JP2009244580A - 位相差シート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】位相差板としての光学特性を維持したまま、最終構成としてこれまで使用されていた基材フィルムを省くことができ、さらなる薄型化が可能であり、かつ圧力が加わっても位相差層に破壊が生じない位相差シート及びその製造方法を提供する
【解決手段】位相差層と1層または複数層の粘着剤層とを有し、前記粘着剤層のうち少なくとも1層の粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率(G’)が、0.3〜15MPaであり、前記位相差層が、液晶性を発現し得る感光性樹脂組成物に偏光照射処理が施されて形成されてなる位相差シート、及びその製造方法である。
【選択図】図1
【解決手段】位相差層と1層または複数層の粘着剤層とを有し、前記粘着剤層のうち少なくとも1層の粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率(G’)が、0.3〜15MPaであり、前記位相差層が、液晶性を発現し得る感光性樹脂組成物に偏光照射処理が施されて形成されてなる位相差シート、及びその製造方法である。
【選択図】図1
Description
本発明は、位相差シート及びその製造方法に関する。
近年、情報処理端末として低消費電力で軽量、薄型の液晶ディスプレイ(以下、「LCD」と略す)が急速に普及してきているが、携帯情報端末に適用するために、さらなる薄型化が要求されている。
LCDの視野角を拡大するためには、液晶表示方式(駆動方式)の改善のほかに、液晶セルと偏光板との間に液晶表示方式に対応した位相差板を設置することが有効である。その位相差板としては、複屈折性を有する組成物をフィルム基材に塗布したもの(例えば、特許文献1参照)や、フィルム自体を精密に延伸したもの(例えば、特許文献2参照)が多く用いられている。
しかしながら、その複屈折性を有する組成物をフィルム基材に塗布したものや、フィルム自体を精密に延伸したものは、その光学特性やハンドリング性を考慮して数十μmの厚みが必要であり、携帯情報端末に適用するためのさらなる薄型化には不適である。
以上から、本発明は、位相差板としての光学特性を維持したまま、最終構成としてこれまで使用されていた基材フィルムを省くことができ、さらなる薄型化が可能であり、かつ圧力が加わっても位相差層に破壊が生じない位相差シート及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明者らは下記本発明に想到し、当該課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
[1] 位相差層と1層または複数層の粘着剤層とを有し、前記粘着剤層うち少なくとも1層の粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率(G’)が、0.3〜15MPaであり、前記位相差層が、液晶性を発現し得る感光性樹脂組成物に偏光照射処理が施されて形成されてなる位相差シート。
[2] 前記位相差層の厚みが0.01〜30μmである[1]に記載の位相差シート。
[3] 前記23℃における貯蔵弾性率(G’)が、0.3〜15MPaである粘着剤層が、アクリル系共重合体と、活性エネルギー線硬化型化合物を含む粘着性材料にエネルギー線を照射して硬化されてなる[1]又は[2]に記載の位相差シート。
[4] 前記23℃における貯蔵弾性率(G’)が、0.3〜15MPaである粘着剤層上で、前記位相差層が設けられていない側に光学機能性フィルムが設けられてなる[1]〜[3]のいずれかに記載の位相差シート。
[5] 前記23℃における貯蔵弾性率(G’)が、0.3〜15MPaである粘着剤層が平均粒径0.1〜20μmの微粒子を含有する[1]〜[4]のいずれかに記載の位相差シート。
[6] 位相差層を形成する位相差層形成工程と、少なくとも1層または複数層の粘着剤層を形成する粘着剤層形成工程とを含み、
前記粘着剤層形成工程において形成される前記粘着剤層のうち少なくとも1層の粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率(G’)を0.3〜15MPaとし、
前記位相差層形成工程が、下記工程:
(1)工程フィルムの少なくとも一方の面側に液晶性を発現し得る感光性樹脂組成物を塗布して塗布膜を形成する塗布工程、
(2)前記塗布膜を、前記感光性樹脂組成物の等方相転移温度以上に加熱する加熱工程、
(3)加熱後に、前記感光性樹脂組成物のガラス転移温度以下に冷却する冷却工程、
(4)冷却後に、前記塗布膜に対し偏光を照射する偏光照射工程、
を含む位相差層と粘着剤層とを有する位相差シートの製造方法。
[7] 前記位相差層形成工程が、偏光照射工程後の塗布膜に加熱処理を施す加熱工程を含む[6]に記載の位相差シートの製造方法。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
[1] 位相差層と1層または複数層の粘着剤層とを有し、前記粘着剤層うち少なくとも1層の粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率(G’)が、0.3〜15MPaであり、前記位相差層が、液晶性を発現し得る感光性樹脂組成物に偏光照射処理が施されて形成されてなる位相差シート。
[2] 前記位相差層の厚みが0.01〜30μmである[1]に記載の位相差シート。
[3] 前記23℃における貯蔵弾性率(G’)が、0.3〜15MPaである粘着剤層が、アクリル系共重合体と、活性エネルギー線硬化型化合物を含む粘着性材料にエネルギー線を照射して硬化されてなる[1]又は[2]に記載の位相差シート。
[4] 前記23℃における貯蔵弾性率(G’)が、0.3〜15MPaである粘着剤層上で、前記位相差層が設けられていない側に光学機能性フィルムが設けられてなる[1]〜[3]のいずれかに記載の位相差シート。
[5] 前記23℃における貯蔵弾性率(G’)が、0.3〜15MPaである粘着剤層が平均粒径0.1〜20μmの微粒子を含有する[1]〜[4]のいずれかに記載の位相差シート。
[6] 位相差層を形成する位相差層形成工程と、少なくとも1層または複数層の粘着剤層を形成する粘着剤層形成工程とを含み、
前記粘着剤層形成工程において形成される前記粘着剤層のうち少なくとも1層の粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率(G’)を0.3〜15MPaとし、
前記位相差層形成工程が、下記工程:
(1)工程フィルムの少なくとも一方の面側に液晶性を発現し得る感光性樹脂組成物を塗布して塗布膜を形成する塗布工程、
(2)前記塗布膜を、前記感光性樹脂組成物の等方相転移温度以上に加熱する加熱工程、
(3)加熱後に、前記感光性樹脂組成物のガラス転移温度以下に冷却する冷却工程、
(4)冷却後に、前記塗布膜に対し偏光を照射する偏光照射工程、
を含む位相差層と粘着剤層とを有する位相差シートの製造方法。
[7] 前記位相差層形成工程が、偏光照射工程後の塗布膜に加熱処理を施す加熱工程を含む[6]に記載の位相差シートの製造方法。
本発明によれば、位相差板としての光学特性を維持したまま、最終構成としてこれまで使用されていた基材フィルムを省くことができ、さらなる薄型化が可能であり、かつ圧力が加わっても位相差層に破壊が生じない位相差シート及びその製造方法を提供することができる。
本発明の位相差シートは、位相差層と粘着剤層とを有する。
(粘着剤層)
本発明に係る粘着剤層は、1層又は複数層形成されてなる。そして、少なくとも1層の粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率(G’)が、0.3〜15MPaであることを要する。この貯蔵弾性率(G’)が0.3MPa以上であると位相差シートに点あるいは線状で圧力が加わっても位相差層が破壊されにくい。一方、貯蔵弾性率(G’)が15MPa以下であると位相差シートを液晶ガラスセルや他の光学機能性フィルムに容易に貼合することができる。以上の観点から好ましい23℃の貯蔵弾性率(G’)は0.5〜15MPaであることが好ましく、0.8〜14MPaであることがより好ましい。
なお、一般にLCDにおいてはディスプレイの表側(観察者側)から圧力がかかることがあるので、本発明の位相差シートをLCDに用いる場合は、ディスプレイの表側の表面と位相差シートの間に、23℃における貯蔵弾性率が0.3〜15MPaである粘着剤層が配置される。
(粘着剤層)
本発明に係る粘着剤層は、1層又は複数層形成されてなる。そして、少なくとも1層の粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率(G’)が、0.3〜15MPaであることを要する。この貯蔵弾性率(G’)が0.3MPa以上であると位相差シートに点あるいは線状で圧力が加わっても位相差層が破壊されにくい。一方、貯蔵弾性率(G’)が15MPa以下であると位相差シートを液晶ガラスセルや他の光学機能性フィルムに容易に貼合することができる。以上の観点から好ましい23℃の貯蔵弾性率(G’)は0.5〜15MPaであることが好ましく、0.8〜14MPaであることがより好ましい。
なお、一般にLCDにおいてはディスプレイの表側(観察者側)から圧力がかかることがあるので、本発明の位相差シートをLCDに用いる場合は、ディスプレイの表側の表面と位相差シートの間に、23℃における貯蔵弾性率が0.3〜15MPaである粘着剤層が配置される。
上記所望の貯蔵弾性率とするには、後述する活性エネルギー線硬化型化合物や架橋剤の種類や量を適宜設定したり、微粒子を粘着剤層に含有させたりするなどの方法が挙げられる。
なお、貯蔵弾性率(G’)は、下記の方法で測定する。
すなわち、貯蔵弾性率(G’)は、8mmφ×3mm厚の粘着剤層からなる円柱状の試験片を作製し、ねじり剪断法により、下記の条件で測定する。
すなわち、貯蔵弾性率(G’)は、8mmφ×3mm厚の粘着剤層からなる円柱状の試験片を作製し、ねじり剪断法により、下記の条件で測定する。
測定装置:レオメトリック社製動的粘弾性測定装置「DYNAMIC ANALYZER RDA II」
周波数 :1Hz
温度 :23℃
周波数 :1Hz
温度 :23℃
粘着剤層を構成する成分としては、アクリル系共重合体と、活性エネルギー線硬化型化合物とからなる粘着性材料にエネルギー線を照射したものが好ましい。
アクリル系共重合体としては、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を挙げることができる。
なお、本発明において、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの両方を意味する。他の類似用語も同様である。
なお、本発明において、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの両方を意味する。他の類似用語も同様である。
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としては、各種架橋方法によって架橋が可能な架橋点を有するものが好ましく用いられる。このような架橋点を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としては特に制限はなく、従来粘着剤の樹脂成分として慣用されている(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の中から、任意のものを適宣選択して用いることができる。
このような架橋点を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としては、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルと、分子内に架橋性官能基を有する単量体と、所望により用いられる他の単量体との共重合体を好ましく挙げることができる。ここで、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、分子内に架橋性官能基を有する単量体は、官能基として水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基の少なくとも1種を含むことが好ましく、具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのアクリルアミド類;(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノエステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸;などが挙げられる。これらの単量体は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は、その共重合形態については特に制限はなく、ランダム、ブロック、グラフト共重合体のいずれであってもよい。また、分子量としては、重量平均分子量で50万以上であるものが通常用いられる。この重量平均分子量が50万以上であると、位相差シートを液晶ガラスセルや光学機能性フィルムに貼合し、高温あるいは高温・高湿下においた場合でも接着耐久性が十分となり、浮きや剥がれなどが生じない。接着耐久性を考慮すると、この重量平均分子量は、60万〜220万のものが好ましく、70万〜200万のものがさらに好ましい。
なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
さらに、この(メタ)アクリル酸エステル系共重合体においては、分子内に架橋性官能基を有する単量体単位の含有量は、0.01〜10質量%の範囲が好ましい。この含有量が0.01質量%以上であると、後述する架橋剤との反応により、架橋が十分となり、接着耐久性が良好となる。一方、10質量%以下であると、架橋度が高くなりすぎることによる、液晶ガラスセルや光学機能性フィルムへの貼合適性の低下がなく好ましい。接着耐久性と液晶ガラスセルや位相差板への貼合適性などを考慮すると、この架橋性官能基を有する単量体単位の含有量は0.05〜7.0質量%であることが好ましく、0.2〜6.0質量%の範囲がより好ましい。
本発明においては、この(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、この(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
活性エネルギー線硬化型化合物としては、分子量1000未満の多官能(メタ)アクリレート系モノマーを好ましく挙げることができる。
この分子量1000未満の多官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、ジ(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ヒドロフタル酸ジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、アダマンタンジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどの2官能型;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどの3官能型;ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの4官能型;プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどの5官能型;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの6官能型などが挙げられる。
本発明において、これらの多官能(メタ)アクリレート系モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、骨格構造に環状構造を有するものを含有することが好ましい。環状構造は、炭素環式構造でも、複素環式構造でもよく、また、単環式構造でも多環式構造でもよい。このような多官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えばジ(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどのイソシアヌレート構造を有するもの、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、エチレンオキサイド変性ヘキサヒドロフタル酸ジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート、アダマンタンジアクリレートなどが好適である。
また、活性エネルギー線硬化型化合物として、活性エネルギー線硬化型のアクリレート系オリゴマーを用いることができる。このようなアクリレート系オリゴマーの例としては、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリブタジエンアクリレート系、シリコーンアクリレート系などが挙げられる。
ここで、ポリエステルアクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキサイドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシアクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシアクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシアクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアナートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができ、ポリオールアクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
上記アクリレート系オリゴマーの重量平均分子量は、GPC法で測定した標準ポリメチルメタクリレート換算の値で、50,000以下が好ましく、500〜50,000がより好ましく、3,000〜40,000がさらに好ましい。
これらのアクリレート系オリゴマーは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記アクリレート系オリゴマーの重量平均分子量は、GPC法で測定した標準ポリメチルメタクリレート換算の値で、50,000以下が好ましく、500〜50,000がより好ましく、3,000〜40,000がさらに好ましい。
これらのアクリレート系オリゴマーは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、活性エネルギー線硬化型化合物として、(メタ)アクリロイル基を有する基が側鎖に導入された重合性アクリル系共重合体を用いることもできる。このような重合性アクリル系共重合体は、前述の(A)成分の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体において説明した(メタ)アクリル酸エステルと、分子内に架橋性官能基を有する単量体との共重合体を用い、該共重合体の架橋性官能基の一部に、(メタ)アクリロイル基及び架橋性官能基と反応する基を有する化合物を反応させることにより得ることができる。該重合性アクリル系共重合体の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で、通常50万〜200万である。
活性エネルギー線硬化型化合物としてとしては、既述の多官能アクリレート系モノマー、アクリレート系オリゴマー及び重合性アクリル系共重合体の中から、適宜1種を選び用いてもよく、2種以上を選び併用してもよい。
アクリル系共重合体と、活性エネルギー線硬化型化合物の含有割合は、得られる粘着剤の性能の面から、質量比で、100:1〜100:100が好ましく、より好ましくは100:5〜100:50、さらに好ましくは100:10〜100:40の範囲である。
粘着性材料には、上記した材料の他、微粒子、光重合開始剤、架橋剤、及びシランカップリング剤など種々の材料を含有させることができる。
微粒子は、既述のように、貯蔵弾性率を所望の範囲に設定するために使用することができる他、光を拡散させるために用いられる。具体的には、シリカ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク、二酸化チタン等の無機系白色顔料;アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等有機系の透明または白色顔料等をあげることができる。粘着性樹脂としてアクリル系共重合体を選択したときは、シリコーンビーズ、エポキシ樹脂ビーズ、及びポリメチルメタクリレートビーズがアクリル系共重合体に対する分散性が優れ、均一で良好な光拡散性が得られることから好ましい。また、微粒子としては、光拡散が均一な球状の微粒子が好ましい。
微粒子の平均粒径は0.1〜20μmの範囲であることが好ましい。平均粒径が0.1μm以上であると光拡散性の低下を防ぎ、液晶表示装置において、輝度むらがなく、均一な明るさを得ることができる。一方、平均粒径が20μm以下であると、画像のコントラストに悪影響が生じることを防ぐことができ、さらに、ディスプレイの画像ギラツキの発生を防ぐことができる。微粒子の平均粒径は1〜10μmの範囲がより好ましく、0.5〜10μmの範囲がさらに好ましい。
なお、ここで微粒子の平均粒径は遠心沈降光透過法で測定した値である。測定には遠心式自動粒度分布測定装置(堀場製作所製「CAPA−700」)を用い、微粒子1.2gとイソプロピルアルコール98.8gからなる液を十分に撹拌したものを測定用試料とすることが好ましい。
粘着剤層における微粒子の含有量は1〜40質量%の範囲が好ましい。この含有量が1質量%以上であると、貯蔵弾性率を所望の値にすることが容易であり、また、輝度むらがなく、均一な明るさを得るという効果を得ることができ、一方、微粒子の含有量が40質量%以下であると、粘着剤としての粘着力が確保される。
光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミノ安息香酸エステル、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、その配合量は、(B)成分100質量部に対して、0.2〜20質量部の範囲で選ばれる。
また、架橋剤としては、特に制限はなく、従来アクリル系粘着剤において架橋剤として慣用されているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。このような架橋剤としては、例えばポリイソシアネート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマー、アジリジン系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩などが挙げられるが、ポリイソシアネート化合物が好ましく用いられる。
ここで、ポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネートなど、及びそれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体などを挙げることができる。
これらの架橋剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、架橋剤の種類にもよるが、(A)成分のアクリル系共重合体100質量部に対し、0.01〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましい。
シランカップリング剤を粘着剤層に含有させることで、位相差シートを、例えば液晶ガラスセルなどに貼合する場合に、粘着剤とガラスセルの間の密着性をより良好なものとすることができる。
このシランカップリング剤としては、分子内にアルコキシシリル基を少なくとも1個有する有機ケイ素化合物であって、粘着剤成分との相溶性がよく、かつ光透過性を有するもの、例えば実質上透明なものが好適である。このようなシランカップリング剤の添加量は、アクリル系共重合体100質量部に対し、0.001〜10質量部の範囲が好ましく、0.005〜5質量部の範囲がより好ましい。
シランカップリング剤の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の重合性不飽和基含有ケイ素化合物;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ構造を有するケイ素化合物;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基含有ケイ素化合物;3−クロロプロピルトリメトキシシラン;等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粘着性材料には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望によりアクリル系粘着剤に通常使用されている各種添加剤、例えば粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤などを添加してそれらを含有する粘着剤層を形成することができる。
位相差シートは、工程フィルム上に形成されていることが好ましい。
工程フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム;ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムなどのプラスチックフィルム、あるいはこれらのプラスチックフィルムにシリコーン樹脂などの剥離剤を塗布し剥離層を設けた剥離フィルムが挙げられる。この工程フィルムの厚さについては特に制限はないが、20〜150μm程度である。
工程フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム;ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムなどのプラスチックフィルム、あるいはこれらのプラスチックフィルムにシリコーン樹脂などの剥離剤を塗布し剥離層を設けた剥離フィルムが挙げられる。この工程フィルムの厚さについては特に制限はないが、20〜150μm程度である。
工程フィルム上に粘着剤層を設ける方法としては、例えば、粘着性材料に溶剤を加えて、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いて、粘着性材料を工程フィルムあるいは工程フィルムに形成された位相差層に直接コーティングして塗膜を形成させ、乾燥させる方法を用いることができる。乾燥条件は特に制限されないが、50〜150℃で10秒〜10分程度である。また、溶剤としては、例えば、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどが挙げられ、それらを単独あるいは混合して用いることができる。
工程フィルムに形成された位相差層に粘着剤層を設ける他の方法としては、別の工程フィルムに粘着剤層を設け、位相差層と貼合する方法があげられる。なお、粘着剤層表面は位相差シートを使用する時(液晶ガラスセルなどに貼合する時)まで剥離フィルムで被覆してもよい。
また、粘着剤層の厚さは、2〜100μm程度であることが好ましく、3〜50μmであることがより好ましく、5〜30μmであることがさらに好ましい。
工程フィルムに形成された位相差層に粘着剤層を設ける他の方法としては、別の工程フィルムに粘着剤層を設け、位相差層と貼合する方法があげられる。なお、粘着剤層表面は位相差シートを使用する時(液晶ガラスセルなどに貼合する時)まで剥離フィルムで被覆してもよい。
また、粘着剤層の厚さは、2〜100μm程度であることが好ましく、3〜50μmであることがより好ましく、5〜30μmであることがさらに好ましい。
粘着剤層を所望の貯蔵弾性率(G’)とするには、粘着剤層を形成する材料を塗布した後で活性エネルギー線を照射する。活性エネルギー線としては、例えば紫外線や電子線などが挙げられる。上記紫外線は、高圧水銀ランプ、無電極ランプ、キセノンランプなどで得られ、一方、電子線は電子線加速器などによって得られる。この活性エネルギー線の中では、特に紫外線が好適である。なお、電子線を使用する場合は、光重合開始剤を添加することなく、粘着剤層を形成することができる。
活性エネルギー線の照射量としては、所望の貯蔵弾性率が得られるように適宜選定されるが、紫外線の場合は照度50〜1000mW/cm2、光量50〜1000mJ/cm2、電子線の場合は10〜1000kradの範囲が好ましい。
(位相差層)
本発明に係る位相差層は、液晶性を発現し得る感光性樹脂組成物に偏光照射処理が施されて形成されてなる。当該感光性樹脂組成物に偏光照射処理が施されることで、層全体に複屈折性が発現し、所望の位相差が備わる。
本発明に係る位相差層は、液晶性を発現し得る感光性樹脂組成物に偏光照射処理が施されて形成されてなる。当該感光性樹脂組成物に偏光照射処理が施されることで、層全体に複屈折性が発現し、所望の位相差が備わる。
液晶性を発現し得る感光性樹脂組成物としては、感光性基を有する液晶性重合体若しくは液晶性低分子化合物またはこれらの混合体などが挙げられる。なお、感光性基を有さない液晶性化合物や、液晶性を損なわない程度の非液晶性低分子化合物を併用してもよい。非液晶性低分子化合物としては、具体的には、配向性を向上させるための配向助剤や、耐熱性を向上させるための架橋剤などを用いることができる。さらに、感光性基を有する液晶性重合体には液晶性を損なわない程度に、非液晶性の単量体を共重合させてもよい。なお、感光性基とは光照射により他の分子と結合する官能基をいう。
感光性基を有する液晶性重合体としては、例えば、液晶性高分子のメソゲン成分として多用されているビフェニル基、ターフェニル基、フェニルベンゾエー卜基またはアゾベンゼン基などの置換基と、シンモナイル基、カルコン基、シンナミリデン基、β−(2−フリル)アクリロイル基、ケイ皮酸基またはこれらの誘導体基などの感光性基とを結合した構造を含む側鎖を有し、アクリレート、メタクリレート、マレイミド、N−フェニルマレイミド又はシロキサンなどの構造を主鎖に有する高分子を用いることができる。この重合体は、同一の繰り返し単位からなる単一の重合体であってもよく、構造の異なる側鎖を有する単位の共重合体であってもよい。さらには、感光性基を含まない側鎖を有する単位を含む共重合体とすることもできる。
上記の感光性基を有する液晶性重合体には、感光性基を有する液晶性低分子化合物を混合することができる。例えば、メソゲン成分として多用されているビフェニル基、ターフェニル基、フェニルベンゾエー卜基またはアゾベンゼン基などの置換基を有し、このメソゲン成分と、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基若しくはケイ皮酸基またはこれらの誘導体などの官能基を、屈曲性成分を介して、または、屈曲性成分を介さずに結合した液晶性化合物を混合することができる。
位相差層は、具体的には、下記(1)〜(4)の工程を含む位相差形成工程経て形成される。
(1)工程フィルムの少なくとも一方の面側に液晶性を発現し得る感光性樹脂組成物を塗布して塗布膜を形成する塗布工程
(2)塗布膜を、感光性樹脂組成物の等方相転移温度以上に加熱する加熱工程
(3)加熱後に、感光性樹脂組成物のガラス転移温度以下に冷却する冷却工程
(4)冷却後に、塗布膜に対し偏光を照射する偏光照射工程
(1)工程フィルムの少なくとも一方の面側に液晶性を発現し得る感光性樹脂組成物を塗布して塗布膜を形成する塗布工程
(2)塗布膜を、感光性樹脂組成物の等方相転移温度以上に加熱する加熱工程
(3)加熱後に、感光性樹脂組成物のガラス転移温度以下に冷却する冷却工程
(4)冷却後に、塗布膜に対し偏光を照射する偏光照射工程
以下、上記(1)〜(4)の各工程について説明する。
(1)塗布工程:
液晶性を発現し得る感光性樹脂組成物を塗布する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、感光性樹脂組成物に、所望により溶剤やその他の成分を加えた塗布液を塗布する方法が挙げられる。塗布方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、バーコー卜法、グラビア印刷法、ディップコー卜法、ナイフコー卜法又はスプレーコート法などを挙げることができる。これらの方法により、塗布液は、工程フィルムの片面や両面、または工程フィルムに形成された粘着剤層の上などに塗布され塗布膜が形成される。
なお、塗布性を向上させるために、溶剤を用いた場合には、塗布後に乾燥させて溶剤をある程度まで除去しておくことが好ましい。但し、この工程は必ずしも独立した工程である必要はなく、次に述べる等方相転移温度以上に加熱する工程と一緒にしてもよい。また、塗布膜の厚さ(乾燥後)は、0.01〜30μmが好ましく、0.1〜20μmがより好ましく、0.3〜10μmがさらに好ましい。
(1)塗布工程:
液晶性を発現し得る感光性樹脂組成物を塗布する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、感光性樹脂組成物に、所望により溶剤やその他の成分を加えた塗布液を塗布する方法が挙げられる。塗布方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、バーコー卜法、グラビア印刷法、ディップコー卜法、ナイフコー卜法又はスプレーコート法などを挙げることができる。これらの方法により、塗布液は、工程フィルムの片面や両面、または工程フィルムに形成された粘着剤層の上などに塗布され塗布膜が形成される。
なお、塗布性を向上させるために、溶剤を用いた場合には、塗布後に乾燥させて溶剤をある程度まで除去しておくことが好ましい。但し、この工程は必ずしも独立した工程である必要はなく、次に述べる等方相転移温度以上に加熱する工程と一緒にしてもよい。また、塗布膜の厚さ(乾燥後)は、0.01〜30μmが好ましく、0.1〜20μmがより好ましく、0.3〜10μmがさらに好ましい。
(2)加熱工程:
工程フィルムの上に位相差層となる塗布膜を形成した後は、液晶相から等方相に転移する温度(等方相転移温度)以上に加熱して、感光性樹脂組成物を等方性の相にする。例えば、感光性基を有する液晶性重合体と液晶性低分子化合物との混合体からなる組成物の場合、等方相にすると、重合体の側鎖部や低分子化合物は、特定の方向を向かずに各々が無秩序な方向を向いた状態となる。
工程フィルムの上に位相差層となる塗布膜を形成した後は、液晶相から等方相に転移する温度(等方相転移温度)以上に加熱して、感光性樹脂組成物を等方性の相にする。例えば、感光性基を有する液晶性重合体と液晶性低分子化合物との混合体からなる組成物の場合、等方相にすると、重合体の側鎖部や低分子化合物は、特定の方向を向かずに各々が無秩序な方向を向いた状態となる。
(3)冷却工程:
続いて、等方性の相の温度を下げていくと、組成物は、等方相から液晶相を経てガラス相へと変化する。すなわち、組成物の温度が、等方相転移温度より低くなると液晶相になり、さらに、ガラス相−液晶相転移温度以下になるとガラス相になる。このとき、等方相である組成物をガラス相−液晶相転移温度以下まで冷却すると、組成物を構成する重合体や低分子化合物は、分子配列に明確な規則性を有しない状態で動きが固定される。例えば、100℃で等方相にある組成物を、6秒以内に50℃まで冷却してガラス相にすると、分子配列を不規則な状態で固定することができる。本発明においては、冷却速度を5℃/秒以上とすることが好ましく、10℃/秒以上とすることがより好ましい。冷却速度を5℃/秒以上とすることで、所定の方向以外に局所的に規則的な分子配列が生じるのを防ぎ、位相差シートの品質低下を防止することができる。
続いて、等方性の相の温度を下げていくと、組成物は、等方相から液晶相を経てガラス相へと変化する。すなわち、組成物の温度が、等方相転移温度より低くなると液晶相になり、さらに、ガラス相−液晶相転移温度以下になるとガラス相になる。このとき、等方相である組成物をガラス相−液晶相転移温度以下まで冷却すると、組成物を構成する重合体や低分子化合物は、分子配列に明確な規則性を有しない状態で動きが固定される。例えば、100℃で等方相にある組成物を、6秒以内に50℃まで冷却してガラス相にすると、分子配列を不規則な状態で固定することができる。本発明においては、冷却速度を5℃/秒以上とすることが好ましく、10℃/秒以上とすることがより好ましい。冷却速度を5℃/秒以上とすることで、所定の方向以外に局所的に規則的な分子配列が生じるのを防ぎ、位相差シートの品質低下を防止することができる。
冷却は、冷却された気体を組成物に吹き付けることによって行うことが好ましい。気体は吹き付けられる際に冷却されていることが好ましく、あらかじめ冷却されたものであってもよいし、冷却された雰囲気下で気体を吹き付けてもよい。冷却された気体を組成物に吹き付ける具体的な例としては、例えば、−20℃〜20℃の温度雰囲気下において、雰囲気温度より低温(例えば、−30℃〜15℃)の気体を組成物に吹き付けて行う。吹き付ける気体は、特に制限はないが、空気、窒素またはアルゴンなどの不活性気体を用いることが好ましい。
(4)偏光照射工程:
偏光照射工程における偏光の照射により、光学的異方性を有する位相差層が形成される。先の工程によって、感光性樹脂組成物の等方相転移温度以上に加熱した後、この状態からガラス相−液晶相転移温度以下に冷却されているので、等方相にある化合物の分子配列は不規則な状態で固定されている。この状態で偏光を照射すれば、偏光の振動方向に平行な重合体の側鎖の部分で選択的に二量化反応が起こる。一方、それ以外の感光性の低い配置にある側鎖や低分子化合物は、光反応を起こした側鎖と同じ方向に分子運動によって配向する。これにより、膜全体で複屈折性が発現して、所望の位相差を有する位相差層を形成することができる。このようにして形成される位相差層の厚みは、0.01〜30μmであることが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましく、0.3〜10μmであることがさらに好ましい。上記のように塗布により位相差層を形成すれは、その厚みを上記範囲に制御することが可能となる。そして、非常に小さい厚みとすることで、薄型化が進む携帯情報端末にも効果的に適用することができる。偏光は様々な方法で得ることができるが、例えば、「初等物理シリーズ8、光と電波、培風館」に記載されているブリュースター角の原理を用いて得ることができる。
偏光照射工程における偏光の照射により、光学的異方性を有する位相差層が形成される。先の工程によって、感光性樹脂組成物の等方相転移温度以上に加熱した後、この状態からガラス相−液晶相転移温度以下に冷却されているので、等方相にある化合物の分子配列は不規則な状態で固定されている。この状態で偏光を照射すれば、偏光の振動方向に平行な重合体の側鎖の部分で選択的に二量化反応が起こる。一方、それ以外の感光性の低い配置にある側鎖や低分子化合物は、光反応を起こした側鎖と同じ方向に分子運動によって配向する。これにより、膜全体で複屈折性が発現して、所望の位相差を有する位相差層を形成することができる。このようにして形成される位相差層の厚みは、0.01〜30μmであることが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましく、0.3〜10μmであることがさらに好ましい。上記のように塗布により位相差層を形成すれは、その厚みを上記範囲に制御することが可能となる。そして、非常に小さい厚みとすることで、薄型化が進む携帯情報端末にも効果的に適用することができる。偏光は様々な方法で得ることができるが、例えば、「初等物理シリーズ8、光と電波、培風館」に記載されているブリュースター角の原理を用いて得ることができる。
ここで、「偏光」とは次式で表される偏光度が50%を超えるものをいう。
偏光度={完全偏光成分/(完全偏光成分+非偏光成分)}×100
偏光度={完全偏光成分/(完全偏光成分+非偏光成分)}×100
また、位相差形成工程では、必要に応じて、偏光照射工程の後に加熱処理を施す加熱工程を設けてもよく、さらに当該加熱工程の後に偏光または非偏光を照射する工程を設けてもよい。
本発明の位相差シートは、種々の構成とすることが可能で、粘着層上で位相差層が設けられていない側に機能性光学フィルムを設けて複合体(本発明では、これも「位相差シート」という)とすることもできる。図1〜図4に、本発明の位相差シートの層構成例を示す。
図1に示す位相差シートは、工程フィルム10上に位相差層12及び23℃における貯蔵弾性率(G’)が、0.3〜15MPaである粘着剤層14が順次形成されてなる。当該位相差シートは、例えば、前述した方法で工程フィルム10に位相差層12を形成し、該位相差層の上に前述の粘着性材料を塗布して紫外線を照射して粘着剤層14を形成したり、あるいは、2枚の工程フィルムに位相差層12、粘着剤層14を各々形成し、これらを積層して作製される。
図2に示す位相差シートは、工程フィルム10上に位相差層12及び23℃における貯蔵弾性率(G’)が、0.3〜15MPaである粘着剤層14が順次形成されてなり、さらにその上に光学機能性フィルム16が形成されてなる。ここで、光学機能性フィルム16としては、偏光板、光学等方性フィルム及び位相差板などが挙げられる。
また、当該位相差シートは、例えば、前記図1のようにして作製した位相差シートに光学機能性フィルムを貼合したり、あるいは、工程フィルムに位相差層を形成し、光学機能性フィルムに粘着剤層を形成して、位相差層と粘着剤層を積層して作製される。
また、当該位相差シートは、例えば、前記図1のようにして作製した位相差シートに光学機能性フィルムを貼合したり、あるいは、工程フィルムに位相差層を形成し、光学機能性フィルムに粘着剤層を形成して、位相差層と粘着剤層を積層して作製される。
図3に示す位相差シートは、工程フィルム10上に粘着剤層14a、位相差層12、及び粘着剤層14b、が順次形成されてなる。当該位相差シートは、例えば、工程フィルム10上に、粘着剤層14a、位相差層12及び粘着剤層14bを順次形成して作製したり、あるいは、工程フィルム10上に粘着剤層14aを形成し、別の2枚の工程フィルムに位相差層12、粘着剤層14bを各々形成し、粘着剤層14aに位相差層12と粘着剤層14bを順次積層して作製される。ここで、粘着剤層14aと粘着剤層14bのうち少なくとも一方の23℃における貯蔵弾性率(G’)が、0.3〜15MPaである必要がある。
図4に示す位相差シートは、工程フィルム10上に、粘着剤層14a、位相差層12、粘着剤層14b、及び光学機能性フィルム16が順次形成されてなる。当該位相差シートは、例えば、図3の位相差シートの粘着剤層14bに光学機能性フィルム16を貼合して形成される。この位相差シートは、通常、光学機能性フィルム16側がディスプレイの観察者側になるので、少なくとも粘着剤層14bの23℃における貯蔵弾性率(G’)が、0.3〜15MPaである必要がある。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
(注)
アクリル系共重合体:アクリル酸n−ブチル及びアクリル酸を、質量比95:5の割合で用い、常法に従って重合してなる、重量平均分子量180万の共重合体
重合性アクリル系共重合体:アクリル酸n−ブチル50質量部、メタクリル酸メチル20質量部、及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル30質量部を常法に従って重合してなる、重量平均分子量60万のアクリル系共重合体100質量部に、メタクリロイルオキシエチレンイソシアナート27質量部(アクリル酸2−ヒドロキシエチル単位のヒドロキシル基100当量に対して90当量)を加え、反応させて得られたもの、エネルギー線重合性基含有単量体単位の含有量27質量%、重量平均分子量60万
多官能アクリレート系モノマー:トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、分子量=423、3官能型(東亜合成社製、商品名「アロニックスM−315」)
光重合開始剤:ベンゾフェノンと1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとの質量比1:1の混合物、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア500」
イソシアネート系架橋剤:トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製「コロネートL」)
シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製「KBM−403」)
シリコーンビーズ:真球状シリコーン微粒子(GE東芝シリコーン社製「トスパール145」、平均粒径4.5μm)
アクリル系共重合体:アクリル酸n−ブチル及びアクリル酸を、質量比95:5の割合で用い、常法に従って重合してなる、重量平均分子量180万の共重合体
重合性アクリル系共重合体:アクリル酸n−ブチル50質量部、メタクリル酸メチル20質量部、及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル30質量部を常法に従って重合してなる、重量平均分子量60万のアクリル系共重合体100質量部に、メタクリロイルオキシエチレンイソシアナート27質量部(アクリル酸2−ヒドロキシエチル単位のヒドロキシル基100当量に対して90当量)を加え、反応させて得られたもの、エネルギー線重合性基含有単量体単位の含有量27質量%、重量平均分子量60万
多官能アクリレート系モノマー:トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、分子量=423、3官能型(東亜合成社製、商品名「アロニックスM−315」)
光重合開始剤:ベンゾフェノンと1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとの質量比1:1の混合物、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア500」
イソシアネート系架橋剤:トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製「コロネートL」)
シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製「KBM−403」)
シリコーンビーズ:真球状シリコーン微粒子(GE東芝シリコーン社製「トスパール145」、平均粒径4.5μm)
(実施例1)
表1に示すAの組成(固形分)からなる粘着性材料の酢酸エチル溶液(固形分14質量%)を調製し、工程フィルムとしての厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート製剥離フィルム(リンテック(株)製「SP−PET3811」、以下、工程フィルム(1)とする)の剥離層上に、乾燥後の厚さが25μmになるように、ナイフ式塗工機で塗布したのち、90℃で1分間乾燥処理し、工程フィルム(1)側から、紫外線(UV)を下記の条件で照射して工程フィルム(1)上に粘着剤層(粘着剤層(b))を形成した(粘着剤層形成工程)。
表1に示すAの組成(固形分)からなる粘着性材料の酢酸エチル溶液(固形分14質量%)を調製し、工程フィルムとしての厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート製剥離フィルム(リンテック(株)製「SP−PET3811」、以下、工程フィルム(1)とする)の剥離層上に、乾燥後の厚さが25μmになるように、ナイフ式塗工機で塗布したのち、90℃で1分間乾燥処理し、工程フィルム(1)側から、紫外線(UV)を下記の条件で照射して工程フィルム(1)上に粘着剤層(粘着剤層(b))を形成した(粘着剤層形成工程)。
さらに、これとは別に、同様の操作により工程フィルム(リンテック(株)製、「SP−PET3811」)上にAの組成からなる粘着性材料を用いて粘着剤層を形成した。ここで使用した工程フィルムを工程フィルム(2)、形成した粘着剤層を粘着剤層(a)とする。
<UV照射条件>
・フュージョン社製無電極ランプ Hバルブ使用
・照度600mW/cm2、光量150mJ/cm2
なお、UV照度・光量は、光量計(アイグラフィックス社製「UVPF−36」)を使用して測定した。
・フュージョン社製無電極ランプ Hバルブ使用
・照度600mW/cm2、光量150mJ/cm2
なお、UV照度・光量は、光量計(アイグラフィックス社製「UVPF−36」)を使用して測定した。
工程フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製、商品名:コスモシャインA4100、厚さ100μm、以下、「工程フィルム(3)」とする)の易接着面とは反対面に、液晶性を発現し得る感光性樹脂組成物(林テレンプ(株)製、商品名「HTA−20」、ガラス転移温度は100℃、ガラス相−液晶相転移温度は40℃)を塗布して厚さ2μmの塗布膜を形成した(塗布工程)。次に塗布膜を110℃に加熱した(加熱工程)後、25℃まで冷却した(冷却工程)。なお、冷却は空気を吹き付けることにより行い、冷却速度は13℃/秒であった。
冷却後、紫外線照射装置(東芝ライティング株式会社製、製品名:HCM−96011S−DM)を用い、ブリュースター角の原理を適用して、完全偏光成分と非偏光成分からなる偏光度85%の紫外線(90mJ/cm2)を照射した(偏光照射工程)。偏光を照射した後は、塗布膜を110℃まで加熱し30秒間保持(加熱工程)した後、10分間かけて室温(25℃)まで冷却して厚さ0.5μmの位相差層を形成した。
このようにして得られた、工程フィルム(1)上の粘着剤層表面(粘着剤層(b))に、工程フィルム(3)上の位相差層を積層し、位相差シートを作製した。以下に記載する方法で粘着剤層の貯蔵弾性率の測定、位相差シートの位相差の測定及び加圧試験を行った。結果を下記表2に示す。
(粘着剤層の貯蔵弾性率)
明細書本文に記載の方法に従って、粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率を測定した。なお、試験片は、実施例で使用した工程フィルム(1)に乾燥後の厚さが30μmになるように粘着性材料を塗布・乾燥し、紫外線を照射して粘着剤層を作成する操作を繰り返し、得られた粘着剤層を積層して厚さ30μmの試験片とした。紫外線照射は照度600mW/cm2、光量150mJ/cm2で行った。
明細書本文に記載の方法に従って、粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率を測定した。なお、試験片は、実施例で使用した工程フィルム(1)に乾燥後の厚さが30μmになるように粘着性材料を塗布・乾燥し、紫外線を照射して粘着剤層を作成する操作を繰り返し、得られた粘着剤層を積層して厚さ30μmの試験片とした。紫外線照射は照度600mW/cm2、光量150mJ/cm2で行った。
(位相差シートの位相差の測定)
得られた位相差シートの工程フィルム(1)を除去して、粘着剤層(b)表面にトリアセチルセルロースフィルム(リンテック株式会社製:商品名CHC−TAC80E1K、厚さ85μm)を貼合し、工程フィルム(3)を除去して試験片とし、位相差測定装置(王子計測機器(株)製、製品名:KOBRA−WR)を用いて測定した、測定波長は589nmとした。
得られた位相差シートの工程フィルム(1)を除去して、粘着剤層(b)表面にトリアセチルセルロースフィルム(リンテック株式会社製:商品名CHC−TAC80E1K、厚さ85μm)を貼合し、工程フィルム(3)を除去して試験片とし、位相差測定装置(王子計測機器(株)製、製品名:KOBRA−WR)を用いて測定した、測定波長は589nmとした。
(加圧試験)
位相差シートの工程フィルム(1)を除去して、粘着剤層(b)表面に厚さ180μmの偏光板を貼合した。次に工程フィルム(3)を除去して、位相差層に工程フィルム(2)の粘着剤層(a)を積層し、工程フィルム(2)を除去して位相差シートをガラス板に貼合して試験片とした。試験は、鉛筆硬度試験(JIS K5600)と同様の方法で、偏光板表面を6Bの鉛筆で引っかいて位相差層の破壊が確認された荷重を測定した。破壊の確認は、別途用意した粘着剤付きの偏光板をクロスニコルになるようにガラス板に貼り、顕微鏡(50倍)で観察して行った。
位相差シートの工程フィルム(1)を除去して、粘着剤層(b)表面に厚さ180μmの偏光板を貼合した。次に工程フィルム(3)を除去して、位相差層に工程フィルム(2)の粘着剤層(a)を積層し、工程フィルム(2)を除去して位相差シートをガラス板に貼合して試験片とした。試験は、鉛筆硬度試験(JIS K5600)と同様の方法で、偏光板表面を6Bの鉛筆で引っかいて位相差層の破壊が確認された荷重を測定した。破壊の確認は、別途用意した粘着剤付きの偏光板をクロスニコルになるようにガラス板に貼り、顕微鏡(50倍)で観察して行った。
(実施例2〜21及び比較例1〜3)
表1に示すA〜Dの組成(固形分)からなる粘着性材料の酢酸エチル溶液(固形分14質量%)を用い、粘着剤層(b)と粘着剤層(a)及び位相差層の厚さを表2に示すようにした以外は実施例1と同様にして実施例2〜21及び比較例1〜3の位相差シートを作製した。
表1に示すA〜Dの組成(固形分)からなる粘着性材料の酢酸エチル溶液(固形分14質量%)を用い、粘着剤層(b)と粘着剤層(a)及び位相差層の厚さを表2に示すようにした以外は実施例1と同様にして実施例2〜21及び比較例1〜3の位相差シートを作製した。
上記表2より、実施例1〜21の位相差シートは0.75kgf未満の荷重では位相差層の破壊はみられず、実用上問題ないと判断された。これに対し、比較例1〜3はいずれも0.25kgfで位相差層の破壊が確認され、実用に供することは困難と判断された。
本発明は、軽量化や薄型化が必要とされる液晶ディスプレイや携帯情報端末に特に好適である。
10・・・工程フィルム
12・・・位相差層
14・・・粘着剤層
12・・・位相差層
14・・・粘着剤層
Claims (7)
- 位相差層と、1層または複数層の粘着剤層とを有し、
前記粘着剤層のうち少なくとも1層の粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率(G’)が、0.3〜15MPaであり、
前記位相差層が、液晶性を発現し得る感光性樹脂組成物に偏光照射処理が施されて形成されてなる位相差シート。 - 前記位相差層の厚みが0.01〜30μmである請求項1に記載の位相差シート。
- 前記23℃における貯蔵弾性率(G’)が、0.3〜15MPaである粘着剤層が、アクリル系共重合体と、活性エネルギー線硬化型化合物とを含む粘着性材料にエネルギー線を照射して硬化されてなる請求項1又は2に記載の位相差シート。
- 前記23℃における貯蔵弾性率(G’)が、0.3〜15MPaである粘着剤層上で、前記位相差層が設けられていない側に光学機能性フィルムが設けられてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の位相差シート。
- 前記23℃における貯蔵弾性率(G’)が、0.3〜15MPaである粘着剤層が平均粒径0.1〜30μmの微粒子を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の位相差シート。
- 位相差層を形成する位相差層形成工程と、1層または複数層の粘着剤層を形成する粘着剤層形成工程とを含み、
前記粘着剤層形成工程において形成される前記粘着剤層のうち少なくとも1層の粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率(G’)を0.3〜15MPaとし、
前記位相差層形成工程が、下記工程:
(1)工程フィルムの少なくとも一方の面側に液晶性を発現し得る感光性樹脂組成物を塗布して塗布膜を形成する塗布工程、
(2)前記塗布膜を、前記感光性樹脂組成物の等方相転移温度以上に加熱する加熱工程、
(3)加熱後に、前記感光性樹脂組成物のガラス転移温度以下に冷却する冷却工程、
(4)冷却後に、前記塗布膜に対し偏光を照射する偏光照射工程、
を含む位相差層と粘着剤層とを有する位相差シートの製造方法。 - 前記位相差層形成工程が、偏光照射工程後の塗布膜に加熱処理を施す加熱工程を含む請求項6に記載の位相差シートの製造方法。
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JP2008090791A JP2009244580A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 位相差シート及びその製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016076348A1 (ja) * | 2014-11-12 | 2016-05-19 | 日産化学工業株式会社 | 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子 |
-
2008
- 2008-03-31 JP JP2008090791A patent/JP2009244580A/ja active Pending
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