JP2009215211A - 融合タンパク質、オキシトシン受容体の製造方法、化合物のスクリーニング方法、及びスクリーニング用組成物 - Google Patents

融合タンパク質、オキシトシン受容体の製造方法、化合物のスクリーニング方法、及びスクリーニング用組成物 Download PDF

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明義 尹
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陵治 榊原
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Abstract

【課題】オキシトシン受容体に対して特異的に結合する化合物を容易にスクリーニングするための一連の技術を提供する。
【解決手段】オキシトシン受容体のN末端側又はC末端側に分子シャペロン活性を有するタンパク質又はそのサブユニットが連結されてなり、かつリガンド結合活性を有することを特徴とする融合タンパク質が提供される。分子シャペロン活性を有するタンパク質の例として、シャペロニン、PPIaseが挙げられる。当該融合タンパク質を用いるオキシトシン受容体に対して特異的に結合する化合物のスクリーニング方法、並びに、当該スクリーニング方法に用いられるスクリーニング用組成物も提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は融合タンパク質、オキシトシン受容体の製造方法、化合物のスクリーニング方法、及びスクリーニング用組成物に関する。本発明は、オキシトシン受容体を標的とする新規医薬の開発等に有用なものである。
神経ペプチドホルモンに分類されるオキシトシン(oxytocin)は、哺乳類の関脳視床下部領域の室傍核といわれる領域の大細胞性神経細胞で主に合成される。視床下部でつくられるオキシトシンは、全長125アミノ酸のニューロフィジンと呼ばれる前駆体として合成翻訳された後、プロテアーゼによりプロセスされ、S−S結合を有する9アミノ酸からなるペプチドホルモンとして下垂体後葉に運ばれて分泌される。また、オキシトシンは視床下部以外の様々な組織、器官(例えば、子宮上皮、卵巣、精巣、血管内皮、心臓など)で合成分泌されることも知られている(非特許文献1)。オキシトシンは、脊椎動物に広く保存されているメソトシンやバソプレシンなどと呼ばれるホルモン類と近縁で、これらのホルモンファミリーはサメや貝類、タコ、昆虫やミミズなどの下等動物に至る広範囲な動物種に広く保存されている(非特許文献1)。
オキシトシンに対する受容体(オキシトシン受容体)は、G−タンパク質共役型受容体(GPCR)に属する388アミノ酸からなる膜受容体であり、N末端付近の約40アミノ酸から成る細胞外領域と、膜貫通部分を含む7カ所の疎水性領域を持つ(非特許文献2)。オキシトシン受容体へのオキシトシンの結合によって、細胞内シグナル伝達経路下流における様々なシグナル因子の活性化などの生体反応が生じることが知られている。オキシトシン受容体は、乳腺胞、子宮平滑筋、脂肪細胞、脊髄、心筋、血管内皮細胞、胎児組織など、様々な組織に分布している。そのため、オキシトシン/オキシトシン受容体系の機能については、分娩時の子宮平滑筋収縮や授乳時の乳腺胞の平滑筋の収縮による乳汁射出をもたらすことが知られている(非特許文献1)。さらにオキシトシンは脳内の特定の受容体発現細胞に働きかけ、それらの下流ニューロンへシグナルを伝搬することで、行動、記憶や脳の生理作用制御に関する様々な反応をもたらすことも知られている(非特許文献1)。
このように、オキシトシン/オキシトシン受容体の関係は、生理的活動と病態のさまざまな局面で重要な役割を演じているため、創薬研究において極めて重要視されている受容体の一つである。すなわち、オキシトシン受容体に対して特異的に結合する化合物はアンタゴニスト又はアゴニストとしての薬理活性が期待できる。なお、オキシトシン受容体に対するアゴニストとアンタゴニストの結合する位置は同じであるということが報告されている(非特許文献3、4)。
オキシトシン受容体に対するアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性を有する化合物のスクリーニング方法としては、オキシトシン受容体を発現しているラットなどの動物組織をホモジネートし、そのミクロソームを材料とし、ラジオアイソトープでラベルした既知の化合物をトレーサーとして結合実験を行うのが常法である。しかしながら、この方法は非ヒト動物の受容体を用いた評価結果を指標とするものであり、ヒトへの薬理効果を正しく反映しているとは限らない。むしろ近年、非ヒト動物由来の材料を用いたアッセイ法が、必ずしもヒトへの薬理効果を正しく外挿しないことが明らかになりつつある。このため、ヒト由来のオキシトシン受容体を用いたスクリーニングのニーズが高まっている。ところが、ヒト組織を用いて同様の実験を行うことには倫理上の問題があり、実施は事実上困難である。
一方、オキシトシン受容体を遺伝子工学的に発現させ、創薬活動に利用する試みもある。一般には、受容体の遺伝子をアフリカツメガエルの卵母細胞に導入・発現させ、パッチクランプ法による細胞内の電位の変化により、受容体に結合するアゴニスト、アンタゴニストのスクリーニングを実施する方法が知られている。しかしながら、これらの方法はハイスループット性に欠けるため、化合物ライブラリーから大規模にスクリーニングすることには不向きである。また、発現量も極めて微量であるため、受容体を精製・回収し、ラジオアイソトープ標識化合物を用いた結合実験に供することもハイスループット性に欠け、実用的ではない。
オキシトシン受容体は、膜タンパク質であるため、他の膜タンパク質と同様に大量に強制発現させた例はこれまでほとんど報告されていない。オキシトシン受容体を、大腸菌を用いてGST(glutathione-S-transferase)融合タンパク質として発現させた例はあるが、封入体を形成してしまうためにリガンド結合活性を失っている(非特許文献5)。そのため、ヒト由来のオキシトシン受容体をリガンド結合活性を保持した状態で大量に得るという課題の根本的な解決には至っていない。
膜タンパク質等の難溶性のタンパク質を正しく折り畳まれた可溶性の状態で発現させる技術として、「タンパク質折り畳み因子」と呼ばれるタンパク質の作用を利用する方法が提案されている。タンパク質折り畳み因子は、他のタンパク質の折り畳み反応(フォールディング)を促進する作用を有するタンパク質の総称であり、酵素的に働く「フォールダーゼ」と非酵素的に働く「分子シャペロン」とに分類することができる。例えば、難溶性の目的タンパク質をタンパク質折り畳み因子との融合タンパク質として発現させ、目的タンパク質を正しく折り畳まれた可溶性の状態で取得する方法が提案されている(特許文献1)。しかし、この方法の有効性は目的タンパク質の種類によって異なり、オキシトシン受容体のような7箇所の疎水性領域を持つ受容体に対して有効であるか否かは定かでない。
組織などの細胞に発現する膜タンパク質を、界面活性剤などを用いて細胞膜から取り出し、細胞膜類似構造体である脂質二重膜に再構成する方法が提案されている。例えば、KLEINらは、モルモットのオキシトシン受容体を発現している子宮筋組織より、界面活性剤も用いてオキシトシン受容体を可溶化した後に、脂質二重膜に再構成している(非特許文献6)。しかし、膜タンパク質等の難溶性タンパク質が融合タンパク質の一部となっている場合や、分子シャペロンとの共存状態にある場合において、同様の手法で脂質二重膜に再構成できるか否かは定かでない。
国際公開第02/052029号パンフレット 化学と生物,2007年,第45巻,第12号,p826−833 ネイチャー(Nature),2007年,第356巻,p526−529 ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol. Chem.),2001年,第276巻,p26931−26941 ユーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Eur. J. Biochem.),2000年,第267巻,p4253−4263 プログレス・イン・ブレイン・リサーチ(Progress in Brain Research),2002年,第139巻,p163−177 ユーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Eur. J. Biochem.),1994年,第220巻,p559−567
本発明の目的は、オキシトシン受容体に対して特異的に結合する化合物を容易にスクリーニングするための一連の技術を提供することにある。
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、オキシトシン受容体のN末端側又はC末端側に分子シャペロン活性を有するタンパク質又はそのサブユニットが連結されてなり、かつリガンド結合活性を有することを特徴とする融合タンパク質である。
また請求項2に記載の発明は、オキシトシン受容体は、ヒト由来のものであることを特徴とする請求項1に記載の融合タンパク質である。
本発明の融合タンパク質は、オキシトシン受容体のN末端側又はC末端側に分子シャペロン活性を有するタンパク質又はそのサブユニットが連結されてなるものである。そして、本発明の融合タンパク質は、受容体としての本質的な活性である「リガンド結合活性」を保持している。本発明の融合タンパク質はリガンド結合活性を有するので、単独分子としてのオキシトシン受容体の代替物質として利用できる。例えば、オキシトシン受容体としてヒト由来のものを採用した融合タンパク質(請求項2)を使用すれば、組織ホモジネートを使用する従来の方法では実施できなかったヒト由来オキシトシン受容体に対するスクリーニングを行うことができる。さらに、本発明の融合タンパク質は遺伝子工学的に大量取得が可能であるので、オキシトシン受容体の部分を切り出すことによりオキシトシン受容体を高純度で高収率、かつ、容易に製造することができる。
ここで「リガンド結合活性」とは、天然(native)のオキシトシン受容体が本質的に有する活性を表現したものであり、具体的には「オキシトシンに特異的な結合活性」、「バソトシンに特異的な結合活性」、「オキシトシン受容体に対するアゴニストに特異的な結合活性」、及び「オキシトシン受容体に対するアンタゴニストに特異的な結合活性」等が例示される。
ここで「分子シャペロン活性」とは、「変性したタンパク質を元の正常型にリフォールディングさせる活性、又は、変性したタンパク質の不可逆的な凝集を抑制する活性」を指すものとする。「分子シャペロン活性を有するタンパク質」の代表例はシャペロニン、スモールヒートショックプロテイン、Hsp90等の「分子シャペロン」に属する一群のタンパク質である。ただし、分子シャペロン以外のタンパク質であっても、上記した「分子シャペロン活性」を有するタンパク質であれば、本発明における「分子シャペロン活性を有するタンパク質」に含まれる。
本発明においてオキシトシン受容体に連結されるタンパク質は、「分子シャペロン活性を有するタンパク質」と「そのサブユニット」のいずれかである。前者は分子シャペロン活性を有するタンパク質が単量体である場合、後者は複数のサブユニットからなる複合タンパク質の場合に該当する。
請求項3に記載の発明は、分子シャペロン活性を有するタンパク質は、シャペロニンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の融合タンパク質である。
シャペロニンは分子シャペロンの一種であり、分子量約6万のサブユニット(シャペロニンサブユニット)からなる複合タンパク質ある。代表的なシャペロニンは、シャペロニンサブユニット7〜9個からなるリング状構造体が2個重なった、総分子量80万〜100万程度のシリンダー状の巨大な複合タンパク質である。シャペロニンはその内部に他のタンパク質を格納し、正しく折り畳むことができる。そして本発明の融合タンパク質は、分子シャペロン活性を有するタンパク質としてシャペロニンを採用したものである。
請求項4に記載の発明は、シャペロニンを構成するサブユニットの少なくとも2個は、ペプチド結合を介して直列に連結されていることを特徴とする請求項3に記載の融合タンパク質である。
2個以上のシャペロニンサブユニットがペプチド結合を介して直列に連結された人工タンパク質(以下、「シャペロニンサブユニット連結体」と称する。)が知られており、必要に応じて単独分子のシャペロニンサブユニットを補充しながら、天然型シャペロニンと同様にリング状構造体を形成することがわかっている(古谷ら,Protein Science, 2005, 14, 341)。そして本発明の融合タンパク質は、分子シャペロン活性を有するタンパク質としてシャペロニンサブユニット連結体を採用したものである。なお、N個のシャペロニンサブユニットからなるシャペロニンサブユニット連結体を、以下、「シャペロニンサブユニットN回連結体」と呼ぶこととする。
請求項5に記載の発明は、分子シャペロン活性を有するタンパク質は、ペプチジル−プロリル・シス−トランス・イソメラーゼに属するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の融合タンパク質である。
ペプチジル−プロリル・シス−トランス・イソメラーゼ(Peptidyl-prolyl cis-trans isomerase。以下、「PPIase」と略記する。)はフォールダーゼの一種であり、細胞内で折り畳み途上のタンパク質中のアミノ酸のうち、プロリン残基のN末端側ペプチド結合のシス−トランス異性化反応を触媒する活性(PPIase活性)を有する酵素である。一部のPPIaseはPPIase活性に加えて「分子シャペロン活性」を有することが知られており、本発明の融合タンパク質は、分子シャペロン活性を有するタンパク質として当該PPIaseを採用したものである。
ペプチジル−プロリル・シス−トランス・イソメラーゼがトリガーファクタータイプ又は古細菌由来FKBPタイプのものである構成が推奨される(請求項6)。
請求項7に記載の発明は、分子シャペロン活性を有するタンパク質又はそのサブユニットは、ペプチドリンカーを介してオキシトシン受容体のN末端側又はC末端側に連結されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の融合タンパク質である。
本発明の融合タンパク質においては、分子シャペロン活性を有するタンパク質又はそのサブユニットとオキシトシン受容体とがペプチドリンカーを介して間接的に連結されている。本発明によれば、ペプチドリンカー部分を利用して融合タンパク質に所望の機能を容易に付与することができる。
請求項8に記載の発明は、ペプチドリンカーは、プロテアーゼの認識切断部位を有するものであることを特徴とする請求項7に記載の融合タンパク質である。
かかる構成により、融合タンパク質からオキシトシン受容体を容易に切り出すことができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の融合タンパク質からオキシトシン受容体を切り出してオキシトシン受容体を取得することを特徴とするオキシトシン受容体の製造方法である。
本発明はオキシトシン受容体の製造方法に係るものであり、上記した本発明の融合タンパク質からオキシトシン受容体を切り出すことを特徴とする。本発明のオキシトシン受容体の製造方法では、遺伝子工学的に大量取得が可能な融合タンパク質を用いるので、オキシトシン受容体を高収率で取得することができる。さらに、融合タンパク質からオキシトシン受容体を切り出す構成を採用したので、製造が容易に行える。
請求項10に記載の発明は、融合タンパク質にプロテアーゼを作用させることによってオキシトシン受容体を切り出すことを特徴とする請求項9に記載のオキシトシン受容体の製造方法である。
かかる構成により、融合タンパク質からオキシトシン受容体をきわめて容易に切り出すことができる。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の融合タンパク質と被検化合物との結合性を指標として被検化合物のオキシトシン受容体に対する結合性を評価し、当該評価結果に基づいてオキシトシン受容体に対して特異的に結合する化合物をスクリーニングすることを特徴とする化合物のスクリーニング方法である。
本発明は、オキシトシン受容体に対して特異的に結合する化合物のスクリーニング方法にかかるものである。本発明のスクリーニング方法では、オキシトシン受容体ではなく、本発明の融合タンパク質を用いる。上記したように、本発明の融合タンパク質は、単独分子としてのオキシトシン受容体の代替物質として利用できるものである。本発明のスクリーニング方法では、融合タンパク質としてヒト由来オキシトシン受容体を含むものを使用することができるので、組織ホモジネートを使用する従来の方法では実施できなかったヒト由来オキシトシン受容体に対するスクリーニングを行うことができる。その結果、ヒト由来オキシトシン受容体に対するアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性を有する化合物を正確にスクリーニングすることができる。
請求項12に記載の発明は、下記工程:
(1)請求項1〜8のいずれか1項に記載の融合タンパク質を含有する溶液中で前記融合タンパク質におけるオキシトシン受容体と分子シャペロン活性を有するタンパク質との連結部を切断し、オキシトシン受容体と分子シャペロン活性を有するタンパク質とを遊離させ、遊離したオキシトシン受容体と被検化合物とを溶液中で接触させる工程、
(2)工程(1)でオキシトシン受容体と被検化合物とを接触させた際の被検化合物のオキシトシン受容体に対する結合性を評価し、当該評価結果に基づいてオキシトシン受容体に対して特異的に結合する化合物をスクリーニングする工程、
を包含することを特徴とする化合物のスクリーニング方法である。
本発明のスクリーニング方法では、分子シャペロン活性を有するタンパク質の存在下でオキシトシン受容体と被検化合物とを接触させる。そして、分子シャペロン活性を有するタンパク質とオキシトシン受容体として、本発明の融合タンパク質を切断して遊離させたものを使用する。ここで、被検化合物と接触する遊離のオキシトシン受容体は、溶液中において分子シャペロン活性を有するタンパク質の作用によって正しく折り畳まれた可溶性の状態で存在できる。したがって本発明のスクリーニング方法によれば、オキシトシン受容体に対するアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性を有する化合物を正確にスクリーニングすることができる。
融合タンパク質として前記連結部にプロテアーゼ認識切断部位を有するものを使用し、工程(1)において前記融合タンパク質に当該プロテアーゼを作用させて前記プロテアーゼ認識切断部位を切断する構成が推奨される(請求項13)。
請求項14に記載の発明は、オキシトシン受容体に対して特異的に結合する化合物をスクリーニングするために用いられる組成物であって、請求項1〜8のいずれか1項に記載の融合タンパク質を含有することを特徴とするスクリーニング用組成物である。
本発明はオキシトシン受容体に対して特異的に結合する化合物のスクリーニング用組成物に係るものであり、本発明の融合タンパク質を含有することを特徴とする。本発明のスクリーニング用組成物を使用すれば、オキシトシン受容体に対して特異的に結合する化合物のスクリーニングを簡便に行うことができる。
請求項15に記載の発明は、オキシトシン受容体に対して特異的に結合する化合物をスクリーニングするために用いられる組成物であって、請求項1〜8のいずれか1項に記載の融合タンパク質を含有する溶液中で前記融合タンパク質におけるオキシトシン受容体と分子シャペロン活性を有するタンパク質との連結部を切断し、オキシトシン受容体と分子シャペロン活性を有するタンパク質を遊離させてなるスクリーニング用組成物である。
本発明のスクリーニング用組成物は、本発明の融合タンパク質を溶液中で切断し、オキシトシン受容体と分子シャペロン活性を有するタンパク質を遊離させてなるものであり、分子シャペロン活性を有するタンパク質とオキシトシン受容体とを含有する。本発明のスクリーニング用組成物を使用すれば、オキシトシン受容体に対して特異的に結合する化合物のスクリーニングを簡便に行うことができる。
請求項16に記載の発明は、さらに界面活性剤又は脂質二重膜を含有することを特徴とする請求項14又は15に記載のスクリーニング用組成物である。
オキシトシン受容体は生体内において脂質二重膜からなる細胞膜を貫通する形で存在している。したがって、より正確なスクリーニングを行うためには、用いるオキシトシン受容体が細胞膜上に発現している状態により近いものであることが好ましい。そして、本発明のスクリーニング用組成物は、さらに界面活性剤又は脂質二重膜を含有する。かかる構成により、融合タンパク質中または遊離のオキシトシン受容体が、界面活性剤や脂質二重膜との複合体を形成して細胞膜類似構造体として再構成され、細胞膜上に発現している状態により近いものとなる。
本発明の融合タンパク質は、単独分子としてのオキシトシン受容体の代替物質として利用でき、例えば、オキシトシン受容体としてヒト由来のものを採用することで、組織ホモジネートを使用する従来の方法では実施できなかったヒト由来オキシトシン受容体に対するスクリーニングを行うことができる。さらに、本発明の融合タンパク質からオキシトシン受容体の部分を切り出し、界面活性剤や脂質物質で構成される細胞膜類似構造体との複合体とすることで、オキシトシン受容体を高収率かつ容易に製造することができる。
本発明のオキシトシン受容体の製造方法によれば、オキシトシン受容体を高収率かつ容易に取得することができる。
本発明のスクリーニング方法によれば、オキシトシン受容体に対するアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性を有する化合物を正確にスクリーニングすることができる。
本発明のスクリーニング用組成物によれば、オキシトシン受容体に対するアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性を有する化合物のスクリーニングを容易に行うことができる。
本発明の融合タンパク質は、オキシトシン受容体のN末端側又はC末端側に分子シャペロン活性を有するタンパク質又はそのサブユニットが連結されてなり、かつリガンド結合活性を有する。好ましくは、オキシトシン受容体がヒト由来のものである。
分子シャペロン活性を有するタンパク質の例としては、シャペロニン(Hsp60)、スモールヒートショックプロテイン、プレフォルディン、DnaK、DnaJ、GrpE、Hsp90、等の分子シャペロンに属するタンパク質が挙げられる。好ましくは、シャペロニンが採用される。
シャペロニンは、グループ1型とグループ2型とに大別される。バクテリアや真核生物のオルガネラに存在するシャペロニンはグループ1型に分類され、いずれも分子量60kDaからなるシャペロニンサブユニット7つが環状に連なるリング構造を形成し、さらに2つのリングが2層構造を形成する、14量体のホモオリゴマーを形成する。これらはコシャペロニンと称される分子量約10kDaのタンパク質の環状7量体を補因子とする。1型シャペロニンの例としては、大腸菌由来のシャペロニンであるGroELが挙げられる。一方、グループ2型シャペロニンは、真核生物の細胞質や古細菌にみられ、通常8〜9個のシャペロニンサブユニットからなるリングが2層に連なった16〜18量体のホモ、またはヘテロオリゴマーを形成している。本発明の融合タンパク質に含まれるシャペロニンは、グループ1型及びグループ2型のいずれでもよい。
好ましい実施形態では、シャペロニンサブユニットの少なくとも2個がペプチド結合を介して連結されている。換言すれば、オキシトシン受容体のN末端側又はC末端側に「シャペロニンサブユニット連結体」が連結されている。上記したように、シャペロニンサブユニット連結体においても、必要に応じて単独分子のシャペロニンサブユニットを補充しながら、天然型シャペロニンと同様にリング状構造体を形成することがわかっている。また、シャペロニンサブユニットN回連結体の連結数(N)は、そのシャペロニンの由来によって決定される最適数であることが特に好ましく、グループ1型シャペロニンの場合には7個、グループ2型シャペロニンの場合には8又は9個が好ましい。Nがこれらの最適数であれば、シャペロニンサブユニット連結体のみでリング状構造体を形成することができ、単独分子のシャペロニンサブユニットを補充する必要がない。
本発明の融合タンパク質においては、リング構造への自己集合能が維持されている限り、天然型のシャペロニンと同様にアミノ酸変異体等の変異型のシャペロニンも採用することができる。
本発明の融合タンパク質においては、分子シャペロンには分類されない「分子シャペロン活性を有するタンパク質」を採用することもできる。好ましくは、分子シャペロン活性を有するPPIaseを採用する。すなわち、一部のPPIaseは、本来のPPIase活性に加えて分子シャペロン活性を有する。分子シャペロン活性を有するPPIaseの例としては、古細菌由来FKBP型PPIase;トリガーファクター(TF)タイプPPIase(Huang, Protein Sci., 9, 1254-, 2000年);FkpAタイプPPIase(Arie, Mol. Microbiol. 39, 199-, 2000年);SlyDタイプPPIase(Scholz, Biochemistry, 45, 20-, 2006年);FKBP52タイプPPIase(Bose, Science, 274, 1715-, 1996年);CyP40タイプPPIase(Pirkl, J. Mol. Biol., 308, 795-, 2001年);SurAタイプPPIase(Behrens, EMBO J. 20, 285-, 2001年)、が挙げられる。
このうち、古細菌由来FKBP型PPIaseは、その分子量の違いにより2種類に大別できる。一方は分子量が16〜18kDa程度のショートタイプであり、他方は26〜33kDa程度のロングタイプである。本発明の融合タンパク質においては、ショートタイプ、ロングタイプのいずれの古細菌由来FKBP型PPIaseでも採用できるが、一般的に、ショートタイプの方がより強い分子シャペロン活性を有する傾向にあること、タンパク質の分子量が大きくなるにつれて、その組み換えタンパク質の発現量が低下する傾向があること、の2点を考慮すると、ショートタイプの古細菌由来FKBP型PPIaseを採用することがより好ましい。
さらに、これらのPPIaseの一部のアミノ酸残基を改変したポリペプチドや、これらのPPIaseの一部分を含むポリペプチド等であって、PPIase活性と分子シャペロン活性とを有するポリペプチドも、分子シャペロン活性を有するPPIaseとして採用できる。
上記したように、本発明において「分子シャペロン活性」とは、「変性したタンパク質を元の正常型にリフォールディングさせる活性、又は、変性したタンパク質の不可逆的な凝集を抑制する活性」を指す。分子シャペロン活性の評価方法としては、例えば、ロダネーゼ、クエン酸合成酵素、リンゴ酸脱水素酵素、グルコース−6−リン酸脱水素酵素等をモデル酵素とし(河田,バイオサイエンスとインダストリー,56,593−,1998年)、これらを6M塩酸グアニジン等のタンパク質変性剤で変性処理後、検定対象物質を含む緩衝液で変性剤を希釈した際に開始する変性タンパク質の再生率や、変性タンパク質の凝集の抑制率をもって、検定対象物の分子シャペロン活性を評価することができる。なお、変性タンパク質の再生率を評価する方法としては、例えばロダネーゼの場合、ホロビッチらの方法(Horowitz, Methods Mol. Biol., 40, 361-, 1995年)が挙げられ、変性タンパク質の凝集抑制を評価する方法としては田口らの方法(Taguchi, J. Biol. Chem., 269, 8529-, 1994年)等が挙げられる。
好ましい実施形態では、分子シャペロン活性を有するタンパク質又はそのサブユニットは、ペプチドリンカーを介してオキシトシン受容体のN末端側又はC末端側に連結されている。特に、ペプチドリンカーがプロテアーゼ認識切断部位を有する実施形態によれば、融合タンパク質に当該のプロテアーゼを作用させることにより、オキシトシン受容体を容易に切り出すことができる。当該プロテアーゼの例としては、トロンビン、エンテロキナーゼ、ファクターX、プレシジョンプロテアーゼ等が挙げられる。
本発明の融合タンパク質は、例えば、分子シャペロン活性を有するタンパク質をコードする遺伝子とオキシトシン受容体をコードする遺伝子とを連結させた融合遺伝子を発現させることにより製造することができる。好ましくは、該融合遺伝子を発現ベクターに組み込み、該組換えベクターを適宜の宿主に導入して形質転換体を作製し、該形質転換体内で融合遺伝子を発現させる。このときに用いる宿主としては特に限定はないが、培養コストが安価であり、培養日数が短く、培養操作が簡便な点からバクテリア等の微生物が好ましく、特に、大腸菌が取り扱いの容易さの面でより好ましい。
本発明のオキシトシン受容体の製造方法は、本発明の融合タンパク質からオキシトシン受容体を切り出して取得するものである。好ましくは、プロテアーゼ認識切断部位を有するペプチドリンカーを介して分子シャペロン活性を有するタンパク質とオキシトシン受容体とが連結されている融合タンパク質を用い、この融合タンパク質に当該プロテアーゼを作用させて、オキシトシン受容体を切り出す。例えば、トロンビン認識切断部位を有するペプチドリンカーを採用した場合には、融合タンパク質にトロンビンを作用させてトロンビン認識切断部位を切断し、オキシトシン受容体を切り出すことができる。
本発明の化合物のスクリーニング方法の1つの様相では、本発明の融合タンパク質と被検化合物との結合性を指標として被検化合物のオキシトシン受容体に対する結合性を評価し、当該評価結果に基づいてオキシトシン受容体に対して特異的に結合する化合物をスクリーニングする。例えば、非ヒト動物の組織ホモジネートを使用する従来のスクリーニング方法において、組織ホモジネートの代わりに本発明の融合タンパク質を使用することにより、本様相のスクリーニング方法を実施することができる。特に、ヒト由来オキシトシン受容体を含む融合タンパク質を用いる実施形態によれば、組織ホモジネートの使用では実施困難であったヒト由来オキシトシン受容体に対するスクリーニングを行うことができ、好適である。なお、本様相のスクリーニング方法においては複数種の融合タンパク質を併用してもよく、例えば、「オキシトシン受容体とシャペロニンとの融合タンパク質」と「オキシトシンとPPIaseとの融合タンパク質」の2種を併用することができる。
本発明のスクリーニング用組成物の1つの様相では、本発明の融合タンパク質を含有する。本様相のスクリーニング用組成物を用いることにより、融合タンパク質と被検化合物との結合性を容易に調べることができる。本様相のスクリーニング用組成物は本発明の融合タンパク質を含有しておればよく、その他の成分については特に限定はない。例えば、適宜の緩衝成分や安定化剤を含有していてもよい。組成物の形状についても特に限定はなく、溶液状でもよいし、凍結乾燥品でもよい。
本発明の化合物のスクリーニング方法の他の様相は、2つの工程(1)及び(2)を包含する。工程(1)では、本発明の融合タンパク質を含有する溶液中で前記融合タンパク質におけるオキシトシン受容体と分子シャペロン活性を有するタンパク質との連結部を切断し、オキシトシン受容体と分子シャペロン活性を有するタンパク質とを遊離させる。これにより、オキシトシン受容体と分子シャペロン活性を有するタンパク質との混合物が得られる。この段階で、遊離したオキシトシン受容体と被検化合物とを溶液中で接触させる。接触させるための具体的手順としては、例えば、融合タンパク質の切断処理が終了した溶液に被検化合物を添加することが挙げられる。すなわち、オキシトシン受容体と分子シャペロン活性を有するタンパク質との混合物に被検化合物を添加する。他の例としては、工程(1)開始時の溶液に予め被検化合物を含有させておき、その後、融合タンパク質の切断処理を行うことが挙げられる。すなわち、融合タンパク質と被検化合物とを混合した状態で当該融合タンパク質を切断し、分子シャペロン活性を有するタンパク質の存在下でオキシトシン受容体と被検化合物とを接触させる。
そして工程(2)において、工程(1)でオキシトシン受容体と被検化合物とを接触させた際の被検化合物のオキシトシン受容体に対する結合性を評価し、当該評価結果に基づいてオキシトシン受容体に対して特異的に結合する化合物をスクリーニングする。本様相の化合物のスクリーニング方法においても、ヒト由来オキシトシン受容体を含む融合タンパク質を用いる実施形態によれば、組織ホモジネートの使用では実施困難であったヒト由来オキシトシン受容体に対するスクリーニングを行うことができる。なお、本様相のスクリーニング方法においても複数種の融合タンパク質を併用することができる。
好ましい実施形態では、融合タンパク質として前記連結部にプロテアーゼ認識切断部位を有するものを使用し、工程(1)において前記融合タンパク質に当該プロテアーゼを作用させて前記プロテアーゼ認識切断部位を切断する。当該プロテアーゼの例としては、上記したトロンビン、エンテロキナーゼ、ファクターX、プレシジョンプロテアーゼ等が挙げられる。
本発明のスクリーニング用組成物の他の様相は、本発明の融合タンパク質を含有する溶液中で前記融合タンパク質におけるオキシトシン受容体と分子シャペロン活性を有するタンパク質との連結部を切断し、オキシトシン受容体と分子シャペロン活性を有するタンパク質を遊離させてなるものである。連結部の切断は、例えば、連結部にプロテアーゼ認識切断部位を設けておき、融合タンパク質に当該プロテアーゼを作用させることにより行うことができる。本様相のスクリーニング用組成物を用いることにより、分子シャペロン活性を有するタンパク質の存在下における被検化合物のオキシトシン受容体に対する結合性を容易に調べることができる。なお、本様相のスクリーニング用組成物は、適宜の緩衝成分や安定化剤をさらに含有していてもよいし、組成物の形状は溶液状でも凍結乾燥品でもよい。
本発明のスクリーニング用組成物の好ましい実施形態では、さらに界面活性剤又は脂質二重膜を含有する。界面活性剤としては特に限定はなく、イオン性、非イオン性のいずれでもよい。脂質二重膜の例としては、人工的に作成したリン脂質二重膜が挙げられる。また、本発明で用いられる脂質二重膜の形態としては平面構造を有する二重膜の他、ベシクル化したリポソームなどが挙げられる。脂質二重膜を作製する際の具体的な成分としては、天然脂質、リン脂質、コレステロール等のステロール類、並びに、これらに官能基を付加した化学合成脂質、等が挙げられる。
以下に実施例を掲げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(1)超好熱性古細菌Thermococcus sp. KS-1由来ショートタイプFKBP型PPIase(TcFKBP18)と融合するための発現ベクター構築
分子シャペロン活性を有するPPIaseの1つであるTcFKBP18(Ideno, Biochem. J., 357, 465-, 2001年)の発現プラスミドpEFE1−3(Iida, Gene, 222, 249-, 1998年)を鋳型とし、TcFu―F1(配列番号1)とTcFu―R2(配列番号2)をプライマー対としてPCRを行い、TcFKBP18遺伝子を含むDNA断片(配列番号3)を増幅した。このDNA断片の5’末端と3’末端には、それぞれプライマーに由来するNcoIサイトとSpeIサイトが導入された。
さらに、トロンビン認識切断部位を有するペプチドリンカーをコードするDNA(ペプチドリンカーサイト)、並びに、外来遺伝子を挿入するための種々の制限酵素サイト(クローニングサイト)を含むオリゴDNAを調製した。これらのDNAとTcFKBP18遺伝子を含むDNA断片とをpET21dベクター(メルク社)の制限酵素サイトに導入した。この際、TcFKBP18遺伝子を含むDNA断片が上流、ペプチドリンカーサイトとクローニングサイトが下流に位置するように導入した。得られたTcFKBP18融合タンパク質発現用プラスミドをTcFKfusion3とした(図1)。図1中、「P」はプロモーター、「Lac」はラックオペレーター、「RBS」はリボゾーム結合部位、「TcFKBP18」はTcFKBP18遺伝子、「Thrbin」はトロンビン認識切断部位をコードする配列、「His」はヒスチジンタグをコードする配列、「T」はターミネーターを表す。そして、TcFKfusion3のクローニングサイトにオキシトシン受容体遺伝子を挿入することにより、TcFKBP18とオキシトシン受容体との融合タンパク質を発現させることができる。
(2)大腸菌由来トリガーファクタータイプPPIase(TF)と融合するための発現ベクター構築
NCBIコード:NP_414970に登録されている塩基配列情報を元に、プライマーTF−F1(配列番号4)とTF−R1(配列番号5)を設計した。大腸菌K12株のゲノムDNAを鋳型とし、TF−F1とTF−R1をプライマー対としてPCRを行い、終止コドンを除いたTF遺伝子を含むDNA断片(配列番号6)を増幅した。このDNA断片の5’末端と3’末端には、それぞれプライマーに由来するNcoIサイトとSpeIサイトが導入された。この増幅DNA断片をpT7BlueTベクターに挿入してシークエンシングを行い、登録情報と相違ないことを確認した。
TF遺伝子を含む増幅DNA断片が挿入されたpT7BlueTベクターを制限酵素NcoI(タカラバイオ社)と制限酵素SpeI(タカラバイオ社)で処理し、TF遺伝子を得た。上記(1)で調製したTcFKfusion3をNcoIとSpeIで処理してTcFKBP18遺伝子の部分を除いた後、得られたTF遺伝子を挿入し、TF融合タンパク質発現用プラスミドTFf3を構築した。TFf3は、(1)で構築したTcFKfusion3のTcFKBP18遺伝子がTF遺伝子に置き換わった構成を有する。すなわち、TFf3のクローニングサイトにオキシトシン受容体遺伝子を挿入することにより、TFとオキシトシン受容体との融合タンパク質を発現させることができる。
(3)大腸菌由来シャペロニンGroELの7回連結体と融合するための発現ベクター構築
大腸菌K12株のゲノムDNAを鋳型とし、CPN−F1(配列番号7)とCPN−R1(配列番号8)をプライマー対としてPCRを行い、GroEL遺伝子を含むDNA断片(配列番号9)を増幅した。このDNA断片の5’末端と3’末端には、それぞれプライマーに由来するSpeIサイトとXbaIサイトが導入された。このDNA断片7個を直列に連結し、GroEL7回連結体遺伝子((GroE)7遺伝子)を作製した。pTrc99A発現ベクター(アマシャムファルマシア社)のNcoI/HindIIIサイトに、(GroE)7遺伝子と他の必要な配列を導入し、発現ベクターpTrc(GV)7TC2Hを構築した(図2)。図2中、「P」はtrcプロモーター、「groEL」はGroELサブユニット遺伝子、「(GroE)7」は(GroE)7遺伝子、「PS」はペプチドリンカーをコードする配列(ペプチドリンカーサイト)、「CS」はクローニングサイト、「Ek」はエンテロキナーゼ翻訳サイト、「His」はヒスチジンタグをコードする配列(Hisペプチドサイト)、「T」はターミネーターを示す。すなわち、pTrc(GV)7TC2Hは、trcプロモーターの下流に(GroE)7遺伝子、ペプチドリンカーサイト(トロンビン切断認識部位をコードする配列を有する)、クローニングサイト、エンテロキナーゼ翻訳サイト、Hisペプチドサイト、終止コドン、及びターミネーターが配置された構成を有している。そして、pTrc(GV)7TC2Hのクローニングサイトにオキシトシン受容体遺伝子を挿入することにより、GroEL7回連結体とオキシトシン受容体との融合タンパク質を発現させることができる。
(4)ヒトオキシトシン受容体遺伝子の調製
ヒト由来オキシトシン受容体のクローン(Missouri S&T cDNA Resource Center, Clone ID OXTR000000)を鋳型とし、OTR-F1(配列番号10)とOTR-R1(配列番号11)をプライマー対としてPCRを行い、ヒトオキシトシン受容体遺伝子を含むDNA断片(配列番号12)を増幅した。このDNA断片の5’末端と3’末端には、それぞれプライマーに由来するEcoRIサイトとXhoI/HindIIIサイトが導入された。この増幅DNA断片をpT7BlueTベクターに挿入してシークエンシングを行い、登録情報と相違ないことを確認した。得られたベクターをpT7−oxytocin#23とした。
(5)融合タンパク質発現ベクターの構築
上記(4)で構築したpT7−oxytocin#23をEcoRIとXhoIで処理し、ヒトオキシトシン受容体遺伝子を含むDNA断片を得た。このDNA断片を(1)で構築したTcFKfusion3のEcoRI/XhoIサイトに導入し、TcFKBP18とヒトオキシトシン受容体との融合タンパク質を発現するベクターpTFK−F3−oxytocin#3を構築した。同様に、このDNA断片を(2)で構築したTFf3のEcoRI/XhoIサイトに導入し、TFとヒトオキシトシン受容体との融合タンパク質を発現するベクターTFf3−TFf3−oxytocin#1を構築した。
上記(4)で構築したpT7−oxytocin#23を制限酵素EcoRI(タカラバイオ社)と制限酵素XhoI(タカラバイオ社)で処理し、ヒトオキシトシン受容体遺伝子を含むDNA断片を得た。このDNA断片を(3)で構築したpTrc(GV)7TC2HのEcoRI/XhoIサイトに導入し、(GroEL)7とヒトオキシトシン受容体との融合タンパク質を発現するベクターpTrc(GV)7TC2H−oxytocin#8を構築した。
(6)融合タンパク質の製造
上記(5)で構築した4種のベクターを、それぞれ大腸菌BL21(DE3) pRARE株に導入し、4種の形質転換体を得た。2リットル容の三角フラスコに700mLの2×YT培地(16g/L 酵母エキス、20g/L バクトトリプトン、6g/L 塩化ナトリウム、100μg/mL アンピシリン、pH7.5)を仕込み、各形質転換体を2〜3白金耳接種した。pMAL−p2X−oxytocin#2を導入された形質転換体については、さらに培地に0.2%グルコースを添加して用いた。25℃で40時間、110rpmで回転培養した後、遠心分離(5000rpm、10分)にて菌体を回収した。得られた菌体を1%プロテアーゼインヒビターカクテル(ナカライテスク社)及び10mMイミダゾールを含むPBS(pH7.4)20mLに懸濁し、−80℃にて凍結保存した。凍結した菌体懸濁液を融解して、超音波破砕後、超遠心分離に供し、その上清(可溶性画分)と沈殿部(沈殿画分)に分離した。
pTFK−F3−oxytocin#3、TFf3−TFf3−oxytocin#1、pTrc(GV)7TC2H−oxytocin#8が導入された形質転換体由来の各上清(可溶性画分)をニッケルキレートカラム(5mL)にロードした。500mMイミダゾール/PBSによる直線グラジエントにより各融合タンパク質を溶出し、融合タンパク質を含む各画分を濃縮した。その結果、培養液1L当たり、TcFKBP18との融合タンパク質が2.7mg、TFとの融合タンパク質が3.1mg、シャペロニン7連結体との融合タンパク質が5.2mgそれぞれ回収することができた。
表1に本実施例で用いた各プライマーの塩基配列と制限酵素サイトを示した。
Figure 2009215211
オキシトシン受容体の製造とスクリーニング用組成物の調製
実施例1の(6)で精製したpTrc(GV)7TC2Hとヒトオキシトシン受容体との融合タンパク質をトロンビンにて22℃で一昼夜処理し、pTrc(GV)7TC2Hとヒトオキシトシン受容体との間のトロンビン認識切断部位を切断した。これにより、pTrc(GV)7TC2Hとヒトオキシトシン受容体との融合タンパク質からヒトオキシトシン受容体を切り出し、取得することができた。
さらに、トロンビンにて一昼夜処理した上記反応液を、そのままTcFKBP18とヒトオキシトシン受容体とを含有するスクリーニング用組成物とした。
脂質二重膜をさらに含有するスクリーニング用組成物の調製
(1)脂質二重膜構造粒子(リポソーム)溶液の作製
混合脂質6mg(卵黄レシチン(日本油脂社):cholesterol(ナカライテスク社):cholesteryl hemisuccinate(シグマ社)=65:15:20(質量比))をナス型フラスコに秤量し、クロロホルム(和光純薬工業社)で溶解した。エバポレーターを用いてクロロホルムを除いた後、水を375μL添加し、激しく混和した。その溶液を超音波装置で超音波処理した後、孔径0.2μm、0.1μm、0.08μmの各ポリカーボネートフィルター(ワットマン)に通した。
(2)オキシトシン受容体の脂質二重膜への再構成
(1)で調製した脂質二重膜構造粒子(リポソーム)溶液375μLに、10%のCHAPSO(同仁化学社)溶液を104μL添加して混合し、室温にて5分程度放置した。溶液を4℃に冷却したのち、水を351μL添加した。この溶液に対して、CHAPSO濃度が終濃度0.8%となるように調製した実施例2の組成物200μLを加えた。そして、Bio-Beads SM Adsorbents(Bio-Rad Laboratories, Inc)を、0.18g添加した。4℃にて2時間混合した後、再度0.18gのBio-Beads SM Adsorbentsを加えて4℃にて1時間混合し、さらに、0.18gのBio-Beads SM Adsorbentsを加え1時間混合した。Bio-Beads SM Adsorbentsと溶液を分離し、脂質二重膜に再構成されたオキシトシン受容体を含有する組成物を得た。
ヒトオキシトシン受容体のリガンド結合特異性評価
実施例1の(6)で調製した融合タンパク質を含む各画分(3種)、並びに、実施例3で調製した脂質二重膜に再構成したヒトオキシトシン受容体とGroELの7回連結体とを含む溶液(スクリーニング用組成物)の計4種の試料を、以下の手順によるヒトオキシトシン受容体のリガンド結合特異性評価に供した。2 mMCaCl2、及び、1mM MgCl2を含む50mM Tris−HCl(pH7.4)にヒトオキシトシン受容体約50μg相当分の試料を添加し、オキシトシン受容体に対するアンタゴニスト[125I]-Ornithine Vasotocin (d(CH2)5[Tyr(Me)2,Thr4,Tyr-NH2(9)]OVT)(Perkinelmer, Inc)をホットトレーサー、オキシトシン受容体に対するアゴニストであるコールドのoxytocinを置換体とするリガンド結合特異性評価を行った。反応条件は25℃、60分間とした。反応終了後、セルハーベスターにより膜受容体をあらかじめポリエチレンsイミン処理しておいたガラスフィルター上に吸着させ、フィルターを3mLの上記緩衝液で3回洗浄した。フィルターを測定用バイアルに移し、液体シンチレーター(Atomlight、登録商標)5mLを添加し、液体シンチレーションカウンターにて測定(2分間)した。その結果、TFと融合させた受容体では112dpm、TcFKBP18と融合させた受容体では837dpm、(GroEL)7と融合させたヒトオキシトシン受容体では4333dpm、pTrc(GV)7TC2Hよりオキシトシン受容体を切り出して脂質二重膜に再構成した受容体では348dpmとそれぞれ特異的な結合活性が確認された。
以上より、TcFKBP18、TF、(GroEL)7とヒトオキシトシン受容体との融合タンパク質、および脂質二重膜構造に再構成したオキシトシン受容体は、オキシトシン受容体に対するアゴニストに特異的な結合活性(リガンド結合活性)を有していた。これにより、これらの融合タンパク質を用いてヒトオキシトシン受容体に対して特異的に結合する化合物をスクリーニングできることが示された。
TcFKfusion3の主要部の構成を示す説明図である。 pTrc(GV)7TC2Hの主要部の構成を示す説明図である。

Claims (16)

  1. オキシトシン受容体のN末端側又はC末端側に分子シャペロン活性を有するタンパク質又はそのサブユニットが連結されてなり、かつリガンド結合活性を有することを特徴とする融合タンパク質。
  2. オキシトシン受容体は、ヒト由来のものであることを特徴とする請求項1に記載の融合タンパク質。
  3. 分子シャペロン活性を有するタンパク質は、シャペロニンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の融合タンパク質。
  4. シャペロニンを構成するサブユニットの少なくとも2個は、ペプチド結合を介して直列に連結されていることを特徴とする請求項3に記載の融合タンパク質。
  5. 分子シャペロン活性を有するタンパク質は、ペプチジル−プロリル・シス−トランス・イソメラーゼに属するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の融合タンパク質。
  6. ペプチジル−プロリル・シス−トランス・イソメラーゼは、トリガーファクタータイプ又は古細菌由来FKBPタイプのものであることを特徴とする請求項5に記載の融合タンパク質。
  7. 分子シャペロン活性を有するタンパク質又はそのサブユニットは、ペプチドリンカーを介してオキシトシン受容体のN末端側又はC末端側に連結されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
  8. ペプチドリンカーは、プロテアーゼの認識切断部位を有するものであることを特徴とする請求項7に記載の融合タンパク質。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の融合タンパク質からオキシトシン受容体を切り出してオキシトシン受容体を取得することを特徴とするオキシトシン受容体の製造方法。
  10. 融合タンパク質にプロテアーゼを作用させることによってオキシトシン受容体を切り出すことを特徴とする請求項9に記載のオキシトシン受容体の製造方法。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の融合タンパク質と被検化合物との結合性を指標として被検化合物のオキシトシン受容体に対する結合性を評価し、当該評価結果に基づいてオキシトシン受容体に対して特異的に結合する化合物をスクリーニングすることを特徴とする化合物のスクリーニング方法。
  12. 下記工程:
    (1)請求項1〜8のいずれか1項に記載の融合タンパク質を含有する溶液中で前記融合タンパク質におけるオキシトシン受容体と分子シャペロン活性を有するタンパク質との連結部を切断し、オキシトシン受容体と分子シャペロン活性を有するタンパク質とを遊離させ、遊離したオキシトシン受容体と被検化合物とを溶液中で接触させる工程、
    (2)工程(1)でオキシトシン受容体と被検化合物とを接触させた際の被検化合物のオキシトシン受容体に対する結合性を評価し、当該評価結果に基づいてオキシトシン受容体に対して特異的に結合する化合物をスクリーニングする工程、
    を包含することを特徴とする化合物のスクリーニング方法。
  13. 融合タンパク質として前記連結部にプロテアーゼ認識切断部位を有するものを使用し、工程(1)において前記融合タンパク質に当該プロテアーゼを作用させて前記プロテアーゼ認識切断部位を切断することを特徴とする請求項12に記載の化合物のスクリーニング方法。
  14. オキシトシン受容体に対して特異的に結合する化合物をスクリーニングするために用いられる組成物であって、請求項1〜8のいずれか1項に記載の融合タンパク質を含有することを特徴とするスクリーニング用組成物。
  15. オキシトシン受容体に対して特異的に結合する化合物をスクリーニングするために用いられる組成物であって、請求項1〜8のいずれか1項に記載の融合タンパク質を含有する溶液中で前記融合タンパク質におけるオキシトシン受容体と分子シャペロン活性を有するタンパク質との連結部を切断し、オキシトシン受容体と分子シャペロン活性を有するタンパク質を遊離させてなるスクリーニング用組成物。
  16. さらに界面活性剤又は脂質二重膜を含有することを特徴とする請求項14又は15に記載のスクリーニング用組成物。
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