図面を参照して、本発明による動画符号復号装置の実施の形態を記載する。その第1の実施の形態における動画符号復号装置1は、図1に示されているように、データ処理装置10と記憶装置20と記憶装置30とを備えている。データ処理装置10は、コンピュータであり、図示されていないCPUと内部記憶装置とインターフェースとを備えている。そのCPUは、データ処理装置10にインストールされるコンピュータプログラムを実行して、その内部記憶装置とインターフェースとを制御する。その内部記憶装置は、そのコンピュータプログラムを記録し、そのCPUにより生成される情報を一時的に記録する。そのインターフェースは、データ処理装置10に接続される外部機器により生成される情報をそのCPUに出力し、そのCPUにより生成された情報をその外部機器に出力する。その外部機器は、記憶装置20と記憶装置30とを含んでいる。データ処理装置10としては、パーソナルコンピュータが例示される。
記憶装置20は、データ処理装置10により制御されて情報を記録する。記憶装置20としては、磁気ディスク装置が例示される。記憶装置20は、符号記憶手段21を備えている。符号記憶手段21は、符号データと部分画像位置情報とを記憶している。その符号データは、1つの画像を複数の領域に分割した複数の部分画像を圧縮することによって得られ、その符号化された部分画像の1つを示している。その符号データとしては、JPEG2000によって部分画像から符号化されたデータが例示される。その部分画像位置情報は、その圧縮された部分画像が一部分を構成していた画像のうちのその圧縮された部分画像が映し出されている位置を特定する情報を示している。その部分画像としては、1つの画像をマス目上に分割することで得られる複数の矩形領域を構成する画素の集合が例示される。その画素は、24ビットのRGBカラー表現を用いて色を表現している。また、その部分画像位置情報としては、その画素(矩形領域)の左上および右下の頂点のマス目上の座標値が例示される。
記憶装置30は、データ処理装置10により制御されて情報を記録する。記憶装置30としては、磁気ディスク装置が例示される。記憶装置30は、画像記憶手段31を備えている。画像記憶手段31は、データ処理装置10から取得した部分画像と部分画像位置情報とを用いて生成した画像を記憶している。例えば、画像記憶手段31は、その部分画像が1つの画像をマス目上に分割された矩形領域であり、その部分画像位置情報がその矩形領域の左上と右下の画素の座標値である場合に、データ処理装置10から取得したその矩形領域の左上と右下の画素の座標値が示す位置に、同様に取得した部分画像を配置した画像を生成する。
データ処理装置10は、符号データ復号手段11と画像品質判定手段12と画像低品質化手段13と画像高品質化手段14と高品質化情報蓄積手段15とを備えている。
符号データ復号手段11は、符号記憶手段21に記憶された符号データと部分画像位置情報とを取得し、その符号データを復号することにより部分画像を生成する。
画像品質判定手段12は、符号データ復号手段11から、その部分画像位置情報とその復号された部分画像とを取得し、その部分画像の画質を判定する。画像品質判定手段12は、その部分画像が高品質画像であった場合は、画像記憶手段31および高品質化情報蓄積手段15に高品質画像である部分画像と部分画像位置情報を送信する。画像品質判定手段12は、その部分画像が低品質画像であった場合は、高品質化情報蓄積手段15に低品質画像である部分画像と部分画像位置情報を送信する。その高品質画像の例としては、高解像度の画像データが、また、その低品質画像の例としては、低解像度の画像データがあげられる。画像品質判定手段12は、例えば、画像の総画素数を部分画像情報から計算した部分画像の面積で割った値を用いることで、高解像度あるいは低解像度であるといった判定を行う。すなわち、その高品質画像の単位面積当たりの総画素数は、その低品質画像の単位面積当たりの総画素数より多い。
画像低品質化手段13は、高品質化情報蓄積手段15から部分画像を取得し、その取得した画像の品質を低下させた画像を高品質化情報蓄積手段15に出力する。例えば、画像低品質化手段13は、その取得した画像の解像度を下げることで低品質化させる。
高品質化情報蓄積手段15は、画像品質判定手段12から高品質画像である部分画像を取得した場合に、画像低品質化手段13を用いてその部分画像から低品質画像を生成し、その生成した低品質画像からその部分画像を生成するために必要な高品質化情報を生成し、その低品質画像の画像特性値(後述)に対応付けてその高品質化情報を蓄積する。
また、高品質化情報蓄積手段15は、画像品質判定手段12から低品質画像である部分画像を取得した場合、その部分画像の画像特性値を計算し、蓄積している高品質化情報の中からその画像特性値を用いて特定した高品質化情報とその部分画像と画像品質判定手段12から取得した部分画像位置情報とを画像高品質化手段14に送信する。
さらに、高品質化情報蓄積手段15は、画像品質判定手段12から低品質画像である部分画像を取得した場合に、その低品質画像の画像特性値を計算し、蓄積している高品質化情報の中からその特性値を用いて高品質化情報を特定できなかった場合に、その部分画像と、画像品質判定手段12から取得した部分画像位置情報を画像記憶手段31に送信する。
すなわち、高品質化情報蓄積手段15は、画像特性値計算手段151と高品質化情報生成手段152と高品質化情報記憶手段153と高品質化情報検索手段154とを備えている。
画像特性値計算手段151は、部分画像と部分画像位置情報が高品質化情報蓄積手段15に入力されると、その入力された部分画像の画像としての特徴と部分画像位置情報の特徴をあらわす画像特性値を算出する。その画像特性値としては、部分画像を構成する全てあるいは一部の画素値のmd5等のハッシュ値と、部分画像位置情報であるその矩形領域の左上と右下の頂点の座標値の積和を、それぞれ重み付けして和を取った値の他、画像を構成する各画素の上位ビットの平均値や、画像を構成する各画素をグレイスケール化した画素値の上位ビットを一定間隔で走査順に取得して結合した値等と、部分画像位置情報を、それぞれ重み付けして和を取った値が例示される。
高品質化情報生成手段152は、画像品質判定手段12から高品質画像である部分画像を取得し、画像低品質化手段13を用いてその部分画像から低品質画像を生成し、その画像特性値計算手段151を用いてその低品質画像の画像特性値を生成する。また、高品質化情報生成手段152は、その低品質画像からその部分画像を生成するために必要な高品質化情報を生成し、その生成した高品質化情報をその画像特性値に対応付けて高品質化情報記憶手段153に記録する。その高品質化情報としては、画像低品質化手段13が生成した低品質画像と画像品質判定手段12から取得した高品質画像の差分や、画像品質判定手段12から取得した高品質画像である部分画像の高周波成分や、画像品質判定手段12から受信した高品質画像である画像等がある。また、その高品質化情報は、蓄積時に圧縮され、利用時に伸長されてもよい。
高品質化情報記憶手段153は、内部記憶装置である。高品質化情報記憶手段153は、その高品質化情報生成手段152が生成した高品質化情報と、その高品質化情報に対応付けられた画像特性値を記憶する。
高品質化情報検索手段154は、画像品質判定手段12から取得した部分画像が低品質画像であるときに、画像特性値計算手段151を用いてその部分画像の画像特性値を計算し、その画像特性値を用いて高品質化情報記憶手段153が記憶している高品質化情報の中から特定した高品質化情報を取得する。また、高品質化情報検索手段154は、その取得したその高品質化情報とその部分画像と画像品質判定手段12から取得した部分画像位置情報を、画像高品質化手段14に送信する。
高品質化情報検索手段154は、画像特性値計算手段151が生成した画像特性値によって、高品質化情報記憶手段153が記憶している高品質化情報の中から高品質化情報を特定できなかった場合、その部分画像と画像品質判定手段12から取得した部分画像位置情報を画像記憶手段31に送信する。
高品質化情報検索手段154が、画像特性値計算手段151が生成した画像特性値によって、高品質化情報記憶手段153が記憶している高品質化情報の中から特定する動作は、例えば、生成した画像特性値と最も近い値を持つ画像特性値と対応付けられている高品質化情報を検索することによって行う。二つの画像特性値の近さは、例えば二つの画像特性値の差分の絶対値の大きさによって定義される。
画像高品質化手段14は、高品質化情報蓄積手段15から低品質画像と高品質化情報を取得し、その取得した高品質化情報を用いてその低品質画像の品質を高くした高品質化部分画像を生成し、その高品質化部分画像を画像記憶手段31に送信する。例えば、画像高品質化手段14は、高品質化情報蓄積手段15から取得した低周波成分のみで構成される低品質画像に、高品質化情報である高周波成分を加えて画像として再構成することで高品質化部分画像を生成し、その高品質化部分画像を画像記憶手段31に送信する。
図2は、符号化されている画像を示している。その画像33としては、計算機上のデスクトップ画面が例示される。画像33は、複数の領域に分割され、複数の部分画像34から形成されている。部分画像34の符号データは、部分画像位置情報35に対応付けて符号記憶手段21に記録されている。部分画像位置情報35は、部分画像34の矩形領域の左上と右下の画素の座標値を示している。その座標値は、x座標とy座標とを示している。
図3は、画像低品質化手段13による低品質化動作を示している。その低品質化動作は、解像度を半分にする動作である。例えば、まず奇数番目の列を取得し、それらの列の横方向の順序を維持したまま隣接するように並べた後、奇数番目の行を取得し、それらの行の縦方向の順次を維持したまま隣接するように並べることで、解像度が半分である画像が得られる。
たとえば、縦4画素、横6画素で合計24個の画素から構成される画像1401を低品質化する場合に、その動作により、画像1401の画素L1〜L6から構成される低品質画像1402が生成される。このとき、高品質化情報しては、低品質化される前の画像において低品質化によって生成された解像度が半分の画像を構成している画素に相当する画素の画素値をRGB値と異なる値(例えば負の値)に設定した情報を用いる。例えば、画像1401および低品質画像1402から生成される高品質化情報1403は、画像1401の画素のうちの画素L1〜L6を除く画素H1〜H18とRGB値と異なる画素値を持つ画素とから形成されている。図3の高品質化情報1403では、そのRGB値と異なる画素値を持つ画素は、斜線が描かれている。
図3は、さらに、画像高品質化手段14による高品質化動作を示している。高品質化情報1406を用いて低品質画像1405を高品質化する場合を例に説明する。まず、高品質化情報1406において、上から順番に各行を構成する画素の中で、RGB値と異なる値を画素値として持っている画素を検索する。RGB値と異なる値を画素値として持っている画素が見つかったN番目の行に対して、RGB値と異なる値を画素値として持っている画素の値を、左から順に低品質画像1405のN番目の行の画素値の値に入れ替える。以上の動作によって、高品質画像である高解像度画像1404が生成される。
図4は、高品質化情報記憶手段153に記憶されている情報の例を示している。その情報1501は、画像特性値の集合を高品質化情報の集合に対応付けている。すなわち、画像特性値の集合のうちの任意の要素は、高品質化情報の集合のうちの1つの要素に対応している。また、本実施の形態における画像特性値は、次のように計算する。まず、ハッシュ値に0を代入し、次に部分画像を構成する画素のx座標およびy座標の値が両方とも4の倍数である画素全てに対して、R値とG値とB値の合計を3で割り、さらに16で割った値をハッシュ値に加算する。そのハッシュ値と式(1):
位置=部分画像位置情報内の左上の座標のxの値+部分画像位置情報内の左上の座標のyの値×(全ての部分画像位置情報のxの値中で最大の値 + 1) …式(1)
で求められる位置を式(2)
ハッシュ値×256+8ビット化した位置…式(2)
に代入して得られた値を画像特性値とする。その部分画像を構成する画素x座標およびy座標は、部分画像の左上の画素を原点として、右方向をx軸、下方向をy軸とした場合の値である。
なお、式(2)の中の「8ビット化」とは、2のべき乗をNとしたとき、位置の最大値をNで割った値が256以下となるための最小のNを用いて、位置を割ることを指す。例えば、縦1024画素、横1280画素の画像と縦64画素、横64画素の部分画像を用いる場合、位置の最大値は、320となるので、そのNは、2となる。以降では、画像特性値を求める際のNの値が2である場合を例として説明する。
本実施の形態である画像特性値と最も近い画像特性値と表現した場合、ある画像特性値との差分の絶対値の大きさが最も小さい画像特性値を指す。本実施の形態において、画像の品質の例としては、解像度を用いる。
本実施の形態における、画像低品質化手段13の低品質化動作、高品質化情報および高品質化情報蓄積手段15の高品質化情報生成動作について説明する。以降では、部分画像および部分画像位置情報として図3の高解像度画像1404に示した「ab」という文字が書かれている縦64画素横64画素の画像と二つの座標値(2,1)(3,2)を用いて本実施の形態における動作例について説明する。
高品質化情報蓄積手段15(すなわち、高品質化情報生成手段152)が高品質化情報を生成する動作について、例を用いて説明する。高品質化情報生成手段152は、図5に示されているように、高解像度画像である部分画像1601および部分画像位置情報である二つの座標値(2,1)(3,2)を受信した場合、画像低品質化手段13を用いて低解像度画像1602を生成する。
次に、画像特性値計算手段151は、低解像度画像および部分画像位置情報から画像特性値を計算し、式(1)のハッシュ値「825」を256倍して得られた値「211200」に式(2)で得られた値「2(xの値)+1(yの値)×8(全ての部分画像位置情報のxの値中で最大の値+1)=10」を2で割った値5を加算することで画像特性値「211205」を得る(1603)。
そして、高品質化情報生成手段152は、高品質化情報1406を生成し、画像特性値211205と組にした情報1604を高品質化情報記憶手段153である磁気ディスク装置に記憶する(1605)。
次に、本実施の形態において、高品質化情報蓄積手段15が、高品質化情報を用いて低解像度画像を高品質化する動作について、例を用いて説明する。本実施の形態における高品質化情報蓄積手段15内の高品質化情報検索手段154として機能する中央演算装置は、図6に示されているように、画像品質判定手段12が送信した図3の低解像度画像1405である部分画像1701および部分画像位置情報(2,1)(3,2)を受信すると、画像特性値生成手段151を用いて、画像特性値「211205」1702を生成する。
次に、高品質化情報検索手段154は、画像特性値「211205」と最も近い値と組になっている高品質化情報を、高品質化情報記憶手段153に記憶されているデータから検索する(1703)。高品質化情報に図4の1501のような情報が記憶されている場合、高品質化情報検索手段154は、画像特性値211205と組になっている1501のような高品質化情報を取得し、その高品質化情報に基づいて低品質画像を高品質化し、高品質化の結果得られた高解像度の部分画像と部分画像位置情報を画像記憶手段31へ送信する(1704)。検索の結果、発見できなかった場合には、高品質化情報検索手段154は、低品質画像および部分画像位置情報を画像記憶手段31に送信する(1705)。
本実施の形態では、画像の特徴量が画像特性値の上位ビットに、位置が画像特性値の下位ビットとなるように計算しているので、ある位置の部分画像の高品質化情報が、異なる部分画像位置情報ではあるが画像の特徴が類似している部分画像の高品質化動作で用いられる。また、本実施の形態で用いたそのハッシュ値が等しい場合は、画像特性値の下位ビットが近い、つまり部分画像位置情報が近い部分画像から生成された高品質化情報が、低品質部分画像の高品質化で用いられる。
次に、本発明を実施するための第1の実施の形態の動作について詳細に説明する。符号データ復号手段11は、図7に示されているように、符号記憶手段21に記憶された符号データと符号データに対応づけられている部分画像位置情報を取得し、その取得した符号データを復号することで、部分画像を生成する(ステップS101)。
次に、画像品質判定手段12は、符号データ復号手段11から、ステップS101で符号データ復号手段11が復号した部分画像と部分画像位置情報を取得し、取得した部分画像の画質を判定する(ステップS102)。画像品質判定手段12は、画像品質判定手段12が取得した部分画像が高品質画像であると判定された場合、画像記憶手段31および高品質化情報蓄積手段15に高品質画像である部分画像と部分画像位置情報を送信し、画像記憶手段31は、受信した部分画像および部分画像位置情報を用いて生成した画像を記憶する(ステップS103aおよびステップS103b)。
次に、高品質化情報蓄積手段15は、S103aで送信された高品質画像である部分画像と部分画像位置情報を受信後、画像低品質化手段13を用いてその部分画像から低品質画像を生成し(ステップS105a)、生成した低品質画像からその部分画像を生成するために必要な高品質化情報を生成し、その低品質画像の画像特性値と対応付けてその高品質化情報を蓄積する(ステップS106a)。
画像品質判定手段12は、ステップS102において、画像品質判定手段12が取得した部分画像が低品質画像であると判定された場合、図8に示されているように、高品質化情報蓄積手段15に低品質画像である部分画像と部分画像位置情報を送信する(ステップS103c)。次に高品質化情報蓄積手段15は、S103cで受信した部分画像の画像特性値を計算し、蓄積している高品質化情報の中からその画像特性値を用いて検索する(ステップS104b)。
高品質化情報蓄積手段15が、ステップS104bの検索によって高品質化情報を特定できた場合、特定した高品質化情報とS103cで受信した部分画像と画像品質判定手段12から取得した部分画像位置情報を、画像高品質化手段14に送信する。画像高品質化手段14は、高品質化情報蓄積手段15から取得した高品質化情報を用いて、高品質化情報蓄積手段15から受信した低品質画像の品質を高くした高品質化部分画像を生成し、画像記憶手段31に送信する(ステップS105b)。次に、画像記憶手段31は、S105bで画像高品質化手段14から受信した部分画像および部分画像位置情報を用いて生成した画像を記憶する(ステップS106b)。
高品質化情報蓄積手段15が、ステップS104bの検索によって高品質化情報を特定できなかった場合、高品質化情報蓄積手段15は、S103cで受信した部分画像と部分画像位置情報を画像記憶手段31に送信し、画像記憶手段31は、受信した部分画像および部分画像位置情報を用いて生成した画像を記憶する(ステップS105c)。
図9は、ステップS104a、S105aおよびS106aの動作の詳細を示している。高品質化情報生成手段152は、S103で画像品質判定手段12が送信した高品質画像である部分画像とその部分画像に対応付けられた部分画像位置情報を受信し、その部分画像を画像低品質化手段13に送信する(ステップT101)。
次に、画像低品質化手段13は、T101で高品質化情報生成手段152が送信した部分画像を取得し、取得した部分画像の低品質画像を生成する(ステップT102)。次に、高品質化情報生成手段152は、T102で画像低品質化手段13が生成した低品質画像とT101で画像品質判定手段12から受信した部分画像位置情報を、画像特性値計算手段151に送信する(ステップT103)。画像特性値計算手段151は、T103で受信した低品質画像と部分画像位置情報とを用いて、画像特性値を用いて計算する(ステップT104)。
高品質化情報生成手段152は、T104の後、T102で画像低品質化手段13が生成した低品質画像を、T101で画像品質判定手段12から受信した高品質画像を生成するために必要な高品質化情報を生成する(ステップT105)。そして、高品質化情報生成手段152は、T105で生成した高品質化情報と、T104で画像特性値計算手段151が計算した画像特性値を対応付けて、高品質化情報記憶手段153に記憶させる(ステップT106)。
図10は、S104bの動作の詳細を示している。高品質化情報検索手段154は、画像品質判定手段12から低品質画像である部分画像と、その部分画像に対応付けられた部分画像位置情報を受信し、その部分画像およびその部分画像位置情報を画像特性値計算手段151に送信する(ステップU101)。次に、画像特性値計算手段151は、U101で高品質化情報検索手段154が送信した部分画像および部分画像位置情報を取得し、取得した部分画像および部分画像位置情報を用いて画像特性値を計算する(ステップU102)。高品質化情報検索手段154は、U102で画像特性値計算手段151が生成した画像特性値を用いて、高品質化情報記憶手段153が記憶している高品質化情報を検索する(ステップU103およびステップU104)。
高品質化情報検索手段154は、U104で検索に失敗した場合、U101で画像品質判定手段12から受信した低品質画像である部分画像を画像記憶手段31に送信し、画像記憶手段31は、受信した部分画像および部分画像位置情報を用いて生成した画像を記憶する(ステップU105およびS105c)。
また、高品質化情報検索手段154は、U103の検索によって、高品質化情報記憶手段153が記憶している高品質化情報の中から、U102で画像特性値計算手段151が生成した画像特性値によって、高品質化情報が特定できた場合、その特定した高品質化情報とU101で画像品質判定手段12から受信した部分画像および部分画像位置情報を、画像高品質化手段154に送信し、画像高品質化手段154は、受信した高品質化情報を用いて、受信した部分画像の品質を高くした高品質化部分画像を生成し、生成した部分画像と、高品質化情報検索手段154から受信した部分画像位置情報を画像記憶手段31に送信する(ステップU105およびS105b)。S105bの後、画像記憶手段31は、受信した部分画像および部分画像位置情報を用いて生成した画像を記憶する(ステップS106)。
本発明の第1の実施の形態では、低品質化した部分画像と低品質化する前の部分画像に対応付けられている部分画像位置情報とから生成された画像特性値が、一定の近さにあるような複数の部分画像を符号化して符号記憶手段に記憶する場合、その複数の部分画像のうち、高品質のまま符号化された部分画像を復号して高品質化情報を生成すれば、残りの部分画像が低品質に符号化されていたとしても、その高品質化情報を用いて低品質に符号化された符号から、高品質の画像を生成することができる。
図11は、本発明の第2の実施の形態における動画符号復号装置が適用される動画符号復号システムを示している。その動画符号復号システムは、ネットワーク50を介して画面送信サーバ40と画面受信クライアント60とが情報伝達可能に接続されている。画面送信サーバ40と画面受信クライアント60としては、パーソナルコンピュータが例示される。ネットワーク50としては、インターネットが例示される。画面送信サーバ40は、ネットワーク50を介して、符号化された画面データを画面受信クライアント60に送信する。画面受信クライアント60は、その符号化された画面データを復号して表示する。その画面データは、任意の画像を表す画像データから構成されている。画像データの例としては、画像内の座標値と色成分毎の強度を表す数値である画素値とから構成される画素データがある。
図12は、その動画符号復号システムを詳細に示している。画面送信サーバ40は、画面データ生成手段44と画面データ取得手段43と画面伝送手段42とサーバ用通信手段41とを備えている。すなわち、画面送信サーバ40は、中央演算装置とイーサネット(登録商標)装置を備えている。その中央演算装置は、画面データ生成手段44、画面データ取得手段43、画面伝送手段42として機能する。そのイーサネット(登録商標)装置は、サーバ用通信手段41として機能する。
画面データ生成手段44は、画面データを生成する。画面データ取得手段43は、画面データ生成手段44によって生成された画面データを取得する。画面伝送手段42は、画面データ取得手段43が取得した画面データから、画面受信クライアント60に送信する伝送画面符号データを生成する。サーバ用通信手段41は、ネットワーク50を介して画面伝送手段42により生成された伝送画面符号データを受信クライアント60に送信する。
画面伝送手段42は、伝送画面データ生成手段425と伝送画面データ符号化手段421と、画像特性値計算手段422と高品質パラメータ領域記憶手段423と符号品質パラメータ設定手段424とを備えている。すなわち、画面受信クライアント60は、VRAMを備えたグラフィックボードとディスプレイとイーサネット(登録商標)装置と中央演算装置とを備えている。そのVRAMを備えたグラフィックボードは、表示画面記憶手段67として機能する。そのディスプレイは、画面出力手段68として機能する。そのイーサネット(登録商標)装置は、クライアント用通信手段61として機能する。その中央演算装置は、符号データ復号手段62、画像品質判定手段63、高品質化情報蓄積手段65、画像低品質化手段64、画像高品質化手段66として機能する。
伝送画面データ生成手段425は、画面データ取得手段43から取得した画面データの一部又は全ての画像データである部分画像と、その画像データの画面データ内の位置情報である部分画像位置情報から構成される伝送画面データを生成し、符号品質パラメータ設定手段424に送信する。その伝送画面データ生成の際、画面データ取得手段43から取得した画面データを、伝送画面データ生成手段425内で記憶しておき、前回取得時の画面データと新たに取得した画面データを比較して、変化のある領域を部分画像として抽出して伝送画面データを生成してもよい。
画像特性値計算手段422は、第1の実施の形態における画像特性値計算手段151と同様の動作によって、入力された部分画像と部分画像位置情報から、画像特性値を生成する。伝送画面データ符号化手段421は、後述する符号品質パラメータ設定手段424が生成した符号品質パラメータを用いて、符号品質パラメータ設定手段から受信した伝送画面データ内の画像データをJPEG等の画像符号化方式を用いて符号化したデータで入れ替えた伝送画面符号データを生成し、生成した伝送画面符号データをサーバ用通信手段41に送信する。高品質パラメータ領域記憶手段423は、符号品質パラメータ手段424が過去に高品質なパラメータを設定した伝送画面データの画像特性値を記録している。
符号品質パラメータ設定手段424は、伝送画面データ生成手段425から伝送画面データを受信し、受信した伝送画面データの画像特性値を、画像特性値計算手段422に生成させる。また、符号品質パラメータ設定手段424は、生成した画像特性値が高品質パラメータ領域記憶手段423に記憶されているかどうか検索し、もし記憶されていたら低品質な符合品質パラメータを生成し、記憶されていなければ高品質な符号品質パラメータを生成する。符号品質パラメータ設定手段424は、高品質な符号品質パラメータを生成した場合、その画像特性値を高品質パラメータ領域記憶手段423に記憶させる。さらに、符号品質パラメータ設定手段424は、生成した符号品質パラメータと伝送画面データ生成手段425から受信した伝送画面データを伝送画面データ符号化手段421に送信する。その符号品質パラメータは、符号化処理によって生成された符号を復号して得られる画像データの画質に影響を及ぼす値である。符号品質パラメータの例として、画像解像度、量子化パラメータ、符号量等がある。
画面受信クライアント60は、符号データ復号手段62と画像品質判定手段63と画像低品質化手段64と高品質化情報蓄積手段65と画像高品質化手段66とクライアント用通信手段61と画面出力手段68と表示画面記憶手段67とを備えている。画面受信クライアント60は、既述の第1の実施の形態における動画符号復号装置1と比べて、画像記憶手段31の代わりに表示画面記憶手段67を備えている点で異なっている。
クライアント用通信手段61は、そのネットワーク50を介してサーバ用ネットワーク通信手段41との間で通信を行い、画面送信サーバ40から符号化された画面の符号データを収集する。符号データ復号手段62は、クライアント用通信手段61により収集された符号データと部分画像位置情報とを取得し、その符号データを復号することにより部分画像を生成する。画像品質判定手段63は、符号データ復号手段62により復号された部分画像の画質を判定する。画像品質判定手段63は、その部分画像が高品質画像であった場合は、表示画面記憶手段67および高品質化情報蓄積手段65にその部分画像と部分画像位置情報を送信する。画像品質判定手段63は、その部分画像が低品質画像であった場合は、高品質化情報蓄積手段65にその部分画像と部分画像位置情報を送信する。画像低品質化手段64は、入力された部分画像の品質を低下させた画像を出力する。
高品質化情報蓄積手段65は、画像品質判定手段63から高品質画像である部分画像を取得した場合に、画像低品質化手段64を用いてその部分画像から低品質画像を生成し、その生成した低品質画像からその部分画像を生成するために必要な高品質化情報を生成し、その低品質画像の画像特性値に対応付けてその高品質化情報を蓄積する。高品質化情報蓄積手段65は、画像品質判定手段63から低品質画像である部分画像を取得した場合に、その部分画像の画像特性値を計算し、蓄積している高品質化情報の中からその画像特性値を用いて特定した高品質化情報とその部分画像と画像品質判定手段63から取得した部分画像位置情報とを画像高品質化手段66に送信する。高品質化情報蓄積手段65は、画像品質判定手段63から低品質画像である部分画像を取得した場合で、その高品質化情報を特定できなかった場合に、その部分画像と画像品質判定手段63から取得した部分画像位置情報とを表示画面記憶手段67に送信する。
画像高品質化手段66は、高品質化情報蓄積手段65から低品質画像と高品質化情報を取得し、その取得した高品質化情報を用いてその低品質画像の品質を高くした高品質化部分画像を生成し、その高品質化部分画像を表示画面記憶手段67に送信する。例えば、画像高品質化手段66は、高品質化情報蓄積手段65から取得した低周波成分のみで構成される低品質画像に、高品質化情報である高周波成分を加えて画像として再構成することで高品質化部分画像を生成し、その高品質化部分画像を表示画面記憶手段67に送信する。
表示画面記憶手段67は、入力される画面データを記録する。画面出力手段68は、ディスプレイ等の画像データ表示装置であり、表示画面記憶手段67に記録される画面データが示す画面を表示する。
図13は、画面伝送手段42として機能する中央演算装置の動作を示している。画面伝送手段42内の伝送画面データ生成手段425は、まず、部分画像1901および部分画像位置情報(2,1)(3,2)を生成する。画面伝送手段42内の符号品質パラメータ設定手段424は、画像特性値計算手段422に、伝送画面データ生成手段425により生成された部分画像および部分画像位置情報を用いて画像特性値「837125」を算出する(1902)。次に、符号品質パラメータ設定手段424が、画像特性値計算手段422が生成した画像特性値「558085」が高品質パラメータ領域記憶手段423に記憶されているかどうか検索する(1903)。
符号品質パラメータ設定手段424は、検索の結果、発見できなければ、伝送画面データ生成手段425により生成された部分画像および部分画像位置情報と、高解像度で符号化するための符号化パラメータとを伝送画面データ符号化手段421に送信し、画像特性値計算手段422が生成した画像特性値「558085」を高品質パラメータ領域記憶手段423に記憶させる(1904および1905)。
符号品質パラメータ設定手段424は、検索の結果、発見できた場合、伝送画面データ生成手段425により生成された部分画像および部分画像位置情報と、低解像度で符号化するための符号化パラメータを伝送画面データ符号化手段421に送信する(1906)。
次に、本発明を実施するための第2の実施の形態の動作について詳細に説明する。画面送信サーバ40は、まず、図14Aに示されているように、画面データ生成手段44が生成した画面データを、画面データ取得手段43が取得し、取得した画面データを伝送画面データ生成手段425に送信する(ステップV101)。次に、伝送画面データ生成手段425は、V101で画面データ取得手段43から受信した画面データから、伝送画面データを生成し、符号品質パラメータ設定手段424に送信する(ステップV102)。
符号品質パラメータ設定手段424は、V102の後、伝送画面データ生成手段425から受信した伝送画面データ内の部分画像および部分画像位置情報を画像特性値生成手段422に送信する(ステップV103)。画像特性値計算手段422は、V103で受信した伝送画面データの画像特性値を生成し、符号品質パラメータ設定手段424に送信する(ステップV104)。符号品質パラメータ設定手段424は、V104で取得した画像特性値が、高品質パラメータ領域記憶手段423に記憶されているかどうか検索する(ステップV105およびV106)。
次に、符号品質パラメータ設定手段424は、V106の検索で高品質パラメータ領域記憶手段423においてV104で画像特性値計算手段422が生成した画像特性値を発見できた場合に、低品質な符号化パラメータを生成し、生成した符号品質パラメータとV103で伝送画面データ生成手段425から受信した伝送画面データを伝送画面データ符号化手段421に送信する。符号品質パラメータ設定手段424は、V106の検索で高品質パラメータ領域記憶手段423においてV104で画像特性値計算手段422が生成した画像特性値を発見できなかった場合は高品質な符号化パラメータを生成し、生成した符号品質パラメータとV103で伝送画面データ生成手段425から受信した伝送画面データを伝送画面データ符号化手段421に送信する(ステップV107)。
符号品質パラメータ設定手段424は、V107で高品質な符号化パラメータを生成した場合に、V104で画像特性値計算手段422が生成した画像特性値を高品質パラメータ領域記憶手段423に記憶させる(ステップS107aおよびV108a)。
伝送画面データ符号化手段421は、図14Bに示されているように、V107で符号品質パラメータ設定手段424が送信した符号品質パラメータを用いて、V107で符号品質パラメータ設定手段424から受信した伝送画面データから伝送画面符号データを生成し、生成した伝送画面符号データをサーバ用通信手段41に送信する(ステップV108b)。
次に、サーバ用通信手段41は、V108bで伝送画面データ符号化手段421から送信された伝送画面符号データを受信し、受信した伝送画面符号データをネットワーク50に送信する(ステップV109)。そして、ネットワーク50は、V109でサーバ用通信手段41から送信された伝送画面符号データを、画面受信クライアント60のクライアント用通信手段61へと転送する(ステップV110)。
図15は、画面受信クライアント60の動作を示している。クライアント通信手段60は、ネットワーク50が転送した伝送画面符号データを受信すると、まず、受信した伝送画面符号データを符号データ復号手段62へ送信する(ステップW101)。次に、符号データ復号手段62は、既述の第1の実施の形態におけるステップS102と同様の動作によって、W101で受信した伝送画面符号データ内の符号データとその符号データに対応づけられている部分画像位置情報を取得し、その取得した符号データを復号することで、部分画像を生成する(ステップW102)。
画面受信クライアント60内の、画像品質判定手段63、画像低品質化手段64、高品質化情報蓄積手段65および画像高品質化手段66は、W102の後、既述の第1の実施の形態における同名の構成要素と同じ動作を行う。そして、表示画面記憶手段67は、画像品質判定手段63、高品質化情報蓄積手段65、画像高品質化手段66によって送信された部分画像および部分画像位置情報を受信し、既述の第1の実施の形態における画像記憶手段31と同様の動作によって画像を生成し、記憶する(ステップX101)。次に、画面主出力手段68は、X101で表示画面記憶手段67が記憶している画像を表示する(ステップX102)。
その他の動作は、既述の第1の実施の形態と同じであるので、説明を省略する。
次に、本発明を実施するための第2の実施の形態の効果について説明する。本発明の第2の実施の形態では、低品質化した部分画像と低品質化する前の部分画像に対応付けられている部分画像位置情報とから生成された画像特性値が、一定の近さにあるような複数の部分画像を符号化して、画面送信サーバから画面受信クライアントに送信する場合、画面送信サーバでその複数の部分画像のうち、1つの部分画像を高品質のまま符号化して送信し、送信された符号を受信した画面受信クライアントで高品質化情報を生成すれば、残りの部分画像は低品質にして符号化して送信しても、画面受信クライアントで高品質化情報を用いて低品質に符号化された符号から、高品質な画像を生成することができる。
図16は、本発明の第3の実施の形態における動画符号復号装置を示している。その動画符号復号装置は、データ処理装置70と記憶装置80と記憶装置90とを備えている。記憶装置80は、データ処理装置70により制御されて情報を記録する。記憶装置80は、符号記憶手段81を備えている。符号記憶手段81は、符号データと部分画像位置情報とを記憶している。記憶装置90は、データ処理装置70により制御されて情報を記録する。記憶装置90は、画像記憶手段91を備えている。画像記憶手段91は、データ処理装置70から取得した部分画像と部分画像位置情報とを用いて生成した画像を記憶している。
データ処理装置70は、符号データ復号手段71と画像品質判定手段72と画像低品質化手段73と画像高品質化手段74と高品質化情報蓄積手段75とを備えている。
符号データ復号手段71は、符号記憶手段81により記録された符号データと部分画像位置情報とを取得し、その符号データを復号することにより部分画像を生成する。画像品質判定手段72は、符号データ復号手段71により復号された部分画像の画質を判定する。画像品質判定手段72は、その部分画像が高品質画像であった場合は、画像記憶手段91および高品質化情報蓄積手段75にその部分画像と部分画像位置情報を送信する。画像品質判定手段72は、その部分画像が低品質画像であった場合は、高品質化情報蓄積手段75にその部分画像と部分画像位置情報を送信する。画像低品質化手段73は、入力された部分画像の品質を低下させた画像を出力する。
高品質化情報蓄積手段75は、画像特性値計算手段752と高品質化情報生成手段753と高品質化情報記憶手段751と高品質化情報検索手段754と画像変換手段755とを備えている。すなわち、高品質化情報蓄積手段75は、画像変換手段755を備えている点で、既述の第1の実施の形態における高品質化情報蓄積手段15と異なっている。
画像特性値計算手段752は、部分画像と部分画像位置情報が高品質化情報蓄積手段75に入力されると、その入力された部分画像の画像としての特徴と部分画像位置情報の特徴をあらわす画像特性値を算出する。
高品質化情報生成手段753は、画像品質判定手段72から高品質画像である部分画像を取得し、画像低品質化手段73を用いてその部分画像から低品質画像を生成し、その画像特性値計算手段752を用いてその低品質画像の画像特性値を生成する。また、高品質化情報生成手段753は、その低品質画像からその部分画像を生成するために必要な高品質化情報を生成し、その生成した高品質化情報をその画像特性値に対応付けて高品質化情報記憶手段751に記録する。その高品質化情報としては、画像低品質化手段73が生成した低品質画像と画像品質判定手段72から取得した高品質画像の差分や、画像品質判定手段72から受信した高品質画像である画像等がある。画像品質判定手段72から取得した高品質画像である部分画像の高周波成分や、等がある。また、その高品質化情報は、蓄積時に圧縮され、利用時に伸長されてもよい。
高品質化情報記憶手段751は、内部記憶装置である。高品質化情報記憶手段751は、その高品質化情報生成手段753が生成した高品質化情報と、その高品質化情報に対応付けられた画像特性値を記憶する。
高品質化情報検索手段754は、画像品質判定手段72から取得した部分画像が低品質画像であるときに、画像特性値計算手段752を用いてその部分画像の画像特性値を計算し、その画像特性値を用いて高品質化情報記憶手段751が記憶している高品質化情報の中から特定した高品質化情報を取得する。また、高品質化情報検索手段754は、その取得したその高品質化情報とその部分画像と画像品質判定手段72から取得した部分画像位置情報を、画像高品質化手段74に送信する。
高品質化情報検索手段754は、画像特性値計算手段752が生成した画像特性値によって、高品質化情報記憶手段751が記憶している高品質化情報の中から高品質化情報を特定できなかった場合、その部分画像と画像品質判定手段72から取得した部分画像位置情報を画像記憶手段91に送信する。
高品質化情報検索手段754が、画像特性値計算手段752が生成した画像特性値によって、高品質化情報記憶手段751が記憶している高品質化情報の中から特定する動作は、例えば、生成した画像特性値と最も近い値を持つ画像特性値と対応付けられている高品質化情報を検索することによって行う。
高品質化情報生成手段753は、第1の実施の形態における高品質化情報生成手段152の動作と同様の動作を実行し、その動作に加えて他の動作を実行する。すなわち、高品質化情報生成手段753は、さらに、画像品質判定手段72から受信した部分画像を画像変換手段755によって変換することで得られる部分画像(以後変換後部分画像)を、画像低品質化手段73を用いて低品質化した部分画像(以後変換後低品質画像)を生成する。高品質化情報生成手段753は、変換後低品質部分画像とその画像品質判定手段72から受信した部分画像に対応づけられている部分画像位置情報を画像特性値計算手段752に送信して、画像特性値計算手段752に画像特性値(以後変換後特性値)を生成させ、かつその変換後低品質画像からその変換後部分画像を生成するために必要な高品質化情報(以後変換後高品質化情報)を生成し、その変換後特性値とその変換後高品質化情報に対応付けて、高品質化情報記憶手段751に記憶する。
画像変換手段755は、高品質化情報生成手段753から部分画像を取得し、取得した部分画像を図17に示されたように明暗反転処理し、変換した部分画像を高品質化情報生成手段753に送信する。なお、その明暗反転処理は、他の画像変換に置換することができる。その画像変換としては、色の反転、パレットの変更、回転、拡大縮小等がある。
その他の点は、第1の実施の形態と同じである。
高品質化情報蓄積手段75が高品質化情報を生成する動作について、例を用いて説明する。高品質化情報蓄積手段75内の高品質化情報生成手段753として機能する中央演算装置は、図18に示されているように、画像品質判定手段72が送信した高品質画像である部分画像2101を、画像変換手段755に送信する。画像変換手段755は、受信した部分画像2101を明暗反転して部分画像2102を算出する。高品質化情報生成手段753は、明暗反転した部分画像2102を、画像低品質化手段73を用いて低解像度化して部分画像2103を算出する。
高品質化情報生成手段753は、低解像度化した部分画像2103と、画像品質判定手段72が送信した部分画像位置情報を画像特性値計算手段752に送信し、画像特性値計算手段752は、画像特性値「34565」を算出する(2104)。最後に、高品質化情報生成手段753は、高品質化情報を生成し、生成した高品質化情報と画像特性値34565を組みにして、高品質化情報記憶手段751に記憶させる(2105)。
その他の動作は、第1の実施の形態と同じであるので、説明を省略する。
次に、第3の実施の形態における動画符号復号装置の動作について詳細に説明する。図19は、高品質化情報生成手段753が変換後特性値および変換後高品質化情報を生成する動作を示している。高品質化情報生成手段753は、既述の第1の実施の形態におけるステップT106と同様の動作の後、ステップS102と同様の動作で画像品質判定手段72が送信した高品質画像である部分画像を画像変換手段755へ送信する(ステップY101)。次に、画像変換手段755は、Y101で送信された部分画像を変換することで変換後部分画像を生成し、生成した変換後部分画像を高品質化情報生成手段753へ送信する(ステップY102)。高品質化情報生成手段753は、Y102で生成された変換後部分画像を受信し、画像低品質化手段73へ送信する(ステップY103)。
画像低品質化手段73は、Y103で送信された変換後画像を低品質化することで変換後低品質画像を生成し、高品質化情報生成手段753に送信する(ステップY104)。高品質化情報生成手段753は、Y104で生成された変換後低品質画像を受信し、S102で受信した部分画像位置情報とともに、画像特性値計算手段752へ送信する(ステップY105)。
画像特性値計算手段752は、Y105で送信された変換後低品質画像および部分画像位置情報から、画像特性値を生成し、変換後特性値として高品質化情報生成手段753へ送信する(ステップY106)。高品質化情報生成手段753は、Y104で画像低品質化手段が生成した変換後低品質画像と、Y102で画像変換手段が生成した変換後部分画像から、変換後高品質化情報を生成し、生成した変換後高品質化情報にY106で画像特性値計算手段752が生成した変換後特性値を対応付けて、高品質化情報記憶手段751に記憶させる(Y107およびY108)。
その他の動作は第1の実施の形態と同じであるので、説明を省略する。
次に、本発明の第3の実施の形態の効果について説明する。本発明の第3の実施の形態では、複数の部分画像を符号化して符号記憶手段に記憶する際、ある部分画像Aを画像処理することで生成した画像が、他の部分画像と類似している場合、その複数の部分画像のうち、その部分画像Aを高品質のまま符号化することで得られる符号を復号して高品質化情報を生成すれば、残りの部分画像が低品質に符号化されていたとしても、その高品質化情報を用いることで、低品質に符号化された符号から高品質な画像を生成することができる。
図20は、本発明の第4の実施の形態における動画符号復号装置が適用される動画符号復号システムを示している。その動画符号復号システムは、本発明の第2の実施の形態における動画符号復号システムと概ね同様に構成されている。すなわち、その動画符号復号システムは、ネットワーク110を介して画面送信サーバ100と画面受信クライアント120とが情報伝達可能に接続されている。画面送信サーバ100と画面受信クライアント120としては、パーソナルコンピュータが例示される。ネットワーク110としては、インターネットが例示される。画面送信サーバ100は、ネットワーク110を介して、符号化された画面データを画面受信クライアント120に送信する。画面受信クライアント120は、その符号化された画面データを復号して表示する。
画面送信サーバ100は、画面データ生成手段104と画面データ取得手段103と画面伝送手段102とサーバ用通信手段101とを備えている。画面データ生成手段104は、画面データを生成する。画面データ取得手段103は、画面データ生成手段104によって生成された画面データを取得する。画面伝送手段102は、画面データ取得手段103が取得した画面データから伝送画面符号データを生成する。サーバ用通信手段101は、ネットワーク110を介して画面伝送手段102により生成された伝送画面符号データを受信クライアント120に送信する。
画面伝送手段102は、伝送画面データ生成手段1025と伝送画面データ符号化手段1021と、画像特性値計算手段1022と高品質パラメータ領域記憶手段1023と符号品質パラメータ設定手段1024と画像変換手段1026とを備えている。すなわち、画面伝送手段102は、画像変換手段1026を備えている点で、既述の第2の実施の形態における画面伝送手段42と異なっている。
伝送画面データ生成手段1025は、画面データ取得手段103から取得した画面データの一部又は全ての画像データである部分画像と、その画像データの画面データ内の位置情報である部分画像位置情報から構成される伝送画面データを生成し、符号品質パラメータ設定手段1024に送信する。
画像特性値計算手段1022は、入力された部分画像と部分画像位置情報から画像特性値を生成する。伝送画面データ符号化手段1021は、符号品質パラメータ設定手段1024が生成した符号品質パラメータを用いて、符号品質パラメータ設定手段1024から受信した伝送画面データ内の画像データをJPEG等の画像符号化方式を用いて符号化したデータで入れ替えた伝送画面符号データを生成し、生成した伝送画面符号データをサーバ用通信手段101に送信する。高品質パラメータ領域記憶手段1023は、符号品質パラメータ手段1024が過去に高品質なパラメータを設定した伝送画面データの画像特性値を記録している。画像変換手段1026は、既述の実施の形態における画像変換手段755と同様にして、取得した部分画像を画像変換し、変換した部分画像を符号品質パラメータ設定手段1024に送信する。
符号品質パラメータ設定手段1024は、画像変換手段1026を用いて伝送画面データ生成手段1025から取得した部分画像を変換した画像と、伝送画面データ生成手段1025から取得した部分画像位置情報を、画像特性値計算手段1022に送信することで画像特性値を生成し、生成した画像性値を高品質パラメータ領域記憶手段1023に記憶する。符号品質パラメータ設定手段1024は、さらに、既述の第2の実施の形態における符号品質パラメータ設定手段424と同様にして、伝送画面データ生成手段1025から伝送画面データを受信し、受信した伝送画面データの画像特性値を、画像特性値計算手段1022に生成させる。また、符号品質パラメータ設定手段1024は、生成した画像特性値が高品質パラメータ領域記憶手段1023に記憶されているかどうか検索し、もし記憶されていたら低品質な符合品質パラメータを、記憶されていなければ高品質な符号品質パラメータを生成する。符号品質パラメータ設定手段1024は、高品質な符号品質パラメータを生成した場合、その画像特性値を高品質パラメータ領域記憶手段1023に記憶させる。さらに、符号品質パラメータ設定手段1024は、生成した符号品質パラメータと伝送画面データ生成手段1025から受信した伝送画面データを伝送画面データ符号化手段1021に送信する。
画面受信クライアント120は、クライアント用通信手段121と符号データ復号手段122と画像品質判定手段123と画像低品質化手段124と高品質化情報蓄積手段125と画像高品質化手段126と表示画面記憶手段127と画面出力手段128とを備えている。
クライアント用通信手段121は、画面送信サーバ100から符号化された画面の符号データと部分画像位置情報とを収集する。符号データ復号手段122は、クライアント用通信手段121により収集された符号データを復号することにより部分画像を生成する。画像品質判定手段123は、符号データ復号手段122により復号された部分画像の画質を判定する。画像品質判定手段123は、その部分画像が高品質画像であった場合は、表示画面記憶手段127および高品質化情報蓄積手段125にその部分画像と部分画像位置情報を送信する。画像品質判定手段123は、その部分画像が低品質画像であった場合は、高品質化情報蓄積手段125にその部分画像と部分画像位置情報を送信する。画像低品質化手段124は、入力された部分画像の品質を低下させた画像を出力する。
高品質化情報蓄積手段125は、既述の第3の実施の形態における高品質化情報蓄積手段75と同様に動作する。画面受信クライアント120は、高品質化情報蓄積手段125が第3の実施の形態における高品質化情報蓄積手段75と同じ構成になっている点で、第2の実施の形態と異なっている。
画像高品質化手段126は、高品質化情報蓄積手段125から低品質画像と高品質化情報を取得し、その取得した高品質化情報を用いてその低品質画像の品質を高くした高品質化部分画像を生成し、その高品質化部分画像を表示画面記憶手段127に送信する。表示画面記憶手段127は、入力される画面データを記録する。画面出力手段128は、表示画面記憶手段127に記録される画面データが示す画面を表示する。
図21は、画面送信サーバ100内の画面伝送手段102内の符号品質パラメータ設定手段1024の動作を示している。符号品質パラメータ設定手段1024として機能する中央演算装置は、高品質パラメータ領域記憶手段1023において画像特性値計算手段1022が生成した画像特性値を発見できた場合に、低解像度で符号化するための符号品質パラメータを生成し、生成した符号品質パラメータと伝送画面データ生成手段1025から受信した伝送画面データとを伝送画面データ符号化手段1021に送信する。
一方、符号品質パラメータ設定手段1024は、高品質パラメータ領域記憶手段1023において画像特性値計算手段1022が生成した画像特性値を発見できなかった場合、伝送画面データ生成手段1025から受信した伝送画面データ内の部分画像を画像変換手段1026に送信する。そして、符号品質パラメータ設定手段1024は、画像変換手段1026が明暗反転した部分画像2201と、伝送画面データ生成手段1025から受信した伝送画面データ内の部分画像位置情報(2,1)(3,2)を、画像特性値計算手段1022に送信する。
次に、符号品質パラメータ設定手段1024は、画像特性値計算手段1022が生成した画像特性値「145925」2202が、高品質パラメータ領域記憶手段1023に記憶されているかどうか検索する(2203)。
次に、符号品質パラメータ設定手段1024は、高品質パラメータ領域記憶手段1023において画像特性値「145925」を発見できなかった場合に、高解像度で符号化するための符号化パラメータを生成し、生成した符号品質パラメータに基づいて伝送画面データ生成手段1025により生成された伝送画面データ2204を伝送画面データ符号化手段1021に送信する。次に符号品質パラメータ設定手段1021は、高解像度で符号化するための符号化パラメータを生成した場合、画像特性値「145925」2205を高品質パラメータ領域記憶手段1023に記憶する。
符号品質パラメータ設定手段1024は、画像特性値「145925」を発見できた場合に、低解像度で符号化するための符号化パラメータを生成し、生成した符号品質パラメータとV103と同様の動作で伝送画面データ生成手段1025から受信した伝送画面データを伝送画面データ符号化手段1021に送信する(2206)。
図22Aおよび図22Bは、画面伝送手段102の動作を示している。符号品質パラメータ設定手段1024は、既述の第2の実施の形態のV106と同様の検索動作をし、その検索で高品質パラメータ領域記憶手段1023において既述の第2の実施の形態のV104と同様の動作で画像特性値計算手段1022が生成した画像特性値を発見できた場合に(ステップV107、YES)、低品質な符号化パラメータを生成し、その生成した符号品質パラメータとV103で伝送画面データ生成手段1025から受信した伝送画面データを、伝送画面データ符号化手段1021に送信する。伝送画面データ符号化手段1021は、その伝送画面データを用いて伝送画面符号データ1021を生成する(ステップV108b)。
一方、符号品質パラメータ設定手段1024は、V106と同様の検索動作で高品質パラメータ領域記憶手段1023においてV104と同様の動作で画像特性値計算手段1022が生成した画像特性値を発見できなかった場合に(ステップV107、NO)、V103と同様の動作で伝送画面データ生成手段1025から受信した伝送画面データ内の部分画像を画像変換手段1026に送信する。符号品質パラメータ設定手段1024は、A108aで変換された部分画像とV103と同様の動作で伝送画面データ生成手段1025から受信した伝送画面データ内の部分画像位置情報を画像特性値計算手段1022に送信する(ステップA109)。
画像特性値計算手段1022は、A109で受信した部分画像および部分画像位置情報を用いて画像特性値を生成し、符号品質パラメータ設定手段1024に生成した画像特性値を送信する(ステップA110)。次に、符号品質パラメータ設定手段1024は、A110で送信された画像特性値を受信し、受信した画像特性値が、高品質パラメータ領域記憶手段1023に記憶されているかどうか検索する(ステップA111およびA112)。
次に、符号品質パラメータ設定手段1024は、A112の検索で高品質パラメータ領域記憶手段1023においてA110で画像特性値計算手段1022が生成した画像特性値を発見できた場合に、低品質な符号化パラメータを生成し、生成した符号品質パラメータとV103で伝送画面データ生成手段1025から受信した伝送画面データを伝送画面データ符号化手段1021に送信する。符号品質パラメータ設定手段1024は、その画像特性値を発見できなかった場合に、高品質な符号化パラメータを生成し、生成した符号品質パラメータとV103で伝送画面データ生成手段1025から受信した伝送画面データを伝送画面データ符号化手段1021に送信する(ステップA113)。
伝送画面データ符号化手段1021は、A113で符号品質パラメータ設定手段1024が送信した符号品質パラメータを用いて、A113で符号品質パラメータ設定手段1024から受信した伝送画面データから伝送画面符号データを生成し、生成した伝送画面符号データをサーバ用通信手段101に送信する(ステップA114)。
符号品質パラメータ設定手段1024は、A113において、高品質な符号化パラメータを生成した場合、A110で画像特性値計算手段1022が送信した画像特性値を高品質パラメータ領域記憶手段1023に記憶する(ステップA107aおよびV108a)。
その他の動作は、第2および第3の実施の形態と同じであるので、説明を省略する。
次に、本発明を実施するための第4の実施の形態の効果について説明する。本発明の第4の実施の形態では、複数の部分画像を符号化して画面送信サーバから画面受信クライアントに送信する際、ある部分画像Aを画像処理することで生成した画像が、他の部分画像と類似している場合、画面送信サーバで部分画像Aを高品質のまま符号化して送信し、送信された符号を受信した画面受信クライアントで高品質化情報を生成すれば、残りの部分画像を低品質に符号化して送信したとしても、画面受信クライアントでその高品質化情報を用いることで、低品質に符号化された符号から高品質な画像を生成することができる。
なお、第1、第2、第3および第4の実施の形態では、符号化方式としてJPEG2000を用いたが、その他の符号化方式を用いることもできる。画面データとしては、24ビットのRGB値を画素値として持つ画素から構成される画像が適用されているが、他の画面データが適用されることもできる。部分画像としては、1つの画像をマス目上に分割された矩形領域が適用されているが、他の形状に分割されることもできる。部分画像位置情報の例としては、その矩形領域の左上と右下の画素の座標値が適用されているが、他の位置情報が適用されることもできる。画像の品質としては、解像度が適用されているが、他の画像の品質を用いてもよい。すなわち、本発明による技術は、様々な符号化方式、画面データ、分割形状、位置情報、画像の品質が適用されても同様の効果を奏することができる。