JP2009218961A - 色変換出力装置、色変換出力方法、色変換出力プログラム、色変換テーブル、色変換テーブル記録媒体並びに色変換集積回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の色域圧縮あるいは色域拡張は、所定の色空間内での色度点のシフトや変更で圧縮や拡張を行うため、空間内で色データの分布に偏りや不連続性が生じる。
【解決手段】本発明の色変換出力装置は、色域圧縮では、第一の色域の色データを入力する色入力部10と、第一の色域の色データを第二の色域内の色データとして圧縮クリッピングする色マッピング部11と、圧縮クリッピングした色データと第一の色域の色データを合成する色合成部12と、合成した色データを第二の色域のデバイスに出力する色出力部13とを備える。また色域拡張では、第一の色域の色データを入力する色入力部10と、第一の色域の色データを第二の色域内での色データとして色度保存マッピングする色マッピング部11と、色度保存マッピングした色データと第一の色域の色データを合成する色合成部12と、合成した色データを第二の色域のデバイスに出力する色出力部13とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の色変換出力装置は、色域圧縮では、第一の色域の色データを入力する色入力部10と、第一の色域の色データを第二の色域内の色データとして圧縮クリッピングする色マッピング部11と、圧縮クリッピングした色データと第一の色域の色データを合成する色合成部12と、合成した色データを第二の色域のデバイスに出力する色出力部13とを備える。また色域拡張では、第一の色域の色データを入力する色入力部10と、第一の色域の色データを第二の色域内での色データとして色度保存マッピングする色マッピング部11と、色度保存マッピングした色データと第一の色域の色データを合成する色合成部12と、合成した色データを第二の色域のデバイスに出力する色出力部13とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、異なる色域デバイス間において自然な色再現を実現するための色変換出力装置、色変換出力方法、色変換出力プログラム、色変換テーブル、色変換テーブル記録媒体並びに色変換集積回路に関するものである。
異種デバイス、異種メディア間で色再現を実現するためには、入出力デバイスの色域の違いを補正する必要があり、この技術のことを色域変換あるいは色域圧縮拡張と呼ぶ。
例えば画像表示を行う表示出力デバイスとしてはCRT(Cathode Ray Tube)、PDP(Plasma Display Panel)、LCD(Liquid Crystal Display)、プロジェクターなどのパネルなどが存在する。これらはそれぞれが再現可能な色域として異なる色域を有している。
このように再現可能な色域はデバイスによって異なるため、例えば或る画像信号を或る表示出力デバイスで表示させる際には、画像信号をその表示出力デバイスに応じた色域に補正することが必要である。
色域の違いを補正するためには、R、G、Bに代表される各々のデバイス、メディア固有の信号値を、例えばCIE(Commission Internationale de l’Eclairage:国際照明委員会)によるXYZ、L*a*b*、L*u*v*などの色空間等のデバイス非依存の表色系に変換し、そのデバイス非依存表色系において圧縮拡張を行うことが一般的である。
ところで、色域圧縮の方法としては、大きくコンプレッションとクリッピングに分けられる。
コンプレッションとは、すべての色を圧縮する方法である。すなわち第一の色域から第二の色域への圧縮をする場合、第一の色域内の全ての色を圧縮して、その全ての色が第二の色域に含まれるように色変換を行うものである(例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。
なお、圧縮には色域内外の色を線形に圧縮する方法や、色の彩度が大きいほど圧縮率を大きくする非線形な圧縮方法がある。また、色相、彩度あるいは明度によって圧縮の割合を変えたり、色を維持する領域と色を維持しない領域に分割しそれぞれ異なる変換直線により彩度を圧縮する方法などが開示されている(例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7参照)。
一方、クリッピングでは、第一の色域の色の内、第2の色域に含まれる色、即ち再現先のデバイスで忠実に再現できる色は忠実に再現し(圧縮しない)、再現不可能な色、つまり再現先デバイスの色域に含まれない色のみ圧縮するという方法である(例えば、特許文献8参照)。
なお、クリッピングには、色域で再現できない色域外の色を、色差が最小になるような方向へ圧縮して再現する方法や明度あるいは彩度が最短の色を選択するなどの方法が開示されている(例えば、特許文献9、特許文献10参照)。
また、色域の拡張については、例えば、入力された画像の出力側色再現範囲が表色系の値において入力側色再現範囲より広いときに、入出力側の色再現範囲の比に応じて入力側色再現範囲が拡大するように、入力された画像の表色系の値を拡大写像し出力する方法(例えば、特許文献11参照)や、拡張方法として色座標を線形拡張式により輝度(L*)及び彩度(C*)の色属性で拡張して変換しデバイスの色域外に外れないように制御する方法などが開示されている(例えば、特許文献12参照)。
特開昭60−105376号公報
特開昭61−288690号公報
特開昭63−254889号公報
特開平06−255130号公報
特開昭61−288662号公報
特開平07−220067号公報
特開2003−283846号公報
特開昭63−195777号公報
特開平04−040072号公報
特開2000−278546号公報
特開平03−158075号公報
特開2003−153027号公報
上記で示したように色域の変換とりわけ色域の圧縮方法は、大きくコンプレッションとクリッピングに分けられる。しかしこれら方法にはそれぞれ長所と短所がある。
コンプレッションの場合、各色について相対的な色の関係が変わらないこと、及び階調表現が保たれるという長所がある。ところがその一方で、第二の色域である再現先のデバイスでも忠実に再現可能であった色、つまり圧縮する必要がない色まで圧縮してしまい第一の色域の色味とかなり違って見えたりする。また、非線形な圧縮では滑らかに色が変化する部分で疑似輪郭や疑似階調が現れたりするといった短所がある。
一方、クリッピングの場合、再現可能な色を忠実に再現するという長所がある。しかし、多くの色域外色の圧縮後の色が同じ色になってしまうため、色調の連続性が劣化し階調表現に劣るといった短所がある。
なお色域拡張についても、上記圧縮と同様な短所と長所がある。例えば、赤や緑で色域を大きく拡張すると、肌色や芝生などの色味が変わってしまい人に違和感を与える。
ところで、これら従来の色域変換はいずれもある色空間、例えば、XYZあるいはL*a*b*といった空間で、第一の色データの色度点を第二の色データの色度点へどのようにシフトあるいは変更するかを扱ったものである。このためシフトや変更によってどうしても色空間内の色データの分布に偏りや不連続性が生じてしまう可能性があった。
本発明は、前記課題を解決するものであって、第一の色データの色度点を第二の色データの色度点へただシフトあるいは変更するだけでなく、第一の色データから色味を変えたくない色データと圧縮や拡張によってできるだけ第二の色域、例えば出力デバイスの色域へ再現したい色データとを設定し、それら2つの色データを適度に合成(ブレンド)する。これによって、設定された2つの色データのどちらか一方が色度点のシフトや変更によって色空間内で分布に偏りや不連続がたとえあったとしてももう一方の色データで緩和され、色の偏りや不連続性を解消すると共に相対的な色関係を変えずに色域変換できる色変換出力装置、色変換出力方法、色変換出力プログラム、色変換テーブル、色変換テーブル記録媒体並びに色変換集積回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、まず、色域圧縮については、本発明における色変換出力装置は、第一の色域の色データを第一の色域よりも狭い第二の色域の色データへ変換し第二の色域のデバイスへ出力する色変換出力装置であって、第一の色域の色データを入力する手段と、第一の色域の色データを第二の色域内の色データとして圧縮マッピングする手段と、圧縮マッピングした色データと第一の色域の色データを合成する手段と、合成した色データを第二の色域のデバイスに出力する手段とを備えたこと特徴とする。なお、上記マッピングする手段は、第一の色域の色データを一旦デバイスに依存しない色空間であるデバイス非依存型色空間のデータに変換する手段と、色空間変換されたデバイス非依存型色空間のデータが第二の色域内にあるときは圧縮せずにそのままのデータで第二の色域外にあるときは第二の色域境界のデータに圧縮する手段と、圧縮したデータを第二の色域のデバイスに依存した色空間に逆変換する手段とを備える。また、上記合成する手段は、色相、彩度および明度によって上記マッピングした色データと第一の色域の色データを合成する比率が異なり、第一の色域の色データの彩度または明度が高くなるにつれ第一の色域の色データを合成する比率を高くする、また第一の色域の色データが肌色など特定の色範囲にある場合、上記マッピングした色データと第一の色域の色データを合成する比率を所定の値に設定にすることを特徴とする。
次に、色域拡張については、本発明における色変換出力装置は、第一の色域の色データを第一の色域よりも広い第二の色域の色データへ変換し第二の色域のデバイスへ出力する色変換出力装置であって、第一の色域の色データを入力する手段と、第一の色域の色データを第二の色域内の色データとしてマッピングする手段と、マッピングした色データと第一の色域の色データを合成する手段と、合成した色データを第二の色域のデバイスに出力する手段とを備えたこと特徴とする。なお、上記マッピングする手段は、第一の色域の色データを一旦デバイスに依存しない色空間であるデバイス非依存型色空間のデータに変換する手段と、色空間変換されたデバイス非依存型色空間のデータをそのまま色域変位させずに第二の色域内での色データとし、第二の色域のデバイスに依存した色空間に逆変換する手段とを備える。また、上記合成する手段は、色相、彩度および明度によって上記マッピングした色データと第一の色域の色データを合成する比率が異なり、第一の色域の色データの彩度または明度が高くなるにつれ第一の色域の色データを合成する比率を高くする、また第一の色域の色データが肌色など特定の色範囲にある場合、上記マッピングした色データと第一の色域の色データを合成する比率を所定の値に設定にすることを特徴とする。
なお、本発明は、このような色変換出力装置として実現できるだけでなく、色変換出力装置に含まれる特徴的な手段をステップとする色変換出力方法として実現したり、そのような特徴的なステップをコンピュータに実行させる色変換出力プログラムとして実現したりすることもできる。
さらに、本発明は、色変換出力装置と同等の入出力特性を実現するために参照される色変換テーブルとして実現したり、色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成装置として実現したり、色変換テーブル作成装置に含まれる特徴的な手段をステップとする色変換テーブル作成方法として実現したり、そのような特徴的なステップをコンピュータに実行させる色変換テーブル作成プログラムとして実現したりすることもできる。
そして、そのような色変換出力プログラム、色変換テーブル、及び色変換テーブル作成プログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。また、本発明は、色変換テーブルが記録された色変換テーブル記録媒体に基づき色変換処理をする色変換集積回路として実現できる。
以上のように、本発明に係る色変換出力装置、色変換出力方法、色変換出力プログラム、色変換テーブル並びに色変換テーブル記録媒体によれば、入力された色データを異なる色域のデバイスへ色域圧縮ないしは色域拡張して出力する際に、入力色データを2つの異なる色域データ、すなわち入力色データの色味を維持したい色データと出力デバイスの色域で再現したい色データとを設定し、それら2つの異なる色データを色相、彩度および明度によって適度に合成すことによって、出力デバイスの色域内で相対的な色関係を変えることなく、肌色などの色味も変えずに色階調の連続性を維持できるので自然な色変換が可能である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態における色変換出力装置の基本的な構成を示すブロック図である。この色変換出力装置は、ビデオ、写真などの画像データをRGBなどの色データとして入力する色入力部10と、入力された色データを所定の色域にマッピングする色マッピング部11と、マッピングされた色データと色入力部10から直接供給される色データとを所定の比率で合成する色合成部12と、合成された色データをデスプレイやプリンターなどの色を発生するデバイスへ出力する色出力部13とから構成されている。
但し、上記色マッピング部11は上記色変換が色域圧縮に係わるものかあるいは色域拡張に係わるものかでそのマッピングの仕方は異なる。
色域圧縮、すなわち色入力部10で入力された色データの色域が色出力部13の出力デバイスの色域よりも広い場合、色マッピング部11は入力色データを出力デバイスの色域内の色データとして圧縮マッピングする。
他方、色域拡張、すなわち色入力部10で入力された色データの色域が色出力部13の出力デバイスの色域よりも狭い場合、色マッピング部11は入力色データを出力デバイスの色域内での色データとしてマッピングする。
まず、色域圧縮、すなわち色入力部10で入力された色データの色域が色出力部13で出力される色データの色域よりも広い場合について説明する。例えば、Adobe(登録商標)で撮影された写真をsRGB(standard RGB)のデスプレイへ出力する場合やNTSC(National Television Standards Committee)の映像信号をBT.709のデスプレイへ表示する場合、図2に示すようにAdobeやNTSCの色域はsRGBやBT.709の色域よりも広いため、色域を圧縮する必要がある。
色入力部10は、入ってくる画像データをRGBのリニア(線形)な色データとして入力する。例えば、AdobeRGBやsRGBのガンマ(γ)は0.45なので、入ってきたRGBの色データをレベル幅(8bitでは255)で除算して正規化(0.0〜1.0の値に)後、逆γの2.2をベキ乗することでリニア(線形)な値にする。なお、入ってくるデータがRGBのデータでない場合、例えば輝度データと色差データからなる画像データの場合、RGBデータへ一旦色変換する必要がある。色入力部10の色データは、色マッピング部11と色合成部12へ供給される。
色マッピング部11は、色入力部10から供給された色データを出力色データの色域内の色データとして圧縮マッピングする。圧縮マッピングは、色入力部10から供給されたRGBの色データを一旦デバイスに依存しない色空間であるデバイス非依存型色空間、例えばCIEのXYZの色度値に変換し、出力デバイスの色域内の色度値に圧縮した後、元のRGBの色データへ逆変換する。
例えば、入力色データがAdobeRGBのRGBデータの場合、RGBからXYZへの変換は式(1)で、出力デバイスがsRGBのデスプレイの場合、XYZからRGBへの変換は式(2)である。
なお、圧縮マッピングとして本実施例では、基本的に上記で説明したクリッピングを用いる。クリッピングによる色域圧縮は、出力デバイスの色域内で再現可能な色を忠実に再現できるという長所がある。肌色など色味が変わると人に違和感を与える色は入力色データの色度点をできるだけ変位させないようにする必要がある。また、肌色などそれほど彩度が高くない色の範囲は出力デバイスの色域内で再現可能な、しかも入力色データの色度点(例えば、XYZのような色度値で示される点)をそのまま再現するクリッピング圧縮が適する。
最も単純なクリッピング圧縮は、例えば、AdobeRGBの色域からsRGBの色域へ変換する際に、上記式(2)でR、GまたはBの値が0以下になった場合その値を0に、1以上の場合は1にすることである。なお、クリッピングについては、色域で再現できない色域外の色を、色差が最小になるような方向へ圧縮する方法や、明度あるいは彩度が最短の色を選択するなどしてもよい。この場合、XYZ値から式(3)および式(4)でL*a*b*空間の色度値に変換し明度(L)、彩度(C)、色相(H)を求め、それら値から色差、明度あるいは彩度をもとにクリッピングする。なお、式(3)のXn、Yn、Znは、光源の3刺激値であり、例えば標準イルミナントD65の場合は(Xn、Yn、Zn)=(95.04、100.00、108.89)である。
色合成部12は、色入力部10からの入力色データ(RGB)と上記色マッピング部11で圧縮マッピングされた入力色データ(R’G’B’)を合成する。
合成は、肌色など色味が変わると人に違和感を生じる色はできるだけ圧縮クリッピングされた入力色データ(R’G’B’)の比率が高くなるように、逆に出力デバイスの色域境界およびその近傍の色は入力色データ(RGB)の比率が高くなるようにする。
具体的な合成方法としては、例えば、まず、色入力部10からの入力色データ(RGB)から色相(H)、彩度(S)および明度(V)を算出する。例えば、下記の式(5)あるいは上記式(3)と式(4)を用いる。
式(5)においてMAX、MINはそれぞれRGB値の最大値および最小値である。
次に、肌色など色味をできるだけ変えたくない色範囲(以下、保存色範囲と呼ぶ)と、そうでない、すなわち圧縮したい色範囲(以下、圧縮色範囲)を色相(H)、彩度(S)および明度(V)で分け、またその色相(H)、彩度(S)および明度(V)の値によって色入力部10からの入力色データ(RGB)と上記圧縮マッピングされた入力色データ(R’G’B’)との合成比率を変えて合成する。
合成比率をrで表しその範囲を0.0〜1.0で示すとした場合、r=1.0は色入力部10からの入力色データ(RGB)の値が100%のときで、r=0.0は圧縮マッピングされた入力色データ(R’G’B’)の値が100%のときである。従ってその間のr値は、色入力部10からの入力色データ(RGB)と圧縮マッピングされた入力色データ(R’G’B’)とを合成したもので、(RGB)にrを(R’G’B’)に1−rを乗算して足し合わせたものになる。
但し、上記合成比率rは色相(H)、彩度(S)および明度(V)によって異なる。例えば、AdobeRGBの色域からsRGBの色域へ変換するとき、色相(H)については特に緑色(G)、黄色(Y)、シアン(C)の色領域が狭まるため、この領域で色入力部10からの入力色データ(RGB)の合成比率を高めに設定する。また、彩度(S)についてはすべての色相について彩度が高くなるにつれ色入力部10からの入力色データ(RGB)の合成比率を高めに設定するが、色相や明度によってその設定を調整する。明度(V)については明度が比較的高いとき色入力部10からの入力色データ(RGB)の合成比率を高めに設定するが、彩度や色相によってその設定を調整する。
合成比率rの基本的な設定は、第一の色域と第二の色域の色域の広さの差(あるいは比)に基づいて設定される。第一の色域が第二の色域よりも広く第二の色域へ色域圧縮する場合、第二の色域を超える第一の色域の広さが大であればある程、色入力部10からの入力色データ(RGB)の合成比率を高めに設定する。但し、2つの色域間の色域の広さの差(あるいは比)は色相(H)、彩度(S)、明度(V)によって均一ではなく異なる場合が多いため、色相(H)、彩度(S)、明度(V)によって調整する。
図3は、3つの異なる色相(H0、H1、H2)について2つの色域間の広さの違いとそのときの合成比率の大きさを図的に説明したものである。広い色域の第一の色域からそれより狭い色域の第二の色域へ圧縮する場合を示している。2つの色域間の色域の広さ差は斜線部分で示してある。そしてこの斜線部分の領域が広い程、それはちょうど白い矢印の大きさで示したように、色入力部10からの入力色データ(RGB)の合成比率を高く設定する。
更に具体的に、ある色相のある明度のときの彩度(S)の大きさで合成比率rの設定を説明する。図4は2つの色域間の色域の広さの差が小さい(例えば、第一の色域/第二の色域の比が1.2以下)の場合の彩度(S)に対する合成比率rの値を示したものである。この場合、色入力部10からの入力色データ(RGB)と圧縮マッピングされた入力色データ(R’G’B’)を合成したものが等しいr=0.5のときの彩度(S)の閾値がS0になるように設定している。すなわち、彩度(S)がかなり高い閾値S0から急激に入力色データ(RGB)の比率が高くなるように設定する。
また、図5は2つの色域間の色域の広さの差が中ぐらい(例えば、第一の色域/第二の色域の比が1.2〜1.5)の場合の彩度(S)に対する合成比率rの値を示したものである。この場合、合成比率r=0.5のときの彩度(S)の閾値がS1になるように設定している。すなわち、彩度(S)が中位の閾値S1からゆるやかに入力色データ(RGB)の比率が高くなるように設定する。
また、図6は2つの色域間の色域の広さの差が大きい(例えば、第一の色域/第二の色域の比が1.5を超える)場合の彩度(S)に対する合成比率rの値を示したものである。この場合、合成比率r=0.5のときの彩度(S)の閾値がS2になるように設定している。すなわち、彩度(S)がかなり小さい閾値S2から急激に入力色データ(RGB)の比率が高くなるように設定する。
なお、肌色など色味をできるだけ変えたくない上記保存色範囲は、圧縮マッピングされた入力色データ(R’G’B’)を合成する比率が高くなるように設定する。例えば、肌色だと色相(H)で赤、黄色、マゼンタの色範囲で明度(V)が中位から高い範囲で圧縮マッピングされた入力色データ(R’G’B’)の合成比率を高く、逆に色入力部10からの入力色データ(RGB)の合成比率を低くする。彩度(S)の閾値の設定では合成比率r=0.5のときの彩度(S)の閾値が0.5〜0.8の範囲になるように設定する。
なお、本実施例では上記合成比率rの関数としてシグモイドの非線形な関数を使用したが線形な関数でも良い。
ところで、色入力部10からの入力色データ(RGB)と色マッピング部11で圧縮マッピングされた入力色データ(R’G’B’)を合成することで実際に合成された色データとその色度点はどうなるのか、図7と図8を例として示す。
図7の左端、(a)に第一の色域としてAdobeRGBで8ビットの色データ(RGB)を、そしてその隣右にRGBデータを逆ガンマ変換して上記式(1)でXYZ変換した後Yxyの色度値を、更に右(b)はそのYxy値からXYZ変換後式(2)で第二の色域としてsRGBへ変換した値をガンマ変換して0から255の8ビットのR’G’B’にした値を示す。但し、(b)は上記式(2)でRGB値が0以下は0に1以上は1にクリップされた値である。(c)は入力色データであるAdobeRGBのデータと(b)のsRGBへ圧縮クリッピングされたデータを上記の設定に沿った合成比率r値で合成した値である。
上記図7のAdobeRGBのデータは緑(G)レベル値を変化させ、輝度を示すYをできるだけ一定にした場合のサンプルデータを示している。この色域圧縮変換の結果をxyの色度値で比較したのが図8である。図8において、第一の色域のAdobeRGBのデータのxy値が●(図7の(a)のxy値)で、第一の色域AdobeRGBのデータから第二の色域sRGBのデータへ圧縮されたデータのxy値が○(図7の(c)のxy値)である。AdobeRGBからsRGBへ色域圧縮の結果は、肌色に近い白色付近の色度値の変位はほとんどなく、また相対的な色関係は変わらずに、色階調の連続性も維持されていることがわかる。
色出力部13は、色合成部12で合成された色データを出力する。出力はデスプレイ、プロジェクターあるいはプリンターなどの出力デバイスである。上記の実施例ではその出力デバイスはsRGB色域のデスプレイである。
なお、上記実施例はAdobeRGB色域からsRGB色域への色域圧縮で説明したが、規格などの特定の色域に限らずその他のより広い色域からより狭い色域へ色域圧縮する場合も同様にして変換できることは言うまでもない。
以上の実施例から、色域の広い入力色データは、色域の狭い出力デバイスへ圧縮マッピングした色データと圧縮マッピングせずにデバイス色域に依存して出力する色データの合成データとして出力される。このとき合成された色データは、肌色など色味が変化してはいけない色データは再現可能な色域内の色データ、すなわち圧縮マッピングした色データを主に合成し、出力デバイスで再現できない色域外の入力色データは出力デバイスの色域に依存して再現される入力色データを主に合成する。しかも、それらの2つの異なる色データは色相、彩度および明度によって適度に合成して出力されるので、出力デバイスの色域内で相対的な色関係を変えることなく、肌色などの色味も変えず色階調の連続性も維持できる。
次に、色域拡張、すなわち色入力部10で入力された色データの色域が色出力部13で出力される色データの色域よりも狭い場合について説明する。例えば、上記色域圧縮と逆のsRGBで撮影された写真をAdobeRGB対応のデスプレイへ出力する場合やBT.709の映像信号をNTSC色域対応のデスプレイへ表示する場合である。図2に示すようにAdobeRGBやNTSCの色域はsRGBやBT.709の色域よりも広いため、色域を拡張する必要がある。
色域拡張は上記色域圧縮と全体の基本的構成は変わらないが、色マッピング部11と色合成部12が幾分異なる。また、色入力部10および色出力部13について扱う入力色データと出力色データが逆になるだけで基本的な仕組みは変わらない。このため、色域拡張で特に異なる部分を中心に説明する。なお、本実施例は上記色域圧縮の実施例と逆に、sRGBからAdobeRGBへの色域変換について説明する。
色入力部10は、入ってくる画像データをRGBのリニア(線形)な色データとして入力する。sRGBのガンマ(γ)は0.45なので、入ってきたRGBの色データをレベル幅(8bitでは255)で除算して正規化(0.0〜1.0の値に)後、逆γの2.2をベキ乗することでリニア(線形)な値にする。
色マッピング部11は、色入力部10から供給された色データを出力色データの色域内の色データとしてマッピングする。このときのマッピングは、出力デバイスのAdobeRGB色域内でsRGB色域の色域を変位させず色度点を維持したまま、すなわち、拡張や圧縮せずにマッピングする。
具体的には、AdobeRGBはsRGBよりも色域が広いため、色入力部10から供給されたsRGBの色データを一旦デバイスに依存しない色空間、例えばXYZのデバイス非依存型色空間のデータに変換した後、そのXYZ値を出力デバイスのAdobeRGBの色域のRGBとして逆変換することが上記のマッピングに相当する。
sRGBのRGBからXYZへの変換は式(6)で、XYZからAdobeRGBのRGBへの変換の式(7)である。
上記式(6)と式(7)によって、sRGBからAdobeRGBへマトリック変換されたRGBは、AdobeRGBの色域内でsRGBの色域の色度点を維持している(すなち、入力色データの色度点を保持した色度保存マッピング)。
色合成部12は、色入力部10からの入力色データ(RGB)と上記色マッピング部11でマッピングされた入力色データ(R’G’B’)を合成する。
合成は、肌色など色味が変わると人に違和感を生じる色はできるだけ色マッピング部11でマッピング(上記色度保存マッピング)された入力色データ(R’G’B’)の比率が高くなるように、逆に出力デバイスの色域境界およびその近傍の色は入力色データ(RGB)の比率が高くなるようにする。
具体的な合成方法は、上記色域圧縮と同様に、まず、色入力部10からの入力色データ(RGB)から色相(H)、彩度(S)および明度(V)を算出する。次に、肌色など色味をできるだけ変えたくない色範囲(以下、保存色範囲と呼ぶ)と、そうでない、すなわち拡張したい色範囲(以下、拡張色範囲)を色相(H)、彩度(S)および明度(V)で分け、またその色相(H)、彩度(S)および明度(V)の値によって色入力部10からの入力色データ(RGB)と上記マッピング(上記色度保存マッピング)された入力色データ(R’G’B’)との合成比率を変えて合成する。
合成比率をrで表しその範囲を0.0〜1.0で示すとした場合、r=1.0は色入力部10からの入力色データ(RGB)の値が100%のときで、r=0.0はマッピング(色度保存マッピング)された入力色データ(R’G’B’)の値が100%のときである。従ってその間のr値は、色入力部10からの入力色データ(RGB)とマッピング(上記色度保存マッピング)された入力色データ(R’G’B’)とを合成したもので、(RGB)にrを(R’G’B’)に1−rを乗算して足し合わせたものになる。
但し、上記合成比率rは色相(H)、彩度(S)および明度(V)によって異なる。例えば、sRGBの色域からAdobeRGBの色域へ拡張変換するとき、色相(H)については特に緑色(G)、黄色(Y)、シアン(C)の色領域が広くなるため、この領域で色入力部10からの入力色データ(RGB)の合成比率を高めに設定する。また、彩度(S)についてはすべての色相について彩度が高くなるにつれ色入力部10からの入力色データ(RGB)の合成比率を高めに設定するが、色相や明度によってその設定を調整する。明度(V)については明度が比較的高いとき色入力部10からの入力色データ(RGB)の合成比率を高めに設定するが、彩度や色相によってその設定を調整する。
合成比率rの基本的な設定は、第一の色域と第二の色域の色域の広さの差(あるいは比)に基づいて設定される。第一の色域が第二の色域よりも狭く第二の色域へ色域拡張する場合、第一の色域を超える第二の色域の広さが大であればある程、色入力部10からの入力色データ(RGB)の合成比率を高めに設定する。但し、2つの色域間の色域の広さの差(あるいは比)は色相(H)、彩度(S)、明度(V)によって均一ではなく異なる場合が多いため、色相(H)、彩度(S)、明度(V)によって調整する。
図9は、3つの異なる色相(H0、H1、H2)について2つの色域間の広さの違いとそのときの合成比率の大きさを図的に説明したものである。狭い色域の第一の色域からそれより広い色域の第二の色域へ拡張する場合を示している。2つの色域間の色域の広さ差は斜線部分で示してある。そしてこの斜線部分の領域が広い程、それはちょうど白い矢印の大きさで示したように、色入力部10からの入力色データ(RGB)の合成比率を高く設定する。
更に具体的に、ある色相のある明度のときの彩度(S)の大きさで合成比率rの設定を説明する。図4は2つの色域間の色域の広さの差が小さい(例えば、第二の色域/第一の色域の比が1.2以下)の場合の彩度(S)に対する合成比率rの値を示したものである。この場合、色入力部10からの入力色データ(RGB)とマッピング(上記色度保存マッピング)された入力色データ(R’G’B’)を合成したものが等しいr=0.5のときの彩度(S)の閾値がS0になるように設定している。すなわち、彩度(S)がかなり高い閾値S0から急激に入力色データ(RGB)の比率が高くなるように設定する。
また、図5は2つの色域間の色域の広さの差が中ぐらい(例えば、第二の色域/第一の色域の比が1.2〜1.5)の場合の彩度(S)に対する合成比率rの値を示したものである。この場合、合成比率r=0.5のときの彩度(S)の閾値がS1になるように設定している。すなわち、彩度(S)が中位の閾値S1からゆるやかに入力色データ(RGB)の比率が高くなるように設定する。
また、図6は2つの色域間の色域の広さの差が大きい(例えば、第二の色域/第一の色域の比が1.5を超える)場合の彩度(S)に対する合成比率rの値を示したものである。この場合、合成比率r=0.5のときの彩度(S)の閾値がS2になるように設定している。すなわち、彩度(S)がかなり小さい閾値S2から急激に入力色データ(RGB)の比率が高くなるように設定する。
なお、肌色など色味をできるだけ変えたくない上記保存色範囲は、マッピング(上記色度保存マッピング)された入力色データ(R’G’B’)を合成する比率が高くなるように設定する。例えば、肌色だと色相(H)で赤、黄色、マゼンタの色範囲で明度(V)が中位から高い範囲で入力色データ(R’G’B’)の合成比率を高く、逆に色入力部10からの入力色データ(RGB)の合成比率を低くする。彩度(S)の閾値の設定では合成比率r=0.5のときの彩度(S)の閾値が0.5〜0.8の範囲になるように設定する。
なお、本実施例では上記合成比率rの関数としてシグモイドの非線形な関数を使用したが線形な関数でも良い。
ところで、色入力部10からの入力色データ(RGB)と色マッピング部11でマッピング(上記色度保存マッピング)された入力色データ(R’G’B’)を合成することで実際に合成された色データとその色度点はどうなるのか、図10と図11を例として示す。
図10において、左端(a)に第一の色域としてsRGBで8ビットの色データ(RGB)を、そしてその隣右にRGBデータを逆ガンマ変換して上記式(6)でXYZ変換した後Yxyの色度値を、更に右(b)はそのYxy値からXYZ変換後式(7)で第二の色域としてAdobeRGBへ変換した値をガンマ変換して0から255の8ビットのR’G’B’にした値を示す。(c)は入力色データであるsRGBのデータと(b)のAdobeRGBへマッピングされたデータを上記の設定に沿った合成比率r値で合成した値である。
上記図10のsRGBのデータは緑(G)レベル値を変化させ、輝度を示すYをできるだけ一定にした場合のサンプルデータを示している。この色域拡張変換の結果をxyの色度値で比較したのが図11である。図11の第一の色域のsRGBのデータのxy値が○(図10の(a)のxy値)で、第一の色域sRGBのデータから第二の色域AdobeRGBのデータへ拡張されたデータのxy値が●(図10の(c)のxy値)である。sRGBからAdobeRGBへ色域拡張の結果は、肌色に近い白色付近の色度値の変位はほとんどなく、また相対的な色関係は変わらずに、色階調の連続性も維持されていることがわかる。
色出力部13は、色合成部12で合成された色データを出力する。出力はデスプレイ、プロジェクターあるいはプリンターなどの出力デバイスである。上記の実施例ではその出力デバイスはAdobeRGBの色域対応デスプレイである。
なお、上記実施例はsRGB色域からAdobe色域への色域拡張で説明したが、規格などの特定の色域に限らずその他のより狭い色域からより広い色域へ色域拡張する場合も同様にして変換できることは言うまでもない。
以上の実施例から、色域の狭い入力色データは、色域の広い出力デバイスの色域内のデータとしてマッピングした色データとマッピングせずにデバイス色域に依存して出力する色データの合成データとして出力される。このとき合成された色データは、肌色など色味が変化してはいけない色データについては入力色データの色度点を変えない、すなわち入力色データを出力デバイスの色域内の色データとして色域変位させずにマッピングした色データを主に合成し、入力色データの色域を超え出力デバイスで再現可能な色域の色データについては、出力デバイスの色域に依存して再現される色データを主に合成する。しかも、それらの2つの異なる色データは色相、彩度および明度によって適度に合成して出力されるので、出力デバイスの色域内で相対的な色関係を変えることなく、肌色などの色味も変えずに色階調の連続性も維持できる。
ところで、上記実施の形態の核となる上記色マッピング部11と色合成部12の機能は演算装置とメモリを用いたプログラム、或いはLUT(ルックアップテーブル)によっても実行できる。
例えば、SDI(Serial Digital Interface)、DVI(Digital Visual Interface)、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)あるいはUSB(Universal Serial Bus)やIEEE1394などのインタフェースを介して放送映像、あるいはBD(Blu−ray Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、HDD(Hard Disk Drive)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)あるいはメモリカードに記録された画像などの色データを入力する。入力された色データは、一旦メモリバッファに記録される。記録された色データは順次、演算装置(例えばCPU)へ送られプログラムに沿って上記実施例で示したような色変換の処理をする。色変換処理された色データは出力メモリバッファに一時蓄えられ、出力デバイス(例えばデスプレイ)の出力(あるいは表示)同期にあわせて出力される。
また、上記演算装置とプログラムによる実行ステップをLUTで実現することもできる。すなわち、入力色データを出力色データへマッピングする色の入力出力対応色変換テーブルである。もちろん、上記プログラムやLUTは、色変換装置や演算処理装置の内部あるいは外部のメモリ、あるいはHDD、DVD、不揮発性メモリカードなどの外部記録媒体へ記録しておくことも可能である。
なお、色変換のプログラムは、入力色データおよび出力色データの逆ガンマ変換およびガンマ変換、2つの異なる色域間のマトリック演算、RGBからHSV(色相、彩度、明度)変換、色マッピング演算並びに色合成演算である。これらの変換および演算は上記実施例で示した手順でプログラムされ実行される。
また、色変換のLUT(色変換テーブル)は、例えば、入力色データのRGBを出力色データのRGBデータへマッピングするRGBからなる3次元のLUTである。このLUTは入力色データRGBの3次元色空間の値を色合成された結果としての出力色データRGBの3次元空間へ写像したものである。また色変換LUTの作成は、入力色データRGBを上記実施例で示した2つの色データの合成比率、色相(H)、彩度(S)あるいは明度(V)で2つの色域間の広さの差(あるいは比)に基づいて設定し、その結果としての出力色データRGB値を色変換LUTのRGB格子点のデータとする。3次元のLUTとしては、16ビット(R)×16ビット(G)×16ビット(B)、32ビット(R)×32ビット(G)×32ビット(B)あるいは64ビット(R)×64ビット(G)×64ビット(B)のRGB格子点からなり、色変換に求められる精度によって決めればよい。更に、RGB格子点が少ない場合はその間の値で色の不連続性が生じないように補間演算を組み込んでおいてもよい。
また、色変換出力装置の機能の一部又は全部を集積回路であるLSIとして実現してもよい。これらのLSIは、個別に1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されても良い。さらに、色変換のLUT(色変換テーブル)を参照することで、色変換出力装置と同等の入出力特性を実現する集積回路として実現してもよい。具体的には、記録媒体に記録された色変換テーブルを参照することで色変換処理を実現する色変換集積回路として実現してもよい。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサーで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又は、LSI内部の回路セルの接続及び設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用しても良い。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
本発明は、デスプレイ、プロジェクター、プリンターあるいはデジタルカメラなど製品に、CMS(カラーマネジメントシステム)として搭載され、色域変換などでの色再現性を高めることができる色変換出力装置に適用できる。また、本発明は、色変換出力方法、色変換出力プログラム、色変換テーブル、色変換テーブル記録媒体、並びに色変換集積回路に適用できる。
10 色入力部
11 色マッピング部
12 色合成部
13 色出力部
11 色マッピング部
12 色合成部
13 色出力部
Claims (19)
- 第一の色域の色データを前記第一の色域よりも狭い第二の色域の色データへ変換し前記第二の色域のデバイスへ出力する色変換出力装置であって、
前記第一の色域の色データを入力する入力手段と、
前記第一の色域の色データを前記第二の色域内の色データとして圧縮マッピングするマッピング手段と、
前記マッピング手段によってマッピングした色データと前記第一の色域の色データとを合成する合成手段と、
前記合成手段で合成した色データを前記第二の色域のデバイスに出力する出力手段とを備える
ことを特徴とする色変換出力装置。 - 前記マッピング手段は、
前記第一の色域の色データを一旦デバイスに依存しない色空間であるデバイス非依存型色空間のデータに変換する第一の色空間変換手段と、
前記第一の色空間変換手段で変換されたデバイス非依存型色空間のデータが前記第二の色域内にあるときは色域変位させずそのままのデータで前記第二の色域外にあるときは前記第二の色域境界のデータへ圧縮する色域圧縮手段と、
前記色域圧縮手段で圧縮したデータを第二の色域のデバイスに依存した色空間に逆変換する第二の色空間逆変換手段とを備える
ことを特徴とする請求項1記載の色変換出力装置。 - 前記合成手段は、色相、彩度および明度によって前記マッピング手段によってマッピングした色データと前記第一の色域の色データとを合成する比率が異なる
ことを特徴とする請求項1記載の色変換出力装置。 - 前記合成手段は、前記第一の色域の色データの彩度または明度が高くなるにつれ前記マッピング手段によってマッピングした色データを合成する比率を低くする
ことを特徴とする請求項1又は2記載の色変換出力装置。 - 前記合成手段は、前記第一の色域の色データが特定の色範囲にある場合、前記マッピング手段によってマッピングした色データと前記第一の色域の色データとを合成する比率を所定の値に設定にする
ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の色変換出力装置。 - 第一の色域の色データを前記第一の色域よりも狭い第二の色域の色データへ変換し前記第一の色域のデバイスへ出力する色変換出力方法であって、
前記第一の色域の色データを入力し、
前記第一の色域の色データを前記第二の色域内の色データとして圧縮マッピングし、
前記マッピングした色データと前記第一の色域の色データとを合成し、
前記合成した色データを前記第一の色域のデバイスに出力する
ことを特徴とする色変換出力方法。 - 第一の色域の色データを前記第一の色域よりも狭い第二の色域の色データへ変換し前記第一の色域のデバイスへ出力する色変換出力プログラムであって、
前記第一の色域の色データを入力するステップと、
前記第一の色域の色データを前記第二の色域内の色データとして圧縮マッピングするステップと、
前記マッピングした色データと前記第一の色域の色データとを合成するステップと、
前記合成した色データを前記第一の色域のデバイスに出力するステップとをコンピュータに実行させる
ことを特徴とする色変換出力プログラム。 - 第一の色域の色データを前記第一の色域よりも狭い第二の色域の色データへ変換し前記第一の色域のデバイスへ出力する際に参照される色変換テーブルであって、
前記第一の色域の色データを入力し、
前記第一の色域の色データを前記第二の色域内の色データとして圧縮マッピングし、
前記マッピングした色データと前記第一の色域の色データとを合成し、
前記合成した色データに基づき前記第一の色域の色データと前記第二の色域の色データとの対応関係を示した色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成方法により作成された
ことを特徴とする色変換テーブル。 - 請求項8記載の色変換テーブルが記録された
ことを特徴とする色変換テーブル記録媒体。 - 第一の色域の色データを前記第一の色域よりも広い第二の色域の色データへ変換し前記第二の色域のデバイスへ出力する色変換出力装置であって、
前記第一の色域の色データを入力する入力手段と、
前記第一の色域の色データを前記第二の色域内での色データとしてマッピングするマッピング手段と、
前記マッピング手段によってマッピングした色データと前記第一の色域の色データとを合成する合成手段と、
前記合成手段で合成した色データを前記第二の色域のデバイスに出力する出力手段とを備える
ことを特徴とする色変換出力装置。 - 前記マッピング手段は、
前記第一の色域の色データを一旦デバイスに依存しない色空間であるデバイス非依存型色空間のデータに変換する色空間変換手段と、
前記色空間変換手段で変換されたデバイス非依存型色空間のデータをそのまま色域変位させず第二の色域内での色データとして前記第二の色域のデバイスに依存した色空間へ逆変換する色空間逆変換手段とを備える
ことを特徴とする請求項10記載の色変換出力装置。 - 前記合成手段は、色相、彩度および明度によって前記マッピング手段によってマッピングした色データと第一の色域の色データとを合成する比率が異なる
ことを特徴とする請求項10記載の色変換出力装置。 - 前記合成手段は、前記第一の色域の色データの彩度または明度が高くなるにつれ前記第一の色域の色データを合成する比率を高くする
ことを特徴とする請求項10又は12記載の色変換出力装置。 - 前記合成手段は、前記第一の色域の色データが特定の色範囲にある場合、前記マッピング手段によってマッピングした色データと前記第一の色域の色データを合成する比率を所定の値に設定にする
ことを特徴とする請求項10、12又は13記載の色変換出力装置。 - 第一の色域の色データを前記第一の色域よりも広い第二の色域の色データへ変換し前記第二の色域のデバイスへ出力する色変換出力方法であって、
前記第一の色域の色データを入力し、
前記第一の色域の色データを前記第二の色域内での色データとしてマッピングし、
前記マッピングした色データと前記第一の色域の色データとを合成し、
前記合成した色データを前記第二の色域のデバイスに出力する
ことを特徴とする色変換出力方法。 - 第一の色域の色データを前記第一の色域よりも広い第二の色域の色データへ変換し前記第二の色域のデバイスへ出力する色変換出力プログラムであって、
前記第一の色域の色データを入力する入力ステップと、
前記第一の色域の色データを前記第二の色域内での色データとしてマッピングするマッピングステップと、
前記マッピングした色データと前記第一の色域の色データとを合成する合成ステップと、
前記合成した色データを前記第二の色域のデバイスに出力する出力ステップとをコンピュータに実行させる
ことを特徴とする色変換出力プログラム。 - 第一の色域の色データを前記第一の色域よりも広い第二の色域の色データへ変換し前記第二の色域のデバイスへ出力する際に参照される色変換テーブルであって、
前記第一の色域の色データを入力し、
前記第一の色域の色データを前記第二の色域内での色データとしてマッピングし、
前記マッピングした色データと前記第一の色域の色データとを合成し、
前記合成した色データに基づき前記第一の色域の色データと前記第二の色域の色データとの対応関係を示した色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成方法により作成された
ことを特徴とする色変換テーブル。 - 請求項17記載の色変換テーブルが記録された
ことを特徴とする色変換テーブル記録媒体。 - 請求項9又は18記載の色変換テーブル記録媒体に基づいて色変換処理する
ことを特徴とする色変換集積回路。
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