実施例1のパチンコ機を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤30の正面図であり、図3は、パチンコ機10の裏面図である。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図5は、第3図柄表示装置42の表示内容を示す説明図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸J1として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
内枠12は、大別すると、その外形を形成する主要部材としての樹脂ベース(図示省略)と、この樹脂ベース(図示省略)に取り付けられる遊技盤30(図2参照)とを備えている。また、内枠12は、図1に示すように、樹脂ベース(図示省略)の前面側で片開き自在な前面枠セット14を備えている。
具体的には、樹脂ベース(図示省略)は、正面視で、その外形が略矩形状で、かつ、その略中央箇所を開口中心とする開口部(後述する遊技領域30a(図2参照)と同等の大きさの開口)が形成された板状部材としている。
前面枠セット14は、正面視左側で上下方向の開閉軸J1を軸心にして当該内枠12に対して開閉自在に取り付けられている。言い換えれば、前面枠セット14は、樹脂ベース(図示省略)に対して開閉自在となっている。
遊技盤30(図2参照)は、その遊技領域30aを樹脂ベース(図示省略)の開口部に位置させるようにして当該樹脂ベースの裏面側に着脱自在に取り付けられる。
ここで、もう少し詳細に前面枠セット14について説明する。
前面枠セット14は、図1に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、図1に示すように、その前面視すると、最下部に位置する下皿ユニット13と、この下皿ユニット13の上側に位置する上皿ユニット21と、この上皿ユニット21の上側に位置するガラス枠部23と、に大別される。これらの下皿ユニット13と上皿ユニット21とガラス枠部23とは、図示省略のベース板体の前面側各箇所にそれぞれ取り付けられて前面枠セット14が構成されている。
下皿ユニット13は、図1に示すように、前面枠セット14の最下部箇所に位置するように、ネジ等の締結具によりベース板体(図示省略)の正面視で最下部箇所に固定されている。この下皿ユニット13は、その前面側に、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18とを備えている。
球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜く(排出する)ためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。
遊技球発射ハンドル18は、図1に示すように、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が図2に示す遊技盤30の遊技領域30aに打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、例えば、遊技球発射ハンドル18と発射装置229(図4参照)などで構成されている。音出力部24は、前面枠セット14の正面視で上部の左右2箇所で、その前面枠セット14の内部あるいは背面箇所に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。
上皿ユニット21は、図1に示すように、前面枠セット14の下部箇所(前述の下皿15の真上位置)に位置するように、ネジ等の締結具によりベース板体(図示省略)の正面視で下部箇所に固定されており、遊技球の受皿としての上皿19を備えている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。
ガラス枠部23は、図1に示すように、上皿ユニット21の上側に形成された窓部101を備えている。
つまり、前面枠セット14には、図1に示すように、上皿ユニット21の上側に位置するガラス枠部23の中央箇所に、遊技盤30の遊技領域30a(図2参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略縦長楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、略縦長楕円形状で中央が空洞となっており、その空洞部分を略縦長楕円形状等のガラス板137で覆うように、図示省略のガラスユニットが前面枠セット14の裏面側に取り付けられたものである。ガラスユニット(図示省略)は、二枚のガラス板137を前後方向に近設させて並べた二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
さらに、ガラス枠部23は、図1に示すように、窓部101の周囲に各種の電飾部(第1電飾部300、第2電飾部302および第3電飾部304)を備えている。つまり、前面枠セット14は、図1に示すように、その前面視した状態で窓部101の周囲で左箇所に、LED等を内蔵した第1電飾部300(左側電飾部)を、窓部101の周囲で右箇所に、LED等を内蔵した第2電飾部302(右側電飾部)を、窓部101の周囲で上箇所に、LED等を内蔵した第3電飾部304(上側電飾部)を備えている。これらの電飾部は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。
本パチンコ機10では、第1電飾部300、第2電飾部302および第3電飾部304は、大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、本パチンコ機10の第1電飾部300および第2電飾部302には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが備えられている。また、窓部101の周縁で右斜め下箇所には、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード(例えばプリペイドカード)等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、貸球操作部120にさらに度数表示部(図示省略)を設けるようにしてもよい。この度数表示部(図示省略)は、カード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
遊技盤30は、図2に示すように、正面視で四角形状の合板でその左側の両角部が取れたような形状としており、その周縁部(後述するレール51,52の外側部分)が内枠12の樹脂ベース(図示省略)の裏側に当接した状態で取着されており、この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aが樹脂ベースの略楕円形状の図1に示した窓部101(ガラス板137)を通じて前面枠セット14の前方外側から視認可能な状態となっている。
次に、図2を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35、サイドランプ400等を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35、サイドランプ400等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通孔にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。前述の一般入賞口31、可変入賞装置32および第1の始動口33a,33bに遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。なお、前述したように、上部側の第1の始動口33aには作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33aへの入球をその作動口スイッチにより検出されるようになっている。また、下部側の第1の始動口33bにも作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33bへの入球をその作動口スイッチにより検出されるようになっている。すなわち、上部側の第1の始動口33aへの遊技球の入球または下部側の第1の始動口33bへの遊技球の入球のどちらの場合にも、それが始動入賞であることに変わりは無い。なお、上部側の第1の始動口33aと下部側の第1の始動口33bとは、図2に示すように、単一の始動入賞装置33で構成されている。
その他に、図2に示すように、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。図2には、多数の釘が図示されているが、図面の見易さを優先することを理由に釘について符合を付すのを省略している。
可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置40と、第2の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41と、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、第3図柄(例えば装飾図柄)を変動表示する第3図柄表示装置42とを備えている。
第1図柄表示装置40は、例えば、複数個(本実施例では2個)の2色発光タイプのLED(発光ダイオード)40a,40bと、このLED40a,40bでの変動表示の保留数を示す保留ランプ40cとを備えている。このLED40a,40bは、例えば、赤色と青色に発光可能なものである。第1図柄表示装置40は、各LED40a,40bの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(本実施例では各LED40a,40bの発光色態様)の変動表示状態を発生させ、例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止すると外れを示す。
なお、この第1図柄表示装置40として、少なくとも3色以上の発光が可能なタイプの単一のLEDを採用してもよく、各色の発光を交互などに行うようにすることで、第1図柄の変動表示状態を発生させ、LEDが第1の色の発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、LEDが第2の色の発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、LEDが第3の色の発光状態で停止すると外れを示すようにしてもよい。なお、上述した第1図柄表示装置40が本発明における識別情報変動表示手段に相当する。
第2図柄表示装置41は、第2図柄用としての例えば「○」が描かれた表示部41aと、第2図柄用としての例えば「×」が描かれた表示部41bと、保留ランプ41cとを有し、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えば表示部41a,41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に下部側の第1の始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ41cにて点灯表示されるようになっている。なお、表示部41a,41bは、その内部にLED(発光ダイオード)を有しており、このLEDの発光(あるいはランプの点灯)を切り換えることにより変動表示される構成としている。なお、上述した第2図柄表示装置41が本発明における普通識別情報変動表示手段に相当する。
第3図柄表示装置42は、例えば液晶表示装置で構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第3図柄表示装置42には、例えば後述する図5に示すように、左、中及び右の3つの装飾図柄列L,M,Rが表示される。各装飾図柄列L,M,Rは複数の装飾図柄によって構成されており、これら装飾図柄が装飾図柄列L,M,R毎にスクロールされるようにして第3図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)は、例えば、11インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、第3図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。なお、上述した第3図柄表示装置42が本発明における装飾識別情報(図柄)変動表示手段に相当し、上述した表示制御装置45が本発明における表示制御手段に相当する。
図2に示すように、可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるものである。このように、大当たりの際に可変入賞装置32が開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動される状態は、特別遊技状態(例えば、大当り状態)と呼ばれ、可変入賞装置32に多数の遊技球が入球(入賞)し、その入賞に対して大量の遊技球が賞球払い出しされることから、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
より詳しくは、第1の始動口33a,33bに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bが変動表示され、その変動停止後のLED40a,40bの表示が予め設定した発光態様の組合せとなった場合に特別遊技状態が発生する。例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止するという発光態様の場合には、確変大当り(特定当り)の特別遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止するという発光態様の場合には、通常大当り(非特定当り)の特別遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止するという発光態様の場合には外れ(特別遊技状態に落選したこと)を示す。
そして、可変入賞装置32は、その大入賞口32aが所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、当該開放状態についての所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口32aが所定回数(ラウンド数)繰り返し開放される。遊技球が第1の始動口33a,33bを通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40cにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ40cは、第3図柄表示装置42の表示画面の一部で保留表示等される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、図2に示すように、遊技球発射装置38(図3参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するための複数本のレール51,52が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は複数本のレール51,52の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内されるようになっている。複数本のレール51,52は長尺状をなすステンレス製の金属帯状部材であり、内外二重に遊技盤30に取り付けられている。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略縦楕円環状に形成されている。外レール52は、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、遊技盤30が内枠12に取り付けられた状態において、外レール52における、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図2の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)には、内枠12に設けられた返しゴム54(図2に二点鎖線で示す部材)が位置するようになっている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52は、長尺状をなすステンレス製の金属帯としているので、遊技球の飛翔をより滑らかなものとする、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくすることができる。なお、図2に破線で示すように、外レール52の先端部から内レール51の右側先端部までは、内枠12に形成された壁部60(図2に破線で示す)が位置することにより、遊技領域30aが仕切られている。
なお、遊技盤30の右下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図2のS1)やプレートを貼着するためのスペースとなっている。遊技盤30の右下隅部に、証紙等のシール(図2のS1)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図2に示すように、内レール51と外レール52との内周部(内外レール)により略縦長円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが大きく構成されている。
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域30aの向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域30aの向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14の図示省略の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。図3に示すように、パチンコ機10は、その背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構部352)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台(図示省略)に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、後述する図4に示した主制御装置261とサブ制御装置262とを、遊技盤30に取り付けられる別々の取付台(図示省略)に搭載してそれぞれユニット化すると共に、後述する図4に示した払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313を別の取付台(図示省略)に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構部352及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチが設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチが設けられている。カウントスイッチは入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33a,33bに対応する位置には作動口スイッチがそれぞれ設けられ、第1の始動口33a,33bへの遊技球の入球を当該作動口スイッチで検出される。第2の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチが設けられ、第2の始動口34への遊技球の通過を当該作動口スイッチで検出される。なお、上述した作動口スイッチが本発明における入賞検出手段に相当する。
入賞口スイッチ及びゲートスイッチは、図示しない電気配線を通じて盤面接続基板(図示省略)に接続され、さらにこの盤面接続基板が後述する主制御装置261内の主制御基板261a(図4参照)に接続されている。また、カウントスイッチは大入賞口中継端子基板(図示省略)に接続され、さらにこの大入賞口中継端子基板(図示省略)がやはり主制御基板261aに接続されている。これに対し、作動口スイッチは中継基板を介さずに直接に主制御基板261aに接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口32aを開放するための大入賞口ソレノイドが設けられ、下部側の第1の始動口33bには、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主制御装置261内の主制御基板261aに取り込まれ、該主制御基板261aよりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板311aに送信される。そして、該払出制御基板311aの出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
第1制御基板ユニット201は、例えば略矩形状の取付台(図示省略)を上下2つ有し、遊技盤30の裏面側から見た状態での下側の取付台に主制御装置261が搭載され、上側の取付台にサブ制御装置262が搭載されている。ここで、主制御装置261は、図4に示すように、主たる制御を司るCPU501と、遊技プログラムを記憶したROM502と、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM503と、各種機器との連絡をとる入出力ポート505と、各種抽選の際に用いられる乱数発生器(図示省略)と、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路(図示省略)などを含む主制御基板261aを具備しており、この主制御基板261aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベース(図示省略)と該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(図示省略)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは、封印ユニット(図示省略)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス(図示省略)が封印されている。
また、サブ制御装置262は、例えば主制御装置261内の主制御基板261aからの指示に従い音声やランプ表示の制御や表示制御装置45の制御を司るCPU551や、その他ROM552、RAM553、バスライン554及び入出力ポート555等を含むサブ制御基板262aを具備しており、このサブ制御基板262aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス(図示省略)に収容されて構成されている。サブ制御装置262上には電源中継基板(図示省略)が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板(図示省略)を介してサブ制御装置262および表示制御装置45に出力されるようになっている。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台(図示省略)を有し、この取付台に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、発射制御装置312は発射制御基板を具備しており、電源装置313は電源制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板311aは、賞品球や貸出球の払出を制御する。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射装置229(図4参照)の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。本実施例の発射装置229は、発射ソレノイド(図示省略)への通電/非通電に従って進退自在な発射槌部(図示省略)で遊技球を打ちつけて発射させるソレノイド式発射部品を採用しているが、それ以外の発射装置229としては、発射モータの駆動に従って動作する発射杵で遊技球を打ちつけて発射させる機械式発射部品や、電磁場を発生させることで遊技球を発射させる電磁式発射部品など種々のタイプのものが採用できる。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスにそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス(被包手段)を構成するボックスベース(図示省略)とボックスカバー(図示省略)とが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ(図示省略)が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ(図示省略)が押下されると、払出モータ358a(図4参照)がゆっくり正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源監視基板261bにはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、図3に示すように、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パックユニット203は、その最上部に上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備(遊技島設備)から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに下り傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。ケースレール357の最下流部には、払出装置358が設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路等を通じて上皿19に供給される。
また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が設けられている。例えば、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられるようになっている。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触するようになっており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わるようになっている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板(図示省略)が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路(図示省略)に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
なお、図3に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図4を用いて説明する。本パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、サブ制御装置262と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
つまり、停電などの発生により電源が切断された場合において、主制御装置261のCPU501は、通常処理を最後までを実行するので、RAM503は、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のカウンタ用バッファや保留球格納エリアの内容を記憶保持するだけでよく、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させることができる。具体的には、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)における通常処理の途中の遊技情報についての各レジスタやI/O等の値を記憶しておくための専用のバックアップエリアをRAM503に設ける必要がない。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、第1図柄表示装置40、第2図柄表示装置41や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。また、主制御装置261は、第1図柄表示装置40における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示とを制御する機能を備えている。
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
RAM513は、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時の状態に関する情報を記憶保持する。つまり、このRAM513の記憶保持は、NMI割込み処理と払出制御処理の後半部分のステップとによって電源切断時に実行され、逆にRAM513の記憶情報の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
図4に示すように、発射制御装置312は、発射装置229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、発射制御装置312は、払出制御装置311からのカードユニット接続信号S4(前述したカードユニットがパチンコ機10に接続されている場合に出力される信号である)と、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしている場合に出力されるタッチ検出信号S5と、遊技球発射ハンドル18に設けられている、発射を停止させるための発射停止スイッチ18aが操作されていない場合に出力される発射維持信号S6との全てが入力されていることを条件に、発射許可信号S7を主制御装置261に出力する。
すなわち、発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間は発射許可状態であり、発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間は発射不許可状態である。つまり、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間において、遊技球を発射する発射ソレノイド(図示省略)の制御を行う発射制御信号S8(パルス信号)と、発射レール401に遊技球を送る球送りソレノイドの制御を行う球送り制御信号S9(パルス信号)とを、発射制御装置312に所定の繰り返し周期で繰り返し出力する。発射制御装置312は、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9に基づいて発射装置229を駆動制御し、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。逆に、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間においては、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力せず、発射装置229によって遊技球が発射されることはない。
表示制御装置45は、第3図柄表示装置42における第3図柄(装飾図柄)の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力にはサブ制御装置262の出力が接続され、入力ポート527には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第3図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261からの各種コマンドがサブ制御装置262で編集等されて送信される各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第3図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第3図柄表示装置42に表示される装飾図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
図4に示すように、主制御装置261は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263内に、主制御基板261aと、この主制御基板261aとは別体の電源監視基板261bとを備えている。電源監視基板261bは、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流24ボルトの電圧を監視し、この電圧が24ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流24ボルトが24ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御基板261aに出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261においてRAM503のデータがクリアされ、払出制御装置311は主制御装置261からの初期化コマンドを受けるとRAM513のデータがクリアされる。
ところで、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)には、図5に示すように、左・中・右の3つの装飾図柄列L,M,Rが設定されており、装飾図柄列L,M,R毎に上装飾図柄、中装飾図柄、下装飾図柄の3個ずつの装飾図柄が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄SZと、菱形状の絵図柄からなる副装飾図柄FZとにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄SZが表示されると共に各主装飾図柄SZの間に副装飾図柄FZが配されて一連の装飾図柄列L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主装飾図柄SZと副装飾図柄FZが上から下へと変動表示されるようになっている。
かかる場合、左装飾図柄列Lにおいては、上記一連の装飾図柄が降順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が減る順)に表示され、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列Rにおいては、同じく上記一連の装飾図柄が昇順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が増える順)に表示される。そして、左装飾図柄列L→右装飾図柄列R→中装飾図柄列Mの順に変動表示が停止し、その停止時に第3図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主装飾図柄SZが大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主装飾図柄SZの組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
続いて、本実施例のパチンコ機10のさらなる特徴部分について説明する。
本実施例のパチンコ機10の遊技盤30は、図2に示すように、その遊技領域30aの左端箇所と右端箇所とに、LED490(発光ダイオード)から放射された光が透過することで発光表示するサイドランプ400を備えている。両サイドランプ400は、図2に示すように、その左側のサイドランプ400よりも右側のサイドランプ400の方が大きなものとなっており、その形状なども相異なっているが、両方とも発光装飾部品である点において共通し、その発光装飾メカニズムは後述するように同一のものである。以下に、このサイドランプ400の構造について、図6〜図12を用いて説明する。
なお、図6〜図12に示すサイドランプ400は、図2に示す両サイドランプ400に対して多少の形状の違いはあるが、その本質部分である発光装飾メカニズムは同一であるため、図2に示す両サイドランプ400に替えて、図6〜図12に示すサイドランプ400を用いてその構造を具体的に説明することとする。
図6は、サイドランプ400の概略的な外観を示す外観斜視図である。図7は、サイドランプ400の分解斜視図である。なお、この図7では、説明の便宜上の理由のため、第1光透過性プレート440および第2光透過性プレート420での装飾体部X1および副装飾体部X2の図示を省略している。図8は、サイドランプ400を正面視した状態で透明カバー410を除いた様子を示す図である。図9(a)は、第2光透過性プレート420の正面図であり、図9(b)は、第1光透過性プレート440の正面図である。図10は、サイドランプ400の縦断面を示す概略縦断面図である。図11(a)は、第1光透過性プレート440の正面図であり、図11(b)は、その断面図である。図12(a)は、第1光透過性プレート440の正面図であり、図12(b)は、その断面図である。
サイドランプ400は、図6に示すように、その前面側から裏面側に向かう順に、透明カバー410と、上段支持枠体430と、中段支持枠体450と、下段支持枠体470とに大別される。このサイドランプ400は、図6に示すように、横方向に突き出た取付延出部431を備えている。具体的には、この取付延出部431は、図7に示すように、上段支持枠体430の上部側に一体成型されている。この取付延出部431のネジ孔431aに挿入されたネジを遊技盤30に締結することで、サイドランプ400が遊技盤30に締結固定される。よって、図2に示す遊技盤30へのサイドランプ400取付状態においては、図6に示すように、透明カバー410および取付延出部431が遊技盤30の盤面よりも前側に位置し、この取付延出部431よりも奥側部分(上段支持枠体430での取付延出部431を除く部分と中段支持枠体450と下段支持枠体470)が遊技盤30のルータ加工された貫通孔(図示省略)内や遊技盤30の裏面側に位置することになる。
また、図7に示すようにサイドランプ400を分解視して見ると、このサイドランプ400は、その前面側から裏面側に向かう順に、透明カバー410と、第2光透過性プレート420と、上段支持枠体430と、第1光透過性プレート440と、中段支持枠体450と、レンズ部材460と、下段支持枠体470と、斑光発生板材480とを備えている。
図10に示すように、透明カバー410と上段支持枠体430との略境界箇所には、第2光透過性プレート420が位置し、上段支持枠体430と中段支持枠体450との略境界箇所には、第1光透過性プレート440が位置し、中段支持枠体450と下段支持枠体470との略境界箇所には、レンズ部材460が位置し、下段支持枠体470での裏面側(中段支持枠体450から遠い方の端部側)には、斑光発生板材480が位置している。
透明カバー410は、図10に示すように、裏面側が開口した箱状のカバー部材である。また、この透明カバー410の前面側は、図6,図7に示すように、例えば3本の溝状のすじ411が形成され、各すじ411間が前側に突出した山状となっている。この透明カバー410は、図10に示すように、その裏面側でその外形形状に沿って、第2光透過性プレート420の前面の周縁部分が当接する当接段差部412を備えている。この透明カバー410は、例えば、樹脂成型されている。
上段支持枠体430は、図7に示すように、正面視で第2光透過性プレート420の正面視形状と略相似形で且つそれよりもやや小さい貫通開口を有する筒状部材であり、この筒状部材の上部箇所には前述した取付延出部431を備えている。また、図10に示すように、第2光透過性プレート420の前面の周縁部分が透明カバー410の当接段差部412に位置する状態で、透明カバー410と上段支持枠体430とをネジ留めすることで、第2光透過性プレート420が上段支持枠体430と透明カバー410とで挟持されるようになっている。
さらに、この上段支持枠体430は、図10に示すように、その裏面側でその外形形状に沿って、第1光透過性プレート440の前面の周縁部分が当接する当接段差部432を備えている。この上段支持枠体430は、例えば、樹脂成型されている。
中段支持枠体450は、図7に示すように、正面視で第1光透過性プレート440の正面視形状と略相似形で且つそれよりもやや小さい貫通開口を有する筒状部材である。また、図10に示すように、第1光透過性プレート440の前面の周縁部分が上段支持枠体430の当接段差部432に位置する状態で、上段支持枠体430と中段支持枠体450とをネジ留めすることで、第1光透過性プレート440が上段支持枠体430と中段支持枠体450とで挟持されるようになっている。
さらに、この中段支持枠体450は、図10に示すように、その裏面側でその外形形状に沿って、レンズ部材460の前面の周縁部分が当接する当接段差部451を備えている。この中段支持枠体450は、例えば、樹脂成型されている。
つまり、上段支持枠体430および中段支持枠体450によって、第1光透過性プレート440と第2光透過性プレート420とが前後方向に並べた状態で支持されるようになっている。
下段支持枠体470は、図7に示すように、正面視でレンズ部材460の正面視形状と略相似形で且つそれよりもやや小さい貫通開口を有する筒状部材である。また、図10に示すように、レンズ部材460の前面の周縁部分が中段支持枠体450の当接段差部451に位置する状態で、中段支持枠体450と下段支持枠体470とをネジ留めすることで、レンズ部材460が中段支持枠体450と下段支持枠体470とで挟持されるようになっている。
さらに、この下段支持枠体470は、図10に示すように、その裏面側でその外形形状に沿って、斑光発生板材480の前面の周縁部分が当接する当接段差部471を備えている。この当接段差部471に斑光発生板材480の前面の周縁部分を当接させた状態で、この斑光発生板材480を下段支持枠体470にネジ留めすることで、斑光発生板材480が下段支持枠体470に固定されている。この下段支持枠体470は、例えば、樹脂成型されている。
第1光透過性プレート440は、図9(b),図12に示すように、LED490(図10参照)からの光が裏面側から入射されて前面側から出射される第1光透過領域を有し、且つ、この第1光透過領域の前面に、所定形状(本実施例では、例えば、魚の形状)に象った凸状の装飾体部X1を備えたものである。
第1光透過性プレート440の装飾体部X1は、第1光透過領域の一方面の所定箇所を所定形状に象った凸状に形成することで、当該第1光透過性プレート440に一体的に形成されたものである。
また、第1光透過性プレート440は、図10,図11に示すように、その第1光透過領域の前面のうちで装飾体部X1以外の所定箇所に、魚を象った装飾体部X1とは別種類の所定形状(本実施例では、例えば、気泡)に象った凸状の副装飾体部X2を有し、その第1光透過領域の裏面の所定箇所に、気泡に象った凹状の副装飾体部X2を有している。この第1光透過性プレート440は、例えば、透明樹脂成型によって製造されている。
第1光透過性プレート440の装飾体部X1および副装飾体部X2以外箇所の厚みは、例えば2ミリ程度であり、装飾体部X1箇所の厚みは例えば4〜5ミリ程度であり、凸状の副装飾体部の突出量は例えば2ミリ程度であり、凹状の副装飾体部のくぼみ深さは1.5ミリ程度である。これらの寸法は一例であり、この数値に限定されるものではない。
第1光透過性プレート440は、その第1光透過領域での少なくとも装飾体部X1を除く部分が透明となっている。つまり、この第1光透過性プレート440自体は、基本的に透明部材であり、その装飾体部X1の表面が後述するように着色されていることから、当該第1光透過性プレート440を正面視した状態で、装飾体部X1が不透明部分となり、それ以外の箇所が透明部分となっている。なお、装飾体部X1の着色濃度を薄くすることや、着色ドット密度を下げる(間引く)ことで、装飾体部X1を半透明部分や透明性を有する部分としてもよい。
また、第2光透過性プレート420は、図9(a),図12に示すように、第1光透過性プレート440からの光が裏面側から入射されて前面側から出射される第2光透過領域を備え、且つ、この第2光透過領域の前面に、所定形状(本実施例では、例えば、魚の形状)に象った凸状の装飾体部X1を備えたものである。
第2光透過性プレート420の装飾体部X1は、第2光透過領域の一方面の所定箇所を所定形状に象った凸状に形成することで、当該第2光透過性プレート420に一体的に形成されたものである。
第2光透過性プレート420の装飾体部X1および副装飾体部X2以外箇所の厚みは、例えば2ミリ程度であり、装飾体部X1箇所の厚みは例えば4〜5ミリ程度であり、凸状の副装飾体部の突出量は例えば2ミリ程度であり、凹状の副装飾体部のくぼみ深さは1.5ミリ程度である。これらの寸法は一例であり、この数値に限定されるものではない。
また、第2光透過性プレート420は、図10,図11に示すように、その第2光透過領域の前面のうちで装飾体部X1以外の所定箇所に、魚を象った装飾体部X1とは別種類の所定形状(本実施例では、例えば、気泡)に象った凸状の副装飾体部X2を有し、その第2光透過領域の裏面の所定箇所に、気泡に象った凹状の副装飾体部X2を有している。この第2光透過性プレート420は、例えば、透明樹脂成型によって製造されている。
第2光透過性プレート420は、その第2光透過領域での少なくとも装飾体部X1を除く部分が透明となっている。つまり、この第2光透過性プレート420自体は、基本的に透明部材であり、その装飾体部X1の表面が前述したように着色されていることから、当該第2光透過性プレート420を正面視した状態で、装飾体部X1が不透明部分となり、それ以外の箇所が透明部分となっている。なお、装飾体部X1の着色濃度を薄くすることや、着色ドット密度を下げる(間引く)ことで、装飾体部X1を半透明部分や透明性を有する部分としてもよい。
第1光透過性プレート440の装飾体部X1および第2光透過性プレート420の装飾体部X1は、同種類のものを採用している。また、第1光透過性プレート440の装飾体部X1および第2光透過性プレート420の装飾体部X1は、その表面部分が所定色(本実施例では、例えば青色)に着色されている。また、この着色としては、艶無し着色、艶有り着色、メタリック着色、ラメ入り着色の他、蛍光色を採用してもよい。また、青色以外の単一色に着色してもよいし、複数色に着色してもよい。また、本実施例では印刷(例えばインクジェット印刷等)を採用しているが、塗装、蒸着など各種の着色方法を採用してもよい。
なお、透明カバー410は、図7,図10に示すように、第2光透過性プレート420の前面側を第2光透過領域面から間隔を空けて覆うものである。
また、図7,図10に示すように透明カバー410と上段支持枠体430とで前後方向に支持された第1光透過性プレート440および第2光透過性プレート420を正面視した状態において、図8に示すように、それらの装飾体部X1の少なくとも一部が見えるように装飾体部X1を第1光透過領域の面方向や第2光透過領域の面方向にずらして配置している。
つまり、図8に示すように、手前側の第2光透過性プレート420の装飾体部X1は、説明の便宜上の理由から図8において黒塗りの魚で図示し、奥側の第1光透過性プレート440の装飾体部X1は、説明の便宜上の理由から図8において白塗りの魚で図示していることから明らかなように、手前側の第2光透過性プレート420の装飾体部X1(黒塗りの魚)と、奥側の第1光透過性プレート440の装飾体部X1(白塗りの魚)との各装飾体部X1の少なくとも一部がそれぞれ見えるように、これらの装飾体部X1が第1光透過領域の面方向や第2光透過領域の面方向にずらして配置されている。また、図8では、手前側の第2光透過性プレート420の副装飾体部X2(気泡)をハッチング有りの気泡として図示している。
ところで、LED490は、図10に示すように、遊技盤30の裏面側に別部品として配置された基板に実装されたものである。このLED490は単色発光のタイプでも、複数色発光タイプや多色発光タイプなど種々のタイプのものを採用できる。なお、この実施例では、LED490を実装した基板は、サイドランプ400とは別部品としているが、LED490を実装した基板をサイドランプ400の一構成品としたものを採用してもよい。
また、斑光発生板材480は、図7,図10に示すように、LED490からの光を斑光として出力するものである。
図7に示すように、斑光発生板材480は、正面視した状態において、入射光を拡散させて出射する光拡散領域部481と、この光拡散領域部481よりも拡散性が少なく且つ入射光を透過出力する透過領域部483とを、不規則に複数個形成したものである。この斑光発生板材480は、例えば、樹脂成型されている。
そして、斑光発生板材480から出射された斑光がレンズ部材460に入射される。
レンズ部材460は、図7に示すように、正面視で円弧状で側面視で蒲鉾状のレンズ体が複数個(3個程度)正面視で並設されたものである。裏面側から入射された斑光がレンズ体を通って出射される。このレンズ部材460は、例えば、樹脂成型されている。
そして、レンズ部材460から出射された斑光が第1光透過性プレート440の裏面側に入射される。
なお、上述したLED490が本発明における発光手段に相当し、上述したサイドランプ400が本発明における装飾手段に相当し、上述した第1光透過性プレート440が本発明における第1部材に相当し、上述した第2光透過性プレート420が本発明における第2部材に相当し、上述した上段支持枠体430および中段支持枠体450が本発明における支持部材に相当し、上述した透明カバー410が本発明における光透過性カバー部材に相当し、上述した斑光発生板材480が本発明における斑光変換手段に相当する。
次に、サイドランプ400での装飾発光について説明する。
図10に示すように、LED490から放射された光が斑光発生板材480の裏面側に入射される。この斑光発生板材480には、図7に示すように光拡散領域部481と透過領域部483とが不規則に複数個形成されており、斑光発生板材480の光拡散領域部481では入射光を拡散させてレンズ部材460に向けて出射し、斑光発生板材480の透過領域部483では光拡散領域部481よりも拡散性が少なく且つ入射光を透過してレンズ部材460に向けて出力する。
斑光発生板材480からの斑光はレンズ部材460の裏面側に入射され、このレンズ部材460の前面側から第1光透過性プレート440の裏面側に向けて出射される。レンズ部材460から出射された光は、斑光発生板材480からの斑光を多少ぼかすものの、斑光の成分を少なくとも維持しつつ出射される。
第1光透過性プレート440の裏面側に入射された光は、その前面側から、第2光透過性プレート420の裏面側に向けて出射される。
第1光透過性プレート440の魚を象った装飾体部X1は青色に着色されており、青色に光ることになり、その装飾体部X1以外の箇所は透明であるためその箇所での入射光が通過出射される。なお、第1光透過性プレート440の気泡を象った副装飾体部X2は凸状または凹状の透明部分であるため、光の屈折などが生じることで、気泡感が出る。
第2光透過性プレート420の裏面側に入射された光は、その前面側から、透明カバー410の裏面側に向けて出射される。
第2光透過性プレート420の魚を象った装飾体部X1は青色に着色されており、青色に光ることになり、その装飾体部X1以外の箇所は透明であるためその箇所での入射光が通過出射される。なお、第1光透過性プレート440の気泡を象った副装飾体部X2は凸状または凹状の透明部分であるため、光の屈折などが生じることで、気泡感が出る。
図8に示すように、手前側に位置する第2光透過性プレート420の魚を象った装飾体部X1と、それよりも奥側に位置する第1光透過性プレート440の魚を象った装飾体部X1とが、サイドランプ400の内部空間内において、立体的に存在するように表現される。
上述したように、本実施例1のパチンコ機10によれば、サイドランプ400は、LED490からの光が裏面側から入射されて前面側から出射される第1光透過領域を有し、且つ、この第1光透過領域の前面に、魚に象った凸状の装飾体部X1を備えた第1光透過性プレート440と、この第1光透過性プレート440からの光が裏面側から入射されて前面側から出射される第2光透過領域を備え、且つ、この第2光透過領域の前面に、魚に象った凸状の装飾体部X1を備えた第2光透過性プレート420と、第1光透過性プレート440と第2光透過性プレート420とを前後方向に並べた状態で支持する上段支持枠体430および中段支持枠体450と、第2光透過性プレート420の前面側を第2光透過領域から間隔を空けて覆う透明カバー410と、を備え、且つ、上段支持枠体430および中段支持枠体450で前後方向に支持された第1光透過性プレート440および第2光透過性プレート420を正面視した状態で、それらの装飾体部X1の少なくとも一部が見えるように装飾体部X1を当該領域の面方向にずらして配置している。
したがって、第2光透過性プレート420の前面側をその第2光透過領域から間隔を空けて覆う透明カバー410を備えるとともに、相前後して並設された第1,第2光透過領域には、所定形状に象った凸状の装飾体部X1を備えているので、第2光透過領域の前面の装飾体部X1については、この装飾体部X1と透明カバー410の前面部分との相対的な前後位置の違いと、第2光透過領域が光透過性であることとによって、第2光透過領域の装飾体部X1が浮かんで存在するように表示することができる。さらに、第1光透過領域の装飾体部X1については、第1光透過領域と第2光透過領域との相対的な前後位置の違いと、第1光透過領域が光透過性であることとによって、第1光透過領域の装飾体部X1が浮かんで存在するように表示することができる。つまり、第1光透過性プレート440および第2光透過性プレート420の各装飾体部X1が浮かんで存在するように見え、立体的な装飾に優れる。
また、前後方向に支持された第1光透過性プレート440および第2光透過性プレート420を正面視した状態で、それらの装飾体部X1の少なくとも一部が見えるように装飾体部X1を当該領域の面方向にずらして配置しているので、奥側に位置する第1光透過性プレート440の装飾体部X1と、手前側に位置する第2光透過性プレート420の装飾体部X1との相対的な前後位置の違いに加えて、それらの装飾体部X1が当該領域面方向にずらして配置されているという相互位置関係によって、さらに奥行き感のある立体的な表示が実現できる。
なお、前述したような装飾体の支持脚部を不必要にでき、支持脚部が正面斜め方向視から見えることによる見映えの劣りを解消できる。また、細長形状の支持脚部を不必要にできるので、かかる支持脚部の破損おそれに起因する組立作業性の悪さも当然に解消される。その結果、立体的な装飾に優れ、且つ、組立作業性に優れるサイドランプ(装飾部品)を備えた遊技機を提供することができる。
また、第1光透過性プレート440の装飾体部X1および第2光透過性プレート420の装飾体部X1は、その少なくとも表面部分が着色されたものであるので、第1光透過性プレート440の第1光透過領域面における装飾体部X1とそれ以外の部分とで着色差をつけることができ、第1光透過領域面での装飾体部X1をより強調的に表示することができる。これと同様に、第2光透過性プレート420の第2光透過領域面における装飾体部X1とそれ以外の部分とで着色差をつけることができ、第2光透過領域面での装飾体部X1もより強調的に表示することができる。
また、第1光透過性プレート440の装飾体部X1は、第1光透過領域の一方面の所定箇所を所定形状に象った凸状に形成することで、当該第1光透過性プレート440に一体的に形成され、第2光透過性プレート420の装飾体部X1は、第2光透過領域の一方面の所定箇所を所定形状に象った凸状に形成することで、当該第2光透過性プレート420に一体的に形成されるので、第1光透過性プレート440や第2光透過性プレート420に別体の凸状部材を取り付けて装飾体部X1を形成する作業を無くすことができ、装飾手段の組立作業性を向上させることができる。また、装飾体部X1としての凸状部材を人手によって後付けすることによる取付位置ばらつきの問題も解消できる。
また、第1光透過性プレート440または第2光透過性プレート420の少なくとも一方は、その第1光透過領域および第2光透過領域のうちで装飾体部X1以外の所定箇所に、装飾体部X1とは別種類の所定形状に象った凸状、凹状の副装飾体部X2を有しているので、装飾体部X1とは別種類の副装飾体部X2の存在により、装飾体部X1を引き立たせるような副次的な役割を果たすことができ、より多彩な表示を実現できる。
また、第1光透過性プレート440および第2光透過性プレート420は、その第1光透過領域および第2光透過領域での少なくとも装飾体部X1を除く部分が透明であるので、第1光透過性プレート440および第2光透過性プレート420の各装飾体部X1が浮かんで存在するように表示することができる。
また、斑光発生板材480は、LED490からの光を斑光として出力し、この斑光発生板材480から出射された斑光が第1光透過領域の裏面側に入射されるので、第1光透過性プレート440の第1光透過領域や第2光透過性プレート420の第2光透過領域が斑状に光ることになり、装飾体部X1が水中に浮遊しているように表示することができる。
また、斑光発生板材480は、正面視した状態において、入射光を拡散させて出射する光拡散領域部481と、この光拡散領域部481よりも拡散性が少なく且つ入射光を透過出力する透過領域部483とを、不規則に複数個形成したものである。したがって、斑光を好適に実現することができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、同様の効果を奏する別の構成としてもよく、例えば下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、発光手段としてLED490を採用しているが、ランプや電球や面状発光プレートなどその他の発光部品や発光装置を採用してもよい。
また、上述した実施例では、サイドランプ400は、LED490を備えていないものとしているが、LED490を備えたものとしてもよい。また、サイドランプ400は、最奥側のLED490からの光が前面側、つまり透明カバー410の方に出射されるものとしているが、光が透明カバー410の前面からその奥方向に向けて入射されて再び前面側に出射されるものや、側面から入射された光が透明カバー410を介して前面側に出射されるような構成であってもよい。
(2)上述した実施例では、装飾手段としてサイドランプ400を例に挙げて説明しているが、遊技盤あるいは遊技機(パチンコ機やスロットマシンなど)に用いられる装飾部品についても適用可能である。例えば、装飾手段としてサイドランプ400を、遊技盤30に配設されたセンターフレームや、前面枠セット14(前面扉)に適用してもよい。
(3)上述した実施例では、第1光透過性プレート440および第2光透過性プレート420の装飾体部X1として凸状のものを採用しているが、凹状または凹凸状のものを採用してもよい。また、第1光透過性プレート440および第2光透過性プレート420の前面に装飾体部X1を形成しているが、その裏面あるいはその両面に形成するようにしてもよい。
(4)上述した実施例では、第1光透過性プレート440の装飾体部X1および第2光透過性プレート420の装飾体部X1は、その表面部分が着色されたものとしているが、第1光透過性プレート440を正面視した状態でその装飾体部X1の部分全体や第2光透過性プレート420を正面視した状態でその装飾体部X1の部分全体が着色されたものとしてもよい。
(5)上述した実施例では、第1光透過性プレート440および第2光透過性プレート420の副装飾体部X2として凸状または凹状のものを採用しているが、凹状のみあるいは凸状のみを採用してもよいし、凹凸状のものを採用してもよい。また、第1光透過性プレート440および第2光透過性プレート420の前面および裏面に副装飾体部X2を形成しているが、その前面または裏面の一方のみに形成するようにしてもよい。
(6)上述した実施例では、透明カバー410と上段支持枠体430とをネジ留めし、上段支持枠体430と中段支持枠体450とをネジ留めし、中段支持枠体450と下段支持枠体470とをネジ留めしているが、それらの少なくとも一つを係止取付や係合取付や嵌合取付や接着取付など種々の留め方法を採用してもよい。
(7)上述した実施例では、第2光透過性プレート420が上段支持枠体430と透明カバー410とで挟持されているが、第2光透過性プレート420を上段支持枠体430または透明カバー410に係止取付や係合取付や嵌合取付や接着取付するなど種々の取付方法を採用してもよい。また、第1光透過性プレート440が上段支持枠体430と中段支持枠体450とで挟持されているが、第1光透過性プレート440を上段支持枠体430または中段支持枠体450に係止取付や係合取付や嵌合取付や接着取付するなど種々の取付方法を採用してもよい。また、レンズ部材460が中段支持枠体450と下段支持枠体470とで挟持されているが、レンズ部材460を中段支持枠体450または下段支持枠体470に係止取付や係合取付や嵌合取付や接着取付するなど種々の取付方法を採用してもよい。
(8)上述した実施例では、第2光透過性プレート420の魚を象った装飾体部X1と、それよりも奥側に位置する第1光透過性プレート440の魚を象った装飾体部X1との色を同一色としているが、異なる色とするようにしてもよい。
(9)上述した実施例では、サイドランプ400の一構成品として透明カバー410や斑光発生板材480やレンズ部材460を採用しているが、この透明カバー410と斑光発生板材480とレンズ部材460とのうち少なくとも一つを用いないサイドランプを採用してもよい。
(10)上述した実施例では、第1光透過性プレート440および第2光透過性プレート420に装飾体部X1を一体成型しているが、第1光透過性プレート440および第2光透過性プレート420とは別部材であって、所定形状(例えば、魚の形状)に象った凸状部材を、第1光透過性プレート440および第2光透過性プレート420での所定箇所に取り付けるようにしてもよい。
この場合には、凸状部材は第1光透過性プレート440および第2光透過性プレート420とは独立した部材として生産でき、例えばこの凸状部材だけを容易に着色したり、予め着色した部材として生産することができる。
(11)上述した実施例では、第1部材として第1光透過性プレート440を採用しているが、第1光透過性板や、第1光透過性体や、柔軟性のある第1光透過性フィルムなどを採用してもよい。また、上述した実施例では、第2部材として第2光透過性プレート420を採用しているが、第2光透過性板や、第2光透過性体や、柔軟性のある第2光透過性フィルムなどを採用してもよい。
(12)上述した実施例では、第1光透過性プレート440と第2光透過性プレート420との2枚を採用しているが、3枚以上使用するようにしてもよい。
(13)上述した実施例では、第1部材として第1光透過性プレート440での第1光透過領域を透明としているが、この第1光透過領域の装飾体部X1以外の領域のうちの一部を開口としてもよい。また、第2部材として第2光透過性プレート420での第2光透過領域を透明としているが、この第1光透過領域の装飾体部X1以外の領域のうちの一部を開口としてもよい。
(14)上述した実施例では、第1光透過性プレート440は第1光透過領域を備えているが、その装飾体部X1以外箇所を非透過としてもよい。
(15)上述した実施例では、パチンコ機を例に挙げて説明しているが、スロットマシンにも適用可能である。
(16)上述した実施例では、本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施してもよいし、上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。