JP2009219500A - 血管の老化に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有する組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アラキドン酸またはアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物を含んで成る、血管の老化に起因する症状又は疾患の予防又は改善作用を有する組成物及び飲食物。
【選択図】図3
Description
さらに、微生物の産生するアラキドン酸を20%以上含有するトリグリセリドの工業生産に成功し、本発明の効果試験に供することが可能となり、効果を明らかにした。
さらに、酵素法により1,3-位に中鎖脂肪酸が、2-位にアラキドン酸が結合したトリグリセリドを含む油脂を製造することに成功し、本発明の効果試験に供することが可能となり、効果を明らかにした。
血管の老化に起因する症状あるいは疾患とは、血管の弾力性の低下、動脈硬化(例えば、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)や脳卒中(脳出血、脳梗塞))を挙げることができるが、これら症状あるいは疾患に限定しているわけではなく、血管の老化に起因する症状あるいは疾患はすべて含まれる。
本発明者等は、加齢に伴ってラットの血管弛緩反応が低下することに着目し、従来の考えを覆すアラキドン酸の効果を見出すことで本発明を完成させた。
原料となる油脂(トリグリセリド)はアラキドン酸を構成脂肪酸とするトリグリセリドであり、トリグリセリドを構成する全脂肪酸に対するアラキドン酸の割合が高い場合には、未反応油脂(原料トリグリセリド並びに1,3-位の脂肪酸のうち一方のみが中鎖脂肪酸となったトリグリセリド)の増加による反応収率の低下を防ぐため、通常の酵素反応温度20-30℃より、高く30〜50℃、好ましくは40〜50℃とする。
本発明の組成物を医薬品として使用する場合、組成物中の有効成分の配分量は、本発明の目的が達成される限り特に限定されず、適宜適当な配合割合で使用可能である。
そして、アラキドン酸とドコサヘキサエン酸の組み合わせにおいて、アラキドン酸/エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸比が0.25 - 8の範囲にある飲食物が最も望ましい。
参考例1. アラキドン酸を構成脂肪酸とするトリグリセリドの製造方法
アラキドン酸生産菌としてモルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)CBS754.68を用いた。グルコース1.8%、脱脂大豆粉3.1%、大豆油0.1%、KH2PO4 0.3%、Na2SO4 0.1%、CaCl2・2H2O 0.05%及びMgCl2・6H2O 0.05%を含む培地6kLを、10kL培養槽に調製し、初発pHを6.0に調整した。前培養液30Lを接種し、温度26℃、通気量 360m3/h、槽内圧200kPaの条件で8日間の通気撹拌培養を行った。なお、攪拌数は溶存酸素濃度を10-15ppmを維持するように調整した。さらに、グルコース濃度を4日目までは流加法によって培地中のグルコース濃度が1-2.5%の範囲内となるように、それ以降は0.5-1%を維持した(上記の%は、重量(W/V)%を意味する)。
イオン交換樹脂担体(Dowex MARATHON WBA:ダウケミカル)100gを、Rhizopus delemarリパーゼ水溶液(タリパーゼ現末、12.5%:田辺製薬(株))80mlに懸濁し、240mlの冷アセトン(-80℃)を攪拌し、減圧下で乾燥させて固定化リパーゼを得た。
次に、固定化リパーゼ(Rhizopus delemarリパーゼ、担体:Dowex MARATHON WBA)10gをジャケット付きガラスカラム(1.8 x 12.5cm、容量31.8ml)に充填し、実施例1で得たSUNTGA40Sとカプリル酸を1:2に混合した反応油脂を一定の流速(4ml/h)でカラムに流し、連続反応を実施することで、反応油脂を400gを得た。なお、カラム温度は40〜41℃とした。得られた反応油脂から未反応のカプリル酸及び遊離の脂肪酸を分子蒸留により取り除き、食用油脂の精製工程(脱ガム、脱酸、脱臭、脱色)を経て、8A8を含有する油脂(トリグリセリド)を得た。
参考例1で調製したアラキドン酸を構成脂肪酸とするトリグリセリド(アラキドン酸含有油脂(SUNTGA40S)のアセチルコリン血管弛緩反応に及ぼす影響をラットを用いて調べた。老齢ラットの実験群として、19ヶ月齢雄性Fischer系ラット15匹を対照飼料群(8匹:OC群)とSUNTGA40S配合飼料群(7匹:OA群)の2群に分け、それぞれの群に、表1に示した対照飼料およびSUNTGA40S配合飼料を与えた。そして、若齢ラットをコントロール群として、1ヶ月齢雄性Fischer系ラット10匹に表1に示した対照飼料を与えた(10匹:YC群)。
参考例2で調製した1,3-位に中鎖脂肪酸が、2-位にアラキドン酸が結合したトリグリセリド(8A8)のアセチルコリン血管弛緩反応に及ぼす影響をラットを用いて調べた。老齢ラットの実験群として、19ヶ月齢雄性Fischer系ラット15匹を対照飼料群(7匹:OC群)と8A8配合飼料群(7匹:OB群)の2群に分け、それぞれの群に、表2に示した対照飼料および8A8配合飼料を与えた。そして、若齢ラットをコントロール群として、1ヶ月齢雄性Fischer系ラット10匹に表2に示した対照飼料を与えた(10匹:YC群)。なお、8A8配合飼料に使用した8A8は実施例2で得た96モル% 8A8を使用した。
飼育3ヶ月目(老齢ラットの場合は22ヶ月齢、若齢ラットの場合は4ヶ月齢)に胸部大動脈を摘出し、一部をin vitro での血管弛緩反応試験に、残りの血管を脂肪酸組成分析に用いた。血管弛緩反応試験は、血管内皮を傷つけないように慎重に摘出した胸部大動脈を用いて血管リングを作製し、フェニレフリンで前収縮を起こさせた後、10-9M〜10-6M濃度のアセチルコリンによる弛緩反応を測定した。
ゼラチン100重量部及び食添グリセリン35重量部に水を加え50〜60℃で溶解し、粘度2000cpのゼラチン被膜を調製した。次に実施例1で得たアラキドン酸含有油脂(トリグリセリド)にビタミンE油0.05重量%を混合し、内容物1を調製した。実施例2で得た8A8を32モル%含有する油脂(トリグリセリド)にビタミンE油0.05重量%を配合し、内容物2を調製した。
参考例2で得た8A8を32%含有する油脂(トリグリセリド)400g、精製卵黄レシチン48g、オレイン酸20g、グリセリン100g及び0.1N 苛性ソーダ40mlを加え、ホモジナイザーで分散させたのち、注射用蒸留水を加えて4リットルとする。これを高圧噴霧式乳化機にて乳化し、脂質乳液を調製した。該脂質乳液を200mlずつプラスチック製バッグに分注したのち、121℃、20分間、高圧蒸気滅菌処理して脂肪輸液剤とする。
β-シクロデキストリン2gを20%エタノール水溶液20mlに添加し、ここにスターラーで撹拌しながら、実施例1で得たアラキドン酸含有トリグリセリド(ビタミンEを0.05重量%配合)100mgを加え、50℃で2時間インキュベートした。室温冷却(約1時間)後、さらに撹拌を続けながら4℃で10時間インキュベートした。生成した沈殿を、遠心分離により回収し、n-ヘキサンで洗浄後、凍結乾燥を行い、アラキドン酸含有トリグリセリドを含有するシクロデキストリン包接化合物1.8gを得た。この粉末1gをジュース10Lに均一に混ぜ合わせ、アラキドン酸含有トリグリセリドを含有するジュースを調製した。
Claims (16)
- アラキドン酸またはアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物を含んで成る、血管の老化に起因する症状又は疾患の予防又は改善作用を有する飲食物。
- 前記アラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物が、アラキドン酸のアルコールエステル、アラキドン酸を構成脂肪酸とするトリグリセリド、又はリン脂質である、請求項1に記載の飲食物。
- 前記アラキドン酸を構成脂肪酸とするトリグリセリドにおいて、トリグリセリドを構成する全脂肪酸に占めるアラキドン酸の割合が20%以上である、請求項2に記載の飲食物。
- 前記アラキドン酸を構成脂肪酸とするトリグリセリドが、モルティエレラ(Mortierella)属、コニディオボラス(Conidiobolus)属、フィチウム(Pythium)属、フィトフトラ(Phytophthora)属、ペニシリューム(Penicillium)属、クロドスポリューム(Cladosporium)属、ムコール(Mucor)属、フザリューム(Fusarium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ロードトルラ(Rhodotorula)属、エントモフトラ(Entomophthora)属、エキノスポランジウム(Echinosporangium)属、サプロレグニア(Saprolegnia)属に属する微生物から抽出したものでる、請求項2に記載の飲食物。
- 前記アラキドン酸を構成脂肪酸とするトリグリセリドが、1,3-位に中鎖脂肪酸が結合し、そして2-位にアラキドン酸が結合したトリグリセリドを5%以上含むトリグリセリドである、請求項2に記載の飲食物。
- 前記中鎖脂肪酸が、炭素数6〜12個を有する脂肪酸から選ばれたものである、請求項5に記載の飲食物。
- 前記食品組成物が、機能性食品、栄養補助食品、特定保健用食品又は老人用食品である、請求項1〜6記載の血管の老化に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有する飲食物。
- 前記血管の老化に起因する症状が、血管の弾力性の低下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の飲食物。
- 前記血管の老化に起因する症状が動脈硬化であり、疾患が虚血性心疾患である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の飲食物。
- 前記虚血性心疾患が心筋梗塞及び/又は狭心症である、請求項9に記載の飲食物。
- 前記血管の老化に起因する症状が動脈硬化であり、疾患が脳卒中である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の飲食物。
- 前記脳卒中が脳出血及び/又は脳梗塞である、請求項11に記載の飲食物。
- アラキドン酸と、エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸との組み合わせにおいて、アラキドン酸/エイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸比が0.25〜8の範囲にあることを特徴とする飲食物。
- 1,3-位に中鎖脂肪酸が結合し、そして2-位にアラキドン酸が結合したトリグリセイドを0.001重量%以上含有することを特徴とする飲食物。
- 前記中鎖脂肪酸が、炭素数6〜12個を有する脂肪酸から選ばれたものである、請求項14に記載の飲食物。
- 血管の老化に起因する症状あるいは疾患の予防又は改善作用を有する飲食品の製造法であって、アラキドン酸及び/又はアラキドン酸を構成脂肪酸とする化合物を単独で、あるいはアラキドン酸が実質的に含有しない、あるいは含有していても僅かな飲食品原料とともに配合することを特徴とする方法。
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