JP2009214382A - 感熱記録材料および背面層形成用水系塗料 - Google Patents

感熱記録材料および背面層形成用水系塗料 Download PDF

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Abstract

【課題】密着性、耐熱性が良好で、印字不良やインク移行の問題がなく、サーマルヘッドとの接触摩擦によっても粉落ちの発生がないことやヘッドへ焼き付きが発生しないなどの優れた性能を有する感熱記録材料を提供すること。
【解決手段】背面層が、少なくとも1個の活性水素含有基とアニオン性基またはカチオン性基とを有する化合物と、ポリオールおよび/またはポリアミンと、少なくとも1個の活性水素含有基を有するポリシロキサンと、ポリイソシアネートとを反応させて得られるシロキサン変性ウレタン樹脂を皮膜形成成分として含有することを特徴とする感熱記録材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、サーマルプリンターなどで使用されるインクリボンの背面層(耐熱保護層)が、親水性基含有シロキサン変性ポリウレタン樹脂を含む組成物で形成された感熱記録材料および背面層形成用水系塗料に関する。
従来、サーマルプリンターなどで使用されるインクリボンは、薄いポリエステルフィルムを基材とし、該基材上面に溶融型熱転写インク層が、該基材下面のサーマルヘッドと接する面には背面層が設けられた構造となっている。この背面層形成用塗料としては、シロキサン変性ポリウレタン樹脂とポリイソシアネートからなる架橋硬化物の使用(特許文献1、2参照)やアクリルシロキサン系グラフト共重合体の使用(特許文献3〜5参照)が提案されている。背面層には、適度の滑り性、耐熱性、基材フィルムとの密着性の他、サーマルヘッドとの接触摩擦によっても粉落ちの発生がないことやヘッドへ焼き付かないことが求められる。
特開昭61−227087号公報 特開昭64−11888号公報 特開昭62−30082号公報 特開昭63−37620号公報 特開平2−274596号公報
しかしながら、上記の提案技術では、全ての性能を満足させることはできず、さらに高性能の背面層形成用の材料が要望されている。したがって、本発明の目的は、密着性、耐熱性が良好で、印字不良やインク移行の問題がなく、サーマルヘッドとの接触摩擦によっても粉落ちの発生がないことやヘッドへ焼き付きが発生しないなどの優れた性能を有する感熱記録材料、さらには近年の原油高騰を鑑み、廉価な水で希釈可能で、環境に配慮した高速コーティングが可能な背面層形成用水系塗料を提供することである。
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、基材シートと、該基材シートの一方の面に設けた感熱記録層と、該基材シートの他方の面に設けた背面層とからなる感熱記録材料において、該背面層が、少なくとも1個の活性水素含有基とアニオン性基またはカチオン性基とを有する化合物(以下「化合物A」という場合がある)と、ポリオールおよび/またはポリアミン(以下「化合物B」という場合がある)と、少なくとも1個の活性水素含有基を有するポリシロキサン(以下「化合物C」という場合がある)と、ポリイソシアネート(以下「化合物D」という場合がある)とを反応させて得られるシロキサン変性ポリウレタン樹脂(以下「本発明のポリウレタン樹脂」という場合がある)を皮膜形成成分として含有することを特徴とする感熱記録材料を提供する。
上記本発明においては、前記ポリウレタン樹脂の数平均分子量が、2,000〜500,000であること;前記アニオン性基が、少なくとも一部が中和されたカルボキシル基またはスルホン酸基であること;前記カチオン性基が、少なくとも一部が中和された第3級アミノ基であること;前記ポリウレタン樹脂が、下記の一般式(1)で表される結合を少なくとも含むことが好ましい。
−(A)a−(B)b−(C)c− (1)
(Aは化合物(A)から導入された単位であり、Bは化合物(B)から導入された単位であり、Cは化合物(C)から導入された単位をそれぞれ表わす。)
上記本発明においては、前記一般式(1)におけるa〜cが、ポリウレタン樹脂中の各単位の含有割合であり、aが0.01〜30質量%、bが10〜80質量%、cが0.01〜50質量%(ただしa〜cの合計は100質量%である)であること:前記A単位が、下記の一般式(2)で表されること;背面層がさらに他のバインダー樹脂も含むこと;背面層のポリウレタン樹脂が架橋されていること;および架橋剤が、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、有機金属錯体化合物、ポリイソシアネート化合物またはエポキシ化合物であることが好ましい。
Figure 2009214382
(ただし、上記式中のR1は化合物Aの残基であり、Zは、−COOH、−SO3H、または−N(R22(R2=アルキル基)或いはそれらの塩であって、Zは直接または有機基を介してR1に結合しており、Y1、Y2は同じでも異なってもよく、−O−または−NH−である。)
また、本発明は、前記本発明のポリウレタン樹脂(1)と架橋剤(2)とを水中に溶解または分散してなることを特徴とする背面層形成用水系塗料を提供する。ここで前記ポリウレタン樹脂(1)が、該樹脂(1)と架橋剤(2)との合計量(100質量%)のうちの60〜98質量%であり、架橋剤(2)が40〜2質量%であることが好ましい。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討の結果、背面層形成用塗料において使用するシロキサン変性ポリウレタン樹脂が、その分子中に親水性(イオン性)基を含有することで、環境に配慮した、すなわち有機溶剤を用いない水系塗料の設計が可能となり、さらにはシロキサン変性ポリウレタン樹脂に親水性基を導入することで、塗膜を形成した際、基材と塗膜との界面に極性基(親水性基)が配向するために、基材に対して密着性に優れた塗膜が得られる現象を見出した。
また、親水性基含有シロキサン変性ポリウレタン樹脂は、その分子中のシロキサンセグメントとポリウレタンセグメントとの相溶性が悪く、該樹脂を含む塗料で塗膜を形成すると、シロキサンセグメントとポリウレタンセグメントとがミクロ相分離した塗膜が形成される。すなわち、シロキサンセグメントは表面張力から空気側に配向し、シロキサン成分の特徴(滑性、耐熱性、防汚染性、非粘着性など)を発揮させる機構である。
さらに、塗料に架橋剤を配合することで、塗膜表面に覆われたシロキサンセグメントのさらに特徴が出るとともに、架橋剤によってシロキサン成分の移行を抑える効果がある。ポリシロキサンの表面張力(20.3dyn/cm)がポリウレタンの表面張力(30.4dyn/cm)の値に比べて著しく小さいため、本発明のポリウレタン樹脂の表面機構において、ポリウレタンドメイン内に島状に形成されるシロキサンセグメントは、塗膜表面に配向すると考えられ、この傾向は塗膜の表面張力の測定値からも支持される。本発明のポリウレタン樹脂は、背面層形成用水系塗料に使用した場合、該樹脂の各セグメントにより、感熱記録材料の背面層の必要スペックに優れた塗膜が得られる現象をさらに発展させることで本発明に到達した。
さらに詳しくは、本発明のポリウレタン樹脂は、原料成分である化合物Cが、例えば、両末端反応型であれば、ポリウレタン樹脂の幹部分(主鎖)に組み込まれ、化合物Cが片末端であれば、ポリウレタン樹脂の枝部分に導入される。これらのポリウレタン樹脂溶液からプラスチック基材表面上に乾燥塗膜を形成させた場合には、各セグメント間の表面エネルギーの相違から、表面エネルギーの低いポリシロキサンセグメントは、塗膜の表面層に、幹部分のウレタン結合を有する部分と化合物Aによるセグメントは塗膜の基材側へ配向する。
従来の背面層形成に用いられるポリシロキサンセグメントを有するポリウレタン樹脂では、表面エネルギーの低いポリシロキサンセグメントの存在によって、耐熱性の良い塗膜が得られているが、上記樹脂を含む塗料は、ほとんどが有機溶剤で溶解または分散しているので、該塗料は環境に負荷を与えている。これに対して本発明のポリウレタン樹脂は、親水性基が中和塩を形成して水に溶解または分散することで、水系塗料とすることができ、環境に配慮した設計となるとともに、親水性基が基材側に配向することにより、基材に対する塗膜の密着性をさらに向上させることができる。
したがって、本発明によれば、感熱記録材料の背面層の必要スペックである密着性、耐熱性が良好で、印字不良やインク移行の問題がなく、サーマルヘッドとの接触摩擦によっても粉落ちの発生がないことや、ヘッドへ焼き付きが発生しないなどの優れた性能を有する感熱記録材料の背面層を形成し、さらには環境に配慮した高速コーティングが可能な背面層形成用水系塗料を提供することができる。
なお、前述のアクリルシロキサン系グラフト共重合体(特許文献3〜5参照)を用いて形成された塗膜では、枝部分のシロキサンを含有するマクロモノマーが表面層に配向し、幹のアクリルポリマー部分が基材側に配向するとしている。つまり、枝部分のシロキサンが耐熱性を、幹部分のアクリルポリマーが基材との密着性を発現させる役割を担っており、明らかに本発明の技術思想とは相違する。また、アクリルポリマーが基材との密着性が乏しいため、サーマルヘッドとの接触摩擦によって粉落ちが発生する場合が多い。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。本発明の感熱記録材料は、背面層が上記本発明のポリウレタン樹脂を主成分としてなることが特徴である。ここで「ポリウレタン」とはポリウレタン、ポリウレア、およびポリウレタン−ポリウレアの総称である。また、本発明における活性水素含有基は、イソシアネート基に対して反応性を有するヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基などの活性水素を有する官能基をいう。
本発明のポリウレタン樹脂は、少なくとも1個、好ましくは2個の活性水素含有基とアニオン性基またはカチオン性基とを有する化合物(化合物A)と、ポリオールおよび/またはポリアミン(化合物B)と、少なくとも1個、好ましくは2個の活性水素含有基を有するポリシロキサン(化合物C)と、ポリイソシアネート(化合物D)とを、必要により鎖伸長剤の存在に、上記鎖伸長剤を含む全活性水素とイソシアネート基とがほぼ等量になる割合で反応させ、ポリマー末端にイソシアネート基が残った場合にはイソシアネート末端の停止反応を行って得られる。
[化合物A]
以下に本発明のポリウレタン樹脂に使用する原料成分について説明する。前記化合物Aとしては、スルホン酸系、カルボン酸系、燐酸系、アミン系などの化合物を用いることができる。例えば、スルホン酸系化合物であれば、下記化合物およびその誘導体などが挙げられる。
Figure 2009214382
また、カルボン酸系化合物であれば、ジメチロールプロパン酸、ジメチロールブタン酸およびそれらのアルキレンオキシド低モル付加物(数平均分子量500未満)やγ−カプロラクトン低モル付加物(数平均分子量500未満)、酸無水物とグリセリンから誘導されるハーフエステル類、水酸基と不飽和基を含有するモノマーとカルボキシル基と不飽和基を含有するモノマーとをフリーラジカル反応により誘導される化合物などが挙げられる。
アミノ系化合物としては、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミンなどのN−アルキルジアルカノールアミン、N−メチルジアミノエチルアミン、N−エチルジアミノエチルアミンなどのN−アルキルジアミノアルキルアミンを挙げることができる。
以上は本発明において使用される好ましい化合物Aの例示であって、本発明はこれらの例示の化合物に限定されるものではない。したがって、上述の例示化合物のみならず、その他現在市販されていて、市場から容易に入手できる化合物Aは、いずれも本発明に使用することができる。
[化合物B]
本発明に使用される化合物Bのうちのポリオールとしては、ポリウレタンの製造に従来から使用されている短鎖ジオール、多価アルコール系化合物、高分子ポリオールなどの従来公知のものが、また、ポリアミンとしてはポリウレタンの製造に従来から使用されている短鎖ジアミンなどが使用できるが、これらは特に限定されない。
短鎖ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール類およびそのアルキレンオキシド低モル付加物(数平均分子量500未満);1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式系グリコール類およびそのアルキレンオキシド低モル付加物(数平均分子量500未満);キシリレングリコールなどの芳香族グリコール類およびそのアルキレンオキシド低モル付加物(数平均分子量500未満);ビスフェノールA、チオビスフェノール、スルホンビスフェノールなどのビスフェノール類およびそのアルキレンオキシド低モル付加物(数平均分子量500未満);C1〜C18のアルキルジエタノールアミンなどのアルキルジアルカノールアミン類などの化合物が挙げられる。
また、多価アルコール系化合物としては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,1,1−トリメチロールエタン、1,1,1−トリメチロールプロパンなどが挙げられる。これらは単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
高分子ポリオールとしては、例えば、以下のものが例示される。
(1)ポリエーテルポリオール、例えば、アルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなど)および/または、複素環式エーテル(テトラヒドロフランなど)を重合または共重合して得られるもの、具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコール(ブロックまたはランダム)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレングリコールなど、
(2)ポリエステルポリオール、例えば、脂肪族系ジカルボン酸類(例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸など)および/または芳香族系ジカルボン酸(例えば、イソフタル酸、テレフタル酸など)と低分子量グリコール類(例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサンなど)とを縮重合したもの、具体的にはポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレン/ブチレンアジペートジオール、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペートジオール、ポリ−3−メチルペンタンアジペートジオール、ポリブチレンイソフタレートジオールなど、
(3)ポリラクトンポリオール、例えば、ポリカプロラクトンジオールまたはトリオール、ポリ−3−メチルバレロラクトンジオールなど、
(4)ポリカーボネートジオール、例えば、ポリヘキサメチレンカーボネートなど、
(5)ポリオレフィンポリオール、例えば、ポリブタジエングリコール、ポリイソプレングリコールまたは、その水素化物など、
(6)ポリメタクリレートジオール、例えば、α,ω−ポリメチルメタクリレートジオール、α,ω−ポリブチルメタクリレートジオールなどが挙げられる。
これらのポリオールの分子量は特に限定されないが、通常数平均分子量は500〜2,000程度である。また、これらのポリオールは単独或いは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
ポリアミンとしては、短鎖ジアミン、脂肪族系、芳香族系ジアミン類、ヒドラジン類などが挙げられる。短鎖ジアミンとしては、例えば、メチレンジアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン化合物;フェニレンジアミン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−メチレンビス(フェニルアミン)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族ジアミン化合物;シクロペンタジアミン、シクロヘキシルジアミン、4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミンなどの脂環式ジアミン化合物などが挙げられる。また、ヒドラジン、カルボジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジドなどのヒドラジン類が挙げられる。これらは単独であるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。ポリオールおよびポリアミンとしては、ジオール化合物、ジアミン化合物が好ましい。
[化合物C]
本発明で使用する化合物Cは、本発明のポリウレタン樹脂(1)中にポリシロキサンセグメントとして含有されるものであり、ポリウレタン樹脂の主鎖中に含有或いは分岐した状態で含有されている。すなわち、原料となる化合物Cが両末端反応型であれば、ポリウレタン樹脂の主鎖である幹部分に、片末端或いは分岐反応型であればポリウレタン樹脂の主鎖から分岐した状態で含有されることとなる。
本発明で使用する化合物Cとしては、例えば、以下のような化合物を用いることが好ましい(この中には活性水素基を利用して変性されたエポキシ変性ポリシロキサンも含んでいるが、イソシアネート基と反応してポリウレタン樹脂中に含有されることとなるので含めている)。
本発明において使用される化合物Cとしては、例えば、以下のような化合物を用いることができる。
(1)アミノ変性ポリシロキサン
Figure 2009214382
Figure 2009214382
Figure 2009214382
Figure 2009214382
Figure 2009214382
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(2)エポキシ変性ポリシロキサン
Figure 2009214382
Figure 2009214382
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Figure 2009214382
上記のエポキシ化合物はポリオール、ポリアミド、ポリカルボン酸などと反応させ末端活性水素を有するようにして使用することができる。
(3)アルコール変性ポリシロキサン
Figure 2009214382
Figure 2009214382
Figure 2009214382
Figure 2009214382
Figure 2009214382
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(4)メルカプト変性ポリシロキサン
Figure 2009214382
Figure 2009214382
Figure 2009214382
Figure 2009214382
以上列記した化合物Cは本発明において使用する好ましい化合物であるが、本発明はこれらの例示の化合物に限定されるものではない。したがって上述の例示の化合物Cのみならず、その他現在市販されており、市場から容易に入手し得る化合物はいずれも本発明において好ましく使用することができる。本発明において特に好ましい化合物Cは2個の水酸基またはアミノ基を有するポリシロキサンである。
これらの他にも化合物Cをラクトンで変性したポリラクトン(ポリエステル)−ポリシロキサンおよびエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドで変性したポリエチレンオキサイド−ポリシロキサンやポリプロピレンオキサイド−ポリシロキサンなども好ましく使用される。特に好ましくは化合物Cをラクトンで変性したポリラクトン−ポリシロキサンおよび化合物Cをエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドでエーテル変性したポリエーテル−ポリシロキサンである。
ここで使用する好ましいラクトンは、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、7−ヘプタノリド、8−オクタノリド、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトンおよびδ−カプロラクトンなどである。
また、アルキレンオキサイド類としては、具体的には、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、α−ブチレンオキサイド、β−ブチレンオキサイド、ヘキセンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド、α−メチルスチレンオキサイドなどが挙げられ、種々の触媒の存在下に開環重合させることによって得られる。
また、本発明において前記ポリラクトン−ポリシロキサン、すなわち、化合物Cをラクトンで変性したポリラクトン−ポリシロキサンは、分子中に1個または2個以上の活性水素基、例えば、アミノ基、水酸基、カルボキシル基などを有するシロキサン化合物を、その活性水素原子団によりラクトンを開環重合させた後、減圧処理することによって得られる。
[化合物D]
本発明に使用する化合物Dとしては、従来公知のポリウレタンの製造に使用されているものがいずれも使用でき特に限定されない。例えば、好ましいものとして、トルエン−2,4−ジイソシアネート、4−メトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−イソプロピル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−クロル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−ブトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、2,4−ジイソシアネートジフェニルエーテル、4,4’−メチレンビス(フェニレンイソシアネート)(MDI)、ジュリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ベンジジンジイソシアネート、o−ニトロベンジジンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジベンジルなどの芳香族ジイソシアネート;
メチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添XDIなどの脂環式ジイソシアネートなど、あるいはこれらのジイソシアネート化合物と低分子量のポリオールやポリアミンを末端がイソシアネートとなるように反応させて得られるポリウレタンプレポリマーなども当然使用することができる。
上記の原料を用いる本発明のポリウレタン樹脂の製造方法については特に限定されず、従来公知のポリウレタンの製造方法を用いることができる。例えば、分子内に活性水素を含まない有機溶剤の存在下、または不存在下に、化合物Aと化合物Bと化合物Cと化合物Dとを、必要に応じて低分子ジオールを鎖伸長剤とし、全原料中のイソシアネート基と活性水素含有官能基との当量比が、通常、1.0(等量)となる配合で、ワンショット法、または多段法により、通常、20〜150℃、好ましくは60〜110℃で、理論イソシアネート%となるまで反応し、水と中和剤で乳化した後、イソシアネート基が残っている場合には、低分子ジアミンで鎖伸長してイソシアネート基が殆どなくなるまで反応させ、必要に応じて脱溶剤工程を経て本発明のポリウレタン樹脂を得ることができる。
本発明では、上記ポリウレタン樹脂合成において、必要に応じて触媒を使用できる。触媒としては、例えば、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート、スタナスオクトエート、オクチル酸亜鉛、テトラn−ブチルチタネートなどの金属と有機および無機酸の塩、および有機金属誘導体、トリエチルアミンなどの有機アミン、ジアザビシクロウンデセン系触媒などが挙げられる。
なお、本発明では、上記ポリウレタン樹脂は、無溶剤で合成しても、必要であれば有機溶剤を用いて合成してもよい。有機溶剤として好ましい溶剤としては、イソシアネート基に不活性であるか、または反応成分よりも低活性なものが挙げられる。例えば、ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、芳香族系炭化水素溶剤(トルエン、キシレン、スワゾール(コスモ石油株式会社製の芳香族系炭化水素溶剤)、ソルベッソ(エクソン化学株式会社製の芳香族系炭化水素溶剤)など)、脂肪族系炭化水素溶剤(n−ヘキサンなど)、アルコール系溶剤(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、エーテル系溶剤(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなど)、グリコールエーテルエステル系溶剤(エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなど)、アミド系溶剤(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、ラクタム系溶剤(N−メチル−2−ピロリドンなど)が挙げられる。これらの内、好ましくは、溶媒回収、ウレタン合成時の溶解性、反応性、沸点、水への乳化分散性を考慮すれば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アセトン、およびテトラヒドロフランなどがよい。
本発明では、ポリウレタン樹脂の合成工程においては、ポリマー末端に、イソシアネート基が残った場合、イソシアネート末端の停止反応を加えてもよい。例えば、モノアルコールやモノアミンのように単官能性の化合物ばかりでなく、イソシアネートに対して異なる反応性のもつ2種の官能基を有するような化合物であっても使用することができ、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどのモノアルコール;モノエチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミンなどのモノアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミンなどが挙げられ、このなかでもアルカノールアミン類が反応制御しやすいという点で好ましい。
本発明のポリウレタン樹脂を製造する場合には、それぞれ前記化合物Aを0.01〜30質量%、好ましくは1〜15質量%と、前記化合物Cを0.01〜50質量%、好ましくは1〜15質量%と、前記化合物Bを10〜80質量%、好ましくは20〜70質量%(ただし、これらの反応成分の合計量は100質量%である。)の割合で使用することが好ましい。これらの反応成分A〜Cと化合物Dとを、これらの反応成分中の全活性水素とイソシアネート基とがほぼ等モルとなるように、必要により適当量の鎖伸長剤(目的の分子量となる量の)の存在下に反応させる。その後に、中和剤とともにイオン交換水中に分散して自己乳化型の安定した水系ポリウレタン樹脂である。
上記の如くして得られる本発明のポリウレタン樹脂の分子量は、数平均分子量(GPCで測定。標準ポリスチレン換算。)が2,000〜500,000の範囲が好ましい。
上記本発明のポリウレタン樹脂を水中に乳化するために使用する中和剤としては、アニオン性基(スルホン酸系、カルボン酸系など)に対応する塩基として、例えば、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−アミノ−2−エチル−1−プロパノールなど、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン、リチウム、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、アンモニアなどの無機塩基などやこれらを併用して用いることができる。これらはカルボキシル基またはスルホン酸基の少なくとも一部を中和するのに必要な量が用いられる。
一方、親水性基がカチオン基(3級アミノ基)に対応する酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、リンゴ酸、マロン酸、アジピン酸などの有機酸、および塩酸、燐酸、硝酸などの無機酸などやこれらを併用して用いることができる。これらの酸は3級アミノ基の少なくとも一部を中和するのに必要な量が用いられる。
上記本発明のポリウレタン樹脂において、原料成分のうち化合物Cが全て2個の活性水素含有基を有する化合物である場合のポリウレタン樹脂の構造式は、下記の一般式で表される。各一般式中のA〜D単位は以下の通りである。また、a〜dは各単位の含有割合であり、各単位を構成する前記各化合物の使用量と、反応したジイソシアネート化合物の量から算出される。
・A単位:化合物Aから導入された単位。
・B単位:化合物Bから導入された単位。
・C単位:化合物Cから導入された単位。
・D単位:化合物Dから導入された単位。
−(A)a−(B)b−(C)c−(D)d
Figure 2009214382
上記各式中のT、Qは、分子量が500〜20,000程度のポリシロキサンセグメントであり、R1は化合物Aの残基であって、その中に結合基としてO、N、Sのいずれかの原子を有するものであってもよく、R3は化合物Bの残基であって、その中に結合基としてO、N、Sのいずれかの原子を有するものであってもよく、Xは化合物Dの残基であって、その中に結合基としてO、N、Sのいずれかの原子を有するものであってもよく、Y1〜Y7は同じでも異なってもよく、−O−または−NH−であり、Zは−COOH、−SO3H、−P(OH)2、または−N(R22(R2=アルキル基)、或いはそれらの塩であって、R1に直接または有機基を介して結合している。
a〜dは各単位の含有割合である。本発明のポリウレタン樹脂の場合には、aは0.01〜30質量%、好ましくは1〜15質量%、bは10〜80質量%、好ましくは20〜70質量%、cまたはdは0.01〜50質量%、好ましくは1〜20質量%(ただしa〜dの合計は100質量%である)である。
なお、上記一般式中のポリシロキサンセグメントTおよびQは、例示の2個の活性水素含有基を有するもの、および1個の活性水素含有基を有するものの構造式から明らかなように、Tはジメチルポリシロキサン鎖の両端にアルキレン基(その中に結合基としてO、S、Nのいずれかの原子を含むものも含む)を有するセグメントであり、Qはジメチルポリシロキサン鎖の一方の末端のSi≡のSi原子に、または該鎖中の=Si−O−のSi原子に結合したアルキレン基(その中に結合基としてO、S、Nのいずれかの原子を含むものも含む)を有するセグメントである。
本発明における背面層は架橋させることができる。架橋方法は、ポリウレタン樹脂中のウレタン基および/またはカルボキシル基などの親水性基の反応性を利用した架橋方法であればよく、特に限定されない。
ポリウレタン樹脂中のウレタン基を利用する架橋方法としては、例えば、ポリイソシアネート架橋剤による架橋が挙げられるが、ポリイソシアネート架橋剤としては、従来から使用されている公知のものが使用でき特に限定されない。例えば、2,4−トルイレンジイソシアネートの二量体、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス−(p−イソシアネートフェニル)チオフォスファイト、多官能芳香族イソシアネート、多官能芳香族脂肪族イソシアネート、多官能脂肪族イソシアネート、脂肪酸変性多官能脂肪族イソシアネート、ブロック化多官能脂肪族イソシアネートなどのブロック型ポリイソシアネート、ポリイソシアネートプレポリマーなどが挙げられる。これらのポリイソシアネート架橋剤は、適量であれば背面層の耐熱性やインク移行性の向上に特に有効であるが、使用量が多すぎると未反応イソシアネートが残留し、背面層の耐熱性の低下やインク移行などの弊害を引き起こすため、該ポリウレタン樹脂100質量部に対して120質量部以下、好ましくは0.5〜80質量部の範囲内の使用が好ましい。
ポリウレタン樹脂中の親水性基、例えば、カルボキシル基を利用する架橋方法としては、例えば、オキサゾリン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤または有機金属錯体系架橋剤などの従来から使用されている公知のものが使用でき、特に限定されない。例えば、エポキシ系架橋剤としては、「エピコート」(油化シェルエポキシ社製)などの従来公知の市販されているエポキシ樹脂を添加して使用することができる。また、オキサゾリン系架橋剤としては、「エポクロス」(日本触媒社製)、カルボジイミド系架橋剤としては、「カルボジライト」の商品名(日清紡績社製)の市販品を入手して使用することができる。有機金属錯体系架橋剤としては、チタン有機化合物系、「オルガチックス」の商品名(松本製薬工業社製)で市販されているジルコニウム有機化合物系が入手可能であり、アルミニウム、クロム、コバルト、銅、鉄、ニッケル、バナジウム、亜鉛、インジウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、イットリウム、セリウム、ストロンチウム、パラジウム、バリウム、モリブデニウム、ランタン、「ナーセム」の商品名(日本化学産業社製)で市販されているスズのアセチルアセトン錯体が入手して使用できる。これらの架橋剤は、適量であれば背面層の耐熱性やインク移行性の向上に特に有効であるが、使用量が多すぎると著しい可使時間の短命化や皮膜の脆化を引き起こすため、該ポリウレタン樹脂100質量部に対して40質量部以下、好ましくは0.5〜10質量部の範囲内の使用が好ましい。
本発明の感熱記録材料の背面層は、前記のポリウレタン樹脂のみで構成することもできるが、必要に応じて添加剤を加えてもよい。例えば、酸化防止剤(ヒンダードフェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系など)、光安定剤(ヒンダードアミン系など)、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系など)、ガス変色安定剤(ヒドラジン系など)、金属不活性剤、架橋剤、他のバインダー樹脂、ワックス系化合物を使用することができる。
本発明に使用するワックス系化合物は、分子量が250〜10,000の範囲内の従来公知のワックスがいずれも使用でき、特に限定されない。例えば、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木蝋、蜜蝋、ラノリン、鯨蝋、モンタンワックス、オゾケライト、セレシンなどの天然ワックス類;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムなどの石油ワックス類とその誘導体の変性ワックス類;硬化ひまし油とその誘導体などの水素化ワックス類;フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエステルワックス、塩素化炭化水素などの合成炭化水素類;12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミドなどの合成脂肪酸誘導体類などが挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。上記ワックスを本発明のポリウレタン樹脂に含有させることで、背面層に更なる耐熱性、耐ブロッキング性、滑り性などを付与することができる。上記ワックスをポリウレタン樹脂中に含有させる固形分濃度は特に限定されないが、該樹脂に対して95質量%以下、好ましくは3〜30質量%の範囲である。
本発明で使用される前記のポリウレタン樹脂以外のバインダー樹脂は、特に限定されない。例えば、従来公知のシロキサン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ノルボルネン樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂などが挙げられる。これらの樹脂の使用量は特に限定されないが、通常、該ポリウレタン樹脂100質量部に対して900質量部以下、好ましくは5〜400質量部の範囲である。
必要に応じて、さらに帯電防止剤、有機微粒子、無機微粒子やその他の添加剤を適宜使用することができる。有機微粒子、無機微粒子としては、例えば、シロキサン樹脂微粒子、フッ素樹脂微粒子、アクリル樹脂微粒子、ウレタン樹脂微粒子、ポリエチレン樹脂微粒子、反応性シロキサンなどを挙げることができる。
帯電防止剤としては、例えば、カーボンブラック、酸化スズ、酸化チタンなどの金属酸化物、各種金属アルコキシド、ITO粉末などの導電性フィラーやポリアニリン、ポリチオフェン、ポリポロールなどの有機導電性材料、エチレンオキサイド変性体などの界面活性剤などが挙げられる。
なお、本発明で感熱記録材料の背面層を形成する場合には、前記のポリウレタン樹脂を皮膜形成成分として含む背面層形成用水系塗料を使用する。該塗料は、前記本発明のポリウレタン樹脂を、例えば、イオン交換水などの水中に前記中和剤を用いて乳化させて調製することができる。この際、液媒体として少量の有機溶剤を併用してもよい。有機溶剤として好ましいのは、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなども使用することができる。なお、本発明の塗料は、前記ポリウレタン樹脂を架橋させる前記の如き架橋剤を含むことが好ましい。架橋剤の使用量は前記ポリウレタン樹脂(1)が、該樹脂(1)と架橋剤(2)との合計量(100質量%)のうちの60〜98質量%であり、架橋剤(2)が40〜2質量%となる割合である。イオン交換水や有機溶剤を用いて調製した本発明の塗料の固形分は、特に限定されないが、通常、3〜25質量%程度であることが好ましい。
本発明の感熱記録材料は、上記の背面層形成用水系塗料を用い、従来公知の方法で製造することができ、製造方法自体は特に限定されない。また、基材シート、感熱記録層(インキ層)形成用塗料などの背面層形成用水系塗料以外の材料は、いずれも公知の材料が使用でき、特に限定されない。本発明の感熱記録材料の背面層を形成するに際しては、本発明のポリウレタン樹脂を含む背面層形成用水系塗料を、従来公知の方法によって基材シートの裏面(表面は感熱記録層)に、乾燥厚さが0.01〜3μm程度となるよう塗布して皮膜を形成させる。
以下に製造例、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、以下の文中の「部」は質量部、「%」は質量%を示す。
化合物Cを含まないポリウレタン樹脂および本発明に使用するポリウレタン樹脂の合成例1〜3を示す。
合成例1〜3
攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管およびマンホールを備えた反応容器を窒素ガスで置換した後、化合物A、化合物B(高分子ジオール)、鎖伸長剤(E)(短鎖ジオール)、化合物Cおよびアセトンを所定量加え、均一に溶解させ、溶液濃度を調節した。続いて化合物D(ヘキサメチレンジイソシアネート)を所定量(NCO/OH=2.0)加えて80℃で反応を行い、所定のNCO%となるまで反応を行い、50℃に冷却し、固形分を30%にするイオン交換水と、中和剤を所定量(親水基−COOHと当量となる量)加え、系内を均一に乳化させ、エチレンジアミン(ポリマーに残存する実測NCO%と当量となる量)を投入して鎖伸長した。最後に、系内のアセトンを真空脱気して回収した。合成したポリウレタンの原料組成配合を表1に示す。
Figure 2009214382
注)
化合物A:
・A−1:ジメチロールブタン酸
・A−2:ジメチロールプロパン酸
化合物B:PCD:商品名プラクセルCD220、下記式のポリカーボネートジオール(ダイセル化学工業社製、数平均分子量2,000)
Figure 2009214382
化合物C
・C−1:下記式の両末端ポリシロキサンジオール、nは整数、数平均分子量1,900
Figure 2009214382
・C−2:下記式の片末端ポリシロキサンジオール、nは整数、数平均分子量3,000
Figure 2009214382
1,3BD:1,3−ブタンジオール
TEA:トリエチルアミン
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
EDA:エチレンジアミン
実施例1〜3および比較例1
前記ポリウレタン樹脂を用い、下記表2に記載の配合で本発明および比較例の塗料を製造した。
Figure 2009214382
・合成例1は、非シロキサン変性ポリウレタン樹脂
・X−1は、カルボジライトV−02(日清紡績社製、カルボジイミド系架橋剤)
・X−2は、エポクロスWS−500(日本触媒社製、オキサゾリン系架橋剤)
・X−3は、水分散型イソシアネートWB40−100(旭化成ケミカルズ社製、NCO%=16.5、不揮発分=100%)
各実施例および比較例で得られた各塗料を用い、グラビア印刷により、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ製)の表面に、乾燥後の厚みが0.1μmになるように塗布および乾燥後40℃のオーブンにて24時間熟成させて背面層を形成させた。
次に、下記の配合処方で転写インキ組成物を作成した。このインキ組成物を100℃に加熱し、上記の背面層を形成した各PETフィルムの裏面にホットメルトによるロールコート法により塗布厚みが5μmとなるように塗布して転写インキ層を形成し、実施例および比較例の感熱記録材料を得た。
〔インキ組成物〕
・パラフィンワックス 10部
・カルナウバワックス 10部
・ポリブテン(新日本石油社製) 1部
・カーボンブラック 2部
上記で得られた各感熱記録材料を用い、薄膜型サーマルヘッドで、印字エネルギー1mJ/ドット(4×10-4/cm2)の条件で印字を行った。この時の印字性、スティッキング性、ヘッド滓性、密着性、移行性、を観察および測定して評価した。評価方法は下記の通りである。評価結果を表3に示す。
(1)印字性
ラベル印字した際、印字具合を観察し、良好な印字性のものを○とし、印字不良のものを×とした。
(2)スティッキング性
感熱記録材料を実装試験に供した場合の、サーマルヘッドと感熱記録材料との間の押圧操作時における感熱記録材料のしわおよびスティッキングの発生および受像シートとの熱融着を評価し、スティッキングのないものを○、若干熱皺が発生したものを△、破損により走行不能であったものを×とした。
(3)ヘッド滓性
感熱記録材料を実装試験に供した場合の、ヘッド熱素子部分の汚れの付着の有無を観察し、ヘッド滓のないものを○とし、汚れのあるものを×とした。
(4)密着性
背面層と基材フィルムとの密着性を碁盤目セロハンテープ剥離試験(クロスカット法)にて行った。密着性が良好なものを○、不良なものを×とした。
(5)移行性
巻いた感熱記録材料を40℃のオーブン中に3日間放置した後の低分子ポリシロキサンやポリエチレンワックスなどのインキ層への移行の度合いを指触および目視観察により評価し、移行のないものを○とし、移行のあるものを×とした。
Figure 2009214382
以上のように、本発明によれば、塗工・乾燥するだけで基材に対する密着性、耐熱性・滑り性が良好で、印字不良やインク移行の問題がない優れた背面層を形成し、ヘッド滓の発生がないなどのメンテナンス性にも優れた性能を有する感熱記録材料が提供される。

Claims (12)

  1. 基材シートと、該基材シートの一方の面に設けた感熱記録層と、該基材シートの他方の面に設けた背面層とからなる感熱記録材料において、該背面層が、少なくとも1個の活性水素含有基とアニオン性基またはカチオン性基とを有する化合物(A)と、ポリオールおよび/またはポリアミン(B)と、少なくとも1個の活性水素含有基を有するポリシロキサン(C)と、ポリイソシアネート(D)とを反応させて得られるシロキサン変性ポリウレタン樹脂を皮膜形成成分として含有することを特徴とする感熱記録材料。
  2. 前記ポリウレタン樹脂の数平均分子量が、2,000〜500,000である請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 前記アニオン性基が、少なくとも一部が中和されたカルボキシル基またはスルホン酸基である請求項1に記載の感熱記録材料。
  4. 前記カチオン性基が、少なくとも一部が中和された第3級アミノ基である請求項1に記載の感熱記録材料。
  5. 前記ポリウレタン樹脂が、下記の一般式(1)で表される結合を少なくとも含む請求項1に記載の感熱記録材料。
    −(A)a−(B)b−(C)c− (1)
    (Aは化合物(A)から導入された単位であり、Bは化合物(B)から導入された単位であり、Cは化合物(C)から導入された単位をそれぞれ表わす。)
  6. 前記一般式(1)におけるa〜cが、ポリウレタン樹脂中の各単位の含有割合であり、aが0.01〜30質量%、bが10〜80質量%、cが0.01〜50質量%(ただしa〜cの合計は100質量%である)である請求項5に記載の感熱記録材料。
  7. 前記A単位が、下記の一般式(2)で表される請求項5に記載の感熱記録材料。
    Figure 2009214382
    (ただし、上記式中のR1は化合物Aの残基であり、Zは、−COOH、−SO3H、または−N(R22(R2=アルキル基)或いはそれらの塩であって、Zは直接または有機基を介してR1に結合しており、Y1、Y2は同じでも異なってもよく、−O−または−NH−である。)
  8. 背面層が、さらに他のバインダー樹脂も含む請求項1に記載の感熱記録材料。
  9. 背面層のポリウレタン樹脂が、架橋されている請求項1に記載の感熱記録材料。
  10. 架橋剤が、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、有機金属錯体化合物、ポリイソシアネート化合物またはエポキシ化合物である請求項9に記載の感熱記録材料。
  11. 少なくとも1個の活性水素含有基とアニオン性基またはカチオン性基とを有する化合物(A)と、ポリオールおよび/またはポリアミン(B)と、少なくとも1個の活性水素含有基を有するポリシロキサン(C)と、ポリイソシアネート(D)とを反応させて得られるシロキサン変性ポリウレタン樹脂(1)と架橋剤(2)とを水中に溶解または分散してなることを特徴とする背面層形成用水系塗料。
  12. 前記ポリウレタン樹脂(1)が、該樹脂(1)と架橋剤(2)との合計量(100質量%)のうちの60〜98質量%であり、架橋剤(2)が40〜2質量%である請求項11に記載の背面層形成用水系塗料。
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