JP2009218972A - 移動通信システム、割当処理サーバ装置及びそれらに用いる移動管理サーバ割当て方法 - Google Patents

移動通信システム、割当処理サーバ装置及びそれらに用いる移動管理サーバ割当て方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 測定対象とするノードや前記ノードに至るまでの経路に配置されたルータに追加的な負荷をかけることなく、さらにアクセスネットワークのノードに特別な機能を要求することなく、移動端末に対してネットワークトポロジ的に最も近い移動管理サーバを割当てることが可能な移動通信システムを提供する。
【解決手段】 移動通信システムは、分散配備された複数の移動管理サーバ(110)の中から移動端末(300)に割当てる移動管理サーバを決定する。移動通信システムは、割当処理サーバ120において、移動端末の接続したネットワークに属するアドレスあるいはネットワークアドレス情報を基に、所定のルーティングプロトコルの信号を受信することで生成したルーティングテーブルを検索し、検索された経路情報を使用することで移動管理サーバの決定を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は移動通信システム、割当処理サーバ装置及びそれらに用いる移動管理サーバ割当て方法並びにそのプログラムに関し、特に移動端末に対して移動通信を実現するための機能を提供する移動管理サーバが複数あった場合に、移動端末に割当てる移動管理サーバを選択する方法に関する。
本発明に関連する移動通信実現方法としては、下記の非特許文献1に記載されたMIPv4(Mobile IPv4)がある。MIPv4では、移動端末が、ネットワーク接続時、ネットワーク移動時、及び所定の時間経過時に、接続先のネットワークで取得したアドレスであるCoA(Care−of Address)と、移動端末に対して接続したネットワークに関わらず固定的に割当てられたHoA(Home Address)とを対応付けるための登録要求信号を移動管理サーバであるHA(Home Agent)に送る。
HAは、この登録要求信号によって、HoAとCoAとの対応関係を保持し、当該移動端末のHoA宛のトラフィックを代理で受信するとともに、カプセル化した上でCoAに転送する。これによって、移動端末は、移動後においても移動端末のHoAに送られたパケットを継続して受信することができ、移動通信が達成できる。
ここで、非特許文献1では、CoAの使用に関して、移動端末自身に割当てられたCoAを利用する方法(Co−located CoAモード)と、転送ノードであるFA(Foreign Agent)が保持するCoAを複数の移動端末で共用する方法(FAモード)との2種類の方法を規定している。
このうち、FAモードの場合には、移動端末から送られた登録要求信号がFAを経由してHAに送られる。登録要求信号の応答となる登録応答信号も、FAを経由して移動端末に送られる。
上記と同様に、下記の非特許文献2に記載されたMIPv6(Mobile IPv6)やPMIPv6(Proxy Mobile IPv6)(非特許文献3)も、上述したMIPv4と同様に、IPレイヤで移動通信を可能とするIPモビリティ技術である。
近年、モバイルネットワークにもIPネットワークを適用しようという流れがあり、移動通信を実現するための技術として上述したMIPv4、MIPv6、PMIPv6といったIPモビリティ技術が使われる予定である。
モバイルネットワークは、地理的、ネットワークトポロジ的に広範囲にわたってHAが配置されることになる。このとき、通信の遅延を短くするため、移動端末がネットワークに接続した位置になるべく近いHAを割当てる必要がある。
これを解決する手段としては、図14に示すように、サーバ選択装置400の距離取得部420によって、ユーザUとサーバSとの距離を測定し、距離が短いサーバをユーザに割当てる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。尚、図14において、サーバ選択装置400は、サーバ選択部410と、距離取得部420と、残リソース量取得部430とを備えている。
特開2002−091843号公報 "IP Mobility support for IPv4",RFC(Request For Comments)3344,Aug.,2002[http://www.ietf.org/rfc/rfc3344] "Mobility support in IPv6",RFC3775,Jun.,2004[http://www.ietf.org/rfc/rfc3775] "Proxy Mobile IPv6"[http://tools.ietf.org/html/draft−ietf−netlmm−proxymip6−08]
しかしながら、上述した距離測定手段420では、tracerouteという技術を使って距離を測定しているため、距離測定対象となるノードでtraceroute用のパケットに応答しない、ないしはノードに辿りつく途中にtraceroute用のパケットを破棄するルータ、あるいはファイヤウォールが在った場合、距離の測定ができないという問題がある。
また、tracerouteを使った距離測定を行う場合には、距離測定対象となるノードに届くまで、TTL(Time To Live)の値を1つずつ増やしたtraceroute用パケットを何度も送信する必要があり、移動管理サーバが膨大数であった場合、距離測定のためのパケットの送受信の負荷が大きくなるという問題がある。
さらに、距離測定対象となるノードや、その過程にあるルータやファイヤウォールと連携することで、距離の測定を実現することが考えられる。しかしながら、HA等の移動管理サーバが置かれるネットワークと、移動端末が接続するネットワーク(一般にアクセスネットワークと呼ばれる)のオペレータが異なるケース等においては、割当てる移動管理サーバの決定等のように、移動管理サーバが配置されるネットワークに閉じた機能を実現するために、上記のような連携を行うことが困難である。
したがって、最適な移動管理サーバを決定する方法は、移動管理サーバ内に閉じた方法であることが重要である。また、移動管理サーバの配置されたネットワーク内においても、装置のベンダは様々であるため、機能実現のための手段が必要となるノードは最小限とすることも重要といえる。
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、測定対象とするノードや前記ノードに至るまでの経路に配置されたルータに追加的な負荷をかけることなく、さらにアクセスネットワークのノードに特別な機能を要求することなく、移動端末に対してネットワークトポロジ的に最も近い移動管理サーバを割当てることができる移動通信システム、割当処理サーバ装置及びそれらに用いる移動管理サーバ割当て方法並びにそのプログラムを提供することにある。
本発明による移動通信システムは、分散配備された複数の移動管理サーバの中から移動端末に割当てる移動管理サーバを決定する移動通信システムであって、
前記移動端末の接続したネットワークに属するアドレスあるいはネットワークアドレス情報を基に、所定のルーティングプロトコルの信号を受信することで生成したルーティングテーブルを検索し、検索された経路情報を使用することで前記移動管理サーバの決定を行っている。
本発明による他の移動通信システムは、分散配備された複数の移動管理サーバの中から移動端末に割当てる移動管理サーバを決定する移動通信システムであって、
前記移動端末の接続したネットワークに属するアドレスあるいはネットワークアドレス情報を基に、所定のルーティングプロトコルの信号を受信することで生成したルーティングテーブルを検索し、検索された経路情報の次ホップのアドレスを、ルータのアドレスと前記ルータに接続された移動管理サーバの識別子とを対応付けたテーブルから検索し、その検索で一致したルータアドレスに対応する移動管理サーバを前記移動端末に割当てる移動管理サーバに決定している。
本発明による割当処理サーバ装置は、移動端末が接続したネットワークに属するアドレスあるいはネットワークアドレス情報を基に、所定のルーティングプロトコルの信号を受信することで生成したルーティングテーブルを検索し、検索された経路情報を使用することで前記移動端末に割当てる移動管理サーバの決定を行っている。
本発明による他の割当処理サーバ装置は、移動端末が接続したネットワークに属するアドレスあるいはネットワークアドレス情報を基に、所定のルーティングプロトコルの信号を受信することで生成したルーティングテーブルを検索し、検索された経路情報の次ホップのアドレスを、ルータのアドレスと前記ルータに接続された移動管理サーバの識別子とを対応付けたテーブルから検索し、その検索で一致したルータアドレスに対応する移動管理サーバを前記移動端末に割当てる移動管理サーバに決定している。
本発明による移動管理サーバ割当て方法は、分散配備された複数の移動管理サーバの中から移動端末に割当てる移動管理サーバを決定する移動管理サーバ割当て方法であって、
前記移動端末の接続したネットワークに属するアドレスあるいはネットワークアドレス情報を基に、所定のルーティングプロトコルの信号を受信することで生成したルーティングテーブルを検索し、検索された経路情報を使用することで前記移動管理サーバの決定を行っている。
本発明による他の移動管理サーバ割当て方法は、分散配備された複数の移動管理サーバの中から移動端末に割当てる移動管理サーバを決定する移動管理サーバ割当て方法であって、
前記移動端末の接続したネットワークに属するアドレスあるいはネットワークアドレス情報を基に、所定のルーティングプロトコルの信号を受信することで生成したルーティングテーブルを検索し、検索された経路情報の次ホップのアドレスを、ルータのアドレスと前記ルータに接続された移動管理サーバの識別子とを対応付けたテーブルから検索し、一致したルータアドレスに対応する移動管理サーバを前記移動端末に割当てる移動管理サーバに決定している。
本発明によるプログラムは、移動端末に割当てる移動管理サーバを決定する割当処理サーバ内のコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記移動端末が接続したネットワークに属するアドレスあるいはネットワークアドレス情報を基に、所定のルーティングプロトコルの信号を受信することで生成したルーティングテーブルを検索する処理と、その処理で検索された経路情報を使用することで前記移動管理サーバの決定を行う処理とを含むことを特徴とする。
本発明による他のプログラムは、移動端末に割当てる移動管理サーバを決定する割当処理サーバ内のコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記移動端末が接続したネットワークに属するアドレスあるいはネットワークアドレス情報を基に、所定のルーティングプロトコルの信号を受信することで生成したルーティングテーブルを検索する処理と、その処理で検索された経路情報の次ホップのアドレスを、ルータのアドレスと前記ルータに接続された移動管理サーバの識別子とを対応付けたテーブルから検索する処理と、その検索で一致したルータアドレスに対応する移動管理サーバを前記移動端末に割当てる移動管理サーバに決定する処理とを含むことを特徴とする。
本発明は、上記のような構成及び動作とすることで、測定対象とするノードや前記ノードに至るまでの経路に配置されたルータに追加的な負荷をかけることなく、さらにアクセスネットワークのノードに特別な機能を要求することなく、移動端末に対してネットワークトポロジ的に最も近い移動管理サーバを割当てることができるという効果が得られる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。まず、本発明の概要について説明する。本発明による移動通信システムは、複数の移動管理サーバと、各移動管理サーバに対して個別にルータを接続し、さらに移動端末に対して移動管理サーバを割当てる機能を備える割当処理サーバを全てのルータの移動管理サーバとは異なるインタフェースに接続するように構成している。
この割当処理サーバは、割当要求処理部と、経路取得部と、サーバ決定部と、サーバ情報蓄積装置と、経路交換部と、経路蓄積装置とで構成されている。経路交換部は、一般的なルーティングプロトコルで用いられる経路更新通知を取得することで、経路蓄積装置にルーティングテーブルを記録する。割当要求処理部は、移動端末が接続したアクセスネットワークに属するアドレスを取得する。
経路取得部は、ルーティングテーブルからアクセスネットワークに属するアドレスに適合する経路情報を取得し、サーバ決定部は、サーバ情報蓄積装置に記録された移動管理サーバのアドレスと当該移動管理サーバが接続されたルータのアドレスとを対応付けたテーブルを用いて、経路情報に含まれる次ホップのアドレスと一致するルータアドレスに対応付けられた移動管理サーバのアドレスを取得し、これを移動端末に割当てる移動管理サーバに決定するよう構成している。
以上の構成とすることで、本発明による移動通信システムでは、アクセスネットワークのノードがtraceroute用パケットに対して応答しない場合でも、アクセスネットワーク中のいずれかのノードがルーティングプロトコルを実装していれば、それ以上特別な機能を要求することなく、当該アクセスネットワークに接続した移動端末に対して適切な移動管理サーバを割当てることが可能となる。
また、本発明による移動通信システムでは、複数の移動管理サーバと移動端末とが接続したアクセスルータまでの距離を測定するためのパケットを送受信する必要がないため、移動管理サーバを割当てるという機能がない場合でも、やり取りされる経路情報の負荷に加えて、移動管理サーバを割当てる機能を実施することでさらに追加的な負荷をネットワークにかけることを回避することが可能となる。
つまり、本発明による移動通信システムでは、測定対象とするノードやノードに至るまでの経路に配置されたルータに追加的な負荷をかけることなく、さらにアクセスネットワークのノードに特別な機能を要求することなく、移動端末に対してネットワークトポロジ的に最も近い移動管理サーバを割当てることができる。これによって、本発明による移動通信システムでは、移動端末の通信遅延を小さくすることができ、特に音声等のリアルタイム性が重視される通信の品質の向上が望める。
図1は本発明の第1の実施の形態による移動通信システムの構成例を示すブロック図であり、図2は本発明の第1の実施の形態による割当処理サーバの構成例を示すブロック図であり、図3は本発明の第1の実施の形態による移動管理サーバ情報テーブルの構成例を示す図であり、図4は本発明の第1の実施の形態によるアクセスルータの構成例を示すブロック図である。
図1において、本発明の第1の実施の形態による移動通信システムは、コアネットワーク100と、アクセスネットワーク200と、移動端末300とから構成されている。
コアネットワーク100及びアクセスネットワーク200は共に、移動通信システムを提供するオペレータによって管理されるネットワークであるが、役割に違いがある。
コアネットワーク100は、移動端末300に対して移動管理や認証、課金、各種アプリケーションサービス、インタネットへの接続サービス等の提供を担うのに対して、アクセスネットワーク200は、コアネットワーク100への接続性を提供する。
一般に、コアネットワーク100とアクセスネットワーク200との関係は1対1の関係ではなく、1つのコアネットワーク100は、様々なアクセスネットワーク200(アクセスネットワークa,アクセスネットワークb,アクセスネットワークc,・・・)に接続しており、それぞれのアクセスネットワークに接続した移動端末300を収容することができ、アクセスネットワーク200も様々なコアネットワーク100に接続することができる。
また、コアネットワーク100と、アクセスネットワーク200とでは異なるオペレータが運用していることがある。このため、コアネットワーク100とアクセスネットワーク200とが相互動作する上において、WiMAX Forum(登録商標)や、3GPP(3rd Generation Partnership Project)、3GPP2(3rd Generation Partnership Project 2)といった標準化団体で決められた仕様以外の特殊な手段を他方に求めることは極めて困難である。
以下の説明では、例えば移動処理サーバ110等のように複数で構成されるものについては、それぞれに共通の項目については、“移動管理サーバ110”といった表記とし、特にいずれか1つを示したい場合には、“移動管理サーバ110a”といった表記とする。
コアネットワーク100は、複数の移動管理サーバ110と、割当処理サーバ120と、認証サーバ130と、複数のルータ140とによって構成されている。また、それぞれのアクセスネットワーク200は、アクセスルータ210と、無線基地局220とによって構成されている。
ここで、移動管理サーバ110は、移動端末300の移動通信を可能とするために、移動に関わりなく、固定的な第1のアドレスと、移動端末300が移動したネットワークに依存するアドレス、すなわち移動によって変化するアドレスである第2のアドレスとの対応関係を登録し、第1のアドレスに対して送られたパケットを第2のアドレスに転送する機能を備える。
例えば、移動管理サーバ110は、IETF(Internet Engineering Task Force)で標準化されたRFC3344(非特許文献1)やRFC3775(非特許文献2)に記載されたHA(Home Agent)、あるいは同じくIETFで標準化が進行している“draft−ietf−netlmm−proxymip6”(非特許文献3)に記載されたLMA(Local Mobility Anchor)に相当するが、これらと同様の機能を有するものであればこれに限らない。
このように、本実施の形態における移動管理サーバ110は、一般的な移動管理サーバと言え、本発明の特徴となる要素は含まれない。
第1のアドレスは、移動管理サーバ110にルーティングされるアドレスであり、一方、第2のアドレスは、移動端末300、あるいは移動端末300が接続するアクセスネットワーク200にルーティングされるアドレスである。また、第1のアドレス宛のパケットを第2のアドレス宛に転送する際には、カプセル化という手段が用いられる。
但し、アドレスを書換える等、他の手段によって転送することとしても構わない。例えば、移動管理サーバ110がHA、あるいはLMAの場合、第1のアドレスは、HoA(Home Address)に相当し、第2のアドレスは、CoA(Care−of Address)に相当する。さらに、この場合、転送手段にはカプセル化が用いられる。
本実施の形態による移動管理サーバ110には、本発明の機能を実現する上で特徴となる要素は含まない。すなわち、一般的なHAやLMA等であって良い。
割当処理サーバ120は、認証サーバ130から、移動端末300が接続したアクセスルータ210のアドレス等のアクセスネットワーク200に到達性のあるアドレス(本実施の形態ではアクセスルータ210のアドレスとする)を取得し、ネットワークトポロジ的にアクセスネットワーク200に最も近い移動管理サーバ110を割当てる機能を備えている。
さらに、割当処理サーバ120は、図2に示すように、割当要求処理部121と、経路取得部122と、サーバ決定部123と、サーバ情報蓄積装置124と、経路交換部125と、経路蓄積装置126とによって構成されている。
割当要求処理部121は、認証サーバ130から送られた移動管理サーバ割当要求信号に格納されたアクセスルータ210のアドレスを取得し、経路取得部122に渡す機能を備える。また、割当要求処理部121は、移動端末300に対して割当てられた移動管理サーバ110のアドレスあるいはFQDN(Full Qualified Domain Name)等の移動管理サーバを特定できる識別子をサーバ決定部123から受取り、これを移動管理サーバ割当応答信号として認証サーバ130に送る機能を備える。
経路取得部122は、経路蓄積装置126に記録されたルーティングテーブルから、割当要求処理部121から取得したアクセスルータ210のアドレスとネットワークアドレスとが一致する経路情報中で最も近い経路情報を探し出し、該経路情報に含まれる次ホップのアドレス情報をサーバ決定部123に渡す。
ここで、最も近いエントリの求め方には、ロンゲストマッチという方法が適用される。これは、検索対象とするアドレスと、ルーティングテーブル上の経路情報に記録されたアドレスとを最上位ビットから順に比較していった結果、一致するビットが最も長いエントリを選択するというアルゴリズムであり、一般的なルータがルーティングテーブルを検索する場合と同様の方法である。また、次ホップのアドレスは、目的のネットワーク、あるいはノードに辿り着くために次に転送先とすべきルータのアドレスを示す。
尚、ここで、経路取得部122がサーバ決定部123に渡す情報には、次ホップのアドレス以外の情報を含んでいても構わない。
サーバ決定部123は、経路取得部122から送られた次ホップのアドレスを元に割当てる移動管理サーバ110を決定し、決定した移動管理サーバ110のアドレス、あるいはFQDN等の移動管理サーバ110を特定できる識別子を割当て要求処理部121に渡す機能を備える。サーバ決定部123は、割当てるべき管理サーバを決定するにあたりサーバ情報蓄積装置124の情報を使用する。
サーバ情報蓄積装置124には、図3に示すように、ルータ140(ルータ140a,ルータ140b,ルータ140c,・・・)が持つインタフェースのうち、割当処理サーバ120に接続されているインタフェースに割当てられたアドレスと、それぞれのルータに接続された移動管理サーバ110(移動管理サーバ110a,移動管理サーバ110b,移動管理サーバ110c,・・・)の識別子を対応付けた移動管理サーバ情報テーブルが記録される。この識別子としては、アドレス、あるいはFQDN等が使用できる。ここでのルータ140のアドレスが、次ホップのアドレスに相当する。
尚、図3のRa_addr,Rb_addr,Rc_addrはそれぞれ、ルータ140a,ルータ140b,ルータ140cの割当処理サーバ120に接続されたインタフェースに付けられたアドレスを示す。また、図3のHAa_addr,HAb_addr,HAc_addrはそれぞれ、移動管理サーバ110a,移動管理サーバ110b,移動管理サーバ110cのアドレスを示す。
図3では、移動管理サーバのアドレスを適用したが、アドレスに代えてFQDNを記録するようにしても良いし、アドレスとFQDNとを記録するようにしても良い。また、移動管理サーバを識別可能な別の識別子を使っても構わない。
経路交換部125は、一般的なルーティングプロトコルによってルータ140が広告する経路情報を収集する機能を備える。一般的なルーティングプロトコルとしては、例えばRIP(Routing Information Protocol)やIGRP(Interior Gateway Routing Protocol)、EIGRP(Enhanced Interior Gateway Routing Protocol)、OSPF(Open Shortest Path First)等が挙げられるが、他のルーティングプロトコルでも良い。取得した経路情報は経路蓄積装置126に出力される。
経路蓄積装置126は、経路交換部125から出力された経路情報を蓄積し、ルーティングテーブルを構成する。この情報は、前記経路取得部122によって読出される。
認証サーバ130は、移動端末300がアクセスネットワーク200に接続した時に、アクセスルータ220等、アクセスネットワーク内の認証処理を担当するノードからの認証要求信号を受信すると、一般的な認証手段によって移動端末300を認証する。移動端末300が認証にパスした場合、認証サーバ130は、さらに割当処理サーバ120へ移動管理サーバ割当て要求を送信することで、移動端末300に割当てる移動管理サーバ110のアドレス、あるいはFQDN等の識別子を取得し、認証結果と共に移動管理サーバ110の識別子を格納した認証応答信号を認証要求元のアクセスネットワーク200中のノードに応答する機能を備える。
認証サーバ130は、移動管理サーバ割当て要求を割当処理サーバ120に送信する際には、当該要求に、少なくともアクセスルータ210のアドレス等のアクセスネットワーク200に到達性のあるアドレス情報を格納する。この要求信号には、移動端末300の識別子といった他の情報を含むようにしても構わない。アクセスネットワーク200に到達性のあるアドレスは、認証サーバ130への認証要求信号のソースアドレスから取得できるし、あるいは認証要求信号内に格納されている場合には、格納された情報を用いることができる。
例えば、WiMAX Forum(登録商標)で標準化が進められているシステムを考慮すると、アクセスネットワーク200はASN(Access Service Network)に、アクセスルータ210はASN−GW(Access Service Network−Gateway)に相当する。
しかしながら、移動端末がASNに接続した場合、認証要求信号には、NAS(Network Access Server)のアドレスが格納される。NASは、認証サーバ130との認証処理においては認証クライアントとしての機能を有するノードのことであり、当該機能はASN−GWが備える。したがって、認証要求信号内にASN−GWのアドレスが格納されることになり、このアドレスをアクセスネットワーク200に到達可能なアドレスとして使用することができる。
また、認証サーバ130が備える一般的な認証手段とは、例えば、RadiusサーバやDiameterサーバ等のいわゆる認証サーバが備える認証手段であり、本発明の特徴となる要素は含まない。
ルータ140は、一般的なルータとしてのルーティング手段によって、受信したパケットをルーティングテーブルに従って次の転送先(次ホップ)に転送する機能を備える。また、一般的なルーティングプロトコルによって経路情報を他のルータ、あるいはルータ機能を備えた他のノードと交換する経路交換手段を備える。
このように、ルータ140は、一般的なルータである。但し、本実施の形態を成立させるために、ルータ140には、移動管理サーバ110と、割当処理サーバ120とがそれぞれ異なるインタフェースに接続されている必要がある。また、移動管理サーバ110と、ルータ140とは、同じハードウェア上に構成されていても良い。
移動管理サーバ110とルータ140とは、地理的に広範囲にわたって複数配置されるものとし、必然的にそれぞれのルータ140は、ネットワークトポロジ的にも様々な場所に接続されているものとする。一方、割当処理サーバ120や認証サーバ130も、耐障害性のために複数で構成されていても構わないが、本発明の実施に最低限必要な台数は、それぞれ1台である。
アクセスルータ210は、図4に示すように、認証処理部211と、移動管理部212と、経路交換部213と、経路蓄積装置214とによって構成されている。
認証処理部211は、移動端末300がアクセスネットワーク200に接続した場合で、さらに移動端末300からの認証要求信号(第1の認証要求信号)を受信した場合、コアネットワーク100の認証サーバ130に対して、サーバ300の備える認証プロトコルと同形式にて認証要求信号(第2の認証要求信号)を送信する機能を備える。また、認証処理部211は、認証サーバ300で認証処理が行われた結果として、認証応答信号(第2の認証応答信号)を受信する機能を備える。
第2の認証要求信号には、移動端末300の識別子、及びアクセスルータ210のアドレスを格納する。一方、第2の認証応答信号には、認証結果情報や、移動端末300に対して割当てられた移動管理サーバ110の識別子、そして移動端末300に割当てるアドレス等、移動端末300に関する設定情報が格納される。
さらに、認証処理部211は、移動端末300に対し、第2の認証応答部の全て、あるいはその一部の情報を格納した第1の認証応答信号を移動端末300に送信する機能を備える。
移動端末300の識別子としては、例えばNAI(Network Access Identifier)が使えるが、それ以外の識別子としても構わない。
アクセスルータ210で取得された移動端末300の各種設定情報を、第1の認証応答信号で端末300に渡さないのであれば、認証処理の後に、例えば、MIP(Mobile IP)や、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocl)処理の過程の中でそれらの情報を移動端末300に渡すことも考えられる。また、これ以外の方法としても構わない。
移動管理部212は、移動端末300から送られたデータパケットを当該移動端末300に割当てられた移動管理サーバ110に転送するため、移動管理サーバ110との間にトンネルを確立する機能を備える。これによって、データパケットは、カプセル化されて移動管理サーバ110に転送される。逆に、移動端末300宛に送られたデータパケットは、移動管理サーバ110においてカプセル化されてアクセスルータ210に送られるので、移動管理部212ではこのカプセル化を解除した後、データパケットを移動端末300に転送する。
トンネル確立においては、例えばRFC3344(非特許文献1)や“draft−ietf−netlmm−proxymip6”(非特許文献3)に定義されたMIPv4(Mobile IPv4) FA(Foreign Agent)モードあるいはPMIPv6(Proxy Mobile IPv6)の位置登録要求信号、及び位置登録応答信号を使用することを想定しているが、これに限らない。
また、RFC3775(非特許文献2)に定義されたMIPv6の場合や、RFC3344に定義されたMIPv4 Co−located CoAモードの場合、トンネルの終端処理(カプセル化、カプセル化解除処理)は移動端末300自身が行うため、この場合、移動管理部212は、アクセスルータ210から省略できる。
経路交換部213は、一般的なルーティングプロトコルによって他のルータと経路情報を交換する機能を備える。一般的なルーティングプロトコルとしては、例えばRIP(Routing Information Protocol)やIGRP(Interior Gateway Routing Protocol)、EIGRP(Enhanced Interior Gateway Routing Protocol)、OSPF(Open Shortest Path First)等が挙げられるが、他のルーティングプロトコルでも良い。交換された経路情報は経路蓄積装置214に出力される。
経路交換部213によって、当該アクセスルータ210が接続しているネットワークのネットワークアドレス情報やホストアドレス情報といった経路情報は、他のルータに広告されるが、この経路情報はやがてコアネットワーク100のルータ140を経由して割当処理サーバ120に伝播する。
経路蓄積装置214は、経路交換部213から出力された経路情報を蓄積し、ルーティングテーブルを構成する。
無線基地局220は、アクセスルータ210から受信した移動端末300宛のパケットを無線技術によって移動端末300に送信する機能を備える。同じように、無線基地局220は、無線技術によって移動端末300から受信したデータパケットをアクセスルータ210へ送信する機能を備える。無線技術には、例えばWiFi(登録商標)や、WiMAX(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)等が考えられるが他の無線技術でも構わない。
移動端末300は、アクセスネットワーク200に接続した際に必要に応じて認証要求を行う部を備える。認証要求には、当該移動端末300の識別子を格納する。識別子としては、例えばNAIが使用できる。また、移動端末300は、移動端末300自体がMIPv4のCo−Located CoAモード、あるいはMIPv6等による移動管理部を備えていても良い。
移動管理部212は、認証処理の過程、あるいは認証処理が完了した後に取得した移動管理サーバ110のアドレスに対して位置登録要求信号を送信し、さらにその応答である位置登録応答信号を受信し、この結果、位置登録応答信号が登録成功を示すものであった場合、移動管理サーバ110と当該移動端末300との間のトンネル確立を行う機能を備える。
位置登録要求信号及び位置登録応答信号は、移動端末300がMIPv4の端末機能を備えている場合にRRQ(Registration Request)及びRRP(Registration Reply)であり、MIPv6の端末機能を備えている場合にBU(Binding Update)及びBA(Binding Acknowledgement)である。移動端末300が移動管理部を持たない場合、移動端末300は一般的なIPによる通信手段を備えた端末となる。
移動端末300は、オペレータが管理するネットワークに接続可能な一般的な端末を想定しており、本発明の特徴となる要素は含まないので、詳細な構成の説明については省略する。
本実施の形態で想定しているコアネットワーク100は、WiMAX Forum(登録商標)でのCSN(Connectivity Service Network)や、3GPP、3GPP2等の携帯網のコアネットワークであるが、インタネットや特定組織内のIPネットワーク、またはその他のネットワークとしても良い。
また、アクセスネットワーク200は、WiMAX Forum(登録商標)でのASN(Access Service Network)や、3GPP、3GPP2等の携帯網のRAN(Radio Access Network)を想定しているが、公衆無線LAN(Local Area Network)等の一般的な無線アクセス網としても良い。
図5は本発明の第1の実施の形態による移動管理サーバ割当て処理を示すシーケンスチャートである。この図5を参照して本発明の第1の実施の形態による移動通信システムにおける移動管理サーバ割当て処理の流れについて説明する。
図5は、移動端末300がアクセスネットワーク200aに接続し、認証処理を実行する過程において、本発明の第1の実施の形態による移動管理サーバ割当て方法によって最適と判断された移動管理サーバ110aを割当てるケースを例示している。
まず、移動端末300は、無線基地局220aに接続し(図5のa1)、第1の認証要求信号をアクセスルータ210aに送信する(図5のa2)。この第1の認証要求信号には、移動端末を一意に識別するための識別子や、認証に使用するための情報が格納される。識別子としては、例えば、NAIが使用できる。認証に使うための情報としては、X.509として標準化されている証明書や、パスワード、あるいはパスワードを認証要求先のサーバと共有した鍵やその他の情報を使って暗号化したチェレンジ値等が使用できる。
次に、アクセスルータ210aは、第1の認証要求信号を認証処理部211によって受信すると、認証処理部211の作用によって、この信号にアクセスルータ210aのアドレスを格納し、さらに認証サーバ130で使用している認証プロトコルに沿ったパケットフォーマットとした第2の認証要求信号を構成し、これをコアネットワーク100の認証サーバ130に送信する(図5のa3)。
ここで、第2の認証要求信号の送信先とする認証サーバ130を決定するにあたり、NAIに含まれるrealmを使用できる。realmは、移動端末300のホームネットワークドメインを示し、これによって認証処理部211は、認証処理を要求すべき認証サーバ130を特定できる。
次に、認証サーバ130は、第2の認証要求信号を受信すると、当該認証要求信号内のNAI、及び認証に使用するための情報を使って移動端末300の認証処理を行う。認証サーバ130は、認証処理にパスした後、アクセスルータ210のアドレスを格納した移動管理サーバ割当要求信号を割当処理サーバ120に送信する(図5のa4)。
尚、ここでは、認証処理が成功した場合を考慮しているが、認証処理が失敗した場合、認証サーバ130は、認証失敗の結果を格納した第2の認証応答信号をアクセスルータ210aに送信する。
次に、割当処理サーバ120は、移動管理サーバ割当要求信号を受信すると、本発明の方法を使って最適な移動管理サーバ110を割当てる処理を実行する(図5のa5)。この処理については、以降で図6を参照してより詳細に説明する。
図6は図1の割当処理サーバ120による移動管理サーバ割当て処理を示すフローチャートである。この図6を参照して割当処理サーバ120による移動管理サーバ割当て処理について説明する。尚、図6に示す処理は、割当処理サーバ120の主たる構成要素であるコンピュータ[例えば、CPU(中央処理装置)](図示せず)がプログラムを実行することで実現される。
まず、割当処理サーバ120は、移動管理サーバ割当要求信号を待つ動作となる(図6ステップS1)。割当処理サーバ120は、移動管理サーバ割当要求信号を受信していない間、移動管理サーバ割当要求信号を待ち続ける動作となる。
一方、移動管理サーバ割当要求信号を受信した場合、割当処理サーバ120は、受信した移動管理サーバ割当要求信号からアクセスネットワークを特定できるネットワークアドレス、あるいはホストアドレスを取得する(図6ステップS2)。ここでは、アクセスルータ210aのアドレス(ホストアドレス)を取得したものとする。
次に、割当処理サーバ120は、経路蓄積装置126に蓄積された経路情報を使って、ステップS2で取得したアクセスルータ210aのアドレスに適合する経路を検索する(図6ステップS3)。ここで、適合する経路の検索方法は、一般的なルータが受信パケットの宛先アドレスに適合する経路をルーティングテーブルから検索する方法と同じとする。
すなわち、割当処理サーバ120は、ルーティングテーブルのネットワークアドレスに一致する経路情報を検索し、さらに一致する経路情報が複数あった場合、上述したロンゲストマッチと呼ばれる手法によって最適な経路情報を検索する。
次に、割当処理サーバ120は、検索した最適な経路情報に含まれる次ホップのアドレスを取得する。さらに、割当処理サーバ120は、サーバ情報蓄積装置124に記録された図3に示すルータアドレスと移動管理サーバ識別子の対応テーブルを使って、次ホップのアドレスとルータアドレスとが一致するエントリを検索する。
割当処理サーバ120は、検索されたルータアドレスに対応付けられた移動管理サーバの識別子を取得し、その識別子の移動管理サーバを移動端末300に割当てるべき移動管理サーバとする(図6ステップS4)。割当処理サーバ120は、決定した移動管理サーバの識別子を割当要求処理部121に出力する。
ここでは、図3のNo.1のエントリが検索され、移動管理サーバ識別子‘HAa_addr’が取得された場合を想定する。また、‘HAa_addr’によって識別される移動管理サーバは、移動管理サーバ110aとする。
最後に、割当処理サーバ120は、割当要求処理部121の機能によって、取得した移動端末300に割当てる移動管理サーバの識別子を移動管理サーバ割当応答信号に格納した上で認証サーバ130に送信する(図6ステップS5)。この後、割当処理サーバ120は、図5のa6の処理を実行する。尚、ここでは、移動管理サーバ110aの識別子として、‘HAa_addr’が移動管理サーバ割当応答信号に格納され、認証サーバ130に送信される。この処理について、再度、図5に戻って説明する。
割当処理サーバ120は、移動管理サーバ割当応答信号を認証サーバ130に送信する(図5のa6)。認証サーバ130は、割当処理サーバ120から受け取った移動管理サーバの識別子を含めた第2の認証応答信号をアクセスルータ210aに送信する(図5のa7)。当該認証応答信号には、移動端末300に関連した設定情報を格納するようにしても良い。この設定情報は、例えば、認証処理の後、MIPや、PMIP処理を行う上で必要となる鍵情報等である。
次に、アクセスルータa210は、第2の認証応答信号を受信すると、割当てられた移動管理サーバ110のアドレスを記録し、第1の認証要求信号への応答となる第2の認証応答信号を移動端末300に送信する(図5のa8)。
最後に、移動端末300に割当てられた移動管理サーバ110aと、アクセスルータ210aと、移動端末300との間で移動管理用の信号(位置登録要求信号/位置登録応答信号)がやり取りされ、移動端末300と移動管理サーバ110aとの間、あるいはアクセスルータ210aと移動管理サーバ110aとの間にトンネルが確立される(図5のa9)。
この結果、移動端末300は、最適な移動管理サーバ110aを経由した通信が可能となる。
このように、本実施の形態では、一般的なルーティングプロトコルによって作成されたルーティングテーブルを利用して、移動端末300が接続したアクセスネットワーク200aに、ネットワークトポロジ的に最も近い移動管理サーバ110aを決定できるよう構成しているため、アクセスネットワーク200aのオペレータに対して特別な機能を要求することなく、最適な移動管理サーバ110aを移動端末300に割当てることができる。
つまり、本実施の形態では、ルータが備える一般的なルーティングプトロコルにより形成されたルーティングテーブルを利用して最適な移動管理サーバを割当てるよう構成しているため、アクセスネットワークに属するノードや、ノードに至る経路に存在するルータに追加的な負荷をかけることなく、またノードに特殊な機能を要求することなく、移動端末に対してネットワークトポロジや負荷の観点で最適な移動管理サーバを割り当てることが可能となる。
図7は本発明の第2の実施の形態による移動通信システムの構成例を示すブロック図である。図7において、本発明の第2の実施の形態による移動通信システムの基本的構成は、図1に示す本発明の第1の実施の形態の構成とほとんど同じであるが、移動管理サーバ110及び割当処理サーバ120についてさらに工夫し、それぞれ移動管理サーバ110’、割当処理サーバ120’としている。
本発明の第1の実施の形態では、移動端末が接続したアクセスネットワークに最も近いという観点でのみ、移動端末に割当てる移動管理サーバを決定しているが、本発明の第2の実施の形態では、さらに移動管理サーバの負荷を考慮した上で最適な移動管理サーバを割当てることが可能となる。
本発明の第1の実施の形態による移動管理サーバ110は、例えばRFC3344(非特許文献1)やRFC3775(非特許文献2)に記載されたHAや、“draft−ietf−netlmm−proxymip6”(非特許文献3)に記載されたLMAに相当する機能を備えた一般的な移動管理サーバである。しかしながら、本発明の第2の実施の形態では、移動管理サーバ110’に本発明の特徴となる要素を含む。
図8は図7の移動管理サーバ110’の構成例を示すブロック図である。図8において、本発明の第2の実施の形態による移動管理サーバ110’は、移動管理部111と、割当抑制量計算部112と、割当抑制量変換部113と、経路広告部114とによって構成されている。
移動管理部111は、本発明の第1の実施の形態の移動管理サーバ110と同等な機能を備える。すなわち、移動管理部111は、一般的な移動管理サーバとしての機能を備える。
割当抑制量計算部112は、移動管理サーバ110’の現在のデータトラフィック量や収容している移動端末の数等のいずれか、あるいは複数の要素から算出した負荷や、それ以外の割当抑制要素によって割当抑制量を計算する機能を備える。負荷以外の割当抑制要素とは、例えばメンテナンス等の理由によって新たに移動端末を収容することを回避するといった管理的な要素が考えられる。
割当抑制量変換部113は、割当抑制量計算部112で算出した割当抑制量を一般的なルーティングプロトコルにおける経路のメトリック(ルーティングプロトコルによってはコストと呼称される)に変換した後に、これを経路広告部114に通知する機能を備える。
ルーティングプロトコルとして、OSPFを適用した場合には、例えば、
M=INT(100000*(現在の移動端末収容数/当該移動管理サーバの最大移動端末収容数)^3)+1 ・・・(1)
という式によって割当抑制量をメトリックに変換できる。(1)式において、INT(x)は、xの整数を返す関数であり、Mは算出されたメトリックである。(1)式は、移動管理サーバの移動端末収容数のみを考慮した変換式であるが、別の要素を考慮した方法によってメトリックに変換することとしても構わない。
経路広告部114は、割当抑制量変換部113で算出したメトリックMと、各移動管理サーバ110’(移動管理サーバ110’a,移動管理サーバ110’b,移動管理サーバ110’c,・・・)に対して固有に割当てた擬似アドレス(それぞれ、Pseudo_addr_a,Pseudo_addr_b,Pseudo_addr_cとする)とを使って経路情報を更新するためのパケットを構成し、移動管理サーバ110’が接続している各ルータ140に広告する機能を備える。
経路情報を更新するためのパケットは、OSPFの場合、Link−state Updateパケットに相当する。さらに、Link−State UpdateパケットのLS Typeフィールドには1(Router−LSA)が設定される。
そして、Route−LSAの中のTypeフィールドには4(スタブネットワークへの接続)を、Link IDフィールドには擬似アドレス(例えば、移動管理サーバ110’aの場合、Pseudo_addr_a)を、Link DataフィールドにはサブネットとしてAll 1を、Tosフィールドには0を、metricフィールドには割当抑制量変換部113で算出したメトリックMをそれぞれ設定する。
ここでは、ルーティングプロトコルとしてOSPFを適用した場合の例を示しているが、同様の効果が得られるのであれば、他の設定としても構わないし、OSPF以外のルーティングプロトコルとしても構わない。OSPFを適用した場合であっても、各フィールドの値はここで例示した値以外としても構わない。
本発明の第2の実施の形態による割当処理サーバ120’は、本発明の第1の実施の形態による割当処理サーバ120と比較して、経路取得部122と、サーバ決定部123と、経路交換部125とにおける処理が異なり、さらに、経路蓄積装置126と、サーバ情報蓄積装置124とに記録される情報が異なる。
図9は図7の割当処理サーバ120’の構成例を示すブロック図であり、図10は本発明の第2の実施の形態による経路表の構成例を示す図であり、図11は本発明の第2の実施の形態による移動管理サーバ情報テーブルの構成例を示す図である。
図9においては、それぞれ、本発明の第1の実施の形態における同一名称の手段と区別するために、経路取得部122’、サーバ決定部123’、経路交換部125’、サーバ情報蓄積装置124’、経路蓄積装置126’と表記している。それ以外の構成は、本発明の第1の実施の形態による割当処理サーバ120の構成と同じである。
まず、経路交換部125’は、本発明の第1の実施の形態による経路交換部125と異なり、一般的なルーティングプロトコルの処理と同じ処理とはならない。具体的には、経路交換部125’において、ルータ140から同一のネットワークアドレスへの経路情報を広告された場合でも、異なるルータからの広告であった場合には既に保持している経路情報を上書きしない。尚、一般的なルーティングプロトコルの処理では、同一ネットワークアドレスへの経路情報は上書きされ、ベストルート(ベストルートは、基本的に最も小さいメトリックとなる経路である)だけがルーティングテーブルに残される。
経路蓄積装置126‘は、経路交換部125’によって更新されたルーティングテーブルが記録される。また、移動管理サーバ110’の経路広告部114’によって広告された擬似アドレスとメトックとを含む経路情報も、ルータ140を経由して割当処理サーバ120’に広告されるため、当該経路蓄積装置126’に記録される。
経路蓄積装置126’に記録されるルーティングテーブル(経路表)は、例えば図10に示すようになる。尚、図10のサブネットマスクのビットが1となる範囲で、検索対象とするネットワークアドレスと、当該ルーティングテーブルのネットワークアドレスとを比較し、一致した場合、ネットワークアドレスが同一であると判定する。
図10のAN_addr/8は、アクセスルータ210aが属するアクセスネットワーク200aのネットワークアドレスであり、Pseudo_addr_a/32,Pseudo_addr_b/32,Pseudo_addr_c/32はそれぞれ、移動管理サーバ110’a,移動管理サーバ110’b,移動管理サーバ110’cが広告した擬似アドレスである。図10に例示したルーティングテーブルは、IPv4を想定したものだが、当該ルーティングテーブルは、IPv6に適用したものであって良い。
サーバ情報蓄積装置124’には、図11に示すように、ルータアドレスと、当該ルータに対応付けられた移動管理サーバ識別子の情報とに加え、本実施の形態では、移動管理サーバ110’が通知する擬似アドレスの情報も記録されている点が本発明の第1の実施の形態によるサーバ情報蓄積装置124とは異なる。
経路取得部122’は、経路蓄積装置126’に蓄積された経路情報から、割当要求処理部121から取得したアクセスルータ210aのアドレス(ここでは、ARa_addrとする)とネットワークアドレスとが一致するエントリの中で、ロンゲストマッチによって最も近い経路を取得する。その際に、経路取得部122’は、割当処理サーバ120’が接続している各ルータ140(即ち、ルータ140a,ルータ140b,ルータ140c,・・・)が通知した全ての経路を取得し、そこから取得した次ホップのアドレスとメトリックの情報との組の1つないしは複数をサーバ決定部123’に渡す機能を備えている。この点は、本発明の第1の実施の形態による経路取得部122とは異なっている。
図10に示すルーティングテーブルを考慮した場合、ネットワークアドレスがANa_addr/8に当てはまる3つの経路が検索される。したがって、それぞれの次ホップのアドレスとメトリックとの組({Ra_addr、50},{Rb_addr、20},{Rc_addr、40})をアクセスネットワーク200までの第1の評価値情報としてサーバ決定部123’に渡す。
また、経路取得部122’は、検索できた経路情報のうち、次ホップとなるルータのアドレス(Ra_addr,Rb_addr,Rc_addr)を元に、サーバ情報蓄積装置124’を検索し、当該ルータのアドレスに対応付けられた擬似アドレスを取得する。
図11に示す移動管理サーバ情報テーブルを考慮すると、Pseudo_addr_a,Pseudo_addr_b,Pseudo_addr_cが取得されることになる。
さらに、経路取得部122’は、取得した擬似アドレスに適合する経路情報を経路蓄積装置126’から検索し、見つかった経路の次ホップのアドレスとメトリックとの組を第2の評価値情報としてサーバ決定部123’に渡す機能を備える。
ここでの例では、Pseudo_addr_a/32,Pseudo_addr_b/32,Pseudo_addr_c/32が図10に示すルーティングテーブルから検索され、結果として各アドレスに適合する経路が見つかる。この経路情報から次ホップのアドレスとメトリックとの組の情報({Ra_addr、20},{Rb_addr、100},{Rc_addr、40})が取得され、サーバ決定部123’に渡される。
サーバ決定部123’は、移動端末300が接続したアクセスネットワークまでの距離だけでなく、移動管理サーバの負荷等の割当抑制量も鑑みた移動管理サーバの割当てを行う機能を備える点が本発明の第1の実施の形態によるサーバ決定部123とは異なる。
これを実現するため、サーバ決定部123’は、経路取得部122’から取得した、アクセスネットワーク200までの距離的なコストを示すメトリックを第1の評価値情報から抽出し、また、移動管理サーバ110’の負荷的なコストを示すメトリックを第2の評価値情報から抽出する機能を備える。
また、サーバ決定部123’は、このようにして得た2種のメトリックを使って、下記の(2)式によって移動管理サーバ110’のコストを計算する機能を備える。
HA_Cost(Rx_addr)
=α・Dist_Metric(Rx_addr)
+β・Load_Metric(Rx_addr) ・・・(2)
ここで、(2)式において、Rx_addrは、各ルータ140を区別するためのインデックスである。HA_Cost()、Dist_Metric()、Load_Metric()はそれぞれ、各ルータアドレスに対応付けられた移動管理サーバのコスト、アクセスネットワークまでの距離を示すメトリック、移動管理サーバの負荷を示すメトリックである。α及びβは共に0以上の実数である。
また、サーバ決定部123’は、全てのルータアドレスについて(2)式を計算し、算出された各移動管理サーバ110’のコストのうち、最も小さいものを最適な移動管理サーバとして決定する機能を備える。
さらに、サーバ決定部123’は、最適な移動管理サーバを算出した際に使用したルータアドレスに対応した移動管理サーバの識別子をサーバ情報蓄積装置124’を検索することで取得し、当該移動管理サーバの識別子を割当要求処理部121に通知する機能を備える。
図12は図7の移動管理サーバ110’の処理を示すフローチャートである。この図12を参照して移動管理サーバ110’の処理の流れについて説明する。
初めに、移動管理サーバ110’は、所定の待ち時間が経過したかどうかを評価する(図12ステップS11)。移動管理サーバ110’は、所定の待ち時間が経過していない場合、この処理を繰り返し続ける。この待ち時間は、事前に設定した時間を固定的に使用しても良いし、移動管理サーバ110’の状態が変化した場合に動的に設定される時間であっても良い。
移動管理サーバ110’は、所定の待ち時間が経過した場合、割当抑制量計算部112の作用によって割当抑制量を計算し(図12ステップS12)、割当抑制量変換部113の作用によって割当抑制量を一般的なルーティングプロトコルで用いられるメトリックに変換する(図12ステップS13)。
最後に、移動管理サーバ110’は、経路広告部114の作用によって擬似アドレスとメトリックの情報とを一般的なルーティングプロトコルで用いられる経路広告用のパケットに格納し、各ルータ140に広告する(図12ステップS14)。
図13は図7の割当処理サーバ120’による移動管理サーバ割当て処理を示すフローチャートである。本発明の第2の実施の形態による移動通信システムにおける移動管理サーバ割当処理の全体的な流れは、図5と同様となる。したがって、ここでは、本発明の第1の実施の形態とは処理が異なる移動管理サーバ割当て処理のみについて説明する。本発明の第2の実施の形態では、この移動管理サーバ割当て処理は割当処理サーバ120’が担う。
以下、図13を参照して割当処理サーバ120’の処理の流れについて説明する。尚、図13に示す処理は、割当処理サーバ120’の主たる構成要素であるコンピュータ(例えば、CPU)(図示せず)がプログラムを実行することで実現される。
初めに、割当処理サーバ120’は、移動管理サーバ割当要求信号を待つ動作となる(図13ステップS21)。割当処理サーバ120’は、移動管理サーバ割当要求信号を受信しない場合、移動管理サーバ割当要求信号を受信するまで待ち続ける。
一方、割当処理サーバ120’は、移動管理サーバ割当要求信号を受信した場合、受信した移動管理サーバ割当要求信号からアクセスネットワークを特定可能なネットワークアドレス、あるいはホストアドレスを取得する(図13ステップS22)。ここでは、割当処理サーバ120’がアクセスルータ210aのアドレスを取得したものとする。
次に、割当処理サーバ120’は、経路蓄積装置126’に蓄積された経路情報を使って、ステップS22で取得したアクセスルータ210aのアドレスに適合する経路を検索する(図13ステップS23)。適合する経路の検索方法は、一般的なルータが受信パケットの宛先アドレスに適合する経路をルーティングテーブルから検索する方法と同じとする。
但し、本発明の第2の実施の形態においては、経路情報の通知元となるルータ140毎に適合する経路を検索する。さらに、ここで検索された全ての経路情報から、次ホップのアドレスとメトリックの情報の組を取得し、これを第1の評価値情報としてサーバ決定部123’に出力する。
次に、割当処理サーバ120’は、サーバ情報蓄積装置125’に記録された移動管理サーバ情報テーブル(図11参照)から、ステップS23で取得した次ホップのアドレスに一致するルータアドレスとなるエントリを検索し、見つかったエントリの擬似アドレスを取得する(図13ステップS24)。この検索は、ステップS23で取得した全ての次ホップのアドレスに対して行う。
続いて、割当処理サーバ120’は、ステップS24で取得した擬似アドレスに一致する経路を経路蓄積装置126’から検索する(図13ステップS25)。さらに、割当処理サーバ120’は、見つかった経路情報から次ホップのアドレスとメトリックとの組を取得し、これを第2の評価値情報としてサーバ決定部123’に出力する。
次に、割当処理サーバ120’は、ステップS23で取得した次ホップのアドレスとメトリックとの組(第1の評価値情報)と、ステップS25で取得した次ホップのアドレスとメトリックとの組(第2の評価値情報)とを元に、最適な移動管理サーバを決定し、当該移動管理サーバの識別子を割当要求処理部121に渡す(図13ステップS26)。最適な移動管理サーバを決定するための詳細な処理内容は、サーバ決定部123’の機能説明の箇所に記述した通りである。
最後に、割当処理サーバ120’は、割当要求処理部121の作用によって、ステップS26で取得した移動管理サーバの識別子を移動管理サーバ割当応答信号に格納した上で認証サーバ130に送信する(図13ステップS27)。
このように、本実施の形態では、移動端末300に対して最適な移動管理サーバを割当てるにあたって、移動端末が接続したアクセスネットワークと移動管理サーバとの距離のみならず、移動管理サーバの負荷等の割当て抑制量を考慮するよう構成されているため、移動端末に近くとも負荷が大きな移動管理サーバの割当てを回避する等、本発明の第1の実施の形態よりも的確な移動管理サーバ割当てが可能になるという効果が得られる。
この際、移動管理サーバの負荷情報をルーティングプロトコルで使用するメトリックに変換してルーティングプロトコルの形式で広告する方法としたことで、移動管理サーバは、割当処理サーバ120’のアドレスを意識する必要がなく、配備時の設定やその後のメンテナンスが容易となる効果も得られる。
つまり、本発明の第2の実施の形態では、移動管理サーバが負荷等の割当抑制量をルーティングプロトコルで使用されるメトリックに変換してルーティングプロトコルの形式で広告するよう構成したことで、この情報がルータを経由して割当処理サーバに伝達され、割当処理サーバが割当抑制量を反映したメトリックを移動管理サーバ割当決定処理に使用できるようにしたため、ネットワークトポロジに加え、さらに、移動管理サーバの負荷等の割当てを抑制すべき要素も考慮にいれた移動管理サーバ割当てが可能となる。
本発明は、複数の移動管理サーバがネットワーク的に広範囲に配置され、同様に広範囲に渡って複数のアクセスネットワークが存在し、移動端末がそのいずれかのアクセスネットワークに接続した際に、最適な移動管理サーバを割当てる場合に適用することができる。
特に、本発明は、コアネットワークとアクセスネットワークとが異なるオペレータによって管理されているか、あるいはそれぞれのネットワークに配備されたノードが異なるベンダによって提供されたものである場合に適用するのが好適である。具体的には、WiMAX Forum(登録商標)や、3GPP、3PPP2で標準化が進められている移動通信システムに適用することができる。
本発明の第1の実施の形態による移動通信システムの構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態による割当処理サーバの構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態による移動管理サーバ情報テーブルの構成例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態によるアクセスルータの構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態による移動管理サーバ割当て処理を示すシーケンスチャートである。 図1の割当処理サーバによる移動管理サーバ割当て処理を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態による移動通信システムの構成例を示すブロック図である。 図7の移動管理サーバの構成例を示すブロック図である。 図7の割当処理サーバの構成例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態による経路表の構成例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態による移動管理サーバ情報テーブルの構成例を示す図である。 図7の移動管理サーバの処理を示すフローチャートである。 図7の割当処理サーバによる移動管理サーバ割当て処理を示すフローチャートである。 本発明に関連するサーバ選択装置の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
100 コアネットワーク
110,110’ 移動管理サーバ
111 移動管理部
112 割当抑制量計算部
113 割当抑制量変換部
114 経路広告部
120,120’ 割当処理サーバ
121 割当要求処理部
122,122’ 経路取得部
123,123’ サーバ決定部
124,124’ サーバ情報蓄積装置
125,125’ 経路交換部
126,126’ 経路蓄積装置
130 認証サーバ
140 ルータ
200 アクセスネットワーク
210 アクセスルータ
211 認証処理部
212 移動管理部
213 経路交換部
214 経路蓄積装置
220 無線基地局
300 移動端末

Claims (18)

  1. 分散配備された複数の移動管理サーバの中から移動端末に割当てる移動管理サーバを決定する移動通信システムであって、
    前記移動端末の接続したネットワークに属するアドレスあるいはネットワークアドレス情報を基に、所定のルーティングプロトコルの信号を受信することで生成したルーティングテーブルを検索し、検索された経路情報を使用することで前記移動管理サーバの決定を行うことを特徴とする移動通信システム。
  2. 分散配備された複数の移動管理サーバの中から移動端末に割当てる移動管理サーバを決定する移動通信システムであって、
    前記移動端末の接続したネットワークに属するアドレスあるいはネットワークアドレス情報を基に、所定のルーティングプロトコルの信号を受信することで生成したルーティングテーブルを検索し、検索された経路情報の次ホップのアドレスを、ルータのアドレスと前記ルータに接続された移動管理サーバの識別子とを対応付けたテーブルから検索し、その検索で一致したルータアドレスに対応する移動管理サーバを前記移動端末に割当てる移動管理サーバに決定することを特徴とする移動通信システム。
  3. 前記移動管理サーバの負荷量を少なくとも含み、当該移動管理サーバを割当対象とするのを抑制するための評価値を、前記ルーティングプロトコルにおいて経路のコストを示すメトリックに変換し、当該メトリックと共に、さらに前記移動管理サーバのインタフェースに割当てたアドレスあるいは前記移動管理サーバに対応させた擬似的なアドレスを、前記ルーティングプロトコルの経路更新用のパケット形式として周辺のルータに広告することで前記経路情報を広告することを特徴とする請求項1または請求項2記載の起動通信システム。
  4. 前記ルーティングテーブルを生成する際に、前記経路情報の通知元となるルータが異なる経路を区別することで同じネットワークアドレス宛の複数の経路情報を保持するように当該ルーティングテーブルを形成することを特徴する請求項1から請求項3のいずれか記載の移動通信システム。
  5. 前記移動端末の接続したネットワークに属するアドレスを検索する際に、請求項4記載のルーティングテーブルでありかつ請求項3記載の移動管理サーバが広告したアドレスとメトリックの情報とを含む経路情報が追加されたルーティングテーブルを検索することで、前記アドレスに適合する全ての経路情報を第1の経路情報として取得し、前記第1の経路情報のメトリックを前記移動管理サーバと前記移動端末とが接続したネットワークとの距離を示す第1のメトリックとし、
    前記割当候補とする移動管理サーバが通知した擬似的なアドレスを前記ルーティングテーブルから検索することで適合する経路情報を第2の経路情報として取得し、前記第2の経路情報のメトリックを前記移動管理サーバの負荷量を示す第2のメトリックとし、
    前記第1の経路情報及び前記第2の経路情報の次ホップのアドレスが一致するもの同士で、前記第1のメトリックと前記第2のメトリックとをそれぞれ適切な定数を乗算した後に加算して第3のメトリックとして算出し、
    前記第3のメトリックを用いて前記移動端末に割当てる移動管理サーバを決定することを特徴とする請求項4記載の移動通信システム。
  6. 移動端末が接続したネットワークに属するアドレスあるいはネットワークアドレス情報を基に、所定のルーティングプロトコルの信号を受信することで生成したルーティングテーブルを検索し、検索された経路情報を使用することで前記移動端末に割当てる移動管理サーバの決定を行うことを特徴とする割当処理サーバ装置。
  7. 移動端末が接続したネットワークに属するアドレスあるいはネットワークアドレス情報を基に、所定のルーティングプロトコルの信号を受信することで生成したルーティングテーブルを検索し、検索された経路情報の次ホップのアドレスを、ルータのアドレスと前記ルータに接続された移動管理サーバの識別子とを対応付けたテーブルから検索し、その検索で一致したルータアドレスに対応する移動管理サーバを前記移動端末に割当てる移動管理サーバに決定することを特徴とする割当処理サーバ装置。
  8. 前記ルーティングテーブルを生成する際に、前記経路情報の通知元となるルータが異なる経路を区別することで同じネットワークアドレス宛の複数の経路情報を保持するように当該ルーティングテーブルを形成することを特徴する請求項6または請求項7記載の割当処理サーバ装置。
  9. 前記移動端末の接続したネットワークに属するアドレスを検索する際に、
    請求項8記載のルーティングテーブルであり、かつ自装置の負荷量を少なくとも含み、自装置を割当対象とするのを抑制するための評価値を、所定のルーティングプロトコルにおいて経路のコストを示すメトリックに変換し、当該メトリックと共に、さらに自装置のインタフェースに割当てたアドレスあるいは自装置に対応させた擬似的なアドレスを、前記所定のルーティングプロトコルの経路更新用のパケット形式として周辺のルータに広告する移動管理サーバが広告したアドレスとメトリックの情報とを含む経路情報が追加されたルーティングテーブルを検索することで、前記アドレスに適合する全ての経路情報を第1の経路情報として取得し、前記第1の経路情報のメトリックを前記移動管理サーバと前記移動端末が接続したネットワークとの距離を示す第1のメトリックとし、
    前記割当候補とする移動管理サーバが通知した擬似的なアドレスを前記ルーティングテーブルから検索することで適合する経路情報を第2の経路情報として取得し、前記第2の経路情報のメトリックを前記移動管理サーバの負荷量を示す第2のメトリックとし、
    前記第1の経路情報及び前記第2の経路情報の次ホップのアドレスが一致するもの同士で、前記第1のメトリックと前記第2のメトリックとをそれぞれ適切な定数を乗算した後に加算して第3のメトリックとして算出し、
    前記第3のメトリックを用いて前記移動端末に割当てる移動管理サーバを決定することを特徴とする請求項8記載の割当処理サーバ装置。
  10. 分散配備された複数の移動管理サーバの中から移動端末に割当てる移動管理サーバを決定する移動管理サーバ割当て方法であって、
    前記移動端末の接続したネットワークに属するアドレスあるいはネットワークアドレス情報を基に、所定のルーティングプロトコルの信号を受信することで生成したルーティングテーブルを検索し、検索された経路情報を使用することで前記移動管理サーバの決定を行うことを特徴とする移動管理サーバ割当て方法。
  11. 分散配備された複数の移動管理サーバの中から移動端末に割当てる移動管理サーバを決定する移動管理サーバ割当て方法であって、
    前記移動端末の接続したネットワークに属するアドレスあるいはネットワークアドレス情報を基に、所定のルーティングプロトコルの信号を受信することで生成したルーティングテーブルを検索し、検索された経路情報の次ホップのアドレスを、ルータのアドレスと前記ルータに接続された移動管理サーバの識別子とを対応付けたテーブルから検索し、一致したルータアドレスに対応する移動管理サーバを前記移動端末に割当てる移動管理サーバに決定することを特徴とする移動管理サーバ割当て方法。
  12. 前記移動管理サーバの負荷量を少なくとも含み、当該移動管理サーバを割当対象とするのを抑制するための評価値を、前記ルーティングプロトコルにおいて経路のコストを示すメトリックに変換し、当該メトリックと共に、さらに前記移動管理サーバのインタフェースに割当てたアドレスあるいは前記移動管理サーバに対応させた擬似的なアドレスを、前記ルーティングプロトコルの経路更新用のパケット形式として周辺のルータに広告することで前記経路情報を広告することを特徴とする請求項10または請求項11記載の移動管理サーバ割当て方法。
  13. 前記ルーティングテーブルを生成する際に、前記経路情報の通知元となるルータが異なる経路を区別することで同じネットワークアドレス宛の複数の経路情報を保持するように当該ルーティングテーブルを形成することを特徴する請求項10から請求項12のいずれか記載の移動管理サーバ割当て方法。
  14. 前記移動端末の接続したネットワークに属するアドレスを検索する際に、請求項13記載のルーティングテーブルでありかつ請求項12記載の移動管理サーバが広告したアドレスとメトリックの情報とを含む経路情報が追加されたルーティングテーブルを検索することで、前記アドレスに適合する全ての経路情報を第1の経路情報として取得し、前記第1の経路情報のメトリックを前記移動管理サーバと前記移動端末が接続したネットワークとの距離を示す第1のメトリックとし、
    前記割当候補とする移動管理サーバが通知した擬似的なアドレスを前記ルーティングテーブルから検索することで適合する経路情報を第2の経路情報として取得し、前記第2の経路情報のメトリックを移動管理サーバの負荷量を示す第2のメトリックとし、
    前記第1の経路情報及び前記第2の経路情報の次ホップのアドレスが一致するもの同士で、前記第1のメトリックと前記第2のメトリックとをそれぞれ適切な定数を乗算した後に加算して第3のメトリックとして算出し、
    前記第3のメトリックを用いて前記移動端末に割当てる移動管理サーバを決定することを特徴とする請求項13記載の移動管理サーバ割当て方法。
  15. 移動端末に割当てる移動管理サーバを決定する割当処理サーバ内のコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記移動端末が接続したネットワークに属するアドレスあるいはネットワークアドレス情報を基に、所定のルーティングプロトコルの信号を受信することで生成したルーティングテーブルを検索する処理と、その処理で検索された経路情報を使用することで前記移動管理サーバの決定を行う処理とを含むことを特徴とするプログラム。
  16. 移動端末に割当てる移動管理サーバを決定する割当処理サーバ内のコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記移動端末が接続したネットワークに属するアドレスあるいはネットワークアドレス情報を基に、所定のルーティングプロトコルの信号を受信することで生成したルーティングテーブルを検索する処理と、その処理で検索された経路情報の次ホップのアドレスを、ルータのアドレスと前記ルータに接続された移動管理サーバの識別子とを対応付けたテーブルから検索する処理と、その検索で一致したルータアドレスに対応する移動管理サーバを前記移動端末に割当てる移動管理サーバに決定する処理とを含むことを特徴とするプログラム。
  17. 前記ルーティングテーブルを生成する際に、前記経路情報の通知元となるルータが異なる経路を区別することで同じネットワークアドレス宛の複数の経路情報を保持するように当該ルーティングテーブルを形成することを特徴する請求項15または請求項16記載のプログラム。
  18. 前記移動端末の接続したネットワークに属するアドレスを検索する際に、
    請求項17記載のルーティングテーブルであり、かつ自装置の負荷量を少なくとも含み、自装置を割当対象とするのを抑制するための評価値を、所定のルーティングプロトコルにおいて経路のコストを示すメトリックに変換し、当該メトリックと共に、さらに自装置のインタフェースに割当てたアドレスあるいは自装置に対応させた擬似的なアドレスを、前記所定のルーティングプロトコルの経路更新用のパケット形式として周辺のルータに広告する移動管理サーバが広告したアドレスとメトリックの情報とを含む経路情報が追加されたルーティングテーブルを検索することで、前記アドレスに適合する全ての経路情報を第1の経路情報として取得し、前記第1の経路情報のメトリックを前記移動管理サーバと前記移動端末が接続したネットワークとの距離を示す第1のメトリックとし、
    前記割当候補とする移動管理サーバが通知した擬似的なアドレスを前記ルーティングテーブルから検索することで適合する経路情報を第2の経路情報として取得し、前記第2の経路情報のメトリックを前記移動管理サーバの負荷量を示す第2のメトリックとし、
    前記第1の経路情報及び前記第2の経路情報の次ホップのアドレスが一致するもの同士で、前記第1のメトリックと前記第2のメトリックとをそれぞれ適切な定数を乗算した後に加算して第3のメトリックとして算出し、
    前記第3のメトリックを用いて前記移動端末に割当てる移動管理サーバを決定することを特徴とする請求項17記載のプログラム。
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