JP2009220688A - 車両用前下方視界制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転者の運転技術の巧拙の観点から運転者に適した前下方視界を提供できるようにする。
【解決手段】車両運転者の運転技術の高さに関する特性を取得する運転特性取得手段と、得られた運転技術の高さに基いて車両運転者に応じた目標前下方視界を設定する前下方視界設定手段とを備え、その目標前下方視界が車両運転者に提供されていないときに、ボンネット12の高さを調節することにより、車両運転者の前下方視界を上記目標前下方視界となるように変更する。
【選択図】図6
【解決手段】車両運転者の運転技術の高さに関する特性を取得する運転特性取得手段と、得られた運転技術の高さに基いて車両運転者に応じた目標前下方視界を設定する前下方視界設定手段とを備え、その目標前下方視界が車両運転者に提供されていないときに、ボンネット12の高さを調節することにより、車両運転者の前下方視界を上記目標前下方視界となるように変更する。
【選択図】図6
Description
本発明は、車両用前下方視界制御装置に関する。
車両運転席からの前方視界の広さ、特に前下方視界は車両の運転操作性に影響を及ぼす。この点に関し、特許文献1には、道幅の狭い道路において他車とすれ違うとき、或いは駐車しようとするとき等において、運転者の体格が設定体格よりも小さいときには、運転席のシートクッションを前傾させることが記載されている。これは、運転者を立ち気味の着座姿勢にさせてそのアイポイントを上昇させることにより、前下方視界を広くするものである。
特開2006−193009号公報
上述の運転者の体格に応じてアイポイント位置を変更する従来技術は、低速走行時の車両取り回し性の改善に繋がるものの、運転者に最適な前下方視界を提供することができるとは必ずしも云うことができない。
すなわち、車両の前下方視界については、運転席から前方路面がどの程度車両に近い所まで見ることができるという下方最短明視距離と、運転席から車両前方を何度の角度まで下向きにみることができるかという下方視界角度とによって定義することができる(図4参照)。一般に下方最短明視距離が長くなる(車両近くの前方路面が見えない)ほど高速走行時の安心感が増大する(運転し易くなる)一方、下方視界角度が大きくなるほど市街地走行時の車両の取り回し性が良くなると云われている。
しかし、運転者にとって前下方視界が最適か否かは、その運転者の運転技術の巧拙によって異なる。例えば高齢者のようにどちらかという運転が巧みでない運転者の場合は、下方最短明視距離或いは下方視界角度が変わると、速度感覚に誤差(自車の実際の車速と自身が感ずる車速とのずれ)を生じ易く、また、停車する場合の停止位置も目標位置からずれ易い。このため、仮に運転者の体格に応じてアイポイントを変えるようにしても、その運転者に適した前下方視界にならないことがある。
そこで、本発明は、運転者の運転技術の巧拙の観点から運転者に適した前下方視界を提供できるようにすることを課題とする。
本発明は、このような課題を解決するために、車両運転者に対して、その車両運転技術の高さに応じた前下方視界を設定して提供するようにした。
すなわち、請求項1に係る発明は、車両運転者の運転技術の高さに関する特性を取得する運転特性取得手段と、
上記運転特性取得手段によって得られた運転技術の高さに関する特性に基いて上記車両運転者に応じた目標前下方視界を設定する前下方視界設定手段と、
車両運転者に上記目標前下方視界が提供されているか否かを判定する前下方視界判定手段と、
上記目標前下方視界が提供されていないと判定されたときに、車両運転者の前下方視界を上記目標前下方視界となるようにする前下方視界適正化手段とを備えていることを特徴とする車両用前下方視界制御装置である。
上記運転特性取得手段によって得られた運転技術の高さに関する特性に基いて上記車両運転者に応じた目標前下方視界を設定する前下方視界設定手段と、
車両運転者に上記目標前下方視界が提供されているか否かを判定する前下方視界判定手段と、
上記目標前下方視界が提供されていないと判定されたときに、車両運転者の前下方視界を上記目標前下方視界となるようにする前下方視界適正化手段とを備えていることを特徴とする車両用前下方視界制御装置である。
従って、車両運転者に対して、その運転技術の高さに応じた適正な前下方視界を提供することができ、車両の運転を容易なものにすることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1において、
車両の走行状態を検出する走行状態検出手段を備え、
上記前下方視界設定手段は、上記運転技術の高さに関する特性と上記車両の走行状態とに基いて目標前下方視界を設定することを特徴とする。
車両の走行状態を検出する走行状態検出手段を備え、
上記前下方視界設定手段は、上記運転技術の高さに関する特性と上記車両の走行状態とに基いて目標前下方視界を設定することを特徴とする。
従って、車両の高速走行時、市街地走行時、或いは車庫入れなど様々な走行状態において、車両運転者に対して、その運転技術の高さに応じた適正な前下方視界を提供することができ、車両の運転を容易なものにすることができる。
請求項3に係る発明は、請求項2において、
上記前下方視界適正化手段は、車両のボンネットの高さを変更することによって車両運転者の前下方視界を上記目標前下方視界となるようにすることを特徴とする。
上記前下方視界適正化手段は、車両のボンネットの高さを変更することによって車両運転者の前下方視界を上記目標前下方視界となるようにすることを特徴とする。
従って、運転者の着座姿勢を変化させることなく、その運転者に適正な前下方視界を提供することが可能になり、前下方視界の変更のためにかえって運転性が低下することを避けることができる。
請求項4に係る発明は、請求項2において、
カメラにて取得した車両前方の画像を上記運転技術の高さと上記車両の走行状態とに応じてフロントウィンドガラスの車室面側に表示する前方画像表示手段を備えていることを特徴とする。
カメラにて取得した車両前方の画像を上記運転技術の高さと上記車両の走行状態とに応じてフロントウィンドガラスの車室面側に表示する前方画像表示手段を備えていることを特徴とする。
従って、車両運転者はカメラによる車両前方の画像がフロントウィンドガラスに表示されたとき、その画像を確認しながら、車両を運転することができ、上記前下方視界の適正化と相俟って、車両の運転性向上に有利になる。
請求項5に係る発明は、請求項4において、
上記前方画像表示手段は、上記カメラにて車両前方の画像中に一時停止線が存在するとき、該一時停止線のバーチャル画像を上記フロントウィンドガラスに、実際の一時停止線が車両に近づいて上記目標前下方視界から消失する位置になるまで表示することを特徴とする。
上記前方画像表示手段は、上記カメラにて車両前方の画像中に一時停止線が存在するとき、該一時停止線のバーチャル画像を上記フロントウィンドガラスに、実際の一時停止線が車両に近づいて上記目標前下方視界から消失する位置になるまで表示することを特徴とする。
従って、車両運転者に一時停止線が存在することを知らせることができ、一時停止線の見落としをなくす上で有利になる。
請求項6に係る発明は、請求項5において、
上記前方画像表示手段は、上記一時停止線のバーチャル画像を、車両運転者が視認する実景の一時停止線に重なるように上記フロントウィンドガラスに表示することを特徴とする。
上記前方画像表示手段は、上記一時停止線のバーチャル画像を、車両運転者が視認する実景の一時停止線に重なるように上記フロントウィンドガラスに表示することを特徴とする。
従って、一時停止線のバーチャル画像が実景の一時停止線に重なることにより、運転者が違和感を覚えることが少なくなる。
請求項7に係る発明は、請求項4において、
上記車両走行状態検出手段として、車両の速度を検出する車速検出手段を備え、
上記前方画像表示手段は、上記車両の速度に基いて、車両を一時停止線で停止させるための車両の減速開始タイミング及び減速量のうちの少なくとも一方を、上記一時停止線のバーチャル画像に変化を与えることによって上記フロントウィンドガラスに表示することを特徴とする。
上記車両走行状態検出手段として、車両の速度を検出する車速検出手段を備え、
上記前方画像表示手段は、上記車両の速度に基いて、車両を一時停止線で停止させるための車両の減速開始タイミング及び減速量のうちの少なくとも一方を、上記一時停止線のバーチャル画像に変化を与えることによって上記フロントウィンドガラスに表示することを特徴とする。
従って、車両運転者は、一時停止線のバーチャル画像により、車両の減速開始タイミング(ブレーキ開始タイミング)又は減速量(ブレーキ操作量)を知ることができ、一時停止線での車両停止位置のずれを少なくする上で有利になる。
請求項8に係る発明は、請求項1において、
車両停止位置の一時停止線からのずれ量を検出する停止ずれ検出手段を備え、
上記前下方視界設定手段は、上記車両停止位置のずれ量に基いて、上記目標前下方視界を補正することを特徴とする。
車両停止位置の一時停止線からのずれ量を検出する停止ずれ検出手段を備え、
上記前下方視界設定手段は、上記車両停止位置のずれ量に基いて、上記目標前下方視界を補正することを特徴とする。
従って、車両運転者に、車両の一時停止における運転技術の巧拙の観点から、適正な前下方視界を提供することができ、車両停止位置のずれを少なくすることができる。
請求項9に係る発明は、請求項1において、
車両運転者のアイポイントを検出するアイポイント検出手段と、
上記車両運転者のアイポイントに基いて上記車両運転者の実前下方視界を算出する実前下方視界算出手段とを備え、
上記前下方視界判定手段は、上記実前下方視界に基いて、車両運転者に上記目標前下方視界が提供されているか否かを判定することを特徴とする。
車両運転者のアイポイントを検出するアイポイント検出手段と、
上記車両運転者のアイポイントに基いて上記車両運転者の実前下方視界を算出する実前下方視界算出手段とを備え、
上記前下方視界判定手段は、上記実前下方視界に基いて、車両運転者に上記目標前下方視界が提供されているか否かを判定することを特徴とする。
車両運転者に、その体格を加味して、より適正な前下方視界を提供することができ、車両運転性の向上に有利になる。
以上のように、本発明によれば、車両運転者の運転技術の高さに関する特性を取得する運転特性取得手段と、得られた運転技術の高さに基いて車両運転者に応じた目標前下方視界を設定する前下方視界設定手段とを備え、その目標前下方視界が車両運転者に提供されていないときに、車両運転者の前下方視界を上記目標前下方視界となるようにする変更するようにしたから、車両運転者に対して、その運転技術の高さに応じた適正な前下方視界を提供することができ、車両の運転を容易なものにすることができる。
また、カメラにて取得した車両前方の画像を上記運転技術の高さと上記車両の走行状態とに応じてフロントウィンドガラスの車室面側に表示する前方画像表示手段を備えている場合は、車両運転者はカメラによる車両前方の画像を確認しながら、車両を運転することができ、上記前下方視界の適正化と相俟って、車両の運転性向上に有利になる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は本発明の実施形態に係る車両用前下方視界制御装置の全体構成を示す。同図において、1は車両、2は運転席、3はインストルメントパネルである。この車両1には、車両運転者の年齢等の個人情報を記憶したICカードから車両運転者の運転技術の高さに関する特性を取得するためのカードリーダ(運転特性取得手段)4、車両運転者のアイポイントを検出する室内カメラ5、車両走行状態検出手段としての車速センサ6、並びにボンネットの後端を上下動させることにより車両運転者に適正な前下方視界を提供する前下方視界適正化手段としてのボンネットリフター(ボンネットリフト用アクチュエータ)7が設けられている。さらに、車両1には、車両前方を撮影する監視カメラ(ステレオカメラ)8、この前方監視カメラ8によって取得された画像を車両のフロントウィンドガラスの車室面側に表示するヘッドアップディスプレイ駆動手段9、並びに車両ブレーキの作動を検出するブレーキSW(スイッチ)10が設けられている。
図2に示すように、カードリーダ4、アイポイント検出用の室内カメラ5、車速センサ6、前方監視カメラ8及びブレーキSW10で得られる各信号がCPU11にて処理されて、ボンネットリフター7及びヘッドアップディスプレイ駆動手段9の作動が制御される。
すなわち、CPU11は、車両運転者の実際の前下方視界を算出する実前下方視界算出手段、車両運転者に応じた目標前下方視界を設定する前下方視界設定手段、車両運転者に目標前下方視界が提供されているか否かを判定する前下方視界判定手段、前下方視界適正化手段、車両停止位置のずれ量検出手段、並びに前方画像表示手段等として働く。
以下、CPU11による前下方視界適正化処理及び一時停止線処理の流れを示す図3のフローチャートに従って具体的に説明する。
スタート後のステップS1でカードリーダ4、アイポイント検出用の室内カメラ5、車速センサ6、前方監視カメラ8及びブレーキSW10で得られる各センサ信号を入力し、ステップS2において室内カメラ5による画像に基いて車両運転者のアイポイント高さを算出する。なお、アイポイントは、上記室内カメラ5によらず、運転者の標準体格等に基いて一律に設定するようにしてもよい。
続くステップS3において、車両運転者のアイポイントに基いて、実前下方視界としての実下方最短明視距離Lを算出する(実前下方視界算出手段)。図4は前下方視界の説明図であり、車両運転者のアイポイントPから車両運転者が視認可能な前方路面手前側の限界点までの水平距離が下方最短明視距離Lとなる。この場合、車両構造の諸元値(運転者の前下方視界を遮る車両前部の構造物(ボンネット)の高さ等)に基いて、アイポイントPに応じた実下方最短明視距離Lを予め設定してデータとして電子的に記憶しておき、その記憶データから算出する。実下方最短明視距離Lに代えて、実下方視界角度θを採用するようにしてもよい。車両運転者のアイポイントPから前方に延ばした水平線と、アイポイントPから車両前部の下方視界を遮るボンネット上面等に延ばした線とのなす角度が下方視界角度θとなる。
続くステップS4において目標下方最短明視距離Loを算出して設定する(前下方視界設定手段)。この目標下方最短明視距離Loは、カードリーダ4で取得される車両運転者の運転技術の高さに関する特性と、車速センサ6で取得される車速とに基いて算出する。この場合、カードリーダ4に読み取られる車両運転者の年齢を該車両運転者の運転技術の高さに関する特性の一つとしている。車両運転者の年齢と車速とに応じた目標下方最短明視距離Loを予め設定してデータとして電子的に記憶しておき、その記憶データから算出する。
図5は記憶データの一例として、車両運転者を高齢者(60歳以上)と非高齢者(60歳未満)とに分け、各々に対して車速に応じて設定した目標下方最短明視距離Loを示す。ここでは、高齢者は運転技術の高さが非高齢者よりも低いとして、高齢者については、その目標下方最短明視距離Loを非高齢者よりも短くしている。また、高齢者及び非高齢者いずれも、車速が大きくなるに従って、目標下方最短明視距離Loが短くなるように設定している。同図では目標下方最短明視距離Loを車速が大きくなるに従って段階的に短くなるようにしているが、車速10km/h以下は車庫入れ等を考慮して目標下方最短明視距離Loを長くし、10km/hから100km/hまでは市街地走行を考慮して目標下方最短明視距離Loを短くし、100km/h以上は高速走行を考慮して目標下方最短明視距離Loをさらに短くしている。
但し、車両運転者の運転技術の高さに関する特性は、車両走行中の運転動作に基いて取得するようにしてもよい。例えば、車両運転者が前方障害物(監視カメラ8にて検出した前方障害物)にどの程度近づいた時点で当該障害物を避けるための操舵を行なうかについてのデータを蓄積していき、そのデータに基いて当該車両運転者の運転技術の高さを判定するようにしてもよい。
本実施形態では、上記目標下方最短明視距離Loの設定を、車両を一時停止させるときの車両運転者の運転技術に応じて補正するようにしている(後述)。
続くステップS5において、実下方最短明視距離Lが目標下方最短明視距離Loよりも短いか否かを判定する。車両運転者に目標前下方視界が提供されているか否かの判定である(前下方視界判定手段)。車両運転者に目標前下方視界が提供されていないと判定されたとき(Yes)は、ステップS6に進んで、実下方最短明視距離Lが目標下方最短明視距離Loとなるように、ボンネットリフター7を駆動する。すなわち、ボンネットの後端を上昇させることによって実下方最短明視距離Lを長くする。
図6はアイポイントPが比較的高い車両のボンネット12の後端高さと実下方最短明視距離Lとの関係を示す説明図である。ボンネット12の後端高さの上昇により、実下方最短明視距離Lが目標下方最短明視距離Loに近づくように長くなる。これにより、例えば高速走行時の不安感が解消される。図7はアイポイントPが比較的低い車両において、ボンネット12の先端高さを上昇させることにより、実下方最短明視距離Lを目標下方最短明視距離Loに近づけるケースを示す。このボンネット先端の上昇により、例えば、車庫入れ等の低速走行において、ボンネット先端にコーナーポールと同様の目印効果を与えて車両の運転を容易にさせることができる。
一方、車両運転者に目標前下方視界が提供されていると判定されたとき(S5の判定が「No」)は、ステップS7以降に進んで、前方画像表示手段による一時停止線処理を行なう。
まず、ステップS7では、監視カメラ8で取得した車両前方画像中に一時停止線が存在するか否かを判定する。一時停止線が存在するときは、ステップS8に進んで監視カメラ8の画像データに基いてアイポイントから当該一時停止線までの距離LLを算出する。続くステップS9において、一時停止線までの距離LLが所定距離Lsd未満になっているか否かを判定する。距離LLが所定距離Lsd未満になっているときはステップS10に進んで、監視カメラ8で取得した一時停止線のバーチャル画像を、車両運転者が視認する実景の一時停止線に重なるようにフロントウィンドガラスに表示する。この一時停止線画像の表示を開始するための所定距離Lsdは目標下方最短明視距離Loも長い距離に予め設定している。
図8は車両運転者がフロントウィンドガラス越しに視認する車両前方の実景を描いた図面であり、車両前方に一時停止線13が存在する。図9は監視カメラ8で取得した実景の画像から作成された一時停止線のバーチャル画像13’であり、このバーチャル画像を実景の一時停止線13に重なるようにフロントウィンドガラスに表示することになる。これにより、車両運転者が一時停止線を見落とすことが避けられる。
続くステップS11において、上記一時停止線で車両を停止させるためにブレーキ操作を開始すべき位置から一時停止線までの距離(車両減速開始タイミング)Lb及びブレーキ操作量(車両減速量)Ubを算出する。このブレーキ操作開始距離Lb及びブレーキ操作量Ubは、車両の一時停止線までの距離LLと車両の現在の車速とに基いて算出する。この場合は、距離LLと車速とに応じたブレーキ操作開始距離Lb及びブレーキ操作量Ubを予め設定してデータとして電子的に記憶しておき、その記憶データから算出する。図10に示すように、ブレーキ操作開始距離Lbは、Lsd>Lb>Loの大小関係になるように設定している。また、ブレーキ操作開始距離Lb及びブレーキ操作量Ubの設定は、車両を一時停止させるときの車両運転者の運転技術に応じて補正される(後述)。
続くステップS12において、一時停止線までの距離LLがブレーキ操作開始距離Lb未満になっているか否かを判定する。距離LLがブレーキ操作開始距離Lb未満になっているときはステップS13に進んで、一時停止線のバーチャル画像をブレーキ操作量Ubに応じた線幅にして点滅させる。この点滅によって、車両運転者にブレーキ操作の開始タイミングを報知するものであり、また、バーチャル画像の一時停止線幅の大きさによって、車両運転者に必要なブレーキ操作量の大きさを報知するものである。この場合、ブレーキ操作によって車両が減速していくと、それに応じて、バーチャル画像の一時停止線幅も小さくなる。
続くステップS14では、一時停止線までの距離LLが目標下方最短明視距離Lo未満になったか否かを判定する。距離LLが目標下方最短明視距離Lo未満になったときはステップS15に進んで、一時停止線のバーチャル画像の表示を終了する。すなわち、一時停止線のバーチャル画像は、実際の一時停止線が車両に近づいて目標前下方視界から消失する位置になるまで表示されることになる。続くステップS16において車速=0が判定されると、ステップS17に進んで、停止ずれ検出手段により、車両の停止位置の一時停止線からのずれ量、すなわち、誤差Esを算出する。この誤差Esは、ブレーキ操作が開始されてから車両が停止するまでの走行距離からブレーキ操作開始距離Lbを差し引くことによって求める。
続くステップS18において、誤差Esに基いて、目標下方最短明視距離Lo、ブレーキ操作開始距離Lb及びブレーキ操作量Ubの設定を補正する。すなわち、車両が一時停止線を越えて停止する場合は、運転者のブレーキ操作の開始が遅いこと、又はブレーキ操作量が少ないこと(ブレーキペダルの踏み込み不足)が想定される。また、目標下方最短明視距離Loが短い場合も、ブレーキ操作の開始が遅くなる要因となる。そこで、車両が一時停止線を越えて停止するケースは、目標下方最短明視距離Lo及びブレーキ操作開始距離Lbは長くなるように補正し、ブレーキ操作量Ubは大きくなる(バーチャル画像の一時停止線の幅が太くなる)ように補正する。一方、車両が一時停止線手前で停止するケースでは、一時停止線を越えて停止するケースとは逆に、目標下方最短明視距離Lo及びブレーキ操作開始距離Lbは短くなるように補正し、ブレーキ操作量Ubは小さくなる(バーチャル画像の一時停止線幅が細くなる)ように補正する。
なお、上記実施形態は、実下方最短明視距離Lが目標下方明視最短距離Loよりも短いときに、ボンネット高さを上昇させることにより、前下方視界の適正化を図るケースであるが、例えば、運転席のシートクッション高さ(アイポイント高さ)を調節する手段を設け、実下方最短明視距離Lが目標下方明視最短距離Loよりも長いときは、アイポイントを上昇させることによって前下方視界の適正化を図るようにしてもよい。或いは、ボンネット高さの調節とアイポイント高さの調節とによって、前下方視界の適正化を図るようにしてもよい。
また、上記実施形態は、下方最短明視距離の観点から前下方視界の適正化を図るケースであるが、下方視界角度の観点から前下方視界の適正化を図るようにしてもよい。
1 車両
2 運転席
3 インストルメントパネル
4 ICカードリーダ
5 室内カメラ
6 車速センサ
7 ボンネットリフター
8 前方監視カメラ
9 ヘッドアップディスプレイ駆動手段
10 ブレーキSW
11 CPU
12 ボンネット
13 実景の一時停止線
13’ 一時停止線バーチャル画像
2 運転席
3 インストルメントパネル
4 ICカードリーダ
5 室内カメラ
6 車速センサ
7 ボンネットリフター
8 前方監視カメラ
9 ヘッドアップディスプレイ駆動手段
10 ブレーキSW
11 CPU
12 ボンネット
13 実景の一時停止線
13’ 一時停止線バーチャル画像
Claims (9)
- 車両運転者の運転技術の高さに関する特性を取得する運転特性取得手段と、
上記運転特性取得手段によって得られた運転技術の高さに関する特性に基いて上記車両運転者に応じた目標前下方視界を設定する前下方視界設定手段と、
車両運転者に上記目標前下方視界が提供されているか否かを判定する前下方視界判定手段と、
上記目標前下方視界が提供されていないと判定されたときに、車両運転者の前下方視界を上記目標前下方視界となるようにする前下方視界適正化手段とを備えていることを特徴とする車両用前下方視界制御装置。 - 請求項1において、
車両の走行状態を検出する走行状態検出手段を備え、
上記前下方視界設定手段は、上記運転技術の高さに関する特性と上記車両の走行状態とに基いて目標前下方視界を設定することを特徴とする車両用前下方視界制御装置。 - 請求項2において、
上記前下方視界適正化手段は、車両のボンネットの高さを変更することによって車両運転者の前下方視界を上記目標前下方視界となるようにすることを特徴とする車両用前下方視界制御装置。 - 請求項2において、
カメラにて取得した車両前方の画像を上記運転技術の高さと上記車両の走行状態とに応じてフロントウィンドガラスの車室面側に表示する前方画像表示手段を備えていることを特徴とする車両用前下方視界制御装置。 - 請求項4において、
上記前方画像表示手段は、上記カメラにて車両前方の画像中に一時停止線が存在するとき、該一時停止線のバーチャル画像を上記フロントウィンドガラスに、実際の一時停止線が車両に近づいて上記目標前下方視界から消失する位置になるまで表示することを特徴とする車両用前下方視界制御装置。 - 請求項5において、
上記前方画像表示手段は、上記一時停止線のバーチャル画像を、車両運転者が視認する実景の一時停止線に重なるように上記フロントウィンドガラスに表示することを特徴とする車両用前下方視界制御装置。 - 請求項4において、
上記車両走行状態検出手段として、車両の速度を検出する車速検出手段を備え、
上記前方画像表示手段は、上記車両の速度に基いて、車両を一時停止線で停止させるための車両の減速開始タイミング及び減速量のうちの少なくとも一方を、上記一時停止線のバーチャル画像に変化を与えることによって上記フロントウィンドガラスに表示することを特徴とする車両用前下方視界制御装置。 - 請求項1において、
車両停止位置の一時停止線からのずれ量を検出する停止ずれ検出手段を備え、
上記前下方視界設定手段は、上記車両停止位置のずれ量に基いて、上記目標前下方視界を補正することを特徴とする車両用前下方視界制御装置。 - 請求項1において、
車両運転者のアイポイントを検出するアイポイント検出手段と、
上記車両運転者のアイポイントに基いて上記車両運転者の実前下方視界を算出する実前下方視界算出手段とを備え、
上記前下方視界判定手段は、上記実前下方視界に基いて、車両運転者に上記目標前下方視界が提供されているか否かを判定することを特徴とする車両用前下方視界制御装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110920517A (zh) * | 2018-09-20 | 2020-03-27 | 标致雪铁龙汽车股份有限公司 | 检测机动车辆前部发动机罩的状态的方法和装置 |
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2008
- 2008-03-14 JP JP2008066499A patent/JP2009220688A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110920517A (zh) * | 2018-09-20 | 2020-03-27 | 标致雪铁龙汽车股份有限公司 | 检测机动车辆前部发动机罩的状态的方法和装置 |
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