枝でとり、3 mL LB培地に接種した。12時間培養後、10 mL LB培地にA660 = 0.1となるよう接種した。12時間培養後、菌体を回収した。N1-4の培養は以下の通りである。-80℃からN1-4のストックを取り出し、10 mL TYA培地に接種した。30℃で12時間培養後、10 mL TYA培地に500 μL培養液を接種した。12 h培養後、10 mL TYA培地にA660 = 0.1となるよう接種した。12時間培養後、菌体を回収した。菌体の回収法は以下の通りである。培養液を3000 g, 4℃, 10分間遠心し集菌した。上清を捨て、50 mM Tris-Cl (pH8.0) を10 mL加え、懸濁した。3000 g, 4℃, 10分間遠心し集菌した。再度上清を捨て、1 mM DTT, 0.5 mM ABSF含有Tris-Cl (pH8.0)を600 μL加え、懸濁した。超音波破砕装置用試験管に300 μLずつ移し、超音波処理により菌体を破砕した。得られた破砕液を17530 g, 4℃, 10分間遠心し、得られた上清をcrude extractとした。
ThiL活性の測定は、以下の反応におけるacyl-CoA結合の切断によるA232の減少により行った。
acetoacetyl-CoA + CoA → 2 acetyl-CoA + phosphate → acetyl-P + CoA
反応は室温で行った。反応液組成は以下の通りである。
超純水 134μL
620 mM Tris-Cl (pH8.0) 20μL
250 mM potasium arsenate (pH8.1) 20μL
crude extract 20μL
20 mM CoA 2μL
200 U/mL phosphotransacetylase 2μL
20 mM acetoacetyl-CoA 2μL
計 200μL
測定結果は図1に示す。図1に示すように、pGthiL176およびpGthiL397を保持したE. coli XL1-BlueにおいてThiL活性が認められた。また、pGthiL397を保持したE. coli XL1-Blueにおいて最も高いThiL活性が認められた。そこで、以後の実験ではthiL397をthiLとして用いることとした。
実施例5:solオペロン,idh遺伝子発現プラスミドの構築、大腸菌の形質転換
E. coliでthiL, ctfA, ctfB, adcおよびidhを発現させるためのプラスミドを構築した。以下にその構築手順を示す。
N1-4のgenomic DNAよりctfA, ctfB, adcを含むDNA断片を、B593のgenomic DNAよりidhを含むDNA断片をPCRにより増幅し、それぞれpGEM-T Easy Vectorに結合した。
B593のgenomic DNAの調製方法は、実施例1の方法と同様に行った。
用いた表2に記載のプライマーは、各遺伝子のSD配列が含まれるよう設計した。得られたプラスミドpGctfABadcをSalIおよびXhoIで、またpGidhをXhoIおよびBamHIで処理し、それぞれ挿入したDNA断片を切り出した。
これらのDNA断片をSalIおよびBamHIで処理したpHSG397に連結した (図2) 。得られたプラスミドpHcaiをSalIで処理し、実施例3及び4で構築したpGthiL397をSalIで処理することで切り出したDNA断片を結合した。この際、SalI切断サイトの上流に存在するlac promoterにより、挿入したDNA断片のセンス鎖が転写される方向で連結されたプラスミドを得た (図3) 。
得られたプラスミドpHt397caiを、実施例3記載のエレクトロポレーション法によりE. coli XL1-Blueに導入し、形質転換体E. coli XBpHtcaiを得た。形質転換体E. coli XBpHtcaiは、受託番号FERM P−21454として、2007年(平成19年)12月3日付けで独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東一丁目1番地1 中央第6)に寄託されている。
実施例6:組み換え大腸菌の培養、2−プロパノール生産の確認
得られた形質転換体、E. coli XBpHtcaiをSD-7培地で12 時間培養し、SD-8培地に接種した。24時間培養後、得られた上清をGas chromatographyにより分析した。
<Trace elements>
menstruum 5 M HCl
FeSO4・7H2O 40.0 g/L
MnSO4・H2O 10.0 g/L
AlK(SO4)2・12H2O 78.5 g/L
CoCl・6H2O 4.0 g/L
ZnSO4・7H2O 2.0 g/L
Na2MoO4・2H2O 2.0 g/L
CuCl2・2H2O 1.0 g/L
H3BO4 0.5 g/L
<SD-7培地>
NH4Cl 7.0 g/L
KH2PO4 1.5 g/L
Na2HPO4 1.5 g/L
K2SO4 0.34 g/L
MgSO4・7H2O 0.17 g/L
Trace elements 0.8 mL/L
Yeast extract 5.0 g/L
Glucose 2.0 g/L
5M NH4OH を用いてpH7.0に調整した。
<SD-8培地>
NH4Cl 7.0 g/L
KH2PO4 7.5 g/L
Na2HPO4 7.5 g/L
K2SO4 0.84 g/L
MgSO4・7H2O 0.17 g/L
Trace elements 0.8 mL/L
Yeast extract 5.0 g/L
Glucose 20.0 g/L
アセトン、ブタノール、エタノール、アセテート、ブチレートの測定はガスクロマトグラフィー (GC14-B; Shimadzu) を用いた。キャリアーガスとして窒素を、検出器にはFID を用いた。また、クロマトパックは C-R8A (Shimadzu) を用いた。カラム担体は Chrommosorb 101 (GL Science. co. Ltd) を使用した。カラム温度は200℃、injection温度は250℃、detectorの温度は220℃とした。空気圧は50 kPa、H2圧は50 kPa、N2圧は200 kPaとした。内部標準に2−ブタノールを用い、内部標準の数値より逆算する方法で各産物の濃度を求めた。培養液を14,000 rpm , 4℃, 10分間遠心し、上清200 μl と 0.2 %イソブタノール溶液 1 ml を混合し、その内 1 μl をサンプルとして解析した。標準溶液は以下の組成のものを用いた。
<標準溶液>
酢酸 0.5 g
酪酸 0.5 g
エタノール 0.5 g
アセトン 0.5 g
ブタノール 0.5 g
超純水 50 ml にfill up
測定時にはサンプルと同様にして測定した。
アセトン、エタノール、2−プロパノールの測定はガスクロマトグラフィー (GC7-A Shimadzu) を用いた。キャリアーガスとして窒素を、検出器にはFIDを用いた。また、クロマトパックはC-R6A (Shimadzu) を用いた。カラム担体はGP CarbopackTM C80/100 01.% SPTM -1000 (Supelco. co. Ltd) を使用した。カラム温度は85℃、injection温度は250℃、detectorの温度は220℃とした。測定後、カラム温度を32℃/min.で185℃まで昇温し、1 min.保持した。空気圧は50 kPa、H2圧は40 kPa、N2の流速は75 mL/min.とした。内部標準に1−プロパノールを用い、内部標準の数値より逆算する方法で各産物の濃度を求めた。培養液を14,000 rpm , 4℃, 10 min.遠心し、上清200 μl と 0.05 % 1−プロパノール溶液 1 ml を混合し、その内 1 μl をサンプルとして解析した。標準溶液は以下の組成のものを用いた。
<標準溶液>
エタノール 0.125 g
アセトン 0.125 g
2−プロパノール 0.125 g
超純水 50 ml にfill up
測定時にはサンプルと同様にして測定した。
得られた形質転換体、E. coli XBpHtcai3株をSD-8培地で培養した結果、2菌株において2 g/Lの2−プロパノール生産が認められた (図4) 。この結果より、導入した遺伝子群がE. coli XL1-blue中で機能することが示された。
実施例7:イソプロパノール生合成遺伝子を用いた組み換えコリネ型細菌の作成
(A)シャトルベクターの構築
特開平3−210184号公報に記載のプラスミドpCRY30内に存在する、コリネ型細菌内でのプラスミドの安定化に必要な領域の配列をもとに、下記の1対のプライマーを、アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)社製「394 DNA/RNAシンセサイザー(synthesizer)」を用いて合成した。
(a−1)5'-TTT CTC GAG CGC ATT ACC TCC TTG CTA CTG-3'(配列番号17)
(b−1)5'-TTT GAA TTC GAT ATC AAG CTT GCA CAT CAA-3'(配列番号18)
実際のPCRは、パーキンエルマーシータス社製の「DNAサーマルサイクラー」を用い、反応試薬として、レコンビナント・タックDNA・ポリメラーゼ・タカラ・タック(Recombinant TaqDNA Polymerase TaKaRa Taq)(宝酒造製)を用いて下記の条件で行った。
反応液:
(10×)PCR緩衝液 10μl
1.25mM dNTP混合液 16μl
鋳型DNA 10μl(DNA 含有量 1μM以下)
上記記載のa−1,b−1プライマー 各々1μl(最終濃度0.25μM)
レコンビナント・タックDNA・ポリメラーゼ 0.5μl
滅菌蒸留水 61.5μl
以上を混合し、この100μlの反応液をPCRにかけた。
PCRサイクル:
デナチュレーション過程:94℃ 60秒
アニーリング過程 :52℃ 60秒
エクステンション過程 :72℃ 120秒
以上を1サイクルとし、25サイクル行った。上記で生成した反応液10μlを0.8%アガロースゲルにより電気泳動を行い、約1.1kbのDNA断片が検出できた。
上記で増幅産物を確認できた反応液 10μl、プラスミドpBluescriptIISK+ 1μlを、各々制限酵素EcoRIおよびXhoIで完全に切断し、70℃で10分間処理させることにより制限酵素を失活させた後、両者を混合し、これに、T4 DNAリガーゼ10×緩衝液 1μl、T4 DNAリガーゼ1unitの各成分を添加し、滅菌蒸留水で10μlにして、15℃で3時間反応させ、結合させた。
得られたプラスミド混液を用い、塩化カルシウム法〔Journal of MolecularBiology, 53, 159(1970)〕によりエシェリヒア・コリJM109(宝酒造製)を形質転換し、アンピシリン 50mgを含む培地〔トリプトン 10g、イーストエキストラクト 5g、NaCl 5g及び寒天 16gを蒸留水1Lに溶解〕に塗抹した。
この培地上の生育株を常法により液体培養し、培養液よりプラスミドDNAを抽出し、該プラスミドを制限酵素(EcoRI,XhoI)により切断し、挿入断片を確認した。この結果、プラスミドpBluescriptIISK+の長さ3.0kbのDNA断片に加え、長さ1.1kbの挿入DNA断片が認められた。本プラスミドをpBSparと命名した。
特開平3−210184号公報に記載のプラスミドpCRY30内に存在する、コリネ型細菌内でのプラスミドの複製に必要な領域の配列をもとに、下記の1対のプライマーを、アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)社製「394 DNA/RNAシンセサイザー(synthesizer)」を用いて合成した。
(a−2)5'-TTT GGT ACC GAC TTA GAT AAA GGT CTA-3'(配列番号19)
(b−2)5'-TTT CTC GAG TGC TGG TAA AAC AAC TTT-3'(配列番号20)
実際のPCRは、パーキンエルマーシータス社製の「DNAサーマルサイクラー」を用い、反応試薬として、レコンビナント・タックDNA・ポリメラーゼ・タカラ・タック(Recombinant TaqDNA Polymerase TaKaRa Taq)(宝酒造製)を用いて下記の条件で行った。
反応液:
(10×)PCR緩衝液 10μl
1.25mM dNTP混合液 16μl
鋳型DNA 10μl(DNA 含有量 1μM以下)
上記記載のa−2,b−2プライマー 各々1μl(最終濃度0.25μM)
レコンビナント・タックDNA・ポリメラーゼ 0.5μl
滅菌蒸留水 61.5μl
以上を混合し、この100μlの反応液をPCRにかけた。
PCRサイクル:
デナチュレーション過程:94℃ 60秒
アニーリング過程 :52℃ 60秒
エクステンション過程 :72℃ 120秒
以上を1サイクルとし、25サイクル行った。上記で生成した反応液10μlを0.8%アガロースゲルにより電気泳動を行い、約1.8kbのDNA断片が検出できた。
上記で増幅産物を確認できた反応液10μl、プラスミドpBSpar 1μlを各々制限酵素XhoIおよびKpnIで完全に切断し、70℃10分処理させることにより制限酵素を失活させた後、両者を混合し、T4 DNAリガーゼ10×)緩衝液 1μl、T4 DNAリガーゼ1unitの各成分を添加し、滅菌蒸留水で10μlにして、15℃で3時間反応させ、結合させた。
得られたプラスミド混液を用い、塩化カルシウム法〔Journal of MolecularBiology、53、159(1970)〕によりエシェリヒア・コリJM109(宝酒造製)を形質転換し、アンピシリン 50mgを含む培地〔トリプトン 10g、イーストエキストラクト 5g、NaCl 5g及び寒天 16gを蒸留水1Lに溶解〕に塗抹した。
この培地上の生育株を常法により液体培養し、培養液よりプラスミドDNAを抽出し、該プラスミドを制限酵素(XhoI,KpnI)により切断し、挿入断片を確認した。この結果、プラスミドpBSparの長さ4.1kbのDNA断片に加え、長さ1.8kbの挿入DNA断片が認められた。本プラスミドをpBSpar−repと命名した。
上記で作製したプラスミドpBSpar−rep 1μl、pHSG298(宝酒造社製) 1μlを各々制限酵素KpnIおよびEcoRIで完全に切断し、70℃で10分処理させることにより制限酵素を失活させた後、両者を混合し、これに、T4 DNAリガーゼ10×緩衝液 1μl、T4 DNAリガーゼ1unitの各成分を添加し、滅菌蒸留水で10μlにして、15℃で3時間反応させ、結合させた。
得られたプラスミド混液を用い、塩化カルシウム法〔Journal of MolecularBiology、53、159(1970)〕によりエシェリヒア・コリJM109(宝酒造製)を形質転換し、カナマイシン 50mgを含む培地〔トリプトン 10g、イーストエキストラクト 5g、NaCl 5g及び寒天 16gを蒸留水1Lに溶解〕に塗抹した。
この培地上の生育株を常法により液体培養し、培養液よりプラスミドDNAを抽出し、該プラスミドを制限酵素により切断し、挿入断片を確認した。この結果、プラスミドpHSG298の長さ2.6kbのDNA断片に加え、長さ2.9kbの挿入DNA断片が認められた。本プラスミドをpHSG298par−repと命名した。
(B)tacプロモーターの挿入
tacプロモーターを含有するプラスミドpTrc99A(ファルマシア社製)を鋳型としたPCR法により、tacプロモーター断片を増幅させるべく、下記の1対のプライマーを、アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)社製「394 DNA/RNAシンセサイザー(synthesizer )」を用いて合成した。
(a−3)5'-TTT GGT ACC GAT AGC TTA CTC CCC ATC CCC-3'(配列番号21)
(b−3)5'-TTT GGA TCC CAA CAT ATG AAC ACC TCC TTT TTA TCC GCT CAC
AAT TCC ACA CAT-3'(配列番号22)
実際のPCRは、パーキンエルマーシータス社製の「DNAサーマルサイクラー」を用い、反応試薬として、レコンビナント・タックDNA・ポリメラーゼ・タカラ・タック(Recombinant TaqDNA Polymerase TaKaRa Taq)(宝酒造製)を用いて下記の条件で行った。
反応液:
(10×)PCR緩衝液 10μl
1.25mM dNTP混合液 16μl
鋳型DNA 10μl(DNA 含有量 1μM以下)
上記記載のa−3,b−3プライマー 各々1μl(最終濃度0.25μM)
レコンビナント・タックDNA・ポリメラーゼ 0.5μl
滅菌蒸留水 61.5μl
以上を混合し、この100μlの反応液をPCRにかけた。
PCRサイクル:
デナチュレーション過程:94℃ 60秒
アニーリング過程 :52℃ 60秒
エクステンション過程 :72℃ 120秒
以上を1サイクルとし、25サイクル行った。上記で生成した反応液10μlを3%アガロースゲルにより電気泳動を行い、約100bpのDNA断片が検出できた。
上記で増幅産物を確認できた反応液10μl、上記(A)で作製したプラスミドpHSG298par−rep 5μlを各々制限酵素BamHIおよびKpnIで完全に切断し、70℃で10分処理させることにより制限酵素を失活させた後、両者を混合し、これに、T4 DNAリガーゼ10×緩衝液 1μl、T4DNAリガーゼ1unitの各成分を添加し、滅菌蒸留水で10μlにして、15℃で3時間反応させ、結合させた。
得られたプラスミド混液を用い、塩化カルシウム法〔Journal of MolecularBiology、53、159(1970)〕によりエシェリヒア・コリJM109(宝酒造製)を形質転換し、カナマイシン 50mgを含む培地〔トリプトン 10g、イーストエキストラクト 5g、NaCl 5g及び寒天 16gを蒸留水1Lに溶解〕に塗抹した。
この培地上の生育株を常法により液体培養し、培養液よりプラスミドDNAを抽出し、該プラスミドを制限酵素により切断し、挿入断片を確認した。この結果、上記(A)作製のプラスミドの長さ5.5kbのDNA断片に加え、長さ0.1kbの挿入DNA断片が認められた。このプラスミドをpHSG298tacと命名した。
(C)イソプロパノール生合成遺伝子人工オペロンのシャトルベクターへの挿入
イソプロパノール生合成遺伝子を含有するプラスミドpHt397cai(上記実施例5)を鋳型としたPCR法により、イソプロパノール生合成遺伝子部分を増幅させるべく、下記の1対のプライマーを、アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)社製「394DNA/RNAシンセサイザー(synthesizer )」を用いて合成した。
(a−4)5'-TTT GGA TCC ATAATATAGGAGGAGCATAAATG -3'(配列番号23)
(b−4)5'-TTT AGA TCT ATAATCCTCCATGATCTATTATG -3'(配列番号24)
実際のPCRは、パーキンエルマーシータス社製の「DNAサーマルサイクラー」を用い、反応試薬として、レコンビナント・タックDNA・ポリメラーゼ・タカラ・タック(Recombinant TaqDNA Polymerase TaKaRa Taq)(宝酒造製)を用いて下記の条件で行った。
反応液:
(10×)PCR緩衝液 10μl
1.25mM dNTP混合液 16μl
鋳型DNA 10μl(DNA 含有量 1μM以下)
上記記載のa−4,b−4プライマー 各々1μl(最終濃度0.25μM)
レコンビナント・タックDNA・ポリメラーゼ 0.5μl
滅菌蒸留水 61.5μl
以上を混合し、この100μlの反応液をPCRにかけた。
PCRサイクル:
デナチュレーション過程:94℃ 60秒
アニーリング過程 :52℃ 60秒
エクステンション過程 :72℃ 120秒
以上を1サイクルとし、25サイクル行った。上記で生成した反応液10μlを0.8%アガロースゲルにより電気泳動を行い、約2.8kbのDNA断片が検出できた。
上記で増幅産物を確認できた反応液10μlを制限酵素BamHIおよびBglII、上記(B)で作製したプラスミドpHSG298tac 5μlを制限酵素BamHIで各々切断し、70℃で10分処理させることにより制限酵素を失活させた後、両者を混合し、これに、T4 DNAリガーゼ10×緩衝液 1μl、T4 DNAリガーゼ1unitの各成分を添加し、滅菌蒸留水で10μlにして、15℃で3時間反応させ、結合させた。
得られたプラスミド混液を用い、塩化カルシウム法〔Journal of MolecularBiology, 53, 159(1970)〕によりエシェリヒア・コリJM109(宝酒造製)を形質転換し、カナマイシン 50mgを含む培地〔トリプトン 10g、イーストエキストラクト 5g、NaCl 5g及び寒天 16gを蒸留水1Lに溶解〕に塗抹した。
この培地上の生育株を常法により液体培養し、培養液よりプラスミドDNAを抽出し、該プラスミドを制限酵素BamHIおよびSseIにより切断し、断片の挿入を確認した。この結果、上記(B)作製のプラスミドの長さ5.6kbのDNA断片に加え、長さ4.6kbの挿入DNA断片が認められた。このプラスミドをpIPA−1と命名した。
(D)ブレビバクテリウム・フラバム MJ-233株の形質転換
本プラスミドpIPA−1を米国特許第5,185,262号明細書記載の方法に従って、ブレビバクテリウム・フラバム MJ-233に導入した。ブレビバクテリウム・フラバム MJ-233は、1975年4月28日に、通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号、郵便番号305)に受託番号FERM P−3068として寄託され、1981年5月1日にブダペスト条約に基づく国際寄託に移管され、受託番号FERMBP−1497が付与されている。
実施例8:組み換えコリネ型細菌の培養、2−プロパノール生産の確認
尿素:4g、(NH 4 2 SO 4 :14g,KH 2 PO 4 :0.5g、K 2 HPO 4 :0.5g, MgSO 4 ・7H 2 O:0.5g,FeSO 4 ・7H 2 O:20mg,MnSO 4 ・nH 2 O:20mg、D−ビオチン:200μg、塩酸チアミン:100μg、酵母エキス1g、カザミノ酸1g及び蒸留水:1000ml(pH6.6)の培地を100mlずつ500ml容の三角フラスコに分注し、120℃、15分間滅菌処理したものに、滅菌済み50%グルコース水溶液4mlを加え、上記pIPA−1プラスミドを導入し形質転換させたブレビバクテリウム・フラバム MJ-233菌株を植菌し、33℃にて24時間振とう培養した(好気的培養)。培養終了後、遠心分離(8000g、20分)により菌体を回収した。得られた菌体全量を以下の反応に供試した。
(NH 4 2 SO 4 :23g,KH 2 PO 4 :0.5g、K 2 HPO 4 :0.5g,MgSO 4 ・7H 2 O:0.5g,FeSO 4 ・7H 2 O:20mg,MnSO 4 ・nH 2 O:20mg、D−ビオチン:200μg、塩酸チアミン:100μg、炭酸ナトリウム20g/L、蒸留水:1000mlの培地50mlを500ml容の三角フラスコに入れ、上記菌体とグルコース50%液1mlを添加し、綿線をした状態で、30℃にて24時間ゆるく(200rpm)攪拌し、反応させた。得られた培養液を遠心分離(8000rpm、15分、4℃)して得られた上清液をGas chromatographyにより分析した。
アセトン、ブタノール、エタノール、アセテート、ブチレートの測定はガスクロマトグラフィー (GC14-B; Shimadzu) を用いた。キャリアーガスとして窒素を、検出器にはFID を用いた。また、クロマトパックは C-R8A (Shimadzu) を用いた。カラム担体は Chrommosorb 101 (GL Science. co. Ltd) を使用した。カラム温度は200℃、injection温度は250℃、detectorの温度は220℃とした。空気圧は50 kPa、H2圧は50 kPa、N2圧は200 kPaとした。内部標準に2−ブタノールを用い、内部標準の数値より逆算する方法で各産物の濃度を求めた。培養液を14,000 rpm , 4℃, 10分間遠心し、上清200 μl と 0.2 %イソブタノール溶液 1 ml を混合し、その内 1 μl をサンプルとして解析した。標準溶液は以下の組成のものを用いた。
<標準溶液>
酢酸 0.5 g
酪酸 0.5 g
エタノール 0.5 g
アセトン 0.5 g
ブタノール 0.5 g
超純水 50 ml にfill up
測定時にはサンプルと同様にして測定した。
アセトン、エタノール、2−プロパノールの測定はガスクロマトグラフィー (GC7-A Shimadzu) を用いた。キャリアーガスとして窒素を、検出器にはFIDを用いた。また、クロマトパックはC-R6A (Shimadzu) を用いた。カラム担体はGP CarbopackTM C80/100 01.% SPTM -1000 (Supelco. co. Ltd) を使用した。カラム温度は85℃、injection温度は250℃、detectorの温度は220℃とした。測定後、カラム温度を32℃/min.で185℃まで昇温し、1 min.保持した。空気圧は50 kPa、H2圧は40 kPa、N2の流速は75 mL/min.とした。内部標準に1−プロパノールを用い、内部標準の数値より逆算する方法で各産物の濃度を求めた。培養液を14,000 rpm , 4℃, 10 min.遠心し、上清200 μl と 0.05 % 1−プロパノール溶液 1 ml を混合し、その内 1 μl をサンプルとして解析した。標準溶液は以下の組成のものを用いた。
<標準溶液>
エタノール 0.125 g
アセトン 0.125 g
2−プロパノール 0.125 g
超純水 50 ml にfill up
測定時にはサンプルと同様にして測定した。
得られた形質転換体、MJ233−pIPA−1株を培養した結果、0.5 g/Lの2−プロパノール生産が認められた 。
図1は、各菌株のThiL活性を示す。 図2は、thiL, ctfA, ctfB, adc, 及びidh を発現するプラスミドの構築(前半)を示す。 図3は、thiL, ctfA, ctfB, adc, 及びidh を発現するプラスミドの構築(後半)を示す。 図4は、E. coli XBpHtcai による2−プロパノール生産の測定結果を示す。

Claims (11)

  1. 糖質および/またはグリセロールを分解して2−プロパノールを生成する経路に関与する酵素をコードする少なくとも1つ以上の遺伝子で形質転換され、2−プロパノール生成能を付与された好気性組み換え微生物を糖質の存在下で培養して2−プロパノールを生産することを特徴とする、2−プロパノールの製造方法。
  2. 糖質が、グルコース、ガラクトース、フラクトース、マルトース、スクロース、ラクトース、マルトトリオース、デキストリン、およびデンプンから選ばれる少なくとも1つ以上である、請求項1に記載の方法。
  3. 2−プロパノールを生成する経路に関与する酵素をコードする少なくとも1つ以上の遺伝子が、少なくとも、チオラーゼをコードする遺伝子である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 2−プロパノールを生成する経路に関与する酵素をコードする少なくとも1つ以上の遺伝子が、チオラーゼをコードする遺伝子と、CoAトランスフェラーゼをコードする遺伝子、アセトアセテートデカルボキシラーゼをコードする遺伝子、及び2−プロパノールデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子から選ばれる少なくとも1つ以上の遺伝子である、請求項1から3の何れかに記載の方法。
  5. チオラーゼをコードする遺伝子が配列番号1に記載の塩基配列からなる遺伝子であり、CoAトランスフェラーゼをコードする遺伝子が配列番号2に記載の塩基配列からなる遺伝子であり、アセトアセテートデカルボキシラーゼをコードする遺伝子が配列番号3に記載の塩基配列からなる遺伝子であり、2−プロパノールデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子が配列番号4に記載の塩基配列からなる遺伝子である、請求項4に記載の方法。
  6. 微生物がコリネ型細菌である、請求項1から5の何れかに記載の方法。
  7. チオラーゼをコードする遺伝子と、CoAトランスフェラーゼをコードする遺伝子、アセトアセテートデカルボキシラーゼをコードする遺伝子、及び2−プロパノールデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子から選ばれる少なくとも1以上の遺伝子によって形質転換され、2−プロパノール生成能を付与された好気性組み換え微生物。
  8. コリネ型細菌である請求項7記載の好気性組み換え微生物。
  9. コリネ型細菌がMJ233株(FERM BP−1497)である請求項8記載の好気性組み換え微生物。
  10. コリネ型細菌MJ233株(FERM BP−1497)に、配列番号1に記載の塩基配列からなるチオラーゼをコードする遺伝子、配列番号2に記載の塩基配列からなるCoAトランスフェラーゼをコードする遺伝子、配列番号3に記載の塩基配列からなるアセトアセテートデカルボキシラーゼをコードする遺伝子、及び配列番号4に記載の塩基配列からなる2−プロパノールデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を導入することによって得られる、好気性組み換え微生物。
  11. 以下の何れかの塩基配列からなるチオラーゼ遺伝子。
    (a)配列番号1で表される塩基配列;
    (b)配列番号1で表される塩基配列において1から複数個の塩基が欠失、置換及び/又は付加された塩基配列を有し、チオラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列:
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