以下に本発明の実施の形態を遊技機たるスロットマシンを例に図面を参照しつつ説明する。なお、図1はスロットマシンの分解斜視図、図2は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの分解斜視図、図3はスロットマシンの斜視図、図4は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの縦断面図、図5は図4のZ1部拡大図、図6はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図4のZ1部拡大図、図7は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの横断面図、図8(a)は図7のZ2部拡大図、図8(b)はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図7のZ2部拡大図、図9は図8(a)の要部を示す拡大図、図10は背板側を示すスロットマシン要部の横断面図、図11はケース部材の分解斜視図、図12はケース部材を後ろから見た斜視図、図13(a),(b)はコネクタホルダーの仮止め状態を説明するケース部材の要部の斜視図、図14は配線中継部材の分解斜視図、図15は配線中継部材のカバー体を省略した正面図、図16−1,図16−2はコネクタホルダーの分解斜視図、図17はケース部材を止めるストッパーの斜視図、図18は他の形態を示すストッパーの斜視図、図19,図20はケース部材のガイド構造を示す要部の断面図、図21は把手の他の形態を示す図柄変動表示装置の部分斜視図、図22はケース部材と外本体側のストッパーとの関係を示す要部の斜視図、図23は配線窓と図柄変動表示装置のリールとの関係を示す要部の断面図、図24はスロットマシン上部の縦断面図、図25はメダル放出装置を省略してスロットマシンの下半部を示す斜視図、図26は図25の分解斜視図、図27はスロットマシンの裏側から放熱口を見た背面図、図28は電源装置を示すスロットマシンの一部断面部分正面図、図29は電源装置を下から見上げた状態を示す斜視図、図30は他の形態を示すもので外本体の側板と電源装置の要部断面図、図31は他の形態を示す照明装置の概略断面図、図32は透明板と発光ユニットを分解して示す扉形前面部材の斜視図、図33は透明板を分解して示す扉形前面部材の斜視図、図34は透明板を装着した扉形前面部材の図32A−A線相当断面図、図35はヒンジ金具の分解・組み立て斜視図、図36はヒンジ金具の連鎖を示す線図、図37は扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図38は開く途中の扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図39は扉形前面部材の上半部を示す裏側から見た斜視図、図40は連結具を縦方向に切断した断面斜視図、図41は他のヒンジ金具の例を示す扉形前面部材の要部横断平面図、図42は図41の扉形前面部材の開く途中を示す要部の横断平面図、図43は機種ユニットにおいて前面開閉部材を開いた状態を示す斜視図、図44は連結具を連結したまま扉形前面部材を開いた状態を示す斜視図である。
本発明のスロットマシン1は、図1及び図2に示すように、前面が開口する箱形の外本体100と、該外本体100の前面に回転軸100aをもって横開きの扉状に回動可能に取り付けた扉形前面部材200と、複数の図柄を駆動手段で変動させる図柄変動表示装置300と、前記外本体100に対し着脱自在であって前面に開口部401(図柄表示窓とも称する)を有するケース部材400と、任意の画像を表示する画像表示体500と、を有する。
[外本体]
外本体100は、図1〜図4に示したように底板101の左右に側板102,102を取着すると共に該側板102,102の頂部に天板103を設置して正面視縦長「口」字形の枠状となし、その枠の背に背板104を固着して前面のみ開口する箱形に形成してなる。前記左右の側板102,102は前縁が後傾状態に僅かに傾斜する台形になっており、従って外本体100の開口は後傾状態の傾きを有する。また、前記天板103には、遊技機設置島(図示せず)に設置した状態で該遊技機設置島の上桟600(図24想像線参照)と対向する領域内に複数(実施形態では4個)の貫通孔132,132…が穿設されている。
[外本体−仕切板]
外本体100内には高さのほぼ中央に棚板状の仕切板105が設けられている。該仕切板105は金属製であって、図1,図2に示したように中央に突段部106を有する正面視略凸形であり、両端に形成した垂直な取付片107を外本体100の側板102,102内面に固着し、また、後端に形成した垂直な取付片108を外本体100の背板104内面に固着して取り付けられる。なお、仕切板105の後端の取付片108にはバーリング加工(下孔の孔径をポンチで広げながら短筒状の突起を立ち上げる金属加工)による筒状突起(図示せず)が形成されており、該筒状突起を外本体100の背板104にプレ加工した小孔(図示せず)に打ち込んで位置決めされる。また、仕切板105の両横の最奥部には外本体100の背板104との間に配線用の開口109が形成されている。
[外本体−仕切板−下スペース]
外本体100内の前記仕切板105より下のスペースには、遊技媒体たるメダルを前記扉形前面部材200の前面下部にあるメダル用受皿201に放出するメダル放出装置110と、メダル放出装置110からオーバーフローするメダルを貯めるメダル用補助収納箱111と、電源装置112等が設けられている。
[外本体−仕切板−下スペース−メダル放出装置]
前記メダル放出装置110は、駆動手段を内蔵した装置本体110aにメダル貯留用のホッパ110bを取り付けたものであり、装置本体110aの前面にメダルの放出口110cが設けられていて、ホッパ110b内にあるメダルが前記駆動手段の作動により放出口110cに向けて1枚ずつ送り出される。また、ホッパ110bには溢れたメダルを排出させるオーバーフロー樋110dが設けてあり、そのオーバーフロー樋110dの突端下方に前記したメダル用補助収納箱111が臨む。なお、メダル放出装置110のメダル放出機構は、現在公知のどのようなものを採用してもよく、よって詳細な説明を省略する。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置]
前記電源装置112は、図25〜図29に示したように、外本体100の底板101と、正面向かって左側の側板102と、背板104の三部材が直交する内側コーナー部分に取り付けられている。電源装置112は、前記メダル放出装置110等の電気部品に電気を供給するためのものであって発熱しやすい部品であり、従って外本体100の背板104には電源装置112の取付部位に放熱口104aが開設されている。
電源装置112の装置ケース112aは、透明な合成樹脂で形成されている。こうすることにより装置ケース112aの内部が見えるから、電源装置112の基板112s(図29参照)等に対する不正工作の発見が容易になる。装置ケース112aは、上面をカバーする上面板112bと、外本体100の背板104に対向する後面板112cと、該後面板112cの反対側をカバーする正面板112dと、スロットマシン1の内部に向かう側をカバーする側面板112eと、上面板112bと側面板112eの境界部分を面取り形態にカバーする斜面板112fと、底部をカバーする底面板112r(図29参照)で形成されている。一方、装置ケース112aの、外本体100の側板102に対向する側の面はカバーされておらず開放状態にあるが、この開放面は外本体100に取り付けた状態で外本体100の側板102によって塞がれる。
なお、外本体100の側板102には図25,図26に示したように凸面部102aを設けて段状のガード部102bを形成し、該ガード部102bの下に装置ケース112aの上面板112bの一側を潜り込ませる仕様になっている。これにより装置ケース112aの一面をカバーしなくてもガード部102bによって装置ケース112aと側板102の継ぎ目が塞がれるから異物の差込みが行えない。図30は前記ガード部102bを溝状にした他の実施形態を示すものであり、この例では装置ケース112の上面板112bの縁を側板102側に若干突出させてその先をガード部102bの溝に嵌め込むようになっている。
このように電源装置112の装置ケース112aにおいて、外本体100の側板102に当接する側の面をカバー無しの開放構造にして使用時に前記側板102で塞がるようにした場合は、装置ケース112a内への基板112s等の組み込みが開放面を使って行い易く、また、装置ケース112aに基板112s等を組み込んだ後の開放面へのカバー付けが不要であるから作業性が向上する。
前記装置ケース112aの上面板112b、側面板112e、斜面板112f、後面板112c、底面板112rには多数の通気孔112g,112g…が形成されていて内部に熱がこもらないようになっている。装置ケース112aは、底部に設けた脚部112h,112h…によって高床式に持ち上げられており、装置ケース112aの底面板112rと外本体100の底板101の間に通気空間112iが形成されている。従って、通気空間112iから底面板112rの通気孔112g,112g…を通って低層の比較的冷たい空気が装置ケース112a内に導入できる。実施形態の通気空間112iは、外本体100の前記放熱口104aに連通するようになっているため、機裏の冷たい空気を通気空間112iに導入することができる。なお、装置ケース112aの後面板112cと底面板112rの境界部に前記通気空間112iを嵩上げする逆L字形の段部112j(図29参照)を形成すれば、脚部112hの高さと放熱口104aの高さにズレがあっても通気空間112iを放熱口104aに連通させることができる。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−固定]
電源装置112は、装置ケース112aの正面板112dの一側辺に対して直角である取付片112kと、装置ケース112aの後面板112cから外本体100の背板104に向けて突設した突部112mと、外本体100の背板104に開設した放熱口104aと、の組合せにより外本体100に固定される。
すなわち、放熱口104aの輪郭は装置ケース112aの後面板112cの輪郭より小さく形成されており、従って電源装置112は外本体100の背板104に当たって放熱口104aを通らない。また、装置ケース112aの後面板112cに突設した突部112mは、前記放熱口104aに内接する位置にあり、電源装置112の浮き上がり動作に抗すべく放熱口104aの上辺に内接する水平な突片112m−1と、電源装置112の横転動作に抗すべく放熱口104aの縦辺に内接する垂直な突片112m−2で構成される。従って、電源装置112を外本体100の側板102の内面に沿わせて押し込み、放熱口104aに突部112mを差し込むだけで、装置ケース112aの後面(奥側)の上方向(浮き上がり)と図25において右方向(横転)への固定が完了する。もちろん電源装置112は、下方向に対しては外本体100の底板101によって、また、図25において左方向に対しては外本体100の側板102によってその動きが規制されるため、放熱口104aに突部112mを嵌め込むだけの単純な操作で、手前に引っ張る方向以外について電源装置112の動きが完全に規制できる。
一方、正面板112dに突設した取付片112kにはビス用の透孔112pが複数穿設されており、該透孔112pの少なくとも1個に木ねじ112qを通して外本体100の側板102に固定する。これにより手前に引っ張る方向についても電源装置112の動きが規制されるため、1本の木ねじ112qで外本体100への電源装置112の確実な固定が可能である。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−電源コード]
電源装置112には外部から電気の供給を受けるための電源コード(図示せず)が接続されている。そして、従来は前記放熱口104aの横に膨出部を設けてそこから前記電源コードを引き出すようにしていたが、この位置では電源コードを束ねても地面にすれる危険性が高い。スロットマシン1は、製造途中で電源を投入する場合があり、そのときに備えて外本体100の外に電源コードを出しておかなければならないから、製造ライン上での移動の際やライン間での移動の際に電源コードが地面にすれたり、スロットマシン1の底板101の下に入って挟まるおそれがある。
これに対し実施形態の放熱口104aは、その上辺から上に向けてコード引出口104bを拡張し、そこから電源コードを引き出すようにしている。これにより束ねた電源コードを宙づり状態にぶら下げるに十分な高さが確保できる。よってスロットマシン1を製造する工程で誤って電源コードを傷めてしまうトラブルが激減する。
以上のように本発明のスロットマシン1は、電源装置112を外本体100の内側コーナー部分にセットして1本の木ねじ112qをねじ込むだけで取り付けが完了するため、従来に比べて電源装置112の取付作業の大幅な省力化が可能である。また、本発明では、1つの面に対してネジ止めすれば固定が完了するので、特に、固定する部位を電源装置112の前方(手前)に持ってきた場合は視認しやすく、確実に固定できる。ちなみに、従来は電源装置112の複数の面或は部材に対してネジ止めする必要があり、特に、背板104に固定するネジは視認しにくいため忘れる可能性があった。
また、放熱口104aは、電源装置112の冷却手段として必要なものであるから、この放熱口104aを電源装置112の固定に利用しても余分な工程やコストは殆ど発生しない。却って、固定のために放熱口104aの位置と電源装置112の位置を一致させることになるから冷却効率が向上する。加えて、装置ケース112aを実施形態のごとく合成樹脂製にした場合には、取付用の突部112mも一体成形できるため殆どコストが掛からない。よって電源装置112の取り付けに要するトータルのコストも従来に比べて削減できる。
さらにまた、装置ケース112aを合成樹脂製にした場合には、電源装置112の発熱対策として有用な装置ケース112aの脚部112hや段部112jも殆どコストを掛けずに実施できるメリットがある。
[外本体−仕切板−上スペース]
一方、外本体100内の仕切板105より上のスペースには前記ケース部材400が納められ、また、外本体100の背板104の内面には後述する配線手段の中核となる配線中継部材113が取り付けられ(図1,図2参照)、さらに背板104には配線中継部材113より上方に放熱用の通気口133が形成されている。
[扉形前面部材]
図3に扉形前面部材200の表側が、また、図1に扉形前面部材200の裏側が示されている。扉形前面部材200は、表側の下方にメダル用受皿201を有し、また、表側のほぼ中央に操作部202が設けられている。この操作部202には、メダル投入用の投入口203と、後述するメイン基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルから1枚のみの投入(引き落と)を指示する1枚投入ボタン205と、同じく1回のゲームで使用可能な最高枚数(例えば3枚)の投入を指示するMAX投入ボタン206と、後述するメダルセレクタ207の中に詰まったメダルをメダル用受皿201に戻すためのメダル返却ボタン208と、メイン基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルの貯留解除命令(精算による放出命令)を入力するための貯留解除スイッチ209と、前記図柄変動表示装置300を作動させるスタート操作手段としての始動レバー210と、図柄変動表示装置300の各リール301a,301b,301cを停止させる3個のリール停止ボタン211a,211b,211c等が設けられている。もちろんここに示した操作部202の構成は1つの例示であり、これらに限定されるものではない。
また、前記投入口203の裏側にはメダルセレクタ207が設けられており、そのメダルセレクタ207の横にメダル樋212が、また、下に返却樋213が接続している。メダルセレクタ207は内蔵したソレノイド(図示せず)をON・OFFさせることによって流路を切り替える公知のものであり、遊技者からのメダルの投入を待つ遊技状態のときには流路をメダル樋212側に、また、規定枚数を超えたメダルの投入など、メダルの投入を拒否する遊技状態のときには流路を返却樋213側に設定する。前記メダル樋212は、扉形前面部材200が外本体100の前面に被さる閉じ位置にあるときその突端がメダル放出装置110のホッパ110b内に臨むようになっており、投入口203からメダルセレクタ207を通ってメダル樋212に流れたメダルはホッパ110bに行き着く。一方、前記返却樋213は表側のメダル用受皿201に繋がっており、投入口203からメダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。
[扉形前面部材−透視窓]
扉形前面部材200は、外本体100の前面全体をカバーする大きさであって、その上半部は、図32,図33に示したように、透明板214aで覆ったゲーム用の透視窓214になっている。実施形態の透視窓214並びに透明板214aは、前記画像表示体500と図柄変動表示装置300が上下に並んで見えるよう通常より大きくなっており、扉形前面部材200と一体の額フレーム216によって画像表示体500と図柄変動表示装置300の領域が視覚上、上下に区画されている。このように一枚の透明板214aを、画像表示体500と図柄変動表示装置300の双方をカバーする大きさに設定しておけば、画像表示体500と図柄変動表示装置300の配置が上下入れ替わっても、そのまま使用することができる。
[扉形前面部材−透視窓−透明板]
透明板214aは、透明な合成樹脂(例えば耐衝撃性、耐擦傷性、光学特性に優れたゴム入りのメタクリル樹脂、実施形態では三菱レイヨン株式会社製「アクリペット(登録商標)IR D30」を使用)をほぼ逆さ台形にした上広がりの形態であって、底辺を除く三辺(左右側辺と上辺)の周縁に、遊技者と向かい合う側を前面としてその前面側に膨出する縁部材214b,214b,214bを、樹脂成型用型枠を用いての樹脂成型時に一体成型してなる。このように平らな板状の透明板214aの周縁に縁部材214bを一体に成型した場合には、縁部材214bが補強バーになって透明板214a全体の強度を高めるため、透明板214aが上記のように画像表示体500と図柄変動表示装置300の双方をカバーする程度に大きくても撓みや歪みが生じにくい。
前記縁部材214bは、図34に示したように、後面側に開口する殻構造(中実でなく、内部に空間がある殻のような構造であり、各部の肉厚は任意である。)になっており、その内部空間に発光ユニット217と、必要に応じて例えば表面に模様や文字を施した装飾部材(図示せず)が組み込まれる。
なお、図33では、発光ユニット217が扉形前面部材200に取り付けられているように描かれているが、実際の発光ユニット217は、図34に示したように縁部材214bの中に嵌め込まれている。従って、透明板214aと発光ユニット217は、一体の部品として取り扱われる。
縁部材214bの形状は図示したものに限定されず、発光ユニット217や装飾部材のデザインに合わせて任意に変更可能である。また、縁部材214bを設ける部位も実施形態のように透明板214aの周縁の三辺に限定されず、最低限、何れかの一辺に設けるだけでもよい。
その他、図32,図33において符号218は、透明板214aの上の左右コーナー部分に設けた固定部材であって、透明板214aの裏側から透孔214c(図32拡大図参照)に通したビス(図示せず)により、縁部材214bと縁部材214bの間に嵌った図33の状態で止められている。該固定部材218は、外見上コーナー飾りとしての役割を果たす一方、扉形前面部材200と透明板214aの夫々の上のコーナー部分に設けた通孔200a,214d(図32拡大図参照)に対し扉形前面部材200の裏側から通したビス(図示せず)に螺合し、もって透明板214aを扉形前面部材200に固定するナット的な役割を果たす。
また、図32〜図34において、符号217aは発光ユニット217の発光体、217bは発光体217aを支持する反射部材である。左右に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、図34に示したように、棒状の発光体217aの光をスロットマシン1の周囲に向けて多く反射するように角度が設定されている。なお、透明板214aの縁部材214bの内部に発光ユニット217を組み込んだ形態は、発光体217aをスロットマシン1の、より手前側に配置することができるから、あたかも岬の突端にある灯台のごとく、光を周囲に向けて放射させる場合に有利である。また、上に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、発光体217a(光源217a−1と導光板217a−2の組合せ)の光をスロットマシン1の上方に向けて多く反射するように設定されている。
以上の構成である発光ユニット217は、遊技中、特に大当たりが出た場合などに点灯して大当たりの発生を周囲にアピールする演出を行うことができる。このように周囲に対しアピール度の高い演出を行うことによって、大当りを得た遊技者に注目させることができ、多くの者の視線が遊技者に優越感を抱かせるから、遊技がさらに盛り上がる。また、大当たりが出ていることを周囲にアピールすることにより、その機種の人気が高まり、稼働率が向上することも期待される。
実施形態の透明板214aは以上のような構成であって、扉形前面部材200の裏側に設けた凹溝219(図33拡大図参照)に対し、板状の底辺を扉形前面部材200の前面から斜めに差し入れて建具式に嵌め込み、その状態で透明板214aを直立させて扉形前面部材200の前面に全ての縁部材214b,214b,214bを当接させ、さらに扉形前面部材200の裏から通したビス603(図1参照)によって固定する。図34は、このときの扉形前面部材200の要部を切断したものであり、この図34から明らかなように、もし仮に、遊技者が扉形前面部材200と縁部材214bの境から異物を無理矢理差し込んだとしても、その異物の先が縁部材214bの内部を横断して透明板214aの裏側に到達する余地は殆どない。従って、優れた防犯効果を発揮する。
[扉形前面部材−錠装置]
扉形前面部材200の自由端側の一側には専用キー(図示せず)を使って開閉操作する錠装置215が設けてある。
[図柄変動表示装置]
図柄変動表示装置300はリール回転式表示装置であって、モータ等の駆動手段303で個別に回転可能な例えば3個のリール301a,301b,301cと、該リール301a,301b,301cを組込み・収容する装置ケース302とを有し、リール301a,301b,301cの周面に描いた複数の図柄(図示せず)の組合せで遊技を行う周知のものである。
前記装置ケース302は、あたかも横倒しにした八角柱から正面(遊技者)に向かう3面を除いた変形六角柱形態であって、底部板304と、天部板305と、図11において向かって右側の右側板306と、同じく左側の左側板307と、後面を覆う垂直な後部板308と、天部板305と後部板308の間に設けた上斜板309と、底部板304と後部板308の間に設けた下斜板310で囲った箱形であり、前記リール301a,301b,301cの円弧の一部が装置ケース302の正面からはみ出す状態になっている。
また、装置ケース302の天部板305には指掛可能な使用状態と、天部板305に伏した不使用状態とに変化可能な把手311が設けられており、該把手311に指を掛けて持ち運ぶようになっている。
このように装置ケース302の天部板305に上記のごとく変化可能な把手311を設ける構成は、ケース部材400の強度アップ策と密接に関連する。すなわち、実施形態では後述するようにケース部材400の開口部401に補強桟402を設け、もってケース部材400の開口部401に画像表示体500を片持ちさせるに十分な強度を付与しているが、そのような補強桟402は開口部401を横切るから装置ケース302のケース部材400への出し入れに対し、明らかに障害となる。これに対し実施形態のように把手311を変化可能にして天部板305に伏させておけば、把手311の出っ張りがなくなるから、装置ケース302が補強桟402の下を難なく通過できるのである。従って、装置ケース302の天部板305に上記のように変化可能な把手311を設けてこそ、ケース部材400の開口部401に該開口部401を横切る向きの補強桟402を設けることが可能になる。ちなみに、従来の装置ケースは、天部板から把手が出っ張っていてそれが障害になるため、ケース部材の開口部に補強桟を設ける余地がない。
なお、実施形態の把手311は、立てた使用状態と伏した不使用状態とに揺動して変化させる構造としたが、把手311を使用状態と不使用状態とに変化させ得る構造は、実施形態に限定されない。例えば図21に示したように、天部板305に2つのベルト通し314,314を切り起こし、該ベルト通し314,314に例えば合成樹脂や革製であって両端に抜け止め部315,315を設けてなる帯状の把手311を挿通し、図21の伏した不使用状態から中央を引き上げて指掛可能な使用状態に変化させる構造にするなど、指掛可能な使用状態と、天板部305に伏した不使用状態とに変化可能であれば、どのような構造であってもよい。
また、実施形態の装置ケース302の底部板304には図4,図11に示したようにフランジ状の下把手316が突設されており、該下把手316をつかんで装置ケース302を押し込み又は引っ張ることにより、ケース部材400への出し入れが行い易くなっている。
[ケース部材]
ケース部材400は、前記外本体100の仕切板105から上のスペースにほぼ合致する大きさであって、底板403と、該底板403の左右両横に立設した側板404,404と、底板403の後縁に立設した後面板405と、該後面板405と前記側板404,404の上面を覆う天板406とからなり、前面に開口部401を有する箱形である。
該ケース部材400は、底板403が金属製で、側板404,404、後面板405、天板406が合成樹脂製であり、側板404,404と天板406の開口部401内面に金属製の補強部材407,407,407が設けられ、さらに側板404,404の補強部材407,407の間に開口部401を横切る金属製の補強桟402が掛け渡されている。そして、この補強桟402を境にそれより下が前記図柄変動表示装置300の設置領域として、また、補強桟402より上の開口部401が前記画像表示体500の設置領域として、さらにまた、画像表示体500より後方のケース部材400で囲われた領域が配線作業空間408として割り当てられ、その配線作業空間408の後面板405の内壁面に、主たる制御基板であるメイン基板409が装着され、さらにメイン基板409以外の制御基板等(例えば演出制御基板510(図43参))も配線作業空間408内に装着されている。
ケース部材400の天板406には、図1に示したように天窓部443,443が形成されている。この天窓部443,443は、天板406の強度を保つための補強帯444を挟んで2つに分けられており、その夫々が前記外本体100の貫通孔132,132…を通る軸線との交点を含む領域にあり、該貫通孔132,132…より十分に広く開口している。もっとも天窓部443の前側の周縁は前側に位置する貫通孔132の近くに寄せられている。そうすることにより天窓部443の周縁を基準として手探りで貫通孔132が見つけ出せるから、たとえ天窓部443の中を作業者が覗き込めなくとも貫通孔132の位置が素早く簡単に割り出せる。ここで、天窓部443が本発明の開口部としても機能している。つまり、ケース部材400の上面に開口部として複数の天窓部443を備えることにより、軽量化を図ることができ、輸送時や交換時における作業者の負担を一層軽減することが可能になる。
ケース部材400の後面板405の外面には図2,図5,図6,図12に示したように複数のボス410,410が突設されており、該ボス410を外本体100の背板104にプレ加工したボス孔114,114に嵌めて位置決めされる。なお、このボス410,410は、図2,図5に示したように後述する配線窓411近くに設けられており、一方、外本体100側のボス孔114,114は前記配線中継部材113近くに設けられており、これによりケース部材400の配線窓411と背板104の配線中継部材113の位置決めが正確になる。
一方、ケース部材400の底板403の底面には、図2に示したように凹段部412が形成されており、該凹段部412が前記仕切板105の突段部106に嵌まり合う。凹段部412の後面板405側の端部には後方に向かって拡大する向きのテーパ部413が設けてあり、該テーパ部413に案内され仕切板105の突段部106とケース部材400の凹段部412との嵌め合わせが円滑に行える。このようにケース部材400の凹段部412と仕切板105の突段部106の嵌め合いによってケース部材400が仕切板105の奥に真っ直ぐに案内されるが、例えば図19に示したように仕切板105に凹溝形態のレール部材115を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の底板403に車輪414を設置し、該車輪414をレール部材115の溝内で転がらせるようにしてもよい。或は、図20に示したように仕切板105に凸形態のレール部材116を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の前記車輪414の両端に鍔415,415を形成し、該車輪414の鍔415,415でレール部材116を挟ませるようにしてもよい。
また、ケース部材400は、仕切板105上の所定の位置にセットした状態で、図1,図2,図17,図22に示した揺動レバー形態のストッパー117,117,117で止められている。このストッパー117は、図1,図2に示したように仕切板105の前端部と、天板103に垂設した2つの取付具118,118とに軸着されており、図17実線のようにケース部材400の一部に係合する作動姿勢と、図17想像線のようにケース部材400に係合しない非作動姿勢とを手動で切り替えてケース部材400の仕切板105上における前方向の動きを規制する。なお、ストッパー117を図18に示したように鍵形にしてケース部材400に設けた引掛部416に係合させるようにすれば、ケース部材400の仕切板105上における上方向の動きも規制することができる。
また、天板103の取付具118に軸着したストッパー117は、図22に示したようにケース部材400の側板404と天板406のコーナー部に貫設した係止孔442に臨む位置にあり、ケース部材400を所定の位置に押し込んだ状態でケース部材400の内側から作動姿勢と非作動姿勢の切り替えが行えるようになっている。
また、ケース部材400の後面板405には外本体100の背板104側に貫通する長孔形態の配線窓411が開設されている。該配線窓411は、図4,図5,図23に示したようにケース部材400に設置した図柄変動表示装置300の装置ケース302の上斜板309に対応し且つ前記メイン基板409の下側の位置にあり、上斜板309の上にある横長の空きスペース417(或は上斜板309とメイン基板409の間に形成される横長の三角スペース417と観念してもよい。)と背板104を結ぶ開口として機能する。
また、ケース部材400には図5,図12に示したように空きスペース417の高さのほぼ中間位置に棚板状の仮止め部材418(以下「仮止め棚」ともいう。)が設けられており、また、後面板405の外側であって配線窓411の両横にケース部材400の左右側面に抜ける配線通路たる凹み419,419が形成されている。
なお、前記配線窓411の配置を、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cを基準に特定するならば、配線窓411は、図23に示したように図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの回転中心を通る水平面HLと、リール301a,301b,301cの最高高さ位置を通る水平面HHとの間の範囲を下限とする状態、つまりその範囲内に下辺を置く高さに配置したものである、と言い換えることもできる。
[画像表示体]
画像表示体500は、例えば、少なくとも液晶ディスプレイ(他にもプラズマディスプレイや有機ELディスプレイ等でもよい。)で構成される画像表示可能なパネル形のユニットであり、ケース部材400の前面開口を開閉可能に閉鎖する前面開閉部材90(図43参照)としても機能している。なお、画像表示体500は、図11においてケース部材400の左側の側板404に設けた補強部材407にヒンジ金具420を取り付けて(取付位置は図11斜線部参照)、該ヒンジ金具420により回動自在に支持されている。
また、図43に示すように、画像表示体500の裏面側には、演出制御基板510が組付けられている。このため、液晶ディスプレイ等の画像表示体500と演出制御基板510とを一体的に構成することが可能になり、取扱いが容易になるとともに、両者を繋ぐ配線が省略でき、ケース部材400内における配線作業空間408の煩雑さを抑制できる。また、画像表示体500が開かれると、演出制御基板510がケース部材400内から飛び出すように出現するため、演出制御基板510に対する作業性を著しく向上させることができる。
[画像表示体−ヒンジ金具]
図35は、ヒンジ金具420の分解・組み立て斜視図である。なお、ヒンジ金具420は、上下が対称な構造であるため、主として上部について説明する。ヒンジ金具420は、前記ケース部材400の補強部材407に取り付く固定部材420aと、画像表示体500の裏側(図35の破線領域500s参照)に取り付く回動部材420bと、該回動部材420bと固定部材420aを連結する短リンク420c及び長リンク420dで構成される。
ヒンジ金具420の固定部材420aは、棚板形態である横向きの固定片420eを有し、該固定片420eの上面に長リンク420dの一端をピンP1で、また、固定片420eの下面に短リンク420cの一端をピンP2で回動自在に軸着する。一方、ヒンジ金具420の回動部材420bは、棚板形態である横向きの軸承片420fを有し、該軸承片420fの上面に長リンク420dの一端をピンP3で、また、軸承片420fの下面に短リンク420cの一端をピンP4で回動自在に軸着する。
こうして固定片420eと軸承片420fと長リンク420dと短リンク420c及びピンP1〜P4は、図36の線図に示したように四節回転連鎖を構成し、その連鎖の中でも特に、最短リンクである軸承片420fに向かい合う固定片420eを固定リンクとする、いわゆる両てこ機構を構成する。この両てこ機構は、図36(a)〜(c)に示したように、画像表示体500の回動軌道を、扉形前面部材200の回転軸100aを中心とする回動軌道に近似させるべく、それぞれのピン位置が設定されている。つまり、ヒンジ金具420が回転中心移動機構として機能しており、扉形前面部材200の回動位置が変化しても、扉形前面部材200の回動外縁側と画像表示体500の回動外縁側との距離が略一定になるようにしている。
なお、長リンク420dと短リンク420cは、画像表示体500がほぼ90度回動した(開いた)状態で上下に重なり合うように重合領域420g,420hが設定されており(例えば長リンク420dの重合領域420gを三角形に膨出させて短リンク420cの重合領域420hに重なるようにする。)、その重合領域420g,420hの夫々にピン孔420i,420jが形成されている。このピン孔420i,420jは、両者を同軸上に揃えて棒状の止めピン(図示せず)を差し込むことにより長リンク420dと短リンク420cを連結し、もって両てこ機構をロックして画像表示体500を開いた位置に固定するためのものである。
[画像表示体−ロック片]
図11,図12に示したように、ケース部材400の縦の補強部材407のうち前記ヒンジ金具420を設けた補強部材407の反対側の補強部材407(図11において向かって右側)にはロック片421が軸着されており、該ロック片421を図11の状態から時計回りに回動させるとその先端が画像表示体500の裏側に突設した受部508に係合し、この状態で画像表示体500がケース部材400の開口部401の上部を閉じた位置にロックされる。一方、前記ロック片421をロック状態から逆向きに回動させると画像表示体500のロックが解除され、ヒンジ金具420を中心に回動自在になる。通常、ケース部材400を外本体100に装着する前の状態では画像表示体500を閉じ位置にロックして無用な回動を防止し、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では画像表示体500のロックを解除して回動自在とする。
[画像表示体−連結具]
ところで、外本体100の扉形前面部材200とは別に、ケース部材400に開閉可能な画像表示体500が設けられることから、ケース部材400内を視認したりケース部材400内で作業したりする場合には、まず手前側の扉形前面部材200を開放し、その後さらに奥側の画像表示体500を開放しなければならず、これにより作業性を低下させたり煩わしさを与えることが懸念される。
そこで、本例のスロットマシン1では、画像表示体500の回動方向を扉形前面部材200の回動方向と同方向にするとともに、扉形前面部材200と画像表示体500を適宜な連結具700で連結し、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500も一緒に開閉させるようにしてある。これによれば、扉形前面部材200を開放させると、連結具700を介して画像表示体500も同方向に回動し、ケース部材400の前面が開放される。つまり、画像表示体500が扉形前面部材200に連れ回ることとなり、一回の横開き操作によって外本体100内は勿論、ケース部材400の内部までも視認させることが可能になる。
ここで、前記のように実施形態の扉形前面部材200と画像表示体500とは、ヒンジ金具420の両てこ機構によって、画像表示体500の回動軌跡が扉形前面部材200の回転軸100aを回転中心とする回動軌跡に近似するようになっているものの、それでもなお両者の動きには相対的なずれが生じる。そこで、実施形態の連結具700は、図39及び図40に示したように、画像表示体500の自由端側の裏面に固定鞘部材701を形成し、該固定鞘部材701の内部に摺動自在な状態にロッド702を納め、そのロッド702の先端を扉形前面部材200の裏面(具体的には錠装置215のベース部材215a)に対し、止め軸703で回転可能な状態に連結してある。こうすることにより、図38のように、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500が扉形前面部材200の付属部品であるかのごとく一緒に開閉し、その際生じる両者の動きの相対的なずれを連結具700のロッド702が固定鞘部材701に出入りして吸収する。
なお、ロッド702が画像表示体500の回動外縁(自由端)から最も突出したときの最大突出長さは、画像表示体500が開放位置である場合(例えば90°開放された場合)の、扉形前面部材200の回動外縁(止め軸703の位置)と画像表示体500の回動外縁との距離に基づいて設定されている。このため、ロッド702の長さを必要最小限の長さとすることができ、連結具の大型化を抑制することが可能になる。
また、前記止め軸703は、錠装置215のベース部材215aの一部を曲げて形成した支持片215b,215b,215bに対し、上下動自在に装着されており、スプリング703aにより常時下向きに付勢されている。よって、この止め軸703は、スプリング703aの付勢に抗して上動させることが可能であり、上動させて下端を浮かせることによって前記連結具700のロッド702の着脱が可能である。すなわち、ロッド702の先端部分に形成された軸孔部702aに対し上方から止め軸703を挿入させ、スプリング703aの付勢力によって保持することが可能になっている。
また、図39において、符号704は連結具700の固定鞘部材701の上面に設けた弾性的な片持ち梁式のストッパであって、前記止め軸703から外したロッド702を固定鞘部材701の内部に納めて保持するためのものであり、ロッド702の上面に形成した溝705の端部の引掛壁702bに係合してロッド702の盲動を防止する。ロッド702には、その側面に摺動方向と直交する方向に摘み片706が突設されており、該摘み片706を摘んでロッド702を強制的に移動させることにより前記ストッパ704のロックが外れるようになっている。また、固定鞘部材701の先端側底面には、抜止め防止片701aが垂下され、ロッド702の溝705内に挿入されている。この抜止め防止片701aは、ロッド702が最も突出した際に引掛壁702bと当接し、ロッド702が固定鞘部材701から抜け出ることを阻止するものである。
また、図39において、連結具700の近傍にある符号509は、画像表示体500の回動外縁側の裏面に突設した係合部である。該係合部509は、ケース部材400の開口部401を横切る補強桟402に係合して、閉じ位置にある画像表示体500の自由端側の荷重を支えるものである。なお、図11に示したように、補強桟402には、前記係合部509を補強桟402の上面に円滑に導くべく、画像表示体500に向かって下り傾斜する滑り台式の案内部402aが設けてある。また、画像表示体500の係合部509は、画像表示体500とは別の潤滑性に優れた合成樹脂で形成されており、画像表示体500に対し着脱自在(交換自在)に装着されている。
ところで、扉形前面部材200と画像表示体500の回動軌跡の相違に起因する動きの相対的なずれは、上記のような伸縮自在なロッド形式の連結具700の他、柔軟なワイヤーにしても吸収することができる。但し、連結具が柔軟なワイヤー等であると、扉形前面部材200を閉じる段階で扉形前面部材200が開いたまま停止している画像表示体500にぶつかることになって、円滑さを損なうおそれがある。これに対し、例えば画像表示体500に巻バネなどの付勢手段を設けて常時閉じ方向に付勢するようにすればよい。そうすることにより扉形前面部材200の閉じ動作に際し、画像表示体500が前記付勢力の作用で連結具を引っ張りつつ自力で閉じるから、扉形前面部材200と画像表示体500がぶつからない。もちろん扉形前面部材200と画像表示体500の連れ回りのための手段は上記に限定されない。例えば、上記において連れ回りのための一要素たるヒンジ金具420は、上記のような両てこ機構の構造に限定されず、図40,図41に示したような、単独のピン420kを中心にして画像表示体500を回動させる単純なものであってもよい。
ケース部材400に対する画像表示体500の取着手段をヒンジ構造にして該画像表示体500を扉状に回動させ得る構成に、上記のように画像表示体500を閉じ位置にロックするロック手段(上記のロック片421)を付加した場合には、ケース部材400を外本体100に装着した状態で原則ロックを継続させ、配線作業空間408内のチェック等、必要な時にのみロックを解除する、という取り扱いを選択することも可能であり、その場合には画像表示体500によって配線作業空間408内の重要部品(例えばメイン基板409や演出制御基板510)がブロックできるから、防犯性能の向上に効果がある。
ケース部材400の開口部401上縁と閉じた画像表示体500の上縁との前後間には隙間10が設けられており、該隙間10に通した指で天板406の前記補強部材407が掴めるようになっている。また、ケース部材400の天板406の前方中央部分(天窓部443,443の間の補強帯444)には把手口422が形成されており、該把手口422に通した指で天板406の補強部材407が掴めるようになっている。従ってケース部材400は、取り扱う場所や姿勢に応じて該把手口422と前記隙間10との適宜な使い分けが可能である。例えば、ケース部材400を外本体100に組み込む前の搬送時には把手口422を使って鞄形態に持ち運ぶ方がバランスがよく、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では、図4に示したように把手口422が外本体100の奥に隠れて指が入らないため、前記隙間10から補強部材407に指を掛けてケース部材400を引っ張り出す、という具合である。なお、ケース部材400の底板403の正面中央には前記した装置ケース302の下把手316(図4,図11参照)が突出しており、該下把手316を持って押し込み又は引っ張ることで外本体100へのケース部材400の出し入れが容易に行える。この場合の下把手316は、装置ケース302がケース部材400にビスで固着されていることよりケース部材400と一体であり、従ってケース部材400の床板403の正面に下把手316が突設されているに等しい。
[画像表示体−枠部材]
画像表示体500は、ケース部材400の開口部401の前記補強桟402から上の領域のほぼ全部を覆う大きさである。また、画像表示体500の下側には、ケース部材400の開口部401の前記補強桟402から下の領域、つまり図柄変動表示装置300の前方領域を額縁状に囲う枠部材501が一体に垂設されており、該枠部材501により前記図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cが縁取られる。この枠部材501の表面は装飾面になっており、適宜な模様等が描かれている。なお、図示しないが、枠部材501にはLED等の発光源と、その発光源を制御する発光制御基板と、発光源の前方に配置され光を透過可能な装飾部材とから構成された電飾部が設けられている。ここで、画像表示体500と枠部材501とを組合せたものを、以下、前面開閉部材90(図43参照)として説明する。
[画像表示体−枠部材−照明装置]
前記枠部材501の裏側上下には照明装置502が設けられており、該照明装置502によって図柄変動表示装置300の図柄が明るく照らされる。枠部材501は画像表示体500の下に垂設されていて図柄変動表示装置300に近いから、そのような枠部材501に照明装置502を組み込むことで光源を図柄変動表示装置300に近づけることができる。従って枠部材501に照明装置502を組み込む手段は、従来の照明装置に比べて低光量でも十分な明るさが確保できる、という特徴がある。
実施形態として例示した照明装置502は、図4に示したように、図の紙面と直交する方向(スロットマシン1の幅方向であってリール301a…の回転軸と同方向)に細長い帯状の基板503に多数の発光ダイオード(以下LEDという。)504を並べたものであり、下側の照明装置502は、上面を例えば乳白色の透光性蓋板505で塞いだチューブ枠506の中にLED504を上向きにして配置し、一方、上側の照明装置502は、断面上向きコ字状の例えば乳白色である透光性カバー507内にLED504を下向きにして配置してなる。
なお、上側の照明装置502は、照明方向を図4に示したように真下より遊技者側、すなわち透明板214a側に向かう斜め下向きに設置してある。実施形態では比較的強い指向性を持ったLED504の主たる照射領域の中心線L(図4拡大図参照)を透明板214aに対し斜めに向かわせるべく、基板503のLED取付面の向きが、前記透明板214a側に向けて斜め下向きに傾けられている。
また、もし照明装置502の光源として蛍光灯のような棒状発光体を採用した場合には、図4の基板503を板状又は光源を包むような凹面状の反射部材に変更し、直射光と反射光の総和により方向付けられる主たる照射領域の中心線が、透明板214a側の裏面に斜めに当たるように設定すればよい。以上のように照明装置502の照射照準を透明板214aに設定すれば、漏れた一部の光がリール301a,301b,301cの外周面を照らしても殆ど影響はない。
実験によれば、照明装置502の照明方向をリール301a,301b,301cの周面側に向けた場合には、湾曲するリール301a,301b,301cの特定部分が強く反射して見辛くなるのに対し、上記のように主たる照射領域の中心線Lを透明板214aに対し斜めに向かわせた場合には、透明板214aを介してリール外周面が照らされることにより、リール301a,301b,301cの広い範囲が明るく見え易くなることが確認できた。その理由として、照明装置502から照射した光が扉形前面部材200の透視窓214に嵌めた透明板214aに当たって反射し全体に拡散するか、或は透明板214aが明るく照らされることでリール301a,301b,301cの広い範囲が明るく見えるか、或はそれらの相乗作用によるものと推測される。
以上のような上側の照明装置502の構造は、下側の照明装置502にも採用することができ、もちろん図31に示したように下側の照明装置502にのみ採用することもできる。なお、図31は図4の上側の照明装置502を下側に配置し、下側の照明装置502を上側に配置したものであるため、上記照明装置502の説明の「上」を「下」に読み替え、「下」を「上」に読み替えればよい。
ところで照明装置502の光源として実施形態のようにLEDを採用した場合には、(a)低電圧で駆動するため約200Vの高電圧で駆動する従来の冷陰極管より安全性が高い、(b)冷陰極管より寿命が長い、(c)ガラス管である冷陰極管より丈夫である、(d)多色発光が可能であるため演出の幅を広げることができる、(e)インバータと組み合わせて使用する冷陰極管より軽く、従って画像表示体500を支えるヒンジ金具420の負担が少ない、というメリットがある。
[配線手段]
前記外本体100に取り付けられている例えばメダル放出装置110や電源装置112及び扉形前面部材200の操作部202にある例えば各投入ボタン205,206や始動レバー210(以下、これらの総称として単に「本体側電気部品」という場合もある。)と、ケース部材400にある例えばメイン基板409等(ケース部材側の電気部品の総称として単に「ケース部材側電気部品」という場合もある。)とは電気的に接続されている。そして、実施形態のスロットマシン1は、前面開閉部材90とケース部材400とからなる機種ユニット50(図43及び図44参照)が外本体100に対し着脱自在であるため、機種ユニット50の交換等に際して本体側電気部品(筐体側電気部品)とケース部材側電気部品とを簡単に接続又は切り離すための合理的な配線手段が設けられている。
[配線手段−配線中継部材]
前記のように外本体100の背板104の内面上部には、図14に示した配線中継部材113が取り付けられている。該配線中継部材113は図4,図5に示したように、前記ケース部材400の配線窓411に対応する位置にあって該配線窓411からケース部材400の空きスペース417に臨むようになっている。配線中継部材113は、前記本体側電気部品につながる本体側配線類119と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類423とを中継するものであって、外本体100の背板104にビス止めされる取付板120と、該取付板120の前面に被さるカバー体121と、該カバー体121と前記取付板120の間に納められる複数(実施形態では大小2枚)のコネクタ基板(以下「コネクタ接続用端子基板」という場合もある。)122,123とからなる。
前記2枚のコネクタ基板122,123のうち、図14,図15において左側に位置する大きい方のコネクタ基板122は取付板120に対して固定的に取り付けられており、前記メイン基板409につながっているハーネス424の先端のコネクタ425と対をなすコネクタ124が設けられている。
一方、図14,図15において右側に位置する小さい方のコネクタ基板123は、取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的な遊動可能状態に取り付けられており、従って図15拡大図に示したように上下方向に移動可能であり、また、左右方向にも移動し得る。この小さいコネクタ基板123には、メイン基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先端のコネクタ427と対をなすコネクタ125が設けられている。なお、該コネクタ125と前記コネクタ124は、プリント基板にハンダ付け等の固着手段で固着する基板固着型であり、安価なDIN規格のものが使われている。
また、取付板120の前面に被さるカバー体121は、前記コネクタ124,125が通る大小2つの開口126,127と、該開口126,127と横並びの位置に突設した支持筒128と、下半部前方に張り出すトンネル状の配線ダクト129と、を有する。
配線中継部材113に接続する本体側配線類119は、前記配線ダクト129の内部を通るか、または配線中継部材113の取付板120の下側前面に突設したフック形状の配線止め130に束ねられた状態で、図1一点鎖線Lに示したように外本体100の側板102,102側に振り分けられ、該側板102,102と背板104のコーナー付近でほぼ垂直に向きを変え、その多くは仕切板105の奥に設けた配線用の開口109を通って本体側電気部品に夫々接続される。もちろん仕切板105より上の領域に本体側電気部品(例えば図1において側板102の内面に設けた外部中継端子板131)がある場合には、仕切板105の配線用の開口109とは無関係にそのまま接続される。
ここまでで説明した配線手段から、次のような技術的思想が把握できる。
(a)ケース部材400の後面板405に、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの回転中心を通る水平面とリール301a,301b,301cの最高高さ位置を通る水平面との間に自己の下辺が位置する高さにして配線窓411を形成する。
(b)外本体100の背板104に、本体側電気部品につながる本体側配線類119と、ケース部材側電気部品につながるケース側配線類423とを中継する配線中継部材113を設置する。
(c)外本体100の側板102,102の内面沿いに配線を通す上下方向の配線経路を形成する。
(d)配線中継部材113につながる本体側配線類119をケース部材400の側方に導き、そこから前記配線経路を通って本体側電気部品に接続する。
以上(a)〜(d)の構成要素を備えた遊技機は、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの後ろを本体側配線類119が通らず、外本体100の側板102,102沿い(背板104とのコーナーを含む(図10参照)。)に設けた配線経路を迂回するため、リール301a,301b,301cを外本体100の背板104近くにまで寄せることが可能になり、従来の構成、すなわち、本体側配線類119が背板104のほぼ中央を下ってリール301a,301b,301cの後ろを通っていた従来の構成に比べて、リール301a,301b,301cの径を大きくすることができる。なお、リール301a,301b,301cの径は大きい方が、回転時の迫力が増す。
[配線手段−コネクタ425,427]
上記のように配線中継部材113に設けられている2つのコネクタ124,125には、ケース部材400のメイン基板409につながっているハーネス424の先のコネクタ425と、メイン基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先のコネクタ427がそれぞれ接続されている。
この2つのコネクタ425,427は、図16−1に示したように1つのコネクタホルダー428に一体に取り付けられている。該コネクタホルダー428は、コネクタ425,427がビス止めされるホルダー主体429と、ほぼ中央に透孔430を有し前記ホルダー主体429の両横に突設した板状の取着片431と、該取着片431の透孔430に装着した周知のボタン形パネルファスナー432(商品名「ナイラッチ」:登録商標)と、からなり、図5,図8(a)に示したように配線中継部材113の前記支持筒128の先に取着片431を当て、該取着片431のボタン形パネルファスナー432を支持筒128に差し込んでロックしてある。従ってコネクタホルダー428が固定手段たる支持筒128に固定され、ひいては配線中継部材113に固定されるため、コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合が外れない。
[配線中継基板−コネクタ425,427−仮止め棚]
上記のようにコネクタ425,427は配線中継部材113のコネクタ124,125に接続されているが、ケース部材400が外本体100に組み込まれる前、つまり工場出荷から設置完了までの間、コネクタ425,427は、ケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされている。
前記仮止め棚418は、図5,図6,図12,図13に示したようにケース部材400の内側から前記配線窓411に向かわせた棚板状の部材であり、図6に示したようにコネクタホルダー428を載置するほぼ水平なベンチ部433と、そのベンチ部433の両端に立設したベンチ側板434と、各ベンチ側板434に突設した3本の内向き爪片435,435,435とを有する。この内向き爪片435,435,435の中央の1本と他の上下の2本との間にはコネクタホルダー428の取着片431が嵌まり得る間隔が設けてある。なお、一方のベンチ側板434は、先端に指掛部436を延設した薄板構造であって、指掛部436に指を掛け図8(b)矢示X方向に力を加えることにより一端支持の板バネのごとく外向きに反らせ得るようになっており、その反らせた状態で内向き爪片435,435,435からコネクタホルダー428の取着片431が簡単に外れるようになっている。図8(a)の想像線は指掛部436の先を鍵形に折り曲げた例を示したものであり、こうすることにより矢示Yのようにボタンを押す感覚でコネクタホルダー428の取外しが楽に行える。
しかして、図6に示したように前記仮止め棚418のベンチ部433にコネクタホルダー428を載置し、該コネクタホルダー428の取着片431をベンチ側板434の内向き爪片435,435,435の間に嵌めることによってコネクタホルダー428が仮止め棚418に仮止めされる。もちろん仮止めと言っても、ケース部材400の輸送中にコネクタホルダー428が仮止め棚418から外れない強度を有する設定になっており、従ってケース部材400が外本体100に組み込まれる前までは、コネクタホルダー428と一体のコネクタ425,427はケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされて動かない。よってケース部材400を輸送したり、ケース部材400を外本体100に組み込む作業の最中に、ハーネス424,425の先にあるコネクタ425,427が、ケース部材400内の部品に当たってその部品はもちろん、自らも損傷する、というようなおそれがない。
そして、図8(b)→図8(a)に示したように、ケース部材400を外本体100に固定した後の配線工程で、上記のように一方のベンチ側板434を外向きに反らせてコネクタホルダー428を仮止め棚418から外し、そのコネクタホルダー428を自己の取着片431が配線中継部材113の支持筒128に当たる位置まで移動させれば、コネクタ425,427が配線中継部材113のコネクタ124,125に嵌まるから(その詳細は後述する。)、その状態で取着片431のボタン形パネルファスナー432を押し込んで取着片431を支持筒128にロックする。なお、このとき図5,図6に二点鎖線で示したように、ベンチ部433にガイド用の案内レール440を設けておけば、コネクタホルダー428を奥に押し込むだけでよいため、作業性が向上する。
以上のようにして配線中継部材113に取り付けたコネクタホルダー428は、外本体100の背板104を支持基盤として安定し、ケース部材から離間していて接触しないため、輸送時の振動等で外本体100と機種ユニット50が相対的に動いても無理な負荷が加わらない。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。
(a)前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、
(b)前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、
(c)前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、
(d)前記ケース側配線類の先端に取り付けたコネクタと、
(e)該コネクタに取り付けたコネクタホルダーと、
(f)該コネクタホルダーを仮止めするためケース部材に設けた仮止め部材と、
(g)前記コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、を有し、
(h)機種ユニットを外本体に装着する前の状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材に仮止めし、機種ユニットを外本体に装着した状態で前記コネクタホルダーを仮止め部材から固定手段に付け替えてコネクタホルダーのコネクタを配線中継部材に接続するようにしたことを特徴とする
(i)遊技機。
上記の遊技機は、機種ユニット50の外本体100への装着とコネクタ同士の結合とを別々に行うようにしたものであるが、これとは対照的に、例えば機種ユニット50に直接コネクタを取り付け、機種ユニット50を外本体100に押し込む動作で自動的にコネクタ同士を結合させる、という方式が考えられる。しかしこの方式は、質量の大きな機種ユニット50が輸送中などに外本体100の内部で振動した場合、大きな負担がコネクタ結合部に掛かるため信頼性に不安があり、その対策にコストが掛かる課題がある。
また、本発明の遊技機は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して機種ユニット50を物理的に独立させた構成であるが、これとは対照的に、扉形前面部材を上下2段に分割し、上部の扉形前面部材を機種ユニット50側の部品とする遊技機も考えられる。しかし、このような遊技機では、遊技中に興奮した遊技者が上部の扉形前面部材を叩いた場合にコネクタ結合部に直接衝撃が加わるためコネクタの結合が不安定になるおそれがあり、さらに上下の扉形前面部材同士の継ぎ目に対し新たな防犯構造を要する課題がある。
これに対し本発明の遊技機は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して機種ユニット50を物理的に独立させた構成であり、さらに、コネクタホルダー428を配線中継部材113に接続した後、該コネクタホルダー428は、図5に示したように外本体100に固定した部品(配線中継部材113)と結合し機種ユニット50から離間した独立構造になっているため、プリント基板にハンダ付けして用いる低コストで一般的なコネクタを使用した場合でも、輸送中においても、遊技中においても信頼性・耐久性に不安がない。また、機種ユニット50のみが機種変更時の交換対象であり、扉形前面部材200は交換対象とならないため、機種変更のための遊技場の負担も軽くなる。
[コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合]
前記のようにコネクタ425とコネクタ427は、1つのコネクタホルダー428に取り付けられている。こうすることによりコネクタホルダー428を配線中継部材113の所定の位置にセットする1回の動作で2つのコネクタ425,427の接続が完了する。しかし現実の問題として、2つのコネクタ425,427とコネクタホルダー428という独立した要素を寄せ集めて一体にする構造では、コネクタ425,427とコネクタ124,125の「正確な位置決め」という困難な問題に直面する。すなわち2つのコネクタ425,427と配線中継部材113側のコネクタ124,125の4要素の位置決めが全て正確でなければ、コネクタ425,124とコネクタ427,125の一括結合は不可能であるのに、そのような位置決めの精度を量産品レベルのコストで達成するのは困難だからである。そのような問題を解決する1つの手段として、プリント基板にハンダ付けすることなく結合時の融通性を高める機構を施したいわゆるドロワーコネクタを使用する方法が考えられるが、ドロワーコネクタ自体が高価であるため、まだコスト面の負担が大きい。
これに対し実施形態の配線手段では、基板支持部材たる配線中継部材113のコネクタ基板122,123を分割してそれぞれにコネクタ124,125を装着し、そのコネクタ基板122,123の少なくとも一方を、配線中継部材113の取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的に納めてコネクタ427とコネクタ125の結合方向と直交する方向(ここでの「直交」は、厳密な90度にこだわらず、社会通念上のほぼ90度という程度の意味である。)に遊動可能状態にする手段を講じている。かかる構成においてコネクタホルダー428の結合照準をコネクタ425とコネクタ124に定めた場合、もう一方のコネクタ427とコネクタ125の相対位置に若干の狂いがあっても、コネクタ基板123が遊動してその狂いを矯正すべく移動するから、コネクタ427とコネクタ125の結合も可能になる。これにより基板固着型で安価なDIN規格のコネクタで十分に対応できる。
ここまでの説明から、次のような技術的思想が把握できる。
(1)「2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネクタとを有する遊技機において、一方のコネクタグループを1つのコネクタホルダーに固着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループをコネクタ基板に装着し、さらにそのコネクタ基板をコネクタ毎に分割してその1つを基板支持部材に固定すると共に他のコネクタ基板を基板支持部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
(2)「前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、前記ケース側配線類の先端に取り付けた2系統以上のコネクタと、該2系統以上のコネクタをコネクタグループとして一括支持するコネクタホルダーと、該コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、前記2系統以上のコネクタグループの各コネクタと対をなしプリント基板に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、前記背板に取り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着してなるコネクタ接続用端子基板と、を有し、該コネクタ接続用端子基板をコネクタ毎に分割してその1つを前記配線中継部材に固定すると共に他のコネクタ接続用端子基板を配線中継部材に対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
(3)「2以上の配線用のコネクタと、その各コネクタと対をなす2以上の配線用のコネクタとを有する遊技機において、一方のコネクタグループをコネクタ基板を介して基板支持部材に固着すると共にこれらと対をなす他のコネクタグループを1つのコネクタホルダーに装着し、さらにそのコネクタホルダーに対しコネクタグループの中の1つのコネクタを固定すると共に他のコネクタをコネクタホルダーに対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
(4)「前面が開口し背面を背板で覆った箱形であって電源装置その他の本体側電気部品を備えた外本体と、前記外本体に対し着脱自在なケース部材に複数の図柄を変動させる図柄変動表示装置その他のケース部材側電気部品を設けた機種ユニットと、前記本体側電気部品につながる本体側配線類と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類とを中継すべく前記外本体の背板に取り付けた配線中継部材と、前記ケース側配線類の先端に取り付けた2系統以上のコネクタと、該2系統以上のコネクタをコネクタグループとして一括支持するコネクタホルダーと、該コネクタホルダーを前記配線中継部材に固定するための固定手段と、前記2系統以上のコネクタグループの各コネクタと対をなしプリント基板に固着して使用する基板固着型のコネクタによる他のコネクタグループと、前記背板に取り付けた配線中継部材に取り付けられ、前記他のコネクタグループのコネクタを固着してなるコネクタ接続用端子基板と、を有し、前記コネクタホルダーに対しコネクタグループの中の1つのコネクタを固定すると共に他のコネクタをコネクタホルダーに対しコネクタの結合方向と直交する方向に遊動可能な状態に取り付けるようにしたことを特徴とする遊技機。」
以上の遊技機は、固定したコネクタ接続用端子基板のコネクタに照準を合わせてコネクタホルダーを操作するようにすれば、他のコネクタ同士の相対位置に製造誤差等で若干の狂いがあっても、非固定のコネクタ接続用端子基板がコネクタごと遊動してその狂いを矯正すべく移動し誤差を吸収するから、結合照準でないコネクタ同士の結合も可能になる。従って1つのコネクタホルダーを用いて複数系統のコネクタの一括接続が可能である。しかも使用しているコネクタは、プリント基板にハンダ付けして用いるような汎用的で安価な例えばDIN規格のものであり、コストも安い。
また、コネクタホルダーは、ナイラッチ(登録商標)等の固定手段で配線中継部材、ひいては該配線中継部材を介して外本体の背板に確実に固定される。一方、コネクタホルダーと機種ユニットの間では、フレキシブルなハーネスを介してつながっているのみであり、機種ユニットが動いたとしても、その動きはフレキシブルなハーネスが吸収するので、コネクタホルダーに動きは伝わらない。このため、たとえ輸送中の振動により外本体と機種ユニットの間に相対的な動きが生じても、コネクタホルダーは、外本体のみと一緒に動き、機種ユニットの干渉を受けないから、コネクタの結合部には全く負荷が掛からない。よってコネクタ結合の信頼性が非常に高い。
なお、実施形態のように、小さいコネクタ125に対応する小さいコネクタ基板123を遊動可能とし、大きいコネクタ425,コネクタ124同士を結合の基準に定める構成は、その逆の構成に比べてコネクタ425,124,427,125の結合が楽に行える。小さいコネクタ基板123の方が軽い力で扱えるため、狂いの自動矯正が容易だからである。また、実施形態では、図9のようにコネクタ425,124の方がもう一方のコネクタ427,125より先に結合するようになっており、そうすることにより結合照準のコネクタ同士が合わせやすい。
また、図9に拡大して示したように凸形のコネクタ425,427の凸部先端の周縁角部及び/又は凹形のコネクタ124,125の差込口の周縁角部に面取り部C(直線的な面取り、曲線的な面取りのいずれも可)を形成しておけば、面取り部Cのテーパに沿った誘導作用が、コネクタ同士の結合性をより良好にする。
また、実施形態のように、配線中継部材113のコネクタ基板122,123を遊動可能にする構成の他、コネクタホルダー428側のコネクタ425,427の何れか一方を遊動可能にすることも可能であり、その場合も上記と同様の作用効果が得られる。なお、かかるコネクタホルダー428の具体例を図16−2に示した。この例では、コネクタホルダー428のホルダー主体429に雌ねじ付きの受筒429aを突設し、一方、コネクタ427の両横に遊孔427aを有する耳片427bを形成し、コネクタホルダー428の受筒429aにコネクタ427の遊孔427bを遊嵌させ、座金付きのビス427cをもって耳片427bの抜け止めとしている。そうすることによりコネクタ427は、コネクタホルダー428に対し、遊孔427aと受筒429aの径の差の範囲で自由に遊動し得る。この場合のコネクタ基板122,123は、一体にして取付板120に固定すればよい。また、実施形態では2つのコネクタを1つのコネクタグループとして取り扱ったが、1つのコネクタグループのコネクタ数は2以上でもよい。
また、実施形態では図4,図12に示したように、ケース部材400の後面板405の裏側であって、前記図柄変動表示装置300の装置ケース302の下斜板310に向けて凹ませたケーブル溝437が形成され、該ケーブル溝437の両端近傍にケース部材400の側板404(又は後面板405)を貫く配線口438,438が開設されている。この配線口438,438とケーブル溝437は、図柄変動表示装置300とメイン基板409等とを接続するためのものであり、図11において図柄変動表示装置300の装置ケース302の向かって右側面(扉形前面部材200の非ヒンジ側の側面)に設けたリール基板312のケーブル313(図12参照)を1つの配線口438からケース部材400の外に引き出し、そのケーブル313を図12のようにケーブル溝437に納め、さらにそのケーブル313の先を他の配線口438からケース部材400の中に戻してメイン基板409等につなぐようにしてある。なお、ケーブル溝437には所定の間隔でケーブル止め439が設けられていて、ケーブル溝437からケーブル313が脱落しないようになっている。
しかしてメイン基板409等とリール基板312は、共にケース部材400の中にあるケース部材側電気部品であり、本来、ケース部材400の外にケーブル313を引き出す要はない。それを敢えてケース部材400に配線口438,438とケーブル溝437を設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにした理由は次のとおりである。
リール基板312の設置場所は、限られたスペースの中でコネクタを抜き差しする配線の作業性を考慮すると、図柄変動表示装置300(装置ケース302)の側面のうち扉形前面部材200の非ヒンジ側に相当する側が好ましい。もし逆に、扉形前面部材200のヒンジ側に相当する装置ケース302の側面にリール基板312を設けると、開ききった扉形前面部材200(図1参照。)とリール基板312が近接位置で向かい合うため、コネクタの抜き差しに必要な広い作業空間が確保できないからである。
しかし一方、リール基板312の接続対象たる基板類(メイン基板409,演出制御基板510,画像表示体500等)の接続部がケース部材400の扉形前面部材200のヒンジ側に相当する側にあると、ケーブル313がケース部材400の内部を横切る格好になる。そうすると前記装置ケース302をケース部材400に装着する際にケーブル313を噛み込んだり、逆に装置ケース302を引き出す際にケーブル313を引っ掛けるおそれがある。
これに対し実施形態のように、ケース部材400に配線口438,438とケーブル溝437を設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにすれば、上記したようなケーブル313のトラブルは生じない。また、配線作業は、装置ケース302を所定の位置から若干引き出した状態で行う方が作業性がよく、それに伴って配線口438からリール基板312までのケーブル313の長さは、配線代とでも言うべき余裕が設けられている。従って装置ケース302を所定の位置にセットした状態でケーブル313に弛みが生じ、引き出し量によってはケーブル313の弛みが大きくなる。そのようなケーブル313の弛みが大きい場合には、配線口438と横並びの位置にある、装置ケース302の下斜板310とケース部材400の奥のコーナー部分との間に出来る三角スペースにケーブル313の弛んだ部分を逃がすことができる。
また、実施形態のようにケーブル溝437を装置ケース302の下斜板310に向かわせて膨らませるようにした場合には、ケース部材400の奥と装置ケース302の下斜板310との間にできるデッドスペースの有効活用に役立つ。なお、配線口438,438とケーブル溝437を使った配線は、リール基板312のケーブル313に限定する必要はなく、ケース部材400の内部を横切るケーブル全てに適用できる。
その他、図11中、符号441は機能分離中継端子板である。
以上のように構成されるスロットマシン1は、ケース部材400を外本体100に装着し、必要な配線を完了した完成品の状態で工場から出荷される。そして、その完成品のまま遊技場の遊技機設置島に取り付けられるが、このとき図24想像線のように、外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟600とを木ねじ等の固定部材601で止める場合は、扉形前面部材200と画像表示体500を開放し、外本体100の貫通孔132に対しケース部材400の内側から天窓部443越しに固定部材601を挿通させ、さらにドライバー等の工具602で天窓部443越しに固定部材601を締め付けて外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟600とを固定的に連結する。なお、貫通孔132は複数設けられているため、必要に応じてその中から任意に選択して使用することができる。例えば、上桟600の位置やサイズにばらつきがあってもその上桟600に対応する貫通孔132を選択することができる。また、遊技機をまるごと入れ替える場合に、使用する貫通孔132を変更すれば、上桟600の同じ位置に固定部材601の穴が開く弊害(いわゆる、ばか穴化)が防止できる。
ところで、図24に示したように外本体100とケース部材400の間には隙間Sが形成されており、画像表示体500等から発生した熱が画像表示体500の冷却ファン(図示せず)で煽られ、ケース部材400の天窓部443から前記隙間Sを通って背板104の通気口133に至り、そこから遊技機設置島の内部に抜ける。このとき背板104とケース部材400の間に配線中継部材113がありこれが障壁のごとく作用して前記隙間Sを広範囲に塞ぐから、隙間Sを流れる熱気がこの部分で遮られ、配線中継部材113より上方にある背板104の通気口133から積極的に外部に放出される。従って放熱効果が高い。
[各リールの図柄、図柄列]
各リール301a,301b,301cには、図45に示すように、複数種類の図柄が一定間隔に配置されることで構成された図柄列(配列番号1番から21番までで示した合計21個の図柄)が表記されたリール帯(図柄帯)が付されている。図45では、各リール301a,301b,301cに付されたそれぞれのリール帯321a,321b,321cに表記された図柄列を平面的に展開した状態を示す。なお、図柄列中に配置された図柄を識別するために上記配列番号を便宜的に記している。
そして、各リール301a,301b,301cは、各々の図柄列中に配置された図柄のうち、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が開口部401(図柄表示窓ともいう、以下では図柄表示窓401として統一する)を介して視認可能となるように配置されている。
図柄の種類は、図45に示すように、「7」図柄、「ベル」図柄、「チェリー」図柄、「スイカ」図柄および「リプレイ」図柄がある。
「7」図柄は、赤で塗りつぶされている「赤7」図柄(リール帯321a,321b,321cそれぞれの配列番号3およびリール帯321bの配列番号6が相当する)、青で塗りつぶされている「青7」図柄(リール帯321aおよび321cの配列番号10、並びに、リール帯321bの配列番号11および14が相当する)、白で塗りつぶされている「白7」図柄(リール帯321aおよび321cの配列番号17、並びに、リール帯321bの配列番号19が相当する)の3種類がある。ただし、「7図柄」が内部抽選の結果としての当選役である場合には、色別の区別がされることなく、図柄表示窓には上記3種類のいずれの「7」の組み合わせも出現しうる。
「ベル」図柄は、「赤ベル」図柄(リール帯321aの配列番号2、リール帯321bの配列番号2および5、リール帯321cの配列番号1が相当する)、「青ベル」図柄(リール帯321aの配列番号9、リール帯321bの配列番号10および13、リール帯321cの配列番号8が相当する)、「白ベル」図柄(リール帯321aの配列番号16、リール帯321bの配列番号18、リール帯321cの配列番号15が相当する)の3種類がある。
図45に示すように、「赤ベル」図柄は「赤7」図柄の近傍に配置されており、「青ベル」図柄は「7」図柄の近傍に配置されており、「白ベル」図柄は「白7」図柄の近傍に配置されている。したがって、フラグの成立如何によっては、「赤7」図柄を後述する有効ライン上に出現するように狙って停止操作すると「赤ベル」を有効ライン上に出現させることが可能であり、「青7」図柄を有効ライン上に出現するように狙って停止操作すると「青ベル」を有効ライン上に出願させることが可能であり、「白7」図柄を有効ライン上に出現するように狙って停止操作すると「白ベル」を有効ライン上に出願させることが可能である。なお、本実施形態では、停止操作してからリールが停止されるまでの最大滑り数(所謂引き込みコマ数)は4コマ(4図柄)である。
「チェリー」図柄は、チェリーを形どった図柄であり(例えば、リール帯321aの配列番号13等)、「リプレイ」図柄は、「RP」という文字の書かれた図柄であり(例えば、リール帯321aの配列番号1等)、「スイカ」図柄は、スイカを形どった図柄である(例えば、リール帯321aの配列番号21等)。
[枠部材]
図柄表示窓401からは、各リール301a,301b,301cの図柄列中の図柄のうち、連続する3つの図柄が視認可能となっている。この図柄が表示されている3つの位置を上から上段、中段、下段という。
上記のことから、図柄表示窓401内では、「段数×リールの数」個の図柄を表示させることが可能である。従って、スロットマシン1では「段数(3)×リールの数(3)」より図柄表示窓401内には最大で9個の図柄を表示させることができる。
枠部材501(表示パネルともいう、以下では表示パネル501として統一する)の左側端(図柄表示窓401から見て左側には、各種のランプが備えられており、そのうち、「BET1」,「BET2」,「BET3」と記されているのがBETランプ(ベットランプ)614である。
本実施形態では、「BET3」の場合のみが有効となる所謂3枚専用機であるが、ベット数に応じて有効となる並び(有効ライン)が決められていてもよい。
後述する所定の当選役に対応する図柄の組み合わせは、一つの有効ライン上に並んで表示されてはじめて当該当選役に対応する図柄の組み合わせ態様として表示されたと判断されるものである。すなわち、所定の当選役に対応する図柄を構成する各図柄が図柄表示窓401内に個々に表示されたとしても、それぞれの図柄が一つの有効ライン上に並んでいなければ、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたとは判断されないことになる。なお、このような場合は、バラバラな図柄の組み合わせ態様が表示されたと判断される。
次に、3ベット数に対応する有効ラインと有効ラインの数について具体的に説明する。3ベットに対応する有効ラインは、左リールの上段位置と中リールの中段位置と右リールの下段位置とを繋いだ「上段−中段−下段」となる右下がりの並びの有効ライン(右下がりライン)と、左リールの下段位置と中リールの中段位置と右リールの上段位置とを繋いだ「下段−中段−上段」となる右上がりの並びの有効ライン(右上がりライン)と、左リールの下段位置と中リールの中段位置と右リールの下段位置とを繋いだ「下段−中段−下段」となる山型並びの有効ライン(山型ライン)と、左リールの上段位置と中リールの中段位置と右リールの上段位置とを繋いだ「上段−中段−上段」となるV字型並びの有効ライン(V字型ライン)とがあり、これらをまとめて「3BETライン」という。従って、3ベットの場合は合計で4つの有効ラインがあることになる。ここで、右下がりラインおよび右上がりラインは直線形であるから、有効ライン上に揃った図柄組み合わせを遊技者が把握しやすい。一方、山型ラインおよびV字型ラインは、非直線形であるから、有効ライン上に揃った図柄組み合わせを遊技者が把握し難い。
上記は本実施形態に記載の回胴式遊技機の有効ラインについての説明であるが、有効ラインは上記に限られることはない。
その他、表示パネル501には、スロットマシン1の遊技状態に合わせて点灯(あるいは点滅)可能なランプ及びLED類が設けられている。これらのランプ類は図の上から、「ERR」という文字の描かれたエラーランプ604、上記BETランプ614のすぐ下に位置する、「REP」という文字の描かれたリプレイランプ606、「STR」という文字の描かれたスタートランプ608、「INS」という文字の描かれたメダルINランプ610、及び2つの横並びの7セグメントLEDを備えた払出枚数表示LED612がそれぞれ備えられている。なお、これらの他に後述するボーナスゲームの当選を告知するボーナス告知ランプや、ボーナスゲームなどでのメダルの累計払い出し枚数を表示したり、ボーナスゲームをカウントしたりする7セグメントLED等を別途設けてもよい。
エラーランプ604は、スロットマシン1の遊技中に何かトラブル、故障等が生じた場合に点灯(あるいは点滅)を開始し、現在トラブル等が生じていることを遊技者等(ホールの係員なども含む)に知らせる役割を持っている。
リプレイランプ606は、ゲーム結果がリプレイ(後述する)となった場合に、再遊技(新たにメダルを掛けずにもう一度遊技ができること)ができることを遊技者に知らせる役割を持っている。
スタートランプ608は、ベット数がMAXベットに達すると点灯(あるいは点滅)を開始し、遊技者に始動レバー210の操作(始動操作)を促す役割を持っている。
メダルINランプ610は、ベット数が最大(MAXベット)になるまで点灯(あるいは点滅)を続けることにより、遊技者にベットを促す役割を持っている。
払出枚数表示LED612は、ゲーム結果に伴うメダルの払い出しがある場合に、その払い出し数(払出されるメダルの枚数)を表示することにより、遊技者にメダルの払出枚数を知らせる役割を持っている。
[スロットマシンの内部構成]
図46は、スロットマシン1に装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示している。スロットマシン1は遊技の進行を統括的に制御するためのメイン基板409を有しており、このメイン基板409にはCPU1110をはじめROM1112、RAM1114、入出力インタフェース1116等が実装されている。
前述した1枚投入ボタン205,206や始動レバー210、リール停止ボタン211a,211b,211c、貯留解除スイッチ209等はいずれもメイン基板409に接続されており、これら操作ボタン類は図示しないセンサを用いて遊技者による操作を検出し、検出された操作信号をメイン基板409に出力することができる。具体的には、始動レバー210が操作されると前述した図柄変動表示装置300を始動させる(リール301a,301b,301cの回転を開始させる)操作信号がメイン基板409に出力され、リール停止ボタン211a,211b,211cが操作されると、リール301a,301b,301cをそれぞれ停止させる操作信号がメイン基板409に出力される。
なお、以下では必要に応じて、リール301a,301b,301cをそれぞれ左リール301a,中リール301b,右リール301cと呼ぶ。そして、これに対応するそれぞれのリール停止ボタン211a,211b,211cを左リール停止ボタン211a,中リール停止ボタン211b,右リール停止ボタン211cと呼ぶ。
またスロットマシン1にはメイン基板409とともにその他の機器類が収容されており、これら機器類からメイン基板409に各種の信号が入力されている。機器類には、図柄変動表示装置300のほか、メダル放出装置110等がある。
図柄変動表示装置300はリール301a,301b,301cをそれぞれ回転させるためのリール駆動モータ341a,341b,341cを備えている(左リール駆動モータ341a、中リール駆動モータ341b、右リール駆動モータ341c)。このリール駆動モータはステッピングモータからなり、それぞれのリール301a,301b,301cは独立して回転、停止することができ、その回転時には図柄表示窓401にて複数種類の図柄が上から下へ連続的に変化しつつ表示される。
また各リール301a,301b,301cの回転に関する基準位置を検出するための位置センサ331a,331b,331cを有しており、各リール301a,301b,301cにはそれぞれ位置センサ331a,331b,331cがリール内に対応して設けられている(左リール位置センサ331a、中リール位置センサ331b、右リール位置センサ331c)。これら位置センサからの検出信号(インデックス信号)がメイン基板409に入力されることで、メイン基板409では各リールの停止位置情報を得ることができる。
メダルセレクタ207内には、前述したソレノイド207aや投入センサ207bが設置されている。投入センサ207bは、メダル投入口203から投入されたメダルを検出し、メダルの検出信号をメイン基板409に出力する。ソレノイド207aがOFFの状態のとき、投入されたメダルは投入センサ207bで検出される。逆にソレノイド207aがONの状態のときは、メダルセレクタ207内で投入センサ207bに到達する通路がロックアウトされてメダルの投入が受け付けられなくなり、遊技者がメダルを投入しても、メダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。このとき合わせて投入センサ207aの機能が無効化されるので、メダル投入によるベットまたはメダルの貯留のいずれも行われなくなる。
メダル放出装置110は、払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ110eを放出口110c内に有しており、この払出センサ110eからメダル1枚ごとの払出メダル信号がメイン基板409に入力されている。また、遊技メダル用補助収納箱111にはメダル満タンセンサ111aが設けられており、内部に貯留されたメダルの貯留数が所定数量を超えた場合、メダルが所定数量を超えた検出信号をメイン基板409に出力する。このとき画像表示体500、エラーランプ604等によりメダル貯留の異常を知らせるエラー表示が行われ、遊技者やホール従業員等に異常が発生したことが報知される。
一方、メイン基板409からは、図柄変動表示装置300やメダル放出装置110に対して制御信号が出力される。すなわち、前述した各リール駆動モータ341a,341b,341cの起動及び停止を制御するための駆動パルス信号がメイン基板409から出力される。またメダル放出装置110には、有効ライン上に停止した図柄の組み合わせの種類に応じてメイン基板409から駆動信号が入力され、これを受けてメダル放出装置110はメダルの払い出し動作を行う。このときメダル放出装置110内に払い出しに必要な枚数のメダルが不足しているか、あるいはメダルが全く無い状態であった場合、払出センサ110eによる枚数検出が滞ることとなる。そして所定時間(例えば3秒間)が経過すると、払出センサ110eより払い出しメダルの異常信号がメイン基板409へ出力され、これを受けてメイン基板409は、メダルの払い出しに異常が発生したことを知らせる内容をエラーランプ604や画像表示体500等に表示させて遊技者やホール従業員等に異常が発生したことを報知する。
スロットマシン1は、メイン基板409の他に演出制御基板510を備えており、この演出制御基板510にはCPU1118やROM1120、RAM1122、入出力インタフェース1130、VDP(Video Display Processor)1124、AMP(オーディオアンプ)1126、音源IC1128等が実装されている。演出制御基板510はメイン基板409から各種の指令信号を受け、画像表示体500の表示や照明装置502等の発光(または点灯、点滅、消灯等)及びスピーカ512の作動を制御している。なお、メダル放出装置110によるメダルの払い出し動作が行われる際には、メダルが払い出されることを遊技者が認知しうるようにメダル払出音がスピーカ512から出力される。これにより、メダルが払い出されている態様を視認しなくとも、実際にメダルが払い出されることを確認することができる。
さらに、メイン基板409に外部中継端子板131を設けた場合には、スロットマシン1はこの外部中継端子板131を介して遊技場のホールコンピュータ1200に接続される。外部中継端子板131はメイン基板409から送信される各種信号(投入メダル信号や払出メダル信号、遊技ステータス等)をホールコンピュータ1200に中継する役割を担っている。
その他、電源装置112には、設定キースイッチ112aやリセットスイッチ112b、電源スイッチ112c等が付属している。これらスイッチ類はいずれもスロットマシン1の外側に露出しておらず、扉形前面部材200を開けることではじめて操作可能となる。このうち電源スイッチ112cは、スロットマシン1への電力供給をON−OFFするためのものであり、設定キースイッチ112aはスロットマシン1の設定(例えば設定1〜6)を変更するためのものである。またリセットスイッチ112bはスロットマシン1で発生したエラーを解除するためのものであり、更には設定キースイッチ112aとともに設定を変更する際にも操作される。
以上がスロットマシン1の内部構成例である。スロットマシン1によるゲームは、遊技者がメダルの掛け数を決定した状態で始動レバー210を操作すると各リール301a,301b,301cが回転し、この後、遊技者がリール停止ボタン211a,211b,211cを操作すると、対応する各リール301a,301b,301cが停止制御され(回転停止制御手段)、そして、全てのリール301a,301b,301cが停止すると、有効ライン上での図柄の組み合わせ態様からゲーム結果を判断し、必要に応じて該当する当選役に対応する規定数のメダルが付与される。
[当選役と図柄の組み合わせ]
ここで、スロットマシン1の当選役(入賞役と呼ばれるものを含む)、および、当該当選役に対応する図柄の組み合わせについて、具体的に説明をする。なお、当選役に対応する図柄の組み合わせは、遊技者に向けた配当表(各当選役の遊技特典の簡単な説明を表記したもの)として表示パネル501等に表記されることが好ましい。
前述したとおり、各リール301a,301b,301cには、それぞれリール帯321a,321b,321cが付されている。リール帯ごとに図柄の順番や図柄の種類等はそれぞれ異なった順番になっており、例えば、複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して図柄表示窓401内に表示されることの無いものとなっている。なお、図柄表示窓401内に複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して表示されなければ、いくつかのリール帯の図柄の順番や図柄の種類が同じであってもよい。
そして、全てのリール301a,301b,301cを停止させた際に図柄表示窓401内に表示される表示内容(図柄の組み合わせ態様)から所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かが判断される。具体的には、図柄表示窓401内で3ベット数に対応する有効ラインのいずれか1つのラインに所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか否かが判断される。
以下では、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様がいずれか一つの有効ライン上に表示された場合のことを、(所定の)当選役に対応する図柄(これを当選役図柄という)の組み合わせが揃う、あるいは当選役図柄が揃った、という。
スロットマシン1の図柄には、「赤7図柄」、「青7図柄」、「白7図柄」、「赤ベル」、「青ベル」、「白ベル」、「チェリー図柄」、「スイカ図柄」、「リプレイ図柄」があることは既に述べたとおりであるが、このうち、「赤7図柄」、「白7図柄」、「青7図柄」、「白ベル図柄」、「赤ベル」、「青ベル」は他の図柄に比べて目立ち易く、識別しやすい図柄となっている(詳しく言えば、「白ベル図柄」、「赤7ベル」、「青7ベル」は他の図柄に比べて目立ち易いわけではないが、それぞれ、「赤7図柄」、「白7図柄」、「青7図柄」の近傍に図柄が配列されている点で識別しやすい)。ここでいう識別のし易さとは、リールの回転中や、リールの停止した状態を含めて遊技者が容易に図柄を識別することができる度合いの高さのことをいう。これらの図柄はいずれも、各リール301a,301b,301c上に1つしかなく、加えて色彩を視認しやすい。これにより、リールの回転中であっても、「赤7図柄」、「青7図柄」、「白7図柄」、「赤ベル」、「青ベル」、「白ベル」、「チェリー図柄」、「スイカ図柄」、「リプレイ図柄」のうち所望の図柄を目標として停止操作することが可能となっている。
これらの図柄はそれだけでは象徴的な図柄(図柄1つだけでは当選役に対応しない)に過ぎないものであるが、所定の組み合わせとなることにより当選役に対応する図柄の組み合わせとなるものである。すなわち、所定の遊技特典が付与される。
[ビッグボーナス、レギュラーボーナス]
ビッグボーナス(以下ではBBと呼称する)に対応する図柄(BB図柄)の組み合わせ態様として「赤7図柄」、「青7図柄」、「白7図柄」による組み合わせ、具体的には、同色図柄による3通りの組み合わせを含めて、第1の図柄組み合わせとしての27通りの組み合わせが予め決められており、内部抽選の結果がBBである場合は、これら27種類の組み合わせのうち、いずれの組み合わせも有効ライン上に揃いうる。27通りの組み合わせは、3色且つ3図柄(左、中、右)であるから3の3乗の27通りである。即ち、全く異なる色同士の組み合わせも含まれる。なお、この27通りの組み合わせは全て別フラグとなっているが、「7」のフラグが成立するときは、27通りのフラグが常に同時に成立する。したがって、「7」のフラグが成立すると、27通りのうちいずれの組み合わせも有効ライン上に揃いうる。
言い換えると、内部的にはBBのフラグが27個(後述する図49に図示されるBB1〜27)あるものの、BBのフラグが成立するときは27個全てのフラグが同時に成立し、しかもBBのフラグに対応する図柄組み合わせは、色彩は異なるもののいずれも「7」図柄の組み合わせとなっている。これにより、BBのフラグが内部的に27個もあるようなことを意識させることがなく、BBのフラグに対応する図柄組み合わせを分かり易いものとしている。
BB図柄が揃うと、ビッグボーナスゲーム(以下、BBゲームという)という遊技特典が付与される。このBBゲームでは、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われることになる。これは、規定枚数のメダル(例えば、300枚)を払い出すまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、BBゲームは終了となる。
また、スロットマシン1では、BB図柄が揃った際(BB図柄が揃った当該ゲーム)には、メダルは付与されない。つまり、BB図柄が揃うことはBBゲームへ移行する契機としての役割を持っていることになる。また、BB図柄は各リール301a,301b,301cにそれぞれ1つずつしか配置されていないため(図45参照)、BB図柄を図柄表示窓401内に正確に狙って停止操作(リール停止ボタン211a,211b,211cを押す操作)を行わないと、BB図柄を揃えることができない。このように目的の図柄(この例ではBB図柄)を狙って停止操作を行うこと、即ち「目押し」は、スロットマシン1に代表される回胴式遊技機における技量(または技術、遊技者が意図して行う必要がある操作)の一つである。
よって、遊技者の「目押し」の技量が高ければ(主に遊技に熟練した遊技者等、遊技の熟練度が高い遊技者)、目的の図柄を狙った位置(例えば、図柄表示窓401内)に表示させる(停止させる)ことが容易なものとなる。一方、遊技者の「目押し」の技量が低ければ(主に遊技に未熟な遊技者等、遊技の熟練度が低い遊技者)、目的の図柄を狙った位置(例えば、図柄表示窓401内)に表示させる(停止させる)ことが容易なものとはならない(困難であるといえる)。
なお、ビッグボーナスよりも遊技者に付与されうるメダル数は少ないレギュラーボーナス(以下ではRBと呼称する)も一般的には設けられているが、本実施形態ではRBについての説明は割愛する。
[ベル]
ベル(小役1〜27)の示されている当選役には、対応する図柄(ベル図柄)の組み合わせ態様として「赤ベル図柄」、「青ベル図柄」、「白ベル図柄」による組み合わせ、具体的には、同色図柄による3通りの組み合わせを含めて、第2の図柄組み合わせとしての27通りの組み合わせが予め決められており、内部抽選の結果が「ベル」である場合は、これら27種類の組み合わせのうち、いずれの組み合わせも有効ライン上に揃いうる。27通りの組み合わせは、3色且つ3図柄(左、中、右)であるから3の3乗の27通りである。即ち、全く異なる色同士の組み合わせも含まれる。ただし、この27通りの組み合わせは全て別フラグとなっている。したがって、この27通りのフラグのうち、成立したフラグのみが有効ライン上に揃いうる。なお、「赤ベル図柄」、「青ベル図柄」、「白ベル図柄」の図柄は、いずれもベルと把握できるような色彩(例えば黄色)であるが、ベルのキャラクタが把持している旗の数によって、内部的に「赤ベル図柄」、「青ベル図柄」、「白ベル図柄」が区別されている。
即ち、BBのフラグと同様に、互いに異なる小役のフラグが内部的には27個あることになる(小役1〜小役27)。内部的にはこの27個のフラグは全く別フラグであるから、当該当選したフラグに対応する小役(小役1〜27のいずれか)に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うタイミングで停止操作された場合に限り、当該当選したフラグに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うことになる。しかしながら、小役のフラグは内部的には27個であるものの、実際に27種類の役が存在するよう遊技者に意識させると、遊技内容が煩雑となるだけであり分かりづらい。そこで、内部的には27種類の小役が存在するにも拘らず、外観上は同じ役に見えるように同種の図柄(ベル図柄)とすることで、遊技内容の煩雑さを生じさせることなく、新たな遊技性を提供できるようになる。
ここで、左リール321aは上段および下段が有効ライン上にあるので(図45参照)、左リール321aについては、「赤ベル」を含む前後7図柄の間には「赤ベル」のみが配置されており、「青ベル」を含む前後7図柄の間には「青ベル」のみが配置されており、「白ベル」を含む前後7図柄の間には「白ベル」のみが配置されている。例えば、配列番号2〜8を第1ゾーン、配列番号9〜15を第2ゾーン、配列番号16〜1を第3ゾーンとすると、「赤ベル」図柄は第1ゾーンのみに配置され、「青ベル」図柄は第2ゾーンにのみ配置され、「白ベル」図柄は第3ゾーンにのみ配置されている。これにより、停止操作のタイミングによって、「赤ベル」、「青ベル」および「白ベル」のうち常に必ず1種のベルしか有効ライン上に出現することがなく、2種以上のベル図柄が同時に有効ライン上に出現しうることはありえない。
また、中リール321bは中段のみが有効ライン上にあるので(図45参照)、中リール321aについては、「赤ベル」を含む前後5図柄の間には「赤ベル」のみが配置されており、「青ベル」を含む前後5図柄の間には「青ベル」のみが配置されており、「白ベル」を含む前後5図柄の間には「白ベル」のみが配置されている。これにより、停止操作のタイミングによって、「赤ベル」、「青ベル」および「白ベル」のうち常に必ず1種のベルしか有効ライン上に出現することがなく、2種以上のベル図柄が同時に有効ライン上に出現しうることはありえない。
さらに、右リール321cは上段および下段が有効ライン上にあるので(図45参照)、右リール321cについては、「赤ベル」を含む前後7図柄の間には「赤ベル」のみが配置されており、「青ベル」を含む前後7図柄の間には「青ベル」のみが配置されており、「白ベル」を含む前後7図柄の間には「白ベル」のみが配置されている。これにより、停止操作のタイミングによって、「赤ベル」、「青ベル」および「白ベル」のうち常に必ず1種のベルしか有効ライン上に出現することがなく、2種以上のベル図柄が同時に有効ライン上に出現しうることはありえない。
ところで、ベル図柄が揃うと、規定枚数(本実施形態では1枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。つまり、ベル図柄が揃うと1枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。ベル図柄が揃ったときに払いだされるメダル数は少なければ少ないほど好ましいため、本実施形態では最小単位の1枚としている。なぜなら、後述する通り、本実施形態のスロットマシン1では、ベルとしての成立役を従来のスロットマシンのように遊技者にとって価値のないハズレ(本実施形態のハズレとは異なる)と同様に扱っており、準ハズレのような位置付けにあるからである。
[リプレイ]
リプレイの当選役には、対応する図柄(リプレイとなる図柄)の組み合わせ態様として「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」が予め決められている。
リプレイ図柄が揃うと、リプレイゲームという遊技特典が付与される。このリプレイゲームでは、改めてメダルを投入もしくはベット操作をすることなく、次回のゲームとして行うゲームを再遊技として実行できることをいう。その場合の有効ライン数は、リプレイ図柄が揃った当該ゲームの有効ライン数と同じとなる。
また、リプレイ図柄が揃った際にもメダルは付与されず、リプレイゲームへ移行する契機としての役割を持たせている。このリプレイゲームの遊技特典の特徴は、メダルの払出しを行わない代わりに次回のゲームで新たにメダルを消費する(新たにメダルを掛ける)必要がないことである。またリプレイはメダルの払い出しを伴わない当選役であるため、例えばその当選確率を高くすることにより、当選頻度が高くなったとしてもホールにとって不利益となることは非常に少ないといえる。従って、スロットマシン1では、概ね7回に1回程度は当選する確率としている(詳細は後述)。これにより、遊技者が消費するメダルの量(一定時間当たりにつき消費するメダル数)をある程度一定の範囲に保つことが可能となる。つまり、リプレイという当選役にゲーム進行における過剰なメダルの消費を抑える役割を持たせることができるということになる。
また、各リール301a,301b,301cにリプレイ図柄をそれぞれ満遍なく配置することにより、リプレイ図柄を目押しの必要なく揃えることのできるものとすることができる。具体的には、左リールおよび右リールでは、リプレイ図柄からリプレイ図柄までの間に配置される他の図柄(リプレイ図柄とは異なる種類の図柄のこと)が2個または3個となっており、中リールでは、リプレイ図柄からリプレイ図柄までの間に配置され他の図柄が3個または4個となっている。
[チェリー]
チェリーの当選役には、対応する図柄(チェリー図柄)が予め決められている。また、チェリー図柄については、「チェリー図柄−ANY−ANY」というように、チェリー図柄が1つ(この例では、左リール301cのみ)あればそれだけでチェリー図柄が揃ったとみなされる。ここでいう「ANY」とはいずれの図柄でもよいことを示す。そして、チェリー図柄が揃うと、当該ゲームにて規定枚数(例えば、4枚)のメダルの払い出しが行われる。つまり、チェリー図柄が揃うと4枚のメダルの払い出しという遊技特典が付与される。なお、チェリー図柄は、左リール301aに満遍なく配置されているので、目押しの必要がなく揃えることができる図柄となっている。具体的には、左リールでは上段および下段が有効ラインとなりうるので、チェリー図柄からチェリー図柄までの間に配置される他の図柄(チェリー図柄とは異なる種類の図柄のこと)が6個となっている。
従って、チェリー図柄は、全てのリールが停止した状態における図柄の組み合わせ態様により揃ったと判定されるのではなく、少なくとも1つのリールについてのみ、当該リールが停止した状態において有効ライン上に表示された図柄により揃ったと判定されるものであるといえる。ただし、メダルの払い出しは全てのリール停止後に行われる。なお本実施形態のスロットマシン1では上記でいう「少なくとも1つのリール」を右リール301cとしている。
ところで、チェリーについても、前述のベルと同様に、ゲームの進行の中で遊技者がメダルを大量消費してしまうことを抑える程度の役割を持たせるに留め、リプレイに比べて当選確率を低く抑えている。従って、チェリー図柄についても、前述のリプレイ図柄等と同様、各リール301a,301b,301c(特に右リール301c)に満遍なく配置(この場合は、チェリー図柄からチェリー図柄までの間に配置される他の図柄を1個から最大4個までとする)ことにより、チェリー図柄を目押しの必要なく揃えることのできるものとしても問題ない。なお、この図柄の配置と目押しの必要性との関係等については後述のリール停止処理にて説明する。
[スイカ]
スイカの当選役には、対応する図柄(スイカ図柄)が予め決められている。また、スイカ図柄については、「スイカ図柄−7図柄−スイカ図柄」の組み合わせが有効ライン上に揃ったときに、スイカ図柄が揃ったとみなされる。スイカ図柄が揃うと、当該ゲームにて規定枚数(例えば、8枚)のメダルの払い出しが行われる。つまり、スイカ図柄が揃うと8枚のメダルの払い出しという遊技特典が付与される。なお、スイカ図柄(中リール301bは7図柄)は、各リール301a,301b,301cに満遍なく配置されているので、目押しの必要がなく揃えることができる図柄となっている。具体的には、左リールおよび右リールでは、スイカ図柄からスイカ図柄までの間に配置される他の図柄(スイカ図柄とは異なる種類の図柄のこと)が2〜6個となっており、中リールでは、7図柄から7図柄までの間に配置される他の図柄が2個または4個となっている。
また、前述したチェリーおよびスイカはいずれもメダルの払い出しという遊技特典に対応した当選役であることから、以下では、必要に応じてこれらをまとめて「一般役」と称する。また、ベルを便宜上「小役」と称する。
なお、スロットマシン1では、チェリーおよびスイカを一般役として説明したが、これらの他にさらに一般役を設けることもできる。例えば、チェリー図柄、スイカ図柄とは異なる種類の図柄を設けて、これに対応するメダルの払い出し枚数(規定枚数)を異ならせて上記の一般役と区別したり、あるいは各リール301a,301b,301cの図柄の配置数を少なくして、目押しの必要な当選役図柄として難易度をつけたりすることも可能である。
[ハズレ]
BB、ベル(小役1〜27)、チェリー、スイカ、リプレイのいずれにも該当しない場合は、ハズレとなる。そして、ハズレとなった当該ゲームでは、メダルの付与は行われず、また次回以降のゲームに変化を及ぼすこともない。なお、ハズレは遊技者に当該ゲーム及び次回以降のゲームにおいて何の遊技特典も付与しない当選役であるともいえる。なお、本実施形態では、通常の遊技状態(即ち、BBやRBといった遊技状態でない状態)においてハズレとなる確率は極めて小さくなっている(本実施形態では0.18%)。
以上がスロットマシン1におけるそれぞれの当選役と、それぞれの当選役に対応する図柄の組み合わせ態様である。
ところで、本実施形態のスロットマシンでは、詳細は後述するが、複数のフラグが重複して成立する場合がある。また、リプレイ、小役(ベル)および一般役のフラグについては次ゲーム以降に持ち越されないものの、BBのフラグについては有効ライン上に揃えることができなければ次ゲーム以降に持ち越される。即ち、複数のフラグが重複して同時に成立する場合がある。この場合、リプレイに対応する図柄組み合わせ、ベルに対応する図柄組み合わせ、一般役(チェリー、スイカ)に対応する図柄組み合わせ、BBに対応する図柄組み合わせの優先順位で、有効ライン上に揃う(優先停止制御手段)。
具体的には、リプレイのフラグが成立したとき、リプレイに対応する図柄組み合わせを有効ライン上に停止表示可能なタイミングで遊技者が停止操作していれば、他のフラグ(小役、一般役、BB)の成立如何に拘らず、リプレイに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うこととなる。ただし、リプレイに対応する図柄組み合わせは、上述した通り、リプレイ図柄を目押しの必要がなく揃えることができる図柄なので、リプレイのフラグが成立したときは、常に必ずリプレイに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うこととなり、たとえBBのフラグが成立していたとしても、BBに対応する図柄組み合わせを有効ライン上に揃えることができない。
また、リプレイのフラグが成立せず且つ小役(ベル)または一般役のフラグが成立したとき、当該成立した小役(ベル)または一般役のフラグに対応する図柄組み合わせを有効ライン上に停止表示可能なタイミングで遊技者が停止操作していれば、BBのフラグの成立如何に拘らず、当該成立した小役(ベル)または一般役のフラグに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うこととなる(本実施形態では、小役のフラグと一般役のフラグとが同時に成立しないようになっている)。
ただし、リプレイ同様に、一般役(チェリー、スイカ)に対応する図柄組み合わせは、上述した通り、目押しの必要がなく揃えることができる図柄なので、一般役のフラグが成立したときは、常に必ず一般役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うこととなり、たとえBBのフラグが成立していたとしても、BBに対応する図柄組み合わせを有効ライン上に揃えることができない。
なお、上述した通り、内部的には27通りの小役(ベル)があり、当該成立した小役(ベル)に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に停止表示可能なタイミングで遊技者が停止操作する限り、たとえBBのフラグが成立していたとしても、当該成立した小役(ベル)に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うこととなる。言い換えると、成立した小役(ベル)に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に停止表示不可能なタイミングで遊技者が停止操作し且つBBのフラグが成立している場合に、BBに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うこととなる(特別停止制御手段)。
上記を簡単に言い換えると、リプレイについては、リプレイフラグが成立していれば常にリプレイ図柄に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うように図柄配列されている。そのため、リプレイのフラグが成立していれば、他のフラグが重複して成立していたとしても常にリプレイ図柄に対応する組み合わせが有効ラインに揃うこととなる。一般役についても、リプレイ同様に、一般役が成立していれば常に一般役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うように図柄配列されている。
また、小役(ベル)のフラグとBBのフラグとが重複して成立していれば、当該成立している小役(ベル)に対応する組み合わせを有効ライン上に揃えることができない場合にのみ、BBに対応する組み合わせが有効ライン上に揃う可能性がある。
さらに、内部抽選の結果がハズレである場合は、フラグが一切成立していなければハズレが有効ライン上に表示され、フラグが成立していれば、当該成立しているフラグに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃いうる。ここで、次ゲーム以降に持ち越されうるフラグはBBのフラグのみであり(RBが設けられている場合はRBのフラグも持ち越される)、さらに本実施形態では、BBに対応する図柄が、リプレイ図柄と同様に、目押しの必要がなく揃えることができるように図柄配列されている。したがって、BBフラグが成立し且つ内部抽選の結果がハズレであれば、常に必ずBBに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うこととなる。
なお、これらの図柄は上記で説明した図柄や図柄の組み合わせ態様に限定されるものではない。また、上記の図柄に加えて複数種類の図柄を新たに設けることもできる。そして、当選役の種類をさらに増やすことや、あるいは減らすこともできる。さらに、上記で述べた当選役は全てを必ず設けることに限定されるものではなく、適宜必要な種類の当選役を選ぶこととしてもよい。
[ゲーム処理]
次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、メイン基板409(主にCPU1110等)にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。
図47は、スロットマシン1における基本的な1ゲームの処理手順を一通り示している。先ずステップS1では、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する。特に電源の立ち上げ時等においては、前述した各種装置の接続及び作動状況を確認するとともに、バックアップデータの有無を確認し、バックアップデータが存在する場合には、電源断前の状態に復帰させる処理を実行する。
次のステップS2では、投入口203から投入されたメダルの枚数により、あるいはすでに貯留されているメダルがある場合にはMAX投入ボタン206(あるいは1枚投入ボタン205)の押下操作により掛け数が決定され、始動レバー210の操作待ちの状態となる。すなわち、1回のゲームの掛け数が決定され、始動レバー210の操作が可能な状態となるまでがBET処理にて実行される。なお、このステップS2は解決手段に記載の掛け数決定手段の一例に相当する。
ステップS3では、ステップS2において操作待ちの状態となった始動レバー210の操作によりゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行する。この内部抽選処理とは、次のステップS4にて回転を開始する全てのリール301a,301b,301cが停止状態(遊技者の停止操作により停止状態となること)となる前の段階において、いずれかの当選役を当該ゲームの抽選結果とするかを決定するために実行されるものである。すなわち、この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、該当する当選役が許容されるのである。
次にステップS4では、ステップS3の内部抽選処理の終了に伴い全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させるリール回転処理を実行する。このリール回転処理においては、全てのリール301a,301b,301cの回転が開始された時点でリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作を有効とし、リール停止ボタン211a,211b,211cが有効になったことを知らせる操作有効ランプ(図示しない)を点灯させるとともに、次回のリール回転処理が実行されるまでのタイマカウントを開始する。なお、操作有効ランプは各リール停止ボタン211a,211b,211cにそれぞれ内蔵されるランプである。
ステップS5では、遊技者によるリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられて、その受け付け順に操作有効ランプを消灯させるとともに、対応するリール301a,301b,301cの回転を停止させるリール停止処理(抽選停止制御手段)を実行する。
次のステップS6では、ステップS5において全てのリール301a,301b,301cの回転が停止状態になったと判定した時点で、有効ライン上に表示された表示内容(図柄の組み合わせ態様)と、上記のステップS3において決定された内部抽選の結果として許容されているものを照合して当選役の判定を行う判定処理を実行する。
ステップS7では、ステップ6において判定された当選役に対応する遊技特典の内容に基づくメダルの払出処理を実行する。また当選役がBBやRB、リプレイの場合には、それぞれ遊技状態の変更や再遊技等の各種遊技特典に付与を実行する。
以上が、スロットマシン1の基本的な1ゲームの処理手順である。ここで、ステップS2(BET処理)、ステップS3(内部抽選処理)、ステップS4(リール回転処理)は、一連の操作として遊技者により行われるものである。従って、これらの処理(ステップS2、ステップS3、ステップS4)をまとめて始動処理と呼ぶ。以下ではこの始動処理の具体的な説明をする。
[始動処理]
図48は、始動処理で行われる各処理を具体的に示したものである。
始動処理では、まずステップS101にてメダルの投入または1枚投入ボタン205、MAX投入ボタン206の操作が待ち受けられる。MAXベット操作またはメダル投入があると、ステップS101の判定が満たされ、ステップS102に移る。なお、この判定はMAXベットに相当するメダルの投入(つまり、3枚以上のメダルの投入)やMAXベットとなる1枚投入ボタン205、MAX投入ボタン206の操作が有った場合にのみ満たされるものとしている。
次のステップS102では、受付処理として、ベット数(この例ではMAXベットのみ)を決定するとともに、ベット数に応じた有効ラインランプを点灯させる。
ステップS103では、始動レバー210の操作を有効化する。始動レバー210の操作が有効化されると、この始動レバー210の操作が受け付けられるまで操作待ちの状態となり、次のステップS104に移る。
次のステップS104では、始動レバー210の操作が有効化されているか、またその場合は始動レバー210の操作が受け付けられたかを判定する。先のステップS103にて始動レバー210の操作が有効化されている場合、遊技者による始動レバー210の操作が受け付けられると、この判定が満たされ、次のステップS105へ移る。
また、上記のステップS101にて遊技者がベット操作またはメダル投入をしない、あるいはMAXベットに至らないうちはステップS101の判定が満たされず、ステップS104に移る。このときはステップS104の判定も満たされず、ステップS101に戻り、以降の処理を繰り返す。
また、リプレイゲームでは、新たにメダルのベットを必要としない。これは、後述するリプレイゲーム処理にてMAXベットコマンドがRAM1114に格納されている場合、自動的にMAXベット状態にする。これにより、ステップS101の判定が満たされることになる。
ステップS105では、ステップS104での始動レバー210の操作を受けて、始動レバー210の操作を無効化する。
次にステップS106では、始動レバー210の操作があると、これを契機として乱数の抽出を行う。乱数の抽出を行った後、次のステップS107に移る。なお、このときの乱数を抽出するタイミングについては、始動レバー210の操作後直ぐに行っても所定時間(例えば0.5秒後など)後に行うなど、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
ステップS107では、フラグ処理として、抽出された乱数値(以下では、抽出乱数値という)からいずれの当選役に該当するかを判定(乱数値の照合)する。この判定では、後述する当たり値判定テーブルにて抽出乱数値を照合する。ここで行われる乱数値の照合とは、予め決められた当選役の乱数値に、抽出乱数値が該当(合致、一致)するか否かを判定することである。このとき抽出乱数値がいずれかの当選役に該当すると判定された場合、該当する当選役に応じたフラグをON(=1)にする。そして、このときON(=1)となった当該当選役に対応するフラグのことを当該当選役当選フラグという。
そして、フラグ処理では、当該ゲームにて抽出乱数値の照合を行う際に、判定の基準となる当たり値判定テーブルを決定する場合、後述するBBゲーム中フラグなどのゲーム状態フラグを参照して当該ゲームにおける当たり値判定テーブルを決定する。すなわち、当該ゲームにてON(=1)状態となっているゲーム状態フラグに対応する当たり値判定テーブルをセットして抽出乱数値の照合を行う。ゲーム状態フラグには、BBゲーム中フラグのほか、RBゲーム中フラグ、特別ゲーム中フラグがある。そして、これらのゲーム状態フラグのいずれもOFF(=0)状態となっている場合には、常に通常ゲーム中フラグをON(=1)状態とする。
一方、ステップS107にて、抽出乱数値がいずれの当選役にも該当しないと判定された場合、いずれの当選役にも該当しない「ハズレ」となり、ハズレフラグをONにする。ここで、当選フラグまたはハズレフラグ(これらを総称して成立フラグという)とは、該当する成立フラグがONになっているときに限り、その成立フラグに該当した当選役図柄を揃えることが可能となるものである。従って、ハズレフラグが成立フラグに該当する場合は、いずれの当選役図柄も揃えることができないことになる。上記のステップS106及びステップS107はスロットマシン1の内部にて乱数抽選を行っているということもでき、以下ではこれらのステップのことを、まとめて内部抽選、あるいは内部抽選を行う等という。なお、この乱数の抽出からフラグ処理までは役抽選手段である。
次のステップS108では、前回の始動処理(具体的には当該ゲームの1回前のゲーム)にてスタートさせたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かを判定する。なお、このウェイトタイマと呼ばれるタイマは、当該ゲームにおいてリールの回転が開始されたときから次回のゲームでリールの回転が開始されるまでの所定時間(例えば、4.1秒)の経過を計測するものである。ここで、ウェイトタイマがタイムアップ(既に4.1秒経過した)となった場合にはこの判定が満たされ、次のステップS109に移る。また、この判定はウェイトタイマがタイムアップするまでループする。
ステップS109では、全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させる。そして全てのリール301a,301b,301cの回転の速さが一定となると、それぞれのリール停止ボタン211a,211b,211cの操作有効ランプを点灯させる。この点灯により、遊技者はリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が有効になったことを知ることとなる。
なお、スロットマシン1では、回転を開始したリールは遊技者による停止操作(リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)が受け付けられるまで上記の一定の速さで回転を維持し続けるものである。
次にステップS110では、ウェイトタイマをリセットするとともに、次回の始動処理までウェイトタイマをスタートさせ始動処理は終了となる。
[内部抽選確率]
上記のとおり、スロットマシン1では、内部抽選の結果(抽出乱数値の照合の結果)が当該ゲームで該当する当選役(以下では、該当当選役をいう)として許容される。これが、所定の当選役に当選となる、ということである。ここで該当当選役が許容された当該ゲームの結果は、前述した「成立フラグ」として、内部抽選の結果を示す情報コマンドとして以降の処理(リール停止処理、判定処理、払出処理等)に反映されることになる。
スロットマシン1では、乱数抽出を行う際の乱数値の範囲(これを抽出範囲という)を予め決めておくものである。この抽出範囲は、例えば、0から65535までの整数値と決めることができる。なお、スロットマシン1では、抽出範囲の乱数値を0から65535としているが、0から16383まで(216=65536個の乱数値)や、0から32767まで(215=32768個の乱数値)をとるものとしてもよい。ただし、乱数の抽出範囲を拡大した方が、その分だけ抽出可能な乱数値の範囲(いわゆる分母)が大きくなるので特定の乱数値が偏って抽出されるといった事象が起こりにくくなる点で好ましい。
上記の抽出範囲内においては、さらにそれぞれの当選役に対応する乱数値が予め割り当てられている。例えば、抽出範囲(0から65535)内の乱数値のうち、BBのみに対応する乱数値は存在しない。即ち、BBは、他の当選役と重複してのみ成立しうる。
図49は、BBのフラグが成立していない一般中における各当選役及びハズレの当たり値の数を示したものである(抽選判定テーブルという)。これらはそれぞれ、当たり値判定テーブルとして予めROM1112等に格納されているものである。ここで、BBについては、BB+ベルの当選役といったように、BBとベルとの共有当選当たり値となっている。なお、図示していないが、BBのフラグが成立している内部中における各当選役及びハズレの当たり値の数は、図49に示す番号3〜36については一般中と同じであり、図49に示す番号1については0であり、図49に示す番号2については49780となっている(番号1の4900が、番号2に割り当てられる)。
内部抽選の結果が図49に示す番号が「1」の場合は、BB+ベルの当たり値に該当する。より具体的には、内部抽選にて抽出された乱数値が「1」の場合は、次回ゲームにおいて、27通りのBB図柄組み合わせおよび27通りのベル図柄組み合わせのうちいずれか1の組み合わせが有効ラインに揃うこととなる。なお、図49に示す番号「1」が抽出されるか確率は、65536分の4900である。ただし、次回ゲームにおいてベルが入賞しなければベルのフラグは消失するが、BBのフラグは成立したまま次々回ゲーム以降も維持される。ボーナス役は、これよりも優先的に停止表示されるベル役の全パターン(27通り)と重複してのみ当選されるようになっている。この点、ベル役は、その全パターン(27通り)の当選時は、どのようなタイミングにて停止ボタンを押したとしても、27通りのうちのいずれかのベルに対応する図柄組み合わせが停止表示されるように、上記リール上にて配列されている。したがって、ボーナスが当選された当該変動表示ゲームでは、ボーナス役の表示パターンでは表示されることがない。
内部抽選の結果が図49に示す番号が「2」の場合は、小役の当たり値に該当する。即ち、内部的に異なる27個の小役(小役1〜27)が全て同時に成立する。より具体的には、内部抽選にて抽出された乱数値が「2」の場合は、次回ゲームにおいて、27通りのベル図柄組み合わせのうちいずれか1の組み合わせが常に必ず有効ラインに揃うこととなる。なお、図49に示す番号「2」が抽出されるか確率は、65536分の44880である。したがって、実行したゲームのうちの大部分のゲームでは、外観上のベル図柄が有効ラインに揃うことになる(図49の番号1〜29の場合にも外観上のベルが揃いうる)。この実施形態にかかるスロットマシンでは、ボーナス確定状態に移行する前か後かに関係なく、このような高確率、すなわち従来のスロットマシンと比較するならば、ハズレとしての位置づけとして、ベル図柄組み合わせが現れるようになっている。ただし、ベル図柄が揃っても、当該変動表示の実行に要したメダル数よりも少ないメダル数(ここでは1枚)しか払い出されないため、持ちメダルが増加することはない。
このように、本実施形態のスロットマシン1における27個の小役のフラグは、BBのフラグが成立しているにも拘らず、BBに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃いにくくする機能を有しており、遊技者からすると、従来のスロットマシンでいうところのハズレに相当する。それ故、小役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃ったとしても、1枚しかメダルが払い出されないよう構成されている。このように、ベルを所謂ハズレのように効果的に扱うために、本実施形態では、さまざまな工夫が施されている。例えば、有効ラインは、上述した通り、右下がりラインと、右上がりラインと、山型ラインと、V字型ラインとであるが、このうち、山型ラインおよびV字型ラインについては直線形ではなく、遊技者にとって入賞役を把握し難い並びとなっている。これにより、ベルが入賞したとしても、ベルに入賞したという事実(すなわち、何らかの役が当選されたという事実)を遊技者が認知し難くなっている。なお、山型ラインやV字型ラインのように遊技者にとって入賞役を把握し難い並びの有効ラインは、全有効ラインのうちの少なくとも半分以上(本実施形態では4分の2)を占めている方が効果的である。ただし、より好ましくは、全有効ラインのうちの半分を超えている方が、なんらかの役に当選されたにもかかわらず、メダルがほとんど払い出されない事実を秘密にする上で効果的である。
さらに、27個の小役を所謂ハズレのように効果的に扱うために、ベルに入賞したとしても、メダルの払出音を遊技者が気付き難くなっている。上述したように、本実施形態のスロットマシン1では、メダルが払い出される際には、メダルが払い出されている態様を視認しなくとも、実際にメダルが払い出されることを確認することができるように、メダル払出音が出力される。ただし、ベルの入賞に基づいて1枚のメダルを払い出す際には、メダルの払出音を遊技者が気付き難くなっている。メダルの払出音を遊技者が気付き難い態様としては、1枚のメダルが払い出されるにも拘らず、メダルの払出音を全く出力しない、メダルの払出音を出力するものの遊技者が聞き取りにくい程度(音量を下げるなど)の効果音を出力する、通常のメダル払出音とは全く異なる効果音(例えば演出音)を出力することによってメダルの払い出しが行われたとは思えないような態様、が考えられる。
内部抽選の結果が図49に示す番号が「3」〜「29」の場合は、いずれも、27通りの小役(小役1〜27)図柄組み合わせのうち、一部の組み合わせが排除されただけの多数の組み合わせ(ここでは26通りの組み合わせ)が有効ラインに揃うこととなる。上述した通り、小役のフラグが内部的に成立すると、当該内部的に成立しているフラグに対応する小役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うように停止操作された場合に限り、当該内部的に成立した小役が有効ライン上に揃う。ただし、本実施形態のスロットマシン1では、図49に示す番号が「3」〜「29」の場合は、27個の小役フラグのうち26個までが重複して成立する(以下、27個の小役フラグのうち重複成立しなかった1個のフラグを排除フラグと称する)。即ち、27個のうち排除フラグを除く26個の小役のフラグに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うように停止操作された場合には、当該内部的に成立した小役が有効ライン上に揃う一方で、排除フラグに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うように停止操作された場合に限り、BBのフラグが成立していればBBに対応する図柄組み合わせが有効ライン上に揃うようにリール制御される(特別重複当選手段)。
例えば、内部抽選の結果が図49に示す番号「3」である場合、即ち、小役2〜27のフラグが重複して成立した場合は、小役1に相当する図柄の組み合わせについては、当該小役1に相当するベル図柄の組み合わせが有効ラインに揃うように停止操作を行ったとしても当該図柄が揃うことがない。ただしこのとき、BBのフラグが成立していれば「7」図柄の組み合わせが有効ラインに揃うこととなる。
また、例えば、内部抽選の結果が図49に示す番号「5」である場合、即ち、小役1、2及び3〜27のフラグが重複して成立した場合は、小役3に相当する図柄の組み合わせについては、当該小役3に相当するベル図柄の組み合わせが有効ラインに揃うように停止操作を行ったとしても当該図柄が揃うことがない。ただしこのとき、BBのフラグが成立していれば「7」図柄の組み合わせが有効ラインに揃うこととなる。
このように、内部抽選の結果が図49に示す番号「3」〜「29」の場合、10分の1の当選確率で成立しうるBBのフラグが成立していれば、常に必ずBBに対応する図柄組み合わせが有効ラインに表示されうるボーナス放出チャンスゲームであるといえる。しかも、BBに対応する図柄組み合わせが有効ラインに表示される停止操作タイミングは、都度異なる(内部抽選の結果が図49に示す番号「3」〜「29」であった都度異なる)ので、遊技者はどういったタイミングで停止操作すればよいか分からない。しかも、図49に示す番号「3」〜「29」が内部抽選の結果として抽出されるか確率はいずれも65536分の200なので、65536分の540の確率でBBを有効ラインに揃えることができる機会がおとずれることとなる(ただし、ハズレの場合もBBを有効ライン上に揃えることができる)。したがって、遊技者は、毎ゲームのように、27分の1の排除フラグがいずれであるかを予想することができるといった新たな遊技性を提供できる。しかも、ラッキーな遊技者であれば、BBに対応する図柄組み合わせが高頻度で有効ライン上に揃うこともありえ、さらに、何とかBBに対応する図柄組み合わせが高頻度で有効ライン上に揃えてやろうといった気持ちも芽生えることとなる。これにより、従来では当選し難かったBBに対する遊技者の期待感を増大させることが可能となり、興趣の低下を抑制することができる。
このように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、いずれのタイミングにて停止された場合(例えばリール301a,301b,301cのいずれの箇所に対応させて停止された場合)であってもメダルの払出(小役遊技)の実行条件が成立可能となる図柄組み合わせが現れる一般役のほかに、特定のタイミングにて停止されたときにのみ(例えばリールの所定の箇所に対応させて停止されたときにのみ)メダルの払出(小役遊技)の実行条件が成立可能となる図柄組み合わせが現れる小役(特定小役)が用意されている。また、同小役(特定小役)が当選されたとき、当該当選に応じた図柄組み合わせを上記ボーナス役の当選に応じた図柄組み合わせよりも優先して停止表示されるようになっている。そしてこの上で、各々フラグの異なる複数の小役(「赤ベル」、「青ベル」、「白ベル」の組み合わせである27個の小役)のうち、一部の小役(ここでは1通り)だけが除かれた多数の小役を同時に重複当選させるようにしている。すなわちこれによって、上記ボーナス確定状態に制御されていたとしても、上記優先表示によってボーナスゲームの実行契機となるボーナス役の図柄組み合わせが停止表示されることを困難としつつも、「赤7」、「青7」、「白7」図柄の27通りの組み合わせのうち、上記除かれた小役によって上記小役の優先表示を受けない箇所にリール配置されている「7」図柄の組み合わせだけを停止可能とすることで、記ボーナスゲームの実行契機となるボーナス役の図柄組み合わせにて停止表示される可能性をわずかながらに残すようにしている。
ただし、このような多数の小役を同時に重複当選させることによって最低限のメダルしか払い出されない遊技(小役遊技)を半ば強制的に行わせることは、ボーナス確定状態に制御されているか否かにかかわらず上記抽選の結果として最も高い確率にて行われるため、遊技者は、ボーナス確定状態に制御されたとしてもその事実を推定し、且つ特定の除かれたリール箇所を狙って上記「7」図柄の特定の組み合わせを停止表示させることは困難である。したがって通常は、遊技者は、ボーナス役が未だ当選されていない通常の遊技が行われているものと判断しつつ遊技することが多くなる。
しかしながら、この実施の形態にかかるスロットマシン1によれば、外見的には通常の遊技が淡々と行われているように見える状態にあっても、上記ボーナス役の高い当選確率と相まって、実際には、上記変動表示が行われる都度、上記ボーナスゲームの実行条件が成立可能となる上記「赤7」、「青7」、「白7」図柄の27通りの組み合わせのうちの、上記除かれた小役によって上記小役の優先表示を受けない箇所にリール配置されている「7」図柄の組み合わせだけではあるものの、それを停止表示させてボーナスゲームに移行させることのできる特別機会が遊技者に付与されていることが多い。そして、この特別機会によって上記「7」図柄の組み合わせが偶発的に停止表示されたときには、ボーナスの図柄組み合わせが突然現れたかのように見えるため、遊技者は、いかなる遊技状態にあっても、「7」図柄の組み合わせが停止表示されるかもしれない、といった熱い期待をもって遊技することができるようになり、ひいてはあらゆる遊技場面における遊技興趣の底上げを図ることができるようになる。
しかも、この実施の形態にかかるスロットマシン1によれば、ボーナス役の当選によってボーナス確定状態に移行制御されたとしても、複数の小役(「赤ベル」、「青ベル」、「白ベル」の組み合わせである27個の小役)のうちの多数の小役の重複当選(重複具合)、及びそれら当選された小役に応じた図柄組み合わせの「7」図柄に対する優先表示によって、通常は、当該移行制御があってから実際に「7」図柄の組み合わせが停止表示されるまでには相当数の抽選ゲームが消化されることとなる。このため、従来のスロットマシンと比較して、ボーナスゲームにて払いだされるメダルの総数期待値を維持しつつ、ボーナス役の当選確率(例えば「1/10」)を高く設定することによって早い段階にてボーナス確定状態に移行させることが可能となる。そして、こうしてボーナス確定状態に移行制御された後は、図柄の変動表示が行われる都度、上記「7」図柄の組み合わせが停止表示される可能性は低いとはいえ、通常は、その図柄組み合わせが現れるチャンスが付与されているもとで上記図柄表示を停止させることが可能であることから、このような高いボーナス確率によっても早い段階にてボーナス確定状態に移行されることで幅広い期間にわたって熱い期待をもって遊技することができるようになる。
なおこの場合、実質的なボーナスゲームへの突入確率は、ボーナス役の当選確率と、ボーナス確定状態において上記「7」図柄の組み合わせが停止表示される図柄出現確率とによって算出されることとなる。したがって、ボーナス役の当選確率については、図柄出現確率、すなわち少なくとも複数の小役の当選にかかる重複具合によって定められる確率(ベル図柄の全通りの組み合わせに対して除かれるベル図柄の組み合わせである「1/27」)分だけはこれを従来よりも低く設定することが可能となる。ただし、より早い段階にてボーナス確定状態に移行させることによって遊技興趣の向上を図る上では、同確率(ボーナス役の当選確率)については、複数の小役の当選にかかる重複具合によって定められる確率よりも高く設定しておくことが望ましい。
図49に示す番号が「30」の場合は、BB+チェリーの当たり値に該当する。より具体的には、内部抽選にて抽出された乱数値が「30」の場合は、次回ゲームにおいて、27通りのBB図柄組み合わせおよびチェリー図柄組み合わせのうちいずれか1の組み合わせが有効ラインに揃うこととなる。なお、図49に示す番号「30」が抽出されるか確率は、65536分の150である。ただし、次回ゲームにおいてチェリーが入賞しなければチェリーのフラグは消失するが、BBのフラグは成立したまま次々回ゲーム以降も維持される。
図49に示す番号が「31」の場合は、BB+リプレイの当たり値に該当する。より具体的には、内部抽選にて抽出された乱数値が「31」の場合は、次回ゲームにおいて、27通りのBB図柄組み合わせおよびリプレイ図柄組み合わせのうちいずれか1の組み合わせが有効ラインに揃うこととなる。なお、図49に示す番号「31」が抽出されるか確率は、65536分の500である。ここで、リプレイ図柄は、いずれの図柄よりも優先して有効ライン上に揃うようにリール制御され、且つ、図柄配列上もリプレイ図柄は常に揃う配列となっているため、次回ゲームではリプレイが有効ライン上に揃う。また、BBのフラグは成立したまま次々回ゲーム以降も維持される。
図49に示す番号が「32」の場合は、BB+スイカの当たり値に該当する。より具体的には、内部抽選にて抽出された乱数値が「32」の場合は、次回ゲームにおいて、27通りのBB図柄組み合わせおよびスイカ図柄組み合わせのうちいずれか1の組み合わせが有効ラインに揃うこととなる。なお、図49に示す番号「32」が抽出される確率は、65536分の600である。ただし、次回ゲームにおいてスイカが入賞しなければスイカのフラグは消失するが、BBのフラグは成立したまま次々回ゲーム以降も維持される。
図49に示す番号が「33」〜「35」は、それぞれ、チェリー、リプレイ、スイカの単独当選当たり値となっている。より具体的には、内部抽選にて抽出された乱数値が「33」の場合は、次回ゲームにおいてチェリーが有効ライン上に優先して揃うこととなり、内部抽選にて抽出された乱数値が「34」の場合は、次回ゲームにおいてリプレイが有効ライン上に優先して揃うこととなり、内部抽選にて抽出された乱数値が「35」の場合は、次回ゲームにおいてスイカが有効ライン上に優先して揃うこととなる。なお、図49に示す番号「33」が抽出されるか確率は65536分の159、図49に示す番号「34」が抽出されるか確率は65536分の8478、図49に示す番号「35」が抽出されるか確率は65536分の410である。ただし、チェリーまたはスイカのフラグが成立している場合は、次回ゲームにおいて入賞しなければこれらのフラグは消失するが、BBのフラグは成立したまま次々回ゲーム以降も維持される。また、リプレイのフラグが成立している場合は、上述したとおり、次回ゲームでは常にリプレイが有効ライン上に揃う。そのため、図49に示す番号「34」が抽出されるか確率が、図49に示す番号「33」または「35」が抽出されるか確率よりも高くなっている。
以上より、内部抽選にてBBのフラグが成立する確率は、65536分の6150となり、約10ゲームに1回程度、BBフラグが成立することとなる。ただし、BBのフラグが成立していたとしても、内部抽選にて図49に示す番号「2」または「31」が抽出された場合には、上述したとおり、常に、BBに対応する図柄組み合わせを有効ライン上に成立させることができない。また、内部抽選にて図49に示す番号「3」〜「29」のうちいずれか1つが抽出された場合には、27分の1の確率でしか、BBに対応する図柄組み合わせを有効ライン上に成立させることができない。なお、内部抽選にてチェリーまたはスイカのフラグが成立した場合には、チェリーまたはスイカに対応する組み合わせがBBに対応する組み合わせよりも優先して有効ライン上に揃うことになるが、チェリーまたはスイカのフラグが成立する確率は、ベルやリプレイのフラグが成立する確率よりも小さくなっている。
このように、内部的にはBBのフラグが極めて高い確率で成立するものの、BBに対応する組み合わせを有効ライン上に揃えることは困難である。通常の遊技状態では、BBに対応する組み合わせが有効ライン上に揃う確率は、少なくとも270分の1以下となる。
ところで、赤ベル、青ベル、白ベルは、それぞれ、赤7、青7、白7の近傍に図柄配置されている。即ち、赤7を狙って停止操作すると赤ベルを有効ライン上に出現させることが可能であり、青7を狙って停止操作すると青ベルを有効ライン上に出現させることが可能であり、白7を狙って停止操作すると白ベルを有効ライン上に出現させることが可能である。
ここで、BBのフラグが成立しているときに、図49に示す番号「3」〜「29」のいずれか1つが抽出されると27分の1の確率でBBに対応する組み合わせを有効ライン上に揃えることができることについては上述したとおりであるが、言い換えると、BBのフラグが成立しており、且つ、図49に示す番号「3」〜「29」のいずれか1つが抽出された場合に、27分の1の確率で有効ライン上に揃えることができない小役がいずれであるかを遊技者に教唆することによって、BBに対応する図柄を有効ライン上に揃えることが可能となる。
なお、本実施形態では、特定条件が成立したことに基づいて特定遊技状態に制御される。この特定遊技状態では、BBのフラグが成立している場合に、図49に示す番号「3」〜「29」のいずれか1つが抽出されると、27分の1の確率で有効ライン上に揃えることができない小役がいずれであるか(小役1〜小役27のうちいずれであるか)を積極的に遊技者に教唆する遊技状態である。例えば、図49に示す番号が「5」である場合には、左リールに白、中リールに赤、右リールに赤を狙って停止操作するように促される。このように停止操作すると、小役3に相当する図柄組み合わせ「白ベルー赤ベルー赤ベル」が有効ライン上に揃わないうように、言い換えると、「白7ー赤7ー赤7」リが有効ライン上に揃うようにリールの停止制御が行われるなぜなら、上述したとおり、同種色の7とベルとが互いに近傍に配置されているからである。これにより、通常の遊技状態と比べてBBに対応する組み合わせが有効ライン上に揃う頻度(ひいてはBBゲームが実行される頻度)が飛躍的にアップし、これまでにない新たな遊技性を提供することができ、興趣の低下を抑制できる。
なお、BBゲームにおける内部抽選では、図49に示す番号「2」が高い頻度で抽出されて、小役1〜27に対応する図柄組み合わせ(即ちベル図柄の組み合わせ)が有効ラインに出現する。このとき、12枚のメダルが払い出される。また、図49に示す番号「2」の他、番号「3」〜「29」のいずれかも稀に抽出されうるものの、これらのうちいずれかが抽出された場合には、BBゲーム終了後に何からの特典を付与するようにしてもよい。
また、上述したように、ベルが有効ラインに揃ったとき(入賞したとき)に払い出されるメダル枚数を1枚としたのは、内部抽選が行われた際に、図49に示す番号「2」が高い頻度で抽出されるようにして、BBのフラグが成立したとしても、通常の遊技状態ではBBに対応する組み合わせが有効ライン上に成立し難くするためである。
[特別抽選ゲーム]
上記昇格抽選で当選となると、次ゲームから特別抽選ゲーム(特別抽選遊技状態のこと、以下では特別ゲームという)が開始される。この特別ゲームでは特別抽選判定テーブルがセットされてゲームが進行する(図52)。
上記のように特別ゲームではBB及びRBの当選確率が格段に上昇した状態にてゲームを進めることができることとなるため、「特別ゲームはBB及びRBに当選しやすい遊技状態である」ということもできる。
また、特別ゲーム中は、遊技者に向けてその遊技状態が特別ゲーム中であることを認識(識別)できる態様の各種演出、動作を実行させる。具体的には、特別ゲーム中であることの表示(画像表示体500等による)や、効果音(スピーカ512等による)により識別可能なものとする。
なお、スロットマシン1には複数の設定値(設定値1から4までの4段階)を設けている(それぞれ図示はしない)。そして、それぞれの設定値では内部抽選確率に格差(段階的な差、極端な差など)がつけられている。この設定値は、設定値1<設定値2<設定値3<設定値4、というように設定値が高くなるほど当選役(特にBB、RB等)の内部抽選確率が優遇されるようになっている。例えば、設定値1に比べると設定値4ではBBの当選確率が高く決められているのでBBに当選する可能性が高いといったようなことである。このように段階的な設定値を設けることにより、設定値ごとに特徴を持たせて遊技者が設定値の推測する際の手掛かりとしたり、ホール等の経営に合わせた設定値にてスロットマシン1の運用をしたり、といったことが可能となる。なお、上記のような設定値に限られることはない。
[リール停止処理]
始動処理が終了すると、一定速度で回転を続けているリールを停止させるための操作(停止操作、つまりリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)待ちの状態となる。図50では、一例として「テーブル方式」によるリール停止処理の内容を示している。以下では、リール停止制御の処理の流れを説明する。
リール停止処理では、まずステップS201で、当該ゲームでの内部抽選の結果を示す内部抽選フラグにしたがってリール停止制御テーブルを選択する。このリール停止制御テーブルは予め全ての内部抽選フラグについてパターンが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとしてメイン基板409のROM1112に格納されている。
上記のステップS201にて内部抽選フラグに基づいてリール停止制御テーブルが選択された状態になると、各リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられるまで待ち受け状態となる(ステップS202,S210,S217)。これらの待ち受け状態で、左リール301a、中リール301b、右リール301cの各リールがすでに停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグがONとなっていない状態(F=0、つまりOFFの状態)であるか否かを判定するとともに、合わせてリール停止ボタン211a,211b,211cのいずれかが押下されたかについても判定する。全てのリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられるまでは、ステップS209の判定が満たされず、ステップS202以降の処理を繰り返す。
ここで、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の受け付けられた順番(停止操作手順)を、それぞれ「順押し」、「逆押し」、「中押し」と呼ばれる停止操作手順(または押し順ともいう)に分ける。
上記の「順押し」の停止操作手順とは、左リール301aを第1番目に停止させる操作手順(つまり、左リール停止ボタン211aを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 左リール→中リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 左リール→右リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「順押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「順はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「逆押し」の停止操作手順とは、「順押し」と反対に右リール301cを第1番目に停止させる操作手順(つまり、右リール停止ボタン211cを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 右リール→中リール→左リール 〕、
あるいは、
〔 右リール→左リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「逆押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「逆はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「中押し」の停止操作手順とは、中リール301bを第1番目に停止させる操作手順(つまり、中リール停止ボタン211bを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 中リール→左リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 中リール→右リール→左リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「中押し」と呼ぶ。
ステップS202では、左リール301aが停止状態となったことを示すフラグ(左リール停止フラグLF)がOFF(LF=0)であり、なおかつ、左リール停止ボタン211aの押下操作が受け付けられたかを判定する。ステップS201で、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の待ち受け状態から「順押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に左リール停止ボタン211aが押下されたとすると、ステップS202の判定が満たされ、ステップS203に移る。
ステップS203では、第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。ここでいう「第1リール」とは第1番目に停止操作が受け付けられる、あるいは第1番目に停止するリールのことをいう。この例(「順押し」)では、左リール301aの停止操作が第1番目に受け付けられるので、第1リール停止フラグがOFFの状態(F=0)となっている。従って、ステップS203の判定は満たされ、次のステップS204に移る。
次のステップS204では、左リール301aについて第1リール停止処理が行われる。この第1リール停止処理では、内部抽選フラグに対応するリール停止制御テーブルに基づいて内部抽選フラグに対応する当選役図柄の停止位置の制御を実行する。
ステップS206では、残りの中リール301b、右リール301cのリール停止制御テーブルを決定する。前述のとおり、スロットマシン1の有効ラインは右下がりラインと下段ラインの2ラインのみであるため、この時点で残りのリール(中リール301b、右リール301c)の停止制御テーブルは1つに決定することができる。つまり、第1停止リール(この場合は左リール301a)の図柄表示窓401内の図柄(これを停止目と呼ぶ、以下同様)のうち特に上段位置または下段位置の図柄が当選役図柄となる可能性のある図柄であった場合、その該当図柄を基準とした有効ライン上に残りのリール(中リール301b、右リール301c)の該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルを選択することになる。これにより、BB図柄、RB図柄以外の当選役図柄については目押しの必要なく揃えることができることになる(詳細はリール停止制御にて説明する)。
ステップS207では、第1リール停止フラグをON(F=1)として、次のステップS208に移る。
次いでステップS208では、左リール停止フラグLFをON(LF=1)として、ステップS209に移る。
そして、ステップS209では、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となったかを判定する。この例では、まだ左リール停止フラグLFがONとなっただけであり、中リール301b及び右リール301cはまだ回転中であることから、この判定が満たされず、ステップS202に戻り以降の処理を繰り返し実行する。
そして、再びステップS202以降の処理が実行される場合、すでに左リール301aは停止状態となっているのでステップS202の判定は満たされず、ステップS210に移る。
ステップS210では、中リール301bが停止状態となったことを示すフラグ(中リール停止フラグMF)がOFF(MF=0)であり、なおかつ、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられたかを判定する。ここでは「順押し」の停止操作手順に沿うため、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられることとなる。従って、ステップS210の判定が満たされ、次のステップS211に移る。
ステップS211では、上記のステップS203と同様に第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。そして、この時点ではすでに第1リール停止フラグはON(F=1)となっているため、この判定が満たされず、ステップS213に移る。
ステップS213では、中リール停止処理として、内部抽選フラグに対応するリール制御テーブル(この場合は上記のステップS206で決定したリール停止制御テーブル)に基づいて該当当選役図柄の停止位置の制御を実行する。そして、このとき中リール301bは第2番目に停止するリール(第2リール)となり、ステップS212,S214,S215は全て迂回され、ステップS216に移り、中リール停止フラグMFをON(MF=1)としてステップS209に移る。
そして、再度ステップS209では、左リール301a及び中リール301bが停止状態となっただけであり、まだ右リール301cは回転中で停止状態(右リール停止フラグRFがOFFとなっている)となっていないので、この判定が満たされず、ステップS202に戻り、再度以降の処理を繰り返し実行する。
さらに、3度目のステップS202以降の処理では、先ずステップS217で右リール停止フラグMFがOFF(MF=0)であり、なおかつ、右リール停止ボタン211cの押下操作が受け付けられたかを判定していくことになるが、以降のステップS218,S220等の処理は、上記のステップS210以降の処理(ステップS211,S213)と同様であるため詳細な説明は省略する。
そして、ステップS223にて、右リール停止フラグRFをON(MF=1)として、ステップS209に移る。
最後にステップS209では、この時点において、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となっていることから、この判定が満たされ、リール停止処理が終了する。
なお、「中押し」の停止操作手順の場合も上記と同様の説明ができるため詳細は省略する。ただし、「逆押し」の停止操作手順の場合は上記の説明と一部異なる点があるため、以下に説明する。
「逆押し」の停止操作手順で、上記の「順押し」あるいは「中押し」の停止操作手順と異なる点は、ステップS221(第1リール停止処理の後に残りのリール停止制御テーブルの決定)についてである。すなわち、「逆押し」の停止操作手順では、右リール301cのみが停止状態となり、なおかつ、右リール301cの停止目のうち、下段位置にいずれかの当選役図柄があった場合、まだ2つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。従って、ステップS221の段階では、いずれの有効ラインにも該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、いずれかを選び出すものとすればよい。
[リール停止制御]
上記のリール停止処理では、成立フラグに対応した当選役図柄(該当当選役図柄)を極力図柄表示窓401内に引き込むリール停止制御を行う(いわゆる、引き込み制御といわれる)。具体的には、遊技者によるリールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓401内に停止させることが可能な範囲(該当当選役図柄を引き込むことが可能な範囲、例えば、図柄4個分)を予め決めておき、その範囲内に該当当選役図柄がある場合、これを図柄表示窓401内に引き込んでリールを停止させる制御を実行する。なお、ここでいう「引き込むことが可能な範囲」とは、リールの停止操作が受け付けられてから当該リールが停止するまでに、リールの回転方向にみて移動が可能な図柄の最大数のことをいう。例えば、引き込み可能な範囲を最大で図柄4個分とすれば、当該リールの停止操作が受け付けられた場合、その位置を基点にしてさらに図柄4個分までリールの回転移動が可能となる。
従って、このようなリール停止制御によれば、リールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓401内に該当当選役図柄がなかったとしても、該当当選役図柄が引き込み可能な範囲内にあれば、その該当当選役図柄を図柄表示窓401内にまで移動させたうえで停止させることが可能となる。また、この引き込み制御を行うことにより、遊技者は該当当選役図柄の目押しのタイミングが多少早かったとしても、引き込み可能範囲内に当該当選役図柄があれば、その当該当選役図柄を図柄表示窓401内に引き込んで停止させることができる。従って、取りこぼし(当該当選役図柄を揃えることができずに当該当選役に対応する遊技特典を獲得できずにその遊技特典が消滅してしまうこと)が生じることを極力抑えることができる。
スロットマシン1では、先述のように、重複して当選したBBを除くほぼ全ての当選役について当選フラグが成立した場合には、遊技者の目押しを必要とせずに必ず該当当選役図柄を揃えることができる(前述の図45参照)。
また、チェリーについても、判定の対象となるのは、左リール301aのチェリー図柄であり、これも最大で6個分の図柄おきに配置されているため、目押しを必要とせずにチェリー図柄を揃えることができる。
以上のことから、スロットマシン1では、重複して当選したBBを除いて、ほぼ全ての当選役図柄については、目押しを必要とせずに揃えることができる。つまり、重複して当選したBBを除く当選役については「取りこぼし」を生じることがないということになる。また、このBBについても、他の当選役が重複して当選していない状態になれば、目押しを必要とせずにBB図柄を揃えることができるようになる。従って、目押しの技量の差により、遊技者ごとに利益の差が大きくなる(メダルの獲得枚数に大幅な差が生じることなど)ことを極力解消することができる。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、ここでは具体的な説明を省略する。また、本実施形態においてコントロール方式またはテーブル方式のいずれのリール停止処理を実行してもよく、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
[判定処理]
リール停止処理が終了すると、図柄表示窓401内にていずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(いずれかの当選役に該当する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かについて判定を行う。図51では、この判定処理の内容を具体的に説明する。
リール停止処理により全てのリール301a,301b,301cが停止した状態となると、図柄表示窓401内の停止目の態様から、いずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かを判定する。なお、特に全てのリールが停止状態となった場合の停止目のことは出目と呼ばれることもある。
ステップS301、S302では、それぞれ、現在の遊技状態がRBゲーム中であるか、BBゲーム中であるかを判定する。これは後述するRBゲーム中フラグ、BBゲーム中フラグというゲーム状態フラグのON状態(=1)、OFF状態(=0)を判定することである。
RBゲーム中フラグがON(=1)となっていると、ステップS301の判定が満たされ、ステップS380に移る。またBBゲーム中フラグがON(=1)となっているとステップS302の判定が満たされ、ステップS370に移る。
RBゲーム中フラグ及びBBゲーム中フラグのいずれもOFF(=0)となっている場合、ステップS301、S302の判定がいずれも満たされず、ステップS303に移る。
ステップS303で、特別ゲーム終了判定処理(詳細は後述する)を実行した後、いずれかの有効ライン上に揃っている当選役図柄に応じて、さらに以下のステップS310,S320,S330,S340,S350のいずれかに移る。
ステップS310では、BB図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にBB図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS312に移る。
次のステップS312では、BBゲーム開始処理を実行する。ここでは、BBゲームとして、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS320では、RB図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にRB図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS322に移る。なお、本実施形態ではRBの説明を割愛しているが、当該処理が行われるのが一般的である。
次のステップS322では、RBゲーム開始処理を実行する。ここでは、RBゲームとして、BBゲームに準じたメダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS330では、ベル図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にベル図柄が揃っている場合(「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」、この判定が満たされ、次のステップS332に移る。
ステップS332では、現在の遊技状態が期待ゾーン中であるかを判定し、この判定が満たされた場合、ステップS334の昇格抽選処理(詳細は後述する)に移る。ここでの判定が満たされない場合、ステップS336に移り、規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)。これにより、遊技者には当該小役(ベル)に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。ただし、上述したとおり、ベルは準ハズレとしての位置付けであるから、メダルが払い出されたことを告知しなくともよい。
そして、ステップS338では、ベル当選フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。
ステップS340では、チェリー図柄が揃っているかを判定する。有効ライン上にチェリー図柄が揃っている場合(「チェリー図柄−ANY−ANY」)、この判定が満たされ、次のステップS342に移る。
次のステップS342では、規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)。これにより、遊技者には当該小役(チェリー)に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
そして、ステップS344では、チェリー当選フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。
ステップS350では、リプレイ図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にリプレイ図柄が揃っている場合(「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」)、この判定が満たされ、次のステップS352に移る。
次のステップS352では、リプレイゲーム処理を実行する。このリプレイゲーム処理では、当該ゲームでのベット数と同じベット数(この例ではMAXベット)にて次回のゲームを開始させるために、MAXベットコマンドをRAM1114に一旦記憶させる。このコマンドに基づき、次回のゲームを再遊技として開始させることができる。
そして、ステップS354では、リプレイ当選フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。
有効ライン上にいずれの当選役図柄も揃っていない場合、上記のステップS310,S320,S330,S340,S350のいずれの判定も満たされず、ステップS360に移る。なお、このときの出目は「ハズレ目(バラバラな図柄の組み合わせ態様)」とも呼ばれる。
ステップS360では、ハズレ処理を実行する。このハズレ処理では、この時点でON(=1)状態となっている当選フラグがBB及びRBを除く他の当選フラグの場合、当該当選フラグをOFF(=0)にする。また、いずれの当選フラグもON(=1)となっていない場合(このときはハズレフラグがON(=1)となっている)には、ハズレフラグをOFF(=0)にする。
従って、当該当選フラグが、BB当選フラグ、RB当選フラグ、のいずれにも該当しない場合、この時点で「取りこぼし」が確定することになる。なお、スロットマシン1では、この「取りこぼし」が生じる当選役は無いものであるが、小役等には「取りこぼし」が生じる可能性を持たせた当選役を含めてもよい。
一方、当該当選フラグがBB当選フラグ及びRB当選フラグのいずれかに該当する場合、当該当選フラグはOFFとならず、次ゲーム以降に持ち越される。これにより、BB及びRBについては取りこぼしを生じることがなく、該当する当選役図柄を揃えることができるまで当該当選フラグが持ち越されていくことになる。従って、遊技者は、BB、RBといった他の当選役に比べて利益の度合いの高い当選役の取りこぼしを心配することがなくBB、RBの遊技特典は必ず獲得できるという安心感を持ってゲームに臨むことができる。また、特に目押しの技量の低い遊技者にとっては、BB図柄(あるいはRB図柄)を揃えるまで何度でも目押しの練習ができることになる。
上記のステップS303からステップS360までの処理は、通常ゲーム、特別ゲーム及び期待ゾーンにて実行される処理となる。次にステップS370以降の処理について説明する。ここでの処理は、BBゲーム及びRBゲームにて実行される処理である。
まず、ステップS370では、BBゲーム時払出役図柄が揃っているかを判定する。ここでいう「BBゲーム時払出役」とは、BBゲーム中にメダルの払い出しがある当選役の総称である。そして、いずれかの有効ライン上にBBゲーム時払出役図柄が揃っている場合(「リプレイ図柄−ベル図柄−ベル図柄」、または「チェリー図柄−ANY−ANY」、または「リプレイ図柄−7図柄−スイカ図柄」)、この判定が満たされ、次のステップS372に移る。
次のステップS372では、揃っているBBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)これにより、遊技者には当該BBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS372に次いで、ステップS374では、BBゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。その後、ステップS376に移り、期待ゾーン開始処理(詳細は後述する)を実行する。
また、上記のステップS370の判定が満たされない場合、ステップ378に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。特にこの例では、取りこぼしが生じないため、当該成立フラグにはハズレフラグが該当する。すなわち、ステップS378では、当該ハズレフラグをOFF(=0)にする。
次にステップS380以降の説明をする。ステップS380では、RBゲーム時払出役図柄が揃っているかを判定する。なお、この「RBゲーム時払出役」も、前述のBBゲーム時払出役と同様にRBゲーム中に払い出しがある当選役の総称である。そして、いずれかの有効ライン上にRBゲーム時払出役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS382に移る。
次のステップS382では、揃っているRBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)これにより、遊技者には当該RBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS382に次いで、ステップS384では、RBゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。その後、ステップS386に移り、期待ゾーン開始処理(詳細は後述する)を実行する。
また、上記のステップS380の判定が満たされない場合、前述のステップ378に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。これは先に述べたとおりであるため、説明は省略する。
[BBゲーム開始処理]
前述の図51のステップS310の判定が満たされた場合、BBゲーム開始処理を実行する。このBBゲーム開始処理について図52を用いて説明する。
まず、ステップS401では、BBフラグがON(=1)となっているかを判定する。ステップS401の判定が満たされると、ステップS404に移る。ステップS404では、BBゲーム中フラグをON(=1)にする。また図示はしないが、このときBBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS406にて、BBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の掛け数3ベット(3枚掛け)にてBBゲームが開始される。
また、ステップS401の判定が満たされない場合、ステップS402に移り、エラー処理を実行する。このような場合となるのは、BBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、BB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[BBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図51のステップS374のBBゲーム終了判定処理について図53を用いて説明する。
まず、ステップS451では、前述の図51のステップS372にてメダルの払い出しがあったことを受けて、BBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS452では、累計払出枚数が300枚を超えたかを判定する。このステップS452の判定が満たされない場合、ステップS454に移り、BBゲーム中の累計払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい)。また、ステップS452の判定が満たされると、ステップS460に移る。
ステップS460では、BBゲーム中フラグをOFF(=0)にした後、ステップS462にて期待ゾーン開始フラグをON(=1)にして処理を終了する。
[RBゲーム開始処理]
前述の図51のステップS320の判定が満たされた場合、RBゲーム開始処理を実行する。このRBゲーム開始処理について図54を用いて説明する。なお、本実施形態のスロットマシンではRBの説明を割愛しているため、一般的なRBゲームの例として説明する。
まず、ステップS501では、RBフラグがON(=1)となっているかを判定する。ステップS501の判定が満たされると、ステップS504に移る。ステップS504では、RBゲーム中フラグをON(=1)にする。また図示はしないが、このときRBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS506にて、RBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の掛け数3ベット(3枚掛け)にてRBゲームが開始される。このことにより、遊技者は通常ゲームと比べて特別な違和感を覚えることなくゲームを行うことができる。
また、ステップS501の判定が満たされない場合、ステップS502に移り、エラー処理を実行する。このような場合となるのは、RBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、RB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[RBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図51のステップS384のRBゲーム終了判定処理について図55を用いて説明する。なお、本実施形態のスロットマシンではRBの説明を割愛しているため、一般的なRBゲームの例として説明する。
まず、ステップS551では、前述の図51のステップS382にてメダルの払い出しがあったことを受けて、RBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS552では、累計払出枚数が100枚を超えたかを判定する。このステップS552の判定が満たされない場合、ステップS554に移り、RBゲーム中の累計払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい)。
また、ステップS552の判定が満たされると、ステップS556に移る。
ステップS556では、RBゲーム中フラグをOFF(=0)にした後、ステップS558にて期待ゾーン開始フラグをON(=1)にして処理を終了する。
[期待ゾーン開始処理]
期待ゾーン開始処理について、図56を用いて詳細に説明する。前述の図51の判定処理において、ステップS374,S384を経由する場合、期待ゾーン開始処理を実行する。なお、この期待ゾーン開始処理は上記ステップS374,S384のいずれを経由した場合も同じ内容の処理が実行される。
まず、ステップS601では、期待ゾーン開始フラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS602では、期待ゾーンのゲーム回数を「100回」にセットする。
そして、次のステップS604では、期待ゾーン中フラグをON(=1)にする。また、図示はしないが、このとき期待ゾーン開始フラグをOFF(=0)にする。これにより、次ゲームから期待ゾーンにてゲームが開始される。
また、ステップS601の判定が満たされない場合、ステップS610に移り、エラー処理を実行する。このような場合となるのは、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[昇格抽選処理]
昇格抽選処理について、図57を用いて詳細に説明する。前述の図51の判定処理において、ステップS332の判定が満たされた場合、昇格抽選処理を実行する。
まず、ステップS701では昇格抽選を実行する。この昇格抽選は前述したとおり、1/10の割合で当選となる抽選のことである。次にステップS702に移り、昇格抽選に当選したか否かを判定する。この判定が満たされない場合、処理は終了となる。
そして、ステップS702の判定が満たされた場合、ステップS704に移り、特別ゲーム中フラグをON(=1)にする。これにより、次ゲームから特別ゲームが開始される。
[特別ゲーム終了判定処理]
次に特別ゲーム終了判定処理について、図58を用いて詳細に説明する。前述の図51の判定処理において、ステップS301、S302のいずれの判定も満たされない場合、この特別ゲーム終了判定処理が実行される。
まず、ステップS801では、特別ゲーム中フラグがON(=1)になっているかを判定する。この判定が満たされると、ステップS802に移り、BBフラグまたはRBフラグ、のいずれかがON(=1)となっているかを判定する。ここでの判定が満たされる場合とは、当該ゲームにて、BBまたはRBのいずれかに当選した場合が該当する。
ステップS802の判定が満たされると、ステップS804にて特別ゲーム中フラグをOFF(=0)にする。またステップS802に判定が満たされない場合、処理は終了となる。
前述のステップS801の判定が満たされない場合、ステップS810に移り、期待ゾーン中フラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされない場合、いずれの処理も行われず終了となる。
そして、ステップS810の判定が満たされると、次のステップS812では、期待ゾーンのゲーム回数を「1」だけ減算して、ステップS814に移る。
ステップS814では、期待ゾーンの残りのゲーム回数が「0」であるかを判定する。残りゲーム回数が「0」であれば、この判定が満たされ、次のステップS816に移り、期待ゾーン中フラグをOFF(=0)にする。
また、ステップS810,814のいずれかが満たされない場合、処理は終了となる。
この特別ゲーム終了判定処理では期待ゾーンの終了判定も実行していることになる。
[演出動作の制御]
以上は、メイン基板409による制御の例であるが、スロットマシン1では、ゲームの進行にあわせて演出制御基板510により各種演出動作の制御を実行する。これはメイン基板409から出力される各種コマンド(情報コマンド、出力信号)に基づいて、演出制御基板510(主にCPU1118等)にて実行するものである。前述の通りメイン基板449から出力された各種コマンドは、一旦、RAM1122に記憶される。そして、当該コマンドに基づき、予め用意された演出態様を選択し、実行するものである。このような演出態様は、演出態様データテーブル(図示しない)としてROM1120内に格納されており、当該コマンドに対応する演出態様が複数用意されている。
例えば、演出態様としては、当該ゲームのみで完結するもの(以下、単発演出態様という)や、複数のゲームにわたって行われるもの(以下、連続演出態様という)などが含まれる。このうち、単発演出態様には、当該当選フラグを示唆する演出(示唆演出、告知演出、詳細は後述)、メダルの払い出しを知らせる演出(払出演出、なお、払い出し枚数までを知らせる態様でもよい)などがある。
示唆演出は、遊技者に当該当選フラグを直接的に知らせる演出(告知演出)とは異なり、当該当選フラグを間接的に知らせる演出のことをいう、例えば、当該当選フラグに該当する当選役の形、色などを表現した表示等を行うといったことである。また、示唆演出は、当該当選フラグがない場合(つまり、ハズレの場合)にも行われる。この場合には、ハズレであることを気付きにくい内容の演出とする(例えば、いずれの当選役とも取れるような曖昧な内容)。これにより、当該ゲームがハズレであることを遊技者に気付きにくくすることができる。
告知演出は、例えば、当該当選フラグがBBであった場合、「ボーナス確定!」等、遊技者が当該ゲームでいずれの当選役となったかを明確に知ることのできるものである。この演出は、特にBBやRBなど遊技者にとって喜ばしい当選役(メダルを大量に獲得できるため)について実行させるとより効果的である。すなわち、遊技者がBB等に当選した際に、そのことを祝福する意味合いを持たせることができるからである。
また、連続演出態様としては、通常ゲーム中、BBゲーム、RBゲーム等の遊技状態に対応したものがある。これらは、遊技状態がどのようになっているかを明確にするものであり、遊技者はこれらの演出(連続演出)が行われることにより、現在の遊技状態が通常ゲーム中であるのか、BBゲーム中であるのか、といった区別を付けることが容易となる。
以上の演出態様は、画像表示体500による画像の表示や、スピーカ512等による効果音の発生、LED装飾等による発光や点灯等、として実行させることができる。このような演出態様は、遊技者が長い時間ゲームを続けている場合など、退屈な印象を与えづらくすることができるものである。なお、演出態様は、画像表示体500、スピーカ512、LED装飾等で実行されることに限られるものではない。例えば、画像表示体500に代えて、ELディスプレイ(Electroluminescence Display)や、ドットLEDを用いてもよい。さらに、キャラクタを模した人形や、可動可能な模型等や、サイドリール(例えば、各リールとは別の位置に配され、演出の一環として遊技者の操作に因らずにその始動と停止を実行するもの)や、あるいは、ランプなどの照明(例えば、回転灯に代表される回転可能なライト等)を設けて各種演出を実行させるものとしてもよい。このような方法をとれば、液晶表示等を用いずとも遊技者を十分に楽しませることが可能である。
以上は、本発明のスロットマシン1の一形態であるが、これに限定されることはなく、本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が可能である。例えば、上記実施の形態ではスロットマシンについて説明したが、スロットマシン以外の遊技機、例えば、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなるパチンコ球取込回胴式遊技機等(即ち、パチンコ球が取込装置によって機内に取り込まれることによってリールが回転し、当該回転しているリールを停止操作することによって停止した図柄の組み合わせによって入賞判定が行われる遊技機)であっても本発明を適用することができる。このような遊技機は、パチンコ球を投入することを除いて基本的にスロットマシンと似た遊技機である。上記実施形態によると、ベルが入賞した際に払い出されるメダルは最少単位であることが好ましいが、パチンコ球はメダルよりも一般的に遊技価値が低いため(メダルの5分の1が一般的)、上記発明は、パチンコ球取込回胴式に適用されるとより好ましい。