JP2009243157A - 掘削作業機械の掘削制御装置 - Google Patents

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Kazuhiro Sugawara
一宏 菅原
Hideto Ishibashi
英人 石橋
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Abstract

【課題】掘削動作のためのオペレータのレバー操作量を低減し、オペレータに大きな負担を掛けずに適正な作業を行なうことができるようにする。
【解決手段】操作レバー20a,20bのバケット,アームの上げ方向の操作量に応じた正値の速度指令信号SCa(+),SCb(+)を速度指令生成部24a,24bが出力するとき、オフセットコントローラ29は、センサ33〜36の検出出力を用いて、重負荷状態でバケット,アームが掘削対象物の掘削動作を行なっていることを検出すると、スイッチ28をオンし、オフセット値設定器37でのオフセット値OFが、スイッチ28を介し、オフセット信号生成部27a,27bでオフセット信号SOa,SObに変換されて加算部25a,25bに供給され、速度指令信号SCa(+),SCb(+)に加算される。加算部25a,25bの出力信号は、バケットやアームのシリンダの駆動信号の生成に用いられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ホイルローダなどの車輪を有する掘削作業機械の掘削制御装置に関する。
従来、ホイールローダのような掘削作業機械では、走行しながらバケットやアームなどを制御し、バケットを掘削対象物に貫入させてバケット内にこの掘削対象物の一部をすくい取り、バケットを上向きに回動させるとともに、アームを上げ方向に回動させることにより、掘削対象物の一部が積み込まれたバケットを持ち上げて掘削対象物の掘削を行なう。
このような掘削作業では、バケットやアームを制御するために、オペレータは掘削作業機械の運転室に設けられたバケット操作用レバーやアーム操作用レバーが操作されるのであるが、かかるバケット操作用レバーやアーム操作用レバーからは、その操作量に応じた電気信号が発生されるようにし、この電気信号に応じて油圧回路の電子制御式油圧バルブを制御することにより、アクチュエータのロッドを制御し、バケットやアームを制御するようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
なお、この特許文献1に記載の技術では、上記の掘削作業のように繰り返し行なわれる作業については、オペレータのレバー操作内容を記憶し、かかる作業をパネルで選択できるようにしており、これを選択してボタンを押すと、これら選択されたレバー操作内容を自動的に再現し、作業が自動的に行なわれるようにしており、かかる自動化作業の修正は、操作レバーの操作によって行なわれるようにしている。
また、このように、掘削作業機械では、作業の自動化が図られているが、他の自動化の例として、掘削対象物の掘削からこの掘削した対象物をダンプトラックに積み込むまでの一連の作業を自動化することも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平2−142906号公報 特開平10−88625号公報
上記特許文献1に記載のような掘削作業機械では、掘削作業を行なう場合、一方の手で車体のステアリングを操作し、他方の手でアームやバケットの操作レバーを操作することが必要である。このようなレバー操作では、その操作量に応じてアームやバケットの回動速度が増すものであり、このため、掘削などに際しては、必要な回転量が得られるようにするために、掘削作業の状況に応じて操作レバーの操作量を増さなければならない。このようなオペレータの作業負担を低減するために、特許文献1に記載の発明では、掘削対象物の掘削の際の自動化が図られており、また、上記特許文献2に記載の発明では、掘削からダンプトラックへの積み込みまでの自動化が図られている。
ところで、上記特許文献1に記載の掘削作業機械では、記憶された操作量に応じた電気信号から生成される制御信号により、油圧回路では、電磁弁が制御されてコントロールバルブの開口面積が制御され、この開口面積を通過した圧油によってバケットやアームのシリンダが駆動されることにより、バケットやアームが回動駆動されるオープンループによる制御が行なわれる。このようなオープンループによる制御の場合には、掘削対象物の種類や状況(湿っていたり、乾燥したりしていることなど)などにより、シリンダにかかる負荷が異なるものであるが、図6に実線で示すように、シリンダにかかる負荷の大きさ(軽負荷,中負荷,重負荷)に応じてレバー操作量に対するシリンダ速度が異なることになる。このため、軽負荷時には、比較的レバー操作量に応じたシリンダ速度でシリンダが動作するものであるが、負荷が大きくなるにつれて同じレバー操作量に対するシリンダ速度が小さくなるように、変化していく。
このため、特許文献1に記載のホイールローダの場合のように、オペレータによるレバー操作内容を再現することによって掘削作業を自動的に行なう場合には、シリンダに負荷が掛かり過ぎてバケットが掘削対象物である土砂に充分に入り込まないのに、掘削動作が途中で終了してしまったり、バケット駆動用のシリンダとアーム駆動用のシリンダとに掛かる負荷がアンバランスとなり、いずれか一方のシリンダが高速に動作してバケットが土砂に貫入しないといった不具合が生ずることになる(以上、第1の問題点)。
また、上記特許文献1に記載の技術のように、自動化作業の修正をレバー操作によって行なう場合、自動化作業の速度指令信号にレバー操作による修正信号が加算されるものであるが、負荷が大きすぎる場合には、バケットやアームの動作が不充分であり、これを補うために、バケットやアームを動作させる方向の修正信号が得られるように、レバー操作をすればよい。しかしながら、負荷が軽いときには、シリンダ速度が大きくなってバケットやアームが速い速度で動作することになる。通常のレバー操作では、これを修正するために、操作レバーへの操作力を緩めて操作レバーを中立位置方向に操作し、シリンダ速度を低減するようにするものであるが、自動化作業の修正のためのレバー操作では、操作レバーを中立位置に設定しても、自動化作業によるシリンダの動作が行なわれているので、シリンダが動作している方向とは逆方向に動作させる修正信号を加算する必要があり、通常のレバー操作とは異なる修正操作が必要となる。このように、通常のレバー操作と自動化作業の修正操作とではその操作方法が異なるものであり、このため、オペレータは操作の混乱を招くことになる(以上、第2の問題点)。
また、特許文献1には、自動化作業が繰り返すとのみ記載され、その終了に関する記載がなく、自動化作業がどのようにして終了するのか、また、自動化作業からオペレータのレバー操作による通常運転へ移行させるためには、どのようにすればよいのか不明である(第3の問題点)。
また、特許文献1に記載の掘削作業機械では、バケットやアームに掛かる負荷に応じて記憶させる際または修正の際のレバー操作量が異なるものであり、負荷が大きいときには、レバー操作量も大きくなる。このため、掘削対象物の掘削動作時に掛かる負荷が大きいときには、シリンダを動かすためのレバー操作量が大きくなり、この結果、オペレータに過大の負担をかけることになる(第4の問題点)。
このように、特許文献1に記載の発明は、使い勝手に問題がある。
また、上記特許文献2に記載の技術は、掘削対象物の掘削からダンプトラックへの積み込みまでの一連の作業を自動化するものであるが、かかる作業の自動化においても、上記特許文献1に記載の技術と同様、オープンループによる制御の場合、制御誤差が大きくなるという問題(上記の第1の問題点)がある。この制御誤差を検出して修正するフィードバック制御を実施しようとしても、シリンダに掛かる負荷により、シリンダの動作速度が変動するため、アーム及びバケットの最適な動作制御を実現することができず、自動掘削作業に時間が掛かることになる(以上、第5の問題点)。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、掘削動作のためのオペレータのレバー操作量を低減し、オペレータに大きな負担を掛けずに適正な作業を行なうことができ、作業の自動化においても、この自動化に適応した制御を行なうことができるようにした掘削作業機械の掘削制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、操作量と操作方向に応じた電気信号を発生するバケット操作用レバーと、操作量と操作方向に応じた電気信号を発生するアーム操作用レバーとを備え、バケット操作用レバーの操作に応じてバケットシリンダを制御することにより、バケットを操作量と操作方向に応じて動作させ、アーム操作用レバーの操作に応じてアームシリンダを制御することにより、アームを操作量と操作方向に応じて動作させる掘削作業機械の掘削制御装置であって、バケット操作用レバーからの電気信号によりバケットに対するバケット速度指令信号を生成するバケット速度指令信号生成手段と、アーム操作用レバーからの電気信号によりアームに対するアーム速度指令信号を生成するアーム速度指令信号生成手段と、バケット速度指令信号とアーム速度指令信号とのオフセット信号を生成するオフセット信号生成手段と、バケット及びアームによる掘削対象物の掘削のための所定動作を行なう際に、バケット速度指令信号にオフセット信号を加算する第1の加算手段と、バケット及び該アームによる掘削対象物の掘削のための所定動作を行なう際に、アーム速度指令信号にオフセット信号を加算する第2の加算手段と、所定動作を行なう際にオフセット信号が加算されたバケット速度指令信号に応じてバケットシリンダを動作させ、所定動作を行なう際にオフセット信号が加算されたアーム速度指令信号に応じてアームシリンダを動作させる速度指令信号生成手段とバケット速度指令信号生成手段は、バケットを上向き方向に所定の速度で回動させるに必要な操作方向に所定の操作量だけバケット操作用レバーが操作されたとき、第1のバケット速度指令信号を生成し、バケットを下向き方向に所定の速度で回動させるに必要な操作方向に所定の操作量だけバケット操作用レバーが操作されたとき、第2のバケット速度指令信号を生成し、アーム速度指令信号生成手段は、アームを上げ方向に所定の速度で回動させるに必要な操作方向に所定の操作量だけアーム操作用レバーが操作されたとき、第1のアーム速度指令信号を生成し、アームを下げ方向に所定の速度で回動させるに必要な操作方向に所定の操作量だけアーム操作用レバーが操作されたとき、第2のアーム速度指令信号を生成し、第1の加算手段は、バケット速度指令信号生成手段から第1のバケット速度指令信号が出力されるときに、第1のバケット速度指令信号にオフセット信号を加算し、第2の加算手段は、アーム速度指令信号生成手段から第1のアーム速度指令信号が出力されるときに、第1のアーム速度指令信号にオフセット信号を加算することを特徴とするものである。
また、本発明は、第1の加算手段でのバケット速度指令信号への前記オフセット信号の加算と第2の加算手段でのアーム速度指令信号へのオフセット信号の加算とを許可するオフセットコントローラを設け、オフセットコントローラは、バケットの角度が掘削対象物を掘削して持ち上げるときの第1の所定の角度範囲にあるとともに、アームの角度が掘削対象物を掘削して持ち上げるときの第2の所定の角度範囲にあって、アームシリンダでのボトム側の押圧力とロッド側の押圧力との差が所定の閾値以上となったとき、第1の加算手段でのバケット速度指令信号へのオフセット信号の加算を許可するとともに、第2の加算手段でのアーム速度指令信号へのオフセット信号の加算を許可する判定をすることを特徴とするものである。
さらに、本発明は、オフセットコントローラが、(1)バケットまたはアームの角度が第1または第2の所定の角度範囲外となるとともに、第1の加算手段でのバケット速度指令信号へのオフセット信号の加算と第2の加算手段でのアーム速度指令信号へのオフセット信号の加算とを禁止する判定をし、(2)オフセット信号の加算を許可する判定をしてから予め決められた所定時間経過後、オフセット信号の加算の許可を解除する判定をすることを特徴とするものである。
さらに、本発明は、オフセット値を出力するオフセット値設定手段と、オフセット値をバケット速度指令信号及びアーム速度指令信号に第1,第2の加算手段で加算するためのオフセット信号を生成するオフセット信号生成手段と、オフセットコントローラの加算許可の判定によってオンし、オフセット値設定手段で設定されたオフセット値をオフセット信号生成手段に供給し、オフセットコントローラの加算禁止の判定によってオフし、オフセット値設定手段で設定されたオフセット値のオフセット信号生成手段への供給を禁止するスイッチ手段とを有することを特徴とするものである。
さらに、本発明は、オフセット値設定手段が、掘削によるバケットでの掘削対象物の積込重量を検出する第1の検出手段と、掘削によるバケットでの掘削対象物の積込体積を検出する第2の検出手段と、第1の検出手段で検出された積込重量と第2の検出手段で検出された積込体積とから掘削によるバケットでの掘削対象物の比重を算出する比重演算手段と、比重演算手段で算出された比重に応じたオフセット値を求めるオフセット値生成手段とからなることを特徴とするものである。
さらに、本発明は、掘削作業機械を第1の位置から掘削対象物に近い第2の位置まで移動させて掘削対象物の掘削作業を行なわせ、バケットに掘削積込物を積み込んだまま第1の位置まで戻る第1の作業動作と、バケットに掘削積込物を積み込んだまま第1の位置から第3の位置まで移動させて掘削積込物を放出させ、第3の位置から第1の位置まで戻る第2の作業動作とがらなる一連の作業動作を繰り返し自動運転させる制御手段と、一連の作業動作毎に、第1の作業動作が行なわれるサイクルタイムを計測するサイクルタイム計測手段と、一連の作業動作毎に、第1の作業動作でのバケットによる掘削積込物の積込重量を計測する積込重量計測手段と、一連の作業動作毎に、積込重量計測手段で計測した積込重量の累積値をサイクルタイム計測手段で計測したサイクルタイムで除算して単位時間当りのバケットでの掘削積込物の積込重量を算出する積込重量算出手段と、一連の作業動作毎に、今回と前回との一連の作業動作での単位時間当りのバケットでの掘削積込物の積込重量を比較し、その比較結果に応じて、単位時間当りのバケットによる掘削積込物の積込重量が最大となるように、オフセット値を、所定値ずつ増減して、調整するオフセット値調整手段とを有し、自動運転時、オフセット信号生成手段がオフセット値調整手段で調整されたオフセット値からオフセット信号を生成することを特徴とするものである。
本発明によれば、シリンダに掛かる負荷が大きい状態であっても、オフセット信号の加算により、レバー操作量を小さくして所望の操作をすることができ、オペレータの負担を軽減することができるし、シリンダが操作レバーの操作方向に応じた動作を行なわせることができて、レバー操作量に応じた操作を行なうことができるタイミングもオペレータは予測可能であるから、オペレータは違和感のなく操作を行なうことができる。
また、掘削対象物の掘削時のシリンダに掛かる負荷に合わせたオフセット値を設定できるため、レバー操作による速度指令信号に近い速度でシリンダを動作させることができるので、自動作業での制御偏差を小さくできて、自動掘削の速度を向上させることができるし、さらに、掘削対象物の種類の変更や天候などによるその状況の変化に対しても、自動運転でのサイクルタイムや掘削量を最適化するように、オフセット量を調整することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図2は掘削作業機械の一例としてのホイールローダの掘削作業状態を示す図であって、同図(a)は掘削開始時の状態を、同図(b)は掘削後の状態を夫々示し、1はホイールローダ、2は車体本体、3は操作室、4,5はタイヤ、6はアーム、7はバケット、8はアームピン、9はバケットピン、10はアームシリンダ、11はリンク機構、12はバケットシリンダ、13は駆動部、14は支持部、15はステレオカメラ、16は掘削対象物、16’は掘削積込物、7は地面である。
また、図3はホイールローダの掘削とダンプトラックへの積込作業との一連の掘削作業動作を示す図であって、18はダンプトラックであり、図2に対応する部分には同一符号をつけている。
図2(a)において、ホイールローダ1の車体本体2には、前輪,後輪のタイヤ4,5が設けられており、操作室3でレバーを操作することにより、制御装置や油圧回路などからなる駆動部13が動作し、これによってタイヤ4,5が駆動されてホイールローダ1を前進または後退させることができ、あるいは走行方向を変更させることができる。また、操作室3でのレバー操作により、駆動部13が動作してアームシリンダ10やバケットシリンダ12が駆動され、アーム6やバケット7が動作して掘削対象物16の掘削作業が行なわれる。
アーム6は、その後端部がアームピン8によって車体本体2に取り付けられ、アームシリンダ10によってこのアームピン8を中心に回動するように駆動される。このアーム6の先端部には、バケットピン9によってバケット7が回動可能に取り付けられている。また、車体本体2には、バケットシリンダ12が設けられ、このバケットシリンダ12とバケット7とがリンク機構11によってリンクされている。リンク機構11は、その中心部がアーム6の中心部に取り付けられた支持部14によって回動可能に支持されており、バケットシリンダ12の伸縮に応じてこのリンク機構11が支持部14の先端部を中心に回動することにより、バケット7がバケットピン9を中心に、従って、アーム6に対して回動する。
地面17上の掘削掘削対象物16を掘削するときには、バケット7の底板を地面17に平行(水平)にして地面17に接触するように、バケット7の姿勢を設定し、かかる状態で、ステレオカメラ15で前方を監視しながら、車体本体2を掘削対象物16の方向に走行させ、バケット7を掘削対象物16に貫入させる。これによって掘削対象物16が掘削されてバケット7内に収納され、しかる後、アームシリンダ10とバケットシリンダ12とを駆動してアーム6とバケット7とを回動させることにより、バケット7が上向きの状態となって持ち上げられ、バケット7に掘削物16’が積み込まれた図2(b)に示す状態となる。このように、バケットシリンダ12を伸ばすように制御することによってバケット7を上向き方向に回動(クラウド)させる。
かかる掘削作業は、図3において、作業場の所定の位置Aから掘削対象物16に近い位置Bへホイールローダ1を移動させることにより行なわれ、掘削対象物16の1回の掘削作業が完了すると、図2(b)で示すバケット7に掘削積込物16’がある状態でホイールローダ1を位置Aに戻し、しかる後、ダンプトラック17が置かれている位置Cまで移動して、バケット7の掘削積込物16’をダンプトラック18に落し込む(ダンプする)。この場合、バケットシリンダ12を縮めるように制御することにより、バケット7は下向き方向に回動する。
以下、かかる掘削作業機械における掘削制御装置の実施形態について説明する。各実施形態では、操作室3でのレバー操作により、その操作量に応じた電気信号が発生され、この電気信号に応じてアームシリンダ10やバケットシリンダ12が制御されて、アーム6やバケット7が回転駆動されるものである。
図1は本発明による掘削作業機械の掘削制御装置の第1の実施形態を示すブロック構成図であって、20aはバケット操作用レバー、20bはアーム操作用レバー、21は掘削制御装置、22はAD(アナログ・デジタル)変換器、23は速度指令信号生成部、24aはバケット速度指令信号生成部、24bはアーム速度指令信号生成部、25a,25bは加算部、26a,26bはスイッチ、27a,27bはオフセット信号生成部、28はスイッチ、29はオフセットコントローラ、30はAD変換器、31a1はバケットクラウド用電磁弁駆動回路、31a2はバケットダンプ用電磁弁駆動回路、31b1はアーム上げ用電磁弁駆動回路、31b2はアーム下げ用電磁弁駆動回路、32a1はバケットクラウド用電磁弁、32a2はバケットダンプ用電磁弁、32b1はアーム上げ用電磁弁、32b2はアーム下げ用電磁弁、33はアームシリンダボトム圧力センサ、34はアームシリンダロッド圧力センサ、35はアーム角度センサ、36はバケット角度センサ、37はオフセット値設定器、38はAD変換器である。
図4はこの実施形態の動作を示すフローチャートであって、以下、図4を用いてこの第1の実施形態について説明する。
同図において、いま、バケット操作用レバー20aが操作されたとすると、その操作量に応じたレベルで、かつバケット操作用レバー20aの中立状態からの操作方向に応じて正(クラウド)または負(ダンプ)となる電気信号が発生して掘削制御装置21に供給される。ここで、バケット7を上向きに回転させるためのバケット操作用レバー20aの操作を正操作といい、下向きに回転させるための操作を負操作ということにする。
なお、以下、バケット操作用レバー20aは1つのレバーとして説明するが、バケット7を上向き方向に回転させるためのクラウド用の操作レバーと下向き方向に回転させるためのダンプ用の操作レバーとを用いるようにしてもよく、この場合も同様であって、クラウド用の操作レバーを操作したときには、その操作量に応じたレベルの正の電気信号が発生し、ダンプ用の操作レバーを操作したときには、その操作量に応じたレベルの負の電気信号が発生する。
この掘削制御装置21は、これによって制御される油圧回路などとともに、図3における駆動部13に設けられているものであり、AD変換器22や速度指令信号生成部23,オフセットコントローラ29,AD変換器30,バケットクラウド用電磁弁駆動回路31a1,バケットダンプ用電磁弁駆動回路31a2,アーム上げ用電磁弁駆動回路31b1,アーム下げ用電磁弁駆動回路31b2,AD変換器38などから構成されている。また、速度指令信号生成部23は、バケット速度指令信号生成部24aやアーム速度指令信号生成部24b,加算部25a,25b,スイッチ26a,26b,オフセット信号生成部27a,27b,スイッチ28などから構成されている。
掘削制御装置21では、バケット操作用レバー20aの操作量や正負の操作方向に応じた電気信号がAD変換器22に供給され、そのレベル(従って、バケット操作用レバー20aの操作量)がデジタル値で表わされ、かつバケット操作用レバー20aの正操作に対して正の、負操作に対して負のデジタル信号に変換されて、速度指令信号生成部23に供給される(図4のステップS100)。
この速度指令信号生成部23では、AD変換器22からのかかるデジタル信号がバケット速度指令生成部24aに供給される。バケット速度指令生成部24aは、デジタル信号の正負のデジタル値とバケット7の速度との関係を表わすテーブルからなるものであって、このデジタル信号をその正負のデジタル値に応じた正値または負値のバケット速度指令信号SCaに変換する(図4のステップS101)。
バケット速度指令生成部24aから出力される正値のバケット速度指令信号SCa(+)は加算部25aを介し、速度指令信号生成部23から出力されてバケットクラウド用電磁弁駆動回路31a1に供給される。また、バケット速度指令生成部24aから出力される負値のバケット速度指令信号SCa(−)は、直接速度指令信号生成部23から出力されて、バケットダンプ用電磁弁駆動回路31a2に供給される。バケットクラウド用電磁弁駆動回路31a1では、この正値のバケット速度指令信号SCa(+)がバケットクラウド用電磁弁32a1の駆動電流(電磁弁駆動電流)に変換され、この電磁弁駆動電流によってこのバケットクラウド用電磁弁32a1が駆動される。これにより、図示しない油圧回路が動作してバケットシリンダ12(図2)が伸び方向に動作し、バケット7が上向き方向にバケット速度指令信号SCa(+)の値(即ち、バケット操作用レバー20aの正操作量)に応じた速度で回転する。バケットダンプ用電磁弁駆動回路31a2では、負値のバケット速度指令信号SCa(−)がバケットダンプ用電磁弁32a2の電磁弁駆動電流に変換され、この電磁弁駆動電流によってこのバケットダンプ用電磁弁32a1が駆動される。これにより、図示しない油圧回路が動作してバケットシリンダ12が縮む方向に動作し、バケット7が下向き方向にバケット速度指令信号SCa(−)の値(即ち、バケット操作用レバー20aの負操作量)に応じた速度で回転する。
なお、バケット操作用レバー20aが正操作されたときには、バケット速度指令信号生成部24aから正値のバケット速度指令信号SCa(+)が出力され、バケット速度指令信号SCa(−)は0となって出力されず、また、バケット操作用レバー20aが負操作されたときには、バケット速度指令信号生成部24aからバケット速度指令信号SCa(+)は0となって出力されず、負値のバケット速度指令信号SCa(−)が出力される。
アーム操作用レバー20bが操作された場合も同様であって、アーム6(図2)を上げ方向にアーム操作用レバー20bが操作された場合(正操作)には、その操作量に応じた正値の電気信号が、下げ方向にアーム操作用レバー20bが操作された場合(負操作)には、その操作量に応じた負値の電気信号が夫々発生される。かかる電気信号は、AD変換器22で正または負のデジタル信号に変換された後(図4のステップS100)、速度指令信号生成部23に供給される。
この速度指令信号生成部23では、バケット7に対する上記のバケット速度指令信号生成部24aと同様のアーム速度指令信号生成部24bにより、このデジタル信号がアーム速度指令信号SCbに変換される。アーム操作用レバー20bが正操作されたときには、アーム速度指令信号生成部24bから正値のアーム速度指令信号SCb(+)のみが出力され、負操作されたときには、負値のアーム速度指令信号SCb(−)のみが出力される(図4のステップS101)。
正値のアーム速度指令信号SCb(+)は、加算部25bを介して速度指令信号生成部23から出力され、アーム上げ用電磁弁駆動回路31b1に供給される。負値のアーム速度指令信号SCb(−)は直接速度指令信号生成部23から出力されて、アーム下げ用電磁弁駆動回路31b2に供給される。アーム上げ用電磁弁駆動回路31b1では、この正値のアーム速度指令信号SCb(+)がアーム上げ用電磁弁32b1の駆動電流(電磁弁駆動電流)に変換され、この電磁弁駆動電流によってこのアーム上げ用電磁弁32b1が駆動される。これにより、図示しない油圧回路が動作してアームシリンダ10(図2)が伸び方向に動作し、アーム6が上げ方向にアーム速度指令信号SCb(+)の値(即ち、アーム操作用レバー20bの正操作量)に応じた速度で回転する。アーム下げ用電磁弁駆動回路31b2では、負値のアーム速度指令信号SCb(−)がアーム下げ用電磁弁32b2の電磁弁駆動電流に変換され、この電磁弁駆動電流によってこのアーム下げ用電磁弁32b1が駆動される。
ここで、この実施形態に用いられる油圧回路について説明する。
図5は図1における掘削制御装置21によって制御される油圧回路の一具体例を示す図であって、20は操作レバー、24はフロントアタッチメント速度指令信号生成部、31aはシリンダ伸び方向用電磁弁駆動回路、31bはシリンダ縮み方向用電磁弁駆動回路、32aはシリンダ伸び方向用電磁弁、32bはシリンダ縮み方向用電磁弁、40はシリンダ、41はコントロールバルブ、42a,42bは油圧ポンプ、43はタンクである。
同図において、操作レバー20は、図1でのバケット操作用レバー20aまたはアーム操作用レバー20bである。フロントアタッチメント速度指令信号生成部24は、操作レバー20がバケット操作用レバー20aであるとき、図1でのバケット速度指令信号生成部24aであり、アーム操作用レバー20bであるとき、図1でのバケット速度指令信号生成部24bである。シリンダ伸び方向用電磁弁駆動回路31aは、操作レバー20がバケット操作用レバー20aであるとき、図1でのバケットクラウド用電磁弁駆動回路31a1であり、アーム操作用レバー20bであるとき、図1でのアーム上げ用電磁弁駆動回路31b1である。シリンダ縮み方向用電磁弁駆動回路31bは、操作レバー20がバケット操作用レバー20aであるとき、図1でのバケットダンプ用電磁弁駆動回路31a2であり、アーム操作用レバー20bであるとき、図1でのアーム下げ用電磁弁駆動回路31b2である。シリンダ伸び方向用電磁弁32aは、操作レバー20がバケット操作用レバー20aであるとき、図1でのバケットクラウド用電磁弁32a1であり、アーム操作用レバー20bであるとき、図1でのアーム下げ用電磁弁32b1である。シリンダ縮み方向用電磁弁32bは、操作レバー20がバケット操作用レバー20aであるとき、図1でのバケットダンプ用電磁弁32a2であり、アーム操作用レバー20bであるとき、図1でのアーム下げ用電磁弁32b2である。また、シリンダ40は、操作レバー20がバケット操作用レバー20aであるとき、図2でのバケットシリンダ12であり、アーム操作用レバー20bのとき、アームシリンダ10である。なお、図1におけるAD変換器22や加算器25a,25bなどは省略している。
いま、操作レバー20(即ち、バケット操作用レバー20aまたはアーム操作用レバー20b)が正操作されると、フロントアタッチメント速度指令信号生成部24から正値の速度指令信号SC(+)(正値のバケット速度指令信号SCa(+)またはアーム速度指令信号SCb(+)に相当)が出力され、シリンダ伸び方向用電磁弁駆動回路31aに供給されてその値、即ち、操作レバー20の操作量に応じたレベルの電磁弁駆動電流が生成される。この電磁弁駆動電流により、シリンダ伸び方向用電磁弁32aが制御される。
このシリンダ伸び方向用電磁弁32aは、電磁弁駆動電流が供給されるまでは閉じた状態にあるが、シリンダ伸び方向用電磁弁駆動回路31aから電磁弁駆動電流が供給されると、この電磁弁駆動電流のレベルに応じた開口面積で開口し、油圧ポンプ42aによってタンク43から組み上げられる圧油をこの開口面積に応じた量分を通過させてコントロールバルブ41に供給する。コントロールバルブ41では、供給される圧油量に応じた押圧力が一方の方向、即ち、矢印X1方向に加わることになり、この押圧力に応じた開口面積で開口し、油圧ポンプ42bによってタンク43が汲み上げられた圧油がこの開口面積に応じた量の分通過して、シリンダ40のボトム側に供給される。これにより、シリンダ40では、油圧の供給量に応じた押圧力がボトム側からロッド40aに加わることになり、ロッド40aはこの押圧力、従って、操作レバー20の操作量に応じた速度で負荷に抗した矢印Y1方向に移動して伸びていくことになる。
また、操作レバー20が負操作されると、同様にして、シリンダ縮み方向用電磁弁駆動回路31bからこの操作レバー20の操作量に応じたレベルの電磁弁駆動電流がシリンダ縮み方向用電磁弁32bに供給される。これにより、シリンダ縮み方向用電磁弁32bでは、この電磁弁駆動電流のレベルに応じた開口面積で開口し、油圧ポンプ42aによってタンク43から組み上げられる圧油をこの開口面積に応じた量を通過させてコントロールバルブ41に供給する。コントロールバルブ41では、供給される圧油量に応じた押圧力が上記矢印X1方向とは反対の矢印X2方向に加わることになり、この押圧力に応じた開口面積で開口して、油圧ポンプ42bによってタンク43が汲み上げられた圧油がこの開口面積に応じた量の分通過し、シリンダ40のロッド40a側に供給される。これにより、シリンダ40では、油圧の供給量に応じた押圧力がロッド40aに上記とは逆方向(矢印Y2方向)に加わることになり、ロッド40aはこの押圧力、従って、操作レバー20の操作量に応じた速度でこの矢印Y2に移動して伸びていくことになる。
図1に戻って、以上のようにして、パケット操作用レバー20aの操作により、バケットシリンダ12(図2)が伸縮動作してバケット7(図1)が上向き方向,下向き方向の回転動作を行ない、また、アーム操作用レバー20bの操作により、アームシリンダ10(図2)が伸縮動作してアーム6(図2)が上げ方向,下げ方向の回転動作を行なう。
ところで、パケット操作用レバー20aが負操作されたときには、その操作量に応じた速度でバケット7が下向き方向の回転動作を行ない、また、アーム操作用レバー20bが負操作されたときには、その操作量に応じた速度でアーム6が下げ方向の回転動作を行なうが、この第1の実施形態では、パケット操作用レバー20aが正操作されたときには、あるいはアーム操作用レバー20bが正操作されたときには、アーム6やバケット7の状態に応じて、バケットクラウド用電磁弁32a1やアーム上げ用電磁弁32b1に供給される電磁弁駆動電流にオフセット電流が加算されたものとし、これにより、これらバケットクラウド用電磁弁32a1やアーム上げ用電磁弁32b1(図5での電磁弁32a)の開口面積をより広くして、図5でのコントロールバルブ41での矢印&X1方向の押圧による開口面積をより大きくし、シリンダ40でのロッド40aに伸び方向(矢印Y1方向)に加わる押圧力をより大きくする。
このように、オフセット電流が加わることにより、パケット操作用レバー20aやアーム操作用レバー20bの正操作の操作量に応じた速度よりも大きな速度でバケットシリンダ12やアームシリンダ10でのロッドが伸びることになり、この結果、バケット7やアーム6がパケット操作用レバー20aやアーム操作用レバー20bの正操作の操作量に応じた回転力よりも大きな回転力で上向きの方向,上り方向に回転駆動されることになる。
このようなオフセット電流を上記の電磁弁駆動信号に付加できるようにするために、図1において、オフセット値OFを発生するオフセット値設定器37が設けられており、また、電磁弁駆動電流にかかるオフセット値に応じたオフセット電流を付加すべき状態にあるか否かを判定するためのオフセットコントローラ29が設けられており、このオフセットコントローラ29の判定結果に基づいて、電磁弁駆動電流にオフセット電流を付加するためのスイッチ28とオフセット信号生成部27a,27bとスイッチ26a,26bと加算部25a,25bとが設けられている。
図2に図示しないが、ホイルローダ1(図2)のアームシリンダ10には、そのボトム(根元)側の圧力を検出する圧力センサ(アームシリンダボトム圧力センサ)33と、その先端(ロッド)側の圧力を検出する圧力センサ(アームシリンダロッド圧力センサ)34とが設けられており、それらの検出出力が速度指令信号生成部23に供給される。また、地面17(図2)に平行な平面に対するアーム6の角度(アーム角度)を検出するアーム角度センサ35と、アーム6に対するバケット7の角度(バケット角度)を検出するバケット角度センサ36とが設けられており、これらセンサ35,36の検出出力も速度指令信号生成部23に供給される。速度指令信号生成部23では、これらセンサ33〜36の検出出力がAD変換器30でデジタル検出値に変換されて、オフセットコントローラ29に供給される。
オフセットコントローラ29は、AD変換器30からのセンサ33〜36のデジタル検出値をもとに、上記のオフセット電流を付加すべき状態にあるか否かを判定し(図4のステップS102)、オフセット電流を付加すべき状態にあると判定したときには(図4のステップS103の“YES”)、スイッチ28をオン状態に設定する。これにより、オフセット値設定器37からの正のデジタル値のオフセット値OFは、AD変換器38でデジタル値に変換された後(図4のステップS104)、スイッチ28を介してオフセット信号生成部27a,27bに供給される(図4のステップS106)。
バケットオフセット信号生成部27aは、オフセット値設定器37からのオフセット値OFをバケット速度指令信号生成部24aからの正値のバケット速度指令信号SCa(+)に加算するためのバケットオフセット信号SOaに変換するテーブルからなるものであって、これによって得られたバケットオフセット信号SOaはスイッチ26aに供給される。同様にして、アームオフセット信号生成部27aは、オフセット値設定器37からのオフセット値OFをアーム速度指令信号生成部24bからの正値のアーム速度指令信号SCb(+)に加算するためのアームオフセット信号SObに変換するテーブルからなるものであって、これによって得られたアームオフセット信号SObはスイッチ26bに供給される(図4のステップS105)。
スイッチ26aは、バケット速度指令信号生成部24aからの正値のバケット速度指令信号SCa(+)が出力する期間、オン状態に設定されるものであって、オン状態になると、加算器25aにおいて、このバケット速度指令信号SCa(+)にバケットオフセット信号SOaが加算される(図4のステップS106)。これらの加算信号がバケットクラウド用電磁弁駆動回路31a1に供給される(図4のステップS107)。これにより、バケット操作用レバー20aの正操作量に応じた電磁弁駆動電流にバケットオフセット信号SOaに応じたオフセット電流が加算された電磁弁駆動電流がバケットクラウド用電磁弁32a1に供給されることになる。スイッチ26bも、バケット速度指令信号生成部24bからの正値のアーム速度指令信号SCb(+)が出力する期間、オン状態に設定され、加算器25bでこのアーム速度指令信号SCb(+)にアームオフセット信号SObが加算される(図4のステップS106)。これらの加算信号がアームクラウド用電磁弁駆動回路31b1に供給される(図4のステップS107)。これにより、アーム操作用レバー20bの正操作量に応じた電磁弁駆動電流にアームオフセット信号SObに応じたオフセット電流が加算された電磁弁駆動電流がアームクラウド用電磁弁32b1に供給されることになる。
なお、オフセットコントローラ29は、AD変換器30からのセンサ33〜36のデジタル検出値をもとに、上記のオフセット電流を付加すべき状態にないと判定したときには(図4のステップS103の“NO”)、スイッチ28をオフ状態に設定する。これにより、バケット速度指令信号生成部24aから正値のバケット速度指令信号SCa(+)が出力されても、この正値のバケット速度指令信号SCa(+)は加算器25aをそのまま通過し、バケットクラウド用電磁弁駆動回路31a1に供給される(図4のステップS107)。同様に、アーム速度指令信号生成部24bから正値のアーム速度指令信号SCb(+)は加算器25bをそのまま通過して、アーム上げ用電磁弁駆動回路31b1に供給される(図4のステップS107)。
ここで、電磁弁駆動電流にオフセット電流を付加すべき状態とは、例えば、バケット7に掘削対象物16を積み込んだ状態でこのバケット7を持ち上げるときの状態である。即ち、掘削対象物16を掘削する場合、図2(a)に示すように、バケット7の底板を地面17に平らに接触させた状態で車体本体2を前進させ、バケット7を掘削対象物16に貫入させることにより、掘削対象物16が掘削されてバケット7内に積み込まれるが、かかる状態からバケット7を上向きの状態にして所定の高さに持ち上げる動作が行なわれる状態が、上記の電磁弁駆動電流にオフセット電流を付加する対象となる状態である。
図6は負荷状態に応じたレバー操作に対するシリンダの速度の関係を模式的に示す特性図であって、実線の「軽負荷」,「中負荷」,「重負荷」は従来の場合を、実線の「軽負荷」,「中負荷」と一点鎖線の「重負荷」は上記の第1の実施形態の場合を夫々示している。
同図において、実線の「軽負荷」,「中負荷」,「重負荷」の特性で示すように、掘削対象物16(図2)の材質や状況(乾燥や湿っているなど)に応じてバケット7やアーム6(図2)に対する負荷が異なり、図1におけるバケット操作用レバー20aやアーム操作用レバー20bのレバー操作量に対するバケットシリンダ12,アームシリンダ10のシリンダ速度は、軽負荷,中負荷,重負荷の順に低下していく。そして、必要なシリンダ速度Vcを得るために必要なレバー操作量Lcは、負荷が大きくなる程大きくなる。シリンダ速度がレバー操作量だけに応じた従来の場合には、軽負荷,中負荷,重負荷でのレバー操作量に対するシリンダ速度の特性は実線で示すものであり、特に、重負荷の場合には、バケット7に掘削対象物16が積み込まれた状態でこのバケット7を必要な速度Vcで持ち上げるために必要なバケット操作用レバー20aやアーム操作用レバー20bのレバー操作量Lc’が非常に大きくなる場合もあり、この場合には、オペレータとしては、これら操作レバー20a,20bを非常に大きく操作する必要がある。
これに対し、この第1の実施形態では、例えば、重負荷状態で掘削対象物16が積み込まれた状態のバケット7を必要な速度Vcで持ち上げる場合、レバー操作量に応じて速度指令信号SCa,SCbにオフセット信号SOa,SObが加算される(即ち、電磁弁駆動電流にオフセット電流が加算される)ものである。重負荷時にオフセット信号SOa,SObを加算することにより、バケット操作用レバー20aやアーム操作用レバー20bのレバー操作量に対するバケットシリンダ12,アームシリンダ10のシリンダ速度は、図6に一点鎖線で示すように、オフセット信号SOa,SObを加算しない実線で示す特性に比べ、大きく変化することになり、重負荷状態での必要なシリンダ速度Vcを得るためのレバー操作量Lcは、従来のオフセット信号が加算されない場合のレバー操作量Lc’に比べて、充分小さくすることができる。
また、この第1の実施形態では、上記のように、オフセット値設定器37でのオフセット値OFを調整可能であり、図7に示すように、オフセット値OFを大きくする程、電磁弁駆動電流を大きくすることができる。
これにより、この第1の実施形態では、オフセット値設定器37でのオフセット値OFを適宜設定することにより、バケット7を掘削対象物16に貫入して持ち上げる重負荷時のバケット7やアーム6の初速度をバケット操作用レバー20aやアーム操作用レバー20bの小さな操作量でもって得ることが可能となり、オペレータへのレバー操作の負担を軽減してオペレータの疲労を減らすことが可能となる。また、オフセット値設定器37でのオフセット値OFを調整することにより、いずれの負荷状態にあっても、オペレータがレバー20a,20bの操作量を操作し易い量にすることができる。
図8は図1におけるオフセットコントローラ29の一具体例を示すブロック構成図であって、44は減算器、45はヒステリシス付圧力判定部、46a,46b,47a,47bは角度範囲判定部、48,49はアンドゲート、50はラッチ回路であり、図1に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
同図において、アームシリンダボトム圧力センサ33の検出出力(AD変換器30(図1)によるデジタル値)とアームシリンダロッド圧力センサ34の検出出力(AD変換器30(図1)によるデジタル値)とは減算器44に供給され、これら検出出力が差分演算処理されてアームシリンダ10のロッドの両側に掛かる圧力の差(以下、ロッド押圧力という)dPが得られる。このロッド押圧力dPは、ロッドを伸びる方向または縮む方向に移動させるものであり、ヒステリシス付圧力判定部45に供給される。
このヒステリシス付圧力判定部45は、ロッド押圧力dPの変化によってレベルが“0”,“1”と変化するラッチ信号LTCを生成するものであって、2つの閾値dP1,dP2(但し、dP1<dP2)が設定されている。このロッド押圧力dPがdP<dP2の状態からdP2≦dPの状態に変化したとき、ラッチ信号LTCを“0”から“1”にレベル遷移させ、このロッド押圧力dPがdP1≦dPの状態からdP<dP1の状態に変化したとき、ラッチ信号LTCを“1”から“0”にレベル遷移させる。このラッチ信号LTCはラッチ回路50に供給され、このラッチ信号LTCのレベルが“0”から“1”へ遷移する立上りエッジのタイミングを、アンドゲート48からのデータDのラッチタイミングとする。
なお、閾値dP2は、図2(a)に示す状態でバケット7を掘削対象物16内に貫入し、これによって掘削対象物16の掘削積込物16’が積み込まれたバケット7を上向きにして持ち上げ開始することを検出するためのアームシリンダ10のロッド押圧力であり、閾値dP1は閾値dP2よりも若干小さい値である。即ち、ロッド押圧力dPがこの閾値dP2以上となると、掘削積込物16’が積み込まれたバケット7の持ち上げ(クラウド)動作が開始されたことが検出されるものである。
ここで、2つの閾値dP1,dP2を用いることにより、ラッチ信号LTCが“0”から“1”へのレベル遷移の経路と“1”から“0”へのレベル遷移の経路とにヒステリシス特性を持たせているが、これは、“0”から“1”へのレベル遷移の誤動作を防止するためである。
一方、アーム角度センサ35で検出されるアーム角度ψ(AD変換器30でデジタル値に変換されている)は角度範囲判定部46aに供給され、バケット角度センサ36で検出されるバケット角度θ(AD変換器30でデジタル値に変換されている)は角度範囲判定部46bに供給される。角度範囲判定部46aは、図2(a)に示すように、バケット7の底板が地面17に平行で、かつ地面17に接触しているときのアーム6の角度を含む所定の角度範囲ARa内に、この検出されるアーム角度ψがあるか否かを判定するものであり、また、角度範囲判定部46bは、同じくこのときのバケット7の角度を含む所定の角度範囲ARb内に、この検出されるバケット角度θがあるか否かを判定するものである。
アーム角度センサ35で検出されたアーム角度ψが所定の角度範囲ARa内にある場合には、角度範囲判定部46aから“1”の判定信号CSaが出力され、それ以外では、この判定信号CSaは“0”となる。また、同様に、バケット角度センサ36で検出されたバケット角度θが所定の角度範囲ARb内にある場合には、角度範囲判定部46bから“1”の判定信号CSbが出力され、それ以外では、この判定信号CSbは“0”となる。これら判定信号CSa,CSbはアンドゲート48に供給され、これら判定信号CSa,CSbが同時に“1”となる期間(図2(a)に示されるアーム6とバケット7の状態の期間)“1”となるデータDが得られる。このデータDがラッチ回路50の入力データDとなる。
なお、角度範囲判定部46a,46bとしては、アーム角度ψと判定信号CSaの“1”,“0”のレベルとの関係を規定するテーブルを、バケット角度θと判定信号CSbの“1”,“0”のレベルとの関係を規定するテーブルを夫々用いることができる。
ラッチ回路50では、ヒステリシス付圧力判定部45からのラッチ信号LTCの立上りエッジでアンドゲート48からのデータDをラッチし、このラッチされた信号をQ出力端子から、スイッチ制御信号SWとして、出力してスイッチ28に供給する。ラッチ信号LTCの立上りエッジのラッチタイミングでデータDが“0”のときには、スイッチ制御信号SWが“0”となってスイッチ28はオフ状態に保持され、このラッチタイミングでデータDが“1”のときには、スイッチ制御信号SWが“1”となってスイッチ28はオン状態に保持される。
ラッチ回路50で“1”のデータDをラッチしたときには、オフセットコントローラ29が、上記のように、電磁弁駆動電流にオフセット電流を付加すべきものと判定したことになり、このとき、スイッチ28がオン状態に設定されることにより、図1において、加算部25aにより、バケット速度指令信号生成部24aからのバケット速度指令信号SCa(+)にオフセット信号SOaが加算され、また、加算部25bにより、アーム速度指令信号生成部24bからのアーム速度指令信号SCb(+)にオフセット信号SObが加算されることになる。このときのホイールローダ1の状態は、図2(a)に示すバケット7,アーム6の姿勢でバケット7が掘削対象物16に貫入して持ち上げるように操作する状態である。
アーム角度センサ35で検出されるアーム角度ψ(AD変換器30でデジタル値に変換されている)は、また、角度範囲判定部47aに供給され、バケット角度センサ36で検出されるバケット角度θは、また、角度範囲判定部47bに供給される。角度範囲判定部47aは、角度範囲判定部46aでの角度範囲ARaを含み、かつこの角度範囲ARaよりも広い角度範囲ARa’が設定されており、検出されたアーム角度ψがこの角度範囲ARa’内にあるか否かを判定するものである。また、角度範囲判定部47bは、角度範囲判定部46bでの角度範囲ARbを含み、かつこの角度範囲ARbよりも広い角度範囲ARb’が設定されており、検出されたバケット角度θがこの角度範囲ARb’内にあるか否かを判定するものである。
なお、角度範囲ARa’は、例えば、図2(a)に示すアーム6の状態でのアーム角度から図2(b)に示す上り方向に回動した状態でのアーム角度までの範囲とし、角度範囲ARb’は、例えば、図2(a)に示すバケット7の状態でのバケット角度から図2(b)に示す上向きの方向に回動した状態でのバケット角度までの範囲とする。
アーム角度センサ35で検出されたアーム角度ψが設定された角度範囲ARa’内にある場合には、角度範囲判定部47aから“1”の判定信号CSa’が出力され、それ以外では、この判定信号CSa’は“0”となる。また、同様に、バケット角度センサ36で検出されたバケット角度θが設定された角度範囲ARb’内にある場合には、角度範囲判定部47bから“1”の判定信号CSb’が出力され、それ以外では、この判定信号CSb’は“0”となる。これら判定信号CSa’,CSb’はアンドゲート49に供給され、これら判定信号CSa’,CSb’が同時に“1”となる期間“1”となるリセット信号RSTが得られる。このリセット信号RSTがラッチ回路50のリセット(Reset)端子に供給される。
なお、角度範囲判定部47a,47bとしては、アーム角度ψと判定信号CSa’の“1”,“0”のレベルとの関係を規定するテーブルを、バケット角度θと判定信号CSb’の“1”,“0”のレベルとの関係を規定するテーブルを夫々用いることができる。
ラッチ回路50では、上記のように、ヒステリシス付圧力判定部45からのラッチ信号LTCの立上りエッジでアンドゲート48からの“1”のデータDをラッチすることにより、スイッチ制御信号SWが“1”となってスイッチ28はオン状態に保持されるが、アンドゲート49からのリセット信号RSTが“1”から“0”にレベル遷移する立ち下がりエッジのタイミングがヒステリシス付圧力判定部45のリセットタイミングとなり、これによってスイッチ28がオン状態からオフ状態に切り替わる。
上記のように、図2(a)に示すアーム6とバケット7との状態でバケット7が掘削対象物16に貫入し、この掘削対象物16をすくい取った状態でバケット7が持ち上げ開始されるときには、スイッチ制御信号SWが“1”となってスイッチ28がオン状態となるが、図2(b)に示す状態となって、掘削対象物16を積み込んだバケット7が持ち上げられてアーム角度ψが角度範囲判定部47aの角度範囲ARa’からはずれ、これとともに、バケット角度θが角度範囲判定部47bの角度範囲ARb’からはずれている状態になると、ラッチ回路50がリセットされてスイッチ制御信号SWが“0”となり、スイッチ28がオフ状態となる。これにより、オフセット信号の付加のための動作が終了する。
図9は図1におけるオフセットコントローラ29の他の具体例を示すブロック構成図であって、51はタイマ、52は立下りエッジ検出回路であり、図8に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
同図において、この具体例は、ラッチ回路50の次段にタイマ51を設け、このラッチ回路50のQ出力の“0”から“1”への立上りエッジからタイマ51を起動させるものである。タイマ51の出力端子P_OUTからはスイッチ28のスイッチ制御信号SWが出力されるが、タイマ51が起動すると、スイッチ制御信号SWは“0”から“1”にレベル遷移してスイッチ28をオン状態にし、この起動時点から予め設定された所定時間Tだけ経過すると、タイマ51が動作を完了してスイッチ制御信号SWを“1”から“0”にレベル遷移させ、スイッチ28をオフ状態にする。
また、このスイッチ制御信号SWが立下りエッジ検出回路52に供給されてその“1”から“0”にレベル遷移する立下りエッジが立下りエッジ検出回路52で検出され、その検出信号がラッチ回路50のリセット信号RSTに使用される。
このようにして、スイッチ28は、オン状態に設定されると、所定時間Tの経過後、自動的にオフ状態に変更するようにすることができる。ここで、この所定時間Tとしては、例えば、図2(b)に示すように、掘削積込物16’を積み込んだバケット7を持ち上げて移動を開始するまでの時間とするが、これに限るものではない。
なお、この具体例では、タイマ51の出力をラッチ回路50のリセット信号の作成にのみ用い、ラッチ回路50のQ出力をスイッチ制御信号として用いるようにしてもよい。この場合には、ラッチ回路50のリセット信号RSTの生成手段として、図8での角度範囲判定部47a,47bとアンドゲート49からなる手段の代わりに、タイマ51を用い、スイッチ28のオン状態を一定の期間とするものである。
以上の第1の実施形態では、図1におけるオフセット値設定器37でのオフセット値OFを固定、もしくはオペレータが手動で調整可能とするものであるが、例えば、掘削対象物16の状況(材質や環境などによる影響)に応じてオフセット値OFを自動的に調整可能にすることもできる。以下では、このようなオフセット値設定器37を用いた本発明による掘削作業機械の掘削制御装置の第2の実施形態について説明する。
図10は本発明による掘削作業機械の掘削制御装置の第2の実施形態の要部、即ち、オフセット値設定器37の構成を示す図であって、53は演算部、54はオフセット値生成部である。
この第2の実施形態は、図2(b)に示す状態でのバケット7の掘削積込物16’の比重からオフセット値OFを求めるようにしたものである。
同図において、図2(b)に示す状態でバケット7の掘削積込物16’の積込重量Wと積込体積Aとが計測され、これら積込重量Wと積込体積Aとが演算部53で演算処理されることにより、このときの掘削対象物16の比重Dが算出される。オフセット値生成部54では、この比重Dに応じたオフセット値OFが求められ、掘削制御装置21のAD変換器38に出力される。なお、オフセット値生成部54としては、比重Dとオフセット値OFとの関係を示すテーブルを用いることができる。
このように、この第2の実施形態では、バケット7での掘削積込物16’の比重を求めてオフセット値OFを生成するものであり、掘削作業を開始する場合には、まず、最初に掘削対象物16を掘削して図2(b)に示す状態とし、このときのバケット7での掘削積込物16’の比重Dを求めてオフセット値OFを生成し、これを2回目の掘削のときに用いるものであり、2回目の掘削では、同様にして、オフセット値OFを求めて3回目の掘削に用いるようにし、このようにして、掘削によって求めたオフセット値OFを次の回の掘削に用いるようにする。このようにすることにより、各回の掘削毎にオフセット値OFが調整され、常に最適なオフセット値OFが自動的に設定されることになる。
図11は図10における演算部53で用いる積込重量Wを検出する積込重量検出部の一具体例を示すブロック構成図であって、55は積込重量計測部、56は積込重量算出部、57は積込掘削物重心位置/体積検出部であり、前出図面に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
同図において、積込重量計測部55は、バケット7に掘削積込物16’が積み込まれた図2(b)に示す状態において、アームシリンダ10(図2)にかかるその回転モーメントによる力Faとアーム角度θとをもとに、バケット7での掘削積込物16’の予め決められた仮想的な重心位置(空であるときのバケット7の重心位置)に掛かる積込重量W’を求めるものである。また、積込重量算出部56は、この仮想的な重心位置に掛かる積込重量W’をこの掘削積込物16’の実際の重心位置(積込掘削物重心位置)xでの積込重量Wに変換するものである。この積込掘削物重心位置xは、積込掘削物重心位置/体積検出部57で検出され、積込重量W’から積込重量Wへの変換には、この積込掘削物重心位置xが用いられる。
アームシリンダボトム圧力センサ33で検出されたアームシリンダ10の根元(ボトム)側の圧力(ボトム圧)Pbと、アームシリンダロッド圧力センサ34で検出されたアームシリンダ10の先端側の圧力(ロッド圧)Prと、アーム角度センサ35で検出されたアーム角度θとが積込重量計測部55に供給される。
ここで、アームシリンダ10には、バケット7やアーム6の重量に比例したアームピン8を中心とする回転モーメントを受け止める機構を備えており、これにより、アームシリンダ10にかかる回転モーメントに応じた回転力Faが掛かることになる。この回転力Faは、
Fa=Sb×Pb−Sr×Pr
但し、Sb:アームシリンダ10のボトム側の受圧面積
Sr:アームシリンダ10の先端側の受圧面積
で表わされる。積込重量計測部55では、かかる演算処理により、回転力Faが求められる。
また、バケット7やアーム6の重量に対する回転力Faは、アーム角度θに応じて異なるものであり、アーム角度θが小さいほど回転力Faは大きく、アーム角度θが大きいほど回転力Faは小さい。そこで、積込重量計測部55では、アーム角度θと補正係数kとの関係を表わすテーブルが設けられており、このテーブルをもとに検出されたアーム角度θに対する補正係数kを求め、
W’=k・Fa
の演算処理を行なうことにより、積込重量W’を求める。
ところで、バケット7に積込掘削物16’が積み込まれたときの図2(b)に示す状態で、上記のようにして求めた積込重量W’は、上記の仮想的な重心位置でのバケット7やアーム6の重量も含めた重量である。そこで、積込重量計測部55では、予め空であるときのバケット7とアーム6との積込重量W0を求めて保持しておき、これを用いて、
W”=W’−W0
の演算を行なうことにより、バケット7での掘削積込物16’だけの仮想重心位置での積込重量W”を求める。この積込重量W”が積込重量算出部56に供給される。
積込重量算出部56は、上記のように、積込重量計測部55で得られたバケット7での掘削積込物16’の仮想重心位置での積込重量W”を、この掘削積込物16’の重心位置(積込掘削物重心位置)xでの積込重量Wに変換するものであり、その積込掘削物重心位置xと変換係数α(但し、0<α≦1)との関係を示すテーブルにより、積込掘削物重心位置/体積検出部57で得られた現時点での掘削積込物16’の積込掘削物重心位置xからこれに応じた変換係数αを求め、
W=積込重量W”×変換係数α
の演算を行なうことにより、目的とする積込重量Wを求める。この積込重量Wが図10での演算部53に供給される。
図12は図10における積込掘削物重心位置/体積検出部57の一具体例を示す構成図であって、7aは先端、7bは水平面、15aは右カメラ、15bは左カメラ、16a’は基礎掘削積込物、16b’は余剰掘削積込物、58はバケット角度演算部、59は基礎重心位置/体積検出部、59a,59bはテーブル、60は余剰重心位置/体積検出部、60aは三次元形状計測部、60bは演算処理部、61は演算部であり、前出図面に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
同図において、アーム角度センサ35で検出されたアーム角度ψとバケット角度センサ36で検出されたバケット角度θとはバケット角度演算部58に供給され、これら角度ψ,θからバケット7の地面17(図2)に対するバケット角度、即ち、対地バケット角度θ0が算出される。この対地バケット角度θ0は、基礎重心位置/体積検出部59に供給される。
ここで、バケット角度θが対地バケット角度θ0であるときの、バケット7内でのその底面からその先端7aを通る水平面7bまでの空間(以下、これを基礎空間という)での掘削積込物(以下、これを基礎掘削積込物という)16a’の積込体積(以下、これを基礎積込体積という)をA0、また、この基礎掘削積込物16a’の重心位置(以下、これを基礎重心位置という)をx0とする。
基礎重心位置/体積検出部59は、バケット7に掘削積込物16’が積み込まれているときの、かかる基礎空間での基礎積込体積A0と基礎重心位置x0とを求めるものであるが、対地バケット角度θ0が変化すると、これに応じて基礎積込体積A0が変化し、また、基礎積込体積A0の変化とともに、基礎重心位置x0も変化する。
そこで、基礎重心位置/体積検出部59では、対地バケット角度θ0の変化に対する基礎重心位置x0の変化が予めテーブル59aとして、また、対地バケット角度θ0の変化に対する基礎積込体積A0の変化が予めテーブル59bとして夫々求められており、バケット角度演算部58からの対地バケット角度θ0に対する基礎重心位置x0がテーブル59aによって、また、対地バケット角度θ0に対する基礎積込体積A0がテーブル59bによって夫々求められる。得られた基礎積込体積A0と基礎重心位置x0とは演算部61に供給される。
一方、バケット7での基礎空間の上(水平面7b上)に積み込まれている掘削積込物(以下、これを余剰掘削積込物という)16b’の体積(以下、余剰積込体積という)A1とこの余剰掘削積込物16b’の重心位置(以下、余剰重心位置という)x1とは、ステレオカメラ15を用いて余剰重心位置/体積検出部60で検出される。
余剰重心位置/体積検出部60では、ステレオカメラ15の右カメラ15aと左カメラ15bとで撮影されたバケット7の水平面7b上に堆積されている余剰掘削積込物16b’の画像が供給され、三次元形状計測部60aでこの余剰掘削積込物16b’の三次元形状が計測され、この三次元形状から、演算処理部60bにより、余剰掘削積込物16b’の体積(即ち、余剰積込体積)A1とその重心位置(即ち、余剰重心位置)x1とが算出される。得られた余剰積込体積A1と余剰重心位置x1と演算部61に供給される。
演算部61では、基礎重心位置/体積検出部59から供給される基礎積込体積A0と余剰重心位置/体積検出部60から供給される余剰積込体積A1とから、
A=A0+A1
の演算処理が行なわれて積込体積Aが求められ、また、基礎重心位置/体積検出部59から供給される基礎重心位置x0と余剰重心位置/体積検出部60から供給される余剰重心位置x1とから、
x={(x0×A0)+(x1×A1)}/A
の演算処理が行なわれて積込掘削物重心位置xが算出される。得られた積込体積Aは図10における演算部53に供給され、得られた積込掘削物重心位置xが図11での積込重量検出部56に供給される。
このように、この第2の実施形態では、掘削対象物16の比重Dを計測し、この比重Dに応じてオフセット値設定器37でのオフセット値OFを変更するものであるから、天候などの環境の変化や掘削対象物16の種類の変更があって、オフセット値OFの調整を要する状況になっても、自動的にオフセット値OFが調整されることになり、オペレータの調整の手間を省いて、常に最適なオフセット値OFを設定することが可能となる。そして、このように、オフセット値OFが設定されることにより、通常操作レバーの大きな操作量を必要とする作業状況においても、オペレータのこのレバー操作量を小さくすることができ、オペレータの作業負担を低減して、違和感のない作業を行なうことを可能とする。
そして、図3に示したような掘削作業を自動的に行なうことができるようにした自動運転システムを備えたホイールローダ1(図1)においても、かかる掘削作業を自動的に行なわせるとき、かかるオフセット値設定器37を用いることにより、オフセット値OFが自動的に最適な値に設定されて、良好な掘削作業が自動的に行なわれることになる。
図13は本発明による掘削作業機械の掘削制御装置の第3の実施形態のオフセット設定器を示すブロック構成図であって、62はコントローラ、63はオフセット値生成部、64は操作部、65は記憶部、66はロッド押圧力計測部、67はサイクルタイム計測部、68は積込重量計測部、69はバケット用信号生成部、70はアーム用信号生成部、71は走行用信号生成部である。
この第3の実施形態は、図1に示す第1の実施形態の構成に、掘削作業の自動運転時に使用されるこの図13に図示するオフセット値設定器を備えたものである。従って、かかるオフセット値設定器を備えていること以外、図1に示す第1の実施形態と構成が同様である。
同図において、コントローラ62は、各部の制御を行なう制御手段とともに、積込重量の算出処理を行なう積込重量算出手段やオフセット値を調整するオフセット値調整手段などを備えている。
操作部64は、ホイールローダ1の運転室3(図2)に設けられた図1でのパケット操作用レバー20a,アーム操作用レバー20bや走行用操作レバーなどの操作レバーや自動運転の開始/終了のための操作手段などを備えており、掘削対象物16(図2)の掘削とダンプトラック(図3)へのその積み込みとの掘削作業の自動運転の開始/終了のための操作手段は、例えば、操作ボタンである。この操作部64で自動運転の開始操作が行なわれることにより、コントローラ62が各部を制御して自動運転を開始させ、また、この操作部64で自動運転の終了操作が行なわれることにより、コントローラ62が自動運転動作を終了させる。
記憶部65には、掘削作業の自動運転のためのプログラムや各種データが記憶されているものであって、操作部64で自動運転の開始操作が行なわれると、コントローラ62が、記憶部65から自動運転のためのプログラムやデータを読み取り、ロッド押圧力計測部66,サイクルタイム計測部67及び積込重量計測部68の出力を用いて自動運転のプログラムを実行し、オフセット値生成部63,バケット用信号生成部69,アーム用信号生成部70及び走行用信号生成部71を制御して、掘削作業の自動運転を実行する。
ここで、この掘削作業の自動運転は、図3に示されるように、ダンプトラック17が掘削対象物16の近くの位置Cに置かれており、ホイールローダ1が作業場の所定の位置Aから掘削対象物16に近い位置Bに移動して掘削対象物16の掘削を行ない、図2(b)で示すように、バケット7に掘削積込物16’が積み込まれた状態で位置Aに戻り、しかる後、ダンプトラック17の位置Cまで移動してバケット7の掘削積込物16’をダンプトラック18に落し込み、再び位置Aに戻る掘削とダンプトラック18への搬送との一連の作業を自動的に繰り返す作業の運転である。
ロッド押圧力計測部66は、アーム6(図2)のロッドにかかる押圧力を検出するものであって、図11における積込重量計測部55のように、アームシリンダボトム圧力センサ33とアームシリンダロッド圧力センサ34との検出圧力との減算処理によって得られるものであり、バケット7が掘削対象物16に嵌入した状態を検出するために用いる。コントローラ62は、このロッド押圧力計測部66の検出出力(アーム6のロッド押圧力)が予め決められた閾値に達すると、バケット7が掘削対象物16に貫入したものと判定し、自動運転のプログラムに従ってバケット用信号生成部69を制御し、バケット7の掘削対象物16への貫入動作を終了させて次のバケット7の上向きの回動動作に移行させる。
積込重量計測部68は、図2(b)に示すようなバケット7の掘削積込物16’の重量、即ち、積込重量Wを計測するものであって、図11に示す積込重量検出部55と同様の構成をなしている。この積込重量計測部68の計測結果はコントローラ62に供給され、その積込重量算出部により、積込重量の算出処理がなされる。この第3の実施形態が、手動運転の際に用いる図10〜図12に示すような構成のオフセット値設定器37を備えているときには、積込重量計測部68として、このオフセット値設定器37の図11に示す積込重量計測部55を兼用してもよい。
サイクルタイム計測部67は、図3において、ホイールローダ1が位置Aから位置Bに移動して掘削を行ない、一旦位置Aに戻ってから位置Cに移動してバケット7の掘削積込物16’をダンプトラック18に移し、位置Aに戻る一連の動作のうちの前半部分、即ち、ホイールローダ1が位置Aから位置Bに移動して掘削を行ない、一旦位置Aに戻る動作を1サイクルとし、それに要する時間をサイクルタイムTcとして計測するものであって、ホイールローダ1が位置Aから走行開始する毎にリセット(R)され、その計時データDがコントローラ62に供給される。コントローラ62は、ホイールローダ1が位置Aから走行開始するタイミングでサイクルタイム計測部67にリセット信号を送り、その時点からホイールローダ1が位置Bで掘削作業をして位置Aに戻った時点での時間をサイクルタイム計測部67からの計時データDから求め、これをサイクルタイムTcとする。
なお、位置Aから位置B,位置Bから位置C,位置Cから位置Aの経路は、例えば、操作部64を操作することにより、ホイールローダ1を一度動作させ、位置Aを開始位置として設定し、この開始位置Aから位置Bまでの経路をホイールローダ1を走行させて位置Bで位置設定することにより、かかる経路と位置Bとが設定され、次いで位置Bから位置Aまでの経路を走行させて位置Aで位置設定操作することにより、かかる経路と位置Aとが設定され、次いで位置Aから位置Cまでの経路を走行させて位置Cで位置設定操作することにより、かかる経路と位置Cとが設定され、最後に位置Cから位置Aまでの経路を走行させて位置Aで終点位置の設定操作をすることにより、かかる経路と終点位置Aとが設定される。かかる設定データはコントローラ62に取り込まれ、記憶部65に登録される。
掘削の自動運転を開始するときには、コントローラ62でかかる設定データが読み出され、この設定データをもとに走行用信号生成部71が制御されて走行用信号STが発生され、ホイールローダ1の設定された経路に沿う走行が行なわれる。この場合、位置Bが設定されるときには、操作部64の操作により、この位置Bでの掘削動作の設定も同時に行なわれ、また、位置Cが設定されるときには、バケット7の掘削積込物16’のダンプトラック18への積み込み作業を同時に設定する。但し、位置A〜Cの設定は、ナビゲーションシステムによる位置検出を利用するようにしてもよい。
また、経路の計測は、図示しないが、走行距離計測部と走行方向計測部とが設けられており、走行距離毎の走行方向データを経路データとしてコントローラ62が取り込み、記憶部65に登録する。掘削作業を行なうときには、コントローラ62が記憶部65からこの経路データを読み取り、これに基づいて走行用信号生成部71を制御し、この経路データに応じた走行用信号STを生成してホイールローダ1の走行を制御する。
オフセット値生成部63は、サイクルタイムTcの1サイクル毎にオフセット値OF(n)(n=0,1,2,……であって、n=0は起動時であり、OF(n)はnサイクルでのオフセット値OFを表わす)を生成するものであって、コントローラ62のオフセット値調整手段により、デフォルト値としてオフセット初期値OF(0)が設定され、サイクル毎にコントローラ62の積込重量算出手段によって算出されたそのサイクルタイムTcでの積込重量Wに応じてオフセット調整量SPのプラス・マイナスの調整が行なわれる。オフセット値生成部63から出力されるオフセット値OF(n)は、図1におけるスイッチ28に供給される。
バケット用信号生成部69は、コントローラ62の制御により、ホイールローダ1の経路走行中や掘削対象物16の掘削動作中,ダンプトラック18への積込動作中のバケット操作用レバー20a(図1)の操作による上記の電気信号に相当するバケット用信号SBを生成し、図1における掘削制御装置21のバケット速度指令信号生成部24aに供給する。
アーム用信号生成部70は、コントローラ62の制御により、ホイールローダ1の経路走行中や掘削対象物16の掘削動作中,ダンプトラック18への積込動作中のアーム操作用レバー20b(図1)の操作による上記の電気信号に相当するアーム用信号SAを生成し、図1における掘削制御装置21のアーム速度指令信号生成部24bに供給する。
次に、図14により、この第3の実施形態の自動運転におけるオフセット値の設定動作の一具体例について説明する。
操作部64で掘削作業の自動運転の開始操作が行なわれると(このときには、自動運転のための設定データや経路データなどの自動運転に必要なデータが記憶部65に設定されている)、コントローラ62は記憶部65からデフォルトのオフセット値(初期オフセット値)OF(0)とオフセット調整値SPを読み取り、この初期オフセット値OF(0)をオフセット値生成部63に供給する。これにより、オフセット値生成部63からこの初期オフセット値OF(0)がオフセット値OFとして出力し、スイッチ28(図1)に供給する。また、作業回数nをn=0に設定する(ステップS200)。
そして、コントローラ62はバケット用信号生成部69,アーム用信号生成部70及び走行用信号生成部71を制御し、これにより、図3に示すように、位置Aから走行開始して位置Bに進み、バケット7で掘削積込物16’を積み込んで持ち上げ、位置Bから位置Aに戻る最初の掘削作業の前半の自動運転が開始される。そして、この自動運転の開始とともに、コントローラ62は、サイクルタイム計測部67をリセットして時間の計測動作(計時動作)を開始させ、積込重量計測部68が計測するバケット7での掘削積込物16’の積込重量Wを取り込んでこれをコントローラ62の積込重量算出手段が順次積算する。但し、バケット7が掘削対象物16(図2)に貫入してこれを持ち上げるまでは、積込重量W=0である。
また、この最初の掘削作業の前半の自動運転において、ホイールローダ1が図3での掘削対象物16の近くの位置Bに達すると、コントローラ62がバケット用信号生成部69とアーム用信号生成部70とを制御することにより、バケット7とアーム6とが図2(a)に示す状態となり、この状態でホイールローダ1を前進させてバケット7を掘削対象物16に貫入させるが、このとき、コントローラ62はロッド押圧力計測部66が計測するロッド押圧力dPを監視し、このロッド押圧力pdが所定の閾値を超えると、バケット7が掘削対象物16に充分貫入したと判定し、バケット用信号生成部69とアーム用信号生成部70とを制御してバケット7を上向きに回動させ、アーム6を上方向に回動させてバケット7に掘削積込物16’が積み込まれた図2(b)に示す状態とする。
しかる後、コントローラ62によるバケット用信号生成部69とアーム用信号生成部70と走行用信号生成部71との制御により、アーム6及びバケット7がかかる状態に保持されてホイールローダ1が一旦位置Bに戻り(このために、位置Bから掘削対象物16にバケット7が貫入するまでの経路や距離が計測されており、その計測データをもとに、位置Bに戻る)、しかる後、この位置Bから位置Aに戻り、これにより、前半の自動運転が終了する。
そして、コントローラ62の積込重量算出手段により、この掘削作業の前半の自動運転の終了時点でのサイクルタイム計測部67の計時データを取り込んでサイクルタイムTcとし、このサイクルタイムTcの期間に積込重量計測部68で得られた積込重量Wを除算した累積値ΣWをサイクルタイムTcで乗算して、単位時間当たりの積込重量(即ち、時間平均化された積込重量)ΣW/Tcを求める(以上、ステップS201)。
ここで、同じ自動運転においても、夫々の掘削作業毎に、掘削対象物16の場所(表面部や内部)に応じて単位体積当りの重量が異なるばかりでなく、掘削積込物16’を積み込んでバケット7を図2(b)に示す状態に持ち上げる過程で積込重量Wが変動したり、バケット7に掘削積込物16’を積み込んで位置Aまで運ぶときの走行状態に応じて異なる振動が各シリンダに加わり、これによって積込重量Wが変動したりするので、このような影響をなくすために、時間平均化した単位時間当たりの積込重量ΣW/Tcを用いるものである。即ち、この第3の実施形態では、図10〜図12で示す第2の実施形態での図2(b)に示す状態での掘削積込物16’の積込重量Wを用いるのではなく、掘削作業の前半の作業時間(サイクルタイムTc)内で取り扱う積込重量をもとに、オフセット設定値OFの更新を行なうものである。
次いで、作業回数nが0か否かを判定し、この場合、初回の掘削作業でn=0であるから(ステップS202の“YES”)、続いて、掘削作業の後半の自動運転、即ち、位置Aからホイールローダ1を位置Cに移動させてバケット7の積込対象物16’をダンプトラック18に移し、しかる後、位置Aに戻る後半の作業の自動運転が行なわれる(ステップS206)。そして、位置Aに戻って以上の一連の動作の今回の自動運転が完了したとき(これにより、最初の掘削作業の自動運転が完了する)、操作部64によって自動運転の停止操作がなされていないときには(ステップS207の“NO”)、作業回数n=n+1とし(この場合、n=1:ステップS208)、ステップS201に進んで次の(この場合、2回目の)掘削作業の前半の自動運転を開始する。
2回目以降の掘削作業では、作業回数nは0でないから(ステップS202の“NO”)、ステップ201での今回の掘削作業で求めた単位時間当りの積込重量ΣW/Tc(n)と前回の掘削作業で求めた単位時間当りの積込重量ΣW/Tc(n−1)との大小関係が判定され、{ΣW/Tc(n)−ΣW/Tc(n−1)}≧0のときには(ステップS203の“YES”)、積込重量Wが前回の作業のときよりも大きくなったとして、今回の掘削作業で使用したオフセット設定値、即ち、前回の掘削作業で求めたオフセット値OF(n−1)(なお、今回の掘削作業が2回目の掘削作業である場合、初期オフセット値OF(0))にオフセット調整値SPを加算して次回の掘削作業で使用するオフセット設定値OFを大きくする(ステップS205)。また、{ΣW/Tc(n)−ΣW/Tc(n−1)}<0のときには(ステップS203の“NO”)、積込重量Wが前回の掘削作業のときよりも小さくなったとして、今回の掘削作業で使用したオフセット設定値OF(n−1)にオフセット調整値SPを減算して次回の掘削作業で使用するオフセット設定値OFを小さくする(ステップS204,S205)。
このようにして、この自動運転の次回の掘削作業で使用するオフセット設定値OF(n+1)がオフセット調整値SPによって更新されると、操作部64によるこの自動運転の停止操作がなされたか否かの判定がなされ、自動運転の停止操作がなされていなければ(ステップS207の“NO”)、作業回数n=n+1とし(ステップS208)、ステップS201に進んで次の(この場合、n+1回目の)掘削作業の自動運転を開始する。また、操作部64によるこの自動運転の停止操作がなされていれば(ステップS207の“YES”)、ステップS205で更新したオフセット設定値OF(n)を、次回の自動運転で使用する初期オフセット設定値OF(0)として、記憶部65に格納して保存し(ステップS209)、この自動運転を終了する。
そこで、いま、n回目の掘削作業の自動運転において、単位時間当りの積込重量ΣW/TcをW(n)とし、ステップS205で設定されたオフセット設定値OFをOF(n)として、次の(n+1)回目の掘削作業の自動運転において、単位時間当りの積込重量ΣW/Tcが増加してW(n)+ΔWとなったとすると、このときのオフセット設定値OFは1つ前のn回目の掘削作業の自動運転で設定されたOF(n)であるから、シリンダ速度が遅くなってサイクルタイムTc(n+1)はn回目の掘削作業の自動運転でのサイクルタイムTc(n)よりも長くなる。
この状態において、
W(n+1)−W(n)>0
となった場合には、単位時間当りの積込重量ΣW/Tcの増加に対してオフセット値OFが小さ過ぎ、シリンダ速度が遅すぎることになり、(n+1)回目の掘削作業の自動運転でのステップS205において、オフセット値OFがオフセット調整値SP分増加されることになる。
また、
W(n+1)−W(n)<0
となった場合には、単位時間当りの積込重量ΣW/Tcの増加に対してオフセット値OFが大き過ぎ、シリンダ速度が速すぎることになり、(n+1)回目の掘削作業の自動運転でのステップS205において、オフセット値OFがオフセット調整値SP分減少されることになる。
これに対し、次の(n+1)回目の掘削作業の自動運転において、単位時間当りの積込重量ΣW/Tcが減少してW(n)−ΔWとなったとすると、このときのオフセット設定値OFは1つ前のn回目の掘削作業の自動運転で設定されたOF(n)であるから、シリンダ速度が速くなってサイクルタイムTc(n+1)はn回目の掘削作業の自動運転でのサイクルタイムTc(n)よりも短くなる。
この状態において、
W(n+1)−W(n)>0
となった場合には、単位時間当りの積込重量ΣW/Tcの減少に対してオフセット値OFが大き過ぎ、シリンダ速度が速過ぎることになって、(n+1)回目の掘削作業の自動運転でのステップS205において、オフセット値OFがオフセット調整値SP分減少されることになる。
また、
W(n+1)−W(n)<0
となった場合には、単位時間当りの積込重量ΣW/Tcの減少に対してオフセット値OFが小さ過ぎ、シリンタブ速度が遅すぎることになり、(n+1)回目の掘削作業の自動運転でのステップS205において、オフセット値OFがオフセット調整値SP分増加されることになる。
このように、常に、積込対象物の状態の変化に対して、単位時間当りの積込重量ΣW/Tcが大きくなるように、オフセット値OF(従って、ロッド押圧力によるシリンダ速度)がオフセット調整値SPによって調整されるものである。
図15は以上の図14のステップ201〜ステップ208のオフセット値OFの調整動作の時間的な流れの一具体例を示すフローチャートである。
ここで、図15においては、横軸にオフセット値OF(n)をとり、縦軸に単位当りの積込重量ΣW/Tcをとり、単位当りの積込重量ΣW/Tcの最大値をWmaxとして、この最大値Wmaxを通る縦軸を時間軸tとしている。この時間軸tに沿ってオフセット値OFの時間的な変化を示している。また、横軸状に示すN=0,N=1,……,n=4は夫々、オフセット値OF(n)を表わしており、n=0はオフセット値OF(0)を、n=1はオフセット値OF(1)を、n=2はオフセット値OF(2)を、n=3はオフセット値OF(3)を、n=4はオフセット値OF(4)を夫々表わしている。
また、t3,t4,t5,……,t8は時間軸t上の時刻を表わすものであって、夫々オフセット値OFがオフセット調整値SPによって変更されるタイミングを示すものであり、換言すると、順次の掘削作業の自動運転の開始タイミング(即ち、図3において、ホイールローダ1が位置Aから移動開始するタイミング)である。ここで、時刻t3は3回目の位置Aからの移動開始タイミング、時刻t4は4回目の位置Aからの移動開始タイミング、……、時刻t8は8回目の位置Aからの移動開始タイミングである。
また、小さい黒丸は各時刻t3,t4,t5,……,t8でのオフセット値OFを表わすものであり、その値は横軸に投影したときのその投影点での値である。さらに、各時刻t3,t4,t5,……,t8での2つのオフセット値OF間の矢印は、オフセット調整値SPを表わすものであり、この矢印が右向きの場合、オフセット調整値SPは正値(即ち、+SP)、この矢印が左向きの場合、オフセット調整値SPは負値(即ち、−SP)である。
なお、ここでは、順番が異なる掘削作業の自動運転でのオフセット値OFが等しい場合には、図面が複雑とならないように、これらオフセット値OFは同じ形態で表示されるものとする。例えば、図示する例では、時刻t5でのオフセット値OFはn=3でのOF(3)であり、時刻t7でのオフセット値OFはこれと同じであるので、OF(3)で表わすことにする。
また、単位時間当りの積込重量ΣW/Tcが最大値Wmaxとなるオフセット値OFは、オフセット値OF(3)とオフセット値OF(4)との間の値であるが、ここでは、このようなオフセット値(n)は設定できないものとする。
以下、動作を説明すると、1回目の掘削動作と2回目の掘削動作とで使用するオフセット値OFは、ともに、初期オフセット値OF(0)である。
2回目の掘削動作のタイムサイクルTcが終了して、1回目の掘削作業での単位時間当りの積込重量ΣW/Tc(1)に対し、2回目の掘削作業での単位時間当りの積込重量ΣW/Tc(2)が大きい場合には(図14でのステップ203の“YES”)、3回目の掘削動作が開始する時刻t3のタイミングでこれまでの初期オフセット値OF(0)にオフセット調整値SPを加算し、3回目の掘削動作に対するオフセット値OF(1)とする(図14でのステップ205)。3回目の掘削動作では、このオフセット値OF(1)が設定されて掘削作業が行われるが、このときも、2回目の掘削作業での単位時間当りの積込重量ΣW/Tc(2)に対し、3回目の掘削作業での単位時間当りの積込重量ΣW/Tc(3)が大きい場合には(図14でのステップ203の“YES”)、次の4回目の掘削動作が開始する時刻t4のタイミングでこれまでのオフセット値OF(1)にオフセット調整値SPが加算され、4回目の掘削動作に対するオフセット値OF(2)とする(図14でのステップ205)。
同様にして、図示するように、5回目,6回目の掘削動作が開始する時刻t5,t6のタイミングで4回目,5回目の掘削動作のオフセット値OF(2),(3)にオフセット調整値SPが加算されて、オフセット値OF(3),(4)で5回目,6回目の掘削動作が行なわれるが、5回目の掘削動作での単位時間当りの積込重量ΣW/Tc(5)に対し、6回目の掘削動作での単位時間当りの積込重量ΣW/Tc(6)が小さい場合には(図14でのステップ203の“No”)、次の7回目の掘削動作を開始する時刻t7でこれまでのオフセット値OF(4)にオフセット調整値SPが減算され、7回目の掘削動作に対するオフセット値OF(3)とする(図14でのステップ204,205)。そして、7回目の掘削動作がオフセット値OF(3)で行われるが、6回目の掘削動作での単位時間当りの積込重量ΣW/Tc(6)に対し、7回目の掘削動作での単位時間当りの積込重量ΣW/Tc(7)が大きい場合には(図14でのステップ203の“YES”)、次の8回目の掘削動作を開始する時刻t8でこれまでのオフセット値OF(3)にオフセット調整値SPが減算され、8回目の掘削動作に対するオフセット値OF(2)とする(図14でのステップ204,205)。8回目の掘削動作がオフセット値OF(2)で行われるが、7回目の掘削動作での単位時間当りの積込重量ΣW/Tc(7)に対し、8回目の掘削動作での単位時間当りの積込重量ΣW/Tc(8)が小さい場合には(図14でのステップ203の“No”)、次の9回目の掘削動作を開始する時刻t9でこれまでのオフセット値OF(4)にオフセット調整値SPが加算され、9回目の掘削動作に対するオフセット値OF(3)とする(図14でのステップ205)。そして、図示しないが、次の10回目の掘削動作に用いるオフセット値OFは9回目の掘削動作に用いたオフセット値OF(3)にオフセット調整値SPが加算されたものとなる。
以下、単位時間当りの積込重量ΣW/Tcが最大値Wmaxとなるときのオフセット値OF(X)の上下の3つのオフセット値OF(2),(3),(4)が、
オフセット値OF(2)<オフセット値OF(3)<オフセット値OF(X)
<オフセット値OF(4)
であって、かつオフセット値OF(2),(3),(4)での単位時間当りの積込重量ΣW/Tcを夫々W2,W3,W4として、
3>W4>W2
であるときには、掘削動作が進む毎に、オフセット値OFはオフセット値OF(2),(3),(4),(3),〔2〕の切り替わりを繰り返すことになる。
これに対し、図16に示すように、
3,W5<W4
である場合には、図14のステップ203で“YES”となるので、時刻t7で始まる7回目の掘削動作に用いるオフセット値OFは、時刻t6で始まる6回目の掘削動作に用いたオフセット値OF(4)にオフセット調整値SPが加算されたものとなり、時刻t8で始まる8回目の掘削動作に用いるオフセット値OFが7回目の掘削動作に用いたオフセット値OF(5)にオフセット調整値SPが減算されたものとなり、時刻t9で始まる9回目の掘削動作に用いるオフセット値OFが8回目の掘削動作に用いたオフセット値OF(4)にオフセット調整値SPが減算されたものとなる。そして、図示しないが、次の10回目の掘削動作に用いるオフセット値OFは9回目の掘削動作に用いたオフセット値OF(3)にオフセット調整値SPが加算されたものとなる。このため、これ以降では、掘削動作が進む毎に、オフセット値OFは、単位時間当りの積込重量ΣW/Tcが最大値Wmaxとなるときのオフセット値(X)よりも小さいオフセット値OF(3)と大きいオフセット値OF(4),(5)とが順にかつ繰り返し切り替わることになる。
以上は、初期オフセット値OF(0)が単位時間当りの積込重量ΣW/Tcが最大値Wmaxとなるときのオフセット値(X)よりも小さい場合であったが、大きい場合であって、オフセット値OFの変化する方向が逆になるだけであって、同様の調整が行なわれる。
なお、ここでは、自動運転の開始時の掘削作業(n=0)で用いる初期オフセット設定値OF(0)として、前回の最後の掘削作業の自動運転で求めたオフセット値OFを用いるようにしたが、初期オフセット設定値OF(0)を常に一定値としてもよい。
以上のように、この第3の実施形態では、各掘削作業の自動運転毎にサイクルタイムTcで時間平均化した単位時間当りの積込重量ΣW/Tcを求め、その変化に応じてオフセット設定値OFを調整するものであるから、積込重量Wが大きく、前回よりも今回の方が単位時間当りの積込重量ΣW/Tcが大きい場合には、オフセット設定値OFがオフセット調整値SP分だけ増加するように調整されるから、前回に比べて掘削の速度が速くなる。また、前回の方が今回よりも単位時間当りの積込重量ΣW/Tcが大きい場合には、オフセット設定値OFがオフセット調整値SP分だけ減少するように調整されるから、掘削の速度が前々回と同じになる。
このように、オフセット値OFが調整されることにより、掘削対象物16の種類や状況が異なった場合には、これに応じてオフセット値OFは、単位時間当りの積込重量ΣW/Tcが大きくなるように、調整される。
本発明による掘削作業機械の掘削制御装置の第1の実施形態を示すブロック構成図である。 掘削作業機械の一例としてのホイールローダの掘削作業状態を示す図である。 ホイールローダの掘削とダンプトラックへの積込作業との一連の掘削作業動作を示す図である。 図1に示す第1の実施形態の動作を示すフローチャートである。 図1における掘削制御装置によって制御される油圧回路の一具体例を示す図である。 レバー操作に対するシリンダの速度の関係を模式的に示す特性図である。 図1でのオフセット値設定器での設定オフセット値に対するレバー操作量と電磁弁駆動電流との関係を模式的に示す特性図である。 図1におけるオフセットコントローラの一具体例を示すブロック構成図である。 図1におけるオフセットコントローラの他の具体例を示すブロック構成図である。 本発明による掘削作業機械の掘削制御装置の第2の実施形態におけるオフセット値設定器の一具体例を示す図である。 図10における演算部で用いる積込重量Wを検出する積込重量検出部の一具体例を示すブロック構成図である。 図10における積込掘削物重心位置/体積検出部の一具体例を示す構成図である。 本発明による掘削作業機械の掘削制御装置の第3の実施形態における自動運転のためのオフセット値設定器の一具体例を示すブロック構成図である。 図13に示す第3の実施形態での自動運転におけるオフセット値の設定動作の一具体例を示すフローチャートである。 図14のステップ201〜ステップ208のオフセット値OFの調整動作の時間的な流れの一具体例を示すフローチャートである。 図14のステップ201〜ステップ208のオフセット値OFの調整動作の時間的な流れの他の具体例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ホイールローダ
3 操作室
6 アーム
7 バケット
7a 先端
7b 水平面
10 アームシリンダ
12 バケットシリンダ
15 ステレオカメラ
15a 右カメラ
15b 左カメラ
16 掘削対象物
16’ 掘削積込物
16a’ 基礎掘削積込物
16b’ 余剰掘削積込物
17 地面
18 ダンプトラック
20a バケット操作用レバー
20b アーム操作用レバー
21 掘削制御装置
22 AD変換器
23 速度指令信号生成部
24a バケット速度指令信号生成部
24b アーム速度指令信号生成部
25a,25b 加算部
26a,26b スイッチ
27a,27b オフセット信号生成部
28 スイッチ
29 オフセットコントローラ
30 AD変換器
31a1 バケットクラウド用電磁弁駆動回路
31a2 バケットダンプ用電磁弁駆動回路
31b1 アーム上げ用電磁弁駆動回路
31b2 アーム下げ用電磁弁駆動回路
32a1 バケットクラウド用電磁弁
32a2 バケットダンプ用電磁弁
32b1 アーム上げ用電磁弁
32b2 アーム下げ用電磁弁
33 アームシリンダボトム圧力センサ
34 アームシリンダロッド圧力センサ
35 アーム角度センサ
36 バケット角度センサ
37 オフセット値設定器
38 AD変換器
44 減算器
45 ヒステリシス付圧力判定部
46a,46b,47a,47b 角度範囲判定部
48,49 アンドゲート
50 ラッチ回路
51 タイマ
52 立下りエッジ検出回路
53 演算部
54 オフセット値生成部
55 積込重量計測部
56 積込重量算出部
57 積込掘削物重心位置/体積検出部
58 バケット角度演算部
59 基礎重心位置/体積検出部
59a,59b テーブル
60 余剰重心位置/体積検出部
60a 三次元計測部
60b 処理部
61 演算部
62 コントローラ
63 オフセット値生成部
64 操作部
65 記憶部
66 ロッド押圧力計測部
67 サイクルタイム計測部
68 積込重量計測部
69 バケット用信号生成部
70 アーム用信号生成部
71 走行用信号生成部

Claims (6)

  1. 操作量と操作方向に応じた電気信号を発生するバケット操作用レバーと、操作量と操作方向に応じた電気信号を発生するアーム操作用レバーとを備え、該バケット操作用レバーの操作に応じてバケットシリンダを制御することにより、バケットを該操作量と操作方向に応じて動作させ、該アーム操作用レバーの操作に応じてアームシリンダを制御することにより、アームを該操作量と操作方向に応じて動作させる掘削作業機械の掘削制御装置において、
    該バケット操作用レバーからの該電気信号により該バケットに対するバケット速度指令信号を生成するバケット速度指令信号生成手段と、
    該アーム操作用レバーからの該電気信号により該アームに対するアーム速度指令信号を生成するアーム速度指令信号生成手段と、
    該バケット速度指令信号と該アーム速度指令信号とのオフセット信号を生成するオフセット信号生成手段と、
    該バケット及び該アームによる掘削対象物の掘削のための所定動作を行なう際に、該バケット速度指令信号に該オフセット信号を加算する第1の加算手段と、
    該バケット及び該アームによる掘削対象物の掘削のための所定動作を行なう際に、該アーム速度指令信号に該オフセット信号を加算する第2の加算手段と、
    該所定動作を行なう際に該オフセット信号が加算された該バケット速度指令信号に応じて該バケットシリンダを動作させ、該所定動作を行なう際に該オフセット信号が加算された該アーム速度指令信号に応じて該アームシリンダを動作させる速度指令信号生成手段と
    を備え、
    該バケット速度指令信号生成手段は、該バケットを上向き方向に所定の速度で回動させるに必要な操作方向に所定の操作量だけ該バケット操作用レバーが操作されたとき、第1のバケット速度指令信号を生成し、該バケットを下向き方向に所定の速度で回動させるに必要な操作方向に所定の操作量だけ該バケット操作用レバーが操作されたとき、第2のバケット速度指令信号を生成し、
    該アーム速度指令信号生成手段は、該アームを上げ方向に所定の速度で回動させるに必要な操作方向に所定の操作量だけ該アーム操作用レバーが操作されたとき、第1のアーム速度指令信号を生成し、該アームを下げ方向に所定の速度で回動させるに必要な操作方向に所定の操作量だけ該アーム操作用レバーが操作されたとき、第2のアーム速度指令信号を生成し、
    該第1の加算手段は、該バケット速度指令信号生成手段から該第1のバケット速度指令信号が出力されるときに、該第1のバケット速度指令信号に該オフセット信号を加算し、
    該第2の加算手段は、該アーム速度指令信号生成手段から該第1のアーム速度指令信号が出力されるときに、該第1のアーム速度指令信号に該オフセット信号を加算する
    ことを特徴とする掘削作業機械の掘削制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1の加算手段での前記バケット速度指令信号への前記オフセット信号の加算と前記第2の加算手段での前記アーム速度指令信号への前記オフセット信号の加算とを許可するオフセットコントローラを設け、
    該オフセットコントローラは、
    前記バケットの角度が掘削対象物を掘削して持ち上げるときの第1の所定の
    角度範囲にあるとともに、前記アームの角度が掘削対象物を掘削して持ち上
    げるときの第2の所定の角度範囲にあって、前記アームシリンダでのボトム
    側の押圧力とロッド側の押圧力との差が所定の閾値以上となったとき、前記
    第1の加算手段での前記バケット速度指令信号への前記オフセット信号の加
    算を許可するとともに、前記第2の加算手段での前記アーム速度指令信号へ
    の前記オフセット信号の加算を許可する判定をする
    ことを特徴とする掘削作業機械の掘削制御装置。
  3. 請求項2において、
    前記オフセットコントローラは、
    (1)前記バケットまたは前記アームの角度が前記第1または第2の所定の角度範囲外となるときに、前記第1の加算手段での前記バケット速度指令信号への前記オフセット信号の加算と前記第2の加算手段での前記アーム速度指令信号への前記オフセット信号の加算とを禁止する判定をし、
    (2)前記オフセット信号の加算を許可する判定をしてから予め決められた所定時間経過後、前記オフセット信号の加算の許可を解除する判定をする
    ことを特徴とする掘削作業機械の掘削制御装置。
  4. 請求項2または3において、
    オフセット値を出力するオフセット値設定手段と、
    該オフセット値を前記バケット速度指令信号及び前記アーム速度指令信号に前記第1,第2の加算手段で加算するためのオフセット信号を生成するオフセット信号生成手段と、
    前記オフセットコントローラの加算許可の判定によってオンし、該オフセット値設定手段で設定された該オフセット値を該オフセット信号生成手段に供給し、前記オフセットコントローラの加算禁止の判定によってオフし、該オフセット値設定手段で設定された該オフセット値の該オフセット信号生成手段への供給を禁止するスイッチ手段と
    を有することを特徴とする掘削作業機械の掘削制御装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか1つにおいて、
    前記オフセットコントローラは、
    掘削による前記バケットでの前記掘削対象物の積込重量を検出する第1の検出手段と、
    掘削による前記バケットでの前記掘削対象物の積込体積を検出する第2の検出手段と、
    該第1の検出手段で検出された該積込重量と該第2の検出手段で検出された該積込体積とから掘削による前記バケットでの前記掘削対象物の比重を算出する比重演算手段と、
    該比重演算手段で算出された該比重に応じた前記オフセット値を求めるオフセット値生成手段と
    からなることを特徴とする掘削作業機械の掘削制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つにおいて、
    掘削作業機械を第1の位置から前記掘削対象物に近い第2の位置まで移動させて前記掘削対象物の掘削作業を行なわせ、前記バケットに掘削積込物を積み込んだまま該第1の位置まで戻る第1の作業動作と、前記バケットに該掘削積込物を積み込んだまま該第1の位置から第3の位置まで移動させて該掘削積込物を放出させ、該第3の位置から該第1の位置まで戻る第2の作業動作とがらなる一連の作業動作を繰り返し自動運転させる制御手段と、
    該一連の作業動作毎に、該第1の作業動作が行なわれるサイクルタイムを計測するサイクルタイム計測手段と、
    該一連の作業動作毎に、該第1の作業動作での前記バケットによる掘削積込物の積込重量を計測する積込重量計測手段と、
    該一連の作業動作毎に、該積込重量計測手段で計測した該積込重量の累積値を該サイクルタイム計測手段で計測したサイクルタイムで除算して単位時間当りの前記バケットでの掘削積込物の積込重量を算出する積込重量算出手段と、
    該一連の作業動作毎に、今回と前回との一連の作業動作での単位時間当りの前記バケットでの掘削積込物の積込重量を比較し、その比較結果に応じてオフセット値を所定値ずつ増減することにより、単位時間当りの前記バケットによる掘削積込物の積込重量が最大となるように、該オフセット値を調整するオフセット値調整手段と
    を有し、
    該自動運転時、前記オフセット信号生成手段が該オフセット値調整手段で調整された該オフセット値から前記オフセット信号を生成することを特徴とする掘削作業機械の掘削制御装置。
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