JP2009236060A - 翼回転装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転駆動されるディスクの回転方向回りに動翼が複数配列された翼回転装置において、装置の大型化及び重量増加を抑制しながら動翼のディスクに対するずれを防止する。
【解決手段】スロット23に差し込まれた動翼22の一部22aに差し込み方向から当接されて固定されることで動翼22のディスク21の回転軸方向への移動を規制する規制部材24と、ディスク21に一体に形成され、規制部材24をディスク21の半径方向外側から及び差し込み方向から支持する支持部25とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転駆動されるディスクの回転方向回りに動翼が複数配列された翼回転装置に関するものである。
回転駆動されるディスクと、このディスクの回転方向周りに複数配列される動翼とを備える翼回転装置は、例えば、ターボファンエンジンのファンや圧縮機に用いられている。
このような翼回転装置では、特許文献1に示すように、一般的にディスクの周面部に形成されたスロットに動翼の根元部分であるダブテールをディスクの回転軸方向から差し込むことによって、動翼をディスクに対して固定している。
そして、動翼がディスクに対して回転軸方向にずれないように、動翼の根元部分には、動翼の差し込み方向から保持リング(規制部材)が当接されている。
特開2007−32564号公報
ところで、翼回転装置が駆動されると、ディスクが高速回転するため、保持リングには大きな遠心力が作用することとなる。また、翼回転装置が緊急停止した場合等には、動翼にディスクのスロットから抜け出す方向に力が作用し、保持リングには回転軸方向に大きな力が作用することとなる。
そこで、従来の翼回転装置では、特許文献1に示すように、保持リングが上記力により外れ、動翼がディスクに対してずれてしまわないように、保持リングを別の部材(環状体26及び大型のネジ28)を用いてディスクに対して強固に固定している。
しかしながら、保持リングをディスクに対して強固に固定するためには、固定するための部材を頑丈に形成する必要があり、装置の大型化及び重量増加を招くこととなる。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、回転駆動されるディスクの回転方向回りに動翼が複数配列された翼回転装置において、装置の大型化及び重量増加を抑制しながら動翼のディスクに対するずれを防止することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、回転駆動されるディスクと、該ディスクの回転方向周りに複数配列されると共に個々が該ディスクの周面部に回転軸方向に延在して形成されたスロットに対して上記回転軸方向から一部が差し込まれることで上記ディスクに対して固定される動翼とを備える翼回転装置であって、上記スロットに差し込まれた上記動翼の上記一部に上記差し込み方向から当接されて固定されることで上記動翼の上記ディスクの回転軸方向への移動を規制する規制部材と、上記ディスクに一体に形成され、上記規制部材を上記ディスクの半径方向外側から及び上記差し込み方向から支持する支持部とを備えることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、ディスクに一体に形成される支持部によって、動翼の位置を規制する規制部材がディスクの半径方向外側から及び差し込み方向から支持される。
また、本発明においては、上記支持部を複数備え、各上記支持部は、上記スロット間において上記ディスクから上記回転軸方向に突設されると共に上記規制部材に対して上記半径方向外側から当接する突設部と、該突設部から上記回転軸に向けて突出すると共に上記規制部材に対して上記差し込み方向から当接する爪部とを有するという構成を採用する。
また、本発明においては、単体の材料体を削り出すことによって上記ディスクと上記支持部とが一体とされているという構成を採用する。
また、本発明においては、上記規制部材を複数備え、複数の上記規制部材が全体としてリング状に配列されているという構成を採用する。
また、本発明においては、単一の上記規制部材が、複数の上記動翼の上記一部に対して当接されているという構成を採用する。
本発明によれば、ディスクに一体に形成される支持部によって、動翼の位置を規制する規制部材がディスクの半径方向外側から及び差し込み方向から支持される。
つまり、ディスクと一体に形成されることによってディスクに対して強固に固定された支持部によって、規制部材に作用する遠心力及び動翼がディスクのスロットから抜け出そうとする力を受けることができる。よって、規制部材は、落下しない程度にディスクに対して固定すれば良い。
このように本発明によれば、規制部材をディスクに対して強固に固定するための別部材を必要とすることなく、規制部材に作用する遠心力及び動翼がディスクのスロットから抜け出そうとする力を受けることができる。したがって、回転駆動されるディスクの回転方向回りに動翼が複数配列された翼回転装置において、装置の大型化及び重量増加を抑制しながら動翼のディスクに対するずれを防止することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明に係る翼回転装置の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
また、以下の説明においては、本発明の翼回転装置をターボファンエンジンのファンに適用して例について説明する。
図1は、本実施形態におけるターボファンエンジンの概略構成を示す断面図である。この図に示すように、本実施形態のターボファンエンジン1は、ファン2と、圧縮機3と、燃焼器4と、タービン5とを備えている。
ファン2は、ターボファンエンジン1の内部に外気を取り込むためのものであり、回転駆動されるディスク21の回転軸L周りに配列された複数の動翼22を有している。
圧縮機3は、ファン2によって取り込まれた空気を圧縮するものであり、回転駆動される動翼と固定された静翼とが空気の流れ方向に交互に複数段配列された構成を有する。
燃焼器4は、圧縮機3によって圧縮された空気を燃料と共に燃焼するものであり、不図示の燃料供給機構と着火装置とを備えている。
タービン5は、燃焼器4にて空気及び燃料が燃焼されることによって生じた燃焼ガスが有する速度エネルギの一部を回転エネルギに変換するものであり、当該回転エネルギによってファン2及び圧縮機3を駆動するものである。
また、ターボファンエンジン1は、ファン2にて取り込まれた外気の一部を圧縮機3に送り込むことなく排気するためのバイパス流路6を備えている。
このような構成を有するターボファンエンジン1において、空気は、ファン2によってターボファンエンジン1の内部に取り込まれ、一部が圧縮機3に供給され、残部がバイパス流路6を介して排気される。そして、圧縮機3に供給された空気は、圧縮機3にて圧縮された後、燃焼器4にて燃料と共に燃焼される。そして、燃焼によって発生した燃焼ガスの速度エネルギの一部は、タービン5にて回転エネルギに変換されてファン2及び圧縮機3の駆動に用いられる。一方、燃焼ガスの残りの速度エネルギは、燃焼ガスがターボファンエンジン1の後部から排気される際にターボファンエンジン1に推進力を付与するのに用いられる。この結果、ターボファンエンジン1が推進する。
そして、本実施形態においては、ターボファンエンジン1のファン2に本発明の翼回転装置が用いられている。
ファン2は、図2に示すように、上述のように回転駆動されるディスク21と、該ディスク21に対して固定される動翼22とを有している。なお、動翼22は、ディスク21の回転方向周りに複数配列されているが、図2においては、説明の便宜上、1つの動翼22の一部のみを図示している。また、図2においては、ディスク21も一部のみが図示されている。
そして、動翼22は、ディスク21の周面部に回転軸方向に延在して形成されたスロット23に対して、回転軸方向からダブテール22a(一部)が差し込まれることでディスク21に対して固定されている。
また、ファン2は、動翼22の回転軸方向の移動を規制する規制部材24と、該規制部材24を支持する支持部25とを備えている。
規制部材24は、図3に示すように、ディスク21のスロット23に差し込まれた動翼22のダブテール22aに差し込み方向から当接される円弧形状の当接部24aと、ディスク21に対してネジやボルトにて固定されると共に当接部24aと接続される固定部24bとを有している。そして、規制部材24は、当接部24aが動翼22のダブテール22aに差し込み方向から当接されて固定されることによって動翼22のディスク21の回転軸方向への移動を規制する。
ファン2は、この規制部材24を複数備えている。そして、これらの規制部材24は、当接部24aがリング状に繋がるように配列されて固定されている。
また、1つの規制部材24が備える当接部24aは、複数の動翼22のダブテール22aと当接可能な長さに設定されている。
支持部25は、図2に示すように、ディスク21に一体に形成され、規制部材24の当接部24aをディスク21の半径方向外側から及び差し込み方向から支持するものである。
より詳細には、ファン2は、支持部25を複数有している。そして、各支持部25は、図4に示すように、スロット23間においてディスク21から回転軸方向に突設されると共に規制部材24の当接部24aに対して半径方向外側から当接する突設部25aと、該突設部25aから回転軸に向けて突出すると共に規制部材24の当接部24aに対して差し込み方向から当接する爪部25bとを有する。
なお、ディスク21と支持部25とは、単体の材料体を削り出すことによって一体とされている。
そして、ファン2を組み立てる場合には、例えば単一の材料体を削りだすことによって、ディスク21と支持部25とを一体に形成する。具体的には、例えば略円筒形の材料体の周面部にスロット23と、支持部25に相当する突出部を複数形成する。その後、支持部25に相当する複数の突出部の内側を旋盤にて一度に削ることによって、突設部25a及び爪部25bを形成する。このように支持部25の成形は、旋盤による加工で一度に容易に行うことができる。
続いて、このように形成されたディスク21のスロット23に、動翼22のダブテール22aを回転軸方向から差し込む。その後、支持部25の突設部25a及び爪部25bに当接部24aが当接するように規制部材24をディスク21の内径側から差し込む。ここで、ファン2においては、複数の規制部材24を備えている、つまり動翼22のダブテール22aを抑える部材が複数に分割されている。このため、複数の規制部材24を、当接部24aがリング状に繋がるように容易に配列することができる。
このようにして全ての規制部材24を配置したら、規制部材24の固定部24bをディスク21に対して固定することによって、図1に示すように、規制部材24の当接部24aを動翼22のダブテール22aに差し込み方向から当接させた状態にて固定することができる。
以上の工程にてファン2が組み立てられる。なお、このファン2の組み立て工程には、必要に応じて、規制部材24の固定部24bが露出するディスク21の面を覆うスピナーを配置する工程を含む。
このような本実施形態のファン2においては、ディスク21に一体に形成される支持部25によって、動翼22の位置を規制する規制部材24がディスク21の半径方向外側から及び差し込み方向から支持される。
つまり、ディスク21と一体に形成されることによってディスク21に対して強固に固定された支持部25によって、規制部材24に作用する遠心力及び動翼22がディスク21のスロットから抜け出そうとする力を受けることができる。よって、規制部材24は、落下しない程度にディスク21に対して固定すれば良い。
このように本実施形態のファン2によれば、規制部材24をディスク21に対して強固に固定するための別部材を必要とすることなく、規制部材24に作用する遠心力及び動翼がディスク21のスロット23から抜け出そうとする力を受けることができる。したがって、回転駆動されるディスク21の回転方向回りに動翼22が複数配列された翼回転装置において、装置の大型化及び重量増加を抑制しながら動翼22のディスク21に対するずれを防止することが可能となる。
また、本実施形態のファン2においては、複数の規制部材24を備えている、つまり動翼22のダブテール22aを抑える部材が複数に分割されている。このため、複数の規制部材24を、当接部24aがリング状に繋がるように容易に配列することができる。
一方で、1つの規制部材24が備える当接部24aは、複数の動翼22のダブテール22aと当接可能な長さに設定されている。このため、1つの規制部材24を配置することによって複数の動翼22のダブテール22aを抑えることができ、1つ1つの動翼22のダブテール22aに対して規制部材を配置する場合と比較して、配置工程を容易にすることができる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、本発明の翼回転装置をファン2に適用する構成について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、ターボファンエンジン1の圧縮機3及びタービン5に適用することもできる。
また、ターボファンエンジン1のみでなく、ディスク周りに配列された動翼を回転させる翼回転装置を備える全ての装置に本発明を適用することができる。
また、上記実施形態においては、規制部材24が、円弧形状の当接部24aと、該当接部24aと接続される固定部24bとを有している構成について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、規制部材24が円弧形状の当接部24aのみからなる構成を採用することもできる。このような場合であっても、規制部材24は、落下しない程度にディスク21に対して固定すればよく、装置の大型化及び重量増加を抑制しながら動翼22のディスク21に対するずれを防止することが可能となる。
本発明の一実施形態におけるターボファンエンジンの概略構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態のファンの構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態のファンが備える規制部材の構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態のファンが備えるディスクの構成を示す斜視図である。
符号の説明
1……ターボファンエンジン、2……ファン(翼回転装置)、21……ディスク、22……動翼、22a……ダブテール(一部)、23……スロット、24……規制部材、24a……当接部、24b……固定部、25……支持部、25a……突設部、25b……爪部、L……回転軸

Claims (5)

  1. 回転駆動されるディスクと、該ディスクの回転方向周りに複数配列されると共に個々が該ディスクの周面部に回転軸方向に延在して形成されたスロットに対して前記回転軸方向から一部が差し込まれることで前記ディスクに対して固定される動翼とを備える翼回転装置であって、
    前記スロットに差し込まれた前記動翼の前記一部に前記差し込み方向から当接されて固定されることで前記動翼の前記ディスクの回転軸方向への移動を規制する規制部材と、
    前記ディスクに一体に形成され、前記規制部材を前記ディスクの半径方向外側から及び前記差し込み方向から支持する支持部と
    を備えることを特徴とする翼回転装置。
  2. 前記支持部を複数備え、各前記支持部は、
    前記スロット間において前記ディスクから前記回転軸方向に突設されると共に前記規制部材に対して前記半径方向外側から当接する突設部と、
    該突設部から前記回転軸に向けて突出すると共に前記規制部材に対して前記差し込み方向から当接する爪部と
    を有することを特徴とする請求項1記載の翼回転装置。
  3. 単体の材料体を削り出すことによって前記ディスクと前記支持部とが一体とされていることを特徴とする請求項1または2記載の翼回転装置。
  4. 前記規制部材を複数備え、複数の前記規制部材が全体としてリング状に配列されていることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の翼回転装置。
  5. 単一の前記規制部材が、複数の前記動翼の前記一部に対して当接されていることを特徴とする請求項4記載の翼回転装置。

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