JP2009245488A - 磁気ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体のサーボ制御用のパターンの欠陥に起因する動作不良を防止することを目的とする。
【解決手段】多数のビットパターンが配列され且つサーボ制御のための複数のクロックマークが配列された磁気記録面をもつパターンド磁気ディスクを備える磁気ディスク装置において、クロックマークを読み取った信号に基づいてクロック信号を生成するクロック生成回路と、パターンド磁気ディスクに記録すべき書込みデータのエンコードおよびパターンド磁気ディスクから読み出された信号のデコードをクロック信号に同期して行う信号処理回路と、ビットパターンの配列の欠陥情報として、クロックマークとの相対位置のずれ量を示す制御用データがあらかじめ書き込まれた不揮発性メモリと、不揮発性メモリを参照して制御用データが示す前記ずれ量に応じて信号処理回路の動作タイミングを補正する制御回路とを設ける。
【選択図】図5

Description

本発明はパターンド磁気ディスクを備える磁気ディスク装置に関する。
ビットパターンレコーディング(bit-pattern recording :BTR)は、磁気ディスクの記録面に配列されたビットパターンのそれぞれに1ビットのデータを記録する磁気記録方法である。磁性のドットであるビットパターンはそれぞれが非磁性領域で囲まれている。非磁性領域は、隣接するビットパターンどうしの間の磁気的干渉を抑え、各ビットパターンの記録された磁化状態を安定にする。ビットパターンが微細であっても記録情報が変化しにくいビットパターンレコーディングは、磁気記録密度のいっそうの向上を実現する方法として注目されている。
ビットパターンレコーディングに用いるパターンド磁気ディスクの量産にはインプリント法が適用され、ビットパターンはスタンパからの転写によって形成される。1つのスタンパによって、ビットパターンとともに、アドレスを示すパターンおよびサーボ制御のためのパターンを一括に形成する技術がある(特許文献1、特許文献2)。インプリント法によればパターン露光過程を含むフォトリソグラフィでは形成が難しい直径10nm以下の微細パターンを形成することができる。
一方、ビットパターンを有しない一様な磁気記録面をもつ磁気ディスクの使用において、磁気記録面内の欠陥箇所の使用を避ける欠陥回避(defect skip)が行われている。欠陥箇所は磁気記録面内に記録トラックを定める磁気フォーマットの時点またはその後に検出され、その位置はアドレスにおいて指定可能な最小の領域であるセクタを単位として特定される。特定されたセクタにはデータは書き込まずかつ当該セクタからデータは読み出されない。
2007−272962号公報 2008−10114号公報
パターンド磁気ディスクの製造においてビットパターンの配列の欠陥が生じる確率はゼロではないので、特にサーボ制御のためのパターンが関係する欠陥も起こり得る。この種の欠陥は磁気記録面内の広範囲にわたる書込み不良または読出し不良を招く。本発明はこのような事情に鑑み、ビットパターンレコーディングを行う磁気ディスク装置において、記録媒体のサーボ制御用のパターンの欠陥に起因する動作不良を防止することを目的としている。
上記目的を達成する磁気ディスク装置は、多数のビットパターンが配列され且つサーボ制御のための複数のクロックマークが配列された磁気記録面をもつパターンド磁気ディスクと、前記クロックマークを読み取った信号に基づいてクロック信号を生成するクロック生成回路と、前記パターンド磁気ディスクに記録すべき書込みデータのエンコードおよび前記パターンド磁気ディスクから読み出された信号のデコードを前記クロック信号に同期して行う信号処理回路と、前記ビットパターンの配列の欠陥情報として、前記クロックマークとの相対位置のずれ量を示す制御用データがあらかじめ書き込まれた不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリを参照して、前記制御用データが示す前記ずれ量に応じて前記信号処理回路の動作タイミングを補正する制御回路とを備える。
本発明によれば、サーボ制御用のパターンの欠陥に起因する動作不良を防止することができる。
本発明の実施形態に係る磁気ディスク装置には、図1に示されるパターンド磁気ディスク2が記録媒体として組み付けられる。パターンド磁気ディスク2のサイズは磁気ディスク装置の仕様に応じて3.5インチ、2.5インチ、1.8インチなどの標準サイズまたは他のサイズに選定される。
図1(A)のように、パターンド磁気ディスク2は、複数の記録トラック20が仮想の同心円を描くように定められた円環状の磁気記録面(ディスク面)S2を有する。この磁気記録面S2の一部を拡大して示す図1(B)のとおり、磁気記録面S2には非磁性の分離領域24で囲まれる多数のビットパターン21が規則的に配列されている。例示のビットパターン21は円形であり、その直径は10nm程度である。図ではビットパターン21の一部に符号を付してあるが、図1(B)中の白抜きの丸は全てビットパターン21を表わす。複数の記録トラック23のそれぞれに、周方向(図の左右方向)および径方向(図の上下方向)に並ぶビットパターン21のうちの周方向に沿って一列に等間隔に並ぶビットパターン21が対応する。各記録トラック23におけるビットパターン21の配列ピッチは15〜20nm程度であり、記録トラック23の配列ピッチも15〜20nm程度である。例示では隣接する記録トラック20の間でビットパターン21の周方向位置が同じであるが、記録トラック20の間でビットパターン21の周方向位置がずれていてもよい。記録トラック20の間で対応するビットパターン21の数が同じでも異なっていてもよい。
図1(C)のように各記録トラック20はアドレス領域31とデータ領域32とにこれら領域が交互に並ぶように区画されている。アドレス領域31は磁性部と非磁性部との組み合わせでアドレスを表わす図示しないアドレスパターンを有している。データ領域32は任意のビットデータの記録および記録されたデータの書き換えが可能な領域であり、図1(B)のように配列された複数のビットパターン21を有する。データ領域32におけるディスク回転方向の後端部は冗長領域321に設定されている。冗長領域321は通常は使用されない予備の領域であり、該当するデータ領域32で意図的にスリップを起こす欠陥回避が行われた場合に回避分のデータの記録に用いられる。各記録トラック20においてアドレス領域31の数とデータ領域32の数は同じであり、20〜100程度である。
図1(D)では代表として1つのデータ領域32の構成が示されるが、パターンド磁気ディスク2が有する多数のデータ領域32のそれぞれには、ビットパターン21の幾つかに置き換わるように、記録トラック20に沿った等間隔の位置にクロックを生成するためのクロックマーク23が形成されている。1データ領域当りのクロックマーク数は1記録トラック当り500〜2000程度となるように5〜20程度に選定されている。クロックマーク数がビットパターン数と比べて十分に少ないので、クロックマーク23どうしの間には複数のビットパターン21が存在する。クロックマーク23のそれぞれの位置は両隣のビットパターン21のちょうど中間に選定されている。
例示のクロックマーク23は、ビットパターン21よりも保磁力の大きい磁性パターンである。磁化されたクロックマーク23の読み取りで得られる磁気信号はビットパターン21の読み取りで得られる磁気信号よりも大きい。磁気信号の大小を判別することにより、形状および大きさがビットパターン21と同様であるクロックマーク23とビットパターン21とを区別して読み取ることができる。
ビットパターン21とクロックマーク23とで材質が異なることから、パターンド磁気ディスク2の製造においては2回のインプリントが行われる。図2(A)〜(E)が示すように第1のスタンパ18を用いてビットパターン21が形成され、図2(F)〜(J)が示すように第2のスタンパ19を用いてクロックマーク23が形成される。ただし、クロックマーク23を形成した後にビットパターン21を形成するように工程順序を変更することができる。
図2(A)〜(J)が示す製造工程の概要は次のとおりである。表面の平坦な基板10aの上に熱可塑性樹脂11aを100nm程度の厚さに設けた後、第1のスタンパ18を熱可塑性樹脂11aに重ねる〔図2(A)〕。スタンパ18は、例えばシリコン板の表面にコートしたレジストを電子線描画によってパターニングし、得られた凹凸面に導電化処理を施して電気めっきを行う手順で作製される。熱可塑性樹脂11aを加熱しながら熱可塑性樹脂11aにスタンパ18を押し付け、スタンパ18のパターンを熱可塑性樹脂11aに転写する。部分的に窪んだ熱可塑性樹脂11aの残渣を例えば酸素プラズマでアッシングして所望のマスク11を得る〔図2(B)〕。マスク11で部分的にマスキングされた基板10aの表層を例えばArイオンミリングによって深さ10nm程度の窪みが得られるようにエッチングする。これにより、ビットパターン21に対応した窪みを有する基板10bが得られる〔図2(C)〕。マスク11を残したまま、磁性材料12aとして例えばPtの含有比率が10%程度のCoPtを基板10b上に窪みが埋まる厚さに堆積させる〔図2(D)〕。マスク11を除去して化学的機械的研磨による堆積層表面の平坦化を行い、それによってビットパターン21を有した基板10bを得る〔図2(E)〕。この後、以上の手順を繰り返すように、熱可塑性樹脂13aへのスタンパ19のパターンの転写によるマスク13の形成〔図2(F)(G)〕、クロックマーク23に対応する窪みの形成〔図2(H)〕、窪みを有した基板10上への磁性材料14aの堆積〔図2(I)〕、および堆積層の表面の平坦化〔図2(J)〕を順に行い、クロックマーク23を形成する。クロックマーク23の形成においては、磁性材料14aを例えばPtの含有比率が20%程度のCoPtとする。以上のとおり2回のインプリントによってビットパターン21およびクロックマーク23を形成し、その後に基板10の表面に厚さ数nmの保護膜を設けてパターンド磁気ディスク2を完成させる。
このような方法により製造されたパターンド磁気ディスク2には、ビットパターン配列の欠陥の有無および位置を特定する欠陥情報が対応付けられる。ビットパターン配列の欠陥には、図3(A)のように本来は存在するはずのビットパターン21またはクロックマーク23が無いパターン抜け、図3(B)のように多数のビットパターン21のうちの一部(図示ではビットパターン21x)または多数のクロックマーク23のうちの一部が本来とは若干異なる位置に存在する部分的位置ずれ、および図3(C)のようにビットパターン21とクロックマーク23との相対位置関係が本来とは若干異なる全体的位置ずれがある。パターン抜けにはパターンの型崩れが含まれる。これらの欠陥はスタンパ自体の欠陥または製造時の何らかの要因によって発生する。スタンパ18,19に対する検査で判明した欠陥の位置は、当該スタンパ18,19を用いて製造されたパターンド磁気ディスク2に対する欠陥情報に組み入れられる。また、パターンド磁気ディスク2の量産における製造ロットごとの抜き取り検査で判明した欠陥の位置は、製造ロットでは同じ欠陥の発生する確率が大きいことから当該製造ロットのディスクに共通する欠陥位置であると推定され、当該製造ロットのパターンド磁気ディスク2のそれぞれに対応した欠陥情報に組み入れられる。欠陥情報はピンポイントの欠陥回避を可能にする位置情報であり、パターンド磁気ディスク2が組み付けられる磁気ディスク装置のファームウエアに記憶されて磁気ディスク装置の制御に用いられる。
図4は本発明の実施形態に係る磁気ディスク装置の構成を示す。
磁気ディスク装置1は、単数または複数のパターンド磁気ディスク2を記憶媒体として備えるストレージであり、周知のハードディスクドライブと同様にパターンド磁気ディスク2とヘッドジンバルアセンブリ7に支持されたヘッド5とを相対移動させてビットデータ列の記録再生を行う。パターンド磁気ディスク2を回転させるスピンドルモータ(SPM)6およびヘッド5をディスク径方向に移動させるボイスコイルモータ(VCM)8はドライブコントローラ9によって制御される。ヘッド5にはヘッドアンプ(HDA)41を介して書込み読出し回路(以下W/R回路という)42から書込み信号が与えられ、ヘッド5からの読出し信号もヘッドアンプ41を介してW/R回路42へ送られる。W/R回路42は、ハードディスクコントローラ(HDC)43から与えられる書込みデータに基づいてパターンド磁気ディスク2に記録する符合化データを生成するエンコードおよびパターンド磁気ディスク2から読み出された信号をデコードしてハードディスクコントローラ43に引き渡す信号処理回路である。エンコードおよびデコードはハードディスクコントローラ43からのゲート信号Sgがアクティブのときに行われる。ハードディスクコントローラ43はインタフェース44を介して外部装置であるホストとデータの送受を行うとともに、ドライブコントローラ9にパターンド磁気ディスク2に対するアクセスの位置を通知する。インタフェース44はデータ送受のタイミング調整のためのバッファを有している。
磁気ディスク装置1は、ヘッドアンプ41の出力からクロックマークに対応する信号を抽出するクロックマーク検出回路45、およびクロックマーク検出回路45からの検出信号に基づいてクロック信号CLKを生成するクロック生成回路としてのフェーズロックドループ回路46を有する。クロック信号CLKは、記録トラック上のビットパターン列のトレース速度に応じた周期をもち、W/R回路42に対してエンコードおよびデコードのタイミング信号として与えられる。
さらに磁気ディスク装置1は、パターンド磁気ディスク2に対応した欠陥情報DSを記憶する不揮発性メモリである欠陥情報メモリ47、および欠陥情報47に基づいてフェーズロックドループ回路46およびW/R回路42の動作を制御する補正制御回路48を備える。欠陥情報DSは隣接するビットパターン21が区別される精度で磁気記録面内の位置を指定する制御用データであり、あらかじめ磁気ディスク装置1の製造段階で欠陥情報メモリ47に書き込まれている。補正制御回路48は欠陥情報メモリ47を適時に参照して欠陥回避が必要なときにフェーズロックドループ回路46にオフセット信号Soffを与え、W/R回路42にスキップ制御信号Ssを与える。
オフセット信号Soffは上述した全体的位置ずれ、すなわちビットパターン21の配列に対するクロックマーク23のずれに対応した欠陥回避のため制御信号である。図5のようにオフセット信号Soffがアクティブである期間において、クロック信号CLKはフェーズロックドループ回路46が生成する基準クロック信号CLKbに対して位相がずれた信号となる。位相のずれ量Toffはビットパターン21とクロックマーク23とのトラック方向のずれ量に相応する。オフセット信号SoffによってW/R回路42からのデータ信号SDの出力タイミングがビットパターン21にヘッド5が対向するときに書込みまたは読出しが行われるように補正される。
スキップ制御信号Ssは、上述したパターン抜けおよび部分的位置ずれに対応した欠陥回避のため制御信号である。図6のようにスキップ制御信号Ssがアクティブである期間において、ゲート信号Sgがノンアクティブとなり、W/R回路42においてエンコードまたはデコードが一時的に休止される。休止中もパターンド磁気ディスク2は回転を続けるので、ヘッド5が記録トラック20上のある部位を実質的に素通りするいわゆるスリップ現象がスキップ制御信号Ssによって強制的に起こされ、これによって欠陥情報DSが指定する位置への書込みがスキップされ且つ当該位置からの読み出しが無効になる。
以上の実施形態によれば、パターンド磁気ディスク2のある箇所の欠陥が例えばビットパターン21の1個分の大きさの欠陥であれば、その欠陥の位置のみを対象とするピンポイントの1個分の欠陥回避を行えばよいので、従来のようにセクタ単位で欠陥回避を行う場合と比べてパターンド磁気ディスク2のもつ記憶容量を有効に利用することができる。
上述の実施形態において、パターンド磁気ディスク2のサイズ、積層の構成および材質、記録トラック数、記録トラック20の領域区分、ビットパターン21の数および形状、クロックマーク23の数および形状などを含めてパターンド磁気ディスク2の構成要件は用途に応じて適宜選定することができる。磁気ディスク装置1の構成についても本発明の趣旨に沿う範囲内で適宜変更が可能である。
パターンド磁気ディスクの概略構成を示す図である。 パターンド磁気ディスクの製造方法の一例を示す図である。 ビットパターン配列の欠陥の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る磁気ディスク装置の構成を示す図である。 クロックマークのずれに対応するタイミング補正の例を示す図である。 ビットパターン欠陥に対応するアクセス位置補正の例を示す図である。
符号の説明
1 磁気ディスク装置
2 パターンド磁気ディスク
21 ビットパターン
23 クロックマーク
S2 磁気記録面
42 書込み読出し回路(信号処理回路)
46 フェーズロックドループ回路(クロック生成回路)
DS 欠陥情報
47 欠陥情報メモリ(不揮発性メモリ)
48 補正制御回路

Claims (2)

  1. 多数のビットパターンが配列され且つサーボ制御のための複数のクロックマークが配列された磁気記録面をもつパターンド磁気ディスクと、
    前記クロックマークを読み取った信号に基づいてクロック信号を生成するクロック生成回路と、
    前記パターンド磁気ディスクに記録すべき書込みデータのエンコードおよび前記パターンド磁気ディスクから読み出された信号のデコードを前記クロック信号に同期して行う信号処理回路と、
    前記ビットパターンの配列の欠陥情報として、前記クロックマークとの相対位置のずれ量を示す制御用データがあらかじめ書き込まれた不揮発性メモリと、
    前記不揮発性メモリを参照して、前記制御用データが示す前記ずれ量に応じて前記信号処理回路の動作タイミングを補正する制御回路とを備える
    ことを特徴とする磁気ディスク装置。
  2. 前記ビットパターンは磁性パターンであり、前記クロックマークは前記ビットパターンとは磁気特性が異なる磁性パターンである
    請求項1に記載の磁気ディスク装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8475670B2 (en) 2011-07-11 2013-07-02 HGST Netherlands B.V. Method for manufacturing a patterned magnetic media with offset data and servo regions
US8773796B2 (en) 2011-08-05 2014-07-08 HGST Netherlands B.V. System and method of synchronized writing on bit patterned media with read-write offset

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