JP2009232081A - 電磁変換器 - Google Patents

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Masamitsu Akaha
正光 赤羽
Daisuke Kitagawa
大祐 北川
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Abstract

【課題】接着剤を使用せず、永久磁石が移動しないように、短時間でフレームに固定できる電磁変換器を提供する。
【解決手段】所定の間隔で並べられ、交互に異なる極性を着磁下帯状の永久磁石と、永久磁石の着磁形成面に対向して配置され、蛇行コイルパターンが表面上に形成された振動膜と、永久磁石及び振動膜を支持するフレームとを備えた電磁変換器において、所定の間隔でフレーム内に形成された複数の突起部を備え、帯状の永久磁石を突起部間に狭持固定して所定の間隔で並べた。
【選択図】図3

Description

本発明は、永久磁石と振動膜とを組み合わせた電磁変換器に関するものである。
従来から、永久磁石と振動膜とを組み合わせた電磁変換器については、様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1には、永久磁石板とその永久磁石板に対向するように配置した振動膜と、これら永久磁石板と振動膜との間に配置された緩衝部材とを備えた電磁変換器において、この永久磁石板、振動膜、緩衝部材がそれぞれ四隅に設けた穴に支持棒を挿通して支持されており、永久磁石板がナットにより機械的に強固に固定されているのに対して、振動膜、緩衝部材が厚み方向へ自由に変位できるように取り付けられた構成の電磁変換器が開示されている。
永久磁石板は帯状の異なる磁極が一定の間隔を置いて交互に形成され、平行縞状の着磁パターンを形成しており(以下、この平行縞状の着磁パターンを多極着磁パターンとも言う)、振動膜は永久磁石板の異なる磁極同士の間隙部分のいわゆる着磁のニュートラルゾーンと称される部分に対向する位置に、蛇行形状の導体パターンからなるコイル(以下、この蛇行形状の導体パターンを蛇行コイルパターンとも言う)が全面に形成されている。
また、緩衝部材は、振動膜のパターンに傷がつくことを防止するためや、振動膜が永久磁石板に接触した場合の異音を防止するための不織布等の緩衝部材が、振動膜と永久磁石板との間に設けられている。
これら永久磁石板、振動膜および緩衝部材は、フレームに覆われてスピーカ筺体に取付けられている。
この電磁変換器において、振動膜のコイルに電流(オーディオ信号)が流れると、そのコイルと永久磁石板の多極着磁パターンとが電磁的に結合し、フレミングの法則にしたがって振動膜にオーディオ振動が発生する。
特開平9−331596号公報
しかしながら、従来の電磁変換器は、永久磁石板の四隅に設けた穴に支持棒を通して永久磁石板を支持するため、永久磁石板に穴を設けるとともに永久磁石板の動きを制御する必要があった。
また、帯状の永久磁石を接着剤等で接着する電磁変換器の場合、帯状の永久磁石をフレームに固定する際に、治具にて位置決めしてから接着剤で固定するものであるため、組み立てる際に時間がかかるなどして、作業性が悪いという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、接着剤を使用せず、永久磁石が移動しないように、短時間でフレームに固定できる電磁変換器を提供することを目的としている。
この発明に係る電磁変換器は、所定の間隔で並べられ、交互に異なる極性を着磁下帯状の永久磁石と、永久磁石の着磁形成面に対向して配置され、蛇行コイルパターンが表面上に形成された振動膜と、永久磁石及び振動膜を支持するフレームとを備えた電磁変換器において、所定の間隔でフレーム内に形成された複数の突起部を備え、帯状の永久磁石を突起部間に狭持固定して所定の間隔で並べたものである。
この発明によれば、振動膜の蛇行コイルパターンに対向するフレームの位置に穴を設け、この穴に突起状の成形樹脂を形成し、この成形樹脂に永久磁石を挟み込むようにして、永久磁石が移動しないようにフレームに支持するので、組立作業性が上がり、組み立て時間も短縮できる。
以下、この発明の実施の一形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の電磁変換器の概観を示す斜視図であり、図2は、この電磁変換器の構成を説明するための分解斜視図である。
また、図3は、電磁変換器と着磁した磁石及び磁石を固定する成形樹脂の配置を示す図1のA−A断面図であり、図4は、電磁変換器の永久磁石および永久磁石を固定する樹脂壁を配置したフレームの平面図である。
電磁変換器10は、上下の永久磁石11,12、振動膜13、フレーム30から構成され、フレーム30の上側フレーム31および下側フレーム32が、上側永久磁石11と下側永久磁石12と振動膜13とを挟み込むように支持している。
永久磁石11,12は、図2、図3に示すようにフレーム30の長手長さよりもやや短い帯状の異なる磁極(N極、S極)の磁石が所定の間隔をおいて交互に配置されており(多極着磁パターン)、N極を中央にして両側に所定の間隔をおいてS極、さらに外側に所定の間隔をおいてN極というように5極の磁極が配置されている。
振動膜13は、図2、図3に示すように、薄く柔軟な矩形状の樹脂製のフィルム13aの両面に、この長手方向の直線部分とこの長手方向に垂直な方向の折り返し部分とを有する蛇行形状の導体パターンからなるコイル(蛇行コイルパターン)13bをプリント配線などにより形成したものである。このフィルム13aの一方の面に形成された蛇行コイルパターン13bの長手方向の直線部分は、永久磁石11の交互に配置された異なる磁極(N極、S極)の間隔に対向するように設けられている。また、同様に他方の面に形成された蛇行コイルパターン13bの長手方向の直線部分は、永久磁石12の交互に配置された異なる磁極(N極、S極)の間隔に対向するように設けられている。
ここで長手方向の直線部分とは、蛇行コイルパターン13bのうち所定の間隔を持って互いに平行に配置されている長い直線部分のことを指す。
上側フレーム31は、図2〜4に示すように振動膜13の蛇行コイルパターン13bに対向する位置及びフレーム30の短手方向に帯状の永久磁石11を挟み込む位置に、振動膜13のオーディオ振動を放出させる放射音穴31aが所定の間隔をおいて6列設けられている。
また、上側フレーム31には、アウトサート成形が施され突起状の成形樹脂(突起部)14が形成されている。この突起状の成形樹脂14は、上側フレーム31の各放射音穴31aの間に四角形の穴(以下、角穴とも言う)(突起形成穴)14aが設けられ、この角穴14aに例えばPOM(ポリアセタール)などの樹脂を注入して金型などにより両側からプレスされて形成され、上側フレーム31の振動膜13に対向する面に突起状の成形樹脂14がフレームと一体になるように形成されている。
また、この突起状の成形樹脂14は、永久磁石11の長手両端に対応する部分にも形成されており、これら成形樹脂14により、永久磁石11が上側フレーム31の短手方向の放射音穴31aの間に正確に位置決めされる。
すなわち、成形樹脂14は、帯状の永久磁石11の短手側側面から所定の間隔をおいて挟み込んで位置決めする樹脂壁として構成されている。
下側フレーム32は上側フレーム31と同様に放射音穴32aと角穴15aとが設けられ、この角穴15aに突起状の成形樹脂15が形成されており、この成形樹脂15により、永久磁石12が各放射音穴32aの間で下側フレーム32短手方向に所定の間隔をおいて位置決めされる。
次に永久磁石11,12をフレーム30に固定する方法について説明する。
フレーム30の上側フレーム31には、放射音穴31aと角穴とを設け、この角穴14aにアウトサート成形で突起状の成形樹脂14を形成する。
上側永久磁石11の帯状の各磁石を交互に異なる磁極(N極、S極)となるように成形樹脂14の間隔に挟み込むと、各磁石が所定の間隔をおいて位置決めされ、着磁された各磁石の磁力で鉄製の上側フレーム31に固定される。
フレーム30の下側フレーム32についても上側フレーム31と同様に放射音穴32aと角穴15aとを設け、突起状の成形樹脂15を形成した後、各成形樹脂14の間隔に下側永久磁石12を挟み込むと下側フレーム32に固定される。
次に本実施の形態1の構成による動作について説明する。
この電磁変換器において、振動膜13の蛇行コイルパターン13bに電流(オーディオ信号)が流れると、蛇行コイルパターン13bと永久磁石11,12の多極着磁パターンとが電磁的に結合し、フレミングの法則により振動膜13が変位して振動が発生する。この振動がフレーム30内の空気を振動させフレーム30の放射音穴31aおよび32aからオーディオ振動として放射される。
なお、永久磁石11、12は5極の磁極が配置されているが、磁極数は5極に限るものではない。また、放射音穴31a,32a及び成形樹脂14a,15aは6列設けているが、6列に限るものではなく、配置された帯状の永久磁石11,12の磁極数によって設定されるものであれは、本実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、フレーム30の角穴14a,15aは四角形に限るものではなく、振動膜13に対向する面にアウトサート成形で成形樹脂14,15が形成できる形状であればよい。
以上のように、この実施の形態1よれば、フレーム30の振動膜13に対向する面に成形樹脂14,15を形成し、各成形樹脂14,15に永久磁石11,12の帯状磁石を挟み込ませ永久磁石11,12を固定するようにしたので、永久磁石11,12の各磁石が互いに引き合っていても密着することを防ぐことができ、組立作業性が向上するとともに組み立て時間を短縮させることができる。
また、接着剤を用いずに永久磁石11,12をフレーム30に固定したので、資源再生の際には分解、分別を容易に行うことができる。
実施の形態1の電磁変換器の概観を示す斜視図である。 実施の形態1の電磁変換器の構成を説明するための分解斜視図である。 実施の形態1の電磁変換器と着磁した磁石及び磁石を固定する成形樹脂の配置を示す図1のA−A断面図である。 実施の形態1の電磁変換器における,着磁した磁石及び磁石を固定する成形樹脂の配置を示す全体図である。
符号の説明
10 電磁変換器、11,12 永久磁石、13 振動膜、13a フィルム、13b 蛇行コイルパターン、14,15 成形樹脂(突起部)、14a,15a 角穴(突起形成穴)、30 フレーム、31 上側フレーム(フレーム)、32 下側フレーム(フレーム)、31a,32a 放射音穴。

Claims (2)

  1. 所定の間隔で並べられ、交互に異なる極性を着磁した帯状の永久磁石と、上記永久磁石の着磁形成面に対向して配置され、蛇行コイルパターンが表面上に形成された振動膜と、上記永久磁石及び上記振動膜を支持するフレームとを備えた電磁変換器において、
    上記所定の間隔で上記フレーム内に形成された複数の突起部を備え、
    上記帯状の永久磁石を上記突起部間に狭持固定して上記所定の間隔で並べたことを特徴とする電磁変換器。
  2. 突起部は、振動膜の振動を外部に放出する放射音穴に隣接して設けた突起形成穴に樹脂をアウトサート成形してなることを特徴とする請求項1記載の電磁変換器。
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