JP2009212668A - 光伝送システム - Google Patents

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Abstract

【課題】
ONUをグループ単位で救済する。
【解決手段】
光伝送路14上に、2×8光カプラ18〜18を配置する。光カプラ18〜18の上位ポートの一方からセンター局10に冗長用光ファイバ24〜24を敷設する。パワー計34〜34は、冗長用光ファイバ24〜24からの上り光のパワーを計測する。制御装置38は、パワー計34〜34の計測結果及び現用OLT30Wからの通知に従い、ポート切替え装置36を制御する。ポート切替え装置36は、通常時は、現用OLT30Wを幹線光ファイバ20に接続する。ポート切替え装置36は、光伝送路14のアクセス区間の障害に対し、そのアクセス区間と並列な冗長用光ファイバ24〜24を予備OLT30Pに接続する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光伝送システムに関し、より具体的には、光伝送路の一部を複数のユーザで共用する受動光伝送(PON)システムにおいて局側装置および光伝送路を冗長化した光伝送システムに関する。
PONシステムでは、局に配置する光終端装置(OLT:Optical Line Terminal)と個々のユーザ宅に配置される光終端装置(ONU:Optical Network Unit)との間を、一部で全ONUが共用する光伝送路で接続する。その光伝送路はいわゆるスターカプラ構成からなり、中間に配置される光カップラとOLTとを、全ONUで共用する光ファイバ(共用光ファイバ又はアクセスファイバ)で接続し、光カップラと各ONUとを、各ONUで専用する光ファイバ(分岐光ファイバ又はドロップファイバ)で接続する。ユーザ数が多い場合、光カップラとして、複数の光カプラを多段構成とすることがある。例えば、32台のONUを収容する場合、図12に示すように、4分岐の光カプラで4系統に分岐し、各分岐に8分岐の光カプラを接続する。4分岐の光カプラと8分岐の光カプラの間の光ファイバは、8台のONUで共用される共用光ファイバとなる。4分岐の光カプラは、局舎内に設置されることも、局舎とユーザ宅との間に設置されることもある。
障害発生時の不使用期間を短縮するため、経路及び/又はOLTの冗長化が検討されている。また、障害箇所を迅速に検出する手段も必要である。
特許文献1には、PONシステムにおける障害区間を特定する手段として、特定波長を反射するフィルタをONUに搭載する構成が提案されている。しかし、特許文献1に記載の技術では、ONUのコストが増大すること、敷設済みのONUには適用できないという欠点がある。また、OLTにおいても、複雑な処理を要する試験装置が必要となり、コストが増大する。
特許文献2には、OLTを冗長化することが記載されている。また、特許文献3には、現用OLTと予備OLTを2xN光スイッチを介して光伝送路に接続する、OLTの冗長構成が記載されている。この方式では、ONUにバーストレシーバが必要となる。即ち、新規にONUを開発する必要があり、バーストレシーバを有しないONUを使用するPONシステムには適用できない。
特許文献4、特許文献5及び特許文献6には、光伝送路上に光スイッチを配して、経路を冗長化することが記載されている。この構成を適用するには、従来のPON構成を変更する必要がある。また、光スイッチという電気を要するモジュールの設置は、コスト面でのデメリットが大きい。
特許文献7には、光伝送経路を冗長化する構成が記載されているが、この技術では、ONUに2つの光トランシーバを搭載する必要が生じ、コストの観点から明らかに不利である。
特開2007−064931号公報 特開2007−054341号公報 特開2006−324796号公報 特開2003−051765号公報 特開2002−368656号公報 特開2002−198904号公報 特開2002−057679号公報
従来の冗長構成は、伝送経路又はOLTに障害が発生すると、全ONUに対して伝送経路又はOLTを切り替えるものであり、全ONUで切り替えに伴う瞬断が発生する。
従来の構成に対し、図12に示すPONシステムに対し、8分岐光カプラを2×8分岐光カプラに変更し、OLTと光伝送経路を二重化することが考えられる。図13は、そのような冗長構成のPONシステムを示す。
しかし、図13に示す構成では、4分岐光カプラと何れかの2×8分岐光カプラとの間の光ファイバが断線した場合、予備OLTに切り替えることになるので、OLTの切り替えに伴う瞬断が全ONUに対して発生する。IPマルチキャスト放送等の、高品質を要求されるアプリケーションでは、瞬断でも映像の乱れに繋がるので、できる限り瞬断を避ける必要がある。
本発明は、線路障害により現用OLTに接続不能になったONUを予備OLTに選択的に切り替える光伝送システムを提示することを目的とする。
本発明に係る光伝送システムは、センター局に配置される現用OLT及び予備OLTと、ユーザ宅に配置される複数のONUと、当該センター局と当該複数のONUを光学的に接続する光伝送路であって、当該センター局側に2つの上位ポートを具備し、当該ONU側に複数の下位ポートを具備する1以上の光カプラを当該光伝送路のアクセス区間とドロップ区間の境界に有する光伝送路と、当該1以上の各光カプラの当該上位ポートの一方と当該センター局とを光学的に接続する冗長用光ファイバと、当該センター局に配置され、当該光伝送路の当該センター局との接続点及び当該冗長用光ファイバの一方を当該予備OLTに切替え可能なポート切替え装置と、当該アクセス区間の障害に対し、当該冗長用光ファイバを当該予備OLTに接続するように当該ポート切替え装置を制御する制御装置
とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、アクセス区間で断線の起こったONUのみを復旧し、断線の起こっていないONUに影響を与えない冗長構成を提供できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例の概略構成ブロック図を示す。ここでは、合計32台のONUを収容するPONシステムに適用した実施例を説明する。
センター局10と各ユーザ宅のONU12〜1232を接続する光伝送路14上には、センター局10側に1×4光カプラ16が配置され、ONU12〜1232側には4つの2×8の光カプラ18(18〜18)が配置される。1×4光カプラ16の上位ポートは、幹線光ファイバ20を介してセンター局10に接続し、4つの下位ポートは、それぞれ分岐光ファイバ22〜22を介して2×8光カプラ18(18〜18)の2つの上位ポートの一方に接続する。2×8光カプラ18(18〜18)の残りの上位ポートは、それぞれ冗長用光ファイバ24〜24を介してセンター局10に接続する。2×8光カプラ18(18〜18)の4つの下位ポートは、それぞれ、専用光ファイバ26〜2632を介してONU12〜1232に接続する。
1×4光カプラ16は、上位ポートから入力した光パワーを4つに分波して4つの下位ポートに出力し、4つの下位ポートから入力した光パワーを合波して上位ポートに出力する。2×8光カプラ18〜18は、2つの上位ポートから入力した光パワーを合波した後、8つに分波し、8個の下位ポートからそれぞれ出力する。2×8光カプラ18〜18はまた、8つの下位ポートに入力した光パワーを合波してから2つに分波し、2つの上位ポートから出力する。
幹線光ファイバ20は全ONU12〜1232により共用される。1×4光カプラ16と2×8光カプラ18〜18間の分岐光ファイバ22〜22は、対応する2×8光カプラ18〜18に接続する8台のONUにより共用される。例えば、分岐光ファイバ22は、ONU12〜12により共用される。専用光ファイバ26〜2632は、直接接続するONU12〜1232により専用される。
本明細書では、ONU12〜1232に直接接続する専用光ファイバ26〜2632の区間をドロップ区間と呼び、光伝送路14のドロップ区間以外の区間をアクセス区間と呼ぶ。原則的には、2×N光カプラよりOLT側をアクセス区間と呼び、2×N光カプラよりONU側をドロップ区間と呼ぶ。
センター局10内には、現用OLT30Wと予備OLT30Pが設置される。現用OLT30Wと予備OLT30Pは、L2(Layer 2)又はL3(Layer 3)のスイッチ32を介して上位ネットワーク39に接続する。現用OLT30Wと予備OLT30Pは、配下のONUの上り光信号出力をTDMA(Time Division Multiplexing Access)方式で制御する。
パワー計34〜34は、予備光ファイバ24(24〜24)を伝搬する上り光の光パワーを計測する。予備光ファイバ24は2×8光カプラ18に接続するので、光カプラ18に接続するONU12〜12からの上り光が、予備光ファイバ24を遡ってパワー計34に入射する。つまり、パワー計34は、ONU12〜12からの上り光の光パワーをモニタする。同様に、パワー計34は、ONU12〜1216からの上り光の光パワーをモニタする。パワー計34は、ONU1217〜1224からの上り光の光パワーをモニタし、パワー計34は、ONU1225〜1232からの上り光の光パワーをモニタする。
現用OLT30Wと予備OLT30Pを切り替えるポート切替え装置36を光ファイバ20,24〜24と現用OLT30W、予備OLT30P及びパワー計34〜34との間に配置してある。制御装置38が、パワー計34〜34の計測結果、並びに現用OLT30W及び予備OLT30Pのステータス情報に従い、ポート切替え装置36を制御し、また、現用OLT30Wと予備OLT30Pの分担を制御する。制御装置38の機能の詳細は後述する。
ポート切替え装置36は、幹線光ファイバ20を現用OLT30W又は予備OLT30Pに接続する光スイッチ36aを有する。光スイッチ36aは、通常時には、幹線光ファイバ20を現用OLT30Wに接続する。光スイッチ36aは、現用OLT30Wの障害時に、幹線光ファイバ20を予備OLT30Pに接続する。
ポート切替え装置36はまた、冗長用光ファイバ24〜24の内の任意の1つを予備OLT30Pに接続する光スイッチ36bを有する。光スイッチ36bは、通常時には、冗長用光ファイバ24〜24をそれぞれパワー計34〜34に接続する。光スイッチ36bは、分岐光ファイバ22〜22の何れか1本(例えば、分岐光ファイバ22)に障害が発生したときに、障害の発生した分岐光ファイバ(例えば、22)を利用するONU(例えば、ONU12〜12)を予備OLT30Pに接続して、救済するために使用される。他の分岐光ファイバ22〜22を利用するONU12〜1232は、現用OLT30Wを介して上位ネットワーク39に接続したままとなる。
光スイッチ36bとして、パワー計34〜34と予備OLT30Pとを切り替える代わりに、冗長用光ファイバ24〜24からの上り光の一部を常時、パワー計34〜34に供給し、当該上り光の残りを、常開スイッチを介して予備OLT30Pに接続する構成であっても良い。
現用OLT30Wと予備OLT30Pは、接続するONUからの上り信号をスイッチ32に送信し、スイッチ32からの下り信号を対応するONUに送信する機能を有し、接続するONUの上り信号送出タイミングを制御する機能を有する。但し、予備OLT30Pは、初期状態では、どのONU12〜1232にも接続していない。予備OLT30Pのスタンバイ状態には、(1)コールドスタンバイ、(2)ホットスタンバイ、及び(3)ホットスタンバイ&現用OLT30Wの登録情報・設定情報の利用の、3種類がありうる。本実施例では、どれでもよい。
コールドスタンバイでは、予備OLT30Pを利用する段階で予備OLT30Pに電源を投入する。予備OLT30Pは、管理下に置かれるONUとのリンク確立をゼロからスタートする。電源投入とリンク確立に時間を要するので、切替え時間は長くなるが、電気を節約でき、現用OLT30W及び予備OLT30Pの機能を単純化できるという利点がある。
ホットスタンバイでは、予備OLT30Pの電源を常に投入しておく。予備OLT30Pは、管理下に置かれるONUとのリンク確立をゼロからスタートする。この場合、リンク確立には時間を要するが、現用OLT30W及び予備OLT30Pの機能を単純化できるという利点がある。
ホットスタンバイとしつつ、現用OLT30Wの登録情報・設定情報を利用する方式では、予備OLT30Pの電源は、常に投入されている。定期的に又は冗長切替え時に、制御装置38は、現用OLT30Wの登録情報・設定情報を予備OLT30Pに転送し、予備OLT30Pは、これらの登録情報・設定情報を記憶する。現用OLT30Wの使用時には、その登録情報・設定情報を制御装置38に転送して、常時更新しておき、制御装置38が、冗長切替えに応じて、記憶する登録情報・設定情報を予備OLT30Pに転送するようにしてもよい。予備OLT30Pは、登録情報・設定情報を利用することで、リンク確立が不要になるか、又は、部分的に省略可能になり、高速な冗長切替えを実現できる。
図2は、制御装置38によるポート切替え装置36の制御フローチャートを示す。
現用OLT30Wの障害を検知すると(S1)、制御装置38はポート切替え装置36の光スイッチ36aを現用OLT30wから予備OLT30Pに切り替える(S2)。以後、予備OLT30Pは、全ONU12〜1232との間でリンクを確立し、全ONU12〜1232と通信を管理し、仲介する(S3)。この動作は、現用OLTの故障に備えて予備OLTを装備する従来例と同じである。
現用OLT30Wは、通信不能のONU(例えば、ONU12)があると、そのONUを制御装置38に通知する(S4)。この段階では、当該ONU(例えば、ONU12)の故障又は電源オフ、アクセス区間(例えば、22)の断線、ドロップ区間(例えば、26)の断線の3つの可能性がある。
なお、ONUが正常に電源断になるときに、その旨を電源断の前にOLTに通知する機能(Dying Gasp機能)を実装するPONシステムがある。この機能を搭載している場合、通信不能のONUは、Dying Gasp信号を検知することなく通信不能になったONUを意味する。
制御装置38は、通信不能ONU(例えば、ONU12)が属するONUグループからの上り光をモニタするパワー計(例えば、パワー計34)で計測されるパワーを参照し、計測パワーが閾値以下かどうかを調べる(S5)。本実施例では、1つのONUグループには8台のONUが所属しているが、その内の7台が正常に電源オフになっている可能性がある。従って、ここでの閾値は、1台のONUが出力する上り光の光パワーより若干、低い値に設定される。また、パワー計34〜34は、ある程度以上(例えば10ms)の時間の平均パワーを計測する。PONシステムの上り信号はバースト的に送信されるので、粒度を細かくして光パワーを測定すると、光断を誤検知する可能性があるからである。
計測光パワーが閾値を越える場合(S5)、通信不能ONU(例えば、ONU12)が属するONUグループに属する何れか1以上のONUが現実に通信していることになる。即ち、アクセス区間(例えば、22)に障害は無く、ドロップ区間(例えば、26)に障害(断線)があるか、通信不能ONU(例えば、ONU12)の故障若しくは電源オフも想定される。ドロップ区間(例えば、26)の障害も通信不能ONU(例えば、ONU12)の故障も、サービスマンによる現地修理が必要になるので、修理点検の依頼を管理者に通知する(S6)。そして、通信不能ONU(例えば、ONU12)を現用OLT30Wの管理対象から分離する(S7)。
計測光パワーが閾値以下の場合(S5)、通信不能ONU(例えば、ONU12)が利用するアクセス区間(例えば、22)又はドロップ区間(例えば、26)の断線の可能性が高い。そこで、光スイッチ36bにより、通信不能ONU(例えば、ONU12)のアクセス区間に対する冗長用光ファイバ(例えば、24)を予備OLT30Pに接続する(S8)。
予備OLT30Pの管理の下、通信不能ONU(例えば、ONU12)の通信が復旧するかどうかを調べる(S9)。復旧した場合(S9)、通信不能ONU(例えば、ONU12)のアクセス区間(例えば、22)の障害であると結論付けることができ(S10)、以後、予備OLT30Pが、通信不能ONU(例えば、ONU12)の属するONUグループの通信を管理及び仲介し、現用OLT30Wが、残るONUグループの通信の管理・仲介を継続する(S11)。
予備OLTPの管理の下でも復旧しない場合(S9)、通信不能ONU(例えば、ONU12)と同じONUグループの他のONU(例えば、ONU12〜12)は電源オフであり、通信不能ONU(例えば、ONU12)のドロップ区間(例えば、26)の断線、又は、通信不能ONU(例えば、ONU12)の故障と考えられる。そこで、光スイッチ36bを元に戻し、通信不能ONU(例えば、ONU12)又はそのドロップ区間(例えば、26)の修理点検の依頼を管理者に通知し(S6)、通信不能ONU(例えば、ONU12)を現用OLT30Wの管理対象から分離する(S7)。
本実施例では、アクセス区間の障害に対し、当該障害により通信不能になるONUグループを迅速に予備OLT30Pにより救済できる。この障害の影響を受けないONUは、現用OLT30Wを介して通信を継続できる。これにより、予備系への切替えによるダメージを最小限に抑えることができる。
次に、ポート切替え装置36の具体的な実装形態を説明する。図3は、ポート切替え装置36の一例の概略構成ブロック図を示す。ポート切替え装置36の内部構成の理解に必要な要素のみを図示してある。
光スイッチ40は、幹線光ファイバ20を現用OLT30Wに接続するか、予備OLT30P側に接続するかを選択でき、通常は、幹線光ファイバ20を現用OLT30Wに接続している。光スイッチ42〜42はそれぞれ、冗長用光ファイバ24〜24をパワー計34〜34に接続するか、予備OLT30P側に接続するかを選択でき、通常は、冗長用光ファイバ24〜24をパワー計34〜42に接続している。予備OLT30Pの入出力ポートには、光スイッチ44が接続し、光スイッチ44は、光スイッチ40,42〜42と接続する5つの選択端子(W,A,B,C,D)と、無接続のための無接続端子(S)を具備する。予備OLT30Pがスタンバイ状態のときに、光スイッチ44は無接続端子(S)に接続する。
例えば、現用OLT30Wから予備OLT30Pに全面的に切り替える場合、光スイッチ40は、光スイッチ44の選択端子(W)に接続する端子に切り替わり、光スイッチ44は、選択端子(W)に接続する。この状態では、予備OLT30Pは、幹線光ファイバ20を介して、全ONU12〜1232の通信を管理及び仲介する。
また、冗長用光ファイバ24を予備OLT30Pに接続したい場合、光スイッチ42は光スイッチ44の選択端子(A)に接続する端子に切り替わり、光スイッチ44は、選択端子(A)に接続する。この状態で、予備OLT30Pは、2×8光カプラ18を共用するONU12〜12の通信を管理及び仲介する。
図4は、ポート切替え装置36としてマトリクス光スイッチを使用する構成例の概略構成図を示す。破線のミラー50〜58は透過状態を示す。
透過と反射を外部制御可能なミラー50を幹線光ファイバ20と現用OLT30Wの間に配置する。例えば、ミラー50は、透過状態では、幹線光ファイバ20と現用OLT30Wとの間の光路から退避し、反射状態では、幹線光ファイバ20と現用OLT30Wとの間の光路上に挿入される可動ミラー、又は透過/反射を電気的に制御可能な化学材料(例えば、LiNbO)を被覆したミラーである。同様に透過と反射を外部制御可能なミラー52,54,56,58を冗長用光ファイバ24〜24とパワー計34〜34の間に配置する。また、幹線光ファイバ20,24〜24からの光をミラー50〜58の何れか1つが反射状態に制御されている場合に、反射状態のミラー(例えば、ミラー52)と連繋する光ファイバ(例えば、冗長用光ファイバ24)と予備OLT30Pが光学的に結合するように、予備OLT30Pを配置してある。
図5は、ミラー52が反射状態になっている場合に、冗長用光ファイバ24と予備OLT30Pが光学的に結合した状態を示す。破線のミラー50,54,56,58は、透過状態になり、実線のミラー52は反射状態になっている。このとき、パワー計34には光信号が入射しないので、制御装置38は、パワー計34の計測結果を無視する。
図6は、光スイッチ42〜42の代わりに10:1光カプラを使用するポート切替え装置36の別の構成例を示す。この構成では、何れのONUグループを予備OLT30Pに接続して救済したとしても、パワー計34〜34は、対応する冗長用光ファイバ24〜24からの上り光のパワーを計測できる。
光スイッチ60は、光スイッチ40と同様に、幹線光ファイバ20を現用OLT30Wに接続するか、予備OLT30Pの光スイッチ64の選択端子Wに接続するかを選択でき、通常は、幹線光ファイバ20を現用OLT30Wに接続している。10:1光カプラ62〜62はそれぞれ、冗長用光ファイバ24〜24からの光信号を10:1の割合で分割し、パワーの少ない方をパワー計34〜34に接続し、パワーの多い方を予備OLT30Pの光スイッチ64の端子A,B,C,Dに接続する。光スイッチ64は、光スイッチ44と同様に、光スイッチ40及び光カプラ62〜62と接続する5つの選択端子(W,A,B,C,D)と、無接続のための無接続端子(S)を具備する。予備OLT30Pがスタンバイ状態のときに、光スイッチ44は無接続端子(S)に接続する。
例えば、現用OLT30Wから予備OLT30Pに全面的に切り替える場合、光スイッチ60は、光スイッチ64の選択端子(W)に接続する端子に切り替わり、光スイッチ64は、選択端子(W)に接続する。この状態では、予備OLT30Pは、幹線光ファイバ20を介して、全ONU12〜1232の通信を管理及び仲介する。
また、冗長用光ファイバ24を予備OLT30Pに接続したい場合、光スイッチ64は、選択端子(A)に接続する。この状態で、予備OLT30Pは、2×8光カプラ18を共用するONU12〜12の通信を管理及び仲介する。
10:1光カプラ62〜62の挿入により、分岐損が生じるデメリットはあるが、可動部分が少なくなるので、故障率が下がるという利点がある。また、予備OLT30Pへの切り替え後も、パワー計34〜34による死活管理が可能であるという利点がある。
光カプラ62〜62の分岐比を10:1としたが、ネットワークの要求状況に合わせて、任意の分岐比を取ることが可能である。
図6に示す構成では、ポート切替え装置36の外部に光カプラ62〜62を配置しても良いことは明らかである。
また、理解を容易にするために、冗長用光ファイバ24〜24のそれぞれにパワー計34〜34を用意したが、単一のパワー計を時分割で利用しても良い。図7は、図6に示す構成をそのように変更したポート切替え装置36の構成例を示す。即ち、パワー計34〜34を、冗長用光ファイバ24〜24を周期的にスキャンする光スイッチ66と、当該光スイッチ66により選択された上り光のパワーを計測するパワー計68からなる構成で置換できる。
また、上り光のパワーを計測するONUグループと、予備OLT30Pで救済するONUグループが一致してもよい場合、光カプラ62〜62を省略できる。図8は、そのような変更構成の概略構成ブロック図を示す。
図8に示す構成では、光スイッチ70は、幹線光ファイバ20を現用OLT30Wに接続するか、予備OLT30P側に接続するかを選択でき、通常は、幹線光ファイバ20を現用OLT30Wに接続している。光スイッチ72は、冗長用光ファイバ24〜24に周期的に接続し、光スイッチ74は、光スイッチ72により選択された冗長用光ファイバを、パワー計76又は予備OLT30Pの光スイッチ78の選択端子(A)に接続する。光スイッチ74は、通常は、パワー計76に接続する。光スイッチ74が光スイッチ78の端子(A)に接続するとき、光スイッチ72は、予備OLT30Pにより救済すべきONUグループの冗長用光ファイバに継続的に接続する。予備OLT30Pの入出力ポートには光スイッチ78が接続し、光スイッチ78は、光スイッチ70と接続する選択端子(W)、光スイッチ74と接続する選択端子(A)と、無接続のための無接続端子(S)を具備する。予備OLT30Pがスタンバイ状態のときに、光スイッチ78は無接続端子(S)に接続する。
現用OLT30Wから予備OLT30Pに全面的に切り替える場合、光スイッチ70は、光スイッチ78の選択端子(W)側に切り替わり、光スイッチ78は選択端子(W)に接続する。この状態では、予備OLT30Pは、幹線光ファイバ20を介して、全ONU12〜1232の通信を管理及び仲介する。
また、例えば、冗長用光ファイバ24を予備OLT30Pに接続したい場合、光スイッチ72は、冗長用光ファイバ24に継続的に接続し、光スイッチ74は、選択端子(A)に接続する。この状態で、予備OLT30Pは、2×8光カプラ18を共用するONU12〜12の通信を管理及び仲介する。
光スイッチ74の代わりに、図7に示す10:1光カプラ62〜62のような10:1光カプラを配置しても良いことは明らかである。
以上の構成では、光伝送路14を2段構成としたが、3段構成以上であってもよい。図9は、3段構成の光伝送路14の構成例を示す。2×N光カプラの上流側の2つのポートの一方から現用OLTに延びる光ファイバ(太実線)がアクセス区間となり、他方のポートからポート切替え装置に接続する光ファイバ(破線)が冗長用光ファイバとなる。2×N光カプラのONU側の光ファイバ(実線)がドロップ区間となる。
本実施例では、冗長系は1段目の光カプラ16を通らないので、全体の伝送損失が小さい。このため、冗長系は長い距離を伝送でき、迂回して光ファイバを敷設することができる。すなわち、物理的に経路を冗長化できる。また、従来のOLT/ONUに機能的変更を施すことなく冗長構成が実現できる。
ONUに2本の光ファイバを入力する必要がないので、新たなドロップケーブル敷設工事を要せずに冗長構成を実現できる。
ポート切替え装置36を、複数の現用OLTと複数の予備OLTの間で任意の組合せで切替え可能に拡張することで、冗長化のためのコストを低減できる。図10は、M系統のPONシステムに対してN個の予備OLTを用意した冗長構成の概略構成ブロック図を示す。勿論、M>Nであり、例えば、M:N=16:1である。MがNに近いほど、信頼性が高くなる。
ポート切替え装置136は、ポート切替え装置36を、M個のPONシステムとN個の予備OLT130P〜130Pを収容可能に拡張したものである。すなわち、ポート切替え装置136には、M個の現用OLT130W〜130Wと、N個の予備OLT130P〜130Pが接続する。各PONシステムのONUグループ毎の上り光パワーを計測するパワー計も同様に、拡張された数だけ、ポート切替え装置136に接続する。制御装置138が、パワー計の計測結果、現用OLT130W〜130Wの動作状態に応じて、PONシステム単位、又は、各PONシステムのONUグループ単位(冗長用光ファイバ単位)で予備OLT130P〜130Pに切り替える。
図1に示す実施例では、2×8光カプラ18〜18の幾つかが1×8光カプラであるか、冗長用光ファイバ24〜24の幾つかが、配線されていない場合にも、本発明は適用可能である。
図11は、冗長用光ファイバ24,24が未配線の場合の構成例を示す。この場合、2×8光カプラ18又は同18のアクセス区間の障害に対して、配下のONU12〜12又は12〜1216を救済できる。
(その他)
4分岐の光カプラと8分岐の光カプラからなる2段構成の32分岐を例に説明したが、本発明は、2×32分岐の1段構成、及び8分岐×8分岐の2段構成の64分岐にも適用できる。例えば、1段目を1×8光カプラとして、2段目に8つの2×8光カプラを配置する。
光伝送路上のビットレートは特に限定されない。例えば、IEEE802.3のEPON、ITU-T G.984のGPON、現在標準化中の10GE-PONに適用可能であり、より一般的には、「下り信号がなければONUは光信号を発しない」という条件を満たす、あらゆるPONシステムに適用可能である。
特定の説明用の実施例を参照して本発明を説明したが、特許請求の範囲に規定される本発明の技術的範囲を逸脱しないで、上述の実施例に種々の変更・修整を施しうることは、本発明の属する分野の技術者にとって自明であり、このような変更・修整も本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の一実施例の概略構成ブロック図を示す。 制御装置38によるポート切替え装置36の制御フローチャートを示す。 ポート切替え装置36の一例の概略構成ブロック図を示す。 ポート切替え装置36としてマトリクス光スイッチを使用する構成例の概略構成図を示す。 ミラー52が反射状態になっている場合に、冗長用光ファイバ24と予備OLT30Pが光学的に結合した状態を示す。 光スイッチ42〜42の代わりに10:1光カプラを使用するポート切替え装置36の別の構成例を示す。 パワー計測を簡略化した場合のポート切替え装置36の構成例を示す。 ポート切替え装置36の更に別の構成例の概略構成図を示す。 3段構成の光伝送路14の構成例を示す。 M系統のPONシステムに対してN個の予備OLTを用意した冗長構成の概略構成ブロック図を示す。 一部の冗長用光ファイバが未配線の場合の構成例を示す。 32台のONUを収容する従来のPONシステムの概略構成図である。 図12に示すPONシステムを冗長化したシステムの構成図である。
符号の説明
10:センター局
12〜1232:ONU
14:光伝送路
16:1×4光カプラ
18(18〜18):2×8光カプラ
20:幹線光ファイバ
22〜22:分岐光ファイバ
24〜24:冗長用光ファイバ
26〜2632:専用光ファイバ
30W:現用OLT
30P:予備OLT
32:L2(Layer 2)又はL3(Layer 3)のスイッチ
39:上位ネットワーク
34〜34:パワー計
36:ポート切替え装置
36a,36b:光スイッチ
38:制御装置
40:光スイッチ
42〜42:光スイッチ
44:光スイッチ
50〜58:ミラー
60:光スイッチ
62〜62:10:1光カプラ
64:光スイッチ
66:光スイッチ
68:パワー計
70:光スイッチ
72:光スイッチ
74:光スイッチ
76:パワー計
78:光スイッチ
130W〜130W:現用OLT
130P〜130P:予備OLT
136:ポート切替え装置
138:制御装置

Claims (2)

  1. センター局に配置される現用OLT及び予備OLTと、
    ユーザ宅に配置される複数のONUと、
    当該センター局と当該複数のONUを光学的に接続する光伝送路であって、
    当該センター局側に2つの上位ポートを具備し、当該ONU側に複数の下位ポートを具備する1以上の光カプラを当該光伝送路のアクセス区間とドロップ区間の境界に有する光伝送路と、
    当該1以上の各光カプラの当該上位ポートの一方と当該センター局とを光学的に接続する冗長用光ファイバと、
    当該センター局に配置され、当該光伝送路の当該センター局との接続点及び当該冗長用光ファイバの一方を当該予備OLTに切替え可能なポート切替え装置と、
    当該アクセス区間の障害に対し、当該冗長用光ファイバを当該予備OLTに接続するように当該ポート切替え装置を制御する制御装置
    とを具備することを特徴とする光伝送システム。
  2. 更に、当該センター局に配置され、当該冗長用光ファイバからの上り光をモニタするパワー計を具備し、
    当該制御装置は、当該パワー計の計測結果が所定値以下の場合に、当該ポート切替え装置に当該冗長用光ファイバを当該予備OLTに接続させ、当該冗長用光ファイバを介した通信が可能かどうかにより当該アクセス区間の障害か否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光伝送システム。
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