JP2009221045A - 発電及び水素製造システム - Google Patents

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光 岡田
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Abstract

【課題】効率良く運転できる発電−水素製造システムを提供すること。
【解決手段】発電−水素製造システム1は、改質ガスを原料として水素ガスを製造したり発電したりする発電−水素ポンプ結合体40と、水素タンクに製造した水素ガスを逐次供給する水素ガス供給装置24と、発電−水素ポンプ結合体40の発電に伴う廃熱を利用して給湯する給湯装置29と、発電−水素ポンプ結合体40により発電された電力を変換し、商用電源9側に売電すること及び住居7の電気負荷に出力することが可能なインバータ23と、を備える。運転制御ECU3は、燃料電池車両8の水素タンクを水素ガス供給装置24に接続した際に、この水素タンクで要求される水素ガス供給量及び供給完了時間を予測し、この予測した水素ガスの供給量、及び供給完了時間に基づいて、発電−水素ポンプ結合体40により水素ガスの製造を行うか、又は、発電を行うかを判断する。
【選択図】図1

Description

本発明は、発電及び水素製造システムに関する。詳しくは、発電と水素ガスの製造とを選択的に行うとともに、さらに発電に伴う廃熱で給湯するコジェネレーション機能を備える家庭用の発電及び水素製造システムに関する。
天然ガスや液化石油ガス等の炭化水素燃料を改質して水素を含む改質ガスを製造し、この改質ガスを利用して燃料電池により発電するとともに、この発電に伴う廃熱を利用して給湯するコジェネレーションシステムの開発が、従来より行われている。
特に近年では、このような発電と給湯のコジェネレーション機能に加えて、改質ガスから水素を精製し、水素ガスを製造する機能を備える発電及び水素製造システムの開発も行われている。このシステムは、家庭用として住居に設置されることを主に想定しており、製造した水素ガスは、例えば燃料電池車両の燃料として用いられる。
例えば特許文献1には、燃料電池の熱回収と使用者による給湯需要とを予測し、貯湯が満杯にならないように使用者による給湯需要に合わせて熱回収するコジェネレーションシステムが提案されている。このようにして運転スケジュールを決定することにより、システムを効率良く運転することができる。
特開2007−270713号公報
しかしながら、特許文献1に示された運転方法は、発電と、この発電に伴う廃熱を利用した給湯のみが可能なコジェネレーションシステムにおける運転方法であり、上述のような発電及び給湯に加えて、水素ガスの製造が可能な発電及び水素製造システムにおける運転方法と比較して、発電の自由度が高く、効率良く運転するための運転スケジュールを決定するのは比較的容易である。
一方、発電及び水素製造システムでは、発電と水素ガスの製造を一の燃料電池で行う場合、これら発電及び水素ガスの製造を同時に行うことができない。また、発電と水素ガスの製造とを切り替えるには、燃料電池の内部を掃気する等の時間がかかる切替処理を行わなければならないため、発電と水素ガスの製造とを切り替える処理は頻繁には行われないように運転スケジュールを決定する必要がある。また、このシステムを家庭用に用いる場合、システムを出来るだけ小型なものにするために、別置きの水素タンクを設けることなく、製造した水素ガスを逐次燃料電池車両に供給できるようにすることが好ましい。
以上のように、水素ガスの製造も可能な発電及び水素製造システムは、特許文献1のコジェネレーションシステムと比較して運転の自由度が低く、効率良く運転するための運転スケジュールを決定するのは困難である。
本発明は上述した点を考慮してなされたものであり、効率良く運転できる発電及び水素製造システムを提供することを目的とする。
本発明の発電及び水素製造システム(例えば、後述の発電−水素製造システム1)は、含水素原料(例えば、後述の炭化水素燃料)を改質して水素リッチな改質ガスを製造する改質器(例えば、後述の改質器21)と、前記改質器により製造された改質ガスから水素を精製し水素ガスを製造する水素製造装置(例えば、後述の発電−水素ポンプ結合体40のスタック41)と、前記改質器により製造された改質ガスにより発電する燃料電池型発電装置(例えば、後述の発電−水素ポンプ結合体40のスタック41)と、前記水素製造装置による水素ガスの製造と前記燃料電池型発電装置による発電とを選択的に切り替える切替手段(例えば、後述のスタック制御装置42、遮断弁433、三方弁443、及び運転制御ECU3)と、前記改質器、前記水素製造装置、前記燃料電池型発電装置、及び前記切替手段を制御する制御手段(例えば、後述の運転制御ECU3)と、を備える発電及び水素製造システムであって、燃料電池車両の水素タンクに接続され、当該水素タンクに前記水素製造装置により製造された水素ガスを逐次供給する水素ガス供給装置(例えば、後述の水素ガス供給装置24)と、前記燃料電池型発電装置の発電に伴う廃熱を利用して給湯する給湯装置(例えば、後述の給湯装置29)と、前記燃料電池型発電装置により発電された直流電力を交流電力に変換し、当該交流電力を商用電源側へ売電すること及び電気負荷に出力することが可能な電力変換装置(例えば、後述のインバータ23)と、を備え、前記制御手段は、前記水素製造装置により水素ガスの製造を行う時間と、前記燃料電池型発電装置により発電を行う時間と、を含んで構成される運転スケジュールを設定する運転スケジュール設定手段(例えば、後述の運転制御ECU3)と、前記燃料電池車両の水素タンクを前記水素ガス供給装置に接続した際に、当該水素タンクで要求される水素ガス供給量(例えば、後述の次回の水素ガス使用量)及び供給完了時間(例えば、後述の切断時間)を予測する水素需要予測手段(例えば、後述の運転制御ECU3、及び図6のステップS22の実行にかかる手段)と、前記燃料電池車両の水素タンクが前記水素ガス供給装置に接続された場合、前記水素需要予測手段により予測された水素ガスの供給量及び供給完了時間に基づいて、前記水素製造装置により水素ガスの製造を行うか、又は、前記燃料電池型発電装置により発電を行うかを判断する判断手段(例えば、後述の運転制御ECU3、及び図6のフローチャートに示す処理の実行にかかる手段)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、水素製造装置により水素ガスを製造することで、製造した水素ガスを水素ガス供給装置により燃料電池車両の水素タンクに供給できる。また、燃料電池型発電装置により発電することで、発電した電力を電力変換装置により交流電力に変換して、商用電源側に出力して売電したり、電気負荷に給電したりできる。また、この際、給湯装置により、燃料電池型発電装置の発電に伴う廃熱を利用して給湯することもできる。
また、この発明によれば、燃料電池車両の水素タンクを水素ガス供給装置に接続すると、水素タンクに要求される水素ガス供給量及び供給完了時間を予測する。ここで、水素タンクに要求される水素ガス供給量とは、例えば、水素タンクを満杯にするために供給する必要がある水素ガスの量であり、供給完了時間とは、例えば、水素タンクを水素ガス供給装置から切断し、燃料電池車両の使用を開始する時間である。
さらに、これら予測に基づいて、供給完了時間までに必要な水素ガス供給量を水素タンクに供給できるように、判断手段により、水素ガスの製造を行うか又は発電を行うかを判断する。これにより、例えば、以下のようなシステムの運転が可能となる。
現在では、燃料電池車両に水素ガスを供給する水素供給ステーションの普及が十分ではないため、基本的には、水素ガスの供給を優先する。ただし、燃料電池車両の水素タンクを水素ガス供給装置に接続した際に水素ガス製造の緊急度が低い場合、すなわち、予測した水素ガス供給量が少ない場合(既に十分な量の水素ガスが充填されている場合)や、供給完了時間までに十分な時間がある場合(燃料電池車両の使用を開始するまでに十分な時間がある場合)には、水素ガスの製造よりも、発電及び給湯を優先して行う。このような運転を行うことにより、使用者の快適性を損なうことなくシステムの運転効率を向上することができる。
より具体的には、以下のような状況が想定される。
燃料電池車両の水素タンクが水素ガス供給装置に接続されたことにより、翌日の午前7時に水素タンクと水素ガス供給装置との接続を解除することを予測する。また同時に、燃料電池車両の1日当たりの走行距離が100kmであることにより、水素タンクを満杯にするためには約5時間にわたって水素ガスを製造する必要があることを予測する。このような状況の下、水素ガスの製造を優先して行いつつ、水素ガスの製造量に余裕があるときに給湯の需要が生じた場合には、発電及び給湯を行う。また、給湯の需要が無くなった場合であっても、水素タンクの接続を解除するまでの時間に余裕があれば、発電を行い、発電した電力を売電するとともに、給湯貯蔵タンクに給湯し、熱湯を溜めておくことができる。
ところで、上述のように、水素製造装置と燃料電池型発電装置とが一体となった燃料電池を用いた場合、水素ガスの製造と発電とを切り替える際には、この燃料電池に供給する気体の種類を変えたり、燃料電池の内部を掃気したりする切替処理を行う必要がある。このような切替処理を行うと、余分な時間やエネルギーが必要となり、また、燃料電池の劣化も進行するおそれがある。この発明によれば、上述のように水素タンクに必要な水素ガス供給量及び供給完了時間を予測し、この予測に基づいて水素ガスの製造と発電とを判断することにより、切替回数を最小限にとどめることができる。これにより、余分な時間及びエネルギーの消費や、燃料電池の劣化の進行を抑制することができる。
製造した水素ガスは、水素ガス供給装置により燃料電池車両の水素タンクに逐次供給する。すなわち、余分な定置タンクを設ける必要がないため、発電及び水素製造システムを小型なものにできる。
また、燃料電池車両は、昼間は水素ガス供給装置から切断され、夜間は水素ガス供給装置に接続される場合が多いことが想定される。すなわち、水素ガスの製造及び水素タンクへの供給は、夜間に行われる場合が多く、この時間帯では、発電と水素ガスの製造とが競合することが想定される。この発明では、水素ガス供給量及び供給完了時間の予測に基づいて水素ガスの製造を行うか、又は、発電を行うかを判断するため、次回に燃料電池車両において必要とされる水素ガスを確保しつつ、発電を行うことが可能となる。これにより、発電及び水素製造システムを効率的に運転することができる。
この場合、水素ガスを製造する際に消費した消費電力量を算出する水素製造消費電力量算出手段(例えば、後述の運転制御ECU3)と、当該水素製造消費電力量算出手段により算出された消費電力量を表示する表示装置(例えば、後述の表示装置35)と、をさらに備えることが好ましい。
この発明によれば、水素ガスを製造すると、この水素ガスの製造にかかる消費電力量を表示装置に表示する。これにより、使用者は、水素ガスの製造にかかった消費電力量を認識できる。
ところで、米国や欧州においては、電力会社から買電した電力に相当する電力量を自家発電し、この自家発電した電力を電力会社に売電することで、かかる電気料金を相殺する所謂Net Energy Metering制度が運営されている。また、このような制度の下では、買電した電力量を超える電力量を売電しても返金は無いため、買電した電力量は正確に認識することが好ましい。水素ガスの製造にかかった消費電力量は使用者にとって認識しにくいものであるが、この発明によれば、表示装置に消費電力量を表示することにより、かかる消費電力量を容易に認識できる。また、この表示された消費電力量及び家庭内で消費された電力を相殺できるように、燃料電池型発電装置による発電のスケジュールを設定したり変更したりすることが容易になる。
この場合、使用者により指定された前記水素製造装置で製造する水素ガスの製造量と、使用者により指定された前記給湯装置の使用時間と、前記燃料電池車両で使用された水素ガスの使用量と、前記燃料電池車両の水素タンクを前記水素ガス供給装置に接続する接続時間と、前記燃料電池車両の水素タンクを前記水素ガス供給装置から切り離す切断時間と、季節や時間を含む太陽暦、気象条件に応じた使用者による給湯の使用時間の指定と、日々の家庭用電力使用量と、日々の水素製造消費電力量と、からなる複数の運転履歴情報のうち少なくとも1つを記憶する記憶手段(例えば、後述の記憶装置32)をさらに備え、前記運転スケジュール設定手段は、前記記憶手段に記憶された運転履歴情報に基づいて運転スケジュールを設定することが好ましい。
製造した水素を溜めて置く定置タンクを持たない構成の場合、上述のようにシステムを小型なものにできるものの、水素ガスの製造は燃料電池車両の水素タンクが水素ガス供給装置に接続された期間に限られるため、水素ガスの製造を行う自由度は低い。
また、給湯装置を風呂に利用する場合、できるだけ高温の温水を利用するためには、給湯の需要が発生する時間に合わせて発電を行うことが好ましい。すなわち、給湯の需要が発生しない時間に発電を行い、この発電に伴う廃熱を利用して給湯した場合、給湯の需要が発生するまでの間に温水が低下してしまう。したがって、システムの運転効率が低下してしまう。
この発明によれば、各種運転履歴情報を記憶し、この運転履歴情報に基づいて運転スケジュールを設定することで、より使用者の使用状況に合わせた運転スケジュールを設定することができる。これにより、システムの運転効率の低下を防止できる。
この発明によれば、水素タンクに要求される水素ガス供給量及び供給完了時間を予測し、これら予測に基づいて、供給完了時間までに必要な水素ガス供給量を水素タンクに供給できるように、判断手段により、水素ガスの製造を行うか又は発電を行うかを判断する。このような運転を行うことにより、使用者の快適性を損なうことなくシステムの運転効率を向上することができる。また、この予測に基づいて水素ガスの製造と発電とを判断することにより、切替回数を最小限にとどめることができる。これにより、余分な時間及びエネルギーの消費や、燃料電池の劣化の進行を抑制することができる。また、余分な定置タンクを設ける必要がないため、発電及び水素製造システムを小型なものにできる。また、次回に燃料電池車両において必要とされる水素ガスを確保しつつ、発電を行うことが可能となる。これにより、発電及び水素製造システムを効率的に運転することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る発電−水素製造システム1の構成を示す概略構成図である。
発電−水素製造システム1は、炭化水素燃料を原料として、電力の発電と燃料電池車両8の動力源である水素ガスを製造とを行う発電−水素ガス製造装置2と、この発電−水素ガス製造装置2を制御する制御手段としての運転制御ECU3と、を含んで構成される。また、以下の説明では、この発電−水素製造システム1を、発電−水素ガス製造装置2により発電した電力を商用電源9側に売電可能な地域における住居7に設置した例を示す。
発電−水素ガス製造装置2は、炭化水素燃料を改質して水素リッチな改質ガスを製造する改質器21と、発電と水素ガスの製造とを選択的に実行する発電−水素ポンプ結合体40と、この発電−水素ポンプ結合体40により発電された直流電力を交流電力に変換する電力変換装置としてのインバータ23と、発電−水素ポンプ結合体40により製造された水素ガスを燃料電池車両8に供給する水素ガス供給装置24と、改質器21及び発電−水素ポンプ結合体40の廃熱を利用して給湯する給湯装置29とを備える。
改質器21は、改質反応により炭化水素燃料を改質して水素リッチな改質ガスを製造する燃料改質部や、改質反応に必要な熱を発生する燃焼器を含んで構成される。燃料改質部は、例えば、水蒸気改質反応や部分酸化反応等の改質反応により、炭化水素燃料を改質して、水素を多く含む改質ガスを製造し、この改質ガスを発電−水素ポンプ結合体40に供給する。燃焼部は、例えば、水蒸気改質反応に必要な水蒸気を発生させるための熱や、部分酸化反応に必要な熱を発生し、この熱で燃料改質部を加熱する。改質器21は、運転制御ECU3により制御される。ここで、炭化水素燃料としては、例えば、天然ガス、液化石油ガス、ガソリン、灯油、バイオ燃料、及び純水等の含水素原料が用いられる。
図2は、発電−水素ポンプ結合体40の構成を示すブロック図である。
発電−水素ポンプ結合体40は、電気化学セルを積層して構成されたスタック41と、このスタック41を制御するスタック制御装置42とを含んで構成され、スタック41を燃料電池として動作させて発電したり、スタック41を水素ポンプとして動作させて水素ガスを製造したりする。
スタック41は、例えば固体高分子電解質膜型の燃料電池により構成されている。固体高分子電解質膜型燃料電池は、膜電極構造体(MEA)を一対のセパレータで挟持してなるセルを複数積層して構成される。膜電極構造体は、アノード電極(陽極)及びカソード電極(陰極)の2つの電極と、これら電極に挟持された固体高分子電解質膜とで構成される。通常、両電極は、固体高分子電解質膜に接して酸化・還元反応を行う触媒層と、この触媒層に接するガス拡散層とから形成される。
このスタック41のうち、アノード電極側に形成されたアノード流路411の流入口には、アノード側供給通路431が接続され、カソード電極側に形成されたカソード流路412の流入口には、カソード側供給通路432が接続される。スタック41には、これらアノード側供給通路431及びカソード側供給通路432を介して、改質器21により製造された改質ガス及び酸素を含む空気が供給される。また、カソード側供給通路432には、このカソード側供給通路432を開閉する遮断弁433が設けられている。
スタック41のうち、アノード流路411の流出口には、アノード側排出通路441が接続され、カソード流路412の流出口には、カソード側排出通路442が接続される。また、カソード側排出通路442には、三方弁443が設けられており、カソード流路412から排出されたガスの流路を、第1排出通路445と第2排出通路446とに切り替えることが可能となっている。
スタック制御装置42は、スタック41のアノード電極及びカソード電極に接続されるとともに、スタック41を燃料電池として動作させる場合に、発電電力が出力される出力端子421と、スタック41を水素ポンプとして動作させる場合に、スタック41に電力を供給する入力端子422と、を備える。
また、これらスタック制御装置42、遮断弁433、及び三方弁443は、それぞれ、運転制御ECU3に接続されており、この運転制御ECU3により制御される。
発電−水素ポンプ結合体40により発電を行う場合には、遮断弁433を制御してカソード側供給通路432を開き、三方弁443を制御して第2排出通路446側を閉じる。さらに、スタック41に、カソード側供給通路432を介して空気を供給しつつ、アノード側供給通路431を介して改質器21により製造された改質ガスを供給する。
すると、アノード電極側において、改質ガスに含まれる水素がイオン化して、電解質膜を通過し、カソード電極側で酸素及び電子と結合して水が生成される。また、アノード電極側において水素がイオン化する際に分離した電子は、電流としてスタック41から出力される。
これにより、アノード側排出通路441から反応後の改質ガスが排出され、第1排出通路445から空気及び水が排出され、出力端子421から発電電力が出力される。ここで発電された電力は、インバータ23(図1参照)に供給される。
発電−水素ポンプ結合体40により水素ガスの製造を行う場合には、遮断弁433を制御してカソード側供給通路432を閉じ、三方弁443を制御して第1排出通路445側を閉じる。さらに、スタック41に、アノード側供給通路431を介して改質器21により製造された改質ガスを供給しつつ、入力端子422を介してスタック41に電力を供給する。
すると、アノード電極側において、改質ガスに含まれる水素がイオン化して、電解質膜を通過し、カソード電極側で電子と結合することで水素が生成される。すなわち、改質ガスから水素が精製される。
これにより、アノード側排出通路441から反応後の改質ガスが排出され、第2排出通路446から水素ガスが排出される。ここで、製造された水素ガスは、水素ガス供給装置24に供給される。
以上のようにして、スタック41は、発電する発電モードと、水素ガスを製造する水素ガス製造モードと、を選択的に切り替えることが可能となっている。すなわち本実施形態において、上述のスタック制御装置42、遮断弁433、三方弁443、及び運転制御ECU3は、発電モードと水素ガス製造モードとを切り替える切替手段を構成する。
図1に戻って、インバータ23は、発電−水素ポンプ結合体40により発電された直流電力を交流電力に変換し、この交流電力を商用電源9側に送電することで売電したり、住居7内の電気負荷6(後述の図3参照)に給電したりする。
給湯装置29は、発電−水素ポンプ結合体40で発電する際に生じた廃熱や、また改質器21で改質ガスを製造する際に生じた廃熱を熱回収し、この廃熱を利用して給湯する。より具体的には、この給湯装置29は、廃熱を熱回収しこの熱で水を加熱する熱回収部292と、この熱回収部292により加熱された水を貯蔵する給湯貯蔵タンク291と、この給湯貯蔵タンク291内の湯を住居7内の風呂5に給湯する給湯部293と、を含んで構成される(後述の図3参照)。
水素ガス供給装置24は、除湿部26と、圧縮部27と、充填部28と、を備える。除湿部26は、発電−水素ポンプ結合体40により製造された水素ガスを除湿する。圧縮部27は、除湿部26により除湿された水素ガスを圧縮する。充填部28は、燃料電池車両8の図示しない水素タンクに接続され、圧縮部27により圧縮された水素ガスをこの水素タンクに逐次供給する。
以上のように構成された発電−水素製造システム1におけるエネルギーの流れについて、図3を参照して詳述する。
図3は、発電−水素製造システム1の住居7における設置例を示す図である。
発電−水素製造システム1では、主に、製造した水素ガスの燃料電池車両8への供給、商用電源9側への売電、商用電源9側からの買電、住居内の電気負荷6、及び風呂5への給湯が可能となっている。
より具体的には、発電−水素ガス製造装置2により水素ガスを製造し、この水素ガスを燃料電池車両8に供給している間は、発電を行うことができないので、商用電源9側への売電、住居内の電気負荷6への給電、給湯貯蔵タンク291及び風呂5への給湯は、基本的には行うことができない。この際、水素ガスの製造にかかる電力は、商用電源9側から買電した電力で賄われる。また、水素ガスの製造を行う間は、住居内の電気負荷6への給電、及び給湯貯蔵タンク291及び風呂5への給湯は、必要に応じて商用電源9側から買電した電力で賄うことも可能となっている。
また、発電−水素ガス製造装置2により発電している間は、水素ガスの製造を行うことができないが、発電した電力を商用電源9側へ売電したり、住居内の電気負荷6へ給電したり、発電に伴う廃熱を利用して風呂5や給湯貯蔵タンク291に給湯したりできる。
図1に戻って、運転制御ECU3は、各種演算を実行する演算処理装置31と、各種データやプログラムが記憶された記憶装置32と、使用者が操作可能な入力装置33と、使用者が各種操作可能な入力装置33と、発電−水素ガス製造装置2や表示装置35に制御信号を出力する出力装置34とを含んで構成される。
入力装置33からは、例えば、使用者により指定された給湯装置の使用時間すなわち給湯の時間帯、使用者により指定された給湯量、使用者により指定された水素ガスの製造量、及び使用者により指定された水素ガスの製造時間帯等の、使用者の需要に関する情報が入力される。
記憶装置32には、入力装置33から入力された上述の情報の他、例えば、燃料電池車両8で使用された水素ガスの使用量、燃料電池車両8の水素タンクを水素ガス供給装置24に接続する接続時間、燃料電池車両8の水素タンクを水素ガス供給装置24から切り離す切断時間、季節や時間を含む太陽暦、気象条件に応じた使用者による給湯の使用時間の指定、日々の家庭用電力使用量、及び日々の水素製造消費電力量等が複数の運転履歴情報として記憶される。
運転制御ECU3は、入力装置33により使用者から入力された情報や、記憶装置32に記憶された複数の運転履歴情報等に基づいて、発電を実行する時間や、水素ガスを製造する時間等で構成される運転スケジュールを設定し、この運転スケジュールに従って制御信号を出力し、発電−水素ガス製造装置2を制御する。
また、この運転制御ECU3は、水素ガスを製造する際にかかった電力、すなわち、水素ガスを製造する際に発電−水素ポンプ結合体及び改質器等で消費した消費電力量を算出し、この消費電力量を表示装置35に表示する。使用者は、この水素ガスの製造にかかった消費電力量を知ることにより、この消費電力量、すなわち買電した電力を相殺するために必要な発電時間を知ることができる。
図4は、運転制御ECU3により設定された発電−水素ガス製造装置の運転スケジュールの一例を示すタイムチャートである。図4において、上段は家庭におけるエネルギー需要、すなわち、燃料電池車両が使用される時間帯、給湯が要求される時間帯(給湯需要)、及び電力が要求される時間帯(電力需要)の一例を示し、下段は運転スケジュール、すなわち発電を実行する時間帯、及び水素ガスを製造する時間帯を示す。
図4に示す運転スケジュールによれば、発電を実行する時間帯は、8時00分から16時00分に設定される。これは、8時00分から9時00分と、12時00分から13時00分と、18時00分から20時00分との時間帯における給湯の需要や、前日に買電した電力量や、その他の運転履歴情報に基づいて、使用者の使用状況に応じて設定される。
つまり、給湯の需要がある時間帯に合わせて発電を実行することにより、8時00分から9時00分と、12時00分から13時00分の給湯を、発電に伴う廃熱で賄うことができる。また、この発電に伴う余剰電力は売電することを想定して、この売電する余剰電力量が、前日に買電した電力量を相殺するように、発電を実行する時間の長さが設定される。これにより、電力の消費により課金されないように、かつ、廃熱が無駄にならないように発電−水素製造システムを効率的に運転することができる。
一方、水素ガスを製造する時間帯は、18時00分から翌日の6時00分に設定される。これは、7時00分から17時00分の時間帯において燃料電池車両が使用されることや、燃料電池車両の水素タンクが水素ガス供給装置に接続される時間及び切断される時間や、その他の運転履歴情報に基づいて、使用者の使用状況に応じて設定される。
図5から図8を参照して、運転制御ECUによる発電−水素ガス製造装置の制御の手順について説明する。
図5は、運転制御ECUによる発電−水素ガス製造装置の制御の手順を示すフローチャートであり、所定の運転スケジュールに沿った発電−水素ガス製造装置の制御の手順を示す。より具体的には、発電−水素ガス製造装置において水素ガスの製造を行った後に発電を行う処理の手順を示す。
ステップS1では、発電−水素製造システムの機能チェックを実行し、ステップS2に移る。ステップS2では、機能チェックの結果、システムは正常であるか否かを判別する。この判別がYESである場合にはステップS3に移り、NOである場合にはステップS13に移る。ステップS3では、発電−水素製造システムの暖機を実行し、ステップS4に移る。より具体的には、このステップS3では、改質器やスタック等を暖機する。
ステップS4では、改質器、発電−水素ポンプ結合体、及び水素ガス供給装置を制御して水素ガスの製造を開始し、ステップS5に移る。ステップS5では、製造した水素ガスを燃料電池車両の水素タンクに逐次供給する。ここで、この水素タンクへの水素ガスの供給は、所定の供給時間が経過すると自動的に停止する。ステップS6では、水素ガスの製造にかかった消費電力を算出し、ステップS7では、この算出した消費電力を表示装置に表示する。
ステップS8では、所定の発電開始時間を表示装置に表示し、ステップS9に移る。ステップS9では、発電−水素製造システムの機能チェックを実行し、ステップS10に移る。ステップS10では、機能チェックの結果、システムは正常であるか否かを判別する。この判別がYESである場合にはステップS11に移り、NOである場合にはステップS13に移る。ステップS11では、発電−水素製造システムの暖機を実行し、ステップS12に移る。より具体的には、このステップS11では、改質器やスタック等を暖機する。
ステップS12では、改質器、発電−水素ポンプ結合体、インバータ、及び給湯装置を制御して、発電、給湯、及び売電を開始し、ステップS14に移る。ここで、この発電は、所定の発電終了時間が経過すると自動的に停止する。ステップS13では、システムに異常があることを表示装置に表示し、ステップS14では、発電−水素製造システムの運転を停止する。
図6は、運転制御ECUによる発電−水素ガス製造装置の制御の手順を示すフローチャートである。より具体的には、図6に示すフローチャートは、燃料電池車両の水素タンクが水素ガス供給装置に接続されたことに応じて、水素ガスの製造を優先して行うか、又は、発電を優先して行うかを決定する手順を示す。
水素タンクが水素ガス供給装置に接続されたことに応じて、ステップS21では、接続された水素タンク内の残水素ガス量が所定の必要量以上であるか否かを判別する。この判別がYESの場合には、この処理を終了し、所定の運転スケジュールで発電−水素製造システムを運転する。また、この判別がNOの場合には、ステップS22に移る。
ステップS22では、次回(翌日)の水素ガス使用量と切断時間とを予測し、ステップS23に移る。ここで、水素ガス使用量は、次回に燃料電池車両で使用される水素ガスの量、すなわち、水素タンクに要求される水素ガス供給量を示し、記憶装置に記憶された運転履歴情報に基づいて予測される。また、切断時間は、水素タンクが水素ガス供給装置から切断される時間、すなわち水素ガスの供給を完了する必要がある時間である供給完了時間を示し、記憶装置に記憶された運転履歴情報に基づいて予測される。
ステップS23では、発電及びこの発電に伴う給湯を行っているか否かを判別する。この判別がYESの場合ステップS24に移り、NOの場合にはステップS26に移る。
ステップS24では、上述のステップS22において予測された次回の水素ガス使用量や切断時間に基づいて、水素ガスの水素タンクへの供給を優先するか否かを判別する。この判別がYESの場合にはステップS26に移り、NOの場合にはステップS25に移る。
このステップS24では、より具体的には、予測された水素ガス供給量を製造するために必要となる時間を算出し、この水素ガスを製造するために必要な時間と切断時間とを比較し、水素ガスを製造する時間に余裕があるか否かを判定する。そこで、水素ガスを製造する時間に余裕が無い場合には、ステップS26に移り水素ガスの製造を優先し、水素ガスを製造する時間に余裕がある場合には、ステップS25に移り発電及び給湯を優先する。
ステップS25では、後に図7を参照して詳述する発電給湯優先処理を実行した後に、この処理を終了し所定の運転スケジュールに基づいて発電−水素製造システムを運転する。ステップS26では、後に図8を参照して詳述する水素ガス製造優先処理を実行した後に、この処理を終了し所定の運転スケジュールに基づいて発電−水素製造システムを運転する。
図7は、運転制御ECUによる発電給湯優先処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS31では、発電中であるか否かを判別する。この判別がYESの場合にはステップS34に移り、NOの場合にはステップS32に移る。ステップS32では、水素ガスの製造を停止した後にスタックを掃気し、ステップS33に移る。ステップS33では、水素ガスの製造から発電に切り替えるための所定の切替処理を実行し、ステップS34に移る。
ステップS34では、発電及び給湯を開始し、ステップS35に移る。ステップS35では、給湯の需要は継続中であるか否かを判別する。この判別がYESの場合にはステップS34に移り、NOの場合にはステップS36に移る。ここで、給湯の需要が継続中であるか否かとの判断は、例えば、使用者による風呂の使用が継続中であるか否かに相当する。
ステップS36では、給湯貯蔵タンクが満杯であるか否かを判別する。この判別がYESの場合にはこの処理を終了し、NOの場合にはステップS37に移る。ステップS37では、水素タンクが接続中であるか否かを判別する。この判別がYESの場合にはステップS38に移り、NOの場合にはステップS42に移る。ステップS38では、次回(翌日)の水素ガス使用量と切断時間とを予測し、ステップS39に移る。
ステップS39では、上述のステップS38において予測された次回の水素ガス使用量や切断時間に基づいて、水素ガスの水素タンクへの供給を優先するか否かを判別する。この判別がYESの場合にはステップS41に移り、NOの場合にはステップS40に移る。
このステップS39では、より具体的には、予測された水素ガス供給量を製造するために必要となる時間を算出し、この水素ガスを製造するために必要な時間と切断時間とを比較し、水素ガスを製造する時間に余裕があるか否かを判定する。そこで、水素ガスを製造する時間に余裕が無い場合には、ステップS41に移り水素ガスの製造を優先し、水素ガスを製造する時間に余裕がある場合には、ステップS40に移り、給湯貯蔵タンクが満杯になるまで発電及び給湯を継続した後に、ステップS41に移る。
ステップS41では、後述の図8に示す水素ガス製造優先処理を実行した後に、この処理を終了する。ステップS42では、給湯貯蔵タンクが満杯になるまで発電及び給湯を継続した後に、この処理を終了する。
図8は、運転制御ECUによる水素ガス製造優先処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS51では、水素ガス製造中であるか否かを判別する。この判別がYESの場合にはステップS54に移り、NOの場合にはステップS52に移る。ステップS52では、発電を停止した後にスタックを掃気し、ステップS53に移る。ステップS53では、発電から水素ガスの製造に切り替えるための所定の切替処理を実行し、ステップS54に移る。
ステップS54では、水素ガスの製造を開始し、この水素ガスを逐次水素タンクに供給し、ステップS55に移る。ステップS55では、使用者による給湯の需要があるか否かを判別する。この判別がYESの場合にはステップS56に移り、NOの場合にはステップS61に移る。ステップS56では、給湯貯蔵タンクが所定の需要貯蔵量を満たすか否かを判別する。この判別がYESの場合にはステップS62に移り、NOの場合にはステップS57に移る。ステップS57では、次回(翌日)の水素ガス使用量と切断時間とを予測し、ステップS58に移る。
ステップS58では、上述のステップS57において予測された次回の水素ガス使用量や切断時間に基づいて、水素ガスの水素タンクへの供給を優先するか否かを判別する。この判別がYESの場合にはステップS60に移り、NOの場合にはステップS59に移る。
このステップS58では、より具体的には、予測された水素ガス供給量を製造するために必要となる時間を算出し、この水素ガスを製造するために必要な時間と切断時間とを比較し、水素ガスを製造する時間に余裕があるか否かを判定する。そこで、水素ガスを製造する時間に余裕が無い場合には、ステップS60に移り、需要貯蔵量が満たされるまで、追い焚きし、ステップS61に移る。ここで、給湯貯蔵タンク内の水の追い焚きは、例えば、ガスヒータや電気ヒータ等により行われる。一方、水素ガスを製造する時間に余裕がある場合には、ステップS59に移り、需要貯蔵量を満たすまで発電を実行し、ステップS62に移る。
ステップS61では、燃料電池車両の水素タンクが満杯であるか否かを判別する。この判別がYESの場合にはこの処理を終了し、NOの場合にはステップS62に移る。
ステップS62では、水素タンクが満杯になるまで水素ガスの製造を継続した後に、この処理を終了する。
本実施形態の発電−水素製造システム1によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)発電−水素ポンプ結合体40により水素ガスを製造することで、製造した水素ガスを水素ガス供給装置24により燃料電池車両8の水素タンクに供給できる。また、発電−水素ポンプ結合体40により発電することで、発電した電力をインバータ23により交流電力に変換して、商用電源9側に出力して売電したり、電気負荷6に給電したりできる。また、この際、給湯装置29により、発電−水素ポンプ結合体40の発電に伴う廃熱を利用して給湯することもできる。
また、燃料電池車両8の水素タンクを水素ガス供給装置24に接続すると、水素タンクに要求される水素ガス供給量及び供給完了時間を予測する。
さらに、これら予測に基づいて、供給完了時間までに必要な水素ガス供給量を水素タンクに供給できるように、水素ガスの製造を行うか又は発電を行うかを判断する。これにより、例えば、以下のようなシステム運転が可能となる。
現在では、燃料電池車両8に水素ガスを供給する水素供給ステーションの普及が十分ではないため、基本的には、水素ガスの供給を優先する。ただし、燃料電池車両8の水素タンクを水素ガス供給装置24に接続した際に水素ガス製造の緊急度が低い場合、すなわち、予測した水素ガス供給量が少ない場合(既に十分な量の水素ガスが充填されている場合)や、供給完了時間までに十分な時間がある場合(燃料電池車両8の使用を開始するまでに十分な時間がある場合)には、水素ガスの製造よりも、発電及び給湯を優先して行う。このような運転を行うことにより、使用者の快適性を損なうことなくシステムの運転効率を向上することができる。
本実施形態の発電−水素製造システム1によれば、上述のように水素タンクに必要な水素ガス供給量及び供給完了時間を予測し、この予測に基づいて水素ガスの製造と発電とを判断することにより、発電−水素ポンプ結合体40による発電と水素の製造との切替回数を最小限にとどめることができる。これにより、余分な時間及びエネルギーの消費や、スタック41の劣化の進行を抑制することができる。
製造した水素ガスは、水素ガス供給装置24により燃料電池車両8の水素タンクに逐次供給する。すなわち、余分な定置タンクを設ける必要がないため、発電−水素製造システム1を小型なものにできる。
また、燃料電池車両8は、昼間は水素ガス供給装置から切断され、夜間は水素ガス供給装置24に接続される場合が多いことが想定される。すなわち、水素ガスの製造及び水素タンクへの供給は、夜間に行われる場合が多く、この時間帯では、発電と水素ガスの製造とが競合することが想定される。本実施形態では、水素ガス供給量及び供給完了時間の予測に基づいて水素ガスの製造を行うか、又は、発電を行うかを判断するため、次回に燃料電池車両8において必要とされる水素ガスを確保しつつ、発電を行うことが可能となる。これにより、発電−水素製造システム1を効率的に運転することができる。
(2)水素ガスの製造にかかった消費電力量は使用者にとって認識しにくいものであるが、本実施形態の発電−水素製造システム1によれば、表示装置35に消費電力量を表示することにより、かかる消費電力量を容易に認識できる。また、この表示された消費電力量及び家庭内で消費された電力を相殺できるように、燃料電池型発電装置による発電のスケジュールを設定したり変更したりすることが容易になる。
(3)本実施形態の発電−水素製造システム1によれば、各種運転履歴情報を記憶し、この運転履歴情報に基づいて運転スケジュールを設定することで、より使用者の使用状況に合わせた運転スケジュールを設定することができる。これにより、システムの運転効率の低下を防止できる。
なお、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
本発明の実施形態に係る発電−水素製造システムの構成を示す概略構成図である。 上記実施形態に係る発電−水素ポンプ結合体の構成を示すブロック図である。 上記実施形態に係る発電−水素製造システムの住居における設置例を示す図である。 上記実施形態に係る運転制御ECUにより設定された発電−水素ガス製造装置の運転スケジュールの一例を示すタイムチャートである。 上記実施形態に係る運転制御ECUによる発電−水素ガス製造装置の制御の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態に係る運転制御ECUによる発電−水素ガス製造装置の制御の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態に係る発電給湯優先処理の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態に係る水素ガス製造優先処理の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1…発電−水素製造システム
2…発電−水素ガス製造装置
21…改質器
23…インバータ(電力変換装置)
24…水素ガス供給装置
29…給湯装置
3…運転制御ECU(制御手段、水素需要予測手段、判断手段、水素製造消費電力量算出手段、切替手段)
32…記憶装置(記憶手段)
35…表示装置
40…発電−水素ポンプ結合体
41…スタック(水素製造装置、燃料電池型発電装置)
42…スタック制御装置(切替手段)
433…遮断弁(切替手段)
443…三方弁(切替手段)
8…燃料電池車両
9…商用電源

Claims (3)

  1. 含水素原料を改質して水素リッチな改質ガスを製造する改質器と、
    前記改質器により製造された改質ガスから水素を精製し水素ガスを製造する水素製造装置と、
    前記改質器により製造された改質ガスにより発電する燃料電池型発電装置と、
    前記水素製造装置による水素ガスの製造と前記燃料電池型発電装置による発電とを選択的に切り替える切替手段と、
    前記改質器、前記水素製造装置、前記燃料電池型発電装置、及び前記切替手段を制御する制御手段と、を備える発電及び水素製造システムであって、
    燃料電池車両の水素タンクに接続され、当該水素タンクに前記水素製造装置により製造された水素ガスを逐次供給する水素ガス供給装置と、
    前記燃料電池型発電装置の発電に伴う廃熱を利用して給湯する給湯装置と、
    前記燃料電池型発電装置により発電された直流電力を交流電力に変換し、当該交流電力を商用電源側へ売電すること及び電気負荷に出力することが可能な電力変換装置と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記水素製造装置により水素ガスの製造を行う時間と、前記燃料電池型発電装置により発電を行う時間と、を含んで構成される運転スケジュールを設定する運転スケジュール設定手段と、
    前記燃料電池車両の水素タンクを前記水素ガス供給装置に接続した際に、当該水素タンクで要求される水素ガス供給量及び供給完了時間を予測する水素需要予測手段と、
    前記燃料電池車両の水素タンクが前記水素ガス供給装置に接続された場合、前記水素需要予測手段により予測された水素ガスの供給量及び供給完了時間に基づいて、前記水素製造装置により水素ガスの製造を行うか、又は、前記燃料電池型発電装置により発電を行うかを判断する判断手段と、を備えることを特徴とする発電及び水素製造システム。
  2. 水素ガスを製造する際に消費した消費電力量を算出する水素製造消費電力量算出手段と、
    当該水素製造消費電力量算出手段により算出された消費電力量を表示する表示装置と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の発電及び水素製造システム。
  3. 使用者により指定された前記水素製造装置で製造する水素ガスの製造量と、
    使用者により指定された前記給湯装置の使用時間と、
    前記燃料電池車両で使用された水素ガスの使用量と、
    前記燃料電池車両の水素タンクを前記水素ガス供給装置に接続する接続時間と、
    前記燃料電池車両の水素タンクを前記水素ガス供給装置から切り離す切断時間と、
    季節や時間を含む太陽暦、気象条件に応じた使用者による給湯の使用時間の指定と、
    日々の家庭用電力使用量と、
    日々の水素製造消費電力量と、からなる複数の運転履歴情報のうち少なくとも1つを記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記運転スケジュール設定手段は、前記記憶手段に記憶された運転履歴情報に基づいて運転スケジュールを設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の発電及び水素製造システム。
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