JP2009247160A - 電線加工品およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱衝撃環境下での使用に際しても、基板の配線パターンと電線との接続部が剥離することがなく、耐熱衝撃特性、取扱い性の向上を図った電線加工品を提供する。
【解決手段】単線または複数本の撚線からなる中心導体を有する電線3,6,7と、その電線3,6,7を電気的に接続する配線パターン4を有する基板5とを備えた電線加工品において、電線3,6,7の中心導体の端部をアーク電極で溶融させて球状端末部を形成した後、これを圧延加工して扁平な圧延部6a,7a,8aを形成し、その圧延部6a,7a,8aを基板5の配線パターン4に位置させ、圧延部6a,7a,8aと配線パターン4とをレーザ溶接によって接続したものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車機器に使用されるセンサに用いられる電線加工品およびその製造方法に係り、特に、単線または複数本の撚線の電線と配線基板とを接続した電線加工品およびその製造方法に関するものである。
自動車の扉や窓などの開閉装置には、人や物体などの挟み込みを防止するセンサとしてコードスイッチが用いられている。
このコードスイッチは、弾性を有する筒状の絶縁部材の内面に、長手方向に延び、互いに対向するように配置された複数対の電極線を備え、筒状の絶縁部材が外力を受けて変形すると内部の電極線同士が接触して通電状態となり、スイッチ機能を発揮するものである。
従来、このようなコードスイッチと自動車内部の検出回路からのケーブルとを接続するために、図9(a)および図9(b)に示すような電線加工品91が用いられている。
電線加工品91は、コードスイッチ92と、自動車内部の検出回路に電気的に接続されている複数のケーブル93と、コードスイッチ92の一端から露出する電極線94と、ケーブル93とを接続するための複数の金属片(接続端子)95を絶縁樹脂によって射出形成した成形品(コネクタ)96とからなっている。
ケーブル93と金属片95、および電極線94と金属片95は、インダイレクト溶接により接続されている(例えば、特許文献1参照)。
インダイレクト溶接では、ケーブル93端部より延出した中心導体97の端部を成形品(コネクタ)96の金属片95に接触させ、その中心導体97上に正電極98を当接させると共に、金属片95上に負電極99を当接し、これら正電極98および負電極99間で通電を行って、ケーブル93を金属片95に溶接する。
コードスイッチ92は、人や物体が筒状の絶縁部材に接触してはじめてスイッチ機能を発揮する構造であるが、近年では、さらに、人や物体が接触する前に検知できる非接触型のコードスイッチの開発が進んでいる(例えば、特許文献2)。
この次世代のコードスイッチは、筒状の絶縁部材の外周面に外側電極が設けられ、この外側電極を絶縁層によって被覆しており、主に、電極線との静電容量を形成し、通常時の静電容量とコードスイッチに人体などが接近したときの静電容量を比較することにより、非接触でコードスイッチへの人体の接近の有無を検知する機能を果たすことが期待されている。
かかるコードスイッチの開発の進展に伴い、コードスイッチの電極線および外側電極と車体側のケーブルとを接続する成形品(コネクタ)の開発が急がれており、従来の金属片95と絶縁樹脂の比較的簡素な構造からなる成形品(コネクタ)96に替えて、コネクタ自体にIC機能を持たせるべく、その候補として、基板上にめっき配線を形成したガラスエポキシ基板を採用することが検討されている。このガラスエポキシ基板には、比較的安価に製造でき、取扱い性にも優れるという利点がある。
このガラスエポキシ基板のめっき配線と電線(電極線あるいはケーブル)との接続方法の一例としては、従来から広く知られている半田付けが考えられる。
特開2003−162933号公報 特開2007−123202号公報 特開2001−360744号公報
しかしながら、実際にガラスエポキシ基板のめっき配線と電極線(またはケーブル)とを半田によって接続してみると、自動車の使用環境における熱衝撃(ヒートショック)によって、半田付け部にクラックが入り、接続部が剥離、断線する問題があった。
このクラックの原因は、従来の電線加工品91では成形品(コネクタ)96の金属片95が全長にわたり広幅かつ厚肉の構造であり(長さ:14.5mm、幅2.5mm、厚さ:0.5mm)、抵抗溶接により接続しているため、半田接続時のような熱膨張による影響が小さく問題とならなかったのに対し、ガラスエポキシ基板を用いた電線加工品では、めっき配線部が小スペース化、狭ピッチ化されており、厚さも薄肉の構造であったため(長さ2.3mm、幅:1.8mm、厚さ:0.1mm)、電極線に対するめっき配線部の体積が極めて小さくなり、めっき配線部との接続界面に熱衝撃による負荷が集中してしまったためと考えられる。
このような課題を解決するため、図10に示すように、電線(リード線)102を接続する部分の配線パターン103に金属製の圧入端子(コネクタ)105を圧入して、その圧入端子105で電線102を接続する方法が考えられる。この方法では、例えば、圧入端子105の穴106の部分に電線102を通して、よじった後はんだ付けする。
しかし、この場合、金属製の圧入端子105を基板104に圧入する必要があり、コストがかかるのと、基板104の配線パターン103を狭ピッチ化することが難しいという問題があった。さらに、圧入端子105と電線102とは半田付けにより接続しているので、半田付け部107の熱衝撃による剥離の問題は付きまとうことになる。また、圧入端子105を接続するスペースが必要となるため、基板104を大きくしなければならず、コスト的にも大きな問題となる。
また、図11に示すように、基板112の配線パターン113に直接電線(リード線)114をYAGレーザ溶接する方法も考えられる。この方法では、基板112の配線パターン113のめっき膜厚に対して、電線114の容積が大きいため、YAGレーザで電線114を溶融させるエネルギーで溶融すると、基板112の配線パターン113を突き抜けてしまい、図12に示すように基板112のガラスエポキシが溶融して穴115が形成されてしまい、配線パターン113自体が剥がれてしまうことがある。
そこで、本発明の目的は、熱衝撃環境下での使用に際しても、基板の配線パターンと電線との接続部が剥離することがなく、耐熱衝撃特性、取扱い性、および接続信頼性の向上を図った電線加工品およびその製造方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、単線または複数本の撚線からなる中心導体を有する電線と、その電線を電気的に接続する配線パターンを有する基板とを備えた電線加工品において、前記電線の中心導体の端部をアーク電極で溶融させて球状端末部を形成した後、これを圧延加工して扁平な圧延部を形成し、その圧延部を前記基板の配線パターンに位置させ、前記圧延部と前記配線パターンとをレーザ溶接によって接続した電線加工品である。
本発明は、前記圧延部は、前記配線パターンよりも薄く形成される電線加工品である。
本発明は、前記配線パターンは、めっきにより形成されたものである電線加工品である。
本発明は、単線または複数本の撚線からなる中心導体を有する電線と、基板の配線パターンとを電気的に接続する電線加工品の製造方法であって、前記電線の中心導体の端部をアーク電極で溶融させて球状端末部を形成した後、これを圧延加工して扁平な圧延部を形成し、その圧延部を前記基板の配線パターンに位置させ、前記圧延部と前記配線パターンとをレーザ溶接することにより、前記中心導体と前記配線パターンとを電気的に接続する電線加工品の製造方法である。
本発明は、前記中心導体の端部に球状端末部を形成した後、これを前記配線パターンの厚さよりも薄くなるように圧延加工して、前記圧延部を形成する電線加工品の製造方法である。
本発明によれば、電線の中心導体の端部を圧延加工して扁平な圧延部を形成し、その圧延部と配線パターンとをレーザ溶接によって接続することにより、レーザ溶接時に配線パターンを完全に溶融したり、基板を溶融することなく電線と配線パターンとを直接溶融して接続することができ、耐熱衝撃特性、取扱い性、および接続信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1(a)は、本実施形態に係る電線加工品の側面図であり、図1(b)はその平面図である。
図1(a)および図1(b)に示すように、電線加工品1は、コードスイッチ2と、自動車内部の検出回路(図示せず)に電気的に接続されている複数のケーブル(リード線)3と、配線パターン(めっきパターン)4が形成された基板5とを主に備える。
コードスイッチ2は、弾性を有する筒状の絶縁部材と、その絶縁部材の内周面に沿って長手方向に延び、互いに対向するように配置された複数対の電極線6と、絶縁部材の外周面に設けられた外側電極7と、その外側電極7の外周に設けられた絶縁層とを備える。
電極線6は、すず、銀、ニッケルなどのめっきが施された複数の軟銅素線を撚り合わせた中心導体に、樹脂またはゴムにカーボンを混ぜて低抵抗化した電極部材を被覆して構成されている。電極線6の中心導体は、軟銅などによる単線であってもよい。
外側電極7は、電極線6との間に静電容量を形成する導電体であり、すず、銀などのめっきを施した軟銅線などの金属細線を絶縁部材の外周に巻き付けた横巻構造とした。
ケーブル3は、単線あるいは複数本の撚線からなる中心導体8と、その中心導体8の外周に形成された絶縁層9とからなる。中心導体8は、銅あるいはCu−Sn合金、Cu−Ag合金などの銅合金からなり、その周囲にSnめっき、Agめっき、Niめっき、Auめっきなどを施してもよい。絶縁層9は、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)からなる。本実施形態では、中心導体8として19本の素線を撚り合わせた撚線を用いた。
基板5は、ガラスエポキシからなる。基板5上には、無電解めっき、電解めっきなどにより、配線パターン4が形成される。図1では、図の簡略化のため、接続部分を除いて配線パターン4を省略している。
配線パターン4は、基板5にCuまたはCu合金をめっきして形成されるが、このCuまたはCu合金めっき上にSnまたはSn合金めっき(例えば、Sn−Ni、Sn−Biなど)を施してもよい。SnまたはSn合金めっきを施すことにより、レーザ溶接する際の溶接性が向上する。
また、配線パターン4は、Cuめっき上にNiめっき、Auめっきを順次積層したり、Cuめっき上にNiめっき、Snめっきを順次積層して形成してもよい。さらに、配線パターン4は、めっき以外でも薄膜、薄い板材を貼り付けたものでも構わない。
基板5の配線パターン4上には、ICパッケージ10やコンデンサ(図示せず)などが実装される。
ケーブル3の端部より延出された中心導体8の端部には、アーク電極で溶融させて球状端末部が形成され、この球状端末部を圧延加工して扁平な圧延部8aが形成される。
同様に、コードスイッチ2の端部より延出された電極線6の端部には圧延部6aが形成され、外側電極7の端部には圧延部7aが形成される。
これら圧延部6a,7a,8aの厚さは、配線パターン4の厚さの1.5倍以下、望ましくは配線パターン4の厚さと同等、より望ましくは配線パターン4の厚さよりも薄く形成するとよい。
これは、圧延部6a,7a,8aの厚さが配線パターン4の厚さの1.5倍よりも厚いと、レーザ溶接時に基板5の配線パターン4が完全に溶融してしまい、基板5のガラスエポキシまで溶融してしまうためである。本実施形態では、圧延部6a,7a,8aの厚さを配線パターン4の厚さよりも薄く形成した。
図2(a)および図2(b)に示すように、ケーブル3の圧延部8aの後方には、圧延部8a後方の中心導体8をテーパ状に圧延したテーパ部8bが形成される。
このテーパ部8bを形成する理由としては、中心導体8を配線パターン4に接続する際に、配線パターン4の厚さよりも中心導体8の径が大きいために、圧延部8a後方の中心導体8が基板に干渉して圧延部8aが配線パターン4から離れてしまい、良好な接続が図れないためである。
電線加工品1では、このケーブル3の圧延部8aおよびテーパ部8bの先端部を配線パターン4に位置させ、圧延部8aと配線パターン4とをレーザ溶接によって溶融接続する。これにより、レーザ溶接部11が形成され、ケーブル3と配線パターン4とが溶融接続される。レーザ溶接部11は、圧延部8aを突き抜けて配線パターン4に達している。
同様に、電極線6の圧延部6aおよび外側電極7の圧延部7aも、レーザ溶接により配線パターン4に溶融接続される。
次に、この電線加工品1の製造方法を説明する。
まず、図3(a)に示すように、ケーブル3の端部より中心導体8を延出する。ケーブル3の端部より中心導体8を延出した後、図3(b)に示すように、延出した中心導体8を2つの板状のアース電極31で両側から挟み込んで、アース電極31と中心導体8を接触させる。アース電極31は接地(アース)され、これにより中心導体8は接地電位となる。
その後、図4(a)に示すように、中心導体8上に、中心導体8と対向させるようにアーク溶接機41のアーク電極(トーチ電極)42を配置する。アーク溶接機41は、アーク溶接機本体43と、そのアーク溶接機本体43に接続されたアーク電極42とからなる。中心導体8とアーク電極42との距離は、0.5mm〜1.0mm程度とするのが望ましい。
中心導体8上にアーク電極42を配置した後、図4(b)に示すように、アーク溶接機本体43からアーク電極42に電圧をかけ、アーク電極42と中心導体8間でアーク放電させる。これにより、アーク電極42から中心導体8の端末にアークが落ち、その熱により中心導体8の素線が溶融して一括接続され、球状端末部44が形成される。
中心導体8端末の素線をアーク電極42で溶融して一括接続する理由としては、中心導体8を圧延したときに撚線の素線がばらけてしまうのを防ぎ、レーザ溶接する際に均一に熱が伝わるようにするためである。
この球状端末部44(例えばφ1mm)を基板5の配線パターン4(例えば、めっき膜厚100μm)に直接接続すると、球状端末部44が厚いためにレーザ溶接機の出力を大きく設定しなければならず(例えば50J程度)、レーザ溶接による熱の影響によって直下の配線パターン4が溶融し、基板5に穴が開いてしまい、良好な接続が図れなくなってしまう。
そこで、本発明では、予め中心導体8の端末部分に球状端末部44を形成した後、これを圧延して圧延部8aを形成し、その圧延部8aを配線パターン4と接続するようにした。
図5に示すように、球状端末部44およびその後方の中心導体8をバイス(万力)51に挿入する。バイス51は、2つの金属片52を対向配置してなり、両金属片52の対向面の挿入側(図4では右側)は、所定の曲率で湾曲するように形成されている。
中心導体8の端部をバイス51に挿入した後、図6に示すように、バイス51の金属片52で中心導体8を上下からプレスし、球状端末部44を薄く圧延して圧延部8aを形成すると共に、球状端末部44後方の中心導体8を圧延してテーパ部8bを形成する。このとき、圧延部8aの厚さは、基板5の配線パターン4の厚さよりも薄くなるように形成される。
その後、図7に示すように、基板5の配線パターン4上に中心導体8の圧延部8aおよびテーパ部8bの先端部を位置させ、配線パターン4と圧延部8a間に隙間が生じないよう押さえジグ71で固定する。固定された圧延部8aの上方には、レーザ溶接機74のレーザ溶接照射ヘッド73を配置する。レーザ溶接機74は、例えば、YAGレーザ溶接機などであり、レーザを発振させるレーザ溶接機本体72と、レーザ溶接機本体72で発振させたレーザを照射するレーザ溶接照射ヘッド73とからなる。
配線パターン4上に中心導体8を固定した後、図8に示すように、レーザ溶接機74のレーザ溶接照射ヘッド73より圧延部8aにレーザLを照射する。これにより、圧延部8aが溶融され、さらに基板5の配線パターン4が溶融されて、圧延部8aおよび配線パターン4にレーザ溶接部11が形成され、圧延部8aと配線パターン4とが溶融接続される。
圧延部8aと配線パターン4を接続した後、押さえジグ71を除去する。
コードスイッチ2の電極線6、および外側電極7についても、ケーブル3と同様の端末処理を行い、それぞれ基板5の配線パターン4に接続する。
以上により、図1の電線加工品1が得られる。
このように、本実施形態では、電線(ケーブル3、電極線6、あるいは外側電極7)の中心導体の端部をアーク電極42で溶融させて球状端末部44を形成し、これを圧延加工して扁平な圧延部6a,7a,8aを形成し、その圧延部6a,7a,8aと配線パターン4とをレーザ溶接によって接続している。
扁平な圧延部6a,7a,8aを形成することにより、レーザ溶接時に配線パターン4が完全に溶融してしまったり、基板5が溶融して穴が開いてしまったりすることなく、電線と配線パターンとを直接溶融接続することができる。
また、電線と配線パターンとを直接溶融接続できるため、従来の半田付けによる接続に比べて耐熱衝撃特性を向上させることができ、熱衝撃環境下での使用に際しても、配線パターン4と電線との接続部にクラックが入ったり接続部が剥離してしまうことがなくなり、接続信頼性を向上させることができる。さらに、従来の半田付けのように振動により接続部にクラックが入ったり接続部が剥離してしまうことがないので、取扱い性を向上させることができる。
ここで、圧延部6a,7a,8aの厚さを配線パターンの厚さの1.5倍以下とする根拠について説明する。
配線パターンの厚さを0.1mm、0.2mmとし、圧延部の厚さを変えて電線加工品を作製した。作製した電線加工品の接続状態を表1に示す。
Figure 2009247160
表1に示すように、配線パターンの厚さが0.1mmのとき、圧延部の厚さが0.15mm以下では接続可能であり、圧延部の厚さが0.2mm、0.3mmのときは接続不可であった。
また、配線パターンの厚さが0.2mmのとき、圧延部の厚さが0.2mm以下では接続可能であり、圧延部の厚さが0.3mmのときは接続不可であった。
これは、圧延部の厚さが配線パターンの厚さの1.5倍よりも厚いと、配線パターンのめっきを完全に溶融してしまい、基板のガラスエポキシを溶融してしまうためである。
よって、圧延部の厚さは、配線パターンの厚さの1.5倍以下、望ましくは配線パターン4の厚さと同等、より望ましくは配線パターン4の厚さよりも薄く形成するとよい。これにより、レーザ溶接時に配線パターン4が完全に溶融してしまうことがなくなり、電線と配線パターン4とを容易に接続できる。
次に、電線加工品1に用いるコードスイッチ2について説明する。
コードスイッチ2の筒状の絶縁部材としては、復元性ゴム、復元性プラスティック、またはエラストマーなどを用いるとよい。復元性ゴムとしては、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどが挙げられる。復元性樹脂としては、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンメチルアクリレート共重合体、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。さらに、エラストマーとしては、オレフィン系あるいはスチレン系の熱可塑性エラストマーが挙げられる。
本実施形態では、外側電極7として、すず、銀などのめっきを施した軟銅線などの金属細線を絶縁部材の外周に巻き付けた横巻構造としたが、例えば、(1)すず、銀などのめっきを施した軟銅線などの金属細線による編組構造、(2)銅またはアルミニウムによる導電部材としての金属箔を絶縁部材の外周に巻き付け、または絶縁部材の長手方向に帯状に設ける縦添え構造、(3)蒸着、めっきなどによる金属膜が片面に施されたPET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)などによる樹脂テープや樹脂繊維を導電部材として絶縁部材の外周に巻き付け、または縦添えした構造、(4)導電性樹脂や導電性ゴムによる導電部材を絶縁部材の外周に被覆した構造、(5)板状の導電性樹脂や導電性ゴムによる導電部材を絶縁部材の外周に巻き付け、または縦添えした構造としてもよい。
外側電極7の外周に形成される絶縁層は、外側電極7を絶縁ならびに保護するためのものであり、ウレタン、PVC(ポリ塩化ビニル)、EP(エポキシ樹脂)ゴム・シリコーンゴムなどのゴム類、エラストマー、PETなどの材料を用いて外側電極7を被覆し、あるいはテープにして外側電極7に巻き付けて形成される。絶縁層の外径は、取り付け性、柔軟性、および加工性を考慮すると、直径3〜5mm程度が好ましい。また、絶縁層は復元性を有することが好ましい。
上記実施形態では、基板5としてガラスエポキシからなるものを用いたが、例えば、セラミックスなどからなるものを用いてもよい。
銅からなる複数本の撚線(直径0.26mm、7本撚線)の中心導体8を備え、その外周に絶縁層9(材質:PVC、長さ300mm、直径1.42mm)を備えたケーブル3を用意し、このケーブル3の端末を一対のアース電極31(15mm×40mm)で挟み込み、これを確実にアースし、アーク溶接機41のアーク電極42をケーブル3の上方に位置させる。ケーブル3とアーク電極42との距離は0.5〜1.0mmとした。
その後、アーク電極42に電圧をかけ、アーク電極42からアークを飛ばし、ケーブル3の端末にアークを落とす。これにより、ケーブル3の端末が溶融して一括接続され、球状端末部44が形成される。
また、すずめっき軟銅撚線(φ0.127mmの素線を7本撚り)外周に導電性ゴムを被覆して0.6mm径の電極線6を作製し、これらを外径4.5mmの筒状の絶縁部材の内側に螺旋状に配置した。さらに、絶縁部材の外周面に、94本のφ0.05mmのすずめっき軟銅素線を等ピッチで巻き付けて外側電極7を形成し、この外周面にウレタンゴムからなる絶縁層を0.2mmの厚さに被覆してコードスイッチ2を作製した。このコードスイッチ2の端部から露出させた電極線6および外側電極7の端末に、上記と同様の方法でアークを落とし、端末を溶融させて球状端末部を形成した。
その後、ケーブル3の球状端末部44とその後方の中心導体8を、バイス51で上下方向から挟み込んで加圧して圧延加工を行い、図6に示すように、球状端末部44の厚さが0.1mmになるまで薄くした。電極線6および外側電極7の端末についても同様の加工を行った。
その後、図7に示すように、ガラスエポキシからなる基板5の配線パターン4(Cuめっき:105μm、Snめっき:1μm、合計厚さ0.106mm)の上に、ケーブル3端末の薄くした部分(圧延部8a、厚さ:0.1mm)を配置し、圧延部8aを基板5の配線パターン4に沿うように密着させるため、押さえジグ71で押しつける。
圧延部8aの上方にYAGレーザ溶接機本体72に接続されたレーザ溶接照射ヘッド73を配置し、レーザ溶接機本体72から発振されたレーザ光(レーザ出力条件:30J)によって、圧延部8aを溶融し、さらに基板5の配線パターン4の銅めっきを溶融し、圧延部8aと配線パターン4の銅同士を溶融接続した。
同様に、基板5のケーブル3と接続した反対側の配線パターン4上に、電極線6の圧延部6aを配置し、その上方にレーザ溶接機本体72に接続されたレーザ溶接照射ヘッド73を配置し、レーザ溶接機本体72から発振されたレーザ光(レーザ出力条件:30J)によって、圧延部6aを溶融し、さらに基板5の配線パターン4の銅めっきを溶融し、電極線6と配線パターン4の銅同士を溶融接合した。コードスイッチ2の外側電極7についても、同様にして配線パターン4に接続した。
以上により図1の電線加工品1を得た。
従来技術では、熱衝撃、振動などにより半田付け部が剥離するおそれがあり、断線する可能性があったが、実施例の電線加工品1は部材同士を直接溶融して接合しているため、熱衝撃環境下や振動環境下での使用に際しても、基板の配線パターンと電線との接続部が剥離することがなかった。よって、本発明によれば、耐熱衝撃特性、取扱い性が向上し、接続信頼性を向上できることが分かった。
図1(a)は本発明の電線加工品の側面図であり、図1(b)はその平面図である 図2(a)は図1の要部拡大平面図であり、図2(b)はその側断面図である。 図3(a)は本発明の電線加工品の製造方法に用いるケーブルの斜視図、図3(b)はそのケーブルをアース電極で挟み込んだときの斜視図である。 図4(a)は本発明の電線加工品の製造方法を説明する図であり、球状端末部形成前の側面図、図4(b)は球状端末部形成後の側面図である。 本発明の電線加工品の製造方法を説明する図であり、バイス圧延前の側断面図である。 本発明の電線加工品の製造方法を説明する図であり、バイス圧延後の側断面図である。 本発明の電線加工品の製造方法を説明する図であり、レーザ溶接前の側断面図である。 本発明の電線加工品の製造方法を説明する図であり、レーザ溶接後の側断面図である。 図9(a)は従来の電線加工品の側断面図であり、図9(b)はその平面図である。 従来の電線加工品の平面図である。 従来の電線加工品の平面図である。 図11の側断面図である。
符号の説明
1 電線加工品
2 コードスイッチ
3 ケーブル(電線)
4 配線パターン
5 基板
6 電極線(電線)
7 外側電極(電線)
6a,7a,8a 圧延部

Claims (5)

  1. 単線または複数本の撚線からなる中心導体を有する電線と、その電線を電気的に接続する配線パターンを有する基板とを備えた電線加工品において、前記電線の中心導体の端部をアーク電極で溶融させて球状端末部を形成した後、これを圧延加工して扁平な圧延部を形成し、その圧延部を前記基板の配線パターンに位置させ、前記圧延部と前記配線パターンとをレーザ溶接によって接続したことを特徴とする電線加工品。
  2. 前記圧延部は、前記配線パターンよりも薄く形成される請求項1記載の電線加工品。
  3. 前記配線パターンは、めっきにより形成されたものである請求項1または2記載の電線加工品。
  4. 単線または複数本の撚線からなる中心導体を有する電線と、基板の配線パターンとを電気的に接続する電線加工品の製造方法であって、前記電線の中心導体の端部をアーク電極で溶融させて球状端末部を形成した後、これを圧延加工して扁平な圧延部を形成し、その圧延部を前記基板の配線パターンに位置させ、前記圧延部と前記配線パターンとをレーザ溶接することにより、前記中心導体と前記配線パターンとを電気的に接続することを特徴とする電線加工品の製造方法。
  5. 前記中心導体の端部に球状端末部を形成した後、これを前記配線パターンの厚さよりも薄くなるように圧延加工して、前記圧延部を形成する請求項4記載の電線加工品の製造方法。
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