JP2009243985A - ドップラ式超音波流量計、流速算出ユニット、流量計測方法およびコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【目的】 超音波ドップラ流量計に関して、被測定流体が速い場合や配管径が大きな場合であっても、ナイキストの定理による制限を受けずに、流速の測定が可能な技術を提供する。
【構成】 ドップラシフトした超音波エコーを処理して流速分布を算出するための流体速度分布測定手段には、受信した超音波エコーの周波数を下げる周波数変換モジュールと、 その周波数変換モジュールによって下げられた変換エコーに基づいて被測定流体の流速分布を算出する流速分布算出モジュールと、 その流速分布算出モジュールから算出された流速分布に対して、下げられた変換エコーの逆数を乗算する実流速算出モジュールと、を備える。
【選択図】 図1
【構成】 ドップラシフトした超音波エコーを処理して流速分布を算出するための流体速度分布測定手段には、受信した超音波エコーの周波数を下げる周波数変換モジュールと、 その周波数変換モジュールによって下げられた変換エコーに基づいて被測定流体の流速分布を算出する流速分布算出モジュールと、 その流速分布算出モジュールから算出された流速分布に対して、下げられた変換エコーの逆数を乗算する実流速算出モジュールと、を備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、測定領域の流速分布から被測定流体の流量を時間依存で瞬時に測定することが可能なドップラ式超音波流量計およびそれに関連する技術に関する。
非接触で流量を測定可能であるドップラ式超音波流量計については、さまざまな技術が提供されている。例えば、特許文献1に記載される技術である。
特許文献1などに記載されているドップラ式超音波流量計は、以下のようにして流量を計測する。
まず、所要周波数f0の超音波パルスを超音波の発信間隔(繰り返し周波数=fpr)にて超音波トランスデューサから、測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる(図4参照)。
被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から気泡などの反射体に反射された超音波エコーをエコー受信手段が受信する。 受信した超音波エコーの周波数fDは流速v0に影響されるので、ドップラ効果によって入射した超音波パルスf0とは速度が異なっている(図5参照)。
超音波エコーを測定線上において多数受信し、測定領域における被測定流体の流速分布を流体速度分布測定手段が測定することとなる(図6参照)。すなわち、所要周波数f0の超音波パルスを所定の発信間隔Tprにて発信しているので、反射波は多重反射をする。その多重反射を計測すると、超音波トランスデューサに近い場所で反射した超音波はすぐに戻ってくるし、反対側の配管壁に近い場所で反射した超音波は比較的長い時間を経て戻ってくる。それをプロットしていくと、図6の下図のようになる。これが被測定流体の流速分布として扱うことができるデータとなる。
以上のような被測定流体の流速分布に基づいて、流量演算手段が前記測定領域における被測定流体の流量を演算するのである。
まず、所要周波数f0の超音波パルスを超音波の発信間隔(繰り返し周波数=fpr)にて超音波トランスデューサから、測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる(図4参照)。
被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から気泡などの反射体に反射された超音波エコーをエコー受信手段が受信する。 受信した超音波エコーの周波数fDは流速v0に影響されるので、ドップラ効果によって入射した超音波パルスf0とは速度が異なっている(図5参照)。
超音波エコーを測定線上において多数受信し、測定領域における被測定流体の流速分布を流体速度分布測定手段が測定することとなる(図6参照)。すなわち、所要周波数f0の超音波パルスを所定の発信間隔Tprにて発信しているので、反射波は多重反射をする。その多重反射を計測すると、超音波トランスデューサに近い場所で反射した超音波はすぐに戻ってくるし、反対側の配管壁に近い場所で反射した超音波は比較的長い時間を経て戻ってくる。それをプロットしていくと、図6の下図のようになる。これが被測定流体の流速分布として扱うことができるデータとなる。
以上のような被測定流体の流速分布に基づいて、流量演算手段が前記測定領域における被測定流体の流量を演算するのである。
この技術は、配管内を流れる被測定流体の流速分布を測定し、時間的に変動する過渡時の流量を測定するときの応答性に優れている。また、流体の流れが充分に発達していない箇所や流れが三次元になっている場所、例えばエルボ配管やU字状の反転配管のように曲げられた配管の直後でも、被測定流体の流量を効率的に精度よく瞬時に測定できる。それ以前に提供されていた超音波流量計と比較した場合、実験値や経験値などから割り出された「流量補正係数」がなくても正確な測定が可能であるという特徴があり、大きく評価されている。
さて、上述したように、測定のために発信する超音波は、測定条件によって制限がある。たとえば被測定流体の速度v0が速い場合には、繰り返し周波数fprを高めなければならない。ところが、繰り返し周波数fprを高めると、エリアジングが発生してしまって正確な流速分布を算出できなくなってしまう場合がある。
「エリアジング」とは、ナイキストの定理による限界周波数を超えた信号が、本来とは異なる周波数に変換されてしまい、本来の信号内に侵入する現象をいう。ここで「ナイキストの定理」とは、A/D変換においては、アナログ信号の持つ最高周波数成分の2倍以上のスピードでサンプリングしなければならない、というものである(図5中の式を参照)。
「エリアジング」とは、ナイキストの定理による限界周波数を超えた信号が、本来とは異なる周波数に変換されてしまい、本来の信号内に侵入する現象をいう。ここで「ナイキストの定理」とは、A/D変換においては、アナログ信号の持つ最高周波数成分の2倍以上のスピードでサンプリングしなければならない、というものである(図5中の式を参照)。
一方、測定のために発信する超音波については、被測定流体が流れる配管径の寸法による制限も存在する。すなわち、測定のために発信する超音波は、被測定流体の中に含まれる気泡などの反射体から反射されて超音波エコーとなり、測定に供される。しかし、反射体にぶつからずに配管壁へ達して反射される超音波エコーも存在する。反射体からの超音波エコーと、配管壁からの超音波エコーとを区別するためには、配管壁からの超音波エコーを受信してから、次の超音波を発信することが必要となる。すると、配管径の寸法が大きいと繰り返し周波数を低くしなければならない(図4中の式を参照)。
しかしながら、前述したように、被測定流体が速い場合には、繰り返し周波数を高めなければならない。ところが、繰り返し周波数を高めると、エリアジングが発生してしまい、正確な流速分布を算出できなくなってしまう場合が出てしまうのである。
しかしながら、前述したように、被測定流体が速い場合には、繰り返し周波数を高めなければならない。ところが、繰り返し周波数を高めると、エリアジングが発生してしまい、正確な流速分布を算出できなくなってしまう場合が出てしまうのである。
本発明が解決しようとする課題は、超音波ドップラ流量計に関して、被測定流体が速い場合や配管径が大きな場合であっても、ナイキストの定理による制限を受けずに、流速の測定が可能な技術を提供することにある。
請求項1から請求項4記載の発明の目的は、被測定流体が速い場合や配管径が大きな場合であっても、ナイキストの定理による制限を受けずに、流速の測定が可能な超音波ドップラ流量計もしくはそれに用いるモジュールユニットを提供することにある。
また、請求項5および請求項6に記載の発明の目的は、超音波ドップラ流量計を用いて、被測定流体が速い場合や配管径が大きな場合であっても、ナイキストの定理による制限を受けずに、流速の測定が可能な流速測定方法を提供することにある。
また、請求項7および請求項8に記載の発明の目的は、超音波ドップラ流量計を用いて、被測定流体が速い場合や配管径が大きな場合であっても、ナイキストの定理による制限を受けずに、流速の測定が可能な流速測定コンピュータプログラムを提供することにある。
請求項1から請求項4記載の発明の目的は、被測定流体が速い場合や配管径が大きな場合であっても、ナイキストの定理による制限を受けずに、流速の測定が可能な超音波ドップラ流量計もしくはそれに用いるモジュールユニットを提供することにある。
また、請求項5および請求項6に記載の発明の目的は、超音波ドップラ流量計を用いて、被測定流体が速い場合や配管径が大きな場合であっても、ナイキストの定理による制限を受けずに、流速の測定が可能な流速測定方法を提供することにある。
また、請求項7および請求項8に記載の発明の目的は、超音波ドップラ流量計を用いて、被測定流体が速い場合や配管径が大きな場合であっても、ナイキストの定理による制限を受けずに、流速の測定が可能な流速測定コンピュータプログラムを提供することにある。
上記した課題を解決するため、本願では以下の発明を開示する。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、 被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手段と、 そのエコー受信手段が受信した超音波エコーから測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、 前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段と、を備えて被測定流体の流量を測定するドップラ式超音波流量計に係る。
そして、流体速度分布測定手段には、受信した超音波エコーの周波数を下げる周波数変換モジュールと、 その周波数変換モジュールによって下げられた変換エコーに基づいて被測定流体の流速分布を算出する流速分布算出モジュールと、 その流速分布算出モジュールから算出された流速分布に対して、下げられた変換エコーの逆数を乗算する実流速算出モジュールと、を備えたことを特徴とする。
請求項1記載の発明は、所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、 被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手段と、 そのエコー受信手段が受信した超音波エコーから測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、 前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段と、を備えて被測定流体の流量を測定するドップラ式超音波流量計に係る。
そして、流体速度分布測定手段には、受信した超音波エコーの周波数を下げる周波数変換モジュールと、 その周波数変換モジュールによって下げられた変換エコーに基づいて被測定流体の流速分布を算出する流速分布算出モジュールと、 その流速分布算出モジュールから算出された流速分布に対して、下げられた変換エコーの逆数を乗算する実流速算出モジュールと、を備えたことを特徴とする。
(用語説明)
「周波数変換モジュール」とは、たとえば、周波数を分周する機能を備えた周波数分周器をアナログ回路に取り付けたものである。周波数分周器を備えたアナログ回路によって、受信した超音波エコーの周波数を1/2、1/3といった周波数に変換することができる。
「実流速算出モジュール」とは、前述の周波数変換モジュールにて超音波エコーの周波数を減じた割合を乗ずる演算ユニットである。
「周波数変換モジュール」とは、たとえば、周波数を分周する機能を備えた周波数分周器をアナログ回路に取り付けたものである。周波数分周器を備えたアナログ回路によって、受信した超音波エコーの周波数を1/2、1/3といった周波数に変換することができる。
「実流速算出モジュール」とは、前述の周波数変換モジュールにて超音波エコーの周波数を減じた割合を乗ずる演算ユニットである。
(作用)
超音波送信手段が所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる。このときの超音波パルスの繰り返し周波数は、配管径が大きかったり、予測される流速が速い場合には、ナイキストの定理から算定される制限よりも高くても良い。
被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーをエコー受信手段が受信し、受信した超音波エコーから測定領域における被測定流体の流速分布を流体速度分布測定手段が測定することとなる。 ここで、流体速度分布測定手段においては、以下のようにして流速分布を算出する。まず、周波数変換モジュールが受信した超音波エコーの周波数を下げる。このため、繰り返し周波数が高くても、サンプリングしたときにデジタル化処理によって誤差が発生することない。
下げられた変換エコーに基づいて被測定流体の流速分布を流速分布算出モジュールが算出する。その流速分布算出モジュールから算出された流速分布に対して、実流速算出モジュールが下げられた変換エコーの逆数を乗算する。これによって、元の周波数に基づく流速分布が算出できる。
前記被測定流体の流速分布に基づいて、流量演算手段が前記測定領域における被測定流体の流量を演算する。
超音波送信手段が所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる。このときの超音波パルスの繰り返し周波数は、配管径が大きかったり、予測される流速が速い場合には、ナイキストの定理から算定される制限よりも高くても良い。
被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーをエコー受信手段が受信し、受信した超音波エコーから測定領域における被測定流体の流速分布を流体速度分布測定手段が測定することとなる。 ここで、流体速度分布測定手段においては、以下のようにして流速分布を算出する。まず、周波数変換モジュールが受信した超音波エコーの周波数を下げる。このため、繰り返し周波数が高くても、サンプリングしたときにデジタル化処理によって誤差が発生することない。
下げられた変換エコーに基づいて被測定流体の流速分布を流速分布算出モジュールが算出する。その流速分布算出モジュールから算出された流速分布に対して、実流速算出モジュールが下げられた変換エコーの逆数を乗算する。これによって、元の周波数に基づく流速分布が算出できる。
前記被測定流体の流速分布に基づいて、流量演算手段が前記測定領域における被測定流体の流量を演算する。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のドップラ式超音波流量計を限定したものである。
すなわち、前記の流体速度分布測定手段には、エリアジングが発生した旨を検知するエリアジング検知手段を備えるとともに そのエリアジング検知手段がエリアジングの発生を検知した場合に、前記の周波数変換モジュールを機能させることとしたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のドップラ式超音波流量計を限定したものである。
すなわち、前記の流体速度分布測定手段には、エリアジングが発生した旨を検知するエリアジング検知手段を備えるとともに そのエリアジング検知手段がエリアジングの発生を検知した場合に、前記の周波数変換モジュールを機能させることとしたことを特徴とする。
(用語説明)
「エリアジング検知手段」とは、エリアジングが発生したことを検知するための手段であり、具体的には、エリアジングの発生パターンにおける各種のデータをデータベースに記憶していて、そのデータとの比較においてエリアジングの発生を検知する。例えば、流速分布を計測している場合には、配管壁面部分の流速は必ずゼロであるので、エリアジングが発生していない領域が存在する。流速は配管壁面に対応した箇所から最大速度までなだらかに上昇するが、エリアジングの発生により,測定された流速には不連続性が生じる。このような不連続性パターンをデータベース化しておくのである。
また、速度を距離で微分し(空間微分)、微分値が大きな値をなす二点間を判別することによって不連続な区間を判別し、その領域においてエリアジングの発生を判別する、という方法もある。
「エリアジング検知手段」とは、エリアジングが発生したことを検知するための手段であり、具体的には、エリアジングの発生パターンにおける各種のデータをデータベースに記憶していて、そのデータとの比較においてエリアジングの発生を検知する。例えば、流速分布を計測している場合には、配管壁面部分の流速は必ずゼロであるので、エリアジングが発生していない領域が存在する。流速は配管壁面に対応した箇所から最大速度までなだらかに上昇するが、エリアジングの発生により,測定された流速には不連続性が生じる。このような不連続性パターンをデータベース化しておくのである。
また、速度を距離で微分し(空間微分)、微分値が大きな値をなす二点間を判別することによって不連続な区間を判別し、その領域においてエリアジングの発生を判別する、という方法もある。
(作用)
前記の流体速度分布測定手段において、エリアジング検知手段によってエリアジングが発生したか否かを検知する。そして、エリアジング検知手段がエリアジングの発生を検知した場合に、前記の周波数変換モジュールを機能させる。
エリアジングが発生していなければ、周波数変換モジュールが機能しなくても、流量を計測することができる。エリアジングが発生しないのであれば、分周および逆数の乗算という二度の演算に伴う誤差の発生のおそれがない。
前記の流体速度分布測定手段において、エリアジング検知手段によってエリアジングが発生したか否かを検知する。そして、エリアジング検知手段がエリアジングの発生を検知した場合に、前記の周波数変換モジュールを機能させる。
エリアジングが発生していなければ、周波数変換モジュールが機能しなくても、流量を計測することができる。エリアジングが発生しないのであれば、分周および逆数の乗算という二度の演算に伴う誤差の発生のおそれがない。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のドップラ式超音波流量計を限定したものである。
すなわち、前記の超音波送信手段と前記のエコー受信手段とは、前記の超音波トランスデューサにおいて一体とした受発信部として形成したことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のドップラ式超音波流量計を限定したものである。
すなわち、前記の超音波送信手段と前記のエコー受信手段とは、前記の超音波トランスデューサにおいて一体とした受発信部として形成したことを特徴とする。
(作用)
受発信部が一体化された超音波トランスデューサを用いれば、流速の計測前の取り付けや調整が容易となる。
受発信部が一体化された超音波トランスデューサを用いれば、流速の計測前の取り付けや調整が容易となる。
(請求項4)
請求項4記載の発明は、請求項1に記載のドップラ式超音波流量計における主要部をモジュールユニットとした発明に係る。
すなわち、エコー受信手段が受信した超音波エコーの周波数を下げる周波数変換モジュールと、 その周波数変換モジュールによって下げられた変換エコーに基づいて被測定流体の流速分布を算出する流速分布算出モジュールと、 その流速分布算出モジュールから算出された流速分布に対して、下げられた変換エコーの逆数を乗算する実流速算出モジュールと、を備えて形成したことを特徴とする超音波流量計に用いる流速算出ユニットに係る。
請求項4記載の発明は、請求項1に記載のドップラ式超音波流量計における主要部をモジュールユニットとした発明に係る。
すなわち、エコー受信手段が受信した超音波エコーの周波数を下げる周波数変換モジュールと、 その周波数変換モジュールによって下げられた変換エコーに基づいて被測定流体の流速分布を算出する流速分布算出モジュールと、 その流速分布算出モジュールから算出された流速分布に対して、下げられた変換エコーの逆数を乗算する実流速算出モジュールと、を備えて形成したことを特徴とする超音波流量計に用いる流速算出ユニットに係る。
(請求項5)
請求項5記載の発明は、 所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、 被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手段と、 そのエコー受信手段が受信した超音波エコーから測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と 前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段と、を備えて被測定流体の流量を測定するドップラ式超音波流量計を用いた流量計測方法に係る。
すなわち、所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波発信手順と、 被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手順と、 そのエコー受信手順にて受信した超音波エコーの周波数を下げる周波数変換手順と、 その周波数変換手順にて周波数を下げられた変換エコーに基づいて被測定流体の流速分布を算出する流速分布算出手順と、 その流速分布算出手順にて算出された流速分布に対して、下げられた変換エコーの逆数を乗算することで実流速を算出する実流速算出手順と、 その実流速算出手順にて算出された実流速を用いた流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手順と、を備えて被測定流体の流量を測定する流量計測方法である。
請求項5記載の発明は、 所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、 被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手段と、 そのエコー受信手段が受信した超音波エコーから測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と 前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段と、を備えて被測定流体の流量を測定するドップラ式超音波流量計を用いた流量計測方法に係る。
すなわち、所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波発信手順と、 被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手順と、 そのエコー受信手順にて受信した超音波エコーの周波数を下げる周波数変換手順と、 その周波数変換手順にて周波数を下げられた変換エコーに基づいて被測定流体の流速分布を算出する流速分布算出手順と、 その流速分布算出手順にて算出された流速分布に対して、下げられた変換エコーの逆数を乗算することで実流速を算出する実流速算出手順と、 その実流速算出手順にて算出された実流速を用いた流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手順と、を備えて被測定流体の流量を測定する流量計測方法である。
(請求項6)
請求項6記載の発明は、請求項5に記載の流量計測方法に対して、エコー受信手順にて受信した超音波エコーの周波数によってエリアジングが発生するか否かを検知するエリアジング検知手順を加えた流量計測方法である。
すなわち、 所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波発信手順と、 被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手順と、 そのエコー受信手順にて受信した超音波エコーの周波数によってエリアジングが発生するか否かを検知するエリアジング検知手順と、 そのエリアジング検知手順にてエリアジングが発生すると判断された場合には、前記エコー受信手順にて受信した超音波エコーの周波数を下げる周波数変換手順と、 その周波数変換手順にて周波数を下げられた変換エコーに基づいて被測定流体の流速分布を算出する流速分布算出手順と、 その流速分布算出手順にて算出された流速分布に対して、下げられた変換エコーの逆数を乗算することで実流速を算出する実流速算出手順と、 その実流速算出手順にて算出された実流速を用いた流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手順と、を備えて被測定流体の流量を測定する流量計測方法に係る。
請求項6記載の発明は、請求項5に記載の流量計測方法に対して、エコー受信手順にて受信した超音波エコーの周波数によってエリアジングが発生するか否かを検知するエリアジング検知手順を加えた流量計測方法である。
すなわち、 所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波発信手順と、 被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手順と、 そのエコー受信手順にて受信した超音波エコーの周波数によってエリアジングが発生するか否かを検知するエリアジング検知手順と、 そのエリアジング検知手順にてエリアジングが発生すると判断された場合には、前記エコー受信手順にて受信した超音波エコーの周波数を下げる周波数変換手順と、 その周波数変換手順にて周波数を下げられた変換エコーに基づいて被測定流体の流速分布を算出する流速分布算出手順と、 その流速分布算出手順にて算出された流速分布に対して、下げられた変換エコーの逆数を乗算することで実流速を算出する実流速算出手順と、 その実流速算出手順にて算出された実流速を用いた流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手順と、を備えて被測定流体の流量を測定する流量計測方法に係る。
エリアジング検知手順においてエリアジングは発生しないと判断された場合には、周波数変換手順においては受信した超音波エコーの周波数を変更せず、流速分布算出手順においては、変更しない超音波エコーの周波数にて被測定流体の流速分布を算出し、実流速算出手順では1を乗算することとなる。
(請求項7)
請求項7記載の発明は、 所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、 被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手段と、 そのエコー受信手段が受信した超音波エコーから測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と 前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段と、を備えて被測定流体の流量を測定するドップラ式超音波流量計を用いた流量計測プログラムに係る。
すなわち、所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波発信手順と、 被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手順と、 そのエコー受信手順にて受信した超音波エコーの周波数を下げる周波数変換手順と、 その周波数変換手順にて周波数を下げられた変換エコーに基づいて被測定流体の流速分布を算出する流速分布算出手順と、 その流速分布算出手順にて算出された流速分布に対して、下げられた変換エコーの逆数を乗算することで実流速を算出する実流速算出手順と、 その実流速算出手順にて算出された実流速を用いた流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手順と、を前記ドップラ式超音波流量計の制御に用いるコンピュータに実行させることとしたコンピュータプログラムである。
請求項7記載の発明は、 所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、 被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手段と、 そのエコー受信手段が受信した超音波エコーから測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と 前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段と、を備えて被測定流体の流量を測定するドップラ式超音波流量計を用いた流量計測プログラムに係る。
すなわち、所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波発信手順と、 被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手順と、 そのエコー受信手順にて受信した超音波エコーの周波数を下げる周波数変換手順と、 その周波数変換手順にて周波数を下げられた変換エコーに基づいて被測定流体の流速分布を算出する流速分布算出手順と、 その流速分布算出手順にて算出された流速分布に対して、下げられた変換エコーの逆数を乗算することで実流速を算出する実流速算出手順と、 その実流速算出手順にて算出された実流速を用いた流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手順と、を前記ドップラ式超音波流量計の制御に用いるコンピュータに実行させることとしたコンピュータプログラムである。
(請求項8)
請求項8記載の発明は、請求項7に記載の流量計測プログラムに対して、エコー受信手順にて受信した超音波エコーの周波数によってエリアジングが発生するか否かを検知するエリアジング検知手順を加えたものである。
すなわち、 所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波発信手順と、 被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手順と、 そのエコー受信手順にて受信した超音波エコーについてエリアジングが発生するか否かを検知するエリアジング検知手順と そのエコー受信手順にてエリアジングが発生すると判断された場合には、前記エコー受信手順にて受信した超音波エコーの周波数を下げる周波数変換手順と、 その周波数変換手順にて周波数を下げられた変換エコーに基づいて被測定流体の流速分布を算出する流速分布算出手順と、 その流速分布算出手順にて算出された流速分布に対して、下げられた変換エコーの逆数を乗算することで実流速を算出する実流速算出手順と、 その実流速算出手順にて算出された実流速を用いた流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手順と、を前記ドップラ式超音波流量計の制御に用いるコンピュータに実行させることとしたコンピュータプログラムに係る。
請求項8記載の発明は、請求項7に記載の流量計測プログラムに対して、エコー受信手順にて受信した超音波エコーの周波数によってエリアジングが発生するか否かを検知するエリアジング検知手順を加えたものである。
すなわち、 所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波発信手順と、 被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手順と、 そのエコー受信手順にて受信した超音波エコーについてエリアジングが発生するか否かを検知するエリアジング検知手順と そのエコー受信手順にてエリアジングが発生すると判断された場合には、前記エコー受信手順にて受信した超音波エコーの周波数を下げる周波数変換手順と、 その周波数変換手順にて周波数を下げられた変換エコーに基づいて被測定流体の流速分布を算出する流速分布算出手順と、 その流速分布算出手順にて算出された流速分布に対して、下げられた変換エコーの逆数を乗算することで実流速を算出する実流速算出手順と、 その実流速算出手順にて算出された実流速を用いた流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手順と、を前記ドップラ式超音波流量計の制御に用いるコンピュータに実行させることとしたコンピュータプログラムに係る。
エリアジング検知手順においてエリアジングは発生しないと判断された場合には、周波数変換手順においては受信した超音波エコーの周波数を変更せず、流速分布算出手順においては、変更しない超音波エコーの周波数にて被測定流体の流速分布を算出し、実流速算出手順では1を乗算することとなる。
請求項7または請求項8に係るコンピュータプログラムを、記録媒体へ記憶させて提供することもできる。ここで、「記録媒体」とは、それ自身では空間を占有し得ないプログラムを担持することができる媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−R、MO(光磁気ディスク)、DVD−Rなどである。
また、これらの発明に係るプログラムを格納したコンピュータから、通信回線を通じて他のコンピュータへ伝送することも可能である。
なお、汎用的なコンピュータを備えたドップラ式超音波流量計に対して、上記のような各手段を達成可能であるようなプログラムをプリインストール、あるいはダウンロードすることで、請求項1等に係る機能を備えたドップラ式超音波流量計を形成することも可能である。
また、これらの発明に係るプログラムを格納したコンピュータから、通信回線を通じて他のコンピュータへ伝送することも可能である。
なお、汎用的なコンピュータを備えたドップラ式超音波流量計に対して、上記のような各手段を達成可能であるようなプログラムをプリインストール、あるいはダウンロードすることで、請求項1等に係る機能を備えたドップラ式超音波流量計を形成することも可能である。
請求項1から請求項4記載の発明によれば、被測定流体が速い場合や配管径が大きな場合であっても、ナイキストの定理による制限を受けずに、流速および流量の測定が可能な超音波ドップラ流量計もしくはそれに用いるモジュールユニットを提供することができた。
また、請求項5および請求項6に記載の発明によれば、超音波ドップラ流量計を用いて、被測定流体が速い場合や配管径が大きな場合であっても、ナイキストの定理による制限を受けずに、流速および流量の測定が可能な流量測定方法を提供することができた。
また、請求項7および請求項8に記載の発明によれば、超音波ドップラ流量計を用いて、被測定流体が速い場合や配管径が大きな場合であっても、ナイキストの定理による制限を受けずに、流速および流量の測定が可能な流量測定コンピュータプログラムを提供することができた。
また、請求項5および請求項6に記載の発明によれば、超音波ドップラ流量計を用いて、被測定流体が速い場合や配管径が大きな場合であっても、ナイキストの定理による制限を受けずに、流速および流量の測定が可能な流量測定方法を提供することができた。
また、請求項7および請求項8に記載の発明によれば、超音波ドップラ流量計を用いて、被測定流体が速い場合や配管径が大きな場合であっても、ナイキストの定理による制限を受けずに、流速および流量の測定が可能な流量測定コンピュータプログラムを提供することができた。
本願発明を、図面および実施形態に基づいて更に詳しく説明する。ここで使用する図面は、図1ないし図3である。
図1は、ドップラ式超音波流量計に用いる超音波トランスデューサと、その超音波トランスデューサが受信する超音波エコーについての演算モジュールをブロック図として示したものであり、本発明の実施形態である。比較のため、図3には、従来のドップラ式超音波流量計における超音波エコーについての演算モジュールをブロック図として示す。更に、図2においては、超音波トランスデューサから超音波を発信し、受信した超音波エコーを演算モジュールによって処理したエコー信号について、本実施形態と従来の方式とを比較図示している。それぞれ,図1および図3における計測箇所Xでの信号である。
図1は、ドップラ式超音波流量計に用いる超音波トランスデューサと、その超音波トランスデューサが受信する超音波エコーについての演算モジュールをブロック図として示したものであり、本発明の実施形態である。比較のため、図3には、従来のドップラ式超音波流量計における超音波エコーについての演算モジュールをブロック図として示す。更に、図2においては、超音波トランスデューサから超音波を発信し、受信した超音波エコーを演算モジュールによって処理したエコー信号について、本実施形態と従来の方式とを比較図示している。それぞれ,図1および図3における計測箇所Xでの信号である。
詳しい図示は省略するが、本実施形態に係るドップラ式超音波流量計は、発信周波数f0、繰り返し周波数fprの超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、 被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域の反射体から反射された超音波エコーfDを受信するエコー受信手段と、 そのエコー受信手段が受信した超音波エコーから測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、 前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段と、を備えて被測定流体の流量を測定するものである。
すなわち、ドップラシフト周波数Δfd=超音波エコーfD−発信周波数f0
という関係が成り立つ。
すなわち、ドップラシフト周波数Δfd=超音波エコーfD−発信周波数f0
という関係が成り立つ。
前記超音波送信手段と前記エコー受信手段とは、例えば,超音波トランスデューサにおいて、一体に形成している。パルス電気信号の印加によって形成される発信周波数f0の超音波パルスは、例えばパルス幅15mm程度で拡がりをほとんど持たない直進性のビームである。100mm程度のパルス幅のものもある。
図示は省略するが、超音波トランスデューサにおける中央部に超音波の送信部を、その送信部の周囲に超音波の受信部を備える。超音波送信手段とエコー受信手段とを一体に形成しているので、取り付けや角度調整などが行いやすい。
図示は省略するが、超音波トランスデューサにおける中央部に超音波の送信部を、その送信部の周囲に超音波の受信部を備える。超音波送信手段とエコー受信手段とを一体に形成しているので、取り付けや角度調整などが行いやすい。
反射体は、被測定流体とは音響インピーダンスが異なる必要があり、被測定流体中に一様に含まれる気泡が一般的である。しかし、被測定流体に気泡が少ないような場合には、流速測定のために、アルミニウムの微粉末等を被測定流体に混入させる場合もある。
図1に示す演算モジュールは、受信した超音波エコーの周波数fDを下げる周波数変換モジュールと、 その周波数変換モジュールによって下げられた変換エコーに基づいて被測定流体の流速分布を算出する流速分布算出モジュールと、 その流速分布算出モジュールから算出された流速分布に対して、下げられた変換エコーの逆数を乗算する実流速算出モジュールと、を備える。
周波数変換モジュールとは、例えば,超音波エコーfDをnで除する分周器である。その分周器によってfD/nとなった超音波エコーは、ローパスフィルタを備えるアナログ回路によってドップラシフト周波数Δfd/nのみが取り出せる。f0に比べてΔfdが極めて小さいからである。
周波数変換モジュールには,超音波エコーfDを一旦FIFO(First−In First−Out;ある場所に格納したデータを,古く格納した順に取り出す方式)メモリに書き込んで,超音波エコーfDの読み出しのタイミングを遅延させる装置もある。
周波数変換モジュールとは、例えば,超音波エコーfDをnで除する分周器である。その分周器によってfD/nとなった超音波エコーは、ローパスフィルタを備えるアナログ回路によってドップラシフト周波数Δfd/nのみが取り出せる。f0に比べてΔfdが極めて小さいからである。
周波数変換モジュールには,超音波エコーfDを一旦FIFO(First−In First−Out;ある場所に格納したデータを,古く格納した順に取り出す方式)メモリに書き込んで,超音波エコーfDの読み出しのタイミングを遅延させる装置もある。
取り出されたドップラシフト信号Δfd/nは、必要に応じて増幅器で増幅された後、A/D変換器を通ってデジタル化される。そして、被測定流体の流速Vを算出するため、V/nとして算出された信号処理の結果に対して、nを乗算する。これによって被測定流体の流速Vが算出できる。そして、このような手法にて算出する流速Vを、多数の超音波エコーに対しても算出することで、流速分布が算出できる。
前述した流量演算手段は、その流速分布を積分演算することで被測定流体の流量を計測する。
前述した流量演算手段は、その流速分布を積分演算することで被測定流体の流量を計測する。
図3に示す従来技術によっても、条件によっては流速Vを算出することができる。しかし、A/D変換器においてデジタル回路による信号処理の際に、エリアジングが発生してしまい、正確な流速分布を算出できなくなってしまう場合が出てしまう。本実施形態では、エリアジングの発生の有無にかかわらず、流速Vを算出することができる。
換言すれば、エリアジングが発生する可能性のある発信周波数f0や、繰り返し返し周波数fprを設定しても、流速Vを算出することができる。このため、被測定流体の流速が速い場合や、配管径が大きい場合にも対応可能となる。
換言すれば、エリアジングが発生する可能性のある発信周波数f0や、繰り返し返し周波数fprを設定しても、流速Vを算出することができる。このため、被測定流体の流速が速い場合や、配管径が大きい場合にも対応可能となる。
図2(a)には、被測定流体における反射体が計測点A、B、Cに存在した場合、分周器を備えていない従来手法によるエコー信号を示している。一方、図2(b)に示すのは前記の分周器において、n=2とした場合のエコー信号の処理である。
前述の実施形態では、エリアジングの発生の有無とは無関係に流速Vを算出することができる、として説明したが、エリアジング検知手段を備えることによって、エリアジングが発生した場合にのみ、超音波エコーの周波数fDを下げる周波数変換モジュールを機能させるように形成することもできる。
ここで、エリアジング検知手段とは、エリアジングの発生パターンにおける各種のデータをデータベースに記憶していて、そのデータとの比較においてエリアジングの発生を検知する。例えば、流速分布を計測している場合には、配管壁面部分の流速は必ずゼロであるので、エリアジングが発生していない領域が存在する。流速は配管壁面に対応した箇所から最大速度までなだらかに上昇するが、エリアジングの発生により,測定された流速には不連続性が生じる。このような不連続性パターンをデータベース化しておくのである。
なお、速度を距離で微分し(空間微分)、微分値が大きな値をなす二点間を判別することによって不連続な区間を判別し、その領域においてエリアジングの発生を判別する、という手法を採用しても良い。
なお、速度を距離で微分し(空間微分)、微分値が大きな値をなす二点間を判別することによって不連続な区間を判別し、その領域においてエリアジングの発生を判別する、という手法を採用しても良い。
本願発明は、流量計や流速計の製造業、流量計や流速計の販売業やメンテナンス業、プラントの保守・メンテナンス業、プラントの制御に関わるコンピュータプログラムの製作・メンテナンス業などにおいて、利用可能性がある。
Claims (8)
- 所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、
被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手段と、
そのエコー受信手段が受信した超音波エコーから測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、
前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段と、を備えて被測定流体の流量を測定するドップラ式超音波流量計であって、
前記の流体速度分布測定手段には、受信した超音波エコーの周波数を下げる周波数変換モジュールと、
その周波数変換モジュールによって下げられた変換エコーに基づいて被測定流体の流速分布を算出する流速分布算出モジュールと、
その流速分布算出モジュールから算出された流速分布に対して、下げられた変換エコーの逆数を乗算する実流速算出モジュールと、を備えたことを特徴とするドップラ式超音波流量計。 - 前記の流体速度分布測定手段には、エリアジングの発生を検知するエリアジング検知手段を備えるとともに、
そのエリアジング検知手段がエリアジングの発生を検知した場合に、前記の周波数変換モジュールを機能させることとしたことを特徴とする請求項1記載のドップラ式超音波流量計。 - 前記の超音波送信手段と前記のエコー受信手段とは、前記の超音波トランスデューサにおいて一体とした受発信部として形成したことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のドップラ式超音波流量計。
- 所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、
被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手段と、
そのエコー受信手段が受信した超音波エコーから測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、
前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段と、を備えて被測定流体の流量を測定する超音波流量計に用いる流速算出ユニットであって、
前記エコー受信手段が受信した超音波エコーの周波数を下げる周波数変換モジュールと、
その周波数変換モジュールによって下げられた変換エコーに基づいて被測定流体の流速分布を算出する流速分布算出モジュールと、
その流速分布算出モジュールから算出された流速分布に対して、下げられた変換エコーの逆数を乗算する実流速算出モジュールと、を備えて形成したことを特徴とする流速算出ユニット。 - 所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、 被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手段と、 そのエコー受信手段が受信した超音波エコーから測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と 前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段と、を備えて被測定流体の流量を測定するドップラ式超音波流量計を用いた流量計測方法であって、
所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波発信手順と、
被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手順と、
そのエコー受信手順にて受信した超音波エコーの周波数を下げる周波数変換手順と、
その周波数変換手順にて周波数を下げられた変換エコーに基づいて被測定流体の流速分布を算出する流速分布算出手順と、
その流速分布算出手順にて算出された流速分布に対して、下げられた変換エコーの逆数を乗算することで実流速を算出する実流速算出手順と、
その実流速算出手順にて算出された実流速を用いた流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手順と、を備えて被測定流体の流量を測定する流量計測方法。 - 所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、 被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手段と、 そのエコー受信手段が受信した超音波エコーから測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と 前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段と、を備えて被測定流体の流量を測定するドップラ式超音波流量計を用いた流量計測方法であって、
所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波発信手順と、
被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手順と、
そのエコー受信手順にて受信した超音波エコーの周波数によってエリアジングが発生するか否かを検知するエリアジング検知手順と、
そのエリアジング検知手順にてエリアジングが発生すると判断された場合には、前記エコー受信手順にて受信した超音波エコーの周波数を下げる周波数変換手順と、
その周波数変換手順にて周波数を下げられた変換エコーに基づいて被測定流体の流速分布を算出する流速分布算出手順と、
その流速分布算出手順にて算出された流速分布に対して、下げられた変換エコーの逆数を乗算することで実流速を算出する実流速算出手順と、
その実流速算出手順にて算出された実流速を用いた流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手順と、を備えて被測定流体の流量を測定する流量計測方法。 - 所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、 被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手段と、 そのエコー受信手段が受信した超音波エコーから測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と 前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段と、を備えて被測定流体の流量を測定するドップラ式超音波流量計を用いた流量計測プログラムであって、
所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波発信手順と、
被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手順と、
そのエコー受信手順にて受信した超音波エコーの周波数を下げる周波数変換手順と、
その周波数変換手順にて周波数を下げられた変換エコーに基づいて被測定流体の流速分布を算出する流速分布算出手順と、
その流速分布算出手順にて算出された流速分布に対して、下げられた変換エコーの逆数を乗算することで実流速を算出する実流速算出手順と、
その実流速算出手順にて算出された実流速を用いた流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手順と、を前記ドップラ式超音波流量計の制御に用いるコンピュータに実行させることとしたコンピュータプログラム。 - 所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、 被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手段と、 そのエコー受信手段が受信した超音波エコーから測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と 前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段と、を備えて被測定流体の流量を測定するドップラ式超音波流量計を用いた流量計測プログラムであって、
所要周波数の超音波パルスを超音波トランスデューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波発信手順と、
被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信するエコー受信手順と、
そのエコー受信手順にて受信した超音波エコーについてエリアジングが発生するか否かを検知するエリアジング検知手順と
そのエコー受信手順にてエリアジングが発生すると判断された場合には、前記エコー受信手順にて受信した超音波エコーの周波数を下げる周波数変換手順と、
その周波数変換手順にて周波数を下げられた変換エコーに基づいて被測定流体の流速分布を算出する流速分布算出手順と、
その流速分布算出手順にて算出された流速分布に対して、下げられた変換エコーの逆数を乗算することで実流速を算出する実流速算出手順と、
その実流速算出手順にて算出された実流速を用いた流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手順と、を前記ドップラ式超音波流量計の制御に用いるコンピュータに実行させることとしたコンピュータプログラム。
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