JP2009213262A - 電力変換装置およびそれを用いた発電システム - Google Patents

電力変換装置およびそれを用いた発電システム Download PDF

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Abstract

【課題】冷却ファンの消費電力の低減を可能とし、電力変換の効率を向上させることのできる電力変換装置を提供する。
【解決手段】電力変換部22による発電量を監視するための監視部34と、複数の月それぞれと対応付けて、発電制御データを予め記憶するためのファン制御データテーブル38と、現在の月を取得するための取得部33と、現在の月に基づいて、冷却ファン9の駆動を制御するための駆動制御部35とを備え、駆動制御部35は、監視部34により監視された電力変換部22発電量と、現在の月と対応付けられた発電制御データとを比較することで、冷却ファン9の駆動を制御する。
【選択図】図4

Description

本発明は、電力変換装置およびそれを用いた発電システムに関し、特に、電力変換部を冷却するための冷却ファンを備えた電力変換装置およびそれを用いた発電システムに関する。
太陽光発電や風力発電、燃料電池などは直流電源として動作し、直流電力を出力する。このような直流電源から発生した直流電力を一般交流負荷に出力したり、既存の商用電力系統に連系するためには、交流電力に変換する電力変換装置が必要となる。このような電力変換装置の電力変換部は、変換ロスが発生するために発熱し、冷却が必要となる。
このような電力変換装置としては、特許文献1に記載されたようなものがある。特許文献1に記載された電力変換装置は、筺体内に送風機(冷却ファン)を備え、筐体には吸排気口が設けられている。吸気口より吸い込まれた空気は、電力変換部を冷却し、冷却ファンにて排気口より筺体外部へ排気される。
特開平11−122949号公報
冷却ファンの駆動制御としては、屋外の状況にかかわらず、出力電力(発電量)が閾値以上になればON、閾値以下になるとOFFといった制御が一般的である。
このような制御を行なう場合、最も冷却能力を必要とする日、すなわち出力電力が大きい日や気温が高い日を想定して閾値が設定される。そのため、大きな冷却能力を必要としない条件(出力電力が少ない日、もしくは、気温が低くい日など)であっても、出力電力が、予め設定された閾値を超過すると、冷却ファンは最大冷却能力で動作してしまう。そのような場合、実際に冷却に必要とされる以上の電力が冷却ファンの駆動のために消費され、その結果、電力変換装置の効率を低下させるという問題がある。
上記文献においては、このような冷却ファンの駆動制御については何ら提案されていない。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、冷却ファンの消費電力の低減を可能とし、電力変換の効率を向上させることのできる電力変換装置を提供することである。
この発明のある局面に従う電力変換装置は、直流電源と接続可能な電力変換装置であって、直流電源からの直流電力を、交流電力に変換するための電力変換手段と、電力変換手段により変換された交流電力を、負荷および/または商用電力系統に出力するための出力手段と、電力変換手段に送風することにより電力変換手段を冷却するための冷却ファンと、電力変換手段による発電量を監視するための監視手段と、複数の特定情報それぞれと対応付けて、発電量に関する複数の発電制御データを予め記憶するための記憶手段とを備え、各特定情報は、直流電源の出力に影響を与える屋外の状況を相対的に特定可能な情報であり、現在の特定情報を計測するための計測手段と、計測手段より、現在の特定情報を取得するための取得手段と、現在の特定情報に基づいて、冷却ファンの駆動を制御するための駆動制御手段とをさらに備え、駆動制御手段は、監視手段により監視された発電量と、現在の特定情報と対応付けられた発電制御データとを比較することで、冷却ファンの駆動を制御する。
好ましくは、駆動制御手段により制御される冷却ファンの状態は、運転および停止を含む2種以上である。
好ましくは、各発電制御データは、少なくとも2つの閾値を含む。
好ましくは、電力変換手段の温度を検出するための検出手段をさらに備え、記憶手段は、予め、電力変換手段の温度に関する少なくとも1つの温度閾値をさらに記憶し、駆動制御手段は、さらに、検出手段により検出された温度と、温度閾値とを比較することで、冷却ファンの駆動を制御する。
好ましくは、電力変換手段の温度を検出するための検出手段をさらに備え、冷却ファンの状態が運転および停止の2種である場合、各発電制御データは、第1の出力閾値を含み、駆動制御手段は、冷却ファンが停止状態の際に、検出手段により検出された温度が温度閾値以上となった場合、および、監視された発電量が第1の出力閾値以上となった場合に、冷却ファンの運転を開始する。
好ましくは、各発電制御データは、さらに、第1の閾値よりも低い第2の出力閾値を含み、駆動制御手段は、冷却ファンが運転状態の際に、監視された発電量が第2の出力閾値未満となった場合に、冷却ファンの運転を停止する。
好ましくは、冷却ファンの状態が高速運転、低速運転および停止の3種である場合、各発電制御データは、冷却ファンの低速運転開始、運転停止、高速運転から低速運転への変更および低速運転から高速運転への変更それぞれを判断するための4つの出力閾値を含む。
好ましくは、各特定情報は、少なくとも月を含み、計測手段は、計時動作を行なう計時手段を含む。
好ましくは、各特定情報は、さらに、日付および時間を含む。
この発明の他の局面に従う発電システムは、上記電力変換装置を備える。
本発明によると、屋外の状況に応じて冷却ファンが駆動制御されるため、冷却ファンの消費電力を低減することができる。また、その結果、電力変換の効率を向上させることができる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
(外観および構成について)
はじめに、本実施の形態における電力変換装置1の構造の一例について説明する。
図1は、本発明の実施の形態における電力変換装置1の外観を示す斜視図である。図2は、図1におけるII−II線上に沿った断面図である。図3は、図1におけるIII−III線上に沿った断面図である。
本実施の形態における電力変換装置1は、吸気口3と排気口4とを有する筐体2と、筐体2に設けられた電力変換部22と、筐体2に設けられる冷却ファン9と、筐体2に連結された排気カバー11とを備えている。筐体2の底面の内部側には、吸気口3を覆うようにして防水カバー5が設けられている。筐体2の背面には、防水カバー5の上方に位置するようにヒートシンク6が設けられている。ヒートシンク6内は、上下に延びる複数の羽根部8によって複数に分割されている。ヒートシンク6の前面には、太陽電池などから出力された直流電力を交流電力に変換する電力変換部22が設けられている。電力変換部14の中で最も発熱するパワー素子7がヒートシンク6の表面に接するように設けられている。
冷却ファン9を駆動させることによって、外部の冷たい空気が、吸気口3から筐体2の内部に取り入れられる。取り入れられた空気は防水カバー5の内部に形成された空間を通り排出される。パワー素子7で発生する熱はヒートシンク6の羽根部8に伝導している。ヒートシンク6内の羽根部8に接触しながら冷たい空気が通過することによって、その羽根部8の熱が奪われる。その結果、電力変換部22は冷却されることとなる。
ヒートシンク6内の空間を通過するときに羽根部8との熱交換で熱せられた空気は、ヒートシンク6の上方に排出される。この空気は冷却ファン16に吸い込まれて、孔10を通過し、排気口4から排出される。
このような電力変換装置1は、直流電源と接続され、発電システムとして機能する。すなわち、電力変換装置1は、直流電源、および、負荷または/および商用電力系統と接続され、直流電源からの直流電力を、電力変換部22において交流電力に変換し、変換された交流電力を負荷または商用電力系統に出力する。また、電力変換装置1は、商用電力系統と連系運転してもよい。
以下に、直流電源が太陽光発電である場合の電力変換装置1の構成および動作について説明する。なお、直流電源は太陽光発電に限定されるものではなく、風力発電などであってもよい。
図4は、本発明の実施の形態における発電システムに用いられる電力変換装置1の機能構成を示す機能ブロック図である。
図4を参照して、本実施の形態における発電システムは、複数の太陽電池モジュールストリング41により構成される太陽電池アレイ40と、電力変換装置1とを備える。
太陽電池モジュールストリング41は、太陽光を受光して発電する複数の太陽電池モジュール(図示せず)を含む。太陽電池モジュールストリング41は、特に複数の屋根面に設置する場合などに、たとえばパネル状に形成された複数の太陽電池モジュール(図示せず)が直列もしくは並列に接続され束ねられたユニットである。
また、太陽電池モジュールストリング41ごとに電力変換装置1へ電力を供給するための配線が設けられる。このように、太陽電池アレイ40からの出力は、配線を介して電力変換装置1に入力される。
電力変換装置1は、太陽電池モジュールストリング41からの電力を遮断するための開閉器21と、太陽電池モジュールストリング41からの直流電力を交流電力に変換するための電力変換部22と、計時動作を行なうタイマ23と、電力変換部22の温度を検出するための温度センサ24と、電力変換部22が発生した電力を負荷50に出力するための出力部25と、制御ユニット30とを含む。
制御ユニット30は、冷却ファン9、開閉器21および電力変換部22の制御を行なう制御部31と、不揮発性のメモリ37とを含む。メモリ37には、複数の特定情報それぞれと対応付けて、発電量に関する複数の発電制御データを予め記憶するファン制御データテーブル38が予め記憶されている。ファン制御データテーブル38は、さらに、電力変換部22の温度に関する温度制御データを予め記憶する。
なお、各「特定情報」は、直流電源である太陽電池モジュールストリング41の出力に影響を与える屋外の状況(たとえば、出力電力の多少,外部の気温)を相対的に特定可能な情報である。本実施の形態において、特定情報は、月データのみを含むものとして説明する。
本実施の形態におけるファン制御データテーブル38のデータ構造を図5に示す。
図5を参照して、ファン制御データテーブル38は、主に3つの項目を有している。1つ目の項目には、複数の月データが格納される。2つ目の項目には、月データとは関係なく、電力変換部22の異常を判断するための温度閾値Taのデータと、冷却ファン9を運転させるか否かを判断するための温度閾値Tbのデータとを含む温度制御データが格納さる。温度閾値TaおよびTbは、たとえば、それぞれ90℃および50℃であることが予め定められる。
3つ目の項目には、複数の月データそれぞれと対応付けられて、発電制御データが格納される。各発電制御データは、冷却ファン9を運転させるか否かを判断するための出力閾値Paのデータと、冷却ファン9を停止させるか否かを判断するための出力閾値Pbのデータとを含む。出力閾値PaおよびPbは、たとえば、11月〜3月に対応させて、それぞれ300Wおよび250Wが予め定められる。3月〜5月および10月に対応させて、それぞれ200Wおよび200Wが予め定められる。6月〜9月に対応させて、それぞれ100Wおよび50Wが予め定められる。
このように、本実施の形態では、特定情報として月データを用い、各月に応じて、異なる出力閾値PaおよびPbが設定される。
なお、タイマ23は、現在の特定情報を計測可能であり、少なくとも月、日、時を計測する。
上述のように、本実施の形態では、各月データと発電制御データとを対応付けてデータテーブルに記憶することとしたが、このような形態に限定されるものではなく、各データがメモリ37において対応付けられて記憶されればよい。
また、発電制御データの値は、本電力変換装置1が設置される地域(仕向地)に応じて異なった値が予め定められることが好ましい。つまり、同じ1月であっても、地域によって異なる出力閾値Pa,Pbが定められることが好ましい。あるいは、操作部(図示せず)を介して、発電制御データの値を、設定および変更できるようにしてもよい。
制御部31は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)により構成され、その機能として、タイマ23による計時結果を取得して、現在の月を判定するための取得部33と、電力変換部22の発電量(出力部25への出力電力)を監視(モニター)するための監視部34と、冷却ファン9の駆動を制御するための駆動制御部35とを含む。なお、電力変換装置1は、冷却ファン9を駆動するための図示しない駆動装置(たとえばモータ)をさらに備えており、制御部31の駆動制御部35は、この駆動装置に対し、制御信号を送信するもとする。
駆動制御部35は、冷却ファン9の他に、取得部33と、監視部34と、温度センサ24と、メモリ37と、電力変換部22と接続される。
駆動制御部35は、取得部33により判定された現在の月と、監視部34により監視された発電量と、温度センサ24が検出した電力変換部22の温度とを入力する。駆動制御部35は、ファン制御データテーブル38から、現在の月と対応付けられた発電制御データと、温度制御データとを読み出す。そして、読み出した各制御データと、監視された発電量と、検出された温度とを比較することにより、冷却ファン9の駆動制御を行なう。
なお、制御部31に含まれた機能ブロックの動作は、メモリ37中に格納されたソフトウェアを実行することで実現されてもよいし、少なくとも一部については、ハードウェアで実現されてもよい。
また、本実施の形態では、ファン制御データテーブル38に温度制御データと発電制御データとの両方が記憶されて、駆動制御部35は、両方の制御データを用いて冷却ファン9の駆動制御をすることとした。しかしながら、駆動制御部35は、発電制御データのみに基づいてファン9の駆動制御をしてもよく、その場合、ファン制御データテーブル38には発電制御データのみが記憶されればよい。
(動作について)
次に、本実施の形態における電力変換装置1の動作について説明する。
図6は、本発明の実施の形態における電力変換装置1の制御部31が実行する、冷却ファン9の駆動制御処理を示すフローチャートである。図6のフローチャートに示す処理は、予めプログラムとしてメモリ37に格納されており、制御部31がこのプログラムを読み出して実行することにより、駆動制御処理の機能が実現される。なお、以下に示す処理は、パワーコンディショナ(略して「パワコン」という)である電力変換装置1が起動(ON)された場合に開始されるものとする。また、電力変換装置1が起動されている場合、監視部34により監視された電力変換部22の発電量と、温度センサ24により検出された電力変換部22の温度とが、駆動制御部35に入力されているものとする。
図6を参照して、はじめに、取得部33は、タイマ23が計測した現在の月データを取得する(ステップS2)。取得された月データは、駆動制御部35に出力される。
次に、駆動制御部35は、ファン制御データテーブル38より、現在の月データに対応付けられた各制御データを取得する(ステップS4)。
次に、駆動制御部35は、電力変換部22の温度が、温度閾値Ta℃以上か否かを判断する(ステップS6)。電力変換部22の温度がTa℃以上であると判断された場合(ステップS6においてYES)、制御部31は、電力変換部22の駆動を停止する(ステップS8)。一方、電力変換部22の温度がTa℃未満であると判断した場合(ステップS6においてNO)、駆動制御部35は、現状の冷却ファン9の状態(運転または停止)を確認する(ステップS10)。
冷却ファン9の状態が停止であった場合、ステップS12に進む。ファンの状態が運転であった場合、ステップS18に進む。
ステップS12において、駆動制御部35は、電力変換部22の温度が温度閾値Tb℃以上であるか否かを判断する。電力変換部22の温度がTb℃以上であると判断された場合(ステップS12においてYES)、ステップS16に進む。また、電力変換部22の温度がTb℃未満であると判断された場合(ステップS12においてNO)、ステップS14に進む。
ステップS14において、駆動制御部35は、電力変換部22の発電量(すなわち、パワコンの出力)が出力閾値PaW以上であるか否かを判断する。発電量がPaW以上であると判断された場合(ステップS14においてYES)、ステップS16に進む。発電量がPaW未満であると判断された場合(ステップS14においてNO)、ステップS6に戻る。
ステップS16において、駆動制御部35は、冷却ファン9の運転を開始する。この処理が終わると、ステップS6に戻る。
ステップS18において、駆動制御部35は、電力変換部22の発電量が、出力閾値PbW以上であるか否かを判断する。発電量がPbW以上であると判断された場合(ステップS18においてYES)、ステップS6に戻る。発電量がPbW未満であると判断された場合(ステップS18においてNO)、ステップS20に進む。
ステップS20において、駆動制御部35は、冷却ファン9の運転を開始してから所定時間(たとえば10分)以上経過したか否かを判断する。所定時間経過していなければ(ステップS20においてNO)、ステップS6に戻る。
これに対し、所定時間経過したと判断された場合(ステップS20においてYES)、駆動制御部35は、冷却ファン9の運転を停止する(ステップS22)。この処理が終わると、ステップS6に戻る。
このように、本実施の形態によると、現在の月に応じた出力閾値Pa,Pbが冷却ファン9の制御値として用いられる。つまり、屋外の気温が低い月は、気温が高い月よりも高い出力閾値Pa,Pbが設定される。そのため、実際に電力変換部22の冷却に必要とされる電力だけが冷却ファン9の駆動に消費されることになり、年間を通じて、冷却ファン9の消費電力を低減することができる。また、その結果、電力変換の効率を向上させることができる。
また、本実施の形態によると、電力変換部22の実際の温度も、冷却ファン9の駆動制御に用いるため、より有効な駆動制御が可能となる。
また、本実施の形態では、発電制御データが2つの出力閾値Pa,Pbを含み、冷却ファン9の制御値にヒステリシスを持たせている。そのため、発電電力に応じて急速応答するのではなく、安定したファン制御が行なわれる。
具体的には図7を用いて説明する。
図7(A)は、制御値にヒステリシスを持たせた場合のファン制御の状態を示す図であり、図7(B)は、制御値にヒステリシスを持たせない場合のファン制御の状態を示す図である。
本実施の形態における発電システムのように太陽光発電を直流電源とする場合、太陽光発電は天候に左右されるため、電力変換部22への入力電力は不安定となる。また、風速が変化する風力発電などを直流電源とする場合も、電力変換部22への入力電力は不安定となる。電力変換装置1が蓄電池等の特別な設備を有しない場合は、発電電力も入力電力に応じて不安定となる。その場合、ファン制御データテーブル38の出力閾値が1つであれば、発電電力は、出力閾値付近で変動し続けることが考えられる。
図7(A)を参照して、出力電力が出力閾値Paを下回っても、すぐに冷却ファン9をOFFせずに、出力閾値Pbを下回ってはじめて冷却ファン9をOFFする。
これに対し、図7(B)を参照すると、ファン制御データテーブル38に出力閾値Paのみが設けられた場合には、発電電力の変動に応じて冷却ファン9のON/OFFが繰り返される。つまり、この場合、ファン制御は、発電電力に応じて急速応答される。
このように、本実施の形態では、ファン制御データテーブル38に、2つの出力閾値Pa,Pbを設けているため、ファン状態の遷移時のチャタリングを防止することができる。また、これにより、冷却ファン9による騒音の増減が少なくなり、耳障りな音を低減させることができる。また、制御部31への負荷を少なくすることもできる。
(変形例1)
上記実施の形態では、ファン状態(冷却ファン9の動作状態)は、運転および停止の2つであった。しかしながら、ファン状態は3つ以上であることが好ましい。
本実施の形態の変形例1では、ファン状態が3つの場合について説明する。なお、電力変換装置1の構成や基本的な動作は上記実施の形態と同様であるので、ここでは、異なる部分のみ説明する。
変形例1では、図5のファン制御データテーブル38に代えて、ファン制御データテーブル38Aがメモリ37に記憶される。
図8は、本発明の実施の形態の変形例1におけるファン制御データテーブル38Aのデータ構造を示す図である。
図8を参照して、ファン制御データテーブル38Aには、上述のファン制御データテーブル38の構成に加え、温度閾値Tc、出力閾値Pc,Pdのデータが格納される。つまり、温度制御データは、温度閾値Ta,Tb,Tcを含み、発電制御データは、出力閾値Pa,Pb,Pc,Pdを含む。
温度閾値Tcは、低速運転から高速運転に切替えるか否かを判断するために予め定められた値である。出力閾値Pcは、低速運転から高速運転に切替えるか否かを判断するために予め定められた値である。出力閾値Pdは、高速運転から低速運転に切替えるか否かを判断するために予め定められた値である。
図9は、本発明の実施の形態の変形例1における電力変換装置1の制御部31が実行する、冷却ファン9の駆動制御処理を示すフローチャートである。図9のフローチャートに示す処理も、予めプログラムとしてメモリ37に格納されており、制御部31がこのプログラムを読み出して実行することにより、駆動制御処理の機能が実現される。このフローチャートにおいて、図6のフローチャートで示した処理と同様の処理については、同じステップ番号を付してある。そのため、それらについての説明は、ここでは繰返さない。
図9を参照して、変形例1では、図6のステップS16に代えてステップS16Aが実行される。また、ステップS10とステップS18との間に新たなステップS17が挿入され、ステップS24,S26,S28,S30の処理が追加される。
変形例1では、ステップS10において、駆動制御部35は、現状の冷却ファン9の状態が、低速運転、高速運転および停止のうちのどれであるかを確認する。
ステップS16Aにおいて、駆動制御部35は、冷却ファン9の低速運転を開始する。
ステップS10において冷却ファン9の状態が低速運転であると判断された場合、ステップS17において、駆動制御部35は、電力変換部22の温度が温度閾値Tc℃以上であるか否かを判断する。
電力変換部22の温度がTc℃以上であると判断された場合(ステップS17においてYES)、ステップS26に進む。電力変換部22の温度がTc℃未満であると判断された場合(ステップS17においてNO)、ステップS18に進む。
ステップS18において、上記と同様に、駆動制御部35は、電力変換部22の出力が出力閾値PbW以上であるか否かを判断する。電力変換部22の出力がPbW未満であると判断された場合(ステップS18においてNO)、上記と同様の処理が実行される。
一方、電力変換部22の出力がPbW以上であると判断された場合(ステップS18においてYES)、駆動制御部35は、さらに、電力変換部22の出力が、出力閾値PcW以上であるか否かを判断する(ステップS24)。
電力変換部22の出力がPcW以上であると判断された場合(ステップS24においてYES)、駆動制御部35は、冷却ファン9の運転速度を低速から高速に切換える(ステップS26)。この処理が終わると、ステップS6に戻る。
ステップS24において、電力変換部22の出力が出力閾値PcW未満であると判断された場合(ステップS24においてNO)、ステップS6に戻る。
ステップS10において、冷却ファン9の状態が高速運転であると判断された場合、ステップS28において、駆動制御部35は、電力変換部22の出力が、出力閾値PdW以上であるか否かを判断する。
電力変換部22の出力がPdW以上であると判断された場合(ステップS28においてYES)、ステップS6に戻る。電力変換部22の出力がPdW未満であると判断された場合(ステップS28においてNO)、駆動制御部35は、冷却ファン9の運転速度を、高速から低速に切換える(ステップS30)。ステップS30の処理が終わると、ステップS6に戻る。
このように、本実施の形態の変形例1においては、冷却ファン9の状態として3つの状態が設定された。そのため、冷却ファン9の状態が2つの場合に比べて、より効率的に冷却ファン9の駆動制御を行なうことができる。
(変形例2)
なお、上述の実施の形態およびその変形例1におけるファン制御データテーブル38,38Aには、月ごとに発電制御データが記憶された。つまり、特定情報が月であることとして説明した。しかしながら、特定情報は、出力電力の多少または外部の気温を相対的に特定可能な情報であればよく、月に限定されるものではない。たとえば、特定情報は、年、日、時、分などを含んでいてもよい。なお、いずれにしても、特定情報が少なくとも月を含むことが好ましい。あるいは、電力変換装置1に外気温を検出するためのセンサを設けて、特定情報に外気温も含ませてもよい。
本実施の形態の変形例2では、特定情報が月、日および時間を含むこととし、その場合の冷却ファン9の駆動制御について簡単に説明する。
図10は、本発明の実施の形態の変形例2におけるファン制御データテーブル38Bのデータ構造を示す図である。
図10を参照して、ファン制御データテーブル38Bにおいて、月日時データと対応付けられて、発電制御データが格納される。変形例2においても、冷却ファン9の状態が3つである。そのため、発電制御データは、上記変形例1と同様に、4つの出力閾値を含む。また、温度制御データも、上記変形例1と同様に、3つの温度閾値を含む。なお、上記実施の形態のように、冷却ファン9の状態が2つであってもよい。
制御部31が実行する冷却ファン9の駆動制御処理は、図9に示したフローチャートにより実現可能である。
このように、変形例2では、月日時単位で発電制御データが記憶される。時間も特定情報に含めることで、気温の日内変動も考慮することができ、より効率的なファン制御を実現することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態における電力変換装置の外観を示す斜視図である。 図1におけるII−II線上に沿った電力変換装置の断面図である。 図1におけるIII−III線上に沿った電力変換装置の断面図である。 本発明の実施の形態における発電システムに用いられる電力変換装置の機能構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施の形態におけるファン制御データテーブルのデータ構造を示す図である。 本発明の実施の形態における電力変換装置の制御部が実行する、冷却ファンの駆動制御処理を示すフローチャートである。 (A)は、制御値にヒステリシスを持たせた場合のファン制御の状態を示す図であり、(B)は、比較例として、制御値にヒステリシスを持たせない場合のファン制御の状態を示す図である。 本発明の実施の形態の変形例1におけるファン制御データテーブルのデータ構造を示す図である。 本発明の実施の形態の変形例1における電力変換装置の制御部が実行する、冷却ファンの駆動制御処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態の変形例2におけるファン制御データテーブルのデータ構造を示す図である。
符号の説明
1 電力変換装置、2 筐体、3 吸気口、4 排気口、9 冷却ファン、11 排気カバー、21 開閉器、22 電力変換部、23 タイマ、24 温度センサ、25 出力部、30 制御ユニット、31 制御部、33 取得部、34 監視部、35 駆動制御部、37 メモリ、38,38A,38B ファン制御データテーブル、40 太陽電池アレイ、41 太陽電池モジュールストリング、50 負荷、Pa,Pb,Pc,Pd 出力閾値、Ta,Tb,Tc 温度閾値。

Claims (10)

  1. 直流電源と接続可能な電力変換装置であって、
    前記直流電源からの直流電力を、交流電力に変換するための電力変換手段と、
    前記電力変換手段により変換された交流電力を、負荷および/または商用電力系統に出力するための出力手段と、
    前記電力変換手段に送風することにより前記電力変換手段を冷却するための冷却ファンと、
    前記電力変換手段による発電量を監視するための監視手段と、
    複数の特定情報それぞれと対応付けて、発電量に関する複数の発電制御データを予め記憶するための記憶手段とを備え、
    各前記特定情報は、前記直流電源の出力に影響を与える屋外の状況を相対的に特定可能な情報であり、
    現在の特定情報を計測するための計測手段と、
    前記計測手段より、前記現在の特定情報を取得するための取得手段と、
    前記現在の特定情報に基づいて、前記冷却ファンの駆動を制御するための駆動制御手段とをさらに備え、
    前記駆動制御手段は、前記監視手段により監視された発電量と、前記現在の特定情報と対応付けられた前記発電制御データとを比較することで、前記冷却ファンの駆動を制御する、電力変換装置。
  2. 前記駆動制御手段により制御される前記冷却ファンの状態は、運転および停止を含む2種以上である、請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 各前記発電制御データは、少なくとも2つの閾値を含む、請求項1または2に記載の電力変換装置。
  4. 前記電力変換手段の温度を検出するための検出手段をさらに備え、
    前記記憶手段は、予め、前記電力変換手段の温度に関する少なくとも1つの温度閾値をさらに記憶し、
    前記駆動制御手段は、さらに、前記検出手段により検出された温度と、前記温度閾値とを比較することで、前記冷却ファンの駆動を制御する、請求項1〜3のいずれかに記載の電力変換装置。
  5. 前記電力変換手段の温度を検出するための検出手段をさらに備え、
    前記冷却ファンの状態が運転および停止の2種である場合、各前記発電制御データは、第1の出力閾値を含み、
    前記駆動制御手段は、前記冷却ファンが停止状態の際に、前記検出手段により検出された温度が前記温度閾値以上となった場合、および、前記監視された発電量が前記第1の出力閾値以上となった場合に、前記冷却ファンの運転を開始する、請求項4に記載の電力変換装置。
  6. 各前記発電制御データは、さらに、前記第1の閾値よりも低い第2の出力閾値を含み、
    前記駆動制御手段は、前記冷却ファンが運転状態の際に、前記監視された発電量が前記第2の出力閾値未満となった場合に、前記冷却ファンの運転を停止する、請求項5に記載の電力変換装置。
  7. 前記冷却ファンの状態が高速運転、低速運転および停止の3種である場合、各前記発電制御データは、前記冷却ファンの低速運転開始、運転停止、高速運転から低速運転への変更および低速運転から高速運転への変更それぞれを判断するための4つの出力閾値を含む、請求項2〜4のいずれかに記載の電力変換装置。
  8. 各前記特定情報は、少なくとも月を含み、
    前記計測手段は、計時動作を行なう計時手段を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の電力変換装置。
  9. 各前記特定情報は、さらに、日付および時間を含む、請求項8に記載の電力変換装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の電力変換装置を備えた発電システム。
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