JP2009246350A - 放射線固体検出器の製造方法および放射線画像システム - Google Patents

放射線固体検出器の製造方法および放射線画像システム Download PDF

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Abstract

【課題】熱安定性が極めて高い放射線光導電層を備えた放射線固体検出器を低コストに製造する。
【解決手段】多数の読取り素子が配列されたアクティブマトリクス層10と、画像情報を担持した電磁波の照射に応じて電荷を発生し、この電荷をアクティブマトリクス層10によって読み出されるように配置された放射線光導電層1とを有する放射線固体検出器の製造方法であって、放射線光導電層1の上にアクティブマトリックス層10を直接形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、X線などの放射線撮像装置に適用して好適な放射線固体検出器に関し、詳しくは、直接変換型の放射線固体検出器の製造方法に関するものである。
今日、医療診断等を目的とするX線(放射線)撮影において、X線画像情報記録手段として放射線固体検出器(半導体を主要部とするもの)を用いて、この固体検出器により被写体を透過したX線を検出して被写体に関するX線画像を表す画像信号を得るX線撮影装置が各種提案、実用化されている。
この装置に使用される固体検出器としても、種々の方式が提案されている。例えば、X線を電荷に変換する電荷生成プロセスの面からは、X線が照射されることにより蛍光体から発せられた蛍光を光導電層で検出して得た信号電荷を蓄電部に一旦蓄積し、蓄積電荷を画像信号(電気信号)に変換して出力する光変換方式(間接変換方式)の固体検出器、或いは、X線が照射されることにより光導電層内で発生した信号電荷を電荷収集電極で集めて蓄電部に一旦蓄積し、蓄積電荷を電気信号に変換して出力する直接変換方式の固体検出器等がある。この直接変換方式における固体検出器は、光導電層と電荷収集電極を主要部とするものである。
一方、蓄積された電荷を外部に読み出す電荷読出プロセスの面からは、読取光(読取用の電磁波)を検出器に照射して読み出す光読出方式のものや、蓄電部と接続されたTFT(薄膜トランジスタ:thin film transistor)を走査駆動して読み出すTFT読出方式のもの等がある。
上記のうち、直接変換方式のTFT読出方式(以下、単にTFT方式という)は放射線を光に一旦変換するためのシンチレータ層を介することがないため、画像の鮮鋭度に優れるという利点を有し、放射線光導電層としては、高い暗抵抗を有し、応答速度が優れているという利点からアモルファス−Se(a−Se)により形成されることが多く(例えば特許文献1,2)、医療用診断機器として現在で広く使用されている。
しかし、a−Seは元素の原子番号が小さく、かつ密度が低い(4.3g/cm3)ためにX線の吸収能が低く、かなりの厚膜(例えば1mm厚)にしても充分な吸収量が得られないという問題がある。X線吸収を稼ぐためにはさらに厚膜にすればよいが、厚膜にすると、電界を維持するために印加電圧が高くなり(例えば10kVを超える)、高圧のためにショートが起きやすくなって、安全性の確保が困難になるという問題がある。またa−Seは50℃以上では結晶化が起こりやすく熱安定性が十分でないため、感度が低下するという問題があり、使用に際しては制約条件が伴う。
このような問題に鑑み、a−Seに代わるものとして、CdTe(密度5.9g/cm3)やHgI2(密度6.4g/cm3),PbI2(密度6.2g/cm3),PbO(密度9.8g/cm3)など主元素が高原子番号を有し、かつ密度の高い光伝導材料を用いることが検討されている。また、Bi12XO20(XはSi,Ge,Ti、以下単にBXOともいう)も主元素が高原子番号であって、密度約9.2g/cm3を有し、安定性とともに高X線吸収が期待されており、特許文献3には医療画像診断用途としてBXOの多結晶体(あるいは焼結体)を40cm×40cm程度のサイズで低コストに製造する方法が記載されている。
TFT方式の放射線固体検出器において、放射線光導電層としてa−SeやHgI2、PbI2、PbOなどを用いる場合には、ガラス基板上に作製されたTFTの上にこれらの光伝導材料を気相成長させることによって、TFTと光伝導材料を電気的に接合している。
これに対し放射線光導電層として上記BXOを用いる場合、BXOの形成には高い温度(たとえば600℃以上)が必要であり、TFT上でBXOを形成しようとすると、あまりの高温のためにTFT素子であるトランジスタが破壊されてしまうという問題がある(TFT素子の耐熱温度はおよそ300℃程度)。
TFT方式の放射線固体検出器において、放射線光導電層としてCdTe(およびZnドープされたCdTe(CdZnTe、以下、CZTともいう)を用いる場合においても同様の問題がある。すなわちCdTeおよびCZTを気相成長によって成膜する場合、その基板温度は400℃程度が必要とされるため、TFT上に成膜しようとすると、やはりTFT素子は破壊されてしまう。
CdTe等におけるこのような問題を回避するため、あらかじめCdTe等を成膜しておき、これをTFTに導電性接着剤などで貼り合わせ、その際にこれを1画素ごとに対応するTFT電極に電気的接合させる手法が知られている(たとえば特許文献4)。
特開平6−342098号公報 特開2001−320035号公報 特開2005−274257号公報 特開平11−287862号公報
TFT方式の放射線固体検出器においては、単一の接合膜で接合を行った場合は各画素がすべてつながってしまい、画素ごとの読み出しが不可能となり、2次元画像としての情報は得られなくなってしまう。従って、特許文献4に記載されているような画素ごとに接合する方法がとられているが、例えば、40×40サイズの全ての画素にわたって完全に位置ズレなく貼り合わせることは非常に難しく、歩留まり低下を招き、コスト高は否めない。また、貼り合わせ後も振動や経時によってはがれなどの問題が発生しやすく、長期使用によっては信頼性に問題が起こる場合もある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、熱安定性が極めて高い放射線光導電層を備えた放射線固体検出器であって、放射線光導電層とTFTの電気的接合の際に1画素ごとの位置合わせをする必要がなく、低コストに製造することが可能な放射線固体検出器の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の放射線固体検出器の製造方法は、多数の読取り素子が配列されたアクティブマトリクス層と、画像情報を担持した電磁波の照射に応じて電荷を発生し、該電荷を前記アクティブマトリクス層によって読み出されるように配置された放射線光導電層とを有する放射線固体検出器の製造方法であって、前記放射線光導電層の上に前記アクティブマトリックス層を直接形成することを特徴とするものである。
ここで、直接形成するとは放射線光導電層の上にアクティブマトリックス層を、導電性接着剤等の他の物質を介することなく、直接接して設けることを意味する。
前記放射線光導電層は複合無機材料からなることが好ましく、前記複合無機材料としてはCdTeまたはCdZnTe、あるいはBi12SiO20、Bi12GeO20およびBi12TiO20の少なくとも1つであることが望ましい。
本発明の放射線画像システムは、上記の放射線固体検出器の製造方法によって製造された放射線固体検出器が収容されてなることを特徴とするものである。
本発明の放射線固体検出器カセッテは、上記の放射線固体検出器の製造方法によって製造された放射線固体検出器が収容されてなることを特徴とするものである。
本発明の放射線固体検出器の製造方法は、多数の読取り素子が配列されたアクティブマトリクス層と、画像情報を担持した電磁波の照射に応じて電荷を発生し、この電荷をアクティブマトリクス層によって読み出されるように配置された放射線光導電層とを有する放射線固体検出器の製造方法であって、放射線光導電層の上にアクティブマトリックス層を直接形成するので、放射線光導電層と読取り素子の電気的接合の際に1画素ごとの位置合わせをする必要がなく、熱安定性が極めて高い放射線光導電層を有する放射線固体検出器を低コストで製造することが可能である。
また、本発明の放射線固体検出器の製造方法は、従来の放射線固体検出器において汎用されているガラス基板を使用しなくても製造することが可能である。従って、本発明の製造方法によって製造された放射線固体検出器を収容してなる放射線画像システムは軽量化が可能となり、ビルトインタイプの可動撮影ユニットの機械構成を簡単にすることができる。特に本発明の製造方法によって製造された放射線固体検出器を収容してなる放射線固体検出器カセッテは従来と比較して極めて軽量であり、持ち運びが容易であって、可搬性に優れたものとすることができる。
本発明の製造方法により製造される放射線固体検出器の1画素単位の構造を示す概略断面図である。 本発明の製造方法により製造される放射線固体検出器の1画素単位の構造を示す概略平面図である。 本発明の製造工程の一部を示す概略模式図である。 トップゲート構造の放射線固体検出器の概略断面図である。 トップゲート構造の放射線固体検出器の製造工程の一部を示す概略模式図である。 本発明の一実施の形態による放射線固体検出器カセッテの上シェルハーフを省略した平面図である。 図6のI−I線部分の上シェルハーフを含む断面図である。
以下、図面を参照して本発明の放射線固体検出器の製造方法について説明する。図1は、本発明の製造方法により製造される放射線固体検出器の1画素単位の構造を示す概略断面図、図2はその概略平面図である。
図1に示すように、本発明の製造方法により製造される放射線固体検出器は、画像情報を担持した電磁波の照射に応じて電荷を発生し、この電荷を後述のアクティブマトリクス層によって読み出されるように配置された放射線光導電層1上に、多数のTFTスイッチが配列されたアクティブマトリックス層10を有し、放射線光導電層1のアクティブマトリックス層10が形成されていない側には、図示しない高圧電源に接続されたバイアス電極(電圧印加電極:共通電極)2が形成されている。放射線光導電層1は、X線などの放射線(電磁波)が照射されることにより、内部に電荷(電子−正孔)を発生するものである。つまり、放射線光導電層1は電磁波導電性を有し、放射線による画像情報を電荷情報に変換するためのものである。
アクティブマトリックス層10は、ゲート電極3、電荷収集電極4、ゲート絶縁膜5、電荷蓄積容量電極(CS電極)6、半導体層7、ソース電極8、ドレイン電極9、平坦化膜である層間絶縁膜11とを有しており、ゲート電極3やゲート絶縁膜5、ソース電極8、ドレイン電極9、半導体層7等でもって薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor 以下、TFTスイッチと称する)20が構成されている。TFTスイッチ20は読取り素子であり、ソース電極8、ドレイン電極9は、各々データ配線12と電荷蓄積容量電極6とに接続されている。半導体層7はソース電極8、ドレイン電極9とゲート電極3とのコンタクトを図るものである。ゲート電極3及びソース電極8に接続されたデータ配線12は、図2に示すように格子状に配列された電極配線であり、その交点にはTFTスイッチ20が形成されている。
この放射線固体検出器は、バイアス電極2と電荷収集電極4との間に電界を形成している際に、放射線光導電層1に放射線が照射されると、放射線光導電層1内に電荷対が発生し、この電荷対の量に応じた潜像電荷が電荷蓄積容量電極6内に蓄積されるものである。蓄積された潜像電荷を読み取る際には、TFTを順次駆動して、各画素に対応した潜像電荷に基づく画像信号を出力ラインから出力させて、この画像信号を信号検出手段により検出することにより、潜像電荷が担持する静電潜像を読み取ることができる。
本発明の放射線固体検出器の製造方法は、図1に示す放射線光導電層1の上にアクティブマトリックス層10を直接形成するものであり、その詳細を図3を用いて説明する。
まず、放射線光導電層1を製造する(図3(a))。放射線光導電層1は複合無機材料からなることが好ましく、複合無機材料としてはCdTeまたはCZT、あるいはBi12SiO20、Bi12GeO20およびBi12TiO20の少なくとも1つであることが好ましい。なお、HgI2、PbI2、PbOなどの複合無機材料においても気相成長による製膜時の基板温度による制約がなくなるので、より高い基板温度にすることによって光導電層の結晶性が高まり、より優れた性能が得られやすい。この他、TlBr、BiI3などを用いてもよい。
放射線光導電層1をCdTeまたはCZTにより製造する場合には、ブリッジマン法やグラディエンドフリーズ法、トラベルヒーティング法等によって、単結晶膜を形成することができる。多結晶膜の場合には、MOCVD法を用いて形成することができる。MOCVD法は、大面積基板への成膜に適しており、原料である有機カドミウム(ジメチルカドミウム(DMCd)等)、有機テルル(ジエチルテルル(DETe)、ジイソプロピルテルル(DiPTe)等)、有機亜鉛(ジエチル亜鉛(DEZn)、ジイソプロピル亜鉛(DiPZn)、ジメチル亜鉛(DMZn)等)を用いて、400〜500℃の成膜温度で成膜が可能である。なお、CdTeやCZnTの成膜方法としては、上記MOCVD法以外にも、スクリーン印刷・焼成法、近接昇華法、電析法、スプレー法といった他の成膜方法を用いることも可能である。CdTe、CZTの場合、放射線光導電層1の厚みは約0.5mm程度とすることが好ましい。
放射線光導電層1をBi12SiO20、Bi12GeO20およびBi12TiO20により製造する場合には、例えば、ビスマス塩(硝酸ビスマスまたは酢酸ビスマス)と金属アルコキシド(Ge,Si,Tiのアルコキシド、より具体的には、Ge(O−CH34,Ge(O−C254,Ge(O−iC374,Si(O−CH34,Si(O−C254,Si(O−iC374,Ti(O−CH34,Ti(O−C254 ,Ti(O−iC374 など)を酸性条件下で反応させBXO前駆体液を得、得られたこのBXO前駆体液を支持体に塗布し、乾燥してできたBXO膜もしくはBXO前駆体膜を800〜900℃で焼結することにより製造することができる。
また、真空中に予め調整しておいたBXO粉体をキャリアガスで巻き上げて、そのBXO粉体の混じったキャリアガスを真空中で支持体に吹き付けてBXO粉体を堆積させるエアロゾルデポジション法(AD法)、BXO粉体をプレス機を用いて高圧力でプレスすることで膜化し、得られた膜を焼結させるプレス焼結法、BXOをバインダーを用いて塗布してグリーンシート(バインダーを含んだ膜)を作製し、このグリーンシートを焼成して脱バインダー化及び粉末の焼結化を行う方法(以下、グリーンシート法)などの方法によって製造することもできる。
上記の製造方法に用いるBXO粉体の調整方法としては、ビスマス塩と金属アルコキシドを酸性条件下で加水分解してBXO前駆体液を得、得られたBXO前駆体液を濃縮してゲル状とし、このゲル状BXO前駆体を焼成してBXO粉体とする方法、あるいは酸化ビスマス(Bi23)とMO2(酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、酸化チタン)を混合し、例えば800℃で仮焼成する固相反応により得る方法などがあげられる。
上記のようにして製造された放射線光導電層1上に、TaやAl等の金属膜をスパッタ蒸着等により所望の厚さ(例えば約300nm)に成膜した後、所望の形状にパターニングすることにより、ゲート電極3を形成するとともに、ITO(Indium−Tin−Oxide)等の非晶質透明導電酸化膜をスパッタ蒸着法等により所望の厚さ(例えば約200nm)に成膜し、所望の形状にパターニングして電荷収集電極4を形成する(図3(b))。
続いて、このゲート電極3及び電荷収集電極4を覆うようにして、放射線光導電層1の略全面にSiNやSiO等からなるゲート絶縁膜5をCVD(Chemical Vapor Deposition )法等により所望の厚さ(例えば約350nm)で成膜する(図3(c))。なお、ゲート絶縁膜5としては、SiNやSiOに限らず、ゲート電極3及び電荷収集電極4を陽極酸化した陽極酸化膜を併用することもできる。
次に、ゲート絶縁膜5を介して、ゲート電極3の上方に半導体層7が配されるように、例えばa−Si等をCVD法等により厚さ約40nmに成膜した後、所望の形状にパターニングすることにより、半導体層7を形成する(図3(d))。
続いて、半導体層7上にTaやAl等の金属膜をスパッタ蒸着等により厚さ約300nmに成膜した後、所望の形状にパターニングすることにより、ソース電極8及びドレイン電極9を形成する(図3(e))。
このようにしてTFTスイッチ20を形成した放射線光導電層1の略全面を覆うように、感光性を有するアクリル樹脂等を厚さ約3μmに成膜し、層間絶縁膜11を形成する(図3(f))。
最後に、放射線光導電層1のTFTスイッチ20を形成した反対側の面に、Au、Alなどからなるバイアス電極2を真空蒸着法等により所望の厚さ(例えば約200nm)で形成する。(図3(g))。
なお、この状態では強度が不足するため、バイアス電極2の下面に、接着剤等で基板を固定して補強する。ここでは、一定の強度があればよいため、従来、放射線固体検出器で頻用されている重く、割れやすいガラス基板とする必要はなく、例えば、アルミニウム板、マグネシウム合金板等の軽量な金属板、樹脂板、CFRP(carbon fiber reinforced plastics:炭素繊維強化プラスチック)等を好ましく用いることができる。これらによって基板を構成することにより、従来のガラス基板を用いた放射線固体検出器に比べて格段の軽量化を図ることが可能となり、後述するカセッテに収容した場合、可搬性に優れたものとすることが可能である。
上記の実施形態においては、アクティブマトリックス層10として半導体層7の下側にゲート電極3が位置するボトムゲート構造(逆スタガ構造)を説明したが、半導体層7の上側にゲート電極3が位置するトップゲート構造(スタガ構造)としてもよい。図4にトップゲート構造の放射線固体検出器の概略断面図を示す。なお、この図4において、図1中の構成要素と同等の構成要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。
図4に示す放射線固体検出器は、放射線の照射を受けて電荷を発生する放射線光導電層1上に、アクティブマトリックス層10の半導体層7が形成され、この半導体層7の上側にゲート電極3が設けられてなるものである。そして、ソース電極8とドレイン電極9は、半導体層7上に設けられたゲート絶縁膜5及び層間絶縁膜11を貫通して半導体層7とコンタクトを図るように構成されている。
図4に示すトップゲート構造の放射線固体検出器は、まず、放射線光導電層1上に、半導体層7が配されるように、a−Si等をCVD法等により厚さ約40nmに成膜し、次いでゲート絶縁膜5をCVD法等により所望の厚さで成膜する。続いて、所定の位置に、TaやAl等の金属膜をスパッタ蒸着等により成膜してゲート電極3を形成する。ゲート電極3を形成後、ゲート電極3を覆うように、感光性を有するアクリル樹脂等を成膜して層間絶縁膜11を形成する。
次ぎに、ソース電極8とドレイン電極9を設けるが、この手順については図5を用いて説明する。まず、フォトリソグラフィ用のフォトマスクを準備する。層間絶縁膜11に対し、ソース電極8とドレイン電極9を設ける部分と位置合わせをしてフォトマスクを固定し、フォトリソグラフィ(露光)を行い(図5(a))、続いて有機溶剤によりエッチングしてホールを形成する(図5(b))。形成するホールにはテーパーがつけてあるが、感光性層間絶縁膜を選択する場合、このようなテーパーは現像後のポストベーク条件を最適化することにより形成することができる。ホールを形成後、層間絶縁膜11上に所望の形状にパターニングすることにより、ソース電極8及びドレイン電極9を半導体層7とコンタクトを図るように蒸着法等により形成する(図5(c))。
医療診断等を目的とする放射線撮影において、上記のような放射線固体検出器とこの検出器から出力された画像信号を記憶する記憶手段としての画像メモリとを収容してなる放射線画像システム、あるいはその一態様として放射線固体検出器とこの検出器から出力された画像信号を記憶する記憶手段としての画像メモリとをケースに収容した放射線固体検出器カセッテが知られている。放射線固体検出器カセッテは、例えば、身動きがとれない患者等に対して、患者をベッドに寝かせたまま撮影したい部位の下に放射線固体検出器カセッテを置き、放射線固体検出器カセッテと患者を挟んで対向する位置に放射線画像情報記録装置が備える放射線源を移動させて撮影を行う等、非常に自由度の高い撮影を行うことができるものである。本発明の製造方法により製造される放射線固体検出器は上述のように軽量化を図ることができるので、これを筺体に収容した場合、持ち運びが容易となり、可搬性に優れたものとすることが可能である。
図6は本発明の一実施の形態による放射線固体検出器カセッテの上シェルハーフを省略した平面図、図7は図6中のI−I線部分の上シェルハーフを含む断面図である。
放射線検出カセッテ60は、上下シェルハーフ61、62からなる筐体内に、放射線固体検出器50(図1に示す放射線固体検出器)と、放射線固体検出器50から流れ出す電流を検出して画像信号を得る不図示の電気回路基板と、放射線固体検出器50と電気回路基板とを接続する不図示のフレキシブル回路基板と、不図示の電源部とが筐体内に配置された構成となっている。
下シェルハーフ62は、一面が空いた略直方体の外殻62aと、一面が空いた略直方体の内殻62bと、外殻62aの側壁内面と内殻62bの側壁外面との間に設けられた連結部材62cとから構成されており、連結部材62cの両端はそれぞれ外殻62aの側壁内面と内殻62bの側壁外面とに固着されている。また、外殻62aと内殻62bとを連結する外殻62aと内殻62bとの間の空間には、衝撃吸収剤63bが充填されている。上シェルハーフ61も同様の構成となっている。
上下シェルハーフ61、62はともに放射線を透過する材質からなり、内殻61b、62bは、例えばABSもしくはポリカーボネイト等の射出成形樹脂材料により1〜3mm厚程度で成形したものとしてもよいし、アルミもしくはマグネシウム合金等の金属により成形したものとしてもよい。静電遮蔽効果を期待する場合には、金属により成形するか、もしくは樹脂により成形した内殻の内面にメッキ等で金属膜を形成すればよい。
上記の連結部材62c(なお、図面には表されていないが上シェルハーフにも同様の連結部材が設けられている)は、外殻61a、62aに対する内殻61b、62bの移動を規制する規制部材としての機能を兼ね備えているため、連結部材61c、62cの材質は、ある程度の剛性を備えている必要性があるが、必要以上の剛性を備えていると衝撃吸収の点から好ましくない。そのため、具体的には衝撃吸収剤63a、63bよりも高い剛性を有し、かつ、ある程度の衝撃を吸収可能な弾性を有する硬質ゴム、軟質プラスチック、フッ素樹脂、もしくはポリアセタール等を用いることが好ましい。
衝撃吸収剤63a、63bとしては、軟質ゴムまたはゲルのような粘弾性体、もしくは発砲スチロールまたは発砲ウレタンのような発泡素材を用いることができる。
また、上下シェルハーフ61、62ともに、外殻61a、62aは可撓性を有する樹脂により容易に変形可能なように形成されており、衝撃が加わった際に、外殻61a、62aが変形することにより効果的に衝撃を吸収させることができる。さらに、図7に示すように外殻61a、62aの主面の外周部は外側に向かって隆起しており、主面に対して衝撃が加わった際に効果的に衝撃を吸収できるようになっている。
放射線固体検出器50は、下シェルハーフ62の内殻62bに固着された保持部64により保持されている。この保持部64は、放射線固体検出器50と略同じ高さで、中心部に放射線固体検出器50と略同じ大きさの穴が設けられたスペーサ64bと、放射線固体検出器50の上面側に配される保持部材64aとが内殻62b上に上記の順に積層され、ネジ64cにより内殻62bに固着されたものである。
上記のように構成することにより、放射線固体検出器50を収容する筐体自体が衝撃吸収性を有するため、放射線固体検出器50を筐体の内殻62bにリジッドに固着することが可能となるため、放射線固体検出器50の筐体内部での位置精度を向上させることができるとともに、放射線固体検出器50の自重による撓みや、素材の歪み等の発生を防止することができる。そして、放射線固体検出器50はガラス基板のような重い基板を使用する必要がないため軽量化を図ることができるので、これを筺体に収容した場合、可搬性に優れた放射線固体検出器カセッテとすることができる。
なお、ここでは、筐体を外殻と内殻に分けて完全に二重としたが、本発明による放射線検出カセッテはこのような態様に限定されるものではなく、全周縁部のみ、もしくは角部のみ二重としてもよい。
1 放射線光導電層
2 バイアス電極(電圧印加電極)
3 ゲート電極
4 電荷収集電極
5 ゲート絶縁層
6 CS電極
7 半導体層
8 ソース電極
9 ドレイン電極
10 アクティブマトリックス層
11 層間絶縁層
20 薄膜トランジスタ(TFTスイッチ)
50 放射線固体検出器
60 放射線検出カセッテ

Claims (6)

  1. 多数の読取り素子が配列されたアクティブマトリクス層と、画像情報を担持した電磁波の照射に応じて電荷を発生し、該電荷を前記アクティブマトリクス層によって読み出されるように配置された放射線光導電層とを有する放射線固体検出器の製造方法であって、
    前記放射線光導電層の上に前記アクティブマトリックス層を直接形成することを特徴とする放射線固体検出器の製造方法。
  2. 前記放射線光導電層が複合無機材料からなることを特徴とする請求項1記載の放射線固体検出器の製造方法。
  3. 前記複合無機材料がCdTeまたはCdZnTeであることを特徴とする請求項2記載の放射線固体検出器の製造方法。
  4. 前記複合無機材料がBi12SiO20、Bi12GeO20およびBi12TiO20の少なくとも1つであることを特徴とする請求項2記載の放射線固体検出器の製造方法。
  5. 請求項1〜4いずれか1項記載の放射線固体検出器の製造方法によって製造された放射線固体検出器が収容されてなることを特徴とする放射線画像システム。
  6. 請求項1〜4いずれか1項記載の放射線固体検出器の製造方法によって製造された放射線固体検出器が収容されてなることを特徴とする放射線固体検出器カセッテ。
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